説明

メントール誘導体ならびに口腔活性剤および全身活性剤としてのそれらの使用

本発明は、口腔ケアおよび全身ケア上の利点を提供する方法および歯周病代謝物をアップレギュレートまたはダウンレギュレートする方法のための、式1:


(式中、Xは酸素原子またはNH基であり;Rは非置換または置換のアリールまたは脂肪族基である)の特定のメントール誘導体およびそれらの組成物の新規使用を開示する。いくつかの実施形態において、口腔ケアおよび全身ケア上の利点はバイオフィルム付着防止、抗炎症、抗酸化、骨量減少抑制および抗菌上の利点を含む。いくつかの実施形態において、歯周病代謝物は健康なおよび/または病気の口腔状態に対応し、口腔健康の鑑別診断を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオフィルム付着防止、抗炎症、抗酸化、骨量減少抑制および抗菌上の利点を含む口腔ケアおよび/または全身ケア上の利点を提供する方法および組成物であって、式1のメントール誘導体またはそれらの混合物および少なくとも1つの賦形剤を含む前記方法および組成物に関する。本発明は、さらに、式1のメントール誘導体またはそれらの混合物および少なくとも1つの賦形剤を含む、歯周病代謝物をアップレギュレートおよび/またはダウンレギュレートする方法および組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
歯周病は、歯肉、セメント質、歯根膜および歯槽骨を含む歯の支持構造の一部または全部の炎症である。歯肉溝滲出液における歯周病代謝物は健康なおよび/または病気の口腔状態に対応し、口腔健康の鑑別診断を可能にする。口内炎は、一般に、口腔バイオフィルム(歯の表面に形成され、歯肉炎、歯周炎、う蝕および他の形態の歯周病の存在と関係している柔らかい細菌性沈着物)内の細菌の感染によって引き起こされ、歯を適所に保つ付着繊維および支持骨を破壊する。歯周病における他の要素は、細菌によって引き起こされる酸化的細胞損傷である。酸化性フリーラジカルは、抗原攻撃に対する防御システムとして身体に用いられている。しかしながら、酸化性フリーラジカルはまた、口腔歯肉炎において見られるように、宿主の組織損傷および炎症を引き起こす制御されない連鎖反応を開始する場合もある。全身性の酸化的細胞損傷、宿主の組織炎症および骨量減少は同様な機構によって引き起こされる。
【0003】
メントール誘導体は、多くの場合、溶媒蒸発時に生じるような物理的冷却を実際には生じさせないで、カルシウムチャネルを遮断することによって皮膚または粘膜、すなわち口腔、鼻腔および/または咽頭腔の粘膜に冷感を与えるために用いられる生理的冷却活性成分である。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、式1:
【0005】
【化1】

【0006】
(式中、Xは酸素原子またはNH基であり;
Rは非置換または置換のアリールまたは脂肪族基である)の特定のメントール誘導体の新規使用を開示する。
【0007】
適切なアリールおよび脂肪族基を適切な割合でメントールと反応させて本発明の化合物を製造するとき、パーソナルケア製品に適用すれば、これらの化合物の性能における改善および新規使用が達成されることは、本発明の驚くべきかつ予期せぬ結果である。
【0008】
いくつかの実施形態において、本発明は、口腔ケアおよび全身ケア上の利点を提供する方法のための、式1の少なくとも1つのメントール誘導体およびそれらの組成物の新規使用を開示する。いくつかの実施形態において、口腔ケアおよび全身ケア上の利点は、バイオフィルム付着防止、抗炎症、抗酸化、骨量減少抑制および抗菌上の利点を含む。
【0009】
いくつかの実施形態において、本発明は、式1の少なくとも1つのメントール誘導体および少なくとも1つの賦形剤を含む、口腔ケアおよび全身ケア上の利点を提供する組成物を開示する。
【0010】
いくつかの実施形態において、本発明は、歯周病代謝物をアップレギュレートまたはダウンレギュレートする方法のための、そして対応法のための、式1の少なくとも1つのメントール誘導体およびそれらの組成物の新規使用を開示する。いくつかの実施形態において、歯周病代謝物は健康なおよび/または病気の口腔状態に対応し、口腔健康の鑑別診断を可能にする。
【0011】
いくつかの実施形態において、本発明は、式1の少なくとも1つのメントール誘導体および少なくとも1つの賦形剤を含む、歯周病代謝物をアップレギュレートまたはダウンレギュレートする組成物を開示する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】開示された歯磨き組成物の抗炎症効力を示す図である。
【図2】開示されたメントール誘導体の抗酸化効力を示す図である。
【図3】開示された歯磨き組成物の抗酸化効力を示す図である。
【図4】開示された歯磨き組成物の骨量減少抑制効力を示す図である。
【図5】開示された歯磨き組成物の抗菌効力を示す図である。発明の詳細な説明 本開示の全体にわたって、範囲は、その範囲内のありとあらゆる値を記載するための略記として使用される。その範囲内の任意の値を範囲の境界として選択できる。さらに、本明細書に引用したすべての参考文献は、参照によりその全体が本願に組み込まれる。I.メントール誘導体の使用方法 いくつかの実施形態において、本発明は、口腔ケアおよび/または全身ケア上の利点を提供する方法のための、式1の特定のメントール誘導体およびそれらの組成物の新規使用を開示する。いくつかの実施形態において、本発明は、口腔ケア上の利点を提供する方法を開示する。いくつかの実施形態において、本発明は、全身ケア上の利点を提供する方法を開示する。いくつかの実施形態において、本発明は、口腔バイオフィルム付着防止、抗炎症、抗酸化、骨量減少抑制および抗菌上の利点から選択される少なくとも1つの口腔ケアおよび全身ケア上の利点を提供する方法を開示する。いくつかの実施形態において、本発明は、複数の口腔ケアおよび全身ケア上の利点を提供する方法を開示する。いくつかの実施形態において、本発明は、以下:口腔バイオフィルム付着防止、抗炎症、抗酸化、骨量減少抑制および抗菌上の利点の1以上を含む複数の口腔ケアおよび全身ケア上の利点を提供する方法を開示する。
【0013】
いくつかの実施形態において、本発明は、歯周病代謝物をアップレギュレートおよび/またはダウンレギュレートする方法のための、式1の特定のメントール誘導体およびそれらの組成物の新規使用を開示する。いくつかの実施形態において、本発明は、少なくとも1つの歯周病代謝物をアップレギュレートする方法を開示する。いくつかの実施形態において、本発明は、少なくとも1つの歯周病代謝物をダウンレギュレートする方法を開示する。いくつかの実施形態において、本発明は、複数の歯周病代謝物をアップレギュレートおよび/またはダウンレギュレートする方法を開示する。
A.式1の組成物
いくつかの実施形態において、本発明は、式1:
【0014】
【化2】

【0015】
(式中、Xは酸素原子またはNH基であり;
Rは非置換または置換のアリールまたは脂肪族基である)のメントール誘導体の新規使用を開示する。
【0016】
いくつかの実施形態において、Xは酸素原子である。いくつかの実施形態において、XはNH基である。いくつかの実施形態において、Rは非置換アリール基である。いくつかの実施形態において、Rは置換アリール基である。いくつかの実施形態において、Rは一置換アリール基である。いくつかの実施形態において、Rは多置換アリール基である。いくつかの実施形態において、Rは非置換脂肪族基である。いくつかの実施形態において、Rは置換脂肪族基である。いくつかの実施形態において、Rは一置換脂肪族基である。いくつかの実施形態において、Rは多置換脂肪族基である。
【0017】
式1のいくつかの実施形態において、Rは最大12個の炭素原子を有する置換アリール基であり、ここで置換基はシアノ基、ヒドロキシル基、アミド基、エステル基およびアミン基から選択される。
【0018】
式1の他の実施形態において、Rは、直鎖、分枝鎖または環式の脂肪族鎖基であるか、あるいは直鎖、分枝鎖または環式のヒドロキシ脂肪族基であり、それぞれは最大10個の炭素原子を有する。
B.口腔バイオフィルム付着防止上の利点
1.利点の説明
口腔バイオフィルム(細菌、細菌の細胞外副生成物、タンパク質、脂質および糖脂質を含む)は口腔表面に形成されるマトリックスであり、結石または歯石を形成する場所を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、口腔バイオフィルム付着防止上の利点を提供する方法を開示する。いくつかの実施形態において、本方法は、式1の少なくとも1つのメントール誘導体およびそれらの組成物を提供することを含む。
【0019】
いくつかの実施形態において、提供される口腔バイオフィルム付着防止上の利点は、口腔細菌と相互作用し、それを口腔表面に付着できないようにする式1の少なくとも1つのメントール誘導体およびそれらの組成物を含む。いくつかの実施形態において、式1の少なくとも1つのメントール誘導体およびそれらの組成物は、通常は口腔表面の受容体または他の部分との結合を容易にする、口腔細菌の表面のアドヘジン、リガンドまたは他の部分と相互作用する。いくつかの実施形態において、提供される口腔バイオフィルム付着防止上の利点は、細菌およびバイオフィルム成分が口腔または歯の表面に付着できないように口腔表面と相互作用して保護層を形成し、それによって初期の固着層(anchoring layer)が口腔表面に形成されるのを予防する式1の少なくとも1つのメントール誘導体およびそれらの組成物を含む。いくつかの実施形態において、式1の少なくとも1つのメントール誘導体およびそれらの組成物は、実質的に口腔表面をおおい、バイオフィルムマトリックスの細菌および他の成分の付着を予防することができる。
2.特定の式
いくつかの実施形態において、本発明は、式1の少なくとも1つのメントール誘導体および少なくとも1つの賦形剤を含む、口腔バイオフィルム付着防止上の利点を提供する組成物を開示する。いくつかの実施形態において、口腔バイオフィルム付着防止上の利点を提供する組成物は歯磨き組成物である。いくつかの実施形態において、歯磨き組成物は、歯磨きペースト、ゲル、口内洗浄剤、デンタルフロス、粉末剤、歯肉付着性ストリップ(gum adhering strip)、歯ブラシなどから選択されるメンバーである。いくつかの実施形態において、本発明の歯磨き組成物は歯磨きペーストである。
【0020】
いくつかの実施形態において、口腔バイオフィルム付着防止上の利点を提供する少なくとも1つのメントール誘導体は、0.05重量%〜5重量%の量で組成物中に存在する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのメントール誘導体は0.1重量%〜1重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのメントール誘導体は、0.25重量%〜0.5重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのメントール誘導体は0.25重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのメントール誘導体は0.5重量%の量で存在する。
【0021】
いくつかの実施形態において、口腔バイオフィルム付着防止上の利点を提供する少なくとも1つのメントール誘導体は
【0022】
【化3】

