メモリカード及び半導体装置
【課題】 非接触インタフェース未対応のメモリカードの端子配列や端子の形状に対する変更を最小限に抑えて非接触インタフェース用のアンテナ接続機能を設ける。
【解決手段】 メモリカードが有する2個の前記アンテナ接続端子(C6A:LA、C6B:LB)は1個の前記電位供給端子の大きさを最大とする領域に2分割されて離間配置されたスプリット端子とされる。2個のアンテナ接続端子の大きさは1個の前記電位供給端子の大きさを最大とするから、非接触インタフェース非対応のメモリカードに対して1個の前記電位供給端子の大きさの端子の領域を割くことによって前記2個のアンテナ接続端子を設けて、非接触インタフェース対応のメモリカードとされる。よって、非接触インタフェース非対応のメモリカードの端子領域から外れずに非接触インタフェース対応のメモリカードの端子領域を形成することができる。
【解決手段】 メモリカードが有する2個の前記アンテナ接続端子(C6A:LA、C6B:LB)は1個の前記電位供給端子の大きさを最大とする領域に2分割されて離間配置されたスプリット端子とされる。2個のアンテナ接続端子の大きさは1個の前記電位供給端子の大きさを最大とするから、非接触インタフェース非対応のメモリカードに対して1個の前記電位供給端子の大きさの端子の領域を割くことによって前記2個のアンテナ接続端子を設けて、非接触インタフェース対応のメモリカードとされる。よって、非接触インタフェース非対応のメモリカードの端子領域から外れずに非接触インタフェース対応のメモリカードの端子領域を形成することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリカードに代表されるカードデバイス若しくは半導体装置における非接触インタフェース技術、更には非接触インタフェースのためのアンテナ接続技術に関し、例えば、カードコントローラ及び不揮発性メモリと共にICカード用マイクロコンピュータを搭載するメモリカードの非接触インタフェースに適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1にはMMC(マルチメディアカード:登録商標)規格との互換性を維持しながらマルチバンクやマルチファンクションを実現するために、マルチメディアカード規格に準拠のメモリカードにSIM(Subscriber Identity Module)を搭載してセキュリティの強化を図るようにした技術が記載される。
【0003】
特許文献2には、フラッシュメモリチップとセキュリティー処理を実行するICカードチップと、外部からの指示に従ってそれらを制御するコントローラチップを実装した記憶装置について記載がある。
【0004】
また非特許文献1はマルチメディアカードの規格が記載される。
【0005】
【特許文献1】国際公開WO01/84480号パンフレット
【0006】
【特許文献2】特開平2003−91704号公報
【非特許文献1】The MultiMedia Card System Specification Version 3.3
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者は、カードコントローラ及び不揮発性メモリと共にICカード用マイクロコンピュータを搭載するメモリカードの非接触インタフェース、特に非接触インタフェースに用いるアンテナの接続端子について検討した。これによれば、メモリカードにアンテナ接続端子を増設したり、既存端子をアンテナ接続端子と兼用したりする場合に、非接触インタフェース対応メモリカードを既存メモリカード用カードホストに挿入した場合にアンテナの接続端子にアンテナ以外が接続することによる不都合、非接触インタフェース用カードホストに既存メモリカードを挿入した場合にアンテナがアンテナとは無関係の端子に接続することによる不都合を考慮することの必要性が本発明者によって見出された。
【0008】
本発明の目的は、非接触インタフェース非対応のメモリカードの端子配列や端子の形状に対する変更を最小限に抑えて非接触インタフェース用のアンテナ接続機能を有する半導体装置を提供することにある。
【0009】
本発明の別の目的は、非接触インタフェース非対応メモリカード用のカードホストに挿入した場合にアンテナの接続端子にアンテナ以外が接続することによる不都合のないメモリカードを提供することにある。
【0010】
本発明の更に別の目的は、非接触インタフェース用のカードホストに非接触インタフェース非対応のメモリカードを挿入した場合にアンテナがアンテナとは無関係の端子に接続することによる不都合のないメモリカードを提供することにある。
【0011】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0013】
〔1〕不揮発性メモリ、前記不揮発性メモリに対するデータの読み出しとデータの格納を行なうカードコントローラ、及び暗号処理を行なうICカード用マイクロコンピュータを有するメモリカードは、前記メモリカードの一辺に沿って端子列が形成され、前記端子列は、2個の電位供給端子(C4:Vcc、C3:Vss)、データ端子、コマンド端子、クロック端子及び2個のアンテナ接続端子(C6A:LA、C6B:LB)を有し、2個の前記アンテナ接続端子は1個の前記電位供給端子の大きさを最大とする領域に2分割されて離間配置されたスプリット端子とされる。前記ICカード用マイクロコンピュータは前記アンテナ接続用端子に接続されるアンテナを通してデータの入出力を行なう。
【0014】
前記2個のアンテナ接続端子の大きさは1個の前記電位供給端子の大きさを最大とするから、非接触インタフェース非対応のメモリカードに対して1個の前記電位供給端子の大きさの端子の領域を割くことによって前記2個のアンテナ接続端子を設けて、非接触インタフェース対応のメモリカードとされる。よって、非接触インタフェース非対応のメモリカードの端子領域から外れずに非接触インタフェース対応のメモリカードの端子領域を形成することができる。
【0015】
本発明の望ましい形態では、前記2個のアンテナ接続端子が形成される個所は、アンテナによるデータ入出力機能を備えていない非接触インタフェース非対応のメモリカードにおける接地電位供給端子が形成される領域(C6:Vss)に対応される。非接触インタフェース対応の本発明に係るメモリカードを、非接触インタフェース未対応メモリカード用のカードホストに挿入した場合に、アンテナ接続端子には接地電位が接続することになる。接地電位には交流成分、即ち信号成分が無いので、メモリカードの動作上問題ない。逆にアンテナ接続端子によって回路の接地電位に高周波成分が重畳されても電位が大きく変動することは無い。よって、非接触インタフェース非対応メモリカード用のカードホストに挿入した場合にアンテナの接続端子にアンテナ以外が接続することによる不都合はない。また、非接触インタフェース用のカードホストに非接触インタフェース非対応のメモリカードを挿入した場合にカードホストのアンテナが非接触インタフェース非対応メモリカードの接地電位供給端子に接続してアンテナがショートするが、アンテナによる起電力は小さく、且つ、アンテナの出力インピーダンスも大きいから、アンテナショートによる不都合は生じない。
【0016】
アンテナ接続端子から回路の接地電位に直流成分が重畳されるのを確実に抑止し、信号成分の伝達を妨げないようにすることを考慮すれば、前記アンテナ接続端子には、高周波信号を分離するAC結合用の容量素子(Cac)が接続されたフィルタ回路を有することが望ましい。
【0017】
〔2〕不揮発性メモリ、前記不揮発性メモリに対するデータの読み出しとデータの格納を行なうカードコントローラ、及び暗号処理を行なうICカード用マイクロコンピュータを有するメモリカードは、前記メモリカードの一辺に沿って端子列が形成され、前記端子列は、3個の電位供給端子(C4A:Vcc、C4B:Vcc−ic、C3:Vss)、データ端子、コマンド端子及びクロック端子を有し、前記3個の電位供給端子は、前記不揮発性メモリ、カードコントローラ及びICカード用マイクロコンピュータに回路の接地電位を供給する接地電位端子(C3:Vss)、前記不揮発性メモリ及びカードコントローラに電源電位(第1電位)を供給する第1電位供給端子(C4A:Vcc)、前記ICカード用マイクロコンピュータに電源電位(第3電位)を供給する第2電位供給位端子(C4B:Vcc−ic)とされる。前記第1電位供給端子及び第2の電位供給端子は1個の前記接電位端子の大きさを最大とする領域に2分割されて離間配置されたスプリット端子とされる。
【0018】
前記第1電位供給端子及び第2電位供給端子の2個の端子の大きさは1個の前記接地電位供給端子の大きさを最大とするから、ICカード用マイクロコンピュータに対する個別パワーオンリセット非対応のメモリカードに対して1個の前記接地電位供給端子の大きさの端子の領域を割くことによって前記2個の第1電位供給端子及び第2電位供給端子を設けて、ICカード用マイクロコンピュータに対する個別パワーオンリセット対応のメモリカードとされる。よって、ICカード用マイクロコンピュータに対する個別パワーオンリセット非対応のメモリカードの端子領域から外れずにICカード用マイクロコンピュータに対する個別パワーオンリセット対応のメモリカードの端子領域を形成することができる。
【0019】
本発明の望ましい形態では、前記2個の第1電位供給端子及び第2の電位供給端子が形成される個所は、ICカード用マイクロコンピュータに対する個別パワーオンリセット非対応のメモリカードにおける電源電位供給端子(C4:Vcc)が形成される領域に対応される。ICカード用マイクロコンピュータに対する個別パワーオンリセット対応の本発明に係るメモリカードを、ICカード用マイクロコンピュータに対する個別パワーオンリセット非対応メモリカード用のカードホストに挿入した場合に、第1電位供給端子と第2電位供給端子はカードホスト側でショートするので、個別パワーオンリセットはできないが、その他は動作上問題ない。また、ICカード用マイクロコンピュータに対する個別パワーオンリセット対応のカードホストにICカード用マイクロコンピュータに対する個別パワーオンリセット非対応のメモリカードを挿入した場合にカードホスト側の第1電位供給端子向け電源供給端子(第1電源端子)と第2電位供給端子向け電源供給端子(第2電源端子)がショートする。ショートした状態で第2電源端子が接地電位に導通されてパワーオンリセットされると、回路の接地電位と第1電位間がショートすることになって不都合であり、このショートを抑制するにはカードホスト側において、第2電位供給端子への電源経路には高抵抗(16)を介して選択的に接地電位に導通させるパワーオンリセットスイッチ(17)を配置するのがよい。若しくは、カードホスト側で第1電位を供給した後、第1電位を第2電位供給端子への電源経路において検出した場合は、第2電源供給端子への電源経路を遮断するようにしてもよい。
【0020】
〔3〕上記とは別の観点による非接触インタフェース対応のメモリカードは、カードコントローラと、前記カードコントローラに接続された不揮発性メモリと、ICカード用マイクロコンピュータとを有し、電源供給端子として第1電位供給端子と第2電位供給端子とを夫々1個づつ有し、前記カードコントローラに動作を指示するコマンドを供給するためのコマンド端子と、データ入出力に用いられるデータ端子と、クロック信号の入力に用いられるクロック端子と、2個のアンテナ接続用端子と、を有する。前記ICカード用マイクロコンピュータは前記アンテナ接続用端子に接続されるアンテナからデータの入出力を行なう。
【0021】
上記とは別の観点による非接触インタフェース及びICカード用マイクロコンピュータに対する個別パワーオンリセット対応のメモリカードは、カードコントローラと、前記カードコントローラに接続された不揮発性メモリと、ICカード用マイクロコンピュータと、を有し、前記カードコントローラ及び不揮発性メモリへ第1電位を供給する第1電位供給端子と第2電位を供給する第2電位供給端子とを夫々1個づつ有し、前記ICカード用マイクロコンピュータに第3電位を供給する第3電位供給端子を1個有し、前記カードコントローラに動作を指示するコマンドを供給するためのコマンド端子と、データ入出力に用いられるデータ端子と、クロック信号の入力に用いられるクロック端子と、2個のアンテナ接続用端子(C6A:LA、C6B:LB)と、を有する。ICカード用マイクロコンピュータは前記アンテナ接続用端子に接続されるアンテナからデータの入出力を行なう。
【0022】
上記本発明の具体的な形態として、2個の前記アンテナ接続用端子は、相互に隣接して配置され、2個の前記アンテナ接続用端子間の距離は、一方のアンテナ接続用端子とそれに隣接する他の端子との間の距離よりも狭く構成される。
【0023】
上記本発明の具体的な形態として、2個の前記アンテナ接続用端子の面積は、他の端子の面積よりも小さく構成される。
【0024】
上記本発明の具体的な形態として、2個の前記アンテナ接続用端子は第1方向に第1の幅を有し、第1方向に直交する第2方向に第2の幅を有し、他の端子は第1方向に第1の幅と同じ又はそれより広い幅を有し、第2方向に第2の幅よりも広い幅を有する。
【0025】
上記本発明の具体的な形態として、前記メモリカードの第1の辺に沿って第1の端子列を有し、前記第1の端子列に対し前記第1の辺に対向する第2の辺寄りに第2の端子列を有し、前記2個のアンテナ接続用端子は前記第1の端子列に配置される。
【0026】
上記とは更に別の観点による非接触インタフェース及びICカード用マイクロコンピュータに対する個別パワーオンリセット対応のメモリカードは、カードコントローラと、前記カードコントローラに接続された不揮発性メモリと、ICカード用マイクロコンピュータと、を有し、前記カードコントローラ及び不揮発性メモリへ第1電位を供給する第1電位供給端子と第2電位を供給する第2電位供給端子とを夫々1個づつ有し、前記ICカード用マイクロコンピュータに第3電位を供給する第3電位供給端子を1個有し、前記カードコントローラに動作指示を行なうためのコマンド入力と、該コマンドに対する応答を出力するためのコマンド端子と、前記不揮発性メモリに格納され又は格納するためのデータの入出力と、不揮発性メモリへのアクセス先を指定するアドレスの入力とを行なうためのデータ端子と、前記ICカード用マイクロコンピュータのデータ入出力に用いられるアンテナを接続するための2個のアンテナ接続用端子(C6A:LA、C6B:LB)と、を有する。前記不揮発性メモリにアクセスを行なっていない状態で前記ICカード用マイクロコンピュータに前記アンテナを介してデータの入出力を行う場合、前記第2電位供給端子と前記第3電位供給端子とから夫々の電位が供給される。
【0027】
前記ICカード用マイクロコンピュータに前記アンテナを介してデータの入出力を行う場合、前記第2電位供給端子と前記第3電位供給端子とから電位が供給されていないことを検出した場合、前記アンテナから供給される電力により動作するようにしてもよい。
【0028】
〔4〕更に別の観点による本発明は、外部装置に接続可能にされる半導体装置であって、前記外部装置は前記半導体装置との接続を行なうための複数の端子を有し、前記複数の端子は第1機能に用いられる端子を少なくとも2個有し、前記半導体装置は前記外部装置の有する複数の端子との接続を行なうための複数の端子を有し、前記外部装置の第1機能に用いられる端子の内1個の端子に対応する前記半導体装置の端子(C6:Vss)の個所には、非接触通信に用いるためのアンテナを接続するための端子(C6A:LA、C6B:LB)を複数個有する。前記第1機能に用いられる少なくとも2個の端子は、例えば同じ電位の供給が行なわれる電位供給端子である。
【0029】
更に別の観点による本発明は、外部装置に接続可能にされる半導体装置であって、前記外部装置は前記半導体装置との接続を行なうための複数の端子を有し、前記複数の端子は第1機能に用いられる端子を複数個有し、前記半導体装置は前記外部装置の有する複数の端子との接続を行なうための複数の端子を有し、第1動作状態において前記第1機能に用いられる複数の端子(C8:DAT1、C9:DAT2、…)は第1機能に用いられ、第2動作状態において前記第1機能に用いられる複数の端子の内少なくとも2個の端子(C8:DAT1、C9:DAT2)は非接触通信に用いるためのアンテナを接続するために用いられる。前記第1機能に用いられる複数の端子は、例えばそれぞれ異なるビット位置のデータを入出力するために用いられるデータ入出力端子である。
