説明

メンテナンス装置および液体噴射装置

【課題】液体噴射ヘッドに当接したキャップの離間時に液体がキャップの内側に飛散しないように抑制するメンテナンス装置を提供する。
【解決手段】インクIKを噴射するノズル25を有する液体噴射ヘッド19に対してノズルを囲うように当接して液体噴射ヘッドとの間で閉空間VCを形成するキャップ40と、液体噴射ヘッドに当接したキャプを液体噴射ヘッドから離間させる離間手段27と、キャップが液体噴射ヘッドから離れる前に、閉空間内の圧力が閉空間外の圧力よりも高い圧力になるように閉空間を加圧する加圧手段51と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体噴射ヘッドの噴射特性を維持するメンテナンス装置、およびこのメンテナンス装置を備えた液体噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、液体噴射装置の一種として、液体噴射ヘッドのノズル形成面に開口したノズルから液体としてのインクを用紙などの媒体に噴射して印刷を行うインクジェット式プリンターなどが広く知られている。
【0003】
こうしたプリンターでは、インクの噴射不良を低減するために、インクを噴射するノズルを囲うようにして液体噴射ヘッド(ノズル形成面)にキャップを当接して、キャップと液体噴射ヘッドとの間で閉空間を形成する。そして形成した閉空間を吸引ポンプ(吸引手段)により吸引することで、ノズルから増粘したインクや気泡などを強制的に排出させるクリーニングが適宜行われる。このクリーニングによって、液体噴射ヘッドにおいて、ノズルからのインクの噴射特性をメンテナンスするようになっている。
【0004】
このとき、吸引された閉空間内の圧力が、閉空間外の大気の圧力つまり外気圧よりも低い負圧状態になっていると、キャップが液体噴射ヘッドから離間したとき、負圧による圧力変化が生じるために、外気からキャップ内に空気が勢いよく流れ込むことがある。このため、例えば、キャップ内のインクや、キャップにおいて液体噴射ヘッドとの当接部分などに付着しているインクが、クリーニングの終了後にノズル方向に勢いよく飛散する(し吹く)場合がある。このような場合、クリーニングによってノズル内の適切な位置に形成されたインクのメニスカスに影響を及ぼし、ノズルからインクが正しく噴射されない所謂ノズル抜けを生ずる虞がある。
【0005】
そこで、キャップを離間させたとき、閉空間内の圧力と外気の圧力との圧力差を少なくして激しい圧力変化が生じないように、キャップ内の閉空間を大気圧と連通するように開放する弁手段を設けることが、例えば特許文献1などに提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭62−273855号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、キャップ内の閉空間を外気と連通して外気との圧力差を抑制した状態になっている場合においても、キャップが液体噴射ヘッドから離間するとき、外気がキャップの外側から内側に向かって流入する現象が生じるという課題が見出された。これは、液体噴射ヘッドと当接しているキャップの当接部分が当接状態において変形し、この変形が離間とともに元に戻ることによって閉空間が膨張し、閉空間内の圧力が減少することが、その一要因として推測されている。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、液体噴射ヘッドに当接したキャップの離間時に液体がキャップの内側に飛散しないように抑制するメンテナンス装置を提供することを主な目的とする。さらに、このメンテナンス装置を備えた液体噴射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明のメンテナンス装置は、液体を噴射するノズルを有する液体噴射ヘッドに対して前記ノズルを囲うように当接して該液体噴射ヘッドとの間で閉空間を形成するキャップと、前記液体噴射ヘッドに当接した前記キャプを該液体噴射ヘッドから離間させる離間手段と、前記キャップが前記液体噴射ヘッドから離れる前に、前記閉空間内の圧力が該閉空間外の圧力よりも高い圧力になるように前記閉空間を加圧する加圧手段と、を備える。
【0010】
上記構成によれば、キャップが離間するときには閉空間内が閉空間外に対して正圧になっているので、キャップと液体噴射ヘッドとの当接部分に存在する閉空間内の液体がキャップの内側つまりノズル側に向けて飛散する(し吹く)ことを抑制することができる。従って、液体噴射ヘッドにおいてクリーニングによってノズル内に形成された液体のメニスカスが安定して維持されることになる。
【0011】
本発明のメンテナンス装置において、前記加圧手段が前記閉空間を加圧する前に、前記閉空間と前記閉空間外の外気とを連通させる外気連通手段を備えた。
