説明

マスク位置決め用の方法および装置

【課題】真空中で塗膜される基板上でマスクを容易に配設、除去および位置決めするためのプロセス」および装置を提供する。
【解決手段】基板キャリア(2)上に基板(3)を供給し、第1の移動装置によっていくつかの座標内で移動可能な保持部材(8)上の電磁石(7)によってマスク(6)を保持し、マスク(6)と基板(3)の、特に横方向の相互の位置を検出し、マスク(6)を基板とほぼ平行に移動するように互いに位置調整し、第1の移動装置によって保持部材(8)をマスクがほぼ基板に垂直に移動するように移動させ、かつ/または第2の移動装置、特に持ち上げ装置によって基板キャリア(2)をマスク(6)方向に移動させることによってマスクを基板に密着させ、電磁石(7)を不作動化し、基板キャリアの磁石(4)によって基板(3)上のマスク(6)を保持することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空中で塗膜される基板上でマスクを配設/除去および位置決めをするためのプロセスおよび装置、特に、好適にはスクリーンやディスプレーなどの広い面積を持った有機エレクトロルミネッセンス物質(OLED)を微細構造化するためのプロセスおよび装置に関わる。
【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネッセンス物質(OLED)の発光特性を用いた、いわゆるOLEDディスプレーやスクリーンの製造においては、エレクトロルミネッセンス構造が対応する電極層によって作用され、発光が励起されるように、ガラスのような透明基板上に、相当する微細構造を持ったエレクトロルミネッセンス物質を塗布することが必要である。
【0003】
微細構造を持ったエレクトロルミネッセンス物質は通常真空塗膜処理によって塗布され、微細構造は通常対応するシャドウマスクによって生成される。これらのマスクは適切な方法で基板上に配設され、相当する塗膜チャンバーのなかを基板に添って移動させられ、それが可能である洗浄の後、再使用するため再度取り出される。
【0004】
微細構造の寸法微細化のために、マスクの非常に正確な位置決めが必須である。特に、いわゆるRGBディスプレーの製造では、ディスプレーの色彩表示のために赤、緑、青のピクセル域がお互いに近接して生成されなければならない。加えて、真空塗膜のプロセスは高度の純度を必要とし、マスクを取り扱う装置はいかなる不要な粒子も発生しないことが保証されなければならない。
【0005】
先行技術(DE29707686U1)によって、箔膜マスクのための磁力保持装置が知られている。そこでは、箔膜マスクが位置決めピンによって基板保持材上に配置され、そのマスクの上に塗膜される基板が置かれる。基板の上方に磁石装置が設置され、マスクと磁石装置の間に設置された強磁性体マスクの全表面を圧接する。このようなマスク保持の機構では、マスクと基板キャリアの機械的取り付けが好ましくない粒子の発生を促し、さらには、このような構造は、単純ですばやい、かつ、正確な位置決めや基板からマスクを取り除くことには不都合である。
【0006】
さらに、EP1202329A2では、基板保持材の後ろ側に設置した磁石装置によってマスク全面が基板に押し付けられるというマスク配置を述べている。その中で述べられているマスクは、通常マスクがそれによって作られる薄い箔にある程度の安定性を与えるための、マスクを側面から把持するための周辺フレームを有する。そのようにマスクと基板を磁力で誘引することでマスクと基板を充分に接触させることが出来、泡や、塗膜のシャープなエッヂを無くすることは出来るが、そのような構造は、特に真空下での迅速、正確なマスク交換処理には最適ではない。さらに、磁石は単にマスクと基板の全面接触や泡のない接触を生成するためには役立つが、基板キャリア上の基板が塗膜領域をマスクを伴って移動するような動的なシステムにおける保持方法には役立たない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、マスク交換、特にOLEDスクリーンやディスプレーの一貫生産の動的な真空塗膜処理における配置や調整のための方法および装置を提供することである。それは、従来技術の欠点を回避し、特に正確、迅速、単純なマスク交換の可能性を保証し、また、塗膜中に移動する(動的)基板へマスクを確実に、信頼性高く配設することを保証する。特に、マスク交換のための当該装置は製造も容易で操作も単純である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本目的は、請求項1の特徴を持った方法と請求項7または8の特徴を持つ装置によって達成できる。有益な実施例が従属請求項の目的である。
