説明

ミエロペルオキシダーゼ阻害剤としてのチオキサンチン誘導体

【課題】 酵素ミエロペルオキシダーゼ(MPO)の阻害剤として有用なチオキサンチン誘導体を提供する。
【解決手段】 式(Ia)または(Ib)
【化1】


(式中、R1、R2、R3、R4、XおよびYは明細書の定義の通りである)の化合物ならびに薬学的に許容し得るその塩の、酵素ミエロペルオキシダーゼ(MPO)の阻害が有益である疾患または症状の治療または予防のための、薬剤の製造における使用を提供する。式(Ia)または(Ib)の或る種の新規な化合物および薬学的に許容し得るその塩を、それらの製法と共に提供する。式(Ia)および(Ib)の化合物はMPO阻害剤であって、そしてそれによって神経性炎症障害の治療または予防に特に有効である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は酵素ミエロペルオキシダーゼ(MPO)の阻害剤としてのチオキサンチン誘導体の使用に関する。或る種の新規なチオキサンチン誘導体もまた、それらの製法、それらを含有する組成物および治療におけるそれらの使用と共に開示する。
【背景技術】
【0002】
ミエロペルオキシダーゼ(MPO)は主に多形核白血球(PMNs)において見出されたヘム含有酵素である。MPOは哺乳類のペルオキシダーゼの種々のタンパク質群の一員であり、これは好酸球過酸化酵素、甲状腺過酸化酵素、唾液過酸化酵素、ラクトペルオキシダーゼ、プロスタグランジンH合成酵素およびその他もまた含む。成熟した酵素は同一部分の二量体である。各々の半分の分子は、MPOの特徴的な緑色の原因である特異な分光特性を示す共有結合性ヘムを含有する。MPOのその二つの部分を結合するジスルフィド架橋の開裂は、完全な酵素と区別できない分光特性および触媒特性を示す半酵素を生じる。該酵素は過酸化水素を用いて塩化物を次亜塩素酸に酸化する。他のハロゲン化物および擬ハロゲン化物(例えばチオシアネート)もまたMPOに対する生理学的基質である。
【0003】
PMNsは感染症の防止において特に重要である。これらの細胞は、明確に実証された殺菌性作用を有するMPOを含有する。PMNsは、微生物を飲み込み、食胞と呼ばれる小胞にそれらを取り込む食作用によって非特異的に作用し、食胞はミエロペルオキシダーゼを含有する顆粒と融合して食胞融解小体を形成する。食胞融解小体においてミエロペルオキシダーゼの酵素力は、有力な殺菌性化合物である次亜塩素酸の形成を導く。次亜塩素酸はそれ自体で酸化作用を有し、さらにチオールおよびチオエーテルと共に最も強く反応し、しかしまたアミンをクロラミンに変換し、そして芳香族アミノ酸を塩素化する。マクロファージは、PMNsと同様に微生物を貪食することのできる大食細胞である。マクロファージは過酸化水素を生じ得るし、そして活性化の状態ではミエロペルオキシダーゼも産出し得る。MPOおよび過酸化水素はまた、クロリドとの反応が隣接の組織に損傷を誘発し得る、細胞の外側に放出され得る。
【0004】
疾患に対するミエロペルオキシダーゼ活性の関連性は、多発性硬化症、アルツハイマー病、パーキンソン病および脳卒中を含む神経性炎症反応を有する神経学的疾患ならびに喘息、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、粥状硬化症、炎症性腸疾患、腎糸球体障害および慢性関節リウマチといった他の炎症性の疾患または症状において示されている。肺癌もまた、高いMPOレベルと関連があることを示唆されている。
【0005】
WO01/85146は、MPO阻害剤でありそしてそれによって慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療において有効である様々な化合物を開示する。3−n−プロピル−2−チオキサンチンはDrug Development Research, 1999, 47, 45-53において開示されている。3−イソブチル−6−チオキサンチンはJ. Chem. Soc., 1962, 1863において開示されている。2
−チオキサンチンは商業的に入手可能である。
【0006】
本発明は、酵素MPOの阻害剤として有効な特性を驚くほど示すチオキサンチン誘導体の群に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に従って、式(Ia)もしくは(Ib)
【化1】

(式中、
XおよびYの1つはSを表し、そして他はOまたはSを表し、
1は、水素またはC1〜6アルキルを表し、
2は、水素またはC1〜6アルキルを表し、このアルキル基は、
i)O、NおよびSから独立して選ばれる1つもしくは2つのヘテロ原子を場合により含み、そして1つのカルボニル基を場合により含む飽和もしくは部分的に不飽和の3〜7員環;ここで、この環はハロゲン、ヒドロキシ、C1〜6アルコキシおよびC1〜6アルキルから選ばれる1つもしくは2つ以上の置換基によって場合により置換され、このアルキルはヒドロキシもしくはC1〜6アルコキシによって場合によりさらに置換される、または
ii)C1〜6アルコキシ、または
iii)フェニル、フリルもしくはチエニルから選ばれる芳香環で;ここで、この芳香環はハロゲン、C1〜6アルキルもしくはC1〜6アルコキシによって場合によりさらに置換される、
によって場合により置換され、
3およびR4は、独立して水素またはC1〜6アルキルを表す)
の化合物または薬学的に許容し得るその塩の、酵素MPOの阻害が有益である疾患もしくは症状の治療もしくは予防のための薬剤の製造における使用を提供する。
【0008】
式(Ia)または(Ib)の化合物は鏡像体の形態で存在し得る。従ってすべてのその鏡像体、ジアステレオマー、ラセミ化合物および混合物は本発明の範囲内に含まれる。
【0009】
式(Ia)および(Ib)のR3が水素を表す場合に、2つの他の表示(Ia)および
(Ib)は同じ化合物の互変異性体であると理解され得る。すべてのかかる互変異性体および互変異性体の混合物は本発明の範囲内に含まれる。
【0010】
本発明のより特有な態様は、式(Ia)もしくは(Ib)の化合物または薬学的に許容し得るその塩の、薬剤の製造における、神経性炎症障害の治療または予防のための使用を提供する。
【0011】
本発明に従って、酵素MPOの阻害が有益である疾患または症状の治療または危険を減らす方法であって、前述の疾患または症状に罹患したまたはかかる危険のあるヒトに式(Ia)もしくは(Ib)の化合物または薬学的に許容し得るその塩の治療的に有効な量を投与することを含む、上記の方法もまた提供する。
【0012】
より特には、神経性炎症障害の疾患または症状に罹患したまたはかかる危険のあるヒトにおける、神経性炎症障害の治療または危険を減らす方法であって、かかるヒトに式(Ia)もしくは(Ib)の化合物または薬学的に許容し得るその塩の治療的に有効な量を投与することを含む、上記の方法もまた提供する。
【0013】
本発明の別の態様は、式(Ia)もしくは(Ib)の化合物または薬学的に許容し得るその塩の治療的に有効な量を、薬学的に許容し得る補助剤、希釈剤または担体と混合して含有した、酵素MPOの阻害が有益である疾患または症状の治療または予防に使用するための医薬製剤を提供する。
【0014】
本発明の別のより特有な態様は、式(Ia)もしくは(Ib)の化合物または薬学的に許容し得るその塩の治療的に有効な量を、薬学的に許容し得る補助剤、希釈剤または担体と混合して含有した、神経性炎症障害の治療または予防に使用するための医薬製剤を提供する。
【0015】
1つの実施形態では、式(Ia)もしくは(Ib)(式中、XおよびYの少なくとも1つはSを表し、そして他はOまたはSを表し、R1は、水素またはC1〜6アルキルを表し、R2は、水素またはC1〜6アルキルを表し、前述のアルキル基は、C3〜7シクロアルキル、C1〜4アルコキシまたはフェニル、フリルもしくはチエニルから選ばれる芳香環によって場合により置換され、前述の芳香環はハロゲン、C1〜4アルキルまたはC1〜4アルコキシによって場合によりさらに置換されるものであって、R3およびR4は、独立して水素またはC1〜6アルキルを表す)の化合物または薬学的に許容し得るその塩、鏡像体もしくはラセミ化合物の、酵素MPOの阻害が有益である疾患または症状の治療または予防のための、薬剤の製造における使用を提供する。
【0016】
別の実施形態では、式(Ia)もしくは(Ib)(式中、XおよびYの少なくとも1つはSを表し、そして他はOまたはSを表し、R1は、水素またはC1〜6アルキルを表し、R2は、水素またはC1〜6アルキルを表し、前述のアルキル基は、i)O、NおよびSから独立して選ばれる1つもしくは2つのヘテロ原子を場合により含む、そして1つのカルボニル基を場合により含む飽和もしくは部分的に不飽和の3〜7員環であって、前述の環はハロゲン、ヒドロキシ、C1〜6アルコキシおよびC1〜6アルキルから選ばれる1つもしくは2つ以上の置換基によって場合により置換され、前述のアルキルはヒドロキシもしくはC1〜4アルコキシによって場合によりさらに置換されるものであるかまたは、ii)C1〜4アルコキシまたは、iii)フェニル、フリルもしくはチエニルから選ばれる芳香環であって、前述の芳香環はハロゲン、C1〜4アルキルもしくはC1〜4アルコキシによって場合によりさらに置換されるものである、によって場合により置換されるものであって、R3およびR4は、独立して水素またはC1〜6アルキルを表す)の化合物または薬学的に許容し得るその塩の、酵素MPOの阻害が有益である疾患または症状の治療または予防のための、薬剤の製造における使用を提供する。
【0017】
1つの実施形態では本発明は、式(Ia)または(Ib)(式中、XはSを表し、そしてYはOを表す)の化合物の使用に関する。
【0018】
別の実施形態では、式(Ia)または(Ib)のR3は水素を表す。
【0019】
別の実施形態では、式(Ia)または(Ib)のR2は場合により置換されたC1〜6アルキルを表す。
【0020】
別の実施形態では、式(Ia)または(Ib)のR2は、O、NおよびSから独立して選ばれる1つまたは2つのヘテロ原子を場合により含む、そして1つのカルボニル基を場合により含む飽和または部分的に不飽和の3〜7員環であって、前述の環はハロゲン、ヒドロキシ、C1〜6アルコキシおよびC1〜6アルキルから選ばれる1つまたは2つ以上の置換基によって場合により置換され、前述のアルキルはヒドロキシまたはC1〜6アルコキシによって場合によりさらに置換されるものである、上記の環によって置換されたC1〜6アルキルを表す。
【0021】
別の実施形態では、式(Ia)または(Ib)のR2は、シクロプロピル、シクロヘキシル、テトラヒドロフラニルまたはモルホリニルによって置換されたメチレン、エチレンまたはトリメチレンを表す。
【0022】
別の実施形態では、式(Ia)または(Ib)のR2は、C1〜6アルコキシによって置換されたC1〜6アルキルを表す。
【0023】
別の実施形態では、式(Ia)または(Ib)のR2は、メトキシまたはエトキシによって置換されたエチレンまたはトリメチレンを表す。
【0024】
XがSを表しそしてYがOを表す場合には、さらなる実施形態は式(Ia)または(Ib)(式中、R1は水素を表す)の化合物を含む。
【0025】
XがSを表しそしてYがOを表す場合には、よりさらなる実施形態は式(Ia)または(Ib)(式中、R4は水素を表す)の化合物を含む。
【0026】
XがOを表しそしてYがSを表す場合には、さらなる実施形態は式(Ia)または(Ib)(式中、R1はC1〜6アルキルを表す)の化合物を含む。
【0027】
XがOを表しそしてYがSを表す場合には、よりさらなる実施形態は式(Ia)または(Ib)(式中、R4はC1〜6アルキルを表す)の化合物を含む。
【0028】
