説明

メータ検針無線メッシュネットワークへの新たなノードの登録及び関連するシステム

検針システムは、アクセスポイントとの通信について既に登録された既登録ノードと、アクセスポイントとの通信についてまだ登録されていない未登録ノードとを有する検針無線メッシュネットワークを含む。検針無線メッシュネットワークに新規なノードを登録するため、新規なノードは、登録リクエストメッセージを送信する。登録リクエストメッセージを受信した近隣の既登録ノードは、新規なノードにレスポンスを返送し、登録リクエストメッセージを受信した近隣の未登録ノードは、新規なノードにレスポンスを返送せず、また近隣の既登録ノードにもレスポンスを送信しない。新規なノードは、レスポンスの評価に基づき既登録ノードを選択肢、ネットワークに追加するため、選択された既登録ノードを介しアクセスポイントに通信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線メッシュネットワークの分野に関し、より詳細には無線メッシュネットワークとして動作する無線検針ノードに関する。
【背景技術】
【0002】
ピーカープラント(peaker plant)として知られる電力発電所は、典型的には、一般に午後に起きるピークロードをサポートするため建設される。これは特に、エアコンロードが高い夏期の期間である。ピーク時間中の電気は、オフピーク時間中のベースロード発電所により一般に生成される電気と比較して、より高いコストで生成及び/又は供給される。
【0003】
ピークロード制御は、ピーク時間中に生成される電気量を低減するための1つのアプローチである。ピークロード制御により、消費者は、自分のピーク電力の使用量を削減し、又はピーク時間からオフピーク時間に自分の使用をシフトするため、電気消費のレベル及びパターンを修正する。
【0004】
AMI(Advanced Metering Infrastructure)システムは、ネットワークを介し光熱使用を測定、収集及び解析する。情報は、消費者、供給者、公益企業及びサービスプロバイダに配布される。これは、電力会社が需要反応製品及びサービスを顧客に提供することを可能にする。例えば、顧客は、需要価格決定に応答して通常の消費パターンからエネルギー使用パターンに変更してもよい。これは、システムロード及び信頼性を向上させる。
【0005】
AMIは、無線検針ノードと公益企業のデータセンタとの間でデータをルーティングし、最終的には使用データをリモートステーションにある顧客課金システムにわたす無線メッシュネットワークとして構成される。さらに、価格付けデータ及び他の情報が、公益企業から消費者にわたされる。無線検針ノードの具体例は、SkyPilotTM NetworksやLandis+GyrTMなどにより提供される。
【0006】
無線メッシュネットワークの効果は、切断又はブロックされたパスの周辺の連続的な接続及び再構成が、目的地に到達するまで、無線検針ノードから他の無線検針ノードにメッセージを再送することによって提供可能であるということである。メッシュネットワークは、無線検針ノードのすべてが複数のホップを介し互いに接続可能であるという点で、他のネットワークと異なる。従って、メッシュネットワークは、無線検針ノード又は接続が故障したとき、自己回復し、動作を継続する。
【0007】
現在のシステムは、汎用的で定着したメッシュプロトコルを利用する。これらの汎用的なメッシュプロトコルは、モバイルノードをサポートすることが意図されている。
【0008】
一例となるメッシュプロトコルは、AODV(Ad hoc On−demand Distance Vector)ルーティングプロトコルである。AODVは、要求されたときにのみ目的地へのルートを確立するという意味でリアクティブ(reactive)なルーティングプロトコルである。AODVは、次ホップルートテーブル管理が各ノードで維持されることを伴う。AODVのルート検出は、パケットフラッディング(packet flooding)を伴う。ルートテーブル情報は、ルートリクエストの発信元のノードに対するリバースパスを一時的に格納するため生成されるものなど、短期間のルートについてでさえ保持される。
【0009】
メッシュプロトコルの他の例は、OLSR(Optimized Link State Routing)プロトコルである。OLSRは、Helloメッセージとトポロジーコントロールメッセージとを用いて、ネットワーク全体のリンク状態情報を検出及び配布するプロアクティブ(proactive)なリンク状態ルーティングプロトコルである。ネットワーク内のすべての目的地へのルートは、使用前に知られており、ルーティングテーブル及び定期的なルート管理メッセージングにより維持される。リンク状態ルーティングはトポロジーデータベースがネットワークにおいて同期されていることを求めるため、OLSRは、データベースが延長された期間において非同期を継続しないことを確実にするのにしばしば十分なトポロジーデータをフラッディングする。
【0010】
さらなる他のメッシュプロトコルは、DSR(Dynamic Source Routing)プロトコルである。このプロトコルは、パケットフラッディングを利用するリアクティブアプローチを利用する。DSRにおいて決定される最終的なルートは、AODVの次ホップルートと反対にソースルートである。
【0011】
電気検針ノードなどの固定ノードによるメッシュプロトコルの1つのアプローチは、米国特許第7,035,207号に開示される。アドホックネットワークは、各ノードが一意的なIDを有し、ノードテーブルを格納する複数のノードを有する。ノードがネットワークに追加されると、それは、隣接ノードの有無を検出する。新たなノードは、各隣接ノードに格納されるテーブルを取得し、当該情報を利用して自らのテーブルを更新し、これにより、ネットワークの他のすべてのノードと通信するための情報を取得する。各隣接ノードは、新たなノードとの通信に関する情報を取得し、自らのノードテーブルを調整し、新たなノードの知識を伝搬するため、隣接ノードに更新情報を送信する。
【0012】
