説明

メイン/スタンバイ切り替えのための方法、デバイス、およびシステム

通信の技術分野に含まれる、メイン/スタンバイ切り替えを処理するための方法、デバイス、およびシステムが開示される。方法は、主として、対応するパッケージが任意のピアセッションのピアに送信される前に、対応するパッケージのうちの少なくとも1つに関するバックアップをスタンバイボードに作成するステップと、スタンバイボードが、バックアップの順番に基づいて、メインボードの送信規則のチェーンと同じスタンバイボードの送信規則のチェーンを生成するように、バックアップパッケージが記録され、メインボードの送信規則のチェーンがバックアップの順番に基づいて生成されるステップと、スタンバイボードが、スタンバイボードの送信規則のチェーンにしたがってメインボードの送信の順序を捕捉し、それにより、メイン/スタンバイ切り替え時に送信を中断点に保つように、パッケージがメインボードの送信規則のチェーンの順番で送信されるステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年11月17日に中国専利局に出願した、「METHOD, APPARATUS, AND SYSTEM FOR ACTIVE-STANDBY SWITCHOVER」と題された中国特許出願第200910205951.1号の優先権を主張するものであり、この特許出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、通信技術の分野に関し、具体的には、アクティブ-スタンバイ切り替えのための方法、装置、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
インターネットプロトコル(IP)技術の継続的発展とともに、オペレータは、より信頼性の高いIPネットワークを求め続けており、信頼性の高いソリューションとして、ノンストップルーティング(Non-Stop Route) (NSR)技術が登場した。NSRは、ルータのアクティブボード(active board)のコントロールプレーンが故障し、ルータのスタンバイボード(standby board)のコントロールプレーンが存在する状況で使用される技術であり、ピアのコントロールプレーンは、故障について知らない。NSR技術は、主に、スタンバイ冗長性(standby redundancy)を有するルータが切り替え時にリセットされるときにノンストップルーティングを可能にするために使用される。つまり、NSR技術は、サービスが複数の隣接するルータ上で同時に切り替えられるときにノンストップフォワーディングを可能にする。
【0004】
ボーダゲートウェイプロトコル(BGP)で定義されたグループに基づくパケット化は、同じアウトバウンドポリシー(outbound policy)を有するピアが1つのパケットグループに割り当てられ、ポリシーを満たす経路がパケットにパケット化され、当該パケットが複数回送信され、それによって、パケット送信の効率を大きく向上させるソリューションである。BGPのグループに基づくパケット化が実装された後、アクティブ-スタンバイ切り替え後にどのようにNSRとグループに基づくパケット化を組み合わせるかが、新たな課題となる。
【0005】
従来技術においては、アクティブボードが切り替えを実行した後、スタンバイボードが、ローカルの経路をパケットにパケット化し、当該パケットをすべてのピアに送信する。言い換えると、アクティブ-スタンバイ切り替え後、スタンバイボードが、ピアにパケットを再度直接発行する。
【0006】
上述のソリューションの実施中に、発明者は、従来技術が少なくとも以下の欠点、すなわち、このソリューションは中断点(breakpoint)から送信を再開することができないという欠点を有することを発見した。換言すると、パケットグループの送信中にアクティブ-スタンバイ切り替えが発生する場合、送信バッファのパケットが、一部のピアに完全には送信されない。したがって、それらのピアについて、アクティブ-スタンバイ切り替え後、スタンバイボードは、それらのピアのそれぞれの中断点から送信を再開しない。その代わりに、スタンバイボードは、すべての経路をパケットにパケット化し、当該パケットを再度送信する。そのため、誤りのあるパケットが生成され、多量のシステムリソースおよびネットワークリソースが、切り替え後に消費される。さらに、スタンバイボードは、トポロジーの変更にゆっくりと反応する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の実施形態は、ネットワークリソースの消費を削減し、アクティブ-スタンバイ切り替えの後、中断点から送信を再開することを可能にするためのアクティブ-スタンバイ切り替えの方法、装置、およびシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するために、本発明の実施形態は、以下の技術的ソリューションを適用する。
【0009】
アクティブ-スタンバイ切り替え方法は、
ピアセッションの下で対応するパケットグループをピアに送信する前に、少なくとも1つの対応するパケットグループをスタンバイボードにコピーするステップと、
スタンバイボードが、コピーの順番にしたがって、アクティブボードの送信規則チェーンテーブル(transmission rule chain table)と同じスタンバイボードの送信規則チェーンテーブルを生成するように、コピーされたパケットグループを記録し、コピーの順番にしたがってアクティブボードの送信規則チェーンテーブルを生成するステップと、
スタンバイボードが、スタンバイボードの送信規則チェーンテーブルにしたがってアクティブボードの送信の進捗を監視し、アクティブ-スタンバイ切り替え時に中断点から送信を再開するように、アクティブボードの送信規則チェーンテーブルの順番にしたがってパケットグループを送信するステップとを含む。
【0010】
アクティブ-スタンバイ切り替え方法は、
アクティブボードがピアセッションの下で対応するパケットグループをピアに送信する前に、アクティブボードによってコピーされた少なくとも1つのパケットグループを受信するステップと、
コピーされたパケットグループを記録し、コピーの順番にしたがって、アクティブボードの送信規則チェーンテーブルと同じスタンバイボードの送信規則チェーンテーブルを生成するステップと、
アクティブボードの送信規則チェーンテーブルにしたがってピアセッションの下でパケットグループを送信する際に、スタンバイボードの送信規則チェーンテーブルにしたがってアクティブボードの送信の進捗を監視するステップと、
アクティブ-スタンバイ切り替えの後、監視された進捗にしたがって対応するコピーされたパケットグループを送信して、中断点から送信を再開するステップとを含む。
【0011】
アクティブ-スタンバイ切り替え装置は、
ピアセッションの下で対応するパケットグループをピアに送信する前に、少なくとも1つの対応するパケットグループをスタンバイボードにコピーするように構成されたコピーユニットと、