1つの実施形態では本発明は、式(Ia)または(Ib)(式中、XはSを表し、そしてYはOを表し、R2は、場合により置換されたC1〜6アルキルを表し、そしてR1、R3およびR4は、それぞれ水素を表す)の化合物の使用に関する。
【0029】
1つの実施形態では本発明は、式(Ia)または(Ib)(式中、XはSを表し、そしてYはOを表し、R2は、O、NおよびSから独立して選ばれる1つまたは2つのヘテロ
原子を場合により含む、そして1つのカルボニル基を場合により含む飽和または部分的に不飽和の3〜7員環によって置換されたC1〜6アルキルを表し、前述の環はハロゲン、ヒドロキシ、C1〜6アルコキシおよびC1〜6アルキルから選ばれる1つまたは2つ以上の置換基によって場合により置換され、前述のアルキルはヒドロキシまたはC1〜6アルコキシによって場合によりさらに置換されるものであって、そしてR1、R3およびR4は、それぞれ水素を表す)の化合物の使用に関する。
【0030】
1つの実施形態では本発明は、式(Ia)または(Ib)(式中、XはSを表し、そしてYはOを表し、R2は、C1〜6アルコキシによって置換されたC1〜6アルキルを表し、そしてR1、R3およびR4は、それぞれ水素を表す)の化合物の使用に関する。
【0031】
本発明の具体的な態様は式(Ia)または(Ib)の以下の化合物:
1,3−ジイソブチル−8−メチル−6−チオキサンチン、
1,3−ジブチル−8−メチル−6−チオキサンチン、
3−イソブチル−1,8−ジメチル−6−チオキサンチン、
3−(2−メチルブチル)−6−チオキサンチン、
3−イソブチル−8−メチル−6−チオキサンチン、
3−イソブチル−2−チオキサンチン、
3−イソブチル−2,6−ジチオキサンチン、
3−イソブチル−8−メチル−2−チオキサンチン、
3−イソブチル−7−メチル−2−チオキサンチン、
3−シクロヘキシルメチル−2−チオキサンチン、
【0032】
3−(3−メトキシプロピル)−2−チオキサンチン、
3−シクロプロピルメチル−2−チオキサンチン、
3−イソブチル−1−メチル−2−チオキサンチン、
3−(2−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン、
3−(2−メトキシ−エチル)−2−チオキサンチン、
3−(3−(1−モルホリニル)−プロピル)−2−チオキサンチン、
3−(2−フリル−メチル)−2−チオキサンチン、
3−(4−メトキシベンジル)−2−チオキサンチン、
3−(4−フルオロベンジル)−2−チオキサンチン、
3−フェネチル−2−チオキサンチン、
【0033】
(+)−3−(2−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン、
(−)−3−(2−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン、
3−n−ブチル−2−チオキサンチン、
3−n−プロピル−2−チオキサンチン、
3−イソブチル−6−チオキサンチン、
2−チオキサンチン;
および薬学的に許容し得るその塩の使用に関する。
【0034】
他に指示しない限り、本明細書内に属する“C1〜6アルキル”という語は、1〜6の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキル基を意味する。かかる基の例としてはメチル、エチル、1−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、第三級ブチル、ペンチルおよびヘキシルがある。
【0035】
“C1〜4アルキル”という語は同様に解釈されるべきである。
【0036】
他に指示しない限り、本明細書内に属する“C3〜7シクロアルキル”という語は、3〜7の炭素原子を有する環式アルキル基を意味する。かかる基の例としてはシクロプロピル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルがある。
【0037】
他に指示しない限り、本明細書内に属する“C1〜6アルコキシ”という語は、1〜6の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルコキシ基を意味する。かかる基の例としてはメトキシ、エトキシ、1−プロポキシ、2−プロポキシおよび第三級ブトキシがある。
【0038】
“C1〜4アルコキシ”という語は同様に解釈されるべきである。
【0039】
他に指示しない限り、本明細書内に属する“ハロゲン”という語は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを意味する。
【0040】
O、NおよびSから独立して選ばれる1つまたは2つのヘテロ原子を場合により含む、そして1つのカルボニル基を場合により含む飽和または部分的に不飽和の3〜7員環の例としては、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンタノン、テトラヒドロフラン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、ピロリジノンおよびピペリジノンがある。特有の例としてはシクロプロピル、シクロヘキシル、テトラヒドロフラニル(テトラヒドロフリル)およびモルホリニルがある。
【0041】
式(Ia)または(Ib)の或る種の化合物は新規である。従って本発明のさらなる態様は以下の式(Ia)または(Ib)
【化2】

(式中、
XはSを表し、そしてYはOを表し、
1は、水素またはC1〜6アルキルを表し、
2は、O、NおよびSから独立して選ばれる1つまたは2つのヘテロ原子を場合により含む、そして1つのカルボニル基を場合により含む飽和または部分的に不飽和の3〜7員環によって置換されたC1〜6アルキルを表し、前述の環はハロゲン、ヒドロキシ、C1〜6アルコキシおよびC1〜6アルキルから選ばれる1つまたはそれ以上の置換基によって場合により置換され、前述のアルキルはヒドロキシまたはC1〜6アルコキシによって場合によりさらに置換され、
3およびR4は、独立して水素またはC1〜6アルキルを表す)
の新規な化合物および薬学的に許容し得るその塩を提供する。
【0042】
本発明のさらなる態様は式(Ia)または(Ib)の以下の新規な化合物:
1,3−ジイソブチル−8−メチル−6−チオキサンチン、
1,3−ジブチル−8−メチル−6−チオキサンチン、
3−イソブチル−1,8−ジメチル−6−チオキサンチン、
3−(2−メチルブチル)−6−チオキサンチン、
3−イソブチル−8−メチル−6−チオキサンチン、
3−イソブチル−2−チオキサンチン、
3−イソブチル−2,6−ジチオキサンチン、
3−イソブチル−8−メチル−2−チオキサンチン、
3−イソブチル−7−メチル−2−チオキサンチン、
3−シクロヘキシルメチル−2−チオキサンチン、
【0043】
3−(3−メトキシプロピル)−2−チオキサンチン、
3−シクロプロピルメチル−2−チオキサンチン、
3−イソブチル−1−メチル−2−チオキサンチン、
3−(2−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン、
3−(2−メトキシ−エチル)−2−チオキサンチン、
3−(3−(1−モルホリニル)−プロピル)−2−チオキサンチン、
3−(2−フリル−メチル)−2−チオキサンチン、
3−(4−メトキシベンジル)−2−チオキサンチン、
3−(4−フルオロベンジル)−2−チオキサンチン、
3−フェネチル−2−チオキサンチン、
【0044】
(+)−3−(2−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン、
(−)−3−(2−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン、
3−n−ブチル−2−チオキサンチン;
および薬学的に許容し得るその塩を提供する。
【0045】
本発明のさらなる態様は、式(Ia)または(Ib)の新規な化合物の薬剤としての使用についてのものである。
【0046】
本発明に従って、発明者は式(Ia)もしくは(Ib)の新規な化合物または薬学的に許容し得るその塩、鏡像体、ジアステレオマーもしくはラセミ化合物を製造する方法であって、
(a)式(IIa)もしくは(IIb)
【化3】

(式中、R1、R2、R3およびR4は式(Ia)もしくは(Ib)の定義の通りであり、XはOもしくはSを表し、そしてYはOを表す)の化合物を硫化化合物例えばローソン試薬もしくは五硫化リンと反応させ、相当する化合物(ここで、YはSを表す)を得るか、または、
【0047】
(b)式(IIIa)もしくは(IIIb)
【化4】

(式中、R1、R2、R3、XおよびYは式(Ia)もしくは(Ib)の定義の通りである)のジアミンをギ酸もしくはトリアルキルオルトエステルと反応させ、
そして必要な場合には、生成した式(Ia)もしくは(Ib)の化合物または他のその塩を薬学的に許容し得るその塩に変換するか、または生成した式(Ia)もしくは(Ib)の化合物を式(Ia)もしくは(Ib)のさらなる化合物に変換し、そして望ましい場合には生成した式(Ia)または(Ib)の化合物をその光学異性体に変換すること、を含む、上記の方法をさらに提供する。
【0048】
工程(a)では、式(IIa)または(IIb)の化合物および硫化剤例えばローソン試薬または五硫化リンを、適当な無水有機溶媒例えばベンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタンまたはジオキサンに溶解または懸濁し、次いで30℃〜溶媒の還流温度に、反応が完了するまで通常1〜30時間加熱する。次いでその反応混合物を冷却した後、濾過して不溶性固体を除去する。溶媒を減圧下で除去し、そして粗製生成物をカラムクロマトグラフィーまたは再結晶によって精製する。
【0049】
工程(b)では、式(IIIa)または(IIIb)のジアミンを適当な温度で、過量の妥当なオルトエステル例えばオルトギ酸トリエチル、オルト酢酸トリエチル、オルトプロピオン酸トリエチル、オルトブタン酸トリエチル、オルトギ酸トリプロピル、オルトギ酸トリブチルおよびオルトギ酸トリイソプロピルを用いて、場合により適当な溶媒例えばアルコールの存在下で反応が完了するまで処理する。温度は通常反応混合物の還流温度まで上昇させ、そして反応時間は一般的に30分〜一晩である。1つの実施形態では、該オルトエステルは任意の溶媒としてエタノールを加えたオルトギ酸トリエチルである。
【0050】
工程(b)ではもう一つの選択肢として、式(IIIa)または(IIIb)のジアミンを、98%ギ酸を用いて外界温度〜反応混合物の還流温度の間の適当な温度で処理する。かかる工程は適当な時間の間、通常0.5〜5時間継続する。ギ酸を除去した後、適当な水性
塩基例えば10%水酸化ナトリウム水溶液を用いて処理し、次いで式(I)の化合物を得る。塩基を用いた処理は適当な時間で適当な温度で、例えば約10分間〜4時間、外界温度〜反応混合物の還流温度の間の温度で実施する。
【0051】
式(IIIa)または(IIIb)のジアミンを式(Ia)または(Ib)の化合物に変換するための他の方法は文献に記載されており、そして熟練した当業者には容易に理解され得る。
【0052】
本発明は塩、特に酸付加塩の形態における式(Ia)または(Ib)の化合物を含む。適当な塩は、有機酸と無機酸の両方で形成した塩を含む。かかる酸付加塩は一般に薬学的に許容し得るが、薬学的に許容し得ない酸の塩は当該化合物の製造および精製において有用であり得る。従って望ましい塩は塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、ピルビン酸、酢酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、メタンスルホン酸およびベンゼンスルホン酸から形成した塩を含む。
