説明

マスターバッチ

【課題】
本発明の目的は、熱可塑性樹脂の融点より低い融点をもつ有機系添加剤を高濃度に含有するマスターバッチを提供することにある。
【解決手段】
熱可塑性樹脂と、フィッシャートロプシュワックスと、該熱可塑性樹脂の融点よりも低い融点をもつ有機系添加剤を含有するマスターバッチであって、該有機系添加剤が10質量%以上70質量%以下であることを特徴とするマスターバッチ。前記有機系添加剤が、界面活性剤、酸化防止剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、スリップ剤および粘着付与剤から選択される1種以上の有機系添加剤であるマスターバッチ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、添加剤などを熱可塑性樹脂に高濃度に添加し、フレーク状またはビーズ状にしたマスターバッチおよびその成形品に関する。
【背景技術】
【0002】
顔料や添加剤などを熱可塑性樹脂に添加して、熱可塑性樹脂に様々な機能を付与することは一般的に行われている。また、顔料や添加剤などを熱可塑性樹脂に高濃度に添加しフレーク状またはビーズ状にしたマスターバッチとよばれる樹脂組成物が知られており、このマスターバッチは適当な熱可塑性樹脂で希釈して成形に供されている。マスターバッチは、取り扱いの容易さ、使用時の作業環境保全の面で好適であるため、成形現場などでよく利用されている。
【0003】
近年、ハンドリング性の向上やコストダウンなどの観点から、従来のマスターバッチよりも熱可塑性樹脂に添加される顔料や添加剤などの濃度をより高くしたマスターバッチ(以下、「高濃度マスターバッチ」という。)が市場から求められている。
【0004】
熱可塑性樹脂に顔料を添加し高濃度マスターバッチを製造するには、熱可塑性樹脂への顔料の分散性をよくするために様々な分散剤を添加することが試行されてきた。例えば特許文献1では、メタロセン触媒により合成されたポリオレフィンワックスが分散剤として好適である、と述べている。
【0005】
顔料の融点は一般に熱可塑性樹脂の融点よりも高いため、顔料と熱可塑性樹脂とのマスターバッチ化の工程は、可塑化され流動体になった熱可塑性樹脂中に固体のままの顔料の粒子を分散させる工程であった。つまり顔料を高濃度に含有するマスターバッチを製造するには、添加される顔料の分散性をいかに向上させるかが課題であった。
【0006】
一方、熱可塑性樹脂の融点(高分子の場合は軟化点、ワックスなどの場合は滴点ともいうが、以下、固体が液体などの流動体に変化する温度を総称して「融点」という。)よりも融点が低い有機系添加剤(以下、「低融点有機添加剤」という。)をマスターバッチ化する場合には、顔料をマスターバッチ化する場合とは全く別の問題が生じた。すなわち、顔料と熱可塑性樹脂との混練は固体と流動体との間の混練であるが、低融点有機添加剤と熱可塑性樹脂との混練は流動体同士の混練であるからである。
【0007】
低融点有機添加剤は、熱可塑性樹脂の融点まで温度を上げると、一般的に熱可塑性樹脂との相溶性が悪く、熱可塑性樹脂との間で粘度の差が大きすぎて、均一混練が難しく、マスターバッチ化するが難しかった。さらに低融点有機添加剤の濃度を高濃度化すると、ストランドが固まらずにペレットにならなかったり、ストランド表面に添加した低融点有機添加剤がブリードアウトしたり、仮にペレット化されてもブロッキングを起こすという問題が発生した。
【0008】
低融点有機添加剤として代表的なものには、熱可塑性樹脂の帯電防止機能付与を目的とした帯電防止剤や、熱可塑性樹脂の表面に水滴などによる曇りを防止する防曇機能付与を目的とした防曇剤がある。帯電防止剤や防曇剤としては界面活性剤が一般的に利用されている。しかし、界面活性剤を全量に対して10質量%以上含有した高濃度マスターバッチを製造することは難しかった。
【0009】
界面活性剤を熱可塑性樹脂に含有させて高濃度に帯電防止剤を含有するマスターバッチを製造する方法として、特許文献2では酸化ケイ素に界面活性剤をあらかじめ混合して、熱可塑性樹脂との粘度差を小さくしてから混練することを提案している。しかし、この方法であると、あらかじめ界面活性剤と酸化ケイ素を混練しなければならず手間が掛かり、更に無用なフィラー成分の添加により酸化ケイ素由来の無用な着色を強いられるという問題があった。
【0010】
【特許文献1】特開2003―183447号公報
【特許文献2】特開平6−322140号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、熱可塑性樹脂の融点より低い融点をもつ有機系添加剤を高濃度に含有するマスターバッチを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明はこの課題を解決するためになされたものであり請求項1記載の発明は、熱可塑性樹脂と、フィッシャートロプシュワックスと、該熱可塑性樹脂の融点よりも低い融点をもつ有機系添加剤を含有するマスターバッチであって、該有機系添加剤が10質量%以上70質量%以下であることを特徴とするマスターバッチである。
【0013】
請求項2記載の発明は、前記有機系添加剤が、界面活性剤、酸化防止剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、スリップ剤および粘着付与剤から選択される1種以上の有機系添加剤である請求項1記載のマスターバッチである。
【0014】
請求項3記載の発明は、前記熱可塑性樹脂がポリオレフィン樹脂である請求項1または2のいずれかに記載のマスターバッチである。
【0015】
請求項4記載の発明は、前記界面活性剤が、グリセリン脂肪酸エステル、アルキルスルホン酸塩、アミン系界面活性剤から選択される1種以上の界面活性剤である請求項1から3のいずれかに記載のマスターバッチである。
【0016】
請求項5記載の発明は、前記耐候安定剤が、ヒンダード系耐候安定剤である請求項1から3のいずれかに記載のマスターバッチである。