AMRに適用可能なアドホックネットワークが、米国特許出願公開第2009/0146838に開示される。ネットワークは、使用メータ、モバイル中継及び中央ステーションに接続される固定メータユニットを有する。使用メータからのデータは、中央ステーションに伝搬される。モバイル中継により支援され、データはメータ間をホップし、最終的に中央ステーションに到着する。低電力メータユニット間の通信は短距離では効果的であり、モバイル中継はメータと中央ステーションとの間の長いギャップを中継する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上述した背景に鑑み、本発明の課題は、低コストであって、及び/又は利用可能な帯域幅を効率的に利用する無線検針無線メッシュネットワーク内で動作する無線検針ノードを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明による上記及び他の課題、特徴及び効果は、新規なノードを効率的に登録するため検針無線メッシュネットワークを実行する方法により提供される。より詳細には、ネットワークは、アクセスポイントとの通信について既に登録された既登録ノードと、アクセスポイントとの通信についてまだ登録されていない未登録ノードとを含む複数の無線検針ノードを有してもよい。
【0015】
本方法は、新規な未登録無線検針ノードから登録リクエストメッセージを送信することを含む。登録リクエストメッセージは、近隣の既登録ノードにおいて受信され、近隣の既登録ノードは、新規な無線検針ノードにレスポンスを送信する。登録リクエストメッセージはまた、近隣の未登録ノードにおいて受信され、近隣の未登録ノードは、新規な無線検針ノードにレスポンスを送信せず、近隣の既登録ノードにレスポンスを送信しない。
【0016】
本方法はさらに、新規な無線検針ノードにおいて、近隣の既登録ノードからレスポンスを受信し、レスポンスに基づきアクセスポイントのアップストリーム通信に利用される少なくとも1つの選択された既登録ノードを決定することを有してもよい。新規な無線検針ノードは、それが既登録ノードに追加されるように、少なくとも1つの既登録ノードを介しアクセスポイントと通信してもよい。
【0017】
各無線検針ノードは、関連するアドレスを有する。本方法はさらに、新規な無線検針ノードとにおいて、少なくとも1つの選択された既登録ノードのアドレスのみを格納することを含むものであってもよい。
【0018】
ノード登録処理は、効果的には、何れか1つのノードのみが少なくとも1つの選択された既登録ノードのアドレスを格納しさえすればよいため、ネットワーク内で実行される無線検針ノードのメモリ及び処理要求を低減する。アクセスポイントとのアップストリーム通信では、デスティネーションは各ノードについて同一である、すなわち、アクセスポイントであることが理解される。アップストリーム通信では、各ノードは、それの選択されたノードにパケットを転送しさえすればよく、選択されたノードが次にパケットをそれの選択されたノードに転送する。この処理が、パケットがアクセスポイントにより受信されるまで続く。
【0019】
当該処理は、テーブルドリブンでなく、フラッディングを利用せず、定期的なルート管理メッセージを必要とせず、リンクがダウンするとノード接続の変更を依然として扱うことができる。従って、ノードは低コストとなり、帯域幅が効率的に利用される。モバイルメッシュネットワークのモバイルノードと同様に、ルートテーブルを維持及び更新する固定的なノードの短所は、多すぎる状態情報が各ノードにおいて格納されることである。モバイルメッシュネットワークのモバイルノードと同様に、ルートテーブルを維持及び更新する固定的なノードの他の短所は、定期的なルートメンテナンスメッセージ処理が帯域幅を消費し、しばしば周密に占有されるネットワークにおける他のトラフィックとの干渉を生じさせることである。これは、このようなロウバストなプロトコルをサポートするのに必要とされるメモリ及び処理要求を増大させ、周密なノードネットワークにおける消費に関するネットワーク収束時間と各ノードのコストとに影響を与える。
【0020】
少なくとも1つの選択された既登録ノードの決定は、プライマリ既登録ノードとバックアップ既登録ノードとを決定してもよい。本方法はさらに、プライマリ既登録ノードを介した通信の失敗と正しいスイッチ時間のための以降のロジックとに基づき、アクセスポイントとの通信のためのプライマリ既登録ノードからバックアップ既登録ノードにスイッチすることを含むものであってもよい。
【0021】
あるいは、少なくとも1つの選択された既登録ノードの決定は、単一の既登録ノードを決定することを含むものであってもよい。本方法はさらに、単一の既登録ノードを介した通信の失敗に基づき送信ステップ、受信ステップ及び通信ステップを繰り返すようにしてもよい。
【0022】
少なくとも1つの選択された既登録ノードの決定は、少なくとも1つの品質指標を決定することを含むものであってもよい。品質指標は、レスポンスの受信信号強度、レスポンスのエラーレート及びアクセスポイントへのホップカウントの少なくとも1つから構成されてもよい。
【0023】
アップストリーム通信について、検針データは、無線メッシュネットワークの他のノードを用いて、既登録ノードからアクセスポイントにルーティングされてもよい。ダウンストリーム通信について、ロード制御データが、アクセスポイントから既登録ノードにルーティングされてもよい。同様に、時間帯別課金データが、アクセスポイントから既登録ノードにルーティングされてもよい。
【0024】
本発明の他の態様は、アクセスポイントとの通信について既に登録されている既登録ノードと、アクセスポイントとの通信についてまだ登録されていない未登録ノードとを含む複数の無線検針ノードを有する検針無線メッシュネットワークを有する検針システムに関する。検針無線メッシュネットワークは、上述されるように、ノードを登録するよう構成される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本発明によるノード登録により動作する無線検針ノードを含む検針システムの概略図である。
【図2】図2は、本発明による新たな無線検針ノードを検針システムに追加するための登録処理を示すアクセスポイントツリーの概略図である。
【図3】図3は、本発明による新たな無線検針ノードを検針システムに追加するための登録処理を示すアクセスポイントツリーの概略図である。
【図4】図4は、本発明による新たな無線検針ノードを検針システムに追加するための登録処理を示すアクセスポイントツリーの概略図である。
【図5】図5は、本発明による新たな無線検針ノードを検針システムに追加するための登録処理を示すアクセスポイントツリーの概略図である。
【図6】図6は、本発明による新たな無線検針ノードを検針システムに追加するための登録処理を示すシーケンス図である。
【図7】図7は、本発明による切断されたリンクの修復を示すアクセスポイントツリーの概略図である。
【図8】図8は、本発明による切断されたリンクの修復成功を示すシーケンス図である。
【図9】図9は、本発明による切断されたリンクの修復失敗を示すシーケンス図である。
【図10】図10は、本発明によるノード登録により動作する無線検針ノードを含む検針システムを実行するための方法を示すフローチャートである。
