説明

ミラー保持機構およびミラー保持機構を備えるカメラ

【課題】カメラボディ下部のAFセンサへ被写体光束を導く、メインミラーと共に揺動するサブミラーを備えるミラー保持機構においては、摺動部で磨耗を生じ、これにより経時的にサブミラーの斜設角度が変化することから、AF検出精度に悪影響を与えていた。
【解決手段】カメラボディに設置されるミラー保持機構は、揺動可能なメインミラー部と、メインミラー部に揺動可能に支持されたサブミラー部と、サブミラー部に設けられたカム部と、カム部に接触し、メインミラー部の揺動に連動してサブミラーを揺動させるカムピンと、カムピンを支持する支持部とを備え、カムピンは、カム部との接触により当該カムピンの軸周りに回転するように支持部に支持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミラー保持機構およびミラー保持機構を備えるカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
一眼レフカメラにおいて、カメラボディ下部のAFセンサへ被写体光束を導く機構として、メインミラーと共に揺動するサブミラーを備えるミラー保持機構が知られている。このようなミラー保持機構においては、メインミラーが被写体光束に対して斜設されると、異なる角度でサブミラーも斜設され、メインミラーが被写体光束から退避すると、サブミラーも退避する。これらの動作は、撮影動作に同期して繰り返し実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−274250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特に、連写撮影モードにおいて高速に繰り返されると、サブミラーが所定位置に静止するまでに要する減衰振動時間が問題となる。そこで、サブミラー保持部材を静止させるキャッチピンを用いた機構が知られている。しかしながら、このような機構においては摺動部において磨耗を生じ、これにより経時的にサブミラーの斜設角度が変化することから、AF検出精度に悪影響を与えていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様におけるカメラボディに設置されるミラー保持機構は、揺動可能なメインミラー部(31、32)と、メインミラー部に揺動可能に支持されたサブミラー部(37、38)と、サブミラー部に設けられたカム部(56)と、カム部に接触し、メインミラー部の揺動に連動してサブミラーを揺動させるカムピン(57)と、カムピンを支持する支持部(53)とを備え、カムピンは、カム部との接触により当該カムピンの軸周りに回転するように支持部に支持される。
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第2の態様におけるカメラは、上記のミラー保持機構を備える。
【0007】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】一眼レフカメラの要部断面図である。
【図2】斜設状態におけるミラー保持機構の様子を示す側面図である。
【図3】退避状態におけるミラー保持機構の様子を示す側面図である。
【図4】退避状態から斜設状態に至るミラー保持機構の動作経過を示す図である。
【図5】退避状態から斜設状態に至るミラー保持機構の動作経過を示す図である。
【図6】カム部と転向ピンの拡大図である。
【図7】転向ピンの周辺構造を示す断面図である。
【図8】他の例の転向ピンの周辺構造を示す断面図である。
【図9】更に他の例の転向ピンの周辺構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0010】
図1は、一眼レフカメラ10の要部断面図である。一眼レフカメラ10は、レンズユニット20とカメラユニット30が組み合わされて撮像装置として機能する。
【0011】
レンズユニット20は、光軸11に沿って配列されたレンズ群21を備える。レンズ群21は、入射される被写体光束をカメラユニット30へ導く。レンズ群21には、フォーカスレンズ、ズームレンズ等が含まれ、焦点調整、画角調整の指示に応じて光軸方向に移動できるように構成されている。レンズユニット20は、カメラユニット30との接続部にレンズマウント22を備え、カメラユニット30が備えるカメラマウント46と係合して、カメラユニット30と一体化する。
