説明

メタセシス反応用触媒としての新規ルテニウム錯体

式(I)の新規メタセシス触媒、同触媒を製造する方法、及び閉環又は交差メタセシスなどのメタセシス反応におけるそれらの使用が開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式I:
【0002】
【化1】

【0003】
の新規メタセシス触媒、同触媒を製造する方法、及び閉環又は交差メタセシスなどのメタセシス反応におけるそれらの使用に関する。
【0004】
一方、ルテニウム又は他の遷移金属錯体を触媒として使用するメタセシス反応は周知であり、有機合成において広く適用されてきた(WO 2004/035596、WO 2002/14376又はEP-A 1180108を参照)。
【0005】
式:
【0006】
【化2】

【0007】
のメタセシス触媒は、2006年6月17日にインターネット上で公表されたOrganometallicsにおいて、Barbasiewiczらにより記載されている。著書らは、この触媒を、室温でのジクロロメタン中のN,N−ジアリル−4−メチルベンゼンスルホンアミドの閉環メタセシス反応において適用すると、24時間の反応時間の後、41%の1−(トルエン−4−スルホニル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピロールが形成されたことを示した。同じ条件下で再度実施してみると、その変換は非常に乏しいもので(<3%)、1%未満の1−(トルエン−4−スルホニル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピロールしか得られず、より高温の反応温度でも(トルエン中、110℃)、この触媒の活性は乏しいままであった。
【0008】
したがって、本発明の目的は、優れたメタセシス触媒を提供することである。
【0009】
驚くべきことに、窒素原子のアルファ位置での置換が、触媒の活性を著しく向上させることが見出された。
【0010】
式Iのルテニウム錯体が、閉環又は交差メタセシス反応などのメタセシス反応において有用な触媒となる可能性を有することを示すことができた。
【0011】
本発明の化合物は、式I:
【0012】
【化3】

