説明

マルチコネクタ

【課題】 多数個の雄、雌継手が並設された雄、雌ブロック分離時の反動を抑えた分離操作性に優れるマルチコネクタを提供することを目的とする。
【解決手段】 少なくとも1つの結合ニップル6を有する雄部材A1と所要数並設した筒状の雄継手2とを取り付けた雄ブロックAと、雄継手2に挿入される同数の雌継手3と雄部材A1に挿入される雌部材B1とを取り付けた雌ブロックBとからなるマルチコネクタ1であり、雌部材B1には結合ボディ8内を貫通状態に嵌挿され、結合時に雄部材A1の結合ニップル6と当接するピン24を設けて、このピン24を手で押し込むことにより雄ブロックAと雌ブロックBとが分離するようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、種々の圧力流体機器の配管に用いられる複数の管継手をまとめて結合、分離することができるマルチコネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から多くの配管を使用する機器においては、複数の雄、雌継手(管継手)を同時に結合、分離することができるマルチコネクタが利用されている。
【0003】
このような従来のマルチコネクタは、所要数の雄、雌継手それぞれが並設された雄ブロックと雌ブロックとに分れており、両ブロックを押し込み嵌合させることで雄、雌ブロックが結合され、さらに引き抜くことで雄、雌ブロックが分離される構造となっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
具体的には、雄ブロックには台板の中央部に所要数の流体が流れる筒状の雄継手と、両ブロックを結合・分離するための環状溝を備えた雄部材(ロックピン)とが設けられている。一方、雌ブロックには前記雄継手と対応して嵌合する同数の雌継手と、前記雄部材に対応させて途中にロックボールを出没自在に埋設した筒状の雌部材(ロックボディ)とが取り付けられている。
【0005】
また、前記雌部材にはアウタースリーブを介して把手が取り付けられ、把手を介しての雄部材に対する雌部材の嵌合、引き抜き操作だけで、ワンタッチ式(一操作)にて雄、雌ブロックを確実に結合、分離できるようにしている。さらに、結合時にはロックボールをアウタースリーブによって保持し、また、分離時にはインナースリーブがロックボールの内側を支え保持する機構としている。
【特許文献1】実開平2−88091号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような構造のマルチコネクタにおいては、機器の保守点検などのため雄、雌ブロックを分離するに当たり、雌ブロックに取り付けられた把手を手で持ってブロック自体を引き抜く操作が必要となる。このとき、雄、雌ブロックに並設され嵌合された多数個の雄、雌継手内部において、気密性保持のために取り付けられたシール材(Oリングなど)の圧縮による摩擦抵抗が雄、雌継手間に働いて大きな引き抜き力が必要となる。このため、雌ブロックを引き抜くと一度に大きな負荷がかかると同時に、この負荷が一気になくなってしまうため、その反動で周囲の機器に腕をぶつけるなどの問題があった。そのため、分離する作業スペースの十分な確保と分離操作する上での注意が必要となり、雄、雌ブロック分離時の操作性の改善が望まれている。
【0007】
本発明では、上記問題点を解決するために、多数個の雄、雌継手が並設された場合においても雄、雌ブロック分離時の反動をなくした分離操作性に優れるマルチコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明のマルチコネクタは、機器フレームに固定される第1の台板に、環状溝を有する少なくとも1つの結合ニップルと所要数並設した筒状の雄継手またはシール材を内蔵する雌継手とを取り付けた雄ブロックと、第2の台板に、前記雄ブロックの前記雄継手または前記雌継手に挿入される同数の前記雌継手または前記雄継手と、前記結合ニップルに挿入される雌部材とを取り付けた雌ブロックとからなり、前記雄ブロックに前記雌ブロックが結合可能なマルチコネクタであって、前記雌部材は、前記結合ニップルの軸線に一致しその外径に挿入される内径を備えた筒状の結合ボディと、前記結合ボディの外周部に装着され、テーパ内面を備えたリリーススリーブと、前記結合ボディの内側に設けられ、結合時に前記結合ニップルと当接し、ばねによって前記結合ニップル側へ押し付けられる摺動可能なスライドスリーブと、前記リリーススリーブと前記スライドスリーブの間に挟まれ、前記リリーススリーブと前記スライドスリーブの動きによって前記結合ボディの筒壁に出没自在に埋設された係止ボールと、前記スライドスリーブの内側にあって前記結合ボディ内を貫通状態に嵌挿され、結合時に前記結合ニップルと当接するピンとを有することを特徴とする。