【0023】
である。
いくつかの実施形態において、口腔バイオフィルム付着防止上の利点を提供する少なくとも1つのメントール誘導体は
【0024】
【化4】

【0025】
である。
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの賦形剤は、界面活性剤、脱感作剤、ホワイトニング剤、抗歯石剤、抗菌剤、シリカを含む研磨剤、バインダーおよび増粘剤、洗剤、接着剤、発泡調節剤、pH調節剤、口当たり改善剤(mouth-feel agent)、甘味料、風味剤、着色剤、防腐薬、それらの組み合わせなどから選択されるメンバーである。
3.試験
384ウェルプレートにおいて、0.0004〜2500ppmの濃度範囲に関して、クリスタルバイオレットアッセイ(SOP番号:ATO-5345-00)を用いて、本発明のメントール誘導体の口腔バイオフィルム付着防止上の利点を調べた。
C.抗炎症上の利点
1.利点の説明
組織損傷によって即座に表れる結果は、特定の化学物質、すなわち、ヒスタミン、セロトニンおよびキニンの放出である。これらは炎症メディエーターであり、紅斑症、浮腫、熱、痛みおよび組織機能低下を引き起こし、増強する。
【0026】
顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)は、幹細胞を刺激して顆粒球および単球を生じさせる白血球増殖因子として作用するサイトカインである。単球は循環から離れて組織に遊走し、そこでマクロファージへと成熟する。このようにGM-CSFは免疫/炎症カスケードの一部であり、それによって少数のマクロファージを活性化することによって、マクロファージ数の急速な増加をもたらすことができる。
【0027】
インターロイキン-1b(IL-1b)は、マクロファージ、単球および樹状細胞によって産生される炎症性サイトカインである。これらは、内皮細胞上の接着因子の発現を増加させて病原体と戦う細胞である白血球の感染部位への遊走を可能にし、視床下部の体温調節中枢をリセットして、発熱として表れる、感染と戦う身体の免疫系を助ける体温上昇をもたらすことによって、感染に対する身体の炎症反応の重要な一部を形成する。
【0028】
インターロイキン-6(IL-6)は、炎症性サイトカインとして機能するもう1つのインターロイキンである。これはT細胞およびマクロファージによって分泌され、外傷、特に熱傷または組織損傷に対する免疫応答を刺激して炎症をもたらす。IL-6は、細胞内シグナル伝達カスケードを誘導する炎症性サイトカイン産生を引き起こす、細胞表面(または細胞内コンパートメント)に存在する自然免疫系の検出分子に結合する特定の微生物分子に応答してマクロファージによって分泌されることができる。
【0029】
インターロイキン-8(IL-8)は、マクロファージおよび、上皮細胞などの他の細胞型によって産生されるもう1つのサイトカインである。IL-8は炎症反応の主要なメディエーターの1つであり、化学誘引物質として機能する。これはまた、強力な血管新生因子でもある。
【0030】
腫瘍壊死因子α(TNF-α)は、全身性炎症に関与するもう1つのサイトカインであり、急性期反応を刺激するサイトカインのラジカルのメンバーである。TNF-αの主な役割は免疫細胞の制御にあり、それによって炎症を誘導することもできる。
【0031】
いくつかの実施形態において、本発明は、抗炎症上の利点を提供する方法を開示する。いくつかの実施形態において、本発明は、口腔抗炎症上の利点を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、全身性抗炎症上の利点を提供する。いくつかの実施形態において、本方法は、式1の少なくとも1つのメントール誘導体およびそれらの組成物を提供することを含む。
【0032】
いくつかの実施形態において、提供される抗炎症上の利点は、炎症に関与する少なくとも1つの化学物質の産生および/または放出を抑制する式1の少なくとも1つのメントール誘導体およびそれらの組成物を含む。いくつかの実施形態において、式1の少なくとも1つのメントール誘導体およびそれらの組成物は、GM-CSFの産生および/または放出を抑制する。いくつかの実施形態において、式1の少なくとも1つのメントール誘導体およびそれらの組成物は、IL-1bの産生および/または放出を抑制する。いくつかの実施形態において、式1の少なくとも1つのメントール誘導体およびそれらの組成物は、IL-6の産生および/または放出を抑制する。いくつかの実施形態において、式1の少なくとも1つのメントール誘導体およびそれらの組成物はIL-8の産生および/または放出を抑制する。いくつかの実施形態において、式1の少なくとも1つのメントール誘導体およびそれらの組成物は、TNF-αの産生および/または放出を抑制する。いくつかの実施形態において、式1の少なくとも1つのメントール誘導体およびそれらの組成物は、既存の抗炎症薬と同等の効力という抗炎症上の利点を提供する。いくつかの実施形態において、式1の少なくとも1つのメントール誘導体およびそれらの組成物は、トリクロサンと同等の効力という抗炎症上の利点を提供する。
2.特定の式
いくつかの実施形態において、本発明は、式1の少なくとも1つのメントール誘導体および少なくとも1つの賦形剤を含む、抗炎症上の利点を提供する組成物を開示する。いくつかの実施形態において、抗炎症上の利点を提供する組成物は歯磨き組成物である。いくつかの実施形態において、歯磨き組成物は、歯磨きペースト、ゲル、口内洗浄剤、デンタルフロス、粉末剤、歯肉付着性ストリップ、歯ブラシなどから選択されるメンバーである。いくつかの実施形態において、本発明の歯磨き組成物は歯磨きペーストである。いくつかの実施形態において、図1の少なくとも1つのメントール誘導体を含む歯磨き組成物は、既存の抗炎症歯磨きと同等の効力という抗炎症上の利点を提供する。
【0033】
いくつかの実施形態において、抗炎症上の利点を提供する少なくとも1つのメントール誘導体は、0.05重量%〜5重量%の量で組成物中に存在する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのメントール誘導体は、0.1重量%〜1重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのメントール誘導体は、0.25重量%〜0.5重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのメントール誘導体は0.25重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのメントール誘導体は0.5重量%の量で存在する。
【0034】
いくつかの実施形態において、抗炎症上の利点を提供する少なくとも1つのメントール誘導体は
【0035】
【化5】