【0017】
請求項6記載の発明は、前記紫外線吸収剤が、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤から選択される1種以上の紫外線吸収剤である請求項1から3のいずれかに記載のマスターバッチである。
【0018】
請求項7記載の発明は、前記粘着付与剤が、脂環族飽和炭化水素である請求項1から3のいずれかに記載のマスターバッチである。
【0019】
請求項8記載の発明は、請求項1から7のいずれかに記載のマスターバッチを用いて成形してなる熱可塑性樹脂成形品である。
【発明の効果】
【0020】
本発明によるフィッシャートロプシュワックスを添加することで、今まで製造できなかった熱可塑性樹脂の融点より低い融点をもつ有機系添加剤を高濃度に含有するマスターバッチを製造することができる。
【0021】
熱可塑性樹脂の融点より低い融点をもつ有機系添加剤を高濃度に含有するマスターバッチを利用することで、成形現場においてハンドリング性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明よる低融点有機添加剤を高濃度に含有するマスターバッチは、熱可塑性樹脂と、フィッシャートロプシュワックスと、該熱可塑性樹脂の融点よりも低い融点をもつ有機系添加剤を含有するマスターバッチであって、該有機系添加剤が10質量%以上70質量%以下であることを特徴とするマスターバッチである。なお、本実施形態は、本発明を実施するための一形態に過ぎず、本発明は本実施形態によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更実施の形態が可能である。
【0023】
本発明に利用されるフィッシャートロプシュワックスは、フィッシャートロプシュ法により一酸化炭素と水素を原料に製造される一般式CnH2n+2で表される飽和の炭化水素ワックスであり、平均分子量は400〜1600である。フィッシャートロプシュワックスは、ほとんど側枝を持たないほぼ完全な直鎖分子構造のワックスで、側鎖を持つポリエチレンワックスなどとは異なる。フィッシャートロプシュワックスは、マスターバッチの全量に対して1質量%から15質量%程度添加する。ポリエチレンワックスでは、本発明のような顕著な効果が見られない。
【0024】
本発明に利用される熱可塑性樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−αオレフィン共重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体、サーモプラスチックオレフィン等のオレフィン系樹脂、ポリスチレン、スチレンアクリロニトリル共重合体、スチレンアクリロニトリルブタジエン共重合体等のスチレン系樹脂、メチルメタアクリレート等のアクリル酸エステル樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどがあげられるが、これに限らずどのような熱可塑性樹脂でも利用可能である。しかし、このなかでもとりわけ好適なのはポリオレフィン樹脂である。
【0025】
本発明に利用される低融点有機添加剤は、熱可塑性樹脂の融点よりも低い融点をもつ有機系添加剤である。ここでいう融点とは前記の有機添加剤が流動体になる温度をいい、高分子などの場合の軟化点、ワックスなどの場合の滴点なども含む。
【0026】
全量に対して10質量%以上の低融点有機添加剤を添加してマスターバッチを製造する場合、ストランドが固まらずにペレットにならなかったり、ストランド表面に添加した低融点有機添加剤がブリードアウトしたり、仮にペレット化されてもブロッキングを起こすという問題が発生し、マスターバッチを作ることができなかった。しかし、フィッシャートロプシュワックスを全量に対して1質量%から15質量%程度添加することによって、低融点有機添加剤を10質量%以上(複数種の低融点有機添加剤を用いるときはその合計が10%以上)添加してもマスターバッチを製造することが可能となる。しかし、低融点有機添加剤が70質量%以上では、ストランドが固まらずにペレットにならなかったり、ストランド表面に添加した低融点有機添加剤がブリードアウトしたり、仮にペレット化されてもブロッキングを起こすという問題が発生し、マスターバッチを作ることができない。
【0027】
本発明に用いられる低融点有機添加剤は、帯電防止剤、防曇剤、酸化防止剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、スリップ剤、粘着付与剤などが挙げられるが、これに限定されない。本発明は高濃度マスターバッチ化したい熱可塑性樹脂の融点よりも融点が低いあらゆる有機系添加剤に適用可能である。また、これらの低融点有機添加剤を組み合わせて、複数種の低融点有機添加剤を含む高濃度マスターバッチを作製することも可能である。
【0028】
帯電防止剤や防曇剤に一般的に用いられるのは界面活性剤である。その例としては、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、アルキルジエタノールアミン、ヒドロキシアルキルモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン脂肪酸エステル、アルキルジエタノールアミド等の非イオン系界面活性剤、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルホスフェート等のアニオン系界面活性剤、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩等のカチオン系界面活性剤、アルキルベタイン、アルキルイミダゾリウムベタイン等の両性系界面活性剤が挙げられるが、本発明はいずれの界面活性剤にも適用可能である。
【0029】
