説明

ミクロエマルジョン

本発明は、(a)式(I):
【化1】


〔式中、Rは4〜22個の炭素原子を含有するアルキル基及び/又はアルケニル基を表し、Gは5〜6個の炭素原子を含有する糖単位を表し、pは1〜10の数を表し、mは1〜5の数を表し、nは1〜5の数を表し、Xはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルカノールアンモニウム、アルキルアンモニウム又はグルカンモニウムを表す。〕で示される少なくとも1つのアルキル及び/又はアルケニルオリゴグリコシドカルボン酸塩5〜50重量%と、(b)油成分5〜50重量%と、(c)1〜4個の炭素原子を含有する単官能性及び/又は多官能性アルコール0〜15重量%とを含む、平均粒径5〜20nmのミクロエマルジョンに関する。成分(a)+(b)の合計は組成物全体の10〜55重量%となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、界面活性剤を含有する毛髪及び皮膚トリートメント製剤及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧用洗浄製剤は、高まり続ける消費者の要求に応えてゆかなければならない。従って、そのような製剤には、優れた泡立ち挙動及び良好な洗浄性能を示すことが期待されるだけでなく、皮膚や毛髪をケア及び調節することも期待される。ケア成分又は皮膚コンディショナーは、大部分が油性物質である。油を含有する水系界面活性剤配合物は、通常、乏しい泡立ち挙動、即ち、乏しい泡発生と少ない最大泡量への成長しか示さない。このため、例えばラウレス硫酸ナトリウムのようなエトキシル化化合物が、界面活性剤成分として非常に頻繁に使用される。しかし、これらの化合物はますます評判を落としているため、エトキシル化化合物を含まない配合物の重要が多く存在する。また、透明な界面活性剤を含有する製剤は、油成分を添加するとこの透明性を維持するのが困難であることが判明しているものの、大評判を得ている。
【0003】
そこで、WO 98/40044には、500nmより小さな平均粒度の脂質/界面活性剤混合ミセルを含有し、白色/青味を帯びた外観の水溶性界面活性剤の水系製剤が記載されている。WO 98/15255は、油滴が関連の(assoziative)増粘剤によって水相で安定化された水中油型のミクロエマルジョンジェルに関する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明によって解決すべき課題は、高泡量を生じると共に、良好な泡立ち挙動及び良好な洗浄性能を示す、油成分を含有する、水系の透明な界面活性剤含有配合物を提供することであった。また、上記配合物は、エトキシル化化合物を含有しないものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、(a)式(I):
【化1】

〔式中、Rは4〜22個の炭素原子を含有するアルキル及び/又はアルケニル基であり、Gは5〜6個の炭素原子を含有する糖単位であり、pは1〜10の数であり、mは1〜5の数であり、nは1〜5の数であり、Xはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルカノールアンモニウム、アルキルアンモニウム又はグルカンモニウムを表す。〕
で示される少なくとも1つのアルキル及び/又はアルケニルオリゴグリコシドカルボン酸塩5〜50重量%と、
(b)油成分5〜50重量%と、
(c)1〜4個の炭素原子を含有する1価及び/又は多価アルコール0〜15重量%と、を成分(a)+(b)の合計は組成物全体の10〜55重量%となるように含む、平均粒径5〜20nmのミクロエマルジョンに関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
式(I):
【化2】

