説明

マッサージ機

【課題】動作パターン間のインターバルを抑えることで、停止感のないより好適なエアマッサージを行うことができるマッサージ機を提供する。
【解決手段】同一電磁弁32e,32f間における電磁弁間インターバルTDと、動作パターンA,B間におけるパターン間インターバルTPとが予めメモリに設定される。制御部は先の動作パターンAにおける電磁弁32e,32fの最終の膨張動作の終了時からその動作パターンAの終了時まで、及び次の動作パターンBの開始時からその動作パターンBにおける同一電磁弁32e,32fの最初の膨張動作の開始時までのパターン内インターバルTX1,TX2を電磁弁間インターバルTDから減算する。制御部は、その減算結果とパターン間インターバルTPとを比較してその値の大きい方を、動作パターンA,B間におけるエアバッグの収縮動作に伴う排気と電磁弁32e,32fの放熱とで要するインターバルと決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアポンプ及び電磁弁にてエアバッグを膨縮動作させ、使用者の施療部位に対して押圧や圧迫等の施療を行うマッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のマッサージ機を椅子型としたマッサージ機においては、例えば特許文献1に示すように、座部や背もたれ部、オットマン等の各所にエアバッグが設置されるとともに、エアポンプ及び複数の電磁弁にて各エアバッグに対してそれぞれ空気を給排させてエアバッグを膨縮動作させるものが広く知られている。
【0003】
特許文献1のマッサージ機では、エアバッグの膨縮動作の動作パターンが予め複数設定された設定情報がメモリ等に記憶されるとともに、その動作パターンの組み合わせによって一連のエアマッサージ動作が構成されている。そして、マッサージ機に備えられる制御部では前記エアマッサージ動作(各動作パターン)に基づいて三方電磁弁を制御するようになっている。ここで三方電磁弁は、例えば、その内部に設けられるソレノイド(コイル)への通電状態が前記制御部により制御され、ソレノイドが通電状態である場合にエアバッグに給気を行うとともにソレノイドが非通電状態である場合に外部に排気するような使用方法が考えられる。このように、三方電磁弁はそのソレノイドに対して通電を行うことでエアバッグに対してエアポンプから給気を行うことができるものであるが、ソレノイドに対して通電を行うためにソレノイド並びに三方電磁弁において熱が生じる虞がある。このことから三方電磁弁を仕様範囲内の適正な温度で動作させるためには、ソレノイドを適宜非通電状態として三方電磁弁及びソレノイドの放熱を行う必要がある。
【0004】
そこで、従来のマッサージ機では、動作パターン間で電磁弁の放熱時間やエアバッグから電磁弁を介して外部に空気を排気する排気時間などのインターバルが設定されており、いずれの動作パターン間でも一律でその時間が固定されていた。しかしながら、各動作パターン間において最低限必要となるインターバルは異なる場合がある。このように動作パターン間毎で最低限必要となるインターバルは異なるため、最もインターバルが必要となる動作パターン間に合わせたインターバルを設定することで電磁弁等の放熱や各動作パターン間での排気が十分可能とされていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−68106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記のような従来のマッサージ機では、最もインターバルが必要となる動作パターン間に合わせてインターバルを設定しているため、それ以外の動作パターン間では必要以上のインターバルが設定されていた。このように動作パターン間に必要以上のインターバルが設定されると、エアマッサージ動作の停止時間(エアバッグの収縮状態の時間)が長くなり、この問題の改善が望まれている。