コピーされたパケットグループを記録し、コピーの順番にしたがってアクティブボードの送信規則チェーンテーブルを生成するように構成されたアクティブ生成ユニットと、
送信規則チェーンテーブルの順番にしたがってパケットグループを送信するように構成された送信ユニットとを含む。
【0012】
アクティブ-スタンバイ切り替え装置は、
アクティブボードがピアセッションの下で対応するパケットグループをピアに送信する前に、アクティブボードによってコピーされた少なくとも1つのパケットグループを受信するように構成された受信ユニットと、
コピーされたパケットグループを記録し、コピーの順番にしたがって、アクティブボードの送信規則チェーンテーブルと同じスタンバイボードの送信規則チェーンテーブルを生成するように構成されたスタンバイ生成ユニットと、
アクティブボードの送信規則チェーンテーブルにしたがってピアセッションの下でパケットグループを送信する際に、スタンバイボードの送信規則チェーンテーブルの順番にしたがってアクティブボードの送信の進捗を監視するように構成された監視ユニットと、
アクティブ-スタンバイ切り替えの後、監視された進捗にしたがって対応するコピーされたパケットグループを送信して、中断点から送信を再開するように構成された送信再開ユニットとを含む。
【0013】
アクティブ-スタンバイ切り替えシステムは、
ピアセッションの下で対応するパケットグループをピアに送信する前に、少なくとも1つの対応するパケットグループをスタンバイボードにコピーし、コピーされたパケットグループを記録し、コピーの順番にしたがってアクティブボードの送信規則チェーンテーブルを生成し、アクティブボードの送信規則チェーンテーブルの順番にしたがってパケットグループを送信するように構成されたアクティブボードと、
アクティブボードがピアセッションの下で対応するパケットグループをピアに送信する前に、アクティブボードによってコピーされる少なくとも1つのパケットグループを受信し、コピーされたパケットグループを記録し、コピーの順番にしたがって、アクティブボードの送信規則チェーンテーブルと同じスタンバイボードの送信規則チェーンテーブルを生成し、アクティブボードの送信規則チェーンテーブルにしたがってピアセッションの下でパケットグループを送信する際に、スタンバイボードの送信規則チェーンテーブルの順番にしたがってアクティブボードの送信の進捗を監視し、アクティブ-スタンバイ切り替えの後、監視された進捗にしたがって対応するコピーされたパケットグループを送信して、中断点から送信を再開するように構成されたスタンバイボードとを含む。
【0014】
本発明の実施形態で提供される技術的ソリューションは、以下の利点、すなわち、アクティブボードがパケットグループのパケットをピアに送信する前に、アクティブボードおよびスタンバイボードが、パケットをピアに送信するための規則をネゴシエーションし、アクティブボードが、ピアに送信されることになるパケットをスタンバイボードにコピーするという利点を有する。アクティブボードがパケットをピアに送信するとき、アクティブボードは、ネゴシエーションされたチェーンテーブルの順番にしたがってパケットをピアに送信する。スタンバイボードは、同じチェーンテーブルの順番にしたがって、アクティブボードによって送信されたパケットを追跡する。したがって、スタンバイボードは、パケットをピアに送信する際にアクティブボードの進捗を知るために、アクティブボードによって送信されたパケットを詳細に解析する必要がない。そのため、スタンバイボードの負荷が削減される。アクティブ-スタンバイ切り替えの後、スタンバイボードは、監視された進捗にしたがって、アクティブボードによってコピーされたパケット送信を継続し、その結果、スタンバイボードの送信の挙動がアクティブボードの送信の挙動と整合し、スタンバイボードが、すべてのパケットを再度送信する必要なしに、アクティブ-スタンバイ切り替えの後、監視された位置から中断点再開送信(breakpoint resume transmission)を実行することができ、それにより、ネットワークリソースの無駄が削減される。スタンバイボードは、外部に知られることなく迅速にアクティブボードのサービスを引き継ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態によるアクティブ-スタンバイ切り替え方法の概略的なフローチャートである。
【図2】本発明の第2の実施形態によるアクティブ-スタンバイ切り替え方法の概略的なフローチャートである。
【図3】本発明の第3の実施形態によるアクティブ-スタンバイ切り替え方法の概略的なフローチャートである。
【図4】本発明の第4の実施形態によるアクティブ-スタンバイ切り替え装置の概略的な構成図である。
【図5】本発明の第5の実施形態によるアクティブ-スタンバイ切り替え装置の概略的な構成図である。
【図6】本発明の第4の実施形態によるアクティブ-スタンバイ切り替えシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態の技術的ソリューションをよりわかりやすく説明するために、本発明の実施形態が、添付の図面を参照して詳細に示される。本明細書の実施形態が本発明の実施形態のすべてではなく一部に過ぎないことは明らかである。本明細書の本発明の実施形態に基づいて、当業者は、創造的な努力をすることなしにその他の実施形態を導き出すことができ、すべてのそのような実施形態は、本発明の保護範囲内に入ることになる。さらに、本明細書の実施形態は、本発明の完全に任意的なソリューションである。実施形態の並び順および付番は、それらの実施形態の重要度とは無関係である。
【0017】
実施形態1
本発明の第1の実施形態は、アクティブ-スタンバイ切り替え方法を提供する。方法は、ルータに搭載されたアクティブボードに適用できる。図1に示されるように、方法は、以下のステップを含む。
【0018】
ステップ101: ピアセッションの下で対応するパケットグループをピアに送信する前に、少なくとも1つの対応するパケットグループをスタンバイボードにコピーする。
【0019】
ステップ102: スタンバイボードが、コピーの順番にしたがって、アクティブボードの送信規則チェーンと同じスタンバイボードの送信規則チェーンテーブルを生成するように、コピーされたパケットグループを記録し、コピーの順番にしたがってアクティブボードの送信規則チェーンテーブルを生成する。
【0020】
パケットグループをコピーするプロセスにおいて、アクティブボードは、パケットグループを1つずつコピーし、したがって、上述のコピーの順番とは、パケットグループをコピーする順番である。
【0021】
ステップ103: スタンバイボードが、スタンバイ送信規則チェーンにしたがってアクティブボードの送信の進捗を監視し、アクティブ-スタンバイ切り替え時に中断点から送信を再開するように、アクティブボードの送信規則チェーンテーブルにしたがってパケットグループを送信する。
【0022】
