メタ情報生成装置及びプログラム
【課題】メタ情報生成装置及びプログラムにおいて、監視対象の状況に応じてセンサ情報から監視対象の位置に関するメタ情報を生成することを目的とする。
【解決手段】複数のセンサノードからのセンサ情報が入力され、互いに異なるアルゴリズムに従ってセンサ情報を処理することで同質のメタ情報を生成する複数のメタ情報生成モジュールと、複数のメタ情報生成モジュールからのメタ情報が入力され、あるアルゴリズムに従ってメタ情報を処理することで最尤なメタ情報を生成するメタ情報統合モジュールと、最尤なメタ情報を蓄積するデータベースを備え、センサ情報は監視対象の情報を含み、メタ情報は監視対象の位置情報を含むように構成する。
【解決手段】複数のセンサノードからのセンサ情報が入力され、互いに異なるアルゴリズムに従ってセンサ情報を処理することで同質のメタ情報を生成する複数のメタ情報生成モジュールと、複数のメタ情報生成モジュールからのメタ情報が入力され、あるアルゴリズムに従ってメタ情報を処理することで最尤なメタ情報を生成するメタ情報統合モジュールと、最尤なメタ情報を蓄積するデータベースを備え、センサ情報は監視対象の情報を含み、メタ情報は監視対象の位置情報を含むように構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メタ情報生成装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のセンサが検知したセンサ情報からコンテキスト或いはメタ情報を生成するメタ情報生成装置が知られている。生成されたメタ情報は、例えばビルのメンテナンス、病院の患者管理などに利用できる。ビルのメンテナンスには、例えば空調の管理及び制御などが含まれる。一方、病院の患者管理には、例えば患者の容体又は姿勢の管理などが含まれる。
【0003】
しかし、センサの種類及び数が増大するに伴い、膨大な量のセンサ情報を処理する必要が生じ、信頼性の高いメタ情報を比較的簡単なシステム構成で生成することは難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2003−527713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のメタ情報生成装置では、監視対象であるユーザの状況に応じてセンサ情報からユーザの位置などに関するメタ情報を生成することは難しいという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、監視対象の状況に応じてセンサ情報から監視対象の位置などに関するメタ情報を生成することのできるメタ情報生成装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一観点によれば、複数のセンサノードからのセンサ情報が入力され、互いに異なるアルゴリズムに従って前記センサ情報を処理することで同質のメタ情報を生成する複数のメタ情報生成モジュールと、前記複数のメタ情報生成モジュールからのメタ情報が入力され、あるアルゴリズムに従って前記メタ情報を処理することで最尤なメタ情報を生成するメタ情報統合モジュールと、前記最尤なメタ情報を蓄積するデータベースを形成する記憶部を備え、前記センサ情報は監視対象の情報を含み、前記メタ情報は前記監視対象の位置情報などを含むことを特徴とするメタ情報生成装置が提供される。
【0008】
本発明の一観点によれば、コンピュータにメタ情報を生成させるプログラムであって、複数のセンサノードからのセンサ情報が入力され、互いに異なるアルゴリズムに従って前記センサ情報を処理することで同質のメタ情報を生成する複数のメタ情報生成モジュールと、前記複数のメタ情報生成モジュールからのメタ情報が入力され、あるアルゴリズムに従って前記メタ情報を処理することで最尤なメタ情報を生成するメタ情報統合モジュールとして前記コンピュータを機能させ、前記最尤なメタ情報をデータベースを形成する記憶部に蓄積し、前記センサ情報は監視対象の情報を含み、前記メタ情報は前記監視対象の位置情報などを含むことを特徴とするプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
開示のメタ情報生成装置及びプログラムによれば、監視対象の状況に応じてセンサ情報から監視対象の位置に関するメタ情報を生成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施例におけるメタ情報生成装置の一例を示す図である。
【図2】メタ情報生成モジュール群の各メタ情報生成モジュールが購読する情報の種類の一例を示す図である
【図3】メタ情報を生成する情報処理の一例を説明する図である。
【図4】フィードバックループを持つシステムの一例を示す図である。
【図5】付加されるタイムスタンプ及び情報の信頼度を、メタ情報と共に示す図である。
【図6】オフィス内のセンサノード及びメタ情報生成装置の構成、及びオフィスデスクのレイアウトの一例を説明する図である。
【図7】オフィス内のオフィスワーカに関するメタ情報生成処理を説明する図である。
【図8】Client-Server方式の通信部を用いたメタ情報生成装置の一例を示す図である。
【図9】病院内のメタ情報生成装置の構成とベッドなどのレイアウトの一例を説明する図である。
【図10】本発明の他の実施例におけるメタ情報生成装置の一例を示す図である。
【図11】転落検知モジュールの動作の一例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
開示のメタ情報生成装置及びプログラムでは、複数のセンサノードからのセンサ情報が入力され、互いに異なるアルゴリズムに従ってセンサ情報を処理することで複数のメタ情報生成モジュールが同質のメタ情報を生成することを許容する。複数の同質又は異質のメタ情報生成モジュールからのメタ情報が入力され、あるアルゴリズムに従ってメタ情報を処理することでメタ情報統合モジュールが最尤なメタ情報を生成する。最尤なメタ情報は、データベースに蓄積される。センサ情報は監視対象の情報を含み、メタ情報は監視対象の位置情報を含む。
【0012】
以下に、開示のメタ情報生成装置及びプログラムの各実施例を図面と共に説明する。
【実施例】
【0013】
図1は、本発明の一実施例におけるメタ情報生成装置の一例を示す図である。図1に示すメタ情報生成装置100は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサと記憶部を備えた汎用のコンピュータシステムで形成可能である。CPUが記憶部に格納されたプログラムを実行することで、コンピュータシステムをメタ情報生成装置として機能させ、メタ情報生成処理が実行される。記憶部は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体で形成可能であり、後述する各種データベースを含んでも良い。記憶部は、複数の記憶装置で形成されていても良いことは言うまでもない。
【0014】
この例では、メタ情報生成装置100を構成するモジュール間のメッセージ通信にはパブリッシュ・サブスクライブ(Publish-Subscribe)方式のメッセージ通信部を使用し、以下の説明ではPub/Subと記述する。Pub/Sub(出版購読型)メッセージングモデルは、メッセージを送信する出版側(Publisher)と、メッセージを受信する購読側(Subscriber)のモジュール間でメッセージを送受信するためのメッセージングモデルである。Pub/Subの具体的な実装としては、JMS(Java(登録商標) Message Service)がある。Pub/Subメッセージングモデルでは、メッセージの送信側(Publisher)は特定の受信側(Subscriber)を想定せずにメッセージを送信する。又、 受信側も指定したメッセージのみを受信し、送信側についての知識を持たない。このようにPub/Subモデルはメッセージの送信側と受信側の結合度合いが低いため、Publisher又はSubscriberの追加が容易であり、メタ情報生成装置100を動的に構成できる。メタ情報生成装置100では、抽出したいメタ情報(又は、コンテキスト)を後から追加する場合、必要なセンサの種類を増やしたり、センサ情報を受信してメタ情報を生成するモジュールを増やしたりしたい場合がある。Pub/Subモデルを使うことでスケーラブル、且つ、動的にメタ情報生成装置100を構成することができる。
【0015】
図1では、例えばセンサノード群101の各センサノード1〜N(Nは2以上の自然数)からセンサ情報がPublishされる。図2は、メタ情報生成モジュール群102の各メタ情報生成モジュール2−1〜2−M(Mは2以上の自然数)が購読(Subscribe)する情報の種類の一例を示す図である。購読する情報の種類は、複数種類のオン(On)又はオフ(Off)(オン/オフ)イベントの組み合わせを含むオン/オフ情報、時系列信号などの連続量の情報、アプリオリ(事前)情報、過去データ及び/又は過去データからマイニング(mining)された情報、及び上記情報の組み合わせを含む。アプリオリ情報は、アプリオリデータベース111に蓄積されている。
【0016】
オン/オフ情報の具体例には、例えばPC(Personal Computer)キーロガー(Keylogger)が反応した/反応しなくなったこと、近接センサがオン/オフであることなどの情報が含まれる。連続量の情報には、例えば加速度センサなど時系列信号をサンプリングしたセンサ情報、マイクロホンで収集した時系列の音声信号をサンプリングしたデータ、カメラで撮影した動画などが含まれる。アプリオリ情報には、例えば建物の構造情報、オフィスにおける机や棚などのレイアウト情報、通路が直線、或いは、通路Aと通路Bは交差しているなどの情報、及びスケジュールなどを含む。過去データ及び/又は過去データからマイニング(mining)された情報の一例として、時刻tから時刻t+α(α>0)の間にユーザが居た場所、あるユーザがよく利用する移動経路などがある。
【0017】
図1に示すメタ情報クラスC1には、メタ情報生成モジュール群102及びメタ情報統合モジュール104が含まれる。又、メタ情報クラスC2には、メタ情報生成モジュール22−1〜22−K(Kは2以上の自然数)及びメタ情報統合モジュール124が含まれる。
【0018】