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、各動作パターン間のインターバルを抑えることで、停止感のないより好適なエアマッサージを行うことができるマッサージ機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、使用者の施療部位をマッサージするための複数のエアバッグが備えられ、エアポンプ及び前記エアバッグに対応する複数の電磁弁を備えてなる駆動装置の空気の給排動作を制御部の制御に基づいて行わせ、その駆動装置の空気の給排動作にて前記各エアバッグを膨縮させて前記使用者の施療部位のエアマッサージ動作を実施するマッサージ機であって、前記制御部は、前記複数の電磁弁の内の少なくとも1つの電磁弁での動作パターンを複数組合せて前記エアバッグによるエアマッサージ動作を実施させるものであり、前記複数の電磁弁の内の同一電磁弁間における電磁弁間インターバルが各電磁弁間毎に予め設定されるとともに、前記動作パターン間のパターン間インターバルが各動作パターン間毎に予め設定され、先の動作パターンにおける電磁弁の最終の膨張動作の終了時からその動作パターンの終了時まで、及び次の動作パターンの開始時からその動作パターンにおける同一電磁弁の最初の膨張動作の開始時までを含むパターン内インターバルを前記電磁弁間インターバルから減算するとともに、その減算結果と前記パターン間インターバルとを比較してその値の大きい方を、前記動作パターン間における前記エアバッグの収縮動作に伴う排気と前記電磁弁の放熱とで要するインターバルとするインターバル決定手段が備えられたことを要旨とする。
【0009】
この発明では、複数の電磁弁の内の少なくとも1つの電磁弁の動作によりなる動作パターンを複数組合せてエアバッグによるエアマッサージ動作が制御部により実施される。複数の電磁弁の内の同一電磁弁間における電磁弁間インターバルが各電磁弁間毎に予め設定されるとともに、動作パターン間における各電磁弁のパターン間インターバルが各動作パターン間毎に予め設定される。ここで、電磁弁間インターバルとは或る動作パターン間に含まれる各電磁弁の最終膨張動作終了時からその電磁弁において最低限必要となる電磁弁の非通電状態の時間を確保した時間のことであり、以下同様の意味として使用する。また、パターン間インターバルとは或る動作パターン間で最低限必要となる電磁弁の非通電状態の時間を確保した時間のことであり、以下同様の意味として使用する。先の動作パターンにおける電磁弁の最終の膨張動作の終了時からその動作パターンの終了時まで、及び次の動作パターンの開始時からその動作パターンにおける同一電磁弁の最初の膨張動作の開始時までを含むパターン内インターバルを電磁弁間インターバルから減算するとともに、その減算結果とパターン間インターバルとを比較してその値の大きい方を、動作パターン間におけるエアバッグの収縮動作に伴う排気と電磁弁の放熱とで要するインターバルとするインターバル決定手段が備えられる。このように、パターン間インターバルと、電磁弁間インターバルとに基づいていずれかのインターバルを用いて動作パターン間におけるエアバッグの収縮動作に伴う排気と電磁弁の放熱とで要するインターバルを決定することで、従来のように最もインターバルが必要となるパターン間のインターバルを他のパターン間のインターバルとして採用した構成と比較して決定手段にて決定されるパターン間のインターバルを短くすることができる。このため、動作パターン間のインターバルを抑えてエアバッグの収縮時間を増加を抑えることができるため、停止感のないより好適なエアマッサージを行うことが可能となる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、使用者の施療部位をマッサージするための複数のエアバッグが備えられ、エアポンプ及び前記エアバッグに対応する複数の電磁弁を備えてなる駆動装置の空気の給排動作を制御部の制御に基づいて行わせ、その駆動装置の空気の給排動作にて前記各エアバッグを膨縮させて前記使用者の施療部位のマッサージを行うマッサージ機であって、前記制御部は、前記複数の電磁弁の内の少なくとも1つの電磁弁の動作によりなる動作パターンを複数組合せて前記エアバッグによるエアマッサージ動作を実施させるものであり、前記複数の電磁弁の内の同一電磁弁間における電磁弁間インターバルを各電磁弁間毎に設定可能な設定手段が設けられたことをその要旨とする。
【0011】
