説明

メールの送信端末

【課題】 メールにて添付ファイルを良好に送信できる。
【解決手段】 添付ファイルをメールにて送信でき、かつ、送信できる添付ファイルのファイル容量が制限値以下に制限されているカメラ付携帯電話であって、制御部110は、添付ファイルのファイル容量が制限値を超えるか否かを判定し(ステップ320)、添付ファイルのファイル容量が制限値を超えると判定されたとき、添付ファイルのファイル容量を制限値以下に縮小する(ステップ330)。これにより、ユーザが添付ファイルのファイル容量を制限値以下に縮小する操作が必要とすることなく、添付ファイルのファイル容量を制限値以下に縮小することができる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、添付ファイルをメールにて送信できるメールの送信端末に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、携帯電話では、娯楽性を高めるために、画像データ等の添付ファイルをメールで送信できるものが実現化されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の携帯電話では、送信可能な添付ファイルのファイル容量が、通信規約で制限されている。このため、ユーザは、添付ファイル付メールの送信に先だって、添付ファイルのファイル容量が制限値未満であることを確認する必要がある。
【0004】これに加えて、ユーザは、添付ファイルのファイル容量が制限値を超えると確認すると、ユーザは、キー操作部への操作を行って、添付ファイルを編集し直して、添付ファイルのファイル容量を制限値以下に縮小する必要があるため、手間がかかるといった不具合がある。
【0005】本発明は、上記点に鑑み、ユーザの手間をかけることなく、添付ファイル付メールを良好に送信できるメールの送信端末を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、添付ファイルをメールにて送信できる送信手段(350)を具備して、送信手段により送信できる添付ファイルのファイル容量が制限値以下に制限されているメールの送信端末であって、添付ファイルのファイル容量が制限値を超えるか否かを判定する判定手段(320)と、判定手段によって添付ファイルのファイル容量が制限値を超えると判定されたとき、添付ファイルのファイル容量を制限値以下に縮小する縮小手段(330)とを有することを特徴とする。
【0007】これにより、ユーザが添付ファイルのファイル容量を制限値以下に縮小する操作を必要とせず、添付ファイルのファイル容量を制限値以下に縮小することができるため、添付ファイル付メールを良好に送信できる。
【0008】ここで、請求項2に記載の発明のように、添付ファイルが画像データであるとき、縮小手段は、画像データの画像サイズを縮小することにより、ファイル容量を縮小してもよい。また、請求項3に記載の発明のように、縮小手段は、データ圧縮によって、添付ファイルのファイル容量を縮小してもよい。
【0009】請求項4に記載の発明では、縮小された添付ファイルを送信手段によって送信することに先立って、縮小された添付ファイルを再生する再生手段(340)を有することを特徴とする。
【0010】これにより、前記縮小された添付ファイルを送信するに先立って、前記縮小された添付ファイルを再生されるため、ユーザは、前記縮小された添付ファイルを確認でき、安心して、添付ファイル付メールを送信できる。
【0011】因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する一実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0012】
【発明の実施の形態】図1に本発明の一実施形態のカメラ付携帯電話を示す。図1(a)は、カメラ付携帯電話の正面を示す斜視図、図1(b)は、カメラ付携帯電話の背面を示す斜視図である。
【0013】図1(a)に示すように、カメラ付携帯電話は、直方体のケース10を備え、ケース10の正面には、液晶ディスプレイ20、キーパッド30、マイクロホン40、及び、スピーカ50が配設されている。また、ケース10の頂部には、伸縮可能に形成されたアンテナ60が配設されている。図1に示すように、ケース10の背面には、カメラ70が配設されている。