上記構成によれば、キャップの閉空間において、加圧する前に外気と連通させることによって閉空間内の圧力を外気圧と等しい圧力にすることができる。従って、その後、この外気圧と等しい圧力状態となった閉空間を加圧することによって、閉空間を外気に対して容易に高い圧力つまり正圧状態とすることができる。
【0012】
本発明のメンテナンス装置において、駆動源の回転によって前記閉空間を吸引する吸引手段を備え、前記加圧手段は、前記吸引手段が前記閉空間を吸引するときの前記駆動源の回転方向と逆方向の前記駆動源の回転によって、前記閉空間を加圧する手段である。
【0013】
上記構成によれば、閉空間内を吸引する動作と、閉空間を加圧する動作が同時に行われることがない。したがって、駆動源を逆転させることによって、キャップの閉空間を負圧状態から確実に加圧して正圧状態とすることができる。
【0014】
本発明のメンテナンス装置において、前記吸引手段は、前記駆動源の回転によって、前記キャップに一端が連通するように取り付けられたチューブを押圧回転体が押し付けながら一方向に回転することによって前記閉空間を吸引する手段であり、前記加圧手段は、前記閉空間を吸引するときの前記駆動源の回転方向と逆方向の前記駆動源の回転によって、前記チューブを前記押圧回転体が押し付けながら前記一方向と逆方向に回転することによって前記閉空間を加圧する手段である。
【0015】
上記構成によれば、押圧回転体の回転を逆転させることによって、吸引手段を加圧手段と兼用することができる。従って、メンテナンス装置の大型化を抑制することができる。
本発明のメンテナンス装置において、前記キャップは、少なくとも一部が変位可能な可動壁部を含む壁部によって前記閉空間と連通する連通空間が形成され、前記加圧手段は、前記キャップが前記液体噴射ヘッドから離間する前に前記可動壁部を変位させることによって、前記連通空間の容積を減少させて前記閉空間を加圧する。
【0016】
上記構成によれば、閉空間と連通する連通空間の容積の減少量に応じて、閉空間の加圧量を調節することができるので、閉空間が所望する圧力値になるように容易に加圧することができる。
【0017】
本発明の液体噴射装置は、媒体に液体を噴射するノズルを有する液体噴射ヘッドと、上記構成を有するメンテナンス装置と、を備えた。
上記構成の液体噴射装置によれば、上記構成のメンテナンス装置が奏する効果と同様に、液体噴射ヘッドにおいてクリーニングによってノズル内に形成された液体のメニスカスを安定して維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る実施形態のプリンターの概略構成を示す斜視図。
【図2】実施形態のプリンターにおけるメンテナンス装置の機能構成図。
【図3】実施形態のメンテナンス装置の作用を示すメンテナンス動作のフロー図。
【図4】(a)は閉空間が大気開放された状態、(b)は閉空間が加圧された状態、(c)は液体噴射ヘッドからキャップが離間された状態を夫々示すメンテナンス装置の主要部の部分断面図。
【図5】変形例で、容積形成部を有するメンテナンス装置の機能構成図。
【図6】容積形成部を有するメンテナンス装置の変形例で、(a)は容積形成部において容積が減少する前の状態を示す機能構成図、(b)は容積形成部において容積が減少した状態を示す機能構成図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明を、メンテナンス装置を備えた液体噴射装置の一種であるインクジェット式プリンター(以下、単に「プリンター」ともいう。)において具体化した実施形態について、以下、図を参照して説明する。なお、以降の説明を容易にするため、図1に示したように、鉛直方向における重力方向を下方向、反重力方向を上方向とする。また、鉛直方向と交差する方向であって、プリンターに給送された用紙が印刷時において搬送される搬送方向を前方向、搬送方向と反対方向を後方向とする。さらに鉛直方向および搬送方向の双方と交差する方向であってキャリッジ16が往復移動する方向すなわち走査方向を、前方から見て、それぞれ右方向、左方向と呼ぶことにする。
【0020】
さて、図1に示すように、プリンター11における略矩形箱状をなすフレーム12内の下部には、その長手方向である左右方向に沿って支持台13が延設されている。また、フレーム12の後方面の下部には紙送りモーター14が設けられている。この紙送りモーター14の駆動を通じて図示しない紙送り機構により、支持台13上にその後方側から媒体の一例である用紙Pが給送されるようになっている。
【0021】
フレーム12内における支持台13の上方には、該支持台13の長手方向である左右方向に沿ってガイド軸15が架設されている。このガイド軸15にはその軸線方向において往復移動可能にキャリッジ16が支持されている。詳しくは、キャリッジ16に左右方向において貫通する支持孔16aが形成されるとともに、この支持孔16aにガイド軸15が挿通されている。