【0036】
である。
いくつかの実施形態において、抗炎症上の利点を提供する少なくとも1つのメントール誘導体は
【0037】
【化6】

【0038】
である。
いくつかの実施形態において、抗炎症上の利点を提供する少なくとも1つのメントール誘導体は
【0039】
【化7】

【0040】
である。
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの賦形剤は、界面活性剤、脱感作剤、ホワイトニング剤、抗歯石剤、抗菌剤、シリカを含む研磨剤、バインダーおよび増粘剤、洗剤、接着剤、発泡調節剤、pH調節剤、口当たり改善剤、甘味料、風味剤、着色剤、防腐薬、それらの組み合わせなどから選択されるメンバーである。
3.試験
SOP番号:ATO-5307-00に従って、PGE2の阻害%を測定する抗炎症試験を行った。
D.抗酸化上の利点
1.利点の説明
酸化は、物質から酸化剤に電子を移動する化学反応であり、組織損傷性連鎖反応および炎症を開始するフリーラジカルを生じさせることができる。酸化ストレスは、反応性酸素の産生と、反応性中間体の解毒または結果として生じた損傷の修復を容易に行う生体システムの能力との間の不均衡の結果であり、多くの疾病状態の重要な要素となりうる。抗酸化剤は、他の分子の酸化を遅延または予防することができる還元剤である。
【0041】
いくつかの実施形態において、本発明は、抗酸化上の利点を提供する方法を開示する。いくつかの実施形態において、本方法は、式1の少なくとも1つのメントール誘導体およびそれらの組成物を提供することを含む。
【0042】
いくつかの実施形態において、提供される抗酸化上の利点は、フリーラジカル連鎖反応を停止させる式1の少なくとも1つのメントール誘導体およびそれらの組成物を含む。いくつかの実施形態において、式1の少なくとも1つのメントール誘導体およびそれらの組成物は、フリーラジカル中間体を除去する。いくつかの実施形態において、式1の少なくとも1つのメントール誘導体およびそれらの組成物は、それ自体は酸化されるが、フリーラジカルを生じないことによって他の酸化反応を抑制する。いくつかの実施形態において、式1の少なくとも1つのメントール誘導体およびそれらの組成物は、既存の抗酸化剤と同等の効力という抗酸化上の利点を提供する。いくつかの実施形態において、式1の少なくとも1つのメントール誘導体およびそれらの組成物は、ビタミンEと同等の効力という抗酸化上の利点を提供する。
2.特定の式
いくつかの実施形態において、本発明は、式1の少なくとも1つのメントール誘導体および少なくとも1つの賦形剤を含む、抗酸化上の利点を提供する組成物を開示する。いくつかの実施形態において、抗酸化上の利点を提供する組成物は歯磨き組成物である。いくつかの実施形態において、歯磨き組成物は歯磨きペースト、ゲル、口内洗浄剤、デンタルフロス、粉末剤、歯肉付着性ストリップ、歯ブラシなどから選択されるメンバーである。いくつかの実施形態において、本発明の歯磨き組成物は歯磨きペーストである。いくつかの実施形態において、式1のメントール誘導体またはそれらの混合物を含む歯磨き組成物は、既存の抗酸化歯磨きと同等の効力という抗酸化上の利点を提供する。
【0043】
いくつかの実施形態において、抗酸化上の利点を提供する少なくとも1つのメントール誘導体は、0.05重量%〜5重量%の量で組成物中に存在する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのメントール誘導体は0.1重量%〜1重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのメントール誘導体は0.25重量%〜0.5重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのメントール誘導体は0.25重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのメントール誘導体は0.5重量%の量で存在する。
【0044】
いくつかの実施形態において、抗酸化上の利点を提供する少なくとも1つのメントール誘導体は
【0045】
【化8】

【0046】
である。
いくつかの実施形態において、抗酸化上の利点を提供する少なくとも1つのメントール誘導体は
【0047】
【化9】

【0048】
である。
いくつかの実施形態において、抗酸化上の利点を提供する少なくとも1つのメントール誘導体は
【0049】
【化10】

【0050】
である。
いくつかの実施形態において、抗酸化上の利点を提供する少なくとも1つのメントール誘導体は
【0051】
【化11】

【0052】
である。
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの賦形剤は、界面活性剤、脱感作剤、ホワイトニング剤、抗歯石剤、抗菌剤、シリカを含む研磨剤、バインダーおよび増粘剤、洗剤、接着剤、発泡調節剤、pH調節剤、口当たり改善剤、甘味料、風味剤、着色剤、防腐薬、それらの組み合わせなどから選択されるメンバーである。
3.試験
抗酸化活性は、脂質ペルオキシダーゼアッセイ(Kamiaya Biomedical Co.、ワシントン州シアトル)を用いて測定した。これは、クメンヒドロペルオキシドラジカルの還元を測定する比色法である。
E.骨量減少抑制上の利点
1.利点の説明
成長、発達および治癒中の骨再形成に関与する主要な因子の1つは、多くの組織において天然の間質コラーゲンを分解するMMP-13などの間質コラゲナーゼを含むマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)である。しかしながら、関節組織においてMMPレベルの上昇が認められ、軟骨におけるII型コラーゲンのMMP-13による分解は、関節リウマチおよび変形性関節症の進行におけるサイトカインによって媒介される決定段階(committed step)である。MMP-13 mRNAの発現は副甲状腺ホルモン(PTH)によって刺激され、これは、実質的に、IL-1およびTNF-αを含む細胞シグナル伝達中間体および転写因子に応答して増加する。
【0053】
いくつかの実施形態において、本発明は骨量減少抑制上の利点を提供する方法を開示する。いくつかの実施形態において、提供される骨量減少抑制上の利点は、MMP-13 mRNAの発現を抑制する式1の少なくとも1つのメントール誘導体およびそれらの組成物を含む。いくつかの実施形態において、式1の少なくとも1つのメントール誘導体およびそれらの組成物は、副甲状腺ホルモンの産生および/または放出を抑制する。いくつかの実施形態において、式1の少なくとも1つのメントール誘導体およびそれらの組成物は、IL-1の産生および/または放出を抑制する。いくつかの実施形態において、式1の少なくとも1つのメントール誘導体およびそれらの組成物は、TNF-αの産生および/または放出を抑制する。
2.特定の式
いくつかの実施形態において、本発明は、式1の少なくとも1つのメントール誘導体および少なくとも1つの賦形剤を含む、骨量減少抑制上の利点を提供する組成物を開示する。いくつかの実施形態において、骨量減少抑制上の利点を提供する組成物は歯磨き組成物である。いくつかの実施形態において、歯磨き組成物は、歯磨きペースト、ゲル、口内洗浄剤、デンタルフロス、粉末剤、歯肉付着性ストリップ、歯ブラシなどから選択されるメンバーである。いくつかの実施形態において、本発明の歯磨き組成物は歯磨きペーストである。
【0054】
いくつかの実施形態において、骨量減少抑制上の利点を提供する少なくとも1つのメントール誘導体は、0.05重量%〜5重量%の量で組成物中に存在する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのメントール誘導体は0.1重量%〜1重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのメントール誘導体は0.25重量%〜0.5重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのメントール誘導体は0.25重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのメントール誘導体は0.5重量%の量で存在する。
【0055】
いくつかの実施形態において、骨量減少抑制上の利点を提供する少なくとも1つのメントール誘導体は
【0056】
【化12】

【0057】
である。
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの賦形剤は界面活性剤、脱感作剤、ホワイトニング剤、抗歯石剤、抗菌剤、シリカを含む研磨剤、バインダーおよび増粘剤、洗剤、接着剤、発泡調節剤、pH調節剤、口当たり改善剤、甘味料、風味剤、着色剤、防腐薬、それらの組み合わせなどから選択されるメンバーである。
3.試験
副甲状腺ホルモン(PTH)によって刺激されるMMP-13 mRNA発現の抑制を測定することによって抗MMP-13活性を測定した。
F.抗菌上の利点
1.利点の説明
いくつかの実施形態において、本発明は抗菌上の利点を提供する方法を開示する。いくつかの実施形態において、提供される抗菌上の利点は、微生物の細胞膜の脂質画分を撹乱する式1の少なくとも1つのメントール誘導体およびそれらの組成物を含む。いくつかの実施形態において、式1の少なくとも1つのメントール誘導体およびそれらの組成物は微生物膜の透過性を変化させ、細胞内物質の漏出および細胞死を引き起こす。いくつかの実施形態において、式1の少なくとも1つのメントール誘導体およびそれらの組成物は、微生物の細胞膜を通過し、細胞内部に侵入し、抗菌活性に重要な細胞内部位と相互作用する。
2.特定の式
いくつかの実施形態において、本発明は、式1の少なくとも1つのメントール誘導体および少なくとも1つの賦形剤を含む、抗菌上の利点を提供する組成物を開示する。いくつかの実施形態において、抗菌上の利点を提供する組成物は歯磨き組成物である。いくつかの実施形態において、歯磨き組成物は、歯磨きペースト、ゲル、口内洗浄剤、デンタルフロス、粉末剤、歯肉付着性ストリップ、歯ブラシなどから選択されるメンバーである。いくつかの実施形態において、本発明の歯磨き組成物は歯磨きペーストである。
【0058】
いくつかの実施形態において、抗菌上の利点を提供する少なくとも1つのメントール誘導体は、0.05重量%〜5重量%の量で組成物中に存在する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのメントール誘導体は0.1重量%〜1重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのメントール誘導体は0.25重量%〜0.5重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのメントール誘導体は0.25重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのメントール誘導体は0.5重量%の量で存在する。
【0059】
いくつかの実施形態において、抗菌上の利点を提供する少なくとも1つのメントール誘導体は
【0060】
【化13】

