説明

マスクブランク用基板、マスクブランク、露光用マスク、半導体デバイスの製造方法、及びマスクブランク用基板の製造方法

【課題】露光装置のマスクステージにチャックした後の平坦度が良好なマスクブランク用基板。
【解決手段】マスクステージにチャックされる側の主表面における外周端面から内側2mmの領域を除いた方形の領域160の平坦度が0.6μm以下であり、前記領域160は、マスクパターンを形成するための方形領域であるパターンエリア140を含み、前記領域160のコーナー部における形状は、基板主表面の中心を通り基板の四隅の頂点を結ぶ対角方向における基板主表面の形状を測定したときに、前記基板主表面における外周端面から内側15mmの領域を除いた内側方形領域170のコーナー180における高さを基準としたときの外周端面から内側10mmの領域を除いた外側方形領域(この場合、パターンエリア140と同じ)のコーナー190における高さが、−0.02μm以上0.05μm以下であることを特徴とするマスクブランク用基板。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスクブランク用基板、マスクブランク、露光用マスク、半導体デバイスの
製造方法、及びマスクブランク用基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、露光装置のマスクステージにチャックした後の平坦度が良好なマスク基板を選択
するための方法が様々提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2003−50458号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の方法によれば、複数のマスク基板(マスクブランク用基板)の各々につ
いて、主面の表面形状を示す情報と、露光装置のマスクステージにチャックする前後の主
面の平坦度情報を取得するか、又はマスク基板の主面の平坦度と露光装置のマスクチャッ
クの構造とからマスク基板を露光装置にセットした時のシミュレーションによる主面の平
坦度を示す惰報を取得しなければならなかった。そのため、従来、露光装置のマスクステ
ージにチャックした後の平坦度が良好なマスク基板を選択するために、非常に手間がかか
っていた。
【0004】
本発明は、従来技術にあるような露光装置のマスクステージにチャックした後のマスク
基板の平坦度をシミュレーションする等必要のない、位置精度及びフォーカス精度が良好
なマスクブランク用基板、マスクブランク、露光用マスク、半導体デバイスの製造方法、
及びマスクブランク用基板の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
数多くの実験を垂ねた結果、露光装置に露光用マスクをセットし、半導体基板上にデザ
インルール65nmノードの線幅、精度の回路パターンを形成するには、露光用マスクを
構成するマスクブランク用基板におけるマスクステージにチャックされる側の主表面を、
以下の要件(1)、(2)を満たすように形成すればよいことがわかった。
尚、上記デザインルール65nmノードとは、INTERNATIONAL TECH
NOLOGY ROADMAP FOR SEMICONDUCTORS(LITHOG
RAPHY)に示されているTechnology Node ハーフピッチ65nm(
hp65)をいう。
【0006】
即ち、第1の態様として、
(1)外周端面から内側2mmの領域を除いた平坦度測定領域の平坦度が0.6μm以下
であること。
(2)平坦度測定領域外周のコーナー部のうち少なくとも3箇所が、外周側に向かって盛
り上がった形状をなしていること。
【0007】
また、第2の態様として、
(1)外周端面から内側2mmの領域を除いた平坦度測定領域の平坦度が0.6μm以下
であること。
(2)平坦度測定領域のコーナー部の形状が、基板主表面の中心を通り基板の四隅の頂点
を結ぶ対角方向における基板主表面の表面形状を測定したときに、前記基板主表面におけ
る外周端面から内側15mmの領域を除いた内側方形領域のコーナーにおける高さを基準
としたときの外周端面から内側10mmの領域を除いた外側方形領域のコーナーにおける
高さが、−0.02μm以上0.05μm以下であること。
【0008】
ここで、平坦度とは、基板主表面の表面側に任意に設けた基準面から、主表面内におけ
る表面形状の最大高さと最小高さの差(測定面から最小自乗法で算出される仮想絶対平面
(焦平面)に対する測定面の最大値と最小値の差)をいう。
上記要件(1)の平坦度が同じであっても、平坦度測定領域の縁部の形状は、外周側に
向かって、フラットな形状、縁だれ形状(ロールオフ(roll−off)形状)、又は
盛り上がった形状(スキージャンプ(ski−jump)形状)になり得る。これに対し
、本願発明者は、平坦度測定領域のコーナー部に要求される要件(2)を見出し、本願発
明に至った。
【0009】
これらの要件を満たしていれば、デザインルール65nmノードで露光用マスクに要求
される、露光装置のマスクステージにチャックした際の露光用マスクの平坦度0.24μ
m以下を実現することができる。コーナー部の形状が適切でないと、チャックの際に露光
用マスクの基板が変形し、転写パターンの位置精度、即ち転写パターン間の距離ずれや、
線幅の均一性が悪化してしまう。
【0010】
本発明は、以下の構成を有する。
(構成1)露光装置のマスクステージにチャックされるマスクブランク用基板であって
、マスクステージにチャックされる側の主表面における外周端面から内側2mmの領域を
除いた方形の平坦度測定領域の平坦度が0.6μm以下であり、平坦度測定領域の四隅の
コーナー部のうち、少なくとも3箇所のコーナー部が、外周側に向かって盛り上がった形
