説明

モジュール式ポリ(フェニレンエチレニン)の合成方法及びナノマテリアルを機能化するためにその電子特性を微調整する方法

【解決手段】 本明細書においてナノマテリアルを剥離及び分散/可溶化するポリ(アリーレンエチレニン)ポリマーが提供される。ポリ(アリーレンエチレニン)ポリマーはユニットモノマー部位を有しており、各モノマー部位は、少なくとも1つの電子供与基を有することにより電子供与体モノマー部位を形成するか、又は少なくとも1つの電子電子求引基を有することにより電子受容体モノマー部位を形成している。そのようなポリマーは、事前に超音波処理することなく、ナノマテリアルを剥離及び分散する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ナノマテリアルを剥離及び分散/可溶化させる方法、ナノマテリアルを分散させるためのモジュールポリマー、そのようなポリマーの調整方法、及び剥離及び分散したナノマテリアルを用いた生成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
窒化ホウ素ナノチューブ及びその製造方法は当業者に既知である。例えば、Hannet al.,Synthesis of boron nitride nanotubes from carbon nanotubes by a substitution reaction,Applied Physics Letters Vol.73(21)pp.3085−3087.November23,1998;Y。Chen et al.,Mechanochemical Synthesis of Boron Nitride Nanotubes,Materials Science Forum Vols.312−314(1999)pp.173−17C8;Jornal of Metastable and Nanocrystalline Materials Vols.2−6(1999)pp.173−178.173;1999 Trains Tech Publications,Switzerlandを参照。
【0003】
カーボンナノチューブ及びその製造方法もまた当業者に既知である。一般的に、カーボンナノチューブは細長い管状の本体を有し、通常外周にあるわずかな原子から成るものである。カーボンナノチューブは空洞であって、線形フラーレン構造を有するものである。カーボンナノチューブの長さは、場合によって、その分子サイズの直径よりも百万倍大きいものがある。単層カーボンナノチューブ(SWNTs)及び多層カーボンナノチューブ(MWNTs)の両方が確認されている。
【0004】
カーボンナノチューブは、強度及び重量などに関わる物理特性に関して、非常に望ましく且つ特異的な組み合わせを有するために、現在数多くの用途が提案されている。カーボンナノチューブはまた、電気伝導度を示す。Yacobson,B.I.,et al.,American Scientist,85(1997),324−337;and Dresselhaus,M.S.,et al.,Science of Fullerences and Carbon Nanotubes,1996,San Diego:Academic Press,pp.902−905を参照。カーボンナノチューブは、例えば、銅又は金よりも良く熱及び電気を伝導し、100倍の抗張力を有するが、スチールのわずか6分の1の重さである。カーボンナノチューブは、極めて小さなサイズに生産され得るものである。カーボンナノチューブは、例えば、およそDNA二重螺旋の大きさで(又はおよそヒトの髪の毛の幅の5万分の1)生産されている。
【0005】
カーボンナノチューブを製造するための様々な技術が開発されている。カーボンナノチューブの形成方法は、例えば、米国特許第5,753,088号明細書及び5,482,601号明細書に記載されており、これらはこの参照により本明細書に組み込まれるものである。カーボンナノチューブを製造するための3つの一般的な技術は、1)レーザー蒸発技術、2)電気アーク技術、及び3)気相技術(例えば、HiPco(登録商標)法)であり、これらについてはさらに後述する。
【0006】
一般的に、カーボンナノチューブの製造において、「レーザー蒸発」技術はパルスレーザーを利用してグラファイトを気化するものである。レーザー蒸発技術はさらに、A.G.Rinzleret al.in Appl.Phys.A,1998,67,29に記載されている。一般的に、レーザー蒸発技術によって、直径約1.1〜1.3ナノメートル(nm)のカーボンナノチューブが製造される。
【0007】