〔式中、Rは4〜22個の炭素原子を含有するアルキル及び/又はアルケニル基であり、Gは5〜6個の炭素原子を含有する糖単位であり、pは1〜10の数であり、mは1〜5の数であり、nは1〜5の数であり、Xはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルカノールアンモニウム、アルキルアンモニウム又はグルカンモニウムを表す。〕
で示される少なくとも1つのアルキル及び/又はアルケニルオリゴグリコシドカルボン酸塩が、界面活性剤成分(a)として用いられる。Rは、好ましくは、12〜18個、とりわけ、12〜14個及び/又は16〜18個の炭素原子を含有するアルキル及び/又はアルケニル基であり、nは1〜3の数である。
【0007】
それらは、合成有機化学の該当する方法、例えば、溶媒の存在下で、アルキル及び/又はアルケニルオリゴグリコシドとアルカリ媒体中のハロカルボン酸を反応させることによって、得ることができる。アルキル及び/又はアルケニルオリゴグリコシドカルボン酸塩は、5〜6個の炭素原子を含有するアルドース又はケトース、好ましくはグルコースから、誘導し得る。従って、好適なアルキル及び/又はアルケニルオリゴグリコシドカルボン酸塩は、アルキル及び/又はアルケニルオリゴグルコシドカルボン酸の塩である。一般式(I)中の指数pはオリゴマー化度(DP)、即ちモノ−およびオリゴグリコシドの分布を示し、1〜10の数である。所定の化合物におけるpは常に整数であって、とりわけ1〜6の値と想定してよいが、ある特定のアルキルオリゴグリコシドにとってのp値は分析的に決定される計算量であって一般的には端数である。平均オリゴマー化度pが1.1〜3.0のアルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシドカルボン酸塩が好ましく用いられる。オリゴマー化度が1.7以下の、とりわけ1.2と1.4の間のアルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシドカルボン酸塩が用途の観点から好ましい。
【0008】
アルキル基またはアルケニル基Rは炭素数4〜11の、好ましくは炭素数8〜10の第一級アルコールから誘導してよい。通常の例は、ブタノール、カプロンアルコール、カプリルアルコール、カプリンアルコールおよびウンデシルアルコール並びに例えば、Roelenのオキソ合成による工業用脂肪酸メチルエステルの水素化またはアルデヒドの水素化において得られるそれらの工業用混合物である。とりわけ、アルキル基またはアルケニル基Rは、炭素数12〜22の、好ましくは炭素数12〜14および16〜18の第一級アルコールから誘導される。通常の例は、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パルミトレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、ペトロセリニルアルコール、アラキルアルコール、ガドレイルアルコール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール、ブラシジルアルコール並びに前記のようにして得られ得るそれらの工業用混合物である。DPが1〜3の水素化C12/14ヤシ油脂肪アルコールに基づくアルキルオリゴグルコシドエーテルカルボン酸塩が好ましい。
【0009】
また、アルキル及び/又はアルケニルオリゴグリコシドカルボン酸塩は、好ましくはカルボン酸、その塩又はエステルから誘導され、mは1〜5、好ましくは2〜4、とりわけ1〜2の数であり、nは1〜5、好ましくは1〜3の数であり、Xは、例えばカリウム、アンモニウム、トリエタノールアンモニウム、好ましくはナトリウムを表す。適当なカルボン酸、その塩及びエステルは、当業者に既知の任意の化合物、好ましくは酢酸、その塩、とりわけナトリウム又はカリウム塩、又はそのエステルであって、好ましくは1〜4個の炭素原子を含有するものである。本発明の好適な態様では、アルキル及び/又はアルケニルオリゴグリコシドカルボン酸塩は、アルキル及び/又はアルケニルオリゴグリコシド(例えば活性物質含有量に基づき20〜70重量%溶液)の水溶液を、窒素下で、ω−ハロカルボン酸、その塩又はエステル、好ましくはカリウム又はナトリウムクロロアセテート(MCA)と、アルカリ、例えばアルカリ金属水酸化物又はアルカリ金属カーボネートの存在下で、50〜100℃の温度で反応させることによって得ることができる。アルキル及び/又はアルケニルオリゴグリコシドを、ω−ハロカルボン酸、塩又はエステル、好ましくはカリウム又はナトリウムモノクロロアセテート(MCA)と、1:0.5〜1:5のモル比、好ましくは1:1〜1:3のモル比で反応させることが好ましい。
【0010】
また、アルカリとω−ハロカルボン酸、塩又はエステルのモル比1:0.5〜1:1.5、好ましくは1:1.1が好適に選択される。C12/14アルキル及び/又はアルケニルオリゴグリコシドの反応は、好ましくは、有機溶媒の存在下で行われる。C16/18アルキル及び/又はアルケニルオリゴグリコシドカルボン酸塩は、好ましくはC16/18脂肪アルコール、とりわけ1,2−プロピレングリコールの存在下で調製される。このようなアルキル及び/又はアルケニルオリゴグリコシドカルボン酸塩は、高い泡強度によって、及び皮膚及び毛髪に対するそのマイルドさによって特徴付けられる。
【0011】
別の特に好適な態様では、界面活性剤成分(a)は、式(I):
【化3】

