説明

マウス操作支援プログラムと記録媒体とマウス操作支援装置とマウス操作支援方法

【課題】 ドラッグアンドドロップ操作を繰り返すときや長い距離をドラッグするときに指に負担をかけない。
【解決手段】 表示装置31に、所定の操作画面30を表示する表示制御手段52と、操作画面30上でカーソル13の現在位置を検出する位置検出手段53と、操作画面30中に含まれる第1の領域10にカーソル13が存在し、マウス36のクリックイベントが発生したら、カーソル13で指定されたオブジェクトをドラッグ処理の対象として保持し、マウス36のクリックボタン解放後も前記保持状態を維持する第1制御手段54と、第2の領域20にカーソル13が存在して、マウス36のクリックイベントが発生したら、オブジェクトをドロップ処理して、保持状態を終了する第2制御手段55とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マウスによりオブジェクトを指定してドラッグアンドドロップ処理等を行う際の操作性を向上させた、マウス操作支援装置とマウス操作支援プログラムとマウス操作支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータでは、マウスを使ってディスプレイに表示されたカーソルを操作することにより、様々な処理ができる。例えば、ファイルのアイコンを指定して、マウスのボタンを押し下げたまま目的とするフォルダまでカーソルを移動してボタンから指を離すと、そのファイルを別のフォルダに移すことができる。この操作をドラッグアンドドロップ処理と呼び、様々なアプリケーションプログラムに多用されている。また、その操作を機械的に補助するような構造のマウスや、操作を支援するプログラムも開発されている(特許文献1、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2002−236555号公報
【特許文献2】特開2000−293464号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここで、従来のマウス操作支援装置には、次のような解決すべき課題があった。
ディスプレイの画面上に散在する多数のオブジェクトを一つ一つ選別して特定の場所まで移動させる作業を、ドラッグアンドドロップ処理で行おうとすると、マウスを操作する指に大きな負担がかかることがある。また、例えばマルチウィンドウ機能を利用して広い画面上でオブジェクトを広範囲に移動させても、マウスのボタンを押し続ける指に大きな負担がかかる。操作中に指が震えて誤って指を離してしまうと、操作が不成功に終わり、誤った処理が実行されて元の状態に戻すのに苦労することもある。
本発明は以上の課題を解決するためになされたもので、マウスによりオブジェクトを指定してドラッグアンドドロップ処理等を行う際の操作性を向上させた、マウス操作支援プログラムと記録媒体とマウス操作支援装置とマウス操作支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の各実施例においては、それぞれ次のような構成により上記の課題を解決する。
〈構成1〉コンピュータを、表示装置に、所定の操作画面を表示する表示制御手段と、上記操作画面上でカーソルの現在位置を検出する位置検出手段と、上記位置検出手段の出力を受け入れて、上記操作画面中に含まれる第1の領域に上記カーソルが存在するかどうかを判定し、当該カーソルが存在すると判定したときに、マウスのクリックイベントが発生したら、当該クリックイベント発生時に上記カーソルで指定されたオブジェクトをドラッグ処理の対象とし、保持状態を開始するとともに、上記マウスのクリックボタン解放後も上記保持状態を維持する第1制御手段と、上記操作画面中に含まれる第2の領域に上記カーソルが存在するかどうかを判定し、当該カーソルが存在すると判定したときに、マウスのクリックイベントが発生したら、当該クリックイベント発生時に、上記ドラッグ処理の対象としたオブジェクトを、上記カーソルで指定された場所にドロップ処理して、保持状態を終了する第2制御手段、として機能させることを特徴とするマウス操作支援プログラム。
【0005】
操作画面上の第1の領域にあるオブジェクト上でマウスをクリックすると、そのオブジェクトをドラッグ処理の対象にして、クリックボタンを解放しても保持状態を維持する。さらに、第2の領域の指定場所でマウスをクリックするだけで、任意の場所にドロップ処理ができるので操作性が良い。従って、ドラッグアンドドロップ操作を繰り返すときや、長い距離をドラッグするとき、指に負担をかけない。また、第2領域以外の場所にドロップ処理がされるのも防止できる。
【0006】
〈構成2〉構成1に記載のマウス操作支援プログラムにおいて、上記第1制御手段は、上記オブジェクトの保持状態の開始とともに、当該オブジェクトのシンボルを当該カーソルの近傍に当該カーソルとともに表示し、もしくは、上記シンボルを当該カーソルに代えて当該カーソルの表示位置に表示し、上記第2制御手段は、上記保持状態の終了とともに、上記シンボルの表示を終了することを特徴とするマウス操作支援プログラム。
【0007】
カーソルの近傍にそのカーソルとともに、あるいは、カーソルに代えて、オブジェクトのシンボルが表示されるので、オペレータは、保持状態が維持されていることを視覚的に認識できる。
【0008】
〈構成3〉構成1または2に記載のマウス操作支援プログラムにおいて、上記第2制御手段は、上記操作画面中に含まれる第2の領域に上記カーソルが存在するかどうかを判定し、当該カーソルが存在すると判定したときに、上記カーソルで指定された場所に、上記ドラッグ処理の対象としたオブジェクトをドロップ処理したときの適否判断結果を、マウスのクリックイベント発生前に表示出力することを特徴とするマウス操作支援プログラム。