第1の観点によれば、本発明は、マスクの取り扱いが、特に真空中において、簡単な方法で相当する力がマスクに掛けられたり、また、再び切断されたりというようにオンオフが可能な電磁石によって好適に実現されるという知識に基づいている。このため、装置は第1の移動装置と保持機構を有するように創造された。保持機構はマスクをピックアップし配設することが出来、第1の移動装置は基板に対してマスクを調整するために設けられる。本発明によれば、保持機構は電磁石を有し、磁気マスクまたは磁気エッジもしくはフレームを有するマスクを簡単に再びピックアップし、配設することが出来る。
【0009】
この点に関して、好適には電磁石はマスクがそのエッジまたは周辺フレームでピックアップされるように、保持板上または電磁石とは関係のない中央部の周囲にある保持フレームの位置に設置される。一つには、これはマスク配設、位置決め装置の中で、少ない電磁石の組み合わせで確実な安定的なマスク受け取りを保証できる優位性があり、また他にも、非磁性のマスクの場合、必要な対応する磁気フレームさえ用意すれば良いので、多くの異なったマスクを取り扱うことが出来る。
【0010】
好適には、電磁石は、マスクを均一にピックアップ出来るように、閉鎖したリング状、四角状、多角形状に互いに等間隔を空けられる。
基板に対して保持機構の移動を可能にする移動装置は、好適には、いくつかの独立した移動手段、特に少なくとも3つの独立した移動方向の移動手段を有する。好適には、移動手段は、リニア駆動および/または回転駆動によって行われ、3つの直交空間方向、すなわち、x,y,z軸方向に添って保持部材が一軸および/または他軸の回転動で相当量移動することを可能にする。
【0011】
本発明の他の観点によれば、保護がさらに独立に考慮され、第1の移動装置とは別の、基板をマスクに近づける第2の移動装置が設けられる。
このために、第2の移動装置と基板キャリアは、その結合と開放を簡単な方法で可能にする、対応する結合手段を有する。
【0012】
望ましい実施例において、第2の移動装置はいくつかの移動手段、特にリニア駆動を含む。
基板に対するマスクの位置合わせを解除し、基板とマスクを近づけることによって、特に動的な塗膜処理の間の磁力による移動と保持と結びついて、特に厳密、正確なマスキングが可能となる。
【0013】
保持機構またはマスクの駆動、特にマスクを基板に近づけたり遠ざけたり、または、逆に基板をマスク方向に移動したり遠ざけたりするために、特別に穏やかで、滑らかで、かつ、均一な動きを与えるスピンドル駆動が好んで設けられる。
【0014】
好適には、移動装置を制御するため、監視装置および/または制御装置が設けられる。監視装置は、基板に対するマスクに位置不良を検出し、対応する制御装置が第1の移動装置を作動させて対応する修正を行わせる。このために、好適には監視装置は少なくとも2つのCCDカメラを設け、基板とマスクにおける対応するマーキングを位置合わせし、または互いの位置を一致させる。
【0015】
真空塗膜装置中の真空域内でマスク交換が出来ることが望ましいので、装置は、移動装置の駆動装置、もしくは、不純物が真空域内に混入することを減ずるための移動手段を真空容器の外に配した少なくともその部品を、真空チャンバーの1つの外壁部に設けることが有効である。
【0016】
マスク交換装置は、マスクに対して基板が予め位置決めされるように予め定義された基板キャリアの基板キャリア保持位置が与えられることが望ましい。
更に、基板キャリアは望ましくは磁石、すなわち、永久磁石か電磁石を有し、塗膜工程中基板上、もしくは基板に対してマスクを保持する。これに関して、磁気エッジもしくは磁気フレームを持ったマスクが好都合に用いられているので、基板キャリアの磁石が保持機構に対応した方法で基板受け領域の周縁部に設けられ、マスクが保持部材から基板キャリアに移行する時またはその逆の時、マスクは反対側ではあるが同じ領域に保持される。
【0017】
基板キャリアに磁石を配設するために、基板キャリアはマスク保持フレームを都合よく有し、そのフレームの基板キャリアの反対側、すなわち、基板の反対側に磁石を設ける。
