説明

メソポア活性炭の製造方法

【課題】細孔径と比表面積を独立に制御することができるメソポア活性炭の製造方法を提供する。
【解決手段】平均細孔径が2.0nm以上であるメソポア活性炭の製造方法であって、窒素含有材料と縮合多環式化合物とを含有する混合物を、アルカリ賦活する。前記製造方法に用いられる窒素含有材料としては、トリアジン化合物またはトリアジン樹脂が好ましく、より好ましくはメラミンもしくはその誘導体、またはメラミン樹脂である。また、前記製造方法に用いられる縮合多環式化合物含有組成物としては、ピッチが好適である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メソポア領域の細孔を有する活性炭の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、活性炭は、高比表面積を有することから電気二重層キャパシタの分極性電極、吸着材などの用途に用いられている。このような活性炭は、一般にヤシガラ炭化物、フェノール樹脂炭化物、石炭などの原料を、水蒸気賦活あるいは薬品賦活することにより作製される(例えば、特許文献1,2)。
【0003】
また、電気二重層キャパシタは、分極性電極と電解液との界面に生じる電気二重層を蓄電原理とする大容量キャパシタとして知られており、エレクトロニクス分野の進展と共に、高性能化が期待されている。そこで、電気二重層キャパシタの速い充放電を実現させるために、電解液内のイオンが移動しやすいようメソポア領域の細孔を有する活性炭およびその製造方法が種々開発されている。
【0004】
例えば、特許文献3〜6には、含窒素化合物および含硫黄化合物から選ばれた少なくとも一種の化合物と縮合多環式化合物との反応生成物、蛋白質または蛋白質含有汚泥などの特定の原料を用い、水蒸気賦活して作製されたメソポア活性炭およびその製造方法が開示されている。特許文献7には、炭素質原料を水蒸気賦活した後の細孔直径20Å(2.0nm)以上の比表面積と全比表面積との比が0.30以上であるものをさらにアルカリ賦活するメソポア活性炭の製造方法が開示されている。
【特許文献1】特開2000−344508号公報
【特許文献2】特開2003−203829号公報
【特許文献3】特開平5−811号公報
【特許文献4】特開平8−81210号公報
【特許文献5】特開2001−319837号公報
【特許文献6】特開2002−33249号公報
【特許文献7】特開平8−119614号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常、活性炭の細孔径はその賦活の度合いが増すにつれて増大する。すなわち、細孔径の増大は比表面積の増大を伴うものであり、細孔径と比表面積を独立に制御することは困難であった。そのため、従来の製造方法で得られたメソポア領域の細孔を有する活性炭では、細孔径も比表面積も大きなものとなっていた。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、細孔径にかかわらず、比表面積を制御することができるメソポア活性炭の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決することができた本発明の活性炭の製造方法は、平均細孔径が2.0nm以上であるメソポア活性炭の製造方法であって、窒素含有材料と縮合多環式化合物含有組成物とを含有する混合物を、アルカリ賦活することを特徴としている。窒素含有材料と縮合多環式化合物含有組成物とを原料として用いることにより、得られる活性炭の細孔径と比表面積を独立に制御することができる。
【0008】
なお、細孔径にかかわらず、比表面積を制御することができる理由は、必ずしも明らかでないが、縮合多環式化合物に窒素含有材料を混合させることにより、炭化物中に構造の乱れや欠陥を生じさせ、そこを起点としてアルカリ賦活が進行し、比表面積の増加に寄与すると考えられる。
【0009】
前記製造方法においては、前記窒素含有材料と縮合多環式化合物含有組成物とを含有する混合物を炭化し、得られた炭化物をアルカリ賦活することが好ましい態様である。
【0010】
前記製造方法に用いられる窒素含有材料としては、トリアジン化合物またはトリアジン樹脂が好ましく、より好ましくはメラミンもしくはその誘導体、またはメラミン樹脂である。また、前記製造方法に用いられる縮合多環式化合物含有組成物としては、ピッチが好適である。
【0011】
また、本発明には、本発明の製造方法により得られた活性炭を含有する電気二重層キャパシタ用電極材料、当該電極材料から得られる電気二重層キャパシタ用電極ならびに当該電極を備えることを特徴とする電気二重層キャパシタも含まれる。
【発明の効果】
【0012】