【0009】
オブジェクトをドロップ処理する直前に、当該オブジェクトをドロップ処理したときの適否判断結果を予測演算処理して表示出力するので、不適切なドロップ処理を未然に防止することができる。
【0010】
〈構成4〉構成1または2に記載のマウス操作支援プログラムにおいて、上記第2制御手段は、上記ドラッグ処理の対象としたオブジェクトをドロップ処理することが不適切と判断されたときは、上記マウスのクリックイベント発生後であって、上記ドロップ処理の前もしくは後に、自動的にもしくは当該ドロップ処理の取り消し要求に従って、上記ドロップ処理以前の状態に戻す復旧処理を実行することを特徴とするマウス操作支援プログラム。
【0011】
ドロップ処理したときの適否判断結果が表示出力されていても、あるいは全く表示が無くて、誤ってドロップ処理をしたときは、自動的にあるいは取り消し要求に従って復旧できる。従って、ドラッグアンドドロップ操作を頻繁に繰り返すような作業を安心して進めることができる。
【0012】
〈構成5〉構成1または2に記載のマウス操作支援プログラムにおいて、上記第2制御手段は、上記操作画面中に含まれる第2の領域に上記カーソルが存在するかどうかを判定し、当該カーソルが存在すると判定したときに、上記カーソルで指定された場所に、上記ドラッグ処理の対象としたオブジェクトをドロップ処理することが不適切と判断されると、上記マウスのクリックイベント発生後のドロップ処理を拒絶することを特徴とするマウス操作支援プログラム。
【0013】
オブジェクトをドロップ処理したときの適否判断結果を予測演算処理して、その結果が明らかに不適切と判断される場合には、コンピュータによりドロップ処理が拒絶されるので、操作の誤りや無駄な操作のやり直しを防止できる。
【0014】
〈構成6〉構成3乃至5のいずれかに記載のマウス操作支援プログラムにおいて、上記第2制御手段は、上記カーソルに指定された場所により特定される条件データと上記オブジェクトの有する条件データとを所定のマッチング基準に従って比較して予測演算処理を実行することを特徴とするマウス操作支援プログラム。
【0015】
コンピュータが、カーソルで指定された場所により特定される条件データとオブジェクトの有する条件データとを所定のマッチング基準に従って比較して予測演算処理をするので、ドラッグアンドドロップ操作による各種の作業の能率を高めることができる。また、マッチング条件が複雑な場合に、オペレータの判断負荷が軽減される。
【0016】
〈構成7〉コンピュータを、表示装置に、所定の操作画面を表示する表示制御手段と、上記操作画面上でカーソルの現在位置を検出する位置検出手段と、上記位置検出手段の出力を受け入れて、上記操作画面中に含まれる第1の領域に上記カーソルが存在するかどうかを判定し、当該カーソルが存在すると判定したときに、マウスのクリックイベントが発生したら、当該クリックイベント発生時に上記カーソルで指定されたオブジェクトをドラッグ処理の対象とし、保持状態を開始するとともに、上記マウスのクリックボタン解放後も上記保持状態を維持する第1制御手段と、上記操作画面中に含まれる第2の領域に上記カーソルが存在するかどうかを判定し、当該カーソルが存在すると判定したときに、マウスのクリックイベントが発生したら、当該クリックイベント発生時に、上記ドラッグ処理の対象としたオブジェクトを、上記カーソルで指定された場所にドロップ処理して、保持状態を終了する第2制御手段、として機能させるマウス操作支援プログラムを記録した、コンピュータにより読み取り可能な記録媒体。
【0017】
〈構成8〉表示装置に、所定の操作画面を表示する表示制御手段と、上記操作画面上でカーソルの現在位置を検出する位置検出手段と、上記位置検出手段の出力を受け入れて、上記操作画面中に含まれる第1の領域に上記カーソルが存在するかどうかを判定し、当該カーソルが存在すると判定したときに、マウスのクリックイベントが発生したら、当該クリックイベント発生時に上記カーソルで指定されたオブジェクトをドラッグ処理の対象とし、保持状態を開始するとともに、上記マウスのクリックボタン解放後も上記保持状態を維持する第1制御手段と、上記操作画面中に含まれる第2の領域に上記カーソルが存在するかどうかを判定し、当該カーソルが存在すると判定したときに、マウスのクリックイベントが発生したら、当該クリックイベント発生時に、上記ドラッグ処理の対象としたオブジェクトを、上記カーソルで指定された場所にドロップ処理して、上記保持状態を終了する第2制御手段とを備えたことを特徴とするマウス操作支援装置。
【0018】
〈構成9〉表示装置が、所定の操作画面を表示する表示制御ステップと、位置検出手段が、上記操作画面上でカーソルの現在位置を検出する位置検出ステップと、第1制御手段が、上記位置検出ステップの出力を受け入れて、上記操作画面中に含まれる第1の領域に上記カーソルが存在するかどうかを判定し、当該カーソルが存在すると判定したときに、マウスのクリックイベントが発生したら、当該クリックイベント発生時に上記カーソルで指定されたオブジェクトをドラッグ処理の対象とし、保持状態を開始するとともに、上記マウスのクリックボタン解放後も上記保持状態を維持する第1制御ステップと、第2制御手段が、上記操作画面中に含まれる第2の領域に上記カーソルが存在するかどうかを判定し、当該カーソルが存在すると判定したときに、マウスのクリックイベントが発生したら、当該クリックイベント発生時に、上記ドラッグ処理の対象としたオブジェクトを、上記カーソルで指定された場所にドロップ処理して、保持状態を終了する第2制御ステップ、とを含むマウス操作支援方法。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明では、カーソルを、ディスプレイの画面上の特定の領域に移動させて、その領域中のオブジェクトをクリックして指定すると、自動的に特殊な保持状態となる。この特殊な保持状態では、マウスのボタンを押す指を離しても、ドラッグ中のような状態が維持される。カーソル移動中は、例えば、オブジェクトのシンボルをカーソルのそばに表示させて保持状態であることを確認できる。カーソルをあらかじめ指定された別の領域に移動し、所定の場所でマウスをクリックすると、その場所にオブジェクトのドロップ処理が実行される。以下、本発明の実施の形態を実施例ごとに詳細に説明する。