【0030】
更に別の観点による本発明は、外部装置に接続可能にされる半導体装置であって、前記外部装置は前記半導体装置との接続を行なうための複数の端子を有し、前記複数の端子は第1機能に用いられる端子を複数個と、第2機能に用いられる端子と有し、前記半導体装置は前記外部装置の有する複数の端子との接続を行なうための複数の端子を有し、第1動作状態において前記第1機能に用いられる複数の端子は第1機能に用いられ、第2機能に用いられる端子は前記第2機能に用いられ、第2動作状態において前記第1機能に用いられる複数の端子の内少なくとも1個(C6:Vss)と前記第2機能に用いられる端子(C7)は非接触通信に用いるためのアンテナを接続するために用いられる。前記第1機能に用いられる複数の端子は、例えば同じ電位の供給が行なわれる電位供給端子であり、前記第2機能に用いられる端子はデータの入出力端子である。
【0031】
上記発明の具体的な形態として、前記非接触通信に用いられるアンテナを接続するために用いられる端子には、AC結合用の容量素子が接続されている。
【0032】
また、前記第1動作状態はデータの格納動作又は読み出し動作であり、データを格納する不揮発性メモリと、前記不揮発性メモリに対するデータの格納動作及び読み出し動作の制御を行なうためのコントローラとを有する。
【0033】
また、前記第2動作状態は暗号処理を含む動作であり、第1動作状態での動作制御を行なうための第1コントローラと、第2動作状態での暗号処理を行なう第2コントローラとを有する。
【0034】
また、前記第1動作状態はデータの格納動作又は読み出し動作であり、前記第2動作状態はデータの暗号化処理を含む動作であり、第1動作状態での動作制御と第2動作状態での暗号処理を行なうためのコントローラと、データの格納を行なう不揮発性メモリとを有する。
【0035】
〔5〕更に別の観点による本発明は、接触通信機能と非接触通信機能とを共に有する半導体装置が接続される処理装置であって、前記半導体装置の接触通信機能に用いられる端子に接続される複数の端子を有し、前記複数の端子の内の少なくとも2本の端子を、前記半導体装置の非接触通信機能時のデータの入出力を行なうアンテナへの接続に切り換える切り換え機能を有する。
【0036】
また、接触通信機能と非接触通信機能とを共に有する半導体装置が接続される処理装置であって、前記半導体装置の接触通信機能に用いられる端子に接続される複数の端子を有し、第1動作状態において、前記複数の端子は前記半導体装置の接触通信機能におけるデータの入出力と電源供給に用いられ、第2動作状態において、前記複数の端子の内の2個の端子は、前記半導体装置の非接触通信機能においてデータの入出力を行なうアンテナへ接続の切り換えが行なわれる。
【発明の効果】
【0037】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0038】
非接触インタフェース非対応のメモリカードの端子配列や端子の形状に対する変更を最小限に抑えて非接触インタフェース用のアンテナ接続機能を有する半導体装置を実現することができる。
【0039】
非接触インタフェース非対応メモリカード用のカードホストに挿入した場合にアンテナの接続端子にアンテナ以外が接続することによる不都合のないメモリカードを実現することができる。
【0040】
非接触インタフェース用のカードホストに非接触インタフェース非対応のメモリカードを挿入した場合にアンテナがアンテナとは無関係の端子に接続することによる不都合のないメモリカードを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
図1には本発明に係る半導体装置の一例であるマルチメディアカード規格に準拠したメモリカードのブロックダイアグラムが示される。同図に示されるメモリカード1は、例えば、情報記憶機能、そして暗号化・復号処理及び認証処理などを伴うセキュリティー機能などの、マルチファンクションを提供する。セキュリティー機能は例えばクレジットカードによる決済や交通機関における課金等に利用される。
【0042】
メモリカード1は、複数個の外部端子が形成された配線基板に、カードコントローラ2と、前記カードコントローラ2に内部バス5で接続された電気的に書き換え可能な不揮発性記憶装置例えばフラッシュメモリ3と、前記カードコントローラ2に内部バス6で接続されたセキュリティコントローラとしてのIC(インテグレーテッド・サーキット)カード用マイクロコンピュータ(ICカードマイコンとも称する)4が搭載される。特に制限されないが、前記カードコントローラ2、フラッシュメモリ3、及びICカードマイコン4は夫々個別の半導体集積回路チップで構成されている。図1において前記複数の外部端子はカードコントローラ2等に接続する外部端子列7、ICカードマイコン4等に接続する外部端子列8、及び電源供給用の外部端子列9に大別される。ICカード用マイコン4への電源電位の供給を他と独立させてICカードマイコン4を個別にパワーオンリセット可能にする場合には、例えばICカード用マイコン4への電源端子Vcc−icと他の回路ブロックへの電源端子Vccとを個別化してよい。
【0043】
カードコントローラ2は、マルチメディアカード規格準拠のメモリカードとしての外部インタフェース機能、フラッシュメモリをその仕様に応じてファイルメモリとしてアクセスするメモリインタフェース機能、そしてメモリカードコマンド等を用いてICカードマイコンとインタフェースするICカードマイコンインタフェース機能を持つ。
【0044】
フラッシュメモリ3は、特に図示はしないが、電気的に消去及び書き込み可能な不揮発性メモリセルトランジスタ(フラッシュメモリセルとも記す)を有する。フラッシュメモリセルは、特に図示はしないが、フローティングゲートを有する所謂スタックドゲート構造、或いはONO(オキサイド・ナイトライド・オキサイド)ゲート絶縁膜を備えたメモリトランジスタ部と選択トランジスタ部から成る所謂スプリットゲート構造を有する。前記フラッシュメモリセルは、前記フローティングゲート等に電子が注入されると閾値電圧が上昇し、また、前記フローティングゲート等から電子を引き抜くと閾値電圧が低下する。前記フラッシュメモリセルは、データ読み出しのためのワード線電圧に対する閾値電圧の高低に応じた情報を記憶することになる。フラッシュメモリ3は、カードコントローラ2の制御によって、フラッシュメモリセルに記憶された情報の読み出し、フラッシュメモリセルに対する情報の格納(例えば書込み)、及びフラッシュメモリセルの記憶情報の初期化(例えば消去)が可能にされる。
【0045】
ICカードマイコン4は、特に図示はしないがCPUとその動作プログラム及び認証に利用する制御情報など保有する不揮発性メモリを備え、その動作プログラムに従って認証処理や暗号化・復号処理等を行う。ICカードマイコン4には、それ単独で外部と接触インタフェースを行なうもの、或いは非接触インタフェースを行なうもの、または双方のインタフェースが可能なデュアルインタフェースを行なうものを採用することができる。接触インタフェースは、例えば1ビットのデータ入出力端子I/O−ic、クロック端子CLK−ic、リセット端子RES−icを用いたシリアル通信で行われる。非接触インタフェースは端子TML1,TML2に接続するアンテナを用いた高周波通信で行われる。非接触インタフェースで動作をする場合、ICカードマイコン4はアンテナ端子(LA,LB)に接続されるアンテナから電力を供給されて動作をし、またはカードコントローラ若しくはVcc−icから動作電源を供給されるようにしてもよい。
【0046】
図2にはメモリカードの動作モード及びカードンタフェース仕様に応じた前記端子列の端子機能が例示される。図2にはC1〜C13までの合計17種類の端子の機能が定義されている。図において、RSVはMMCモードにおけるリザーブ端子を意味し、SPIモードではチップセレクト端子とされる。CMDはコマンド入力及びコマンドに対する応答出力の端子、Vssは回路の接地電位が供給される接地端子、Vccは電源電位が供給される電源端子、CLKはメモリカードのクロック端子、DAT0〜DAT7はデータ入出力端子、RES−icはICカードマイコンのリセット端子、CLK−icはICカードマイコンのクロック端子、Vcc−icはICカードマイコンの電源端子、LA,LBはアンテナ接続端子、NCは非接続(ノン・コネクト)端子を意味する。
【0047】
《プリミティブなメモリカード端子配列》
図2のAにおける13pinのときの定義は、マルチメディアカード規格に準拠した8ビット並列データ入出力可能なプリミティブなメモリカードにおける端子機能とされる。この時の実際の外部端子のレイアウトは図3に例示される。同図のパッケージはフルサイズに対して大凡半分のサイズのリデュースドサイズになっている。このプリミティブな端子配列は前記ICカードマイコン4に対する非接触インタフェース非対応になっており、接触インタフェースも内部バス6経由でカードコントローラ2を介して行なう。
【0048】
《アンテナ接続用スプリット端子》
図2のBの定義はマルチメディアカード規格に準拠した8ビット並列データ入出力及び非接触インタフェース可能なICカードマイコン搭載のメモリカードにおける端子機能とされる。この時の実際の外部端子のレイアウトは図4に例示される。同図のパッケージサイズは同じくリデュースドサイズとされる。
【0049】
図2のA(図3)との相違点はC6の接地端子Vssに代えてC6A,C6Bの2個のアンテナ接続端子LA,LBを採用している点である。図2のAにおけるプリミティブなメモリカードの端子機能では規格上、余裕を見て元々C3とC6の2端子を接地端子Vssに割当てているので、C6を廃止しても接地電位の供給機能には支障ない。C6A,C6Bは端子列8に含まれる。C3,C4は端子列9に含まれ、その他は端子列7に含まれる。
【0050】
図4のC6A,C6Bの2個のアンテナ接続端子LA,LBは、図4では廃止されたところの図3のC6の1個の接地端子C6の位置に対応して形成される。即ち、図4に示されるように、C6A,C6Bの2個のアンテナ接続端子LA,LBはC6の1個の接地端子Vssの大きさを最大とする領域に2分割されて離間配置されたスプリット端子とされる。
【0051】
図5には図2のBの定義によるメモリカードの外部インタフェース機能がブロックダイアグラムで示される。ICカードマイコン4は前記アンテナ接続用端子LA,LBに接続される外部アンテナ11と同調コンデンサ12を通して、非接触インタフェースでデータの入出力が可能とされる。カードコントローラ2はデータ端子D0〜D7を介して並列8ビットでデータの入出力が可能とされる。尚、図2のBで定義された外部インタフェース機能を有するメモリカードにおいてICカードマイコン4を単独でリセットするにはスリープ命令等を実行しなければならない。ICカードマイコン4を単独でパワーオンリセットすることはできない。
【0052】
アンテナ接続用のスプリット端子の大きさ、即ち前記C6A,C6Bの2個のアンテナ接続端子LA,LBの大きさは、1個の前記C6の接地端子Vssの大きさを最大とするから、非接触インタフェース非対応の図3の端子配列のメモリカードに対してC6の1個の接地端子Vssの大きさの端子領域を割くことによって、図4の端子配列のように2個のアンテナ接続端子LA,LBを有する、非接触インタフェース対応のメモリカード1とすることができる。よって、非接触インタフェース非対応の図3のメモリカードの端子領域から外れずに非接触インタフェース対応のメモリカードに必要なアンテナ接続領域を形成することができる。
【0053】
前記2個のアンテナ接続端子LA,LBが形成される個所は、アンテナによるデータ入出力機能を備えていない非接触インタフェース非対応のメモリカードにおける接地電位供給端子Vssが形成されるC6の領域に対応される。図4の端子配列を有する非接触インタフェース対応のメモリカードを、図3の外部端子配列のような非接触インタフェース非対応のメモリカード用のカードホストに挿入した場合に、アンテナ接続端子LA,LBはカードホスト内で接地電位供給ピンに接続することになる。接地電位には交流成分、即ち信号成分が無いので、メモリカードの動作上問題はない。逆にアンテナ接続端子LA,LBによって接地電位に高周波成分が重畳されても電位が大きく変動することは無い。よって、図3の外部端子配列のような非接触インタフェース非対応のメモリカード用カードホストに、図4の端子配列を有するメモリカード1を挿入した場合にアンテナ接続端子LA,LBにカードホスト側の他のピンが接続することによる不都合はない。また、非接触インタフェース用のカードホストに非接触インタフェース非対応のメモリカードを挿入した場合にカードホストのアンテナ接続ピンが非接触インタフェース非対応メモリカードのC6の接地端子ピンに接続してアンテナがショートするが、アンテナによる起電力は小さく、且つ、アンテナの出力インピーダンスも大きいから、アンテナショートによる不都合は生じない。
【0054】
アンテナ接続端子LA,LBから従来のカードホストの接地電位に直流成分が重畳されるのを確実に抑止し、また、アンテナからの信号成分の伝達を妨げないようにすることを考慮すれば、図5に例示されるように、前記アンテナ接続端子LA,LBには、AC結合用の容量素子Cacを介してICカードマイコン4に接続することが望ましい。
【0055】
図2のCの定義はマルチメディアカード規格に準拠した4ビット並列データ入出力並びに非接触及び接触インタフェース共に可能なICカードマイコン搭載のメモリカードにおける端子機能とされる。この時の実際の外部端子のレイアウトは図4と同じである。図2のBの定義との相違点は、カードコントローラC6による外部データインタフェース端子をC7〜C9,C1の4ビットのデータ端子DAT0〜DAT4とし、ICカードマイコン4による接触インタフェース端子としてC10のリセット端子RES−ic、C11のクロック入力端子CLK−ic、C12のICカード専用電源端子Vcc−ic、及びデータシリアル入出力端子I/O−icを採用している点である。図6には図2のCの定義によるメモリカードの外部インタフェース機能がブロックダイアグラムで示される。ICカードマイコン4に専用の電源端子Vcc−icが割当てられているので、ICカードマイコン4を単独でパワーオンリセット可能である。C6A,C6Bのアンテナ接続用スプリット端子LA,LBによる作用効果は図5と同様であるからその詳細な説明は省略する。
【0056】
図2のDの定義はマルチメディアカード規格に準拠した1ビットデータ入出力並びに非接触インタフェース共に可能なICカードマイコン搭載のメモリカードにおける端子機能とされる。この時の実際の外部端子のレイアウトは図7に示される。同図のパッケージサイズは同じくリデュースドサイズとされる。図2のBの定義との相違点は、カードコントローラC6による外部データインタフェース端子をC7の1ビットのデータ端子DATとしたことである。図8には図2のDの定義によるメモリカードの外部インタフェース機能がブロックダイアグラムで示される。ICカードマイコン4の単独パワーオンリセットはできない。C6A,C6Bのアンテナ接続用スプリット端子LA,LBによる作用効果は図5の場合と同様であるからその詳細な説明は省略する。
【0057】
図2のEの定義はマルチメディアカード規格に準拠した4ビット並列データ入出力並びに非接触及び接触インタフェース共に可能なICカードマイコン搭載のメモリカードにおける端子機能とされる。この時の実際の外部端子のレイアウトは図9とされる。図2のDの定義との相違点は、カードコントローラC6による外部データインタフェース端子をC7、C10,C13,C1の4ビットのデータ端子DAT0〜DAT4とし、ICカードマイコン4による接触インタフェース端子としてC11のクロック入力端子CLK−ic、C12のデータシリアル入出力端子I/O−icを採用している点である。ICカードマイコン4に対するリセットはカードコントローラ2からのコマンドに基づいてリセット命令等を実行することによって行なう必要がある。図10には図2のEの定義によるメモリカードの外部インタフェース機能がブロックダイアグラムで示される。C6A,C6Bのアンテナ接続用スプリット端子LA,LBによる作用効果は図5と同様であるからその詳細な説明は省略する。
【0058】
《電源用スプリット端子》