【0022】
フレーム12の後壁内面において上記ガイド軸15の両端の近傍にあたる位置には、駆動プーリー17aと従動プーリー17bとがそれぞれ回転自在に支持されている。駆動プーリー17aにはキャリッジモーター18の出力軸が連結されるとともに、駆動プーリー17aと従動プーリー17bとの間には一部がキャリッジ16に連結された無端状のタイミングベルト17が巻き掛けられている。上記プリンター11は、キャリッジモーター18を駆動することにより、タイミングベルト17を介してキャリッジ16をガイド軸15によってガイドしつつ左右方向において往復移動させることの可能な構造になっている。
【0023】
上記キャリッジ16の下面には液体噴射ヘッド19が設けられている。この液体噴射ヘッド19にはインク噴射用のノズル25(図2参照)が複数設けられている。また、液体噴射ヘッド19の下方端にはノズル形成面19aが設けられている。このノズル形成面19aには、各ノズル25の開口孔が形成されている。一方、キャリッジ16には液体噴射ヘッド19に対してインクを供給するためのインクカートリッジ20が着脱可能に装着されている。
【0024】
そして、プリンター11では、液体噴射ヘッド19において例えば圧電素子を有する圧力室24(図2参照)が設けられている。この圧力室24において圧電素子が駆動されることにより、インクカートリッジ20内のインクが液体噴射ヘッド19内に供給されるとともに、液体噴射ヘッド19の各ノズル25(図2参照)から支持台13上に給送された用紙Pに噴射されることによって印刷が行われる構成となっている。
【0025】
また、フレーム12の内部における上記支持台13よりも右側の領域、すなわち印刷時において使用されない領域(ホームポジション領域)には、液体噴射ヘッド19のクリーニング等のメンテナンスを行うためのメンテナンス装置100が設けられている。プリンター11では、定期的に、液体噴射ヘッド19をホームポジション領域に移動させるとともに上記メンテナンス装置100を動作させることによって液体噴射ヘッド19(ノズル25)をクリーニングすることが行われる。このクリーニングによって、例えばノズル25において安定したインクのメニスカスMS(図2参照)を形成するなど、ノズル25からのインクの噴射特性をメンテナンスするようになっている。
【0026】
次に、メンテナンス装置100の構成について、その概要を図2を参照して説明する。図2に示すように、メンテナンス装置100は、キャップ40と、離間手段としての昇降装置27と、外気連通手段としての大気開放弁38と、加圧手段としてのチューブポンプ51と、を備えている。なお、本実施形態では説明を省略するが、メンテナンス装置100には、例えばノズル形成面19aに付着した不要なインクを払拭するワイパー21(図1参照)のほか、ノズルから強制的に噴射されたインクを受容する液体受容容器などが必要に応じて備えられる。
【0027】
キャップ40は、有底箱状のキャップ本体41と、このキャップ本体41において液体噴射ヘッド19(ノズル形成面19a)との当接部となる上方側の開口部に、キャップ本体41より軟質な材料(ゴム材料やエラストマーなど)で四角環状に形成されたキャップシール部43と、を有している。なお、キャップ40の内部には、必要に応じてインクを吸収する多孔質材料で形成されたインク吸収体(不図示)が挿入される。
【0028】
キャップ本体41の底壁41bにおけるやや後よりの位置からは突部44が下方に向かって突設されており、この突部44内にはキャップ40内からインクを排出するための排出路44aが上下方向に貫通するように形成されている。そして、突部44には可撓性を有する排出チューブ31の基端側(上流側)が接続され、この排出チューブ31の他端側(下流側)は直方体状をなす廃インクタンク33(図1参照)内に挿入されている。なお、廃インクタンク33内には、この廃インクタンク33内に排出されたインクを吸収して保持する廃インク吸収材35が収容されている。
【0029】
キャップ40と廃インクタンク33との間における排出チューブ31の中間部には、キャップ40側から廃インクタンク33側へ向かってキャップ40内を吸引するための吸引手段としてのチューブポンプ51が設けられている。本実施形態では、チューブポンプ51は、キャップ40内を吸引する吸引手段に加えて、キャップ40内を加圧する加圧手段を兼用するように構成されている。
【0030】
すなわち、チューブポンプ51は、略円筒状をなすポンプケース52を有し、そのポンプケース52内には、排出チューブ31の長さ方向の中間部がポンプケース52の内周壁に沿うように収容されている。また、ポンプケース52内には、このポンプケース52の軸心に設けられた回転可能な回転体53と、この回転体53の回転時にポンプケース52の内周面に沿って移動しながら排出チューブ31を押圧可能な一対の押圧回転体54とが収容されている。回転体53は、モーター55などの駆動源によって回転駆動されるようになっている。