【0009】
また本発明のマルチコネクタは、前記雄ブロックの前記結合ニップルに前記雌ブロックの前記結合ボディが挿入された時、前記結合ニップルによって前記ピンが所定の長さだけ外部に押し出され、前記結合ニップルの前記環状溝に前記係止ボールが係合されることを特徴とする。
【0010】
また本発明のマルチコネクタは、前記リリーススリーブをばね圧縮方向に引くと共に前記ピンを押圧することにより、結合時に前記結合ニップルの前記環状溝に係合していた前記係止ボールが前記環状溝から外れて前記結合ボディと前記結合ニップルとの係合が解除されると共に前記雌継手と前記雄継手との係合が解除され、前記雌ブロックが前記雄ブロックから引き離されることを特徴とする。


【発明の効果】
【0011】
本発明のマルチコネクタによれば、雌ブロックに設けられた雌部材を貫通して雄ブロックの雄部材の先端に当接するピンを雌部材側に設けて、リリーススリーブによる結合ボディと結合ニップルの解除と共に、前記ピンの押し出しにより雌継手と雄継手の解除が行われるため、雄、雌ブロック分離時の反動を抑えることができる。
【0012】
さらに、操作部のピンおよびリリーススリーブには、手で操作しやすくするための部材を設けたことで、分離時の動作が従来の「手で引き抜く」動作から「手でつかむ」動作に変わり、狭い作業空間においても楽に分離操作ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、本発明の実施形態を図面によって説明する。
【実施例】
【0014】
図1乃至図6は、本発明に係るマルチコネクタ1の実施形態を示した図である。図1は、本発明に係るマルチコネクタ1の雄ブロックAと雌ブロックBとが分離した状態を示した斜視図、図2は前記雄ブロックAと前記雌ブロックBとが結合した状態を示した斜視図である。
【0015】
実施形態のマルチコネクタ1は、機器側のフレームに固定される雄ブロックAと着脱側である雌ブロックBとから構成され、雌ブロックBを雄ブロックAへ一操作で押し込み嵌合させることで結合でき、さらに雌ブロックBを雄ブロックAから抜くことで分離できる構造となっている。
【0016】
前記雄ブロックAは、横長角形の台板4の中央部に取り付けられる機器側の配管に連結される複数(図では10個)のワンタッチ式の雄継手2と、先端部外周に環状溝5を備え、雌ブロックBとの結合側に突出させてある結合ニップル6を有する雄部材A1とで構成される。また、前記雄部材A1は台板4の両側部に一対で設置されている。
【0017】
一方、雌ブロックBは、横長角形の台板7に前記雄継手2の配設位置に合せて、前記雄継手2と同数のワンタッチ式の雌継手3と、台板7の両側部に一対固定して設置され、雄部材A1の結合ニップル6の軸線に一致しその外径にほぼ一致する内径を備えた筒状の結合ボディ8(図5を参照)とリリースフランジ18とを有する雌部材B1とで構成される。そして、雌部材B1を前記雄部材A1に押し圧して結合させることで、雄ブロックAと雌ブロックBとが一体となり分離しない構造となる。
【0018】
次に、図3と図4を用いて前記雄継手2と前記雌継手3の構造について説明する。図3は、雄ブロックAと雌ブロックBのそれぞれに並設された一組の雄継手2と雌継手3とが分離した状態を示した半断面図、図4は前記雄継手2と前記雌継手3とが結合した状態を示した半断面図を示す。その他の組の雄継手2と雌継手3も同じ構造を有することは言うまでもない。
【0019】
前記雄継手2と雌継手3は、いずれも軸方向に流路を備えてあり、これらの流路の開口部に配管9a(チューブ)を挿入し、前記配管9aを係止してその外周をシールする、いわゆるワンタッチ式の管継手である。そして、それぞれの先端に設けたリリース9を押入することによって配管9aの係止を解除して配管を引き抜くことができる構造としている。
【0020】
雄継手2には、雌継手3との結合側に突出させた筒状の継手ニップル10が形成され、雌継手3は前記継手ニップル10の軸線に一致しその外径にほぼ一致する内径を備えた筒状の継手ボディ11を有する。前記継手ボディ11の内周面のほぼ中央部には内周に沿って溝12が設けてあり、前記溝12内にゴム製Oリングのシール材13が取り付けられている。そして、継手ニップル10の長さは、雌継手3との結合状態において先端がシール材13を超えるように設定されている。雄継手2と雌継手3は、前記シール材13の介在により結合時の流体気密性を確保すると共に、雄部材A1と雌部材B1の結合によって内部の流体圧力による抜け出しを防止している。なお、実施例ではワンタッチ式の管継手を示したが、配管9aをフェルールとナットを用いて接続する、いわゆる締め込み式の管継手なども使用することができる。