図2のFの定義は、マルチメディアカード規格に準拠した4ビット並列データ入出力並びに接触及び非接触インタフェース可能なICカードマイコン搭載のメモリカードにおいて、アンテナ接続端子LA,LBの他に、電源供給用端子Vcc,Vcc−icにもスプリット端子を採用した端子機能が示される。この時の実際の外部端子のレイアウトは図11に例示される。同図のパッケージサイズは同じくリデュースドサイズとされる。図12には図2のFの定義によるメモリカードの外部インタフェース機能がブロックダイアグラムで示される。
【0059】
図2のEの定義との相違点はC4の電源端子Vccに代えてC4A,C4Bの2個の電源端子Vcc,Vcc−icを採用している点である。C4の電源端子Vccに対する電源用スプリット端子C4A,C4Bの関係は、前記接地端子Vssに対するアンテナ接続用のスプリット端子LA,LBの関係に対応する。即ち、図11のC4A,C4Bの2個の電源端子Vcc,Vcc−icは、図11では廃止されたところの図9のC4の1個の電源端子Vccの位置に対応して形成される。要するに、図11に示されるように、C4A,C4Bの2個の電源端子Vcc,Vcc−icはC4の1個の電源端子Vccの大きさを最大とする領域に2分割されて離間配置されたスプリット端子とされる。
【0060】
前記C4Aの電源端子Vcc及びC4Bの電源端子Vcc−icの2個の端子の大きさはC4の1個の電源端子Vccの大きさを最大とするから、ICカードマイコンに対する個別パワーオンリセット非対応のメモリカードに対してC4の1個の電源端子端子Vccの大きさの端子の領域を割くことによって前記C4A,C4Bの2個の電源端子Vcc,Vcc−icを設けることにより、ICカードマイコンに対する個別パワーオンリセット対応のメモリカードを実現することができる。よって、ICカードマイコンに対する個別パワーオンリセット非対応のメモリカードの端子領域から外れずにICカード用マイクロコンピュータに対する個別パワーオンリセット対応のメモリカードの端子領域を形成することができる。
【0061】
前記C4A,C4Bの2個の電源端子Vcc,Vcc−icが形成される個所は、ICカードマイコンに対する個別パワーオンリセット非対応のメモリカードにおけるC4の電源端子Vccが形成される領域に対応される。ICカードマイコンに対する個別パワーオンリセット対応の図2のFの態様に係るメモリカードを、ICカードマイコンに対する個別パワーオンリセット非対応メモリカード用のカードホストに挿入した場合に、C4AのVccとC4BのVcc−icはカードホスト側でショートするので、個別パワーオンリセットはできないが、その他は動作上問題ない。もしメモリカードへの供給電源Vccの電位レベルがICカードマイコンへの供給電源Vcc−icの電位レベルと異なる場合、ICカードマイコンにおいて電圧変換回路を有しておくことで、個別パワーオンリセット非対応メモリカード用のカードホストに個別パワーオンリセット対応のメモリカードを挿入した場合であってもICカードマイコンは正常に動作することが可能となる。また、ICカードマイコンに対する個別パワーオンリセット対応のカードホストにICカードマイコンに対する個別パワーオンリセット非対応のメモリカードを挿入した場合にカードホスト側で、C4Aの電源端子Vcc向け電源とC4Bの電源端子Vcc−ic向け電源がショートする。ショートした状態でC4Bの電源端子が接地電位Vssに導通されてパワーオンリセットされると、回路の接地電位と電源との間がショートすることになって不都合であり、このショートを抑制するには、図13に例示されるように、カードホスト15側において、ICカードマイコン用の電源端子Vcc−icへの電源経路には高抵抗16を介して選択的に接地電位Vssに導通させるパワーオンリセットスイッチ17を配置するのがよい。若しくは、カードホスト側でC4A端子にVccを供給した後、ICカードマイコン用の電源端子Vcc−icへの電源経路においてVccを検出した場合は、第2電源供給端子への電源経路を遮断するようにしてもよい。 図14には図2のFのインタフェース定義においてC4の電源端子Vccを、C4A,C4Bの電源スプリット端子Vcc,Vcc−icとしたときの端子配列が例示される。図15には図14の端子配列に対応するメモリカードの外部インタフェース機能がブロックダイアグラムで示される。
【0062】
上記アンテナ接続用スプリット端子及び電源用スプリット端子を設けたメモリカードの説明ではパッケージをリデュースドサイズとしたが、図16に代表されるフルサイズのパッケージにも同じように適用することができる。
【0063】
《アンテナ接続用の端子兼用化》
アンテナ接続用スプリット端子に代えて、図3のプリミティブな端子配列をそのまま利用し、C6の端子を一方のアンテナ接続端子LA、C8の端子を他方のアンテナ接続端子LBに割当てることも可能である。この場合には、対応カードホストは、当該メモリカードが挿入されたとき、カードコントローラによる外部インタフェースを、図2のD,E,Fの何れかの態様で行なうようにすればよい。図2のA,B,Cの対応でインタフェースを行なうカードホストの場合には、当該メモリカードの挿入を検出したとき、C8の端子をデータ入出力からアンテナ接続機能に切り換えるようにすればよい。
【0064】
また、図17の7ピン形態のプリミティブな端子配列においては、C6の端子を一方のアンテナ接続端子LA、C1の端子を他方のアンテナ接続端子LBに割当てることが可能である。この場合には、対応カードホストは、当該メモリカードが挿入されたとき、当該メモリカードをMMCモードで動作させればよい。MMCモードにおいてC1の端子はリザーブ端子RSVとされるからである。
【0065】
また、アンテナ接続用スプリット端子に代えて、図3のプリミティブな端子配列におけるC8の端子を一方のアンテナ接続端子LA、C9の端子を他方のアンテナ接続端子LBに割当てることも可能である。この場合には、対応カードホストは、当該メモリカードが挿入されたとき、C7,C8の端子をデータ入出力からアンテナ接続機能に切り換えるようにすればよい。
【0066】
アンテナ接続用に既存端子を兼用化する場合には、何れにしてもカードホストはそのようなメモリカードの挿入を検出するための検出処理機能を備えることが必要である。例えば、カード認識処理で、そのようなメモリカードはC7の端子を利用して当該メモリカード種別を示す識別コードを出力し、カードホストはその識別コードを受けて端子兼用化メモリカードの装着を検出すればよい。またカードホストは、C8等のアンテナ接続用端子として共用する端子について、本来のデータ入出力とアンテナ接続とのどちらとして動作させるかをメモリカードに指示するためのコマンドを発行するようにしてもよい。例えば、メモリカードの規格上ユーザコマンド若しくは未定義コマンドとされるコマンドが存在し、そのようなコマンドを発行して端子の機能を切り替えるようにすることで、通常動作時はC8等の端子は本来のデータ入出力端子として機能し、ICカードマイコンの非接触通信時にのみアンテナ端子として機能させることができるようになる。
【0067】
以下に前記カードコントローラ2及びICカードマイコン4についての詳細を構成を説明する。図18には前記カードコントローラ2の詳細が例示される。カードコントローラ2はホストインタフェース回路20、マイクロコンピュータ21、フラッシュコントローラ22、バッファコントローラ23、バッファメモリ24、及びインタフェース部25から成る。バッファメモリ24はDRAM(Dynamic Random Access memory)又はSRAM(Static Random Access Memory)等から成る。インタフェース部25にはICカードマイコン4が接続される。マイクロコンピュータ21はCPU(中央処理装置)27、CPU27の動作プログラムを保有するプログラムメモリ(PGM)28、及びCPU27のワーク領域に利用されるワークメモリ(WRAM)29などによって構成される。前記MMC仕様に対応するインタフェース制御態様の制御プログラムはPGM28が保有する。
【0068】
ホストインタフェース回路20はメモリカードイニシャライズコマンドを発行すると、割込みによってマイクロコンピュータ21にMMCインタフェース制御態様の制御プログラムを実行可能にする。マイクロコンピュータ21はその制御プログラムを実行する事によってホストインタフェース回路20による外部インタフェース動作を制御し、フラッシュコントローラ22によるフラッシュメモリ3に対するアクセス(書き込み、消去、及び読み出し動作)とデータ管理を制御し、バッファコントローラ23によるメモリカード固有のデータフォーマットとメモリに対する共通のデータフォーマットとの間のフォーマット変換を制御する。
【0069】
バッファメモリ24には、フラッシュメモリ3から読み出されたデータ又はフラッシュメモリ3に書き込まれるデータが一時的に保持される。フラッシュコントローラ22はフラッシュメモリ3をハードディスク互換のファイルメモリとして動作させ、データをセクタ単位で管理する。
【0070】
図19には前記ICカードマイコン4の詳細が例示される。ICカードマイコン4は、CPU31、ワークRAMとしてのRAM(ランダム・アクセス・メモリ)32、タイマ33、EEPROM(エレクトリカリ・イレーザブル・アンド・プログラマブル・リード・オンリ・メモリ)34、コプロセッサユニット35、マスクROM(リード・オンリ・メモリ)36、システムコントロールロジック37、入出力ポート(I/Oポート)43、データバス39、アドレスバス40及びRF部41を有する。
【0071】
前記マスクROM36はCPU31の動作プログラム(暗号化プログラム、復号プログラム、インタフェース制御プログラム等)及びデータを格納するのに利用される。前記RAM32はCPU31のワーク領域又はデータの一時記憶領域とされ、例えばSRAM(スタティック・ランダム・アクセス・メモリ)若しくはDRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)から成る。I/Oポート38にICカードコマンドが供給されると、システムコントロールロジック37がこれをデコードし、当該コマンドの実行に必要な処理プログラムをCPU31に実行させる。即ち、CPU31は、システムコントロールロジック37から指示されるアドレスでマスクROM36をアクセスして命令をフェッチし、フェッチした命令をデコードし、デコード結果に基づいてオペランドフェッチやデータ演算を行う。コプロセッサユニット35はCPU31の制御に従ってRSAや楕円曲線暗号演算における剰余演算処理などを行う。I/Oポート38は1ビットの入出力端子I/Oを有し、データの入出力と外部割り込み信号の入力に兼用される。I/Oポート38はデータバス39に結合され、データバス39には前記CPU31、RAM32、タイマ33、EEPROM34、及びコプロセッサユニット35等が接続される。システムコントロールロジック37はICカードマイコン4の動作モードの制御及び割り込み制御を行い、更に暗号鍵の生成に利用する乱数発生ロジック等を有する。ICカードマイコン4はリセット信号RESによってリセット動作が指示されると、内部が初期化され、CPU41はマスクROM36のプログラムの先頭番地から命令実行を開始する。ICカードマイコン9はクロック信号CLKに同期動作される。
【0072】
前記EEPROM34は、電気的に消去処理及び書込み処理が可能にされ、個人を特定するために用いられるID情報や認証証明書などのデータを格納する領域として用いられる。EEPRPM34に代えてフラッシュメモリ或は強誘電体メモリなどを採用してもよい。同図ではICカードマイコン4は外部とのインタフェースに外部接続端子を用いる接触インタフェースと、アンテナを用いる非接触インタフェースの一方または双方をサポートする。非接触インタフェースを行うためのRF部41はチップのアンテナ端子TML1,TML2を有する。アンテナを経由してRF部41より電力が供給されたり、あるいはシステムコントロールロジック37により内部バスを経由して非接触インタフェースが選択されると、RF部41は前記アンテナが所定の電磁波(例えば高周波の変動磁束やマイクロ波)を横切ることによって生ずる誘導起電力を動作電源として動作電源を発生し、該所定の電波の周波数に対応して生ずる誘導電流を基にした内部クロック信号CLK、該所定の電波に重なって受け渡されるデータをRF部41で分離した内部データ、さらにリセット信号RES、の夫々を生成し、アンテナから非接触で情報の入出力を行なう。ICカードマイコン4の内部において、非接触インタフェースを介して動作するRF部41は、接触インタフェースを介して動作するICカード動作用のCPU31などとは独立した小規模の回路で構成するのが好ましい。RF部41として、その内部に非接触カード動作に必要な回路、例えば非接触カード用プロセッサ、当該プロセッサの制御プログラム領域及びワーク領域に用いられるメモリ、そしてRF送受信及び電源回路部が設けられる。このようにRF部41はプロセッサ機能とその制御プログラムというように独立した小規模の回路で構成されるため、例えば接触端子を介しての電源供給が得られない環境においても、外部からの誘導起電力によって回路を動作させることが容易となる。また、RF部41は内部のデータバス39及びアドレスバス40を経由することにより、非接触インタフェース部分と接触インタフェース部分との間でデータを入出力することも可能である。
【0073】
メモリカード1におけるセキュリティー処理を説明する。例えばフラッシュメモリ3のセキュア領域にはユーザ識別情報が格納されている。コンテンツデータをダウンロードするときはユーザ識別情報を秘密鍵として暗号化されたライセンス情報を一緒にダウンロードする。コンテンツデータを復号するための復号キーはライセンス情報に含まれ、ライセンス情報はユーザ識別情報を復号キーに用いて復号される。これによってコンテンツデータに対する著作権保護を行う。係るセキュリティー処理はマイクロコンピュータ21によるプログラム制御で行なわれる。
【0074】
ICカードマイコン4によるセキュリティー処理について説明する。例えばICカードマイコン4は電子決済サービスなどに利用可能なISO/IEC15408の評価・認証機関による認証済み機能を実現している。EEPROM34には所定の認証証明書を保有し、ホストから認証要求が有ったときはその認証証明書を送り、これに対して認証を得ることを条件に、後続の通信処理が可能にされる。このようなセキュリティー処理の動作プログラムはマスクROM36が保有する。ICカードマイコン4による認証処理はICカードマイコン4内部に閉じた環境で行うのがセキュリティーの観点より望ましい。この点で、ICカードマイコン4の電源だけを投入してアンテナ端子LA,LBなどを介して外部インタフェースを行なう意義がある。用途上又は技術的にセキュリティー上の問題がない場合にはカードコントローラ2経由でセキュリティー処理を行うことは差し支えない。
【0075】
例えば上述の如くICカードマイコン4が電子決済サービスなどに利用可能なISO/IEC15408の評価・認証機関による認証済みである場合、キャッシュカード、クレジットカード或いは定期券などのカードホルダにメモリカード1を挿入し、非接触インタフェースを用いてそれらカード機能を実現することが可能になる。
【0076】
ICカードマイコン4は電子決済などレベルの高いセキュリティー処理に利用されることを考慮すると、ICカードマイコン4の異常な状態に対して全ての内部状態を初期化するパワーオンリセットはカードコントローラ2等に比べて頻繁に行われる可能性が高い。これを考慮すると、ICカードマイコン4に専用の電源供給端子Vcc−icを設ければ、メモリカード1全体をリセットすること無くICカードマイコン4単独で自由にパワーオンリセット可能になる。これにより、セキュリティーを保証しつつメモリカード1の使い勝手を向上させることができる。またメモリカード1をホスト装置に挿入している状態であれば、ICカードマイコン4が非接触インターフェースを用いて通信を行う場合であっても、誘導起電力により得られる動作電力よりも安定した電源をVcc−icから得ることができ、より微弱な電波状態であってもメモリカード単体で非接触インタフェースを用いた通信を行うことが可能となる。
【0077】