望ましい実施例において、基板キャリア上の磁石と保持機構の電磁石は移動中お互いに真上になるように互いの位置が調整され、その結果、対応する磁力の重畳によって基板キャリアの磁石の保持効果が減少もしくは切断される。
【0018】
好ましくは、移動装置の保持機構は、例えばその中央部分で監視装置のCCDカメラが不鮮明でないマスクの像を撮れるように、保持板または四角、多角、もしくはリング状の保持フレームを有する。
【0019】
マスクの移送は次のように進行する。まず、基板受け領域の周縁に好ましくは等間隔に配設された磁石を有する基板キャリア上に、基板がマスク保持機構の反対側の基板キャリア保持位置に準備される。マスクは、その事前に、または同時に、またはその後に横移動可能な保持機構の電磁石の位置に置かれる。監視装置および制御装置は、マスクと基板の相対位置、特に、横の位置、すなわち、例えば基板が塗膜装置の中を横に移動する場合、水平面上のx/y座標を検出する。もし位置合わせ不良や位置不良が確認されたときは、第1の移動装置を起動して基板とマスクの位置合わせを行う。好ましくはマスクの移動によって行うが、基板の移動によることも考えられる。位置合わせは例えば、並進移動(translatory)または互いに直行する方向へのリニアな移動、例えば、x/y方向、および/または第3の直角軸(z軸)周りの回転移動によって進行する。さらに、別の移動方向および/または移動形態、例えばz方向のリニア移動などを備えることも可能である。
【0020】
相当する位置合わせの後、マスクを基板の上に付着させる。更に好ましく、また精確には、マスクと基板が互いの方向に移動するように第2の移動装置を作動させ基板上に付着される。これに関しては、マスクと基板の互いの接近の動きと位置合わせは入れ替わっても良いことは明らかである。
【0021】
マスクが基板上に配設されると直ちに、保持部材の電磁石は切断され、マスクは基板キャリアの磁石によって基板上に保持される。マスクを設置した基板は基板キャリア上で塗膜装置の中を移動し、相当する塗膜処理を受けることが出来るようになる。当然、マスクは、同じ装置によって再び基板もしくは基板キャリアから取り除くことが出来、この場合は相当する位置合わせは行われない。
【0022】
本発明の更なる優位点や特性、特徴は記載した図を用いた以下の実施例の詳細な説明で明白である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1は、真空塗膜装置、特にOLEDディスプレーまたはスクリーンを製造するため、有機エレクトロルミネッセンス物質を透明基板に連続(インライン)塗膜する装置の真空チャンバー用のマスク貼り付け装置の側面図および部分的断面図である。
【0024】
図1は、チャンバー壁または取り付け板1を通して見た断面と、チャンバーの壁内に挿入される取り付け板1を示している。これによれば、真空チャンバー内すなわち図1の取り付け台1の上方で、基板3が配置された基板キャリア2が示されている。基板キャリア2は、図示されていない移送装置または運搬装置によって真空チャンバー内を移動できる。
【0025】
図1に示す状態では、基板は、マスク6を基板3に配設し位置合わせを行うことが目的のマスク位置決め装置5を有するマスク貼り付け装置の上方に位置している。
マスク位置決め装置5は保持板またはフレーム8の周縁に並べられた多くの電磁石7を有する。一方、保持フレーム8は、真空密封ガイド19を介して他の装置12,13,14および16に繋がっており、基板キャリア2または基板3に対して保持板またはフレーム8の動きを可能にしている。これに関しては、水平駆動装置12によって水平方向移動が、縦駆動装置16によって縦方向移動、すなわち、図の平面から外れる方向への移動が、軸駆動装置13によって軸方向、すなわち軸15の方向の移動が容認される。さらに、回転駆動装置14が設けられ、保持板8の軸15周りの回転を可能にする。この12、13,14,16の駆動装置によって、保持板8は基板キャリアに対してどんな位置でも取れるようになる。
【0026】
マスク位置決め装置5の他に、いくつかの、実施例では4個の持ち上げ装置の形態の第2の移動装置が設けられる。この4個の持ち上げ装置18は、矩形の基板キャリアのコーナーを把持するために四角に配置される。持ち上げ装置18の先端には、基板キャリアが持ち上げ装置2と連結して、持ち上げ装置18が基板キャリア2を動かすことが出来るように基板キャリア連結具10と協働する連結具11が備えられている。
【0027】