メタ情報生成モジュール群102は、センサ情報を、あるルール又はアルゴリズムに従って処理することでメタ情報を生成し、生成したメタ情報をpublishする機能を有する。各メタ情報生成モジュール2−1〜2−Mに入力されるセンサ情報の組み合わせは異なっても良い。又、各メタ情報生成モジュール2−1〜2−Mで用いるルール又はアルゴリズムは互いに異なる。メタ情報を生成する情報処理の一例を図3と共に説明する。図3は、メタ情報を生成する情報処理の一例を説明する図である。図3は、Subscribeする情報の種類がオン/オフ情報、連続量の情報、オン/オフ情報と連続量の組み合わせ、アプリオリな情報とオン/オフ情報の組み合わせ、及びマイニングされた情報の場合の処理方法とその具体例を示す。例えば、Subscribeする情報の種類がオン/オフ情報の場合、処理方法はオン/オフに対応する情報をPublishする。この処理方法の具体例は、PCキーロガーの反応オンのときは該当PCの位置を、そのPCを使用する権限を有するユーザの現在位置として、その位置にユーザが居る尤度(もしくは確度)を1.0とする情報を出力する。PCキーロガーの反応がオフのときがm該当PCの位置にユーザが居る尤度を0.0とする情報を出力する。この例では、尤度は0.0から1.0の範囲の実数値で表わしているが、百分率など別の表現でも良い。
【0019】
同質のメタ情報を出力するメタ情報生成モジュール2−1〜2−Mは、1つのメタ情報クラスC1として扱う。メタ情報クラスC1内の各メタ情報生成モジュール2−1〜2−Mの出力は、メタ情報統合モジュール104に入力される。メタ情報統合モジュール104では、あるルール又はアルゴリズムに基づき、各メタ情報生成モジュール2−1〜2−Mの出力を用いて最尤なメタ情報を生成する。
【0020】
別のメタ情報生成モジュール133,132、又は、メタ情報生成モジュール131,132をカスケードに接続し、更に上位のメタ情報を生成してコンテキストデータベース105に蓄積するようにしても良い。
【0021】
メタ情報生成モジュール同士の結合により、図4に示すようにフィードバックループを構成することがある。図4は、フィードバックループを持つシステムの一例を示す図である。フィードバックループが構成されると、フィードバック情報が入力されるメタ情報生成モジュールでは、メタ情報の推定が不安定になる場合がある。以下に、図4を用いてこのような場合の具体例を説明する。
【0022】
図4において、モジュール1004には、GPS(Global Positioning System)などの無線による測位システム(センサノード)1001から、ある監視対象のユーザの位置情報(例えば、x,y座標)が入力される。この測位システム1001は、観測誤差を含み、例えば10mの観測誤差を持つ。一方、モジュール1005は、ユーザが通過したことを検知する通過検知センサ1002及びユーザの動き(モーション)を検知するモーションセンサ内蔵のスマートホン(Smartphone)上で計算された歩行者(ユーザ)デッドレコニング(Pedestrian (User) Dead Reckoning)情報が入力され、モジュール1005で推定された監視対象のユーザの測位結果は1mの誤差精度で得られる。モジュール1004は、無線測位システムに基づく大域的位置の判定(即ち、トラッキング処理)を行い、出力をモジュール1006に入力する。モジュール1005は、通過センサ1002とデッドレコニング1003に基づく大域的位置の判定を行い、出力をモジュール1006に入力する。この例では、モジュール1004では1秒周期で処理が行われ、モジュール1005では10秒周期と、モジュール1004と比べて長周期の間隔で処理が行われる。
【0023】
モジュール1006がモジュール1005の出力をユーザの確定位置として出力すると、このユーザの確定位置の出力がモジュール1004にフィードバックされる。モジュール1004に、モジュール1006からフィードバックされた情報と、センサノード1001からの情報が入力された場合、どちらの入力情報もユーザの位置情報(例えば、x,y座標)である。このとき、センサノード1001の出力は最新時刻の情報ではあるが10mの誤差があり、一方でモジュール1006の出力はある時刻において最も精度が高いが、センサノード1001の情報よりは古い。このため、モジュール1004では、どの情報を使えば最も信頼性の高いメタ情報を推定できるかが課題となる。そこで、本実施例では、モジュールが出力するメタ情報に、タイムスタンプ及び情報の信頼度を付加する。
【0024】
図5は、付加されるタイムスタンプ及び情報の信頼度を、メタ情報と共に示す図である。図5において、タイムスタンプはメタ情報を生成した時刻を示す。情報の信頼度は、その情報の信頼度(例えば、尤度、確信度、誤差分布など)を示す。出力される(Publish)されるメタ情報(又は、コンテキスト)は、目的のメタ情報である。
【0025】
同種の情報が入力としてフィードバックされる場合、以下の処理を行う。図4のモジュール1004の場合であれば、センサノード1001とモジュール1006からはユーザの座標xyが入力される。先ず、タイムスタンプを比較し、フィードバックされた情報が現在時刻より閾値以上古い場合はフィードバック情報を使わず、センサノード1001の情報を利用する。一方、フィードバックされた情報が現在時刻から閾値未満の場合、情報の信頼度を比較して信頼度の高い方を採用するか、或いは、信頼度を重みとして加重平均を取ること等の処理を行う。
【0026】
生成されたメタ情報は、コンテキスト(又は、メタ情報)データベース105に蓄積されたり、メタ情報(コンテキスト)を利用するアプリケーション106で使用されたりする。又、コンテキストデータベース105に蓄積されたメタ情報に、データマイニングエンジン112においてデータマイニング処理を施して別のメタ情報(又は、コンテキスト)を抽出し、抽出したメタ情報(又は、コンテキスト)を subscriberで利用する。データマイニングエンジン112で抽出したメタ情報(又は、コンテキスト)は、マイニングデータデータベース113に蓄積しても良い。
【0027】
次に、オフィスワーカ(Office Worker)について、オフィスワーカの位置、会話しているなどの行動、会議中などのオフィスワーカの業務の状態などを検知する場合の一例を説明する。以下の説明では、オフィスワーカのことをユーザと呼ぶ。図6は、オフィス内のセンサノード及びメタ情報生成装置の構成、及びオフィスデスクのレイアウトの一例を説明する図である。図6中、(a)はオフィス内のセンサノード及びメタ情報生成装置の構成を示し、(b)はオフィス内のレイアウトを示す。
【0028】
図6(a)において、ユーザ200は携帯端末201を携帯している。携帯端末201は、Wi-Fi(Wireless Fidelity,登録商標)、Bluetooth(登録商標)などの通信機能を持ち、センサノードに相当する加速度センサやジャイロセンサなどのモーションセンサ、マイクロホンを内蔵している。携帯端末201は、無線LAN(Local Area Network)アクセスポイント211及びネットワーク210を介してサーバ206に接続される。図6(b)に示すように、ユーザAは自席でPC202を業務で使用し、このユーザAのPC202の設置場所は固定であり既知であるものとする。PC202は、ネットワーク210を介してサーバ206に接続される。また、会議室215や会議卓にBluetoothアンカー205が夫々設置されている。
【0029】
図7は、図6のオフィス内のオフィスワーカに関するメタ情報生成処理を説明する図である。ユーザAが図6(b)の自席でPC102を操作している場合、PCキーロガーが反応したという情報が図7のセンサノード301からPublishされる。そのPublishされた情報をモジュール305がSubscribeして、キーロガーが反応したという情報を、ユーザAが自席に居るという位置情報に変換する。また、ユーザが携帯する携帯端末201がPC102のBluetoothアダプタを検知し、RSSI(Received Signal Strength Indicator)の計測値を出力する。このとき、PC102に接続されセンサノードに相当する人感センサも反応し、PC102の前に人が居るという位置情報を出力する。
【0030】
モジュール305から307は夫々のロジックに従い、センサ情報をメタ情報であるユーザAの位置に変換して出力する。モジュール308では、モジュール305,306,307の出力のうち、尤度が高い位置情報が選択される。ユーザAが自席に居るがPC102を操作してない場合は、モジュール306のみが位置情報を出力する。その結果、モジュール308はユーザAが自席に居ると判定する。又、ユーザAが会議室215に移動した場合、ユーザAが携帯する携帯端末201が会議室215のBluetoothアンカー205を検知し、モジュール307がユーザAは会議室215に居ると判定する。このようにして、ユーザの状況に合わせて利用可能なセンサからユーザの位置、即ち、メタ情報を推定することができる。
【0031】
図7の例では、モジュール305の出力は、ユーザAの位置が自席であり、尤度が1.0であることを示す。モジュール306の出力は、ユーザAの位置が自席であり、尤度が0.8であることを示す。モジュール307の出力は、ユーザAの位置が会議室215であり、尤度が0.7であることを示す。モジュール308の出力は、ユーザAの最も尤度の高い位置及び尤度を示す情報を出力する。
【0032】
又、モジュール310では、ユーザA,B夫々の位置情報を使い、2人とも会議室215に居れば会議に参加していると判定する。このように、センサ情報から生成されたメタ情報(位置情報)を使い、更なるメタ情報を生成できる。
【0033】
モジュール311では、ユーザA,Bの位置情報、及び発話の検知情報から、2人が会話しているかどうかを判定する。これにより、「会話しているかどうか」という、センサでは直接観測できない状態を推定することができる。
【0034】
モジュール309には、センサノードからのセンサ情報に基づいてユーザBの位置情報クラスが生成されて出力される。モジュール309は、尤度が最も高い最新の位置情報をユーザBの位置情報と判定する。
【0035】
モジュール310又はモジュール311の出力情報は、ユーザコンテキストデータベース312に蓄積しても良い。ユーザコンテキストデータベース312内の位置情報などは、位置可視化アプリケーション313からの検索(Query)に対して読み出されて応答(Reply)されても良い。
【0036】
上記実施例では、Publish-Subscribe方式のメッセージ通信部(Pub/Sub)を用いているが、変形例では例えばクライアント・サーバ(Client-Server)方式の通信部を用いても良いことは言うまでもない。図8は、Client-Server方式の通信部を用いたメタ情報生成装置の一例を示す図である。図8中、センサノード2001〜2003は図7のセンサノード301〜303に相当し、モジュール2004〜2007は図7のモジュール305〜308に相当するので、これらの動作の説明は省略する。図8に示すように、通信部Pub/Subの代わりに通信部Client/Serverが設けられるので、1つのServerに対して1つのClient、即ち、1つのユニークな通信ポートを設ける必要がある。このため、図8において追加モジュール2008を追加で設ける場合、追加モジュール2008用にモジュール2007つのユニークな(即ち、専用の)通信ポート(Client)を設ける必要がある。