図20乃至図29に、図2のBの定義によるメモリカード1の外形図を示す。図20は斜視図、図21は正面図、図22は右側面図、図23は左側面図、図24は平面図、図25は底面図、図26は背面図、図27は図21に示すA−A’での断面図、図28は図21に示すB−B’での断面図、図29は各部の名称を示す参考図である。
【0078】
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0079】
例えば、本発明はMMC規格のメモリカードだけでなくその他の規格に準拠するマルチファンクション形態のメモリカードに広く適用することができる。従って、外部接続端子の機能、配列、数などは適宜変更可能である。また不揮発性メモリはフラッシュメモリに限定されず、強誘電体メモリなど、その他記憶形式のメモリであってよい。ICカードマイコンはISO/IEC15408の評価・認証機関による認証済み機能を実現しているセキュリティーコントローラに限定されない。単なる暗号化・復号を行ない暗号化した通信が可能なマイクロコンピュータであってもよい。
【0080】
また、図5、図6、図8、図10、図12及び図15のブロックダイアグラムは専らメモリカードの外部インタフェース機能を示すことを主眼に描かれたものであり、各外部信号端子はカードコントローラ2又はICカードマイコン4の何れかに専用化されて接続されるているように図示されているが、実際には一つのメモリカードで外部インタフェースについて数種類のインタフェース態様、例えば図2のBの端子態様とCの態様から一つを選択可能なものもあり、そのようなメモリカードの場合には、例えば、C10〜C13の端子はカードコントローラ2とICカードマイコン4の双方に接続可能されていている。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明に係る半導体装置の一例であるマルチメディアカード規格に準拠したメモリカードのブロックダイアグラムである。
【図2】メモリカードの動作モード及びカードンタフェース仕様に応じた端子列の端子機能を例示する説明図である。
【図3】図2のAにおける13pinの定義に対応する実際の外部端子のレイアウトを例示する平面図である。
【図4】図2のBにおける8ビット並列データ入出力及び非接触インタフェース可能なICカードマイコン搭載のメモリカードに対応する実際の外部端子のレイアウトを例示する平面図である。
【図5】図2のBの定義によるメモリカードの外部インタフェース機能を示すブロックダイアグラムである。
【図6】図2のCの定義によるメモリカードの外部インタフェース機能を示すブロックダイアグラムである。
【図7】図2のDの定義におけるはマルチメディアカード規格に準拠した1ビットデータ入出力並びに非接触インタフェース共に可能なICカードマイコン搭載のメモリカードの実際の外部端子のレイアウトを示す平面図である。
【図8】図2のDの定義によるメモリカードの外部インタフェース機能を示すブロックダイアグラムである。
【図9】図2のEの定義における4ビット並列データ入出力並びに非接触及び接触インタフェース共に可能なICカードマイコン搭載のメモリカードの実際の外部端子のレイアウトを示す平面図である。
【図10】図2のEの定義によるメモリカードの外部インタフェース機能を示すブロックダイアグラムである。
【図11】図2のFの定義におけるアンテナ接続端子の他に電源供給用端子Vcc,Vcc−icにもスプリット端子を採用した端子機能を備えたメモリカードの実際の外部端子のレイアウトを示す平面図である。
【図12】図2のFの定義によるメモリカードの外部インタフェース機能を示すブロックダイアグラムである。
【図13】電源スプリット端子においてICカードマイコンのパワーオンリセット時に回路の接地電位と電源との間のショートショートを緩和もしくは抑制するための基本構成を例示する回路図である。
【図14】図2のBのインタフェース定義においてC4の電源端子を、電源スプリット端子Vcc,Vcc−icとしたときの端子配列を例示する平面図である。
【図15】図14の端子配列に対応するメモリカードの外部インタフェース機能を示すブロックダイアグラムである。
【図16】フルサイズパッケージでアンテナ接続用スプリット端子及び電源用スプリット端子を設けたメモリカードの端子配列を示す平面図である。
【図17】7ピン形態のプリミティブな端子配列においてC6の端子を一方のアンテナ接続端子、C1の端子を他方のアンテナ接続端子に割当て可能にしたメモリカードの端子配列を示す平面図である。
【図18】カードコントローラの詳細を例示するブロックダイアグラムである。
【図19】ICカードマイコンの詳細を例示するブロックダイアグラムである。
【図20】図2のBの定義によるメモリカード1の外形図を示す斜視図である。
【図21】図2のBの定義によるメモリカード1の外形図を示す正面図である。
【図22】図2のBの定義によるメモリカード1の外形図を示す右側面図である。
【図23】図2のBの定義によるメモリカード1の外形図を示す左側面図である。
【図24】図2のBの定義によるメモリカード1の外形図を示す平面図である。
【図25】図2のBの定義によるメモリカード1の外形図を示す底面図である。
【図26】図2のBの定義によるメモリカード1の外形図を示す背面図である。
【図27】図21に示すA−A‘での断面図である。
【図28】図21に示すB−B’での断面図である。
【図29】図26の背面図の端子の名称を示す参考図である。
【符号の説明】
【0082】
1 メモリカード
2 カードコントローラ
3 フラッシュメモリ
4 ICカードマイコン
7〜9 端子列
11 アンテナ
LA,LB アンテナ接続端子
Vcc−ic ICカードマイコン用電源端子
Vcc 電源端子
Vss 接地端子
16 抵抗
17 スイッチ
Cac AC結合容量
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリカードに代表されるカードデバイス若しくは半導体装置における非接触インタフェース技術、更には非接触インタフェースのためのアンテナ接続技術に関し、例えば、カードコントローラ及び不揮発性メモリと共にICカード用マイクロコンピュータを搭載するメモリカードの非接触インタフェースに適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1にはMMC(マルチメディアカード:登録商標)規格との互換性を維持しながらマルチバンクやマルチファンクションを実現するために、マルチメディアカード規格に準拠のメモリカードにSIM(Subscriber Identity Module)を搭載してセキュリティの強化を図るようにした技術が記載される。
【0003】
特許文献2には、フラッシュメモリチップとセキュリティー処理を実行するICカードチップと、外部からの指示に従ってそれらを制御するコントローラチップを実装した記憶装置について記載がある。
【0004】
また非特許文献1はマルチメディアカードの規格が記載される。
【0005】
【特許文献1】国際公開WO01/84480号パンフレット
【0006】
【特許文献2】特開平2003−91704号公報
【非特許文献1】The MultiMedia Card System Specification Version 3.3
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者は、カードコントローラ及び不揮発性メモリと共にICカード用マイクロコンピュータを搭載するメモリカードの非接触インタフェース、特に非接触インタフェースに用いるアンテナの接続端子について検討した。これによれば、メモリカードにアンテナ接続端子を増設したり、既存端子をアンテナ接続端子と兼用したりする場合に、非接触インタフェース対応メモリカードを既存メモリカード用カードホストに挿入した場合にアンテナの接続端子にアンテナ以外が接続することによる不都合、非接触インタフェース用カードホストに既存メモリカードを挿入した場合にアンテナがアンテナとは無関係の端子に接続することによる不都合を考慮することの必要性が本発明者によって見出された。
【0008】
本発明の目的は、非接触インタフェース非対応のメモリカードの端子配列や端子の形状に対する変更を最小限に抑えて非接触インタフェース用のアンテナ接続機能を有する半導体装置を提供することにある。
【0009】
本発明の別の目的は、非接触インタフェース非対応メモリカード用のカードホストに挿入した場合にアンテナの接続端子にアンテナ以外が接続することによる不都合のないメモリカードを提供することにある。
【0010】
本発明の更に別の目的は、非接触インタフェース用のカードホストに非接触インタフェース非対応のメモリカードを挿入した場合にアンテナがアンテナとは無関係の端子に接続することによる不都合のないメモリカードを提供することにある。
【0011】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0013】
〔1〕不揮発性メモリ、前記不揮発性メモリに対するデータの読み出しとデータの格納を行なうカードコントローラ、及び暗号処理を行なうICカード用マイクロコンピュータを有するメモリカードは、前記メモリカードの一辺に沿って端子列が形成され、前記端子列は、2個の電位供給端子(C4:Vcc、C3:Vss)、データ端子、コマンド端子、クロック端子及び2個のアンテナ接続端子(C6A:LA、C6B:LB)を有し、2個の前記アンテナ接続端子は1個の前記電位供給端子の大きさを最大とする領域に2分割されて離間配置されたスプリット端子とされる。前記ICカード用マイクロコンピュータは前記アンテナ接続用端子に接続されるアンテナを通してデータの入出力を行なう。
【0014】
前記2個のアンテナ接続端子の大きさは1個の前記電位供給端子の大きさを最大とするから、非接触インタフェース非対応のメモリカードに対して1個の前記電位供給端子の大きさの端子の領域を割くことによって前記2個のアンテナ接続端子を設けて、非接触インタフェース対応のメモリカードとされる。よって、非接触インタフェース非対応のメモリカードの端子領域から外れずに非接触インタフェース対応のメモリカードの端子領域を形成することができる。
【0015】
本発明の望ましい形態では、前記2個のアンテナ接続端子が形成される個所は、アンテナによるデータ入出力機能を備えていない非接触インタフェース非対応のメモリカードにおける接地電位供給端子が形成される領域(C6:Vss)に対応される。非接触インタフェース対応の本発明に係るメモリカードを、非接触インタフェース未対応メモリカード用のカードホストに挿入した場合に、アンテナ接続端子には接地電位が接続することになる。接地電位には交流成分、即ち信号成分が無いので、メモリカードの動作上問題ない。逆にアンテナ接続端子によって回路の接地電位に高周波成分が重畳されても電位が大きく変動することは無い。よって、非接触インタフェース非対応メモリカード用のカードホストに挿入した場合にアンテナの接続端子にアンテナ以外が接続することによる不都合はない。また、非接触インタフェース用のカードホストに非接触インタフェース非対応のメモリカードを挿入した場合にカードホストのアンテナが非接触インタフェース非対応メモリカードの接地電位供給端子に接続してアンテナがショートするが、アンテナによる起電力は小さく、且つ、アンテナの出力インピーダンスも大きいから、アンテナショートによる不都合は生じない。
【0016】
アンテナ接続端子から回路の接地電位に直流成分が重畳されるのを確実に抑止し、信号成分の伝達を妨げないようにすることを考慮すれば、前記アンテナ接続端子には、高周波信号を分離するAC結合用の容量素子(Cac)が接続されたフィルタ回路を有することが望ましい。
【0017】
〔2〕不揮発性メモリ、前記不揮発性メモリに対するデータの読み出しとデータの格納を行なうカードコントローラ、及び暗号処理を行なうICカード用マイクロコンピュータを有するメモリカードは、前記メモリカードの一辺に沿って端子列が形成され、前記端子列は、3個の電位供給端子(C4A:Vcc、C4B:Vcc−ic、C3:Vss)、データ端子、コマンド端子及びクロック端子を有し、前記3個の電位供給端子は、前記不揮発性メモリ、カードコントローラ及びICカード用マイクロコンピュータに回路の接地電位を供給する接地電位端子(C3:Vss)、前記不揮発性メモリ及びカードコントローラに電源電位(第1電位)を供給する第1電位供給端子(C4A:Vcc)、前記ICカード用マイクロコンピュータに電源電位(第3電位)を供給する第2電位供給位端子(C4B:Vcc−ic)とされる。前記第1電位供給端子及び第2の電位供給端子は1個の前記接電位端子の大きさを最大とする領域に2分割されて離間配置されたスプリット端子とされる。
【0018】
前記第1電位供給端子及び第2電位供給端子の2個の端子の大きさは1個の前記接地電位供給端子の大きさを最大とするから、ICカード用マイクロコンピュータに対する個別パワーオンリセット非対応のメモリカードに対して1個の前記接地電位供給端子の大きさの端子の領域を割くことによって前記2個の第1電位供給端子及び第2電位供給端子を設けて、ICカード用マイクロコンピュータに対する個別パワーオンリセット対応のメモリカードとされる。よって、ICカード用マイクロコンピュータに対する個別パワーオンリセット非対応のメモリカードの端子領域から外れずにICカード用マイクロコンピュータに対する個別パワーオンリセット対応のメモリカードの端子領域を形成することができる。
【0019】
本発明の望ましい形態では、前記2個の第1電位供給端子及び第2の電位供給端子が形成される個所は、ICカード用マイクロコンピュータに対する個別パワーオンリセット非対応のメモリカードにおける電源電位供給端子(C4:Vcc)が形成される領域に対応される。ICカード用マイクロコンピュータに対する個別パワーオンリセット対応の本発明に係るメモリカードを、ICカード用マイクロコンピュータに対する個別パワーオンリセット非対応メモリカード用のカードホストに挿入した場合に、第1電位供給端子と第2電位供給端子はカードホスト側でショートするので、個別パワーオンリセットはできないが、その他は動作上問題ない。また、ICカード用マイクロコンピュータに対する個別パワーオンリセット対応のカードホストにICカード用マイクロコンピュータに対する個別パワーオンリセット非対応のメモリカードを挿入した場合にカードホスト側の第1電位供給端子向け電源供給端子(第1電源端子)と第2電位供給端子向け電源供給端子(第2電源端子)がショートする。ショートした状態で第2電源端子が接地電位に導通されてパワーオンリセットされると、回路の接地電位と第1電位間がショートすることになって不都合であり、このショートを抑制するにはカードホスト側において、第2電位供給端子への電源経路には高抵抗(16)を介して選択的に接地電位に導通させるパワーオンリセットスイッチ(17)を配置するのがよい。若しくは、カードホスト側で第1電位を供給した後、第1電位を第2電位供給端子への電源経路において検出した場合は、第2電源供給端子への電源経路を遮断するようにしてもよい。
【0020】
〔3〕上記とは別の観点による非接触インタフェース対応のメモリカードは、カードコントローラと、前記カードコントローラに接続された不揮発性メモリと、ICカード用マイクロコンピュータとを有し、電源供給端子として第1電位供給端子と第2電位供給端子とを夫々1個づつ有し、前記カードコントローラに動作を指示するコマンドを供給するためのコマンド端子と、データ入出力に用いられるデータ端子と、クロック信号の入力に用いられるクロック端子と、2個のアンテナ接続用端子と、を有する。前記ICカード用マイクロコンピュータは前記アンテナ接続用端子に接続されるアンテナからデータの入出力を行なう。
【0021】
上記とは別の観点による非接触インタフェース及びICカード用マイクロコンピュータに対する個別パワーオンリセット対応のメモリカードは、カードコントローラと、前記カードコントローラに接続された不揮発性メモリと、ICカード用マイクロコンピュータと、を有し、前記カードコントローラ及び不揮発性メモリへ第1電位を供給する第1電位供給端子と第2電位を供給する第2電位供給端子とを夫々1個づつ有し、前記ICカード用マイクロコンピュータに第3電位を供給する第3電位供給端子を1個有し、前記カードコントローラに動作を指示するコマンドを供給するためのコマンド端子と、データ入出力に用いられるデータ端子と、クロック信号の入力に用いられるクロック端子と、2個のアンテナ接続用端子(C6A:LA、C6B:LB)と、を有する。ICカード用マイクロコンピュータは前記アンテナ接続用端子に接続されるアンテナからデータの入出力を行なう。
