説明

ミクロ化タナプロゲットおよびこれを含む組成物

本発明は、ミクロ化タナプロゲットを含む組成物、望ましくは医薬組成物を提供する。この組成物はまた、結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、無水ラクトースおよびステアリン酸マグネシウムを含み得、または結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ポビドンおよびステアリン酸マグネシウムを含み得る。この組成物は、避妊およびホルモン補充療法、ならびに子宮筋層類線維腫、良性前立腺肥大、良性および悪性の新生物疾患、機能不全性出血、子宮平滑筋種、子宮内膜症、多嚢胞性卵巣症候群、および下垂体、子宮内膜、腎臓、卵巣、乳房、結腸および前立腺の癌および腺癌、および他のホルモン依存性腫瘍の処置ならびに/または予防、ならびにそれらに対して有用な医薬品の調製に有用である。さらなる用途としては、食物摂取の刺激が挙げられる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(発明の背景)
細胞内レセプター(IR)は、「リガンド依存性転写因子」として公知の、構造的に関連する遺伝子調節因子のクラスを形成する。ステロイドレセプターファミリーはIRファミリーの一部分集合であり、プロゲステロンレセプター(PR)、エストロゲンレセプター(ER)、アンドロゲンレセプター(AR)、グルココルチコイドレセプター(GR)、およびミネラルコルチコイドレセプター(MR)が挙げられる。
【0002】
PRに対する天然のホルモンまたはリガンドはステロイドのプロゲステロンであるが、合成化合物(例えば、酢酸メドロキシプロゲステロンまたはレボノルゲストレル)が作製されており、これらもまたリガンドとして役立つ。一旦リガンドが細胞を囲む流体中に存在すると、このリガンドは受動拡散によって細胞膜を通過し、IRに結合してレセプター/リガンド複合体を形成する。この複合体は細胞のDNAに存在する特異的な遺伝子プロモーターに結合する。一旦DNAに結合すると、この複合体はその遺伝子によってコードされるmRNAおよびタンパク質の生成を調節する。
【0003】
IRに結合し、そして天然のホルモンの作用を模倣する化合物はアゴニストと称され、一方、そのホルモンの効果を阻害する化合物はアンタゴニストである。
【0004】
PRアゴニスト(天然物および合成物)は、女性の健康に重要な役割を果たすことが公知である。PRアゴニストは、代表的にERアゴニストの存在下で出生管理組成物(birth control composition)において使用されるか、あるいはそれらアゴニストはPRアンタゴニストと組合せて使用され得る。ERアゴニストは、更年期症状を処置するために使用されるが、子宮に対する増殖効果を伴っており、この増殖効果は子宮癌のリスク増大を導き得る。PRアゴニストの同時投与は、このリスクを低減/除去する。
【0005】
タナプロゲット(tanaproget)、5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾキサジン−6−イル)−1H−ピロール−2−カルボニトリルは、プロゲステロンレセプター調節因子であり、避妊、ホルモン補充療法において、ならびに癌および腺癌、機能不全性出血、子宮平滑筋種(uterine leiomyomata)、子宮内膜症、および多嚢胞性卵巣症候群を処置するのに効果的である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
哺乳動物被験体への投与のためのタナプロゲット含有組成物が、当該分野で必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の要旨)
1局面において、本発明はミクロ化タナプロゲットおよびこれを含む組成物を提供する。
【0008】
さらなる局面において、本発明は、ミクロ化タナプロゲット、結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、無水ラクトースおよびステアリン酸マグネシウムを含む組成物を提供する。
【0009】
なおさらなる局面において、本発明は、ミクロ化タナプロゲット、結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ポビドン(povidone)、およびステアリン酸マグネシウムを含む組成物を提供する。
【0010】
別の局面において、本発明は、ミクロ化タナプロゲットを含む組成物を調製するためのプロセスを提供する。
【0011】
さらなる局面において、本発明は、ミクロ化タナプロゲットを含む組成物を有するキットを提供する。
【0012】
本発明の他の局面および利点は、以下の好ましい実施形態の詳細な説明にさらに記載される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(発明の詳細な説明)
本発明は、ミクロ化タナプロゲットを含む有効な医薬組成物を提供する。ミクロ化タナプロゲットは、経口投薬単位に容易に処方でき、そして直接圧縮可能な単位に特によく適合する。本発明者らは、本発明のミクロ化タナプロゲット組成物を直接圧縮することにより調製される錠剤もしくはカプセル、または本発明のミクロ化タナプロゲット組成物を含むカプセルが、非ミクロ化タナプロゲットと比較して、急速かつ完全な薬物放出を示すことを見出した。従って、本発明の組成物は、急速な薬物放出をもたらす。
【0014】
簡潔に述べると、タナプロゲットは、窒素下で、従来のミクロ化技術(例えば、Trostまたはジェットミルを用いる技術)を非ミクロ化タナプロゲットに適用してミクロ化される。非ミクロ化タナプロゲットを調製する1方法は、米国特許第6,436,929号に記載され、そして一般的には2005年12月8日に公開された米国特許出願公開第2005/0272702号に記載される。しかしながら、本発明は非ミクロ化タナプロゲットが作製される方法に限定されない。
【0015】
別の実施形態において、非ミクロ化タナプロゲットは再結晶により精製される。1実施形態において、このタナプロゲットはアセトンおよび水から再結晶される。さらなる実施形態において、このタナプロゲットをアセトン中に溶解し、このアセトン溶液を加熱し、この加熱したアセトン溶液に水を加え、そしてこのアセトン/水の溶液を冷却して、精製タナプロゲットをもたらす。この精製は具体的には、アセトン中に粗製タナプロゲットを溶解する工程、および約45℃〜約51℃にこの溶液を加熱する工程を含む。カーボンフィルターに通してこの加熱した溶液を少なくとも約4時間循環させた後、当業者に公知の手順を使用してその濾液を濃縮した。1実施形態において還流中のアセトン溶液を冷やさない速度でこの濃縮溶液に水を添加した後、このアセトン/水の溶液を約−6℃〜約0℃に冷却した。1実施形態において、このアセトン/水の溶液を毎分約0.5℃未満の速度で冷却した。このバッチを低温で少なくとも約3時間保持した後、沈殿し精製されたタナプロゲットを濾過を用いて収集する。収集した固体を水/アセトン混合物により洗浄する。1実施形態において、1:1の水/アセトン混合物で2回洗浄する。次いで、洗浄し精製したタナプロゲットを35℃未満の温度で約4時間乾燥させる。約50℃未満でのさらなる乾燥工程を実施して、分光学的方法により測定されるアセトン/水の残渣を除去した。