状をなしている。
【0011】
このように構成すれば、露光装置のマスクステージにチャックした後の平坦度(フラッ
トネス)が良好なマスクブランク用基板を、多くの手間をかけることなく得ることができ
る。また、これにより、マスクブランク用基板を用いて製造される露光用マスクによる転
写パターンの位置精度を高めることができる。
【0012】
ここで、平坦度とは、基板表面の測定面から最小二乗法で算出される仮想絶対平面(焦
平面)に対する測定面の最大値と最小値の差である。また、主表面の表面形状は、問わな
い。凸形状、凹形状、樽形状、蒲鉾形状等何でも構わない。
【0013】
また、上述の(1)の要件として、平坦度測定領域を外周端面から内側2mmの領域を
除いた領域としたのは、外周部での測定が困難であるとともに、測定できたとしてもその
値が正確に表示できないことがあること。また、製造工程の特性上縁だれた形状となるこ
とが自明であるためである。
【0014】
尚、平坦度測定領域の縁部におけるコーナー部以外の部分は、縁だれた形状であってよ
い。コーナー部とは、例えばコーナー近傍の領域である。平坦度測定領域は、マスクブラ
ンク用基板の平坦度を測定する場合に測定対象となる領域である。更に具体的には、例え
ば、148mm四方の正方形の頂点と、132mm四方の正方形の頂点とを対角とした8
mm四方の正方形の領域である。例えばマスクブランク用基板の主表面が152mm四方
の正方形である場合、平坦度測定領域は、例えば、148mm四方の正方形の領域である

【0015】
また、露光装置は、例えばステッパーである。マスクブランク用基板は、縮小露光装置
用マスクとして試用されるレチクルに用いられるレチクル用基板であってよい。マスクブ
ランク用基板は、例えば、露光用マスクに加工された後に、露光装置のマスクステージに
チャックされる。
【0016】
(構成2)平坦度測定領域は、マスクパターンを形成するための方形領域であるパター
ンエリアを含む領域であり、平坦度測定領域のコーナー部における盛り上がった形状は、
パターンエリアのコーナーのうち、当該盛り上がった形状のコーナー部に最も近いコーナ
ーを基準点とした最大高さが0.25μm以下になる形状である。
【0017】
パターンエリアは、例えば、主表面の中央部に設定された132mm×110mmの領
域である。この場合、また、上述(2)の要件である外周コーナー部が盛り上がった形状
とは、132mm×110mmのパターンエリアの各コーナーよりも、148mm四方の
平坦度測定領域の各コーナーの方が高くなっている形状を言う。
【0018】
この盛り上がった形状を、パターンエリアのコーナーを基準点としたときの最大高さが
0.25μm以下とすることが、吸着後の変形量の点から好ましい。このように構成すれ
ば、チャックした後の平坦度が良好なマスクブランク用基板を、適切に得ることができる

【0019】
(構成3)平坦度測定領域は、マスクパターンを形成するための方形領域であるパター
ンエリアを含む領域であり、平坦度測定領域のコーナー部における盛り上がった形状が、
基板主表面の中心を通り基板の四隅の頂点を結ぶ対角方向における基板主表面の表面形状
を測定したとき、前記基板主表面における外周端面から内側15mmの領域を除いた内側
方形領域のコーナーにおける高さを基準としたときの外周端面から内側10mmの領域を
除いた外側方形領域のコーナーにおける高さが−0.02μm以上0.05μm以下であ
る形状を、上述(2)の外周コーナー部が盛り上がった形状の要件としてもよい。
【0020】
(構成4)露光装置のマスクステージにチャックされるマスクブランク用基板であって
、前記マスクステージにチャックされる側の主表面における外周端面から内側2mmの領
域を除いた方形の平坦度測定領域の平坦度が0.6μm以下であり、前記平坦度測定領域
は、マスクパターンを形成するための方形領域であるパターンエリアを含む領域であり、
前記平坦度測定領域のコーナー部における形状は、基板主表面の中心を通り基板の四隅の
頂点を結ぶ対角方向における基板主表面の表面形状を測定したときに、前記基板主表面に
おける外周端面から内側15mmの領域を除いた内側方形領域のコーナーにおける高さを
基準としたときの外周端面から内側10mmの領域を除いた外側方形領域のコーナーにお
ける高さが、−0.02μm以上0.05μm以下としている。
このように構成すれば、露光装置のマスクステージにチャックした後の平坦度(フラッ
トネス)が良好なマスクブランク用基板を、多くの手間をかけることなく得ることができ
る。また、これにより、マスクブランク用基板を用いて製造される露光用マスクによる転
写パターンの位置精度を高めることができる。
【0021】
(構成5)露光装置のマスクステージは、マスクブランク用基板の主表面を吸着するチ
ャック部材を有し、チャック部材は、主表面と平行に線状に延伸する3本の支持部であっ
て、3本のうちの少なくとも一部により主表面を支持する3本の支持部と、3本の支持部
の合間に形成される2本の吸引口とを有する。このような3線支持型のチャック部材を用
いることにより、チャックした後のマスクブランク用基板の平坦度を良好にすることがで
きる。
【0022】
(構成6)構成1乃至5の何れか一に記載のマスクブランク用基板の主表面上にマスク
パターンとなる薄膜が形成されていることを特徴とするマスクブランク。
(構成7)半導体デザインルールで65nm対応のマスクブランクであることを特徴と
する構成6の記載のマスクブランク。
このように構成すれば、微細化するパターンに対応可能なマスクブランクを提供するこ
とができる。
【0023】
(構成8)構成6又は7記載の薄膜をパターニングしてマスクブランク用基板の主表面
上にマスクパターンが形成されていることを特徴とする露光用マスク。このように構成す