【0013】
[式中、
Lは中性リガンドであり;
及びXは、互いに独立して、アニオンリガンドであり;
はC1−6−アルキル、ハロゲン−C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルキルカルボニル、アリール、ヒドロキシ、アリールオキシ、ニトロ、アミノ、モノ−C1−6−アルキル−もしくはジ−C1−6−アルキルアミノ、ハロゲン、チオ、C1−6−アルキルチオもしくはSO−C1−6−アルキル、SO−アリール、SOH、SO−C1−6−アルキル又はOSi(C1−6−アルキル)及びSO−NR’R”(ここで、R’及びR”は、互いに独立して、水素又はC1−6−アルキルを意味するか、あるいはR’及びR”はN原子と共に炭素環を形成する)であり;
、R、R、R及びRは、互いに独立して、水素、C1−6−アルキル、ハロゲン−C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルキルカルボニル、アリール、ヒドロキシ、アリールオキシ、ニトロ、アミノ、モノ−C1−6−アルキル−もしくはジ−C1−6−アルキルアミノ、ハロゲン、チオ、C1−6−アルキルチオもしくはSO−C1−6−アルキル、SO−アリール、SOH、SO−C1−6−アルキル又はOSi(C1−6−アルキル)及びSO−NR’R”(ここで、R’及びR”は、互いに独立して、水素又はC1−6−アルキルを意味するか、あるいはR’及びR”は、N原子と共に、炭素環を形成する)を意味し、
Yは、水素、C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル又はアリールであるか、あるいはY及びRは一緒になって、(CH=CR)−又は−(CH−架橋(ここで、nは2又は3を意味し、RはRと同義である)を形成する]を特徴とする。
【0014】
本発明は更に、式Iの化合物の調製方法及びメタセシス反応におけるその使用を含む。
【0015】
以下の定義は、本明細書の発明を記載するのに使用する種々の用語の意味と範囲を説明し、定義するために示される。
【0016】
用語「アルキル」は、単独又は他の基との組み合わせで、1〜6個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子の、分枝鎖又は直鎖一価飽和脂肪族炭化水素基を指す。この用語は更に、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、1−アダマンチル及び本明細書に具体的に例示した基などの基により例示される。
【0017】
用語「アルケニル」は、単独又は他の基との組み合わせで、2〜6個の炭素原子、好ましくは2〜4個の炭素原子の、分枝鎖又は直鎖一価不飽和脂肪族炭化水素基を指す。この用語は更に、ビニルとプロペニル、ブテニル、ペンテニル及びヘキセニルならびにそれらの異性体などの基により例示される。好ましいアルケニル基はビニルである。
【0018】
用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を指す。好ましいハロゲンは塩素である。
【0019】
用語「ハロゲン−C1−6−アルキル」は、ハロゲンにより置換されたC1−6−アルキル基(ここで、ハロゲンは上記と同義である)を指す。好ましい「ハロゲン−C1−6−アルキル」基は、CF、CHCF、CH(CF、Cなどのフッ素化C1−6−アルキル基である。
【0020】
用語「アルコキシ」は、酸素原子に結合した、1〜6個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子の、分枝鎖又は直鎖一価飽和脂肪族炭化水素基を指す。「アルコキシ」の例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ及びヘキシルオキシである。好ましいものは、本明細書で具体的に例示したアルコキシ基である。アルコキシ基のアルキル鎖は場合により、上記と同義のアルコキシ基、好ましくはメトキシ、又はエトキシ、あるいはアリール基、好ましくはフェニルにより、置換、特にモノ−、ジ−又はトリ−置換されることができる。好ましい置換アルコキシ基はベンジルオキシ基である。
【0021】
用語「アルキルカルボニル」は、C1−6−アルキルカルボニル基、好ましくはC1−4−アルキルカルボニル基を指す。それには、例えば、アセチル、プロパノイル、ブタノイル又はピバロイルが含まれる。好ましいアルキルカルボニル基はアセチルである。
【0022】
用語「アルキルチオ」は、基R’−S−(ここで、R’はC1−6−アルキル、好ましくはC1−4−アルキルである)、例えば、メチルチオ又はエチルチオを指す。好ましいものは、本明細書に具体的に例示したアルキルチオ基である。
【0023】
用語「SO−C1−6−アルキル」は、スルホニル置換C1−6−アルキル基を指す。好ましいSO−C1−6−アルキル基はSO−メチルである。
【0024】
用語「SO−アリール」は、スルホニル置換アリール基を指す。好ましいSO−アリール基はSO−フェニルである。
【0025】
用語「SO−NR’R”」は、スルホニル置換アミノ基NR’R”(ここで、R’及びR”は、互いに独立して、水素又はC1−6−アルキルを意味するか、あるいはR’及びR”は、N原子と共に、炭素環を形成する)を指す。好ましいSO−NR’R”基はSO−N(メチル)である。
【0026】
用語「OSi(C1−6−アルキル)」は、トリ−C1−6−アルキル−置換シリルオキシ基を指す。好ましくは、OSi(C1−6−アルキル)は、トリメチルシリルオキシ、トリエチルシリルオキシ及びt−ブチルジメチルシリルオキシを意味する。
【0027】
用語「モノ−又はジ−アルキル−アミノ」は、C1−6−アルキル、好ましくはC1−4−アルキルでモノ−又はジ置換されているアミノ基を指す。モノ−C1−6−アルキル−アミノ基には、例えばメチルアミノ又はエチルアミノが含まれる。用語「ジ−C1−6−アルキル−アミノ」には、例えばジメチルアミノ、ジエチルアミノ又はエチルメチルアミノが含まれる。好ましいものは、本明細書に具体的に例示したモノ−又はジ−C1−4−アルキルアミノ基である。これにより、用語「ジ−C1−6−アルキル−アミノ」が環系を含み、この環系では、2個のアルキル基が、それらが結合する窒素原子と共に、4〜7員複素環を形成し、それは、窒素、酸素又は硫黄から選択される更に1個のヘテロ原子も担持してよいことが理解される。
【0028】
用語「アミノ」及び「モノ−又はジ−アルキル−アミノ」はまた、式:−NR’R”H(式中、R’及びR”は上記と同義であり、Zは、ハロゲン化物などのアニオン、特に塩化物又はスルホン酸塩、特にメタンスルホン酸塩又はp−トルエンスルホン酸塩である)の基を包含する。
【0029】
用語「シクロアルキル」は、3〜7個の炭素原子を含む「C3−7−シクロアルキル」基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチルを示す。
【0030】
用語「アリール」は、フェニル又はナフチル基、好ましくはフェニル基に関し、それは、場合により、ハロゲン、ヒドロキシ、CN、CF,NO,NH,N(H、アルキル)、N(アルキル)、カルボキシ、アミノカルボニル、アルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、SO−アルキル、SO−アリール、SOH、SO−アルキル、SO−NR’R”、アリール及び/又はアリールオキシにより、モノ−、ジ−、トリ−又は多重置換されることができる。好ましいアリール基はフェニルである。
【0031】
用語「アリールオキシ」は、酸素原子に結合したアリール基に関する。用語「アリール」は上記と同義である。好ましいアリールオキシ基はフェニルオキシである。
【0032】
用語「ヘテロアリール」は、環中に1〜3個のヘテロ原子を含み、残りが炭素原子である複素環式アリール基に関する。適切なヘテロ原子には、酸素、硫黄、及び窒素が含まれるが、それらに制限されない。代表的なヘテロアリール基には、フラニル、チエニル、ピリジル、ピロリル、N−アルキルピロロ、ピリミジル、ピラジニル、イミダゾリル、ベンゾフラニル、キノリニル、及びインドリルが含まれる。アリール基と同様に、ヘテロアリール基は、場合により、ハロゲン、ヒドロキシ、CN、CF、NO、NH、N(H、アルキル)、N(アルキル)、カルボキシ、アミノカルボニル、アルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、SO−アルキル、SO−アリール、SOH、SO−アルキル、SO−NR’R”、アリール及び/又はアリールオキシにより、モノ−、ジ−、トリ−又は多重置換されることができる。
【0033】
リガンドLは、好ましくは、式:
【0034】
【化4】