【0037】
これに対し、Pub/Sub方式のメッセージ通信部を用いる上記実施例では、新たなセンサの追加、メタ情報推定モジュールの追加が上記変形例と比較して容易であり、拡張性に優れている。Pub/Subを用いた場合と、用いずにメタ情報生成装置を構成したときの比較を以下に説明する。
【0038】
(1)モジュール同士のネットワークの構成の容易性
Client/Server方式の場合、論理的なネットワークを決めた後、それに従って物理的な接続を作る必要がある。つまり、2つのモジュール間のClient/Serverを構成する必要がある。又、サーバのネットワーク上の位置(例えば、サーバアドレス)を把握してプログラミングを行う必要がある。
【0039】
これに対し、Pub/Sub方式の場合、各Subscriberが購読するメッセージを定義すれば良く、各Publisherがどのようなメッセージを出力しているかを意識する必要がない。つまり、カスケード/フィードバック接続などの論理的な接続関係を決めた後、各モジュールがPub/Subするメッセージを定義すれば良い。又、SubscriberはPublisherのネットワーク上の位置を気にせずにメッセージを受信できる。即ち、Publisherのある計算機のアドレスを知る必要が無いので、計算機のアドレス、台数を気にせずに、分散システムの構築が容易となる。
【0040】
(2)モジュールの拡張性
Client/Server方式の場合、1つのServerにつき1つのユニークな通信ポートを割り当てる必要がある。このため、モジュールが増えてくるとポートの管理が複雑になる。又、モジュール(Server)を追加する度に、それと接続するClientとの通信プロトコルを決める必要がある。例えば、図8においてモジュール2008を追加すると、モジュール2007との通信プロトコルを新たに決める必要が生じる。
【0041】
これに対し、Pub/Sub方式の場合、センサノードを追加する場合、そのノードからネットワーク上に流れるメッセージ(Publish情報)を追加すれば良い。メタ情報生成モジュールを追加する場合、そのモジュールが購読するメッセージを定義し、そのモジュールから出版されるメッセージを追加すれば良い。従って、システム設計者又は開発者は、Client/Serverのようなポートのリソース管理をする必要がない。
【0042】
(3)メッセージの優先度及び有効期限の設定
Client/Server方式の場合、Serverが送信した順番でClientはメッセージを受信する。複数のServerからのメッセージに優先度をつけて処理したい場合や有効期限を設定したい場合、開発者は自分でプログラムを書く必要がある。
【0043】
これに対し、Pub/Sub方式の場合、Subscriberは処理するメッセージの優先度や有効期限を設定できる。例えば、現在時刻からある閾値以上古い情報は使わないなどの処理を、Subscriberにおける設定だけで行える。
【0044】
次に、本発明の他の実施例におけるメタ情報生成装置の一例を図9以降と共に説明する。この例では、病院において、患者がベッドから転落したことを検知し、患者の近くに居る手の空いている看護師に警告を通知する。
【0045】
図9は、病院内のメタ情報生成装置の構成とベッドなどのレイアウトの一例を説明する図である。病院600において、サーバ(計算機)602及び通信装置603はネットワーク601を介して接続されている。通信装置603は、センサ情報アップローダ607、看護師613(A)の携帯端末612、及び看護師617(B)の携帯端末616と通信可能である。病室610には入院患者109(α)が入院している。病室610内には複数(2個のみ図示)の測距センサ604、マットセンサ605、動き検知型人感センサ606、センサ情報アップローダ607、及び病床ベッド608が設けられている。この例では、Bluetoothアンカー611が設置された場所614に携帯端末612を携帯した看護師Aがおり、赤外線(IR:Infra-Red)通信アンカー615が設置された場所618に携帯端末616を携帯した看護師Bがいるものとする。
【0046】
図10は、本発明の他の実施例におけるメタ情報生成装置の一例を示す図である。図10に示すメタ情報生成装置700は、CPU等のプロセッサと記憶部を備えた汎用のコンピュータシステムで形成可能である。CPUが記憶部に格納されたプログラムを実行することで、コンピュータシステムをメタ情報生成装置として機能させ、メタ情報生成処理が実行される。記憶部は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体で形成可能であり、後述する各種データベースを含んでも良い。記憶部は、複数の記憶装置で形成されていても良いことは言うまでもない。この例では、メタ情報生成装置700を構成するモジュール間のメッセージ通信にはパブリッシュ・サブスクライブ(Publish-Subscribe)方式のメッセージ通信部を使用するものとするが、Client/Server方式を使用しても良い。
【0047】
図9において、患者αがベッド608から転落したとする。この場合、ベッド608から転落したときの動きに反応し、人感センサ606がオンになる。ことのき、ベッド608下方に設置している測距センサ604は患者αまでの距離を出力する。以上のセンサ情報が夫々のセンサ(即ち、センサノード)701〜704からPublishされ、転落検知モジュール713がSubscribeする。センサノード701,702は測距センサ604の情報をPublishし、センサノード703はマットセンサ605の情報をPublishし、センサノード704は人感センサ606の情報をPublishする。転落検知モジュール713では、例えば図11に示すような手順に従って、患者αがベッド608から転落したか否かを判定する。
【0048】
図11は、転落検知モジュールの動作の一例を説明するフローチャートである。図11において、ステップS1は、人感センサ606がオンであるかを判定し、判定結果がYESであると、ステップS2はマットセンサ609がオンであるか否かを判定する。ステップS2の判定結果がYESであると、ステップS3は、マットセンサ609の連続オン時間が閾値以上であるか否かを判定する。ステップS3の判定結果がYESであると、ステップS4は、複数の測距センサ604の何れかの計測値が閾値以下であるか否かを判定する。ステップS4の判定結果がYESであると、ステップS5は、測距センサ604の連続反応時間が閾値以上であるか否かを判定する。ステップS1〜S5のいずれかの判定結果がNOであると、処理はステップS1へ戻る。一方、ステップS5の判定結果がYESであると、ステップS6は、患者がベットから転落したというメタ情報をPublishし、処理は終了する。
【0049】
尚、転落検知モジュール713の処理で用いるルールは、図11のルールに限定されない。転落時のセンサノード701〜704からのセンサ情報の出力パターンをセンサログ718に蓄積しておき、センサログ718から転落パターン分析モジュール719で転落時のセンサ出力パターンを抽出し、そのセンサ出力パターンに基づく転落判定法を転落検知モジュール713に実装しても良い。例えば、ベイジアン(Bayesian)ネットワークや隠れマルコフモデル(HMM:Hidden Markov Model)で転落時のセンサ出力をモデル化しておき、状態遷移確率を学習する方法を用いても良い。
【0050】
以上の方法で転落検知モジュール713でPublishされた患者がベットから転落したというメタ情報は、コンテキストデーターベース720にSubscribe される。コンテキストデータベースは患者がベットから転落したというメタ情報をSubscribeすると直ちに転落警告アプリケーション721に通知する(Notify)。転落警告アプリケーション721は、患者がベットから転落したという通知を受けると、コンテキストデータベース720に対して、手が空いていてかつ転落した患者αに最も近い看護師を検索する(Query)。
【0051】
看護師Aが携帯している携帯端末612、或いは、看護師Bが携帯している携帯端末616は、看護師A又はBが環境に設置されているBluetoothアンカー611又はIRアンカー615の検出エリアに入ると、アンカーを検知する機能を有している。携帯端末612は、アンカー検知情報をpublishするpublisherが実装されたセンサノード705を含む。各アンカーの設置位置は既知であり、看護師A,Bの位置推定モジュール714,716はその既知の設置位置の情報を参照できる。又、携帯端末612,616は、加速度センサやジャイロセンサなど、看護師A,Bの動きを捉えるセンサを内蔵しており、これらのセンサ情報から看護師A,Bの活動の度合い(活動量)を測ったり、歩行動作による移動量をデッドレコニング(慣性航法)で測ったりする機能を有している。携帯端末612は、デッドレコニングによる移動量をPublishするPublisherが実装されたセンサノード706と、看護師Aの活動量をPublishするPublisherが実装されたセンサノード707を含む。
【0052】
本実施例では、看護師A,Bの位置は次のように推定される。位置推定モジュール714はセンサノード705からアンカー検知イベント、及びセンサノード706から移動量をSubscribeする。位置推定モジュール714は、設置位置が既知であるアンカーの情報を参照する機能を有している。通常、デッドレコニングで得られる移動量は相対移動量なので、位置推定モジュール714ではアンカー検知イベントを検出した場合にその位置を起点として、デッドレコニングによる相対移動量を加算して現在の位置を求める。推定された位置はコンテキストデータベース720にSubscribeされ、看護師Aの位置情報がデータベースに登録される。
【0053】
看護師Aの手が空いているかどうか(Busy/Available)は、状態判別モジュール715で判断される。ここでは看護師Aについて説明する。状態判別モジュール715は、看護師Aの位置を位置推定モジュール714から、看護師Aの活動量をセンサノード707から、また看護師Aのスケジュールをスケジューラ708から夫々Subscribeする。状態判別モジュール715が、位置推定モジュール714から看護師Aの位置が患者βの病室であることをSubscribeし、スケジュール708から現在時刻は患者βに対する看護が予定されていることをSubscribeし、センサノード707から活動量が高いことをSubscribeしたとする。この場合、状態判別モジュール715は看護師Aが患者βに対して看護をしている、つまり手が空いていないと判定し、看護師Aの状態はBusyであることをPublishする。コンテキストデーターベース720はこの情報をSubscribeし、看護師Aの状態をBusyと設定する。