【0053】
式(Ia)または(Ib)の化合物の塩は、遊離塩基またはその塩、鏡像体もしくはラセミ化合物を、妥当な酸の1または2つ以上の当量と反応させることによって形成し得る。その反応は塩が不溶性の溶媒もしくは薬剤中で、または塩が可溶性の溶媒例えば水、ジオキサン、エタノール、テトラヒドロフランもしくはジエチルエーテル中で、または真空中もしくは凍結乾燥で除去し得る溶媒の混合物中で実施し得る。その反応はまた複分解工程であり得るし、またはイオン交換樹脂上で実施し得る。
【0054】
式(IIa)または(IIb)の化合物および式(IIIa)または(IIIb)の化合物は、文献で既知のものであるか、または熟練した当業者に容易に明らかであり得る既知の手法を用いて製造し得るかのどちらかである。
【0055】
本発明の化合物およびそれに加えて中間体は、それらの反応混合物から一般的な技術を用いて分離し得るし、必要であればさらに精製し得る。
【0056】
式(Ia)または(Ib)の化合物は鏡像異性の形態で存在し得る。従って、すべてのその鏡像体、ジアステレオマー、ラセミ化合物および混合物は本発明の範囲内に含まれる。種々の光学異性体は、従来の技術例えば分別結晶またはHPLCを用いた該化合物のラセミ混合物の分離によって単離し得る。一方、種々の光学異性体は光学活性出発物質を用いて直接製造し得る。
【0057】
中間体化合物もまた鏡像異性の形態で存在し得るし、そして精製した鏡像体、ジアステレオマー、ラセミ化合物または混合物として使用し得る。
【0058】
式(Ia)または(Ib)の化合物およびそれらの薬学的に許容し得る塩は、酵素MPOの阻害剤として薬理活性を有するために有益である。
【0059】
式(Ia)および(Ib)の化合物ならびにそれらの薬学的に許容し得る塩は、酵素ミエロペルオキシダーゼ(MPO)の活性の調整が望ましい疾患または症状の治療または予防における使用を指摘される。特に、疾患に対するMPO活性の関連性は神経性炎症疾患において示されている。従って本発明の化合物は、ヒトを含む哺乳動物における神経性炎症の症状または障害の治療への使用を特に指摘される。かかる症状または障害は、熟練した当業者には容易に明らかであり得る。
【0060】
とりわけ言及され得る症状または障害としては多発性硬化症、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症および脳卒中、ならびに他の炎症性の疾患または症状例えば喘息、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、特発性肺線維症、急性呼吸促迫症候群、静脈洞炎、鼻炎、乾癬、皮膚炎、ブドウ膜炎、歯肉炎、粥状硬化症、炎症性腸疾患、腎糸球体障害、肝線維症、敗血症、直腸炎、慢性関節リウマチ、ならびに再灌流障害、脊髄損傷および組織の損傷/瘢痕/癒着/拒絶反応に伴う炎症がある。肺癌もまた、高いMPOレベルと関連があることを示唆されている。該化合物はまた、疼痛の治療に有益であると予想される。
【0061】
予防は、当該の疾患もしくは症状の事前のエピソードに罹患しているヒトか、またはそうでなければ当該の疾患もしくは症状の増大する危険性があると考えられるヒトの治療に特に適切であると予想される。或る種の疾患または症状に罹患する危険性のあるヒトは一般的に、該疾患もしくは該症状の家族歴を有するヒト、または該疾患もしくは該症状に特に罹患しやすいことが遺伝子診断もしくはスクリーニングによって識別されているヒトを含む。
【0062】
上述した治療の指示については投与される用量は、使用する化合物、投与方法および望まれる治療と共に当然変わり得る。しかし一般に、1日当たり固体の状態の1mg〜2000mgの用量で該化合物を投与する場合に良好な結果が得られる。
【0063】
式(Ia)または(Ib)の化合物および薬学的に許容し得るその誘導体はそれら自体で、または化合物もしくは誘導体に薬学的に許容し得る補助剤、希釈剤もしくは担体を混合した妥当な医薬組成物の形態で使用し得る。従って本発明の別の態様は、式(Ia)もしくは(Ib)の新規な化合物または薬学的に許容し得るその塩を含有し、薬学的に許容し得る補助剤、希釈剤もしくは担体を混合した医薬組成物に関する。投与は経腸(経口、舌下もしくは直腸を含む)、鼻腔内、吸入、静脈内、局所または他の非経口経路であり得るが、これに限定されるものではない。適当な医薬製剤の選択および製造の通常の方法は例えば“Pharmaceuticals-The Science of Dosage Form Designs”M. E. Aulton, Churchill Livingstone, 1988に記載される。該医薬組成物は式(Ia)もしくは(Ib)の化合物または薬学的に許容し得るその塩を好ましくは80%未満、そしてより好ましくは50%未満含有する。
【0064】
該成分の混合を含むかかる医薬組成物の製法もまた提供する。
本発明は以下の実施例によって例示されるが、限定されるものでは決してない。
【0065】
1Hおよび13C NMRスペクトルは300MHzブルーカーDPX計測器またはヴァリアン・ユニティ400MHz分光計のどちらかで25℃で記録した。以下の基準シグナルを使用した:DMSO−d6δ39.5(13C)の中心線;DMSO−d6δ2.50(1H)。
すべての質量スペクトルはウォーターズLCMS(2790)計測器で記録した。薄層クロマトグラフィー(TLC)はメルクTLCアルミニウムシートシリカゲル60F254プレコーテッドシート(層の厚さ0.2mm)上で実施した。メルクシリカゲル60(0.063〜0.200mm)をカラムクロマトグラフィーに使用した。HPLC分析は、ジンコーテク(Gynkotek)UVD170S紫外可視分光光度計を装備したグラジエントポンプであるジンコーテクP580HPGで実施した。カラム;ウォーターズ・シンメトリーC18、5μm、3.9×150mm。分取液体クロマトグラフィーはジンコーテクUVD170S紫外可視分光光度計を装備したグラジエントポンプであるジンコーテクP580HPGで実施した。カラム;ウォーターズ・シンメトリーC18、5μm、19×100mm。
【0066】
出発物質は以下の文献に従って製造した。
1.Merlos,M.;Gomez,L.;Vericat,M.L.;Bartroli,J.; Garcia-Rafanell, J.;Forn,J.;Eur. J. Med. Chem. Chim. Ther.; 25; 8; 1990; 653-658.
2. Kjellin, P. G.; Persson, C. G. A., EP0010531.
3. Katritzky, A. R.; Drewniak, M., Tet. Lett. (1988), 29(15), 1755-1758.
4. Van der Goot, H.; Schepers, M. J. P.; Sterk, G. J.; Timmerman, H., Eur. J. Med. Chem. (1992), 27(5), 511-517.
【実施例】
【0067】
[実施例1]
1,3−ジイソブチル−8−メチル−6−チオキサンチン
1,3−ジイソブチル−8−メチル−キサンチン1(0.20g、0.72ミリモル)およびローソン試薬(1.5g、3.6ミリモル)をトルエン(8mL)中に懸濁し、次いで100℃で21時間加熱した。その反応混合物を冷却した後、濾過して不溶性固体を除去した。溶媒を減圧下で除去した後、シリカゲルを用いてそして酢酸エチル/ヘプタン(1:1)で溶離したカラムクロマトグラフィーによって粗製生成物を精製して、標題化合物を得た(90mg、収率43%)。
1H NMR (DMSO-d6): δ13.1 (s, 1H), 4.28 (d, 2H, J 7.2 Hz), 3.84 (d, 2H, J 7.5 Hz), 2.40 (s, 3H), 2.28-2.35 (m, 1H), 2.17-2.25 (m, 1H), 0.85-0.88 (m, 12 H).
MS (ES) m/z 295 (M+1).
【0068】
[実施例2]
1,3−ジブチル−8−メチル−6−チオキサンチン
1,3−ジブチル−8−メチル−キサンチン1(0.20g、0.72ミリモル)およびローソン試薬(0.87g、2.2ミリモル)をトルエン(8mL)中に懸濁した後、120℃で30時間加熱した。生成した褐色混合物を冷却した後、溶媒を減圧下で蒸発させた。褐色がかった固体残留物を10%水酸化ナトリウム(25mL)中に懸濁した後、一晩攪拌した。次いで、その溶液のpHを10%酢酸でpH4に調節した。沈殿物を濾過によって収集した後、水で洗浄した。シリカゲルおよび酢酸エチル/ヘプタン(9:1)による溶離を用いたカラムクロマトグラフィーによってこの粗製生成物を精製して、標題化合物を得た(0.15g、収率69%)。
1H NMR (DMSO-d6): δ13.1 (s, 1H), 4.40 (t, 2H, J 7.6 Hz), 3.99 (t, 2H, J 7.3 Hz), 2.40 (s, 3H), 1.57-1.69 (m, 4H), 1.28-1.35 (m, 4H), 0.88-0.93 (m, 6H).
13C NMR (DMSO-d6): δ173.5, 154.2, 148.9, 143.2, 118.9, 45.61, 43.13, 29.24, 28.37, 19.51, 19.31, 14.42, 13.60.
MS (ES) m/z 295 (M+1).
【0069】
[実施例3]
3−イソブチル−1,8−ジメチル−6−チオキサンチン
3−イソブチル−1,8−ジメチル−キサンチン1(0.150g、6.35ミリモル、1.0当量)およびローソン試薬(0.128g、3.17ミリモル、0.5当量)をトルエン(10mL)中に溶解した後、その反応混合物を3.5時間加熱還流した。転化率はHPLCによれば10%未満であった。ローソン試薬(0.5g)を加えた後、反応混合物を一晩加熱還流した。溶媒を蒸発除去した後、残留した褐色固体を分取HPLCによって精製して標題化合物を得た(78mg、49%)。
1H NMR (DMSO-d6): δ13.16 (s, 1H), 3.92 (d, 2H), 3.77 (s, 3H), 2.50 (s, 3H), 2.35 (m, 1H), 0.97 (d, 6H).
【0070】
[実施例4]
3−(2−メチルブチル)−6−チオキサンチン
ジオキサン(250mL)中の3−(2−メチルブチル)−キサンチン2(3g、0.013モル)および五硫化リン(5g、0.025モル)を3時間還流した。ジオキサン約150mLを留出した後、溶液を冷却した。水(100mL)を加えた後、混合物を室温で2時間攪拌した。2N水酸化ナトリウム(75mL)を加え、その溶液を濾過した後、5N塩酸で中和した。粗結晶を濾去し、そしてエタノールから再結晶して標題化合物を得た(1.6g、51%)。
1H NMR (DMSO-d6): δ13.53 (s, 1H), 12.32 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 3.85 (dd, 1H, 2J
13.1 Hz, 3J 7.1 Hz), 3.78 (dd, 1H, 2J 13.1 Hz, 3J 8.1 Hz), 2.00 (m, 1H), 1.36 (m, 1H), 1.14 (m, 1H), 0.87 (t, 3H, J 7.6), 0.82 (d, 3H, J 6.6).
13C NMR (DMSO-d6): δ175.11, 149.19, 145.73, 143.62, 118.32, 48.11, 32.93, 26.40, 16.57, 11.05.