〔式中、Rは4〜22個、好ましくは12〜18個、とりわけ12〜14個及び/又は16〜18個の炭素原子を含有するアルキル及び/又はアルケニル基であり、Gは5〜6個の炭素原子を含有する糖単位であり、pは1〜10の数であり、mは1〜5の数であり、nは1〜5の数であり、Xはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルカノールアンモニウム、アルキルアンモニウム又はグルカンモニウムを表す。〕
で示される少なくとも1つのアルキル及び/又はアルケニルオリゴグリコシドカルボン酸塩と、アニオン性、カチオン性、非イオン性、双性イオン性及び両性界面活性剤から成る群から選択される界面活性剤との混合物である。
【0012】
アニオン性界面活性剤
通常のアニオン性界面活性剤の例は、石鹸、アルキルベンゼンスルホネート、アルカンスルホネート、オレフィンスルホネート、α−メチルエステルスルホネート、スルホ脂肪酸、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、モノおよびジアルキルスルホスクシネート、モノおよびジアルキルスルホスクシナメート、スルホトリグリセリド、モノグリセリドスルフェート、アミド石鹸、エーテルカルボン酸およびその塩、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、N−アシルアミノ酸、例えばアシルラクチレート、アシルタートレート、アシルグルタメートおよびアシルアスパルテート、アルキルオリゴグルコシドスルフェート、タンパク質脂肪酸縮合物(特に、小麦系植物性の生成物)である。アシルグルタメートおよびその塩、並びにアルキル及び/又はアルケニルスルフェートが特に好ましい。
【0013】
カチオン性界面活性剤
通常のカチオン性界面活性剤の例は、第四級アンモニウム化合物およびエステルクォート、とりわけ第四級化脂肪酸トリアルカノールアミンエステル塩である。
【0014】
非イオン性界面活性剤
通常のノニオン性界面活性剤の例は、アルキル(アルケニル)オリゴグリコシド、脂肪酸-N-アルキルグルカミド、ポリオール脂肪酸エステル、糖エステル、ソルビタンエステル、ポリソルベート、アルコールエトキシレート及びアミンオキシドである。好適な非イオン性界面活性剤は、特に、式(II):
【化4】

〔式中、Rは4〜22個の炭素原子を含有するアルキル及び/又はアルケニル基であり、Gは5〜6個の炭素原子を含有する糖単位であり、pは1〜10の数である。〕
で示されるアルキル及び/又はアルケニルオリゴグルコシドである。これらは、合成有機化学の該当する方法によって得ることができる。アルキル及び/又はアルケニルオリゴグリコシドは、5〜6個の炭素原子を含有するアルドース又はケトース、好ましくはグルコースから誘導できる。従って、好適なアルキル及び/又はアルケニルオリゴグリコシドは、アルキル及び/又はアルケニルオリゴグルコシドである。一般式(II)中の指数pはオリゴマー化度(DP)、即ちモノ−およびオリゴグリコシドの分布を示し、1〜10の数である。所定の化合物におけるpは常に整数であって、とりわけ1〜6の値と想定してよいが、ある特定のアルキルオリゴグリコシドにとってのp値は分析的に決定される計算量であって一般的には端数である。平均オリゴマー化度pが1.1〜3.0のアルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシドが好ましく用いられる。オリゴマー化度が1.7以下の、とりわけ1.2と1.4の間のアルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシドが用途の観点から好ましい。
【0015】
アルキル基またはアルケニル基Rは炭素数4〜11の、好ましくは炭素数8〜10の第一級アルコールから誘導してよい。通常の例は、ブタノール、カプロンアルコール、カプリルアルコール、カプリンアルコールおよびウンデシルアルコール並びに例えば、Roelenのオキソ合成による工業用脂肪酸メチルエステルの水素化またはアルデヒドの水素化において得られるそれらの工業用混合物である。蒸留により工業用C8−18ヤシ油脂肪アルコールの分離の初留として得られ、6重量%以下のC12アルコールを不純物として含むことのある鎖長がC〜C10(DP=1〜3)のアルキルオリゴグルコシド、並びに工業用C9/11オキソアルコール(DP=1〜3)に基づくアルキルオリゴグルコシドが好ましい。また、アルキル基またはアルケニル基Rは、炭素数12〜22の、好ましくは炭素数12〜14の第一級アルコールから誘導してよい。通常の例は、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パルミトレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、ペトロセリニルアルコール、アラキルアルコール、ガドレイルアルコール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール、ブラシジルアルコール並びに前記のようにして得られ得るそれらの工業用混合物である。DPが1〜3の水素化C12/14ヤシ油脂肪アルコールに基づくアルキルオリゴグルコシドが好ましい。
【0016】
アルコールエトキシレートは、その製造から、脂肪アルコール又はオキソアルコールエトキシレートとして既知であり、好ましくは、式(III):
【化5】