【0022】
上記本発明の具体的な形態として、2個の前記アンテナ接続用端子は、相互に隣接して配置され、2個の前記アンテナ接続用端子間の距離は、一方のアンテナ接続用端子とそれに隣接する他の端子との間の距離よりも狭く構成される。
【0023】
上記本発明の具体的な形態として、2個の前記アンテナ接続用端子の面積は、他の端子の面積よりも小さく構成される。
【0024】
上記本発明の具体的な形態として、2個の前記アンテナ接続用端子は第1方向に第1の幅を有し、第1方向に直交する第2方向に第2の幅を有し、他の端子は第1方向に第1の幅と同じ又はそれより広い幅を有し、第2方向に第2の幅よりも広い幅を有する。
【0025】
上記本発明の具体的な形態として、前記メモリカードの第1の辺に沿って第1の端子列を有し、前記第1の端子列に対し前記第1の辺に対向する第2の辺寄りに第2の端子列を有し、前記2個のアンテナ接続用端子は前記第1の端子列に配置される。
【0026】
上記とは更に別の観点による非接触インタフェース及びICカード用マイクロコンピュータに対する個別パワーオンリセット対応のメモリカードは、カードコントローラと、前記カードコントローラに接続された不揮発性メモリと、ICカード用マイクロコンピュータと、を有し、前記カードコントローラ及び不揮発性メモリへ第1電位を供給する第1電位供給端子と第2電位を供給する第2電位供給端子とを夫々1個づつ有し、前記ICカード用マイクロコンピュータに第3電位を供給する第3電位供給端子を1個有し、前記カードコントローラに動作指示を行なうためのコマンド入力と、該コマンドに対する応答を出力するためのコマンド端子と、前記不揮発性メモリに格納され又は格納するためのデータの入出力と、不揮発性メモリへのアクセス先を指定するアドレスの入力とを行なうためのデータ端子と、前記ICカード用マイクロコンピュータのデータ入出力に用いられるアンテナを接続するための2個のアンテナ接続用端子(C6A:LA、C6B:LB)と、を有する。前記不揮発性メモリにアクセスを行なっていない状態で前記ICカード用マイクロコンピュータに前記アンテナを介してデータの入出力を行う場合、前記第2電位供給端子と前記第3電位供給端子とから夫々の電位が供給される。
【0027】
前記ICカード用マイクロコンピュータに前記アンテナを介してデータの入出力を行う場合、前記第2電位供給端子と前記第3電位供給端子とから電位が供給されていないことを検出した場合、前記アンテナから供給される電力により動作するようにしてもよい。
【0028】
〔4〕更に別の観点による本発明は、外部装置に接続可能にされる半導体装置であって、前記外部装置は前記半導体装置との接続を行なうための複数の端子を有し、前記複数の端子は第1機能に用いられる端子を少なくとも2個有し、前記半導体装置は前記外部装置の有する複数の端子との接続を行なうための複数の端子を有し、前記外部装置の第1機能に用いられる端子の内1個の端子に対応する前記半導体装置の端子(C6:Vss)の個所には、非接触通信に用いるためのアンテナを接続するための端子(C6A:LA、C6B:LB)を複数個有する。前記第1機能に用いられる少なくとも2個の端子は、例えば同じ電位の供給が行なわれる電位供給端子である。
【0029】
更に別の観点による本発明は、外部装置に接続可能にされる半導体装置であって、前記外部装置は前記半導体装置との接続を行なうための複数の端子を有し、前記複数の端子は第1機能に用いられる端子を複数個有し、前記半導体装置は前記外部装置の有する複数の端子との接続を行なうための複数の端子を有し、第1動作状態において前記第1機能に用いられる複数の端子(C8:DAT1、C9:DAT2、…)は第1機能に用いられ、第2動作状態において前記第1機能に用いられる複数の端子の内少なくとも2個の端子(C8:DAT1、C9:DAT2)は非接触通信に用いるためのアンテナを接続するために用いられる。前記第1機能に用いられる複数の端子は、例えばそれぞれ異なるビット位置のデータを入出力するために用いられるデータ入出力端子である。
【0030】
更に別の観点による本発明は、外部装置に接続可能にされる半導体装置であって、前記外部装置は前記半導体装置との接続を行なうための複数の端子を有し、前記複数の端子は第1機能に用いられる端子を複数個と、第2機能に用いられる端子と有し、前記半導体装置は前記外部装置の有する複数の端子との接続を行なうための複数の端子を有し、第1動作状態において前記第1機能に用いられる複数の端子は第1機能に用いられ、第2機能に用いられる端子は前記第2機能に用いられ、第2動作状態において前記第1機能に用いられる複数の端子の内少なくとも1個(C6:Vss)と前記第2機能に用いられる端子(C7)は非接触通信に用いるためのアンテナを接続するために用いられる。前記第1機能に用いられる複数の端子は、例えば同じ電位の供給が行なわれる電位供給端子であり、前記第2機能に用いられる端子はデータの入出力端子である。
【0031】
上記発明の具体的な形態として、前記非接触通信に用いられるアンテナを接続するために用いられる端子には、AC結合用の容量素子が接続されている。
【0032】
また、前記第1動作状態はデータの格納動作又は読み出し動作であり、データを格納する不揮発性メモリと、前記不揮発性メモリに対するデータの格納動作及び読み出し動作の制御を行なうためのコントローラとを有する。
【0033】
また、前記第2動作状態は暗号処理を含む動作であり、第1動作状態での動作制御を行なうための第1コントローラと、第2動作状態での暗号処理を行なう第2コントローラとを有する。
【0034】
また、前記第1動作状態はデータの格納動作又は読み出し動作であり、前記第2動作状態はデータの暗号化処理を含む動作であり、第1動作状態での動作制御と第2動作状態での暗号処理を行なうためのコントローラと、データの格納を行なう不揮発性メモリとを有する。
【0035】
〔5〕更に別の観点による本発明は、接触通信機能と非接触通信機能とを共に有する半導体装置が接続される処理装置であって、前記半導体装置の接触通信機能に用いられる端子に接続される複数の端子を有し、前記複数の端子の内の少なくとも2本の端子を、前記半導体装置の非接触通信機能時のデータの入出力を行なうアンテナへの接続に切り換える切り換え機能を有する。
【0036】
また、接触通信機能と非接触通信機能とを共に有する半導体装置が接続される処理装置であって、前記半導体装置の接触通信機能に用いられる端子に接続される複数の端子を有し、第1動作状態において、前記複数の端子は前記半導体装置の接触通信機能におけるデータの入出力と電源供給に用いられ、第2動作状態において、前記複数の端子の内の2個の端子は、前記半導体装置の非接触通信機能においてデータの入出力を行なうアンテナへ接続の切り換えが行なわれる。
【発明の効果】
【0037】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0038】
非接触インタフェース非対応のメモリカードの端子配列や端子の形状に対する変更を最小限に抑えて非接触インタフェース用のアンテナ接続機能を有する半導体装置を実現することができる。
【0039】
非接触インタフェース非対応メモリカード用のカードホストに挿入した場合にアンテナの接続端子にアンテナ以外が接続することによる不都合のないメモリカードを実現することができる。
【0040】
非接触インタフェース用のカードホストに非接触インタフェース非対応のメモリカードを挿入した場合にアンテナがアンテナとは無関係の端子に接続することによる不都合のないメモリカードを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
図1には本発明に係る半導体装置の一例であるマルチメディアカード規格に準拠したメモリカードのブロックダイアグラムが示される。同図に示されるメモリカード1は、例えば、情報記憶機能、そして暗号化・復号処理及び認証処理などを伴うセキュリティー機能などの、マルチファンクションを提供する。セキュリティー機能は例えばクレジットカードによる決済や交通機関における課金等に利用される。
【0042】
メモリカード1は、複数個の外部端子が形成された配線基板に、カードコントローラ2と、前記カードコントローラ2に内部バス5で接続された電気的に書き換え可能な不揮発性記憶装置例えばフラッシュメモリ3と、前記カードコントローラ2に内部バス6で接続されたセキュリティコントローラとしてのIC(インテグレーテッド・サーキット)カード用マイクロコンピュータ(ICカードマイコンとも称する)4が搭載される。特に制限されないが、前記カードコントローラ2、フラッシュメモリ3、及びICカードマイコン4は夫々個別の半導体集積回路チップで構成されている。図1において前記複数の外部端子はカードコントローラ2等に接続する外部端子列7、ICカードマイコン4等に接続する外部端子列8、及び電源供給用の外部端子列9に大別される。ICカード用マイコン4への電源電位の供給を他と独立させてICカードマイコン4を個別にパワーオンリセット可能にする場合には、例えばICカード用マイコン4への電源端子Vcc−icと他の回路ブロックへの電源端子Vccとを個別化してよい。
【0043】
カードコントローラ2は、マルチメディアカード規格準拠のメモリカードとしての外部インタフェース機能、フラッシュメモリをその仕様に応じてファイルメモリとしてアクセスするメモリインタフェース機能、そしてメモリカードコマンド等を用いてICカードマイコンとインタフェースするICカードマイコンインタフェース機能を持つ。
【0044】
フラッシュメモリ3は、特に図示はしないが、電気的に消去及び書き込み可能な不揮発性メモリセルトランジスタ(フラッシュメモリセルとも記す)を有する。フラッシュメモリセルは、特に図示はしないが、フローティングゲートを有する所謂スタックドゲート構造、或いはONO(オキサイド・ナイトライド・オキサイド)ゲート絶縁膜を備えたメモリトランジスタ部と選択トランジスタ部から成る所謂スプリットゲート構造を有する。前記フラッシュメモリセルは、前記フローティングゲート等に電子が注入されると閾値電圧が上昇し、また、前記フローティングゲート等から電子を引き抜くと閾値電圧が低下する。前記フラッシュメモリセルは、データ読み出しのためのワード線電圧に対する閾値電圧の高低に応じた情報を記憶することになる。フラッシュメモリ3は、カードコントローラ2の制御によって、フラッシュメモリセルに記憶された情報の読み出し、フラッシュメモリセルに対する情報の格納(例えば書込み)、及びフラッシュメモリセルの記憶情報の初期化(例えば消去)が可能にされる。
【0045】
ICカードマイコン4は、特に図示はしないがCPUとその動作プログラム及び認証に利用する制御情報など保有する不揮発性メモリを備え、その動作プログラムに従って認証処理や暗号化・復号処理等を行う。ICカードマイコン4には、それ単独で外部と接触インタフェースを行なうもの、或いは非接触インタフェースを行なうもの、または双方のインタフェースが可能なデュアルインタフェースを行なうものを採用することができる。接触インタフェースは、例えば1ビットのデータ入出力端子I/O−ic、クロック端子CLK−ic、リセット端子RES−icを用いたシリアル通信で行われる。非接触インタフェースは端子TML1,TML2に接続するアンテナを用いた高周波通信で行われる。非接触インタフェースで動作をする場合、ICカードマイコン4はアンテナ端子(LA,LB)に接続されるアンテナから電力を供給されて動作をし、またはカードコントローラ若しくはVcc−icから動作電源を供給されるようにしてもよい。
【0046】
図2にはメモリカードの動作モード及びカードンタフェース仕様に応じた前記端子列の端子機能が例示される。図2にはC1〜C13までの合計17種類の端子の機能が定義されている。図において、RSVはMMCモードにおけるリザーブ端子を意味し、SPIモードではチップセレクト端子とされる。CMDはコマンド入力及びコマンドに対する応答出力の端子、Vssは回路の接地電位が供給される接地端子、Vccは電源電位が供給される電源端子、CLKはメモリカードのクロック端子、DAT0〜DAT7はデータ入出力端子、RES−icはICカードマイコンのリセット端子、CLK−icはICカードマイコンのクロック端子、Vcc−icはICカードマイコンの電源端子、LA,LBはアンテナ接続端子、NCは非接続(ノン・コネクト)端子を意味する。
【0047】
《プリミティブなメモリカード端子配列》
図2のAにおける13pinのときの定義は、マルチメディアカード規格に準拠した8ビット並列データ入出力可能なプリミティブなメモリカードにおける端子機能とされる。この時の実際の外部端子のレイアウトは図3に例示される。同図のパッケージはフルサイズに対して大凡半分のサイズのリデュースドサイズになっている。このプリミティブな端子配列は前記ICカードマイコン4に対する非接触インタフェース非対応になっており、接触インタフェースも内部バス6経由でカードコントローラ2を介して行なう。
【0048】
《アンテナ接続用スプリット端子》
図2のBの定義はマルチメディアカード規格に準拠した8ビット並列データ入出力及び非接触インタフェース可能なICカードマイコン搭載のメモリカードにおける端子機能とされる。この時の実際の外部端子のレイアウトは図4に例示される。同図のパッケージサイズは同じくリデュースドサイズとされる。
【0049】
図2のA(図3)との相違点はC6の接地端子Vssに代えてC6A,C6Bの2個のアンテナ接続端子LA,LBを採用している点である。図2のAにおけるプリミティブなメモリカードの端子機能では規格上、余裕を見て元々C3とC6の2端子を接地端子Vssに割当てているので、C6を廃止しても接地電位の供給機能には支障ない。C6A,C6Bは端子列8に含まれる。C3,C4は端子列9に含まれ、その他は端子列7に含まれる。
【0050】
図4のC6A,C6Bの2個のアンテナ接続端子LA,LBは、図4では廃止されたところの図3のC6の1個の接地端子C6の位置に対応して形成される。即ち、図4に示されるように、C6A,C6Bの2個のアンテナ接続端子LA,LBはC6の1個の接地端子Vssの大きさを最大とする領域に2分割されて離間配置されたスプリット端子とされる。
【0051】
図5には図2のBの定義によるメモリカードの外部インタフェース機能がブロックダイアグラムで示される。ICカードマイコン4は前記アンテナ接続用端子LA,LBに接続される外部アンテナ11と同調コンデンサ12を通して、非接触インタフェースでデータの入出力が可能とされる。カードコントローラ2はデータ端子D0〜D7を介して並列8ビットでデータの入出力が可能とされる。尚、図2のBで定義された外部インタフェース機能を有するメモリカードにおいてICカードマイコン4を単独でリセットするにはスリープ命令等を実行しなければならない。ICカードマイコン4を単独でパワーオンリセットすることはできない。
【0052】
アンテナ接続用のスプリット端子の大きさ、即ち前記C6A,C6Bの2個のアンテナ接続端子LA,LBの大きさは、1個の前記C6の接地端子Vssの大きさを最大とするから、非接触インタフェース非対応の図3の端子配列のメモリカードに対してC6の1個の接地端子Vssの大きさの端子領域を割くことによって、図4の端子配列のように2個のアンテナ接続端子LA,LBを有する、非接触インタフェース対応のメモリカード1とすることができる。よって、非接触インタフェース非対応の図3のメモリカードの端子領域から外れずに非接触インタフェース対応のメモリカードに必要なアンテナ接続領域を形成することができる。
【0053】