【0016】
1実施形態において、本発明に従って調製されるミクロ化タナプロゲットは、約20μm未満の粒子サイズ、約15μm未満の粒子サイズ、または約10μm未満の粒子サイズを有する。さらなる実施形態において、マルバーン(Malvern)法(この方法は当業者に容易に理解される)により測定される場合、粒子の90%は約20μm以下であり、かつ粒子の50%が約15μm以下である。
【0017】
ミクロ化タナプロゲットは、タナプロゲットの互変異性体形態、ならびに薬学的または生理学的に許容可能な酸、塩基、アルカリ金属およびアルカリ土類金属から誘導される塩を包含する。本発明はまた、タナプロゲットの誘導体を含み、この誘導体としては、エステル、カルバメート、スルフェート、エーテル、オキシム、カルボネートなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0018】
生理学的に許容可能な酸としては、無機酸および有機酸から誘導されるものが挙げられる。多くの無機酸が当該分野で公知であり、これら無機酸としてはとりわけ、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸およびリン酸が挙げられる。同様に、種々の有機酸が当該分野で公知であり、これら有機酸としては、非限定的に、とりわけ乳酸、ギ酸、酢酸、フマル酸、クエン酸、プロピオン酸、シュウ酸、コハク酸、グリコール酸、グルクロン酸、マレイン酸、フロ酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、サリチル酸、酒石酸、マロン酸、リンゴ酸(mallic acid)、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、パントテン酸(panthenoic acid)、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ステアリン酸、スルファニル酸、アルギン酸、およびガラクツロン酸が挙げられる。
【0019】
生理学的に許容可能な塩基としては、無機塩基および有機無機塩基から誘導されるものが挙げられる。多くの無機塩基が当該分野で公知であり、これら無機塩基としては、とりわけ、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛の硫酸化合物またはリン酸化合物が挙げられる。多くの有機塩基が当該分野で公知であり、これら有機塩基としては、非限定的に、とりわけN,N−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン、およびプロカインが挙げられる。
【0020】
生理学的に許容可能なアルカリ塩およびアルカリ土類金属塩としては、非限定的に、エステル形態およびカルバメート形態のナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩およびマグネシウム塩が挙げられる。
【0021】
これらの塩ならびに非ミクロ化タナプロゲットおよびミクロ化タナプロゲットは、エステル形態、カルバメート形態および他の従来の「プロドラッグ」形態であってもよく、このプロドラッグ形態は、その形態で投与される場合、インビボで活性部分へと変換する。1実施形態において、プロドラッグはエステルである。例えば、B.TestaおよびJ.Caldwell,「Prodrugs Revisited:The "Ad Hoc" Approach as a Complement to Ligand Design」,Medicinal Research Reviews,16(3):233-241、版、John Wiley & Sons(1996)を参照のこと。
【0022】
本明細書中に考察されるミクロ化タナプロゲットはまた、「代謝物」を含み、これは、細胞または患者によりタナプロゲットを処理することにより形成される固有の産物である。1実施形態において、代謝物はインビボで形成される。
【0023】
1実施形態において、本発明の組成物は、単位用量の総重量に基づき、ミクロ化タナプロゲットと組成物の他成分とを乾燥混合する工程(dry mixing)により調製される。
【0024】
本明細書中以下に示されるように、用語「wt/wt」は、その組成物の総重量に基づく1成分の重量を指す。1実施形態において、この比率は、利用される場合、カプセルの重量、カプセルに利用される任意の増量剤の重量、およびシールコーティングの重量を含まない。
【0025】
(A.本発明の組成物I)
本発明の組成物は、タナプロゲットの迅速な放出をもたらし、同時に保存条件下で安定であるように処方される。1実施形態において、組成物Iはミクロ化タナプロゲット、または薬学的に許容可能なその塩、結晶セルロース(MCC)、クロスカルメロースナトリウム、無水ラクトース、およびステアリン酸マグネシウムを含む。
【0026】
1実施形態において、ミクロ化タナプロゲットは本発明の組成物Iにおいて、組成物の0.08%(wt/wt)〜0.4%(wt/wt)の量で存在する。この量は、患者に送達されるべきミクロ化タナプロゲットの量に依存して変動され得る。別の実施形態において、過量のミクロ化タナプロゲット(例えば5%過量)が利用される。
【0027】
本発明の組成物Iを処方する場合、望ましい治療レジメンを考慮に入れることができる。例えば、ミクロ化タナプロゲットは単位用量の総重量に基づき、約0.0875%(wt/wt)にて処方物中に存在する。別の例において、ミクロ化タナプロゲットは、単位用量の総重量に基づき約0.35%(wt/wt)で組成物中に存在する。
【0028】
組成物Iはまた、組成物の約56%(wt/wt)の結晶セルロース、組成物の約6%(wt/wt)のクロスカルメロースナトリウム、組成物の約0.25%(wt/wt)のステアリン酸マグネシウム、および組成物の約37%(wt/wt)の無水ラクトースを含む。
【0029】
1実施形態において、本発明の組成物Iは、約0.09%のミクロ化タナプロゲット、約56.3%(wt/wt)の結晶セルロース、約37.3%(wt/wt)の無水ラクトース、約6%(wt/wt)のクロスカルメロースナトリウム、および約0.25%のステアリン酸マグネシウムを提供する。
【0030】
別の実施形態において、本発明の組成物Iは、約0.35%のミクロ化タナプロゲット、約56.2%(wt/wt)の結晶セルロース、約37.1%(wt/wt)の無水ラクトース、約6%(wt/wt)のクロスカルメロースナトリウム、および約0.25%(wt/wt)のステアリン酸マグネシウムを提供する。
【0031】
本発明の組成物の調製方法に関する限定なしに、適切なミクロ化タナプロゲット組成物の例が表1に提供される。
【表1】

【0032】
適切なミクロ化タナプロゲット組成物のなおさらなる例が表2に提供される。
【表2】

【0033】
組成物Iは代表的に、ミクロ化タナプロゲットまたはその薬学的に許容可能な塩、結晶セルロース(MCC)、クロスカルメロースナトリウム、無水ラクトース、およびステアリン酸マグネシウムを合わせる工程、およびその混合物を混合する工程または造粒する工程により調製される。1実施形態において、組成物Iは、組成物中の成分を乾燥混合する工程、またはローラー式粉末形成(roller compaction)、スラッグ工程(slugging)もしくはそれらの組み合わせなどの技術を使用して組成物中の成分を造粒する工程によって調製される。
