説明

マルチカラー電子装置および印刷によりマルチカラー電子装置を形成する方法

ワークピース上にサブピクセル行の規則正しい配列を形成する方法が提供される。サブピクセルは3つの異なる色を有し、かつサブピクセルピッチsを有する。3色のうち、q色は印刷により形成され、r色は非印刷方法により形成される。この方法は、(1)ノズル間隔pを有する行内に配置されたz本のノズルを有する印刷ヘッドを設けるステップであって、z=3n1であり、p=2sであり、印刷ヘッドはワークピースに対して第1の位置にある、印刷ヘッドを設けるステップと、(2)q印刷色のそれぞれに1つずつ、q個の異なる印刷インクを提供するステップと、(3)規則正しい交互パターンで印刷インクのそれぞれをノズルに供給するステップと、(4)印刷ヘッドを使用して、第1の組のzサブピクセル行を印刷するステップと、(5)移動させ、第1の印刷パターンで印刷するステップであって、(a)ワークピースを印刷ヘッドに対して距離d1だけ横方向に移動させるステップであって、d1=3n2sである、移動させるステップ、および(b)印刷ヘッドを使用してzサブピクセル行の組を印刷するステップを有する、移動させ、第1の印刷パターンで印刷するステップと、(6)移動させ、第2の印刷パターンで印刷するステップであって、(c)ワークピースを印刷ヘッドに対して距離d2だけ横方向に移動させるステップであって、d2は、d1+d2=pzであるようなd2=3n3sである、移動させるステップ、および(d)印刷ヘッドを使用してzサブピクセル行の組を印刷するステップを有する、移動させ、第2の印刷パターンで印刷するステップと、(7)ステップ(5)および(6)を同じ順序で複数回繰り返すステップと、(8)r色を非印刷方法で塗布するステップとを含む。
変数は、
1:0よりも大きな整数、
2およびn3:n2+n3=2n1であるような奇数の整数、
q:1〜3の整数、および
r:q+r=3であるような整数
を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、米国特許法第119条(e)項の下で、2009年6月4日に出願された仮特許出願第61/184,091号明細書からの優先権を主張するものであり、この仮出願を参照により本明細書に援用する。
【0002】
本開示は、一般には電子装置および方法に関し、特に、電極および異なる色の有機活性領域を有する電子装置ならびにそのような電子装置を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
電子装置は、液晶ディスプレイ(「LCD」)、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ等を含むことができる。電子装置の製造は、溶液析出法を使用して実行し得る。電子装置を製造する一プロセスは、印刷(例えば、インクジェット印刷、連続印刷等)により、有機層を基板上に堆積させることである。印刷プロセスにおいて、印刷される液体組成物は、溶液中の有機材料、または有機溶媒、水溶液、または溶媒の組み合わせ中に分散、乳濁、または懸濁した有機材料を含む。印刷後、溶媒は蒸発して有機材料が残り、電子装置の有機層を形成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、第1の色が印刷され、次に、印刷装置が再較正され、第2の色が印刷される。場合によっては、第1の色が印刷された基板が、第2の色を印刷する第2のプリンタに移される。これには、プリンタをセットアップし、位置合わせするための時間も必要になる。多くの場合、3色:赤、緑、および青が印刷される。この場合、色毎に再較正し、かつ/または位置合わせし直すために時間をかけざるを得ない。改良された印刷プロセスが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ワークピース上にサブピクセル行の規則正しい配列を形成する方法であって、サブピクセルは3つの異なる色を有し、かつサブピクセルピッチsを有し、q色は印刷により形成され、r色は非印刷方法により形成され、上記方法は、
(1)ノズル間隔pを有する行内に配置されたz本のノズルを有する印刷ヘッドを設けることであって、z=3n1であり、p=2sであり、印刷ヘッドはワークピースに対して第1の位置にある、印刷ヘッドを設けること、
(2)q印刷色のそれぞれに1つずつ、q個の異なる印刷インクを提供すること、
(3)規則正しい交互パターンで印刷インクのそれぞれをノズルに供給すること、
(4)印刷ヘッドを使用して、第1の組のzサブピクセル行を印刷すること、
(5)移動させること、および第1の印刷パターンで印刷することであって、
(a)ワークピースを印刷ヘッドに対して距離d1(但し、d1=3n2sである)だけ横方向に移動させること、
(b)印刷ヘッドを使用してzサブピクセル行の組を印刷すること
を含む、移動させること、および第1のプリントパターンでプリントすること、
(6)移動させること、および第2の印刷パターンで印刷することであって、
(c)ワークピースを印刷ヘッドに対して距離d2(但し、d2は、d1+d2=pzであるようなd2=3n3sである)だけ横方向に移動させること、
(d)印刷ヘッドを使用してzサブピクセル行の組を印刷すること
を含む、移動させること、および第2のプリントパターンでプリントすること、
(7)ステップ(5)および(6)を同じ順序で複数回繰り返すこと、ならびに
(8)r色を非印刷方法で塗布すること
を含み、
1は0よりも大きな整数であり、
2およびn3は、n2+n3=2n1であるような、同じまたは異なる奇数の整数であり、
qは1〜3の整数であり、
rはq+r=3であるような整数である、プロセスが提供される。
【0006】
上記の概説および以下の詳細な説明は、例示および説明のためのみのものであり、添付の特許請求の範囲において規定されるような本発明を限定ではない。
【0007】
実施形態は、本明細書に提示される概念の理解を向上させるために、添付図に示される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】ワークピースおよびプリンタの断面図を含む。
【図2】ワークピースおよび異なるプリンタの別の断面図を含む。
【図3】ディスプレイを含む電子装置を製造するワークピースの平面図を含む。
【図4】9本のノズルを使用する印刷方法を示す図を含む。
【図5】9本のノズルを使用する別の印刷方法を示す図を含む。
【図6】9本のノズルを使用する別の印刷方法を示す図を含む。
【図7】12本のノズルを使用する別の印刷方法を示す図を含む。
【図8】12本のノズルを使用する別の印刷方法を示す図を含む。
【図8−2】12本のノズルを使用する別の印刷方法を示す図を含む。
【図9】15本のノズルを使用する別の印刷方法を示す図を含む。
【図9−2】15本のノズルを使用する別の印刷方法を示す図を含む。
【図10】9本のノズルを使用する別の印刷方法を示す図を含む。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図中の要素が、単純化および明確化のために示され、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではないことを当業者は理解する。例えば、本発明の実施形態の理解の向上を助けるために、図中の要素のうちのいくつかの寸法が、他の要素に相対して強調され得る。
【0010】
多くの態様および実施形態が上述され、それらの態様および実施形態は単なる例示であり、限定ではない。本明細書の読後、本発明の範囲から逸脱せずに、他の態様および実施形態が可能なことを当業者は理解する。
【0011】
実施形態のうちの任意の1つまたは複数の他の特徴および恩恵が、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかになろう。詳細な説明では、まず用語の定義および明確化に対処し、その後、プリンタ、印刷プロセス、電子装置、そして最後に実施例が続く。
【0012】
1.用語の定義および明確化
後述する実施形態の詳細に対処する前に、いくつかの用語を定義、すなわち明確化し得る。
【0013】
用語「配列」は、要素の順序付けられた構成を意味することを意図する。配列は、通常、列および行で示される順序付けられた構成内のピクセル、サブピクセル、セル、または他の構造を含み得る。配列は、x方向およびy方向に関して説明することができる。
【0014】
用語「青」は、おおよそ400nm〜500nmの範囲の波長を有する光を指す。
【0015】