本発明のメソポア活性炭の製造方法によれば、細孔径にかかわらず、比表面積を制御することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の活性炭の製造方法は、平均細孔径が2.0nm以上であるメソポア活性炭の製造方法であって、窒素含有材料と縮合多環式化合物含有組成物とを含有する混合物を、アルカリ賦活することを特徴としている。
【0014】
本発明に使用される窒素含有材料について説明する。前記窒素含有材料としては、窒素原子を有するものであれば特に限定されず、例えば、メラミン、グアナミン、グアニジン、尿素、アニリン、芳香族または脂肪族スルホンアミドなどのアミノ化合物;4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネートなどのイソシアネート化合物;アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、アクリロニトリルなどのニトリル化合物;イミダゾール、ベンゾイミダゾールなどのイミダゾール化合物;カルバゾール、N−メチルカルバゾールなどのカルバゾール化合物;アクリジン、9−メチルアクリジンなどのアクリジン化合物;ピリジン、アミノピリジンなどのピリジン化合物;ピロール、メチルピロールなどのピロール化合物;などの窒素含有化合物、および、メラミン樹脂;グアニジン樹脂;尿素樹脂;アニリン樹脂;スルホンアミド樹脂;イミド樹脂;ウレタン樹脂;ポリアクリロニトリルなどのニトリル樹脂;ポリベンゾイミダゾール樹脂;カルバゾール樹脂;アクリジン樹脂;ピリジン樹脂;ピロール樹脂;などの窒素含有樹脂が挙げられる。これらの窒素含有材料は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、本発明で使用する窒素含有材料には、ニトロ化合物、ニトロ化剤、並びに、後述するインドリジンなどの窒素含有縮合多環式化合物は含まない。
【0015】
前記の窒素含有材料の中でも、本発明に使用されるものとしては、分子中または樹脂構造中にトリアジン環構造を有するトリアジン化合物またはトリアジン樹脂が好ましい。前記トリアジン化合物としては、例えば、メラミンやその誘導体が好適である。前記トリアジン樹脂としては、例えば、メラミン樹脂が好適である。
【0016】
前記メラミンやその誘導体としては、例えば、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
【0017】
【化1】

【0018】
[式中、R1〜R6は、同一または異なって、水素原子、アクリロイル基、エポキシ基、アクリロイル基および/またはエポキシ基を有してもよい炭素数が1〜12のアルキル基、炭素数が1〜12のヒドロキシアルキル基、炭素数が1〜12のアルキルエーテル基を示す。]
【0019】
上記一般式(1)において、R1〜R6で表されるアクリロイル基および/またはエポキシ基を有してもよい炭素数1〜12のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、グリシジル基などが挙げられる。上記一般式(1)において、R1〜R6で表される炭素数1〜12のヒドロキシアルキル基としては、例えば、メチロール基、エチロール基、プロピロール基、ブチロール基、ペンチロール基、ヘキシロール基、ヘプチロール基、オクチロール基、ノニロール基、デカノール基、ウンデカノール基、ドデカノール基などが挙げられる。上記一般式(1)において、R1〜R6で表される炭素数1〜12のアルキルエーテル基としては、例えば、メチルエーテル基、エチルエーテル基、プロピルエーテル基、ブチルエーテル基、ペンチルエーテル基、ヘキシルエーテル基、ヘプチルエーテル基、オクチルエーテル基、ノニルエーテル基、デシルエーテル基、ウンデシルエーテル基、ドデシルエーテル基などが挙げられる。
【0020】
上記一般式(1)で表されるメラミンもしくはその誘導体の具体例としては、例えば、メラミン;トリメチルメラミン、トリエチルメラミンなどのアルキルメラミン;メチロールメラミン、エチロールメラミンなどのヒドロキシアルキルメラミン;メチルエーテルメラミン、エチルエーテルメラミンなどのアルキルエーテルメラミン;メラミントリアクリレートなどのアクリル変性メラミン;トリスグリシジルメラミンなどのエポキシ変性メラミンなどが挙げられる。これらのメラミンもしくはその誘導体は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、メチロールメラミン、エチロールメラミンなどのヒドロキシアルキルメラミン;エチルエーテルメラミンなどのアルキルエーテルメラミンが好ましい。特に、トリアジン環が架橋された網目構造を構成し得るメチロールメラミン、メチルエーテルメラミンが好適である。
【0021】