【0054】
看護師Bは現在廊下を移動しており、看護スケジュールが予定されていない場合、状態判別モジュール717は看護師Bの手が空いていると判定し、看護師Bの状態はAvailable であることをPublishする。コンテキストデーターベース720はこの情報をSubscribeし、看護師Bの状態をAvailableと設定する。
【0055】
転落警告アプリケーション721は、コンテキストデータベース720から患者が転落したイベントの通知を受けた場合、直ちに看護師の位置と状態をコンテキストデータベース720に問い合わせる(Query)。コンテキストデータベース720は、Availableな看護師とその位置を転落警告アプリケーション721に応答する(Reply)。転落警告アプリケーション721は応答にあった看護師の中から転落した患者に一番位置の近い看護師を選択し、その看護師の携帯端末に対して患者が転落したアラームを通知する。
【0056】
尚、看護師Bの携帯端末616は、デッドレコニングによる移動量をPublishするPublisherが実装されたセンサノード710と、看護師Bの活動量をPublishするPublisherが実装されたセンサノード711を含む。看護師Bのスケジュールは、スケジューラ712からPublishする。これらの看護師Bに関連するセンサノード710〜711及びスケジューラ712は、看護師Aに関連する上記センサノード706〜708と同様の構成で良いため、その説明は省略する。
【0057】
以上の実施例を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
複数のセンサノードからのセンサ情報が入力され、互いに異なるアルゴリズムに従って前記センサ情報を処理することで同質のメタ情報を生成する複数のメタ情報生成モジュールと、
前記複数のメタ情報生成モジュールからのメタ情報が入力され、あるアルゴリズムに従って前記メタ情報を処理することで最尤なメタ情報を生成するメタ情報統合モジュールと、
前記最尤なメタ情報を蓄積するデータベースを形成する記憶部を備え、
前記センサ情報は監視対象の情報を含み、前記メタ情報は前記監視対象の位置情報を含むことを特徴とする、メタ情報生成装置。
(付記2)
前記複数のメタ情報生成モジュールは、第1のセンサ情報が入力されタイムスタンプ及び情報の信頼度を付加した第1のメタ情報を生成する第1のメタ情報生成モジュールと、第2のセンサ情報が入力されタイムスタンプ及び情報の信頼度を付加した第2のメタ情報を生成する第2のメタ情報生成モジュールを有し、
前記第1及び第2のメタ情報から前記監視対象の確定位置の情報を生成して出力する判定モジュールを更に備え、
前記第1のメタ情報生成モジュールは、第1のメタ情報に付加される現在時刻のタイムスタンプと前記判定モジュールからフィードバックされた情報のタイムスタンプを比較し、前記情報が現在時刻より閾値以上古い場合はフィードバックされた情報を使わずに前記第1のセンサ情報を出力し、前記フィードバックされた情報が現在時刻から前記閾値未満の場合は前記情報の信頼度と前記第1のメタ情報に付加される信頼度を比較して信頼度の高い方を採用するか、或いは、2つの信頼度を重みとして加重平均を取って出力することを特徴とする、付記1記載のメタ情報生成装置。
(付記3)
前記センサ情報の種類は、複数種類のオン又はオフイベントの組み合わせを含むオン/オフ情報、連続量の情報、アプリオリ情報、過去データ及び/又は過去データからマイニングされた情報、及びこれらの情報の組み合わせのうち、少なくとも1つを含むことを特徴とする、付記1又は2記載のメタ情報生成装置。
(付記4)
前記センサ情報が入力される第1のメタ情報生成モジュールと、
前記第1のメタ情報生成モジュールとカスケード接続された第2のメタ情報生成モジュールを更に備え、
前記第2のメタ情報が生成する上位のメタ情報は前記データベースに蓄積されることを特徴とする、付記1記載のメタ情報生成装置。
(付記5)
前記最尤なメタ情報は、前記センサ情報を出力するセンサでは直接観測できない事象を、複数のセンサ情報を組み合わせて推定することを特徴とする、付記1乃至4のいずれか1項記載のメタ情報生成装置。
(付記6)
前記複数のセンサノード、前記複数のメタ情報生成モジュール、及び前記メタ情報統合モジュールは、夫々モジュール間のメッセージ通信にパブリッシュ・サブスクライブ(Publish-Subscribe)方式のメッセージ通信部を使用することを特徴とする、付記1乃至5のいずれか1項記載のメタ情報生成装置。
(付記7)
コンピュータにメタ情報を生成させるプログラムであって、
複数のセンサノードからのセンサ情報が入力され、互いに異なるアルゴリズムに従って前記センサ情報を処理することで同質のメタ情報を生成する複数のメタ情報生成モジュールと、
前記複数のメタ情報生成モジュールからのメタ情報が入力され、あるアルゴリズムに従って前記メタ情報を処理することで最尤なメタ情報を生成するメタ情報統合モジュール
として前記コンピュータを機能させ、
前記最尤なメタ情報をデータベースを形成する記憶部に蓄積し、
前記センサ情報は監視対象の情報を含み、前記メタ情報は前記監視対象の位置情報を含むことを特徴とする、プログラム。
(付記8)
前記複数のメタ情報生成モジュールは、第1のセンサ情報が入力されタイムスタンプ及び情報の信頼度を付加した第1のメタ情報を生成する第1のメタ情報生成モジュールと、第2のセンサ情報が入力されタイムスタンプ及び情報の信頼度を付加した第2のメタ情報を生成する第2のメタ情報生成モジュールを有し、
前記第1及び第2のメタ情報から前記監視対象の確定位置の情報を生成して出力する判定モジュール
として前記コンピュータを更に機能させ、
前記第1のメタ情報生成モジュールは、第1のメタ情報に付加される現在時刻のタイムスタンプと前記判定モジュールからフィードバックされた情報のタイムスタンプを比較し、前記情報が現在時刻より閾値以上古い場合はフィードバックされた情報を使わずに前記第1のセンサ情報を出力し、前記フィードバックされた情報が現在時刻から前記閾値未満の場合は前記情報の信頼度と前記第1のメタ情報に付加される信頼度を比較して信頼度の高い方を採用するか、或いは、2つの信頼度を重みとして加重平均を取って出力することを特徴とする、付記7記載のプログラム。
(付記9)
前記センサ情報の種類は、複数種類のオン又はオフイベントの組み合わせを含むオン/オフ情報、連続量の情報、アプリオリ情報、過去データ及び/又は過去データからマイニングされた情報、及びこれらの情報の組み合わせのうち、少なくとも1つを含むことを特徴とする、付記7又は8記載のプログラム。
(付記10)
前記センサ情報が入力される第1のメタ情報生成モジュールと、
前記第1のメタ情報生成モジュールとカスケード接続された第2のメタ情報生成モジュール
として前記コンピュータを更に機能させ、
前記第2のメタ情報が生成する上位のメタ情報を前記データベースに蓄積することを特徴とする、付記7記載のプログラム。
(付記11)
前記最尤なメタ情報は、前記センサ情報を出力するセンサでは直接観測できない事象を、複数のセンサ情報を組み合わせて推定することを特徴とする、付記7乃至10のいずれか1項記載のプログラム。
(付記12)
前記複数のセンサノード、前記複数のメタ情報生成モジュール、及び前記メタ情報統合モジュールは、夫々モジュール間のメッセージ通信にパブリッシュ・サブスクライブ(Publish-Subscribe)方式のメッセージ通信部を使用することを特徴とする、付記7乃至11のいずれか1項記載のプログラム。
【0058】
以上、開示のメタ情報生成装置及びプログラムを実施例により説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0059】
1−1〜1−N センサノード
2−1〜2−M メタ情報生成モジュール
104 メタ情報統合モジュール
105 コンテキストデータベース
112 データマイニングエンジン
【技術分野】
【0001】
本発明は、メタ情報生成装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のセンサが検知したセンサ情報からコンテキスト或いはメタ情報を生成するメタ情報生成装置が知られている。生成されたメタ情報は、例えばビルのメンテナンス、病院の患者管理などに利用できる。ビルのメンテナンスには、例えば空調の管理及び制御などが含まれる。一方、病院の患者管理には、例えば患者の容体又は姿勢の管理などが含まれる。
【0003】
しかし、センサの種類及び数が増大するに伴い、膨大な量のセンサ情報を処理する必要が生じ、信頼性の高いメタ情報を比較的簡単なシステム構成で生成することは難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2003−527713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のメタ情報生成装置では、監視対象であるユーザの状況に応じてセンサ情報からユーザの位置などに関するメタ情報を生成することは難しいという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、監視対象の状況に応じてセンサ情報から監視対象の位置などに関するメタ情報を生成することのできるメタ情報生成装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一観点によれば、複数のセンサノードからのセンサ情報が入力され、互いに異なるアルゴリズムに従って前記センサ情報を処理することで同質のメタ情報を生成する複数のメタ情報生成モジュールと、前記複数のメタ情報生成モジュールからのメタ情報が入力され、あるアルゴリズムに従って前記メタ情報を処理することで最尤なメタ情報を生成するメタ情報統合モジュールと、前記最尤なメタ情報を蓄積するデータベースを形成する記憶部を備え、前記センサ情報は監視対象の情報を含み、前記メタ情報は前記監視対象の位置情報などを含むことを特徴とするメタ情報生成装置が提供される。
【0008】
本発明の一観点によれば、コンピュータにメタ情報を生成させるプログラムであって、複数のセンサノードからのセンサ情報が入力され、互いに異なるアルゴリズムに従って前記センサ情報を処理することで同質のメタ情報を生成する複数のメタ情報生成モジュールと、前記複数のメタ情報生成モジュールからのメタ情報が入力され、あるアルゴリズムに従って前記メタ情報を処理することで最尤なメタ情報を生成するメタ情報統合モジュールとして前記コンピュータを機能させ、前記最尤なメタ情報をデータベースを形成する記憶部に蓄積し、前記センサ情報は監視対象の情報を含み、前記メタ情報は前記監視対象の位置情報などを含むことを特徴とするプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