〔式中、Rは6〜22個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝状アルキル及び/又はアルケニル基であり、nは1〜50の数である。〕
で示される。その代表例は、カプロンアルコール、カプリルアルコール、2-エチルヘキシルアルコール、カプリンアルコール、ラウリルアルコール、イソトリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パルミトレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、ペトロセリニルアルコール、アラキルアルコール、ガドレイルアルコール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール及びブラシジルアルコール、並びに例えば、油脂に基づく工業用メチルエステル又はアルデヒドのRoelenのオキソ合成による高圧水素化において、及び、不飽和脂肪アルコールの二量化におけるモノマー画分として得られるそれらの工業用混合物の、平均して1〜50モル、好ましくは5〜40モル、とりわけ10〜25モルのエチレンオキシド付加物である。工業用C12−18脂肪アルコール、例えばヤシ油、パーム油、パーム核油又は獣脂脂肪アルコールの10〜40モルのエチレンオキシド付加物が好ましい。
【0017】
双性イオン性及び両性界面活性剤
適当な両性又は双性イオン性界面活性剤の例は、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミノプロピオネート、アミノグリシネート、イミダゾリニウムベタイン及びスルホベタインである。適当なアルキルベタインの例は、第2級、及び、とりわけ、式(IV):
【化6】

〔式中、Rは6〜22個の炭素原子を含有するアルキル及び/又はアルケニル基を表し、Rは水素又は1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基を表し、Rは1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基を表し、q1は1〜6の数であり、Zはアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属若しくはアンモニウムである。〕
で示される第3級アミンのカルボキシアルキル化生成物である。その代表例は、ヘキシルメチルアミン、ヘキシルジメチルアミン、オクチルジメチルアミン、デシルジメチルアミン、ドデシルメチルアミン、ドデシルジメチルアミン、ドデシルエチルメチルアミン、C12/14ココアルキルジメチルアミン、ミリスチルジメチルアミン、セチルジメチルアミン、ステアリルジメチルアミン、ステアリルエチルメチルアミン、オレイルジメチルアミン、C16/18獣脂アルキルジメチルアミン及びそれらの工業用混合物のカルボキシメチル化生成物である。
【0018】
また、式(V):
【化7】