【0031】
そして、このチューブポンプ51では、モーター55の一方向(例えば正方向)の回転駆動に基づき、図2において実線矢印で示したように、回転体53を反時計方向に回転させた場合、押圧回転体54が排出チューブ31の中間部をキャップ40側(上流側)から廃インクタンク33側(下流側)へ順次押し潰しながら回転するようになっている。そして、この押圧回転体54の回転により排出チューブ31内の空気(流体)が廃インクタンク33側(下流側)に追い出されて、チューブポンプ51よりもキャップ40側(上流側)の排出チューブ31の内部およびキャップ40の内部が減圧されるようになっている。
【0032】
さらに、このチューブポンプ51では、モーター55の他方向(例えば逆方向)の回転駆動に基づき、図2において破線矢印で示したように、回転体53を時計方向に回転させた場合、押圧回転体54が排出チューブ31の中間部を廃インクタンク33側(下流側)からキャップ40側(上流側)へ順次押し潰しながら回転するようになっている。そして、この押圧回転体54の回転により排出チューブ31内の空気(流体)がキャップ40側(上流側)に追い出されて、チューブポンプ51よりもキャップ40側(上流側)の排出チューブ31の内部およびキャップ40の内部が加圧されるようになっている。
【0033】
また、キャップ本体41の底壁41bにおけるやや前よりの位置からは突部45が下方に向かって突設されており、この突部45内にはキャップ40内を大気開放するための大気開放路45aが上下方向に貫通するように形成されている。そして、突部45には可撓性を有する大気開放チューブ32の基端側(上流側)が接続され、この大気開放チューブ32の他端側(下流側)は大気開放弁38に接続されている。本実施形態では、大気開放弁38は電磁制御弁であって、所定の電気信号によってその開閉が制御されるようになっている。
【0034】
離間手段として機能する昇降装置27は、例えばキャップ40の下面と接しながら摺動するカム面を外周に有する偏心カムを、図示しないモーターなどの駆動源によって回転させることによって、キャップ40を上昇および降下させるようになっている。すなわち、キャップ40は、上昇移動によって液体噴射ヘッド19に接近してキャップシール部43がノズル形成面19aに当接する。この当接によって、キャップ40はノズル形成面19aとの間で閉空間VCが形成される。また、降下移動によってキャップ40はキャップシール部43がノズル形成面19aから離間して、閉空間VCが大気開放されるように構成されている。
【0035】
また、図2に示すように、メンテナンス装置100は、昇降装置27、大気開放弁38、およびチューブポンプ51の駆動制御を行う制御部81を備えている。制御部81は、昇降装置27、大気開放弁38、およびチューブポンプ51の駆動用のモーター55のそれぞれと電気的に接続され、それぞれに対して電気信号82,83,85を出力することによって、キャップ40の上昇移動と降下移動の制御、大気開放弁38の開閉の制御、チューブポンプ51の吸引または加圧の制御を行うようになっている。なお、制御部81は、紙送りモーター14、キャリッジモーター18の駆動など、プリンター11の印刷動作に関する制御を行うようになっていてもよい。
【0036】
次に、液体噴射ヘッド19のクリーニング処理におけるメンテナンス装置100の作用について、図2、図3、図4(a),(b),(c)を参照して説明する。なお、クリーニング処理は、制御部81が、ソフトウエアもしくはハードウエアによって定められた処理手順を実行することによって行われるようになっている。
【0037】
図3に示すように、メンテナンス装置100においてクリーニング処理が開始されると、まず、キャップ40を上昇させて、液体噴射ヘッド19に当接させる(ステップS1)。すなわち、制御部81は、図2に示すように、昇降装置27を駆動してキャップ40を上昇させ、キャップシール部43をノズル形成面19aに当接させることにより、ノズル形成面19aとの間に閉空間VCを形成する。
【0038】
図3に戻り、次に、チューブポンプ51を回転して閉空間VCを吸引する(ステップS2)。すなわち、制御部81は、モーター55を正方向に回転駆動することにより、図2において実線矢印で示すように、チューブポンプ51が吸引手段として機能する方向に押圧回転体54を回転させ、閉空間VCを吸引して減圧する。この結果、図2に示すように、インクIKは各ノズル25からキャップ40内の閉空間VC内に吸い出されることによって、各ノズル25内において増粘したインクや気泡などが強制的に排出される。なお、この吸い出しに伴って、インクカートリッジ20から液体噴射ヘッド19の流入口22へ供給されるインクIKが、リザーバー23を介して各ノズルに補充されるようになっている。