開示のメタ情報生成装置及びプログラムによれば、監視対象の状況に応じてセンサ情報から監視対象の位置に関するメタ情報を生成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施例におけるメタ情報生成装置の一例を示す図である。
【図2】メタ情報生成モジュール群の各メタ情報生成モジュールが購読する情報の種類の一例を示す図である
【図3】メタ情報を生成する情報処理の一例を説明する図である。
【図4】フィードバックループを持つシステムの一例を示す図である。
【図5】付加されるタイムスタンプ及び情報の信頼度を、メタ情報と共に示す図である。
【図6】オフィス内のセンサノード及びメタ情報生成装置の構成、及びオフィスデスクのレイアウトの一例を説明する図である。
【図7】オフィス内のオフィスワーカに関するメタ情報生成処理を説明する図である。
【図8】Client-Server方式の通信部を用いたメタ情報生成装置の一例を示す図である。
【図9】病院内のメタ情報生成装置の構成とベッドなどのレイアウトの一例を説明する図である。
【図10】本発明の他の実施例におけるメタ情報生成装置の一例を示す図である。
【図11】転落検知モジュールの動作の一例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
開示のメタ情報生成装置及びプログラムでは、複数のセンサノードからのセンサ情報が入力され、互いに異なるアルゴリズムに従ってセンサ情報を処理することで複数のメタ情報生成モジュールが同質のメタ情報を生成することを許容する。複数の同質又は異質のメタ情報生成モジュールからのメタ情報が入力され、あるアルゴリズムに従ってメタ情報を処理することでメタ情報統合モジュールが最尤なメタ情報を生成する。最尤なメタ情報は、データベースに蓄積される。センサ情報は監視対象の情報を含み、メタ情報は監視対象の位置情報を含む。
【0012】
以下に、開示のメタ情報生成装置及びプログラムの各実施例を図面と共に説明する。
【実施例】
【0013】
図1は、本発明の一実施例におけるメタ情報生成装置の一例を示す図である。図1に示すメタ情報生成装置100は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサと記憶部を備えた汎用のコンピュータシステムで形成可能である。CPUが記憶部に格納されたプログラムを実行することで、コンピュータシステムをメタ情報生成装置として機能させ、メタ情報生成処理が実行される。記憶部は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体で形成可能であり、後述する各種データベースを含んでも良い。記憶部は、複数の記憶装置で形成されていても良いことは言うまでもない。
【0014】
この例では、メタ情報生成装置100を構成するモジュール間のメッセージ通信にはパブリッシュ・サブスクライブ(Publish-Subscribe)方式のメッセージ通信部を使用し、以下の説明ではPub/Subと記述する。Pub/Sub(出版購読型)メッセージングモデルは、メッセージを送信する出版側(Publisher)と、メッセージを受信する購読側(Subscriber)のモジュール間でメッセージを送受信するためのメッセージングモデルである。Pub/Subの具体的な実装としては、JMS(Java(登録商標) Message Service)がある。Pub/Subメッセージングモデルでは、メッセージの送信側(Publisher)は特定の受信側(Subscriber)を想定せずにメッセージを送信する。又、 受信側も指定したメッセージのみを受信し、送信側についての知識を持たない。このようにPub/Subモデルはメッセージの送信側と受信側の結合度合いが低いため、Publisher又はSubscriberの追加が容易であり、メタ情報生成装置100を動的に構成できる。メタ情報生成装置100では、抽出したいメタ情報(又は、コンテキスト)を後から追加する場合、必要なセンサの種類を増やしたり、センサ情報を受信してメタ情報を生成するモジュールを増やしたりしたい場合がある。Pub/Subモデルを使うことでスケーラブル、且つ、動的にメタ情報生成装置100を構成することができる。
【0015】
図1では、例えばセンサノード群101の各センサノード1〜N(Nは2以上の自然数)からセンサ情報がPublishされる。図2は、メタ情報生成モジュール群102の各メタ情報生成モジュール2−1〜2−M(Mは2以上の自然数)が購読(Subscribe)する情報の種類の一例を示す図である。購読する情報の種類は、複数種類のオン(On)又はオフ(Off)(オン/オフ)イベントの組み合わせを含むオン/オフ情報、時系列信号などの連続量の情報、アプリオリ(事前)情報、過去データ及び/又は過去データからマイニング(mining)された情報、及び上記情報の組み合わせを含む。アプリオリ情報は、アプリオリデータベース111に蓄積されている。
【0016】
オン/オフ情報の具体例には、例えばPC(Personal Computer)キーロガー(Keylogger)が反応した/反応しなくなったこと、近接センサがオン/オフであることなどの情報が含まれる。連続量の情報には、例えば加速度センサなど時系列信号をサンプリングしたセンサ情報、マイクロホンで収集した時系列の音声信号をサンプリングしたデータ、カメラで撮影した動画などが含まれる。アプリオリ情報には、例えば建物の構造情報、オフィスにおける机や棚などのレイアウト情報、通路が直線、或いは、通路Aと通路Bは交差しているなどの情報、及びスケジュールなどを含む。過去データ及び/又は過去データからマイニング(mining)された情報の一例として、時刻tから時刻t+α(α>0)の間にユーザが居た場所、あるユーザがよく利用する移動経路などがある。
【0017】
図1に示すメタ情報クラスC1には、メタ情報生成モジュール群102及びメタ情報統合モジュール104が含まれる。又、メタ情報クラスC2には、メタ情報生成モジュール22−1〜22−K(Kは2以上の自然数)及びメタ情報統合モジュール124が含まれる。
【0018】
メタ情報生成モジュール群102は、センサ情報を、あるルール又はアルゴリズムに従って処理することでメタ情報を生成し、生成したメタ情報をpublishする機能を有する。各メタ情報生成モジュール2−1〜2−Mに入力されるセンサ情報の組み合わせは異なっても良い。又、各メタ情報生成モジュール2−1〜2−Mで用いるルール又はアルゴリズムは互いに異なる。メタ情報を生成する情報処理の一例を図3と共に説明する。図3は、メタ情報を生成する情報処理の一例を説明する図である。図3は、Subscribeする情報の種類がオン/オフ情報、連続量の情報、オン/オフ情報と連続量の組み合わせ、アプリオリな情報とオン/オフ情報の組み合わせ、及びマイニングされた情報の場合の処理方法とその具体例を示す。例えば、Subscribeする情報の種類がオン/オフ情報の場合、処理方法はオン/オフに対応する情報をPublishする。この処理方法の具体例は、PCキーロガーの反応オンのときは該当PCの位置を、そのPCを使用する権限を有するユーザの現在位置として、その位置にユーザが居る尤度(もしくは確度)を1.0とする情報を出力する。PCキーロガーの反応がオフのときがm該当PCの位置にユーザが居る尤度を0.0とする情報を出力する。この例では、尤度は0.0から1.0の範囲の実数値で表わしているが、百分率など別の表現でも良い。
【0019】
同質のメタ情報を出力するメタ情報生成モジュール2−1〜2−Mは、1つのメタ情報クラスC1として扱う。メタ情報クラスC1内の各メタ情報生成モジュール2−1〜2−Mの出力は、メタ情報統合モジュール104に入力される。メタ情報統合モジュール104では、あるルール又はアルゴリズムに基づき、各メタ情報生成モジュール2−1〜2−Mの出力を用いて最尤なメタ情報を生成する。
【0020】
別のメタ情報生成モジュール133,132、又は、メタ情報生成モジュール131,132をカスケードに接続し、更に上位のメタ情報を生成してコンテキストデータベース105に蓄積するようにしても良い。
【0021】
メタ情報生成モジュール同士の結合により、図4に示すようにフィードバックループを構成することがある。図4は、フィードバックループを持つシステムの一例を示す図である。フィードバックループが構成されると、フィードバック情報が入力されるメタ情報生成モジュールでは、メタ情報の推定が不安定になる場合がある。以下に、図4を用いてこのような場合の具体例を説明する。
【0022】
図4において、モジュール1004には、GPS(Global Positioning System)などの無線による測位システム(センサノード)1001から、ある監視対象のユーザの位置情報(例えば、x,y座標)が入力される。この測位システム1001は、観測誤差を含み、例えば10mの観測誤差を持つ。一方、モジュール1005は、ユーザが通過したことを検知する通過検知センサ1002及びユーザの動き(モーション)を検知するモーションセンサ内蔵のスマートホン(Smartphone)上で計算された歩行者(ユーザ)デッドレコニング(Pedestrian (User) Dead Reckoning)情報が入力され、モジュール1005で推定された監視対象のユーザの測位結果は1mの誤差精度で得られる。モジュール1004は、無線測位システムに基づく大域的位置の判定(即ち、トラッキング処理)を行い、出力をモジュール1006に入力する。モジュール1005は、通過センサ1002とデッドレコニング1003に基づく大域的位置の判定を行い、出力をモジュール1006に入力する。この例では、モジュール1004では1秒周期で処理が行われ、モジュール1005では10秒周期と、モジュール1004と比べて長周期の間隔で処理が行われる。
【0023】
モジュール1006がモジュール1005の出力をユーザの確定位置として出力すると、このユーザの確定位置の出力がモジュール1004にフィードバックされる。モジュール1004に、モジュール1006からフィードバックされた情報と、センサノード1001からの情報が入力された場合、どちらの入力情報もユーザの位置情報(例えば、x,y座標)である。このとき、センサノード1001の出力は最新時刻の情報ではあるが10mの誤差があり、一方でモジュール1006の出力はある時刻において最も精度が高いが、センサノード1001の情報よりは古い。このため、モジュール1004では、どの情報を使えば最も信頼性の高いメタ情報を推定できるかが課題となる。そこで、本実施例では、モジュールが出力するメタ情報に、タイムスタンプ及び情報の信頼度を付加する。