【実施例1】
【0020】
図1は、実施例1のマウス操作支援装置を示すブロック図である。
図1に示す装置は、表示装置31と記憶装置32と演算処理装置33とを備える。表示装置31は、コンピュータのディスプレイなどから構成され、操作画面30を表示する。表示装置31の種類も表示方法も任意である。操作画面30は、マウス操作支援機能を持つアプリケーションプログラムにより表示制御される。その操作画面30中には、あとで説明する、第1の領域10や第2の領域20が含まれている。マウス36は既知の構造のもので、カーソル13の表示位置を制御し、ボタン37の操作によりアプリケーションの起動指示等を入力できる。マウスインタフェース34は、マウス36によるボタン37等の操作による、カーソル13の表示位置移動制御情報やクリックイベント情報を、演算処理装置33に伝える機能を持つ。
【0021】
記憶装置32には、ヘルパーデータベース41と利用者登録リスト42と操作画面データ43と第1の領域座標44と第2の領域座標45とオブジェクトバッファメモリ46とが記憶されている。この実施例1では、操作画面データ43の内容を操作画面30として表示する。操作画面30中の第1の領域10には、ヘルパーデータベース41から抽出されたデータが表示され、第2の領域20には、利用者登録リスト42から抽出されたデータとヘルパー及び利用者のマッチング結果を示すデータが表示される。
【0022】
第1の領域座標44は、操作画面30の中に含まれる第1の領域10が他の領域と区別できるように、領域の境界の座標値を記憶したデータである。第2の領域座標45は、第2の領域20が他の領域と区別できるように、領域の境界の座標値を記憶したデータである。オブジェクトバッファメモリ46は、オブジェクトをドラッグ処理の対象とし、保持状態を開始する時、オブジェクトの様々なファイルや属性データを一時的に記憶しておくための記憶領域である。
【0023】
演算処理装置33は、インストールされた様々なコンピュータプログラムにより所定の処理を実行する。この中にはCPUやメモリ等が含まれるが、その図示を省略した。図1の演算処理装置33の内部に表示された各手段は、いずれもコンピュータに所定の処理を実行させるコンピュータプログラムである。
【0024】
マッチング判定手段51は、ドロップ処理が実行された時に、カーソルに指定された場所から特定される条件データと、オブジェクトの有する条件データとを、所定のマッチング基準に従って比較して、オブジェクトをドロップ処理したときの予測演算処理を実行する機能を持つ。これによってドラッグ処理の対象としたオブジェクトを指定された場所にドロップ処理することが適切かどうかを判断することができる。表示制御手段52は、記憶装置32から操作画面データ43を読み出して、表示装置31に表示する機能を持つ。また、マウス36の操作により表示装置31上でカーソル13を該当する場所に表示する機能を持つ。さらに、後で説明するように、オブジェクトのシンボルなどを表示制御する機能を持つ。
【0025】
位置検出手段53は、マウス36で操作されるカーソル13の操作画面30上の位置を検出する機能を持つ。この検出結果は座標値である。表示装置31の表示画面中の絶対的な位置座標でもよいし、操作画面30中のカーソル13が存在する部分の相対位置座標でもよい。最終的にこのデータは、カーソル13によってどのオブジェクトが指定されたか、どの場所をドロップ場所に指定したかという判定に使用される。
【0026】
第1制御手段54は、位置検出手段53によりカーソルの現在位置が検出されると、その出力を受け入れて、操作画面30に含まれる第1の領域10にカーソル13が存在するかどうかを判定する機能を持つ。さらに、カーソル13が存在すると判定した時には、マウス36のクリックイベントを待ち、クリックイベントが発生した時、カーソル13で指定されたオブジェクトをドラッグ処理の対象とする機能を持つ。ドラッグ処理の対象とする場合には、オブジェクトに関連するデータをオブジェクトバッファメモリ46に記憶して保持する。この保持状態が開始されると、マウス36のクリックボタン開放後も保持状態が維持される。
【0027】
第2制御手段55は、操作画面30中に含まれる第2の領域20にカーソル13が存在するかどうかを判定する機能を持つ。さらに、カーソル13が存在すると判定した時、マウス36のクリックイベントが発生したらドラッグ処理の対象としたオブジェクトをカーソル13で指定された場所にドロップ処理する機能を持つ。ドロップ処理後はオブジェクトの保持状態を終了する。
【0028】