上述のアクティブ-スタンバイ切り替え方法において、アクティブボードは、送信を実行し、スタンバイボードは、同じチェーンテーブルにしたがって送信を追跡する。したがって、たとえアクティブ-スタンバイ切り替えがチェーンテーブルのある地点で発生し、パケットグループの送信バッファのパケットが一部のピアに完全には送信されないとしても、スタンバイボードは、同じチェーンテーブルによって、アクティブボードがチェーンテーブルのどの地点で止まるかをやはり知っている。切り替えの後、それらのピアについて、スタンバイボードは、切り替えが起こる中断点から送信を再開することができる。
【0023】
本発明のこの実施形態で提供されるソリューションは、以下の利点、すなわち、アクティブボードが、ピアセッションの下で各ピアにパケットグループのパケットを送信する前にパケットグループをスタンバイボードにコピーし、それにより、アクティブ-スタンバイ切り替えの後、スタンバイボードが、送信済みのパケットグループのパケットを得ることができるという利点を有する。その間、アクティブボードは、スタンバイボードとネゴシエーションされた送信規則チェーンテーブルにしたがってピアセッションの下でピアにパケットグループのパケットを送信し、その結果、スタンバイボードが、アクティブ-スタンバイ切り替えの後、迅速にアクティブボードのサービスを引き継ぎ、同じ送信規則チェーンテーブルにしたがってアクティブボードの送信の進捗を追跡して、中断点から送信を再開することができる。スタンバイボードは、すべてのパケットを再び再送信する必要がなく、したがって、ネットワークリソースの無駄が削減される。
【0024】
実施形態2
本発明の第2の実施形態は、アクティブ-スタンバイ切り替え方法を提供する。方法は、ルータに搭載されたアクティブボードに適用できる。図2に示されるように、方法は、以下を含む。
【0025】
ステップ201: アクティブボードがピアセッションの下で対応するパケットグループをピアに送信する前に、アクティブボードによってコピーされた少なくとも1つのパケットグループを受信する。
【0026】
ステップ202: コピーされたパケットグループを記録し、コピーの順番にしたがって、アクティブボードの送信規則チェーンテーブルと同じスタンバイボードの送信規則チェーンテーブルを生成する。
【0027】
ステップ203: アクティブボードの送信規則チェーンテーブルにしたがってピアセッションの下でパケットグループを送信する際に、スタンバイボードの送信規則チェーンテーブルにしたがってアクティブボードの送信の進捗を監視する。
【0028】
ステップ204: アクティブ-スタンバイ切り替えの後、監視された進捗にしたがって対応するコピーされたパケットグループを送信して、中断点から送信を再開する。
【0029】
本発明のこの実施形態で提供されるソリューションは、以下の利点、すなわち、スタンバイボードが、ピアセッションの下でのパケットグループのパケットのピアへの送信に関してアクティブボードとネゴシエーションされた送信規則チェーンテーブルにしたがってアクティブボードの送信の進捗を追跡するという利点を提供する。それにより、スタンバイボードは、アクティブボードによって送信されたパケットグループを詳細に解析する必要なしに、ピアセッションの下でパケットグループをピアに送信する際にアクティブボードの送信の進捗を知る。したがって、このソリューションは、スタンバイボードの負荷を減らす。アクティブ-スタンバイ切り替えの後、スタンバイボードは、パケットグループの監視された位置にしたがって、アクティブボードによってコピーされたパケットグループのパケットの送信を継続することができる。そのため、スタンバイボードの送信は、アクティブボードの送信と整合しており、スタンバイボードは、すべてのパケットグループのパケットを再び再送信する必要なしに中断点から送信を再開することができる。それによって、このソリューションは、ネットワークリソースの無駄を削減する。
【0030】
実施形態3
本発明の第3の実施形態は、特に、アクティブ-スタンバイ切り替え方法を提供する。方法は、アクティブボードがピアセッションAの下で対応するパケットグループのパケットをピアに送信する、アクティブボードおよびスタンバイボードに関する。特に、この実施形態においては、パケットは、BGPの更新メッセージパケットである。図3に示されるように、方法は、以下を含む。
【0031】
ステップ301: ピアセッションAの下で対応するパケットグループのパケットをピアに送信する前に、アクティブボードが、少なくとも1つの対応するパケットグループをスタンバイボードにコピーする。アクティブボードによってコピーされた各パケットグループは、少なくとも1つのパケットならびに以下の情報、すなわち、各パケットグループのID、およびアクティブボードが当該パケットグループを記憶する送信バッファのIDを含む。この情報は、コピーされたパケットグループを受信した後に、アクティブボードの送信規則チェーンテーブルと同じスタンバイボードの送信規則チェーンテーブルを生成するためにスタンバイボードによって使用される。
【0032】
ステップ302: スタンバイボードが、コピーの順番にしたがって、アクティブボードの送信規則チェーンテーブルと同じスタンバイボードの送信規則チェーンテーブルを生成するように、アクティブボードが、コピーされたパケットグループを記録し、コピーの順番にしたがってアクティブボードの送信規則チェーンテーブルを生成する。アクティブボードは、生成されたアクティブボードの送信規則チェーンテーブルをピアセッションAの下に置くことができる。
【0033】
具体的には、ステップ302において、アクティブボードは、コピーされたパケットグループのパケットグループIDと、当該パケットグループが記憶される送信バッファのIDとを記録し、それぞれのコピーされたパケットグループのIDと、当該パケットグループが記憶される送信バッファのIDとを含むアクティブボードの送信規則チェーンテーブルを、アクティブボード上でコピーの順番にしたがって生成する。生成されたアクティブボードの送信規則チェーンテーブルは、少なくとも1つのコピーされたパケットグループの受信時にスタンバイボードによって生成されるスタンバイボードの送信規則チェーンテーブルと同じであることに留意されたい。
【0034】
本発明のこの実施形態において、ピアセッションAの下でのアクティブボードの送信規則チェーンテーブルは、Table 1 (表1)の形態である可能性がある。
【0035】
【表1】

【0036】
ステップ303: アクティブボードがピアセッションAの下で対応するパケットグループのパケットをピアに送信する前に、スタンバイボードが、アクティブボードによってコピーされた少なくとも1つのパケットグループを受信する。
【0037】
ステップ304: スタンバイボードが、受信されたコピーされたパケットグループを記録し、コピーの順番にしたがって、アクティブボードの送信規則チェーンテーブルと同じスタンバイボードの送信規則チェーンテーブルを生成する。受信された少なくとも1つのコピーされたパケットグループのそれぞれのコピーされたパケットグループは、少なくとも以下の情報、すなわち、パケットグループのID、およびアクティブボードが当該パケットグループを記憶する送信バッファのIDを含む。