【0035】
[式中、
及びRは、互いに独立して、C1−6−アルキル、アリール、C2−6−アルケニル又は1−アダマンチルであり、
9a−dは、互いに独立して、水素、C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル又はアリールであるか、あるいはR9b及びR9c又はR9a及びR9dは一緒になって、a−(CH−架橋を形成し;
10は、互いに独立して、C1−6−アルキル、C3−7−シクロアルキル、アリール又はヘテロアリールである]から選択される中性リガンドである。
【0036】
好ましい実施態様において、R及びRは、C1−6−アルキル、又はC1−6−アルキルで、ジ−又はトリ−置換されたフェニル基である。R及びRは、より好ましくは、t−ブチル、1−アダマンチル、イソプロピル、2,6−ジイソプロピルフェニル又は2,4,6−トリメチルフェニルを意味し、最も好ましくは2,4,6−トリメチルフェニルを意味する。
【0037】
好ましい実施態様においては、R9a及びR9cはメチル又はフェニルであり、R9b及びR9dは水素であるか、あるいはR9a及びR9c又はR9b及びR9dは、一緒になって、−(CH−架橋(ここで、nは5又は6を意味する)を形成する。これにより、キラル炭素原子が存在する場合、ラセミ及び鏡像異性体的に純粋な形態の両方が含まれることが理解される。
【0038】
更に好ましい実施態様においては、R9a−dは水素である。
【0039】
更に好ましい実施態様においては、Lは、
【0040】
【化5】

【0041】
(式中、R及びRは上記と同義である)である。
【0042】
更に好ましい実施態様においては、R10はシクロヘキシルである。
【0043】
アニオンリガンドX及びXとして、ハロゲン化物又はシアン化物、ロダン化物、シアン酸塩、イソシアン酸塩、酢酸塩又はトリフルオロ酢酸塩などの擬似ハロゲン化物を選択してもよい。X及びXとして好ましいアニオンリガンドはハロゲン化物であり、一方クロロが最も好ましいアニオンリガンドである。
【0044】
更に好ましい実施態様においては、RはC1−6−アルキル、ハロゲン−C1−6−アルキル又はアリールである。Rは、より好ましくは、メチル、トリフルオロメチル、フェニル、オルト−トリル又は2,6−ジメチルフェニルである。
【0045】
更に好ましい実施態様においては、R、R、R及びRは水素である。
【0046】
は、好ましくは、水素、ヒドロキシ、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルコキシカルボニル、ニトロ、アミノ及びハロゲンである。より好ましいRは、クロロ、ヒドロキシ、ベンジルオキシ、アミノ、ニトロ及びアセチルを表す。
【0047】
以下の化合物は、本発明の最も好ましい代表的なものを表す。
【0048】
略号:ImHMes=1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン;
ImMes=1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリリデン
【0049】
試験した触媒の表:
【0050】
【表1】

