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ミリ波イメージング装置
説明

ミリ波イメージング装置

【課題】画像を処理することにより、信号可干渉性に起因する歪みを除去した画像が得られるミリ波イメージング装置を提供する。
【解決手段】図1のミリ波イメージング装置は、受信されたミリ波により像を撮像する第1ミリ波帯撮像手段(SA1、D1)および第2ミリ波帯撮像手段(SA2、D2)と、
アンテナANT1、アンテナANT2、アンテナANT1が主軸上に配置される結像レンズ系LN1、アンテナANT2が主軸上に配置され、当該主軸が結像レンズ系LN1の主軸に平行な結像レンズ系LN2、を有するアンテナ送受信系とを備え、結像レンズ系LN1およびアンテナANT1からなる準光学系と、結像レンズ系LN2およびアンテナANT2とからなる準光学系の一方が他方に対し主軸方向にオフセットされていることで、ミリ波帯検波器D1の画像とミリ波帯検波器D2の画像を処理することにより、信号可干渉性に起因する歪みを除去した画像が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を処理することにより、信号可干渉性に起因する歪みを除去した画像を得ることができるミリ波イメージング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
可視光に対して不透明なある種の媒質は、周波数が30GHzから300HGzにあるミリ波帯電磁波に対しては半透明に振る舞う。こうした媒質には、人間が身にまとう衣類、住宅建材として使用される木材などがある。この性質は隠匿された危険物の察知や、媒質内部の非破壊検査に応用しうるもので、その有用性は極めて大きい。
【0003】
媒質を透視する技術には、X線CT、超音波イメージング、核磁気共鳴イメージングなどが挙げられる。X線CTによる場合、X線の透過能が大きいゆえに、媒質よりの反射信号を検知することがむずかしく、X線発生装置とX線検知装置を対向して配置する必要が生じる。媒質透視を行うにあたって、反射信号を検知が可能となれば、単一の送受信器による簡素なシステム構成が可能であり、適用領域の拡大という観点からも強く望まれるところである。また、得られた像は実像の空間スペクトルに該当し、適当な画像処理を介して初めて人が理解できる像となる。像処理を必ず必要とすることもシステム規模の簡素化が難しいものとなる要因をなしている。システム規模の大なることは超音波イメージング、核磁気共鳴イメージングにおいても同様であって、万人が容易に使用することのできるような簡素な透視技術を提供することが求められる。X線はまた健康被害の恐れのあることも欠点といえる。
【0004】
ミリ波帯電磁波は周波数がX線、可視光に比し、格段に小さく、媒質を傷つける恐れはまずもってない。また、反射信号を受けて透視像を得ることが可能であり、大変魅力的なイメージング手法といえる。ミリ波帯電磁波を媒質に照射する際には、なるべく開口の大きなアンテナ(合成開口アンテナを含む)を単独で用いる形態と、アンテナから放射された電磁波を結像レンズ系を用いて媒質中に結像させる形態の二つが考えられる。前者では実像のフーリエ像が得られるために逆フーリエ変換を施す画像処理が不可避となる。内部の散乱過程がX線の場合のように先験的にわからないため、人間による恣意が介在してしまう。後者の場合には結像点の実像がそのまま得られるため、透視像の解釈に恣意が介在しない。結像する方式によれば電磁波パワーを一点に集中させることができる。物体内部のセンシングを行う場合には、パワー集中が可能な方式には一層魅力がある。
【0005】
さて、ところで、反射型イメージングを行う際に、入射ミリ波と散乱ミリ波の干渉性が問題となる場合がある。発振器のコヒーレンス時間が、実用上許される撮像時間を越えてしまうと、像には顕著な干渉縞が生じてしまうのである。散乱波の強度のみに注目する計測を行う場合には、この干渉縞を低減する必要がある。同様の技術がレーザ光源の設計においてなどでは知られるものの(非特許文献1)、ミリ波帯での実効性のある提案はこれまでなされていない。
【0006】
得られる画像の解釈が容易な結像レンズ系を伴うミリ波イメージングシステムにおいて、入射波と散乱波との重ね合せによる干渉縞を低減する技術が与えられれば、非常に多くの場で利益を与えることが可能となる。
【特許文献1】特開平9−121069号公報
【非特許文献1】木村他、「マイクロ波イメージング装置」
【非特許文献2】菊地、「レーザ光発生装置、レーザビーコン装置及びレーザ画像表示装置」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記に鑑みなされたもので、その目的とするところは、画像を処理することにより、信号可干渉性に起因する歪みを除去した画像を得ることができるミリ波イメージング装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1は、アンテナがそれぞれ接続されるとともに、ミリ波が各アンテナから照射され撮像対象物で反射して当該アンテナで受信されたときの当該受信されたミリ波により像を撮像する第1ミリ波帯撮像手段および第2ミリ波帯撮像手段と、第1ミリ波帯撮像手段に接続されるアンテナANT1、第2ミリ波帯撮像手段に接続されるアンテナANT2、アンテナANT1が主軸上に配置される結像レンズ系LN1、アンテナANT2が主軸上に配置され、当該主軸が結像レンズ系LN1の主軸に平行な結像レンズ系LN2、を有するアンテナ送受信系とを備え、前記アンテナ送受信系が、所定の走査方向に走査されるミリ波イメージング装置であって、結像レンズ系LN1およびアンテナANT1からなる準光学系と、結像レンズ系LN2およびアンテナANT2とからなる準光学系の一方が他方に対し主軸方向にオフセットされていることを特徴とするミリ波イメージング装置を用いることによって上述する課題を解決する。
【0009】
本発明の請求項2は、第1ミリ波帯撮像手段および第2ミリ波帯撮像手段に対して共通に設けられたミリ波帯発振器OSC1およびミリ波分波器DSを備え、各ミリ波帯撮像手段は、ミリ波分波器DSに接続されたミリ波帯変調器と、このミリ波帯変調器とアンテナとに接続されたミリ波帯信号分離器と、このミリ波帯信号分離器に接続されたミリ波帯検波器とを備えることを特徴とする請求項1記載のミリ波イメージング装置を用いることによって上述する課題を解決する。