用語「連続」およびその変形は、略途切れないことを意味することを意図する。一実施形態では、連続した印刷は、液滴を使用する堆積技法とは対照的に、略途切れない液体または液体組成物ストリームを使用した印刷である。別の実施形態では、連続した延在は、層、部材、または構造の長さを指し、層内、部材内、または構造内で長さに沿って大きな破断がない。
【0016】
用語「ドーパント」は、ドーパント材料がない層の放射、受信、またはフィルタリングの電子特性または波長と比較して、層の放射、受信、またはフィルタリングの電子特性または標的とされる波長を変更する、ホスト材料を含む層内の材料を意味することが意図される。ドーパントは、ホスト材料よりも低濃度で存在する。
【0017】
用語「電子装置」は、電気的に適宜接続され、適切な電位が供給された場合、機能を集合的に実行する回路、電子構成要素、またはそれらの他の任意の組み合わせの集まりを意味することが意図される。電子装置は、システムの一部を含み得、またはシステムの一部であり得る。電子装置の例としては、ディスプレイ、センサ配列、コンピュータシステム、アビオニクスシステム、自動車、携帯電話、他の大衆消費電子商品、他の工業電子商品、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0018】
用語「緑」は、おおよそ500nm〜600nmの範囲内の波長を有する光を指す。
【0019】
本明細書において使用される用語「整数」は、負の整数を含まない。
【0020】
用語「液体組成物」は、溶液を形成するために材料が溶解する液体媒体、分散を形成するために材料が
溶解する液体媒体、または懸濁もしくは乳濁を形成するために材料が溶解する液体媒体を意味することを意図する。
【0021】
用語「液体媒体」は、溶液、分散、懸濁、または乳濁内の液体を意味することを意図する。用語「液体媒体」は、存在する溶媒が単数であるか、それとも複数であるかに関わりなく使用され、したがって、液体媒体は、
用語の単数形または複数形(すなわち、複数の液体媒体(liquid media))として使用される。
【0022】
用語「ノズル」は、液体組成物または液体媒体を分注できる装置の部分を意味することを意図する。
【0023】
用語「配向」は、特徴が延びる主な方向を意味することを意図する。同じ高さまたは異なる高さにある異なる特徴間のように、特徴は互いに対して略平行に、略垂直に、または別の角度関係で配向し得る。
【0024】
用語「有機活性層」は、有機層のうちの少なくとも1つがそれ自体で、または異種材料に接触した場合に、整流接合部を形成可能な1つまたは複数の有機層を意味することを意図する。用語「有機活性領域」は、有機領域のうちの少なくとも1つがそれ自体で、または異種材料に接触した場合に、整流接合部を形成可能な1つまたは複数の有機領域を意味することを意図する。
【0025】
用語「ピッチ」は、すぐ隣の特徴間の特徴寸法および空間寸法の和を意味することを意図する。
【0026】
用語「ピクセル」は、配列のうちの最も小さな完成した繰り返し単位を意味することを意図する。用語「サブピクセル」は、ピクセルの全部ではなく一部を構成するピクセルの部分を意味することを意図する。サブピクセルは、カラー画像の表現に使用されるピクセルの構成要素のうちの1つである。各サブピクセルは、ピクセルの全体の色および明度に対する単一の色の寄与を表す。センサ配列は、サブピクセルを含んでもよく、または含まなくてもよいピクセルを含み得る。
【0027】
用語「印刷」は、印刷ヘッドまたは他の同様の構造を使用して、液体または液体組成物をワークピース上に分注することにより、層を選択的に堆積させる動作を意味することを意図する。
【0028】
用語「印刷装置」は、層をワークピース上に印刷するように設計された1つまたは複数の材料、機器、組立体、または下位組立体の組み合わせを意味することを意図する。
【0029】
用語「赤」は、おおよそ600nm〜750nmの範囲内の波長を有する光を指す。
【0030】
用語「解像限界」は、特定の装置または他の機器を使用した場合に再現可能に形成できる最小特徴サイズを意味することを意図する。
【0031】
用語「ワークピース」は、1つまたは複数の素子層を有する基板を意味することを意図する。素子層は無機層または有機層にできる。
【0032】
本明細書において使用する用語「備える」、「備えている」、「含む」、「含んでいる」、「有する」、「有している」、またはそれらの他の任意の変形は、非排他的な包含を含むことが意図される。例えば、列挙された特徴を備えるプロセス、方法、物品、または装置は、必ずしも、それらの特徴のみに限定されず、明示的に列挙されない、またはそのようなプロセス、方法、物品、または装置に固有の他の特徴を含み得る。さらに、逆のことが明記されない限り、「または」は、排他的orではなく、包含的orを指す。例えば、条件AまたはBは、以下のうちのいずれか1つにより満たされる:Aが真であり(または存在し)、かつBが偽である(または存在しない)、Aが偽であり(または存在せず)、かつBが真である(または存在する)、ならびにAおよびBの両方が真である(または存在する)。
【0033】
「a」または「an」の使用も、本明細書に記載の要素および構成要素を説明するために利用される。これは単に便宜上のため、かつ本発明の範囲の広義の意味を与えるために行われる。この説明は、1つまたは少なくとも1つを含むものと解釈されるべきであり、複数形が含まれないことが意味されることが明らかな場合を除き、単数形は複数形も含む。
【0034】
要素の周期表内の列に対応するグループ番号は、CRC Handbook of Chemistry and Physics,81st Edition(2000−2001)に見られる「新表記」慣例を使用する。
【0035】
別段のことが定義される場合を除き、本明細書において使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者により一般に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書に記載の方法および材料と同様または均等な方法および材料を、本発明の実施形態の実施または試験に使用できるが、適した方法および材料を以下に述べる。本明細書において言及されるすべての出版物、特許出願、特許、および他の引用は、特定の節が引用される場合を除き、参照により本明細書に援用される。不一致の場合は、定義を含め、本明細書が優先される。さらに、材料、方法、および実施例は単なる例示であり、限定として意図されない。
【0036】
本明細書に記載されない範囲で、特定の材料、処理動作、および回路に関する多くの詳細が従来通りのものであり、有機発光ダイオードディスプレイ、光検出器、光起電力、および半導体部材の分野内の教科書および他のソース内に見出し得る。
【0037】
2.プリンタ
特定の実施形態に対処する前に、本明細書に記載の概念の理解を助けるために、プリンタに対処する。
【0038】
図1に示されるように、プリンタ10は、6本のノズル120が取り付けられた印刷ヘッド110を有する。ノズルの間隔はpとして示される。プリンタは、ライン(図示せず)に取り付けられて、適切な液体組成物を各ノズルに供給する。3色の各色に1つずつ、異なる液体組成物が、規則正しい交互パターンで供給される。これにより、いずれも重複する前に各色が供給されること、および追加の色が同じ順序で供給されることが意味される。この図では、第1のノズルは色1を有し、第2のノズルは色2を有し、第3のノズルは色3を有し、第4のノズルは色1を有し、第5のノズルは色2を有し、第6のノズルは色3を有する。したがって、このシステムでは、z=3n1=6であり、n1=2である。
【0039】
印刷ヘッドは、ワークピース20の上方に示される。印刷ヘッドおよびワークピースは、互いに対して移動可能である。印刷時、印刷ヘッドはワークピースに対して紙の平面に入ったり出たりする方向において移動することになる。印刷ヘッドは、Lで示されるように、ワークピースに対して横方向にも移動することになる。この移動は相対的なものである。場合によっては、ワークピースが移動する。場合によっては、印刷ヘッドが移動する。場合によっては、印刷ヘッドおよびワークピースの両方が移動する。簡明化するために、移動は、まるで印刷ヘッドが移動するかのように、かつワークピースが静止しているかのようにして対応する。印刷ヘッドおよびワークピースのうちの一方または両方が移動でき、問題なのは互いに対する相対移動のみであることが理解されよう。
【0040】