【0021】
続いて、図5と図6を用いて一組の雄部材A1と雌部材B1の構造について説明する。
図5は、雄部材A1と雌部材B1とが分離した状態を示した半断面図、図6は雄部材A1と雌部材B1とが結合した状態を示した半断面図を示す。
【0022】
雄部材A1の構造については、前述したように結合ニップル6の先端部外周に環状溝5が設けられ、前記結合ニップル6が貫通状態にて台板4に止め輪14にて取り付けられる。また、前記台板4との接触外周面には、溝が設けられゴム製のOリング15が装着されており、結合ニップル6が結合方向と直交する方向に僅かに移動可能になっている。このことで、雌部材B1を雄部材A1に結合する場合において、製作誤差等による雄部材A1の結合ニップル6の位置に若干のずれがあっても、雌部材B1の押し圧力により雄部材A1が自動的に調心して雌部材B1との位置が一致するようになっている。また、詳細には図示はしていないが、結合ニップル6が台板4に対して自由に回動しないように結合ニップル6の下端部の一部に二面幅が設けられ、前記台板4上に設けられた溝空間に挟み込んでいる。
【0023】
なお、上記自動調心可能な機構や回動防止機構は、前述した雄継手2と雌継手3の構造にも取り入れられている。
【0024】
雌部材B1は、台板7の両側部に設置され、雄部材A1の結合ニップル6の軸線に一致しその外径にほぼ一致する内径を備えた筒状の結合ボディ8を有している。前記結合ボディ8は台板7に止め輪16にて固定されている。また、結合ボディ8の外周部には、肉厚部17aとテーパ内面17bを備えたリリーススリーブ17が装着されており、前記リリーススリーブ17の後端部には略台形状のスリーブフランジ18(つかみ部)が止め輪19にて取り付けられている。
【0025】
結合ボディ8には、中央筒壁の円周方向に等間隔で複数の係止ボール20が出没自在に埋設され、さらにその内側にはスライドスリーブ21が摺動可能に配設されている。即ち、係止ボール20はリリーススリーブ17とスライドスリーブ21の間に挟まれ、リリーススリーブ17とスライドスリーブ21の動きによって結合ボディ8の筒壁に出没自在に埋設されるように動作する。前記スライドスリーブ21は、内装スプリング22によって常時台板7側へ押し付けられている。なお、前記係止ボール20の数は複数個が望ましいが、一個であっても構わない。
【0026】
雄部材A1と雌部材B1の分離された状態では、前記スライドスリーブ21の台板7側端部周面21aが係止ボール20の内面に当接してこれを押し上げ、その結果、係止ボール20の上面がリリーススリーブ17のテーパ内面17bに係合し、続いて、リリーススリーブ17の肉厚部17aと結合ボディ8の外周面との間に配設された外装スプリング23が圧縮され、スリーブフランジ18が取り付けられたリリーススリーブ17は台板7に対して遠ざかる状態におかれるようになる。
【0027】
スライドスリーブ21の内側には、前記スライドスリーブ21の内径よりもやや小さ目の外径を備えた段付き筒状のピン24が貫通状態に嵌挿され、前記ピン24は結合状態において、結合ニップル6の先端と自在に当接するようになっている。また、ピン24には、スライドスリーブ21の内径よりもやや大き目の段部24aが設けてあり、前記スライドスリーブ21内の一定範囲を自由に摺動可能にすると共に、前記ピン24がスライドスリーブ21から抜け出さない構造としている。さらに、ピン24の後端部には、前記ピン24を手の親指で押しやすくするために円板25が取り付けられている。
【0028】
次に、雌ブロックBを雄ブロックAへ結合する場合、および雌ブロックBを雄ブロックAから分離する場合のそれぞれの手順とその作用について説明する。
【0029】
(雌ブロックBを雄ブロックAへ結合する場合)
雌部材B1の一対のスリーブフランジ18を手でつかんで、両側にある結合ボディ8を機器側雄部材A1の結合ニップル6に一致させて嵌合していけば、図4に示すように雄ブロックA側の台板2上の雄継手2に雌継手3がそれぞれ嵌まり込む。同時に図6に示すように雄ブロックA側の台板2上の雄部材A1に雌部材B1がそれぞれ嵌まり込む。
【0030】