れば、微細化するパターンに対応可能な露光用マスクを提供することができる。
【0024】
(構成9)構成8記載の露光用マスクを露光装置のマスクステージにセットし、露光用
マスクに露光光を照射して、マスクパターンを転写することで、半導体ウエハー上にパタ
ーンを形成することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
このように構成すれば、パターン欠陥のない微細な回路配線を有する半導体デバイスが
得られる。
【0025】
(構成10)露光装置のマスクステージにチャックされるマスクブランク用基板の製造
方法であって、基板を研磨する研磨工程と、基板におけるマスクステージにチャックされ
る側の主表面の一部であり、マスクパターンを形成するための方形領域であるパターンエ
リアを含み、かつ基板の外周端面を含まない平坦度測定領域の平坦度を測定する平坦度測
定工程と、平坦度測定領域の平坦度が所定の範囲内であり、かつ平坦度測定領域の四隅の
コーナー部のうち、少なくとも3箇所のコーナー部が、外周側に向かって盛り上がった形
状をなしている基板を選定する選定工程とを備える。このようにすれば、構成1と同様の
効果を得ることができる。
【0026】
(構成11)露光装置のマスクステージにチャックされるマスクブランク用基板の製造
方法であって、基板を研磨する研磨工程と、前記基板における前記マスクステージにチャ
ックされる側の主表面の一部であり、マスクパターンを形成するための方形領域であるパ
ターンエリアを含み、かつ前記基板の外周端面を含まない平坦度測定領域の平坦度を測定
する平坦度測定工程と、前記平坦度測定領域の平坦度が所定の範囲内であり、かつ前記平
坦度測定領域のコーナー部の形状は、基板主表面の中心を通り基板の四隅の頂点を結ぶ対
角方向における基板主表面の表面形状を測定したときに、前記基板主表面における外周端
面から内側15mmの領域を除いた内側方形領域のコーナーにおける高さを基準としたと
きの外周端面から内側10mmの領域を除いた外側方形領域のコーナーにおける高さが、
−0.02μm以上0.05μm以下である前記基板を選定する選定工程とを備える。こ
のようにすれば、構成1と同様の効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、例えば、露光装置のマスクステージにチャックした後の平坦度が良好
なマスクブランク用基板、マスクブランク、及び露光用マスクを適切に得ることができる
。また、例えば、パターン欠陥のない微細な回路配線を有する半導体デバイスが得られる

【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1及び図2は、本発明の第一実施形態に係るマスクブランク用基板10の一例を示す
。図1は、マスクブランク用基板10の斜視図である。図2は、マスクブランク用基板1
0の部分断面図であり、図1に示した一点鎖線ABに沿ったマスクブランク用基板10の
主表面12の形状を示す。
【0029】
マスクブランク用基板10は、マスクステージにチャックされる側の主表面12に、パ
ターンエリア14及び平坦度測定領域16を有する。主表面12は、152mm四方の正
方形である。露光用マスクのパターンエリアは、通常、四隅にコーナー18を有する13
2mm×110mmの方形領域である。従って、マスクブランク用基板の段階では、通常
、パターンエリア14の配置が決定していないので、マスクブランク用基板におけるパタ
ーンエリア14は、132mm×110mmを90°回転した場合を想定して、132m
m四方の正方形領域とする。また、平坦度測定領域16は、四隅にコーナー20を有する
148mm四方の正方形の領域である。平坦度測定領域16の平坦度は、0.6μm以下
である。
【0030】
そして、平坦度測定領域16の4箇所のコーナー部のうち、少なくとも3箇所のコーナ
ー部は、図2に示すように、外周側に向かって盛り上がった形状をなしている。外周側に
向かう方向とは、パターンエリア14のコーナー18から平坦度測定領域16のコーナー
20に向かう方向である。また、この盛り上がった形状の高さhは、0.25μm以下で
ある。この高さhは、コーナー18を基準点としたコーナー20の高さである。この高さ
hが0.25μm以下であれば、コーナー18とコーナー20との間における主表面12
の形状は問わない。主表面12は、例えば点線32に示しように、コーナー18とコーナ
ー20との間において、一旦0.25μmよりも高く盛り上がっていてもよい。
【0031】
図3及び図4は、本発明の第二実施形態に係るマスクブランク用基板100の一例を示
す。図3は、マスクブランク用基板100の斜視図である。図4は、マスクブランク用基
板100の部分断面図であり、図3に示した一点鎖線(A’B’、A’’B’’)に沿っ
たマスクブランク用基板100の主表面120の形状を示す。
【0032】
マスクブランク用基板100は、マスクステージにチャックされる側の主表面120に
、パターンエリア140及び平坦度測定領域160を有する。主表面120は、152m
m四方の正方形である。露光用マスクのパターンエリアは、通常、132mm×110m
mの方形領域である。従って、マスクブランク用基板の段階では、通常、パターンエリア
140の配置が決定していないので、マスクブランク用基板におけるパターンエリア14
0は、132mm×110mmを90°回転した場合を想定して、132mm四方の正方
形領域とする。平坦度測定領域160の平坦度は、0.6μm以下である。
【0033】
そして、平坦度測定領域160のコーナー部の形状は、以下のように定義される高さh
’を有する形状である。その形状は、図3又は図4において、基板主表面の中心Oを通り