【0061】
である。
いくつかの実施形態において、抗菌上の利点を提供する少なくとも1つのメントール誘導体は
【0062】
【化14】

【0063】
である。
いくつかの実施形態において、抗菌上の利点を提供する少なくとも1つのメントール誘導体は
【0064】
【化15】

【0065】
である。
いくつかの実施形態において、抗菌上の利点を提供する少なくとも1つのメントール誘導体は
【0066】
【化16】

【0067】
である。
いくつかの実施形態において、抗菌上の利点を提供する少なくとも1つのメントール誘導体は
【0068】
【化17】

【0069】
である。
いくつかの実施形態において、抗菌上の利点を提供する少なくとも1つのメントール誘導体は
【0070】
【化18】

【0071】
である。
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの賦形剤は界面活性剤、脱感作剤、ホワイトニング剤、抗歯石剤、抗菌剤、シリカを含む研磨剤、バインダーおよび増粘剤、洗剤、接着剤、発泡調節剤、pH調節剤、口当たり改善剤、甘味料、風味剤、着色剤、防腐薬、それらの組み合わせなどから選択されるメンバーである。
3.試験
最小発育阻止濃度(MIC)の測定のために、SOP番号:ATO-5308-00に従って抗菌試験を行った。
G.歯周病代謝物の制御
1.定義
本明細書において、“健康な口腔状態”とは、歯肉炎および/または歯周病の非存在を意味する。
【0072】
本明細書において、“歯周病”とは、歯肉または歯茎組織を含む歯周組織;歯根のセメント質または外層;歯を固定する歯槽骨または骨性窩;および、セメント質と歯槽骨の間に存在する結合組織繊維である歯根膜の炎症を意味し、歯肉炎を含む。
2.一般代謝物
歯肉溝滲出液における歯周病代謝物は、健康なおよび/または歯周病の口腔状態に対応し、口腔健康の鑑別診断を可能にする。歯周病代謝物は、アミノ酸代謝で生成される化合物;尿素サイクルで生成される化合物;グルタチオンの変換で生成される化合物;脂質代謝で生成される化合物;炭水化物代謝で生成される化合物;核酸代謝で生成される化合物;ビタミン;および補因子から選択されることができる。
【0073】
本明細書記載の歯周病代謝物は、メタボロミクスプロファイリング(metablomic profiling)技術を用いて見出した。このようなメタボロミクスプロファイリング技術は、米国特許第7,005,225号および米国特許第7,329,489号;ならびに米国特許出願第11/357,732号;米国特許出願第11/301,077号(米国特許出願公開第2006/0134676号);米国特許出願第11/301,078号(米国特許出願公開第2006/0134677号);米国特許出願第11/301,079号(米国特許出願公開第2006/0134678号)および米国特許出願第11/405,033号(米国特許出願公開第2007/0072203号);に記載されており、その全内容は参照により本願に組み込まれる。
【0074】
いくつかの実施形態において、本発明は、歯周病代謝物をアップレギュレートまたはダウンレギュレートする方法のための、式1の特定のメントール誘導体およびそれらの組成物の新規使用を開示する。いくつかの実施形態において、アップレギュレートまたはダウンレギュレートされる代謝物は、アミノ酸代謝で生成される化合物、尿素サイクルで生成される化合物;グルタチオンの変換で生成される化合物;脂質代謝で生成される化合物;炭水化物代謝で生成される化合物;核酸代謝で生成される化合物;ビタミン;および補因子から選択される少なくとも1つの化合物である。
3.アップレギュレーション
いくつかの実施形態において、本発明は、歯周病代謝物をアップレギュレートする方法を開示する。いくつかの実施形態において、歯周病代謝物をアップレギュレートする方法は、尿酸、還元型グルタチオン、酸化型グルタチオン、アスコルビン酸およびグルタミンからなる基から選択される少なくとも1つの代謝物をアップレギュレートする式1のメントール誘導体およびそれらの組成物を含む。
【0075】
いくつかの実施形態において、本発明は、式1の少なくとも1つのメントール誘導体および少なくとも1つの賦形剤を含む、歯周病代謝物をアップレギュレートする組成物を開示する。いくつかの実施形態において、歯周病代謝物をアップレギュレートする組成物は歯磨き組成物である。いくつかの実施形態において、歯磨き組成物は、歯磨きペースト、ゲル、口内洗浄剤、デンタルフロス、粉末剤、歯肉付着性ストリップ、歯ブラシなどから選択されるメンバーである。いくつかの実施形態において、本発明の歯磨き組成物は歯磨きペーストである。
【0076】
いくつかの実施形態において、歯周病代謝物をアップレギュレートする少なくとも1つのメントール誘導体は、0.05重量%〜5重量%の量で組成物中に存在する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのメントール誘導体は、0.1重量%〜1重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのメントール誘導体は、0.25重量%〜0.5重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのメントール誘導体は0.25重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのメントール誘導体は0.5重量%の量で存在する。
【0077】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの賦形剤は、界面活性剤、脱感作剤、ホワイトニング剤、抗歯石剤、抗菌剤、シリカを含む研磨剤、バインダーおよび増粘剤、洗剤、接着剤、発泡調節剤、pH調節剤、口当たり改善剤、甘味料、風味剤、着色剤、防腐薬、それらの組み合わせなどから選択されるメンバーである。
4.ダウンレギュレーション
いくつかの実施形態において、本発明は、歯周病代謝物をダウンレギュレートする方法を開示する。いくつかの実施形態において、歯周病代謝物をダウンレギュレートする方法は、イノシン、ヒポキサンチン、グアノシン、グアニン、ロイシン、イソロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、フェニル酢酸、α-ヒドロキシカプロン酸、5-アミノ吉草酸、コリン、グリセロール-3-ホスファートおよびN-アセチルノイラミン酸からなる基から選択される少なくとも1つの代謝物をダウンレギュレートする式1のメントール誘導体およびそれらの組成物を含む。
【0078】
いくつかの実施形態において、本発明は、式1の少なくとも1つのメントール誘導体および少なくとも1つの賦形剤を含む、歯周病代謝物をダウンレギュレートする組成物を開示する。いくつかの実施形態において、歯周病代謝物をダウンレギュレートする組成物は歯磨き組成物である。いくつかの実施形態において、歯磨き組成物は、歯磨きペースト、ゲル、口内洗浄剤、デンタルフロス、粉末剤、歯肉付着性ストリップなどから選択されるメンバーである。いくつかの実施形態において、本発明の歯磨き組成物は歯磨きペーストである。
【0079】
いくつかの実施形態において、歯周病代謝物をダウンレギュレートする少なくとも1つのメントール誘導体は、0.05重量%〜5重量%の量で組成物中に存在する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのメントール誘導体は、0.1重量%〜1重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのメントール誘導体は、0.25重量%〜0.5重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのメントール誘導体は、0.25重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのメントール誘導体は、0.5重量%の量で存在する。
【0080】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの賦形剤は、界面活性剤、脱感作剤、ホワイトニング剤、抗歯石剤、抗菌剤、シリカを含む研磨剤、バインダーおよび増粘剤、洗剤、接着剤、発泡調節剤、pH調節剤、口当たり改善剤、甘味料、風味剤、着色剤、防腐薬、それらの組み合わせなどから選択される。
II.メントール誘導体を含む組成物
A.一般的な組成物
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、口腔ケアおよび/または全身ケア上の利点を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、口腔ケア上の利点を提供する組成物を開示する。いくつかの実施形態において、本発明は、全身ケア上の利点を提供する組成物を開示する。いくつかの実施形態において、本発明は、口腔バイオフィルム付着防止、抗炎症、抗酸化、骨量減少抑制および抗菌上の利点から選択される少なくとも1つの口腔ケアおよび全身ケア上の利点を提供する組成物を開示する。いくつかの実施形態において、本発明は、複数の口腔ケアおよび全身ケア上の利点を提供する組成物を開示する。いくつかの実施形態において、本発明は、口腔バイオフィルム付着防止、抗炎症、抗酸化、骨量減少抑制および抗菌上の利点を含む口腔ケアおよび全身ケア上の利点を提供する組成物を開示する。
【0081】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、少なくとも1つの歯周病代謝物をアップレギュレートおよび/またはダウンレギュレートする。いくつかの実施形態において、本発明は、少なくとも1つの歯周病代謝物をアップレギュレートする組成物を開示する。いくつかの実施形態において、本発明は、少なくとも1つの歯周病代謝物をダウンレギュレートする組成物を開示する。いくつかの実施形態において、本発明は、複数の歯周病代謝物をアップレギュレートおよび/またはダウンレギュレートする組成物を開示する。
【0082】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は口腔に使用するのに適した口腔組成物である。いくつかの実施形態において、口腔組成物は、口腔経由の摂取に適している。いくつかの実施形態において、本発明の口腔組成物は、限定するものではないが、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム、エマルション、懸濁液、エアゾール、スプレー、口腔洗浄液、医薬品、カプセル、顆粒、ロゼンジ、錠剤、デザートおよびチューインガムを含む。いくつかの実施形態において、組成物は口腔ケア組成物である。いくつかの実施形態において、口腔ケア組成物は歯磨き組成物である。いくつかの実施形態において、歯磨き組成物は歯磨きペースト、ゲル、口内洗浄剤、デンタルフロス、粉末剤、歯肉付着性ストリップなどから選択されるメンバーである。いくつかの実施形態において、本発明の歯磨き組成物は歯磨きペーストである。
【0083】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、体腔外に使用するのに適した局所組成物である。いくつかの実施形態において、本発明の局所組成物は、限定するものではないが、石鹸、合成洗剤、液体シャワー用/浴用剤、エマルション、軟膏、ペースト、ゲル、ボディーオイル、トナー、バルサム、血清、粉末剤、オードトワレ、コロン、香水、ワックス、エアゾール、フットケア製品、防虫剤、日焼け止め剤、日焼け後剤、シェービング剤またはアフターシェーブ剤、脱毛剤、ヘアケア剤、ネイルケア剤、脱臭剤および/または発汗抑制剤ならびに化粧品を含む。いくつかの実施形態において、組成物は局所ケア組成物である。いくつかの実施形態において、局所ケア組成物は軟膏、クリーム、懸濁液、ローション、粉末剤、溶液、ペースト、ゲル、スプレー、エアゾール、オイルなどから選択されるメンバーである。
1.口腔ケア組成物
いくつかの実施形態において、本発明の口腔ケア組成物は、式1の少なくとも1つのメントール誘導体および少なくとも1つの賦形剤を含む。本発明に使用するのに適したメントール誘導体は、式1:
【0084】
【化19】