【0034】
本明細書中で使用される場合、用語「ローラー式粉末形成」とは、2種以上の固体材料を2つの回転するロール(望ましくは反対に回転するロール)の間で粉末形成して固体のリボンを形成するプロセスをいう。次いで、これらのリボンは、さらなる工程(粉砕が挙げられる)に供され、本発明の組成物を形成する。
【0035】
本明細書中で使用される場合、用語「スラッグ工程(スラッグすること)」とは、2種以上の固体材料をプレス機にて圧縮するプロセスをいい、代表的には巨大錠を調製するために利用されるプレス機よりも巨大なプレス機を使用する。次いで、これらの錠剤はさらなる工程(粉砕工程が挙げられる)に供されて、本発明の組成物を形成する。
【0036】
成分はまた、当業者に決定される場合、およびプロセスの要件によって決定される場合、顆粒外在性(extragranular)形態であっても顆粒内在性(intragranular)形態であってもよい。1実施形態において、クロスカルメロースナトリウムは顆粒内在性形態である。別の実施形態において、クロスカルメロースナトリウムは顆粒外在性形態である。さらに別の実施形態において、ステアリン酸マグネシウムは顆粒内在性形態である。
【0037】
さらに、種々の器具が本発明のプロセスを実施するために利用でき、これら器具としてはとりわけ、小サイズ、中サイズおよび大サイズのバッグ、種々のサイズのスクリーン(篩)、ならびにブレンダーが挙げられる。
【0038】
このプロセスはまた、組成物Iを粉末成形する工程(compacting)または粉砕工程を含み得、代表的には当業者により選択されるコンパクターおよびミルを使用する。粉砕工程は代表的に種々のサイズの粒子(すなわち、巨大粒子、粉末および微細粉末)について実施され、優先的かつより均一な粒子サイズを得る。粉砕工程は、分離工程、再利用工程(recycling step)および篩過工程をいくつか含み、所望の粒子サイズを達成し得る。
【0039】
1実施形態において、本発明の組成物はその組成物の溶解を可能にするのに最適なサイズの粒子を含み、そしてさらなる実施形態において、それら粒子は約125μm以下である。組成物の粒子サイズは、代表的に、固体組成物を種々のサイズのスクリーンに通すことによって測定される。1実施形態において、約7%の粒子は約350μm以上である。別の実施形態において、約26%の粒子が約180μm以上である。さらなる実施形態において、約31%の粒子が約150μm以上である。さらに別の実施形態において、約36%の粒子は約125μmより大きい。なお別の実施形態において、約46%の粒子が約89μmより大きい。さらなる実施形態において、約52%の粒子が約75μmより大きい。さらに別の実施形態において、約67%の粒子が約45μmより大きい。
【0040】
組成物の粒子が最適サイズより大きい場合、かつ同粒子が未だカプセル中にカプセル充填されていない場合、同粒子はとりわけ、さらなる粉砕工程および篩過工程に供されてその粒子サイズを低減させることができる。
【0041】
このプロセスは代表的に組成物を経口投与に適切な形態へと圧縮する工程を含み、代表的には錠剤またはカプレットである。錠剤またはカプレットへと圧縮される場合、当業者は本発明における使用に適した打錠機を容易に選択し得る。しかしながら、このような打錠機の1例としては、とりわけStokes(登録商標)B2 Tablet Pressが挙げられる。
【0042】
1実施形態において、本発明に従って調製された錠剤が1カプセル中にカプセル充填される。さらなる実施形態において、カプセルはヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース)カプセルである。このカプセルは必要に応じて錠剤をその中に入れたままシールすることができるか、または錠剤を収容するカプセルに増量剤を添加することができる。1実施形態において、増量剤はMCC、クロスカルメロースナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムを含む。別の実施形態において、増量剤を添加する前にカプセル中に錠剤が入れられる。
【0043】
錠剤は、必要に応じてフィルムコーティングされる。適切なフィルムコーティングは当業者に公知である。例えば、フィルムコーティングは、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコールおよびこれらの組み合わせなどの適切なポリマーの中から選択され得る。他の適切なフィルムコーティングは、当業者に容易に選択され得る。1実施形態において、錠剤は、Opadry(登録商標)シールコートによりコーティングされる。利用される場合、フィルムコートの重量パーセントは一般に、錠剤の2%(wt/wt)〜6%(wt/wt)の範囲にある。
【0044】
本発明に従って調製される場合、組成物Iを含む錠剤、カプセルまたは錠剤入りカプセルは、約90分後に約86%〜約99%のタナプロゲットを放出する。さらなる実施形態において、この組成物は約85%のタナプロゲットを約20分内に放出する。
【0045】
(B.本発明の組成物II)
別の実施形態において、本発明の組成物はミクロ化タナプロゲットまたはその薬学的に許容可能な塩、結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ポビドン(PVP)、およびステアリン酸マグネシウムを含む。
【0046】
1実施形態において、ミクロ化タナプロゲットは本発明の組成物IIにおいて、組成物の約0.1%(wt/wt)または0.01%(wt/wt)の量で存在する。この量は、患者に送達されるべきミクロ化タナプロゲットの量に依存して変動され得る。本発明の組成物を処方する場合、所望の治療レジメンを考慮に入れることができる。別の実施形態において、過量のタナプロゲット(例えば5%過量)が利用される。
組成物IIはまた、約90%(wt/wt)の結晶セルロース、約6%(wt/wt)のクロスカルメロースナトリウム、約2%(wt/wt)のラウリル硫酸ナトリウム、約1.5%(wt/wt)のポビドンおよび約0.25%(wt/wt)のステアリン酸マグネシウムを含む。
【0047】
1実施形態において、本発明の組成物IIは代表的に、約0.10%(すなわち約0.1%)(wt/wt)のミクロ化タナプロゲット、約90%(wt/wt)の結晶セルロース、約6%(wt/wt)のクロスカルメロースナトリウム、約2%(wt/wt)のラウリル硫酸ナトリウム、約1.5%(wt/wt)のポビドンおよび約0.25%(wt/wt)のステアリン酸マグネシウムを含む。
【0048】
本発明の組成物IIの調製方法に関する限定なしに、適切なミクロ化タナプロゲット組成物の例が表3に提供される。
【表3】

【0049】