、基板の四隅の頂点210、211、212、213を結ぶ対角方向(対角線A’B’、
A’’B’’)における基板主表面の表面形状を測定したときに、基板主表面における外
周端面から内側15mmの領域を除いた内側方形領域170のコーナー180における高
さを基準としたときの外側端面から内側10mmの領域を除いた外側方形領域(この場合
、パターンエリア140と同じ)のコーナー190における高さh’が、−0.02μm
以上0.05μm以下の形状である。上記高さh’は、好ましくは、−0.02μm以上
0.025μm以下、更に好ましくは−0.01μm以上0.02μm以下が望ましい。
【0034】
マスクブランク用基板10、100は、主表面上にマスクパターンとなる薄膜が形成さ
れて、マスクブランクとなる。また、この薄膜をパターニングすることにより、マスクブ
ランク用基板10、100の主表面上にマスクパターンが形成されて、露光用マスクとな
る。
【0035】
尚、マスクブランク用基板10、100の材料は特に限定されない。使用する露光光源
に応じて選択される。例えば、ArFエキシマレーザ露光用マスクブランクやFエキシ
マレーザ露光用マスクブランクの場合、合成石英ガラスが用いられる。また、EUV露光
用マスクブランクの場合、露光時の熱による被転写パターンの歪みを抑えるために、低熱
膨張係数を有する基板材料(例えぱ、SiO−TiO系ガラス、合成石英ガラス、β
一石英固溶体を析出した結晶化ガラスなど)が用いられる。
【0036】
また、マスクブランク用基板10、100の主表面上に形成されるマスクパターンとな
る薄膜は、被転写体に転写するときに使用される露光光(露光光源から発せられる光)に
対し、光学的変化をもたらす薄膜であり、例えば、露光光を遮断する遮光膜や、露光光の
位相差を変化させる位相シフト膜、露光光を反射させる反射膜、露光光を吸収する光吸収
体膜などが挙げられる。
【0037】
遮光膜としては、一般に、Cr膜、Crに酸素、窒素、炭素、弗素を選択的に含むCr
合金膜、これらの積層膜、MoSi膜、MoSiに酸素、窒素、炭素を選択的に合むMo
Si合金膜、これらの積層膜などが挙げられる。
【0038】
位相シフト膜としては、位相シフト機能のみを有するSiO膜のほかに、位相シフト
機能及び遮光機能を有する金属シリサイド酸化膜、金属シリサイド窒化膜、金属シリサイ
ド酸化窒化膜、金属シリサイド酸化炭化膜、金属シリサイド酸化窒化炭化膜(金属:Mo
、Ti、W、Taなとの遷移金属)、CrO膜、CrF膜、SiON膜などのハーフトー
ン膜などが挙げられる。
【0039】
反射膜としては、Mo/Si周期多層膜、Ru/Si周期多層膜、Mo/Be周期多層
膜、Mo化合物/Si化合物周期多層膜、Si/Nb周期多層膜、Si/Mo/Ru周期
多層膜、Si/Mo/Ru/Mo周期多層膜、Si/Ru/Mo/Ru周期多層膜などの
材料が使用される。
【0040】
光吸収体膜としては、TaやTa合金(例えぱ、TaとBを含む材料、TaとBとNを
含む材料)、CrやCr合金(例えば、Crに窒素、酸素、炭素、弗素の少なくとも1つ
の元素が添加された材料)などが使用される。
【0041】
上述の薄膜は、例えば、DCスパッタリング、RFスパッタリング、イオンビームスパ
ッタリングなとのスパッタリング法で形成することができる。また、本発明のマスクブラ
ンクは、上述の薄膜上にレジスト膜が形成されていてもよい。
【0042】
図5は、マスクブランク用基板10、100をチャックするマスクステージ46の構成
の一例を示す図であり、マスクステージ46の側面図である。
【0043】
本例において、マスクステージ46は、台部52及び2個のチャック部材54を有する
。台部52は、チャック部材54を固定する台である。
【0044】
チャック部材54は、平行な3本の支持部62と、支持部62の合間に形成される2本
の吸引口64を有する3線支持型である。吸引口64は、例えば台部52を介して、真空
装置(図示せず)に接続されており、マスクブランク用基板10の主表面12を吸着する
。このようにして、マスクステージ46は、マスクブランク用基板10を、露光用の光源
44及びレンズ44に対向させて保持する。
【0045】
ここで、2個のチャック部材54のそれぞれは、マスクブランク用基板10の主表面1
2における向かい合う2辺に対応して、それぞれ設けられている。そして、3本の支持部
62は、主表面12における対応する辺と平行に延伸している。また、2本の吸引口64
は、主表面12における対応する辺の近傍を吸着する。
【0046】
チャック部材54は、平坦度測定領域16(図1参照)外や、平坦度測定領域16内外
をまたがるマスクブランク用基板の主表面の周縁部を吸着してよい。チャック部材54が
平坦度測定領域16内外をまたがる場合、3本の支持部62のうちの少なくとも1本は、
平坦度測定領域16の外側に当接するように設けられる。また、その他の支持部62は、
平坦度測定領域16の内側に当接するように設けられる。
【0047】
尚、マスクブランク用基板10においてチャック部材54と接触する部分は完全に平坦
ではない場合がある。このような場合、実際に使用される状況において、マスクステージ
46は、例えば3本の支持部62のうちの、内側の2本により、マスクブランク用基板1
0を支持する。
【0048】
マスクブランク用基板10の主表面12において、コーナー部を除く周縁部の形状は、
縁だれ形状であるのが好ましい。このようにすれば、2本の支持部62により、マスクブ
ランク用基板10を適切に支持できる。縁だれ形状とは、パターンエリア14(図1参照
)の縁部上の点よりも平坦度測定領域16の縁部上の点の方が低くなっているような垂れ
ている形状(ロールオフ形状)である。
尚、本例においてマスクステージのチャック部材は、例えば、国際公開番号WO02/