【0085】
(式中、Xは酸素原子またはNH基であり;
Rは非置換または置換のアリールまたは脂肪族基である)に従う。
いくつかの実施形態において、本発明の口腔ケア組成物は、式1(式中、Xは酸素原子である)の少なくとも1つのメントール誘導体を含む。いくつかの実施形態において、XはNH基である。いくつかの実施形態において、本発明の口腔ケア組成物は、式1(式中、Rは非置換アリール基である)の少なくとも1つのメントール誘導体を含む。いくつかの実施形態において、Rは置換アリール基である。いくつかの実施形態において、Rは一置換アリール基である。いくつかの実施形態において、Rは多置換アリール基である。いくつかの実施形態において、Rは非置換脂肪族基である。いくつかの実施形態において、Rは置換脂肪族基である。いくつかの実施形態において、Rは一置換脂肪族基である。いくつかの実施形態において、Rは多置換脂肪族基である。
【0086】
いくつかの実施形態において、本発明の口腔ケア組成物は、式1(式中、Rは最大12個の炭素原子を有する置換アリール基であり、ここで置換基はシアノ基、ヒドロキシル基、アミド基、エステル基、およびアミン基から選択される)の少なくとも1つのメントール誘導体を含む。
【0087】
いくつかの実施形態において、本発明の口腔ケア組成物は、式1(式中、Rは直鎖、分枝鎖または環式の脂肪族鎖基であるか、あるいは直鎖、分枝鎖または環式のヒドロキシ脂肪族基であり、それぞれは最大10個の炭素原子を有する)の少なくとも1つのメントール誘導体を含む。
【0088】
いくつかの実施形態において、本発明の口腔ケア組成物は、0.05重量%〜5重量%の有効量で式1の少なくとも1つのメントール誘導体を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのメントール誘導体は、0.1重量%〜1重量%の有効量で存在する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのメントール誘導体は、0.25重量%〜0.5重量%の有効量で存在する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのメントール誘導体は、0.25重量%の有効量で存在する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのメントール誘導体は、0.5重量%の有効量で存在する。
B.特定のメントール誘導体
本発明に使用するのに適したメントール誘導体は式1:
【0089】
【化20】

【0090】
(式中、Xは酸素原子またはNH基であり;
Rは非置換または置換のアリールまたは脂肪族基である)に従う。
いくつかの実施形態において、Xは酸素原子である。いくつかの実施形態において、XはNH基である。いくつかの実施形態において、Rは非置換アリール基である。いくつかの実施形態において、Rは置換アリール基である。いくつかの実施形態において、Rは一置換アリール基である。いくつかの実施形態において、Rは多置換アリール基である。いくつかの実施形態において、Rは非置換脂肪族基である。いくつかの実施形態において、Rは置換脂肪族基である。いくつかの実施形態において、Rは一置換脂肪族基である。いくつかの実施形態において、Rは多置換脂肪族基である。
【0091】
式1のいくつかの実施形態において、Rは最大12個の炭素原子を有する置換アリール基であり、ここで置換基はシアノ基、ヒドロキシル基、アミド基、エステル基、およびアミン基から選択される。
【0092】
式1の他の実施形態において、Rは直鎖、分枝鎖または環式の脂肪族鎖基であるか、または直鎖、分枝鎖または環式のヒドロキシ脂肪族基であり、それぞれは最大10個の炭素原子を有する。
【0093】
いくつかの実施形態において、Rは
【0094】
【化21】

【0095】
(式中、Yはヒドロキシルまたはシアノ基である)である。
いくつかの実施形態において、Rは
【0096】
【化22】

【0097】
から選択される少なくとも1つのメンバーである。
いくつかの実施形態において、Rは、上記のように、少なくとも口腔バイオフィルム付着防止上の利点を提供し、
【0098】
【化23】

【0099】
から独立して選択されることができる。
いくつかの実施形態において、Rは、口腔細菌と相互作用し、それを口腔表面に付着できないようにすることによって、口腔バイオフィルム付着防止上の利点を提供する。いくつかの実施形態において、Rは、通常は口腔表面の受容体または他の部分との結合を容易にする、口腔細菌の表面のアドヘジン、リガンドまたは他の部分と相互作用する。いくつかの実施形態において、Rは、細菌およびバイオフィルム成分が口腔または歯の表面に接着できないように口腔表面と相互作用して保護層を形成し、それによって初期の固着層が口腔表面に形成されるのを予防することによって、口腔バイオフィルム付着防止上の利点を提供する。いくつかの実施形態において、Rは、実質的に口腔表面をおおい、バイオフィルムマトリックスの細菌および他の成分の付着を予防することができる。
【0100】
いくつかの実施形態において、Rは、上記のように、少なくとも抗酸化上の利点を提供し、
【0101】
【化24】

【0102】
から独立して選択されることができる。
いくつかの実施形態において、Rは、フリーラジカル連鎖反応を停止させることによって抗酸化上の利点を提供する。いくつかの実施形態において、Rはフリーラジカル中間体を除去する。いくつかの実施形態において、Rは、それ自体は酸化されるが、フリーラジカルを生じないことによって他の酸化反応を抑制する。いくつかの実施形態において、Rは、既存の抗酸化剤と同等の効力という抗酸化上の利点を提供する。いくつかの実施形態において、Rは、ビタミンEと同等の効力という抗酸化上の利点を提供する。
【0103】
いくつかの実施形態において、Rは、少なくとも抗炎症上の利点を提供し、
【0104】
【化25】

【0105】
から独立して選択されることができる。
いくつかの実施形態において、Rは、炎症に関与する少なくとも1つの化学物質の産生および/または放出を抑制することによって抗炎症上の利点を提供する。いくつかの実施形態において、Rは、GM-CSFの産生および/または放出を抑制する。いくつかの実施形態において、Rは、IL-1bの産生および/または放出を抑制する。いくつかの実施形態において、Rは、IL-6の産生および/または放出を抑制する。いくつかの実施形態において、Rは、IL-8の産生および/または放出を抑制する。いくつかの実施形態において、Rは、TNF-αの産生および/または放出を抑制する。いくつかの実施形態において、Rは、既存の抗炎症薬と同等の効力という抗炎症上の利点を提供する。いくつかの実施形態において、Rは、トリクロサンと同等の効力という抗炎症上の利点を提供する。
【0106】
いくつかの実施形態において、Rは、少なくとも抗菌上の利点を提供し、
【0107】
【化26】

【0108】
から独立して選択されることができる。
いくつかの実施形態において、Rは、微生物の細胞膜の脂質分画を撹乱することによって抗菌上の利点を提供する。いくつかの実施形態において、Rは、微生物膜の透過性を変化させ、細胞内物質の漏出および細胞死を引き起こす。いくつかの実施形態において、Rは、微生物の細胞膜を通過し、細胞内部に侵入し、抗菌活性に重要な細胞内部位と相互作用する。
【0109】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、式1の少なくとも1つのメントール誘導体を含み、ここで少なくとも1つの化合物は
【0110】
【化27】

【0111】
である。
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、式1の少なくとも1つのメントール誘導体を含み、ここで少なくとも1つの化合物は
【0112】
【化28】

【0113】
である。
いくつかの実施形態において、a本発明の組成物は、式1の少なくとも1つのメントール誘導体を含み、ここで少なくとも1つの化合物は
【0114】
【化29】

【0115】
である。
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、式1の少なくとも1つのメントール誘導体を含み、ここで少なくとも1つの化合物は
【0116】
【化30】

【0117】
である。
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、式1の少なくとも1つのメントール誘導体を含み、ここで少なくとも1つの化合物は
【0118】
【化31】

【0119】
である。
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、式1の少なくとも1つのメントール誘導体を含み、ここで少なくとも1つの化合物は
【0120】
【化32】

【0121】
である。
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、式1の少なくとも1つのメントール誘導体を含み、ここで少なくとも1つの化合物は
【0122】
【化33】

【0123】
である。
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、式1の少なくとも1つのメントール誘導体を含み、ここで少なくとも1つの化合物は
【0124】
【化34】

【0125】
である。
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、式1の少なくとも1つのメントール誘導体を含み、ここで少なくとも1つの化合物は
【0126】
【化35】

【0127】
である。
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、式1の少なくとも1つのメントール誘導体を含み、ここで少なくとも1つの化合物は
【0128】
【化36】

【0129】
である。
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、式1の少なくとも1つのメントール誘導体を含み、ここで少なくとも1つの化合物は
【0130】
【化37】