【図11】図11は、本発明によるアドレスストリッピングにより動作する無線検針ノードを含む検針システムの他の実施例の概略図である。
【図12】図12は、本発明によるアドレスストリッピングにより動作する無線検針ノードを示すアクセスポイントツリーの概略図である。
【図13】図13は、本発明によるアドレスストリッピングにより動作する無線検針ノードを含む検針システムを実行するための方法を示すフローチャートである。
【図14】図14は、本発明によるネットワークアドレスフィールドにより動作する無線検針ノードを含む検針システムのさらなる他の実施例の概略図である。
【図15】図15は、本発明によるネットワークアドレスフィールドにより動作する無線検針ノードを含む検針システムを実行するための方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の好適な実施例が図示される添付した図面を参照して、本発明が以降においてより詳細に説明される。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態により実現されてもよく、ここに提供される実施例に限定するものとして解釈されるべきでない。むしろ、これらの実施例は、本開示が完全なものであり、当業者に本発明の範囲を十分に伝えるように提供されている。同様の数字は、全体を通じて同様の要素を表し、プライム及びダブルプライム記号は、他の実施例において類似する要素を示すのに利用される。
【0027】
まず図1を参照して、検針システム50は、検針無線メッシュネットワーク60とリモートステーション100とを有する。検針無線メッシュネットワーク60は、定時的には、各アクセスポイント90と通信するための複数の無線検針ノード62を有する。アクセスポイント90は、リモートステーション100と通信する。リモートステーション100は、電力会社のための顧客課金システムを有してもよい。図示された各主体は、それに関連付けされた無線検針ノード62を有する。
【0028】
説明の簡単化のため、無線検針ノード62は、例示的には顧客による電力のモニタリング、レポート及び制御のためのものである。顧客は、家計や企業であってもよく、より詳細には、単一の家族/事業単位又は複数の家族/事業単位であってもよい。説明のため、単一のユニットが示される。当業者に容易に理解されるように、無線検針ノード62は、例えば、ガスや水道などの他のタイプの公共事業に関するものであってもよい。
【0029】
各無線検針ノード62は、ハウジング64と、ハウジングにより保持される無線送受信機66と、ハウジング内で無線送受信機に接続されるコントローラ68とを有する。検針回路70がまた、ハウジングにより保持され、コントローラ68に接続される。無線送受信機66は、900MHz、2.4GHz、5.8GHzなどの未ライセンスのISM(Industrial Scientific and Medical)帯を用いて通信してもよい。
【0030】
アップストリーム通信について、無線送受信機66は、無線メッシュネットワーク60の他のノードを用いて、検針回路70により決定された検針データを各自のアクセスポイント90にルーティングする。アクセスポイント90は、その後に検針データをリモートステーション100にわたす。他の実施例では、1つのアクセスポイント90が利用されてもよいし、又は数百以上が利用されてもよい。
【0031】
ダウンストリーム通信について、アクセスポイント90は、例えば、選択された機器のオフなど、無線メッシュネットワーク60を用いてロード制御データを無線送受信機66にルーティングする。ダウンストリーム送信されるデータは、例えば、時間帯別課金データなどを含み、消費者に表示されてもよい。消費者は、ネットワーク及び適切なアプリケーションを介し、自らのピーク電気使用を削減し、又はピーク時間からオフピーク時間に自らの使用をシフトさせるため、電気消費のレベル及びパターンを変更可能である。需要価格決定を用いた発電所にとって、これは、消費者の電気課金を低減するのに役立つ。さらに、システムロードと信頼性とが、発電所のため向上する。
【0032】
各家計はさらに、アクセスポイント90により提供される時間帯別課金データに応答して、特定の電気機器を起動するなど、関連する無線検針ノード62と通信する、図示しない有線又は無線ホームネットワークを有してもよい。これらの機器は、例えば、洗濯機、ドライヤ、食洗機、暖房エアコンユニットなどを含む。電気機器と通信するための一例となるホームネットワークは、参照することによりここに援用される米国特許出願公開第2008/0282182号に開示される。
【0033】
コントローラ68は、プロセッサ71と当該プロセッサに接続されるメモリ72とを有する。プロセッサ71とメモリ72とは個別のコンポーネントとして示されるが、それらは単一のコンポーネントとして一体化されてもよい。メッシュプロトコルの一部として、プロセッサ68は、検針無線メッシュネットワーク60にノード62を登録するとき、ノード登録ソフトウェアモジュール74を実行する。以下でより詳細に説明されるように、ノード登録処理は、ネットワーク60内で動作する無線検針ノード62のためのメモリ及び処理要求を効果的に低減する。ノードセキュリティを有するための同様の方法や当該処理の手続の変更は、当該コンセプトの論理的拡張であり、例えば、証明書及び/又は暗号化が利用されてもよい。
【0034】
メッシュネットワークの第1の態様はノード登録に関する。ノード登録がまず、図2〜6に示されるアクセスポイントツリーを参照して説明される。アクセスポイントツリー120は、アクセスポイント130と通信するためすでに登録されている既登録ノード122〜122(登録されているノードについてRNとラベル付けされる)と、アクセスポイント130と通信するためまだ登録されていない未登録ノード132〜132(未登録のノードについてUNとラベル付けされる)とを含む複数の無線検針ノードを有する。既登録ノード122〜122は、ノード登録処理を完了している。
【0035】
無線検針ノード142(新規ノードについてNNとラベル付けされる)は、アクセスポイント130に登録することによって、ネットワーク120に加入することを所望する新たな無線検針ノードである。新たな無線検針ノード142は、登録メリクエストッセージを送信する。図2の破線の矢印に示されるように、登録リクエストメッセージは近隣の既登録ノード122,122において受信され、登録リクエストメッセージはさらに近隣の未登録ノード132において受信される。ネットワーク120の他のノードが登録リクエストメッセージをかなりの確率で受信しても、説明の簡単化のため、限定数のノードがメッセージを受信するとして図示される。
【0036】