065519に示すような形状、構造を有するものとしても良い。
【0049】
以下、本発明のマスクブランク用基板の製造方法について説明する。
上述のような主表面12の形状をなしたマスクブランク用基板10は、例えば以下の製
造方法によって作製することができる。尚、上記及び以下において、マスクブランク用基
板10は、主表面120の形状をなしたマスクブランク用基板100に置き換えて読むこ
とができる。
(1)マスクブランク用基板の主表面の表面形状、平坦度を測定した後、その測定結果に
基づいて、主表面の表面形状が上述で規定した形状となるように、局所的に表面加工を施
すことにより形状調整を行う。必要に応じて、表面形状、平坦度を測定する前や形状調整
を終えた基板主表面を研磨処理する。
(2)複数段階の研磨工程において、予め各研磨工程における形状変化を把握しておいて
、各研磨工程における基板主表面の表面形状と平坦度の合わせ込みにより、上述で規定し
た表面形状、平坦度となるようにする。
【0050】
上記製造方法(1)においては、各研磨工程において、例えば磁性流体研磨法(MRF
)により、基板毎に個別の加工を行う。そのため、所望の表面形状及び平坦度のマスクブ
ランク用基板10を、適切に製造することができる。
【0051】
図6は、上記の製造方法(2)に対応するマスクブランク用基板10の製造方法の一例
を示すフローチャートである。本例の製造方法においては、最初に、マスクブランク用基
板10の元になる基板を準備し(S100)、この基板に対して仕上げ前の研削・研磨を
行う(S102)。この仕上げ前の研削・研磨は、例えば、研削、一次研磨、及び二次研
磨等の複数の研削・研磨工程を含む工程であってよい。研削は、基板表面の平坦性の向上
、及びキズの除去を目的とする加工である。一次研磨、及び二次研磨は、基板表面の表面
粗さを順次低減させるための加工である。一次研磨、及び二次研磨は、例えば、酸化セリ
ウムを主剤とする研磨剤を用いた研磨であり、研磨パッドが張られた上下定盤面内を基板
が遊星運動しながら複数枚(例えば、20枚程度)同時に両面研磨する両面研磨装置を用
いて研磨を行う工程である。
【0052】
次に、研磨された基板の平坦度を測定し(S104)、最終的に合格品を得るのに適し
た基板を選別する(S106)。工程S106においては、例えば、以下の(1)〜(3
)を満たす基板を選別し選定する。
(1)主表面の中心付近が凸形状であり、同じ平坦度を表す等高線の形状が同心円に近い
こと。
(2)主表面の四隅のうちの少なくとも3箇所が盛り上がった形状になっていること。
(3)最低位が主表面の中心と縁部との間にあること。
そのため、主表面の形状がサドル型、又は鞍型になっている基板は、工程S106にお
いて除かれる。
尚、上述の(1)〜(3)を満たす基板を得るための二次研磨における研磨条件は、両
面研磨装置の定盤精度(研磨パッドが貼られる側の定盤表面について、ある基準長さでそ
の表面形状を測定したときに、最小自乗法で算出される基準面に対する表面形状における
最大値と最小値の差)を100μm以下とし、研磨時の加工圧を50〜150g/cm
にすると歩留まりがよい。
【0053】
次に、コロイダルシリカを主剤とする研磨剤と、スウェードタイプの研磨パッドとを用
いて、仕上げの研磨を行う(S108)。この仕上げの研磨は、工程S106において選
別された複数枚の基板に対する両面鏡面研磨加工である。この仕上げの研磨は、上述と同
様に、研磨パッドが張られた上下定盤面内を基板が遊星運動しながら複数枚(例えば、2
0枚程度)同時に両面研磨する両面研磨装置を用いて研磨が行われる。また、この仕上げ
の研磨により、平坦度測定領域16のコーナー部(四隅)は、図2を用いて説明したよう
な盛り上がった形状に加工される。
【0054】
次に、基板の平坦度を再度測定し(S110)、マスクブランク用基板10の完成品と
して、平坦度測定領域16の平坦度が0.6μm以下であり、かつ平坦度測定領域16の
四隅のコーナー部のうち、少なくとも3箇所のコーナー部が、外周側に向かって盛り上が
った形状をなしている基板を選別する(S112)。
この条件を満たすための仕上げの研磨における研磨条件は、両面研磨装置の定盤精度を
50μm以下とし、研磨時の加工圧を50〜100g/cm、研磨パッドの硬度は、8
0以下(Asker−C)にすると歩留まりがよい。
【0055】
このように製造すれば、露光装置のマスクステージにチャックした後の露光用マスクの
平坦度が良好になる要件を満たすマスクブランク用基板10を、適切に得ることができる
。また、このマスクブランク用基板10を用いて、マスクブランク、及び露光用マスクを
適切に得ることができる。
【0056】
尚、工程S108における仕上げの研磨において、基板のコーナー部は、研磨パッドの
沈み込み等により、縁だれる方向(凸化方向)に加工される場合がある。そのため、工程
S102における仕上げ前の研削・研磨においては、基板を、若干凹形状になるように研
磨するのが好ましい。工程S106では、仕上げの研磨において基板が凸化方向に研磨さ
れることを考慮して、基板を選別するのが好ましい。
【0057】
また、工程S104、及び工程S110では、光学干渉式の方法により、平坦度を測定
する。この方法は、例えばレーザ光等のコヒーレントな光を基板表面に当てて反射させ、
基板表面の高さの差を反射光の位相のずれとして観測することにより平坦度を測定する。
この方法においては、基板の主表面と外周端面との境界から所定の領域(2mm程度)は
、高精度に測定できず、平坦度の信頼性に影響を及ぼす。そのため、本例においては、主
表面からこの領域を除いた部分を、平坦度測定領域とする。
【0058】
尚、上記第二実施形態のマスクブランク用基板100は、工程S112において、平坦