酸化防止剤に一般的に用いられるのは、 フェノール系(ヒンダードフェノール類など)、リン系、硫黄系、アミン系、ヒドロキノン系、α−トコフェロールなどが挙げられるが、本発明はいずれの酸化防止剤にも適用可能である。
【0030】
前記フェノール系酸化防止剤としては、例えば、チオビスフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、n−オクタデシル−3−(4’,5’−ジ−t−ブチルフェノール)プロピオネート、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェノール)プロピオネート、ステアリル−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオネート、ジステアリル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンムアミド)、3,9−ビス{2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェノール)ブタンのようなヒンダードフェノール類等が挙げられる。
【0031】
前記リン系酸化防止剤としては、例えば、トリイソデシルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル)ジトリデシルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−アミルフェニル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2−t−ブチルフェニル)フェニルホスファイト、トリス[2−(1,1−ジメチルプロピル)−フェニル]ホスファイト、トリス[2,4−(1,1−ジメチルプロピル)−フェニル]ホスファイト、トリス(2−シクロヘキシルフェニル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチル−4−フェニルフェニル)ホスファイトなどのホスファイト化合物;トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、ジフェニルビニルホスフィン、アリルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、メチルフェニル−p−アニシルホスフィン、p−アニシルジフェニルホスフィン、p−トリルジフェニルホスフィン、ジ−p−アニシルフェニルホスフィン、ジ−p−トリルフェニルホスフィン、トリ−m−アミノフェニルホスフィン、トリ−2,4−ジメチルフェニルホスフィン、トリ−2,4,6―トリメチルフェニルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン、トリ−m−トリルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、トリ−o―アニシルホスフィン、トリ−p−アニシルホスフィン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタンなどのホスフィン化合物等が挙げられる。
【0032】
前記硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート、ジラウリル3,3′−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3′−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3′−チオジプロピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ジトリデシル3,3′−チオジプロピオネート等が挙げられる。
【0033】
前記アミン系酸化防止剤としては、例えば、フェニル−1−ナフチルアミン、フェニル−2−ナフチルアミン、N,N’−ジフェニル−1,4−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−シクロヘキシル−1,4−フェニレンジアミン、4,4’−ジ(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等が挙げられる。ヒドロキノン系酸化防止剤としては、例えば、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノンが挙げられる。
【0034】
耐候安定剤に一般的に用いられるのは、ヒンダードアミン系であるが、本発明はいずれの耐候安定剤にも適用可能である。
【0035】
前記ヒンダードアミン系耐候安定剤としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ドデシルコハク酸イミド、1−[(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル(3,5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ヘキサメチレンジアミジン、テトラ(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブテンンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジン)ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、3,9−ビス{1,1、−ジメチル−2−[トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ]エチル}−2,4,8,10−テトラオキシサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−[トリス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ]エチル}−2,4,8,10−テトラオキシサスピロ[5,5]ウンデカン、1,5,8,12−テトラキス[4,6−ビス[N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イル]−1,5,8,12−テトラアザデカン、1−(2−ヒドロキシエチル)−、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジメチル縮合物、2−tert−オクチルアミノ−4,6−ジクロロ−s−トリアジン/N,N‘−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン/ジブロモエタン縮合化合物等が挙げられる。