組成物IIは、ミクロ化タナプロゲット、結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ポビドン、ラウリル硫酸ナトリウム、およびステアリン酸マグネシウムを合わせる工程、ならびに造粒する工程によって調製される。1実施形態において、組成物IIは、その組成物中の成分を乾燥混合する工程により調製される。組成物の成分はまた、当業者により決定される場合そしてプロセスの要件により決定される場合、顆粒外在性形態であっても顆粒内在性形態であってもよい。種々の器具が本発明のプロセスを実施するために利用でき、これら器具としてはとりわけ、大サイズ、中サイズおよび大サイズのバッグ、種々のサイズのスクリーン(篩)、ならびにブレンダーが挙げられる。
【0050】
プロセスはまた、組成物IIを粉末成形する工程または粉砕工程を含み得、代表的には当業者により選択されるコンパクターおよびミルを使用する。粉砕工程は代表的に種々のサイズの粒子(すなわち、巨大粒子、粉末および微細粉末)について実施され、より均一な粒子サイズを得る。粉砕工程は、分離工程、再利用工程および篩過工程をいくつか含み、所望の粒子サイズを達成し得る。
【0051】
組成物の粒子が最適サイズより大きい場合、かつ同粒子が未だカプセル中にカプセル充填されていない場合、同粒子はとりわけ、さらなる粉砕工程および篩過工程に供されてその粒子サイズを低減することができる。
【0052】
さらなる実施形態において、本発明の組成物は、他の組成物を賦形剤により希釈することによって調製することができる。希釈に有用な賦形剤としては以下に記載されるものが挙げられ、そして好ましくはMCC、クロスカルメロースナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムを含み得る。
【0053】
例えば、より少量のタナプロゲットを含む組成物は、より多量のタナプロゲットを含む組成物を希釈することによって本発明に従って調製される。1実施形態において、0.075mg、0.1mg、0.15mg、0.2mgもしくは0.3mgのタナプロゲットを含む組成物を希釈する工程、または0.075mgもしくは0.1mgを含む組成物を希釈する工程によって、0.05mgのタナプロゲットを含む組成物が調製される。さらなる実施形態において、0.1mg、0.15mg、0.2mgまたは0.3mgのタナプロゲットを含む組成物を希釈することによって、0.075mgのタナプロゲットを含む組成物が調製される。別の実施形態において、0.1mgのタナプロゲットを含む組成物が、0.15mg、0.2mg、または0.3mgのタナプロゲットを含む組成物を希釈することによって調製される。なおさらなる実施形態において、0.15mgのタナプロゲットを含む組成物は、0.2mgまたは0.3mgのタナプロゲットを含む組成物を希釈することによって調製される。さらに別の実施形態において、0.2mgのタナプロゲットを含む組成物は、0.3mgのタナプロゲットを含む組成物を希釈することによって調製される。別の実施形態において、より多量のタナプロゲットを含む組成物を希釈することによって調製される本発明の組成物は、MCC、クロスカルメロースナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムを用いて希釈される。
【0054】
プロセスは代表的に、組成物IIをカプセル(例えば、ハードシェルのゼラチンカプセル)に加える工程を含む。代表的に、カプセルはヒドロキシプロピルメチルセルロースカプセルまたはヒプロメロースカプセルである。
【0055】
しかしながら、組成物IIは錠剤またはカプレットへと圧縮でき、これは必要に応じて1カプセルにカプセル充填することができる。1実施形態において、カプセルはヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース)カプセルである。錠剤またはカプレットへと圧縮される場合、当業者は本発明における使用に適切な打錠機を選択できる。しかしながら、そのような打錠機の1例としては、とりわけStokes(登録商標)B2 Tablet Pressが挙げられる。このカプセルは必要に応じて錠剤をその中に入れたままシールすることもできるし、または錠剤を含むカプセルに増量剤を添加することもできる。1実施形態において、増量剤はMCC、クロスカルメロースナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムを含む。別の実施形態において、増量剤を添加する前にカプセル中に錠剤が入れられる。
【0056】
組成物が錠剤またはカプレットへと圧縮される場合、この錠剤またはカプレットは、必要に応じてフィルムコーティングすることができる。適切なフィルムコーティングは当業者に公知である。例えば、フィルムコーティングは、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコールおよびこれらの組み合わせの適切なポリマーの中から選択され得る。他の適切なフィルムコーティングは、当業者に容易に選択され得る。1実施形態において、錠剤またはカプレットは、Opadry(登録商標)シールコートによりコーティングされる。利用される場合、フィルムコートの重量パーセントは一般に、錠剤またはカプレットの2%(wt/wt)〜6%(wt/wt)の範囲にある。
【0057】
本発明に従って調製される場合、組成物IIを含むカプセルは、約90分後に約86%〜約99%のタナプロゲットを放出する。さらなる実施形態において、カプセルは約20分後に約85%のタナプロゲットを放出する。
【0058】
(C.本発明の組成物の安定性)
本発明の組成物(組成物Iおよび組成物IIが挙げられる)は、変動性の温度および湿度において保存したサンプルに関して、約1ヶ月の期間にわたって安定である。本明細書中で使用する場合、用語「安定である」とは、本発明の組成物の分解が約4%未満であることをいう。代表的に、タナプロゲットは組成物中で分解する。組成物Iおよび組成物IIは、約20℃/相対湿度50%から約45℃/相対湿度75%まで安定である。1実施形態において、組成物Iおよび組成物IIは、温度約25℃以上かつ相対湿度約60%以上において1ヶ月を超える期間にわたって分解するのが約4%未満である。サンプルはまた、必要に応じて光および水なしで、約2℃〜約8℃の温度で約2ヶ月の期間にわたって安定であった。
【0059】
1実施形態において、本発明の組成物Iおよび組成物IIは低温で保存され、さらなる実施形態において約5℃の温度で保存される。この組成物は、水、大気および湿度なしにて保存されることが望ましい。
【0060】
(D.本発明の組成物の追加成分)
他の適切な成分を本発明の組成物Iおよび組成物IIに添加することができる。但し、同成分は既に存在しているわけではなく、当業者に容易に明らかとなる。代表的に、追加成分は不活性であり、組成物のうちの必要成分の機能を妨害しない。従って、本発明の組成物はさらに、とりわけ、他のアジュバント、シロップ、エリキシル、希釈剤、結合剤、滑沢剤、界面活性剤、顆粒化剤、分解剤(disintegrating agent)、軟化剤、金属キレート剤、pH調整剤、界面活性剤、増量剤、崩壊剤(disintegrant)、およびそれらの組み合わせを含み得る。
【0061】
アジュバントとしては、非限定的に、矯味矯臭剤、着色剤、保存剤および補充の酸化防止剤(これらとしては、ビタミンE、アスコルビン酸、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)およびブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)が挙げられ得る)が挙げられ得る。