【0051】
本発明はまた、式III:
【0052】
【化6】

【0053】
(式中、X及びXは上記と同義であり、Cyはシクロヘキシルを意味し、Phはフェニルである)のRu−前駆体化合物を、式IV:
【0054】
【化7】

【0055】
(式中、R〜Rは上記と同義である)の化合物で変換することを含む、式Iの化合物の調製方法を含む。
【0056】
概して、変換は、銅塩、好ましくは塩化銅の存在下、約0℃〜60℃の温度で、トルエン、ベンゼン、テトラヒドロフラン又はジクロロメタンのような有機溶媒中で実施する。
【0057】
式IVの化合物は、例えば、F. Diederich及びP. J. Stang in 'Metal-catalyzed cross-coupling reactions' Wiley-VCH, 1998又はJ. March in 'Advanced organic chemistry' Wiley-VCH, 1992に記載された、いくつかの周知のクロスカップリング反応により、例えば、ビニルスタンナン、エチレン、ボロン酸ビニル、ビニルボラン、ビニルグリニャール試薬を用い、市販又は容易に入手可能な式Vの化合物から出発するか、あるいはWittig、 Wittig-Horner、 Wittig-Horner-Emmons、Tebbe又はPeterson条件下、市販の式VI:
【0058】
【化8】

【0059】
(式中、Zは、ハロゲン又はトリフルオロメタンスルホニルオキシであり、R〜Rは上記と同義である)のアルデヒドから出発して調製することができる。
【0060】
本発明の化合物は、メタセシス反応、特に閉環又は交差メタセシス反応において使用することができる。当業者には、反応条件を各基質に適合させなければならないことは明白であるが、概して以下の条件を適用することができる。
【0061】
閉環又は交差メタセシス反応は、通常、トルエン、キシレン、メシチレン、及びジクロロメタンなどの不活性有機溶媒中、20℃〜180℃の反応温度で実施する。触媒濃度は、普通、0.1mol%〜10mol%の範囲から選択する。
【0062】
以下の実施例は、本発明を制限することなく説明する。
【0063】
実施例
略号:ImHMes=1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン;
ImMes=1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリリデン
【0064】
試験した触媒の表:
【0065】
【表2】

【0066】
触媒の合成:実施例1〜11
【0067】
実施例1
[RuCl(ImHMes)(8−キノリニルメチレン)]
塩化メチレン40ml中の[RuCl(PCy)(ImHMes)(フェニルメチレン)](Sigma-Aldrich Inc., St. Louis, USAから市販)500mg(0.59mmol)、塩化銅60mg(0.61mmol)及び8−ビニルキノリン(G.T. Crisp, S. Papadopoulos, Aust. J. Chem. 1989, 42, 279-285に従って調製)100mg(0.64mmol)の懸濁液を、室温で90分間撹拌した。反応混合物を蒸発乾固させ、単離した粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル 2:1)により精製して、標記化合物255mg(70%)を緑色の結晶として得た。
【表3】

【0068】
実施例2
4−クロロ−2−トリフルオロメチル−8−ビニル−キノリン
エタノール40ml中の8−ブロモ−4−クロロ−2−トリフルオロメチルキノリン(Maybridge, Cornwall, UKから市販)2.00g(6.25mmol)、PdCldppfCHCl 258mg(0.31mmol)、カリウムビニルテトラフルオロボラート1.29g(9.37mmol)及びトリエチルアミン0.88ml(6.28mmol)の懸濁液を3時間加熱還流した。得られた黄色の懸濁液を濾過し、濾液を蒸発乾固させた。残留物を酢酸エチルに懸濁させ、濾過し、濾液を水で抽出した。有機層を蒸発乾固させ、単離した粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン)により精製して、標記化合物1.17g(72%)を白色の結晶として得た。
【表4】

【0069】
実施例3
[RuCl(ImHMes)((4−クロロ−2−トリフルオロメチル−8−キノリニル)メチレン)]
塩化メチレン100ml中の[RuCl(PCy)(ImHMes)(フェニルメチレン)]1.39g(1.64mmol)、塩化銅0.17g(1.80mmol)及び4−クロロ−2−トリフルオロメチル−8−ビニル−キノリン464mg(1.69mmol)の懸濁液を、30℃で90分間撹拌した。反応混合物を蒸発乾固させ、単離した粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル 5:2)により精製して、標記化合物278mg(24%)を緑色の結晶として得た。
【表5】