【0036】
紫外線吸収剤に一般的に用いられるのは、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、サリシレート系、シアノアクリレート系、トリアジン系、ベンズオキサジン系であるが、本発明はいずれの紫外線吸収剤にも適用可能である。
【0037】
前記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等が挙げられる。
【0038】
前記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン等が挙げられる。
【0039】
前記ベンゾエート系紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、レゾルシノールモノベンゾエート等が挙げられる。
【0040】
スリップ剤に一般的に用いられるのは、脂肪酸アミド、脂肪酸金属塩、脂肪酸、高級アルコールであるが、本発明はいずれのスリップ剤にも適用可能である。
【0041】
前記脂肪酸アミド系スリップ剤としては、例えば、ラウリン酸アミド、オレイン酸アミドなどの高級脂肪酸アミド等が挙げられる。
【0042】
粘着付与剤に一般的に用いられるのは、脂環族飽和炭化水素などの水素化石油樹脂等が挙げられるが、本発明はいずれの粘着付与剤にも適用可能である。
【0043】
またこれら低融点有機添加剤のほかに、顔料なども併用して利用することができる。顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、弁柄、チタニウムオキサイド系焼成顔料、群青、アルミン酸コバルト、カーボンブラックなどの無機顔料、アゾ系、キナクリドン系、アンスラキノン系、ペリレン系、イソインドリノン系、フタロシアニン系、キノフタロン系、スレン系、ジケトピロロピロール系などの有機顔料、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タルクなどの体質顔料等が挙げられるが、いずれのものも併用可能である。
【0044】
更に必要に応じて、熱安定剤、光安定剤、難燃剤、可塑剤、滑剤、充填剤などを加えることも可能である。
【0045】
本発明のマスターバッチは、各成分を高速ミキサー或いはタンブラー等でプレミキシングされた後、溶融混練されて製造される。また、常温で液体の低融点有機添加剤はプレシミキシングせずに、押出機のシリンダーの中間部より液添装置で注入することもできる。溶融混練工程は、単軸スクリュ押出機や2軸スクリュ押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、高速回転インテンシブミキサーなどがあるが、どのような方法で溶融混練してもよい。前記マスターバッチの形状は、混練機からの取り出し方により決まり、一般にはホットカットやシート或いはストランドのコールドカットによる粒状の形状をなしている。
【0046】
本発明により製造されたマスターバッチは主に成形現場において、熱可塑性樹脂によって1〜200倍に希釈されて、成形品製造の目的で使用される。
【実施例】
【0047】
以下に実施例、比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1〜16および比較例1〜14には、熱可塑性樹脂としてポリプロピレンを、低融点有機添加剤として帯電防止剤や防曇剤に利用される界面活性剤を用いた例を示した。
【0048】
実施例17〜40および比較例15〜34には、熱可塑性樹脂としてポリエチレンを、低融点有機添加剤として帯電防止剤や防曇剤に利用される界面活性剤を用いた例を示した。
【0049】
実施例41〜44および比較例35〜37には、熱可塑性樹脂としてポリエチレンを、低融点有機添加剤として、2種類の界面活性剤を組み合わせて用いた例を示した。
【0050】
実施例45〜48および比較例38〜40には、熱可塑性樹脂としてポリプロピレンを、低融点有機添加剤としてヒンダードアミン系耐候安定剤(光安定剤)を用いた例を示した。
【0051】
実施例49〜60および比較例41〜49には、熱可塑性樹脂としてポリエチレンを、低融点有機添加剤としてヒンダードアミン系耐候安定剤(光安定剤)を用いた例を示した。
【0052】
実施例61〜68および比較例50〜55には、熱可塑性樹脂としてポリエチレンを、低融点有機添加剤として紫外線吸収剤を用いた例を示した。
【0053】
実施例69〜72および比較例56〜61には、熱可塑性樹脂としてポリプロピレンを、低融点有機添加剤として粘着付与剤の脂環族飽和炭化水素を用いた例を示した。
【0054】
実施例73〜76および比較例62〜64には、熱可塑性樹脂としてポリエチレンを、低融点有機添加剤として界面活性剤、および2種類のヒンダードアミン系耐候安定剤(光安定剤)を組み合わせて用いた例を示した。
【0055】
実施例77〜80及び比較例65〜67には、熱可塑性樹脂としてポリエチレンを、低融点有機添加剤として2種類のヒンダードアミン系耐候安定剤(光安定剤)、およびトリアジン系紫外線吸収剤を組み合わせて用いた例を示した。
【0056】
表1には、実施例1〜80および比較例1〜67で用いた熱可塑性樹脂及び低融点有機添加剤の種類、品名、メーカー、物性等を示した。
【0057】
【表1】