前記2個のアンテナ接続端子LA,LBが形成される個所は、アンテナによるデータ入出力機能を備えていない非接触インタフェース非対応のメモリカードにおける接地電位供給端子Vssが形成されるC6の領域に対応される。図4の端子配列を有する非接触インタフェース対応のメモリカードを、図3の外部端子配列のような非接触インタフェース非対応のメモリカード用のカードホストに挿入した場合に、アンテナ接続端子LA,LBはカードホスト内で接地電位供給ピンに接続することになる。接地電位には交流成分、即ち信号成分が無いので、メモリカードの動作上問題はない。逆にアンテナ接続端子LA,LBによって接地電位に高周波成分が重畳されても電位が大きく変動することは無い。よって、図3の外部端子配列のような非接触インタフェース非対応のメモリカード用カードホストに、図4の端子配列を有するメモリカード1を挿入した場合にアンテナ接続端子LA,LBにカードホスト側の他のピンが接続することによる不都合はない。また、非接触インタフェース用のカードホストに非接触インタフェース非対応のメモリカードを挿入した場合にカードホストのアンテナ接続ピンが非接触インタフェース非対応メモリカードのC6の接地端子ピンに接続してアンテナがショートするが、アンテナによる起電力は小さく、且つ、アンテナの出力インピーダンスも大きいから、アンテナショートによる不都合は生じない。
【0054】
アンテナ接続端子LA,LBから従来のカードホストの接地電位に直流成分が重畳されるのを確実に抑止し、また、アンテナからの信号成分の伝達を妨げないようにすることを考慮すれば、図5に例示されるように、前記アンテナ接続端子LA,LBには、AC結合用の容量素子Cacを介してICカードマイコン4に接続することが望ましい。
【0055】
図2のCの定義はマルチメディアカード規格に準拠した4ビット並列データ入出力並びに非接触及び接触インタフェース共に可能なICカードマイコン搭載のメモリカードにおける端子機能とされる。この時の実際の外部端子のレイアウトは図4と同じである。図2のBの定義との相違点は、カードコントローラC6による外部データインタフェース端子をC7〜C9,C1の4ビットのデータ端子DAT0〜DAT4とし、ICカードマイコン4による接触インタフェース端子としてC10のリセット端子RES−ic、C11のクロック入力端子CLK−ic、C12のICカード専用電源端子Vcc−ic、及びデータシリアル入出力端子I/O−icを採用している点である。図6には図2のCの定義によるメモリカードの外部インタフェース機能がブロックダイアグラムで示される。ICカードマイコン4に専用の電源端子Vcc−icが割当てられているので、ICカードマイコン4を単独でパワーオンリセット可能である。C6A,C6Bのアンテナ接続用スプリット端子LA,LBによる作用効果は図5と同様であるからその詳細な説明は省略する。
【0056】
図2のDの定義はマルチメディアカード規格に準拠した1ビットデータ入出力並びに非接触インタフェース共に可能なICカードマイコン搭載のメモリカードにおける端子機能とされる。この時の実際の外部端子のレイアウトは図7に示される。同図のパッケージサイズは同じくリデュースドサイズとされる。図2のBの定義との相違点は、カードコントローラC6による外部データインタフェース端子をC7の1ビットのデータ端子DATとしたことである。図8には図2のDの定義によるメモリカードの外部インタフェース機能がブロックダイアグラムで示される。ICカードマイコン4の単独パワーオンリセットはできない。C6A,C6Bのアンテナ接続用スプリット端子LA,LBによる作用効果は図5の場合と同様であるからその詳細な説明は省略する。
【0057】
図2のEの定義はマルチメディアカード規格に準拠した4ビット並列データ入出力並びに非接触及び接触インタフェース共に可能なICカードマイコン搭載のメモリカードにおける端子機能とされる。この時の実際の外部端子のレイアウトは図9とされる。図2のDの定義との相違点は、カードコントローラC6による外部データインタフェース端子をC7、C10,C13,C1の4ビットのデータ端子DAT0〜DAT4とし、ICカードマイコン4による接触インタフェース端子としてC11のクロック入力端子CLK−ic、C12のデータシリアル入出力端子I/O−icを採用している点である。ICカードマイコン4に対するリセットはカードコントローラ2からのコマンドに基づいてリセット命令等を実行することによって行なう必要がある。図10には図2のEの定義によるメモリカードの外部インタフェース機能がブロックダイアグラムで示される。C6A,C6Bのアンテナ接続用スプリット端子LA,LBによる作用効果は図5と同様であるからその詳細な説明は省略する。
【0058】
《電源用スプリット端子》
図2のFの定義は、マルチメディアカード規格に準拠した4ビット並列データ入出力並びに接触及び非接触インタフェース可能なICカードマイコン搭載のメモリカードにおいて、アンテナ接続端子LA,LBの他に、電源供給用端子Vcc,Vcc−icにもスプリット端子を採用した端子機能が示される。この時の実際の外部端子のレイアウトは図11に例示される。同図のパッケージサイズは同じくリデュースドサイズとされる。図12には図2のFの定義によるメモリカードの外部インタフェース機能がブロックダイアグラムで示される。
【0059】
図2のEの定義との相違点はC4の電源端子Vccに代えてC4A,C4Bの2個の電源端子Vcc,Vcc−icを採用している点である。C4の電源端子Vccに対する電源用スプリット端子C4A,C4Bの関係は、前記接地端子Vssに対するアンテナ接続用のスプリット端子LA,LBの関係に対応する。即ち、図11のC4A,C4Bの2個の電源端子Vcc,Vcc−icは、図11では廃止されたところの図9のC4の1個の電源端子Vccの位置に対応して形成される。要するに、図11に示されるように、C4A,C4Bの2個の電源端子Vcc,Vcc−icはC4の1個の電源端子Vccの大きさを最大とする領域に2分割されて離間配置されたスプリット端子とされる。
【0060】
前記C4Aの電源端子Vcc及びC4Bの電源端子Vcc−icの2個の端子の大きさはC4の1個の電源端子Vccの大きさを最大とするから、ICカードマイコンに対する個別パワーオンリセット非対応のメモリカードに対してC4の1個の電源端子端子Vccの大きさの端子の領域を割くことによって前記C4A,C4Bの2個の電源端子Vcc,Vcc−icを設けることにより、ICカードマイコンに対する個別パワーオンリセット対応のメモリカードを実現することができる。よって、ICカードマイコンに対する個別パワーオンリセット非対応のメモリカードの端子領域から外れずにICカード用マイクロコンピュータに対する個別パワーオンリセット対応のメモリカードの端子領域を形成することができる。
【0061】
前記C4A,C4Bの2個の電源端子Vcc,Vcc−icが形成される個所は、ICカードマイコンに対する個別パワーオンリセット非対応のメモリカードにおけるC4の電源端子Vccが形成される領域に対応される。ICカードマイコンに対する個別パワーオンリセット対応の図2のFの態様に係るメモリカードを、ICカードマイコンに対する個別パワーオンリセット非対応メモリカード用のカードホストに挿入した場合に、C4AのVccとC4BのVcc−icはカードホスト側でショートするので、個別パワーオンリセットはできないが、その他は動作上問題ない。もしメモリカードへの供給電源Vccの電位レベルがICカードマイコンへの供給電源Vcc−icの電位レベルと異なる場合、ICカードマイコンにおいて電圧変換回路を有しておくことで、個別パワーオンリセット非対応メモリカード用のカードホストに個別パワーオンリセット対応のメモリカードを挿入した場合であってもICカードマイコンは正常に動作することが可能となる。また、ICカードマイコンに対する個別パワーオンリセット対応のカードホストにICカードマイコンに対する個別パワーオンリセット非対応のメモリカードを挿入した場合にカードホスト側で、C4Aの電源端子Vcc向け電源とC4Bの電源端子Vcc−ic向け電源がショートする。ショートした状態でC4Bの電源端子が接地電位Vssに導通されてパワーオンリセットされると、回路の接地電位と電源との間がショートすることになって不都合であり、このショートを抑制するには、図13に例示されるように、カードホスト15側において、ICカードマイコン用の電源端子Vcc−icへの電源経路には高抵抗16を介して選択的に接地電位Vssに導通させるパワーオンリセットスイッチ17を配置するのがよい。若しくは、カードホスト側でC4A端子にVccを供給した後、ICカードマイコン用の電源端子Vcc−icへの電源経路においてVccを検出した場合は、第2電源供給端子への電源経路を遮断するようにしてもよい。 図14には図2のFのインタフェース定義においてC4の電源端子Vccを、C4A,C4Bの電源スプリット端子Vcc,Vcc−icとしたときの端子配列が例示される。図15には図14の端子配列に対応するメモリカードの外部インタフェース機能がブロックダイアグラムで示される。
【0062】
上記アンテナ接続用スプリット端子及び電源用スプリット端子を設けたメモリカードの説明ではパッケージをリデュースドサイズとしたが、図16に代表されるフルサイズのパッケージにも同じように適用することができる。
【0063】
《アンテナ接続用の端子兼用化》
アンテナ接続用スプリット端子に代えて、図3のプリミティブな端子配列をそのまま利用し、C6の端子を一方のアンテナ接続端子LA、C8の端子を他方のアンテナ接続端子LBに割当てることも可能である。この場合には、対応カードホストは、当該メモリカードが挿入されたとき、カードコントローラによる外部インタフェースを、図2のD,E,Fの何れかの態様で行なうようにすればよい。図2のA,B,Cの対応でインタフェースを行なうカードホストの場合には、当該メモリカードの挿入を検出したとき、C8の端子をデータ入出力からアンテナ接続機能に切り換えるようにすればよい。
【0064】
また、図17の7ピン形態のプリミティブな端子配列においては、C6の端子を一方のアンテナ接続端子LA、C1の端子を他方のアンテナ接続端子LBに割当てることが可能である。この場合には、対応カードホストは、当該メモリカードが挿入されたとき、当該メモリカードをMMCモードで動作させればよい。MMCモードにおいてC1の端子はリザーブ端子RSVとされるからである。
【0065】
また、アンテナ接続用スプリット端子に代えて、図3のプリミティブな端子配列におけるC8の端子を一方のアンテナ接続端子LA、C9の端子を他方のアンテナ接続端子LBに割当てることも可能である。この場合には、対応カードホストは、当該メモリカードが挿入されたとき、C7,C8の端子をデータ入出力からアンテナ接続機能に切り換えるようにすればよい。
【0066】
アンテナ接続用に既存端子を兼用化する場合には、何れにしてもカードホストはそのようなメモリカードの挿入を検出するための検出処理機能を備えることが必要である。例えば、カード認識処理で、そのようなメモリカードはC7の端子を利用して当該メモリカード種別を示す識別コードを出力し、カードホストはその識別コードを受けて端子兼用化メモリカードの装着を検出すればよい。またカードホストは、C8等のアンテナ接続用端子として共用する端子について、本来のデータ入出力とアンテナ接続とのどちらとして動作させるかをメモリカードに指示するためのコマンドを発行するようにしてもよい。例えば、メモリカードの規格上ユーザコマンド若しくは未定義コマンドとされるコマンドが存在し、そのようなコマンドを発行して端子の機能を切り替えるようにすることで、通常動作時はC8等の端子は本来のデータ入出力端子として機能し、ICカードマイコンの非接触通信時にのみアンテナ端子として機能させることができるようになる。
【0067】
以下に前記カードコントローラ2及びICカードマイコン4についての詳細を構成を説明する。図18には前記カードコントローラ2の詳細が例示される。カードコントローラ2はホストインタフェース回路20、マイクロコンピュータ21、フラッシュコントローラ22、バッファコントローラ23、バッファメモリ24、及びインタフェース部25から成る。バッファメモリ24はDRAM(Dynamic Random Access memory)又はSRAM(Static Random Access Memory)等から成る。インタフェース部25にはICカードマイコン4が接続される。マイクロコンピュータ21はCPU(中央処理装置)27、CPU27の動作プログラムを保有するプログラムメモリ(PGM)28、及びCPU27のワーク領域に利用されるワークメモリ(WRAM)29などによって構成される。前記MMC仕様に対応するインタフェース制御態様の制御プログラムはPGM28が保有する。
【0068】
ホストインタフェース回路20はメモリカードイニシャライズコマンドを発行すると、割込みによってマイクロコンピュータ21にMMCインタフェース制御態様の制御プログラムを実行可能にする。マイクロコンピュータ21はその制御プログラムを実行する事によってホストインタフェース回路20による外部インタフェース動作を制御し、フラッシュコントローラ22によるフラッシュメモリ3に対するアクセス(書き込み、消去、及び読み出し動作)とデータ管理を制御し、バッファコントローラ23によるメモリカード固有のデータフォーマットとメモリに対する共通のデータフォーマットとの間のフォーマット変換を制御する。
【0069】
バッファメモリ24には、フラッシュメモリ3から読み出されたデータ又はフラッシュメモリ3に書き込まれるデータが一時的に保持される。フラッシュコントローラ22はフラッシュメモリ3をハードディスク互換のファイルメモリとして動作させ、データをセクタ単位で管理する。
【0070】
図19には前記ICカードマイコン4の詳細が例示される。ICカードマイコン4は、CPU31、ワークRAMとしてのRAM(ランダム・アクセス・メモリ)32、タイマ33、EEPROM(エレクトリカリ・イレーザブル・アンド・プログラマブル・リード・オンリ・メモリ)34、コプロセッサユニット35、マスクROM(リード・オンリ・メモリ)36、システムコントロールロジック37、入出力ポート(I/Oポート)43、データバス39、アドレスバス40及びRF部41を有する。
【0071】
前記マスクROM36はCPU31の動作プログラム(暗号化プログラム、復号プログラム、インタフェース制御プログラム等)及びデータを格納するのに利用される。前記RAM32はCPU31のワーク領域又はデータの一時記憶領域とされ、例えばSRAM(スタティック・ランダム・アクセス・メモリ)若しくはDRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)から成る。I/Oポート38にICカードコマンドが供給されると、システムコントロールロジック37がこれをデコードし、当該コマンドの実行に必要な処理プログラムをCPU31に実行させる。即ち、CPU31は、システムコントロールロジック37から指示されるアドレスでマスクROM36をアクセスして命令をフェッチし、フェッチした命令をデコードし、デコード結果に基づいてオペランドフェッチやデータ演算を行う。コプロセッサユニット35はCPU31の制御に従ってRSAや楕円曲線暗号演算における剰余演算処理などを行う。I/Oポート38は1ビットの入出力端子I/Oを有し、データの入出力と外部割り込み信号の入力に兼用される。I/Oポート38はデータバス39に結合され、データバス39には前記CPU31、RAM32、タイマ33、EEPROM34、及びコプロセッサユニット35等が接続される。システムコントロールロジック37はICカードマイコン4の動作モードの制御及び割り込み制御を行い、更に暗号鍵の生成に利用する乱数発生ロジック等を有する。ICカードマイコン4はリセット信号RESによってリセット動作が指示されると、内部が初期化され、CPU41はマスクROM36のプログラムの先頭番地から命令実行を開始する。ICカードマイコン9はクロック信号CLKに同期動作される。
【0072】