前記メラミン樹脂としては、特に限定されず、例えば、メチロールメラミン、メチルエーテルメラミン、アクリル変性メラミン、エポキシ変性メラミンおよび/またはメラミン樹脂プレポリマーから得られるものが挙げられる。前記メラミン樹脂は、種々の官能基が導入されているものも使用でき、例えば、アミノ基含有メラミン樹脂、イミノ基含有メラミン樹脂、メチロール基含有メラミン樹脂、ヒドロキシアルキル基含有メラミン樹脂、アルキルエーテル基含有メラミン樹脂、アクリロイル基含有メラミン樹脂、エポキシ基含有メラミン樹脂なども使用することができ、さらにこれらの官能基がアルキル基で変性されたアルキル化メラミン樹脂も使用できる。なお、メラミン樹脂には、メラミン樹脂の前駆体であるメラミン樹脂プレポリマーも含まれる。
【0022】
前記窒素含有材料の具体名を商品名で例示すると、例えば、三和ケミカル社製の「ニカラックMW−30M」、「ニカラックMW−30」、「ニカラックMX−45」、「ニカラックMX−302」などのメラミン誘導体;レック社製の「激落ち(登録商標)ダブルキング」などのメラミン樹脂;サンプラテック社製の「ウレタン」などのウレタン樹脂;サンプラテック社製の「ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)」などのニトリル樹脂が挙げられる。
【0023】
前記窒素含有材料の窒素含有率は、2質量%以上が好ましく、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上であり、90質量%以下が好ましく、より好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下である。窒素含有率が2質量%以上であれば、メソ細孔を有し、且つ、高比表面積を有するアルカリ活性炭の作製が容易となり、90質量%以下であれば、メソ細孔を有し、且つ、高比表面積を有するアルカリ活性炭を、高賦活収率で作製することができる。
【0024】
本発明の製造方法に用いられる縮合多環式化合物含有組成物について説明する。前記縮合多環式化合物含有組成物とは、1種または2種以上の縮合多環式化合物を含有する組成物である。ここで、縮合多環式化合物とは、二つ以上の環構造を有する多環式化合物であって、二つまたはそれ以上の環が2個以上の原子を共有する縮合環を有する化合物である。
【0025】
本発明の製造方法に用いられる縮合多環式化合物含有組成物としては、例えば、石油ピッチ、コールタールピッチ、合成ピッチなどのピッチ、石炭、コークス、タール、重油などを挙げることができる。これらの縮合多環式化合物含有組成物は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも石炭ピッチ、石油ピッチ、コールタールピッチ、合成ピッチなどのピッチが好ましい。
【0026】
前記縮合多環式化合物含有組成物が含有する縮合多環式化合物としては、特に限定されず、例えば、ナフタレンなどの2環式、フェナントレン、アントラセンなどの3環式、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ナフタセンなどの4環式、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、ペンタセンなどの5環式、コロネンなどの6環式などの炭素縮合多環式化合物;ベンゾフラン、イソクロメン、クロメン、キサンテンなどの含酸素縮合多環式化合物;インドリジン、イソキノリン、キノリンなどの含窒素縮合多環式化合物;イソチオクロメン、チオクロメン、チオキサンテン、チアントレンなどの含硫黄縮合多環式化合物、およびこれらの化合物の誘導体ならびにこれらの化合物が相互に架橋した化合物を挙げることができる。
【0027】
また、本発明の製造方法においては、前記縮合多環式化合物含有組成物に代えて、縮合多環式化合物以外の成分を含有しない縮合多環式化合物混合物、または縮合多環式化合物を単独で使用してもよい。
【0028】
次に、本発明の活性炭の製造方法について説明する。
【0029】
前述したように、本発明の活性炭の製造方法は、平均細孔径が2.0nm以上であるメソポア活性炭の製造方法であって、窒素含有材料と縮合多環式化合物含有組成物とを含有する混合物を、アルカリ賦活することを特徴としている。具体的には、窒素含有材料と縮合多環式化合物含有組成物とを混合する混合工程、得られる混合物をアルカリ賦活する賦活工程を有するメソポア活性炭の製造方法である。
【0030】
また、本発明の製造方法は、窒素含有材料と縮合多環式化合物含有組成物とを混合する混合工程、得られる混合物を炭化する炭化処理工程、得られる炭化物をアルカリ賦活する賦活工程を含むことが好ましい。
【0031】