【0131】
である。
B.賦形剤
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、少なくとも1つの賦形剤を含む。本発明に使用するのに適した賦形剤は、口腔および/または局所組成物において従来用いられ、式1のメントール誘導体の効力を変化させない任意の化合物を含む。
1.口腔組成物
本発明の口腔組成物に適している賦形剤は、限定するものではないが、防腐薬、研磨剤(平滑化剤)、さらなる抗菌剤、炎症抑制剤、刺激予防剤、刺激抑制剤、さらなる抗菌剤、抗酸化剤、バインダー、(鉱物)充填剤、緩衝液、担体材料、キレート剤(キレート形成剤)、クリーニング剤、ケア剤、界面活性物質、乳化剤、酵素、フォーム形成剤、フォーム安定剤、フォームブースター、ゲル化剤、ゲル形成剤、漂白剤、香りおよび/または風味調節薬、香りおよび/または風味低減薬、香りおよび/または風味促進剤、可塑剤、(粘膜)/皮膚冷却剤(冷却物質)、(粘膜)/皮膚無痛化剤 (粘膜)/皮膚洗浄剤、(粘膜)/皮膚ケア剤、(粘膜)/皮膚治癒剤、粘膜保護剤、安定剤、縣濁化剤、ビタミン、着色剤、着色防止剤、色素、界面活性剤、電解質、シリコーン誘導体、ポリオール、炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、酸化アルミニウム、フッ化物、亜鉛、スズ、カリウム、ナトリウムおよびストロンチウム塩、ピロリン酸塩、ヒドロキシアパタイトを含む。
a.風味剤
いくつかの実施形態において、本発明の口腔組成物は風味剤を含む。いくつかの実施形態において、風味剤は、粘膜冷却剤、粘膜加温剤、酸味物質、甘味料、代替糖、有機または無機の酸性化剤(例えば、リンゴ酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、リン酸)、苦味物質(例えば、キニーネ、カフェイン、リモニン、アマロゲンチン、フモロン、ルポロン、カテコール、タンニン)、可食性ミネラル塩(例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウムおよびリン酸ナトリウム)、精油(例えば、スペアミント、セイヨウハッカ、ウィンターグリーン、ササフラス、チョウジ、セージ、ユーカリノキ、マジョラム、シナモン、レモン、ライム、グレープフルーツおよびオレンジのオイル)、メントール、カルボン、アネトールおよびそれらの組み合わせから選択されるメンバーである。
b.研磨剤
本発明に使用するのに適した研磨剤は、シリカ材料、特に100cc/シリカ100g未満の吸油価、好ましくは45cc/シリカ100g〜70cc/シリカ100gの吸油価を有するシリカゲルおよび沈降非晶質シリカを含む。吸油価はASTM Rub-Out Method D281を用いて測定する。本発明の実施に特に有用な低吸油シリカ研磨剤は、商品名Sylodent(登録商標)XWA(Davison Chemical Division of W. R. Grace & Co.、メリーランド州ボルティモア(郵便番号21203))で市販されている。水分含有量29重量%、粒径7〜10ミクロン、吸油70cc/シリカ100g未満のコロイダルシリカ粒子で構成されるシリカハイドロゲルであるSylodent(登録商標)650 XWAは、本発明の実施に有用な低吸油シリカ研磨剤の好ましい例である。本発明の実施に特に有用なもう1つの低吸油シリカ研磨剤は、商品名DP-105(登録商標)(J. M. Huber Chemicals Division、メリーランド州ハバー・ド・グラース(郵便番号21078))で市販されており、平均粒径分布5〜12ミクロン、吸油50〜70cc/100gの沈降非晶質シリカである。本発明の実施に使用できる他の研磨剤は、最大20ミクロンの平均粒径を有する沈降シリカ、例えばZeodent(登録商標)115、(J. M. Huber Chemicals Division、メリーランド州ハバー・ド・グラース(郵便番号21078))またはSylodent(登録商標)783(Davison Chemical Division of W. R. Grace & Company)、メタリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、リン酸三カルシウム、リン酸水素カルシウム二水和物、ケイ酸アルミニウム、か焼アルミナ、ベントナイトもしくは他のシリカ質材料またはそれらの組み合わせを含む。
【0132】
いくつかの実施形態において、本発明の口腔組成物は研磨用賦形剤を含む。いくつかの実施形態において、研磨用賦形剤はシリカ材料である。いくつかの実施形態において、シリカ材料は、平均粒径3ミクロン〜12ミクロンのコロイド粒子である。いくつかの実施形態において、5重量%スラリーで測定するとき、コロイド粒子は平均粒径5〜10ミクロンを有し、pH範囲は4〜10、好ましくは6〜9である。いくつかの実施形態において、シリカ材料は低吸油シリカ研磨剤である。いくつかの実施形態において、低吸油シリカ研磨剤は、本発明の口腔ケア組成物中に5重量%〜40重量%の濃度で存在する。いくつかの実施形態において、低吸油シリカ研磨剤は、10重量%〜30重量%の濃度で存在する。
【0133】
いくつかの実施形態において、研磨用賦形剤は、ケイ酸、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、酸化アルミニウムおよび/またはヒドロキシアパタイト、メタリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、リン酸三カルシウム、リン酸水素カルシウム二水和物、ケイ酸アルミニウム、か焼アルミナ、ベントナイト、界面活性物質(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、およびコカミドプロピルベタイン)および他のシリカ質材料ならびにそれらの組み合わせから選択されるメンバーである。
【0134】
いくつかの実施形態において、研磨用賦形剤は、本発明の口腔組成物の製造における単独の研磨剤として個別に用いることもできるし、既知の他の歯磨き研磨剤と組み合わせて用いることもできる。いくつかの実施形態において、本発明の歯磨き組成物に存在する研磨用賦形剤の総量は5重量%〜60重量%である。いくつかの実施形態において、歯磨き組成物が歯磨きペーストである場合、研磨用賦形剤は10重量%〜55重量%の量で存在する。
c.抗菌剤
本発明に使用するのに適した抗菌剤は、2,4,4'-トリクロロ-2'-ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)および2,2'-ジヒドロキシ-5,5'-ジブロモジフェニルエーテルなどのハロゲン化ジフェニルエーテル化合物を含む非イオン性抗菌剤を含む。他の有用な非イオン性抗菌剤は、フェノールおよびそのホモログ、モノ(ポリ)アルキルおよび芳香族ハロフェノール、レゾルシノールおよびその誘導体ならびにビスフェノール性化合物を含むフェノール化合物を含み、このようなフェノール化合物は米国特許第5,368,844号にさらに十分に開示されている(その開示は参照により本願に組み込まれる)。
【0135】
いくつかの実施形態において、本発明の口腔組成物は抗菌剤を含む。いくつかの実施形態において、抗菌剤は、トリクロサン、クロルヘキシジンおよびその塩(例えば、その酢酸塩、グルコン酸塩または塩酸塩)、過酸化物、フェノールおよびそれらの塩、臭化ドミフェン(臭化フェノドデシニウム)、ブロモクロロフェン、Zn塩、クロロフィル、Cu塩、グルコン酸銅、Cu‐クロロフィル、ラウリル硫酸ナトリウム、cocoアリファティックジメチルアンモニウムクロリドなどの四級モノアンモニウム塩あるいはまた塩化セチルピリジニウムなどのピリジニウム塩およびそれらの組み合わせから選択されるメンバーである。
【0136】
いくつかの実施形態において、抗菌剤は非イオン性抗菌剤である。いくつかの実施形態において、非イオン性抗菌剤は、0.10重量%〜5重量%の濃度で歯磨き組成物に含まれる。いくつかの実施形態において、非イオン性抗菌剤は0.3重量%〜1.2重量%の量で存在する。
d.抗う蝕剤
いくつかの実施形態において、本発明の口腔組成物は抗う蝕剤を含む。いくつかの実施形態において、抗う蝕剤は、無機フッ化物塩、例えば可溶性のアルカリ金属、アルカリ土塁金属塩(例えば、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アンモニウム、フッ化カルシウム)、フッ化第一銅などのフッ化銅、フッ化亜鉛、フッ化バリウム、ケイフッ化ナトリウム、ケイフッ化アンモニウム、フルオロジルコン酸ナトリウム、フルオロジルコン酸アンモニウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、アルミニウムモノおよびジフルオロホスフェート、フッ素化ピロリン酸ナトリウムカルシウムならびにそれらの組み合わせから選択されるフッ化物イオン供給源である。
e.歯磨きビヒクル
いくつかの実施形態において、本発明の口腔組成物は、口腔で許容される歯磨きビヒクルを含む。いくつかの実施形態において、歯磨きビヒクルは、その中に湿潤剤を含む。本発明に使用するのに適した湿潤剤は、グリセリン、ソルビトール、キシリトールおよび/または分子量200〜1,000のプロピレングリコールを含む。本明細書において、“ソルビトール”は、一般的に70%水溶液で市販されているその物質のことを言う。いくつかの実施形態において、湿潤剤の濃度は口腔組成物の5重量%〜70重量%である。
【0137】