【0071】
実施例5
3−イソブチル−8−メチル−6−チオキサンチン
ジオキサン(400mL)中の3−イソブチル−8−メチル−キサンチン2(4.5g、0.02モル)および五硫化リン(8g、0.04モル)を5時間還流した。ジオキサン約200mLを留出した後、溶液を冷却した。水(250mL)を加えた後、混合物を室温で2時間攪拌した。2N水酸化ナトリウム(150mL)を加え、溶液を濾過しそして5N塩酸で中和した後、その溶液を一晩放置した。粗結晶を濾去した後、水で洗浄して、必要とされる生成物を得た(4.3g)。一部(2.3g)を酢酸から再結晶して純粋な生
成物を得た(1.5g、全体で31%)。
1H NMR (DMSO-d6): δ 13.13 (s, 1H), 12.16 (s, 1H), 3.77 (d, 2H, J 8.1 Hz), 2.38 (s, 3H), 2.20 (m, 1H), 0.86 (d, 3H, J 7.1).
13C NMR (DMSO-d6): δ173.19, 154.23, 149.14, 146.11, 118.56, 49.29, 26.63, 19.73, 14.54.
【0072】
[実施例6]
3−イソブチル−2−チオキサンチン
a)6−アミノ−1−イソブチル−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン
イソブチルチオ尿素3(3.8g、29ミリモル)およびエチルシアノアセテート(3.9g、34ミリモル)をナトリウムエトキシド〔ナトリウム(0.72g、32ミリモル)および無水エタノール(30mL)から製造〕の溶液に加えた。生成した混合物を4時間還流した。室温に冷却後、溶媒を減圧下で蒸発させた。10%酢酸(45mL)をその粘性シロップに加えた。生成した沈殿物を濾過によって収集した後、固体を水で洗浄した。メタノール/水からの再結晶によって望まれた生成物を得た(4.0g、70%)。
1H NMR (DMSO-d6): δ11.8 (s, 1H), 6.99 (s, 2H), 4.85 (m, 2H), 4.61 (ブロード s, 1H), 2.29 (m, 1H), 0.87 (d, 6H, J 6.6 Hz).
MS (ES) m/z 200 (M+1).
【0073】
b)6−アミノ−1−イソブチル−5−ニトロソ−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン
6−アミノ−1−イソブチル−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン(1.0g、5.0ミリモル)を10%酢酸(20mL)中に懸濁した。亜硝酸ナトリウム(0.38g、5.5ミリモル)を加えた後、生成した混合物を75℃で1時間加熱した。その反応混合物は最初は淡紅色に、次いで紫色になった。紫色の混合物を室温に冷却した。次いで水(20mL)を加えそして紫色の固体を濾過によって収集した後、水で洗浄して標題化合物を得た(1.1g、収率92%)。この固体をさらなる精製なしに
次の工程で使用した。
1H NMR (DMSO-d6): δ13.1 (ブロード s, 1H), 12.8 (ブロード s, 1H), 9.1 (ブロード s, 1H), 4.80 (ブロード s, 1H), 3.78 (ブロード s, 1H), 2.21 (m, 1H), 0.88 (d, 6H,
J 6.3 Hz).
MS (ES) m/z 229 (M+1).
【0074】
c)5,6−ジアミノ−1−イソブチル−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン
6−アミノ−1−イソブチル−5−ニトロソ−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン(1.1g、4.5ミリモル)を32%アンモニア水(10mL)中に懸濁した後、水(10mL)を加えた。この赤色混合物を75℃で加熱した。亜ジチオン酸ナトリウムを少量ずつ加えた。亜ジチオン酸ナトリウム1.8g(10ミリモル)を加えた時に、溶液の色が赤色から淡黄色に変化した。この時点ですべての固体は溶解した。さらに5分間加熱後、溶液中に沈殿物が形成した。その反応混合物を油浴から除去した後、外界温度で45分間攪拌した。溶液のpHを10%酢酸で中性のpHに調節した。黄色沈殿物を濾過によって収集しそして水で洗浄した後、乾燥してジアミンを得た(0.76g、77%)。この生成物をさらなる精製なしに使用した。
1H NMR (DMSO-d6): δ11.3 (ブロード s, 1H), 6.19 (s, 2 H), 4.94 (ブロード s, 1H),
3.70 (ブロード s, 1H), 3.43 (s, 2H), 2.27-2.35 (m, 1H), 0.88 (d, 6H, J 6.1 Hz).
MS (ES) m/z 215 (M+1).
【0075】
d)3−イソブチル−2−チオキサンチン
5,6−ジアミノ−1−イソブチル−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン(0.22g、1.0ミリモル)をギ酸(1.5mL)中に懸濁した後、この溶液を100℃で1時間加熱した。過剰のギ酸を減圧下で蒸発させた。その橙黄色の固体に10%水酸化ナトリウム(1.5mL)を加えた後、生成した溶液を100℃で15分間加熱した。水を加えて、そして溶液のpHを希酢酸でpH4に調節した。生成したスラリーを外界温度で0.5時間攪拌し、次いで沈殿物を濾過によって収集しそして水で洗浄した。収率:(0.21g、90%)
1H NMR (DMSO-d6): δ13.82 (s, 1H), 12.42 (s, 1H), 8.15 (s, 1H), 4.31 (d, 2H, J 7.6 Hz), 2.50 (m, 1H), 0.88 (d, 6H, J 6.6 Hz).
13C NMR (DMSO-d6): d 173.81, 152.57, 149.79, 141.19, 110.68, 54.04, 26.11, 19.79.
MS (ES) m/z 225 (M+1).
【0076】
[実施例7]
3−イソブチル−2,6−ジチオキサンチン
3−イソブチル−2−チオキサンチン(0.20g、0.89ミリモル)およびローソン試薬(1.1g、2.7ミリモル)をトルエン(8mL)中に懸濁した。この混合物を120℃で17時間加熱した。反応混合物を冷却した後、溶媒を減圧下で除去した。10%水酸化ナトリウム(20mL)を加えた後、混合物を10分間攪拌した。この溶液を濾過して不溶性固体を除去し、そして固体を10%水酸化ナトリウム溶液で洗浄した。塩基性の濾液をpH4に到達するまで希酢酸で処理した。生成した沈殿物を濾過によって収集した後、水で洗浄した。その物質を乾燥して標題化合物を得た(0.16g、73%)。
1H NMR (DMSO-d6): δ13.9 (s ブロード, 1H), 13.5 (s ブロード, 1H), 8.27 (s, 1H), 4.32 (d, 2H, J 7.5 Hz), 2.48-2.55 (m, 1H), 0.89 (d, 6H, J 6.7 Hz).
13C NMR (DMSO-d6): δ173.3, 172.0, 144.9, 144.5, 122.8, 54.9, 26.3, 20.2.
MS (ES) m/z 241 (M+1).
【0077】
[実施例8]
3−イソブチル−8−メチル−2−チオキサンチン
5,6−ジアミノ−1−イソブチル−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン(実施例6(c)、0.70g、3.26ミリモル)およびオルト酢酸トリエチル(10mL)の混合物を130℃で2時間40分加熱した。次いでその反応混合物を氷浴上で冷却し、固体を濾去した後、エタノール(4×2mL)で洗浄した。固体を真空乾燥して標題化合物を得た(0.71g、95%)。
1H NMR (DMSO-d6): δ13.45 (s, 1H), 12.33 (s, 1H), 4.28 (d, 2H, J 7.6 Hz), 2.50 (m, 1H), 2.39 (s, 3H), 0.87 (d, 6H, J 6.6 Hz).
13C NMR (DMSO-d6): δ173.47, 152.09, 151.18, 150.01, 110.62, 53.96, 26.08, 19.75, 14.41.
MS (ES) m/z 239 (M+1).
【0078】
[実施例9]
3−イソブチル−7−メチル−2−チオキサンチン
a)N−(6−アミノ−1−イソブチル−4−オキソ−2−チオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ピリミジン−5−イル)−ホルムアミド
5,6−ジアミノ−1−イソブチル−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン(実施例6(c)、0.25g、1.2ミリモル)をギ酸(1.5mL)に溶解した後、外界温度で0.5時間攪拌した。数分後に淡紅色の沈殿物が形成し始めた。水を加えた後、生成した混合物を10分間攪拌した。その淡紅色の固体を濾過によって収集し、水で洗浄した後、乾燥して標題化合物を得た(0.25g、86%)。この物質をさらなる精製なしに使用した。NMRは生成物が2つの互変異性体の混合物として得られたことを示した:ホルムアミド(多量)およびイミノ(少量)。
1H NMR (DMSO-d6): δ12.0 (ブロード s, 1H), 8.73 (s, 1H), 8.07 (s, 1H), 6.85 (s, 2 H), 4.94 (ブロード s, 1H), 3.71 (ブロード s, 1H), 2.22-2.32 (m, 1H), 0.88 (d, 6H, J 6.5 Hz). イミノイソマーから生じたさらなるピーク: 8.12 (d, 1H, J 11.5 Hz), 7.77 (d, 1H, J 11.5 Hz), 7.13 (s, 2H).
MS (ES) m/z 243 (M+1).
【0079】
b)6−アミノ−1−イソブチル−5−メチルアミノ−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン
N−(6−アミノ−1−イソブチル−4−オキソ−2−チオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ピリミジン−5−イル)−ホルムアミド(0.25g、1.0ミリモル)を無水テトラヒドロフラン(5mL)中に懸濁した後、ボラン−ジメチルスルフィド錯体(ジクロロメタン中1M、2.5mL、2.5ミリモル)を滴下した。その反応混合物を外界温度で2.5時間攪拌した。生成した透明な黄色溶液に2M塩酸数滴を加えて未反応のボランを除去した。水を加えた後、生成した水溶液をジクロロメタン(3×15mL)で抽出した。合一した有機相をブラインで洗浄した後、Na2SO4上で乾燥した。溶媒を減圧下で蒸発除去し標題化合物を得た(0.12g、収率54%)。この物質をさらなる精製なしに使用した。
1H NMR (DMSO-d6): δ11.9 (ブロード s, 1H), 5.75 (s, 2 H), 4.94 (ブロード s, 1H),
3.70 (ブロード s, 1H), 3.43 (s, 2H), 2.38 (s, 3H), 2.24-2.32 (m, 1H), 0.87 (d, 6H, J 6.8 Hz).
MS (ES) m/z 229 (M+1).
【0080】
c)3−イソブチル−7−メチル−2−チオキサンチン
6−アミノ−1−イソブチル−5−メチルアミノ−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−
1H−ピリミジン−4−オン(0.11g、0.48ミリモル)をギ酸(1mL)に溶解した後、85℃で1時間加熱した。過剰のギ酸を減圧下で蒸発除去した。10%水酸化ナトリウム溶液(2mL)を加えた後、溶液を85℃で20分間加熱した。水を加えてそしてpHを希酢酸で4に調節すると、白色固体が沈殿した。その白色固体を濾過によって収集し水で洗浄した後、乾燥して標題化合物を得た(85mg、74%)。
1H NMR (DMSO-d6): δ12.4 (s, 1H), 8.10 (s, 1H), 4.28 (d, 2H, J 7.5 Hz), 3.89 (s, 3H), 2.44-2.50 (m, 1H), 0.88 (d, 6H, J 6.7 Hz).
13C NMR (DMSO-d6): δ174.3, 153.2, 150.1, 143.7, 111.2, 54.1, 33.6, 26.4, 20.1.
MS (ES) m/z 239 (M+1).