【0012】
カメラユニット30は、レンズユニット20から入射される被写体光束を反射するメインミラー31と、メインミラー31で反射された被写体光束が結像するピント板34を備える。メインミラー31は、メインミラー保持枠32に保持されてメインミラー回転軸33周りに揺動して、光軸11を中心とする被写体光束中に斜設される状態と、被写体光束から退避する状態を取り得る。ピント板34側へ被写体像を導く場合は、メインミラー31は被写体光束中に斜設される。また、ピント板34は、撮像素子42の受光面と共役の位置に配置されている。ピント板34で結像した被写体像は、ペンタプリズム35で正立像に変換され、接眼光学系36を介してユーザに観察される。
【0013】
斜設状態におけるメインミラー31の光軸11の近傍領域は、ハーフミラーとして形成されており、入射される被写体光束の一部が透過する。透過した被写体光束は、メインミラー31と連動して揺動するサブミラー保持枠38に保持されたサブミラー37で反射されて、AF光学系39へ導かれる。AF光学系39を通過した被写体光束は、AFセンサ40へ入射される。AFセンサ40は、受光した被写体光束から位相差信号を検出する。なお、サブミラー37は、メインミラー31が被写体光束から退避する場合は、メインミラー31に連動して被写体光束から退避するが、この動作については後に詳述する。
【0014】
斜設されたメインミラー31の後方には、光軸11に沿って、フォーカルプレーンシャッタ41、撮像素子42が配列されている。フォーカルプレーンシャッタ41は、撮像素子42へ被写体光束を導くときに開放状態を取り、その他のときに遮蔽状態を取る。そして、撮像素子42は、例えばCMOSセンサなどの光電変換素子であり、受光面で結像した被写体像を電気信号に変換する。
【0015】
撮像素子42で光電変換された電気信号は、メイン基板43に搭載されたDSPである画像処理部44で画像データに処理される。メイン基板43には、画像処理部44の他に、カメラユニット30のシステムを統合的に制御するMPUであるカメラシステム制御部45が搭載されている。カメラシステム制御部45は、メインミラー31およびサブミラー37の動作を伴うカメラシーケンスを管理すると共に、AFセンサ40から出力される位相差信号から合焦制御を行うなど、各構成要素の入出力処理等を行う。
【0016】
図2は、メインミラー31を保持するメインミラー保持枠32と、サブミラー37を保持するサブミラー保持枠38を中心とするミラー保持機構の側面図である。特に、被写体光束に対してメインミラー31が斜設される斜設状態におけるミラー保持機構の様子を示す。上述のように、ミラー保持機構はカメラユニット30のカメラボディに設置される。
【0017】
メインミラー保持枠32は、メインミラー回転軸33周りに揺動可能にカメラボディに軸支されており、カメラボディとメインミラー保持枠32との間に掛けられたミラー戻しバネ51の作用により、反時計回りに偏心ピン52へ付勢されている。つまり、メインミラー保持枠32は、メインミラー31が被写体光束に対して斜設されるように付勢されている。偏心ピン52は、ミラーボックス側面に固定される支持板53に対して回転調整できるように設置されている。偏心ピン52は、回転することでメインミラー保持枠32と当接する箇所を調整することができ、メインミラー31の斜設角を精確に設定できる。
【0018】
サブミラー保持枠38は、メインミラー保持枠32と一体的に設けられているサブミラー回転軸54に軸支され、メインミラー保持枠32に対して揺動できる。そして、メインミラー保持枠32とサブミラー保持枠38との間に掛けられたトグルバネ55の作用により、メインミラー31が斜設状態にあるときには、サブミラー37が入射される被写体光束をAF光学系39へ導く方向へ付勢する。また、メインミラー31が退避状態にあるときには、サブミラー保持枠38をメインミラー保持枠32へ重ね合わせる方向へ付勢する。
【0019】
サブミラー保持枠38には、メインミラー保持枠32と連動して動作するよう、カム部56が設けられている。そして、カム部56は、メインミラー保持枠32の動作に伴って、支持板53に支持されているカムピンである転向ピン57と接触し、トグルバネ55の付勢方向を逆転させる。