前記EEPROM34は、電気的に消去処理及び書込み処理が可能にされ、個人を特定するために用いられるID情報や認証証明書などのデータを格納する領域として用いられる。EEPRPM34に代えてフラッシュメモリ或は強誘電体メモリなどを採用してもよい。同図ではICカードマイコン4は外部とのインタフェースに外部接続端子を用いる接触インタフェースと、アンテナを用いる非接触インタフェースの一方または双方をサポートする。非接触インタフェースを行うためのRF部41はチップのアンテナ端子TML1,TML2を有する。アンテナを経由してRF部41より電力が供給されたり、あるいはシステムコントロールロジック37により内部バスを経由して非接触インタフェースが選択されると、RF部41は前記アンテナが所定の電磁波(例えば高周波の変動磁束やマイクロ波)を横切ることによって生ずる誘導起電力を動作電源として動作電源を発生し、該所定の電波の周波数に対応して生ずる誘導電流を基にした内部クロック信号CLK、該所定の電波に重なって受け渡されるデータをRF部41で分離した内部データ、さらにリセット信号RES、の夫々を生成し、アンテナから非接触で情報の入出力を行なう。ICカードマイコン4の内部において、非接触インタフェースを介して動作するRF部41は、接触インタフェースを介して動作するICカード動作用のCPU31などとは独立した小規模の回路で構成するのが好ましい。RF部41として、その内部に非接触カード動作に必要な回路、例えば非接触カード用プロセッサ、当該プロセッサの制御プログラム領域及びワーク領域に用いられるメモリ、そしてRF送受信及び電源回路部が設けられる。このようにRF部41はプロセッサ機能とその制御プログラムというように独立した小規模の回路で構成されるため、例えば接触端子を介しての電源供給が得られない環境においても、外部からの誘導起電力によって回路を動作させることが容易となる。また、RF部41は内部のデータバス39及びアドレスバス40を経由することにより、非接触インタフェース部分と接触インタフェース部分との間でデータを入出力することも可能である。
【0073】
メモリカード1におけるセキュリティー処理を説明する。例えばフラッシュメモリ3のセキュア領域にはユーザ識別情報が格納されている。コンテンツデータをダウンロードするときはユーザ識別情報を秘密鍵として暗号化されたライセンス情報を一緒にダウンロードする。コンテンツデータを復号するための復号キーはライセンス情報に含まれ、ライセンス情報はユーザ識別情報を復号キーに用いて復号される。これによってコンテンツデータに対する著作権保護を行う。係るセキュリティー処理はマイクロコンピュータ21によるプログラム制御で行なわれる。
【0074】
ICカードマイコン4によるセキュリティー処理について説明する。例えばICカードマイコン4は電子決済サービスなどに利用可能なISO/IEC15408の評価・認証機関による認証済み機能を実現している。EEPROM34には所定の認証証明書を保有し、ホストから認証要求が有ったときはその認証証明書を送り、これに対して認証を得ることを条件に、後続の通信処理が可能にされる。このようなセキュリティー処理の動作プログラムはマスクROM36が保有する。ICカードマイコン4による認証処理はICカードマイコン4内部に閉じた環境で行うのがセキュリティーの観点より望ましい。この点で、ICカードマイコン4の電源だけを投入してアンテナ端子LA,LBなどを介して外部インタフェースを行なう意義がある。用途上又は技術的にセキュリティー上の問題がない場合にはカードコントローラ2経由でセキュリティー処理を行うことは差し支えない。
【0075】
例えば上述の如くICカードマイコン4が電子決済サービスなどに利用可能なISO/IEC15408の評価・認証機関による認証済みである場合、キャッシュカード、クレジットカード或いは定期券などのカードホルダにメモリカード1を挿入し、非接触インタフェースを用いてそれらカード機能を実現することが可能になる。
【0076】
ICカードマイコン4は電子決済などレベルの高いセキュリティー処理に利用されることを考慮すると、ICカードマイコン4の異常な状態に対して全ての内部状態を初期化するパワーオンリセットはカードコントローラ2等に比べて頻繁に行われる可能性が高い。これを考慮すると、ICカードマイコン4に専用の電源供給端子Vcc−icを設ければ、メモリカード1全体をリセットすること無くICカードマイコン4単独で自由にパワーオンリセット可能になる。これにより、セキュリティーを保証しつつメモリカード1の使い勝手を向上させることができる。またメモリカード1をホスト装置に挿入している状態であれば、ICカードマイコン4が非接触インターフェースを用いて通信を行う場合であっても、誘導起電力により得られる動作電力よりも安定した電源をVcc−icから得ることができ、より微弱な電波状態であってもメモリカード単体で非接触インタフェースを用いた通信を行うことが可能となる。
【0077】
図20乃至図29に、図2のBの定義によるメモリカード1の外形図を示す。図20は斜視図、図21は正面図、図22は右側面図、図23は左側面図、図24は平面図、図25は底面図、図26は背面図、図27は図21に示すA−A’での断面図、図28は図21に示すB−B’での断面図、図29は各部の名称を示す参考図である。
【0078】
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0079】
例えば、本発明はMMC規格のメモリカードだけでなくその他の規格に準拠するマルチファンクション形態のメモリカードに広く適用することができる。従って、外部接続端子の機能、配列、数などは適宜変更可能である。また不揮発性メモリはフラッシュメモリに限定されず、強誘電体メモリなど、その他記憶形式のメモリであってよい。ICカードマイコンはISO/IEC15408の評価・認証機関による認証済み機能を実現しているセキュリティーコントローラに限定されない。単なる暗号化・復号を行ない暗号化した通信が可能なマイクロコンピュータであってもよい。
【0080】
また、図5、図6、図8、図10、図12及び図15のブロックダイアグラムは専らメモリカードの外部インタフェース機能を示すことを主眼に描かれたものであり、各外部信号端子はカードコントローラ2又はICカードマイコン4の何れかに専用化されて接続されるているように図示されているが、実際には一つのメモリカードで外部インタフェースについて数種類のインタフェース態様、例えば図2のBの端子態様とCの態様から一つを選択可能なものもあり、そのようなメモリカードの場合には、例えば、C10〜C13の端子はカードコントローラ2とICカードマイコン4の双方に接続可能されていている。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明に係る半導体装置の一例であるマルチメディアカード規格に準拠したメモリカードのブロックダイアグラムである。
【図2】メモリカードの動作モード及びカードンタフェース仕様に応じた端子列の端子機能を例示する説明図である。
【図3】図2のAにおける13pinの定義に対応する実際の外部端子のレイアウトを例示する平面図である。
【図4】図2のBにおける8ビット並列データ入出力及び非接触インタフェース可能なICカードマイコン搭載のメモリカードに対応する実際の外部端子のレイアウトを例示する平面図である。
【図5】図2のBの定義によるメモリカードの外部インタフェース機能を示すブロックダイアグラムである。
【図6】図2のCの定義によるメモリカードの外部インタフェース機能を示すブロックダイアグラムである。
【図7】図2のDの定義におけるはマルチメディアカード規格に準拠した1ビットデータ入出力並びに非接触インタフェース共に可能なICカードマイコン搭載のメモリカードの実際の外部端子のレイアウトを示す平面図である。
【図8】図2のDの定義によるメモリカードの外部インタフェース機能を示すブロックダイアグラムである。
【図9】図2のEの定義における4ビット並列データ入出力並びに非接触及び接触インタフェース共に可能なICカードマイコン搭載のメモリカードの実際の外部端子のレイアウトを示す平面図である。
【図10】図2のEの定義によるメモリカードの外部インタフェース機能を示すブロックダイアグラムである。
【図11】図2のFの定義におけるアンテナ接続端子の他に電源供給用端子Vcc,Vcc−icにもスプリット端子を採用した端子機能を備えたメモリカードの実際の外部端子のレイアウトを示す平面図である。
【図12】図2のFの定義によるメモリカードの外部インタフェース機能を示すブロックダイアグラムである。
【図13】電源スプリット端子においてICカードマイコンのパワーオンリセット時に回路の接地電位と電源との間のショートショートを緩和もしくは抑制するための基本構成を例示する回路図である。
【図14】図2のBのインタフェース定義においてC4の電源端子を、電源スプリット端子Vcc,Vcc−icとしたときの端子配列を例示する平面図である。
【図15】図14の端子配列に対応するメモリカードの外部インタフェース機能を示すブロックダイアグラムである。
【図16】フルサイズパッケージでアンテナ接続用スプリット端子及び電源用スプリット端子を設けたメモリカードの端子配列を示す平面図である。
【図17】7ピン形態のプリミティブな端子配列においてC6の端子を一方のアンテナ接続端子、C1の端子を他方のアンテナ接続端子に割当て可能にしたメモリカードの端子配列を示す平面図である。
【図18】カードコントローラの詳細を例示するブロックダイアグラムである。
【図19】ICカードマイコンの詳細を例示するブロックダイアグラムである。
【図20】図2のBの定義によるメモリカード1の外形図を示す斜視図である。
【図21】図2のBの定義によるメモリカード1の外形図を示す正面図である。
【図22】図2のBの定義によるメモリカード1の外形図を示す右側面図である。
【図23】図2のBの定義によるメモリカード1の外形図を示す左側面図である。
【図24】図2のBの定義によるメモリカード1の外形図を示す平面図である。
【図25】図2のBの定義によるメモリカード1の外形図を示す底面図である。
【図26】図2のBの定義によるメモリカード1の外形図を示す背面図である。
【図27】図21に示すA−A‘での断面図である。
【図28】図21に示すB−B’での断面図である。
【図29】図26の背面図の端子の名称を示す参考図である。
【符号の説明】
【0082】
1 メモリカード
2 カードコントローラ
3 フラッシュメモリ
4 ICカードマイコン
7〜9 端子列
11 アンテナ
LA,LB アンテナ接続端子
Vcc−ic ICカードマイコン用電源端子
Vcc 電源端子
Vss 接地端子
16 抵抗
17 スイッチ
Cac AC結合容量
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不揮発性メモリ、前記不揮発性メモリに対するデータの読み出しとデータの格納を行なうカードコントローラ、及び暗号処理を行なうICカード用マイクロコンピュータを有するメモリカードであって、
前記メモリカードの一辺に沿って端子列が形成され、
前記端子列は、2個の電位供給端子、データ端子、クロック端子及び2個のアンテナ接続端子を有し、
2個の前記アンテナ接続端子は1個の前記電位供給端子の大きさを最大とする領域に2分割されて離間配置されたスプリット端子とされ、
前記ICカード用マイクロコンピュータは前記アンテナ接続用端子に接続されるアンテナを通してデータの入出力を行なうことを特徴とするメモリカード。
【請求項2】
前記2個のアンテナ接続端子が形成される個所は、アンテナによるデータ入出力機能を備えていない非接触インタフェース非対応のメモリカードにおける接地電位供給端子が形成される領域に対応されることを特徴とする請求項1記載のメモリカード。
【請求項3】
前記アンテナ接続端子には、高周波信号を分離するAC結合用の容量素子が接続されたフィルタ回路を有することを特徴とする請求項1又は2記載のメモリカード。
【請求項4】
不揮発性メモリ、前記不揮発性メモリに対するデータの読み出しとデータの格納を行なうカードコントローラ、及び暗号処理を行なうICカード用マイクロコンピュータを有するメモリカードであって、
前記メモリカードの一辺に沿って端子列が形成され、
前記端子列は、3個の電位供給端子、データ端子及びクロック端子を有し、
前記3個の電位供給端子は、前記不揮発性メモリ、カードコントローラ及びICカード用マイクロコンピュータに回路の接地電位を供給する接地電位供給端子、前記不揮発性メモリ及びカードコントローラに電源電位を供給する第1電位供給端子、及び前記ICカード用マイクロコンピュータに電源電位を供給する第2電位供給端子とされ、
前記第1電位供給端子及び第2電位供給端子は1個の前記接電位端子の大きさを最大とする領域に2分割されて離間配置されたスプリット端子とされることを特徴とするメモリカード。
【請求項5】
前記2個の第1電位供給端子及び第2の電位供給端子が形成される個所は、ICカード用マイクロコンピュータに対する個別パワーオンリセット非対応のメモリカードにおける電源電位供給端子が形成される領域に対応されることを特徴とする請求項4記載のメモリカード。
【請求項6】
カードコントローラと、前記カードコントローラに接続された不揮発性メモリと、ICカード用マイクロコンピュータと、を有し、
電源供給端子として第1電位供給端子と第2電位供給端子とを夫々1個づつ有し、
前記カードコントローラに動作を指示または状態を確認するコマンドを供給するためのコマンド端子と、
データ入出力に用いられるデータ端子と、
クロック信号の入力に用いられるクロック端子と、
2個のアンテナ接続用端子と、を有し、
ICカード用マイクロコンピュータは前記アンテナ接続用端子に接続されるアンテナからデータの入出力を行なうことを特徴とするメモリカード。
【請求項7】
カードコントローラと、前記カードコントローラに接続された不揮発性メモリと、ICカード用マイクロコンピュータと、を有し、
前記カードコントローラ及び不揮発性メモリへ第1電位を供給する第1電位供給端子と第2電位を供給する第2電位供給端子とを夫々1個づつ有し、
前記ICカード用マイクロコンピュータに第3電位を供給する第3電位供給端子を1個有し、
前記カードコントローラに動作を指示するコマンドを供給するためのコマンド端子と、
データ入出力に用いられるデータ端子と、
クロック信号の入力に用いられるクロック端子と、
2個のアンテナ接続用端子と、を有し、
ICカード用マイクロコンピュータは前記アンテナ接続用端子に接続されるアンテナからデータの入出力を行なうことを特徴とするメモリカード。
【請求項8】
2個の前記アンテナ接続用端子は、相互に隣接して配置され、
2個の前記アンテナ接続用端子間の距離は、一方のアンテナ接続用端子とそれに隣接する他の端子との間の距離よりも狭く構成されることを特徴とする請求項6又は7記載のメモリカード。
【請求項9】
2個の前記アンテナ接続用端子の面積は、他の端子の面積よりも小さく構成されることを特徴とする請求項6又は7記載のメモリカード。
【請求項10】
2個の前記アンテナ接続用端子は第1方向に第1の幅を有し、第1方向に直交する第2方向に第2の幅を有し、
他の端子は第1方向に第1の幅と同じ又はそれより広い幅を有し、第2方向に第2の幅よりも広い幅を有することを特徴とする請求項6又は7記載のメモリカード。
【請求項11】
前記メモリカードの第1の辺に沿って第1の端子列を有し、
前記第1の端子列に対し前記第1の辺に対向する第2の辺寄りに第2の端子列を有し、
前記2個のアンテナ接続用端子は前記第1の端子列に配置されることを特徴とする請求項6乃至10の何れか1項記載のメモリカード。
【請求項12】
カードコントローラと、前記カードコントローラに接続された不揮発性メモリと、ICカード用マイクロコンピュータと、を有し、
前記カードコントローラ及び不揮発性メモリへ第1電位を供給する第1電位供給端子と第2電位を供給する第2電位供給端子とを夫々1個づつ有し、
前記ICカード用マイクロコンピュータに第3電位を供給する第3電位供給端子を1個有し、
前記カードコントローラに動作指示を行なうためのコマンド入力と、該コマンドに対する応答を出力するためのコマンド端子と、
前記不揮発性メモリに格納され又は格納するためのデータの入出力と、不揮発性メモリへのアクセス先を指定するアドレスの入力とを行なうためのデータ端子と、
前記ICカード用マイクロコンピュータのデータ入出力に用いられるアンテナを接続するための2個のアンテナ接続用端子と、を有し、
前記不揮発性メモリにアクセスを行なっていない状態で前記ICカード用マイクロコンピュータに前記アンテナを介してデータの入出力を行う場合、前記第2電位供給端子と前記第3電位供給端子とから夫々の電位が供給されることを特徴とするメモリカード。
【請求項13】
外部装置に接続可能にされる半導体装置であって、
前記外部装置は前記半導体装置との接続を行なうための複数の端子を有し、
前記複数の端子は第1機能に用いられる端子を少なくとも2個有し、
前記半導体装置は前記外部装置の有する複数の端子との接続を行なうための複数の端子を有し、
