説明

マグネトロンスパッタリング装置

【課題】インライン方式のマグネトロンスパッタリング装置において、長大化することなく、被成膜基板の全面に形成される膜の膜厚分布を簡単に精度良く調整できるマグネトロンユニットを備えたマグネトロンスパッタリングを提供する。
【解決手段】マグネトロンスパッタリング装置のマグネトロンユニットは、磁性体からなるヨーク板の両端部に設けられた同じ極性の第1の磁石と、ヨーク板の中央部に設けられ第1の磁石とは極性が異なる第2の磁石と、からなる複数の第1のマグネットエレメントと、複数の第1のマグネットエレメントの各々が一方向に移動できるように移動部が配置されたベースプレートと、ベースプレートの両端部にそれぞれ固定された磁性体からなるヨーク板と、ヨーク板上に配置され第2の磁石と同じ極性の磁石と、磁石の上に配置され第1の磁石と同じ極性の磁石と、からなる第2のマグネットエレメントと、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェハ等の基板に材料を成膜処理するマグネトロンユニットを備えたマグネトロンスパッタリング装置に関する。特に、ウェハをスパッタリングターゲットと対面させながら成膜させる方式(以下、「インライン方式」と呼ぶ)を採用するマグネトロンスパッタリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スパッタリング装置は、プラズマを生成し、そのプラズマにて発生したイオンをターゲットに衝突させることにより、ターゲット物質を弾き飛ばし、基板へ付着させ成膜を行うものである。このような成膜処理装置のなかでもマグネトロン型と呼ばれる装置は、ターゲット裏面に配置されたカソードマグネット(マグネトロンユニット)によりターゲット表面に平行な磁界を発生させる。この磁界はターゲットと基板との間の電界と交差するため、ターゲットから出た電子がターゲット近傍で閉じ込められプラズマ密度が高められる。このため、マグネトロン型のスパッタリング装置における成膜レートは、ターゲット上に形成される電界と漏洩磁場の強度に強く依存する。
【0003】
特に、ターゲット背面に設置されているマグネトロンユニットからの磁場強度がプラズマ密度に強く作用し、基板上の膜厚分布に影響を与える。一般的には、磁場強度が高いほど、対応するターゲット上のプラズマ密度も上がる。それによってスパッタリングレートが上昇するため、対応する基板位置の成膜レートも上昇する。
【0004】
このようなことから、基板上の膜厚分布を調整する方法として、磁界を形成するための磁気回路の変更による調整方法や、磁場強度の強弱により調整する方法(特許文献1〜3参照)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公平7−26202号公報(図1)
【特許文献2】特開平9−118980号公報
【特許文献3】特開平3−75369号公報(図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
インライン方式を採用したマグネトロンスパッタリング装置の場合、図14に示すように、ターゲット7はウェハ等の基板(被成膜基板9)の搬送方向に対して直交する方向に延びた矩形状に形成されている。ターゲット7の裏面側のマグネトロンユニット28は、矩形環状の隙間を有する構造を備える。ターゲット7の全域に対応した、異なる磁極の永久磁石が、矩形環状の隙間部分に設けられている。
【0007】
このようなマグネトロンユニット28では、矩形ターゲット(ターゲット7)の長手方向両側からのスパッタ粒子が少なく(図15)、基板両端の膜が中央部よりも薄くなる傾向(図16)がある。このような場合には、図17に示すように、被成膜基板9の搬送方向(x方向)に対して直交する方向(y方向)にターゲット7を長くするような大掛かりな変更を行って膜厚分布を改善する必要がある。特に近年では被成膜基板の大型化に伴い、基板搬送方向に対し直交する方向にターゲット7およびマグネトロンユニット28を長くする必要がある。このようなことから、基板外周部における膜厚分布の調整が行いやすい矩形マグネトロンユニットが望まれている。
【0008】
特許文献1に開示される方法では、膜厚分布を調整するために予めさまざまな高さ・大きさの磁石片を用意しなければならないことや、磁石の物理的な大きさで基板上の磁場強度が決まってしまうため、基板上の磁場の微調整が出来ない。
【0009】
また、特許文献2に開示されるマグネトロンユニットには適宜配置可能な複数の磁石を使用しているが、インライン方式のスパッタリング装置における膜厚分布調整では、移動調整させる磁石の数が多くなり、調整が複雑になる。
【0010】
特許文献3に開示されるスパッタリング装置では、ターゲットの長手両側の磁場強度が強くなるように磁石を構成しているが、磁石は連続形状で形成されている。そのため、磁場調整には磁石全体を再設計または交換する必要があり、簡単に調整することができず、非効率的である。