クリックイベント検出手段56は、マウス36のクリックイベントを検出し、これを第1制御手段54や第2制御手段55に通知する機能を持つ。ドラッグ処理手段57は、第1制御手段54の動作を補助して、オブジェクトをオブジェクトバッファメモリ46に記憶させて、ドロップ処理手段58に保持状態を通知する機能を持つ。ドロップ処理手段58は、第2制御手段55の動作を補助し、オブジェクトをカーソル13により指定された場所にドロップ処理する時に、オブジェクトをバッファメモリ46から読み出し、既知のドロップ処理を実行する機能を持つ。ドラッグリカバリ手段59は、ドロップ処理手段58がドロップ処理をした後に、そのドロップ処理をする前の状態に戻す要求があった時、その要求を満たすように復旧処理を実行する機能を持つ。また復旧処理に必要なデータを予め保持しておく機能を持つ。
【0029】
図2は、本発明の装置の具体的な操作方法を説明する説明図である。
図2(a)は、第1の領域10の例を示す。これは、利用者登録リスト42(図1)から抽出されたデータの一部を表示するもので、利用者の氏名12と介護希望時間と住所を含んでいる。図2の太枠内が第1の領域10である。カーソル13をマウス36を操作して移動し、氏名12の上でマウス36のボタン37(図1)をクリックすると、この氏名12と属性データとが、ドラッグ処理の対象、即ち、オブジェクトになる。
【0030】
オブジェクトには、氏名12だけでなく、介護希望時間や住所、その他の様々な属性データがドラッグアンドドロップ処理の対象になり、これらが、オブジェクトバッファメモリ46(図1)に一時記憶される。なお、図2(b)に示すように、利用者の氏名12をクリックすると、この氏名21の内容がシンボル14としてカーソル13のすぐ右側に表示される。これにより、オブジェクトの保持状態が開始されたことを表示する。この状態でマウス36(図1)を操作し、カーソル13を移動させると、シンボル14がカーソル13とともに移動する。
【0031】
この状態に移行するのは、第1の領域10上にカーソル13を移動し、さらに、ドラッグ処理の対象となるべきオブジェクトの上にカーソル13を移動してマウスをクリックした場合に限られる。従って、例えば、他の領域の希望時間や住所の部分をクリックしたとしても、保持動作は開始されない。従って、ドラッグアンドドロップ処理の対象となるオブジェクトを誤りなく確実に指定することができる。
【0032】
保持状態が開始された後、図2(c)に示すように、カーソル13を第2の領域20の上に移動する。この図には、2004年9月5日に就業できるヘルパーのリストが顔写真25とともに表示されている。太枠で示した第2の領域20は、ドラッグアンドドロップ処理により利用者を割り付けることができる時間枠である。この状態では、5日の日曜日の割り付けのみが許されている。ハッチングを付した部分は、各ヘルパーが就業を希望しない時間帯である。
【0033】
例えば、図2(c)に示す枠22の上にカーソル13を移動してマウスをクリックすると、5日の日曜日の朝6時〜8時に、ヘルパーの山本京子さんが、鈴木花子さんの介護に向かうように、割付けが行なわれる。もし、山本京子さんの枠22の部分に他の利用者が既に割り付けてあるとマッチング条件が満たされない。枠22の部分が空いていれば、マッチング条件を満たすから、オブジェクトバッファメモリ46に保持したオブジェクトを枠22の部分にドロップできる。第2の領域20以外の部分ではドロップ処理は拒絶されるから、操作ミスを防止できる。
【0034】
図3は、ヘルパーデータベース41の内容と利用者登録リスト42の内容とマッチング方法の説明図である。
図3(a)に示すように、ヘルパーデータベース41は、ヘルパー名61とマッチング条件62を含んでいる。A1〜A4はマッチング条件を区別する符号である。その右側には、マッチング条件名63とその内容64が表示されている。マッチング条件は具体的には、就業時間や住所や資格などである。
【0035】
図3(b)に示すように、利用者登録リスト42は、利用者名71とマッチング条件72を含んでいる。B1〜B6はマッチング条件を区別する符号である。その右側には、マッチング条件名73とその内容74が表示されている。マッチング条件は具体的には、介護希望時間や住所や年齢、性別、サービス内容などである。
【0036】
ヘルパーデータベース41に含まれたあるヘルパーが利用者登録リスト42に含まれたある利用者の介護を行うには、条件62と条件72とのマッチングが必要になる。図3(c)に示すように、例えば、ヘルパーデータベース41のA1という条件と、利用者登録リスト42のB1という条件を比較する。その比較の結果をC1とする。例えば、ヘルパーの就業希望時間と利用者の介護希望時間に共通部分が無い場合には、結果C1はNGとなる。
【0037】
利用者の介護希望時間内にヘルパーの就業時間があれば、結果C1はOKとなる。次に、A2とB2の条件比較を行う。例えば、ヘルパーの住所が利用者の住所よりも一定以上遠い場所にあるような場合には、マッチングの結果はNGとなる。さらに、ヘルパーの資格が介護者の要求するサービス内容とマッチしていない場合には、結果C3がNGとなる。この他にも、マッチング条件には様々なものがある。こうした条件を比較して、マッチング結果をコンピュータが判断する。
【0038】
例えば、ドラッグ処理の対象としたオブジェクトをドロップ処理したときの適否判断結果を予測演算処理して表示出力する。オペレータはその表示内容を見て、的確な割付け操作をすることができる。例えば、一部のマッチング条件が満たされなくても、その条件を強制的に変更して、ドラッグアンドドロップ処理を成立させることもできる。こうしたマッチング処理の結果をコンピュータに自動的に判断させることによって、オペレータの負担が大きく軽減される。
【0039】