第2のプリンタを図2に示す。プリンタ30は、9本のノズル320を有する印刷ヘッド310を有する。このプリンタは、3色R、G、およびBの印刷に使用することができる。このシステムでは、z=3n1=9であり、n1=3である。第1のノズルがRを有し、第2のノズルがGを有し、第3のノズルがBを有し、第4のノズルがRを有し、第5のノズルがGを有し、第6のノズルがBを有するなどのように、液体組成物を供給することができる。色の実際の順序は、規則正しい交互パターンである限り、重要ではない。図1と同様に、印刷ヘッドは、紙の平面から出たり入ったりして移動して印刷し、Lで示される方向において横方向にシフトすることができる。
【0041】
図1に示される実施形態では、プリンタは6本のノズルを有する。図2に示される実施形態では、プリンタは9本のノズルを有する。ノズルの実際の数は、これよりも大きくてもよく、実際の製造考慮事項によってのみ制限される。いくつかの実施態様では、ノズルの数は9本〜24本の範囲である。
【0042】
印刷射出は、液体材料を堆積させる既知の任意のシステムであることができる。印刷技術のいくつかの例としては、インクジェットおよび連続ノズル噴霧が挙げられるが、これらに限定されない。
【0043】
3.印刷プロセス
図3は、電子装置を製造するためのワークピース20の平面図を含む。ワークピースは、サブピクセル開口部210の規則正しい配列を有する基板200を含む。ワークピースは、第1の縁部201および逆の縁部202を有する。数個のサブピクセルのみが図に示される。実際には、装置は数百個以上のサブピクセルを有し得る。いくつかの実施形態では、サブピクセル開口部は、物理的な閉じ込め構造、化学的な閉じ込め構造、またはこれらの両方であり得る閉じ込め構造(図示せず)により画定される。サブピクセル開口部210は、211、212、および213として示される行の規則正しい配列内にある。サブピクセルピッチはsとして示される。いくつかの実施形態では、サブピクセルピッチは1μm〜100μmの範囲内であり、いくつかの実施形態では、2μm〜20μmの範囲内である。3個のサブピクセルが一緒になってピクセル220を形成する。図示の実施形態では、サブピクセル210は矩形を有する。円形、楕円形、正方形、または多角形等の他のサブピクセル形状を使用することもできる。図中、印刷方向はxとして示される。印刷方向に垂直な横方向への移動は、y方向での移動として定義される。
【0044】
本明細書に記載のプロセスでは、3色のサブピクセル行の規則正しい配列がワークピース上に形成される。3色のうち、q色は印刷され、r色は非印刷方法により形成される。サブピクセルはサブピクセルピッチsを有する。このプロセスは、
(1)ノズル間隔pを有する行内に配置されたz本のノズルを有する印刷ヘッドを設けることであって、z=3n1であり、p=2sであり、印刷ヘッドはワークピースに対して第1の位置にある、印刷ヘッドを設けること、
(2)q印刷色のそれぞれに1つずつ、q個の異なる印刷インクを提供すること、
(3)規則正しい交互パターンで印刷インクのそれぞれをノズルに供給すること、
(4)印刷ヘッドを使用して、第1の組のzサブピクセル行を印刷すること、
(5)移動させること、および第1の印刷パターンで印刷することであって、
(a)ワークピースを印刷ヘッドに対して距離d1(但し、d1=3n2sである)だけ横方向に移動させること、
(b)印刷ヘッドを使用してzサブピクセル行の組を印刷すること
を含む、移動させること、および第1のプリントパターンでプリントすること、
(6)移動させること、および第2の印刷パターンで印刷することであって、
(c)ワークピースを印刷ヘッドに対して距離d2(但し、d2は、d1+d2=pzであるようなd2=3n3sである)だけ横方向に移動させること、
(d)印刷ヘッドを使用してzサブピクセル行の組を印刷すること
を含む、移動させること、および第2のプリントパターンでプリントすること、
(7)ステップ(5)および(6)を同じ順序で複数回繰り返すこと、ならびに
(8)r色を非印刷方法で塗布すること
を含み、
1は0よりも大きな整数であり、
2およびn3は、n2+n3=2n1であるような、同じまたは異なる奇数の整数であり、
qは1〜3の整数であり、
rはq+r=3であるような整数である。
【0045】
形成すべき色の数は3である。いくつかの実施形態では、色は赤、緑、および青(「R,G,B」)である。3色のうち、q色は印刷により形成され、r色は非印刷方法により形成される。いくつかの実施形態では、q=3、r=0であり、3色すべてが印刷される。いくつかの実施形態では、q=2、r=1である。この場合、2色は印刷され、第3の色は非印刷方法により塗布される。第3の色は、印刷の前または後に塗布することができる。いくつかの実施形態では、第3の色は、2色が印刷された後に塗布される。
【0046】
印刷ヘッドはz本のノズルを有する。3色すべてが印刷される場合、z本すべてのノズルが存在し、インクが供給される。1色または複数色が非印刷方法により塗布される場合、非印刷色のために、ノズルスペースが存在する。ノズルは存在し得るが、インクが供給されないか、またはノズルが物理的になくてもよい。印刷パターンではノズルスペースはノズルとしてカウントされる。
【0047】
ノズルの数zは、色の数3の倍数である。したがって、z=3n1であり、n1は0よりも大きな整数である。いくつかの実施形態では、n1は少なくとも2である。いくつかの実施形態では、n1=3〜9であり、いくつかの実施形態では、5〜8である。
【0048】
印刷ヘッドは、ワークピース上方の第1の印刷位置において開始する。この第1の位置はA1と呼ばれ、後の項において考察する。いくつかの実施形態では、プリンタは、図3の201に示されるように、ワークピースの一縁部に位置決めされ、第1のサブピクセル行上に位置合わせされる。ノズルは、サブピクセルピッチの2倍に等しい距離pだけ離間され、それにより、すべてのノズルがサブピクセル行内で印刷するように位置合わせされる。したがって、ノズルはサブピクセルピッチsの倍数で離間され、p=2sである。用語「数の倍数」は、その数を0よりも大きな数で乗算した値を意味する。
【0049】
プリンタは、図3に示されるように、x方向においてワークピースを横切り、第1の組のサブピクセル行を印刷する。印刷される行数は、印刷ヘッド上のノズルの数に等しい=z。堆積する色の行数は、色が供給されるノズルの数に等しい。
【0050】
第1の組の行の印刷を完了した後、第1の印刷パターンがステップ(5)において形成される。印刷ヘッドは、ワークピースを横方向に横切り、隣接する印刷位置に移動する。この位置はA2と呼ばれ、後の項において考察する。この移動は、ワークピースの平面に対して平行であり、行方向に直交するy方向においてである。移動距離d1も、サブピクセルピッチsの倍数であり、3n2(s)に等しい。数n2は、奇数の整数である。したがって、印刷ヘッドの横方向移動は、2の倍数でも、2sであるノズル間隔pの倍数でもない。仮に横方向移動がノズル間隔の倍数であったならば、いくつかの行が、前の行が印刷された箇所に重複する恐れがある。次に、1組のz行が位置A2から印刷される。印刷は、第1の印刷とは逆の方向であってもよく、または印刷ヘッドは、第1の印刷と同じ側に戻り、同じ方向で印刷してもよい。これは、機器およびソフトウェアの設計によって決まる。これにより、第1の印刷パターンの印刷が完了する。
【0051】
第1の印刷パターンの完了後、第2の印刷パターンがステップ(6)において形成される。印刷ヘッドは、ワークピースを横方向に横切り、隣接する印刷位置に移動する。この位置はA3と呼ばれ、後の項において考察する。この移動は、ワークピースの平面に対して平行であり、行方向において直交するy方向においてである。移動距離d2は、サブピクセルピッチsの倍数であり、3n3(s)に等しい。数n3は奇数の整数である。第1および第2の横方向移動の和d1+d2は、pzに等しい。p=2sであり、z=3n1であるため、n1、n2、およびn3の関係は以下のように導出することができる。
1 + d2 = pz
(3n2s) + (3n3s) = (2s)(3n1
2s + n3s = 2s(n1
2 + n3 = 2n1
【0052】
次に、別の組のz行が位置A3から印刷される。印刷は、第2の印刷とは逆の方向であってもよく、または印刷ヘッドは、第1の印刷と同じ側に戻り、同じ方向で印刷してもよい。これは、機器およびソフトウェアの設計によって決まる。これにより、第2の印刷パターンの印刷が完了する。
【0053】
ステップ(7)において、所望の数のサブピクセル行が印刷されるまで、第1、および第2の印刷パターンを印刷するステップが、同じ順序で複数回繰り返される。
【0054】
実際には、サブピクセル行を任意の順序で印刷することができる。ワークピースに対する印刷ヘッドの移動については上述した移動になり、サブピクセル行は位置A1、A2、A3等から印刷を開始するが、必ずしも順番通りである必要はない。印刷の厳密な順序は一般に、プリンタの最も効率的な利用方法によって決まることになる。