【0011】
そこで本発明の目的は、上記のような課題に鑑み、インライン方式のマグネトロンスパッタリング装置において、長大化することなく、被成膜基板の全面に形成される膜の膜厚分布を簡単に精度良く調整できるマグネトロンユニットを備えたマグネトロンスパッタリング装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成する本発明にかかるマグネトロンスパッタリング装置は、真空チャンバーと、該真空チャンバー内に対応して設けられマグネトロンユニットと基板ホルダーと、を含む、前記マグネットユニットと前記基板ホルダーとがそれぞれ回転軸を有し、各々の回転軸を中心に逆方向に回転するマグネトロンスパッタリング装置であって、磁性体からなるヨーク板の両端部に設けられた同じ極性の第1の磁石と、ヨーク板の中央部に設けられ第1の磁石とは極性が異なる第2の磁石と、からなる複数の第1のマグネットエレメントと、複数の第1のマグネットエレメントの各々が一方向に平行に並んで移動できるように配置されたベースプレートと、ベースプレートにおける一方向の両端に固定され、第1のマグネットエレメントの第1の磁石と同じ極性の磁石からなる第2のマグネットエレメントと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、被成膜基板の全面に形成される膜の膜厚分布を調整するにあたってターゲットおよびマグネトロンユニットを長くすることなく、精度良く簡単に膜厚調整を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
添付図面は明細書に含まれ、その一部を構成し、本発明の実施の形態を示し、その記述と共に本発明の原理を説明するために用いられる。
【図1】本発明のマグネトロンユニットの構成例を示す図である。
【図2A】マグネトロンユニットによるターゲット上の磁場強度として、本発明が適用されていない場合の磁場強度を例示する図である。
【図2B】本発明のマグネトロンユニットによるターゲット上の磁場強度を説明する図である。
【図3】本発明の第一の実施形態によるスパッタリング装置の主要部を示す模式図である。
【図4】本発明の第二の実施形態によるスパッタリング装置の主要部を示す模式図である。
【図5A】本発明のマグネトロンユニットの具体的な構成を示した端面図である。
【図5B】マグネトロンユニットのマグネットエレメントを移動調整する様子を示した側面図である。
【図6A】本発明のマグネトロンユニットに適用するマグネットエレメントの移動機構の一例を示す模式図である。
【図6B】本発明のマグネトロンユニットに適用するマグネットエレメントの移動機構の一例を示す模式図である。
【図7A】図6A,Bに示されるマグネットエレメント移動機構の構成を説明する図である。
【図7B】図6A,Bに示されるマグネットエレメント移動機構の構成例を説明する図である。
【図7C】第2のマグネットエレメントの構成例を示す図である。
【図8】マグネットエレメント移動機構を備えたマグネトロンユニットにおけるマグネットエレメントの配置例を示す図である。
【図9】マグネットエレメント移動機構を備えたマグネトロンユニットにおけるマグネットエレメントの配置例を示す図である。
【図10】本発明の第三の実施形態によるスパッタリング装置を示す概略図である。
【図11】本発明の第四の実施形態によるスパッタリング装置を示す概略図である。
【図12A】本発明のマグネトロンユニットを適用したスパッタリング装置で成膜したときの磁場強度と膜厚状態を説明するための模式図である。
【図12B】本発明のマグネトロンユニットを適用したスパッタリング装置で成膜したときの磁場強度と膜厚状態を説明するための模式図である。
【図13】従来技術と本発明を適用した場合の効果を比較説明するための図である。
【図14】従来のマグネトロンユニットを使用したスパッタリング装置の模式的斜視図である。
【図15】図14の矢視B方向での磁場強度と膜厚状態を示す側面図である。
【図16】図14の矢視A方向での磁場強度と膜厚状態を示す上面図である。
【図17】従来のマグネトロンユニットの場合での膜厚分布の改善方法を説明するための模式図である。
【図18】反発力を補助する部材として、弾性部材を利用した構成を例示する図である。
【図19A】スパッタリングターゲットに対して、複数のマグネトロンユニットを配置して、磁場の調整を行う実施例を示す図である。
【図19B】スパッタリングターゲットが複数ある場合に、それぞれのスパッタリングターゲットに対してマグネトロンユニットを設けて、磁場の調整を行う実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の技術的範囲は、請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。