【0024】
図5は、付加されるタイムスタンプ及び情報の信頼度を、メタ情報と共に示す図である。図5において、タイムスタンプはメタ情報を生成した時刻を示す。情報の信頼度は、その情報の信頼度(例えば、尤度、確信度、誤差分布など)を示す。出力される(Publish)されるメタ情報(又は、コンテキスト)は、目的のメタ情報である。
【0025】
同種の情報が入力としてフィードバックされる場合、以下の処理を行う。図4のモジュール1004の場合であれば、センサノード1001とモジュール1006からはユーザの座標xyが入力される。先ず、タイムスタンプを比較し、フィードバックされた情報が現在時刻より閾値以上古い場合はフィードバック情報を使わず、センサノード1001の情報を利用する。一方、フィードバックされた情報が現在時刻から閾値未満の場合、情報の信頼度を比較して信頼度の高い方を採用するか、或いは、信頼度を重みとして加重平均を取ること等の処理を行う。
【0026】
生成されたメタ情報は、コンテキスト(又は、メタ情報)データベース105に蓄積されたり、メタ情報(コンテキスト)を利用するアプリケーション106で使用されたりする。又、コンテキストデータベース105に蓄積されたメタ情報に、データマイニングエンジン112においてデータマイニング処理を施して別のメタ情報(又は、コンテキスト)を抽出し、抽出したメタ情報(又は、コンテキスト)を subscriberで利用する。データマイニングエンジン112で抽出したメタ情報(又は、コンテキスト)は、マイニングデータデータベース113に蓄積しても良い。
【0027】
次に、オフィスワーカ(Office Worker)について、オフィスワーカの位置、会話しているなどの行動、会議中などのオフィスワーカの業務の状態などを検知する場合の一例を説明する。以下の説明では、オフィスワーカのことをユーザと呼ぶ。図6は、オフィス内のセンサノード及びメタ情報生成装置の構成、及びオフィスデスクのレイアウトの一例を説明する図である。図6中、(a)はオフィス内のセンサノード及びメタ情報生成装置の構成を示し、(b)はオフィス内のレイアウトを示す。
【0028】
図6(a)において、ユーザ200は携帯端末201を携帯している。携帯端末201は、Wi-Fi(Wireless Fidelity,登録商標)、Bluetooth(登録商標)などの通信機能を持ち、センサノードに相当する加速度センサやジャイロセンサなどのモーションセンサ、マイクロホンを内蔵している。携帯端末201は、無線LAN(Local Area Network)アクセスポイント211及びネットワーク210を介してサーバ206に接続される。図6(b)に示すように、ユーザAは自席でPC202を業務で使用し、このユーザAのPC202の設置場所は固定であり既知であるものとする。PC202は、ネットワーク210を介してサーバ206に接続される。また、会議室215や会議卓にBluetoothアンカー205が夫々設置されている。
【0029】
図7は、図6のオフィス内のオフィスワーカに関するメタ情報生成処理を説明する図である。ユーザAが図6(b)の自席でPC102を操作している場合、PCキーロガーが反応したという情報が図7のセンサノード301からPublishされる。そのPublishされた情報をモジュール305がSubscribeして、キーロガーが反応したという情報を、ユーザAが自席に居るという位置情報に変換する。また、ユーザが携帯する携帯端末201がPC102のBluetoothアダプタを検知し、RSSI(Received Signal Strength Indicator)の計測値を出力する。このとき、PC102に接続されセンサノードに相当する人感センサも反応し、PC102の前に人が居るという位置情報を出力する。
【0030】
モジュール305から307は夫々のロジックに従い、センサ情報をメタ情報であるユーザAの位置に変換して出力する。モジュール308では、モジュール305,306,307の出力のうち、尤度が高い位置情報が選択される。ユーザAが自席に居るがPC102を操作してない場合は、モジュール306のみが位置情報を出力する。その結果、モジュール308はユーザAが自席に居ると判定する。又、ユーザAが会議室215に移動した場合、ユーザAが携帯する携帯端末201が会議室215のBluetoothアンカー205を検知し、モジュール307がユーザAは会議室215に居ると判定する。このようにして、ユーザの状況に合わせて利用可能なセンサからユーザの位置、即ち、メタ情報を推定することができる。
【0031】
図7の例では、モジュール305の出力は、ユーザAの位置が自席であり、尤度が1.0であることを示す。モジュール306の出力は、ユーザAの位置が自席であり、尤度が0.8であることを示す。モジュール307の出力は、ユーザAの位置が会議室215であり、尤度が0.7であることを示す。モジュール308の出力は、ユーザAの最も尤度の高い位置及び尤度を示す情報を出力する。
【0032】
又、モジュール310では、ユーザA,B夫々の位置情報を使い、2人とも会議室215に居れば会議に参加していると判定する。このように、センサ情報から生成されたメタ情報(位置情報)を使い、更なるメタ情報を生成できる。
【0033】
モジュール311では、ユーザA,Bの位置情報、及び発話の検知情報から、2人が会話しているかどうかを判定する。これにより、「会話しているかどうか」という、センサでは直接観測できない状態を推定することができる。
【0034】
モジュール309には、センサノードからのセンサ情報に基づいてユーザBの位置情報クラスが生成されて出力される。モジュール309は、尤度が最も高い最新の位置情報をユーザBの位置情報と判定する。
【0035】
モジュール310又はモジュール311の出力情報は、ユーザコンテキストデータベース312に蓄積しても良い。ユーザコンテキストデータベース312内の位置情報などは、位置可視化アプリケーション313からの検索(Query)に対して読み出されて応答(Reply)されても良い。
【0036】
上記実施例では、Publish-Subscribe方式のメッセージ通信部(Pub/Sub)を用いているが、変形例では例えばクライアント・サーバ(Client-Server)方式の通信部を用いても良いことは言うまでもない。図8は、Client-Server方式の通信部を用いたメタ情報生成装置の一例を示す図である。図8中、センサノード2001〜2003は図7のセンサノード301〜303に相当し、モジュール2004〜2007は図7のモジュール305〜308に相当するので、これらの動作の説明は省略する。図8に示すように、通信部Pub/Subの代わりに通信部Client/Serverが設けられるので、1つのServerに対して1つのClient、即ち、1つのユニークな通信ポートを設ける必要がある。このため、図8において追加モジュール2008を追加で設ける場合、追加モジュール2008用にモジュール2007つのユニークな(即ち、専用の)通信ポート(Client)を設ける必要がある。
【0037】
これに対し、Pub/Sub方式のメッセージ通信部を用いる上記実施例では、新たなセンサの追加、メタ情報推定モジュールの追加が上記変形例と比較して容易であり、拡張性に優れている。Pub/Subを用いた場合と、用いずにメタ情報生成装置を構成したときの比較を以下に説明する。
【0038】
(1)モジュール同士のネットワークの構成の容易性
Client/Server方式の場合、論理的なネットワークを決めた後、それに従って物理的な接続を作る必要がある。つまり、2つのモジュール間のClient/Serverを構成する必要がある。又、サーバのネットワーク上の位置(例えば、サーバアドレス)を把握してプログラミングを行う必要がある。
【0039】
これに対し、Pub/Sub方式の場合、各Subscriberが購読するメッセージを定義すれば良く、各Publisherがどのようなメッセージを出力しているかを意識する必要がない。つまり、カスケード/フィードバック接続などの論理的な接続関係を決めた後、各モジュールがPub/Subするメッセージを定義すれば良い。又、SubscriberはPublisherのネットワーク上の位置を気にせずにメッセージを受信できる。即ち、Publisherのある計算機のアドレスを知る必要が無いので、計算機のアドレス、台数を気にせずに、分散システムの構築が容易となる。
【0040】
(2)モジュールの拡張性
Client/Server方式の場合、1つのServerにつき1つのユニークな通信ポートを割り当てる必要がある。このため、モジュールが増えてくるとポートの管理が複雑になる。又、モジュール(Server)を追加する度に、それと接続するClientとの通信プロトコルを決める必要がある。例えば、図8においてモジュール2008を追加すると、モジュール2007との通信プロトコルを新たに決める必要が生じる。
【0041】
これに対し、Pub/Sub方式の場合、センサノードを追加する場合、そのノードからネットワーク上に流れるメッセージ(Publish情報)を追加すれば良い。メタ情報生成モジュールを追加する場合、そのモジュールが購読するメッセージを定義し、そのモジュールから出版されるメッセージを追加すれば良い。従って、システム設計者又は開発者は、Client/Serverのようなポートのリソース管理をする必要がない。
【0042】
(3)メッセージの優先度及び有効期限の設定
Client/Server方式の場合、Serverが送信した順番でClientはメッセージを受信する。複数のServerからのメッセージに優先度をつけて処理したい場合や有効期限を設定したい場合、開発者は自分でプログラムを書く必要がある。
【0043】
これに対し、Pub/Sub方式の場合、Subscriberは処理するメッセージの優先度や有効期限を設定できる。例えば、現在時刻からある閾値以上古い情報は使わないなどの処理を、Subscriberにおける設定だけで行える。
【0044】
次に、本発明の他の実施例におけるメタ情報生成装置の一例を図9以降と共に説明する。この例では、病院において、患者がベッドから転落したことを検知し、患者の近くに居る手の空いている看護師に警告を通知する。
【0045】
図9は、病院内のメタ情報生成装置の構成とベッドなどのレイアウトの一例を説明する図である。病院600において、サーバ(計算機)602及び通信装置603はネットワーク601を介して接続されている。通信装置603は、センサ情報アップローダ607、看護師613(A)の携帯端末612、及び看護師617(B)の携帯端末616と通信可能である。病室610には入院患者109(α)が入院している。病室610内には複数(2個のみ図示)の測距センサ604、マットセンサ605、動き検知型人感センサ606、センサ情報アップローダ607、及び病床ベッド608が設けられている。この例では、Bluetoothアンカー611が設置された場所614に携帯端末612を携帯した看護師Aがおり、赤外線(IR:Infra-Red)通信アンカー615が設置された場所618に携帯端末616を携帯した看護師Bがいるものとする。