【0039】
このとき、ノズル25からキャップ40内に吸い出されたインクIKのうち、例えばノズル形成面19aを伝って移動したインクIKが、図2に示すようにキャップシール部43付近に付着して滞留する場合がある。また、ノズル形成面19aにインクIKに対する撥液処理が施されている場合は、キャップシール部43においてインクIKが滞留し易くなる。
【0040】
図3に戻り、次に、大気開放弁38を開いて、外気と閉空間VCとを連通させる(ステップS3)。すなわち、制御部81は、電気信号83によって電磁制御弁を開弁することによって、図4(a)に示すように、大気開放チューブ32を通して閉空間VC外の外気と閉空間VCとを連通させる。この結果、減圧状態となっている閉空間VCに外気から空気が流入し、閉空間VC内の圧力は、減圧値Psから上昇して外気圧値Ptとなる。なお、本実施形態では、外気は大気に曝された開放空間であるものとする。従って、外気圧値Ptは、ほぼ1気圧(101.325kPa)前後の値となっている。
【0041】
図3に戻り、次に、大気開放弁38を閉じる(ステップS4)。すなわち、制御部81は、大気開放弁38の開弁後、閉空間VC内の圧力が外気圧値Ptとほぼ同じ圧力値になる時間が経過したとき、電気信号83によって電磁制御弁を閉弁する。これによって、閉空間VC内の圧力が外気圧値Ptの状態に保たれる。
【0042】
次に、チューブポンプ51を回転して、閉空間VCを加圧する(ステップS5)。すなわち、制御部81は、モーター55を逆方向に回転駆動することにより、図4(b)に示すように、電気信号85によって、チューブポンプ51が加圧手段として機能する方向に押圧回転体54を回転(逆転)させ、閉空間VCを加圧する。すると、排出チューブ31を通して所定量の空気が閉空間VCに流入する。この結果、閉空間VC内の圧力は、外気圧値Ptから上昇して外気圧値Ptよりも高い圧力値つまり加圧値Puとなる。
【0043】
なお、このとき閉空間VCに流入する空気には、廃インクタンク33から逆流するインクIKが含まれる場合もある。従って、本実施形態では、この逆流するインクIKが含まれる場合を含めて押圧回転体54(回転体53)の回転数、つまり閉空間VCに流入させる空気量が設定されている。また、加圧値Puは、ノズル25において形成されるメニスカスMSを押し込むことなく適切な位置に安定して形成される範囲内の値である。ちなみに、本実施形態では、加圧値Puは、1気圧(101.325kPa)に対して凡そ15kPa高い圧力値となっている。また、このときのチューブポンプ51の回転は半回転から一回転程度となっている。
【0044】
図3に戻り、次に、キャップ40を降下させて、液体噴射ヘッド19から離間させる(ステップS6)。すなわち、制御部81は、図4(c)に示すように、昇降装置27を駆動してキャップ40を降下させ、キャップシール部43をノズル形成面19aから離間させることにより、閉空間VCを大気開放する。このとき、開放される閉空間VC内の圧力は、外気圧値Ptよりも高い加圧値Puになっているので、キャップシール部43の変形が元に戻ることによって閉空間VCの容積が増加しても、キャップ40内から外側に向かって空気が流出するようになっている。従って、図4(c)に示すように、この流出する空気によって、キャップシール部43付近に付着していたインクIKはキャップ40の内側つまりノズル25側に向けて飛散することなく、逆にキャップ40の外側に吹き出される。
【0045】
上記説明した実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)キャップ40が離間するときには閉空間VC内が閉空間VC外に対して高い圧力つまり正圧になっているので、キャップ40と液体噴射ヘッド19との当接部分に存在する閉空間VC内のインクIKがキャップ40の内側つまりノズル25側に向けて飛散する(し吹く)ことを抑制することができる。従って、液体噴射ヘッド19においてクリーニングによって形成されたノズル25のメニスカスMSが安定して維持されることになる。
【0046】
(2)キャップ40の閉空間VCにおいて、加圧する前に外気と連通させることによって閉空間VCの圧力を外気圧値Ptにすることができる。従って、その後、この外気圧値Ptと等しい圧力状態となった閉空間VCを加圧することによって、閉空間VCを外気圧値Ptに対して容易に高い圧力つまり正圧状態とすることができる。
【0047】
(3)閉空間VC内を吸引して負圧にする動作と、閉空間VCを加圧して正圧にする動作が同時に行われることがない。したがって、モーター55を逆転させることによって、キャップの閉空間VCを負圧状態から確実に加圧して正圧状態とすることができる。
【0048】