【0016】
図1に本発明のマグネトロンユニット8の構成例を示す。
【0017】
本例のマグネトロンユニット8は、長方形板1と、長方形板1の上にその長手方向に並列に配置された第1のマグネットエレメント2と第2のマグネットエレメント3とを有する。
【0018】
第1のマグネットエレメント2は、ヨーク板4と、極性の異なる第1の磁石5と第2の磁石6とからなる。ヨーク板4は磁性体からなり、長方形板1の長手方向と直交する方向に延在するように配置される。第1の磁石5はヨーク板4の両端にそれぞれ同じ極性で設けられている。第2の磁石6はヨーク板4の略中央部に固定されている。このような第1のマグネットエレメント2は長方形板1の長手方向に並列配置され、例えば図5Aに示す、リニアガイド15、レール13などにより構成される移動機構により移動可能であり、移動機構は、第1のマグネットエレメント2を長手方向の任意の位置に位置決めすることが可能である。
【0019】
第2のマグネットエレメント3は、長方形板1の上の長手方向の両端にヨーク板4を介してそれぞれ固定されている。第2のマグネットエレメント3には、ヨーク板4の上に第2の磁石6と同極(図1の例ではS極)の磁石が配置されており、この磁石の上には第1の磁石5と同極(図1の例ではN極)の磁石が配置されている。
【0020】
このようなマグネトロンユニット8はインライン方式のスパッタリング装置のターゲットの背面に設置することが可能である。
【0021】
スパッタリングにおいて、被成膜基板の全面の膜厚分布を均一化するためにターゲット上の漏洩磁場強度を調整するには、被成膜基板上において膜厚を調整したい場所に対応するターゲット上の磁場強度を増減させればよい。つまり、ターゲット裏面に配置されているマグネトロンユニットにおいて対応する場所の磁場強度を増減させればよい。
【0022】
その調整方法として、磁石の高さや材質を変える方法以外に、磁石同士の間隔を変えることでも可能である。
【0023】
そこで、本発明のマグネトロンユニット8において、図2A、Bに示すように隣り合う第1のマグネットエレメント2の間の距離を縮めれば、その場所に対応するターゲット7の端部の磁場強度は強くなり(高くなり)(図2B)、その距離を広げればターゲット7の端部の磁場強度は弱くなる(下がる)(図2A)。
【0024】
このようなマグネトロンユニット8によれば、第1のマグネットエレメント2の位置を、長方形版1の長手方向に沿って直線的に移動するだけで、磁場強度の変更並びに被成膜基板上の膜厚分布の調整を行うことが可能となり、調整が簡単になる利点がある。
【0025】
次に、本発明のマグネトロンユニット8を適用できるスパッタリング装置の形態を示す。
【0026】
図3は本発明の第一の実施形態によるスパッタリング装置の主要部を示す模式図である。
【0027】
矩形のターゲット7の背面(上面側)に、前述した図1の構成のマグネトロンユニット8が配置され、ターゲット7の背面の反対側(下面側)にウェハ等の被成膜基板9が基板ステージ11上に配置されている。これにより、マグネトロンユニット8から発生したターゲット7表面の磁界と、不図示の電源ユニットによって投入された電力とにより、ターゲット7と被成膜基板9の間に高密度プラズマを発生させ、スパッタリングによる成膜を行うことができる。
【0028】
被成膜基板9については、ターゲット7の長手方向に対して交差する方向(好ましくは直交する水平方向)にガイドレール10で駆動される基板ステージ11を用いて搬送することが可能で、スパッタリングと被成膜基板9の搬送とを同時に行うことが可能である。
【0029】
このように本発明のマグネトロンユニット8をスパッタリング装置に適用することで、ターゲット7の長手方向両端に対応する被成膜基板外周部の膜厚低下を抑えることが出来る。
【0030】
図4は本発明の第二の実施形態によるスパッタリング装置の主要部を示す模式図である。
【0031】
矩形のターゲット7の背面(上面側)に、前述した図1の構成のマグネトロンユニット8が配置され、ターゲット7の背面の反対面側(下面側)に被成膜基板9が配置されている点は第一の実施形態と同じであるが、被成膜基板9の搬送手段が異なる。
【0032】
本実施形態では、基板ステージ11自身がターゲット7の長手方向に平行な軸12を持っており、この軸12を中心に基板ステージ11が回ることで、被成膜基板9がターゲット7の前面を通過するようになっている。
【0033】
このような形態によっても、ターゲット7の長手方向両端に対応する被成膜基板外周部の膜厚低下を抑えることが出来る。
【0034】
さらに、マグネトロンユニット8の具体的な構成例を示す。
【0035】
図5Aはマグネトロンユニット8における第1のマグネットエレメントの具体的な構成を表した端面図であり、図5Bはマグネトロンユニット8の第1のマグネットエレメント2を移動調整する様子を例示した側面図である。尚、図5Bは、第1のマグネットエレメント2の移動調整を例示することを目的とするものであり、図示されている第1のマグネットエレメント2の個数は、本発明の趣旨を限定するものでない。