混合工程は、窒素含有材料と、縮合多環式化合物含有組成物とを混合する工程である。混合方法については、材料の融点や軟化点によるが、例えば、窒素含有材料および縮合多環式化合物含有組成物がいずれも固体の状態で機械的に混合する方法;窒素含有材料および縮合多環式化合物含有組成物の少なくとも一方が液体の状態で機械的に混合する方法;窒素含有材料および縮合多環式化合物含有組成物をそれぞれ溶媒に溶解させた後、これらを混合する方法などの従来用いられる方法を採用すればよい。また混合する際の温度は、使用する原料の融点や軟化点以上、硬化温度や揮発温度以下など、使用する原料に応じて適宜決定すればよい。
【0032】
また、混合工程における窒素含有材料と、縮合多環式化合物含有組成物との仕込み比は、縮合多環式化合物含有組成物100質量部に対して、窒素含有材料を5質量部以上とすることが好ましく、より好ましくは10質量部以上、さらに好ましくは15質量部以上であり、1000質量部以下とすることが好ましく、より好ましくは900質量部以下、さらに好ましくは800質量部以下、特に好ましくは400質量部以下である。
【0033】
炭化処理工程は、混合工程で得られた窒素含有材料と、縮合多環式化合物含有組成物とを含む混合物を炭化する工程であり、本発明の製造方法では、前記混合物を不活性雰囲気下で加熱することにより炭化する。不活性雰囲気としては、アルゴン、ヘリウム、窒素などの不活性ガス雰囲気が挙げられる。炭化処理を行う際の加熱温度は500℃以上が好ましく、より好ましくは600℃以上であり、900℃以下が好ましく、より好ましくは800℃以下である。また、炭化処理を行う際の加熱時間は0時間以上が好ましく、より好ましくは1時間以上であり、10時間以下が好ましく、より好ましくは5時間以下である。
【0034】
前記炭化処理工程で得られる炭化物の窒素含有率は、2質量%以上が好ましく、より好ましくは3質量%以上であり、50質量%以下が好ましく、より好ましくは40質量%以下である。炭化物の窒素含有率が2質量%以上であれば、メソ細孔を有し、且つ高比表面積を有する活性炭の作製が容易となり、50質量%以下であれば、メソ細孔を有し、且つ高比表面積を有する活性炭を、高賦活収率で作製することができる。
【0035】
賦活工程は、前記混合工程で得られた混合物あるいは前記炭化処理工程で得られた炭化物と、アルカリ賦活剤とを混合し、加熱することにより賦活処理を行う工程である。ここで、「賦活処理」とは、炭化物の表面に細孔を形成して、比表面積および細孔容積を大きくする処理である。なお、前記混合工程で得られた混合物を炭化処理することなく賦活処理する場合には、賦活処理を不活性雰囲気下で行うことが好ましい。
【0036】
賦活処理に使用されるアルカリ賦活剤としては、アルカリ金属化合物が好ましい。前記アルカリ金属化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどの水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウムなどの炭酸塩などが挙げられる。これらのアルカリ賦活剤は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、水酸化カリウムが好適である。
【0037】
前記アルカリ賦活剤の使用量は、賦活される前記混合工程で得られた混合物あるいは前記炭化処理工程で得られた炭化物とアルカリ賦活剤との質量比(アルカリ賦活剤/混合物または炭化物)を、1以上とすることが好ましく、より好ましくは1.5以上、さらに好ましくは2.0以上であり、4.5以下とすることが好ましく、より好ましくは4.0以下、さらに好ましくは3.5以下である。
【0038】
また、アルカリ賦活剤を添加する際、炭化物との混合を十分とするために、アルカリ賦活剤を水溶液として使用しても良い。このときの水の使用量は、アルカリ賦活剤の0.05質量倍〜10質量倍が好ましい。なお、アルカリ賦活剤を水溶液として使用する場合には、賦活処理のための加熱を行う前に、水分の突沸防止のための水分除去を目的として、賦活処理における加熱温度よりも低温の加熱を行なうことが好ましい。
【0039】
賦活処理を行う際の加熱温度は600℃以上が好ましく、より好ましくは650℃以上であり、950℃以下が好ましく、より好ましくは900℃以下である。また、賦活処理を行う際の加熱時間は0.1時間以上が好ましく、より好ましくは1.5時間以上であり、3.5時間以下が好ましく、より好ましくは3時間以下である。なお、加熱時の雰囲気は、アルゴン、ヘリウム、窒素などの不活性ガス雰囲気が好ましい。
【0040】
本発明のメソポア活性炭の製造方法は、前記混合工程、炭化処理工程および賦活工程に加えて、洗浄工程、熱処理工程、粉砕工程を含ませてもよい。
【0041】