【0046】
図10は、本発明の他の実施例におけるメタ情報生成装置の一例を示す図である。図10に示すメタ情報生成装置700は、CPU等のプロセッサと記憶部を備えた汎用のコンピュータシステムで形成可能である。CPUが記憶部に格納されたプログラムを実行することで、コンピュータシステムをメタ情報生成装置として機能させ、メタ情報生成処理が実行される。記憶部は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体で形成可能であり、後述する各種データベースを含んでも良い。記憶部は、複数の記憶装置で形成されていても良いことは言うまでもない。この例では、メタ情報生成装置700を構成するモジュール間のメッセージ通信にはパブリッシュ・サブスクライブ(Publish-Subscribe)方式のメッセージ通信部を使用するものとするが、Client/Server方式を使用しても良い。
【0047】
図9において、患者αがベッド608から転落したとする。この場合、ベッド608から転落したときの動きに反応し、人感センサ606がオンになる。ことのき、ベッド608下方に設置している測距センサ604は患者αまでの距離を出力する。以上のセンサ情報が夫々のセンサ(即ち、センサノード)701〜704からPublishされ、転落検知モジュール713がSubscribeする。センサノード701,702は測距センサ604の情報をPublishし、センサノード703はマットセンサ605の情報をPublishし、センサノード704は人感センサ606の情報をPublishする。転落検知モジュール713では、例えば図11に示すような手順に従って、患者αがベッド608から転落したか否かを判定する。
【0048】
図11は、転落検知モジュールの動作の一例を説明するフローチャートである。図11において、ステップS1は、人感センサ606がオンであるかを判定し、判定結果がYESであると、ステップS2はマットセンサ609がオンであるか否かを判定する。ステップS2の判定結果がYESであると、ステップS3は、マットセンサ609の連続オン時間が閾値以上であるか否かを判定する。ステップS3の判定結果がYESであると、ステップS4は、複数の測距センサ604の何れかの計測値が閾値以下であるか否かを判定する。ステップS4の判定結果がYESであると、ステップS5は、測距センサ604の連続反応時間が閾値以上であるか否かを判定する。ステップS1〜S5のいずれかの判定結果がNOであると、処理はステップS1へ戻る。一方、ステップS5の判定結果がYESであると、ステップS6は、患者がベットから転落したというメタ情報をPublishし、処理は終了する。
【0049】
尚、転落検知モジュール713の処理で用いるルールは、図11のルールに限定されない。転落時のセンサノード701〜704からのセンサ情報の出力パターンをセンサログ718に蓄積しておき、センサログ718から転落パターン分析モジュール719で転落時のセンサ出力パターンを抽出し、そのセンサ出力パターンに基づく転落判定法を転落検知モジュール713に実装しても良い。例えば、ベイジアン(Bayesian)ネットワークや隠れマルコフモデル(HMM:Hidden Markov Model)で転落時のセンサ出力をモデル化しておき、状態遷移確率を学習する方法を用いても良い。
【0050】
以上の方法で転落検知モジュール713でPublishされた患者がベットから転落したというメタ情報は、コンテキストデーターベース720にSubscribe される。コンテキストデータベースは患者がベットから転落したというメタ情報をSubscribeすると直ちに転落警告アプリケーション721に通知する(Notify)。転落警告アプリケーション721は、患者がベットから転落したという通知を受けると、コンテキストデータベース720に対して、手が空いていてかつ転落した患者αに最も近い看護師を検索する(Query)。
【0051】
看護師Aが携帯している携帯端末612、或いは、看護師Bが携帯している携帯端末616は、看護師A又はBが環境に設置されているBluetoothアンカー611又はIRアンカー615の検出エリアに入ると、アンカーを検知する機能を有している。携帯端末612は、アンカー検知情報をpublishするpublisherが実装されたセンサノード705を含む。各アンカーの設置位置は既知であり、看護師A,Bの位置推定モジュール714,716はその既知の設置位置の情報を参照できる。又、携帯端末612,616は、加速度センサやジャイロセンサなど、看護師A,Bの動きを捉えるセンサを内蔵しており、これらのセンサ情報から看護師A,Bの活動の度合い(活動量)を測ったり、歩行動作による移動量をデッドレコニング(慣性航法)で測ったりする機能を有している。携帯端末612は、デッドレコニングによる移動量をPublishするPublisherが実装されたセンサノード706と、看護師Aの活動量をPublishするPublisherが実装されたセンサノード707を含む。
【0052】
本実施例では、看護師A,Bの位置は次のように推定される。位置推定モジュール714はセンサノード705からアンカー検知イベント、及びセンサノード706から移動量をSubscribeする。位置推定モジュール714は、設置位置が既知であるアンカーの情報を参照する機能を有している。通常、デッドレコニングで得られる移動量は相対移動量なので、位置推定モジュール714ではアンカー検知イベントを検出した場合にその位置を起点として、デッドレコニングによる相対移動量を加算して現在の位置を求める。推定された位置はコンテキストデータベース720にSubscribeされ、看護師Aの位置情報がデータベースに登録される。
【0053】
看護師Aの手が空いているかどうか(Busy/Available)は、状態判別モジュール715で判断される。ここでは看護師Aについて説明する。状態判別モジュール715は、看護師Aの位置を位置推定モジュール714から、看護師Aの活動量をセンサノード707から、また看護師Aのスケジュールをスケジューラ708から夫々Subscribeする。状態判別モジュール715が、位置推定モジュール714から看護師Aの位置が患者βの病室であることをSubscribeし、スケジュール708から現在時刻は患者βに対する看護が予定されていることをSubscribeし、センサノード707から活動量が高いことをSubscribeしたとする。この場合、状態判別モジュール715は看護師Aが患者βに対して看護をしている、つまり手が空いていないと判定し、看護師Aの状態はBusyであることをPublishする。コンテキストデーターベース720はこの情報をSubscribeし、看護師Aの状態をBusyと設定する。
【0054】
看護師Bは現在廊下を移動しており、看護スケジュールが予定されていない場合、状態判別モジュール717は看護師Bの手が空いていると判定し、看護師Bの状態はAvailable であることをPublishする。コンテキストデーターベース720はこの情報をSubscribeし、看護師Bの状態をAvailableと設定する。
【0055】
転落警告アプリケーション721は、コンテキストデータベース720から患者が転落したイベントの通知を受けた場合、直ちに看護師の位置と状態をコンテキストデータベース720に問い合わせる(Query)。コンテキストデータベース720は、Availableな看護師とその位置を転落警告アプリケーション721に応答する(Reply)。転落警告アプリケーション721は応答にあった看護師の中から転落した患者に一番位置の近い看護師を選択し、その看護師の携帯端末に対して患者が転落したアラームを通知する。
【0056】
尚、看護師Bの携帯端末616は、デッドレコニングによる移動量をPublishするPublisherが実装されたセンサノード710と、看護師Bの活動量をPublishするPublisherが実装されたセンサノード711を含む。看護師Bのスケジュールは、スケジューラ712からPublishする。これらの看護師Bに関連するセンサノード710〜711及びスケジューラ712は、看護師Aに関連する上記センサノード706〜708と同様の構成で良いため、その説明は省略する。
【0057】
以上の実施例を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
複数のセンサノードからのセンサ情報が入力され、互いに異なるアルゴリズムに従って前記センサ情報を処理することで同質のメタ情報を生成する複数のメタ情報生成モジュールと、
前記複数のメタ情報生成モジュールからのメタ情報が入力され、あるアルゴリズムに従って前記メタ情報を処理することで最尤なメタ情報を生成するメタ情報統合モジュールと、
前記最尤なメタ情報を蓄積するデータベースを形成する記憶部を備え、
前記センサ情報は監視対象の情報を含み、前記メタ情報は前記監視対象の位置情報を含むことを特徴とする、メタ情報生成装置。
(付記2)
前記複数のメタ情報生成モジュールは、第1のセンサ情報が入力されタイムスタンプ及び情報の信頼度を付加した第1のメタ情報を生成する第1のメタ情報生成モジュールと、第2のセンサ情報が入力されタイムスタンプ及び情報の信頼度を付加した第2のメタ情報を生成する第2のメタ情報生成モジュールを有し、
前記第1及び第2のメタ情報から前記監視対象の確定位置の情報を生成して出力する判定モジュールを更に備え、
前記第1のメタ情報生成モジュールは、第1のメタ情報に付加される現在時刻のタイムスタンプと前記判定モジュールからフィードバックされた情報のタイムスタンプを比較し、前記情報が現在時刻より閾値以上古い場合はフィードバックされた情報を使わずに前記第1のセンサ情報を出力し、前記フィードバックされた情報が現在時刻から前記閾値未満の場合は前記情報の信頼度と前記第1のメタ情報に付加される信頼度を比較して信頼度の高い方を採用するか、或いは、2つの信頼度を重みとして加重平均を取って出力することを特徴とする、付記1記載のメタ情報生成装置。
(付記3)
前記センサ情報の種類は、複数種類のオン又はオフイベントの組み合わせを含むオン/オフ情報、連続量の情報、アプリオリ情報、過去データ及び/又は過去データからマイニングされた情報、及びこれらの情報の組み合わせのうち、少なくとも1つを含むことを特徴とする、付記1又は2記載のメタ情報生成装置。
(付記4)
前記センサ情報が入力される第1のメタ情報生成モジュールと、