【0036】
マグネトロンユニット8は、複数の第1のマグネットエレメント2と、第1のマグネットエレメント2が移動するためのレール13と、ベースプレート14と、ベースプレート14の両端に固定されている第2のマグネットエレメント3と、を備える。ベースプレート14は図1の長方形板1に相当する。ベースプレート14の一面には長手方向に二本のレール13が平行に固定されている。一方、第1のマグネットエレメント2のそれぞれのヨーク板4の下部にはリニアガイド15が二つ固定されている。リニアガイド15とレール13はそれぞれ中心部が同幅に配置されている。レール13にリニアガイド15をはめ込むことで、第1のマグネットエレメント2のそれぞれがベースプレート14の上をレール13に沿って自由に移動することが可能になる(図5A)。但し、マグネトロンユニット8の長手方向の両端に位置する第2のマグネットエレメント3はベースプレート14に固定されている。このような構成において、任意の第1のマグネットエレメント2(図5Bに斜線で示す第1のマグネットエレメント)をレール13に沿って一方向に移動させる。すると、この任意の第1のマグネットエレメント2の移動方向前方における第1のマグネットエレメント列の各マグネットエレメント間の距離は相対する磁極どうしの反発力で略均等に狭まる。これに伴い、その移動反対方向におけるマグネットエレメント列のマグネット間距離は相対する磁極どうしの反発力で広がることになる(図5B)。
【0037】
以上の操作により、上記のマグネトロンユニット8を備えたターゲット7において、ターゲット7の表面の磁場強度をターゲット7の両端方向にて調整することが可能になる。
【0038】
さらに、上記のマグネトロンユニット8における第1のマグネットエレメント2の移動機構について詳述する。図6A,Bは任意のマグネットエレメント2の移動機構の一例を示す模式図、図7A,Bは図6A、Bに示される移動機構の構成を説明する図である。図7Cは、第2のマグネットエレメント3の構成例を示す図である。
【0039】
図6Aに示すように2つの第1のマグネットエレメント(マグネットエレメント2A)が、長方形板としてのベースプレート14の長手方向中央部に平行に並んで配置されている。さらに、複数の第1のマグネットエレメント(マグネットエレメント2B)が、ベースプレート14の長手方向において2つのマグネットエレメント2Aの列を両側から挟むように並列配置されている。図6Aに示す例では、マグネットエレメント2Aの左側にマグネットエレメント2Bが3個配置されており、マグネットエレメント2Aの右側にマグネットエレメント2Bが3個配置されている。ベースプレート14の左端、および右端には、第2のマグネットエレメント3がそれぞれ配置されている。
【0040】
尚、マグネットエレメント2A,2Bは前述したようなレール13およびリニアガイド15からなる移動機構(ガイド手段)により、ベースプレート14の長手方向に自由に移動することが可能である。
【0041】
各マグネットエレメント2Aは、図7Aに示すようにヨーク板4の移動方向の面にネジ穴16が貫通するよう設けられている。一方、各マグネットエレメント2Bは、図7Bに示すようにヨーク板4の移動方向の面に貫通穴17が設けられている。貫通穴17の穴径はネジ穴16の穴径(タップ径)よりも大きく設計されている。第2のマグネットエレメント3は、図7Cに示すようにヨーク板4の移動方向の面に貫通穴17が設けられている。貫通穴17の穴径はネジ穴16の穴径(タップ径)よりも大きく設計されている。
【0042】
さらに、図6A、Bに示すように、棒状のネジ18が2本用意されている。各ネジ18は、第2のマグネットエレメント3および複数のマグネットエレメント2Bのそれぞれのヨーク板4の貫通穴17に貫通され、かつ、一つのマグネットエレメント2Aのヨーク板4のネジ穴16に螺合されている。
【0043】
図6Aにおいて、モータ610、620は、ネジ18を回転駆動するための駆動機構として機能する。モータ610、620には、例えば、エンコーダなどにより構成されるモータの回転数、回転角を検出するための検出手段630、640がそれぞれ接続されている。コントローラ650は、検出手段630、640の検出情報と、既知のパラメータであるネジ18のピッチに基づいて、モータ610、620の回転数または回転角を制御し、マグネットエレメント2Aの並進方向の移動量を制御することが可能である。
【0044】
こうした構成において各ネジ18を回転させることで、マグネットエレメント2Aはねじ18の回転によってレール13上を強制的に移動可能である。このとき、複数のマグネットエレメント2Bはネジ18の回転とは無関係に、隣り合うマグネットエレメント同士の反発力によりレール13に沿って移動することが可能である(図6B)。