【0081】
[実施例10]
3−シクロヘキシルメチル−2−チオキサンチン
a)6−アミノ−1−シクロヘキシルメチル−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン
標題化合物を実施例6(a)の一般的な方法に従ってシクロヘキシルメチルチオ尿素4(3.92g、22.7ミリモル)を用いて製造して、白色固体として標題化合物を得た(4.87g、90%)。
1H NMR (DMSO-d6): δ11.75 (s, 1H), 6.93 (s, 2H), 5.1-4.7 (br m, 1H), 4.83 (s, 1H), 3.55 (ブロード, 1H), 1.93 (br, 1H), 1.75-1.30 (br m, 5H), 1.10 (br, 5H).
【0082】
b)6−アミノ−1−シクロヘキシルメチル−5−ニトロソ−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン
標題化合物を実施例6(b)の一般的な方法に従って6−アミノ−1−シクロヘキシルメチル−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン(3.75g、15.7ミリモル)から製造して、紫色の固体として生成物3.60g(85%)を得た。
1H NMR: δ13.5 (br s, 1H), 12.7 (br s, 1H), 9.1 (br s, 1H), 4.84 (br s, 1H), 3.82 (br s, 1H), 1.80 (br, 1H), 1.64-1.59 (br m, 5H), 1.07 (br, 5H).
【0083】
c)5,6−ジアミノ−1−シクロヘキシルメチル−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン
標題化合物を実施例6(c)の一般的な方法に従って6−アミノ−1−シクロヘキシルメチル−5−ニトロソ−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン(3.60g、13.4ミリモル)から製造して、そして精製せずに次の工程で使用した。1H NMR (DMSO-d6): δ6.17 (s, 2 H), 5.01 (br, 1H), 4.0-3.0 (非常にブロード, 3H), 1.97 (br, 1H), 1.8-1.3 (br m, 5H), 1.09 (br m, 5H).
【0084】
d)3−シクロヘキシルメチル−2−チオキサンチン
オルトギ酸トリエチル(15mL)を加えた5,6−ジアミノ−1−シクロヘキシルメチル−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン(1.44g、5.67ミリモル)を146℃で2時間10分加熱した。その混合物を放置して外界温度に冷却し、次いで氷浴上でさらに冷却し、続いてヘプタン(5mL)を加えた。その懸濁液を濾過しそしてヘプタン(20mL)で洗浄した後、得られた個体を真空乾燥した。固体(1.2g)を2−プロパノール(125mL)、水(5mL)および第三級ブチルメチルエーテル(25mL)の高温の混合物中に懸濁し、冷却しそして濾過した後に得た白色沈殿物を、さらなる第三級ブチルメチルエーテル(5mL)で洗浄した。その固体を真空乾燥して標題化合物を得た(0.95g、63%)。
1H NMR (DMSO-d6): δ13.69 (s, 1H), 12.35 (s, 1H), 8.12 (s, 1H), 4.33 (d, 2H, J 7.1 Hz), 2.18 (m, 1H), 1.49-1.50 (m, 5H), 1.02-1.17 (m, 5H).
13C NMR (DMSO-d6): δ173.65, 152.68, 149.90, 141.41, 110.96, 52.97, 35.31, 30.09, 25.88, 25.32.
MS (ES) m/z 265 (M+1).
【0085】
[実施例11]
3−(3−メトキシプロピル)−2−チオキサンチン
a)6−アミノ−1−(3−メトキシプロピル)−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン
ナトリウムメトキシド(0.81g、21.2ミリモル、1.05当量)をエタノール(10mL)中の3−メトキシプロピルチオ尿素(3.00g、20.2ミリモル)の溶液に加えた。エタノール(10mL)中のエチルシアノアセテート(2.18mL、20.2ミリモル)を加えた後、生成した白色スラリーを2.5時間加熱還流した。溶媒を蒸発させた後、残留した淡褐色の油を2M酢酸(15mL)で処理した。その白色結晶を濾去しそして酢酸で洗浄して標題化合物を得た(2.10g、48%)。
1H NMR (DMSO-d6): δ1.77 (s, 1H), 6.95 (s, 2H), 4.86 (s, 1H), 3.39 (t, 2H), 3.24 (s, 3H), 1.88 (m, 2H).
【0086】
b)3−(3−メトキシプロピル)−2−チオキサンチン
酢酸(25mL)を6−アミノ−1−(3−メトキシプロピル)−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン(2.00g、9.29ミリモル)に加えた後、その赤色の反応混合物を90℃に加熱した。水(7mL)中の亜硝酸ナトリウム(0.71g、10.2ミリモル)を加え、油浴を除去し、そして反応混合物を20分間攪拌した。溶媒をエタノールを用いて共沸した後、残留した赤色固体(1.8g、79%)をさらなる精製なしに次の工程で使用した。
テトラヒドロフラン(80mL)および水(20mL)中の粗製6−アミノ−1−(3−メトキシプロピル)−5−ニトロソ−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン(1.80g、7.38ミリモル)の溶液に白金炭素(0.5g)を加えた後、反応混合物を大気圧で2時間水素化した。触媒を濾去しそして淡褐色の濾液をエタノール(250mL)を用いて共沸した。生成した褐色固体1.6gをさらなる精製なしに次の工程で使用した。
5,6−ジアミノ−1−シクロヘキシルメチル−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン(1.6g、12.2ミリモル)をエタノール(10mL)に溶解した後、オルトギ酸トリエチル(10mL)およびその反応混合物を2.5時間還流した。溶媒を蒸発除去した後、生成した褐色固体をフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル、4:1〜1:1)によって精製して標題化合物を得た(110mg、9%)。
1H NMR (DMSO-d6): δ13.78 (s, 1H), 12.40 (s, 1H), 8.16 (s, 1H), 4.52 (t, 2H, J 7.1 Hz), 3.41 (t, 2H, J 7.1 Hz), 3.21 (s, 3H), 1.98 (m, 2H).
13C NMR (DMSO-d6): δ173.27, 152.63, 149.30, 141.50, 110.94, 69.51, 57.82, 45.47, 26.68.
【0087】
[実施例12]
3−シクロプロピルメチル−2−チオキサンチン
a)6−アミノ−1−シクロプロピルメチル−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン
エタノール(10mL)中の1−シクロプロピルメチル−2−チオ尿素(0.60g、4.6ミリモル)にナトリウムメトキシド(0.26g、4.8ミリモル)を、そして5分後にエチルシアノアセテート(0.50mL、4.6ミリモル)を加えた。生成した混合物を2時間40分加熱還流し、続いて溶媒を減圧下で蒸発させ、そして生成した黄色固体を2M酢酸水溶液(10mL)で処理して白色個体を得た。その固体を濾過によって収集した後、2M酢酸水溶液(10mL)で洗浄し、エタノール(10mL)を加えて攪拌し、続いて減圧下で蒸発および乾燥して標題化合物を得た(0.51g、56%)。
MS(ES)m/z198(M+1)。
【0088】
b)3−シクロプロピルメチル−2−チオキサンチン
6−アミノ−1−シクロプロピルメチル−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン(0.50g、2.5ミリモル)を酢酸(8mL)中に懸濁し、そして90℃で15分間加熱した後、水(1mL)中の亜硝酸ナトリウム(0.19g、2.8ミリモル)を溶液に加えた。15分後、熱を除去しそして反応混合物を外界温度で3時間攪拌した。エタノール(30mL)を加えた後、溶媒を減圧下で除去した。生成した油をエタノール(30mL)で処理した後、これを蒸発および乾燥して6−アミノ−1−シクロプロピルメチル−5−ニトロソ−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−
4−オン(0.61g)を赤褐色の固体として得た。
先行の反応からの粗製生成物(0.61g)を水(10mL)に溶解した後、テトラヒドロフラン(30mL)および白金炭素(0.30g)を加えた。その混合物を大気圧で4時間水素化処理し、触媒を濾過によって除去した後、溶媒を減圧下で除去した。エタノール(50mL)を加えて蒸発させると橙黄色の固体を得た。残留物をエタノール(10mL)に溶解しそしてオルトギ酸トリエチル(5mL)を加えた後、生成した混合物を一晩加熱還流した。溶媒を蒸発させ、そして分取HPLCを用いた精製によって、望まれた化合物を得た(38mg、6−アミノ−1−シクロプロピルメチル−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オンからの収率6.2%)。
1H NMR (DMSO-d6): δ13.78 (s, 1H), 12.43 (s, 1H), 8.15 (s, 1H), 4.37 (d, 2H, J 7.1 Hz), 1.50 (m, 1H), 0.52 (m, 2H), 0.45 (m, 2H).
13C NMR (DMSO-d6): δ173.52, 152.62, 149.52, 141.48, 111.02, 51.71, 9.27, 3.50.
MS (ES) m/z 223 (M+1).
【0089】
[実施例13]
3−イソブチル−1−メチル−2−チオキサンチン
a)1−イソブチル−3−メチルチオ尿素
メチルアミン(メタノール中2M、20.0mL、40.2ミリモル)をイソブチルイソチオシアネート(2.00mL、16.5ミリモル)に室温で15分間で滴下した。その反応混合物を3.5時間加熱還流した後、溶媒を蒸発除去して標題化合物(2.37g、98%)を無色の油として得た。
1H NMR (DMSO-d6): δ7.40 (s, 1H), 7.29 (s, 1H), 3.15 (ブロード s, 2H), 2.80 (d, 2H), 1.81 (m, 1H), 0.83 (d, 6H).
【0090】
b)6−アミノ−1−イソブチル−3−メチル−5−ニトロソ−2−チオキソ−1H−ピリミジン−4−オン
無水酢酸(2.45mL、25.9ミリモル)中のシアノ酢酸(1.52g、17.8ミリモル)の溶液を1−イソブチル−3−メチルチオ尿素(2.37g、16.2ミリモル)に加えた。その反応混合物を60℃に1.5時間加熱した。溶媒を蒸発させそして生成した赤色の油をエタノール(5mL)に再溶解した後、5M水酸化ナトリウム(1.6mL、8.1ミリモル)を加えた。反応混合物を2時間還流した。溶媒をエタノールを用いて共沸した後、生成した淡褐色固体をフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル)によって精製して6−アミノ−1−イソブチル−3−メチル−2−チオキソ−1H−ピリミジン−4−オン(1.0g、29%)を黄色固体として得た。
水(1.5mL)中の亜硝酸ナトリウム(0.34g、4.9ミリモル)をエタノール(7.0mL)中のアミン(1.00g、4.7ミリモル)の溶液に室温で加えた。5M塩酸(1.0mL、4.9ミリモル)を加えた後、生成した暗赤色の反応混合物を室温で2時間攪拌した。エタノール(20mL)を加えた後、赤色結晶を濾去しそしてジエチルエーテルで洗浄した。結晶を乾燥して標題化合物を得た(0.68g、60%)。
1H NMR (DMSO-d6): δ12.87 (s, 1H), 9.35 (s, 1H), 4.28 (dd, 2H), 3.75 (s, 3H), 2.34 (m, 1H), 0.90 (d, 6H).