【0038】
具体的には、ステップ304は、以下のように、すなわち、それぞれの受信されたコピーされたパケットグループについて、スタンバイボードが、コピーされたパケットグループのパケットグループIDと、アクティブボードが当該パケットグループを記憶する送信バッファの送信バッファIDとを記録し、それぞれのコピーされたパケットグループのパケットグループIDおよび送信バッファIDを含むスタンバイボードの送信規則チェーンテーブルをコピーの順番にしたがって生成するように実装され得る。スタンバイボードによって生成されるスタンバイボードの送信規則チェーンテーブルは、Table 1 (表1)に示された、アクティブボードによって生成されたアクティブボードの送信規則チェーンテーブルと同じである。
【0039】
Table 1 (表1)を参照すると、ステップ304は、スタンバイボードが、アクティブボードによってコピーされたパケットグループ2を受信し、パケットグループ2のパケットグループIDと、アクティブボードがパケットグループ2を記憶する送信バッファ2のIDとを取得することを含む。スタンバイボードは、パケットグループ2のIDと送信バッファ2のIDとを対応する関係でスタンバイボードの送信規則チェーンテーブルに記録する(Table 1 (表1))。次に、スタンバイボードは、アクティブボードによってコピーされたパケットグループ3を受信し、パケットグループ3のIDと、アクティブボードがパケットグループ3を記憶する送信バッファ1のIDとを取得し、パケットグループ3のIDと送信バッファ1のIDとを対応する関係でスタンバイボードの送信規則チェーンテーブルに記録する(Table 1 (表1))。このようにして、スタンバイボードは、受信されたコピーされたパケットグループをコピーの順番にしたがって記録する。
【0040】
ステップ305: スタンバイボードが、それぞれの受信されたコピーされたパケットグループのパケットの長さを取得し、パケットの経路を解析し、少なくとも各経路のパス属性および送信記録を含む、それぞれの解析された経路のルーティング情報を記録し、スタンバイボードの送信規則チェーンテーブル内のそれぞれのコピーされたパケットグループとその送信バッファとの間の関係にしたがって、対応する送信バッファIDによって示される送信バッファにそれぞれのコピーされたパケットグループを記憶する。
【0041】
具体的には、ステップ305において、スタンバイボードのソケットが、それぞれの受信されたコピーされたパケットグループのパケットの長さを取得し、パケットの経路を解析し、各経路のルーティング情報を記録する。ルーティング情報は、少なくとも、各経路のパス属性と、経路がどのピアに送信されたかという送信記録とを含む。スタンバイボードは、Table 1 (表1)の対応する関係にしたがって、対応する送信バッファIDによって示される送信バッファに、コピーされたパケットグループを記憶する。
【0042】
代替として、ステップ305において、スタンバイボードのソケットが、それぞれの受信されたコピーされたパケットグループのパケットの長さを取得し、Table 1 (表1)の対応する関係にしたがって、対応する送信バッファIDによって示される送信バッファにパケットグループを記憶し、パケットグループのパケットの経路を解析し、少なくとも、各経路のパス属性と、経路がどのピアセッションに送信されたかという送信記録とを含む、それぞれの解析された経路のルーティング情報を記録する。
【0043】
ステップ306: スタンバイボードが、スタンバイボードの送信規則チェーンテーブルにしたがってアクティブボードの送信の進捗を監視し、アクティブ-スタンバイ切り替えの後、中断点から送信を再開するように、アクティブボードが、アクティブボードの送信規則チェーンテーブルにしたがった順番でパケットグループを送信する。その間、スタンバイボードは、アクティブボードの送信規則チェーンテーブルにしたがってピアセッションAの下でパケットグループを送信する際に、スタンバイボードの送信規則チェーンテーブルにしたがってアクティブボードの送信の進捗を監視する。
【0044】
図7は、本発明の実施形態によるアクティブボードおよびスタンドバイボードの実施シナリオの概略図である。
【0045】
具体的には、ステップ306において、アクティブボードが、ピアセッションAの下で、アクティブボードの送信規則チェーンテーブルの順番にしたがって、対応する送信バッファIDによって示される送信バッファからパケットグループを取得し、当該パケットグループのパケットを対応するピアに送信する。その間、スタンバイボードは、スタンバイボードの送信規則チェーンテーブルの順番にしたがって、ピアセッションAの下でアクティブボードによって送信された最後の送信パケットグループのパケットグループIDを追跡し、パケットグループの送信においてアクティブボードの進捗に追いつくように、追跡されたパケットグループIDに対応する送信バッファIDによって示される送信バッファにおいて、取得された長さだけ先に進む。
【0046】
ルータのアクティブボードがパケットグループを対応するピアに送信する前に、パケットグループと対応するピアとの間の関係がデータ構造に事前設定され、したがって、アクティブボードがパケットグループIDを知っている場合、アクティブボードは、事前設定された関係にしたがって、パケットグループがどのピアに送信されることになるかがわかることに留意されたい。これはルータのスタンバイボードにも当てはまり、つまり、スタンバイボードがパケットグループIDを知っている場合、スタンバイボードは、事前設定された関係にしたがって、パケットグループがどのピアに送信されることになるかがわかる。
【0047】
Table 1 (表1)を参照すると、アクティブボードがチェーンテーブルの順番にしたがってパケットグループ2を取得する場合、アクティブボードは、パケットグループ2のIDにしたがってパケットグループ2に対応する送信バッファ1のIDを知る。アクティブボードは、送信バッファ1のIDにしたがって対応する送信バッファの場所を特定し、場所が特定された送信バッファに記憶されたパケットをパケットグループ2のパケットとして、パケットグループ2に対応するピアに送信する。一方、スタンバイボードは、Table 1 (表1)の順番にしたがってパケットグループ2のIDを追跡し、パケットグループ2のパケットが、送信バッファ2のIDによって示される送信バッファ2に記憶されていることをTable 1 (表1)に記録された対応する関係にしたがって知り、送信バッファ2においてパケットグループ2の当該パケットの長さだけ先に進んで、パケットグループ2のパケットの送信におけるアクティブボードの進捗をさらに監視する。
【0048】