この発明では、複数の電磁弁の内の少なくとも1つの電磁弁での動作パターンを複数組合せてエアバッグによるエアマッサージ動作が制御部により実施される。複数の電磁弁の内の同一電磁弁間における電磁弁間インターバルを各電磁弁間毎に設定可能な設定手段が設けられる。このように電磁弁間インターバルを各電磁弁間毎に設定することができるため、従来のように最もインターバルが必要となるパターン間のインターバルを他のパターン間のインターバルとして採用した構成と比較して同一電磁弁間における電磁弁間インターバルを最適な設定とすることができる。これにより、結果として動作パターン間におけるエアバッグの収縮動作に伴う排気と電磁弁の放熱とで要するインターバル(動作パターン間でのインターバル)を短くすることができる。このため、動作パターン間のインターバルを抑えてエアバッグの収縮時間を増加を抑えることができ、停止感のないより好適なエアマッサージを行うことが可能となる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、使用者の施療部位をマッサージするための複数のエアバッグが備えられ、エアポンプ及び前記エアバッグに対応する複数の電磁弁を備えてなる駆動装置の空気の給排動作を制御部の制御に基づいて行わせ、その駆動装置の空気の給排動作にて前記各エアバッグを膨縮させて前記使用者の施療部位のマッサージを行うマッサージ機であって、前記制御部は、前記複数の電磁弁の内の少なくとも1つの電磁弁での動作パターンを複数組合せて前記エアバッグによるエアマッサージ動作を実施させるものであり、前記動作パターン間のパターン間インターバルを各動作パターン間毎に設定可能な設定手段が設けられたことをその要旨とする。
【0013】
この発明では、複数の電磁弁の内の少なくとも1つの電磁弁の動作によりなる動作パターンを複数組合せてエアバッグによるエアマッサージ動作が制御部により実施される。複数の電磁弁の内の少なくとも1つの電磁弁の動作によりなる動作パターン間における各電磁弁のパターン間インターバルを各動作パターン間毎に設定可能な設定手段が設けられる。このようにパターン間インターバルを各パターン間毎に設定することができるため、従来のように最もインターバルが必要となるパターン間のインターバルを他のパターン間のインターバルとして採用した構成と比較して各パターン間インターバルを最適な設定とすることができる。これにより、動作パターン間におけるエアバッグの収縮動作に伴う排気と電磁弁の放熱とで要するインターバル(動作パターン間でのインターバル)を短くすることができる。このため、動作パターン間のインターバルを抑えてエアバッグの収縮時間を増加を抑えることができ、停止感のないより好適なエアマッサージを行うことが可能となる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のマッサージ機において、座部と、該座部の後部に設けられる背もたれ部とを備え、前記背もたれ部には、前記使用者の背部を施療子によって押圧してマッサージを行うメカマッサージ機構が設けられたことをその要旨とする。
【0015】
この発明では、使用者の着座可能な座部と、この座部の後部に設けられる背もたれ部とが備えられるとともに、その背もたれ部には使用者の背部を施療子によって押圧してマッサージを行うメカマッサージ機構が設けられる。このように施療子を有するメカマッサージ機構を設けることで、エアバッグによるエアマッサージ動作に加えて施療子によるメカマッサージ動作を行うことができ、より好適なマッサージを行うことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、動作パターン間のインターバルを抑えることで、停止感のないより好適なエアマッサージを行うことができるマッサージ機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態のマッサージ機の概略構成を説明するための側面図である。
【図2】マッサージ機の概略構成を説明するための正面図である。
【図3】エアマッサージの構成を説明するためのブロック図である。
【図4】(a)(b)(c)は、エアマッサージにおける電磁弁のインターバルの設定方法について説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態の椅子型マッサージ機10を示す。椅子型マッサージ機10の椅子本体10aは、左右一対の支持脚部11にて支持された座部12の後端に背もたれ部13が幅方向の回動軸にて傾動可能に組み付けられ、該座部12の前端にオットマン14が同方向の回動軸にて傾動可能に組み付けられてなる。また、座部12の両側には、前後方向に延びる肘掛け部15が組み付けられている。