【0045】
また、上記のようなネジ18を使用するマグネットエレメントの移動機構を備えたマグネトロンユニットでは、マグネットエレメント2A、2Bの配置を図6A,Bとは異なる配置にすることも可能である。図8及び図9はマグネットエレメント2A、2Bの別の配置例を示したものである。尚、図8、図9においては、図6Aと説明の重複を避けるため、モータ610、620、検出手段630、640及びコントローラ650により構成される制御系は、省略されているものとする。また、図8、図9では、マグネットエレメント2A、2Bの配置を例示することを目的とするものであり、図示されているマグネットエレメント2Bの個数は、本発明の趣旨を限定するものでない。
【0046】
図8及び図9ではベースプレート14の中央部に1つ又は2つの第1のマグネットエレメントにより構成されるマグネットエレメント2Cが配置されている。そして、2つのマグネットエレメント2Aが、ベースプレート14の長手方向においてマグネットエレメント2Cを挟むように並列配置されている。さらに、複数のマグネットエレメント2Bが、ベースプレート14の長手方向においてマグネットエレメント2A及び2Cの列を挟むように並列配置されている。そして、ベースプレート14の両端には、第2のマグネットエレメント3が固定されている。尚、マグネットエレメント2A,2B,2Cは、第1のマグネットエレメント2に対応するものであり、前述したレール13に沿ってベースプレート14の長手方向に自由に移動することが可能であり、ネジ18の回転によりマグネットエレメント2Aを強制的に移動させて複数のマグネットエレメント2Bが磁石の反発力で移動する。
【0047】
図8及び図9の例は共に、ターゲット両端の磁場強度を中心部と比較して高く調整することが可能である。この調整により、ターゲットの長手方向両端部からスパッタ粒子がより多く基板に付着されるため、基板外周部の急激な膜厚の減少を抑えることができる。
【0048】
尚、図8及び図9の例で、ベースプレート14の中央部のマグネットエレメント2Cをネジ18で強制的に移動させず中央部付近に残しているのは、ターゲットの中心部の磁場の急激な減少により放電が不安定となることを防止するためである。
【0049】
図8では、マグネットエレメント2Cが1つの場合を例示し、図9では、マグネットエレメント2Cが2つの場合を例示しているが、本発明の趣旨はこの例に限定されるものでないことは言うまでもない。ベースプレート14の中央部における磁場の急激な変動を回避し、磁場を安定化するために、2つ以上のマグネットエレメント2Cを配置することも可能である。ベースプレート中央部付近に残すマグネットエレメント2Cの数は、例えば、1)マグネトロンユニットの長手方向両端の磁場強度より、マグネトロンユニット中央部の磁場強度が低く、かつ、2)その磁場強度の低いマグネトロンユニット中央部に対応するターゲット上の漏れ磁場が300G以上になるように決定することが望ましい。
【0050】
次に、先に説明した構成のマグネトロンユニット8が適用されたスパッタリング装置について詳述する。
【0051】
図10は第三の実施形態によるスパッタリング装置の概略図である。この図の装置は第一の実施形態と同じように、ターゲット7の長手方向に対して交差する方向(好ましくは直交する水平方向)に直線的に移動する基板ホルダー19を備える。基板ホルダー19は被成膜基板9を保持し下部のレール20に沿って往復移動することが可能である。この基板ホルダー19と、マグネトロンユニット8の下方に設置されたターゲット7とは真空チャンバー21の内部で対面配置されている。また、マグネトロンユニット8のマグネットエレメント2(図10では不図示)の配置方向は基板ホルダー19の移動方向(矢印方向)と直交する方向である。
【0052】
真空チャンバー21は、プロセスガス導入用ポート22と真空ポンプ23と排気用ポート24とを備えている。
【0053】
また、ターゲット7には負の電圧をかけることが可能で、ターゲット7の裏面に設置されているマグネトロンユニット8により真空中に高密度プラズマを発生させ、ターゲット7の表面にイオン衝突を起こすことが可能である。これにより、ターゲット材料を基板9に堆積させることが出来る。またレール20上で基板ホルダー19を往復運動した状態においても、スパッタリング動作を行うことが可能である。
【0054】
尚、ターゲット利用効率を高めるという目的から、ターゲット7の裏面側に設置されているマグネトロンユニット8を、揺動機構を用いて基板ホルダー19の移動方向に揺動動作させることも可能である。
【0055】
図11は第四の実施形態によるスパッタリング装置の概略図である。この図の装置は第二の実施形態と同じように、ターゲット7の長手方向に対して交差する方向(好ましくは直交する水平方向)に曲線的に移動する基板ホルダー19を備える。この基板ホルダー19と、マグネトロンユニット8に設置されたターゲット7とは真空チャンバー21の内部で対面配置されている。また、マグネトロンユニット8のマグネットエレメント2(図11では不図示)の配置方向は基板ホルダー19の移動方向と直交する方向である。