【0070】
実施例4
2−フェニル−8−ビニル−キノリン−4−オール
ジオキサン20ml中の8−ブロモ−2−フェニル−キノリン−4−オール(Ubichem Research Ltd, Budapest, Hungaryから市販)500mg(1.67mmol)、Pd(PPh 97mg(0.09mmol)、塩化リチウム71mg(1.67mmol)及びトリブチルビニルスタンナン528mg(1.67mmol)の懸濁液を、90℃で16時間加熱した。得られた黄色の懸濁液を濾過し、濾液を蒸発乾固させた。残留物を酢酸エチルに懸濁させ、濾過し、濾液を水で抽出した。有機層を蒸発乾固させ、単離した粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル)により精製して、標記化合物178mg(43%)を黄色を帯びた結晶として得た。
【表6】

【0071】
実施例5
[RuCl(ImHMes)((4−ヒドロキシ−2−フェニル−8−キノリニル)メチレン)]
塩化メチレン11ml中の[RuCl(PCy)(ImHMes)(フェニルメチレン)]100mg(0.12mmol)、塩化銅12mg(0.12mmol)及び2−フェニル−8−ビニル−キノリン−4−オール100mg(0.12mmol)の懸濁液を40℃で1時間撹拌した。反応混合物を蒸発乾固させ、単離した粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル 2:1)により精製して、標記化合物51mg(61%)を緑色の結晶として得た。
【表7】

【0072】
実施例6
4−クロロ−8−ビニル−キノリン
エタノール20ml中の8−ブロモ−4−クロロキノリン(Ubichem Research Ltd, Budapest, Hungaryから市販)975mg(4.02mmol)、PdCldppfCHCl 166mg(0.20mmol)、カリウムビニルテトラフルオロボラート833mg(6.00mmol)及びトリエチルアミン0.57ml(4.10mmol)の懸濁液を、3時間加熱還流した。得られた黄色の懸濁液を濾過し、濾液を蒸発乾固させた。残留物を酢酸エチルに懸濁させ、濾過し、濾液を水で抽出した。有機層を蒸発乾固させ、単離した粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル 9:1)により精製して、標記化合物207mg(27%)を白色の結晶として得た。
【表8】

【0073】
実施例7(比較のため)
[RuCl(ImHMes)((4−クロロ−8−キノリニル)メチレン)]
塩化メチレン70ml中の[RuCl(PCy)(ImHMes)(フェニルメチレン)]790mg(0.93mmol)、塩化銅95mg(0.96mmol)及び4−クロロ−8−ビニル−キノリン196mg(1.03mmol)の懸濁液を、30℃で90分間撹拌した。反応混合物を蒸発乾固させ、単離した粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル 5:2)により精製し、室温で30分間、ペンタン20mlに最終的に蒸解して、標記化合物311mg(51%)を緑色の結晶として得た。
【表9】

【0074】
実施例8
2−メチル−8−ビニル−キノリン
エタノール150ml中の8−ブロモ−2−メチルキノリン(ACB Block Ltd, Moscow, Russiaから市販)4.80g(21.60mmol)、PdCldppfCHCl 0.89g(1.10mmol)、カリウムビニルテトラフルオロボラート4.48g(32.40mmol)及びトリエチルアミン3.10ml(22.10mmol)の懸濁液を、3時間加熱還流した。得られた黄色の懸濁液を濾過し、濾液を蒸発乾固させた。残留物を酢酸エチルに懸濁させ、濾過し、濾液を水で抽出した。有機層を蒸発乾固させ、単離した粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(CHCl/酢酸エチル 98:2)により精製して、標記化合物2.68g(73%)を無色の油状物として得た。
【表10】

【0075】
実施例9
[RuCl(ImHMes)((2−メチル−8−キノリニル)メチレン)]
塩化メチレン17ml中の[RuCl(PCy)(ImHMes)(フェニルメチレン)]218mg(0.26mmol)、塩化銅26mg(0.26mmol)及び2−メチル−8−ビニル−キノリン49mg(0.29mmol)の懸濁液を、30℃で90分間撹拌した。反応混合物を蒸発乾固させ、単離した粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル 7:3)により精製し、室温で30分間、ヘキサン15mlに最終的に蒸解して、標記化合物157mg(96%)を緑色の結晶として得た。
【表11】

【0076】
実施例10
[RuCl(トリシクロヘキシルホスフィン)((4−クロロ−2−トリフルオロメチル−8−キノリニル)メチレン)]
塩化メチレン135ml中の[RuCl(PCy(フェニルメチレン)](Sigma-Aldrich Inc., St. Louis, USAから市販)3.07g(3.73mmol)、塩化銅380mg(3.84mmol)及び4−クロロ−2−トリフルオロメチル−8−ビニル−キノリン1.06g(4.10mmol)の懸濁液を、30℃で90分間撹拌した。反応混合物を蒸発乾固させ、単離した粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル 2:1)により精製し、室温で30分間、ペンタン50mlに最終的に蒸解して、標記化合物429mg(17%)を暗緑色の結晶として得た。
【表12】