【0055】
ステップ(8)において、r色は非印刷堆積方法により塗布される。r=0の場合、ステップ(8)はない。非印刷方法の例としては、蒸着、熱転写、およびスピンコーティング、グラビアコーティング、カーテンコーティング、浸漬被覆、スロットダイコーティング、および吹き付け塗装等の連続液体堆積技法が挙げられるが、これらに限定されない。これらの場合、r>0のとき、印刷は、印刷ステップの前または後に塗布し得る非印刷色のオープンスペースを残さなければならない。印刷パターンではオープンスペースは色としてカウントされる。r>1であり、2色以上が非印刷堆積方法により塗布される場合、同じまたは異なる非印刷方法を異なる非印刷色に使用し得る。
【0056】
例示的で非限定的な組の異なる数のノズルのd1、およびd2の異なる組み合わせの概要を表1に付与する。表は、9〜27本のノズルを有する印刷ヘッドを示す。ノズル数が3の倍数である限り、異なるノズル数を使用することもできることを理解されたい。
【0057】
【表1】

【0058】
表から、ノズルの数、ここではn1が奇数であり、n1=n2の場合のみ、d1=d2が発生することが分かる。
【0059】
実施例に示されるように、印刷方式が異なると、ワークピースの第1の縁部および逆縁部において充填されないサブピクセルの数が異なる。印刷方式の選択は一般に、装置のサイズおよび設計に依存する。
【0060】
4.電子装置
本明細書に記載の印刷方法を使用できる装置は、有機電子装置を含む。用語「有機電子装置」または時には単に「電子装置」は、1つまたは複数の有機半導体層または材料を含む装置を意味することを意図する。有機電子装置は、(1)電気エネルギーを放射に変換する装置(例えば、発光ダイオード、発光ダイオードディスプレイ、ダイオードレーザ、または照明パネル)、(2)電子プロセスを使用して信号を検出する装置(例えば、光検出器、光伝導セル、フォトレジスタ、光スイッチ、光トランジスタ、光電管、赤外線(「IR」)検出器、またはバイオセンサ)、(3)放射を電気エネルギーに変換する装置(例えば、光起電装置または太陽電池)、(4)1つまたは複数の有機半導体層を含む1つまたは複数の電子構成要素を含む装置(例えば、トランジスタまたはダイオード)、あるいは項目(1)〜(4)内の装置の任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0061】
そのような装置では、有機活性層が2つの電気接点層の間に挟まれる。有機電子装置構造の一例はOLEDである。この装置は、陽極層である第1の電気接点層と、陰極層である第2の電気接点層とを有する。電気接点層のうちの少なくとも一方は、電気接点層に光を通すことができるような透光性を有する。光活性層が間にある。追加の層もオプションとして存在し得る。陽極に隣接して、バッファ層があり得る。バッファ層に隣接して、正孔輸送材料を含む正孔輸送層があり得る。陰極に隣接して、電子輸送材料を含む電子輸送層があり得る。オプションとして、装置は、陽極に隣接して1つまたは複数の追加の正孔注入層または正孔輸送層を使用し得、かつ/または陰極に隣接して1つまたは複数の追加の電子注入層または電子輸送層を使用し得る。
【0062】
そのような装置において、有機エレクトロルミネセンス構成要素を活性構成要素として使用して、必要な色を提供することが周知である。本明細書に記載の印刷方法は、異なる色を有するエレクトロルミネセンス材料を含む液体組成物の印刷に適する。そのような材料は、小分子有機蛍光化合物、蛍光・リン光性金属錯体、共役ポリマー、およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。蛍光化合物の例としては、クリセン類、ピレン類、ペリレン類、ルビレン類、クマリン類、アントラセン類、チアジアゾール類、これらの誘導体、およびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。金属錯体の例としては、トリス(8−ヒドロキシキノレート)アルミニウム(Alq3)等の金属キレートオキシノイド化合物;Petrov等の米国特許第6,670,645号明細書ならびにPCT公開出願である国際公開第03/063555号パンフレットおよび国際公開第2004/016710号パンフレットに開示されているイリジウムとフェニルピリジン、フェニルキノリン、またはフェニルピリミジンリガンドとの錯体等のシクロメタル化イリジウムおよび白金エレクトロルミネセンス化合物;例えば、PCT公開出願である国際公開第03/008424号パンフレット、国際公開第03/091688号パンフレット、および国際公開第03/040257号パンフレットに記載されている有機金属錯体、ならびにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。場合によっては、処理および/または電子特性を向上させるために、小分子蛍光材料または有機金属系材料が、ホスト材料を有するドーパントとして堆積する。共役ポリマーの例としては、ポリ(フェニレンビニレン類)、ポリフルオレン類、ポリ(スピロビフルオレン類)、ポリチオフェン類、ポリ(p−フェニレン類)、それらのコポリマー、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0063】
印刷インクを形成するために、上記材料は、適した液体組成物中に溶解または分散する。特定の化合物または関連する化合物群に適した溶媒は、当業者により容易に特定することができる。用途によっては、化合物が非水性溶媒に溶解することが望ましい。そのような非水溶性溶媒は、C1〜C20アルコール類、エーテル類、および酸エステル類等、比較的極性を有することができ、またはトルエン、キシレン類、トリフルオロトルエン等のC1〜C12アルカンもしくは芳香族等、比較的極性を有さなくてもよい。新しい化合物を含む、本明細書に説明するような溶液または分散としての液体組成物の作成での使用に適した他の液体としては、有機塩素化合物(塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン等)、芳香族炭化水素(置換および非置換のトルエン類およびキシレン類等)、トリフルオロトルエンを含む)、極性溶媒(テトラヒドロフラン(THP)、N−メチルピロリドン等)、エステル類(酢酸エチル等)、アルコール類(イソプロパノール)、ケトン類(シクロペンタジエン)、およびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。光活性材料に適した溶媒は、例えば、公開されたPCT出願である国際公開第2007/145979号パンフレットに記載されている。
【実施例】
【0064】
本明細書に記載の概念について、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を限定しない以下の実施例および関連付けられた図においてさらに説明する。
【0065】
実施例1
実施例1を図4に示す。3色が赤、緑、および青として示され、3色すべてが印刷される。9本のノズルが印刷ヘッド上にあり、ノズルの間隔はサブピクセルピッチ2個分である。したがって、この実施例では、q=3、r=0、z=9、n1=3である。
【0066】
色は、「プリンタ」と記された列の下に示されるように配置される。印刷ヘッドは、赤を有する第1のノズルがサブピクセル行1の上方にある状態で第1の縁部に位置決めされる。これは、A1として示される第1の印刷位置である。位置A1は、第1のノズルが上方に配置されるサブピクセル行として定義される。プリンタは、ワークピースを横切って行方向に印刷して、サブピクセル行1に赤色の行、サブピクセル行3に緑色の行、サブピクセル行5に青色の行、サブピクセル行7に赤色の行、サブピクセル行9に緑色の行、サブピクセル行11に青色の行、サブピクセル行13に赤色の行、サブピクセル行15に緑色の行、およびサブピクセル行17に青色の行を形成する。これは、印刷#1と記される列に示される。明確にするために、各色に1個のみのサブピクセルが示されるが、各サブピクセルはサブピクセル行全体を表す。
【0067】
次のステップは、第1の印刷パターンを形成すること:ステップ(5)である。プリンタは、サブピクセル3n2個分である距離d1だけ横方向にシフトする。この場合、n2=1であり、d1=3sである。これは、プリンタの位置A2である。次に、印刷#2と記された列に示されるように、プリンタは別の組の行を印刷する:サブピクセル行4に赤色の行、サブピクセル行6に緑色の行、サブピクセル行8に青色の行、サブピクセル行10に赤色の行、サブピクセル行12に緑色の行、サブピクセル行14に青色の行、サブピクセル行16に赤色の行、サブピクセル行18に緑色の行、およびサブピクセル行20に青色の行。印刷#2は、明確にするために、印刷#1の右側にシフトして示される。印刷#1および印刷#2は両方とも、他のすべての印刷番号と同様に、ワークピースを横切って印刷されたサブピクセルの完全な行を表す。これにより、第1の印刷パターンが完了する。