上記の第1の領域と第2の領域との間でのドラッグアンドドロップ制御については、マウスを操作する指の負担を軽くする。また、第1の領域でオブジェクトを指定したら第2の領域以外ではドロップ処理がされないので、ドロップ処理の誤りを防止できる。従って、オペレータの負担が軽減され、初心者でも操作が容易になる。例えば、ウエブ上で取引をするショッピングサイトでは、商品を買い物籠に入れるという操作に、ドラッグ&ドロップ処理が要求される。この場合に、オブジェクトのシンボルも買い物籠のシンボルも小さくて、操作ミスも生じる。これに本発明のような制御を採用すると、操作が容易で操作ミスを防止することが可能になる。
【0040】
上記の例において、表示装置は操作画面を表示できるものであれば何でも構わない。操作画面は、いわゆるGUI(グラフィックユーザインタフェース)で、任意のアプリケーションにより起動される。カーソルはマウスにより上記操作画面上でその表示位置を制御される。また、第1の領域も第2の領域も、物理的に独立した1つの領域である必要はない。それぞれ複数あって構わないし、互いに入り組んだり重なり合っていて構わない。オブジェクトのシンボルは、カーソルの近傍に当該カーソルとともに表示してもよいし、当該カーソルに代えて当該カーソルの表示位置にシンボルを表示してもよい。カーソルの現在位置は、表示手段上の物理的な位置座標である。
【0041】
マウスのクリックイベントというのは、マウスのボタンを押して離す、いわゆるワンクリック操作をしたときにオペレーティングシステムに検出されるイベントのことである。この検出タイミングは、マウスのボタンを押したときでも離したときでも構わない。従来のドラッグアンドドロップ処理では、マウスのボタンを押したとき検出されるイベントとマウスのボタンを離したとき検出されるイベントとを区別して取り扱い、マウスのボタンを押し続ける操作を要求したが、この実施例では指の負担を軽くするために、少なくともクリックイベントの後は指をマウスから離して構わない。
【0042】
カーソルの表示位置の位置座標と操作画面の構成とを照合して、オブジェクトや、ドロップ処理をすべき場所を特定する。第1の領域で指定されるオブジェクトは、例えば、任意の数のデータファイルや関数等、ドラッグアンドドロップ処理の対象となるあらゆるデータでよい。オブジェクトの保持状態では、これらのデータが一括してオブジェクトバッファメモリに一時記憶される。また、第2の領域で指定される場所は、例えば、テキストボックス、リストボックス等のデータ格納場所でもよいし、コマンドボタン等の演算処理起動スイッチでもよい。
【0043】
ドロップ処理では、例えば、保持されたデータが特定のフォルダに格納され、所定の演算処理が実行され、特定のデータベースが更新されるといった一連の処理を自動的に実行することもできる。このような複雑なドロップ処理の結果を予測演算してその結果を表示できれば、十分にオペレータの判断作業を軽減できる。
【実施例2】
【0044】
図4は、マウス操作支援プログラムの動作フローチャートである。
まず、操作の開始に当たって、ステップS11で、図1に示した表示装置31に、操作画面30を表示する。この処理は、表示制御手段52が記憶装置32に記憶された操作画面データ43を読み出して行う。ステップS12では、カーソル13の現在位置を検出する。この処理は、位置検出手段53が実行する。その結果は、第1制御手段54に通知される。ステップS13では、第1の領域10にカーソル13が存在するかどうかという判断をする。
【0045】
この判断の結果がイエスの時は、次のステップS14の処理に移行し、ノーの時はステップS12の処理に戻る。この処理は、第1制御手段54が実行する。次に、ステップS14で、マウスのクリックイベントが発生したかどうかを判断する。すなわち、マウス36のボタン37が押されると、マウスインタフェース34を通じてその信号がクリックイベント検出手段56により検出されて、第1制御手段54に転送される。カーソルが移動しても、クリックイベントが発生しない場合には、ステップS12に戻り、ステップS12からステップS14の処理が繰り返される。
【0046】
ステップS14の判断結果がイエスの時は、ステップS15の処理に移行する。ステップS15では、カーソルの現在位置を検出する。位置検出手段53がこの処理を実行し、第1制御手段54にその結果を伝える。ステップS16では、カーソルの現在位置により指定されたオブジェクトは何かという判定をする。第1制御手段54は、操作画面30に含まれるオブジェクトの位置を演算処理し、これによってカーソルでどのオブジェクトが指定されたかを判断する。
【0047】
第1の領域10の内部にあるドラッグ対象として可能なオブジェクトが指定された場合には、ステップS17で、第1制御手段54の要求により、ドラッグ処理手段57は、そのオブジェクトや属性データなどをオブジェクトバッファメモリ46に記憶させ、オブジェクトを保持する。すなわち、これにより保持状態が開始される。その後、ステップS18に進み、カーソル13の現在位置検出をする。ステップS17でドラッグ処理の対象が保持され、その後、ドロップ先の入力を待つ。オブジェクトをオブジェクトバッファメモリ46に保持した後は、第2制御手段55が起動して処理を制御する。この時点で、カーソル13を第2の領域20の方向に移動する。この状態を位置検出手段53が常に監視する。
【0048】
第2制御手段55は、位置検出手段53の出力を受け入れて、ステップS19で第2の領域にカーソルが存在するかどうかという判定をする。第2の領域にカーソル13が達した場合には、ステップS20に進む。それ以外の場合には、ステップS18に戻り、カーソル13の位置検出を繰り返す。ステップS20ではマウスのクリックイベントが発生したかどうかを判断する。クリックイベントが発生しない場合には、ステップS18に戻って、カーソル13の位置監視を繰り返す。