【0091】
c)3−イソブチル−1−メチル−2−チオキサンチン
パラジウム炭素(3.7g)をテトラヒドロフラン(1200mL)および水(300mL)中の6−アミノ−1−イソブチル−3−メチル−5−ニトロソ−2−チオキソ−1H−ピリミジン−4−オン(6.0g、24.8ミリモル)の溶液に加えた後、その反応混合物を21時間水素化した(2.5バール)。触媒を濾去した後、テトラヒドロフランを
減圧下で蒸発除去した。残留物を酢酸エチル(3×200mL)で抽出した。有機相を濃縮した後、エタノール(100mL)を残留物に加えてそして蒸発させた。
褐色のジアミン中間体をオルトギ酸トリエチル(50mL)に溶解した後、その反応混合物を140℃に40分間加熱した。反応混合物を濃縮した後、エタノールを用いて共沸して褐色固体を得た。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル、2:1−酢酸エチル)によって精製して、続いてその固体をジエチルエーテルおよびヘキサンで洗浄して標題化合物を得た(160mg、2.7%)。
1H NMR (DMSO-d6): δ13.86 (s, 1H), 8.21 (s, 1H), 4.34 (d, 2H, J 7.1 Hz), 3.89 (s, 3H), 2.40 (m, 1H), 0.86 (d, 6H, J 7.1 Hz).
13C NMR (DMSO-d6): δ174.68, 153.33, 148.41, 141.73, 109.92, 52.83, 37.17, 25.77, 19.92.
【0092】
[実施例14]
3−(2−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン
a)6−アミノ−1−(2−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン
2−テトラヒドロフリル−メチル−チオ尿素(1.0g、6.2ミリモル)およびエチルシアノアセテート(0.85g、7.5ミリモル)をナトリウムエトキシド〔ナトリウム(0.16g、6.9ミリモル)および無水エタノール(4mL)から新たに製造〕の溶液に加えた。生成した混合物を3.5時間還流した。室温に冷却後、溶媒を減圧下で蒸発させ、そして生成した粘性シロップを水(30mL)に再溶解した。この塩基性溶液を2M塩酸で中和した。生成した沈殿物を濾過によって収集した後、固体を水で洗浄した。この粗製生成物(1.3g、90%)をさらなる精製なしに使用した。
1H NMR (DMSO-d6): δ11.9 (s, 1H), 6.79 (s, 2H), 4.91 (s, 1H), 4.62-4.65 (m, 1H),
4.21-4.31 (m, 3H), 3.81-3.87 (m, 1H), 3.63-3.68 (m, 1H), 1.77-2.01 (m, 3H), 1.57-1.65 (m, 1H).
MS (ES) m/z 228 (M+1).
【0093】
b)6−アミノ−1−(2−テトラヒドロフリル−メチル)−5−ニトロソ−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン
6−アミノ−1−(2−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン(1.3g、5.6ミリモル)を10%酢酸水溶液(25mL)中に懸濁した。亜硝酸ナトリウム(0.43g、6.2ミリモル)を加えた後、この混合物を75℃で1時間加熱した。紫色の固体を濾過によって収集し、洗浄した後乾燥して標題生成物を得た(1.3g、90%)。
1H NMR: δ13.3 (br s, 1H), 12.8 (br s, 1H), 8.93 (br s, 1H), 4.57 (br s, 1H), 4.45 (br s, 1H), 4.18-4.24 (m, 1H), 3.74-3.79 (m, 1H), 3.59-3.64 (m, 1H), 1.86-2.01 (m, 2H), 1.74-1.82 (m, 1H), 1.59-1.67 (m, 1H).
【0094】
c)5,6−ジアミノ−1−(2−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン
6−アミノ−1−(2−テトラヒドロフリル−メチル)−5−ニトロソ−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン(1.3g、5.1ミリモル)を32%アンモニア水(15mL)に溶解した後、水(15mL)を加えた。亜ジチオン酸ナトリウム(2.2g、13ミリモル)を少量ずつ加えながら、その赤色溶液を70℃で加熱し
た。さらに15分間加熱を続け、次いでその黄色溶液を外界温度で1時間攪拌した。溶液を2M塩酸で中和した。黄色沈殿物を濾過によって収集し、水で洗浄した後乾燥して標題生成物を得た(0.90g、73%)。この物質をさらなる精製なしに次の工程で使用し
た。
1H NMR (DMSO-d6): δ5.96 (s, 2 H), 4.74 (br d, 1H), 4.35 (br s, 1H), 4.21-4.28 (m, 1H), 3.84-3.89 (m, 1H), 3.64-3.69 (m, 1H), 3.49 (br s, 2H), 1.78-2.01 (m, 4H), 1.60-1.67 (1H).
MS (ES) m/z 243 (M+1).
【0095】
d)3−(2−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン
5,6−ジアミノ−1−(2−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン(0.25g、1.0ミリモル)をギ酸(1mL)に溶解した後、70℃で0.5時間加熱した。数分後、淡紅色の固体が溶液中に形成した。過剰のギ酸を蒸発除去した後、生成した固体を10%水酸化ナトリウム溶液(4mL)に溶解した。この溶液を70℃で40分間加熱し、次いで2M塩酸で中和した。生成した沈殿物を濾過によって収集し、水で洗浄した後乾燥して純粋な生成物を得た(0.23g、87%)。
1H NMR (DMSO-d6): δ13.8 (br s, 1H), 12.4 (br s, 1H), 8.16 (s, 1H), 4.53-4.61 (m, 2H), 4.38-4.44 (m, 1H), 3.79-3.84 (m, 1H), 3.58-3.63 (m, 1H), 1.72-1.98 (m, 4H).
13C NMR (DMSO-d6): δ173.65, 152.68, 149.90, 141.41, 110.96, 52.97, 35.31, 30.09, 25.88, 25.32.
MS (ES) m/z 253 (M+1).
【0096】
[実施例15]
3−(2−メトキシ−エチル)−2−チオキサンチン
a)6−アミノ−1−(2−メトキシ−エチル)−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン
標題化合物を、(2−メトキシ−エチル)−チオ尿素(1.5g、11ミリモル)を使用する他は実施例14(a)の一般的な方法に従って製造して、標題化合物を白色固体として得た(2.1g、93%)。
1H NMR (DMSO-d6): δ11.9 (s, 1H), 6.82 (s, 2H), 4.89 (s, 1H), 4.53 (ブロード s, 2H), 3.62 (t, 2H, J 5.9 Hz), 3.29 (s, 3H).
MS (ES) m/z 202 (M+1).
【0097】
b)6−アミノ−1−(2−メトキシ−エチル)−5−ニトロソ−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン
6−アミノ−1−(2−メトキシ−エチル)−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン(1.0g、5.0ミリモル)を10%酢酸(20mL)中に懸濁した。亜硝酸ナトリウム(0.38g、5.5ミリモル)を加えた後、生成した混合物を75℃で1時間加熱した。反応混合物は最初は淡紅色に、次いで紫色になった。水(20mL)を加えた後、その反応混合物を冷蔵庫に一晩放置した。紫色の固体を濾過によって収集した後、水で洗浄して標題化合物を得た(0.42g、37%)。生成物の第二の収集物(0.22g、19%)を、紫色の濾液の容積を減少させることによって得た。その粗製生成物をさらなる精製なしに次の工程で使用した。
1H NMR (DMSO-d6): δ13.4 (br s, 1H), 12.8 (br s, 1H), 9.06 (br s, 1H), 4.54 (br s, 2H), 3.60 (t, 2H, J 5.8 Hz), 3.24 (s, 3H).
【0098】
c)5,6−ジアミノ−1−(2−メトキシ−エチル)−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン
標題化合物を、6−アミノ−1−(2−メトキシ−エチル)−5−ニトロソ−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン(0.42g、1.8ミリモル)を使用する他は実施例14(c)の一般的な方法に従って製造して、標題化合物を黄色固体として得た(0.28g、68%)。
1H NMR (DMSO-d6): δ11.9 (br s, 1H), 5.94 (s, 2 H), 4.58 (br s, 2H), 3.64 (t, 2H, J 5.6 Hz), 3.47 (br s, 2H), 3.28 (s, 3H).
MS (ES) m/z 217 (M+1).
【0099】
d)3−(2−メトキシ−エチル)−2−チオキサンチン
5,6−ジアミノ−1−(2−メトキシ−エチル)−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン(0.27g、1.3ミリモル)をギ酸(2mL)に懸濁した後、この溶液を90℃で1.5時間加熱した。過剰のギ酸を減圧下で蒸発除去した。その橙黄色固体に10%水酸化ナトリウム溶液(5mL)を加えた後、生成した溶液を90℃で2時間加熱した。反応混合物を希酢酸で中和した。生成した溶液を冷蔵庫に数日間放置し、次いで形成していた橙黄色の針状結晶を濾過によって収集し、そして水で洗浄した。収率:(0.11g、40%)。
1H NMR (DMSO-d6): δ13.8 (ブロード s, 1H), 12.5 (ブロード s, 1H), 8.16 (s, 1H), 4.65 (t, 2H, J 6.4 Hz), 3.73 (t, 2H, J 6.4 Hz), 3.28 (s, 3H).
13C NMR (DMSO-d6): δ172.14, 151.06, 148.02, 139.85, 109.20, 66.04, 56.65, 44.72.
MS (ES) m/z 227 (M+1).
【0100】
[実施例16]
3−(3−(1−モルホリニル)−プロピル)−2−チオキサンチン
a)6−アミノ−1−(3−(1−モルホリニル)−プロピル)−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン
標題化合物を、1−(3−(1−モルホリニル)−プロピル)−2−チオ尿素(1.1g、5.3ミリモル)を使用する他は実施例14(a)の一般的な方法に従って製造して、標題化合物を白色固体として得た(1.2g、87%)。
1H NMR (DMSO-d6): δ11.8 (s, 1H), 7.24 (s, 2H), 4.84 (s, 1H), 4.33 (br s, 2H), 3.55-3.57 (m, 4H), 2.30-2.36 (m, 6H), 1.82-1.89 (m, 2H).
MS (ES) m/z 271 (M+1).
【0101】
c)5,6−ジアミノ−1−(3−(1−モルホリニル)−プロピル)−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン
6−アミノ−1−(3−(1−モルホリニル)−プロピル)−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン(0.57g、2.1ミリモル)を10%酢酸(10mL)に溶解した。亜硝酸ナトリウム(0.16g、2.3ミリモル)を加えた後、そのスラリーを外界温度で攪拌した。2時間後、多量の出発物質が依然残存した。より多くの亜硝酸ナトリウム(0.32g、4.6ミリモル)を加えた後、溶液を一晩攪拌した。沈殿物を濾過によって収集した後、水で洗浄した。この極度に不溶性の固体を分析せずに還元した。固体を32%アンモニア水(6mL)に溶解し、次いで水(6mL)を加えた。生成した赤色溶液を70℃で加熱した後、亜ジチオン酸ナトリウム(0.91g、5.2ミリモル)を少量ずつ加えた。次いで、溶液を70℃で1.5時間攪拌した。より多くの亜ジチオン酸ナトリウム(0.91g、5.2ミリモル)を加えた後、溶液を70℃でさらに2.5時間攪拌した。その中性溶液を濾過して不溶性固体を除去した。濾液を濃縮した後、生成した黄色固体を水中に懸濁した。固体を濾過によって収集し、水で洗浄した後乾燥して標題生成物を得た(0.068g、11%)。
1H NMR: δ12.0 (br s, 1H), 6.48 (s, 2 H), 3.59 (m, 4H), 2.30-2.45 (m, 6H), 1.88-1.91 (m, 2H).