【0014】次に、カメラ付携帯電話の概略電気回路構成につき図2を用いて説明する。図2は、カメラ付携帯電話の概略電気回路構成を示すブロック図である。
【0015】図2に示すように、カメラ付携帯電話には、液晶ディスプレイ20、キーパッド30、マイクロホン40、スピーカ50、アンテナ60、及びカメラ70に加えて、無線部80、音声処理部90、記憶部100、及び、制御部110が設けられている。
【0016】液晶ディスプレイ20は、制御部110によって制御されて、各種画像を表示する。キーパッド30は、発呼キー、終話キー、ファンクションキー「F」、十字キー、文字・数字キー、メールキー等の各キーを有し、各キーがユーザにより押下されて、押下信号をそれぞれ出力する。また、マイク40は、送話音声を受けて送話信号を音声処理部90に出力し、スピーカ50は、音声処理部90からの受話信号を受けて受話音声を出力する。
【0017】アンテナ60は、基地局から下り通信信号を電波を媒体として受信する一方、上り通信信号を電波を媒体として基地局に送信する。無線部80は、送信信号を変調処理して上り通信信号を生成して、この上り通信信号をアンテナ60に出力する。無線部80は、アンテナ60から下り通信信号を受け、この下り通信信号を復調処理して復調信号を求める。
【0018】音声処理部90は、制御部110によって制御されて、復調信号をデジタル−アナログ変換処理して受話信号を生成するとともに、この受話信号をスピーカ50に出力する。また、音声処理部90は、制御部110によって制御されて、送話信号をアナログ−デジタル変換処理して送信信号を生成するとともに、この送信信号を無線部80に出力する。
【0019】カメラ70は、ケース10の背面側に向けて配設されたイメージセンサを有し、このイメージセンサは、制御部110によって制御されて、撮像して画像データを生成する。また、記憶部100には、各種データに加えて、制御部110のコンピュータプログラムが記憶されている。制御部110は、デジタルシグナルプロセッサから構成されて、デジタルシグナルプロセッサは、通話処理、カメラの撮像処理、添付ファイル付メール送信処理等を行う。
【0020】ここで、添付ファイル付メール送信処理では、添付ファイルとして、例えば、画像データを採用するとき、画像データのファイル容量が制限値を超えるとき、ユーザによって予め設定された縮小方法によって、画像データのファイル容量(ファイルサイズ)を縮小する。
【0021】そこで、添付ファイル付メール送信処理の説明に先立って、画像データのファイル容量の縮小方法の設定について図3、図4を用いて説明する。図3は、ファイル容量の縮小方法の設定処理を示すフローチャートである。図4(a)、(b)は、添付ファイルとしての画像データの表示例を示す。
【0022】先ず、待ち受け中にて、ユーザが、ファンクションキー「F」、及び、文字・数字キー「1」を押下すると、制御部110のデジタルシグナルプロセッサは、ファンクションキー「F」、及び、文字・数字キー「1」のそれぞれの押下信号(F1)を受け、図3に示すフローチャートに従って、コンピュータプログラムの実行を開始する。
【0023】すなわち、ステップ200において、ファイル容量の縮小方法の設定をユーザに促すための画像を、液晶ディスプレイ20に表示させる。このことにより、ファイル容量の縮小方法としては、「画像データの画像サイズの縮小」、及び、「画像データの圧縮率の変更」のうちいずれか一方の縮小方法の選択待ちの状態になる。
【0024】ここで、ユーザが、キーパッド30の十字キーの上向キーを押下するととともに、キーパッド30の十字キーの左向キーを押下する。すると、上向キー及び左向キーからそれぞれ押下信号を受け、ファイル容量の縮小方法として、「画像データの画像サイズの縮小」を選択する。その後、ステップ210に進んで、画像サイズの縮小率の入力待ち状態になる。
【0025】ここで、画像サイズの縮小とは、図4(a)に示すように、縮小前の画像データの表示画像に対して、その中央部分を残してその周囲部分を除去する処理である。これにより、図4(b)に示す如く、表示画像の中央部分だけが、縮小後の画像データとして設定される。そして、画像サイズの縮小率としては、縮小前の画像データの表示サイズ(X−Y)に対して、縮小後の画像データの表示サイズ(X’−Y’)の縮小比率(%)を示す(X>X’、Y>Y’)。