【0077】
実施例11
[RuCl(ImMes)((4−クロロ−2−トリフルオロメチル−8−キノリニル)メチレン)]
塩化メチレン100ml中の[RuCl(PCy)(ImMes)(フェニルメチレン)](J. Huang, E. Stevens, S. Nolan, J. Petersen, J. Am. Chem. Soc. 1999, 121, 2674-2678に従って調製)1.30g(1.54mmol)、塩化銅0.15g(1.54mmol)及び4−クロロ−2−トリフルオロメチル−8−ビニル−キノリン435mg(1.68mmol)の懸濁液を、30℃で90分間撹拌した。反応混合物を蒸発乾固させ、単離した粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル 5:2)により精製して、標記化合物260mg(24%)を橙色の結晶として得た。
【表13】

【0078】
閉環メタセシスにおける触媒の適用:実施例12〜18
実施例12
1−(トルエン−4−スルホニル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール
トルエン5ml中のN,N−ジアリル4−メチルベンゼンスルホンアミド(S. Varray, R. Lazaro., J. Matinez, F. Lamaty, Organometallics 2003, 22, 2426-2435に従って調製)257mg(1.02mmol)及び[RuCl(ImHMes)((4−クロロ−2−トリフルオロメチル−8−キノリニル)メチレン)]19mg(0.03mmol)の溶液を110℃で撹拌した。その変換と選択性を監視するために、1時間後及び4時間後に、0.2mlのサンプルを取った。各サンプルをシリカゲルパッドで濾過し、濾液を蒸発乾固させ、GC(カラム:DB-1701;注入器:260℃;検出器:260℃;オーブン:70〜250℃/1分毎に5℃;キャリアガス:H(60kPa);保持時間:N,N−ジアリル4−メチルベンゼンスルホンアミド 15.5分、1−(トルエン−4−スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロール 24.5分、1−(トルエン−4−スルホニル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール 25.5分)により分析した。1時間後に(98%の変換)、96%の標記化合物及び2%の1−(トルエン−4−スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロール、そして4時間後に(100%の変換)、92%の標記化合物及び8%の1−(トルエン−4−スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロールが形成された。
【表14】

