メッセージ送信装置、およびメッセージ送信方法
【課題】目的地に到着する前に、適切なタイミングで移動するユーザの情報を送出する。
【解決手段】 地図データ上に定義可能な、移動する第1ユーザの現在位置と目的地とを取得する位置情報取得手段1と、現在位置から目的地までの地図データ上の経路を算出する経路算出手段2と、この経路に沿って、第1ユーザが現在位置から目的地まで移動する場合に要する所要コストを算出する所要コスト算出手段3と、算出された所要コストに基づいて、第1ユーザの状況を第2ユーザに伝える情報を送出する1又は2以上の送信タイミングを算出する送信タイミング算出手段5と、送信タイミングにおける第1ユーザの状況情報を生成する情報生成手段4と、算出された送信タイミングで、状況情報を第2ユーザに向けて送出する送信手段8とを有する。
【解決手段】 地図データ上に定義可能な、移動する第1ユーザの現在位置と目的地とを取得する位置情報取得手段1と、現在位置から目的地までの地図データ上の経路を算出する経路算出手段2と、この経路に沿って、第1ユーザが現在位置から目的地まで移動する場合に要する所要コストを算出する所要コスト算出手段3と、算出された所要コストに基づいて、第1ユーザの状況を第2ユーザに伝える情報を送出する1又は2以上の送信タイミングを算出する送信タイミング算出手段5と、送信タイミングにおける第1ユーザの状況情報を生成する情報生成手段4と、算出された送信タイミングで、状況情報を第2ユーザに向けて送出する送信手段8とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地に到着する前の所定のタイミングで、他のユーザに対して自動的に情報を送信するメッセージ送信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
設定した目的地に到着する時刻を計算し、表示するナビゲーション装置がある(特許文献1参照)。このナビゲーション装置によれば、自己のスケジュール情報と目的地までの到着時刻等とが関連づけた進捗状況が表示されるため、ユーザは走行中においても自己のスケジュールを管理することができる。また、スケジュール時刻どおりに目的地に到着できなかった場合には、目的地に電話をすることができる。
【0003】
しかしながら、従来のナビゲーション装置はユーザの移動中の情報をユーザ自身に出力するものであるので、他のユーザは移動中のユーザが到着予定時刻に遅れた場合にしか移動中のユーザの情報を取得することができないという問題があった。つまり、移動中のユーザが他のユーザと待ち合わせをしている場合等において、他のユーザが移動中のユーザの状況を知りたいという要請に応じることができないという問題があった。
【特許文献1】特開平09−243382号公報
【発明の開示】
【0004】
本発明は、一のユーザの移動状況を、適当なタイミングで他のユーザに伝えることを目的とする。
本発明によれば、移動する一のユーザが現在位置から目的地に至る過程において、一のユーザに関する情報を他のユーザに送出する1又は2以上の送信タイミングを算出し、その送信タイミングにおける一のユーザの情報を生成して、算出された1又は2以上の送信タイミングで情報を他のユーザに向けて送出し、移動する一のユーザの情報を他のユーザに伝えるメッセージ送信装置又はメッセージ送信方法が提供される。
【0005】
これにより、目的地に到着するまでの間の適切なタイミングにおいて、一のユーザに関する情報を、他のユーザに自動的に送信することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、図面に基づいて、本発明に係る実施形態のメッセージ送信装置100について説明する。本実施形態のメッセージ送信装置100は、目的地に到着する前の所定のタイミングで、待ち合わせる人(他のユーザ、第2ユーザ)に対して自動的に自己(一のユーザ、第1ユーザ)の、現在位置、移動状況等を含む情報を送信する。特に限定されないが、本実施形態のメッセージ送信装置100は、第1ユーザが搭乗する車両に搭載された車載端末装置である。もちろん、移動する第1ユーザとともに移動可能な携帯端末装置であってもよい。
【0007】
図1にメッセージ通信装置100の構成の概要を示した。メッセージ通信装置100は、第2ユーザが利用するメッセージ受信装置200と通信可能である。また、メッセージ通信装置100は、有線又は無線の車載LAN等により他の車載装置300と情報の授受が可能である。ナビゲーション装置310は、GPS機能(Global Positioning System)、および自律航法等を用いた現在位置の検出機能、目的地の設定機能、誘導経路探索機能、目的地までの所要時間算出機能等を有する。ナビゲーション装置310は、ディスプレイ320、DVD、CDまたはHDDに格納された電子地図データベース330にアクセス可能であり、第1ユーザはスイッチ、タッチパネル、リモコン、音声認識装置等の入力デバイス340を介して制御命令を入力する。
【0008】
<第1実施形態>
図1に示すように、本実施形態のメッセージ送信装置100は、位置情報取得手段1と、経路算出手段2と、所要コスト算出手段3と、情報生成手段4と、送信タイミング算出手段5と、送信手段8とを少なくとも備え、さらに送信タイミング候補提示手段6と、選択情報受付手段7とを有している。具体的には、算出した所要コストに基づいて状況情報を含む情報を送出する1又は2以上の送信タイミングを算出するプログラムを格納したROM等と、このROM等に格納されたプログラムを実行することで、送信タイミング算出手段5として機能するCPU等と、アクセス可能な記憶装置(図示せず)として機能するRAM等とを備えている。
【0009】
以下、メッセージ送信装置100の各構成について説明する。
「位置情報取得手段1」は、現在位置取得部11と目的地取得部12とを有し、電子地図データ上に定義された第1ユーザ(一のユーザに対応)の現在位置と目的地とを取得する。本実施形態の位置情報取得手段1は、ナビゲーション装置310が検出した現在位置及びナビゲーション装置310の目的地設定機能が受け付けた目的地を取得する。
【0010】
「経路算出手段2」は、電子地図データ参照部21により電子地図データ330を参照して電子地図データ上の経路を算出する。経路算出手段2は、ナビゲーション装置310の誘導経路探索機能が探索した誘導経路を取得してもよい。
【0011】
「所要コスト算出手段3」は、経路算出手段2により算出された経路に沿って、第1ユーザが現在位置から目的地まで移動する場合に要する所要コストを算出する。本実施形態では、時間の観点から所要コストを算出する所要時間算出部31と、距離の観点から所要コストを算出する距離算出部32とを有し、所要時間算出部31は現在位置から目的地までの所要時間を算出し、距離算出部32は現在位置から目的地までの到達距離を算出する。
【0012】
「情報生成手段4」は、送信タイミングにおける第1ユーザの状況を伝える状況情報を含む情報を生成する。この「情報」に含まれる「状況情報」は、送信タイミングにおける目的地に到着する到着予定時間、送信タイミングにおける目的地に到着するまでの所要時間、状況情報を送信する時点における目的地に到着するまでの距離のいずれか1以上を含む。具体的に情報生成手段4は、到着予定時間情報を生成する到着予定時間情報生成部41と、到着所要時間情報を生成する到着所要時間情報生成部42と、到着所要距離情報を生成する到着所要距離情報生成部43と、現在位置情報又は現在時刻情報を生成する現在位置・現在時刻情報生成部44とを有する。
【0013】
「送信タイミング算出手段5」は、所要コスト算出手段3により算出された所要コストに基づいて、第1ユーザの状況を第2ユーザに伝える情報を送出する1又は2以上の送信タイミングを算出する。送信タイミングは、予め定義された演算手法により算出してもよいし、所要コストと送信タイミングとを対応づけた対応情報を参照して、所要コストに基づいて送信タイミングを算出してもよい。本実施形態の送信タイミング算出手段5は、送信タイミング演算式51及び/又は送信タイミング対応情報52を備えている。送信タイミング算出手段5は、算出した送信タイミングを送信手段8へ直接送出してもよい。この場合、算出された送信タイミングに従って、自動的に状況情報を含む情報が送出される。本例では、算出された送信タイミングの中から第1ユーザに1又は2以上の送信タイミングを選択させ、選択された送信タイミングを採用する。この場合は、算出された送信タイミングは、送信タイミング候補提示手段6へ送出される。
【0014】
「送信タイミング候補提示手段6」は、送信タイミング算出手段5により算出された1又は2以上の送信タイミングの候補を第1ユーザに提示する。本実施形態では車載のディスプレイ320に表示する。
【0015】
「選択受付手段7」は、送信タイミング候補提示手段6により提示された送信タイミングの候補の中から1又は2以上の送信タイミングを選択する選択命令を受け付ける。本例では車載の入力デバイス340を介して第1ユーザからの選択命令を受け付ける。選択受付手段7は受け付けた選択命令を送信手段8に取得させる(又は送出する)。
【0016】
「送信手段8」は送信タイミング算出手段5により算出された送信タイミングで第1ユーザの状況情報を含む情報を第2ユーザに向けて送信する。送信タイミングは、自動的に決定したタイミングであってもよいし、ユーザが選択したタイミングであってもよい。また、複数の送信タイミングが算出された場合には、メッセージを複数回送信してもよい。本実施形態の送信手段8は送信タイミング取得部81を有し、送信タイミング取得部81を介して取得した選択命令に基づく送信タイミングで、情報をユーザに向けて送出する。なお、送信手段8は、メッセージ受信装置200と情報の送受信を行うための通信機能82を備える。本例の通信機能82は、携帯電話網、無線LAN、近距離無線、中長距離無線、赤外線通信などの無線通信手法を用いて第2ユーザ側のメッセージ受信装置200に状況情報を含むメッセージ(情報)その他の情報を送信する。
【0017】
次に、本実施形態のメッセージ送信装置の制御手順を図2及び図3のフローチャートに基づいて説明する。図2に全体の制御手順の概要を示し、図3に送信タイミング候補の算出処理の詳細を示す。
【0018】
図2に示すように、起動後(S100)、ナビゲーション装置310で目的地が設定されると(S101)、状況情報を含むメッセージを自動送信する機能を起動させるか否かの問い合わせを提示しユーザ入力を待つ(S102)。ユーザがメッセージの自動送信を起動させない設定をした場合(S102のNo)はそのまま終了する。他方、ユーザがメッセージの自動送信を起動させる設定をした場合(S102のYes)、位置情報取得手段1は自車両の現在位置と目的地とをナビゲーション装置310から取得し、S103へ進む。S103において1又は2以上の送信タイミングの候補を算出する。送信タイミングは所定の数だけ算出することが好ましい。本例ではユーザが認識しやすく選択操作がしやすい数とする観点から、4つの送出タイミングの候補を算出する。
【0019】
S103の処理の詳細について、図3に基づいて説明する。メッセージ自動送信機能が起動されると、経路算出手段2は、取得した現在位置から目的地までの経路を算出する(S201)。本例ではナビゲーション装置310の経路探索機能により探索された経路情報を取得する。次に所要コスト算出手段3は、経路算出手段2により算出された経路に沿って、第1ユーザが現在位置から目的地まで移動する場合に要する所要コストを算出する(S202)。所要コストは、所要時間であってもよいし、走行を要する距離であってもよい。算出された所要コストは、送信タイミング算出手段5へ送られる。送信タイミング算出手段5は、取得した所要コストに基づいて、第1ユーザの移動状況を示す状況情報を含む情報を送出する1又は2以上の送信タイミング候補を算出する(S203)。
【0020】
ここで、2つの送信タイミング候補の算出手法を説明する。