ステップ307: アクティブボードが、アクティブボードの送信規則チェーンテーブルの順番にしたがってパケットグループのパケットを対応するピアに完全に送信し終わった後、アクティブボードは、アクティブボードの送信規則チェーンテーブルから当該パケットグループに対応するレコードを削除する。スタンバイボードの送信規則チェーンテーブルの順番にしたがってアクティブボードの送信の進捗に追いついた後、スタンバイボードは、アクティブボードによって生成されるスタンバイボードの送信規則チェーンテーブルから当該パケットグループに対応するレコードを削除する。
【0049】
Table 1 (表1)を参照して、アクティブボードが、チェーンテーブルの順番にしたがってパケットグループ2のパケットを対応するピアに送信し終わった後、アクティブボードは、パケットグループ2のIDとパケットグループ2に対応する送信バッファ2のIDとをチェーンテーブルから削除する。チェーンテーブルの順番にしたがって、アクティブボードによって送信されたパケットグループ2のパケットに追いついた後、スタンバイボードは、パケットグループ2のIDとパケットグループ2に対応する送信バッファ2のIDとをチェーンテーブルからやはり削除する。
【0050】
さらに、送信バッファに対応するパケットグループのパケットが完全に送信され終わった後、アクティブボードおよび/またはスタンバイボードは、送信バッファを解放することができる。例えば、送信バッファ2に対応するすべてのパケットグループのパケットが、チェーンテーブルの順番にしたがって完全に送信され終わった後、送信バッファ2は、解放され得る。
【0051】
本発明のこの実施形態において、ピアセッションAの下で対応するパケットグループをピアに送信するプロセスは、説明のための例として解釈されることに留意されたい。その他のピアセッションの下で対応するパケットグループをピアに送信するプロセスも同様であり、本明細書においては繰り返して説明されない。
【0052】
ステップ308: アクティブボードがピアセッションAの下でパケットグループのパケットをピアに送信し終わる前にアクティブ-スタンバイ切り替えが起こる場合、切り替えの後、スタンバイボードが、当該パケットグループに対応する送信バッファの追跡された位置にしたがって当該パケットグループのパケットのピアへの送信を継続して、中断点から送信を再開する。
【0053】
加えて、スタンバイボードが中断点からのパケットグループのパケットの送信を完了した後、スタンバイボードは、ステップ305において記録されたルーティング情報によって、パス属性が変わった経路と、送信記録がその経路が送信されていないことを示す経路とを発見することができ、発見されたパス属性が変わった経路と、発見されたピアに送信されなかった経路とを再度アドバタイズする。
【0054】
本発明のこの実施形態で提供される技術的ソリューションは、以下の利点、すなわち、ピアセッションの下にあるピアが、当該ピアに対応するパケットグループのパケットを送信する前に、アクティブボードおよびスタンバイボードが、パケットグループをピアセッションに送信するための規則について合意するという利点を有する。さらに、アクティブボードは、ピアセッションに送信されることになるパケットをスタンバイボードにコピーする。アクティブボードがパケットグループをピアセッションに送信するとき、アクティブボードは、合意されたチェーンテーブルにしたがった順番でパケットグループをピアセッションに送信し、スタンバイボードは、同じ順番で、アクティブボードが送信したパケットグループを追跡する。したがって、スタンバイボードは、アクティブボードがピアセッションに現在送信しているパケットグループと、現在送信中のパケットグループの位置とを知るために、アクティブボードによって送信されたパケットを詳細に解析する必要がない。そのため、スタンバイボードの負荷が削減される。アクティブ-スタンバイ切り替えの後、スタンバイボードは、追跡された位置にしたがって、アクティブボードによってコピーされたパケットグループのパケットの送信を継続することができ、その結果、スタンバイボードの送信の挙動がアクティブボードの送信の挙動と整合し、スタンバイボードが、アクティブ-スタンバイ切り替えの後、中断点から送信を再開することができる。誤りのあるパケットは生成されず、スタンバイボードはすべてのパケットを再度送信する必要がなく、したがって、ネットワークリソースの無駄が削減される。スタンバイボードは、外部に知られることなく迅速にアクティブボードのサービスを引き継ぐことができる。
【0055】
実施形態4
本発明の第4の実施形態は、アクティブ-スタンバイ切り替えのための装置400を提供する。具体的には、装置400は、ルータのアクティブボードである可能性がある。図4に示されるように、装置400は、コピーユニット41、アクティブ生成ユニット42、および送信ユニット43を含む。
【0056】
コピーユニット41は、ピアセッションの下で対応するパケットグループをピアに送信する前に、少なくとも1つの対応するパケットグループをスタンバイボードにコピーするように構成される。アクティブ生成ユニット42は、コピーされたパケットグループを記録し、コピーの順番にしたがってアクティブボードの送信規則チェーンテーブルを生成するように構成される。送信ユニット43は、送信規則チェーンテーブルの順番にしたがってパケットグループを送信するように構成される。
【0057】
本発明のこの実施形態の装置400は、送信ユニットが、アクティブボードの送信規則チェーンテーブルにしたがって対応するパケットグループのパケットを完全に送信し終わった後、アクティブボードの送信規則チェーンテーブルから当該パケットグループに対応するレコードを削除するように構成されたアクティブ削除ユニット44をさらに含む。
【0058】
本発明のこの実施形態で提供される装置は、以下の利点、すなわち、ピアセッションの下でピアにパケットグループのパケットを送信する前に、ピアセッションに送信されることになるパケットグループがスタンバイボードにコピーされ、その結果、スタンバイボードが、アクティブ-スタンバイ切り替えの後、送信を再開するためにパケットグループを取得することができるという利点を有する。一方、本発明のこの実施形態で提供される装置は、スタンバイボードとネゴシエーションされたチェーンテーブルの順番にしたがってパケットグループを送信することができ、その結果、スタンバイボードが、アクティブ-スタンバイ切り替えの後、迅速にアクティブボードのサービスを引き継ぐことができ、同じ規則を有するチェーンテーブルにしたがってアクティブボードの送信の進捗を追跡して、中断点から送信を再開する。したがって、スタンバイボードがすべてのパケットを再度送信する必要がなく、ネットワークリソースの無駄が削減される。
【0059】
実施形態5
本発明の第5の実施形態は、アクティブ-スタンバイ切り替えのための装置500を提供する。具体的には、装置500は、ルータのスタンバイボードである可能性がある。図5に示されるように、装置500は、受信ユニット51、スタンバイ生成ユニット52、監視ユニット53、および送信再開ユニット54を含む。
【0060】