【0019】
座部12の下側には、背もたれ部13のリクライニング機構16が備えられており、リクライニング機構16のモータ16aの駆動により背もたれ部13のリクライニングがなされるようになっている。また、オットマン14についても、座部12の下側にオットマン14の上下動機構17が備えられており、上下動機構17のモータ17aの駆動によりオットマン14の上下動されるようになっている。
【0020】
背もたれ部13の幅方向中央部には、施療子18aを有するメカマッサージ機構18が内装されている。メカマッサージ機構18は、モータ(図示略)により背もたれ部13の上下方向に移動可能に備えられ、また施療子18aに施療動作を行わせるモータ(図示略)も内蔵されている。メカマッサージ機構18は、各種モータの駆動に基づく施療子18aの施療動作により、使用者Xの背中に対して施療が行われる。このようなメカマッサージ機構18の上下方向の移動、及び施療子18aによる施療動作(メカマッサージ動作)は、制御部33(図3参照)にて制御されるようになっている。
【0021】
図2に示すように、背もたれ部13には、上下方向中央部両側において一対のエアバッグ19が使用者Xの肩部に対応して内装されるとともに、下部両側において一対のエアバッグ20が使用者Xの腰部に対応して内装されている。座部12の左右両側には、一対のエアバッグ21が使用者Xの臀部に対応して内装されている。各肘掛け部15には、それぞれエアバッグ22が使用者Xの腕部に対応して内装されている。オットマン14には使用者Xの左右の脚部をそれぞれ収容するコ字状の収容溝14aを有するとともに、各収容溝14aの内壁には上下に1つずつエアバッグ23,24が設けられ、左右を合わせると合計で計4つのエアバッグ23,24が内装されている。
【0022】
各施療部位に対応して設けられるエアバッグ19〜24は、接続ホース(図示略)を介して座部12の下側の支持脚部11間に設置される図3に示す駆動装置30に向けて取り回されている。
【0023】
図3に示すように、駆動装置30は、電動駆動されるエアポンプ31と、このエアポンプ31に接続されるとともに各エアバッグ19〜24に対応して設けられる電磁弁32a〜32fと、エアポンプ31及び電磁弁32a〜32fを制御する制御部33とを備えて構成されている。
【0024】
そして、制御部33の制御の下、エアポンプ31の駆動により圧縮空気が生成され、施療対象の電磁弁32a〜32fを通電状態として大気開放側から供給側に切り替わると、エアポンプ31からの圧縮空気がその対象のエアバッグ19〜24内に給気されてエアバッグ19〜24が膨張する。一方、エアバッグ19〜24の所定の膨張動作が終了すると、電磁弁32a〜32fを非通電状態とすることで供給側から大気開放側に切り替わり、エアバッグ19〜24内の空気が大気中に排気されてエアバッグ19〜24が収縮する。このようにエアバッグ19〜24の膨張・収縮動作を繰り返すことでエアマッサージが実施されるようになっている。
【0025】
本実施形態のマッサージ機10では、前記エアマッサージ動作がエアバッグ19〜24の内の単独の膨縮動作やエアバッグ19〜24の内の少なくとも2つ以上のエアバッグの膨縮動作の組み合わせによってエアマッサージ動作が実施されるようになっている。各エアバッグ19〜24の膨縮動作のタイミングを決定する複数の動作パターンが予め制御部33のメモリ33a内に設定・記憶されている。そして制御部33は、メモリ33a内の動作パターンに基づいてエアバッグ19〜24を膨張・収縮動作させて一連のエアマッサージ動作が実施されるようになっている。
【0026】
また制御部33のメモリ33aには、電磁弁間インターバルTDとパターン間インターバルTPとが予め設定されている。
電磁弁間インターバルTDはエアバッグ19〜24膨張動作後の収縮動作に伴って必要となる排気時間のことであり、例えばその直前の膨張動作による電磁弁32a〜32fに通電される通電時間等から適宜設定されている。電磁弁間インターバルTDの設定方法の一例としては、制御部33は、先ず図4(a)〜(c)に示すように複数設定される動作パターンの内の或る動作パターンAにおいて、その際に駆動される脚部用のエアバッグ23,24の膨縮動作を決定する電磁弁32e,32fが最後の給気を終えて排気に移った時点(最終膨張動作の終了時)を開始点TS1,TS2とする。次いで制御部33は、同一の電磁弁32e,32fによるエアバッグ23,24が確実に収縮状態になった時点を終了点TE1,TE2とした際の時間として設定する。なお、同一電磁弁32a〜32f間の電磁弁間インターバルTDはそれぞれ電磁弁32a〜32f毎に個別に設定されている。