度測定領域160の平坦度が0.6μm以下であり、かつ平坦度測定領域のコーナー部に
おける形状が、基板主表面の中心を通り基板の四隅の頂点を結ぶ対角方向における基板主
表面の表面形状を測定したときに、基板主表面における外周端面から内側15mmの領域
を除いた内側方形領域のコーナーにおける高さを基準としたときの外周端面から内側10
mmの領域を除いた外周方形領域のコーナーにおける高さが、−0.02μm以上0.0
5以下の形状をなしている基板を選別し、選定することによって得られる。
【0059】
図7は、工程S108における仕上げ研磨の工程を更に詳しく説明する図である。図7
(a)は、マスクブランク用基板10の対角断面の形状変化を示す。図7(b)は、マス
クブランク用基板10の横断面の形状変化を示す。工程S108は、工程S106におい
て選別された基板(元材)を、経緯1、2として示した中間状態を経て、最終的な形状に
研磨する。
【0060】
ここで、工程S106で選別された元材は、対角断面について、中心付近が凸形状であ
り、コーナー部(隅)が盛り上がった額縁形状になっており、基板中心とコーナー部との
間が凹んでいる。また、元材は、横断面について、中心付近が凸形状であり、端部が盛り
上がった額縁形状になっており、基板中心と端部との間が凹んでいる。尚、横断面の端部
は、フラット形状であってもよい。また、横断面における基板中心と端部との間は、フラ
ット形状であってもよい。
【0061】
そして、中間状態の経緯1に向かって、対角断面は、コーナー部の部位1、9の加工が
中心部の部位5の加工よりも早く進む条件で研磨される(部位1、9>部位5の加工)。
この間、中間の部位3等には、微加工がなされる。
【0062】
また、経緯1に向かって、横断面は、端部の部位1、9の加工と中心部の部位5の加工
とが同程度に進む条件で研磨される(部位1、9=部位5の加工)。この間、中間の部位
3等には、微加工がなされる。この研磨は、例えば、横断面において部位1、9の高さと
部位5の高さとが近似する程度まで進められる。
【0063】
次に、中間状態の経緯2に向かって、対角断面は、更に、コーナー部の部位1、9の加
工が中心部の部位5の加工よりも早く進む条件で研磨される(部位1、9>部位5の加工
)。この間、中間の部位3等には、更に微加工がなされる。この研磨は、例えば、対角断
面において部位1、9の高さと部位5の高さとが近似する程度まで進められる。
【0064】
また、経緯2に向かって、横断面は、更に、端部の部位1、9の加工と中心部の部位5
の加工とが同程度に進む条件で研磨される(部位1、9=部位5の加工)。この研磨によ
り、部位1、9は縁だれた形状に加工される。
【0065】
そして、最終形状に向かって、対角断面は、更に、コーナー部の部位1、9の加工が中
心部の部位5の加工よりも早く進む条件で研磨される(部位1、9>部位5の加工)。こ
の間、中間の部位3等には、更に微加工がなされる。この研磨は、部位1、9の額縁形状
が残っている間に終了する。尚、このまま研磨を続ければ、部位1、9は、縁だれた形状
に加工が進んでしまう。
【0066】
また、最終形状に向かって、横断面は、すべての部位で均一な研磨がなされ、凸型形状
に加工される。このように研磨すれば、マスクブランク用基板10の仕上げの研磨を、適
切に行うことができる。
【0067】
以下、実施例により、本発明を更に詳しく説明する。
本発明に係るマスクブランク用基板10の実施例1〜10、比較例1〜3を、図6及び
図7を用いて説明した製造方法により製造した。マスクブランク用基板10の材料は露光
光に対して透光性を有する合成石英ガラスである。マスクブランク用基板10の主表面は
152mm四方の正方形、平坦度測定領域16は、148mm四方の正方形である。また
、露光用マスク時点でのパターンエリアの大きさは、132mm×110mmであること
から、マスクブランク用基板においては、90°回転した場合を考慮して、パターンエリ
ア14の大きさを132mm四方の正方形とした。
【0068】
表1は、本発明の実施例1〜10、及び比較例1〜3の形状特性を示す。また、図8〜
図20は、実施例1〜10、比較例1〜3の主表面形状を示す鳥瞰図である。尚、表1に
おいて、チャック後の平坦度は、チャック後におけるパターンエリア14の平坦度である

【表1】

【0069】
これらのマスクブランク用基板10における平坦度測定領域16を含む主表面上に、膜
応力による平坦度変化が0.08μm以下の低膜応力のクロムを主成分とする反射防止機
能付き遮光膜をスパッタリングにより形成し、更に、回転塗布方法でポジ型レジストを形
成してマスクブランクを得た。
【0070】
この得られたマスクブランクを露光装置にチャックした後の平坦度は、表1のようにな
り、比較例1〜3の場合、露光装置にチャックした後の基板主表面の平坦度は0.24μ
mを超える結果となった。この平坦度は、半導体基板上に縮小露光(1/4倍)し、転写
パターンを形成した場合、レチクルに許容されるフォーカス精度(Focus budg
et)が0.24μmを満足しない位置精度となり、半導体デザインルール65nmの仕
様を逸脱した結果となった。
【0071】
ここで、比較例1では、平坦度測定領域16の平坦度が0.6μmを超えている。また
、比較例2、3では、平坦度測定領域16のコーナー部のうち、スキージャンプ形状にな
っているのが3箇所未満である。
【0072】
これに対し、実施例1〜10では、平坦度測定領域16の平坦度が0.6μm以下であ
り、平坦度測定領域16のコーナー部のうち、少なくとも3箇所のコーナー部が、スキー
ジャンプ形状である。そのため、実施例1〜10の場合、露光装置にチャックした後の基
板主表面の平坦度は0.24μm以下になった。この場合、レチクルに許容されるフォー