受信ユニット51は、アクティブボードがピアセッションの下で対応するパケットグループをピアに送信する前に、アクティブボードによってコピーされた少なくとも1つのパケットグループを受信するように構成される。スタンバイ生成ユニット52は、受信ユニット51によって受信されたコピーされたパケットグループを記録し、コピーの順番にしたがって、アクティブボードの送信規則チェーンテーブルと同じスタンバイボードの送信規則チェーンテーブルを生成するように構成される。監視ユニット53は、アクティブボードの送信規則チェーンテーブルにしたがってピアセッションの下でパケットグループを送信する際に、スタンバイ生成ユニット52によって生成されたスタンバイボードの送信規則チェーンテーブルにしたがってアクティブボードの送信の進捗を監視するように構成される。送信再開ユニット54は、監視ユニット53によって監視された進捗にしたがって対応するコピーされたパケットグループを送信して、中断点から送信を再開するように構成される。
【0061】
本発明のこの実施形態において、装置500は、以下の任意的なユニット、すなわち、スタンバイ削除ユニット55、記録ユニット56、および更新ユニット57をさらに含み得る。
【0062】
スタンバイ削除ユニット55は、監視ユニットが、スタンバイボードの送信規則チェーンテーブルの順番にしたがって、アクティブボードによって送信されたパケットグループを追跡した後、スタンバイボードの送信規則チェーンテーブルから当該パケットグループに対応するレコードを削除するように構成される。
【0063】
記録ユニット56は、コピーされたパケットグループのパケットの経路を解析し、少なくともそれぞれの解析された経路のパス属性および送信記録を記録するように構成される。更新ユニット57は、記録ユニット56によって記録された各経路のパス属性および送信記録にしたがって、再度アドバタイズされる必要がある経路を決定するように構成される。
【0064】
本発明のこの実施形態で提供されるアクティブ-スタンバイ切り替えのための装置は、ピアセッションへのパケットグループの送信に関してアクティブボードとネゴシエーションされた送信規則チェーンテーブルにしたがって、パケットグループを送信する際にアクティブボードの送信の進捗を追跡することができる。したがって、装置は、パケットグループをピアセッションに送信する際にアクティブボードの送信の進捗を知るために、アクティブボードによって送信されたパケットを詳細に解析する必要がない。そのため、装置の負荷が削減される。さらに、アクティブ-スタンバイ切り替えの後、装置は、追跡された位置にしたがって、アクティブボードによってコピーされたパケットグループの送信を継続することができ、ひいては、アクティブボードの送信の挙動との整合性を維持することができる。装置が切り替えの後に中断点から送信を再開することができるので、装置はすべてのパケットを再送信する必要がなく、したがって、ネットワークリソースの無駄が削減される。
【0065】
実施形態6
本発明の第6の実施形態は、アクティブ-スタンバイ切り替えのためのシステムを提供する。図6に示されるように、システムは、
ピアセッションの下で対応するパケットグループをピアに送信する前に、少なくとも1つのパケットグループをスタンバイボード62にコピーし、コピーされたパケットグループを記録し、コピーの順番にしたがってアクティブボードの送信規則チェーンテーブルを生成し、アクティブボードの送信規則チェーンテーブルの順番にしたがってパケットグループを送信するように構成されたアクティブボード61と、
アクティブボード61がピアセッションの下で対応するパケットグループをピアに送信する前に、アクティブボード61によってコピーされた少なくとも1つのパケットグループを受信し、コピーされたパケットグループを記録し、コピーの順番にしたがって、アクティブボードの送信規則チェーンテーブルと同じスタンバイボードの送信規則チェーンテーブルを生成し、アクティブボードの送信規則チェーンテーブルにしたがってピアセッションの下でパケットグループを送信する際に、スタンバイボードの送信規則チェーンテーブルにしたがってアクティブボードの送信の進捗を監視し、アクティブ-スタンバイ切り替えの後、監視された進捗にしたがって対応するコピーされたパケットグループを送信して、中断点から送信を再開するように構成されたスタンバイボード62とを含む。
【0066】
加えて、本発明のこの実施形態において、アクティブボード61は、アクティブボードの送信規則チェーンテーブルの順番にしたがってパケットグループのパケットを完全に送信し終わった後、アクティブボードの送信規則チェーンテーブルから当該パケットグループに対応するレコードを削除するようにさらに構成される。
【0067】
それに合わせて、スタンバイボード62は、スタンバイボードの送信規則チェーンテーブルの順番にしたがって、アクティブボードによって送信されたパケットグループを追跡した後、スタンバイボードの送信規則チェーンテーブルから当該パケットグループに対応するレコードを削除するようにさらに構成される。その上、スタンバイボード62は、コピーされたパケットグループのパケットの経路を解析し、少なくともそれぞれの解析された経路のパス属性および送信記録を記録し、記録された各経路のパス属性および送信記録にしたがって、再度アドバタイズされる必要がある経路を決定するようにさらに構成される。
【0068】
本発明のこの実施形態で提供されるシステムは、以下の利点、すなわち、ピアセッションの下で対応するパケットグループをピアに送信する前に、アクティブボードおよびスタンバイボードが、パケットグループをピアセッションに送信するための規則について合意し、アクティブボードが、ピアセッションに送信されることになるパケットグループをスタンバイボードにコピーするという利点を有する。アクティブボードがパケットグループをピアセッションに送信するとき、アクティブボードは、ネゴシエーションされたチェーンテーブルの順番にしたがってパケットグループをピアセッションに送信し、スタンバイボードは、同じ順番を有するチェーンテーブルにしたがってアクティブボードの進捗を追跡する。したがって、スタンバイボードは、アクティブボードの送信の進捗を知るために、アクティブボードによって送信されたパケットを詳細に解析する必要がない。そのため、スタンバイボードの負荷が削減される。アクティブ-スタンバイ切り替えの後、スタンバイボードは、監視された位置にしたがって、アクティブボードによってコピーされたパケットグループのパケットの送信を継続し、その結果、スタンバイボードの送信の挙動がアクティブボードの送信の挙動と整合し、スタンバイボードが、すべてのパケットを再度送信する必要なしに、アクティブ-スタンバイ切り替えの後、中断点から送信を再開することができ、それにより、ネットワークリソースの無駄が削減される。スタンバイボードは、外部に知られることなく迅速にアクティブボードのサービスを引き継ぐことができる。
【0069】