【0021】
第1の手法は、所定の演算式に基づいて送信タイミングを算出する手法である。演算式は予め送信タイミング演算式51に格納されている。特に限定されないが、目的地と現在位置とが離れている場合(距離大、所要時間長)、送出タイミング候補の間隔が長く、目的地と現在位置とが近い場合(距離小、所要時間短)、送出タイミングの候補の間隔が短くなるように演算式を設定することが好ましい。目的地から遠い場合は状況情報の変化が第1ユーザ及び第2ユーザに与える影響は小さく、目的地に近い場合(接近した場合)は状況情報の変化が第1ユーザ及び第2ユーザに与える影響は大きい(関心が高い)傾向があるからである。
【0022】
第1の手法において、目的地が設定されると、現在位置から目的地までの所要コスト(所要時間、移動距離)が算出される。ここでは所要時間T(分)に基づいて送信タイミングを算出する手法を例にして説明する。本例では、状況情報を含むメッセージを送信するタイミングを、「目的地到着のtn分前のタイミング」として定義する。つまり、送信タイミング算出手段5は、所定の候補数の送信タイミングtnを算出する。本例は、t1,t2,t3,t4の4つの送信タイミングを算出する。t1,t2,t3,t4を以下のように定義した。
t1=T/2,t2=T/3,t3=T/6,t4=T/12、ただし、小数点以下は切り捨てる。また、t1=T/2<1となるときには、「今すぐ送信」とする。t1〜tnのいずれか2以上が同じ値を示すとき(ti=tj)、一方の送信タイミング(tj)をブランクとする。具体的には、本例において所要時間Tが54分であるとき、送信タイミング候補は「(目的地到着の)27分前」「18分前」「9分前」「4分前」の4つとなる。所要時間Tが11分であるとき、送信タイミング候補は「(目的地到着の)5分前」「3分前」「1分前」「今すぐ」の4つとなる。
【0023】
なお、ユーザが選択肢を選択しやすいようにするという観点から、以下の処理を付加的に行ってもよい。先述した例のように、送信タイミング候補が「27分前」という半端な(認識しにくい)時間である場合がある。このような場合は、t1=T/2,t2=T/3,t3=T/6,t4=T/12により算出された値がtn>5となるとき、tnを5で割った商(整数とする)を求め、商に5を乗じた数をtnとしてもよい。例えば、所要時間Tが54分であるときの1番目の送信タイミング候補は以下のように算出される。
t1=54/2=27,27/5=5・・・2,5×5=25,故にt1=25となる。同様にt2=15,t3=5となる。t4については。t4=54/12=4・・・6,4<5,故にt4=4となる。このように、送信タイミングの候補を5の倍数で示すことにより、ユーザが選択時において認識しやすいように送信タイミングを提示することができる。なお、本例では所要時間が所定の値(例えば120分)を超える場合は、所要時間Tを所定の値(120分)として送信タイミングを算出する。
【0024】
第2の手法は、所要コストと送信タイミングとを対応づけた対応情報に基づいて送信タイミングを算出する手法である。対応情報は予め送信タイミング対応情報52に格納されている。対応情報の一例を図4に示した。現在位置から目的地までの予想所要時間に、第1の選択肢(送信タイミング候補)から第4の選択肢までが対応づけられている。例えば、所要時間Tが54分であると算出された場合には、「予測所要時間」の30分〜60分に対応づけられた、3分前、5分前、10分前、15分前のタイミングを送信タイミングとして算出する。
【0025】
ここで、図2のS104に戻る。送信タイミング候補提示手段6は、送信タイミング算出手段5により算出された1又は2以上の(本例では4つ)送信タイミング候補を車両に搭載されたディスプレイ320に提示し、ユーザの選択入力を待つ(S104)。送信タイミング候補の提示例を図5に示す。ここで示す送信タイミングは、図4に示した送信タイミング対応情報に基づいて算出されたものである。図5(A)は、所要時間Tが9分である場合の提示例、図5(B)は所要時間Tが35分である場合の提示例、図5(C)は所要時間Tが4時間である場合(120分とみなされる)の提示例である。図5に示すように、スイッチ341のスイッチの方向と、送信タイミングの表示方向とが略一致するように、送信タイミング候補を提示したため、ユーザの視認性及び入力操作性を向上させることができる。
【0026】
選択受付手段7は、提示された送信タイミング候補の中から1又は2以上の送信タイミングを選択する選択命令を受け付ける(S105)。選択命令は送信手段8に送出される。このように、第1ユーザの判断を反映させた送信タイミングを設定できるため、第1ユーザの状況及び第2ユーザの状況(第2ユーザの出発地と目的地との位置関係によっても、適切な送信タイミングは異なる)に応じたタイミングでメッセージを送信することができる。
【0027】
送信手段8は、選択命令に基づいて送信タイミングを設定する(S106)。もちろん、送信タイミング算出手段5により算出された送信タイミングを直接取得して、自動的に(ユーザの選択を待たずに)メッセージを送信してもよい。送信手段8は送信タイミングとなったか否かを監視する。具体的には、ナビゲーション装置310が逐次算出する予想所要時間をモニタして、設定された送信タイミングになるまで待機する(S107)。
【0028】
送信タイミングになったら(S107でY)、情報生成手段4は送信タイミングにおける状況情報を含むメッセージ(情報)を生成する(S108)。メッセージ(情報)に含まれる状況情報は、送信タイミングにおける目的地に到着する到着予定時間、送信タイミングにおける目的地に到着するまでの所要時間、送信タイミングにおける目的地に到着するまでの距離のいずれか1以上を含むことが好ましい。図6に生成した状況情報を含むメッセージ(情報)の例を示す。図6(A)は、「第1ユーザの名前」と、「送信タイミングにおける目的地に到着する到着予定時間」と、「現在時刻」とを含むメッセージ(情報)の例を示す。図6(B)は「第1ユーザの名前」と、「現在位置」と、「送信タイミングにおける目的地に到着するまでの所要時間」と、「現在時刻」とを含むメッセージ(情報)の例を示す。図6(C)は「第1ユーザの名前」と、「現在位置付近のランドマーク(施設)」と、「送信タイミングにおける目的地に到着するまでの所要時間」と、「現在時刻」とを含むメッセージを示す。状況情報は、情報を送信するタイミングにおける第1ユーザの状況を示す情報である。送信タイミングにおける到着予定時間、目的地までの所要時間、目的地までの距離は、逐次検出される現在位置に基づいて算出される。つまり、位置情報所得手段1は、起動後継続的に現在位置を取得し、経路算出手段2は継続的に経路を算出し、所要コスト算出手段3は継続的に所要コストを算出する。
【0029】
送信手段8は、送信タイミング算出手段5により算出された1又は2以上の送信タイミングであって、ユーザにより選択された送信タイミングで、状況情報を含む情報を第2ユーザに向けて送出する(S109)。
【0030】
本実施形態のメッセージ送信装置100によれば、目的地に到達する前に、移動中の状況を伝えることができる情報(たとえば、5分後の横浜駅に到着する予定です)を、自動的に他のユーザに送出することができる。これにより、待ち合わせ時などにおける第1ユーザの状況を相手に知らせることができる。
【0031】
本実施形態のメッセージ送信装置100によれば、目的地までの所要時間や目的地までの距離等の所要コストに基づいて送信タイミングを算出するため、状況を知らせるのに適切なタイミングで状況情報を含む情報を送信することができる。
【0032】
本実施形態のメッセージ送信装置100によれば、1又は2以上の送信タイミング候補をユーザに提示して、ユーザの選択に基づいて送信タイミングを設定することができ、個別具体的な事情に応じた送信タイミングでメッセージ(情報)を送出することができる。
【0033】
本装置によれば、状況を知らせたい場合に、その都度メッセージの送信操作をする必要がない。
【0034】
<第2実施形態>
次に第2実施形態について説明する。第2実施形態のメッセージ送信装置500は、送信タイミングをランドマークにより表現する点を特徴とする。
【0035】
本実施形態の送信タイミング算出手段5は、所要コスト算出手段3により算出された所要コストに基づいて、情報を送出する1又は2以上の送信タイミングを算出する機能を有する点で、第1実施形態の送信タイミング算出手段5と共通する。
【0036】
第2実施形態のメッセージ送信装置500のブロック構成を図7に示した。図7に示すように、本実施形態のメッセージ送信装置500の送信タイミング算出手段5は、第1タイミング算出部55と、ランドマーク抽出部56と、ランドマーク所要コスト算出部57と、ランドマーク特定部58と、第2タイミング算出部59とを有する送信タイミング算出手段5を備えている。なお、図7には図示しなかったが、第1実施形態と同様に、送信タイミング演算式51、送信タイミング対応情報52(図1参照)を備えている。
【0037】
ここでは異なる構成である送信タイミング算出手段5を中心に説明し、第1実施形態と共通する点については説明を省略する。
【0038】
「第1タイミング算出部55」は、所要コスト算出手段3により算出された所要コストに基づいて情報を送出する1又は2以上の第1タイミングを算出する。ちなみに、第1実施形態では所要コスト算出手段3により算出された所要コストに基づいて算出されたタイミングを送信タイミングとして扱うが、本実施形態ではこの第1タイミングにおいて第1ユーザが接近するランドマークをキーにして送信タイミングを算出する。
【0039】
「ランドマーク抽出部56」は、経路算出手段2により算出された現在位置から目的地までの経路上に存在する1又は2以上のランドマークを抽出する。現在位置から目的地までの経路上に存在するランドマークは、電子地図データ330に予め記憶されたランドマークである。
【0040】
本実施形態におけるランドマークは、第1ユーザ及び第2ユーザが連絡をするにあたって状況を伝達しやすい、すなわち目印になる場所である。例えば車両専用道路であれば、高速道路のインターチェンジ、サービスエリア、パーキングエリアをランドマークとすることが好ましい。また、市街地等であれば、駅、学校、病院、スーパー等の施設をランドマークとすることが好ましい。
【0041】
また、本実施形態のランドマーク抽出部56は、現在位置を含む経路が高速道路等の車両専用道路であるか否かを判断し、経路が車両専用道路である場合には予め定義した車両専用道路特有のランドマーク(例えば高速道路のインターチェンジ、サービスエリア、パーキングエリア)を抽出する。これにより、高速道路など車両専用道路上においてわかりやすいランドマークを基準として情報を送出することができる。
【0042】
さらに、本実施形態のランドマーク抽出部56は、現在位置とランドマークとの間の距離が所定値以上であるか否かを判断し、経路の距離が所定値以上である場合には、予め定義された大規模施設に対応するランドマークを抽出する。なお、経路の距離が所定値未満である場合は、特に限定されないが、予め定義された大規模施設及び大規模施設以外の施設に対応するランドマークを抽出する。これにより、距離が離れている場合には認識しやすい大規模施設を基準として情報を送出することができ、距離が近い場合にはランドマークの対象を広げ、身近にあるランドマークを基準として情報を送出することができる。
【0043】
「ランドマーク所要コスト算出部57」は、抽出された各ランドマークから目的地まで移動する場合に要する所要コストを算出する。ランドマークから目的地までの所要コストは、所要コスト算出手段3に算出させて、その結果を取得するようにしてもよい。
【0044】
「ランドマーク特定部58」は、第1タイミングとランドマーク所要コストとに基づいて、各第1タイミングにおいて第1ユーザが接近するランドマークをそれぞれ特定する。
【0045】