MS (ES) m/z 286 (M+1).
【0102】
d)3−(3−(1−モルホリニル)−プロピル)−2−チオキサンチン
5,6−ジアミノ−1−(3−(1−モルホリニル)−プロピル)−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン(0.068g、0.24ミリモル)をギ酸(0.4mL)に溶解した後、外界温度で1時間攪拌した。過剰のギ酸を蒸発除去しそして10%水酸化ナトリウム溶液(1.5mL)を加えた後、その黄色溶液を70℃で40分間加熱した。冷却した溶液を2M塩酸で中和した後、冷蔵庫に数時間放置した。沈殿物を濾過によって収集し、水で洗浄した後乾燥して、標題化合物を灰色がかった白色の固体として得た(0.025g、36%)。
1H NMR (DMSO-d6): δ13.7 (ブロード s, 1H), 12.4 (s, 1H), 8.17 (s, 1H), 4.53 (t, 2H, J 7.5 Hz), 3.52 (m, 4H), 2.31-2.46 (m, 6H), 1.91-1.99 (m, 2H).
13C NMR (DMSO-d6): δ173.68, 152.99, 149.82, 141.75, 111.24, 66.39, 55.70, 53.43, 46.58, 23.35.
MS (ES) m/z 296 (M+1).
【0103】
[実施例17]
3−(2−フリル−メチル)−2−チオキサンチン
a)6−アミノ−1−(2−フリル−メチル)−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン
標題化合物を、反応時間を1.5時間に減らしそして生成物を希酢酸で沈殿させた以外は実施例14(a)の一般的な方法に従って製造した。2−フリル−メチルチオ尿素(1.0g、6.4ミリモル)を使用して標題生成物(0.95g、66%)を得た。
1H NMR (DMSO-d6): δ11.8 (br s, 1H), 7.58-7.62 (m, 1H), 7.05 (br s, 2H), 6.38-6.42 (m, 1H), 6.31-6.36 (m, 1H), 5.68 (br s, 2H), 4.85 (s, 1H).
MS (ES) m/z 224 (M+1).
【0104】
b)6−アミノ−1−(2−フリル−メチル)−5−ニトロソ−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン
標題化合物を、反応混合物を最初に60℃で1時間加熱して次いで外界温度で1時間攪拌した以外は実施例14(b)の一般的な方法に従って製造した。6−アミノ−1−(2−フリル−メチル)−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン(0.37g、1.6ミリモル)および亜硝酸ナトリウム2当量(0.23g、3.3ミリモル)を使用した場合には、生成物(0.25g、60%)を褐色固体として得た。
1H NMR: δ12.1 (br s, 1H), 7.54-7.57 (m, 1H), 7.45-7.47 (m, 1H), 6.37-6.40 (m, 1H), 6.32-6.38 (m, 1H), 6.30-6.32 (m, 1H), 5.62 (s, 2H), 5.48 (s, 2H).
【0105】
c)5,6−ジアミノ−1−(2−フリル−メチル)−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン
標題化合物(0.12g、52%)を実施例14(c)の一般的な方法に従って6−アミノ−1−(2−フリル−メチル)−5−ニトロソ−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン(0.25g、0.99ミリモル)から出発して製造し、そして精製せずに次の工程で使用した。
1H NMR (DMSO-d6): δ12.5 (br s, 1H), 12.2 (s, 1H), 7.58-7.60 (m, 1H), 7.55-7.57 (m, 1H), 6.38-6.41 (m, 2H), 6.34-6.37 (m, 1 H), 6.30 (br s, 2H), 5.77 (s, 2H), 5.63 (s, 2H).
MS (ES) m/z 239 (M+1).
【0106】
d)3−(2−フリル−メチル)−2−チオキサンチン
ギ酸(0.5mL)中の5,6−ジアミノ−1−(2−フリル−メチル)−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン(0.12g、0.51ミリモル)を外界温度で0.5時間攪拌した。過剰のギ酸を蒸発除去した後、生成した固体を10%水酸化ナトリウム溶液(3mL)に溶解した。この溶液を70℃で0.5時間加熱した。反応混合物を2M塩酸で中和した。生成した沈殿物を濾過によって収集し、水で洗浄した後乾燥した。収率:(0.047g、37%)。
1H NMR (DMSO-d6): δ13.9 (s, 1H), 12.5 (s, 1H), 8.18 (s, 1H), 7.55-7.57 (m, 1H),
6.36-6.39 (m, 2H), 5.69 (s, 2H).
13C NMR (DMSO-d6): δ174.14, 152.85, 149.56, 149.33, 142.77, 141.80, 110.93, 109.40, 44.26.
MS (ES) m/z 249 (M+1).
【0107】
[実施例18]
3−(4−メトキシベンジル)−2−チオキサンチン
a)6−アミノ−1−(4−メトキシベンジル)−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン
反応を還流温度で2.5時間続いて外界温度で16時間実施しそして生成物の沈殿を希酢酸を用いて形成した以外は、実施例14(a)の一般的な方法に従って標題化合物を製造した。(4−メトキシベンジル)−チオ尿素(1.0g、5.1ミリモル)を用いて出発して、望まれた生成物を得た(1.2g、92%)。
1H NMR (CD3OD): δ7.19 (d, 2H, J 8.6 Hz), 6.89 (d, 2H, J 8.6 Hz), 5.72 (br s, 2H), 5.06 (s, 1H), 3.77 (s, 3H).
MS (ES) m/z 264 (M+1).
【0108】
b)6−アミノ−1−(4−メトキシベンジル)−5−ニトロソ−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン
2.5時間の反応時間を用いる他は実施例14(b)の一般的な方法に従って標題化合物を製造した。6−アミノ−1−(4−メトキシベンジル)−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン(1.2g、4.7ミリモル)を用いて、生成物(1.2g、88%)を青緑色の固体として得て、さらなる精製なしに次の反応に使用した。
1H NMR (DMSO-d6): δ11.9 (s, 1H), 7.18-7.12 (m, 2H), 6.95-6.83 (m, 2H), 5.58 (br
s, 2H), 3.70 (s, 3H).
【0109】
c)5,6−ジアミノ−1−(4−メトキシベンジル)−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン
反応混合物の中和に希酢酸を用いた以外は実施例14(c)の一般的な方法に従って標題化合物を製造した。6−アミノ−1−(4−メトキシベンジル)−5−ニトロソ−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン(1.2g、4.1ミリモル)から出発して、望まれた生成物(0.83g、73%)を黄色固体として製造した。
1H NMR (DMSO-d6): δ11.7 (br s, 2H), 7.20-7.12 (m, 2H), 6.92-6.85 (m, 2H), 6.06 (s, 2H), 5.73 (br s, 2H), 3.71 (s, 3H).
MS (ES) m/z 279 (M+1).
【0110】
d)3−(4−メトキシベンジル)−2−チオキサンチン
5,6−ジアミノ−1−(4−メトキシベンジル)−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン(0.83g、3.0ミリモル)をギ酸(3.0mL)に溶解した後、生成した溶液を100℃で1時間加熱した。過剰のギ酸を減圧下で除去しそして残留物を10%水酸化カリウム溶液(8mL)に溶解した後、100℃で15分間加熱した。反応混合物を10%酢酸で中和した後、生成した沈殿物を濾過によって収集した。その沈殿物をエタノール:ジメチルホルムアミドから再結晶しそして単離した結晶を1M水酸化カリウム溶液に溶解し、10%酢酸を用いた中和によって沈殿させた後、濾過によって収集した。乾燥後、標題化合物(0.14g、16%)を得た。
1H NMR (DMSO-d6): δ13.9 (br s, 1H), 12.5 (s, 1H), 8.15 (s, 1H), 7.36 (d, 2H, J 8.6 Hz), 6.84 (d, 2H, J 8.9 Hz), 5.63 (s, 2H), 3.70 (s, 3H).
13C NMR (DMSO-d6): δ173.85, 158.52, 152.45, 149.36, 141.41, 129.35, 127.97, 113.58, 110.83, 55.01, 49.63.
MS (ES) m/z 289 (M+1).
【0111】
実施例19
3−(4−フルオロベンジル)−2−チオキサンチン
a)6−アミノ−1−(4−フルオロベンジル)−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン
反応時間を16時間にしてそして生成物の沈殿を希酢酸を用いた処理によって形成した以外は実施例14(a)の一般的な方法に従って、標題化合物を製造した。(4−フルオロベンジル)−チオ尿素(1.0g、5.4ミリモル)から生成物(1.2g、86%)を白色固体として得た。
1H NMR (DMSO-d6): δ11.9 (br s, 1H), 7.27-7.11 (m, 4H), 6.91 (s, 2H), 5.67 (br s, 2H), 4.89 (s, 1H).
MS (ES) m/z 252 (M+1).
【0112】
b)6−アミノ−1−(4−フルオロベンジル)−5−ニトロソ−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン
反応時間を合計8時間に増やす以外は実施例14(b)の一般的な方法に従って標題化合物を製造した。6−アミノ−1−(4−フルオロベンジル)−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン(1.2g、4.7ミリモル)から望まれた生成物を得た(0.88g、67%)。
1H NMR (DMSO-d6): δ13.1 (br s, 1H), 12.8 (br s, 1H), 7.33-7.08 (m, 2H), 7.13 (t, 2H, J 8.7 Hz), 5.62 (br s, 2H).
【0113】
c)5,6−ジアミノ−1−(4−フルオロベンジル)−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン
反応を75℃で1時間続いて外界温度で20分間維持しそして反応混合物の中和を希酢酸を用いて行った以外は、実施例14(c)の一般的な方法に従って標題化合物を製造した。6−アミノ−1−(4−フルオロベンジル)−5−ニトロソ−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン(0.88g、3.1ミリモル)を用いて、望まれた生成物を得た(0.55g、66%)。
1H NMR (DMSO-d6): δ12.1 (br s, 2H), 7.29-7.12 (m, 4H), 6.08 (s, 2H), 5.75 (br s, 2H).
MS (ES) m/z 267 (M+1).
【0114】
d)3−(4−フルオロ−ベンジル)−2−チオキサンチン
5,6−ジアミノ−1−(4−フルオロベンジル)−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン(0.55g、2.1ミリモル)を用いる他は実施例18(d)の一般的な方法に従って標題化合物を製造し、望まれた生成物を得た(0.24g、41%)。
1H NMR (DMSO-d6): δ13.9 (br s, 1H), 12.5 (s, 1H), 8.15 (s, 1H), 7.44 (dd, 2H, J 8.6, 8.6 Hz), 7.12 (t, 2H, J 8.9 Hz), 5.68 (s, 2H).
13C NMR (DMSO-d6): δ173.96, 160.14, 152.48, 149.28, 141.44, 132.19, 129.83 (d, J 8.0 Hz), 115.00 (d, J 22 Hz), 110.82, 49.49.
MS (ES) m/z 277 (M+1).