洗浄工程は、賦活工程後のメソポア活性炭を洗浄し、乾燥させる工程である。賦活工程後のメソポア活性炭の表面には、アルカリ賦活剤として使用した水酸化アルカリ金属などが付着しているため、このような付着物を除去するために、メソポア活性炭の洗浄を行う。
【0042】
メソポア活性炭の洗浄としては、水洗、酸洗浄などを挙げることができる。
【0043】
水洗方法は、特に限定されないが、例えば、メソポア活性炭を水に投入し、必要に応じて撹拌、分散させた後、濾取することにより行うことが好ましい。前記撹拌、分散は、機械的撹拌、気体吹込み、超音波印加によって行うことができるが、加熱煮沸させることによっても行うことができる。水洗時の水温は、30℃以上が好ましく、より好ましくは40℃以上、さらに好ましくは50℃以上である。撹拌、分散時間は0.5時間以上が好ましく、より好ましくは1時間以上、さらに好ましくは1.5時間以上である。
【0044】
酸洗浄は、無機酸、有機酸などを含有する洗浄液を用いて行う洗浄である。酸洗浄を行うことによって、アルカリ賦活剤として使用した水酸化アルカリ金属などを効率よく除去できる。
【0045】
前記無機酸としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸などが挙げられる。これらの無機酸は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。無機酸を使用する場合、洗浄液中の無機酸濃度は、0.5mol/L以上が好ましく、より好ましくは1.0mol/L以上、さらに好ましくは1.5mol/L以上であり、3.5mol/L以下が好ましく、より好ましくは3.0mol/L以下、さらに好ましくは2.5mol/L以下である。無機酸を用いた酸洗浄の方法は、特に限定されないが、例えば、メソポア活性炭と、無機酸を含有する洗浄液とを混合して、50℃〜100℃の温度で、30分間〜120分間撹拌することにより行うことが好ましい。
【0046】
前記有機酸としては、例えば、ギ酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、酢酸、プロピオン酸などを挙げることができる。これらの有機酸は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記有機酸を含有する洗浄液中の有機酸の濃度は、1vol%以上が好ましく、より好ましくは2vol%以上、さらに好ましくは5vol%以上であり、100vol%以下が好ましく、より好ましくは80vol%、さらに好ましくは60vol%以下である。有機酸の濃度を1vol%以上とすることによって、有機酸による金属成分除去効果が得られるが、濃度が高くなりすぎると、製造コストが高くなるので好ましくない。有機酸を用いた酸洗浄の方法は、例えば、メソポア活性炭と、有機酸を含有する洗浄液とを混合して、得られた混合物を20℃〜80℃の温度で、1分間〜120分間撹拌することにより行うことが好ましい。洗浄後のメソポア活性炭は、50℃〜120℃で、0.5時間〜2.0時間乾燥させることが好ましい。
【0047】
本発明の製造方法においては、洗浄工程として、酸洗浄と水洗とを行うことが好ましく、より好ましくは酸洗浄を行った後、水洗を複数回行う態様である。
【0048】
熱処理工程は、賦活工程後あるいは洗浄工程後のメソポア活性炭を、さらに不活性ガス雰囲気下で熱処理する工程である。メソポア活性炭に熱処理を行うことにより、メソポア活性炭の表面の官能基量を調整することができる。
【0049】
前記熱処理としては、賦活工程直後のメソポア活性炭を不活性ガス雰囲気下で熱処理する態様;賦活工程後のメソポア活性炭を、酸洗浄および/または水洗した後、不活性ガス雰囲気下で熱処理する態様などを挙げることができる。前記不活性ガスとしては、例えば、アルゴン、窒素、ヘリウムなどを使用することができる。また、前記熱処理温度は、特に限定されないが、好ましくは400℃以上1000℃以下である。
【0050】
粉砕工程は、メソポア活性炭の粒径を調整するための粉砕を行う工程である。メソポア活性炭の粉砕方法は、特に限定されるものでなく、ディスクミル、ボールミル、ビーズミルなどを用いて行えばよい。なお、メソポア活性炭の平均粒子径は1μm以上とすることが好ましく、より好ましくは2μm以上であり、15μm以下とすることが好ましく、より好ましくは10μm以下である。平均粒子径が余りに小さいと、電極における集電板と電極材料層との結着性が悪くなり、実用的な結着性を保持するためには電極材料層に要するバインダー量が増加するおそれがある。ここで、平均粒子径とは、水に分散させた試料を、レーザ回折式粒度分布測定装置(例えば、島津製作所製、型式「SALD−2000」)を用いて求められるメジアン径である。
【0051】
