説明

メッセージ転送システム

【目的】 この発明は、PHSや携帯電話等の携帯通信端末の文字通知機能に関するものである。特に、機械設備からこれら携帯通信端末へ文字通知を行う為に使われるものである。
【構成】 パソコンに、携帯通信端末の簡易文字通信に対応したモデムを取り付ける。パソコンには、機械設備からの文字通知メッセージを、携帯通信端末の簡易文字通信のデータに変換し転送するプログラムをセットする。機械設備から任意の通信媒体で、通知先電話番号と通知メッセージを合わせた通信フォーマットでこのパソコンへ送信する。パソコンは受信メッセージを変換し携帯通信端末に簡易文字通知する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、PHSや携帯電話等の携帯通信端末の文字通知機能に関するものである。特に、機械設備からこれら携帯通信端末へ文字通知を行う為に使われるものである。
【0002】
【従来の技術】1999年現在、殆どのPHSや携帯電話には簡易文字通信が搭載されている。これら携帯通信端末間は端末のボタンを操作することで相互に簡易文字通信が出来る。しかしこれらの通信手順を搭載していない機械設備やモデムからは、これらの携帯通信端末に文字通知させることが困難であった。また、文字通信の履歴管理も端末内部でしか出来なかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題点】本発明は、(イ) 各種機械設備から、PHSや携帯電話のような携帯通信端末に簡易文字通信をさせるためには、機械設備全てに携帯通信端末の簡易文字通信に対応したモデムを取り付けなければいけない。
(ロ) 携帯通信端末の簡易文字通信機能の文字コードがアスキーコード等の標準文字コードと異なる為、機械設備内部で発信希望の文字列を作成するのが困難である。
(ハ) 機械設備から送信された文字通信の履歴を容易に管理したい。
(ニ) 通知先携帯通信端末が電源OFF、通話エリア外、通話中などで通じない場合がある。以上を解決するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】(イ) メッセージ転送システム用のパソコンを1台置く。このパソコンだけには必ず、携帯通信端末の簡易文字通信が可能なモデムを取り付ける。なお、簡易文字通信が可能なモデムとは、簡易文字通信機能を標準で搭載している、又はDTMF信号(ピポパ音)制御機能を持つモデムを意味する。
(ロ) 機械設備から携帯通信端末へ文字を通知したいとき、メッセージ転送システムのパソコンへ、アスキーコード等の標準の文字コードで通知先携帯通信端末の電話番号(以降通知先電話番号と称す)と通知メッセージが一体となった通信フォーマットを送信する。(図3)
(ハ) メッセージ転送システムのパソコン上では、(ロ)より受信した標準文字コードの通信フォーマット伝文を、通知先電話番号と通知メッセージに分けて、携帯通信端末の簡易文字通信用データに変換する。(図4R>4)
(ニ) メッセージ転送システムは、この通知先電話番号に対して(ハ)で変換済みの簡易文字通信データのメッセージを直接転送する。その他に、使用する電話会社のサービスを利用した間接転送も行うことが出来る。一例として、DDIポケット電話等の携帯通信事業会社では、DTMF信号(ピポパ音)制御で、携帯通信端末への簡易文字通信の文字メッセージを転送するサービス拠点が公開されている。 メッセージ転送システムはこの転送サービス拠点に対して、通知先電話番号と通知メッセージを転送する。これにより、通知先携帯情報端末へ変換後の通知メッセージが間接的に転送される。(図5R>5)
(ホ) 従来、簡易文字通信は携帯通信端末上にしか履歴が残らないがメッセージ転送システムはパソコン上のソフトで着信、変換、転送処理を行っている為、着信処理、転送処理の際に毎回処理内容を保存する。これにより、簡易な着信履歴、転送完了履歴管理を実現する。
(ヘ) メッセージ通知先は、通常は通信フォーマット内で指定される通知先電話番号の一ヶ所であるが、メッセージ転送システムでは、通知先携帯通信端末が電源OFFのような、通知不良時の為の予備通知先電話番号登録機能を設ける。これは、固定の予備通知先電話番号を登録可能にすることで、機械設備からの通信フォーマットで指定された通知先電話番号の他に、予備通知先電話番号にも、毎回同じ内容の通知メッセージを転送する。これにより複数の人へ通知出来るため、緊急時の通知信頼性が向上する。また、上記(ニ)に示した間接転送の場合は、携帯通信事業会社の簡易文字通信メッセージ転送サービス拠点先を、複数登録出来るようにする。これにより、電話会社の簡易メッセージ受付拠点の処理負荷や故障に影響しにくい、信頼性のある通知メッセージの間接転送を実現する。
(ト) さらに、機械設備から文字データを取り込む着信用通信ポートが複数設定できる機能をメッセージ転送システムのソフトに設ける。パソコンには必要に応じて通信ポートを増設する。これにより、着信のトラフィックを向上し複数の機械設備からの同時着信も可能となる。
【0005】
【実施例】なお、本発明にて次の如きことができる。
(イ) 機械設備が発行した通知メッセージは、メッセージ転送システムパソコンを中継して転送する方式の為、簡易文字通信に対応したモデムは1台で良い。またこの際、機械設備からパソコンへの送信は、通知メッセージの通信フォーマット(図3)が合えば、通信媒体は何を使用しても良い。
(ロ) メッセージ転送システムパソコン内で標準の文字コードを簡易文字通信用のデータに変換するため、機械設備からの送信する通知メッセージはアスキーコードの様な標準の文字コードで容易に作成出来る。
(ハ) メッセージ転送システムで着信及び転送した履歴が管理できる。
(ニ) 機械設備から発行された着信データフォーマットに、通知先電話番号が指定される為、メッセージ転送システムには、常に通知先携帯通信端末の電話番号を準備しておく必要がない。但し、予備通知先を使用する場合と、間接転送で携帯通信事業会社の簡易文字通信メッセージ転送サービス拠点を使用する時のみ、これらの固定で使用する電話番号の登録は必要。
(ホ) メッセージ転送システムの直接転送時は、予備通知先が設定できる事で、通知先が不通時でも別の担当者へ通知することが出来る。また間接転送時も、メッセージ転送サービス拠点が複数設定出来ることで、メッセージ転送サービス拠点の現状の負荷が軽い方から早く通知が受けられる、また、複数回同じ内容を通知出来る。
(ヘ) メッセージ転送システムは、着信ポートが増やせるため、機械設備からのメッセージ通知が複数同時に発生した場合も、同時に取り込む事が出来る。
【0006】
【発明の効果】本発明を用いる事で、複数の機械設備からの警報信号や生産データを容易に保守担当者の携帯通信端末に簡易文字通知出来る。また、この簡易文字通知は信頼性を上げるための二重化が可能であり、通知の履歴も管理できる。さらに、本発明は複数の機械設備からの通知メッセージを1台のパソコンで中継する形態のため、簡易文字通信対応のモデムや、簡易文字通信する為のPHS等の電話回線契約が1つで良いため維持費も最低限で済む。よって、機械設備の異常通報システム等が容易にかつ低維持費で構築できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】メッセージ転送システムの直接転送時の使用概念図
【図2】メッセージ転送システムの間接転送時の使用概念図
【図3】機械設備からのメッセージ通知用データ通信フォーマット
【図4】直接転送時のメッセージ転送システム内処理フロー図
【図5】間接転送時のメッセージ転送システム内処理フロー図
【符号の説明】
1.メッセージ転送システム
2.携帯通信端末簡易文字通信対応モデム
3.機械設備
4.標準文字コードのメッセージ通知フォーマットのデータ
5.簡易文字通信データ
6.公衆デジタル回線
7.携帯通信基地局
8.携帯通信端末
9.間接転送用簡易文字通信データ
10.携帯通信事業会社の簡易文字通信メッセージ転送サービス拠点