カーボンナノチューブを製造するための別の技術は「電気アーク」技術であり、電気アーク放電を利用することによってカーボンナノチューブが合成される。例えば、単層ナノチューブ(SWNTs)は、ヘリウム雰囲気下、金属触媒及びグラファイト粉末(Ni:Y:C)の混合物充填されたグラファイト陽極を用いて、電気アーク放電によって合成されるものであり、これについては、C.Journet et al.in Nature(London),388(1997),756においてより完全に記載されている。一般的に、そのようなSWNTsは、最密束状構造(又は「ロープ」)として製造され、そのような束状構造は5〜20nmの範囲の直径を有している。一般的に、SWNTsは、ファンデルワールス相互作用によって結合した2次元の周期的三角格子でうまく配列されている。カーボンナノチューブを製造するための電気アーク技術は、C.Journet and P.Bernier in Appl.Phys.A,67,1においてさらに記載されている。そのような電気アーク技術を利用することにより、カーボンナノチューブの平均半径は、典型的には約1.3〜1.5nmであり、三角格子パラメータは、約1.7nmである。
【0008】
カーボンナノチューブを製造するための別の技術は「気相」技術であり、レーザー蒸発及び電気アーク製造技術より、大量のカーボンナノチューブを製造するものである。気相技術は、HiPco(登録商標)法として言及され、気相触媒反応を利用してカーボンナノチューブを製造するものである。HiPco法は、現代の工業用プラントにおいて一般的な温度及び圧力の条件下において、基本的な産業ガス(一酸化炭素)を利用しており、基本的に副生成物のない高純度カーボンナノチューブを比較的多量に製造するものである。HiPco法は、P.Nikolaev al.in Chem.Phys.Lett.,1999,313,91においてより詳細に記載されている。
【0009】
カーボンナノチューブを調整するための上述の方法、及び現在既知である別の方法は、分散又は溶解されない「純粋な」ナノチューブを生産するものである。しかしながら、そのような「純粋な」カーボンナノチューブの共有結合性の側壁の機能化によりカーボンナノチューブが有機溶媒中に溶解することが可能である。「溶解」又は「可溶化」という用語は本明細書において同じ意味として使用されることに注意すべきである。Boul,P.J.et al.,Chem Phys.Lett.1999,310,367及びGeorgakilas,J.Am.Chem.Soc.2002,124,760−761を参照。共有結合性の側壁を取り扱う上で不利な点は、カーボンナノチューブ固有の特性が共有結合性の側壁の機能化により著しく変化することである。
【0010】
カーボンナノチューブまた、ポリマーラッピング(polymer wrapping)により有機溶媒及び水に可溶化する。Dalton,A.B.et al.,J.Phys.Chem.B2000,104,10012−10016,Star,A.et al.Angrew.Chem.,Int.Ed.2001,40,1721−1725及びO’Connell,M.J.et al.Chem.Phys.Lett.2001,342,265−271を参照。ポリマーラッピングにおいて、ポリマーは、カーボンナノチューブの直径の周囲を「包む(wraps)」。このアプローチの不利な点の1つは、高いひずみの立体構造がポリマーに要求されるために、HiPco法によって生産される小半径の単層カーボンナノチューブをポリマーがラッピングするのは極めて非効率的であるということである。
【0011】
単層ナノチューブ(SWNTs)は、タンパク質を固定化するのために小分子を接着させることによって非共有結合的に機能化されている(Chen et al.,(J.Am.Chem.Soc.123:3838(2001)))。ポリマーラッピングのアプローチは、おそらく好ましくないポリマーの立体構造のために、小半径のSWNTsの溶解に対して機能不十分である。
【0012】
カーボンナノチューブの非共有結合的機能化及び可溶化方法は、Chen,J.ら(J.Am.Chem.Soc.,124,9034(2002))によって記載されており、この方法は、非ラッピングアプローチを利用してナノチューブの優れた分散をもたらすものである。SWNTsは、激しく攪拌及び/又は短時間超音波浴処理しながら、ポリ(フェニレンエチニレン)(PPE)を伴ったクロロホルム中に可溶化され、これはChenら(前述と同じ)及び2004年2月19日公開米国特許第2004/0034177号明細書及び2002年12月13日出願米国特許第10/318、730号明細書に記載されており、これらはこの参照によりその全体が本明細書に組み込まれるものである。ポリマー骨格とナノチューブ表面との間における主な相互作用は、平行なπの重なりとして記載されるものである。PPE可溶化ナノマテリアルの薄膜の可視及び近赤外線分光法によって、電子構造は基本的に可溶化後も変化しないことが実証された。そのようなPPE可溶化ナノマテリアル検体の1つは、濾過し、クロロホルム中に再溶解することによって、約0.1〜0.2mg/mLの濃度で得られるものである(Chen et al.(前述と同じ)、及び2004年2月19日公開米国特許第2004/0034177号明細書、及び2002年12月13日出願米国特許第10/318、730号明細書)。