本願発明の製造方法を用いることにより平均細孔径2.0nm以上のメソポア活性炭を得ることができる。ここで、本発明において平均細孔径とは、メソポア活性炭のBET法により求められる比表面積と、BET法により求められる全細孔容積とを用いて、細孔の形状をシリンダー状と仮定して算出される値であり、下記式(1)で求めることができる。
【0052】
【数1】

【0053】
なお、本願の製造方法で得られるメソポア活性炭の平均細孔径は、2.0nm以上であり、好ましくは2.05nm以上であり、4.0nm以下が好ましく、より好ましくは3.5nm以下である。
【0054】
本発明の製造方法で得られるメソポア活性炭の比表面積は1000m2/g以上が好ましく、より好ましくは1100m2/g以上であり、3500m2/g以下が好ましく、より好ましくは3300m2/g以下である。ここで、本発明において比表面積とは、多孔質炭素の窒素吸着等温線を測定するBET法により求められる値である。
【0055】
本発明の製造方法で得られるメソポア活性炭の全細孔容積は0.6cm3/g以上が好ましく、より好ましくは0.7cm3/g以上であり、3.0cm3/g以下が好ましく、より好ましくは2.8cm3/g以下である。ここで、本発明において全細孔容積とは、相対圧P/P0(P:吸着平衡にある吸着質の気体の圧力、P0:吸着温度における吸着質の飽和蒸気圧)が0.93までの窒素吸着量を測定するBET法により求められる値である。
【0056】
なお、本発明の製造方法によって得られるメソポア活性炭の平均細孔径、比表面積、全細孔容積などは、混合工程における窒素含有材料と縮合多環式化合物含有組成物との仕込み比や、賦活工程における加熱条件などを適宜変更することによって、所望の範囲とすればよい。
【0057】
本発明の製造方法により得られるメソポア活性炭は、電気二重層キャパシタ用電極材料として用いることができ、当該電極材料を使用して、電気二重層キャパシタ用電極や電気二重層キャパシタを製造することが可能である。
【0058】
電気二重層キャパシタ用電極は、例えば、メソポア活性炭、導電性付与剤、およびバインダー溶液を混練し、溶媒を添加してペーストを調製し、このペーストをアルミ箔などの集電板に塗布した後、溶媒を乾燥除去したものが挙げられる。
【0059】
前記電気二重層キャパシタ用電極に使用されるバインダーとしては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素系高分子化合物や、カルボキシメチルセルロース、スチレン−ブタジエンゴム、石油ピッチ、フェノール樹脂などを使用することができる。また、導電性付与剤としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどを使用することができる。
【0060】
電気二重層キャパシタは、一般的には、電極、電解液、およびセパレータを主要構成とし、一対の電極間にセパレータが配置した構造となっている。前記電解液としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、メチルエチルカーボネートなどの有機溶剤にアミジン塩を溶解した電解液;過塩素酸の4級アンモニウム塩を溶解した電解液;4級アンモニウムやリチウムなどのアルカリ金属の四フッ化ホウ素塩や六フッ化リン塩を溶解した電解液;4級ホスホニウム塩を溶解した電解液などが挙げられる。また、前記セパレータとしては、例えば、セルロース、ガラス繊維、または、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンを主成分とした不織布、クロス、微孔フィルムが挙げられる。
【実施例】
【0061】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、前・後記の趣旨に適合しうる範囲で適宜変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0062】
評価方法
1.比表面積、全細孔容積および平均細孔径
アルカリ賦活炭0.2gを200℃にて真空加熱した後、窒素吸着装置(島津製作所製、ASAP−2400)を用いてN2ガス吸着法による吸着等温線を求め、BET法により比表面積および全細孔容積を求めた。また、平均細孔径は、BET法により求められた比表面積および全細孔容積を用いて、上記式(1)に基づいて算出した。
【0063】
2.窒素含有量
元素分析装置(柳本製作所製、型式MT−700HCN)を用い、試料を燃焼させ、発生ガスを分析し、試料中の炭素、水素、窒素含有率を求めた。
【0064】
3.電気二重層キャパシタの静電容量