【0068】
次のステップは、第2の印刷パターンを形成すること:ステップ(6)である。プリンタは、サブピクセルd2個分だけ横方向にシフトし、d2はサブピクセル3n3個分に等しい。n2+n3=2n1であるため、n3は2n1−n2=2・3−1=5である。したがって、d2=3n3s=15sである。距離d2は、pz−d1に等しいものとして計算することもでき、d1=3sである。上述したように、p=2sであり、z=9である。したがって、d2=2s・9−3s=15sである。これは、プリンタのA3の位置である。次に、印刷#3と記された列に示されるように、プリンタは第3の組の行を印刷する:サブピクセル行19に赤色の行、サブピクセル行21に緑色の行、サブピクセル行23に青色の行、サブピクセル行25に赤色の行、サブピクセル行27に緑色の行、サブピクセル行29に青色の行、サブピクセル行31に赤色の行、サブピクセル行33に緑色の行、およびサブピクセル行35に青色の行。これにより、第2の印刷パターンが完了する。
【0069】
次のステップ:ステップ(7)は、ステップ(5)および(6)を順序通りに繰り返すことである。ステップ(5)を繰り返すために、プリンタは距離d1=3sだけ横方向にシフトする。これはプリンタの位置A4である。次に、印刷#4と記された列に示されるように、プリンタは別の組の行を印刷する:サブピクセル行22に赤色の行、サブピクセル行24に緑色の行、サブピクセル行26に青色の行、サブピクセル行28に赤色の行、サブピクセル行30に緑色の行、サブピクセル行32に青色の行、サブピクセル行34に赤色の行、サブピクセル行36に緑色の行、およびサブピクセル行38に青色の行。
【0070】
ステップ(6)を繰り返すために、プリンタは距離d2=15sだけ横方向にシフトする。これはプリンタの位置A5である。次に、印刷#5と記された列に示されるように、プリンタは別の組の行を印刷する:サブピクセル行37に赤色の行、サブピクセル行39に緑色の行、サブピクセル行41に青色の行、サブピクセル行43に赤色の行、サブピクセル行45に緑色の行、サブピクセル行47に青色の行、サブピクセル行49に赤色の行、サブピクセル行51に緑色の行、およびサブピクセル行53に青色の行。
【0071】
この時点で、プリンタは、1組がサブピクセル9行分で、5組のサブピクセル行を印刷しており、これは45のサブピクセル行に等しい。この時点で、印刷はワークピースの逆縁部に達し、印刷は完了する。実際には、大半の装置で、数百のサブピクセル行以上までのはるかに多数の行が必要であり、これらの行が類似する様式で印刷されることになる。図中の45のサブピクセル行は、単なる例示として示される。
【0072】
印刷結果は、「パターン」と記される列中に示される。第1の縁部におけるサブピクセル行2ならびに逆縁部におけるサブピクセル行40、42、44、46、48、50、および52が色を有さないことが分かる。1組がサブピクセル3個分である完全な組が、サブピクセル行3からサブピクセル行38まで存在する。赤、青、および緑がこの図中に例示されるが、他の色を使用することも可能である。
【0073】
実施例2
実施例2を図5に示す。3色が赤、緑、および青として示され、3色すべてが印刷される。9本のノズルが印刷ヘッド上にあり、ノズルの間隔はサブピクセルピッチ2個分である。したがって、この実施例では、q=3、r=0、z=9、n1=3である。
【0074】
色は、「プリンタ」と記された列の下に示されるように配置される。印刷ヘッドは、赤を有する第1のノズルがサブピクセル行1の上方にある状態で第1の縁部に位置決めされる。これは、A1として示される第1の印刷位置である。位置A1は、第1のノズルが上方に配置されるサブピクセル行として定義される。プリンタは、ワークピースを横切って行方向に印刷して、サブピクセル行1に赤色の行、サブピクセル行3に緑色の行、サブピクセル行5に青色の行、サブピクセル行7に赤色の行、サブピクセル行9に緑色の行、サブピクセル行11に青色の行、サブピクセル行13に赤色の行、サブピクセル行15に緑色の行、およびサブピクセル行17に青色の行を形成する。これは、印刷#1と記される列に示される。明確にするために、各色に1個のみのサブピクセルが示されるが、各サブピクセルはサブピクセル行全体を表す。
【0075】
次のステップは、第1の印刷パターンを形成することである。プリンタは、サブピクセル3n2個分である距離d1だけ横方向にシフトする。この場合、n2=5であり、d1=15sである。これは、プリンタの位置A2である。次に、印刷#2と記された列に示されるように、プリンタは別の組の行を印刷する:サブピクセル行16に赤色の行、サブピクセル行18に緑色の行、サブピクセル行20に青色の行、サブピクセル行22に赤色の行、サブピクセル行24に緑色の行、サブピクセル行26に青色の行、サブピクセル行28に赤色の行、サブピクセル行30に緑色の行、およびサブピクセル行32に青色の行。印刷#2は、明確にするために、印刷#1の右側にシフトして示される。印刷#1および印刷#2は両方とも、他のすべての印刷番号と同様に、ワークピースを横切って印刷されたサブピクセルの完全な行を表す。これにより、第1の印刷パターンが完了する。
【0076】
次のステップは、第2の印刷パターンを形成することである。この場合、プリンタは、サブピクセルd2個分だけ横方向にシフトし、d2=pz−d1=3sである。これは、プリンタのA3の位置である。次に、印刷#3と記された列に示されるように、プリンタは第3の組の行を印刷する:サブピクセル行19に赤色の行、サブピクセル行21に緑色の行、サブピクセル行23に青色の行、サブピクセル行25に赤色の行、サブピクセル行27に緑色の行、サブピクセル行29に青色の行、サブピクセル行31に赤色の行、サブピクセル行33に緑色の行、およびサブピクセル行35に青色の行。これにより、第2の印刷パターンが完了する。
【0077】
次に、第1および第2の印刷パターンを順序通りに繰り返す。印刷を距離d1=15sだけ横方向にシフトさせた。これはプリンタの位置A4である。次に、印刷#4と記された列に示されるように、プリンタは別の組の行を印刷する:サブピクセル行34に赤色の行、サブピクセル行36に緑色の行、サブピクセル行38に青色の行、サブピクセル行40に赤色の行、サブピクセル行42に緑色の行、サブピクセル行44に青色の行、サブピクセル行46に赤色の行、サブピクセル行48に緑色の行、およびサブピクセル行50に青色の行。
【0078】
次に、プリンタを距離d2=3sだけ横方向にシフトさせる。これはプリンタの位置A5である。次に、印刷#5と記された列に示されるように、プリンタは別の組の行を印刷する:サブピクセル行37に赤色の行、サブピクセル行39に緑色の行、サブピクセル行41に青色の行、サブピクセル行43に赤色の行、サブピクセル行45に緑色の行、サブピクセル行47に青色の行、サブピクセル行49に赤色の行、サブピクセル行51に緑色の行、およびサブピクセル行53に青色の行。
【0079】
この時点で、プリンタは、1組がサブピクセル9行分で、5組のサブピクセル行を印刷しており、これは45のサブピクセル行に等しい。上述したように、大半の装置で、数百のサブピクセル行以上までのはるかに多数の行が必要であり、図中の45のサブピクセル行は、単なる例示として示される。
【0080】
印刷結果は、「パターン」と記される列中に示される。第1の縁部におけるサブピクセル行2、4、6、8、10、12、および14ならびに逆縁部におけるサブピクセル行52が色を有さないことが分かる。1組がサブピクセル3個分である完全な組が、サブピクセル行15からサブピクセル行50まで存在する。赤、青、および緑がこの図中に例示されるが、他の色を使用することも可能である。
【0081】
実施例3
実施例3を図6に示す。3色が赤、緑、および青として示され、3色すべてが印刷される。9本のノズルが印刷ヘッド上にあり、ノズルの間隔はサブピクセルピッチ2個分である。実施例1と同様に、q=3、r=0、z=9、n1=3である。
【0082】
色は、印刷ヘッドが位置A1に位置決めされた状態で、「プリンタ」の列に示されるように配置される。第1の印刷行は実施例1と同じである:サブピクセル行1に赤の行、サブピクセル行3に緑の行、サブピクセル行5に青の行、サブピクセル行7に赤の行、サブピクセル行9に緑の行、サブピクセル行11に青の行、サブピクセル行13に赤の行、サブピクセル行15に緑の行、およびサブピクセル行17に青の行。これは、印刷#1と記される列に示される。実施例1と同様に、明確にするために、各色に1個のみのサブピクセルが示されるが、各サブピクセルはサブピクセル行全体を表す。