(4)押圧回転体54の回転を逆転させることによって、チューブポンプ51を吸引手段と加圧手段とに兼用することができる。従って、メンテナンス装置100の大型化を抑制することができる。
【0049】
なお、上記各実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・上記実施形態において、キャップ40内の閉空間VCを、チューブポンプ51以外の加圧手段によって加圧するようにしてもよい。本変形例について、図5を参照して説明する。なお、本変形例において上記実施形態と同じ機能部品については同符号を付し、その説明は省略する。
【0050】
図5に示すように、本変形例のメンテナンス装置100Aは、キャップ本体41の後端の側壁部41aにおいて連通孔46によって連通するとともに、側壁部41aからキャップ40の外側(後側)に張り出すように、容積形成部60が設けられている。
【0051】
容積形成部60は、上下左右方向および後方向がそれぞれ壁部61と壁部62とで囲まれるとともに、前方向がキャップ本体41の側壁部41aによって囲まれて形成されている。上下左右方向を囲む壁部61は、前後方向に伸縮可能なように蛇腹が環状に形成された蛇腹形状を有する。この蛇腹形状は、初期状態から前方に縮むとともに縮んだあと後方に伸びて元の状態に戻るように伸縮性を有している。後方を囲む壁部62は、この壁部61の後側端部において上下左右方向に延設された鉛直面となっている。また、蛇腹形状をなす壁部61の前側端部は、キャップ本体41の側壁部41aと密着固定されている。従って、容積形成部60は、壁部61と壁部62、およびキャップ本体41の側壁部41aとの間で、閉空間VCと連通する容積を有する連通空間VSを形成している。
【0052】
従って、このように形成された容積形成部60において、壁部62は、蛇腹形状の壁部61が前後方向に伸縮することによって前後方向に移動して変位する可動壁部となっている。そして、壁部62が後方から前方に移動して変位することによって、連通空間VSの容積が減少するようになっている。このため、この連通空間VSの容積が減少することによって、例えば連通空間VS内に存在する空気は連通孔46を介して連通する閉空間VCに流入し、連通空間VS内とともに閉空間VC内の圧力が増加するようになっている。つまり閉空間VCは加圧されるようになっている。
【0053】
さて、本変形例のメンテナンス装置100Aは、図5に示すように、制御部81によって制御される昇降機構(不図示)によって昇降移動するとともに、その上端部前側に斜面部63aを有する移動部材63を備えている。そして、本変形例では、この移動部材63と容積形成部60とが加圧手段として作用することによって、閉空間VCを加圧するようになっている。
【0054】
すなわち、キャップ40が液体噴射ヘッド19から離間する前に、図5において二点鎖線で示すように移動部材63を上昇移動させ、その上端部に形成された斜面部63aによって容積形成部60の壁部62を押して図中符号62aで示したように前方に移動させる。こうして、容積形成部60における連通空間VSを減少させて閉空間VCを所定の圧力(正圧)に加圧する。
【0055】
本変形例によれば、上記実施形態による効果(1)〜(4)に加えて、以下の効果を得ることができる。
(5)閉空間VCと連通する連通空間VSの容積の減少量に応じて、閉空間VCの加圧量を調節することができるので、閉空間VCが所望する圧力値(正圧)になるように容易に加圧することができる。
【0056】
・上記変形例において、加圧手段は、連通空間VSの容積を、キャップ40の昇降動作に伴って減少させるようにしてもよい。本変形例について、図6(a)(b)を参照して説明する。なお、本変形例において、上記実施形態および上記変形例と同じ機能部品については同符号を付し、その説明を省略する。
【0057】
図6(a)に示すように、本変形例のメンテナンス装置100Bは、キャップ40が、キャップ本体41と、このキャップ本体41をコイルばね75によって上下方向に相対移動可能な状態で保持する略箱形状のキャップ保持部材71と、によって構成される。そして、昇降装置27は、キャップ保持部材71を昇降させることによってキャップ40(キャップシール部43)を液体噴射ヘッド19に対して当接および離間させるようになっている。
【0058】
キャップ本体41には、その下端部において側壁部41aから後方に延設された板状の延設部41cが形成されている。一方、キャップ保持部材71には、この延設部41cと上方において対峙するように庇形状部71cが形成されている。そして、キャップ本体41の延設部41cとキャップ保持部材71の庇形状部71cとの間に、容積形成部60Bが配設されている。
【0059】