前記第1のメタ情報生成モジュールとカスケード接続された第2のメタ情報生成モジュールを更に備え、
前記第2のメタ情報が生成する上位のメタ情報は前記データベースに蓄積されることを特徴とする、付記1記載のメタ情報生成装置。
(付記5)
前記最尤なメタ情報は、前記センサ情報を出力するセンサでは直接観測できない事象を、複数のセンサ情報を組み合わせて推定することを特徴とする、付記1乃至4のいずれか1項記載のメタ情報生成装置。
(付記6)
前記複数のセンサノード、前記複数のメタ情報生成モジュール、及び前記メタ情報統合モジュールは、夫々モジュール間のメッセージ通信にパブリッシュ・サブスクライブ(Publish-Subscribe)方式のメッセージ通信部を使用することを特徴とする、付記1乃至5のいずれか1項記載のメタ情報生成装置。
(付記7)
コンピュータにメタ情報を生成させるプログラムであって、
複数のセンサノードからのセンサ情報が入力され、互いに異なるアルゴリズムに従って前記センサ情報を処理することで同質のメタ情報を生成する複数のメタ情報生成モジュールと、
前記複数のメタ情報生成モジュールからのメタ情報が入力され、あるアルゴリズムに従って前記メタ情報を処理することで最尤なメタ情報を生成するメタ情報統合モジュール
として前記コンピュータを機能させ、
前記最尤なメタ情報をデータベースを形成する記憶部に蓄積し、
前記センサ情報は監視対象の情報を含み、前記メタ情報は前記監視対象の位置情報を含むことを特徴とする、プログラム。
(付記8)
前記複数のメタ情報生成モジュールは、第1のセンサ情報が入力されタイムスタンプ及び情報の信頼度を付加した第1のメタ情報を生成する第1のメタ情報生成モジュールと、第2のセンサ情報が入力されタイムスタンプ及び情報の信頼度を付加した第2のメタ情報を生成する第2のメタ情報生成モジュールを有し、
前記第1及び第2のメタ情報から前記監視対象の確定位置の情報を生成して出力する判定モジュール
として前記コンピュータを更に機能させ、
前記第1のメタ情報生成モジュールは、第1のメタ情報に付加される現在時刻のタイムスタンプと前記判定モジュールからフィードバックされた情報のタイムスタンプを比較し、前記情報が現在時刻より閾値以上古い場合はフィードバックされた情報を使わずに前記第1のセンサ情報を出力し、前記フィードバックされた情報が現在時刻から前記閾値未満の場合は前記情報の信頼度と前記第1のメタ情報に付加される信頼度を比較して信頼度の高い方を採用するか、或いは、2つの信頼度を重みとして加重平均を取って出力することを特徴とする、付記7記載のプログラム。
(付記9)
前記センサ情報の種類は、複数種類のオン又はオフイベントの組み合わせを含むオン/オフ情報、連続量の情報、アプリオリ情報、過去データ及び/又は過去データからマイニングされた情報、及びこれらの情報の組み合わせのうち、少なくとも1つを含むことを特徴とする、付記7又は8記載のプログラム。
(付記10)
前記センサ情報が入力される第1のメタ情報生成モジュールと、
前記第1のメタ情報生成モジュールとカスケード接続された第2のメタ情報生成モジュール
として前記コンピュータを更に機能させ、
前記第2のメタ情報が生成する上位のメタ情報を前記データベースに蓄積することを特徴とする、付記7記載のプログラム。
(付記11)
前記最尤なメタ情報は、前記センサ情報を出力するセンサでは直接観測できない事象を、複数のセンサ情報を組み合わせて推定することを特徴とする、付記7乃至10のいずれか1項記載のプログラム。
(付記12)
前記複数のセンサノード、前記複数のメタ情報生成モジュール、及び前記メタ情報統合モジュールは、夫々モジュール間のメッセージ通信にパブリッシュ・サブスクライブ(Publish-Subscribe)方式のメッセージ通信部を使用することを特徴とする、付記7乃至11のいずれか1項記載のプログラム。
【0058】
以上、開示のメタ情報生成装置及びプログラムを実施例により説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0059】
1−1〜1−N センサノード
2−1〜2−M メタ情報生成モジュール
104 メタ情報統合モジュール
105 コンテキストデータベース
112 データマイニングエンジン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセンサノードからのセンサ情報が入力され、互いに異なるアルゴリズムに従って前記センサ情報を処理することで同質のメタ情報を生成する複数のメタ情報生成モジュールと、
前記複数のメタ情報生成モジュールからのメタ情報が入力され、あるアルゴリズムに従って前記メタ情報を処理することで最尤なメタ情報を生成するメタ情報統合モジュールと、
前記最尤なメタ情報を蓄積するデータベースを形成する記憶部を備え、
前記センサ情報は監視対象の情報を含み、前記メタ情報は前記監視対象の位置情報を含むことを特徴とする、メタ情報生成装置。
【請求項2】
前記複数のメタ情報生成モジュールは、第1のセンサ情報が入力されタイムスタンプ及び情報の信頼度を付加した第1のメタ情報を生成する第1のメタ情報生成モジュールと、第2のセンサ情報が入力されタイムスタンプ及び情報の信頼度を付加した第2のメタ情報を生成する第2のメタ情報生成モジュールを有し、
前記第1及び第2のメタ情報から前記監視対象の確定位置の情報を生成して出力する判定モジュールを更に備え、
前記第1のメタ情報生成モジュールは、第1のメタ情報に付加される現在時刻のタイムスタンプと前記判定モジュールからフィードバックされた情報のタイムスタンプを比較し、前記情報が現在時刻より閾値以上古い場合はフィードバックされた情報を使わずに前記第1のセンサ情報を出力し、前記フィードバックされた情報が現在時刻から前記閾値未満の場合は前記情報の信頼度と前記第1のメタ情報に付加される信頼度を比較して信頼度の高い方を採用するか、或いは、2つの信頼度を重みとして加重平均を取って出力することを特徴とする、請求項1記載のメタ情報生成装置。
【請求項3】
前記最尤なメタ情報は、前記センサ情報を出力するセンサでは直接観測できない事象を、複数のセンサ情報を組み合わせて推定することを特徴とする、請求項1又は2記載のメタ情報生成装置。
【請求項4】
前記複数のセンサノード、前記複数のメタ情報生成モジュール、及び前記メタ情報統合モジュールは、夫々モジュール間のメッセージ通信にパブリッシュ・サブスクライブ(Publish-Subscribe)方式のメッセージ通信部を使用することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項記載のメタ情報生成装置。
【請求項5】
コンピュータにメタ情報を生成させるプログラムであって、
複数のセンサノードからのセンサ情報が入力され、互いに異なるアルゴリズムに従って前記センサ情報を処理することで同質のメタ情報を生成する複数のメタ情報生成モジュールと、
前記複数のメタ情報生成モジュールからのメタ情報が入力され、あるアルゴリズムに従って前記メタ情報を処理することで最尤なメタ情報を生成するメタ情報統合モジュール
として前記コンピュータを機能させ、
前記最尤なメタ情報をデータベースを形成する記憶部に蓄積し、
前記センサ情報は監視対象の情報を含み、前記メタ情報は前記監視対象の位置情報を含むことを特徴とする、プログラム。
【請求項1】
複数のセンサノードからのセンサ情報が入力され、互いに異なるアルゴリズムに従って前記センサ情報を処理することで同質のメタ情報を生成する複数のメタ情報生成モジュールと、
前記複数のメタ情報生成モジュールからのメタ情報が入力され、あるアルゴリズムに従って前記メタ情報を処理することで最尤なメタ情報を生成するメタ情報統合モジュールと、
前記最尤なメタ情報を蓄積するデータベースを形成する記憶部を備え、
前記センサ情報は監視対象の情報を含み、前記メタ情報は前記監視対象の位置情報を含むことを特徴とする、メタ情報生成装置。
【請求項2】
前記複数のメタ情報生成モジュールは、第1のセンサ情報が入力されタイムスタンプ及び情報の信頼度を付加した第1のメタ情報を生成する第1のメタ情報生成モジュールと、第2のセンサ情報が入力されタイムスタンプ及び情報の信頼度を付加した第2のメタ情報を生成する第2のメタ情報生成モジュールを有し、
前記第1及び第2のメタ情報から前記監視対象の確定位置の情報を生成して出力する判定モジュールを更に備え、
前記第1のメタ情報生成モジュールは、第1のメタ情報に付加される現在時刻のタイムスタンプと前記判定モジュールからフィードバックされた情報のタイムスタンプを比較し、前記情報が現在時刻より閾値以上古い場合はフィードバックされた情報を使わずに前記第1のセンサ情報を出力し、前記フィードバックされた情報が現在時刻から前記閾値未満の場合は前記情報の信頼度と前記第1のメタ情報に付加される信頼度を比較して信頼度の高い方を採用するか、或いは、2つの信頼度を重みとして加重平均を取って出力することを特徴とする、請求項1記載のメタ情報生成装置。
【請求項3】
前記最尤なメタ情報は、前記センサ情報を出力するセンサでは直接観測できない事象を、複数のセンサ情報を組み合わせて推定することを特徴とする、請求項1又は2記載のメタ情報生成装置。
【請求項4】
前記複数のセンサノード、前記複数のメタ情報生成モジュール、及び前記メタ情報統合モジュールは、夫々モジュール間のメッセージ通信にパブリッシュ・サブスクライブ(Publish-Subscribe)方式のメッセージ通信部を使用することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項記載のメタ情報生成装置。
【請求項5】
コンピュータにメタ情報を生成させるプログラムであって、
複数のセンサノードからのセンサ情報が入力され、互いに異なるアルゴリズムに従って前記センサ情報を処理することで同質のメタ情報を生成する複数のメタ情報生成モジュールと、
前記複数のメタ情報生成モジュールからのメタ情報が入力され、あるアルゴリズムに従って前記メタ情報を処理することで最尤なメタ情報を生成するメタ情報統合モジュール
として前記コンピュータを機能させ、
前記最尤なメタ情報をデータベースを形成する記憶部に蓄積し、
前記センサ情報は監視対象の情報を含み、前記メタ情報は前記監視対象の位置情報を含むことを特徴とする、プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−216039(P2012−216039A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−80452(P2011−80452)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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