熱可塑性樹脂のMFR(※1)は、JIS K7210試験法によった。
熱可塑性樹脂の融点(※2)は、JIS K7121試験法によった。
粘着付与剤(脂環族飽和炭化水素、アルコンP−125)の融点の項(※3)には、軟化点(環球法による)を示した。
【0058】
実施例1〜80及び、比較例3、8、11、14、17、22、25、28、31、34、37、40、43、46、49、52、55、59、64、67に用いたフィッシャートロプシュワックスは、
サゾールワックス H1 (サゾールワックス社製、平均分子量750、滴点:108℃)である。
【0059】
比較例4、5、18、19、60、61に用いたポリエチレンワックスは、
アライドワックス AC−6A (アライドシグナル社製、重量平均分子量5500、滴点:106℃)である。
【0060】
実施例1〜80および実施例1〜67の組成は表2〜表21に示した。
【0061】
表2〜表12および表15〜21に示した組成のマスターバッチは、以下のような工程を経て作製された。各表に記した組成の混合物をヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製三井FMミキサー)で混合し、混合物を作製した。前記混合物を2軸スクリュ押出機(30mmΦ、株式会社池貝製PCM―30、最高温度設定部の設定温度は各表に示した)を用いて溶融混練を行い、ストランドを形成後、コールドカットにてマスターバッチ化を行った。
【0062】
表13、表14に示された組成のうち、実施例45〜52および比較例40、43の組成のマスターバッチは、以下のような工程を経て作製された。
熱可塑性樹脂とフィッシャートロプシュワックスをヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製三井FMミキサー)で混合し、混合物を作製した。前記混合物を2軸スクリュ押出機(30mmΦ、株式会社池貝製PCM―30、最高温度設定部の設定温度は各表に示した)のフィーダー部分から投入後、常温で液体のTinuvin 765をシリンダーの中間部より液添装置で注入し、溶融混練を行い、ストランドを形成後、コールドカットにてマスターバッチ化を行った。
【0063】
表13、表14に示された組成のうち、比較例38、39、41、42の組成のマスターバッチは、以下のような工程を経て作製された。
熱可塑性樹脂を2軸スクリュ押出機(30mmΦ、株式会社池貝製PCM―30、最高温度設定部の設定温度は各表に示した)のフィーダー部分から投入後、常温で液体のTinuvin 765をシリンダーの中間部より液添装置で注入し、溶融混練を行い、ストランドを形成後、コールドカットにてマスターバッチ化を行った。
【0064】
得られたマスターバッチは、以下のように評価した。
【0065】
1)マスターバッチ化
2軸スクリュ押出機によるマスターバッチ化の過程を目視にて判定した。
○ :ストランド表面に低融点有機添加剤のブリードアウトが見られない
△ :ストランド表面に低融点有機添加剤のブリードアウトがわずかに見られる
× :押出機からの吐出が不安定で、マスターバッチ化できない
【0066】
2)ブロッキング評価
造粒したマスターバッチのブロッキングを目視にて評価した。
○ :ブロッキングが全く見られない
△ :ブロッキングがわずかに見られる
× :ブロッキングする
― :マスターバッチが得られず(造粒できず)、評価できない。
【0067】
3)表面抵抗値の測定
低融点有機添加剤として界面活性剤を添加した実施例1〜44、73〜76および比較例1〜37、62〜64について、フィルムを作製し表面抵抗値を測定した。
得られたマスターバッチを界面活性剤濃度が0.7質量%になるように同種の熱可塑性樹脂で希釈し、インフレーション成形機(ポリプロピレンの場合は株式会社山口製作所製、ポリエチレンの場合はトミー工業株式会社製)で50μm厚のフィルムを作製した。
得られたフィルムを恒温恒湿条件下(25℃×40%)にて7日間保管した後、三菱化学製ハイレスターUP型抵抗測定装置を用いて印加電圧500Vでフィルム表面の抵抗値を測定した。なお表中の「−」は、フィルムを作成することが出来ずに評価不可能な状態を示した。
【0068】
4)耐候性評価
低融点有機添加剤として耐候安定剤を添加した実施例45〜60、73〜80および比較例38〜49、62〜67について、フィルムを作製し耐候安定性を評価した。
得られたマスターバッチを耐候安定剤濃度が0.5質量%になるように同種の熱可塑性樹脂で希釈し、インフレーション成形機(ポリプロピレンの場合は株式会社山口製作所製、ポリエチレンの場合はトミー工業株式会社製)で50μm厚のフィルムを作製した。
作成したフィルムは、サンシャインウェザーメーター (ブラックパネル温度=63±3℃、降雨18分/120分)に800時間照射して、促進耐候試験を行った。照射後のフィルムの引っ張り試験を行い、伸びの保持率を測定した。
○ : 保持率>80%
△ : 50<保持率<80
× : 保持率<50%
― : フィルムが得られず、評価できない。
【0069】
5)紫外線吸収評価
低融点有機添加剤として紫外線吸収剤を添加した実施例61〜68、77〜80および比較例50〜55、65〜67について、フィルムを作製し紫外線吸収性を評価した。
得られたマスターバッチを紫外線吸収剤濃度が0.5質量%になるように同種の熱可塑性樹脂で希釈し、インフレーション成形機(トミー工業株式会社製)で50μm厚のフィルムを作製した。
作成したフィルムは、紫外可視分光光度計 (Perkin Elmer社製、RAMBDA950)にて紫外線吸収度を測定した。
評価基準は以下の通りである。