「第2タイミング算出部59」は、ランドマーク特定部58により特定された1又は2以上の各ランドマークに第1ユーザが到着又は通過する第2タイミングを算出し、第2タイミングを送信タイミングとして設定する。ここで、第2タイミングを算出するのは、第1タイミングにおける車両の位置周辺に適切なランドマークがあるとは限らず、第1タイミングにおける第1ユーザの位置とランドマークの位置とが離れている場合もあるからである。このような場合、特定されたランドマークに到着する第2タイミングを基準として情報を送信することが好ましい。もっとも、第1タイミングの現在位置とランドマークとが近接して存在する場合には、第1タイミングと第2タイミングとは略同一のタイミングとなる。
【0046】
本実施形態のメッセージ送信装置500は、送信タイミング候補提示手段6と、選択受付手段7とを備え、送信タイミングの候補をランドマークにより表現する。送信タイミングを選択する場面においては、送信タイミングの候補をランドマークで提示して、第1ユーザの選択命令を受け付ける。
【0047】
具体的に、送信タイミング候補提示手段6は、算出された1又は2以上の送信タイミング(第2タイミング)において第1ユーザが到達すると予測されるランドマークを提示する。選択受付手段7は、送信タイミング候補提示手段6により提示されたランドマークにより一の送信タイミングを選択する選択命令を受け付け、選択命令により特定されたランドマークに対応する送信タイミングを送信手段8に取得させる(送出する)。
【0048】
送信手段は、取得した選択命令に基づく送信タイミングで情報を第2ユーザに向けて送出する。
【0049】
第2実施形態のメッセージ送信装置500の制御手順を図9〜図12に基づいて説明する。第2実施形態のメッセージ送信装置500の制御手順は、図2及び図3に示した第1実施形態の制御手順と基本的に共通する。
【0050】
図8は、図2に示したS103の送信タイミング候補の算出処理を示すフローチャートである。S102にてメッセージ送信機能が起動されると、経路算出手段2は、取得した現在位置と目的地に基づいて現在位置から目的地までの経路を算出する(S211)。ランドマーク抽出部56は、経路上の(電子地図データ330に記憶されている)ランドマーク(たとえなインターチェンジ、サービスエリア、駅、学校など)を抽出する(S212)。ランドマークの抽出は、全経路に渡って行っても良いし、経路の一部について行っても良い。例えば目的地までの所要時間がTである場合、1/Tで到達できる地点から目的地までの経路についてランドマークを抽出してもよい。
【0051】
ランドマーク所要コスト算出部57は、現在位置から抽出された各ランドマークまで移動する場合に要する所要コスト(時間又は距離)を算出する(S213)。その後、第1タイミング算出部55は、所要コスト算出手段3により算出された現在位置から目的地までの所要コストに基づいて第1タイミングを算出する(S214)。本例の第1タイミングは、第1実施形態の送信タイミング算出手段5により算出される送信タイミングと共通し、算出手法も同じ手法を用いることができる。第1タイミングが算出されたら、送信タイミング算出手段5は、第1タイミングにおいて第1ユーザが接近するランドマークを特定する(S215)。
【0052】
ランドマークの特定処理に係る2つの手法を図9及び図10に基づいて詳細に説明する。
まず、所要時間に基づいてランドマークを特定する処理を図9に基づいて説明する。
図9のS301は、図8の第1タイミングの算出処理(S214)に続く処理である。第1タイミング算出部55は、第1タイミングtiとしてt1,t2,t3,t4を算出する(S301)。
iの初期値を1とする(S302)。t1がゼロでない(1分以上)であることを判断する(S303)。t1=0であれば、第1タイミングは「今すぐ」のタイミングとなる(S304)。他方t1がゼロでない(1分以上)である場合は、tiからti+1の区間の経路に高速道路、有料道路、バイパスなどの車両専用道路が含まれるか否かを判断する(S305)。車両専用道路が含まれる場合、ランドマーク抽出部56は、インターチェンジ(IC)、サービスエリア(SA)、パーキングエリア(PA)又はジャンクション(JCT)などの予め定義された車両専用道路特有のランドマークをさらに抽出する(絞り込む)(S306)。他方、tiからti+1の区間の経路に車両専用道路が含まれない場合は、駅、学校、役所、郵便局、病院、ガソリンスタンド、飲食店、スーパー、デパート、コンビニエンスストアその他の施設(車両専用道路特有ではない目印)又は交差点をランドマークとして抽出する(S316)。さらに、抽出したランドマークから目的地までのランドマーク所要時間Pをそれぞれ算出する。ランドマーク特定部58は、第1タイミングとランドマーク所要コストとに基づいて、第1タイミングにおいて第1ユーザが接近するランドマークをそれぞれ特定する。つまり、ti≧Pで、かつPが最大となるランドマークを抽出する(S307)。tiに基づいて特定されたランドマークは、第1タイミング(ti)において接近するランドマークの候補として特定する(S308)。本例ではi=4になるまで、ランドマークの特定処理を行う(S309,310)。この処理により第1タイミングに対応するランドマークがそれぞれ特定される。本実施形態では、このランドマークを用いて送信タイミングを表現する。なお、ここでは所要時間に基づいて処理を行ったが、目的地までの距離に基づいて処理を行ってもよい。
【0053】
図10には、ランドマーク特定処理の他の例を示した。本例は、所要コストが距離であり、距離に基づいて第1タイミングを求めた場合の処理である。第1タイミング算出部55は、現在位置から目的地までの距離Dの基づいて第1タイミングを求める。本例では第1タイミングdiとしてd1,d2,d3,d4を算出する(S401)。
具体的に、第1タイミングは、距離diとして算出される。d1,d2,d3,d4を以下のように定義した。
d1=D/2,d2=D/3,d3=D/6,d4=D/12、ただし、小数点以下は切り捨てる。また、d1=(D/2)<1となるときには、「今すぐ送信」とする。d1〜dnのいずれか2以上が同じ値を示すとき(di=dj)、一方の送信タイミング(dj)をブランクとする。送信タイミング候補は「(目的地到着の)5分前」「3分前」「1分前」「今すぐ」の4つとなる。
【0054】
iの初期値を1とする(S402)。d1がゼロでない(1km以上)であることを判断する(S403)。d1=0であれば、第1タイミングは「今すぐ」のタイミングとなる(S404)。他方d1がゼロでない(1km以上)である場合は、diからdi+1の区間の経路に高速道路、有料道路、バイパスなどの車両専用道路が含まれるか否かを判断する(S405)。車両専用道路が含まれる場合、ランドマーク抽出部56は、インターチェンジ(IC)、サービスエリア(SA)、パーキングエリア(PA)又はジャンクション(JCT)などの予め定義された車両専用道路特有のランドマークをさらに抽出する(絞り込む)(S407)。他方、diからdi+1の区間の経路に車両専用道路が含まれない場合は、さらに、ランドマーク抽出部56はdiが所定距離以上であるか否かを判断する(S406)。diが所定距離以上である場合、ランドマーク抽出部56は、予め定義された大規模施設に対応するランドマーク(駅、学校、役所、郵便局、病院、デパートなど)を抽出する(S417)。他方、diが所定距離未満である場合、ランドマーク抽出部56は、予め定義された大規模施設に加えて、大規模施設以外のランドマーク(交差点、ガソリンスタンド、飲食店、コンビニエンスストアなど)を抽出する(S427)。このような処理を行うのは、目的地から離れた場所、例えば目的地から20km手前のコンビニエンスストアが抽出されても、第2ユーザはその位置を正確に認識できないからである。他方、目的地に近い場所であれば、第2ユーザはコンビニエンスストアの位置を正確に認識することができる。
【0055】
さらに、抽出したランドマークから目的地までのランドマーク距離Qをそれぞれ算出する。ランドマーク特定部58は、第1タイミングとランドマーク所要コスト(距離Q)とに基づいて、第1タイミングにおいて第1ユーザが接近するランドマークをそれぞれ特定する。つまり、di≧Qで、かつQが最大となるランドマークを抽出する(S408)。diに基づいて特定されたランドマークは、距離diの地点を通過する際に接近するランドマークであり、第1タイミングとして設定される(S409)。本例ではi=4になるまで、ランドマークの特定処理を行う(S410,411)。この処理により第1タイミングに対応するランドマークがそれぞれ特定される。本実施形態では、このランドマークを用いて送信タイミングを表現する。
【0056】
ここで図8に戻り、ランドマークの特定後(S215)、第2タイミング算出部59は、特定されたランドマークに第1ユーザが到達すると予測される第2タイミングを算出する(S216)。特定されたランドマークを必ずしも第1タイミングにおいて通過できるとは限らないため、特定されたランドマークに到達する第2タイミングを求め、この第2タイミングを送信タイミングとして設定する(S217)。これにより、ランドマーク通過時において情報を送出させることができる。
【0057】
その後、図2のS104に戻る。送信タイミング候補提示手段6は、送信タイミング算出手段5により算出された1又は2以上の(本例では4つ)送信タイミング候補を車両に搭載されたディスプレイ320に提示し、ユーザの選択入力を待つ(S104)。送信タイミング候補の提示例を図11に示す。本実施形態では、送信タイミングをランドマークにより表現する。図11に示すように、現時点から近い送信タイミング(目的地到着までの所要時間が最も長い送信タイミング)は到着54分前であるが、その送信タイミングがサービスエリアの名称で提示される。これと同様にインターチェンジの名称、駅の名称、病院の名称により送信タイミングが提示される。図11に示すように、送信タイミングに対応するランドマークが一覧として提示されるため、ユーザは送信タイミングを直感的に選択することができる。
【0058】
次に、選択受付手段7は提示された送信タイミング候補の中から1又は2以上の送信タイミングを選択するユーザの選択命令を受け付ける(S105)。選択命令は送信手段8に送出される。
【0059】
送信手段8は、選択命令に基づいて送信タイミングを設定する(S106)。送信手段8は送信タイミングとなったか否かを監視する。具体的には、ナビゲーション装置310が逐次算出する予想所要時間をモニタして、設定された送信タイミングになるまで待機する(S107)。
【0060】
送信タイミングになったら(S107でY)、情報生成手段4は送信タイミングにおける状況情報を含むメッセージ(情報)を生成する(S108)。メッセージ(情報)に含まれる状況情報は、送信タイミングにおける目的地に到着する到着予定時間、送信タイミングにおける目的地に到着するまでの所要時間、送信タイミングにおける目的地に到着するまでの距離のいずれか1以上を含むことが好ましい。図12に生成した状況情報を含むメッセージの例を示す。図12に示したメッセージは、「第1ユーザの名前」と、「送信タイミングに値押するランドマークの名称」「送信タイミングにおける目的地までの所要時間」と、「現在時刻」とを含むメッセージを示す。メッセージは特に限定されず、「送信タイミングにおける目的地に到着する到着予定時刻」を含んでもよい。なお、送信タイミングにおける到着予定時間、目的地までの所要時間、目的地までの距離は、逐次検出される現在位置に基づいて算出される。つまり、位置情報所得手段1は、起動後継続的に現在位置を取得し、経路算出手段2は継続的に経路を算出し、所要コスト算出手段3は継続的に所要コストを算出する。
【0061】
送信手段8は、送信タイミング算出手段5により算出された1又は2以上の送信タイミングであって、ユーザにより選択された送信タイミングで、状況情報を含むメッセージ(情報)を第2ユーザに向けて送出する(S109)。
【0062】