【0026】そこで、上述の画像サイズの縮小率の入力待ち状態において、ユーザが任意の文字・数字キーを押下するととともに、十字キーの左向キーを押下する。すると、任意の文字・数字キー及び左向キーからそれぞれ押下信号を受け、任意の文字・数字キーによる任意の画像サイズの縮小率を設定することができる。
【0027】また、ステップ200の縮小方法の選択待ちの状態において、ユーザがキーパッド30の十字キーの下向キーを押下するととともに、キーパッド30の十字キーの左向キーを押下する。すると、下向キー及び左向キーからそれぞれ押下信号を受け、ファイル容量の縮小方法として、「画像データの圧縮率の変更」を選択する。その後、ステップ220に進んで、画像データの圧縮率の入力待ち状態になる。
【0028】但し、画像データの圧縮率とは、カメラ70で撮像された画像データのデータ容量を100%として、データ圧縮後のデータ容量の比率(%)を示す。
【0029】そこで、画像データの圧縮率の入力待ち状態において、ユーザが任意の文字・数字キーを押下するととともに、十字キーの左向キーを押下する。すると、任意の文字・数字キー及び左向キーからそれぞれ押下信号を受け、任意の文字・数字キーによる任意の圧縮率を設定できる。
【0030】次に、添付ファイル付メール送信処理につき図5を用いて説明する。図5は、制御部110のデジタルシグナルプロセッサの添付ファイル付メール送信処理を示すフローチャートである。添付ファイル付メール送信処理は、カメラの撮像処理で撮像された画像データを添付ファイルとしてメール送信する処理であるため、カメラの撮像処理につき概略説明する。
【0031】先ず、カメラ70は、制御部110により制御されて、撮像対象物を撮像して画像データを生成するとともに、画像データを液晶ディスプレイ20に表示させる。このようにカメラの撮像処理では、カメラ70による撮像と、画像データの液晶ディスプレイ20への表示とが交互に繰り返される。これにより、当該撮像された画像データを動的に液晶ディスプレイ20に表示できる。
【0032】ここで、ユーザがファンクションキー「F」を押下すると、制御部110のデジタルシグナルプロセッサは、ファンクションキー「F」から押下信号を受けて、図5に示すフローチャートに従って、コンピュータプログラムの実行を開始する。
【0033】先ず、ステップ300にて、カメラ70による撮像を停止させて、その停止に先立って生成された画像データを液晶ディスプレイ20に表示させる。
【0034】次に、ユーザがメールキーを押下すると、メールキーから押下信号を受け、上記停止に先立って生成された画像データを送信メールの添付ファイルとして設定して、ステップ310に進む。
【0035】ここで、送信メールにおける「宛先」「件名」及び「本文」等の入力待ち状態になる。そして、ユーザが、「宛先」「件名」及び「本文」等を入力するために、各文字・数字キーを押下すると、各文字・数字キーからの押下信号に基づいて「宛先」「件名」及び「本文」等を設定する。
【0036】次に、ステップ320において、画像データ(添付ファイル)のファイル容量が制限値を超えるか否かを判定する。ここで、画像データのファイル容量が制限値を超えるとき、ステップ330に進んで、上記設定されたファイル容量の縮小方法で画像データのファイル容量を縮小する。
【0037】ここで、上述の縮小方法として「画像データの画像サイズの縮小」が選択されているとき、上記設定された表示サイズの縮小比率(%)で画像データの画像サイズを縮小するため、縮小化画像データを生成できる。一方、上述の縮小方法として「画像データの圧縮率の変更」が選択されているとき、上記設定された圧縮率で画像データ圧縮するため、縮小化画像データを生成できる。
【0038】更に、ステップ340において、上記縮小化画像データを液晶ディスプレイ20に表示させる。ここで、ユーザが発呼キーを押下すると、発呼キーから押下信号を受け、メール送信を許可されたと判定する。
【0039】これに伴い、ステップ350に進んで、無線部80によって、縮小化画像データ付送信メールを送信させる。これにより、無線部80は、縮小化画像データ付送信メールを変調して上り通信信号を出力するため、アンテナ60は、上り通信信号を電波を媒体として送信する。