衝突を回避するためのランダムな間隔後、近隣の既登録ノード122,122が、図3の破線の矢印に示されるように、登録リクエストメッセージに対するレスポンスを送信する。他の何れかの既登録ノードがまた登録リクエストメッセージを受信した場合、これらのノードはまたレスポンスを送信するであろう。対照的に、近隣の未登録ノード132は、未登録であり、アクセスポイント130と通信可能なアップストリームの近隣を決定していないため、レスポンスを送信しない。レスポンスを送信しないことは、帯域幅を消費するであろう不要なトラフィックを回避する。さらに、これらの未登録ノードは、登録リクエストメッセージを他の何れのノードにも転送しない(フラッディング)。この結果、これは、既登録ノードしか登録リクエストメッセージに応答しないため、各ノードのメモリ及び処理要求を効果的に低減する。さらに、フラッディングが登録処理中に回避されるため、実際のデータ送信のためのさらなる帯域幅が利用可能である。
【0037】
新規の無線検針ノード142が近隣の既登録ノード122,122からレスポンスを受信した後、当該レスポンスに基づき、それは、アクセスポイント130とのアップストリーム通信に使用する少なくとも1つの選択された既登録ノードを決定する。レスポンスを評価するため、新規の無線検針ノード142は、受信した各レスポンスについて少なくとも1つの品質指標を決定する。品質指標は、レスポンスの受信信号強度、エラーレート、アクセスポイント130へのホップカウントなどのパラメータの何れかの組み合わせから構成されてもよい。
【0038】
計算された指標に基づき、新規の無線検針ノード142は、以降において、連続する中間ノード122,122,122を介しアクセスポイント130にわたされる登録メッセージを送信するため、近隣の既登録ノード122を例示的に選択する。図4の矢印に示されるように、アクセスポイント130に到達するためのノード122に関するホップカウントは5であり、アクセスポイント130に到達するためのノード122に関するホップカウントは6である。上述されるように、レスポンスの受信信号強度やエラーレートなどの他の指標が、ノードを選択する際に考慮されてもよい。
【0039】
本例では、ノード122が、アクセスポイント130と通信し、新規の無線検針ノード142を既登録ノードに追加するため選択される。アクセスポイント130は、登録メッセージをリモートステーション100に転送する。登録確認が、図5の矢印により示されるように、アクセスポイント130から新規な無線検針ノード142に送信される。
【0040】
アクセスポイント130とのアップストリーム通信について、新規の無線検針ノード142からアクセスポイント130へのメッセージは、当該メッセージがアクセスポイントに対するものであることを示すビットを有してもよい。このビットに基づき、アクセスポイント130までのパスの各無線検針ノード122,122,122,122は、それの選択したノード、すなわち、アクセスポイント130と通信するのに使用される既登録ノードにメッセージを単にルーティングする。すなわち、各ノードは、選択された既登録ノードのアクセスのみ格納する。これは、各ノードがネットワークの他の登録ノードの何れかに関するルーティング情報を構成及び格納する必要がないため、メモリ及び処理要求を効果的に低減する。
【0041】
しかしながら、複数のノードアドレスが、冗長性/バックアップ目的のためノードにより格納されてもよい。この場合、ノードは、プライマリ既登録ノードとバックアップ既登録ノードとを決定し、これにより、プライマリ既登録ノードを介した通信の失敗に基づき、アクセスポイント130との通信のため、プライマリ既登録ノードからバックアップ既登録ノードにスイッチすることができる。プライマリ及びバックアップ既登録ノードの各アドレスは、ノードにより格納される。例えば、新規なノード142は、図4に示されるように、プライマリ既登録ノードとしてノード122を選択し、バックアップ既登録ノードとしてノード122を選択する。新規なノード142は、これら2つのノードのそれぞれのアドレスを格納する。
【0042】
ノード122は。アクセスポイント130とのアップストリーム通信において仲介するノードを有しないため、当該ノードは、アクセスポイント130のアドレスを格納する。図示されないが、ノード122は、選択されたアクセスポイント130がダウンすると、異なるアクセスポイントと通信するバックアップノードを選択するようにしてもよい。
【0043】
図6を参照して、新規な無線検針ノードを検針システムに追加するための登録処理を示すシーケンス図150が説明される。無線検針ノードは、メータと呼ばれる。メータ1(152)はアクセスポイントツリー上になく、メータ2(154)はアクセスポイント156との通信におけるアクセスポイントツリー上にある。メータ1(152)は、メータ2(154)の範囲内にあるが、アクセスポイント156の範囲内にない。
【0044】
以前に使用された登録リクエストメッセージは、Helloブロードキャストと呼ばれ、Helloブロードキャストへのレスポンスは、Helloレスポンスと呼ばれる。すべてのメッセージは、典型的には、当業者に容易に理解されるように、物理レイヤ及びMACレイヤを介しネットワークレイヤに到達する。メータ1(152)は、Helloブロードキャスト160を配信する。メータ2は、Helloレスポンス162を送信することによって応答する。Helloレスポンス162は、アクセスポイント156とメータ2(154)との間のホップ数と共に、レスポンスのソースとデスティネーションとを含む。
【0045】
受信したHelloレスポンス162に応答して、メータ1(152)は、メータ2(154)に登録メッセージ164を送信する。登録メッセージ164は、メッセージのソース及びデスティネーションを含む。メータ2(154)は、登録メッセージ166をアクセスポイント156に転送し、アクセスポイント156とメータ1(152)との間にソースルートを構築するのに利用される。アクセスポイント156は、メータ1(152)との構築されたソースルートを記録する。
【0046】
アクセスポイント156は、登録レスポンス168をメータ2に送信する。登録レスポンス168と共に提供されたソースルートに基づき、メータ2は、登録レスポンス170をメータ1(152)に転送する。メータ1(152)は、アクセスポイントツリー上にあるとしてそれの状態を変更し、それのソースルートを記録する。
【0047】