【0062】
結合剤としては、非限定的に、とりわけ以下が挙げられ得る:ポビドン、セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、非結晶セルロース、ポリプロピルピロリドン、ポリビニルピロリドン(ポビドン、PVP)、ゼラチン、アラビアゴムおよびアカシアゴム、ポリエチレングリコール、デンプン、糖(例えば、ショ糖、カオリン、デキストロースおよびラクトース)、コレステロール、トラガカント、ステアリン酸、ゼラチン、カゼイン、レシチン(ホスファチド)、セトステアリルアルコール、セチルアルコール、セチルエステルワックス、デキストレート、デキストリン、モノオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、パルミトステアリン酸グリセリン、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンステアリン酸、ポリビニルアルコール、ならびにゼラチン。1実施形態において、結合剤はポビドンである。
【0063】
滑沢剤としては、とりわけ、軽質無水ケイ酸、タルク、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、およびステアリルフマル酸ナトリウム(sodium stearyl furamate)が挙げられ得る。1実施形態において、滑沢剤はステアリン酸マグネシウムである。
【0064】
顆粒化剤としては、非限定的に、とりわけ二酸化ケイ素、デンプン、炭酸カルシウム、ペクチン、クロスポビドン、およびポリプラスドンが挙げられ得る。
【0065】
分解剤または崩壊剤としては、とりわけ、デンプン、カルボキシメチルセルロース、置換ヒドロキシプロピルセルロース、炭酸水素ナトリウム、リン酸カルシウム、クエン酸カルシウム、デンプングリコール酸ナトリウム、アルファー化デンプン、またはクロスポビドン挙げられ得る。
【0066】
軟化剤としては、非限定的に、ステアリルアルコール、ミンクオイル、セチルアルコール、オレイルアルコール、ラウリル酸イソプロピル、ポリエチレングリコール、オリーブ油、ワセリン、パルミチン酸、オレイン酸、およびミリスチン酸ミリスチルが挙げられ得る。
【0067】
界面活性剤としては、ポリソルビン酸、ソルビタンエステル、ポロキサマー(poloxamer)またはラウリル硫酸ナトリウムが挙げられ得る。1実施形態において、界面活性剤はラウリル硫酸ナトリウムである。
【0068】
金属キレート剤としては、生理学的に許容可能なキレート剤を挙げることができ、エデト酸、リンゴ酸またはフマル酸が挙げられる。1実施形態において、金属キレート剤はエデト酸である。
【0069】
また、pH調整剤を利用して、タナプロゲットを含む溶液のpHを約4〜約6に調節することができる。1実施形態において、タナプロゲットを含む溶液のpHは、約4.6のpHに調整される。pH調整剤としては生理学的に許容可能な薬剤を挙げることができ、クエン酸、アスコルビン酸、フマル酸、またはリンゴ酸、およびそれらの塩が挙げられる。1実施形態において、pH調整剤はクエン酸である。
【0070】
本発明の組成物に使用され得るさらなる増量剤としては、マンニトール、リン酸カルシウム、アルファー化デンプンおよびショ糖が挙げられる。
【0071】
(E.組成物を使用する方法)
本発明はさらに、患者にタナプロゲットを送達する方法を提供し、ここでこの方法は、本発明に従ってミクロ化タナプロゲットの投与単位を投与する工程を含む。
【0072】
タナプロゲットの投薬量要件は、提示される症状の重篤度および処置されている特定の被験体に基づき変動し得る。処置は最適用量のタナプロゲットよりも少ない小さな投薬量で開始され得る。その後、この投薬量は、その状況下で最適な効果に至るまで増加される。正確な投薬量は、処置される被験体個々が受ける体験に基づき、投薬する医者によって決定される。一般に、本発明の組成物は最も望ましくは、許容できない損害性の(harmful)副作用も有害な(deleterious)副作用も引き起こすことなく有効な結果を概ねもたらす濃度にて投与される。例えば、ミクロ化タナプロゲットの有効量は、一般に、例えば約0.05mg〜約1mg、約0.05mg〜約0.3mg、約0.05mg、約0.075mg、約0.1mg、約0.15mg、約0.2mgまたは約0.3mgである。
【0073】
従って、ミクロ化タナプロゲットを含むこれらの組成物は、避妊およびホルモン補充療法に有効である。この組成物はまた、避妊、ならびに子宮筋層類線維腫、良性前立腺肥大、良性および悪性の新生物疾患、機能不全性出血、子宮平滑筋種、子宮内膜症、多嚢胞性卵巣症候群、および下垂体、子宮内膜、腎臓、卵巣、乳房、結腸および前立腺の癌および腺癌ならびに他のホルモン依存性腫瘍の処置ならびに/または予防、ならびにそれらに有用な医薬の調製に有用である。この組成物のさらなる使用としては、食物摂取の刺激が挙げられる。
【0074】
本発明の組成物は、患者に対する送達に適切な投薬単位に形成される。適切な投薬単位としては、経口投薬単位、例えば、直接圧縮錠、カプセル、粉末、懸濁物、ミクロカプセル、分散性粉末、顆粒、懸濁物、シロップ、エリキシル、およびエアロゾルが挙げられる。1実施形態において、本発明の組成物は、錠剤に圧縮され、これは必要に応じてカプセルに加えられるか、または組成物は直接カプセルに加えられる。本発明の組成物はまた、他の適切な経路による送達のために処方することができる。これらの投与単位は、本明細書中に記載される方法および当業者に公知の方法を使用して容易に調製される。
【0075】
ミクロ化タナプロゲットを含む固体形態(錠剤、カプレットおよびカプセルが挙げられる)は、上記の成分とタナプロゲットとを乾式混合することにより形成することができる。1実施形態において、本発明において利用されるカプセルとしては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース)カプセルまたはハードシェルのゼラチンカプセルが挙げられる。別の実施形態において、タナプロゲットを含む本発明の錠剤またはカプセルはフィルムコーティングされる。適切なフィルムコーティングは当業者に公知である。例えば、フィルムコーティングは、ポリマーの中から、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、およびこれらの組み合せから選択され得る。
【0076】
タナプロゲットの薬学的有効量は、組成物の成分、送達様式、処置される状態の重篤度、患者の年齢および体重、ならびにその組成物中に使用される他の任意の成分に依存して変動し得る。投薬量レジメンもまた、最適な治療応答をもたらすように調節することができる。いくつかの分割用量(例えば、1日あたり2〜4回の分割用量)が毎日送達され得るか、または単回用量が送達され得る。しかしながら、この用量は、治療状態の緊急性により必要性を示される場合、比率を低減されても増加されてもよい。1実施形態において、送達は毎日ベース、1週間ベース、または1ヶ月ベースである。別の実施形態において、送達は、毎日の送達である。毎日の投薬量はまた、定期的な送達に基づき、低下されても上昇されてもよい。