【0083】
次のステップは、第1の印刷パターンを形成することである。プリンタは、サブピクセル3n2個分である距離d1だけ横方向にシフトする。この場合、n2=3であり、d1=9sである。これは、プリンタの位置A2である。次に、プリンタは別の組の行を印刷する:サブピクセル行10、16、および22に赤、サブピクセル行12、18、および24に緑、サブピクセル行14、20、および26に青。これは印刷#2の列に示される。印刷#2は、明確にするために、印刷#1の右側にシフトして示される。印刷#1および印刷#2は両方とも、他のすべての印刷番号と同様に、ワークピースを横切って印刷されたサブピクセルの完全な行を表す。これにより、第1の印刷パターンが完了する。
【0084】
次に、プリンタはサブピクセルd2個分横方向にシフトする。d2はpz−d1に等しく、p=2s、z=9、d1=9sである。したがって、この例示では、d2=2s・9−9s=9sであり、d1=d2である。これは印刷#3のプリンタの位置A3である。次に、プリンタは、印刷#4のためにサブピクセルd1=9s個分シフトし、印刷#5のためにサブピクセルd2=9個分シフトする。この場合、横方向へのすべてのシフトは、同じ距離9sである。n1=n2=n3であり、かつ横方向シフトの移動が、ノズルの総数にサブピクセルピッチを乗算したものに等しい場合、d1=d2となる。n2は奇数でなければならないため、この事例はノズルの数が奇数である場合のみ発生する。
【0085】
この時点で、プリンタは、1組がサブピクセル9行分で、5組のサブピクセル行を印刷しており、これは合計で45のサブピクセル行である。上述したように、大半の装置で、数百のサブピクセル行以上までのはるかに多数の行が必要であり、図中の45のサブピクセル行は、単なる例示として示される。印刷結果は、「パターン」と記される列中に示される。第1の縁部におけるサブピクセル行2、4、6、および8ならびに逆縁部におけるサブピクセル行46、48、50、および52が色を有さないことが分かる。3色の完全な組、ひいては使用可能な装置領域を、サブピクセル行9からサブピクセル行44までに見い出すことができる。赤、青、および緑がこの図中に例示されるが、他の色を使用することも可能である。
【0086】
実施例4
実施例4を図7に示す。3色が赤、緑、および青として示され、3色すべてが印刷される。12本のノズルが印刷ヘッド上にあり、したがって、q=3、r=0、z=12、n1=4である。
【0087】
色は、「プリンタ」の列に示されるように配置される。第1の印刷行は、印刷#1と記された列に示される:サブピクセル行1に赤の行、サブピクセル行3に緑の行、サブピクセル行5に青の行、サブピクセル行7に赤の行、サブピクセル行9に緑の行、サブピクセル行11に青の行、サブピクセル行13に赤の行、サブピクセル行15に緑の行、サブピクセル行17に青の行、サブピクセル行19に赤の行、サブピクセル行21に緑の行、およびサブピクセル行23に青の行。実施例1と同様に、明確にするために、各色に1個のみのサブピクセルが示されるが、各サブピクセルはサブピクセル行全体を表す。
【0088】
第1の印刷パターンのために、プリンタは、サブピクセル3n2個分である距離d1だけ横方向にシフトする。この場合、n2=1であり、d1=3sである。これは、プリンタの位置A2である。次に、プリンタは第2の組の行を印刷する:サブピクセル行4、10、16、および22に赤、サブピクセル行6、12、18、および24に緑、ならびにサブピクセル行8、14、20、および26に青。これは印刷#2の列に示される。印刷#2は、明確にするために、印刷#1の右側にシフトして示される。印刷#1および印刷#2は両方とも、他のすべての印刷番号と同様に、ワークピースを横切って印刷されたサブピクセルの完全な行を表す。これにより、第1の印刷パターンが完了する。
【0089】
次に、プリンタは、第2の印刷パターンのために、サブピクセルd2個分横方向にシフトする。d2はpz−d1に等しく、p=2s、z=12、d1=3sである。したがって、この例示では、d2=2s・12−3s=21sである。これは、印刷#3のプリンタの位置A3である。次に、プリンタは第3の組の行を印刷する:サブピクセル行25、31、37、および43に赤、サブピクセル行27、33、39、および45に緑、ならびにサブピクセル行29、35、41、および47に青。これは印刷#3の列に示される。
【0090】
次に、第1の印刷パターンを繰り返し、プリンタはd1=3sだけ、位置A4まで横方向にシフトする。次に、プリンタは第3の組の行を印刷する:サブピクセル行28、34、40、および46に赤、サブピクセル行30、36、42、および48に緑、ならびにサブピクセル行32、38、44、および50に青。これは印刷#4の列に示される。
【0091】
この時点で、プリンタは、1組がサブピクセル12行分で、4組のサブピクセル行を印刷しており、これは合計で48のサブピクセル行である。上述したように、大半の装置で、数百のサブピクセル行以上までのはるかに多数の行が必要であり、図中の48のサブピクセル行は、単なる例示として示される。
【0092】
この実施例では、第1の印刷パターンを繰り返し、第2の印刷パターンを繰り返さない状態で、プロセスが停止したことに留意されたい。印刷パターンは順序通り繰り返されるが、プロセスは、第1または第2の印刷パターン:ステップ(5)または(6)のいずれか一方で完了することができる。どの印刷で終了するかの選択は一般に、装置のサイズおよび設計に依存する。
【0093】
印刷結果は、「パターン」と記される列に示される。サブピクセル行2および49に色がないことが分かる。3色の完全な組、ひいては使用可能な装置領域を、サブピクセル行3からサブピクセル行47までに見い出すことができる。赤、青、および緑がこの図中に例示されるが、他の色を使用することも可能である。
【0094】
実施例5
実施例5を図8に示す。3色が赤、緑、および青として示され、3色すべてが印刷される。12本のノズルが印刷ヘッド上にあり、したがって、q=3、r=0、z=12、n1=4である。
【0095】
色は、「プリンタ」の列に示されるように配置される。第1の印刷行は、印刷#1と記された列に示される:サブピクセル行1に赤の行、サブピクセル行3に緑の行、サブピクセル行5に青の行、サブピクセル行7に赤の行、サブピクセル行9に緑の行、サブピクセル行11に青の行、サブピクセル行13に赤の行、サブピクセル行15に緑の行、サブピクセル行17に青の行、サブピクセル行19に赤の行、サブピクセル行21に緑の行、およびサブピクセル行23に青の行。実施例1と同様に、明確にするために、各色に1個のみのサブピクセルが示されるが、各サブピクセルはサブピクセル行全体を表す。
【0096】
第1の印刷パターンのために、プリンタは、サブピクセル3n2個分である距離d1だけ横方向にシフトする。この場合、n2=3であり、d1=9sである。これは、プリンタの位置A2である。次に、プリンタは第2の組の行を印刷する:サブピクセル行10、16、22、および28に赤、サブピクセル行12、18、24、および30に緑、ならびにサブピクセル行14、20、26、および32に青。これは印刷#2の列に示される。印刷#2は、明確にするために、印刷#1の右側にシフトして示される。印刷#1および印刷#2は両方とも、他のすべての印刷番号と同様に、ワークピースを横切って印刷されたサブピクセルの完全な行を表す。これにより、第1の印刷パターンが完了する。
【0097】
第2の印刷パターンのために、プリンタは、サブピクセルd2個分横方向にシフトする。d2はpz−d1に等しく、p=2s、z=12、d1=9sである。したがって、この例示では、d2=2s・12−9s=15sである。これは、印刷#3のプリンタの位置A3である。次に、プリンタは第3の組の行を印刷する:サブピクセル行25、31、37、および43に赤、サブピクセル行27、33、39、および45に緑、ならびにサブピクセル行29、35、41、および47に青。これは印刷#3の列に示される。
【0098】
次に、プリンタは、位置A4まで、d1=9sだけ横方向にシフトすることにより、第1の印刷パターンを繰り返す。次に、プリンタは第3の組の行を印刷する:サブピクセル行34、40、46、および52に赤、サブピクセル行36、42、48、および54に緑、ならびにサブピクセル行38、44、50、および56に青。これは印刷#4の列に示される。
【0099】