図7〜9を参照して、アクセスポイントツリー180内の切断又はダウンしたリンクの修復のための他のアプローチが説明される。メッシュプロトコルは、リンクがダウンし、ノードが範囲外になるなど、ノード接続性の変更を処理することが可能である必要がある。モバイルノードについて、これは、最終的にはあらゆるトポロジーの知識又はノード間のトポロジーデータの共有/格納を必要とする。AMI(Advanced Metering Infrastructure)システムについて、典型的には、ノードに動きはない。すなわち、ノードは固定的である。にもかかわらず、経時的な枝葉の成長、道路に駐車された大きなオブジェクト(移動中のトラックなど)、新たな建物の建設などによる最小のリンクダイナミクスが存在する可能性がある。
【0048】
ここに説明されるメッシュプロトコルは、“トライ・アンド・シー(try−and−see)”アプローチを介しトポロジーデータの共有/格納を回避しながら、切断されたリンクを処理する。図7において、アクセスポイントツリー内の切断されたリンクの修復を示すアクセスポイントツリー180の概略図が提供される。実線は、各ノードがアクセスポイント186に登録成功することによってツリー180が形成されることを示す。ノード184とノード184との間にリンクの切断がある。ノード184は、Helloブロードキャストを送信する。すなわち、リンクがダウンした場合、上述されたようなルート検出と同様に、ノードはHelloブロードキャストを発行し、ノード登録処理を繰り返す。
【0049】
リンク182がダウンしたことをノード184が決定する方法は様々である。送信される各メッセージについてリンクレベルのACKがあってもよい。ノード184がノード184に何れかのタイプのメッセージを送信し、リンクレベルACKを受信しなかったとき、ノード184は、リンクが切断していると仮定することができる。リンクレベルACKがないため、エンド・ツー・エンドACKが利用可能である。アクセスポイント186からエンド・ツー・エンドACKを受信しなかった期間の後、ノード184は、リンク182が切断していることを決定できる。リンクレベルACKは、直接影響を受けるノードのみが訂正アクションをとるという結果により、隣接リンクの消失しか検出しない。他方、エンド・ツー・エンドACKは、チェーンの何れかのポイントにおけるアクセスポイントとの接続の消失を検出可能である。
【0050】
ノード184,184,184は、Helloブロードキャストに応答する。ノード184は、ノード184がそれのアップストリームの近傍であることを知っているため応答しない。ノード184は、これらのノードに繰り返しかつランダムにトライするが、自らの登録を受信するとノード184,184を中断する。ノード184又は184が選択される場合、これはループを生じさせることになる。最終的に、ノード184が選択される。
【0051】
リンク182がダウンするときの登録処理を繰り返す代わりとして、ノード184は、登録処理中にプライマリノードとバックアップノードとを選択することが可能であり、これにより、プライマリノードを介した通信の失敗に基づき、アクセスポイント186と通信するためプライマリノードからバックアップノードにスイッチできる。本例では、ノード184がプライマリノードであり、ノード184がバックアップノードである。ノード184は、このときこれら2つのノードのそれぞれのアドレスを格納する。
【0052】
図8〜9を参照して、切断されたリンクの修復成功と修復不成功とのシーケンス図が説明される。切断されたリンクの修復成功のシーケンス図190がまず説明される。メータ1(192)は、メータ2(194)及びメータ3(196)との範囲内にある。メータ2(194)及びメータ3(196)は、メータ4(198)の範囲内にある。メータ1(192)は、それのアップストリーム近傍としてメータ2(194)(リンク202)を使用する。メータ1(192)とメータ2(194)との間のリンク202がダウンし、すべてのパケットが消失又はエラー(210)となる。
【0053】
メータ1(192)は、以下のようにローカルな修復を試みる。メータ1(192)は、メータ2(194)により受信されたHelloブロードキャスト212を送信する。同一のHelloブロードキャスト212がまた、メータ3(196)により受信される。メータ1(192)とメータ2(194)との間のリンクは依然としてダウンしており、Helloブロードキャスト212は受信されない。しかしながら、メータ3(196)はHelloレスポンス218を送信する。メータ1(192)は、アクセスポイント200と通信するため、メータ2(194)をメータ3(196)と置換することによってローカルな修復を行う。メータ1(192)は、メータ3(196)及びメータ4(198)により中継される登録リクエスト220をアクセスポイント200に送信する。アクセスポイント200は、メータ4(198)及びメータ3(196)を介しメータ1(192)に登録アクノリッジメント224を送信する。アクセスポイント200は、それの記録されているメータ1(192)へのソースルートを更新する。メータ1(192)が他のノードのアップストリーム近傍であった場合、アクセスポイントはまた、これら他のノードのすべての記録されているソースルートを更新し、各ソースルートにおいて以前のメータ2(194)を新たな中間ホップメータ3(196)に置換する。このとき、メータ1(192)は、メータ3(196)を介しアクセスポイント200にデータ226を送信し続けることが可能である。
【0054】
図9を参照して、切断されたリンクの修復不成功のシーケンス図240が説明される。メータ1(192)は、メータ2(194)及びメータ3(196)の範囲内にある。メータ1(192)とメータ2(194)との間のリンクがダウンし、すべてのパケットが消失又はエラーになる。この結果、メータ1(192)は、ローカルな修復を開始するか決定する(242)。メータ1(192)は、Helloブロードキャスト244を送信することによって、ローカルな修復を試みる。修復処理はメータ3(196)に固有でなく、代わりに方向付けされない。Helloメッセージ244は、ブロードキャストであり、発信元以外の他のノードのアドレスを含まない。しかしながら、メータ1(192)は待機後にレスポンスを受信しない。この結果、メータ1(192)は、ローカルな修復が実行不可であると判断する(246)。その後、メータ1(192)は、オフツリーメッセージ252を配信する。各自のアップストリーム近傍からオフツリーメッセージ252を受信したダウンストリームの各ノードは、ランダムな時間期間後にローカルな修復を開始する。
【0055】