【0010】
本発明の請求項3は、第1ミリ波帯撮像手段の像と第2ミリ波帯撮像手段の像とを用いて信号可干渉性に起因する歪みを除去した像を得る装置を備えることを特徴とする請求項1または2記載のミリ波イメージング装置を用いることによって上述する課題を解決する。
【0011】
本発明の請求項4は、第1ミリ波帯撮像手段の像と第2ミリ波帯撮像手段の像のそれぞれを示す式を微分およびフーリエ変換し、得られた各式と、前記オフセットに相当する位相差とを用いて、信号可干渉性に起因する歪みを除去した像を示す式を得ることを特徴とする請求項1または2記載のミリ波イメージング装置を用いることによって上述する課題を解決する。
【0012】
本発明の請求項5は、オフセット値がミリ波の波長の1/4の値であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のミリ波イメージング装置を用いることによって上述する課題を解決する。
【0013】
本発明の請求項6は、走査方向と撮像対象物の表面とが平行となるように制御する手段を有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のミリ波イメージング装置を用いることによって上述する課題を解決する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、一方の準光学系が他方の準光学系に対し主軸方向にオフセットされていることで、画像を処理することにより、信号可干渉性に起因する歪みを除去した画像を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図1から図6を用いて、本発明に係るミリ波イメージング装置の実施の形態を説明する。
【0016】
図1には本実施の形態の構成をブロック図で表した。
【0017】
ミリ波帯発振器OSC1の発振周波数f1は、ミリ波帯にあり、このミリ波帯発振器OSC1から出力されたミリ波はミリ波分波器DSで分波され、ミリ波帯変調器SW1、SW2に入力される。
【0018】
低周波信号生成器OSC11は、例えばkHz程度の低周波帯にある周波数の低周波信号を生成し、ミリ波帯変調器SW1は、入力された周波数f1のミリ波帯信号を低周波信号生成器OSC11の低周波信号で変調する。
【0019】
また、低周波信号生成器OSC12は、同様に例えばkHz程度の低周波帯にある周波数の低周波信号を生成し、ミリ波帯変調器SW2は、入力された周波数f1のミリ波帯信号を低周波信号生成器OSC12の低周波信号で変調する。
【0020】
こうした変調作用を例えば強度変調の体裁で行う場合には、ダイオードの整流作用を利用するPINスイッチなどを用いる。
【0021】
ミリ波帯変調器SW1およびSW2で変調されたミリ波はそれぞれミリ波帯信号分離器SA1、SA2に与えられる。各信号分離器SA1、SA2は三つのポートを持ち、ポートP1から入力された信号をポートP2に出力し、ポートP2に入力された信号をポートP3より出力する。
【0022】
たとえば、サーキュレータや方向性結合器として知られる素子がこの機能を実現する。この還流性を用いれば、ポートP1より入力された信号をポートP2にわたし、ターゲットからの散乱信号を再びポートP2より受けたのちに、これをポートP3にわたすことができる。
【0023】
ミリ波帯信号分離器SA1のポートP2に与えられたミリ波は、当該ポートP2に接続されたアンテナANT1より空間に放射される。放射されたミリ波は、アンテナANTA1がその主軸上に配置された結像レンズ系LN1に至り、その結像作用によって撮像対象物で結像される。
【0024】
本実施の形態の結像レンズ系とは、誘電体レンズ、フレネルレンズといったミリ波帯レンズを一つ以上構成要素として含み、出力する電磁波が結像する形態に設計されている準光学系のことを意味している。
【0025】
撮像対象物で反射した散乱波はアンテナANT1で受信され、ミリ波帯信号分離器SA1の作用で入射波と分離されミリ波帯検波器D1に送られる。ミリ波帯検波器D1は、送られたミリ波の信号強度に応じた振幅に対し低周波信号生成器の出力信号を参照信号とする位相感応式の検出を行って像を撮像(可視化)する。
【0026】
同様に、ミリ波帯信号分離器SA2のポートP2に与えられたミリ波は、当該ポートP2に接続されたアンテナANT2より空間に放射される。放射された電磁波は、アンテナANT2がその主軸上に配置され、当該主軸が結像レンズ系LN1の主軸に平行な結像レンズ系LN2に至り、その結像作用によって撮像対象物で結像される。撮像対象物で反射した散乱波はアンテナANT2で受信され、ミリ波帯信号分離器SA2の作用で入射波と分離されミリ波帯検波器D2に送られる。ミリ波帯検波器D2は、送られたミリ波の信号強度に応じた振幅に対し低周波信号生成器の出力信号を参照信号とする位相感応式の検出を行って像を撮像(可視化)する。
【0027】
なお、撮像の際には、アンテナANT1およびANTA2、結像レンズ系LN1およびLN2からなるアンテナ送受信系が所定の走査方向に走査される。
【0028】
また、ミリ波帯信号分離器SA1とミリ波帯検波器D1とで本発明の第1ミリ波帯撮像手段が構成され、ミリ波帯信号分離器SA2とミリ波帯検波器D2とで本発明の第2ミリ波帯撮像手段が構成される。
【0029】
さて、本実施の形態では、アンテナANT1および結像レンズ系LN1とからなる準光学系と、アンテナANT2および結像レンズ系LN2とからなる準光学系とは、結像レンズ系の主軸方向において互いにオフセットされている。図1では、オフセットをXで示す。
【0030】
さて、ここで準光学系間に設定されるオフセットXの意義を図2および図3を用いて説明する。
【0031】
図2(a)に示すように、撮像の対象物にミリ波が入射されると一部が散乱(反射)され、一部が透過する。信号送受信を単一のアンテナを用いて行なう場合には、入射波と散乱波とが重ね合わされて、図2(b)に示すような定在波が誘起されてしまう。散乱計数をΓ、ミリ波の波数をkとすると、振幅二乗強度は空間座標zに対して、
【数1】