【0027】
パターン間インターバルTPは例えば複数の電磁弁32e,32fの動作によってなる動作パターンA,Bで最低限必要となる排気や放熱に要する時間のことであり、複数設けられる動作パターンの組合せによってその時間は異なるよう設定されている。ここで、脚部用に特化した動作パターン後に腕部用に特化した動作パターンを実施させる場合と、脚部用に特化した動作パターン後に同一若しくは異なる脚部用に特化した動作パターンを実施させる場合とでは、そのパターン間インターバルTPが異なるようになっている。これは、脚部用に特化した同一の動作パターン若しくは脚部用に特化した異なる動作パターンを連続して行う場合では、同一の電磁弁32e,32fを連続して使用するため発熱し易いため、比較的長くパターン間インターバルTPを確保する必要がある。一方、脚部用に特化した動作パターン及び腕部用に特化した動作パターン間では、使用する電磁弁32a〜32fが異なるために比較的発熱し難く、比較的短めのパターン間インターバルTPを確保すればよい。このような事から動作パターンの組合せによってその時間(パターン間インターバルTP)が異なるように設定されている。
【0028】
パターン間インターバルTPの設定方法の一例としては、動作している電磁弁32e,32fに関係なく或る動作パターンAが終了してから、次の動作パターンBが開始するまでの時間として設定される。このパターン間インターバルTPは、動作パターンが脚部用のパターンから腕部用のパターンに移行される場合や、脚部用のパターンから他の脚部用のパターンに移行される場合など、各部位の組み合わせに対して個別に排気時間が設定されている。
【0029】
制御部33は、エアバッグ19〜24を膨張状態から十分に収縮させるための時間や、電磁弁32a〜32fの長時間通電による過度の温度上昇を避けるために電磁弁32a〜32fを非通電状態とする時間を、前述の電磁弁間インターバルTD及びパターン間インターバルTPのいずれか一方を用いて確保するようになっている。
【0030】
ここで、電磁弁32e,32fによる脚部用に特化した動作パターンAの後に動作パターンBが実施される際のインターバルの設定(決定)方法について説明する。
制御部33は、図4(a)に示すように設定されている同一電磁弁32e,32f間での電磁弁間インターバルTDが動作パターンA,B間のパターン間インターバルTPよりも短い場合には、動作パターンA,B間でのパターン間インターバルTPによって動作パターンA,B間での電磁弁32e,32fによる排気及び放熱に必要となるインターバルとして採用される。
【0031】
また、制御部33は、図4(b)に示すように、各電磁弁32e,32fについて設定されている同一電磁弁32e,32f間での電磁弁間インターバルTDが動作パターンA,B間におけるパターン間インターバルTPよりも長い場合には、その長い電磁弁32e間での電磁弁間インターバルTDから先の動作パターンAでのパターン内インターバルTX1及び次の動作パターンBでのパターン内インターバルTX2を減算した時間を算出する。次いで制御部33は、その算出した時間が動作パターンA,B間において設定されたパターン間インターバルTPよりも小さい場合には、パターン間インターバルTPを動作パターンA,B間において必要なインターバルとして採用する。
【0032】
一方、制御部33は、図4(c)に示すように、電磁弁間インターバルTDからパターン内インターバルTX1,TX2を減算した時間TDnが動作パターンA,B間において設定されたパターン間インターバルTPよりも大きい場合には、算出した時間TDnを動作パターンA,B間のインターバルとして採用する。
【0033】