図10を参照して、ノード登録74により動作する無線検針ノードを含む検針システム50を実行する方法を示すフローチャートが説明される。スタート(ブロック282)から、本方法はブロック284において、新規の無線検針ノード142から登録リクエストメッセージ(すなわち、Helloブロードキャスト)を送信することを含む。近隣の既登録ノード122〜122は、登録リクエストメッセージを受信し、衝突を回避するためのランダムな間隔後に、ブロック286において新規の無線検針ノード142にレスポンスを送信する。近隣の未登録ノード132〜132はまた、登録リクエストメッセージを受信するが、ブロック288において、新規の無線検針ノード142にレスポンスを送信せず、また、近隣の既登録ノード122〜122にレスポンスを送信しない。
【0056】
新規な無線検針ノード142において、近隣の既登録ノード122,122からのレスポンスが受信され、ブロック290において、レスポンスに基づき、アクセスポイント130とのアップストリーム通信に使用される少なくとも1つの選択された既登録ノードが決定される。本方法はさらに、ブロック292において、新規の無線検針ノード142から少なくとも1つの選択された既登録ノード122を介しアクセスポイント130と通信し、これにより、新たな無線検針ノード142を既登録ノード122〜122に追加する。本方法は、ブロック294において終了する。
【0057】
メッシュプロトコルの第2の態様は、図11〜13を参照して説明されるように、アドレスストリッピングに関する。図1の無線検針ノードの説明は、プロセッサ68’がさらにアクセスポイント90’から所与のノードにデータをダウンストリームにルーティングするとき、アドレスストリッピングソフトウェアモジュール75’を実行することを加えることによって、図11に適用可能である。
【0058】
アドレスストリッピング(address stripping)又はアドレス削除はまた、ストリームライン化されたソースルーティングと呼ばれる。ここで用いられるソースルーティングは、アクセスポイント90’から所与のノードへのダウンストリームルートを表す。ストリームライン化されたソースルーティングは、各ホップにおける各ノードのアドレスを効果的にストリップ化し、これにより、所与のノードにパケットにおいて搬送される残りのソースルートのサイズを低減する。アドレスストリッピングは、ネットワーク60’内で動作する無線検針ノード62’に対するメモリ及び処理要求を効果的に低減する。
【0059】
図12のアクセスポイントツリー300によっておそらく最も良く示されるように、パケットがアクセスポイント304から所与のノードE302に送信される。パケットは、連続する中間ノードM302、ノードJ302及びノードF302によってわたされる。各ノードに対応する文字は、当該ノードのアドレスを表す。
【0060】
アクセスポイント304から第1ノードM302において、パケットは所与のノードE302に必要なすべてのアドレスを含む。従って、ノードM302は、ノード302〜302に対応するアドレスM,J,F,Eを受信する。ノードJ302にパケットをルーティングする前、ノードM302はそれのアドレスMをストリップオフする。ノードJ302にルーティングされるパケットは、残りのアドレスJ,F,Eのみを含む。
【0061】
このメッシュプロトコルによると、アップストリーム通信では、デスティネーションが常にアクセスポイント304となるため、ノードM302のアドレスを含む必要はない。アクセスポイントツリー300の各登録ノードは、上述されるように、アクセスポイント304にアップストリームにデータをルーティングするため、それの選択されたノードのアドレスを格納しさえすればよい。
【0062】
同様に、ノードJ302は、ノード302〜302に対応するアドレスJ,F,Eと共にパケットを受信する。パケットをノードF302にルーティングする前、ノードJ302はそれのアドレスJをストリップオフする。ノードF302にルーティングされるパケットは、残りのアドレスF,Eしか含まない。
【0063】
同様に、ノードF302は、ノード302〜302に対応するアドレスF,Eと共にパケットを受信する。パケットを所与のノードE302にルーティングする前、ノードF302はそれのアドレスFをストリップオフする。パケットは、残りのアドレスEのみの所与のノードE302にルーティングされる。
【0064】
図12に示されるストリームライン化されたソースルーティングは、非対称的である。アクセスポイント304とのアップストリーム通信におけるものであるため、デスティネーションは各ノードについて同一である、すなわち、アクセスポイント304であることが理解される。アップストリーム通信では、各ノードは、それの選択されたアップストリームノードにパケットを転送しさえすればよく、当該アップストリームノードは次に、パケットをそれの選択されたノードに転送する。この処理が、パケットがアクセスポイント304により受信されるまで続く。
【0065】
従来のソースルーティングネットワークでは、ソースルート全体(すなわち、アドレスM,J,F,E)が、パケットと共に各ノードによりルーティングされる。これらのアドレスは、リターンパケットが逆のアドレスシーケンスを介しアクセスポイントにアップストリーム送信可能となるように必要とされる。パケットをノード間で送信するとき、余分なアドレスが利用可能な帯域幅を占有する。
【0066】
図13を参照して、アクセスポイント304との通信において複数の無線検針ノード302〜302を有する検針無線検針ネットワークを実行するための方法を示すフローチャート350が説明される。各無線検針ノードは、それに関連するアドレスを有する。スタート(ブロック352)から、本方法は、ブロック354において、連続する中間ノード302〜302及び所与のノード302のアドレスに基づき、アクセスポイント304から連続する中間ノード302〜302を介し所与のノード302への所与のダウンストリームルートを規定する。ブロック356において、アクセスポイント304から所与のノード302に所与のダウンストリームノード302〜302と共にデータをルーティングする間、連続する各中間ノード302〜302における各自のアドレスがストリッピングされる。本方法はさらに、ブロック358において、上述した方法を利用して、所与のノード302から連続する中間ノード302〜302を介しアクセスポイント304にアップストリームルートに沿ってデータを通信する。本方法は、ブロック360において終了する。
【0067】
図14〜15を参照して説明されるメッシュプロトコルの第3の態様は、ネットワークアドレスフィールドに関する。図1の無線検針ノードの説明は、プロセッサ68’’がさらにネットワークアドレスフィールドソフトウェアモジュール77’’を実行することを加えることによって、図14に適用可能である。上述されるように、各ノードは割り当てられたアドレスを有する。
【0068】