【0079】
実施例13(比較のため)
1−(トルエン−4−スルホニル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール
触媒として、[RuCl(ImHMes)((4−クロロ−2−トリフルオロメチル−8−キノリニル)メチレン)]の代わりに、[RuCl(ImHMes)((4−クロロ−8−キノリニル)メチレン)]17mg(0.03mmol)の存在下で実施することを除いては、実施例12と同様にして、1時間後に(7%の変換)、7%の標記化合物、そして4時間後に(15%の変換)、14%の標記化合物及び1%の1−(トルエン−4−スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロールが形成された。
【0080】
実施例14(比較のため)
1−(トルエン−4−スルホニル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール
a)触媒として、[RuCl(ImHMes)((4−クロロ−2−トリフルオロメチル−8−キノリニル)メチレン)]の代わりに、[RuCl(ImHMes)(8−キノリニルメチレン)]16mg(0.03mmol)の存在下で実施することを除いては、実施例12と同様にして、1時間後に(7%の変換)、7%の標記化合物、そして4時間後に(31%の変換)、28%の標記化合物及び3%の1−(トルエン−4−スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロールが形成された。
【0081】
b)Barbasiewiczら (Organometallics, 2006年6月17日にインターネット上で公表)に従って、ジクロロメタン17.5ml中のN,N−ジアリル4−メチルベンゼンスルホンアミド88mg(0.35mmol)及び[RuCl(ImHMes)(8−キノリニルメチレン)]11.2mg(0.018mmol)の溶液を、室温で撹拌した。その変換と選択性を監視するために、4時間後及び24時間後に、0.2mlのサンプルを取った。各サンプルをシリカゲルパッドで濾過し、濾液を蒸発乾固させ、実施例12に記載するとおり、GCにより分析した。4時間後に(2%の変換)、0.6%の標記化合物及び0.3%の1−(トルエン−4−スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロール、そして24時間後に(3%の変換)、1.5%の標記化合物及び0.5%の1−(トルエン−4−スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロールが形成された。
【0082】
実施例15
1−(トルエン−4−スルホニル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール
触媒として、[RuCl(ImHMes)((4−クロロ−2−トリフルオロメチル−8−キノリニル)メチレン)]の代わりに、[RuCl(ImHMes)((4−ヒドロキシ−2−フェニル−8−キノリニル)メチレン)]18mg(0.03mmol)の存在下で実施することを除いては、実施例12と同様にして、1時間後に(99%の変換)、98%の標記化合物及び1%の1−(トルエン−4−スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロール、そして4時間後に(100%の変換)、99%の標記化合物及び1%の1−(トルエン−4−スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロールが形成された。
【0083】
実施例16
1−(トルエン−4−スルホニル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール
触媒として、[RuCl(ImHMes)((4−クロロ−2−トリフルオロメチル−8−キノリニル)メチレン)]の代わりに、[RuCl(ImHMes)((2−メチル−8−キノリニル)メチレン)]18mg(0.03mmol)の存在下で実施することを除いては、実施例12と同様にして、1時間後に(22%の変換)、11%の標記化合物、そして4時間後に(66%の変換)、22%の標記化合物及び5%の1−(トルエン−4−スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロールが形成された。
【0084】
実施例17
1−(トルエン−4−スルホニル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール
触媒として、[RuCl(ImHMes)((4−クロロ−2−トリフルオロメチル−8−キノリニル)メチレン)]の代わりに、[RuCl(トリシクロヘキシルホスフィン)((4−クロロ−2−トリフルオロメチル−8−キノリニル)メチレン)]16mg(0.03mmol)の存在下で実施することを除いては、実施例12と同様にして、1時間後に(11%の変換)、7%の標記化合物及び1%の1−(トルエン−4−スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロール、そして4時間後に(42%の変換)、25%の標記化合物及び1%の1−(トルエン−4−スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロールが形成された。
【0085】
実施例18
1−(トルエン−4−スルホニル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール
触媒として、[RuCl(ImHMes)((4−クロロ−2−トリフルオロメチル−8−キノリニル)メチレン)]の代わりに、[RuCl(ImMes)((4−クロロ−2−トリフルオロメチル−8−キノリニル)メチレン)]20mg(0.03mmol)の存在下で実施することを除いては、実施例12と同様にして、1時間後に(53%の変換)、11%の標記化合物及び11%の1−(トルエン−4−スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロール、4時間後に(100%の変換)、54%の標記化合物及び2%の1−(トルエン−4−スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロール、そして20時間後に(100%の変換)、1%の標記化合物及び64%の1−(トルエン−4−スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロールが形成された。
【0086】
交差メタセシスにおける触媒の適用:実施例19〜20
実施例19
(E)/(Z)−ジエチル2−[3−シアノ−2−プロペニル]マロナート
トルエン5ml中のジエチルアリルマロナート100.0mg(0.48mmol)、アクリロニトリル77.4mg(1.45mmol)及び[RuCl(ImHMes)((4−クロロ−2−トリフルオロメチル−8−キノリニル)メチレン)]35.0mg(0.05mmol)の溶液を110℃で撹拌した。その変換と選択性を監視するために、3時間後及び40時間後に、0.05mlのサンプルを取った。各サンプルをシリカゲルパッドで濾過し、濾液を蒸発乾固させ、GC(カラム:HP-5、5%フェニルメチルシロキサン(Agilent 19091-413);注入器:250℃;検出器:250℃;オーブン:100〜150℃/1分毎に5℃、150℃で5分、150〜200℃/1分毎に5℃、及び200〜300℃/1分毎に20℃;キャリアガス:He(0.46bar);保持時間:ジエチルアリルマロナート 9.2分、(Z)−ジエチル2−[3−シアノ−2−プロペニル]マロナート 17.5分、及び(E)−ジエチル2−[3−シアノ−2−プロペニル]マロナート 18.8分)により分析した。3時間後に(66%の変換)、57%の標記化合物、そして40時間後に(94%の変換)、83%の標記化合物が、1:2の(E):(Z)混合物として形成された。減圧下で、溶媒を蒸発させた後、粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル 8:2)により精製して、標記化合物65.1mg(60%)を1:2の(E):(Z)混合物として得た。
【表15】