カス精度(Focus budget)が0.24μmを満足する位置精度となり、半導
体デザインルール65nmの仕様を満たす。
【0073】
以下、本発明に係るマスクブランク用基板100の実施例11〜16、比較例4〜6を
図6及び図7を用いて説明した製造方法により製造した。
表2は、本発明の実施例11〜16、及び比較例4〜6の形状特性を示す。尚、表2に
おいて、チャック後の平坦度は、チャック後におけるパターンエリア140の平坦度であ
る。表2における高さh’(1)、h’(2)、h’(3)、h’(4)は図4における
基板主表面における外周端面から内側15mmの領域を除いた内側方形領域170のコー
ナー180(4箇所)における高さを基準としたときの外周端面から内側10mmの領域
を除いた外側方形領域のコーナー190(4箇所)における高さを示している。
【表2】

【0074】
これらのマスクブランク用基板100における平坦度測定領域160を含む主表面上に
、膜応力による平坦度変化が0.08μm以下の低膜応力のクロムを主成分とする反射防
止機能付き遮光膜をスパッタリングにより形成し、更に、回転塗布方法でポジ型レジスト
を形成してマスクブランクを得た。
この得られたマスクブランクを露光装置にチャックした後の平坦度は、表2のようにな
り、比較例4〜5の場合、露光装置にチャックした後の基板主表面の平坦度は0.24μ
mを超える結果となった。この平坦度は、半導体基板上に縮小露光(1/4倍)し、転写
パターンを形成した場合、レチクルに許容されるフォーカス精度(Focus budg
et)が0.24μmを満足しない位置精度となり、半導体デザインルール65nmの仕
様を逸脱した結果となった。
【0075】
ここで、比較例4、5では、高さh’が−0.02μm以上0.05μm以下の条件を
逸脱していた。また比較例6では、平坦度測定領域160の平坦度が0.6μmを超えて
いた。
【0076】
これに対し、実施例11〜16では、平坦度測定領域160の平坦度が0.6μm以下
であり、4箇所全ての高さh’が−0.02μm以上0.05μm以下であった。そのた
め、実施例11〜16の場合、露光装置にマスクブランク用基板をチャックした後の基板
主表面の平坦度は0.24μm以下となった。この場合、レチクルに許容されるフォーカ
ス精度(Focus budget)が0.24μmを満足する位置精度となり、半導体
デザインルール65nmの仕様を見たす結果となった。
【0077】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記
載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能で
あることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的
範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、例えばマスクブランク用基板、マスクブランク、露光用マスクに好適に利用
できる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】マスクブランク用基板10の斜視図である。
【図2】マスクブランク用基板10の部分断面図である。
【図3】マスクブランク用基板100の斜視図である。
【図4】マスクブランク用基板100の部分断面図である。
【図5】マスクステージ46の構成の一例を示す図であり、マスクステージ46の側面図である。
【図6】マスクブランク用基板10の製造方法の一例を示すフローチャートである。
【図7】仕上げ研磨の工程を更に詳しく説明する図である。 図7(a)は、マスクブランク用基板10の対角断面の形状変化を示す。 図7(b)は、マスクブランク用基板10の横断面の形状変化を示す。
【図8】実施例1の主表面形状を示す鳥瞰図である。
【図9】実施例2の主表面形状を示す鳥瞰図である。
【図10】実施例3の主表面形状を示す鳥瞰図である。
【図11】実施例4の主表面形状を示す鳥瞰図である。
【図12】実施例5の主表面形状を示す鳥瞰図である。
【図13】実施例6の主表面形状を示す鳥瞰図である。
【図14】実施例7の主表面形状を示す鳥瞰図である。
【図15】実施例8の主表面形状を示す鳥瞰図である。
【図16】実施例9の主表面形状を示す鳥瞰図である。
【図17】実施例10の主表面形状を示す鳥瞰図である。
【図18】比較例1の主表面形状を示す鳥瞰図である。
【図19】比較例2の主表面形状を示す鳥瞰図である。
【図20】比較例3の主表面形状を示す鳥瞰図である。
【符号の説明】
【0080】
10・・・マスクブランク用基板、12・・・主表面、14・・・パターンエリア、16
・・・平坦度測定領域、18・・・コーナー、20・・・コーナー、32・・・点線、4
4・・・光源、44・・・レンズ、46・・・マスクステージ、52・・・台部、54・
・・チャック部材、62・・・支持部、64・・・吸引口、100・・・マスクブランク
用基板、120・・・主表面、140・・・パターンエリア、160・・・平坦度測定領
域、170・・・内側方形領域、180・・・コーナー、190・・・コーナー、
210・・・頂点、211・・・頂点、212・・・頂点、213・・・頂点、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
露光装置のマスクステージにチャックされるマスクブランク用基板であって、
前記マスクステージにチャックされる側の主表面における外周端面から内側2mmの領域を除いた方形の平坦度測定領域の平坦度が0.6μm以下であり、
前記平坦度測定領域は、マスクパターンを形成するための方形領域であるパターンエリアを含む領域であり、