【0032】
なる依存性を呈することになる。空間的にアンテナ送受信系を走査する結果、散乱点のz方向の分布を拾って干渉縞が生じてしまう。これを除去し有意義な画像とすることが本実施の形態の効果である。
【0033】
さて、本実施の形態においては、オフセットXを設定した二つの撮像系撮像系で同時に撮像対象物を撮像する。
【0034】
図3ではX=λ/4とした場合の、各結像レンズ系と撮像対象物の配置を表している。結像レンズ系LN1と撮像対象物表面の距離をz1、結像レンズ系LN2と撮像対象物表面の距離をz2としている。この場合には
【数2】

【0035】
撮像対象物表面に座標系(ξ,η)、その像面に座標系(x,y)をはり、レンズ系の伝達関数であるポイントスプレッド関数(Point spread function=PSF)をS(x−ξ,y−η)とする。結像レンズ系LN1とLN2とは同一のPSFを有する光学系をなすように設計する。
【0036】
さて、位置(ξ,η)における撮像対象物表面の反射係数をΓ(ξ,η)、z座標値をz(ξ,η)と書くとき、結像レンズ系LN1および2により得られる撮像結果G1(x,y),G2(x,y)はそれぞれ、
【数3】

【0037】
と与えられる。これらの表式は干渉効果が顕著である場合によい近似であってよく実際を反映する。実際をよく反映することについては計測結果をもとに後述する。上記表式において、z1,z2の寄与を排除してΓ(ξ,η)の表式を得ることが、可干渉性に起因する像歪みを排除することを意味している。したがって、上記表式より、Γ(ξ,η)を得るための像処理フローを記述する。
【0038】
式(3)および式(4)をx、yもしくはそれらの関数で微分することをまず行なう。ここでは簡単のため、xで微分する。すると、
【数4】