この時点で、プリンタは、1組がサブピクセル12行分で、4組のサブピクセル行を印刷しており、これは合計で48のサブピクセル行である。上述したように、大半の装置で、数百のサブピクセル行以上までのはるかに多数の行が必要であり、図中の48のサブピクセル行は、単なる例示として示される。
【0100】
印刷結果は、「パターン」と記される列中に示される。第1の縁部におけるサブピクセル行2、4、6、および8ならびに逆縁部におけるサブピクセル行49、51、53、および55が色を有さないことが分かる。3色の完全な組、ひいては使用可能な装置領域を、サブピクセル行9からサブピクセル行47までに見い出すことができる。赤、青、および緑がこの図中に例示されるが、他の色を使用することも可能である。
【0101】
実施例6
実施例6を図9に示す。3色が赤、緑、および青として示され、3色すべてが印刷される。15本のノズルが印刷ヘッド上にあり、したがって、q=3、r=0、z=15、n1=5である。
【0102】
色は、「プリンタ」の列に示されるように配置される。第1の印刷行は、印刷#1と記された列に示される:サブピクセル行1に赤の行、サブピクセル行3に緑の行、サブピクセル行5に青の行、サブピクセル行7に赤の行、サブピクセル行9に緑の行、サブピクセル行11に青の行、サブピクセル行13に赤の行、サブピクセル行15に緑の行、サブピクセル行17に青の行、サブピクセル行19に赤の行、サブピクセル行21に緑の行、サブピクセル行23に青の行、サブピクセル行25に赤の行、サブピクセル27に緑の行、およびサブピクセル29に青の行。実施例1と同様に、明確にするために、各色に1個のみのサブピクセルが示されるが、各サブピクセルはサブピクセル行全体を表す。
【0103】
第1の印刷パターンのために、プリンタは、サブピクセル3n2個分である距離d1だけ横方向にシフトする。この場合、n2=3であり、d1=9sである。これは、プリンタの位置A2である。次に、プリンタは第2の組の行を印刷する:サブピクセル行10、16、22、28、および34に赤、サブピクセル行12、18、24、30、および36に緑、ならびにサブピクセル行14、20、26、32、および38に青。これは印刷#2の列に示される。印刷#2は、明確にするために、印刷#1の右側にシフトして示される。印刷#1および印刷#2は両方とも、他のすべての印刷番号と同様に、ワークピースを横切って印刷されたサブピクセルの完全な行を表す。これにより、第1の印刷パターンが完了する。
【0104】
第2の印刷パターンのために、プリンタは、サブピクセルd2個分横方向にシフトする。d2はpz−d1に等しく、p=2s、z=15、d1=9sである。したがって、この例示では、d2=2s・15−9s=21sである。これは、印刷#3のプリンタの位置A3である。次に、プリンタは第3の組の行を印刷する:サブピクセル行31、37、43、49、および55に赤、サブピクセル行33、39、45、51、および57に緑、ならびにサブピクセル行35、41、47、53、および59に青。これは印刷#3の列に示される。これにより、第2の印刷パターンが完了する。
【0105】
次に、プリンタは、位置A4まで、d1=9sだけ横方向にシフトすることにより、第1の印刷パターンを繰り返す。次に、プリンタは第4の組の行を印刷する:サブピクセル行40、46、52、58、および64に赤、サブピクセル行42、48、54、60、および66に緑、ならびにサブピクセル行44、50、56、62、および68に青。これは印刷#4の列に示される。
【0106】
次に、プリンタは、位置A5まで、d2=21sだけ横方向にシフトすることにより、第2の印刷パターンを繰り返す。次に、プリンタは第5の組の行を印刷する:サブピクセル行61、67、73、79、および85に赤、サブピクセル行63、69、75、81、および87に緑、ならびにサブピクセル行65、71、77、83、および89に青。
【0107】
次に、プリンタは、位置A6まで、d1=9sだけ横方向にシフトし、第6の組の行:サブピクセル行70、76、82、88、および94に赤、サブピクセル行72、78、84、90、および96に緑、ならびにサブピクセル行74、80、86、92、および98に青を印刷することにより、第1の印刷パターンを繰り返す。
【0108】
この時点で、プリンタは、1組がサブピクセル15行分で、6組のサブピクセル行を印刷しており、これは合計で90のサブピクセル行である。上述したように、大半の装置で、数百のサブピクセル行以上までのはるかに多数の行が必要であり、図中の90のサブピクセル行は、単なる例示として示される。
【0109】
印刷結果は、「パターン」と記される列中に示される。第1の縁部におけるサブピクセル行2、4、6、および8ならびに逆縁部におけるサブピクセル行91、93、95、および97が色を有さないことが分かる。3色の完全な組、ひいては使用可能な装置領域を、サブピクセル行9からサブピクセル行89までに見い出すことができる。赤、青、および緑がこの図中に例示されるが、他の色を使用することも可能である。
【0110】
3つの印刷色および印刷ヘッドに15本のノズルを有し、したがって、q=3、r=0、z=15、n1=5であるプリンタの場合での2つの他の実施形態(図示せず)がある。一実施形態では、d1=3、d2=27である。別の実施形態では、d1=d2=15である。
【0111】
実施例7
実施例7を図10に示す。この実施例では、非印刷方法により塗布される1色がある。
【0112】
2色:M1およびM2があり、図中では「空白」として示される、別の時間に堆積する第3の色のためのオープンスペースがある。これは3色としてカウントされる。M1を印刷する3本のノズル、M2を印刷する3本のノズル、および印刷しない3本のノズルがある。非印刷ノズルは、印刷ヘッドに物理的に存在してもよく、または存在しなくてもよい。非印刷ノズルが存在しない場合、非印刷ノズルのためのスペースがあり、このスペースは、印刷パターンではノズルとしてカウントされる。したがって、これは合計で9本のノズルとしてカウントされる。各色に1つずつ異なる液体組成物およびオープンスペースのための液体組成物欠如が、規則正しい交互パターンで供給される。ノズルの間隔(印刷ノズルおよび非印刷ノズル)は、サブピクセルピッチ2個分である。したがって、この実施例では、q=2、r=1、z=9、n1=3である。
【0113】
色は、「プリンタ」の列に示されるように配置され、「空白」は非印刷ノズルを示す。印刷ヘッドは、M1を有する第1のノズルがサブピクセル行1の上方にある状態で第1の縁部に位置決めされる。これは、A1として示される第1の印刷位置である。プリンタは、ワークピースを横切って行方向に印刷して、サブピクセル行1にM1色の行、サブピクセル行3にM2色の行、サブピクセル行5に無色、サブピクセル行7にM1色の行、サブピクセル行9にM2色の行、サブピクセル行11に無色、サブピクセル行13にM1色の行、サブピクセル行15にM2色の行、およびサブピクセル行17に無色を形成する。これは、印刷#1と記される列に示される。明確にするために、各色に1個のみのサブピクセルが示されるが、各サブピクセルはサブピクセル行全体を表す。
【0114】
次のステップは、第1の印刷パターンを形成することである。プリンタは、サブピクセル3n2個分である距離d1だけ横方向にシフトする。この場合、n2=1であり、d1=3sである。これは、プリンタの位置A2である。次に、印刷#2と記された列に示されるように、プリンタは別の組の行を印刷する:サブピクセル行4にM1色の行、サブピクセル行6にM2色の行、サブピクセル行8に無色、サブピクセル行10にM1色の行、サブピクセル行12にM2色の行、サブピクセル行14に無色、サブピクセル行16にM1色の行、サブピクセル行18にM2色の行、およびサブピクセル行20に無色。印刷#2は、明確にするために、印刷#1の右側にシフトして示される。印刷#1および印刷#2は両方とも、他のすべての印刷番号と同様に、ワークピースを横切って印刷されたサブピクセルの完全な行を表す。これにより、第1の印刷パターンが完了する。
【0115】
次のステップは、第2の印刷パターンを形成することである。プリンタは、サブピクセルd2個分だけ横方向にシフトする。d2はpz−d1に等しく、p=2s、z=9、d1=3sである。したがって、この例示では、d2=2s・9−3s=15sである。これは、プリンタのA3の位置である。次に、印刷#3と記された列に示されるように、プリンタは第3の組の行を印刷する:サブピクセル行19にM1色の行、サブピクセル行21にM2色の行、サブピクセル行23に無色、サブピクセル行25にM1色の行、サブピクセル行27にM2色の行、サブピクセル行29に無色、サブピクセル行31にM1色の行、サブピクセル行33にM2色の行、およびサブピクセル行35に無色。これにより、第2の印刷パターンが完了する。