【0077】
本発明の組成物が避妊またはホルモン補充療法において使用される場合、とりわけ、1つ以上の他のプロゲステロンレセプターアゴニスト、エストロゲンレセプターアゴニスト、プロゲステロンレセプターアンタゴニスト、および選択的エストロゲンレセプター調節因子と組合せて投与され得ることが企図される。
【0078】
新生物疾患、癌および腺癌を処置するために利用される場合、本発明の組成物は、当業者により容易に選択され得る1つ以上の化学療法剤と組み合せて投与され得る。
【0079】
(F.本発明のキット)
本発明はまた、ミクロ化タナプロゲットを収容するキットまたは包装物を提供する。本発明のキットは、上記で考察した哺乳動物被験体への投与に適したタナプロゲットおよびキャリアを備え得る。1実施形態において、錠剤またはカプセルはブリスターパックに包装され、さらなる実施形態においてはUltrxTM2000ブリスターパックに包装される。
【0080】
本発明の組成物を収容するキットまたは包装物は、本明細書中に記載されるレジメンにおける使用のために設計される。1実施形態において、これらのキットは、とりわけ21日サイクル、28日サイクル、30日サイクルまたは31日サイクルにわたる毎日の経口送達のため、または1日あたり1回の経口送達のために設計される。この組成物が連続的に送達され得る場合、包装物またはキットは、それぞれの錠剤中に組成物を含み得る。本発明の組成物が定期的な中止期間を伴って送達されるべき場合、包装物またはキットは、組成物が送達されない日におけるプラセボを備え得る。
【0081】
さらなる成分が本発明の組成物Iまたは組成物IIと同時投与でき、それらとしては、妊娠誘発剤、エストロゲン、および選択的エストロゲンレセプター調節因子が挙げられ得る。
【0082】
1実施形態において、キットはまた、サイクルのそれぞれの日に摂取されるべき単回の経口処方物または経口処方物の組み合わせを示すように構成され、さらなる実施形態では特定される各日に摂取されるべき経口錠剤を備え、そしてさらなる実施形態では、1つの経口錠剤は指示される1日の各投薬量の組合せを含む。
【0083】
1実施形態において、キットは、21日サイクル、28日サイクル、30日サイクルまたは31日サイクルにわたる、本発明の組成物Iまたは組成物IIの1日投薬量について単一のフェーズ(phase)を含み得る。あるいは、キットは、28日サイクル、30日サイクルまたは31日サイクルのうちの最初の21日にわたる、本発明の組成物Iまたは組成物IIの1日投薬量について単一のフェーズを含み得る。キットはまた、30日サイクルまたは31日サイクルのうちの最初の28日にわたる、本発明の組成物Iまたは組成物IIの1日投薬量について単一のフェーズを含み得る。
【0084】
さらなる実施形態において、キットは、21日サイクル、28日サイクル、30日サイクルまたは31日サイクルにわたる、本発明の組成物Iまたは組成物IIおよび妊娠誘発剤の1日投薬量について単一の組合せのフェーズを含み得る。あるいは、キットは、28日サイクル、30日サイクルまたは31日サイクルの最初の21日にわたる、本発明の組成物Iまたは組成物IIおよび妊娠誘発剤の1日投薬量について単一の組合せのフェーズを含み得る。キットはまた、30日サイクルまたは31日サイクルの最初の28日にわたる、本発明の組成物Iまたは組成物IIおよび妊娠誘発剤の1日投薬量について単一の組合せのフェーズを含み得る。
【0085】
別の実施形態において、28日キットは、本発明の組成物Iまたは組成物IIの14〜28回の1日投薬量単位の第一フェーズ;妊娠誘発剤の1〜11回の1日投薬量単位の第二フェーズ;および必要に応じて、このサイクルの残りの日に対する経口の薬学的に許容可能なプラセボの第三フェーズを含み得る。
【0086】
なおさらなる実施形態において、28日キットは、本発明の組成物Iまたは組成物IIの14〜21回の1日投薬量単位の第一フェーズ;妊娠誘発剤の1〜11回の1日投薬量単位の第二フェーズ;および必要に応じて、そのサイクルの残りの日に対する経口の薬学的に許容可能なプラセボの第三フェーズを含み得る。
【0087】
別の実施形態において、28日キットは、本発明の組成物Iまたは組成物IIの18〜21回の1日投薬量単位の第一フェーズ;妊娠誘発剤の1〜7回の1日用量単位の第二フェーズ;および必要に応じて、その28日サイクルの残りの0〜9日の各日に対する経口の薬学的に許容可能なプラセボを含み得る。
【0088】
なおさらなる実施形態において、28日キットは、本発明の組成物Iまたは組成物IIの21回の1日投薬量単位の第一フェーズ;妊娠誘発剤の22〜24日目の間の3回の1日投薬量単位の第二フェーズ;および必要に応じて、25〜28日目の各日に対する経口の薬学的に許容可能なプラセボの4回の1日投薬量単位の第三フェーズを含み得る。
【0089】
別の実施形態において、28日キットは、約35μg〜約150μgのレボノルゲストレルと妊娠誘発活性が等しい妊娠誘発剤についての14〜21回の1日投薬量単位の第一フェーズ;本発明の組成物Iまたは組成物IIについての1〜11回の1日投薬量単位の第二フェーズ;および必要に応じて、抗プロゲスチンもプロゲスチンもエストロゲンも投与されないそのサイクルの残りの日に対する経口の薬学的に許容可能なプラセボの第三フェーズを含み得る。
【0090】
さらなる実施形態において、28日キットは、約35μg〜約100をμgのレボノルゲストレルと妊娠誘発活性が等しい妊娠誘発剤の14〜21回の1日投薬量単位の第一フェーズ;本発明の組成物Iまたは組成物IIについての1〜11回の1日投薬量単位の第二フェーズ;および必要に応じて、抗プロゲスチンもプロゲスチンもエストロゲンも投与されないそのサイクルの残りの日に対する経口の薬学的に許容可能なプラセボの第三フェーズを含み得る。
【0091】
1実施形態において、タナプロゲットの1日投薬量は、それが送達される特定の各期間の中で固定されたままである。さらなる実施形態において、記載の1日用量単位が記載の順番で送達され得、この第一フェーズは順に第二フェーズおよび第三フェーズへと続けられる。各々のレジメンを用いるコンプライアンスを容易にするのを助けるため、さらなる実施形態において、キットはサイクルの最終日のために記されるプラセボを備える。
【0092】
経口使用のための医薬品を分配する使用のため、多くの包装物またはキットが当該分野で公知である。1実施形態において、包装物は28日のサイクルの各日に対する指標を有し、さらなる実施形態において包装物はラベルの付いたブリスター包装物であるか、ダイヤル式ディスペンサー包装物であるか、またはボトルである。
【0093】
キットはさらに、本発明のタナプロゲット組成物を投与するための指示書を備え得る。
【0094】
以下の実施例は、本発明を例示するために提供され、本発明の範囲を制限しない。当業者は、特定の試薬および条件が以下の実施例に概説されているが改変がなされ得、これら改変が本発明の本質および範囲に包含されると意味されることを、理解する。
【実施例】
【0095】
(実施例1−ミクロ化タナプロゲットの調製)