【0039】
となる。ここで、G1,G2のxに関する偏微分をI1,I2とし、S′はPSFたるSのxについての偏微分を意味する。これらはフーリエ変換によって次のように表される。
【数5】

【0040】
いま、関係式(2)によって、上二式を変形すると、
【数6】

【0041】
となる。式(9)、(10)よりz1を消去すると、
【数7】

【0042】
が得られる。この式から明らかなように、散乱係数Γは、z1,z2に依存しない。このことから、本発明の方法で得られる像は、散乱点のz方向の分布に起因する干渉縞が生じないことが分かる。
【0043】
上記では、関係式(2)が成立する場合を例に説明した。この場合は、表式が簡単になり便利であるが、このことは、z1とz2の隔たりがλ/4の場合に限らず、任意の値に対しても成り立つので、これを説明する。そこで、z1−z2=δ/2とおく。
【数8】

【0044】
であり、書き改めれば、
【数9】

【0045】
と与えられる。上式右辺は、式(9)、(10)と同一である。従って、式(11)を求めたときと同様にして、z1,z2に依存しないΓが得られる。すなわち、オフセット値(z1−z2)が任意の値に対しても、散乱点のz方向の分布に起因する干渉縞が生じないことが分かる。
【0046】
以上の像処理フローの有効性を数値的な検証および実測に基づく検証によって明確にする。
【0047】
図4は数値的に可干渉性による像歪みを除去した例を示すものである。図4(a)に撮像対象物の構造を示す。この撮像対象物は、お椀状のくぼみを正方形の領域について撮像する場合を模擬している。中心に空隙が設けられ適正な像としては正方形の中心に円の描かれた図形が与えられねばならない。図4(b)に式(3)に基づいて得られるモデル化されたミリ波撮像結果を示す。くぼみによって、顕著な縞模様が重畳している。これを取り除くことなしに、実際の空隙を検知することははなはだ困難といえる。さて、上に記載したフローにしたがい、式(11)を用いて像処理した結果を図4(c)とした。本来得られるべき画像が確認できる。
【0048】
最後に図5および図6を用いて、実測に基づく本発明の有効性を主張する。図5(a)に示すようなコンクリートの塊を撮像対象物とした。ミリ波を入射せしめる面に人工的にクラックを設けた。中心から放射状に合計4本を与えている。撮像に当たってはミリ波周波数を100GHzとした。その波長は空気中で3mmである。図5(b)には可干渉性による像歪みとして与えた解析モデルと実際の適合性を示す計測結果である。これを得るために、クラックの入ったコンクリート表面を1mmを刻みとして3回撮像した。上述の式を参考にすれば、一回目から三回目に得られる撮像結果I1,I2,I3は次のように書かれる。
【数10】

【0049】
ここでδは刻み値1mmを意味する。これらを適当に変形すると、
【数11】

【0050】
を得る。図5(b)は上式右辺の値をx,yそれぞれの位置において求めその値の散布の様をプロットしたものである。いま、δ=1mmであるから、クラックなどのかく乱要因の存在しない場合には、これらは
【数12】