充放電装置(楠本化成株式会社製ETAC Ver4.4)の充放電端子をキャパシタのアルミニウム板に接続し、集電板間電圧が2.5Vになるまで40mAの定電流充電を行い、続けて、2.5Vの定電圧で30分間充電した。充電後、定電流(放電電流=0.010A)で電気二重層キャパシタの放電を行わせた。このとき、電気二重層キャパシタの電圧がV1、V2となるまでに要した放電時間t1、t2を測定した。そして、下記式(2)を用いて電気二重層キャパシタの質量基準静電容量を求めた。
【0065】
【数2】


I:0.010(A)
t1:電気二重層キャパシタ電圧がV1となるまでに要した放電時間(sec)
t2:電気二重層キャパシタ電圧がV2となるまでに要した放電時間(sec)
m:電極を構成する電極材料層の総質量(g)
V1:2.0(V)
V2:1.0(V)
【0066】
4.電気二重層キャパシタの内部抵抗
上記静電容量の評価と同じ条件でキャパシタの充電を行った後、定電流(放電電流=0.010A)でキャパシタの放電を行わせた。このとき、電気二重層キャパシタの電圧がV1、V2となるまでに要した放電時間t1、t2を測定した。そして、下記式(3)を用いて電気二重層キャパシタの内部抵抗を求めた。
【0067】
【数3】


V0:2.5(V)
V1:2.0(V)
V2:1.0(V)
t1:電気二重層キャパシタ電圧がV1となるまでに要した放電時間(sec)
t2:電気二重層キャパシタ電圧がV2となるまでに要した放電時間(sec)
I:0.010(A)
【0068】
活性炭
製造例1
活性炭原料として、縮合多環式化合物含有組成物としてのピッチ(大阪化成社製、「MP180」(窒素含有量1.3質量%))100質量部と、窒素含有材料としてのメチルエーテルメラミン(三和ケミカル社製、商品名「ニカラックMW−30M」(窒素含有率約40質量%))50質量部とを十分に混合した。得られた混合物を、窒素雰囲気下、700℃で0.1時間加熱して炭化を行った。得られた炭化物を20g秤量して、これにアルカリ賦活剤として質量比で2.5倍となるように水酸化カリウムを添加し、十分に混合した。次いで、炭化物とアルカリ賦活剤との混合物を、窒素雰囲気下、800℃で2時間加熱し賦活を行った。
【0069】
得られた賦活物を容器に入れ、そこに純水1.7Lと塩酸(濃度:35質量%)0.3Lを加え、100℃に加熱して2時間煮沸した後、賦活物を濾取することにより塩酸洗浄を行った。その後、塩酸洗浄を終えた賦活物に水2Lを加え、100℃に加熱して2時間煮沸した後、賦活物を濾取することにより温水洗浄を行った。同様の操作を繰り返して温水洗浄をさらに1回行った。塩酸洗浄1回と温水洗浄2回を経た賦活物を、110℃で1時間乾燥した。乾燥後の賦活物を、ディスクミルを用いて粉砕し、平均粒子径が8μmとなるように調整し、活性炭1を得た。
【0070】
得られた活性炭1について、比表面積、全細孔容積、平均細孔径および窒素含有量を測定した。結果を表1に示した。
【0071】
製造例2
活性炭原料の仕込み比を、ピッチ(大阪化成社製、「MP180」)100質量部とメチルエーテルメラミン(三和ケミカル社製、商品名「ニカラックMW−30M」)100質量部に変更したこと以外は製造例1と同様にして活性炭2を得た。得られた活性炭2について、比表面積、全細孔容積、平均細孔径および窒素含有量を測定した。結果を表1に示した。
【0072】
製造例3
活性炭原料の仕込み比を、ピッチ(大阪化成社製、「MP180」)100質量部とメチルエーテルメラミン(三和ケミカル社製、商品名「ニカラックMW−30M」)150質量部に変更したこと以外は製造例1と同様にして活性炭3を得た。得られた活性炭3について、比表面積、全細孔容積、平均細孔径および窒素含有量を測定した。結果を表1に示した。
【0073】
製造例4
活性炭原料の仕込み比を、ピッチ(大阪化成社製、「MP180」)100質量部とメチルエーテルメラミン(三和ケミカル社製、商品名「ニカラックMW−30M」)300質量部に変更したこと以外は製造例1と同様にして活性炭4を得た。得られた活性炭4について、比表面積、全細孔容積、平均細孔径および窒素含有量を測定した。結果を表1に示した。
【0074】
製造例5
活性炭原料を、縮合多環式化合物含有組成物をピッチ(大阪化成社製、「MP180」)100質量部と、窒素含有材料をウレタン(サンプラテック社製、「ウレタン」(窒素含有量約20質量%))100質量部に変更したこと以外は製造例1と同様にして活性炭5を得た。得られた活性炭5について、比表面積、全細孔容積、平均細孔径および窒素含有量を測定した。結果を表1に示した。
【0075】
製造例6
活性炭原料を、縮合多環式化合物含有組成物をピッチ(大阪化成社製、「MP180」)100質量部と、窒素含有材料をアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)樹脂(サンプラテック社製、「ABS」(窒素含有量約7質量%))100質量部に変更したこと以外は製造例1と同様にして活性炭6を得た。得られた活性炭6について、比表面積、全細孔容積、平均細孔径および窒素含有量を測定した。結果を表1に示した。