(1)複数の電磁弁32a〜32fの内の少なくとも1つの電磁弁の動作によりなる動作パターンA,Bを複数組合せてエアバッグ23,24によるエアマッサージ動作が制御部33により実施される。複数の電磁弁32a〜32fの内の同一電磁弁32e若しくは同一電磁弁32f間における電磁弁間インターバルTDが各電磁弁32e,32f間毎に予め設定されるとともに、動作パターンA,B間における各電磁弁32e,32fのパターン間インターバルTPが各動作パターンA,B間毎に予め制御部33のメモリ33aに設定される。制御部33では先の動作パターンAにおける電磁弁32e,32fの最終の膨張動作の終了時からその動作パターンの終了時まで、及び次の動作パターンBの開始時からその動作パターンBにおける同一電磁弁32e,32fの最初の膨張動作の開始時までを含むパターン内インターバルTX1,TX2を電磁弁間インターバルTDから減算する。そして制御部33は、その減算結果(時間TDn)とパターン間インターバルTPとを比較してその値の大きい方を、動作パターンA,B間におけるエアバッグの収縮動作に伴う排気と電磁弁32e,32fの放熱とで要するインターバルと決定する。このように、パターン間インターバルTPと、電磁弁間インターバルTDとに基づいていずれかのインターバルを用いて動作パターンA,B間におけるエアバッグの収縮動作に伴う排気と電磁弁32e,32fの放熱とで要するインターバルを決定することで、従来のように最もインターバルが必要となるパターン間のインターバルを他のパターン間のインターバルとして採用した構成と比較して制御部33にて決定されるパターンA,B間のインターバルを短くすることができる。このため、動作パターンA,B間のインターバルを抑えてエアバッグの収縮時間を増加を抑えることができるため、停止感のないより好適なエアマッサージを行うことが可能となる。
【0034】
(2)使用者が着座可能な座部12と、この座部12の後部に設けられる背もたれ部13とが備えられるとともに、その背もたれ部13には使用者の背部を施療子18aによって押圧してマッサージを行うメカマッサージ機構18が設けられる。このように施療子18aを有するメカマッサージ機構18を設けることで、エアバッグ19〜24によるエアマッサージ動作に加えて施療子18aによるメカマッサージ動作を行うことができ、より好適なマッサージを行うことができる。
【0035】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、予め設定されるパターン間インターバルTP及び電磁弁間インターバルTDから動作パターン間の最低限必要となるインターバルを決定したが、これに限らない。
【0036】
例えば、パターン間インターバルTPを動作パターン間毎に制御部33のメモリ33aに予め設定する構成を採用してもよい。このようにパターン間インターバルTPを各パターン間毎に設定することができるため、従来のように最もインターバルが必要となるパターン間のインターバルを他のパターン間のインターバルとして採用した構成と比較して各パターン間インターバルTPを最適な設定とすることができる。これにより、動作パターン間におけるエアバッグ19〜24の収縮動作に伴う排気と電磁弁32a〜32fの放熱とで要するインターバル(動作パターン間でのインターバル)を短くすることができる。このため、動作パターン間のインターバルを抑えてエアバッグの収縮時間を増加を抑えることができ、停止感のないより好適なエアマッサージを行うことが可能となる。
【0037】
上記構成ほか、電磁弁間インターバルTDを各電磁弁32a〜32f毎に制御部33のメモリ33aに予め設定する構成を採用してもよい。このように電磁弁間インターバルTDを各電磁弁32a〜32f間毎に設定することができるため、従来のように最もインターバルが必要となるパターン間のインターバルを他のパターン間のインターバルとして採用した構成と比較して電磁弁間インターバルTDを最適な設定とすることができる。これにより、結果として動作パターン間におけるエアバッグ19〜24の収縮動作に伴う排気と電磁弁32a〜32fの放熱とで要するインターバル(動作パターン間でのインターバル)を短くすることができる。このため、動作パターン間のインターバルを抑えてエアバッグの収縮時間を増加を抑えることができ、停止感のないより好適なエアマッサージを行うことが可能となる。
【0038】
・上記実施形態では、椅子型をなすマッサージ機10に本発明を適用したが、使用者が寝た姿勢で使用するベッド型のマッサージ機や、使用者の身体の腕や脚などの特定部位に使用する構成のマッサージ機に本発明を適用してもよい。