【0020】
サブミラー保持枠38は先端にU字部58を有している。U字部58は、サブミラー37がAF光学系39へ被写体光束を導く斜設状態において、支持板53に支持されているキャッチピン59と嵌合して、サブミラー保持枠38を最適な位置に静止させる。サブミラー保持枠38がメインミラー保持枠32の揺動に連動して退避位置へ移動するときには、U字部58は、キャッチピン59との嵌合から外れるように調整されている。なお、図2においては、互いの要素の配置関係等を示すべく、一部の構成を重ねて表示し、また、一部の構成を簡略化して表している。
【0021】
図3は、退避状態におけるミラー保持機構の様子を示す側面図である。この状態においては、メインミラー31は、ピント板34と向かい合う状態となり、サブミラー37は、メインミラー31の裏面側に重ね合わされる状態となる。斜設状態から退避状態への動作は、図示しないモータが、ミラー戻しバネ51の付勢力に抗してメインミラー保持枠32を持ち上げることにより実現される。そして、露光動作が完了するまで電磁吸着により図3の姿勢が維持される。
【0022】
図4および図5は、図3における退避状態から図2における斜設状態に至るミラー保持機構の動作経過を示す図である。図3の退避状態において露光動作が終了して電磁吸着が解除されると、メインミラー保持枠32は、ミラー戻しバネ51の付勢力により斜設状態に復帰しようとする。メインミラー保持枠32が斜設状態に復帰する過程において、転向ピン57は、サブミラー保持枠38のカム部56に接触する。すると、サブミラー保持枠38は、メインミラー保持枠32に対してサブミラー回転軸54を有しているので、メインミラー保持枠32の揺動に従って、カム部56のカム面が支持板53に固定されている転向ピン57に倣う。転向ピン57に対する倣い動作によりサブミラー保持枠38が反時計回りに回転されると、ある時点でトグルバネ55の付勢方向が反転される。そして、その後はカム部56の作用によらず、サブミラー保持枠38はトグルバネ55の付勢力により、一挙にキャッチピン59の方向へ揺動する。サブミラー保持枠38のU字部58は、この軌跡に合わせて形状が定められており、キャッチピン59は、サブミラー保持枠38の揺動を、U字部58に嵌合することにより瞬時に停止させる。
【0023】
ここで、転向ピン57とカム部56の作用について更に説明する。ミラー保持機構の斜設状態と退避状態の切り替えは、例えば連写撮影モードにおいて高速に繰り返される。上述のように、転向ピン57はカム部56に対して、少なくともトグルバネ55の付勢力が反転するまでの間は、接触、摺動することになるが、これが高速に繰り返されることにより、接触部は磨耗することになる。磨耗によってカム軌跡が変化すると、メインミラー保持枠32の揺動角に対してトグルバネ55が反転する時点が変化し、したがって、サブミラー保持枠38の揺動運動が当初の軌跡に対して変化する。サブミラー保持枠38のU字部58は、キャッチピン59を当初の軌跡に対して接線方向に受けるように形成されているので、接触部の磨耗により揺動運動の軌跡が変化すると、嵌合時の運動方向とU字部58の開口方向にずれが発生し、U字部58とキャッチピン59の接触時に衝撃が生じることになる。U字部58とキャッチピン59の接触時の衝撃は、新たにこの両者に磨耗を生じさせる。サブミラー保持枠38は、キャッチピン59によって斜設角度が規定されているので、U字部58とキャッチピン59のいずれかにでも磨耗が生じると、斜設角度が変化してしまう。サブミラー保持枠38の斜設角度の変化は、AF光学系39への被写体光束の入射角度を変化させることを意味するので、AF検出精度に悪影響を与えることになる。
【0024】
したがって、AF検出精度を維持する一つの方策として、転向ピン57とカム部56の磨耗を低減することが有効である。そこで、本実施形態においては、カム部56のカム面と接触する転向ピン57を、カム部56との接触により転向ピン57の軸周りに回転するように構成する。図6は、カム部56と転向ピン57の拡大図である。転向ピン57は、その回転軸が軸受部61に支持されており、カム部56との摩擦を受けて回転する。なお、カム部56は、上述のように、少なくともトグルバネ55の付勢力が反転するまでの間において転向ピン57と接触すればよいので、カム機能として求められるカム面を図示するような環状に形成する必要はない。しかし、カム部56と転向ピン57の接触が高速に繰り返されることを考慮すると、カム部56の剛性を高めておくことは有効であるので、本実施形態においては、環状に形成している。