a)紫外線吸収剤 Cyasorb UV―531(実施例61〜64、比較例50〜52)の場合
○ : 最大吸収波長330nmにおける透過率が30%以下
× : 最大吸収波長330nmにおける透過率が30%より大きい
― : フィルムが得られず、評価できない。

b)紫外線吸収剤 Cyasorb UV―1164(実施例65〜68、実施例77〜80、比較例53〜55、比較例65〜67)の場合
○ : 最大吸収波長340nmにおける透過率が20%以下
× : 最大吸収波長340nmにおける透過率が20%より大きい
― : フィルムが得られず、評価できない。
【0070】
表2に、実施例1〜4および比較例1〜5の評価結果を示した。
【表2】

実施例1〜4の表面抵抗値は、比較例1の表面抵抗値と比較して同程度であり、帯電防止効果は十分であることが確認された。
【0071】
表3に、実施例5〜8及び比較例6〜8の評価結果を示した。
【表3】

実施例5〜8の表面抵抗値は、比較例6の表面抵抗値と比較して同程度であり、帯電防止効果は十分であることが確認された。
【0072】
表4に、実施例9〜12及び比較例9〜11の評価結果を示した。
【表4】

実施例9〜12の表面抵抗値は、比較例9の表面抵抗値と比較して同程度であり、帯電防止効果は十分であることが確認された。
【0073】
表5に、実施例13〜16及び比較例12〜14の評価結果を示した。
【表5】

実施例13〜16の表面抵抗値は、比較例12の表面抵抗値と比較して同程度であり、帯電防止効果は十分であることが確認された。
【0074】
表6に、実施例17〜20及び比較例15〜19の評価結果を示した。
【表6】

実施例17〜20の表面抵抗値は、比較例15の表面抵抗値と比較して同程度であり、帯電防止効果は十分であることが確認された。
【0075】
表7に、実施例21〜24及び比較例20〜22の評価結果を示した。
【表7】