プロトコルは、特にメッシュネットワークプロトコルをアドレッシングするため、典型的には、固定サイズのフィールドを利用する。アドレスサイズに関係なく、同じビット数がアドレスを表すのに確保される。WLANのための802.11規格では、6バイトが各アドレスを表すのに利用され、248個のノードをサポートするのに十分である。しかしながら、この大きな静的なアドレスフィールドは、検針無線メッシュネットワーク60’’において動作する無線検針ノード62’’には不適切である。パケットには、当該パケットを送信するノードのためのアドレス、当該パケットを受信するノードのためのアドレス、及び何れかの中間ノードのアドレスがある。このような多くのバイトを用いて各アドレスを表現することは、帯域幅の効率的な利用でない。
【0069】
この非効率な帯域幅の利用を解消するため、ネットワーク60’’に入ると、ノード62’’にネットワークアドレスフィールドが割り当てられる。プロトコルは、(可変長)ネットワークアドレスフィールドを含む。ノードにはネットワークアドレスが割り当てられる。以下に詳細に説明されるように、LV符号化は、小さなネットワークに大変効率的であると共に、プロトコルの修正なしに無制限な拡張を可能にする。ネットワークアドレスフィールドは、ネットワーク60’’内のすべてのノードに及ぶのに十分な最小限のバイト数にサイジングされる。
【0070】
ネットワークアドレスフィールドは、好ましくは、プリフィックスフィールドL及び値フィールドVにより符号化される。プリフィックスフィールドLは、ノード62’’のネットワークアドレスの長さを規定し、フィールドVはノード62’’のネットワークアドレスの値である。LVは一緒に、検針無線メッシュネットワーク60’’内の各ノード62’’の各自のネットワークアドレスフィールドを規定する。
【0071】
ネットワークアドレスフィールドは、好ましくは、プリフィックスフィールドL及び値フィールドVにより符号化される。プリフィックスフィールドLは、ノード62’’のネットワークアドレスの長さを規定し、フィールドVはノード62’’のネットワークアドレスの値である。LVは一緒になって、検針無線メッシュネットワーク60’’内の各ノード62’’の各自のネットワークアドレスフィールドを規定する。
【0072】
ネットワークアドレスを新規な無線検針ノードに割り当てるとき、ネットワークアドレスフィールドは、テーブル1に示されるように、アドレス値のサイズを決定するためのプリフィックスフィールドLの少なくとも数ビットと、アドレスの値を決定するための値フィールドVの少なくとも1バイトとを含む。
【0073】
【表1】

2ビットのプリフィックスフィールドLは、テーブル2に示されるように符号化されてもよい。もちろん、当業者に理解できるように、プリフィックスフィールドLは、最終的なネットワークが4バイト(232)により表現可能であるより大きなサイズまで拡大することが予想される場合、3ビットに拡張可能である。
【0074】
【表2】

説明のため、上記テーブル1が参照される。アドレスカラムの第1エントリでは、ノードに0〜255のアドレスが割当て可能である。ネットワークアドレスフィールドカラムでは、2ビットプラス1バイトが、固定的な典型的には6バイトの代わりに、割り当てられたアドレスを表すのに利用される。先頭の2ビットは、アドレスの長さフィールド(すなわち、アドレス値のサイズ)に対応するようテーブル2に従って符号化され、以降のバイトがアドレスの値フィールド(すなわち、アドレスの値)に対応する。
【0075】
0〜255(すなわち、2)のアドレスについて、L+V=2ビットプラス1バイトである。Lは、このケースでは00として符号化される。これは、1バイトがノード62’’について割り当てられたアドレスを表現するのに利用されることを意味する。この結果、Vは1バイトであり、例えば、250であってもよい割り当てられたアドレスの実際の値を表す。
【0076】
256〜65,535(すなわち、216)のアドレスについて、2ビットプラス2バイトである。Lは01として符号化される。これは、2バイトがノード62’’にについて割り当てられたアドレスを表すのに利用されることを意味する。この結果、Vは2バイトであり、例えば、64,750であってもよい割り当てられたアドレスの実際の値を表す。
【0077】
65,535〜16,777,215(すなわち、224)のアドレスについて、2ビットプラス3バイトである。Lは10として符号化される。これは、3バイトがノード62’’について割り当てられたアドレスを表すのに利用されることを意味する。この結果、Vは3バイトであり、例えば、164,250であってもよい割り当てられたアドレスの実際の値を表す。
【0078】
上述した各例では、何れかのノードについて割り当てられたアドレスを表現するのに用いられるバイト数は、ネットワーク60’’のすべてのノードに及ぶのに十分な最小のバイト数に依存して変化する。ネットワーク60’’が拡大するに従って、L+Vは、より大きなアドレス値を表すため変更可能である。
【0079】
長さフィールドLは例示的には固定長を有するが、値フィールドVは可変長を有する。無線メッシュネットワーク60’’は、所望の最大ノード数を有し、長さフィールドLは、所望の最大ノード数に十分な固定長を有する。例えば、長さフィールドLは2ビット長を有し、値フィールドVは4バイトの最大長さを有する。その利点は、小さく始めて、すなわち、小さなネットワークの短いアドレスフィールドから始めて、その後により多くのアドレスをサポートするのに必要とされるようにフィールドが拡張することである。さらに、より大きな値のアドレスを有するノードのみがより長いアドレスフィールドを有する。
【0080】
図15を参照して、アクセスポイント90’’との通信において複数の無線検針ノード62’’を有する検針無線メッシュネットワークを実行するための方法を示すフローチャート400が説明される。各無線検針ノードは、それに関連するアドレスを有する。スタート(ブロック402)から、本方法は、ブロック404において、各自のアドレスの長さフィールドL及び値フィールドVに基づき、各無線検針ノード62’’のネットワークアドレスフィールドを決定する。本方法はさらに、ブロック406において、ネットワークアドレスフィールドを用いて無線メッシュネットワーク内で通信する。ブロック408において、ネットワークアドレスフィールドには新規の無線検針ノード62’’が割り当てられる。ネットワークアドレスフィールドは、アドレス値のサイズを決定するため長さフィールドLについて少なくとも2ビットと、アドレスの値を決定するため値フィールドVについて少なくとも他の1バイトとを有する。本方法はブロック410におうて終了する。
【0081】