【0076】
製造例7
活性炭原料をピッチ(大阪化成社製、「MP180」)のみに変更したこと以外は製造例1と同様にして活性炭7を得た。得られた活性炭7について、比表面積、全細孔容積、平均細孔径および窒素含有量を測定した。結果を表1に示した。
【0077】
【表1】

【0078】
活性炭1〜6は、本発明の製造方法により、すなわち窒素含有材料と縮合多環式化合物とを含有する混合物を、アルカリ賦活することにより得られた活性炭である。これらの活性炭1〜6は、いずれも平均細孔径が2.0nm以上である。これに対して、活性炭原料としてピッチのみを用いた活性炭7では、平均細孔径が2.0nm未満であった。
【0079】
また、活性炭1〜4からわかるように、ピッチに対するメチルエーテルメラミンの仕込み量が増すにつれて、得られる活性炭の比表面積が増加する傾向にあることが分かる。すなわち、本発明の製造方法によれば、活性炭原料として用いる窒素含有材料と縮合多環式化合物との仕込み比を調整することにより、得られる活性炭の平均細孔径と比表面積を特率に制御することができる。
【0080】
電気二重層キャパシタ
前記で得た活性炭1〜7のいずれか1種9.0g、アセチレンブラック1.4g、カルボキシメチルセルロース1.0g、5質量%スチレンブタジエンゴム水溶液4.0gおよびイオン交換水40gを混合した。得られた混合物をアルミニウム箔に塗布した後、100℃で10分間乾燥させて電極材料層を形成した。形成された電極材料層の厚みは、50μmであった。次に、電極材料層が形成されたアルミニウム箔を直径25.4mmの円形に打抜き、荷重77MPaでプレスした。
【0081】
プレスされたアルミニウム箔を、真空下、200℃で1時間乾燥した後、窒素ガスを流通させたグローブボックス内で電解液(テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレートが1mol/Lのプロピレンカーボネート溶液)を電極材料層に真空含浸させ、電極を作製した。この電極を使用して、電解液を含浸させたセパレータ(Celgard社製「セルガード♯3501」)を2枚の電極で挟み、電極をOリングで囲繞した後、更にアルミニウム板で挟んで電気二重層キャパシタ1〜7を作製した。
【0082】
得られた電気二重層キャパシタ1〜7の質量基準静電容量、内部抵抗を測定した。結果を表2に示した。
【0083】
【表2】

【0084】
表2に示すように、本発明のメソポア活性炭の製造方法により得られた活性炭1〜6を用いた電気二重層キャパシタ1〜6は、実用レベルの質量基準静電容量、内部抵抗を有しており、活性炭1〜6が電気二重層キャパシタ用電極材料に好適であることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、メソポア領域の細孔構造を有する活性炭の製造に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均細孔径が2.0nm以上であるメソポア活性炭の製造方法であって、
窒素含有材料と縮合多環式化合物含有組成物とを含有する混合物を、アルカリ賦活することを特徴とするメソポア活性炭の製造方法。
【請求項2】
前記窒素含有材料と縮合多環式化合物含有組成物とを含有する混合物を炭化し、得られた炭化物をアルカリ賦活する請求項1に記載のメソポア活性炭の製造方法。
【請求項3】
前記窒素含有材料が、トリアジン化合物またはトリアジン樹脂である請求項1または2に記載のメソポア活性炭の製造方法。
【請求項4】
前記窒素含有材料が、メラミンもしくはその誘導体、または、メラミン樹脂である請求項1〜3のいずれか一項に記載のメソポア活性炭の製造方法。
【請求項5】
前記縮合多環式化合物含有組成物が、ピッチである請求項1〜4のいずれか一項に記載のメソポア活性炭の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法により得られたメソポア活性炭を含有することを特徴とする電気二重層キャパシタ用電極材料。
【請求項7】
請求項6に記載の電極材料から得られることを特徴とする電気二重層キャパシタ用電極。
【請求項8】
請求項7に記載の電極を備えることを特徴とする電気二重層キャパシタ。

【公開番号】特開2009−269765(P2009−269765A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−118792(P2008−118792)
【出願日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【出願人】(000156961)関西熱化学株式会社 (117)
【Fターム(参考)】