【0040】以下、本実施形態の特徴につき述べる。画像データをメールにて送信でき、かつ、送信できる画像データのファイル容量が制限値以下に制限されているカメラ付携帯電話であって、画像データのファイル容量が制限値を超えるか否かを判定し、画像データのファイル容量が制限値を超えると判定されたとき、画像データのファイル容量を制限値以下に縮小する。
【0041】これにより、ユーザが画像データのファイル容量を制限値以下に縮小する操作が必要とすることなく、画像データのファイル容量を制限値以下に縮小し、縮小化画像データを生成できる。これに伴い、縮小化画像データ付メールを良好に送信できる。
【0042】また、縮小化画像データ付メールを送信することに先立って、縮小化画像データを液晶ディスプレイ20に表示させる。これにより、メールを送信するに先立って、縮小化画像データが再生されるため、ユーザによって、縮小化画像データを確認でき、安心して、縮小化画像データ付メールを送信することができる。
【0043】なお、上記実施形態では、任意の画像サイズの縮小率、及び、画像データの圧縮率を任意の値に設定できる例につき説明したが、これに限らず、送信可能なファイル容量の制限値を満たす、最大値のファイル容量になるように、画像サイズの縮小率、及び、画像データの圧縮率を設定するようにしてもよい。
【0044】また、上記実施形態では、画像データを添付ファイルとして採用した例につき説明したが、こらに限らず、ファイル容量を縮小可能なファイルならば、音楽ファイル等の各種ファイルを採用してもよい。
【0045】さらに、上記実施形態では、添付ファイルをメールにて送信できる送信端末として、携帯電話を適用した例につき説明したが、これに限らず、PHS、携帯情報端末(PDA)、コンピュータ等を適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るカメラ付携帯電話を示す斜視図である。
【図2】図1に示すカメラ付携帯電話の概略電気回路構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示す制御部のファイル容量の縮小方法の設定処理を示すフローチャートである。
【図4】上記ファイル容量の縮小方法の設定処理を説明するための図である。
【図5】上記制御部の添付ファイル付メール送信処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
110…制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 添付ファイルをメールにて送信できる送信手段(350)を具備して、前記送信手段により送信できる添付ファイルのファイル容量が制限値以下に制限されているメールの送信端末であって、前記添付ファイルのファイル容量が前記制限値を超えるか否かを判定する判定手段(320)と、前記判定手段によって前記添付ファイルのファイル容量が前記制限値を超えると判定されたとき、前記添付ファイルのファイル容量を前記制限値以下に縮小する縮小手段(330)とを有することを特徴とするメールの送信端末。
【請求項2】 前記添付ファイルが画像データであるとき、前記縮小手段は、前記画像データの画像サイズを縮小することにより、前記ファイル容量を縮小することを特徴とする請求項1に記載のメールの送信端末。
【請求項3】 前記縮小手段は、データ圧縮によって、前記添付ファイルのファイル容量を縮小することを特徴とする請求項1に記載のメールの送信端末。
【請求項4】 前記縮小された添付ファイルを前記送信手段によって送信することに先立って、前記縮小された添付ファイルを再生する再生手段(340)を有することを特徴とする1〜3のいずれか1つに記載のメールの送信端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2003−91485(P2003−91485A)
【公開日】平成15年3月28日(2003.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−281932(P2001−281932)
【出願日】平成13年9月17日(2001.9.17)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】