〔式中、RCOは6〜22個の炭素原子と0又は1〜3個の二重結合を有する脂肪族アシル基であり、Rは水素であるか又は1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基を表し、Rは1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基を表し、q2は1〜6の数であり、q3は1〜3の数であり、Zは前期と同様アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属若しくはアンモニウムである。〕
で示されるアミドアミンのカルボキシアルキル化生成物も適当である。その代表例は、6〜22個の炭素原子を含有する脂肪酸、即ち、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキン酸、ガドレイン酸、ベヘン酸及びエルカ酸並びにそれらの工業用混合物と、クロロ酢酸ナトリウムで縮合したN,N−ジメチルアミノエチルアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、N,N−ジエチルアミノエチルアミンおよびN,N−ジエチルアミノプロピルアミンとの反応生成物である。C8/18ヤシ油脂肪酸−N,N−ジメチルアミノプロピルアミドのクロロ酢酸ナトリウムによる縮合生成物を用いることが好ましい。
【0019】
イミダゾリニウムベタインもまた適している。これらの物質もまた、例えば、1または2モルの脂肪酸と多官能性アミン、例えばアミノエチルエタノールアミン(AEEA)またはジエチレントリアミンとの環化縮合によって得ることのできる既知の物質である。相当するカルボキシアルキル化生成物は、種々の開鎖ベタインの混合物である。通常の例は、前記脂肪酸とAEEA、好ましくはクロロ酢酸ナトリウムにより実質的にベタイン化したラウリン酸または前記と同様C12/14ヤシ油脂肪酸に基づくイミダゾリンとの縮合生成物である。
【0020】
界面活性剤成分(a)は、配合物全体に基づき、10〜35重量%の量で使用するのが好ましい。
【0021】
油成分(b)は、無極性油及び極性油の両方又はそれらの混合物から選択される。これらは、例えば、炭素数6〜18(好ましくは炭素数8〜10)の脂肪アルコールから誘導したゲルベアルコール、直鎖C6-22脂肪酸と直鎖もしくは分枝状C6-22脂肪アルコールとのエステル、または分枝状C6-13カルボン酸と直鎖もしくは分枝状C6-22脂肪アルコールとのエステル、例えばミリスチル ミリステート、ミリスチル パルミテート、ミリスチル ステアレート、ミリスチル イソステアレート、ミリスチル オレエート、ミリスチル ベヘネート、ミリスチル エルケート、セチル ミリステート、セチル パルミテート、セチル ステアレート、セチル イソステアレート、セチル オレエート、セチル ベヘネート、セチル エルケート、ステアリル ミリステート、ステアリル パルミテート、ステアリル ステアレート、ステアリル イソステアレート、ステアリル オレエート、ステアリル ベヘネート、ステアリル エルケート、イソステアリル ミリステート、イソステアリル パルミテート、イソステアリル ステアレート、イソステアリル イソステアレート、イソステアリル オレエート、イソステアリル ベヘネート、イソステアリル オレエート、オレイル ミリステート、オレイル パルミテート、オレイル ステアレート、オレイル イソステアレート、オレイル オレエート、オレイル ベヘネート、オレイル エルケート、ベヘニル ミリステート、ベヘニル パルミテート、ベヘニル ステアレート、ベヘニル イソステアレート、ベヘニル オレエート、ベヘニル ベヘネート、ベヘニル エルケート、エルシル ミリステート、エルシル パルミテート、エルシル ステアレート、エルシル イソステアレート、エルシル オレエート、エルシル ベヘネート、およびエルシル エルケートを包含する。
【0022】
直鎖C6-22脂肪酸と分枝状アルコール(とりわけ2−エチルヘキサノール)とのエステル、C18-38アルキルヒドロキシカルボン酸と直鎖または分枝状C6-22脂肪アルコールとのエステル(とりわけジオクチルマレート)、直鎖および/または分枝状脂肪酸と多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、二量体ジオールまたは三量体トリオール)および/またはゲルベアルコールとのエステル、C6-10脂肪酸に基づくトリグリセリド、C6-18脂肪酸に基づく液体モノ−/ジ−/トリグリセリド混合物、C6-22脂肪アルコールおよび/またはゲルベアルコールと芳香族カルボン酸(とりわけ安息香酸)とのエステル、C2-12ジカルボン酸と直鎖もしくは分枝状C1-22アルコールまたはヒドロキシル基数2〜6のC2-10ポリオールとのエステル、植物油、分枝状第一級アルコール、置換シクロヘキサン、直鎖および分枝状C6-22脂肪アルコールカーボネート[例えばジカプリリルカーボネート(Cetiol(登録商標)CC)]、C6-18(好ましくはC8-10)脂肪アルコールから誘導したゲルベカーボネート、安息香酸と直鎖および/または分枝状C6-22アルコールとのエステル[例えばFinsolv(登録商標)TN]、直鎖もしくは分枝状の対称もしくは非対称ジアルキルエーテル(各アルキル基の炭素原子数6〜22)[例えばジカプリリルエーテル(Cetiol(登録商標)OE)]、エポキシ化脂肪酸エステルのポリオールによる開環生成物、シリコーン油(とりわけ、シクロメチコーン、シリコンメチコーン種など)、および/または脂肪族もしくはナフテン族炭化水素(例えばスクアラン、スクアレンまたはジアルキルシクロヘキサン)、又はシリコーン油あるいは水素化ポリデセン(特に好適である)も適している。