【0116】
次のステップは、第1の印刷パターンを繰り返すことである。プリンタは、距離d1=3sだけ横方向にシフトする。これは、プリンタの位置A4である。次に、印刷#4と記された列に示されるように、プリンタは別の組の行を印刷する:サブピクセル行22にM1色の行、サブピクセル行24にM2色の行、サブピクセル行26に無色、サブピクセル行28にM1色の行、サブピクセル行30にM2色の行、サブピクセル行32に無色、サブピクセル行34にM1色の行、サブピクセル行36にM2色の行、およびサブピクセル行38に無色。
【0117】
次のステップは、第2の印刷パターンを繰り返すことである。プリンタは、距離d2=15sだけ横方向にシフトする。これは、プリンタの位置A5である。次に、印刷#5と記された列に示されるように、プリンタは別の組の行を印刷する:サブピクセル行37にM1色の行、サブピクセル行39にM2色の行、サブピクセル行41に無色、サブピクセル行43にM1色の行、サブピクセル行45にM2色の行、サブピクセル行47に無色、サブピクセル行49にM1色の行、サブピクセル行51にM2色の行、およびサブピクセル行53に無色。
【0118】
この時点で、プリンタは、1組がサブピクセル9行分で、5組のサブピクセル行を印刷しており、これは45のサブピクセル行に等しい。上述したように、大半の装置で、数百のサブピクセル行以上までのはるかに多数の行が必要であり、図中の45のサブピクセル行は、単なる例示として示される。
【0119】
印刷結果は、「パターン」と記される列中に示される。非印刷行:サブピクセル行2、5、8、11等に3番目の色のために利用可能なオープンサブピクセルがあることが分かる。1組が2色と、第3の色のための空白スペースとを足したものであり、ひいては使用可能な装置領域である完全な組が、サブピクセル行1からサブピクセル行39まで存在する。
【0120】
このプロセスの次のステップは、非印刷プロセスにより第3の色M3を塗布することである。いくつかの実施形態では、非印刷プロセスは蒸着である。いくつかの実施形態では、M1およびM2のそれぞれは赤および緑であり、M3は青である。
【0121】
概説または図中の実施例において上述した動作のすべてが必要であるとは限らないこと、特定の動作の一部分が必要ない場合があること、および1つまたは複数のさらなる動作を、上述した動作に加えて実行してもよいことに留意する。さらに、動作が列挙された順序は必ずしも動作が実行される順序ではない。
【0122】
上記明細書において、特定の実施形態を参照して概念を説明した。しかし、以下の特許請求の範囲に記載される本発明の範囲から逸脱せずに、様々な修正および変更を行い得ることを当業者は理解する。したがって、本明細書および図は、限定の意味ではなくむしろ例示の意味で考えられるべきであり、そのようなすべての変更は、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0123】
恩恵、他の利点、および問題の解決策について、特定の実施形態に関して上述した。しかし、任意の恩恵、利点、または解決策を生じさせ得る、またはさらに明確にし得る恩恵、利点、問題の解決策、およびいかなる特徴も、任意またはすべての請求項の必須、所要、または本質的な特徴として解釈されるべきではない。
【0124】
本明細書では、明確にするために、別個の実施形態の文脈の中で説明された特定の特徴を、単一の実施形態において組み合わせて提供してもよいことを理解されたい。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈の中で説明された様々な特徴を、別個に、または任意の下位組み合わせで提供してもよい。本明細書において指定される様々な範囲での数値の使用は、まるで記載の範囲内の最小値および最大値の両方に言葉「約」が前置されているかのように、概算として述べられる。このようにして、記載される範囲を超えるわずかなばらつきおよび記載される範囲を下回るわずかなばらつきを使用して、それらの範囲内の値と略同じ結果を達成することができる。これらの範囲の開示は、ある値の成分のうちのいくつかが異なる値の成分と混じる場合に生じ得る小数値を含め、最小平均値と最大平均値との間のあらゆる値を含む連続範囲としても意図される。さらに、より広い範囲およびより狭い範囲が開示される場合、一範囲からの最小値を、別の範囲からの最大値に合わせること、そして逆もまた同様に、本発明の意図内である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークピース上にサブピクセル行の規則正しい配列を形成する方法であって、サブピクセルは3つの異なる色を有し、かつサブピクセルピッチsを有し、q色は印刷により形成され、r色は非印刷方法により形成され、前記方法は、
(1)ノズル間隔pを有する行内に配置されたz本のノズルを有する印刷ヘッドを設けることであって、z=3n1であり、p=2sであり、印刷ヘッドはワークピースに対して第1の位置にある、印刷ヘッドを設けること、
(2)q印刷色のそれぞれに1つずつ、q個の異なる印刷インクを提供すること、
(3)規則正しい交互パターンで印刷インクのそれぞれをノズルに供給すること、
(4)印刷ヘッドを使用して、第1の組のzサブピクセル行を印刷すること、
(5)移動させること、および第1の印刷パターンで印刷することであって、
(a)ワークピースを印刷ヘッドに対して距離d1(但し、d1=3n2sである)だけ横方向に移動させること、
(b)印刷ヘッドを使用してzサブピクセル行の組を印刷すること
を含む、移動させること、および第1の印刷パターンで印刷すること
(6)移動させること、および第2の印刷パターンで印刷することであって、
(c)ワークピースを印刷ヘッドに対して距離d2(但し、d2は、d1+d2=pzであるようなd2=3n3sである)だけ横方向に移動させること、
(d)印刷ヘッドを使用してzサブピクセル行の組を印刷すること
を含む、移動させること、および第2の印刷パターンで印刷すること、
(7)ステップ(5)および(6)を同じ順序で複数回繰り返すこと、ならびに
(8)r色を非印刷方法で塗布すること
を含み、
1は0よりも大きな整数であり、
2およびn3は、n2+n3=2n1であるような、同じまたは異なる奇数の整数であり、
qは1〜3の整数であり、
rはq+r=3であるような整数である、方法。
【請求項2】
q=3である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1は少なくとも2である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
1=3〜9である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
1は奇数であり、n1=n2=n3である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
各印刷インクは、エレクトロルミネセンス材料および液体媒体を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
rは少なくとも1であり、非印刷方法は、蒸着、熱転写、スピンコーティング、グラビアコーティング、カーテンコーティング、浸漬被覆、スロットダイコーティング、および吹き付け塗装からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図8−2】
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【図9】
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【図9−2】
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【図10】
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【公表番号】特表2012−529152(P2012−529152A)
【公表日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−514122(P2012−514122)
【出願日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際出願番号】PCT/US2010/037231
【国際公開番号】WO2010/141699
【国際公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】