上述されるようなノード登録ソフトウェアモジュール74、アドレスストリッピングソフトウェアモジュール75’及びネットワークアドレスフィールドソフトウェアモジュール77’’の実行は、無線メッシュネットワーク内で個々に又は互いに組み合わせて実行されてもよい。すなわち、ソフトウェアモジュール74,75’,77’’により提供されるようなこれらの機能の1以上が、同一の無線メッシュネットワーク内で組み合わされてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセスポイントとの通信について既に登録されている既登録ノードと、前記アクセスポイントとの通信についてまだ登録されていない未登録ノードとを含む複数の無線検針ノードを有する検針無線メッシュネットワークを実行する方法であって、
新規の無線検針ノードから登録リクエストメッセージを送信するステップと、
近隣の既登録ノードにおいて、前記登録リクエストメッセージを受信し、前記新規な無線検針ノードにレスポンスを送信するステップと、
近隣の未登録ノードにおいて、前記登録リクエストメッセージを受信し、前記新規な無線検針ノードにレスポンスを送信せず、それにレスポンスを送信しないステップと、
前記新規な無線検針ノードにおいて、前記近隣の既登録ノードからレスポンスを受信し、前記レスポンスに基づき、前記アクセスポイントとのアップストリーム通信に利用する少なくとも1つの選択された既登録ノードを決定するステップと、
前記新規な無線検針ノードを前記既登録ノードに追加するため、前記新規な無線検針ノードから前記少なくとも1つの選択された既登録ノードを介し前記アクセスポイントに通信するステップと、
を有する方法。
【請求項2】
前記無線検針ノードのそれぞれは、関連するアドレスを有し、
当該方法はさらに、前記新規な無線検針ノードにおいて、前記少なくとも1つの選択された既登録ノードのアドレスのみを格納するステップを有する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの選択された既登録ノードを決定するステップは、プライマリ既登録ノードとバックアップ既登録ノードとを決定することを含み、
当該方法はさらに、前記プライマリ既登録ノードを介した通信の失敗に基づき、前記アクセスポイントとの通信について、前記プライマリ既登録ノードから前記バックアップ既登録ノードにスイッチするステップを有する、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの選択された既登録ノードを決定するステップは、新何時の既登録ノードを決定することを含み、
当該方法はさらに、前記単一の既登録ノードを介した通信の失敗に基づき前記送信するステップ、前記受信するステップ及び前記通信するステップを繰り返すステップを有する、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの選択された既登録ノードを決定するステップは、前記レスポンスの受信信号強度、前記レスポンスのエラーレート及び前記アクセスポイントへのホップカウントの少なくとも1つからなる少なくとも1つの品質指標を決定することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
アクセスポイントと複数の無線検針ノードとを有する検針無線メッシュネットワークと、
前記アクセスポイントと通信するよう構成されるリモートステーションと、
を有する検針システムであって、
前記複数の無線検針ノードは、前記アクセスポイントとの通信について既に登録されている既登録ノードと、前記アクセスポイントとの通信についてまだ登録されていない未登録ノードとを有し、
前記検針無線メッシュネットワークは、
新規な無線検針ノードから登録リクエストメッセージを送信し、
近隣の既登録ノードにおいて、前記登録リクエストメッセージを受信し、これに対するレスポンスを送信し、
近隣の未登録ノードにおいて、前記登録リクエストメッセージを受信し、前記新規な無線検針ノードにレスポンスを送信せず、近隣の既登録ノードにレスポンスを送信せず、
前記新規な無線検針ノードにおいて、前記近隣の既登録ノードからレスポンスを受信し、前記レスポンスに基づき前記アクセスポイントとのアップストリーム通信に利用される少なくとも1つの選択された既登録ノードを決定し、
前記新規の無線検針ノードを前記既登録ノードに追加するため、前記新規な無線検針ノードから前記少なくとも1つの選択された既登録ノードを介し前記アクセスポイントに通信する、
よう構成される検針システム。
【請求項7】
前記無線検針ノードのそれぞれは、関連するアドレスを有し、
前記新規な無線検針ノードは、前記少なくとも1つの選択された既登録ノードのアドレスのみを格納するメモリを有する、請求項6記載の検針システム。
【請求項8】
前記新規な無線検針ノードは、少なくともプライマリ既登録ノードとバックアップ既登録ノードとを決定することによって、前記少なくとも1つの選択された既登録ノードを決定し、
前記新規な無線検針ノードは、前記プライマリ既登録ノードを介した通信の失敗に基づき前記アクセスポイントとの通信について前記プライマリ既登録ノードから前記バックアップ既登録ノードにスイッチする、請求項6記載の検針システム。
【請求項9】
前記新規な無線検針ノードは、少なくとも単一の既登録ノードを決定することによって、前記少なくとも1つの選択された既登録ノードを決定し、
前記新規な無線検針ノードは、前記単一の既登録ノードを介した通信の失敗に基づき、前記送信ステップ、前記受信ステップ及び前記通信ステップを繰り返す、請求項6記載の検針システム。
【請求項10】
前記新規な無線検針ノードは、前記レスポンスの受信信号強度、前記レスポンスのエラーレート及び前記アクセスポイントへのホップカウントの少なくとも1つからなる少なくとも1つの品質指標を少なくとも決定することによって、前記少なくとも1つの選択された既登録ノードを決定する、請求項6記載の検針システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2013−503587(P2013−503587A)
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−527907(P2012−527907)
【出願日】平成22年8月24日(2010.8.24)
【国際出願番号】PCT/US2010/046496
【国際公開番号】WO2011/028526
【国際公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(594071675)ハリス コーポレイション (287)
【氏名又は名称原語表記】Harris Corporation
【Fターム(参考)】