【0087】
実施例20
(E)/(Z)−ジエチル2−[3−シアノ−2−プロペニル]マロナート
触媒として、[RuCl(ImHMes)((4−クロロ−2−トリフルオロメチル−8−キノリニル)メチレン)]の代わりに、[RuCl(ImMes)((4−クロロ−2−トリフルオロメチル−8−キノリニル)メチレン)]34.9mg(0.05mmol)の存在下で実施することを除いては、実施例19と同様にして、19時間後に(80%の変換)、48%の標記化合物、そして40時間後に(87%の変換)、49%の標記化合物が、1:2の(E):(Z)混合物として形成された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化9】


[式中、
Lは中性リガンドであり;
及びXは、互いに独立して、アニオンリガンドであり;
はC1−6−アルキル、ハロゲン−C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルキルカルボニル、アリール、ヒドロキシ、アリールオキシ、ニトロ、アミノ、モノ−C1−6−アルキル−もしくはジ−C1−6−アルキルアミノ、ハロゲン、チオ、C1−6−アルキルチオもしくはSO−C1−6−アルキル、SO−アリール、SOH、SO−C1−6−アルキル又はOSi(C1−6−アルキル)及びSO−NR’R”(ここで、R’及びR”は、互いに独立して、水素又はC1−6−アルキルを意味するか、あるいはR’及びR”はN原子と共に炭素環を形成する)であり;
、R、R、R及びRは、互いに独立して、水素、C1−6−アルキル、ハロゲン−C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルキルカルボニル、アリール、ヒドロキシ、アリールオキシ、ニトロ、アミノ、モノ−C1−6−アルキル−もしくはジ−C1−6−アルキルアミノ、ハロゲン、チオ、C1−6−アルキルチオもしくはSO−C1−6−アルキル、SO−アリール、SOH、SO−C1−6−アルキル又はOSi(C1−6−アルキル)及びSO−NR’R”(ここで、R’及びR”は、互いに独立して、水素又はC1−6−アルキルを意味するか、あるいはR’及びR”は、N原子と共に、炭素環を形成する)を意味し、
Yは、水素、C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル又はアリールであるか、あるいはY及びRは一緒になって、(CH=CR)−又は−(CH−架橋(ここで、nは2又は3を意味し、RはRと同義である)を形成する]の化合物。
【請求項2】
Lが、
【化10】


[式中、
及びRは、互いに独立して、C1−6−アルキル、アリール、C2−6−アルケニル又は1−アダマンチルであり、
9a−dは、互いに独立して、水素、C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル又はアリールであるか、あるいはR9b及びR9c又はR9a及びR9dは一緒になって、a−(CH−架橋を形成し;
10は、互いに独立して、C1−6−アルキル、C3−7−シクロアルキル、アリール又はヘテロアリールである]から選択される中性リガンドである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Lが、
【化11】


(式中、R及びRは上記と同義である)である、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
及びRが、2,4,6−トリメチルフェニルである、請求項2又は3に記載の化合物。
【請求項5】
及びXが、互いに独立して、ハロゲンである、請求項1〜4に記載の化合物。
【請求項6】
及びXが、クロロである、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
が、C1−6−アルキル、ハロゲンC1−6−アルキル又はアリールである、請求項1〜6に記載の化合物。
【請求項8】
が、メチル、トリフルオロメチル、オルト−トリル、2,6−ジメチルフェニル又はフェニルである、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
が、水素、ヒドロキシ、C1−6−アルコキシ、ニトロ、アミノ及びハロゲンである、請求項1〜8に記載の化合物。
【請求項10】
、R、R及びRが水素である、請求項1〜9に記載の化合物。
【請求項11】
式III:
【化12】


(式中、X及びXは上記と同義であり、Cyはシクロヘキシルを意味し、Phはフェニルである)のRu−前駆体化合物を、式IV:
【化13】


(式中、R〜Rは上記と同義である)の化合物で変換することを含む、請求項1〜10に記載の式Iの化合物の調製方法。
【請求項12】
メタセシス反応における、請求項1〜11に記載の式Iの化合物の使用。
【請求項13】
閉環メタセシス反応における、請求項12に記載の式Iの化合物の使用。
【請求項14】
交差メタセシス反応における、請求項12に記載の式Iの化合物の使用。
【請求項15】
本明細書に記載の発明。

【公表番号】特表2009−541414(P2009−541414A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−517106(P2009−517106)
【出願日】平成19年6月18日(2007.6.18)
【国際出願番号】PCT/EP2007/055995
【国際公開番号】WO2008/000644
【国際公開日】平成20年1月3日(2008.1.3)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】