【0049】
マウスのクリックイベントが発生した場合には、クリックイベント検出手段56から、第2制御手段55に通知がされ、ステップS20からステップS21の処理に移行する。ステップS21では、カーソル13の現在位置を再度検出する。そして、ステップS22でカーソル13により指定された場所の判定をする。次に、ステップS23で、第2制御手段55の制御により、ドロップ処理手段58は、この場所にオブジェクトバッファメモリ46に保持したオブジェクトのドロップ処理を実行する。最後に、ステップS24で、オブジェクトバッファメモリ46の内容を開放し、保持状態を終了する。
【実施例3】
【0050】
図5は、シンボル表示制御の実施例を示すフローチャートである。
上記の実施例で、保持状態が開始されてから保持状態が終了するまでは、特殊なドラッグモードが継続している。この実施例では、この状態をオペレータに伝える例を含んでいる。図5において、まず、ステップS31において、第1制御手段54は保持状態が開始されたかどうかという判断をする。保持状態が開始されていない場合には、開始まで待機する。
【0051】
保持状態が開始されると、ステップS32で第1制御手段54は、オブジェクトのシンボルイメージを取得する。このシンボルイメージは、例えば、オブジェクトバッファメモリ46の中に属性データとして記憶されているとよい。次に、位置検出手段53が、ステップS33でカーソル13の現在位置を検出する。ステップS34では、カーソル13の現在位置から右方向に所定の距離だけシフトした表示位置座標を演算する。ステップS35では、第1制御手段54が表示制御手段52に対して、シンボルイメージと表示位置座標を渡し、表示制御手段52は、シンボルをその表示位置座標に表示する。
【0052】
その後は第1制御手段54から第2制御手段55に制御が渡される。そして、ステップS36で第2制御手段55が保持状態を終了させるまで、シンボルイメージが表示され続ける。保持状態が終了した場合には、ステップS36からステップS37に移行して、第2制御手段55が表示制御手段52に通知をし、シンボルイメージの表示を停止させる。以上のようにして、保持状態を維持している限り、カーソル13の横にシンボル14を表示してこの状態をオペレータに知らせるよう動作する。なお、シンボルイメージがカーソルの代用になる場合はカーソルを消してカーソルの代わりにシンボルイメージを表示しても構わない。このときは、ステップS34は不要になり、シンボルイメージの表示位置座標はカーソルの現在位置座標となる。
【実施例4】
【0053】
図6は、ドロップ適否判断予測演算処理動作のフローチャートである。
ここでは、第2制御手段55が、マウスをクリックする前にドロップ適否判断の予測演算処理をして、その結果の表示出力をする動作を説明する。まず、ステップS41でカーソル13の現在位置検出をする。位置検出手段53の検出結果は、第2制御手段55に通知される。そして、ステップS42では、第2の領域20にカーソル13が存在するかどうかの判断をする。この判断の結果がイエスの時は、ステップS43の処理に進み、ノーの時は、ステップS41に戻る。
【0054】
ステップS43では、カーソルで指定された場所を判定する。次に、ステップS44で、ドロップ処理の適否判断をする。すなわち、第2制御手段55は、ドロップ処理手段58に依頼して、ドロップ処理の結果の予測演算処理を実行させる。オブジェクトバッファメモリ46に記憶されたオブジェクトの条件データとカーソルで指定された場所により特定される条件データとを所定のマッチング基準に従って比較して演算処理をする。この判断は図2や図3で説明したようにして行う。
【0055】
そして、その結果が一定の基準を満たす場合には、ドロップ処理が適切であると判断し、それ以外の場合には不適切であると判断する。ステップS45では、その結果を表示出力する。例えば、ポップアップメッセージで、ここにはドロップできません、という表示をする。また、音声メッセージなどでその結果をオペレータに伝えるようにしても構わない。なお、オペレータはこの判断結果を見て、マウスをクリックする前にドロップ処理を止めることができる。もちろん、その判断結果を詳細に検討し、例えば、条件データを一部変更してからドロップ処理を実行させることもできる。
【0056】
以上のように、この実施例では、カーソルで指定された場所に、ドラッグ処理の対象としたオブジェクトをドロップ処理したときの適否判断結果を予測して、マウスのクリックイベント発生前に表示出力するようにした。しかしながら、オブジェクトをドロップ処理することが不適切と判断されると、マウスのクリックイベント発生後のドロップ処理を自動的に拒絶するようなオプションを設けることもできる。この場合は、例えば、図6のステップS46のように、一時的にドロップ処理を禁止するとよい。
【実施例5】
【0057】
図7は、誤ってドロップ処理をしてしまった場合の実施例動作を説明するフローチャートである。
以下の制御は第2制御手段55の制御による。まず、ステップS51で、位置検出手段53がカーソルの現在位置検出をする。ステップS52では、第2制御手段55が第2の領域にカーソルが存在するかどうかの判断をする。この結果がイエスの時はステップS53に進み、ノーの時はステップS51に戻る。ステップS53では、マウスのクリックイベントが発生したかどうかを監視する。この結果がイエスの時は、ステップS54に進み、ノーの時は、ステップS51に戻る。ステップS54では、カーソルの現在位置検出をする。そして、ステップS55で、カーソルで指定された場所の判定をする。これによってドロップ場所を特定する。
【0058】