【0056】
マグネトロンユニット8と基板ホルダー19はそれぞれ個別に回転軸12,25を持っており、夫々の回転軸12,25を中心に自由に回転することが可能である。このようなマグネトロンユニット8と基板ホルダー19を夫々の回転軸12,25を中心に互いに逆方向に回転することで、ターゲット7と基板ホルダー19の位置関係は常に平行な状態でかつオフセット距離を変えることが可能になる。つまり、カソード7からみれば基板ホルダー19がカソード表面側の空間を通過している状態と同じである。
【0057】
また、ターゲット7には負の電圧をかけることが可能であり、第三の実施形態と同様にしてターゲット7の表面にイオン衝突を起こすことで、ターゲット材料を基板9に堆積させることが可能である。また基板ホルダー19を回転運動した状態においても、スパッタリング動作を行うことが可能である。
【0058】
尚、ターゲット利用効率を高めるという目的から、ターゲット7の裏面側に設置されているマグネトロンユニット8を基板ホルダー移動方向に揺動動作することも可能である。
【0059】
先に説明した図6A、図6B、図8、及び図9のマグネトロンユニット8では、マグネットエレメント2Aをネジ18の回転により移動させ、マグネットエレメント2Bを同極磁石により形成される磁界(磁力)の反発力により、各マグネットエレメント2Bを移動させている。
【0060】
しかしながら、マグネットエレメント2Aと、マグネットエレメント2Bとの磁場が弱い場合や、隣り合うマグネットエレメント2B間の磁場が弱い場合、更に、マグネットエレメント2Aとマグネットエレメント2Bとが離れている場合、隣り合うマグネットエレメント2B同士が離れている場合などは、磁界の反発力が小さくなるため、マグネットエレメント2Bを所望の位置に位置決めするための反発力が得られないことになる。このような場合、磁場による反発力を補助するための補助反発力を発生させる弾性部材(補助部材)を用いることも可能である。
【0061】
図18は、マグネットエレメント2Aとマグネットエレメント2Bとの間、マグネットエレメント2B同士の間、マグネットエレメント2Bと第2のマグネットエレメント3との間で発生する反発力を補助する部材として、例えば、コイルバネなどで構成される弾性部材(反発力補強用バネ1801)を利用した構成を例示する図である。マグネットエレメント2Aの移動に応じて、弾性部材(反発力補強用バネ1801)は、磁界による反発力を補助する補助反発力を発生させる。補助反発力は、弾性部材(反発力補強用バネ1801)の変位に、弾性部材の弾性係数(バネ定数)を乗じた復元力として求められる。弾性部材(反発力補強用バネ1801)の変位は、マグネットエレメント2Aの移動量に対応し、マグネットエレメント2Aの移動量は、ネジ18のピッチと回転量によりコントローラ650(図6A)により制御される。
【0062】
予め定められた弾性係数(バネ定数)の弾性部材(反発力補強用バネ1801)をそれぞれ配置することにより、弾性係数(バネ定数)と、マグネットエレメント2Aの移動量と、に基づき補助反発力(反発力補強用バネ1801の復元力)が求められる。コントローラ650は、既知の弾性係数(バネ定数)に基づいて、必要とされる補助反発力を発生させるために移動量を制御することも可能である。
【0063】
弾性部材(反発力補強用バネ1801)のバネ定数は、それぞれ同一でも良いし、マグネットエレメント2A、2Bの間隔をそれぞれ調整するために、異なるバネ定数のものを利用することも可能である。
【0064】
図18の構成に拠れば、磁力による反発力が小さい場合であっても、弾性部材(反発力補強用バネ1801)の補助反発力を利用して、マグネマグネットエレメント2Bの位置を合せることが可能になる。
【0065】
尚、弾性部材(反発力補強用バネ1801)の構成として、図18では、コイルバネを例示しているが、本発明の趣旨は、この例に限定されるものではなく、例えば、板ばねなど、弾性変形に対する復元力を発生させる弾性部材を用いることも可能である。
【0066】
次に、先に説明した実施形態のマグネットユニット8を用いたスパッタリング装置で成膜したときの磁場強度と膜厚状態を説明する。図12Aは本発明を適用した場合の磁場強度と基板上の膜厚状態を示す平面図であり、図12Bは図12Aの矢視B方向での磁場強度と膜厚状態を示す図である。
【0067】
従来技術のマグネトロンユニット(図14)では、図15,16に示したようにターゲット長手方向端面からのスパッタ粒子が少ないため、基板端面の膜厚が基板中央部よりも薄くなる傾向があった。
【0068】