【0039】
・上記実施形態では、使用者の肩部、腰部、臀部、腕部、脚部に対応するエアバッグ19〜24を設けたが、その個数や位置は適宜変更してもよい。
・上記実施形態では、施療子18aによるメカマッサージを行うメカマッサージ機構18を設ける構成としたが、省略した構成を採用してもよい。
【符号の説明】
【0040】
10…マッサージ機、12…座部、13…背もたれ部、18…メカマッサージ機構、18a…施療子、19〜24…エアバッグ、30…駆動装置、31…エアポンプ、32a〜32f…電磁弁、33…インターバル決定手段及び設定手段を構成する制御部、33a…設定手段を構成するメモリ、A,B…動作パターン、X…使用者、TD…電磁弁間インターバル、TP…パターン間インターバル、TX1,TX2パターン内インターバル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の施療部位をマッサージするための複数のエアバッグが備えられ、エアポンプ及び前記エアバッグに対応する複数の電磁弁を備えてなる駆動装置の空気の給排動作を制御部の制御に基づいて行わせ、その駆動装置の空気の給排動作にて前記各エアバッグを膨縮させて前記使用者の施療部位のエアマッサージ動作を実施するマッサージ機であって、
前記制御部は、前記複数の電磁弁の内の少なくとも1つの電磁弁での動作パターンを複数組合せて前記エアバッグによるエアマッサージ動作を実施させるものであり、
前記複数の電磁弁の内の同一電磁弁間における電磁弁間インターバルが各電磁弁間毎に予め設定されるとともに、前記動作パターン間のパターン間インターバルが各動作パターン間毎に予め設定され、
先の動作パターンにおける電磁弁の最終の膨張動作の終了時からその動作パターンの終了時まで、及び次の動作パターンの開始時からその動作パターンにおける同一電磁弁の最初の膨張動作の開始時までを含むパターン内インターバルを前記電磁弁間インターバルから減算するとともに、その減算結果と前記パターン間インターバルとを比較してその値の大きい方を、前記動作パターン間における前記エアバッグの収縮動作に伴う排気と前記電磁弁の放熱とで要するインターバルとするインターバル決定手段が備えられたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
使用者の施療部位をマッサージするための複数のエアバッグが備えられ、エアポンプ及び前記エアバッグに対応する複数の電磁弁を備えてなる駆動装置の空気の給排動作を制御部の制御に基づいて行わせ、その駆動装置の空気の給排動作にて前記各エアバッグを膨縮させて前記使用者の施療部位のマッサージを行うマッサージ機であって、
前記制御部は、前記複数の電磁弁の内の少なくとも1つの電磁弁での動作パターンを複数組合せて前記エアバッグによるエアマッサージ動作を実施させるものであり、
前記複数の電磁弁の内の同一電磁弁間における電磁弁間インターバルを各電磁弁間毎に設定可能な設定手段が設けられたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項3】
使用者の施療部位をマッサージするための複数のエアバッグが備えられ、エアポンプ及び前記エアバッグに対応する複数の電磁弁を備えてなる駆動装置の空気の給排動作を制御部の制御に基づいて行わせ、その駆動装置の空気の給排動作にて前記各エアバッグを膨縮させて前記使用者の施療部位のマッサージを行うマッサージ機であって、
前記制御部は、前記複数の電磁弁の内の少なくとも1つの電磁弁での動作パターンを複数組合せて前記エアバッグによるエアマッサージ動作を実施させるものであり、
前記動作パターン間のパターン間インターバルを各動作パターン間毎に設定可能な設定手段が設けられたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のマッサージ機において、
座部と、該座部の後部に設けられる背もたれ部とを備え、
前記背もたれ部には、前記使用者の背部を施療子によって押圧してマッサージを行うメカマッサージ機構が設けられたことを特徴とするマッサージ機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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