前記外部装置の第1機能に用いられる端子の内1個の端子に対応する前記半導体装置の端子の個所には、非接触通信に用いるためのアンテナを接続するための端子を複数個有することを特徴とする半導体装置。
【請求項14】
外部装置に接続可能にされる半導体装置であって、
前記外部装置は前記半導体装置との接続を行なうための複数の端子を有し、
前記複数の端子は第1機能に用いられる端子を複数個有し、
前記半導体装置は前記外部装置の有する複数の端子との接続を行なうための複数の端子を有し、
第1動作状態において前記第1機能に用いられる複数の端子は第1機能に用いられ、
第2動作状態において前記第1機能に用いられる複数の端子の内少なくとも2個の端子は非接触通信に用いるためのアンテナを接続するために用いられることを特徴とする半導体装置。
【請求項15】
外部装置に接続可能にされる半導体装置であって、
前記外部装置は前記半導体装置との接続を行なうための複数の端子を有し、
前記複数の端子は第1機能に用いられる端子を複数個と、第2機能に用いられる端子と有し、
前記半導体装置は前記外部装置の有する複数の端子との接続を行なうための複数の端子を有し、
第1動作状態において前記第1機能に用いられる複数の端子は第1機能に用いられ、第2機能に用いられる端子は前記第2機能に用いられ、
第2動作状態において前記第1機能に用いられる複数の端子の内少なくとも1個と前記第2機能に用いられる端子は非接触通信に用いるためのアンテナを接続するために用いられることを特徴とする半導体装置。
【請求項16】
前記第1機能に用いられる少なくとも2個の端子は、同じ電位の供給が行なわれる電位供給端子であることを特徴とする請求項13記載の半導体装置。
【請求項17】
前記第1機能に用いられる複数の端子は、それぞれ異なるビット位置のデータを入出力するために用いられるデータ入出力端子であることを特徴とする請求項14記載の半導体装置。
【請求項18】
前記第1機能に用いられる複数の端子は、同じ電位の供給が行なわれる電位供給端子であり、前記第2機能に用いられる端子はデータの入出力端子であることを特徴とする請求項15記載の半導体装置。
【請求項19】
前記非接触通信に用いられるアンテナを接続するために用いられる端子には、高周波信号を分離するAC結合用の容量素子が接続されたフィルタ回路を有していることを特徴とする請求項13乃至18の何れか1項記載の半導体装置。
【請求項20】
前記第1動作状態はデータの格納動作又は読み出し動作であり、データを格納する不揮発性メモリと、前記不揮発性メモリに対するデータの格納動作及び読み出し動作の制御を行なうためのコントローラとを有することを特徴とする請求項14又は15記載の半導体装置。
【請求項21】
前記第2動作状態は暗号処理を含む動作であり、第1動作状態での動作制御を行なうための第1コントローラと、第2動作状態での暗号処理を行なう第2コントローラとを有することを特徴とする請求項14又は15記載の半導体装置。
【請求項22】
前記第1動作状態はデータの格納動作又は読み出し動作であり、前記第2動作状態はデータの暗号化処理を含む動作であり、第1動作状態での動作制御と第2動作状態での暗号処理を行なうためのコントローラと、データの格納を行なう不揮発性メモリとを有することを特徴とする請求項14又は15記載の半導体装置。
【請求項23】
接触通信機能と非接触通信機能とを共に有する半導体装置が接続される処理装置であって、
前記半導体装置の接触通信機能に用いられる端子に接続される複数の端子を有し、
前記複数の端子の内の少なくとも2本の端子を、前記半導体装置の非接触通信機能時のデータの入出力を行なうアンテナへの接続に切り換える切り換え機能を有することを特徴とする処理装置。
【請求項24】
接触通信機能と非接触通信機能とを共に有する半導体装置が接続される処理装置であって、
前記半導体装置の接触通信機能に用いられる端子に接続される複数の端子を有し、
第1動作状態において、前記複数の端子は前記半導体装置の接触通信機能におけるデータの入出力と電源供給に用いられ、
第2動作状態において、前記複数の端子の内の2個の端子は、前記半導体装置の非接触通信機能においてデータの入出力を行なうアンテナへ接続の切り換えが行なわれることを特徴とする処理装置。
【請求項25】
前記ICカード用マイクロコンピュータに前記アンテナを介してデータの入出力を行う場合、前記第2電位供給端子と前記第3電位供給端子とから電位が供給されていないことを検出した場合、前記アンテナから供給される電力により動作することを特徴とする請求項12記載のメモリカード。
【請求項1】
不揮発性メモリ、前記不揮発性メモリに対するデータの読み出しとデータの格納を行なうカードコントローラ、及び暗号処理を行なうICカード用マイクロコンピュータを有するメモリカードであって、
前記メモリカードの一辺に沿って端子列が形成され、
前記端子列は、2個の電位供給端子、データ端子、クロック端子及び2個のアンテナ接続端子を有し、
2個の前記アンテナ接続端子は1個の前記電位供給端子の大きさを最大とする領域に2分割されて離間配置されたスプリット端子とされ、
前記ICカード用マイクロコンピュータは前記アンテナ接続用端子に接続されるアンテナを通してデータの入出力を行なうことを特徴とするメモリカード。
【請求項2】
前記2個のアンテナ接続端子が形成される個所は、アンテナによるデータ入出力機能を備えていない非接触インタフェース非対応のメモリカードにおける接地電位供給端子が形成される領域に対応されることを特徴とする請求項1記載のメモリカード。
【請求項3】
前記アンテナ接続端子には、高周波信号を分離するAC結合用の容量素子が接続されたフィルタ回路を有することを特徴とする請求項1又は2記載のメモリカード。
【請求項4】
不揮発性メモリ、前記不揮発性メモリに対するデータの読み出しとデータの格納を行なうカードコントローラ、及び暗号処理を行なうICカード用マイクロコンピュータを有するメモリカードであって、
前記メモリカードの一辺に沿って端子列が形成され、
前記端子列は、3個の電位供給端子、データ端子及びクロック端子を有し、
前記3個の電位供給端子は、前記不揮発性メモリ、カードコントローラ及びICカード用マイクロコンピュータに回路の接地電位を供給する接地電位供給端子、前記不揮発性メモリ及びカードコントローラに電源電位を供給する第1電位供給端子、及び前記ICカード用マイクロコンピュータに電源電位を供給する第2電位供給端子とされ、
前記第1電位供給端子及び第2電位供給端子は1個の前記接電位端子の大きさを最大とする領域に2分割されて離間配置されたスプリット端子とされることを特徴とするメモリカード。
【請求項5】
前記2個の第1電位供給端子及び第2の電位供給端子が形成される個所は、ICカード用マイクロコンピュータに対する個別パワーオンリセット非対応のメモリカードにおける電源電位供給端子が形成される領域に対応されることを特徴とする請求項4記載のメモリカード。
【請求項6】
カードコントローラと、前記カードコントローラに接続された不揮発性メモリと、ICカード用マイクロコンピュータと、を有し、
電源供給端子として第1電位供給端子と第2電位供給端子とを夫々1個づつ有し、
前記カードコントローラに動作を指示または状態を確認するコマンドを供給するためのコマンド端子と、
データ入出力に用いられるデータ端子と、
クロック信号の入力に用いられるクロック端子と、
2個のアンテナ接続用端子と、を有し、
ICカード用マイクロコンピュータは前記アンテナ接続用端子に接続されるアンテナからデータの入出力を行なうことを特徴とするメモリカード。
【請求項7】
カードコントローラと、前記カードコントローラに接続された不揮発性メモリと、ICカード用マイクロコンピュータと、を有し、
前記カードコントローラ及び不揮発性メモリへ第1電位を供給する第1電位供給端子と第2電位を供給する第2電位供給端子とを夫々1個づつ有し、
前記ICカード用マイクロコンピュータに第3電位を供給する第3電位供給端子を1個有し、
前記カードコントローラに動作を指示するコマンドを供給するためのコマンド端子と、
データ入出力に用いられるデータ端子と、
クロック信号の入力に用いられるクロック端子と、
2個のアンテナ接続用端子と、を有し、
ICカード用マイクロコンピュータは前記アンテナ接続用端子に接続されるアンテナからデータの入出力を行なうことを特徴とするメモリカード。
【請求項8】
2個の前記アンテナ接続用端子は、相互に隣接して配置され、
2個の前記アンテナ接続用端子間の距離は、一方のアンテナ接続用端子とそれに隣接する他の端子との間の距離よりも狭く構成されることを特徴とする請求項6又は7記載のメモリカード。
【請求項9】
2個の前記アンテナ接続用端子の面積は、他の端子の面積よりも小さく構成されることを特徴とする請求項6又は7記載のメモリカード。
【請求項10】
2個の前記アンテナ接続用端子は第1方向に第1の幅を有し、第1方向に直交する第2方向に第2の幅を有し、
他の端子は第1方向に第1の幅と同じ又はそれより広い幅を有し、第2方向に第2の幅よりも広い幅を有することを特徴とする請求項6又は7記載のメモリカード。
【請求項11】
前記メモリカードの第1の辺に沿って第1の端子列を有し、
前記第1の端子列に対し前記第1の辺に対向する第2の辺寄りに第2の端子列を有し、
前記2個のアンテナ接続用端子は前記第1の端子列に配置されることを特徴とする請求項6乃至10の何れか1項記載のメモリカード。
【請求項12】
カードコントローラと、前記カードコントローラに接続された不揮発性メモリと、ICカード用マイクロコンピュータと、を有し、
前記カードコントローラ及び不揮発性メモリへ第1電位を供給する第1電位供給端子と第2電位を供給する第2電位供給端子とを夫々1個づつ有し、
前記ICカード用マイクロコンピュータに第3電位を供給する第3電位供給端子を1個有し、
前記カードコントローラに動作指示を行なうためのコマンド入力と、該コマンドに対する応答を出力するためのコマンド端子と、
前記不揮発性メモリに格納され又は格納するためのデータの入出力と、不揮発性メモリへのアクセス先を指定するアドレスの入力とを行なうためのデータ端子と、
前記ICカード用マイクロコンピュータのデータ入出力に用いられるアンテナを接続するための2個のアンテナ接続用端子と、を有し、
前記不揮発性メモリにアクセスを行なっていない状態で前記ICカード用マイクロコンピュータに前記アンテナを介してデータの入出力を行う場合、前記第2電位供給端子と前記第3電位供給端子とから夫々の電位が供給されることを特徴とするメモリカード。
【請求項13】
外部装置に接続可能にされる半導体装置であって、
前記外部装置は前記半導体装置との接続を行なうための複数の端子を有し、
前記複数の端子は第1機能に用いられる端子を少なくとも2個有し、
前記半導体装置は前記外部装置の有する複数の端子との接続を行なうための複数の端子を有し、
前記外部装置の第1機能に用いられる端子の内1個の端子に対応する前記半導体装置の端子の個所には、非接触通信に用いるためのアンテナを接続するための端子を複数個有することを特徴とする半導体装置。
【請求項14】
外部装置に接続可能にされる半導体装置であって、
前記外部装置は前記半導体装置との接続を行なうための複数の端子を有し、
前記複数の端子は第1機能に用いられる端子を複数個有し、
前記半導体装置は前記外部装置の有する複数の端子との接続を行なうための複数の端子を有し、
第1動作状態において前記第1機能に用いられる複数の端子は第1機能に用いられ、
第2動作状態において前記第1機能に用いられる複数の端子の内少なくとも2個の端子は非接触通信に用いるためのアンテナを接続するために用いられることを特徴とする半導体装置。
【請求項15】
外部装置に接続可能にされる半導体装置であって、
前記外部装置は前記半導体装置との接続を行なうための複数の端子を有し、
前記複数の端子は第1機能に用いられる端子を複数個と、第2機能に用いられる端子と有し、
前記半導体装置は前記外部装置の有する複数の端子との接続を行なうための複数の端子を有し、
第1動作状態において前記第1機能に用いられる複数の端子は第1機能に用いられ、第2機能に用いられる端子は前記第2機能に用いられ、
第2動作状態において前記第1機能に用いられる複数の端子の内少なくとも1個と前記第2機能に用いられる端子は非接触通信に用いるためのアンテナを接続するために用いられることを特徴とする半導体装置。
【請求項16】
前記第1機能に用いられる少なくとも2個の端子は、同じ電位の供給が行なわれる電位供給端子であることを特徴とする請求項13記載の半導体装置。
【請求項17】
前記第1機能に用いられる複数の端子は、それぞれ異なるビット位置のデータを入出力するために用いられるデータ入出力端子であることを特徴とする請求項14記載の半導体装置。
【請求項18】
前記第1機能に用いられる複数の端子は、同じ電位の供給が行なわれる電位供給端子であり、前記第2機能に用いられる端子はデータの入出力端子であることを特徴とする請求項15記載の半導体装置。
【請求項19】
前記非接触通信に用いられるアンテナを接続するために用いられる端子には、高周波信号を分離するAC結合用の容量素子が接続されたフィルタ回路を有していることを特徴とする請求項13乃至18の何れか1項記載の半導体装置。
【請求項20】
前記第1動作状態はデータの格納動作又は読み出し動作であり、データを格納する不揮発性メモリと、前記不揮発性メモリに対するデータの格納動作及び読み出し動作の制御を行なうためのコントローラとを有することを特徴とする請求項14又は15記載の半導体装置。
【請求項21】
前記第2動作状態は暗号処理を含む動作であり、第1動作状態での動作制御を行なうための第1コントローラと、第2動作状態での暗号処理を行なう第2コントローラとを有することを特徴とする請求項14又は15記載の半導体装置。
【請求項22】
前記第1動作状態はデータの格納動作又は読み出し動作であり、前記第2動作状態はデータの暗号化処理を含む動作であり、第1動作状態での動作制御と第2動作状態での暗号処理を行なうためのコントローラと、データの格納を行なう不揮発性メモリとを有することを特徴とする請求項14又は15記載の半導体装置。
【請求項23】
接触通信機能と非接触通信機能とを共に有する半導体装置が接続される処理装置であって、
前記半導体装置の接触通信機能に用いられる端子に接続される複数の端子を有し、
前記複数の端子の内の少なくとも2本の端子を、前記半導体装置の非接触通信機能時のデータの入出力を行なうアンテナへの接続に切り換える切り換え機能を有することを特徴とする処理装置。
【請求項24】
接触通信機能と非接触通信機能とを共に有する半導体装置が接続される処理装置であって、
前記半導体装置の接触通信機能に用いられる端子に接続される複数の端子を有し、
第1動作状態において、前記複数の端子は前記半導体装置の接触通信機能におけるデータの入出力と電源供給に用いられ、
第2動作状態において、前記複数の端子の内の2個の端子は、前記半導体装置の非接触通信機能においてデータの入出力を行なうアンテナへ接続の切り換えが行なわれることを特徴とする処理装置。
【請求項25】
前記ICカード用マイクロコンピュータに前記アンテナを介してデータの入出力を行う場合、前記第2電位供給端子と前記第3電位供給端子とから電位が供給されていないことを検出した場合、前記アンテナから供給される電力により動作することを特徴とする請求項12記載のメモリカード。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図2】
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【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公開番号】特開2007−41629(P2007−41629A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−374237(P2003−374237)
【出願日】平成15年11月4日(2003.11.4)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年11月4日(2003.11.4)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】
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