本実施形態のメッセージ送信装置500によれば、目的地に到達する前に、移動中の状況を示す情報(たとえば、5分後の横浜駅に到着する予定です)を、所定のランドマーク付近を通過するタイミングで、自動的に他のユーザに送出することができる。これにより、待ち合わせ時などにおける第1ユーザの状況を、適切なタイミングで相手に知らせることができる。
【0063】
本実施形態のメッセージ送信装置500によれば、目的地までの所要時間や目的地までの距離等の所要コストに基づいて送信タイミングを算出するため、状況を知らせるのに適切なタイミングで状況情報を含む情報を送信することができる。
【0064】
本実施形態のメッセージ送信装置500によれば、1又は2以上の送信タイミング候補をランドマークによりユーザに提示し、ユーザの選択に基づいて送信タイミングを設定することができる。ユーザは、ランドマークの名称により適切な送信タイミングを直感的に選択することができる。
【0065】
本装置によれば、状況を知らせたい場合に、その都度メッセージの送信操作をする必要がない。
【0066】
ここでは、メッセージ送信装置100,500について説明したが、メッセージ送信素方法を使用した場合も、同様に作用し、同様の効果を奏する。
【0067】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】第1実施形態のメッセージ送信装置のブロック構成図である。
【図2】メッセージ送信装置の制御手順の全体を示すフローチャートである。
【図3】第1実施形態の送信タイミング算出処理の制御手順を示すフローチャート図である。
【図4】送信タイミング対応情報の一例を示す図である。
【図5】(A)〜(C)は、送信タイミングの候補の提示例を示す図である。
【図6】(A)〜(C)は、状況情報を含むメッセージの例を示す図である。
【図7】第2実施形態のメッセージ送信装置のブロック構成図である。
【図8】第2実施形態の送信タイミング算出処理の制御手順を示すフローチャート図である。
【図9】ランドマーク特定処理の制御手順を示すフローチャート図である。
【図10】ランドマーク特定処理の他の制御手順を示すフローチャート図である。
【図11】送信タイミングの候補の提示例を示す図である。
【図12】状況情報を含むメッセージの例を示す図である。
【符号の説明】
【0069】
100,500…メッセージ送信装置
1…位置情報取得手段
2…経路算出手段
3…所要コスト算出手段
4…情報生成手段
5…送信タイミング算出手段
6…送信タイミング候補提示手段
7…選択受付手段
8…送信手段
200…メッセージ受信装置
300…他の車載装置
310…ナビゲーション装置
320…ディスプレイ
330…電子地図データ
340…入力デバイス
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地に到着する前の所定のタイミングで、他のユーザに対して自動的に情報を送信するメッセージ送信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
設定した目的地に到着する時刻を計算し、表示するナビゲーション装置がある(特許文献1参照)。このナビゲーション装置によれば、自己のスケジュール情報と目的地までの到着時刻等とが関連づけた進捗状況が表示されるため、ユーザは走行中においても自己のスケジュールを管理することができる。また、スケジュール時刻どおりに目的地に到着できなかった場合には、目的地に電話をすることができる。
【0003】
しかしながら、従来のナビゲーション装置はユーザの移動中の情報をユーザ自身に出力するものであるので、他のユーザは移動中のユーザが到着予定時刻に遅れた場合にしか移動中のユーザの情報を取得することができないという問題があった。つまり、移動中のユーザが他のユーザと待ち合わせをしている場合等において、他のユーザが移動中のユーザの状況を知りたいという要請に応じることができないという問題があった。
【特許文献1】特開平09−243382号公報
【発明の開示】
【0004】
本発明は、一のユーザの移動状況を、適当なタイミングで他のユーザに伝えることを目的とする。
本発明によれば、移動する一のユーザが現在位置から目的地に至る過程において、一のユーザに関する情報を他のユーザに送出する1又は2以上の送信タイミングを算出し、その送信タイミングにおける一のユーザの情報を生成して、算出された1又は2以上の送信タイミングで情報を他のユーザに向けて送出し、移動する一のユーザの情報を他のユーザに伝えるメッセージ送信装置又はメッセージ送信方法が提供される。
【0005】
これにより、目的地に到着するまでの間の適切なタイミングにおいて、一のユーザに関する情報を、他のユーザに自動的に送信することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、図面に基づいて、本発明に係る実施形態のメッセージ送信装置100について説明する。本実施形態のメッセージ送信装置100は、目的地に到着する前の所定のタイミングで、待ち合わせる人(他のユーザ、第2ユーザ)に対して自動的に自己(一のユーザ、第1ユーザ)の、現在位置、移動状況等を含む情報を送信する。特に限定されないが、本実施形態のメッセージ送信装置100は、第1ユーザが搭乗する車両に搭載された車載端末装置である。もちろん、移動する第1ユーザとともに移動可能な携帯端末装置であってもよい。
【0007】
図1にメッセージ通信装置100の構成の概要を示した。メッセージ通信装置100は、第2ユーザが利用するメッセージ受信装置200と通信可能である。また、メッセージ通信装置100は、有線又は無線の車載LAN等により他の車載装置300と情報の授受が可能である。ナビゲーション装置310は、GPS機能(Global Positioning System)、および自律航法等を用いた現在位置の検出機能、目的地の設定機能、誘導経路探索機能、目的地までの所要時間算出機能等を有する。ナビゲーション装置310は、ディスプレイ320、DVD、CDまたはHDDに格納された電子地図データベース330にアクセス可能であり、第1ユーザはスイッチ、タッチパネル、リモコン、音声認識装置等の入力デバイス340を介して制御命令を入力する。
【0008】
<第1実施形態>
図1に示すように、本実施形態のメッセージ送信装置100は、位置情報取得手段1と、経路算出手段2と、所要コスト算出手段3と、情報生成手段4と、送信タイミング算出手段5と、送信手段8とを少なくとも備え、さらに送信タイミング候補提示手段6と、選択情報受付手段7とを有している。具体的には、算出した所要コストに基づいて状況情報を含む情報を送出する1又は2以上の送信タイミングを算出するプログラムを格納したROM等と、このROM等に格納されたプログラムを実行することで、送信タイミング算出手段5として機能するCPU等と、アクセス可能な記憶装置(図示せず)として機能するRAM等とを備えている。
【0009】
以下、メッセージ送信装置100の各構成について説明する。
「位置情報取得手段1」は、現在位置取得部11と目的地取得部12とを有し、電子地図データ上に定義された第1ユーザ(一のユーザに対応)の現在位置と目的地とを取得する。本実施形態の位置情報取得手段1は、ナビゲーション装置310が検出した現在位置及びナビゲーション装置310の目的地設定機能が受け付けた目的地を取得する。
【0010】
「経路算出手段2」は、電子地図データ参照部21により電子地図データ330を参照して電子地図データ上の経路を算出する。経路算出手段2は、ナビゲーション装置310の誘導経路探索機能が探索した誘導経路を取得してもよい。
【0011】
「所要コスト算出手段3」は、経路算出手段2により算出された経路に沿って、第1ユーザが現在位置から目的地まで移動する場合に要する所要コストを算出する。本実施形態では、時間の観点から所要コストを算出する所要時間算出部31と、距離の観点から所要コストを算出する距離算出部32とを有し、所要時間算出部31は現在位置から目的地までの所要時間を算出し、距離算出部32は現在位置から目的地までの到達距離を算出する。
【0012】
「情報生成手段4」は、送信タイミングにおける第1ユーザの状況を伝える状況情報を含む情報を生成する。この「情報」に含まれる「状況情報」は、送信タイミングにおける目的地に到着する到着予定時間、送信タイミングにおける目的地に到着するまでの所要時間、状況情報を送信する時点における目的地に到着するまでの距離のいずれか1以上を含む。具体的に情報生成手段4は、到着予定時間情報を生成する到着予定時間情報生成部41と、到着所要時間情報を生成する到着所要時間情報生成部42と、到着所要距離情報を生成する到着所要距離情報生成部43と、現在位置情報又は現在時刻情報を生成する現在位置・現在時刻情報生成部44とを有する。
【0013】
「送信タイミング算出手段5」は、所要コスト算出手段3により算出された所要コストに基づいて、第1ユーザの状況を第2ユーザに伝える情報を送出する1又は2以上の送信タイミングを算出する。送信タイミングは、予め定義された演算手法により算出してもよいし、所要コストと送信タイミングとを対応づけた対応情報を参照して、所要コストに基づいて送信タイミングを算出してもよい。本実施形態の送信タイミング算出手段5は、送信タイミング演算式51及び/又は送信タイミング対応情報52を備えている。送信タイミング算出手段5は、算出した送信タイミングを送信手段8へ直接送出してもよい。この場合、算出された送信タイミングに従って、自動的に状況情報を含む情報が送出される。本例では、算出された送信タイミングの中から第1ユーザに1又は2以上の送信タイミングを選択させ、選択された送信タイミングを採用する。この場合は、算出された送信タイミングは、送信タイミング候補提示手段6へ送出される。
【0014】
「送信タイミング候補提示手段6」は、送信タイミング算出手段5により算出された1又は2以上の送信タイミングの候補を第1ユーザに提示する。本実施形態では車載のディスプレイ320に表示する。
【0015】
「選択受付手段7」は、送信タイミング候補提示手段6により提示された送信タイミングの候補の中から1又は2以上の送信タイミングを選択する選択命令を受け付ける。本例では車載の入力デバイス340を介して第1ユーザからの選択命令を受け付ける。選択受付手段7は受け付けた選択命令を送信手段8に取得させる(又は送出する)。
【0016】
「送信手段8」は送信タイミング算出手段5により算出された送信タイミングで第1ユーザの状況情報を含む情報を第2ユーザに向けて送信する。送信タイミングは、自動的に決定したタイミングであってもよいし、ユーザが選択したタイミングであってもよい。また、複数の送信タイミングが算出された場合には、メッセージを複数回送信してもよい。本実施形態の送信手段8は送信タイミング取得部81を有し、送信タイミング取得部81を介して取得した選択命令に基づく送信タイミングで、情報をユーザに向けて送出する。なお、送信手段8は、メッセージ受信装置200と情報の送受信を行うための通信機能82を備える。本例の通信機能82は、携帯電話網、無線LAN、近距離無線、中長距離無線、赤外線通信などの無線通信手法を用いて第2ユーザ側のメッセージ受信装置200に状況情報を含むメッセージ(情報)その他の情報を送信する。
【0017】
次に、本実施形態のメッセージ送信装置の制御手順を図2及び図3のフローチャートに基づいて説明する。図2に全体の制御手順の概要を示し、図3に送信タイミング候補の算出処理の詳細を示す。
【0018】
図2に示すように、起動後(S100)、ナビゲーション装置310で目的地が設定されると(S101)、状況情報を含むメッセージを自動送信する機能を起動させるか否かの問い合わせを提示しユーザ入力を待つ(S102)。ユーザがメッセージの自動送信を起動させない設定をした場合(S102のNo)はそのまま終了する。他方、ユーザがメッセージの自動送信を起動させる設定をした場合(S102のYes)、位置情報取得手段1は自車両の現在位置と目的地とをナビゲーション装置310から取得し、S103へ進む。S103において1又は2以上の送信タイミングの候補を算出する。送信タイミングは所定の数だけ算出することが好ましい。本例ではユーザが認識しやすく選択操作がしやすい数とする観点から、4つの送出タイミングの候補を算出する。