即ち、雌部材B1内においては、結合ニップル6を結合ボディ8に挿入すると結合ニップル6の先端がスライドスリーブ21とピン24に突き当たってこれらを後退させ、ピン24については雌継手3を雄継手2から押し出すため(後述する分離する場合)に必要な長さだけ外部に押し出される。この挿入過程において係止ボール20が結合ニップル6上にのり、前記結合ニップル6の環状溝5が係止ボール20に一致したところで、前記係止ボール20が前記環状溝5の中に落ち込む。そのため、係止ボール20とリリーススリーブ17のテーパ内面17bとの係止が解け、前記リリーススリーブ17は圧縮されていた外装スプリング23のばね力で台板7側へ移動して、係止ボール20がリリーススリーブ17の肉厚部17aの内面と結合ニップル6の環状溝5の間で錠止され、雄ブロックAと雌ブロックBとが図6のように結合した形状となる。したがって、雄ブロックAと雌ブロックBの結合状態にあっては、ピン24が結合ニップル6によって押し上げられた状態となる。
【0031】
同時に雌継手3内においては、雄継手2の継手ニップル10の先端が雌継手3のシール材13の位置を超えるところまで挿入され確実にシールされた形状となり、図4に示すように流路が繋がる。
(雌ブロックBを雄ブロックAから分離する場合)
機器の保守点検などで雌ブロックBを雄ブロックAから分離する場合は、中央部にあるピン24の円板25を親指で支えながら、雌部材B1の一対のスリーブフランジ18を左右の手でつかんで軽く手前に引くと、スリーブフランジ18と一体化されているリリーススリーブ17が外装スプリング23を圧縮しつつ持ち上げられる。そして、リリーススリーブ17のテーパ内面17bが係止ボール20の位置まで持ち上げられると、リリーススリーブ17の肉厚部17aによる係止ボール20の抑止が解除され、結合ニップル6から離れる。さらに、スリーブフランジ18を手でつかんだ状態でピン24を結合ニップル6に向かって継続して押圧することにより、間接的に図4に示す雌継手3の継手ボディ11が後退し、雄継手2の継手ニップル10の先端が雌継手3のシール材13の位置を超える状態まで引き出される。この時点で、継手ニップル10が受けているシール材13による圧縮抵抗は解除されることになり、分離が容易となって雄継手2、雌継手3の流路は図3に示すように分断される。
【0032】
雄継手2と雌継手3の分断と同時に雄部材A1と雌部材B1も分離される。即ち、雌部材B1の係止ボール20は、結合ニップル6の環状溝5から出て、リリーススリーブ17のテーパ内面17bと結合ニップル6の先端外周面に挟まれた状態になり、それと共に内装スプリング22の復元力でスライドスリーブ21が、その外周途中のテーパ面21bが結合ボディ8の内側中央部のテーパ段部8aに当たるまで前進し、係止ボール20は図5に示すように再びスライドスリーブ21の端部外周面21cとリリーススリーブ17のテーパ内面17bとの間に狭持される。
【0033】
このようにして、雄ブロックAと雌ブロックBは分離される。
【0034】
以上の構造を持つマルチコネクタ1は、分離操作時にピン24が結合ニップル6を押すことで雄継手2と雌継手3とが間接的に分離する方向に力が働くようにしてあるため、従来のリリーススリーブ17を手に持って単純に引き抜く動作が、スリーブフランジ18を手でつかむ(スリーブフランジ18に人差し指と中指を引っ掛ける)と同時にピン24の円板25に親指を添えて押し、スリーブフランジ18と円板25との距離を縮めるという動作(例えば、注射器を操作する動作)に変わる。このことで引き抜く距離が最小限に抑えられると共に、従来の肘から先や体全体を使って分離する力の入れ方ではなく、手首から先だけの楽な操作となり分離時の反動が解消される。
【0035】
また、雌ブロックBを雄ブロックAから分離するためにはある程度の作業空間が必要であるが、本実施形態のマルチコネクタ1によれば操作部を手でつかむだけの空間で済むため狭い場所においても楽に分離作業を実施することができる。
【0036】
手でつかむ操作部の他の変形例として、円板25に変えてピン24と直交するレバーとしてもよい。この場合、スリーブフランジ18を上記レバーと平行な方向に伸びたレバーとすることで、これら二つのレバーを手でつかんで楽に分離操作することができる。
【0037】
さらに本実施例では、雄、雌ブロックを結合、分離するための雄、雌部材を台板の両側部に一対設けているが、設定位置とその数に限定はなく台板に一箇所だけ設けてもよい。台板の中央部に設けた場合は、片手での分離操作が可能となる。
【0038】