ステップS56では、既に説明した通りの要領でドロップ処理を実行し、その結果の適否判断をする。オブジェクトの構成が複雑な場合には、ドロップ処理を実行してみないと、結果の適否が予測できないものもある。従って、ここでは無条件でドロップ処理を実行してから、その適否判断をする。ステップS57では、不適切という判断結果が得られたかどうかの判断をする。もし、判断結果が不適切であれば、ステップS58に進む。適切であれば、ステップS63にジャンプして保持状態を終了する。
【0059】
ステップS58では、判断結果が不適切である旨の表示、即ち、ドロップ処理は誤りである旨の表示をし、オペレータに伝える。そして、ステップS59で、オペレータからドロップ処理の取り消し要求の入力があったかどうかを判断する。取り消し要求の入力はマウスを利用してもよいし、キーボードを利用しても構わない。取り消し要求があった時は、ステップS60に進む。取り消し要求がなかった時は、ステップS63にジャンプして保持状態を終了する。
【0060】
ステップS60では、取り消し要求に従って復旧処理を実行する。オブジェクトを所定の場所にドロップ処理したときは、様々な演算処理を実行し、データベースの書き換えなどをしてしまうことがある。これらをドロップ処理以前の状態に戻す演算処理を実行する。なお、オブジェクトバッファメモリ46にオブジェクトを記憶したままにしておき、復旧処理を容易にするとよい。ステップS61では全ての復旧処理が正常に完了したかどうかを判断する。正常に完了してれば、ステップS63に進む。また、正常に終了しなかった場合には、ステップS62に進み、その旨をオペレータに伝えるためのエラーメッセージを出力する。最後にステップS63で、保持状態を終了する。なお、復旧処理でドロップ処理直前の状態に戻すか、ドラッグ開始前の状態に戻すかは、オプションで選択できるようにしてもよい。
【0061】
以上のようにして、マウスのクリックイベント発生後であっても、ドロップ処理の前もしくは後に、自動的に、もしくはドロップ処理の取り消し要求に従って、ドロップ処理以前の状態に戻す復旧処理を実行する機能があれば、オペレータは、安心して自由に、要素の組み合わせ作業を試みることができる。
【0062】
なお、上記の演算処理装置で実行されるコンピュータプログラムは、機能ブロックで図示した単位でモジュール化されてもよいし、複数の機能ブロックを組み合わせて一体化されてもよい。また、上記のコンピュータプログラムは、既存のアプリケーションプログラムに組み込んで使用してもよい。本発明を実現するためのコンピュータプログラムは、例えばCD−ROMのようなコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して、任意の情報処理装置にインストールして利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】実施例1のマウス操作支援装置を示すブロック図。
【図2】同マウス操作支援装置の操作方法を説明する説明図。
【図3】ヘルパーデータと利用者登録リストとのマッチング説明図。
【図4】マウス操作支援プログラムの動作フローチャート。
【図5】シンボル表示制御の実施例を示すフローチャート。
【図6】ドロップ適否判断予測演算処理動作のフローチャート。
【図7】誤ってドロップ処理をした場合の動作フローチャート。
【符号の説明】
【0064】
10 第1の領域、20 第2の領域、13 カーソル、31 表示装置、30 操作画面、32 記憶装置、33 演算処理装置、34 マウスインタフェース、36 マウス、37 ボタン、41 ヘルパーデータベース、42 利用者登録リスト、43 操作画面データ、44 第1の領域座標、45 第2の領域座標、46 オブジェクトバッファメモリ、51 マッチング判定手段、52 表示制御手段、53 位置検出手段、54 第1制御手段、55 第2制御手段、56 クリックイベント検出手段、57 ドラッグ処理手段、58 ドロップ処理手段、59 ドラッグリカバリ手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
表示装置に、所定の操作画面を表示する表示制御手段と、
前記操作画面上でカーソルの現在位置を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段の出力を受け入れて、前記操作画面中に含まれる第1の領域に前記カーソルが存在するかどうかを判定し、当該カーソルが存在すると判定したときに、マウスのクリックイベントが発生したら、当該クリックイベント発生時に前記カーソルで指定されたオブジェクトをドラッグ処理の対象とし、保持状態を開始するとともに、前記マウスのクリックボタン解放後も前記保持状態を維持する第1制御手段と、
前記操作画面中に含まれる第2の領域に前記カーソルが存在するかどうかを判定し、当該カーソルが存在すると判定したときに、マウスのクリックイベントが発生したら、当該クリックイベント発生時に、前記ドラッグ処理の対象としたオブジェクトを、前記カーソルで指定された場所にドロップ処理して、保持状態を終了する第2制御手段、
として機能させることを特徴とするマウス操作支援プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のマウス操作支援プログラムにおいて、
前記第1制御手段は、
前記オブジェクトの保持状態の開始とともに、当該オブジェクトのシンボルを当該カーソルの近傍に当該カーソルとともに表示し、もしくは、前記シンボルを当該カーソルに代えて当該カーソルの表示位置に表示し、
前記第2制御手段は、