これに対し、前述した実施形態のマグネトロンユニット8を用いた場合、図12A、図12Bに示すようにターゲット7の長手方向の両側(両端部領域)の磁場強度25(図では視覚的に示した。)が上昇し、ターゲット7の中心部の磁場強度25は下がる。その結果、相対的にターゲット7長手方向の両側からのスパッタ粒子26が増加する。したがって、ターゲットを図17に示したようにその長手方向を延ばすことなく、ターゲット表面側の空間を通過する基板面に堆積される膜厚分布を改善することが可能になる。
【0069】
さらに、従来技術と本発明を適用した場合の効果について数値を挙げて比較説明する。図13は被成膜基板9とターゲット7との配置関係を示した図である。この図において、符号Wはターゲット7の長手方向の寸法、符号Dはターゲット7の短手方向の寸法、符号Pは被成膜基板9(ウェハ)の搬送方向と直交する方向の幅、符号Tは対面するターゲット7と基板9との距離を指し示している。
【0070】
従来技術で膜厚分布の良好な成膜を行う場合、
W/P ≧ 2.8
W/D ≧ 4.5
W/T ≧ 7
というディメンジョンの関係が一般的である。
【0071】
例えば、P=200mm,
W=600mm, D=130mm, T=80mm という寸法である。
【0072】
これに対し、本発明を適用した場合、
2.5 ≧ W/P
≧ 1.8
W/D < 4.5
6.3 ≧ W/T
≧ 4.5
というディメンジョンの関係で Range/Mean <3% の膜厚分布を得ることができた。つまり、基板搬送方向と直交する方向でのターゲット両端の磁場強度を高めた効果により、ターゲット幅Wを減らしランニングコストを低減することが可能になったことを意味する。
【0073】
例えば、P=200mm,
W=450mm, D=130mm, T=100mmという寸法で装置設計をすることが出来る。
【0074】
上記の各実施形態に拠れば、インライン方式のマグネトロンスパッタリング装置において、長大化することなく、被成膜基板の全面に形成される膜の膜厚分布を簡単に精度良く調整できるマグネトロンユニットを提供することが可能になる。
【0075】
(電子デバイスの製造方法への適用)
本発明の実施形態にかかるマグネトロンユニット8は、例えば、大型フラットパネルディスプレイ(液晶ディスプレイ)や薄膜太陽電池パネル、マイクロインダクタ、磁気記録ヘッドなどの電子デバイス、あるいは、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)のような磁性薄膜を使用したメモリデバイスなどを製造するための成膜工程に使用されるカソードマグネットにも適用可能である。
【0076】
例えば、大型フラットパネルディスプレイ(液晶ディスプレイ)等の成膜工程(スパッタ工程)には大型の矩形ターゲット(スパッタリングターゲット)が使用される。スパッタリングターゲットの基板に対する反対面側にはマグネトロン発生用のカソードマグネットが載置されており、多くの場合においてカソードマグネットは、本発明の実施形態にかかるマグネトロンユニット8と同様に矩形形状を有する。ただし大きさはメートル級である。この場合にもマグネットユニットの磁場調整による膜厚分布等の調整は必要であるが、マグネット自体が大きいために、その反発(吸着)力も大きく、従来の構成では、磁石の交換・脱着による磁場調整は困難である。
【0077】
図19Aは、スパッタリングターゲットに対して、複数のマグネトロンユニット8を配置して、磁場の調整を行う実施例を示す図である。図19Bは、スパッタリングターゲットが複数ある場合に、それぞれのスパッタリングターゲットに対してマグネトロンユニット8を設けて、個別のスパッタリングターゲットに対して磁場の調整を行う実施例を示す図である。本発明の実施形態にかかるマグネトロンユニット8を大型フラットパネルディスプレイ(液晶ディスプレイ)や薄膜太陽電池パネル、マイクロインダクタ、磁気記録ヘッドなどの電子デバイスや、MRAMのような磁性薄膜を使用したメモリデバイスなどを製造するための成膜工程に使用することで、マグネットを取り外すことなく、磁場調整を行うことが可能になる。
【0078】
以上、本発明の好ましい実施形態を添付図面の参照により説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々な形態に変更可能である。
【符号の説明】
【0079】
1 長方形板
2 第1のマグネットエレメント
3 第2のマグネットエレメント
4 ヨーク板
5 第1の磁石
6 第2の磁石
7 ターゲット
8 マグネトロンユニット
9 被成膜基板
10 ガイドレール
11 基板ステージ
12 回転軸
13 レール
14 ベースプレート
15 リニアガイド
16 ネジ穴
17 貫通穴
18 ネジ
19 基板ホルダー
20 レール
21 真空チャンバー
22 プロセスガス導入用ポート
23 真空ポンプ
24 排気用ポート
25 回転軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空チャンバーと、