いくつかの実施形態において、本発明の口腔組成物は水を含む。商業的に適した歯磨きペーストの製造に用いる水は、好ましくは、脱イオンされ、有機不純物を含まないものでなければならない。いくつかの実施形態において、水は口腔組成物の15重量%〜30重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、水は10重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、これらの水の量は、ソルビトールなどの他の物質と共に導入される水に加えて加えられるフリー水を含む。
f.界面活性剤
本発明の組成物に使用するのに適した界面活性剤は、予防効果を増強し、組成物をより化粧用に許容されるようにすることができる任意の物質を含む。界面活性剤は、好ましくは、組成物に洗浄性と発泡性を付与する洗浄物質である。
【0138】
いくつかの実施形態において、本発明の口腔組成物は界面活性剤を含む。いくつかの実施形態において、本発明の口腔組成物は界面活性剤の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウムなどの高級アルキル硫酸塩を含む陰イオン界面活性剤である。いくつかの実施形態において、界面活性剤は、非イオン性ポリオキシエチレン界面活性剤、例えばPluronic(登録商標)F127、Polyoxamer 407、Steareth 30、ポリソルベート20;ならびに両性界面活性剤、例えばコカミドプロピルベタインおよびコカミドプロピルベタイン ラウリルグルコシドから選択される酵素適合性界面活性剤である。いくつかの実施形態において、本発明の口腔組成物は、歯磨き組成物においては、2重量%〜10重量%の総界面活性剤濃度で界面活性剤または界面活性剤の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、界面活性剤または界面活性剤の組み合わせは3.5重量%〜6.5重量%の量で存在する。
g.抗歯石剤
いくつかの実施形態において、本発明の口腔組成物は抗歯石剤を含む。いくつかの実施形態において、抗歯石剤は、ジアルカリまたはテトラアルカリ金属ピロリン酸塩を含むピロリン酸塩、例えばNa4P2O7、K4P2O7、Na2K2P2O7、Na2H2P2O7およびK2H2P2O7;トリポリリン酸ナトリウム;長鎖ポリリン酸、例えばヘキサメタリン酸ナトリウム;ならびに環式リン酸塩、例えばトリメタリン酸ナトリウムから選択される。いくつかの実施形態において、抗歯石剤は、本発明の歯磨き組成物中に1重量%〜5重量%の濃度で存在する。
h.増粘剤
いくつかの実施形態において、本発明の口腔組成物は増粘剤を含む。いくつかの実施形態において、増粘剤は、セルロース増粘剤、例えばカルボキシメチルセルロースを含む天然および合成のゴムおよびコロイド;ヒドロキシアルキルセルロース、例えばヒドロキシプロピルセルロース ヒドロキシエチルセルロース;ゴム、例えばキサンタンガム;商品名Polyox(登録商標)で販売されている種々の分子量のポリグリコール;ならびにポリエチレングリコールから選択される有機増粘剤である。いくつかの実施形態において、増粘剤は、非晶質シリカ化合物、例えば商品名Cab-o-Sil(登録商標)(Cabot Corporationによって製造され、Lenape Chemical(ニュージャージー州バウンドブルック)によって販売されている)で入手可能なコロイダルシリカ化合物;Zeodent(登録商標)165(J.M.Huber Chemicals Division、メリーランド州ハバー・ド・グラース(郵便番号21078));Sylodent(登録商標)15(Davison Chemical Division of W. R. Grace & Co.、メリーランド州ボルティモア(郵便番号21203));天然および合成の粘土;ケイ酸リチウムマグネシウム(Laponite);ならびにケイ酸アルミニウムマグネシウム(ビーガム)から選択される無機増粘剤である。いくつかの実施形態において、増粘剤は、本発明の歯磨き組成物中に0.1重量%〜10重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、増粘剤は0.5重量%〜4.0重量%の量で存在する。
i.抗酸化剤
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は抗酸化剤を含む。いくつかの実施形態において、抗酸化剤は、天然に存在するトコフェロールおよびそれらの誘導体(例えば、ビタミンE酢酸エステル)、ビタミンCならびにその塩および誘導体(例えば、パルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルMg、酢酸アスコルビル)、ビタミンAおよび誘導体(ビタミンAパルミタート)、トコトリエノール、フラボノイド、α-ヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸)およびそれらのNa、KaおよびCa塩、フラボノイド、ケルセチン、フェノール性ベンジルアミン、没食子酸プロピル、没食子酸オクチル、没食子酸ドデシル、ブチルヒドロキシアニソール(BHA、E320)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、E321)、レシチン、クエン酸でエステル化された可食性脂肪酸のモノおよびジグリセリド、カロテノイド、カロテン(例えば、α-カロテン、β-カロテン、リコペン)およびそれらの誘導体、フィチン酸、ラクトフェリン、EDTA、EGTA)、葉酸およびその誘導体、ユビキノンおよびユビキノールならびにそれらの誘導体、フェルラ酸およびその誘導体、亜鉛およびその誘導体(例えば、ZnO、ZnSO4)、セレンおよびその誘導体(例えば、セレニウムメチオニン)、オルトリン酸塩およびモノリン酸のNa、KおよびCa塩ならびに植物から単離されたそれらの成分、抽出物および画分(例えば、茶、緑茶、藻、グレープシード、小麦胚芽、カモミール、ローズマリー、オレガノ)、ならびにそれらの組み合わせから選択される。
2.局所組成物
本発明の局所組成物に適している賦形剤は、限定するものではないが、溶媒、防腐薬、研磨剤(平滑化剤)、さらなる抗菌剤、炎症抑制剤、刺激予防剤、刺激抑制剤、さらなる抗菌剤、抗酸化剤、収斂剤、帯電防止剤、バインダー、(鉱物)充填剤、緩衝液、担体材料、キレート剤(キレート形成剤)、クリーニング剤、ケア剤、界面活性物質、消臭剤、乳化剤、酵素、繊維、フィルム形成剤(フィルム形成物質)、定着剤、フォーム形成剤、発泡抑制物質、フォーム安定剤、フォームブースター、ゲル化剤、ゲル形成剤、保湿剤(モイスチャライザー)、湿潤剤、水分保持物質、漂白剤、増白剤(例えば、過酸化水素)、含浸剤、摩擦低減剤、滑沢剤、香りおよび/または風味調節薬、香りおよび/または風味低減薬、香りおよび/または風味促進剤、乳白剤、可塑剤、被覆剤、光沢剤、シリコーン、(粘膜)/皮膚冷却剤(冷却物質)、(粘膜)/皮膚無痛化剤 (粘膜)/皮膚洗浄剤、(粘膜)/皮膚ケア剤、(粘膜)/皮膚治癒剤、粘膜保護剤、UVフィルター、安定剤、縣濁化剤、ビタミン、脂肪油、ワックス、グリース、リン脂質、飽和脂肪酸、モノまたは高度不飽和脂肪酸、α-ヒドロキシ酸、ポリヒドロキシ酸、液化剤、着色剤、着色防止剤、色素、界面活性剤、電解質、シリコーン誘導体、ポリオール、有機溶媒、ケイ酸、炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、酸化アルミニウム、フッ化物、亜鉛、スズ、カリウム、ナトリウムおよびストロンチウム塩、ピロリン酸塩、ヒドロキシアパタイトを含む。
a.溶媒
いくつかの実施形態において、本発明の局所組成物は溶媒を含む。いくつかの実施形態において、溶媒は、限定するものではないが、水または水溶液;オイル、例えば、カプリン酸またはカプリル酸のトリグリセリド;ならびにアルコール、ジオールまたはポリオールおよびそれらのエーテルからなる基から選択され、好ましくはエタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセロール、エチレングリコールおよびそれらの組み合わせからなる基から選択される。
b.増粘剤
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は増粘剤を含む。いくつかの実施形態において、増粘剤は、炭酸カルシウム、二酸化チタン、二酸化ケイ素、滑石粉、酸化アルミニウム、リン酸水素カルシウム、リン酸三カルシウム、水酸化マグネシウム、セルロース増粘剤、例えばカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシ脂肪族セルロース、例えばヒドロキシプロピルセルロース ヒドロキシエチルセルロース、ゴム、例えばキサンタンガム、ポリグリコールおよびポリエチレングリコール、無機増粘剤(例えば、非晶質シリカ化合物、天然および合成の粘土、ケイ酸リチウムマグネシウムおよびケイ酸アルミニウムマグネシウム)、ならびにそれらの組み合わせから選択される。
【実施例1】
【0139】
384ウェルプレートにおいて、0.0004〜2500ppmの濃度範囲に関して、クリスタルバイオレットアッセイ(SOP番号:ATO-5345-00)を用いて、本発明のメントールカルボナート/カルバマート誘導体の選択された基の細菌の付着防止活性を調べた。本発明のメントールカルボナート/カルバマート誘導体の抗酸化活性は、比色法であり、クメンヒドロペルオキシドラジカルの還元を測定する、脂質過酸化物アッセイ(Kamiaya Biomedical Co.、ワシントン州シアトル)を用いて測定した。最小発育阻止濃度(MIC)の測定のために、SOP番号:ATO-5308-00に従って抗菌試験を行った。SOP番号:ATO-5307-00に従って、PGE2の阻害%を測定する抗炎症試験を行った。以下の表1に、これらの試験の結果の概略を示す。
【0140】
【表1−1】