【特許請求の範囲】
【請求項1】(イ) 機械設備からデータ通信で受信したアスキーコード等標準文字コードで作られた通知メッセージデータを、PHSや携帯電話等の携帯通信端末間の簡易文字通信用のデータに変換して転送する、パソコンを用いたメッセージ転送システム。(図4)
(ロ) 機械設備等からデータ通信で着信した履歴と、携帯通信端末に転送完了した履歴を保存・管理する機能を持つメッセージ転送システム。(図4)
(ハ) 予備通知先や、携帯通信事業会社簡易文字通信メッセージ転送サービス拠点(図2、10.)の電話番号を複数設定することが出来るメッセージ転送システム。
(ニ) 機械設備からのデータ着信用通信ポートが、複数設定出来るメッセージ転送システム。
【請求項2】メッセージ転送システムで使用する機械設備等から発行する、転送先携帯通信端末の電話番号と通知メッセージが一体となったデータ通信フォーマット。(図3)

【図1】
image rotate


【図3】
image rotate


【図2】
image rotate


【図4】
image rotate


【図5】
image rotate


【公開番号】特開2001−36658(P2001−36658A)
【公開日】平成13年2月9日(2001.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−233062
【出願日】平成11年7月15日(1999.7.15)
【出願人】(597156579)フェニックスネットワーク株式会社 (1)
【Fターム(参考)】