【0019】
S103の処理の詳細について、図3に基づいて説明する。メッセージ自動送信機能が起動されると、経路算出手段2は、取得した現在位置から目的地までの経路を算出する(S201)。本例ではナビゲーション装置310の経路探索機能により探索された経路情報を取得する。次に所要コスト算出手段3は、経路算出手段2により算出された経路に沿って、第1ユーザが現在位置から目的地まで移動する場合に要する所要コストを算出する(S202)。所要コストは、所要時間であってもよいし、走行を要する距離であってもよい。算出された所要コストは、送信タイミング算出手段5へ送られる。送信タイミング算出手段5は、取得した所要コストに基づいて、第1ユーザの移動状況を示す状況情報を含む情報を送出する1又は2以上の送信タイミング候補を算出する(S203)。
【0020】
ここで、2つの送信タイミング候補の算出手法を説明する。
【0021】
第1の手法は、所定の演算式に基づいて送信タイミングを算出する手法である。演算式は予め送信タイミング演算式51に格納されている。特に限定されないが、目的地と現在位置とが離れている場合(距離大、所要時間長)、送出タイミング候補の間隔が長く、目的地と現在位置とが近い場合(距離小、所要時間短)、送出タイミングの候補の間隔が短くなるように演算式を設定することが好ましい。目的地から遠い場合は状況情報の変化が第1ユーザ及び第2ユーザに与える影響は小さく、目的地に近い場合(接近した場合)は状況情報の変化が第1ユーザ及び第2ユーザに与える影響は大きい(関心が高い)傾向があるからである。
【0022】
第1の手法において、目的地が設定されると、現在位置から目的地までの所要コスト(所要時間、移動距離)が算出される。ここでは所要時間T(分)に基づいて送信タイミングを算出する手法を例にして説明する。本例では、状況情報を含むメッセージを送信するタイミングを、「目的地到着のtn分前のタイミング」として定義する。つまり、送信タイミング算出手段5は、所定の候補数の送信タイミングtnを算出する。本例は、t1,t2,t3,t4の4つの送信タイミングを算出する。t1,t2,t3,t4を以下のように定義した。
t1=T/2,t2=T/3,t3=T/6,t4=T/12、ただし、小数点以下は切り捨てる。また、t1=T/2<1となるときには、「今すぐ送信」とする。t1〜tnのいずれか2以上が同じ値を示すとき(ti=tj)、一方の送信タイミング(tj)をブランクとする。具体的には、本例において所要時間Tが54分であるとき、送信タイミング候補は「(目的地到着の)27分前」「18分前」「9分前」「4分前」の4つとなる。所要時間Tが11分であるとき、送信タイミング候補は「(目的地到着の)5分前」「3分前」「1分前」「今すぐ」の4つとなる。
【0023】
なお、ユーザが選択肢を選択しやすいようにするという観点から、以下の処理を付加的に行ってもよい。先述した例のように、送信タイミング候補が「27分前」という半端な(認識しにくい)時間である場合がある。このような場合は、t1=T/2,t2=T/3,t3=T/6,t4=T/12により算出された値がtn>5となるとき、tnを5で割った商(整数とする)を求め、商に5を乗じた数をtnとしてもよい。例えば、所要時間Tが54分であるときの1番目の送信タイミング候補は以下のように算出される。
t1=54/2=27,27/5=5・・・2,5×5=25,故にt1=25となる。同様にt2=15,t3=5となる。t4については。t4=54/12=4・・・6,4<5,故にt4=4となる。このように、送信タイミングの候補を5の倍数で示すことにより、ユーザが選択時において認識しやすいように送信タイミングを提示することができる。なお、本例では所要時間が所定の値(例えば120分)を超える場合は、所要時間Tを所定の値(120分)として送信タイミングを算出する。
【0024】
第2の手法は、所要コストと送信タイミングとを対応づけた対応情報に基づいて送信タイミングを算出する手法である。対応情報は予め送信タイミング対応情報52に格納されている。対応情報の一例を図4に示した。現在位置から目的地までの予想所要時間に、第1の選択肢(送信タイミング候補)から第4の選択肢までが対応づけられている。例えば、所要時間Tが54分であると算出された場合には、「予測所要時間」の30分〜60分に対応づけられた、3分前、5分前、10分前、15分前のタイミングを送信タイミングとして算出する。
【0025】
ここで、図2のS104に戻る。送信タイミング候補提示手段6は、送信タイミング算出手段5により算出された1又は2以上の(本例では4つ)送信タイミング候補を車両に搭載されたディスプレイ320に提示し、ユーザの選択入力を待つ(S104)。送信タイミング候補の提示例を図5に示す。ここで示す送信タイミングは、図4に示した送信タイミング対応情報に基づいて算出されたものである。図5(A)は、所要時間Tが9分である場合の提示例、図5(B)は所要時間Tが35分である場合の提示例、図5(C)は所要時間Tが4時間である場合(120分とみなされる)の提示例である。図5に示すように、スイッチ341のスイッチの方向と、送信タイミングの表示方向とが略一致するように、送信タイミング候補を提示したため、ユーザの視認性及び入力操作性を向上させることができる。
【0026】
選択受付手段7は、提示された送信タイミング候補の中から1又は2以上の送信タイミングを選択する選択命令を受け付ける(S105)。選択命令は送信手段8に送出される。このように、第1ユーザの判断を反映させた送信タイミングを設定できるため、第1ユーザの状況及び第2ユーザの状況(第2ユーザの出発地と目的地との位置関係によっても、適切な送信タイミングは異なる)に応じたタイミングでメッセージを送信することができる。
【0027】
送信手段8は、選択命令に基づいて送信タイミングを設定する(S106)。もちろん、送信タイミング算出手段5により算出された送信タイミングを直接取得して、自動的に(ユーザの選択を待たずに)メッセージを送信してもよい。送信手段8は送信タイミングとなったか否かを監視する。具体的には、ナビゲーション装置310が逐次算出する予想所要時間をモニタして、設定された送信タイミングになるまで待機する(S107)。
【0028】
送信タイミングになったら(S107でY)、情報生成手段4は送信タイミングにおける状況情報を含むメッセージ(情報)を生成する(S108)。メッセージ(情報)に含まれる状況情報は、送信タイミングにおける目的地に到着する到着予定時間、送信タイミングにおける目的地に到着するまでの所要時間、送信タイミングにおける目的地に到着するまでの距離のいずれか1以上を含むことが好ましい。図6に生成した状況情報を含むメッセージ(情報)の例を示す。図6(A)は、「第1ユーザの名前」と、「送信タイミングにおける目的地に到着する到着予定時間」と、「現在時刻」とを含むメッセージ(情報)の例を示す。図6(B)は「第1ユーザの名前」と、「現在位置」と、「送信タイミングにおける目的地に到着するまでの所要時間」と、「現在時刻」とを含むメッセージ(情報)の例を示す。図6(C)は「第1ユーザの名前」と、「現在位置付近のランドマーク(施設)」と、「送信タイミングにおける目的地に到着するまでの所要時間」と、「現在時刻」とを含むメッセージを示す。状況情報は、情報を送信するタイミングにおける第1ユーザの状況を示す情報である。送信タイミングにおける到着予定時間、目的地までの所要時間、目的地までの距離は、逐次検出される現在位置に基づいて算出される。つまり、位置情報所得手段1は、起動後継続的に現在位置を取得し、経路算出手段2は継続的に経路を算出し、所要コスト算出手段3は継続的に所要コストを算出する。
【0029】
送信手段8は、送信タイミング算出手段5により算出された1又は2以上の送信タイミングであって、ユーザにより選択された送信タイミングで、状況情報を含む情報を第2ユーザに向けて送出する(S109)。
【0030】
本実施形態のメッセージ送信装置100によれば、目的地に到達する前に、移動中の状況を伝えることができる情報(たとえば、5分後の横浜駅に到着する予定です)を、自動的に他のユーザに送出することができる。これにより、待ち合わせ時などにおける第1ユーザの状況を相手に知らせることができる。
【0031】
本実施形態のメッセージ送信装置100によれば、目的地までの所要時間や目的地までの距離等の所要コストに基づいて送信タイミングを算出するため、状況を知らせるのに適切なタイミングで状況情報を含む情報を送信することができる。
【0032】
本実施形態のメッセージ送信装置100によれば、1又は2以上の送信タイミング候補をユーザに提示して、ユーザの選択に基づいて送信タイミングを設定することができ、個別具体的な事情に応じた送信タイミングでメッセージ(情報)を送出することができる。
【0033】
本装置によれば、状況を知らせたい場合に、その都度メッセージの送信操作をする必要がない。
【0034】
<第2実施形態>
次に第2実施形態について説明する。第2実施形態のメッセージ送信装置500は、送信タイミングをランドマークにより表現する点を特徴とする。
【0035】
本実施形態の送信タイミング算出手段5は、所要コスト算出手段3により算出された所要コストに基づいて、情報を送出する1又は2以上の送信タイミングを算出する機能を有する点で、第1実施形態の送信タイミング算出手段5と共通する。
【0036】
第2実施形態のメッセージ送信装置500のブロック構成を図7に示した。図7に示すように、本実施形態のメッセージ送信装置500の送信タイミング算出手段5は、第1タイミング算出部55と、ランドマーク抽出部56と、ランドマーク所要コスト算出部57と、ランドマーク特定部58と、第2タイミング算出部59とを有する送信タイミング算出手段5を備えている。なお、図7には図示しなかったが、第1実施形態と同様に、送信タイミング演算式51、送信タイミング対応情報52(図1参照)を備えている。
【0037】
ここでは異なる構成である送信タイミング算出手段5を中心に説明し、第1実施形態と共通する点については説明を省略する。
【0038】
「第1タイミング算出部55」は、所要コスト算出手段3により算出された所要コストに基づいて情報を送出する1又は2以上の第1タイミングを算出する。ちなみに、第1実施形態では所要コスト算出手段3により算出された所要コストに基づいて算出されたタイミングを送信タイミングとして扱うが、本実施形態ではこの第1タイミングにおいて第1ユーザが接近するランドマークをキーにして送信タイミングを算出する。
【0039】
「ランドマーク抽出部56」は、経路算出手段2により算出された現在位置から目的地までの経路上に存在する1又は2以上のランドマークを抽出する。現在位置から目的地までの経路上に存在するランドマークは、電子地図データ330に予め記憶されたランドマークである。
【0040】
本実施形態におけるランドマークは、第1ユーザ及び第2ユーザが連絡をするにあたって状況を伝達しやすい、すなわち目印になる場所である。例えば車両専用道路であれば、高速道路のインターチェンジ、サービスエリア、パーキングエリアをランドマークとすることが好ましい。また、市街地等であれば、駅、学校、病院、スーパー等の施設をランドマークとすることが好ましい。
【0041】
また、本実施形態のランドマーク抽出部56は、現在位置を含む経路が高速道路等の車両専用道路であるか否かを判断し、経路が車両専用道路である場合には予め定義した車両専用道路特有のランドマーク(例えば高速道路のインターチェンジ、サービスエリア、パーキングエリア)を抽出する。これにより、高速道路など車両専用道路上においてわかりやすいランドマークを基準として情報を送出することができる。