持ち上げ機構もしくは駆動装置18は、液圧または空圧式シリンダーを装備する、または、好ましい実施例においては、特別に均一、正確かつ円滑な作動を特性とするスピンドル駆動装置をも装備する。軸駆動装置13または他の駆動装置も同様に構成される。
【0028】
持ち上げ装置18およびマスク位置決め装置5の他に、さらに取り付け板1上に、窓部を通して基板3上のマスク6の位置を監視できる、好ましくは少なくとも2台のCCDカメラ17を備える。CCDカメラは監視部を構成し、基板に対するマスクの正確な位置をチェックする。位置が間違っていた時は、制御ユニット(図示せず)が作動し、マスク位置決め装置5の動きを制御する。装置12,14,16によって、保持フレーム8の位置は互いの直角方向および回転方向の調整が可能なので、マスク6は正確に位置決めされる。さらに、軸駆動装置13が基板3に対するマスク6の距離の位置調整を可能にする。総合して、結果としてマスク位置決め装置5がマスクの独立した3次元方向の正確な位置決めの可能性を与える。
【0029】
基板キャリア2は、基板3が配設される領域の周縁に多くの磁石が設けられ、その位置は電磁石7の位置と一致している。このことは、投入した基板とマスクが付着する位置を観察したとき、マスクを基板3の方に移動している間は電磁石7と基板キャリア2の磁石4は互いに正反対、すなわちその長手方向の軸が一つの軸上にあるように配設されることを意味する。磁石4は永久磁石でも電磁石でも良い。磁石4は、マスク保持フレーム9上に、基板キャリア2の反対側に設置される。マスクフレーム9は、基板キャリアの基板保持板上にスペーサ20を介して設けられる。これに関しては、マスク保持フレーム9は基板キャリア2の基板保持板にあらゆる適切な方法で、特に、分離可能に取り付けることが出来る。
【0030】
マスク保持フレーム9は、環状でも良いし、連続している板でも良い。特に、マスク保持フレームはその上に設けられる磁石4の磁石ヨークとしても作用する。
磁石4,7を基板3の受け入れ範囲のエッジの周りまたはそれに沿って環状もしくはフレーム状に配置することが、薄い箔状のマスクを充分に傷つけることなく、磁力によってマスク6に塗膜処理のための均一で充分な把持力をもたらす。
【0031】
マスクを基板に移す工程は次のように行われる。即ち、まず、マスク6がマスク送りによってマスク位置決め装置5に渡される。マスク6は、マスク位置決め装置5の保持フレーム8の周縁もしくは環状に設けた電磁石に相対する周縁磁石フレームまたはエッジ21(図4参照)を有し、マスク6は電磁石7の相応の励起に従って保持板8の電磁石7によってそのフレーム21またはエッジが把持される。
【0032】
マスク6が配設された基板3が、対応して予め決められたマスク位置決め装置5の位置に配設されると直ぐに、CCDカメラに補助された駆動装置12,14、16によって、基板3に対するマスク6の正確な水平位置、すなわちx/y座標に関する位置調整が行われる。
【0033】
マスク6が基板3の上方で正しい位置に調整された、すなわち、投影した場合に互いの位置が完全に一致している(full register or congruence identity is achieved in the projection)とき、基板3を伴った基板キャリア2は、基板キャリア連結具10の位置で持ち上げ装置8の連結具11によって把持され、図2に示すようにマスク6の磁気フレームまたはエッジが基板キャリアの磁石4上に位置するように持ち上げ装置18によってマスク6の方に後方から移動する。そして、マスク6が基板3の上に位置する。更に、もしくはその替わりに、軸駆動装置13によって基板もしくはマスク平面に垂直な動きを作用させることも出来る。
【0034】
その後、電磁石7を不作動化または切断し、基板3を持ち上げ装置18によって上方移動させる。
ここで、マスク6を伴った基板3は、基板キャリア2の磁石4が、フレーム21またはエッジによって支えられて基板3上にある、マスクを保持したまま更に真空塗膜装置内を移動できるようになる。
【0035】
これは、図4の平面図において特に明らかであって、そこには、マスク6とマスク6のフレームまたはエッジ21、および磁石4を示す。 磁石4は、それらの下に設けられた基板キャリア2(図示せず)上にあり、フレームまたはエッジ21の下に位置する。基板キャリアに設けた磁石4を介してマスクを保持するために選択された構成、特に基板のエッジの周縁もしくはそれに沿って環状またはフレーム状に磁石を配し、磁石と協働するためにマスクにフレームやエッジを設ける構成は、マスクの取り扱いを簡単にし、動的な塗膜処理のあいだ基板や基板キャリアに対してマスクの保持を確実にし、マスクの取り扱い中、すなわち、マスクの上げ下げの間に発生する粒子を大幅に削減することを確実にする。さらに、全体のシステムの高価でない設計と製造を可能にする。