さらに、本実施例では、雄ブロック側に雄継手を、雌ブロック側に雌継手をそれぞれ取り付けたが、雄ブロック側に雌継手を、雌ブロック側に雄継手を取り付けてもよい。また、機器側の使用環境などによっては双方の継手を混ぜた組み合わせであっても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施形態に係るマルチコネクタの雄ブロックと雌ブロックとが分離した状態を示した斜視図。
【図2】本発明の実施形態に係るマルチコネクタの雄ブロックと雌ブロックとが結合した状態を示した斜視図。
【図3】本発明の実施形態に係るマルチコネクタの雄継手と雌継手とが分離した状態を示した半断面図。
【図4】本発明の実施形態に係るマルチコネクタの雄継手と雌継手とが結合した状態を示した半断面図。
【図5】本発明の実施形態に係るマルチコネクタの雄部材と雌部材とが分離した状態を示した半断面図。
【図6】本発明の実施形態に係るマルチコネクタの雄部材と雌部材とが結合した状態を示した半断面図。
【符号の説明】
【0040】
A 雄ブロック
B 雌ブロック
1 マルチコネクタ
2 雄継手
3 雌継手
5 環状溝
6 結合ニップル
8 結合ボディ
13 シール材
17 リリーススリーブ
17a 肉厚部
17b テーパ内面
20 係止ボール
21 スライドスリーブ
24 ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器フレームに固定される第1の台板に、環状溝を有する少なくとも1つの結合ニップルと所要数並設した筒状の雄継手またはシール材を内蔵する雌継手とを取り付けた雄ブロックと、
第2の台板に、前記雄ブロックの前記雄継手または前記雌継手に挿入される同数の前記雌継手または前記雄継手と、前記結合ニップルに挿入される雌部材とを取り付けた雌ブロックとからなり、
前記雄ブロックに前記雌ブロックが結合可能なマルチコネクタであって、
前記雌部材は、
前記結合ニップルの軸線に一致しその外径に挿入される内径を備えた筒状の結合ボディと、
前記結合ボディの外周部に装着され、テーパ内面を備えたリリーススリーブと、
前記結合ボディの内側に設けられ、結合時に前記結合ニップルと当接し、ばねによって前記結合ニップル側へ押し付けられる摺動可能なスライドスリーブと、
前記リリーススリーブと前記スライドスリーブの間に挟まれ、前記リリーススリーブと前記スライドスリーブの動きによって前記結合ボディの筒壁に出没自在に埋設された係止ボールと、
前記スライドスリーブの内側にあって前記結合ボディ内を貫通状態に嵌挿され、結合時に前記結合ニップルと当接するピンとを有することを特徴とするマルチコネクタ。
【請求項2】
前記ピンの後端部には、手で押し圧可能な部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のマルチコネクタ。
【請求項3】
前記リリーススリーブには、手でつかみ可能な部材が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のマルチコネクタ。
【請求項4】
前記雄ブロックの前記結合ニップルに前記雌ブロックの前記結合ボディが挿入された時、前記結合ニップルによって前記ピンが所定の長さだけ外部に押し出され、
前記結合ニップルの前記環状溝に前記係止ボールが係合されることを特徴とする請求項1に記載のマルチコネクタ。
【請求項5】
前記ピンが押し出される長さは、前記雌継手を前記雄継手から押し出すために必要な長さであることを特徴とする請求項4に記載のマルチコネクタ。
【請求項6】
前記リリーススリーブをばね圧縮方向に引くと共に前記ピンを押圧することにより、結合時に前記結合ニップルの前記環状溝に係合していた前記係止ボールが前記環状溝から外れて前記結合ボディと前記結合ニップルとの係合が解除されると共に前記雌継手と前記雄継手との係合が解除され、
前記雌ブロックが前記雄ブロックから引き離されることを特徴とする請求項1又は請求項4に記載のマルチコネクタ。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図1】
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【公開番号】特開2007−92888(P2007−92888A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−283549(P2005−283549)
【出願日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(000247258)ニッタ・ムアー株式会社 (61)
【Fターム(参考)】