【0025】
図7は、転向ピン57の周辺構造を示す断面図である。軸受部61は、板状の基板である支持板53に空けられた貫通穴531を貫通して固定される。具体的には、軸受部61は、ミラーボックスの内側から挿入され、そのフランジ部611を支持板53に押し当て、反対側から加締部612を支持板53に対して加締めることにより固定される。
【0026】
転向ピン57は、カム部56のカム面と接触する接触部571と、これに接続される回転軸としての貫通部572からなる。図示するように、接触部571の軸周りの半径は、貫通部572の軸周りの半径より大きい。このような軸半径の構成により、転向ピン57の滑らかな回転が実現される。
【0027】
転向ピン57は、ミラーボックスの内側から貫通部572が軸受部61に挿入されて貫通し、軸受部61より突出した部分に設けられた溝部575にEリング62が圧入されて固定される。貫通部572は、軸方向に離れた2箇所に嵌合部573、574を有し、転向ピン57は嵌合部573、574の2箇所で軸受部61の内周に嵌合する。これにより、転向ピン57は、軸受部61に対して回転摺動嵌合する。なお、嵌合部573、574は、それぞれ軸受部61の内周開口端近傍に設けられる。特に、接触部571から軸方向になるべく離れた位置に嵌合部574を設けると、カム面との接触により転向ピン57が滑らかに回転する。
【0028】
嵌合部573、574と軸受部61の内周に囲まれた空間には、潤滑油63が注入され、保持される。具体的には、予め貫通部572の当該箇所に潤滑油63を塗布してから、貫通部572を軸受部61に挿入する。潤滑油63により転向ピン57は滑らかに回転する上に、嵌合部573、574により潤滑油63が上記空間に保持されるので、滑らかな回転が持続する。潤滑油63の塗布箇所が、従来ミラーボックス内である接触部571とカム部56であったが、本実施例では軸受部61内部となることにより、ミラーボックス内に潤滑油63が飛散する量を低減できる。
【0029】
軸受部61のフランジ部611から接触部571側の外周部は、その断面の形状が円形である。特に、接触部571側の開口端付近にはテーパ部613が設けられており、断面外周円の半径が開口端に向かって徐々に小さくなるように構成されている。そして、開口端における半径は、転向ピン57の接触部571の半径以下の半径になるように形成されている。つまり、接触部571を軸受部61の開口端面と対向する面と反対側の面から見たときに、軸受部61の開口端面は、接触部571に隠れるように形成されている。このような構成は、軸受部61の開口端面が被写体光束をミラーボックス内で乱反射させて迷光化させる恐れがないので好ましい。迷光化対策の一方で、軸受部61には転向ピン57の回転を許容するだけの剛性が求められるので、フランジ部611近傍の断面外周半径は、接触部571に対する開口端面の外周半径より大きいことが望ましい。
【0030】
迷光化対策としては、転向ピン57に対して、めっき処理により反射防止コーティングを施すことも有効である。転向ピン57の回転を考慮すると、塗装によるコーティングでは剥がれの恐れがあるので、塗装処理よりもめっき処理が好ましい。なお、フランジ部611の支持板53と反対側には、フランジ部611を覆うように、植毛紙64が配置される。植毛紙64に替えて迷光処理が施されたミラーボックスの側面が配置されても良い。
【0031】
図8は、他の例の転向ピンの周辺構造を示す断面図である。図7のテーパ部613と異なり、テーパ部614は、フランジ部611近傍から接触部571に対する開口端面に至るまでテーパを有する。つまり、フランジ部611より先端部が円錐台形状をなす。このように構成しても、迷光の防止と軸受部に求められる剛性を同時に満たすことができる。さらに、外周部に角部が存在しないので、より迷光を生じさせない効果が期待できる。
【0032】