【0042】
さらに、本実施形態のランドマーク抽出部56は、現在位置とランドマークとの間の距離が所定値以上であるか否かを判断し、経路の距離が所定値以上である場合には、予め定義された大規模施設に対応するランドマークを抽出する。なお、経路の距離が所定値未満である場合は、特に限定されないが、予め定義された大規模施設及び大規模施設以外の施設に対応するランドマークを抽出する。これにより、距離が離れている場合には認識しやすい大規模施設を基準として情報を送出することができ、距離が近い場合にはランドマークの対象を広げ、身近にあるランドマークを基準として情報を送出することができる。
【0043】
「ランドマーク所要コスト算出部57」は、抽出された各ランドマークから目的地まで移動する場合に要する所要コストを算出する。ランドマークから目的地までの所要コストは、所要コスト算出手段3に算出させて、その結果を取得するようにしてもよい。
【0044】
「ランドマーク特定部58」は、第1タイミングとランドマーク所要コストとに基づいて、各第1タイミングにおいて第1ユーザが接近するランドマークをそれぞれ特定する。
【0045】
「第2タイミング算出部59」は、ランドマーク特定部58により特定された1又は2以上の各ランドマークに第1ユーザが到着又は通過する第2タイミングを算出し、第2タイミングを送信タイミングとして設定する。ここで、第2タイミングを算出するのは、第1タイミングにおける車両の位置周辺に適切なランドマークがあるとは限らず、第1タイミングにおける第1ユーザの位置とランドマークの位置とが離れている場合もあるからである。このような場合、特定されたランドマークに到着する第2タイミングを基準として情報を送信することが好ましい。もっとも、第1タイミングの現在位置とランドマークとが近接して存在する場合には、第1タイミングと第2タイミングとは略同一のタイミングとなる。
【0046】
本実施形態のメッセージ送信装置500は、送信タイミング候補提示手段6と、選択受付手段7とを備え、送信タイミングの候補をランドマークにより表現する。送信タイミングを選択する場面においては、送信タイミングの候補をランドマークで提示して、第1ユーザの選択命令を受け付ける。
【0047】
具体的に、送信タイミング候補提示手段6は、算出された1又は2以上の送信タイミング(第2タイミング)において第1ユーザが到達すると予測されるランドマークを提示する。選択受付手段7は、送信タイミング候補提示手段6により提示されたランドマークにより一の送信タイミングを選択する選択命令を受け付け、選択命令により特定されたランドマークに対応する送信タイミングを送信手段8に取得させる(送出する)。
【0048】
送信手段は、取得した選択命令に基づく送信タイミングで情報を第2ユーザに向けて送出する。
【0049】
第2実施形態のメッセージ送信装置500の制御手順を図9〜図12に基づいて説明する。第2実施形態のメッセージ送信装置500の制御手順は、図2及び図3に示した第1実施形態の制御手順と基本的に共通する。
【0050】
図8は、図2に示したS103の送信タイミング候補の算出処理を示すフローチャートである。S102にてメッセージ送信機能が起動されると、経路算出手段2は、取得した現在位置と目的地に基づいて現在位置から目的地までの経路を算出する(S211)。ランドマーク抽出部56は、経路上の(電子地図データ330に記憶されている)ランドマーク(たとえなインターチェンジ、サービスエリア、駅、学校など)を抽出する(S212)。ランドマークの抽出は、全経路に渡って行っても良いし、経路の一部について行っても良い。例えば目的地までの所要時間がTである場合、1/Tで到達できる地点から目的地までの経路についてランドマークを抽出してもよい。
【0051】
ランドマーク所要コスト算出部57は、現在位置から抽出された各ランドマークまで移動する場合に要する所要コスト(時間又は距離)を算出する(S213)。その後、第1タイミング算出部55は、所要コスト算出手段3により算出された現在位置から目的地までの所要コストに基づいて第1タイミングを算出する(S214)。本例の第1タイミングは、第1実施形態の送信タイミング算出手段5により算出される送信タイミングと共通し、算出手法も同じ手法を用いることができる。第1タイミングが算出されたら、送信タイミング算出手段5は、第1タイミングにおいて第1ユーザが接近するランドマークを特定する(S215)。
【0052】
ランドマークの特定処理に係る2つの手法を図9及び図10に基づいて詳細に説明する。
まず、所要時間に基づいてランドマークを特定する処理を図9に基づいて説明する。
図9のS301は、図8の第1タイミングの算出処理(S214)に続く処理である。第1タイミング算出部55は、第1タイミングtiとしてt1,t2,t3,t4を算出する(S301)。
iの初期値を1とする(S302)。t1がゼロでない(1分以上)であることを判断する(S303)。t1=0であれば、第1タイミングは「今すぐ」のタイミングとなる(S304)。他方t1がゼロでない(1分以上)である場合は、tiからti+1の区間の経路に高速道路、有料道路、バイパスなどの車両専用道路が含まれるか否かを判断する(S305)。車両専用道路が含まれる場合、ランドマーク抽出部56は、インターチェンジ(IC)、サービスエリア(SA)、パーキングエリア(PA)又はジャンクション(JCT)などの予め定義された車両専用道路特有のランドマークをさらに抽出する(絞り込む)(S306)。他方、tiからti+1の区間の経路に車両専用道路が含まれない場合は、駅、学校、役所、郵便局、病院、ガソリンスタンド、飲食店、スーパー、デパート、コンビニエンスストアその他の施設(車両専用道路特有ではない目印)又は交差点をランドマークとして抽出する(S316)。さらに、抽出したランドマークから目的地までのランドマーク所要時間Pをそれぞれ算出する。ランドマーク特定部58は、第1タイミングとランドマーク所要コストとに基づいて、第1タイミングにおいて第1ユーザが接近するランドマークをそれぞれ特定する。つまり、ti≧Pで、かつPが最大となるランドマークを抽出する(S307)。tiに基づいて特定されたランドマークは、第1タイミング(ti)において接近するランドマークの候補として特定する(S308)。本例ではi=4になるまで、ランドマークの特定処理を行う(S309,310)。この処理により第1タイミングに対応するランドマークがそれぞれ特定される。本実施形態では、このランドマークを用いて送信タイミングを表現する。なお、ここでは所要時間に基づいて処理を行ったが、目的地までの距離に基づいて処理を行ってもよい。
【0053】
図10には、ランドマーク特定処理の他の例を示した。本例は、所要コストが距離であり、距離に基づいて第1タイミングを求めた場合の処理である。第1タイミング算出部55は、現在位置から目的地までの距離Dの基づいて第1タイミングを求める。本例では第1タイミングdiとしてd1,d2,d3,d4を算出する(S401)。
具体的に、第1タイミングは、距離diとして算出される。d1,d2,d3,d4を以下のように定義した。
d1=D/2,d2=D/3,d3=D/6,d4=D/12、ただし、小数点以下は切り捨てる。また、d1=(D/2)<1となるときには、「今すぐ送信」とする。d1〜dnのいずれか2以上が同じ値を示すとき(di=dj)、一方の送信タイミング(dj)をブランクとする。送信タイミング候補は「(目的地到着の)5分前」「3分前」「1分前」「今すぐ」の4つとなる。
【0054】
iの初期値を1とする(S402)。d1がゼロでない(1km以上)であることを判断する(S403)。d1=0であれば、第1タイミングは「今すぐ」のタイミングとなる(S404)。他方d1がゼロでない(1km以上)である場合は、diからdi+1の区間の経路に高速道路、有料道路、バイパスなどの車両専用道路が含まれるか否かを判断する(S405)。車両専用道路が含まれる場合、ランドマーク抽出部56は、インターチェンジ(IC)、サービスエリア(SA)、パーキングエリア(PA)又はジャンクション(JCT)などの予め定義された車両専用道路特有のランドマークをさらに抽出する(絞り込む)(S407)。他方、diからdi+1の区間の経路に車両専用道路が含まれない場合は、さらに、ランドマーク抽出部56はdiが所定距離以上であるか否かを判断する(S406)。diが所定距離以上である場合、ランドマーク抽出部56は、予め定義された大規模施設に対応するランドマーク(駅、学校、役所、郵便局、病院、デパートなど)を抽出する(S417)。他方、diが所定距離未満である場合、ランドマーク抽出部56は、予め定義された大規模施設に加えて、大規模施設以外のランドマーク(交差点、ガソリンスタンド、飲食店、コンビニエンスストアなど)を抽出する(S427)。このような処理を行うのは、目的地から離れた場所、例えば目的地から20km手前のコンビニエンスストアが抽出されても、第2ユーザはその位置を正確に認識できないからである。他方、目的地に近い場所であれば、第2ユーザはコンビニエンスストアの位置を正確に認識することができる。
【0055】
さらに、抽出したランドマークから目的地までのランドマーク距離Qをそれぞれ算出する。ランドマーク特定部58は、第1タイミングとランドマーク所要コスト(距離Q)とに基づいて、第1タイミングにおいて第1ユーザが接近するランドマークをそれぞれ特定する。つまり、di≧Qで、かつQが最大となるランドマークを抽出する(S408)。diに基づいて特定されたランドマークは、距離diの地点を通過する際に接近するランドマークであり、第1タイミングとして設定される(S409)。本例ではi=4になるまで、ランドマークの特定処理を行う(S410,411)。この処理により第1タイミングに対応するランドマークがそれぞれ特定される。本実施形態では、このランドマークを用いて送信タイミングを表現する。
【0056】
ここで図8に戻り、ランドマークの特定後(S215)、第2タイミング算出部59は、特定されたランドマークに第1ユーザが到達すると予測される第2タイミングを算出する(S216)。特定されたランドマークを必ずしも第1タイミングにおいて通過できるとは限らないため、特定されたランドマークに到達する第2タイミングを求め、この第2タイミングを送信タイミングとして設定する(S217)。これにより、ランドマーク通過時において情報を送出させることができる。
【0057】
その後、図2のS104に戻る。送信タイミング候補提示手段6は、送信タイミング算出手段5により算出された1又は2以上の(本例では4つ)送信タイミング候補を車両に搭載されたディスプレイ320に提示し、ユーザの選択入力を待つ(S104)。送信タイミング候補の提示例を図11に示す。本実施形態では、送信タイミングをランドマークにより表現する。図11に示すように、現時点から近い送信タイミング(目的地到着までの所要時間が最も長い送信タイミング)は到着54分前であるが、その送信タイミングがサービスエリアの名称で提示される。これと同様にインターチェンジの名称、駅の名称、病院の名称により送信タイミングが提示される。図11に示すように、送信タイミングに対応するランドマークが一覧として提示されるため、ユーザは送信タイミングを直感的に選択することができる。
【0058】
次に、選択受付手段7は提示された送信タイミング候補の中から1又は2以上の送信タイミングを選択するユーザの選択命令を受け付ける(S105)。選択命令は送信手段8に送出される。
【0059】
送信手段8は、選択命令に基づいて送信タイミングを設定する(S106)。送信手段8は送信タイミングとなったか否かを監視する。具体的には、ナビゲーション装置310が逐次算出する予想所要時間をモニタして、設定された送信タイミングになるまで待機する(S107)。
【0060】