米国特許出願公開第2005/0272702号(2005年12月8日公開)に従って調製したタナプロゲットを、U-10 Comilミルを使用して粉砕し、EZFH−1.4フィーダーを取付けたMC50 Jetpharma Micronizerを使用してミクロ化した。サンプル全体の50%にわたって分布する約15μm未満の粒子サイズ、望ましくは約10μm未満について、粒子サイズを定期的に試験した。このミクロ化タナプロゲットを三重にしたポリ袋を入れた(poly−bagged)ファイバードラムに詰めた。最も外側の袋の間に乾燥剤を挿入し、この袋内の大気を窒素ガスで置換した。
【0096】
(実施例2−ミクロ化タナプロゲットを使用して調製される直接圧縮可能な錠剤組成物)
本実施例についての錠剤組成物を、以下のプロトコルを使用し、そして表4の成分を使用して製造した。
【表4】

【0097】
無水ラクトースおよびMCCをメッシュスクリーンに通し、そして1立方フィート(cu.ft.)のPKブレンダーに移した。混合した無水ラクトースおよびMCCをメッシュクスリーンに通して適切なポリバッグに入れた。ミクロ化タナプロゲットを適切なプラスチックバッグに移した。このタナプロゲットを無水ラクトース/MCC混合物の一部と予備ブレンドした。タナプロゲット/無水ラクトース/MCCを含むこの予備ブレンドを、無水ラクトースおよびMCCの残りの部分を収容したブレンダーに移し、そして混合した。顆粒内在分のクロスカルメロースナトリウムをメッシュスクリーンに通し、そして無水ラクトースおよびMCCの一部と予備ブレンドした。顆粒内在分のクロスカルメロースナトリウム/無水ラクトース/MCCを含む予備ブレンドを、タナプロゲットを収容したブレンダーに加え、混合した。顆粒内在分のステアリン酸マグネシウムをメッシュクスクリーンに通し、無水ラクトースおよびMCCの一部と予備ブレンドした。顆粒内在分のステアリン酸マグネシウム/無水ラクトース/MCCを含む予備ブレンドを、タナプロゲットを収容するブレンダーに移し、そして混合して中間体組成物を形成した。
【0098】
この中間体組成物をローラーコンパクターを使用して圧縮し、次いでFitzmilモデルD6を使用して粉砕した。この粉砕した材料をメッシュスクリーンに通し、巨大な粒子を分け、そしてこの巨大な粒子を粉末に粉砕した。粉砕工程から生じた微細粉末を粉末へと圧縮し粉砕した。これによって粉砕した全ての粉末をブレンダー中で混合した。顆粒外在分のクロスカルメロースナトリウムをメッシュスクリーンに通し、混合した粉砕粉末の一部と予備ブレンドした。次いで、顆粒外在分のクロスカルメロースナトリウムおよび粉砕した粉末を含むこの予備ブレンドを、合わせた粉砕粉末の残分と混合した。顆粒内在分のステアリン酸マグネシウムをスクリーンに通し、顆粒外在分のクロスカルメロースナトリウムおよび粉砕した粉末を含む予備ブレンドの一部と予備混合した。顆粒外在分のステアリン酸マグネシウムを含む予備混合物をブレンダーに加え、顆粒外在分のクロスカルメロースナトリウムおよび粉砕した粉末を含む予備ブレンドの第二部分と混合して、最終組成物を形成した。
【0099】
次いで、この最終組成物を、Stokes(登録商標)B2 Tablet Pressを使用して、必要に応じて圧力を調節して、錠剤へと圧縮した。均等に開けた間隔にて錠剤サンプルを得、そして二重のポリバッグで内張りした(poly-lined)コンテナ中で保存し、乾燥剤を2つのバッグの間に配置し、そしてこれらのバッグを光および水なしで2℃〜8℃の低温で保存した。次いで、保存した錠剤または新しく調製した錠剤をカプセル充填した。4種の異なる錠剤強度に利用した成分の量については表5を参照のこと。
【表5】

これらの組成物は、ブレンド工程および粉末形成工程の間の製造ロスに対する代償のため、5%過量のタナプロゲットを含む。
【0100】
0.075mg錠、0.1mg錠、0.15mg錠、0.2mg錠および0.3mg錠の錠剤のカプセル充填のため、MCCおよびクロスカルメロースナトリウムをスクリーンに通し、増強バーを取り付けてない1〜20立法フィートのブレンダーに加え、そして混合した。ステアリン酸マグネシウムをスクリーンに通し、MCCおよびクロスカルメロースナトリウムを含むブレンドと混合して、増量剤を形成した。カプセル増量剤を使用して、1つの錠剤を1つのカプセルシェル本体に入れることによって各サイズの1号カプセルシェルに充填し、このカプセルに増量剤を溢れるまで充填した(flood filling)。次いで充填したカプセルを閉じた。
【0101】
不活性増量剤に加えた成分の量については、表6を参照のこと。
【表6】

これらの組成物は、ブレンド工程および粉末形成工程の間の製造ロスに対する代償のため、5%過量のタナプロゲットを含む。
【0102】
(実施例3−ミクロ化タナプロゲットを使用して調製したカプセル組成物)
本実施例についてのカプセル組成物を、以下のプロトコルおよび表7に記載する成分を使用して製造する。
【表7】

【0103】
ミクロ化タナプロゲットを第一プラスチックバッグに加えた。第一部分のMCCをこのタナプロゲットと合わせて混合した。第二部分のMCCをタナプロゲットおよびMCCのブレンドと合わせて混合した。両部分のMCCおよびタナプロゲットを含むブレンドを20番ハンドスクリーンに通してより大きなバッグに入れた。第一のプラスチックバッグを第三部分および第四部分のMCCによりリンスし、このリンスした産物を20番ハンドスクリーンに通してより大きなバッグに入れ、そして混合した。第5部分のMCCを20番ハンドスクリーンに通してより大きなプラスチックバッグに入れ、そして混合した。第6部分のMCCを20番ハンドスクリーンに通してより大きなプラスチックバッグに入れ、そして混合した。第7部分のMCCを20番ハンドスクリーンに通して適切なサイズのPK−ブレンダーに入れた。より大きなバッグ中のブレンドを20番ハンドスクリーンに通してPK−ブレンダーに入れた。別個の第8部分および第9部分のMCCを利用して、より大きなバッグからのMCC/タナプロゲット残分をいずれも取得し、この残分を20番ハンドスクリーンに通してPK−ブレンダーに入れた。クロスカルメロースナトリウムを20番ハンドスクリーンに通してPK−ブレンダーに入れた。SLSを20番ハンドスクリーンに通してPK−ブレンダーに入れた。ポビドンを20番ハンドスクリーンに通してPK−ブレンダーに入れた。ブレンダー内の全ての材料を、増強バーを作動させずに混合した。
【0104】
最後の分のMCCを20番ハンドスクリーンに通しPK−ブレンダーに入れ、そして増強バーを作動させずに混合した。ステアリン酸マグネシウムを30番メッシュのスクリーンに通して、最後の分のMCCを含むブレンドと予備混合し、PKブレンダーに移し、増強バーを作動させずに混合して、最終ブレンドを形成した。
【0105】
最終ブレンドの約100mgをカプセルに充填した。これらのカプセルを、低温で光および水分なしでポリバッグで内張りしたドラム中で保存した。
【表8】

【0106】
本明細書中に引用される全ての文書は、本明細書中で参考として援用される。本発明は、特定の好ましい実施形態を参照して記載されているが、本発明の本質から逸脱することなく改変がなされ得ることが理解される。このような改変は、添付の特許請求の範囲に帰することが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミクロ化タナプロゲットまたは薬学的に許容可能なその塩、結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、無水ラクトース、およびにステアリン酸マグネシウムを含む、医薬組成物。