本変形例の容積形成部60Bは、前後左右方向を囲む壁部65と、この壁部65の上下両端部にそれぞれ設けられた壁部66,67とによって、その内部に所定の容積を有する空間が形成されている。そして、容積形成部60Bは、その壁部の一部に設けられた管状の開口部が連通孔46に密着状態で挿入されることによって閉空間VCと連通孔46を介して連通するように形成され、内部の空間が閉空間VCと連通する連通空間VSとなっている。
【0060】
壁部65は、蛇腹が環状に形成された蛇腹形状となっており、上下方向において伸縮可能な壁部となっている。また、この壁部65の上端側に形成された壁部66および下端側に形成された壁部67は、それぞれ前後左右方向に延びる平面によって形成された壁部となっている。そして、この下端側の壁部67は、キャップ本体41の延設部41cと当接するようになっている。一方、上端側の壁部66は、キャップ保持部材71の庇形状部71cと当接するとともに、庇形状部71cが延設部41cに対して近づくように降下すると、壁部66は延設部41c側に押し下げられ、壁部65の蛇腹形状が圧縮されることによって移動して変位する可動壁部となっている。
【0061】
本変形例では、この壁部66が上方から下方に移動して変位することによって、連通空間VSの容積が減少するようになっている。そして、この連通空間VSの容積減少によって、例えば連通空間VS内に存在する空気は連通孔46を介して連通する閉空間VCに流入し、連通空間VS内とともに閉空間VC内が加圧されるようになっている。従って、本変形例では、クリーニング処理において、キャップ保持部材71(庇形状部71c)と容積形成部60Bとが加圧手段として作用するようになっている。この作用を説明する。
【0062】
本変形例では、クリーニング処理において、キャップ40が昇降装置27によって上昇し、液体噴射ヘッド19にキャップシール部43が当接した状態では、図6(a)に示す状態となっている。すなわち、コイルばね75は圧縮されてキャップ本体41がキャップ保持部材71に対して相対的に降下した状態となっている。本実施形態では、この状態において、容積形成部60Bは、壁部65の蛇腹形状が伸びた状態となっているとともに、壁部66が庇形状部71cと当接した状態になっている。
【0063】
次に、閉空間VCの吸引及び大気開放のそれぞれの処理が行われたのち、キャップ40を液体噴射ヘッド19から離間する処理が開始されると、本変形例では、図6(b)に示すように、キャップ保持部材71がキャップ本体41に対して相対的に降下する。すなわち、キャップ保持部材71は、キャップシール部43が液体噴射ヘッド19と当接した状態を維持したまま、キャップ本体41と上下方向において各々の前側壁に形成した係止部72,42同士が当接して降下移動が停止されるまで所定量降下する。もとより、このキャップ保持部材71の降下に際して、キャップ本体41はコイルばね75のばね力によって液体噴射ヘッド19に付勢され、キャップシール部43が液体噴射ヘッド19と当接した状態を維持するようになっている。
【0064】
本変形例のメンテナンス装置100Bは、このキャップ保持部材71の所定量の降下において、庇形状部71cが容積形成部60Bの壁部66を押し下げ、壁部65の蛇腹形状を図中符号65aに示した状態に圧縮する。すなわち、本変形例では、この庇形状部71cが加圧手段として作用するようになっている。そして、キャップ40が液体噴射ヘッド19から離間する前に、容積形成部60における連通空間VSを減少させて閉空間VCを所定の圧力(正圧)に加圧する。
【0065】
本変形例によれば、上記実施形態による効果(1)〜(4)、および上記変形例による効果(5)に加えて、以下の効果を得ることができる。
(6)キャップ40の降下動作において、キャップシール部43が液体噴射ヘッド19から離間する前に閉空間VCを加圧することができるので、キャップ40が離間する前に確実に閉空間VCを外気圧に対して正圧状態にすることができる。
【0066】
・上記実施形態において、大気開放弁38は必ずしも設ける必要はない。例えば、制御部81によってチューブポンプ51の回転(例えば回転体53の回転数など)を制御して、負圧状態から所望する正圧状態に加圧することが可能である場合は、このようにしてもよい。
【0067】
・上記実施形態において、チューブポンプ51を、必ずしもキャップ40内を吸引する吸引手段とキャップ40内を加圧する加圧手段と兼用するように構成しなくてもよい。吸引手段専用のチューブポンプと加圧手段専用のチューブポンプをそれぞれ備えるようにしてもよい。
【0068】
さらに、この場合は、それぞれのチューブポンプを1つのモーター55で駆動するようにしてもよい。その際、モーター55の回転方向もそれぞれ逆の回転方向ではなく、モーター55の回転伝達経路を切替えるようにして、同じ回転方向によってそれぞれのチューブポンプを駆動するようにしても差し支えない。
【0069】
・上記実施形態において、チューブポンプ51を加圧手段として用いる場合、閉空間VC内の圧力が所望する正圧状態になるまで回転体53が回転した後は、押圧回転体54は排出チューブ31の押圧状態が解除されるようになっていてもよい。