【0023】
しかしながら、油成分(b)は、固体の脂肪及び/又はワックスから選択することもでき、これらは全段落に記載した油との混合物形態で存在してもよい。脂肪の通常の例はグリセリド、すなわち、高級脂肪酸の混合グリセロールエステルから実質的に成る、固体または液体の植物性または動物性生成物である。固体のモノ及びジグリセリド、例えばグリセロールモノオレエート又はグリセロールモノステアレートが、この点で特に言及される。適当なワックスはとりわけ、天然ワックス、例えばカンデリラ蝋、カルナウバ蝋、木蝋、エスパルト蝋、コルク蝋、グアルマ蝋(Guarumawachs)、米糠蝋、サトウキビ蝋、オーリキュリ蝋(Ouricurywachs)、モンタン蝋、蜜蝋、シェラック蝋、鯨蝋、ラノリン(羊毛蝋)、尾脂(Buerzelfett)、セレシン、オゾケライト(地蝋)、ワセリン、パラフィン蝋および微結晶ワックス;化学修飾ワックス(硬蝋)、例えばモンタンエステル蝋、サソール蝋、水素化ホホバ蝋、並びに合成ワックス、例えばポリアルキレンワックスおよびポリエチレングリコールワックスである。
【0024】
脂肪のほかに、脂肪様物質、例えばレシチンおよびリン脂質も適当な添加剤である。レシチンは、脂肪酸、グリセロール、リン酸およびコリンからエステル化によって生成するグリセロリン脂質を意味するものとして当業者に知られる。すなわち、レシチンは、しばしばホスファチジルコリン(PC)とも称される。天然レシチンの例はケファリンで、これはホスファチジン酸とも称され、1,2−ジアシル−sn−グリセロール−3−リン酸の誘導体である。一方、リン脂質は通例、リン酸とグリセロールとのモノエステルおよび好ましくはジエステル(グリセロールホスフェート)を意味すると理解され、通常脂肪として分類される。スフィンゴシンおよびスフィンゴ脂質も適当である。トコフェロール及び精油も、油成分(b)としての使用に適している。
【0025】
油成分(b)は、好ましくは、組成物全体に基づき10〜20重量%の量で用いられる。分散粒子の粒度は、5〜20nmの範囲内である。本発明による製剤を得るためには、配合物における界面活性剤成分と油成分の合計は、0.5〜55重量%の範囲内とすべきであり、好ましくは2〜40重量%の範囲内である。
【0026】
ミクロエマルジョンは、必要に応じ、1価又は多価のC1−4アルコールを配合物全体に基づき0〜15重量%の量で含有し得る。エタノール、グリセロール、エチレングリコール及び/又はプロピレングリコールから成る群からのアルコールが好ましい。これらのアルコールの添加により、油に対するミクロエマルジョンの取込能力が向上する。さらに、水相の屈折率が分散した油相の屈折率に同化し得るため、起こり得る曇りが減少する。また、低温(例えば−5℃)でのエマルジョンの貯蔵安定性が増大する。
【0027】
エマルジョンは、ポリマーで増粘させてもよい。PEG−120メチルグルコースジオレエート又はPEG−150−ジステアレートなど、関連の増粘剤として知られる化合物は、この点から特に好ましい。
【0028】
全成分を室温で撹拌することによって、若しくは、好ましくは固体成分を用いる場合、室温で固体の成分を前溶融し及び均質化しその後に界面活性剤を含有する水相と共に熱の存在下で撹拌することによって、これらを製造する。均質化工程は、一般に、加熱することによって加速される。50〜70℃の範囲内の温度が適当であることが判明した。均質化には単純な撹拌機で十分である。油成分(b)は室温では固体物質として存在し得るため、得られるエマルジョンは、この場合、固体分散体であり得る。
【0029】
本発明によるミクロエマルジョンは、これを他の配合物と冷撹拌して、このような方法で、油成分の化粧用配合物への取り込みを達成し得るが、これは従来の方法では実現できない。透明な、油を含有する化粧用の洗浄調製物は、このような方法で、容易く得られる。得られる製剤は安定であって、優れた泡立ち挙動を示す。本発明のミクロエマルジョンは、好ましくは1〜15NTUの濁度値を有し、従って透明である。
【0030】
本発明はまた、本発明のミクロエマルジョンで含浸されたことを特徴とするウェットワイプにも関する。これらのウェットワイプは、本発明のミクロエマルジョンで被覆され、ボディケア及び個人衛生のために用いられる、紙、不織布又は織布をベースとするシートである。工業規模で容易くミクロエマルジョンを応用可能とするためには、エマルジョン組成物全体に基づき、少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%、とりわけ75重量%より多い水分含有量で、ミクロエマルジョンを被覆用に使用するのが有利である。こうして処理されたシートは、付与後に水分含有量を減少させるため、若しくは、実質的に水を含有しない生成物(ドライワイプ)を得るため、乾燥ステップで後処理してもよい。
【実施例】
【0031】
【表1】