送信タイミングになったら(S107でY)、情報生成手段4は送信タイミングにおける状況情報を含むメッセージ(情報)を生成する(S108)。メッセージ(情報)に含まれる状況情報は、送信タイミングにおける目的地に到着する到着予定時間、送信タイミングにおける目的地に到着するまでの所要時間、送信タイミングにおける目的地に到着するまでの距離のいずれか1以上を含むことが好ましい。図12に生成した状況情報を含むメッセージの例を示す。図12に示したメッセージは、「第1ユーザの名前」と、「送信タイミングに値押するランドマークの名称」「送信タイミングにおける目的地までの所要時間」と、「現在時刻」とを含むメッセージを示す。メッセージは特に限定されず、「送信タイミングにおける目的地に到着する到着予定時刻」を含んでもよい。なお、送信タイミングにおける到着予定時間、目的地までの所要時間、目的地までの距離は、逐次検出される現在位置に基づいて算出される。つまり、位置情報所得手段1は、起動後継続的に現在位置を取得し、経路算出手段2は継続的に経路を算出し、所要コスト算出手段3は継続的に所要コストを算出する。
【0061】
送信手段8は、送信タイミング算出手段5により算出された1又は2以上の送信タイミングであって、ユーザにより選択された送信タイミングで、状況情報を含むメッセージ(情報)を第2ユーザに向けて送出する(S109)。
【0062】
本実施形態のメッセージ送信装置500によれば、目的地に到達する前に、移動中の状況を示す情報(たとえば、5分後の横浜駅に到着する予定です)を、所定のランドマーク付近を通過するタイミングで、自動的に他のユーザに送出することができる。これにより、待ち合わせ時などにおける第1ユーザの状況を、適切なタイミングで相手に知らせることができる。
【0063】
本実施形態のメッセージ送信装置500によれば、目的地までの所要時間や目的地までの距離等の所要コストに基づいて送信タイミングを算出するため、状況を知らせるのに適切なタイミングで状況情報を含む情報を送信することができる。
【0064】
本実施形態のメッセージ送信装置500によれば、1又は2以上の送信タイミング候補をランドマークによりユーザに提示し、ユーザの選択に基づいて送信タイミングを設定することができる。ユーザは、ランドマークの名称により適切な送信タイミングを直感的に選択することができる。
【0065】
本装置によれば、状況を知らせたい場合に、その都度メッセージの送信操作をする必要がない。
【0066】
ここでは、メッセージ送信装置100,500について説明したが、メッセージ送信素方法を使用した場合も、同様に作用し、同様の効果を奏する。
【0067】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】第1実施形態のメッセージ送信装置のブロック構成図である。
【図2】メッセージ送信装置の制御手順の全体を示すフローチャートである。
【図3】第1実施形態の送信タイミング算出処理の制御手順を示すフローチャート図である。
【図4】送信タイミング対応情報の一例を示す図である。
【図5】(A)〜(C)は、送信タイミングの候補の提示例を示す図である。
【図6】(A)〜(C)は、状況情報を含むメッセージの例を示す図である。
【図7】第2実施形態のメッセージ送信装置のブロック構成図である。
【図8】第2実施形態の送信タイミング算出処理の制御手順を示すフローチャート図である。
【図9】ランドマーク特定処理の制御手順を示すフローチャート図である。
【図10】ランドマーク特定処理の他の制御手順を示すフローチャート図である。
【図11】送信タイミングの候補の提示例を示す図である。
【図12】状況情報を含むメッセージの例を示す図である。
【符号の説明】
【0069】
100,500…メッセージ送信装置
1…位置情報取得手段
2…経路算出手段
3…所要コスト算出手段
4…情報生成手段
5…送信タイミング算出手段
6…送信タイミング候補提示手段
7…選択受付手段
8…送信手段
200…メッセージ受信装置
300…他の車載装置
310…ナビゲーション装置
320…ディスプレイ
330…電子地図データ
340…入力デバイス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動する一のユーザの情報を、他のユーザに伝えるメッセージ送信装置であって、
地図データ上に定義可能な、一のユーザの現在位置と目的地とを取得する位置情報取得手段と、
前記現在位置から前記目的地に至る過程において、前記一のユーザの情報を他のユーザに送出する1又は2以上の送信タイミングを算出する送信タイミング算出手段と、
前記送信タイミングにおける前記一のユーザの情報を生成する情報生成手段と、
前記送信タイミング算出手段により算出された1又は2以上の送信タイミングで、前記情報を前記他のユーザに向けて送出する送信手段とを有するメッセージ送信装置。
【請求項2】
移動する一のユーザの情報を、他のユーザに伝えるメッセージ送信装置であって、
地図データ上に定義可能な、前記一のユーザの現在位置と目的地とを取得する位置情報取得手段と、
前記現在位置から前記目的地までの前記地図データ上の経路を算出する経路算出手段と、
前記経路算出手段により算出された経路に沿って、前記一のユーザが現在位置から目的地まで移動する場合に要する所要コストを算出する所要コスト算出手段と、
前記所要コスト算出手段により算出された所要コストに基づいて、前記一のユーザの情報を他のユーザに送出する1又は2以上の送信タイミングを算出する送信タイミング算出手段と、
前記送信タイミングにおける前記一のユーザの情報を生成する情報生成手段と、
前記送信タイミング算出手段により算出された1又は2以上の送信タイミングで、前記情報を前記他のユーザに向けて送出する送信手段とを有するメッセージ送信装置。
【請求項3】
前記所要コストは、前記一のユーザが現在位置から前記目的地まで移動する場合に要する時間又は距離である請求項2に記載のメッセージ送信装置。
【請求項4】
前記送信タイミング算出手段は、前記所要コストと送信タイミングとを対応づけた対応情報を参照して、前記所要コストに基づいて、前記一のユーザの情報を送出する送信タイミングの候補を算出する請求項2又は3に記載のメッセージ送信装置。
【請求項5】
前記送信タイミング算出手段により算出された1又は2以上の送信タイミングの候補を、前記一のユーザに提示する送信タイミング候補提示手段と、
前記送信タイミング候補提示手段により提示された送信タイミングの候補の中から1又は2以上の送信タイミングを選択する選択命令を受け付け、前記選択命令により特定された送信タイミングを前記送信手段に取得させる選択受付手段とをさらに有し、
前記送信手段は、前記取得した選択命令に基づく送信タイミングで、前記情報を前記他のユーザに向けて送出する請求項2〜4のいずれかに記載のメッセージ送信装置。
【請求項6】
前記送信タイミング算出手段は、
前記所要コスト算出手段により算出された所要コストに基づいて、1又は2以上の第1タイミングを算出する第1タイミング算出部と、
前記経路算出手段により算出された現在位置から目的地までの経路上に存在する1又は2以上のランドマークを抽出するランドマーク抽出部と、
前記抽出された各ランドマークから前記目的地まで移動する場合に要する所要コストを算出するランドマーク所要コスト算出部と、
前記第1タイミングと前記ランドマーク所要コストとに基づいて、前記各第1タイミングにおいて前記一のユーザが接近するランドマークをそれぞれ特定するランドマーク特定部と、
前記ランドマーク特定部により特定された1又は2以上の各ランドマークに前記一のユーザが到達する第2タイミングを算出し、当該第2タイミングを送信タイミングとして設定する第2タイミング算出部とを有する請求項2〜4のいずれかに記載のメッセージ送信装置。
【請求項7】
前記ランドマーク抽出部は、前記現在位置を含む経路が車両専用道路であるか否かを判断し、前記経路が車両専用道路である場合には予め定めた車両専用道路特有のランドマークを抽出する請求項6に記載のメッセージ送信装置。
【請求項8】
前記ランドマーク抽出部は、前記現在位置と前記ランドマークとの間の経路の距離が所定値以上であるか否かを判断し、前記経路の距離が所定値以上である場合には、予め定義された大規模施設に対応するランドマークを抽出する請求項6又は7に記載のメッセージ送信装置。
【請求項9】
前記送信タイミング算出手段により算出された1又は2以上の送信タイミングにおいて前記一のユーザが到達するランドマークを前記一のユーザに提示する送信タイミング候補提示手段と、
前記送信タイミング候補提示手段により提示されたランドマークにより一の送信タイミングを選択する選択命令を受け付け、前記選択命令により特定されたランドマークに対応する送信タイミングを前記送信手段に取得させる選択受付手段と、
前記送信手段は、前記取得した選択命令に基づく送信タイミングで、前記情報を前記他のユーザに向けて送出する請求項6〜8のいずれかに記載のメッセージ送信装置。
【請求項10】
前記情報は、前記送信タイミングにおける前記目的地に到着する到着予定時間、前記送信タイミングにおける前記目的地に到着するまでの所要時間、前記送信タイミングにおける前記目的地に到着するまでの距離のいずれか1以上を含む請求項1〜9のいずれかに記載のメッセージ送信装置。
【請求項11】
移動する一のユーザの現在位置と目的地とを取得するステップと、
前記現在位置から前記目的地に至る過程において、前記一のユーザの情報を他のユーザに送出する1又は2以上の送信タイミングを算出するステップと、
前記送信タイミングにおける前記一のユーザの情報を生成するステップと、
前記算出された1又は2以上の送信タイミングで、前記情報を前記他のユーザに向けて送出するステップとを有するメッセージ送信方法。
【請求項12】
移動する一のユーザの現在位置と目的地とを取得するステップと、
前記現在位置から前記目的地までの前記地図データ上の経路を算出するステップと、
前記算出された経路に沿って、前記一のユーザが現在位置から目的地まで移動する場合に要する所要コストを算出するステップと、
前記算出された所要コストに基づいて、前記一のユーザの情報を他のユーザに送出する1又は2以上の送信タイミングを算出するステップと、
前記送信タイミングにおける前記一のユーザの情報を生成するステップと、
前記算出された1又は2以上の送信タイミングで、前記情報を前記他のユーザに向けて送出するステップとを有するメッセージ送信方法。
【請求項13】
前記所要コストは、前記一のユーザが現在位置から前記目的地まで移動する場合に要する時間又は距離である請求項12に記載のメッセージ送信方法。
【請求項14】
前記送信タイミングを算出するステップは、前記所要コストと送信タイミングとを対応づけた対応情報を参照して、前記所要コストに基づいて、前記一のユーザの情報を送出する送信タイミングの候補を算出する請求項12又は13に記載のメッセージ送信方法。
【請求項15】
前記算出された1又は2以上の送信タイミングの候補を、前記一のユーザに提示し、
提示された送信タイミングの候補の中から1又は2以上の送信タイミングを選択する選択命令を受け付け、
前記取得した選択命令に基づく送信タイミングで、前記情報を前記他のユーザに向けて送出する請求項12〜14のいずれかに記載のメッセージ送信方法。
【請求項16】
前記送信タイミングを算出するステップは、
前記算出された所要コストに基づいて、1又は2以上の第1タイミングを算出するステップと、
前記算出された現在位置から目的地までの経路上に存在する1又は2以上のランドマークを抽出するステップと、
前記抽出された各ランドマークから前記目的地まで移動する場合に要する所要コストを算出するステップと、
前記第1タイミングと前記ランドマーク所要コストとに基づいて、前記各第1タイミングにおいて前記一のユーザが接近するランドマークをそれぞれ特定するステップと、
前記特定された1又は2以上の各ランドマークに前記一のユーザが到達する第2タイミングを算出し、当該第2タイミングを送信タイミングとして設定するステップとを有する請求項12〜14のいずれかに記載のメッセージ送信方法。