本発明のこの実施形態で提供される技術的ソリューションは、その他のプロトコルの高信頼性機能設計に適用することができる。アクティブ-スタンバイ切り替えの後、スタンバイボードの制御フローがアクティブボードの処理を継続することをプロトコルが必要とする場合、本出願の、スタンバイボードへの同期されたデータ送信のための方法が、採用され得る。グループに基づくパケット化を伴うあるデータがアクティブ-スタンバイの同期を必要とする場合、本明細書の、スタンバイボードの詳細な解析なしにパケットを送信するための方法が、参考にされ得る。
【0070】
本発明の実施形態の上述の説明を通じて、当業者は、本発明が、ハードウェアで、またはほとんどの場合に好ましくは、必要な汎用的なハードウェアプラットフォームに加えてソフトウェアで実装され得ることをはっきりと認識する。そのような理解に基づいて、本発明の実施形態の技術的ソリューションの本質、またはその従来技術に対する寄与は、ソフトウェア製品で具現化され得る。ソフトウェア製品は、コンピュータのフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、またはコンパクトディスクなどの可読記憶媒体に記憶され、本発明の実施形態のステップのすべてまたは一部を実行するようにデバイス(例えば、ルータまたはゲートウェイ)に命令するためのいくつかの命令を包含する。
【0071】
本発明がいくつかの例示的実施形態を通じて詳細に説明されたが、本発明はそのような実施形態に限定されない。当業者が、本発明の精神および範囲を逸脱することなしに本発明に様々な修正および変更を行うことができることは明らかである。本発明は、それらの修正および変更が添付の特許請求の範囲またはその均等物によって定義される保護範囲に入る場合はそれらの修正および変更を包含するように意図される。
【符号の説明】
【0072】
41 コピーユニット
42 アクティブ生成ユニット
43 送信ユニット
44 アクティブ削除ユニット
51 受信ユニット
52 スタンバイ生成ユニット
53 監視ユニット
54 送信再開ユニット
55 スタンバイ削除ユニット
56 記録ユニット
57 更新ユニット
61 アクティブボード
62 スタンバイボード
400 装置
500 装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピアセッションの下で対応するパケットグループをピアに送信する前に、少なくとも1つの対応するパケットグループをスタンバイボードにコピーするステップと、
前記スタンバイボードが、コピーの順番にしたがって、アクティブボードの送信規則チェーンテーブルと同じ前記スタンバイボードの送信規則チェーンテーブルを生成するように、コピーされたパケットグループを記録し、前記コピーの順番にしたがって前記アクティブボードの前記送信規則チェーンテーブルを生成するステップと、
前記スタンバイボードが、前記スタンバイボードの前記送信規則チェーンテーブルにしたがって前記アクティブボードの送信の進捗を監視し、アクティブ-スタンバイ切り替え時に中断点から送信を再開するように、前記アクティブボードの前記送信規則チェーンテーブルの順番にしたがって前記パケットグループを送信するステップとを含むアクティブ-スタンバイ切り替え方法。
【請求項2】
前記コピーされたパケットグループは、前記パケットグループのIDと、前記パケットグループが記憶される送信バッファのIDとを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記スタンバイボードが、コピーの順番にしたがって、前記アクティブボードの送信規則チェーンテーブルと同じ前記スタンバイボードの送信規則チェーンテーブルを生成するように、コピーされたパケットグループを記録し、前記コピーの順番にしたがって前記アクティブボードの前記送信規則チェーンテーブルを生成する前記ステップは、
前記コピーされたパケットグループのID、および前記パケットグループが記憶される送信バッファのIDを記録するサブステップと、
前記スタンバイボードが、前記アクティブボードの前記送信規則チェーンテーブルと同じであり、前記コピーされたパケットグループの前記ID、および前記パケットグループが記憶される前記送信バッファの前記IDを含む前記スタンバイボードの前記送信規則チェーンテーブルを前記コピーの順番にしたがって生成するように、前記コピーされたパケットグループの前記ID、および前記パケットグループが記憶される前記送信バッファの前記IDを含む前記アクティブボードの送信規則チェーンテーブルを前記コピーの順番にしたがって生成するサブステップとを含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記アクティブボードの前記送信規則チェーンテーブルの順番にしたがって対応するパケットグループのパケットが完全に送信され終わった後、前記アクティブボードの前記送信規則チェーンテーブルから前記パケットグループに対応するレコードを削除するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
アクティブボードがピアセッションの下で対応するパケットグループをピアに送信する前に、前記アクティブボードによってコピーされた少なくとも1つのパケットグループを受信するステップと、
コピーされたパケットグループを記録し、コピーの順番にしたがって、前記アクティブボードの送信規則チェーンテーブルと同じスタンバイボードの送信規則チェーンテーブルを生成するステップと、
前記アクティブボードの前記送信規則チェーンテーブルにしたがって前記ピアセッションの下で前記パケットグループを送信する際に、前記スタンバイボードの前記送信規則チェーンテーブルにしたがって前記アクティブボードの送信の進捗を監視するステップと、
アクティブ-スタンバイ切り替えの後、監視された進捗にしたがって前記コピーされたパケットグループを送信して、中断点から送信を再開するステップとを含むアクティブ-スタンバイ切り替え方法。
【請求項6】
それぞれの受信されたコピーされたパケットグループは、前記パケットグループのID、および前記アクティブボードが前記パケットグループを記憶する送信バッファのIDを含み、
コピーされたパケットグループを記録し、コピーの順番にしたがって、前記アクティブボードの送信規則チェーンテーブルと同じスタンバイボードの送信規則チェーンテーブルを生成するステップは、
前記コピーされたパケットグループのID、および前記アクティブボードが前記パケットグループを記憶する送信バッファのIDを記録するサブステップと、
前記アクティブボードの前記送信規則チェーンテーブルと同じであり、前記コピーされたパケットグループの前記ID、および前記アクティブボードが前記パケットグループを記憶する前記送信バッファの前記IDを含む前記スタンバイボードの前記送信規則チェーンテーブルを前記コピーの順番にしたがって生成するサブステップとを含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記スタンバイ送信チェーンテーブルは、それぞれのコピーされたパケットグループのID、および前記アクティブボードが前記パケットグループを記憶する送信バッファのIDを前記コピーの順番にしたがって記録し、前記方法は、それぞれの受信されたコピーされたパケットグループについて、