となるべきものである。図5(b)には値が−0.5を中心として分布する様が確認される。この結果によって、我々のモデルがよく実際を反映していることが裏付けられた。
【0051】
図6には、撮像された各画像とそれに対して像処理を施した後の画像を示す。図6(a)には、図5(a)の撮像対象物をミリ波帯検波器D1により撮像した画像を示し、図6(b)には同撮像対象物をミリ波帯検波器D1により撮像した画像を示す。図6(a)および図6(b)には表面に設けたクラックの像と、可干渉性による像歪みのそれぞれが重畳している様が確認できる。両者を選択的に取り除く方法なしには区別することは困難である。クラックの形状を先験的には知り得ない場合にはこの困難は一層顕著になるだろう。
【0052】
図6(c)には、図示しない装置により各画像を像処理した後の画像を示す。放射状にのびたクラックのみがよく協調された画像を得ることに成功している。本発明の有効性が実測によって裏付けられたことを主張するところである。また、ミリ波を用いることによってミリメートル以下程度の空間解像度を確保し、コンクリート表面クラック等の検知にも成功する。
【0053】
上記のオフセット値は任意だが、式(2)に示すように、ミリ波の波長の1/4の値とすれば、式(13)よりも簡略化された式(8)を用いることができ、よって処理負担が少なく、迅速な処理が行える。
【0054】
また、上記式を用いた処理は、走査方向と撮像対象物の表面とが平行な場合に最適な結果が得られる。平行とするために、本実施の形態の装置側の配置を制御する手段を設けても良いし、逆に撮像対象物を回転させるなどしてその配置を制御する手段を設けても良い。具体的には、走査方向と撮像対象物表面とでなす角度を検出する手段と、検出された角度が0度になるように装置や撮像対象物を配置する手段とを設ければよい。
【0055】
以上のように、本実施の形態は、ミリ波送信信号をターゲットに照射し、その散乱波を受信して、その振幅強度を検知する形態で、ターゲットのミリ波像を得る装置において、二つの光学系を同時に用いて対象物との距離を異にした二つの像を得て、この二つの像をもとに入射波と散乱波の可干渉性に起因する歪みを像内に選択的に抽出する後処理が可能である。すなわち、信号可干渉性に起因する像歪み成分を抽出するために必要な二つのミリ波像を同時に与えることによって、入射波と散乱波の可干渉性を取り除くことに成功し、実効性のあるミリ波イメージング装置を供する効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施の形態の構成を説明するブロック図である。
【図2】信号可干渉性を説明する図であり、詳しくは、図2(a)は、ミリ波信号の伝搬の様子を示す図であり、図2(b)は、定在波の励起を示す図である。
【図3】X=λ/4とした場合の、各結像レンズ系と撮像対象物の配置を表した図である。
【図4】図4(a)は、撮像対象物の構造を示す図であり、図4(b)は、像歪みの乗ったオリジナル画像を示す図であり、図4(c)は、撮像結果を用いた像処理後の画像を示す図である。
【図5】図5(a)は、撮像対象物の概要を示す図であり、図5(b)は、撮像結果のモデルとの適合性を示す図である。
【図6】図6(a)は、図5(a)の撮像対象物をミリ波帯検波器D1により撮像した画像を示す図であり、図6(b)は、同撮像対象物をミリ波帯検波器D2により撮像した画像を示す図であり、図6(c)は、各画像を像処理した後の画像を示す図である。
【符号の説明】
【0057】
ANT1、ANT2…アンテナ
D1,D2…ミリ波帯検波器
DS…ミリ波帯分波器
OSC1…ミリ波帯発振器
OSC11,OSC12…低周波信号生成器
LN1,LN2…結像レンズ系
P1,P2,P3…ポート
SA1,SA2…ミリ波帯信号分離器
SW1,SW2…ミリ波帯変調器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナがそれぞれ接続されるとともに、ミリ波が各アンテナから照射され撮像対象物で反射して当該アンテナで受信されたときの当該受信されたミリ波により像を撮像する第1ミリ波帯撮像手段および第2ミリ波帯撮像手段と、
第1ミリ波帯撮像手段に接続されるアンテナANT1、第2ミリ波帯撮像手段に接続されるアンテナANT2、アンテナANT1が主軸上に配置される結像レンズ系LN1、アンテナANT2が主軸上に配置され、当該主軸が結像レンズ系LN1の主軸に平行な結像レンズ系LN2、を有するアンテナ送受信系とを備え、
前記アンテナ送受信系が、所定の走査方向に走査されるミリ波イメージング装置であって、
結像レンズ系LN1およびアンテナANT1からなる準光学系と、結像レンズ系LN2およびアンテナANT2とからなる準光学系の一方が他方に対し主軸方向にオフセットされていることを特徴とするミリ波イメージング装置。
【請求項2】
第1ミリ波帯撮像手段および第2ミリ波帯撮像手段に対して共通に設けられたミリ波帯発振器OSC1およびミリ波分波器DSを備え、各ミリ波帯撮像手段は、ミリ波分波器DSに接続されたミリ波帯変調器と、このミリ波帯変調器とアンテナとに接続されたミリ波帯信号分離器と、このミリ波帯信号分離器に接続されたミリ波帯検波器とを備える
ことを特徴とする請求項1記載のミリ波イメージング装置。
【請求項3】
第1ミリ波帯撮像手段の像と第2ミリ波帯撮像手段の像とを用いて信号可干渉性に起因する歪みを除去した像を得る装置を備えることを特徴とする請求項1または2記載のミリ波イメージング装置。
【請求項4】
第1ミリ波帯撮像手段の像と第2ミリ波帯撮像手段の像のそれぞれを示す式を微分およびフーリエ変換し、得られた各式と、前記オフセットに相当する位相差とを用いて、信号可干渉性に起因する歪みを除去した像を示す式を得ることを特徴とする請求項1または2記載のミリ波イメージング装置。
【請求項5】
オフセット値がミリ波の波長の1/4の値であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のミリ波イメージング装置。
【請求項6】
走査方向と撮像対象物の表面とが平行となるように制御する手段を有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のミリ波イメージング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−242779(P2006−242779A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−59749(P2005−59749)
【出願日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】