【請求項17】
前記ランドマークを抽出するステップは、前記現在位置を含む経路が車両専用道路であるか否かを判断し、前記経路が車両専用道路である場合には予め定めた車両専用道路特有のランドマークを抽出する請求項16に記載のメッセージ送信方法。
【請求項18】
前記ランドマークを抽出するステップは、前記現在位置と前記ランドマークとの間の経路の距離が所定値以上であるか否かを判断し、前記経路の距離が所定値以上である場合には、予め定義された大規模施設に対応するランドマークを抽出する請求項16又は17に記載のメッセージ送信方法。
【請求項19】
前記送信タイミングを算出するステップにより算出された1又は2以上の送信タイミングにおいて前記一のユーザが到達すると予測されるランドマークを前記一のユーザに提示するステップと、
前記提示されたランドマークにより一の送信タイミングを選択する選択命令を受け付け、前記選択命令により特定されたランドマークに対応する送信タイミングを取得するステップと、をさらに有し、
前記情報を送出するステップは、前記取得した選択命令に基づく送信タイミングで、前記情報を前記他のユーザに向けて送出する請求項16〜18のいずれかに記載のメッセージ送信方法。
【請求項20】
前記情報は、前記送信タイミングにおける前記目的地に到着する到着予定時間、前記送信タイミングにおける前記目的地に到着するまでの所要時間、前記送信タイミングにおける前記目的地に到着するまでの距離のいずれか1以上を含む請求項11〜19のいずれかに記載のメッセージ送信方法。
【請求項1】
移動する一のユーザの情報を、他のユーザに伝えるメッセージ送信装置であって、
地図データ上に定義可能な、一のユーザの現在位置と目的地とを取得する位置情報取得手段と、
前記現在位置から前記目的地に至る過程において、前記一のユーザの情報を他のユーザに送出する1又は2以上の送信タイミングを算出する送信タイミング算出手段と、
前記送信タイミングにおける前記一のユーザの情報を生成する情報生成手段と、
前記送信タイミング算出手段により算出された1又は2以上の送信タイミングで、前記情報を前記他のユーザに向けて送出する送信手段とを有するメッセージ送信装置。
【請求項2】
移動する一のユーザの情報を、他のユーザに伝えるメッセージ送信装置であって、
地図データ上に定義可能な、前記一のユーザの現在位置と目的地とを取得する位置情報取得手段と、
前記現在位置から前記目的地までの前記地図データ上の経路を算出する経路算出手段と、
前記経路算出手段により算出された経路に沿って、前記一のユーザが現在位置から目的地まで移動する場合に要する所要コストを算出する所要コスト算出手段と、
前記所要コスト算出手段により算出された所要コストに基づいて、前記一のユーザの情報を他のユーザに送出する1又は2以上の送信タイミングを算出する送信タイミング算出手段と、
前記送信タイミングにおける前記一のユーザの情報を生成する情報生成手段と、
前記送信タイミング算出手段により算出された1又は2以上の送信タイミングで、前記情報を前記他のユーザに向けて送出する送信手段とを有するメッセージ送信装置。
【請求項3】
前記所要コストは、前記一のユーザが現在位置から前記目的地まで移動する場合に要する時間又は距離である請求項2に記載のメッセージ送信装置。
【請求項4】
前記送信タイミング算出手段は、前記所要コストと送信タイミングとを対応づけた対応情報を参照して、前記所要コストに基づいて、前記一のユーザの情報を送出する送信タイミングの候補を算出する請求項2又は3に記載のメッセージ送信装置。
【請求項5】
前記送信タイミング算出手段により算出された1又は2以上の送信タイミングの候補を、前記一のユーザに提示する送信タイミング候補提示手段と、
前記送信タイミング候補提示手段により提示された送信タイミングの候補の中から1又は2以上の送信タイミングを選択する選択命令を受け付け、前記選択命令により特定された送信タイミングを前記送信手段に取得させる選択受付手段とをさらに有し、
前記送信手段は、前記取得した選択命令に基づく送信タイミングで、前記情報を前記他のユーザに向けて送出する請求項2〜4のいずれかに記載のメッセージ送信装置。
【請求項6】
前記送信タイミング算出手段は、
前記所要コスト算出手段により算出された所要コストに基づいて、1又は2以上の第1タイミングを算出する第1タイミング算出部と、
前記経路算出手段により算出された現在位置から目的地までの経路上に存在する1又は2以上のランドマークを抽出するランドマーク抽出部と、
前記抽出された各ランドマークから前記目的地まで移動する場合に要する所要コストを算出するランドマーク所要コスト算出部と、
前記第1タイミングと前記ランドマーク所要コストとに基づいて、前記各第1タイミングにおいて前記一のユーザが接近するランドマークをそれぞれ特定するランドマーク特定部と、
前記ランドマーク特定部により特定された1又は2以上の各ランドマークに前記一のユーザが到達する第2タイミングを算出し、当該第2タイミングを送信タイミングとして設定する第2タイミング算出部とを有する請求項2〜4のいずれかに記載のメッセージ送信装置。
【請求項7】
前記ランドマーク抽出部は、前記現在位置を含む経路が車両専用道路であるか否かを判断し、前記経路が車両専用道路である場合には予め定めた車両専用道路特有のランドマークを抽出する請求項6に記載のメッセージ送信装置。
【請求項8】
前記ランドマーク抽出部は、前記現在位置と前記ランドマークとの間の経路の距離が所定値以上であるか否かを判断し、前記経路の距離が所定値以上である場合には、予め定義された大規模施設に対応するランドマークを抽出する請求項6又は7に記載のメッセージ送信装置。
【請求項9】
前記送信タイミング算出手段により算出された1又は2以上の送信タイミングにおいて前記一のユーザが到達するランドマークを前記一のユーザに提示する送信タイミング候補提示手段と、
前記送信タイミング候補提示手段により提示されたランドマークにより一の送信タイミングを選択する選択命令を受け付け、前記選択命令により特定されたランドマークに対応する送信タイミングを前記送信手段に取得させる選択受付手段と、
前記送信手段は、前記取得した選択命令に基づく送信タイミングで、前記情報を前記他のユーザに向けて送出する請求項6〜8のいずれかに記載のメッセージ送信装置。
【請求項10】
前記情報は、前記送信タイミングにおける前記目的地に到着する到着予定時間、前記送信タイミングにおける前記目的地に到着するまでの所要時間、前記送信タイミングにおける前記目的地に到着するまでの距離のいずれか1以上を含む請求項1〜9のいずれかに記載のメッセージ送信装置。
【請求項11】
移動する一のユーザの現在位置と目的地とを取得するステップと、
前記現在位置から前記目的地に至る過程において、前記一のユーザの情報を他のユーザに送出する1又は2以上の送信タイミングを算出するステップと、
前記送信タイミングにおける前記一のユーザの情報を生成するステップと、
前記算出された1又は2以上の送信タイミングで、前記情報を前記他のユーザに向けて送出するステップとを有するメッセージ送信方法。
【請求項12】
移動する一のユーザの現在位置と目的地とを取得するステップと、
前記現在位置から前記目的地までの前記地図データ上の経路を算出するステップと、
前記算出された経路に沿って、前記一のユーザが現在位置から目的地まで移動する場合に要する所要コストを算出するステップと、
前記算出された所要コストに基づいて、前記一のユーザの情報を他のユーザに送出する1又は2以上の送信タイミングを算出するステップと、
前記送信タイミングにおける前記一のユーザの情報を生成するステップと、
前記算出された1又は2以上の送信タイミングで、前記情報を前記他のユーザに向けて送出するステップとを有するメッセージ送信方法。
【請求項13】
前記所要コストは、前記一のユーザが現在位置から前記目的地まで移動する場合に要する時間又は距離である請求項12に記載のメッセージ送信方法。
【請求項14】
前記送信タイミングを算出するステップは、前記所要コストと送信タイミングとを対応づけた対応情報を参照して、前記所要コストに基づいて、前記一のユーザの情報を送出する送信タイミングの候補を算出する請求項12又は13に記載のメッセージ送信方法。
【請求項15】
前記算出された1又は2以上の送信タイミングの候補を、前記一のユーザに提示し、
提示された送信タイミングの候補の中から1又は2以上の送信タイミングを選択する選択命令を受け付け、
前記取得した選択命令に基づく送信タイミングで、前記情報を前記他のユーザに向けて送出する請求項12〜14のいずれかに記載のメッセージ送信方法。
【請求項16】
前記送信タイミングを算出するステップは、
前記算出された所要コストに基づいて、1又は2以上の第1タイミングを算出するステップと、
前記算出された現在位置から目的地までの経路上に存在する1又は2以上のランドマークを抽出するステップと、
前記抽出された各ランドマークから前記目的地まで移動する場合に要する所要コストを算出するステップと、
前記第1タイミングと前記ランドマーク所要コストとに基づいて、前記各第1タイミングにおいて前記一のユーザが接近するランドマークをそれぞれ特定するステップと、
前記特定された1又は2以上の各ランドマークに前記一のユーザが到達する第2タイミングを算出し、当該第2タイミングを送信タイミングとして設定するステップとを有する請求項12〜14のいずれかに記載のメッセージ送信方法。
【請求項17】
前記ランドマークを抽出するステップは、前記現在位置を含む経路が車両専用道路であるか否かを判断し、前記経路が車両専用道路である場合には予め定めた車両専用道路特有のランドマークを抽出する請求項16に記載のメッセージ送信方法。
【請求項18】
前記ランドマークを抽出するステップは、前記現在位置と前記ランドマークとの間の経路の距離が所定値以上であるか否かを判断し、前記経路の距離が所定値以上である場合には、予め定義された大規模施設に対応するランドマークを抽出する請求項16又は17に記載のメッセージ送信方法。
【請求項19】
前記送信タイミングを算出するステップにより算出された1又は2以上の送信タイミングにおいて前記一のユーザが到達すると予測されるランドマークを前記一のユーザに提示するステップと、
前記提示されたランドマークにより一の送信タイミングを選択する選択命令を受け付け、前記選択命令により特定されたランドマークに対応する送信タイミングを取得するステップと、をさらに有し、
前記情報を送出するステップは、前記取得した選択命令に基づく送信タイミングで、前記情報を前記他のユーザに向けて送出する請求項16〜18のいずれかに記載のメッセージ送信方法。
【請求項20】
前記情報は、前記送信タイミングにおける前記目的地に到着する到着予定時間、前記送信タイミングにおける前記目的地に到着するまでの所要時間、前記送信タイミングにおける前記目的地に到着するまでの距離のいずれか1以上を含む請求項11〜19のいずれかに記載のメッセージ送信方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
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【図6】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−90951(P2006−90951A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−279460(P2004−279460)
【出願日】平成16年9月27日(2004.9.27)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月27日(2004.9.27)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
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