該真空チャンバー内に対応して設けられマグネトロンユニットと基板ホルダーと、を含む、
前記マグネットユニットと前記基板ホルダーとがそれぞれ回転軸を有し、各々の回転軸を中心に逆方向に回転するマグネトロンスパッタリング装置であって、
前記マグネトロンユニットは、
磁性体からなるヨーク板の両端部に設けられた同じ極性の第1の磁石と、前記ヨーク板の中央部に設けられ前記第1の磁石とは極性が異なる第2の磁石と、からなる複数の第1のマグネットエレメントと、
複数の前記第1のマグネットエレメントの各々が一方向に移動できるように移動手段が配置されたベースプレートと、
前記ベースプレートの両端部にそれぞれ固定された磁性体からなるヨーク板と、当該ヨーク板上に配置され前記第2の磁石と同じ極性の磁石と、当該磁石の上に配置され前記第1の磁石と同じ極性の磁石と、からなる第2のマグネットエレメントと、
を有することを特徴とするマグネトロンスパッタリング装置。
【請求項2】
前記ベースプレートに配置された前記移動手段は、
複数の前記第1のマグネットエレメントを、前記一方向に移動可能にするガイド手段と、
複数の前記第1のマグネットエレメントのうちの何れか一つの第1のマグネットエレメントを、前記ガイド手段を用いて前記一方向に移動させる移動機構と、を更に備え、
前記移動機構による前記一つの第1のマグネットエレメントの移動により、当該一つの第1のマグネットエレメントを除く他の第1のマグネットエレメントは、同極磁石の反発力でそれぞれ前記一方向に移動し、
前記他の第1のマグネットエレメントのそれぞれの移動により、隣り合う当該他の第1のマグネットエレメントにより形成される磁場が調整されることを特徴とする請求項1に記載のマグネトロンスパッタリング装置。
【請求項3】
前記ガイド手段は、
前記ベースプレート上において、前記一方向に平行に設けられた2本のガイドレールと、
前記第1のマグネットエレメントの各々が前記一の方向に移動できるよう、前記第1のマグネットエレメントのヨーク板に取り付けられ、前記ガイドレール上を移動可能なリニアガイドと、
を備えることを特徴とする請求項2に記載のマグネトロンスパッタリング装置。
【請求項4】
前記移動機構には、ネジが含まれ、
前記一つの第1のマグネットエレメントのヨーク板には、ネジ穴が設けられており、
前記他の第1のマグネットエレメントおよび前記第2のマグネットエレメントのヨーク板には前記ネジ穴より穴径が大きい貫通穴が設けられており、
前記ネジは、前記ネジ穴と螺合し、前記貫通穴を通り、当該ネジの回転により、前記一つの第1のマグネットエレメントは前記一方向に移動することを特徴とする請求項2に記載のマグネトロンスパッタリング装置。
【請求項5】
前記移動機構の移動を制御するための制御手段を更に備え、
前記制御手段は、前記ネジの回転と前記ネジのピッチとに基づき、前記一つの第1のマグネットエレメントの前記一方向における移動を制御することを特徴とする請求項4に記載のマグネトロンスパッタリング装置。
【請求項6】
前記第2のマグネットエレメントと当該第2のマグネットエレメントと隣り合う第1のマグネットエレメントとの間、および、複数の前記第1のマグネットエレメントそれぞれの間、には、前記一つの第1のマグネットエレメントの移動に応じて、前記反発力を補助する補助反発力を発生させる弾性部材が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のマグネトロンスパッタリング装置。
【請求項7】
前記基板ホルダーは、マグネトロンユニットに配置されたターゲットの長手方向に対して交差する方向に曲線的に移動するものであることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のマグネトロンスパッタリング装置。


【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19A】
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【図19B】
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【公開番号】特開2009−174061(P2009−174061A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−117227(P2009−117227)
【出願日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【分割の表示】特願2009−506456(P2009−506456)の分割
【原出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(000227294)キヤノンアネルバ株式会社 (564)
【Fターム(参考)】