【0036】
位置決め装置の中でマスクを上下動させたり、そのフレームやエッジでマスクを保持するために電磁石を使用することによって単純な移送が保証される。とりわけ均一で滑らかな動きや移送が得られる、特に、位置決め装置の縦方向調整および/または基板キャリアの持ち上げ装置にスピンドル駆動を用いた時がそうである。マスク6およびフレーム20は一体の形でもいくつかの小片の形でも良い。多片の形態のものをフレームと云い、一体の形態のものをエッジと云う。
【0037】
ここでは、基板にマスクを配設することのみを述べたが、基板からマスクを取り除くことも同じ装置で逆のやりかたで当然可能である。マスクの位置合わせを単に行わないだけである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】マスクが上位置にある状態のマスク貼り付け装置の側面図である。
【図2】マスクが基板に配設された状態の図1のマスク貼り付け装置を示す図である。
【図3】マスクが基板上に付着した状態の図1および図2のマスク貼り付け装置を示す図である。
【図4】フレーム付きマスクの平面図である。
【符号の説明】
【0039】
1 容器壁
2 基板キャリア
3 基板
4 磁石
5 マスク位置決め装置
6 マスク
7 電磁石
8 保持板またはフレーム
9 マスク保持フレーム
10 基板キャリア結合具
11 把持装置
12 水平駆動装置
13 軸駆動装置
14 回転駆動装置
15 位置決め軸
16 垂直駆動装置
17 カメラ
18 持ち上げ装置
19 ガイド
20 スペーサ
21 マスクフレーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗膜処理される基板上でマスクを配設/取り除き、位置合わせする方法、特にスクリーンやディスプレー等のような大面積を持った基板上に有機エレクトロルミネッセンス物質(OLED)を微細構造化するための、塗膜される基板が真空塗膜チャンバーに移動することを伴う方法において、
基板受け入れ領域の周縁に磁石(4)が後側面に設けられた基板キャリア(2)上に基板(3)を供給し、第1の移動装置によっていくつかの座標内で移動可能な保持機構(8)上の電磁石(7)によってマスク(6)を保持し、マスク(6)と基板(3)の相互の位置を検出し、基板(3)とマスク(6)を互いに位置調整し、すなわち、位置の違いが明確になった場合に該マスク(6)を該基板に対して移動させるように第1の移動装置を作動させ、該第1の移動装置によって該保持機構(8)を該マスクがほぼ該基板に垂直に移動するように移動させ、かつ/または第2の移動装置の移動によって該基板キャリア(2)を該マスク方向に移動させることによって該マスクを該基板に付着させ、該電磁石(7)を不作動化し、該基板キャリアの該磁石(4)によって該基板(3)上の該マスク(6)を保持することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記基板キャリアと前記保持機構の前記磁石に対応する磁気エッジまたはフレームを有するマスク(6)が用いられていることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記基板上の前記マスクの位置が、監視装置、特に一つ以上、好ましくは2個のCCDカメラ(15)によって自動的に検出されることを特徴とする請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記マスクの位置調整が独立した直線動および/または回転動によって進行することを特徴とする上記いずれかの請求項記載の方法。
【請求項5】
前期基板位置への前記マスクの配設が、前記保持機構(8)および/または第2の移動装置(18)、特に1つ以上のスピンドル駆動装置によって進行することを特徴とする上記いずれかの請求項記載の方法。
【請求項6】
前記基板(3)が、強く保持されたマスク(6)に後方から近づけられることを特徴とする上記いずれかの請求項記載の方法。
【請求項7】