図9は、更に他の例の転向ピンの周辺構造を示す断面図である。図8のテーパ部614は、断面において直線をなしたが、テーパ部615は曲線をなす。このように構成しても、迷光の防止と軸受部に求められる剛性を同時に満たすことができる。さらに、外周部に角部が存在しないので、より迷光を生じさせない効果が期待できる。
【0033】
以上のような本実施形態の構成によれば、転向ピン57がカム部との接触においてその軸周りに回転するので、磨耗を抑制することができる。これにより、AF検出精度の維持を図ることができる。同時に、磨耗粉の発生を抑制できるので、カメラボディ内で磨耗粉の飛散を抑制することができ、撮像素子42の受光面への付着を極力避けることができる。さらに、転向ピン57と軸受部61の構造に配慮したので、ミラーボックス内における迷光を押さえ、撮像素子42が受光する被写体光学像に対してゴースト等の影響を抑制することができる。
【0034】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0035】
10 一眼レフカメラ、11 光軸、20 レンズユニット、21 レンズ群、22 レンズマウント、30 カメラユニット、31 メインミラー、32 メインミラー保持枠、33 メインミラー回転軸、34 ピント板、35 ペンタプリズム、36 接眼光学系、37 サブミラー、38 サブミラー保持枠、39 AF光学系、40 AFセンサ、41 フォーカルプレーンシャッタ、42 撮像素子、43 メイン基板、44 画像処理部、45 カメラシステム制御部、46 カメラマウント、51 ミラー戻しバネ、52 偏心ピン、53 支持板、54 サブミラー回転軸、55 トグルバネ、56 カム部、57 転向ピン、58 U字部、59 キャッチピン、61 軸受部、62 Eリング、63 潤滑油、64 植毛紙、531 貫通穴、571 接触部、572 貫通部、573、574 嵌合部、612 加締部、575 溝部、611 フランジ部、612 加締部、613、614、615 テーパ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラボディに設置されるミラー保持機構であって、
揺動可能なメインミラー部と、
前記メインミラー部に揺動可能に支持されたサブミラー部と、
前記サブミラー部に設けられたカム部と、
前記カム部に接触し、前記メインミラー部の揺動に連動して前記サブミラーを揺動させるカムピンと、
前記カムピンを支持する支持部と
を備え、
前記カムピンは、前記カム部との接触により当該カムピンの軸周りに回転するように前記支持部に支持されるミラー保持機構。
【請求項2】
前記支持部は板状の基板であり、
前記カムピンは、前記基板を貫通して固定されている軸受部を介して前記基板に支持される請求項1に記載のミラー保持機構。
【請求項3】
前記カムピンは、前記軸受部を貫通する貫通部と前記カム部と接触する接触部からなり、
前記接触部の前記軸周りの半径は、前記貫通部の前記軸周りの半径より大きい請求項2に記載のミラー保持機構。
【請求項4】
前記貫通部と前記軸受け部は、前記カムピンの軸方向に離れた2箇所で回転摺動嵌合し、当該2箇所に挟まれた空間に潤滑油を保持する請求項3に記載のミラー保持機構。
【請求項5】
前記軸受部のうち前記カムピンの前記接触部と対向する端面は、前記接触部を前記端面と対向する面と反対側の面から見たときに、前記接触部に隠れる請求項3または4に記載のミラー保持機構。
【請求項6】
前記軸受部のうち前記支持部と接するフランジ部より前記接触部側は、前記カムピンの軸方向に対する断面外周形状が円形であり、フランジ部近傍の半径は前記接触部と対向する端面の半径よりも大きい請求項3から5のいずれか1項に記載のミラー保持機構。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載のミラー保持機構を備えるカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−81214(P2011−81214A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−233794(P2009−233794)
【出願日】平成21年10月7日(2009.10.7)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】