【0070】
・上記実施形態において、加圧手段はチューブポンプ51以外の構成を有するポンプであってもよい。例えばダイアフラムポンプやギヤポンプ、あるいはピストンポンプを用いてもよい。
【0071】
・上記実施形態において、加圧手段はチューブポンプ51と上記変形例における容積形成部60,60Bとを併用して閉空間VCを加圧するようにしてもよい。こうすれば、閉空間VCを素早く加圧することができる。
【0072】
・上記変形例において、容積形成部60,60Bの壁部は、例えば、ゴム材料やエラストマーなど平面的に伸縮可能なゴム材料やエラストマーで形成されている場合は、必ずしも蛇腹形状を有さなくてもよい。
【0073】
・上記実施形態では、液体噴射装置をインクジェット式のプリンター11に具体化したが、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置に具体化してもよい。微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体噴射装置に流用可能である。なお、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置がある。あるいは、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用してもよい。そして、これらのうちいずれか一種の液体噴射装置に本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0074】
11…液体噴射装置としてのプリンター、19…液体噴射ヘッド、VC…閉空間、VS…連通空間、19…液体噴射ヘッド、25…ノズル、40…キャップ、54…押圧回転体、61,62,65,66,67…壁部、100,100A,100B…メンテナンス装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を噴射するノズルを有する液体噴射ヘッドに対して前記ノズルを囲うように当接して該液体噴射ヘッドとの間で閉空間を形成するキャップと、
前記液体噴射ヘッドに当接した前記キャップを該液体噴射ヘッドから離間させる離間手段と、
前記キャップが前記液体噴射ヘッドから離れる前に、前記閉空間内の圧力が該閉空間外の圧力よりも高い圧力になるように前記閉空間を加圧する加圧手段と、
を備えることを特徴とするメンテナンス装置。
【請求項2】
請求項1に記載のメンテナンス装置において、
前記加圧手段が前記閉空間を加圧する前に、前記閉空間と前記閉空間外の外気とを連通させる外気連通手段を備えたことを特徴とするメンテナンス装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のメンテナンス装置において、
駆動源の回転によって前記閉空間を吸引する吸引手段を備え、
前記加圧手段は、前記吸引手段が前記閉空間を吸引するときの前記駆動源の回転方向と逆方向の前記駆動源の回転によって、前記閉空間を加圧することを特徴とするメンテナンス装置。
【請求項4】
請求項3に記載のメンテナンス装置において、
前記吸引手段は、前記駆動源の回転によって、前記キャップに一端が連通するように取り付けられたチューブを押圧回転体が押し付けながら一方向に回転することによって前記閉空間を吸引する手段であり、
前記加圧手段は、前記閉空間を吸引するときの前記駆動源の回転方向と逆方向の前記駆動源の回転によって、前記チューブを前記押圧回転体が押し付けながら前記一方向と逆方向に回転することによって前記閉空間を加圧する手段であることを特徴とするメンテナンス装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか一項に記載のメンテナンス装置において、
前記キャップは、少なくとも一部が変位可能な可動壁部を含む壁部によって前記閉空間と連通する連通空間が形成され、
前記加圧手段は、
前記キャップが前記液体噴射ヘッドから離間する前に前記可動壁部を変位させることによって、前記連通空間の容積を減少させて前記閉空間を加圧することを特徴とするメンテナンス装置。
【請求項6】
媒体に液体を噴射するノズルを有する液体噴射ヘッドと、
請求項1ないし5のいずれか一項に記載のメンテナンス装置と、
を備えたことを特徴とする液体噴射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−187748(P2012−187748A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−51329(P2011−51329)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】