前記平坦度測定領域のコーナー部における形状は、基板主表面の中心を通り基板の四隅の頂点を結ぶ対角方向における基板主表面の表面形状を測定したときに、前記基板主表面における外周端面から内側15mmの領域を除いた内側方形領域のコーナーにおける高さを基準としたときの外周端面から内側10mmの領域を除いた外側方形領域のコーナーにおける高さが、−0.02μm以上0.05μm以下であることを特徴とするマスクブランク用基板。
【請求項2】
請求項記載のマスクブランク用基板の主表面上にマスクパターンとなる薄膜が形成されていることを特徴とするマスクブランク。
【請求項3】
半導体デザインルールで65nm対応のマスクブランクであることを特徴とする請求項の記載のマスクブランク。
【請求項4】
請求項又は記載の前記薄膜をパターニングしてマスクブランク用基板の主表面上にマスクパターンが形成されていることを特徴とする露光用マスク。
【請求項5】
請求項記載の露光用マスクを露光装置のマスクステージにセットし、前記露光用マスクに露光光を照射して、マスクパターンを転写することで、半導体ウエハー上にパターンを形成することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
【請求項6】
露光装置のマスクステージにチャックされる露光用マスクに用いられるマスクブランク用基板の製造方法であって、
基板を研磨する研磨工程と、
前記露光用マスクの基板として用いられるときに前記マスクステージにチャックされる側となる主表面の一部であり、マスクパターンを形成するための方形領域であるパターンエリアを含み、かつ前記基板の外周端面を含まない平坦度測定領域の平坦度を測定する平坦度測定工程と、
前記平坦度測定領域の平坦度が所定の範囲内であり、かつ前記平坦度測定領域のコーナー部の形状は、基板主表面の中心を通り基板の四隅の頂点を結ぶ対角方向における基板主表面の表面形状を測定したときに、前記基板主表面における外周端面から内側15mmの領域を除いた内側方形領域のコーナーにおける高さを基準としたときの外周端面から内側10mmの領域を除いた外側方形領域のコーナーにおける高さが、−0.02μm以上0.05μm以下である前記基板を選定する選定工程とを備えることを特徴とするマスクブランク用基板の製造方法。
【請求項7】
露光装置のマスクステージにチャックされる側の基板の主表面上にマスクパターンが形成された薄膜を備える露光用マスクであって、
前記基板は、前記マスクステージにチャックされる側の主表面における外周端面から内側2mmの領域を除いた方形の平坦度測定領域の平坦度が0.6μm以下であり、
前記平坦度測定領域は、マスクパターンを形成するための方形領域であるパターンエリアを含む領域であり、
前記平坦度測定領域のコーナー部における形状は、基板主表面の中心を通り基板の四隅の頂点を結ぶ対角方向における基板主表面の表面形状を測定したときに、前記基板主表面における外周端面から内側15mmの領域を除いた内側方形領域のコーナーにおける高さを基準としたときの外周端面から内側10mmの領域を除いた外側方形領域のコーナーにおける高さが、−0.02μm以上0.05μm以下であることを特徴とする露光用マスク。
【請求項8】
半導体デザインルールで65nmの仕様を満たしていることを特徴とする請求項記載の露光用マスク。
【請求項9】
基板の主表面上にマスクパターンが形成された薄膜を備える露光用マスクを露光装置のマスクステージにセットし、前記露光用マスクに露光光を照射して、マスクパターンを転写することで、半導体ウエハー上にパターンを形成する半導体デバイスの製造方法であって、
前記基板は、前記マスクステージにチャックされる側の主表面における外周端面から内側2mmの領域を除いた方形の平坦度測定領域の平坦度が0.6μm以下であり、
前記平坦度測定領域は、マスクパターンを形成するための方形領域であるパターンエリアを含む領域であり、
前記平坦度測定領域のコーナー部における形状は、基板主表面の中心を通り基板の四隅の頂点を結ぶ対角方向における基板主表面の表面形状を測定したときに、前記基板主表面における外周端面から内側15mmの領域を除いた内側方形領域のコーナーにおける高さを基準としたときの外周端面から内側10mmの領域を除いた外側方形領域のコーナーにおける高さが、−0.02μm以上0.05μm以下であることを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
【請求項10】
前記露光装置のマスクステージは、露光用マスクを吸着するチャック部材を有し、
前記チャック部材は、
前記主表面と平行に線状に延伸する3本の支持部であって、3本のうちの少なくとも一部により前記露光用マスクを支持する3本の支持部と、
前記3本の支持部の合間に形成される2本の吸引口と
を有することを特徴とする請求項9記載の半導体デバイスの製造方法。
【請求項11】
露光用マスクに照射される前記露光光は、ArFエキシマレーザーであることを特徴とする請求項又は10記載の半導体デバイスの製造方法。
【請求項12】
半導体ウエハー上にデザインルール65nmノードの回路パターンを形成することを特徴とする乃至11の何れか一に記載の半導体デバイスの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−248373(P2011−248373A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−156387(P2011−156387)
【出願日】平成23年7月15日(2011.7.15)
【分割の表示】特願2005−278500(P2005−278500)の分割
【原出願日】平成17年9月26日(2005.9.26)
【出願人】(000113263)HOYA株式会社 (3,820)
【Fターム(参考)】