【0013】
さらに、ナノマテリアルを剥離及び分散/可溶化するため硬質ポリマー、その組成物、及びその方法が本明細書において記載される。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0014】
本開示は、ナノマテリアルを剥離及び分散/可溶化し、剥離したナノマテリアルの分散を形成する方法に関するものである。ナノマテリアルは、典型的には束状構造(bundled)又はロープ状構造(roped)になっており、束状構造又はロープ状構造は、少なくとも部分的にほどけているものでなければならず、すなわち剥離されてナノマテリアルの分散/可溶化及び機能化が可能であるようになっている。前記方法は、混合ナノマテリアル、「n」モノマー単位のポリマー骨格を有するポリ(アリーレンエチニレン)を含み、各モノマー単位は、少なくとも2つのモノマー部位を含み、各モノマー部位は、少なくとも1つの電子供与基又は少なくとも1つの電子求引基を有し、「n」は、約5〜約190であり、さらに分散溶媒によって溶液が形成されるものである。特に、ポリ(アリーレンエチニレン)は、ポリ(フェニレンエチニレン)である。さらに実施形態において、前記ポリマーの末端置換基に操作基を保持することによって分散挙動を微調整する方法が提供される。
【0015】
更なる実施形態において、本発明は、ポリ(アリーレンエチニレン)を用いてナノマテリアルの溶液を形成するものであり、そのモノマー単位は2より大きいモノマー部位を含み、各モノマー部位は少なくとも1つの電子供与基又は少なくとも1つの電子求引基を有しており、少なくとも1つのモノマー部位は少なくとも1つの電子供与基を有しており、更に少なくとも1つのモノマー部位は少なくとも1つの電子求引基を有しており、前記ポリ(アリーレンエチニレン)における受容モノマー部位に対する供与モノマー部位の割合は1:1以外となっている。特に、供与体/受容体モノマー部位のモル比は3:1、7:1、1:3、又は1:7で提供されるものである。
【0016】
本発明のさらなる実施形態において、組成物は「n」モノマー単位のポリマー骨格を有するポリ(アリーレンエチニレン)を含んでおり、各モノマー単位は少なくとも2つのモノマー部位を有しており、各モノマー部位は少なくとも1つの電子供与基又は少なくとも1つの電子求引基を有しており、少なくとも1つの電子供与基及び電子求引基は、アルキル基、フェニル基、ベンジル基、アリール基、アリル基、又はH基に結合されており、各アルキル基、フェニル基、ベンジル基、アリール基、アリル基は、さらにZ基に結合されているものである。この実施形態において、置換基Zは、個別に、アセタール、酸ハロゲン化物、アクリレート、アシルアジド、アルデヒド、無水物、環状アルカン、アレーン、アルケン、アルキン、ハロゲン化アルキル、アリール、ハロゲン化アリール、アミン、アミド、アミノ、アミノ酸、アルコール、アルコキシ、抗生物質、アジド、アジリジン、アゾ化合物、カリックスアレーン、炭水化物、炭酸塩、カルボン酸、カルボン酸塩、カルボジイミド、シクロデキストリン、クラウンエーテル、CN、クリプタンド、デンドリマー、デンドロン、ジアミン、ジアミノピリジン、ジアゾニウム化合物、DNA、エポキシ、エステル、エーテル、エポキシド、エチレングリコール、フラーレン、グリオキサル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、イミド、イミン、イミドエステル、ケトン、ニトリル、イソチオシアナート、イソシアナート、イソニトリル、ケトン、ラクトン、金属錯体の配位子、生体分子錯体の配位子、脂質、マレイミド、メラミン、メタロセン、NHSエステル、ニトロアルカン、ニトロ化合物、ヌクレオチド、オレフィン、オリゴ糖、ペプチド、フェノール、フタロシアニン、ポルフィリン、ホスフィン、ホスホン酸塩、ポリアミン、ポリエトキシアルキル、ポリイミン(例えば、2,2’−ビピリジン、1,10−フェナントリン、テルピリジン、ピリダジン、ピリミジン、プリン、ピラジン、1,8−ナフチリジン、かご型シルセスキオキサン(POSS)、ピラゾレート、イミダゾレート、トリ−n−ブチルドデカヒドロヘキサアザケクレン、ヘキサピリジン、4,4’−ビピリミジン)、ポリプロポキシアルキル、タンパク質、ピリジン、第四アンモニウム塩、第四ホスホニウム塩、キノン、RNA、シッフ塩基、セレン化合物、セパルクレート(sepulchrate)、シラン、スチレン1単位、硫化物、スルホン、スルフヒドリル基、塩化スルホニル、スルホン酸、スルホン酸エステル、スルホン酸塩、スルホキシド、硫黄、及びセレン化合物、チオール、又はチオエーテル、チオール酸、チオエステル、チミン、又はそれらの組み合わせである。