相対的位置の検出が水平位置の検出であり、かつ/またはマスクと基板の位置調整が前記基板に対する前記マスクのほぼ平行移動によって進行することを特徴とする上記いずれかの請求項記載の方法。
【請求項8】
塗膜処理される基板上でマスクを配設/取り除き、位置合わせする装置、特にスクリーンやディスプレー等のような大面積を持った基板上に有機エレクトロルミネッセンス物質(OLED)を微細構造化するための装置であって、塗膜処理される該基板(3)に対して磁気的に保持されるマスクと、該マスクをピックアップし付着させるための保持機構と、該基板に対して該保持機構を移動させる第1の移動装置を有する装置において、
該保持機構は、中央部から離れた周縁で互いに隙間を置いたオンオフ可能な電磁石(7)を備え、該基板およびマスクの平面に垂直に該基板(3)を該保持機構の方に移動させることができる第2の移動装置を有することを特徴とする装置。
【請求項9】
前記第1および/または第2の移動装置は、前記保持機構または前記マスクを前記基板の方向に、またはその方向から、かつ/またはその逆も同様に、移動させるためスピンドル駆動装置(17)を有することを特徴とする請求項8記載の装置。
【請求項10】
前記第1の移動装置は、前記保持機構(8)または前記マスク(6)の水平位置調整のために独立した2つのリニア駆動装置(12,16)および/または少なくとも1つのロータリー駆動装置(14)を有することを特徴とする請求項8および9いずれかの装置。
【請求項11】
特に、前記マスクを前期基板に位置合わせするための監視および制御装置、好ましくは1つ以上、特に2台のCCDカメラ(17)、を有することを特徴とする請求項8から10のいずれかの装置。
【請求項12】
前記装置は、特に、前記装置が真空容器内に設けられるように、特にチャンバー壁の位置に取り付け壁(1)を設けたことを特徴とする請求項8から11のいずれかの装置。
【請求項13】
前記基板を保持し、また塗膜装置を通して前記基板を移送するための基板キャリア(2)が、前記保持機構に対して予め定めた移送位置に配置されるような基板キャリア保持位置が与えられていることを特徴とする請求項8から12のいずれかの装置。
【請求項14】
前記磁石(4)を有する前記基板キャリアが前記保持機構の前記電磁石(7)の反対側に来て、特に互いの位置が一致するように、前記基板キャリアの保持位置が構成されることを特徴とする請求項13の装置。
【請求項15】
前記基板キャリアの前記磁石(4)および前記保持機構の前記電磁石(7)は、前記電磁石のオンオフによって、前記マスクと前記基板キャリアを付着、取り除きを行ったり、また前記基板キャリア上に前記マスクを強く保持することが可能なように互いに調整されることを特徴とする請求項8から14のいずれかの装置。
【請求項16】
前記保持機構は保持板(8)または、矩形、多角形もしくは環状の保持フレームを有し、それらの一方の側には前記電磁石を有し、その反対側には前記第1の移動装置を動かすための駆動装置を備えることを特徴とする請求項8から15のいずれかの装置。
【請求項17】
前記基板キャリアの前記磁石(4)は、互いに等間隔で配置されていることを特徴とする請求項8から16のいずれかの装置。
【請求項18】
前記第2の移動装置(18)は、前記基板キャリア(2)を開放可能に把持する少なくとも1つの結合具(11)を有することを特徴とする請求項8から17のいずれかの装置。
【請求項19】
前記第2の移動装置(18)は、いくつかの、好ましくは4個の移動装置、特に持ち上げ装置、を有することを特徴とする請求項8から18のいずれかの装置。
【請求項20】
前記装置が、請求項1から7のいずれかに記載の方法を実施するように出来ていることを特徴とする請求項8から19のいずれかの装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−302896(P2006−302896A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−116320(P2006−116320)
【出願日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【出願人】(506136287)アプリート フィルムス ゲーエムベーハー ウント コー. カーゲー (5)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED FILMS GMBH & CO.KG
【Fターム(参考)】