【請求項2】
前記タナプロゲットが前記組成物の約0.08%〜約0.4%(wt/wt)を構成する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記タナプロゲットが前記組成物の約0.35%(wt/wt)を構成する、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記タナプロゲットが前記組成物の約0.0875%(wt/wt)を構成する、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項5】
前記結晶セルロースが前記組成物の約56%(wt/wt)を構成する、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
前記無水ラクトースが前記組成物の約37%(wt/wt)を構成する、請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
前記クロスカルメロースナトリウムが前記組成物の約6%(wt/wt)を構成する、請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
前記ステアリン酸マグネシウムが前記組成物の約0.25%(wt/wt)を構成する、請求項1〜7のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
ミクロ化タナプロゲットまたは薬学的に許容可能なその塩、結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ポビドン、およびにステアリン酸マグネシウムを含む、医薬組成物。
【請求項10】
前記結晶セルロースが前記組成物の約90%(wt/wt)を構成する、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記クロスカルメロースナトリウムが前記組成物の約6%(wt/wt)を構成する、請求項9または10に記載の組成物。
【請求項12】
前記ラウリル硫酸ナトリウムが前記組成物の約2%(wt/wt)を構成する、請求項9〜11のいずれかに記載の組成物。
【請求項13】
前記ポビドンが前記組成物の約1.5%(wt/wt)を構成する、請求項9〜12のいずれかに記載の組成物。
【請求項14】
前記ステアリン酸マグネシウムが前記組成物の約0.25%(wt/wt)を構成する、請求項9〜13のいずれかに記載の組成物。
【請求項15】
前記タナプロゲットが前記組成物の約0.10%(wt/wt)を構成する、請求項9〜14のいずれかに記載の組成物。
【請求項16】
約0.0875%(wt/wt)のミクロ化タナプロゲット、約56.31%(wt/wt)の結晶セルロース、約6%(wt/wt)のクロスカルメロースナトリウム、約37.35%(wt/wt)の無水ラクトース、および約0.25%(wt/wt)のステアリン酸マグネシウムを含む、経口投与ための医薬組成物。
【請求項17】
約0.35%(wt/wt)のミクロ化タナプロゲット、約56.23%(wt/wt)の結晶セルロース、約6%(wt/wt)のクロスカルメロースナトリウム、約37.17%(wt/wt)の無水ラクトース、および約0.25%(wt/wt)のステアリン酸マグネシウムを含む、経口投与のための医薬組成物。
【請求項18】
約0.10%(wt/wt)のミクロ化タナプロゲット、約90.15%(wt/wt)の結晶セルロース、約6%(wt/wt)のクロスカルメロースナトリウム、約2%(wt/wt)のラウリル硫酸ナトリウム、約1.5%(wt/wt)のポビドン、および約0.25%(wt/wt)のステアリン酸マグネシウムを含む、経口投与のための医薬組成物。
【請求項19】
温度約25℃以上および相対湿度約60%以上において1ヶ月より長い期間にわたって分解するのが約4%未満である、請求項1〜18のいずれかに記載の組成物。
【請求項20】
前記ミクロ化タナプロゲットの粒子が約10μm未満である、請求項1〜19のいずれかに記載の組成物。
【請求項21】
前記組成物の粒子が約125μm未満である、請求項1〜19のいずれかに記載の組成物。
【請求項22】
(a)ミクロ化タナプロゲットまたは薬学的に許容可能なその塩、結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、無水ラクトースおよびステアリン酸マグネシウムを合わせる工程;ならびに
(b)工程(a)の混合物を造粒する工程
を含む、ミクロ化タナプロゲットまたは薬学的に許容可能なその塩を含む組成物を調製するためのプロセス。
【請求項23】
前記クロスカルメロースナトリウムが顆粒内在性である、請求項22に記載のプロセス。
【請求項24】
前記クロスカルメロースナトリウムが顆粒外在性である、請求項22に記載のプロセス。
【請求項25】
前記ステアリン酸マグネシウムが顆粒内在性である、請求項22〜24のいずれかに記載のプロセス。
【請求項26】
前記組成物が経口投与に適切な錠剤へと粉末形成され圧縮される、請求項22〜25のいずれかに記載のプロセス。
【請求項27】
前記錠剤がカプセル中にカプセル充填される、請求項26に記載のプロセス。
【請求項28】
前記組成物を粉末形成する工程、該組成物を粉砕する工程、またはこれらの組み合わせをさらに含む、請求項22〜25のいずれかに記載のプロセス。
【請求項29】
前記タナプロゲットの約86%〜約99%が約90分後に前記組成物から放出される、請求項22〜28のいずれかに記載のプロセス。
【請求項30】
ミクロ化タナプロゲットまたは薬学的に許容可能なその塩を含む組成物を調製するためのプロセスであって、
(a)前記タナプロゲット許容可能、結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ポビドン、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムを合わせる工程;ならびに
(b)工程(a)の産物を造粒する工程
を含む、プロセス。
【請求項31】
前記組成物をカプセルに加える工程をさらに含む、請求項30に記載のプロセス。
【請求項32】
前記カプセルがハードシェルのゼラチンカプセルである、請求項31に記載のプロセス。
【請求項33】
請求項1〜21のいずれかに記載の組成物を含むカプセル。
【請求項34】
請求項33に記載の前記カプセルの1日投薬量単位を備える薬学的キット。

【公表番号】特表2008−539262(P2008−539262A)
【公表日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−509116(P2008−509116)
【出願日】平成18年4月26日(2006.4.26)
【国際出願番号】PCT/US2006/016020
【国際公開番号】WO2006/116596
【国際公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(591011502)ワイス (573)
【氏名又は名称原語表記】Wyeth
【Fターム(参考)】