【0032】
* コーン/プレート型粘度計(C-VOR Bohlin Instruments)、T=25℃、剪断速度10s−1
** 平均粒径(nm);(a)Horiba LB-500粒度分析器(原理:動的光散乱)で測定;(b)Coulter LS 230粒度分析器(原理:レーザー回折)で測定
*** 白色光用の光源としてタングステン電球を用いる比濁計によって測定。装置:HACH 2100 AN IS 実験室用濁度計 (HACH Company)。測定単位:NTU
【0033】
製剤1及び2は、卓越したフォーム特性を有する透明な低粘度ミクロエマルジョンである。
【0034】
実施例1についてのフォーム速度:
測定方法:ローターフォーム(測定装置:Sita R-2000フォームテスター)、ローター速度1300r.p.m.、pH6、測定温度40°、濃度:ミクロエマルジョンを3g/l活性物質(活性物質=水以外の全成分)に希釈した。水硬度:15°dH。
【0035】
【表2】

【0036】
本発明によるミクロエマルジョンが非常に活発に、比較的速く泡立つことは、実施例1のフォーム速度から明らかである。
【0037】
実施例3
水及び防腐剤を、室温で、実施例1及び2で得たミクロエマルジョンに添加した。生成した湿潤性溶液は、好ましくは顔やベビースキンのための洗浄ワイプ用のスプレー可能なローションとして特に適当である。1gワイプあたり湿潤性溶液3gを、含浸又は吹付により付与した。
【0038】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)式(I):
【化1】

〔式中、Rは4〜22個の炭素原子を含有するアルキル及び/又はアルケニル基であり、Gは5〜6個の炭素原子を含有する糖単位であり、pは1〜10の数であり、mは1〜5の数であり、nは1〜5の数であり、Xはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルカノールアンモニウム、アルキルアンモニウム又はグルカンモニウムを表す。〕
で示される少なくとも1つのアルキル及び/又はアルケニルオリゴグリコシドカルボン酸塩5〜50重量%と、
(b)油成分5〜50重量%と、
(c)1〜4個の炭素原子を含有する1価及び/又は多価アルコール0〜15重量%と、を成分(a)+(b)の合計は組成物全体の10〜55重量%となるように含む、平均粒径5〜20nmのミクロエマルジョン。
【請求項2】
前記エマルジョンは、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性及び双性イオン性界面活性剤、並びにそれらの混合物からなる群から選択される界面活性剤をさらに含有することを特徴とする、請求項1に記載のミクロエマルジョン。
【請求項3】
成分(c)として、エタノール、グリセロール、エチレングリコール及び/又はプロピレングリコールを使用することを特徴とする、請求項1又は2に記載のミクロエマルジョン。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のミクロエマルジョンが、含浸されていることを特徴とするウェットワイプ。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかに記載のミクロエマルジョンであって、少なくとも60重量%の水分含有量に希釈されたミクロエマルジョンが、含浸されていることを特徴とするウェットワイプ。

【公表番号】特表2007−523107(P2007−523107A)
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−553491(P2006−553491)
【出願日】平成17年2月9日(2005.2.9)
【国際出願番号】PCT/EP2005/001279
【国際公開番号】WO2005/089710
【国際公開日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(505066718)コグニス・アイピー・マネージメント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (191)
【氏名又は名称原語表記】Cognis IP Management GmbH
【Fターム(参考)】