前記保持状態の終了とともに、前記シンボルの表示を終了することを特徴とするマウス操作支援プログラム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のマウス操作支援プログラムにおいて、
前記第2制御手段は、
前記操作画面中に含まれる第2の領域に前記カーソルが存在するかどうかを判定し、当該カーソルが存在すると判定したときに、前記カーソルで指定された場所に、前記ドラッグ処理の対象としたオブジェクトをドロップ処理したときの適否判断結果を、マウスのクリックイベント発生前に表示出力することを特徴とするマウス操作支援プログラム。
【請求項4】
請求項1または2に記載のマウス操作支援プログラムにおいて、
前記第2制御手段は、
前記ドラッグ処理の対象としたオブジェクトをドロップ処理することが不適切と判断されたときは、
前記マウスのクリックイベント発生後であって、前記ドロップ処理の前もしくは後に、自動的にもしくは当該ドロップ処理の取り消し要求に従って、前記ドロップ処理以前の状態に戻す復旧処理を実行することを特徴とするマウス操作支援プログラム。
【請求項5】
請求項1または2に記載のマウス操作支援プログラムにおいて、
前記第2制御手段は、
前記操作画面中に含まれる第2の領域に前記カーソルが存在するかどうかを判定し、当該カーソルが存在すると判定したときに、前記カーソルで指定された場所に、前記ドラッグ処理の対象としたオブジェクトをドロップ処理することが不適切と判断されると、前記マウスのクリックイベント発生後のドロップ処理を拒絶することを特徴とするマウス操作支援プログラム。
【請求項6】
請求項3乃至5のいずれかに記載のマウス操作支援プログラムにおいて、
前記第2制御手段は、
前記カーソルに指定された場所により特定される条件データと前記オブジェクトの有する条件データとを所定のマッチング基準に従って比較して予測演算処理を実行することを特徴とするマウス操作支援プログラム。
【請求項7】
コンピュータを、
表示装置に、所定の操作画面を表示する表示制御手段と、
前記操作画面上でカーソルの現在位置を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段の出力を受け入れて、前記操作画面中に含まれる第1の領域に前記カーソルが存在するかどうかを判定し、当該カーソルが存在すると判定したときに、マウスのクリックイベントが発生したら、当該クリックイベント発生時に前記カーソルで指定されたオブジェクトをドラッグ処理の対象とし、保持状態を開始するとともに、前記マウスのクリックボタン解放後も前記保持状態を維持する第1制御手段と、
前記操作画面中に含まれる第2の領域に前記カーソルが存在するかどうかを判定し、当該カーソルが存在すると判定したときに、マウスのクリックイベントが発生したら、当該クリックイベント発生時に、前記ドラッグ処理の対象としたオブジェクトを、前記カーソルで指定された場所にドロップ処理して、保持状態を終了する第2制御手段、
として機能させるマウス操作支援プログラムを記録した、コンピュータにより読み取り可能な記録媒体。
【請求項8】
表示装置に、所定の操作画面を表示する表示制御手段と、
前記操作画面上でカーソルの現在位置を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段の出力を受け入れて、前記操作画面中に含まれる第1の領域に前記カーソルが存在するかどうかを判定し、当該カーソルが存在すると判定したときに、マウスのクリックイベントが発生したら、当該クリックイベント発生時に前記カーソルで指定されたオブジェクトをドラッグ処理の対象とし、保持状態を開始するとともに、前記マウスのクリックボタン解放後も前記保持状態を維持する第1制御手段と、
前記操作画面中に含まれる第2の領域に前記カーソルが存在するかどうかを判定し、当該カーソルが存在すると判定したときに、マウスのクリックイベントが発生したら、当該クリックイベント発生時に、前記ドラッグ処理の対象としたオブジェクトを、前記カーソルで指定された場所にドロップ処理して、前記保持状態を終了する第2制御手段とを備えたことを特徴とするマウス操作支援装置。
【請求項9】
表示装置が、所定の操作画面を表示する表示制御ステップと、
位置検出手段が、前記操作画面上でカーソルの現在位置を検出する位置検出ステップと、
第1制御手段が、前記位置検出ステップの出力を受け入れて、前記操作画面中に含まれる第1の領域に前記カーソルが存在するかどうかを判定し、当該カーソルが存在すると判定したときに、マウスのクリックイベントが発生したら、当該クリックイベント発生時に前記カーソルで指定されたオブジェクトをドラッグ処理の対象とし、保持状態を開始するとともに、前記マウスのクリックボタン解放後も前記保持状態を維持する第1制御ステップと、
第2制御手段が、前記操作画面中に含まれる第2の領域に前記カーソルが存在するかどうかを判定し、当該カーソルが存在すると判定したときに、マウスのクリックイベントが発生したら、当該クリックイベント発生時に、前記ドラッグ処理の対象としたオブジェクトを、前記カーソルで指定された場所にドロップ処理して、保持状態を終了する第2制御ステップ、
とを含むマウス操作支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−119791(P2006−119791A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−305213(P2004−305213)
【出願日】平成16年10月20日(2004.10.20)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】