実施例21〜24の表面抵抗値は、比較例20の表面抵抗値と比較して同程度であり、帯電防止効果は十分であることが確認された。
【0076】
表8に、実施例25〜28及び比較例23〜25の評価結果を示した。
【表8】

実施例25〜28の表面抵抗値は、比較例23の表面抵抗値と比較して同程度であり、帯電防止効果は十分であることが確認された。
【0077】
表9に、実施例29〜32及び比較例26〜28の評価結果を示した。
【表9】

実施例29〜32の表面抵抗値は、比較例26の表面抵抗値と比較して同程度であり、帯電防止効果は十分であることが確認された。
【0078】
表10に、実施例33〜36及び比較例29〜31の評価結果を示した。
【表10】

実施例33〜36の表面抵抗値は、比較例29の表面抵抗値と比較して同程度であり、帯電防止効果は十分であることが確認された。
【0079】
表11に、実施例37〜40及び比較例32〜34の評価結果を示した。
【表11】

実施例37〜40の表面抵抗値は、比較例32の表面抵抗値と比較して同程度であり、帯電防止効果は十分であることが確認された。
【0080】
表12に、実施例41〜44及び比較例35〜37の評価結果を示した。
【表12】

実施例41〜44の表面抵抗値は、比較例35の表面抵抗値と比較して同程度であり、帯電防止効果は十分であることが確認された。
【0081】
表13に、実施例45〜48及び比較例38〜40の評価結果を示した。
【表13】

【0082】
表14に、実施例49〜52及び比較例41〜43の評価結果を示した。
【表14】

【0083】
表15に、実施例53〜56及び比較例44〜46の評価結果を示した。
【表15】

【0084】
表16に、実施例57〜60及び比較例47〜49の評価結果を示した。
【表16】

【0085】
表17に、実施例61〜64及び比較例50〜52の評価結果を示した。
【表17】

【0086】
表18に、実施例65〜68及び比較例53〜55の評価結果を示した。
【表18】

【0087】
表19に、実施例69〜72及び比較例56〜61の評価結果を示した。
【表19】

【0088】
表20に、実施例73〜76及び比較例62〜64の評価結果を示した。
【表20】

実施例73〜76の表面抵抗値は、比較例62の表面抵抗値と比較して同程度であり、帯電防止効果は十分であることが確認された。
【0089】
表21に、実施例77〜80及び比較例65〜67の評価結果を示した。
【表21】

【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明のフィッシャートロプシュワックスを添加することで、今まで製造することが出来なかった熱可塑性樹脂の融点より低い融点をもつ有機系添加剤を高濃度に含有するマスターバッチを製造できるようになり、成形現場のハンドリング性を向上させることが出来る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性樹脂と、フィッシャートロプシュワックスと、該熱可塑性樹脂の融点よりも低い融点をもつ有機系添加剤を含有するマスターバッチであって、該有機系添加剤が10質量%以上70質量%以下であることを特徴とするマスターバッチ。
【請求項2】
前記有機系添加剤が、界面活性剤、酸化防止剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、スリップ剤および粘着付与剤から選択される1種以上の有機系添加剤である請求項1記載のマスターバッチ。
【請求項3】
前記熱可塑性樹脂がポリオレフィン樹脂である請求項1または2のいずれかに記載のマスターバッチ。
【請求項4】
前記界面活性剤が、グリセリン脂肪酸エステル、アルキルスルホン酸塩、アミン系界面活性剤から選択される1種以上の界面活性剤である請求項1から3のいずれかに記載のマスターバッチ。
【請求項5】
前記耐候安定剤が、ヒンダード系耐候安定剤である請求項1から3のいずれかに記載のマスターバッチ。
【請求項6】
前記紫外線吸収剤が、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤から選択される1種以上の紫外線吸収剤である請求項1から3のいずれかに記載のマスターバッチ。
【請求項7】
前記粘着付与剤が、脂環族飽和炭化水素である請求項1から3のいずれかに記載のマスターバッチ。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載のマスターバッチを用いて成形してなる熱可塑性樹脂成形品。

【公開番号】特開2009−102633(P2009−102633A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−257779(P2008−257779)
【出願日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願人】(000219912)東京インキ株式会社 (120)
【Fターム(参考)】