【0115】
[実施例20]
3−フェネチル−2−チオキサンチン
a)6−アミノ−1−フェネチル−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン
還流における3.5時間の反応時間に続いて外界温度での16時間の反応を除けば実施例14(a)の一般的な方法に従って、標題化合物を製造した。生成物を希酢酸を用いた処理によって沈殿させた。フェネチルチオ尿素(1.0g、5.6ミリモル)から生成物(1.3g、95%)を白色固体として得た。
1H NMR (DMSO-d6): δ11.8 (br s, 1H), 7.37 (d, 2H, J 7.1 Hz), 7.31 (t, 2H, J 7.4 Hz), 7.22 (t, 1H, J 7.2 Hz), 7.08 (br s, 2H), 4.88 (s, 2H), 4.52 (br s, 1H), 3.32 (br s, 1H), 2.92 (t, 2H, J 8.3 Hz).
MS (ES) m/z 248 (M+1).
【0116】
b)6−アミノ−5−ニトロソ−1−フェネチル−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン
反応時間を1.5時間に増やす以外は実施例14(b)の一般的な方法に従って標題化合物を製造した。6−アミノ−1−フェネチル−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン(1.3g、5.3ミリモル)から望まれた生成物を得た(1.3g、92%)。
1H NMR (DMSO-d6): δ13.5 (br s, 1H), 12.8 (br s, 1H), 9.34 (br s, 1H), 7.37-7.28 (m, 4H), 7.25-7.20 (m, 1H), 4.55 (br s, 2H), 2.90 (t, 2H, J 8.4 Hz).
【0117】
c)5,6−ジアミノ−1−フェネチル−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン
反応を75℃で15分間続いて外界温度で1時間20分維持しそして反応混合物の中和を希酢酸を用いて行った以外は、実施例14(c)の一般的な方法に従って標題化合物を製造した。6−アミノ−5−ニトロソ−1−フェネチル−2−チオキソ−2,3−ジヒド
ロ−1H−ピリミジン−4−オン(1.3g、4.8ミリモル)を用いて、望まれた生成物(1.1g、88%)を単離した。
1H NMR (DMSO-d6): δ10.1 (br s, 2H), 7.46-7.16 (m, 5H), 6.25 (s, 2H), 4.56 (br s, 2H), 2.94 (t, 2H, J 8.3 Hz).
MS (ES) m/z 263 (M+1).
【0118】
d)3−フェネチル−2−チオキサンチン
最後の中和に1M塩酸を使用した以外は実施例18(d)の一般的な方法に従って標題化合物を製造した。5,6−ジアミノ−1−フェネチル−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリミジン−4−オン(0.55g、2.1ミリモル)を用いて、望まれた生成物を得た(0.39g、34%)。
1H NMR (DMSO-d6): δ 7.53 (s, 1H), 7.32 (d, 4H, J 4.5 Hz), 7.22 (m, 1H), 4.63 (m, 2H), 3.01 (m, 2H), 1.88 br s, 2H).
13C NMR (DMSO-d6): δ 170.56, 155.20, 150.51, 146.41, 138.54, 128.58, 128.46, 126.34, 117.49, 48.82, 32.59.
MS (ES) m/z 273 (M+1).
【0119】
[実施例21]
3−(2−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチンの鏡像体
ラセミ体の3−(2−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチンの溶液(3mg/mL)をキラルパックAD−RHカラム(4.6×150mm;5μm)上のキラルHPLCによって分離した。移動相はメタノール:酢酸:トリエチルアミン(100:0.
1:0.1)、そして流速は1mL/分であった。注入量は20μLであった。
鏡像体1
e.e.93.6%;MS(ES)m/z253(M+1)。
鏡像体2
e.e.97.3%;MS(ES)m/z253(M+1)。
【0120】
[実施例22]
3−n−ブチル−2−チオキサンチン
標題化合物を実施例6に記載した製法を用いて製造した。
1H NMR (DMSO-d6): δ 13.82 (s, 1H), 12.40 (s, 1H), 8.15 (s, 1H), 4.45 (m, 2H), 1.73 (m, 2H), 1.34 (セクステット, 2H, J=7.5), 0.92 (t, 3H, J=7.5).
13C NMR (DMSO-d6): d 173.31, 152.62, 149.30, 141.47, 110.84, 47.37, 28.61, 19.48, 13.72.
MS (ES) m/z 225 (M+1).
【0121】
スクリーン
MPO阻害活性の測定法は同時係属中の特許出願WO02/090575に開示されている。本発明に記載の化合物の薬理活性を以下のスクリーンにおいて試験した:
検定緩衝液:10mMタウリンおよび100mM NaClを含有する20mMリン酸ナトリウム/リン酸カリウム緩衝液pH6.5
現像主薬:2mM3,3′,5,5′−テトラメチルベンジジン(TMB)、200μM
KI、20%DMFを加えた200mMアセテート緩衝液pH5.4
検定緩衝液中の希釈した化合物10μLにヒトMPO40μL(最終濃度2.5nM)を室温で10分間で加えた。次いでH2250μL(最終濃度100μM)または検定緩衝液のみをコントロールとして室温で10分間で加えた。0.2mg/mLカタラーゼ10μL(最終濃度18μL/ml)を5分間で加えたことによってその反応を停止させた後、TMB現像主薬100μLを加えた(20%ジメチルホルムアミド(DMF)を含有する200mMアセテート緩衝液pH5.4および200μM KI中の2mM TMB)。プレートを混合し、次いで、形成した酸化型3,3′,5,5′−テトラメチルベンジジンの量を約650nMにおける吸光度分光法を用いて約5分後に計測した。次いで一般的な手法を用いてIC50値を測定した。
【0122】
上述のスクリーンで試験した場合には、実施例1〜22の化合物から60μM未満のIC50値を得ており、これはそれらが有効な治療上の活性を示すと予想されることを表すものである。代表的な結果を以下の表に示す。
【0123】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(Ia)もしくは(Ib)
【化1】

(式中、
XおよびYの1つはSを表し、そして他はOまたはSを表し、
1は、水素またはC1〜6アルキルを表し、
2は、水素またはC1〜6アルキルを表し、該アルキル基は、
i)O、NおよびSから独立して選ばれる1つもしくは2つのヘテロ原子を場合により含み、そして1つのカルボニル基を場合により含む、飽和もしくは部分的に不飽和の3〜7員環;ここで、該環はハロゲン、ヒドロキシ、C1〜6アルコキシおよびC1〜6アルキルから選ばれる1つもしくは2つ以上の置換基によって場合により置換され、該アルキルはヒドロキシもしくはC1〜6アルコキシによって場合によりさらに置換される、または
ii)C1〜6アルコキシ、または
iii)フェニル、フリルもしくはチエニルから選ばれる芳香環;ここで、該芳香環はハロゲン、C1〜6アルキルもしくはC1〜6アルコキシによって場合によりさらに置換される、
によって場合により置換され、
3およびR4は、独立して水素またはC1〜6アルキルを表す)
の化合物または薬学的に許容し得るその塩の、酵素MPOの阻害が有益である疾患もしくは症状の治療もしくは予防のための薬剤の製造における使用。
【請求項2】
疾患または症状が神経性炎症障害である請求項1に記載の使用。
【請求項3】
XがSを表しそしてYがOを表す、請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
3がHを表す、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項5】
2が場合により置換されたC1〜6アルキルを表す、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
4がHを表す、請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用。
【請求項7】
神経性炎症障害の治療または予防に使用するための請求項1記載の式(Ia)もしくは(Ib)の化合物または薬学的に許容し得るその塩の治療的に有効な量を、薬学的に許容し得る補助剤、希釈剤または担体と混合して含有する医薬製剤。
【請求項8】
式(Ia)もしくは(Ib)
【化2】

(式中、
XはSを表し、そしてYはOを表し、
1は、水素またはC1〜6アルキルを表し、
2は、O、NおよびSから独立して選ばれる1つまたは2つのヘテロ原子を場合により含み、そして1つのカルボニル基を場合により含む飽和または部分的に不飽和の3〜7員環によって置換されたC1〜6アルキルを表し、該環はハロゲン、ヒドロキシ、C1〜6アルコキシおよびC1〜6アルキルから選ばれる1つまたは2つ以上の置換基によって場合により置換され、該アルキルはヒドロキシまたはC1〜6アルコキシによって場合によりさらに置換され、
3およびR4は、独立して水素またはC1〜6アルキルを表す)
の化合物または薬学的に許容し得るその塩。
【請求項9】
式(Ia)もしくは(Ib)が
1,3−ジイソブチル−8−メチル−6−チオキサンチン、
1,3−ジブチル−8−メチル−6−チオキサンチン、
3−イソブチル−1,8−ジメチル−6−チオキサンチン、
3−(2−メチルブチル)−6−チオキサンチン、
3−イソブチル−8−メチル−6−チオキサンチン、
3−イソブチル−2−チオキサンチン、
3−イソブチル−2,6−ジチオキサンチン、
3−イソブチル−8−メチル−2−チオキサンチン、
3−イソブチル−7−メチル−2−チオキサンチン、
3−シクロヘキシルメチル−2−チオキサンチン、
3−(3−メトキシプロピル)−2−チオキサンチン、
3−シクロプロピルメチル−2−チオキサンチン、
3−イソブチル−1−メチル−2−チオキサンチン、
3−(2−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン、
3−(2−メトキシ−エチル)−2−チオキサンチン、
3−(3−(1−モルホリニル)−プロピル)−2−チオキサンチン、
3−(2−フリル−メチル)−2−チオキサンチン、
3−(4−メトキシベンジル)−2−チオキサンチン、
3−(4−フルオロベンジル)−2−チオキサンチン、
3−フェネチル−2−チオキサンチン、
(+)−3−(2−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン、
(−)−3−(2−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン、
3−n−ブチル−2−チオキサンチン
である化合物または薬学的に許容し得るその塩。
【請求項10】
請求項8または9に記載の化合物の薬剤としての使用。
【請求項11】
請求項8または9に記載の式(Ia)もしくは(Ib)の化合物もしくは薬学的に許容し得るその塩を、薬学的に許容し得る補助剤、希釈剤もしくは担体と混合して含有する医薬組成物。
【請求項12】
(a)式(IIa)もしくは(IIb)
【化3】

(式中、R1、R2、R3およびR4は請求項1の定義の通りであり、XはOもしくはSを表し、そしてYはOを表す)の化合物を硫化化合物例えばローソン試薬もしくは五硫化リンと反応させ、相当する化合物(ここで、YはSを表す)を得るか、または
(b)式(IIIa)もしくは(IIIb)
【化4】

(式中、R1、R2、R3、XおよびYは請求項1の定義の通りである)のジアミンをギ酸もしくはトリアルキルオルトエステルと反応させ、
そして必要な場合には、生成した式(Ia)もしくは(Ib)の化合物または他のその塩を薬学的に許容し得るその塩に変換するか、または生成した式(Ia)もしくは(Ib)の化合物を式(Ia)もしくは(Ib)のさらなる化合物に変換し、そして望ましい場合には生成した式(Ia)または(Ib)の化合物をその光学異性体に変換する
ことを含む、請求項8または9に定義した式(Ia)もしくは(Ib)の化合物または薬学的に許容し得るその塩、鏡像体、ジアステレオマーもしくはラセミ化合物を製造する方法。

【公開番号】特開2010−138190(P2010−138190A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−49998(P2010−49998)
【出願日】平成22年3月8日(2010.3.8)
【分割の表示】特願2003−586151(P2003−586151)の分割
【原出願日】平成15年4月15日(2003.4.15)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】