【0141】
【表1−2】

【実施例2】
【0142】
歯磨きペーストに2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキシル2-ヒドロキシフェニルカルバマートを5000ppm配合した。メントール誘導体を溶解するために、1%のクールクリスプミントエクストラフレーバー(cool crisp mint extra flavor)を用いた。メントール誘導体を配合しないプラセボを調製した。以下の表2に歯磨き組成物の概要を示す。
【0143】
【表2】

【0144】
A.取り込みおよび経時変化
実施例2の歯磨き組成物の、HAPディスクへのその取り込みを評価した。以下の表3に示す結果により、メントール誘導体であるソプロピル-5-メチルシクロヘキシル2-ヒドロキシフェニルカルバマート(製剤中0.5%)の取り込みは、トリクロサン(Colgate Total(登録商標)中0.3%)よりもずっと低かったことが示された。しかしながら、実施例2およびTotal(登録商標)スラリーの混合物は、メントール誘導体の取り込みの増加をもたらした。実施例2には含まれなかったがTotal(登録商標)には含まれていたGantrez(登録商標)ポリマーが、2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキシル2-ヒドロキシフェニルカルバマートの取り込みを改善することができることをこの観察は示唆している。Gantrez(登録商標)は、歯磨き組成物における線状化合物の抗歯石効力を最適化するために用いられる水膨潤性合成アニオン性線状コポリマーポリカルボキシラートである。室温で3ヶ月経た組成物からの、HPLCで検出されたメントール誘導体の回収率は100%である。
【0145】
【表3】

【0146】
B.抗炎症
PGE2アッセイで2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキシル2-ヒドロキシフェニルカルバマートの抗炎症活性を試験し、トリクロサンと比較した。本発明のメントール誘導体の抗炎症活性は、本アッセイに基づき、トリクロサンと同等である(表4)。
【0147】
【表4】

【0148】
本発明のメントール誘導体を、luminexを用い、5-plexアッセイでさらに評価した。表5に示した結果は、2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキシル2-ヒドロキシフェニルカルバマートがIL-6およびTNFαの産生を有意に抑制することを明らかにしている。
【0149】
【表5】

【0150】
PGE2アッセイにおいて、2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキシル2-ヒドロキシフェニルカルバマートを含む歯磨き組成物の抗炎症活性を試験し、マッチングプラセボおよびColgate Total(登録商標)と比較した。2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキシル2-ヒドロキシフェニルカルバマートを含む歯磨きの抗炎症機能は、Total(登録商標)と同等であり、本アッセイに基づくマッチングプラセボよりも優れていた(図1参照)。2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキシル2-ヒドロキシフェニルカルバマートを含む歯磨き組成物はまた、他のサイトカインに対する効果も示した(表6)。
【0151】
【表6】

【0152】
C.抗酸化
メントール誘導体である2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキシル2-ヒドロキシフェニルカルバマートは、単純溶液中でビタミンEと同等の抗酸化剤効力を示した(図2参照)。2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキシル2-ヒドロキシフェニルカルバマートを含む歯磨き組成物は、マッチングプラセボと比較して同等の効力を示した(図3参照)。
D.骨量減少抑制
メントール誘導体である2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキシル2-ヒドロキシフェニルカルバマートは、4時間で、副甲状腺ホルモン(PTH)によって刺激されたMMP-13 mRNAを有意に抑制した(図4参照)。このことは、2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキシル2-ヒドロキシフェニルカルバマートが、骨量減少抑制上の利点を提供できる可能性があることを示唆している。
E.抗菌
メントール誘導体である2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキシル2-ヒドロキシフェニルカルバマートは、最小発育阻止濃度(MIC)試験によって優れた抗菌効力が示された(表7)。
【0153】
【表7】

【0154】
メントール誘導体である2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキシル2-ヒドロキシフェニルカルバマートもまた、人工の口腔モデルにおいて優れた抗菌効力を示した(図5参照)。
F.代謝物発現
歯磨きペーストに配合した本発明のメントール誘導体は、アミノ酸代謝で生成される化合物;尿素サイクルで生成される化合物;グルタチオンの変換で生成される化合物;脂質代謝で生成される化合物;炭水化物代謝で生成される化合物;核酸代謝で生成される化合物;ビタミン;および補因子から選択される少なくとも1つのメンバーをアップレギュレートまたはダウンレギュレートする能力を有することができる。
【0155】
明細書および上記の実施例で説明したように、歯磨きペーストに配合した2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキシル2-ヒドロキシフェニルカルバマートと口腔とを接触させることによって、以下のバイオマーカー:GM-CSF、IL-1b、IL-6、IL-8、TNF-αおよびMMP-13の産生をダウンレギュレートすることができる。ここで、これらのバイオマーカーのダウンレギュレーションは、歯周病と関連する少なくとも1つの症状の軽減と関連している。
【0156】
歯磨きペーストに配合した2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキシル2-ヒドロキシフェニルカルバマートと口腔とを接触させることによって、以下の代謝物:イノシン、ヒポキサンチン、グアノシン、グアニン、ロイシン、イソロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、フェニル酢酸、α-ヒドロキシカプロン酸、5-アミノ吉草酸、コリン、グリセロール-3-ホスファートおよびN-アセチルノイラミン酸の1以上の産生をダウンレギュレートすることができる。
【0157】
歯磨きペーストに配合した2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキシル2-ヒドロキシフェニルカルバマートと口腔とを接触させることによって、以下の代謝物:尿酸、還元型グルタチオン、酸化型グルタチオン、アスコルビン酸およびグルタミンの1以上の産生をアップレギュレートすることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1:
【化1】

(式中、Xは酸素原子またはNH基であり;
Rは非置換または置換のアリールまたは脂肪族基である)の少なくとも1つのメントール誘導体を提供することを含む、改善された口腔ケアおよび全身ケア上の利点を提供する方法。
【請求項2】
メントール誘導体が、以下:バイオフィルム付着防止、抗炎症、抗酸化、骨量減少抑制および抗菌効果の1以上を含む複数の利点を提供する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
XがNH基である、請求項1記載の方法。
【請求項4】
Rが置換アリール基である、請求項3記載の方法。
【請求項5】
Rが
【化2】

(式中、Yはヒドロキシルまたはシアノ基である)である、請求項4記載の方法。
【請求項6】
化合物が
【化3】

である、請求項5記載の方法。
【請求項7】
Xが酸素原子である、請求項1記載の方法。
【請求項8】
Rが
【化4】

から選択される少なくとも1つのメンバーである、請求項7記載の方法。
【請求項9】
a)式1:
【化5】

(式中、Xは酸素原子またはNH基であり;
Rは非置換または置換のアリールまたは脂肪族基である)の少なくとも1つのメントール誘導体および
b)少なくとも1つの賦形剤;
を含む改善された口腔ケアおよび全身ケア上の利点を提供する組成物であって、バイオフィルム付着防止、抗炎症、抗酸化、骨量減少抑制および抗菌効果を含む複数の利点を提供する前記組成物。
【請求項10】
少なくとも1つの賦形剤が、界面活性剤、脱感作剤、ホワイトニング剤、抗歯石剤、抗菌剤、シリカを含む研磨剤、バインダーおよび増粘剤、洗剤、接着剤、発泡調節剤、pH調節剤、口当たり改善剤、甘味料、風味剤、着色剤、防腐薬、それらの組み合わせなどから選択されるメンバーである、請求項9記載の組成物。
【請求項11】
式1:
【化6】

(式中、Xは酸素原子またはNH基であり;
Rは非置換または置換のアリールまたは脂肪族基である)の少なくとも1つのメントール誘導体を提供することを含む歯周病代謝物をアップレギュレートまたはダウンレギュレートする方法であって、メントール誘導体が、アミノ酸代謝で生成される化合物;尿素サイクルで生成される化合物;グルタチオンの変換で生成される化合物;脂質代謝で生成される化合物;炭水化物代謝で生成される化合物;核酸代謝で生成される化合物;ビタミン;および補因子から選択される少なくとも1つのメンバーをアップレギュレートまたはダウンレギュレートする前記方法。
【請求項12】
メントール誘導体が、尿酸、還元型グルタチオン、酸化型グルタチオン、アスコルビン酸およびグルタミンから選択される少なくとも1つの代謝物をアップレギュレートする、請求項11記載の方法。
【請求項13】
メントール誘導体が、イノシン、ヒポキサンチン、グアノシン、グアニン、ロイシン、イソロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、フェニル酢酸、α-ヒドロキシカプロン酸、5-アミノ吉草酸、コリン、グリセロール-3-ホスファートおよびN-アセチルノイラミン酸から選択される少なくとも1つの代謝物をダウンレギュレートする、請求項11記載の方法。
【請求項14】
a)式1:
【化7】

(式中、Xは酸素原子またはNH基であり;
Rは非置換または置換のアリールまたは脂肪族基である)の少なくとも1つのメントール誘導体および
b)少なくとも1つの賦形剤;
を含む、歯周病代謝物をアップレギュレートまたはダウンレギュレートする組成物であって、メントール誘導体が、アミノ酸代謝で生成される化合物;尿素サイクルで生成される化合物;グルタチオンの変換で生成される化合物;脂質代謝で生成される化合物;炭水化物代謝で生成される化合物;核酸代謝で生成される化合物;ビタミン;および補因子から選択される少なくとも1つのメンバーをアップレギュレートまたはダウンレギュレートする前記組成物。
【請求項15】
少なくとも1つの賦形剤が、界面活性剤、脱感作剤、ホワイトニング剤、抗歯石剤、抗菌剤、シリカを含む研磨剤、バインダーおよび増粘剤、洗剤、接着剤、発泡調節剤、pH調節剤、口当たり改善剤、甘味料、風味剤、着色剤、防腐薬、それらの組み合わせなどから選択される、請求項14記載の組成物。

【公表番号】特表2012−522772(P2012−522772A)
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−503388(P2012−503388)
【出願日】平成21年4月1日(2009.4.1)
【国際出願番号】PCT/US2009/039167
【国際公開番号】WO2010/120275
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(590002611)コルゲート・パーモリブ・カンパニー (147)
【氏名又は名称原語表記】COLGATE−PALMOLIVE COMPANY
【Fターム(参考)】