前記パケットグループのパケットの長さを取得するステップと、
前記パケットグループを、前記チェーンテーブルの対応する送信バッファIDによって示される送信バッファに記憶するステップとをさらに含む請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記アクティブボードの前記送信規則チェーンテーブルにしたがって前記ピアセッションの下で前記パケットグループを送信する際に、前記スタンバイボードの前記送信規則チェーンテーブルにしたがって前記アクティブボードの送信の進捗を監視する前記ステップは、
前記アクティブボードが前記アクティブボードの前記送信規則チェーンテーブルにしたがって前記ピアセッションの下で送信しているパケットグループIDを、前記スタンバイボードの前記送信規則チェーンテーブルにしたがって追跡するサブステップと、
追跡されたパケットグループIDに対応する送信バッファIDによって示される送信バッファにおいて、取得された長さだけ先に進み、前記パケットグループを送信する際に前記アクティブボードの前記進捗を追跡するサブステップとを含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記スタンバイボードの前記送信規則チェーンテーブルの順番にしたがって、前記アクティブボードによって送信された前記パケットグループを追跡した後、前記スタンバイボードの前記送信規則チェーンテーブルから前記パケットグループに対応するレコードを削除するステップをさらに含む請求項5に記載の方法。
【請求項10】
コピーされたパケットグループのパケットの経路を解析し、少なくともそれぞれの解析された経路のパス属性および送信記録を記録するステップと、
アクティブ-スタンバイ切り替えの後、記録された各経路のパス属性および送信記録にしたがって、再度アドバタイズされる必要がある経路を決定するステップとをさらに含む請求項5に記載の方法。
【請求項11】
ピアセッションの下で対応するパケットグループをピアに送信する前に、少なくとも1つの対応するパケットグループをスタンバイボードにコピーするように構成されたコピーユニットと、
コピーされたパケットグループを記録し、コピーの順番にしたがって前記アクティブボードの送信規則チェーンテーブルを生成するように構成されたアクティブ生成ユニットと、
前記送信規則チェーンテーブルの順番にしたがって前記パケットグループを送信するように構成された送信ユニットとを含むアクティブ-スタンバイ切り替え装置。
【請求項12】
前記送信ユニットが、前記アクティブボードの前記送信規則チェーンテーブルの順番にしたがって前記パケットグループのパケットを完全に送信し終わった後、前記アクティブボードの前記送信規則チェーンテーブルから前記パケットグループに対応するレコードを削除するように構成されたアクティブ削除ユニットをさらに含む請求項11に記載の装置。
【請求項13】
アクティブボードがピアセッションの下で対応するパケットグループをピアに送信する前に、前記アクティブボードによってコピーされた少なくとも1つのパケットグループを受信するように構成された受信ユニットと、
コピーされたパケットグループを記録し、コピーの順番にしたがって、前記アクティブボードの送信規則チェーンテーブルと同じスタンバイボードの送信規則チェーンテーブルを生成するように構成されたスタンバイ生成ユニットと、
前記アクティブボードの前記送信規則チェーンテーブルにしたがって前記ピアセッションの下で前記パケットグループを送信する際に、前記スタンバイボードの前記送信規則チェーンテーブルにしたがって前記アクティブボードの送信の進捗を監視するように構成された監視ユニットと、
アクティブ-スタンバイ切り替えの後、監視された進捗にしたがって前記コピーされたパケットグループを送信して、中断点から送信を再開するように構成された送信再開ユニットとを含むアクティブ-スタンバイ切り替え装置。
【請求項14】
前記監視ユニットが、前記スタンバイボードの前記送信規則チェーンテーブルにしたがって、前記アクティブボードによって送信された前記パケットグループを追跡した後、前記スタンバイボードの前記送信規則チェーンテーブルから前記パケットグループに対応するレコードを削除するように構成されたスタンバイ削除ユニットをさらに含む請求項13に記載の装置。
【請求項15】
コピーされたパケットグループのパケットの経路を解析し、少なくともそれぞれの取得された経路のパス属性および送信記録を記録するように構成された記録ユニットと、
アクティブ-スタンバイ切り替えの後、前記記録された各経路のパス属性および送信記録にしたがって、再度アドバタイズされる必要がある経路を決定するように構成された更新ユニットとをさらに含む請求項14に記載の装置。
【請求項16】
ピアセッションの下で対応するパケットグループをピアに送信する前に、少なくとも1つの対応するパケットグループをスタンバイボードにコピーし、コピーされた1つのパケットグループを記録し、コピーの順番にしたがってアクティブボードの送信規則チェーンテーブルを生成し、アクティブボードの前記送信規則チェーンテーブルの順番にしたがって前記パケットグループを送信するように構成されたアクティブボードと、
前記ピアセッションの下で対応するパケットグループをピアに送信する前に、前記アクティブボードによってコピーされた前記少なくとも1つのパケットグループを受信し、前記コピーされたパケットグループを記録し、前記コピーの順番にしたがって、前記アクティブボードの前記送信規則チェーンテーブルと同じスタンバイボードの送信規則チェーンテーブルを生成し、前記アクティブボードの前記送信規則チェーンテーブルにしたがって前記ピアセッションの下で前記アクティブボードによって送信される前記パケットグループの送信の進捗を、スタンバイボードの前記送信規則チェーンテーブルの順番にしたがって監視し、アクティブ-スタンバイ切り替えの後、監視された進捗にしたがって対応するコピーされたパケットグループを送信して、中断点から送信を再開するように構成されたスタンバイボードとを含むアクティブ-スタンバイ切り替えシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−502115(P2013−502115A)
【公表日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−524102(P2012−524102)
【出願日】平成22年10月16日(2010.10.16)
【国際出願番号】PCT/CN2010/077809
【国際公開番号】WO2011/060677
【国際公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(504277388)▲ホア▼▲ウェイ▼技術有限公司 (220)
【Fターム(参考)】