【0017】
本実施形態のモジュールポリマーは、20nm、25nm、30nm、35nm、40nm、45nm、50nm、55nm、55nm、60nm、65nm、70nm、75nm、80nm、85nm、90nm、95nm、100nm、110nm、120nm、130nm、140nm、150nm、160nm、170nm、180nm、190nm、200nmのいずれか、及びその間の長さを有する。本実施形態のモジュールポリマーは、各モノマー単位の長さに依存した数多くの繰り返し単位を持つ。繰り返し単位の数はモノマーの長さに基づいて計算される。1つの三重結合と1つのベンゼン環とのものは、約5.4Åの長さである。従って、例えば図2のモノマー単位の長さは、約10.8Åである。そのような繰り返し単位が20〜約190あるものは、約22nm〜約200nmの長さである。8モノマー部位を持つスキーム6のモノマー単位の長さは、約43nmである。従って、約200nmの長さのモノマー単位の数は、約5である。特定の実施形態において、繰り返し単位の数は以下の単位数と同じであるか。又は以下の単位数のいずれかの範囲内である:5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、及び190。繰り返し単位の数は、例えば、プロトンNMRにより決定される。
【0018】
本発明のモジュールポリマーにより剥離及び分散されたナノマテリアルによって、ナノマテリアルの非共有結合性複合体がもたらされ、さらに分散/可溶化溶媒中において分散しているモジュールポリマーがもたらされる。剥離した及び分散したナノマテリアルは、その後、分散/可溶化溶媒に除去することにより分散又は溶液から除去され、固体にされ(剥離した固体ナノマテリアル)、その後剥離した固体ナノマテリアルを再分散又は再可溶化溶媒と混合することにより再分散又は再可溶化される。本実施形態のナノマテリアルは、モジュールPPEにより剥離及び分散/可溶化する前に、前超音波処理されなかった。従って、モジュールPPEは、ナノマテリアル処理に対して利点を提供するものである。
【0019】
さらに本発明の組成物は、剥離したナノマテリアルの分散物/溶液、溶媒を除去することにより分散物から得られた剥離した固体ナノマテリアル、及び剥離したナノマテリアルの再分散された分散物/再可溶化溶液を含む。前記分散物は、ナノマテリアル、本明細書において記載されたモジュールポリマー、及び分散/可溶化溶媒を含む。
【0020】
本明細書において記載されるモジュールポリマー−分散剥離ナノマテリアルを含む製造項目は、本発明のさらなる実施形態である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本明細書において開示される特定のポリマーは、本明細書において開示される特定の方法において使用されるものであり、図1において示されたようなポリ(フェニレンエチニレン)構造(「PPE」)に基づいた硬質機能化共役ポリマーである。図1において図示される基本的なPPE構造は、当業者に既知である。Brunz,U.H.F.CHem.Rev.2000,100,1605−1644及びMcWQuande,D.T.et al.,J.Am.Chem.Soc.2000,122,12389−12390を参照。本明細書において開示されるポリマーは、図1で図示されるPPEのように硬質機能化共役骨格を有するものである。しかしながら、本明細書において開示される前記PPEポリマーは、少なくとも1つの電子供与基及び1つの電子受容基を有するモジュールモノマー単位を提供する骨格を有しており、そのポリマーは、溶媒中においてナノマテリアルを剥離及び分散することが可能なものである。前記モジュールポリマーはさらに、分散する性質に影響する置換基及び/又は側鎖を有し、例えば、混合物中における接着を増強する。モジュールポリマー、及びモジュールポリマー/ナノマテリアル混合物(本明細書においてZ基を付け加えると説明される)の様々な機能化は、ポリマーを重合した後、及びさらにモジュールポリマーとナノマテリアルを混合した後に行われる。付け加えられたZ基はさらに、以下に記載するように、ポリマーとナノマテリアルとを混合する前後のいずれかにおいて操作されても良い。
【0022】
ナノマテリアルを剥離し、分散/可溶化、及び機能化するためには、本明細書において記載されるように、少なくとも1つの電子供与基又は電子求引基を有するモジュールモノマー単位を有するポリマーが、水、クロロホルム、ジクロロベンゼン、及び以下で説明されるような多くのハロゲン化又は非ハロゲン化有機溶媒のいずれかの溶媒中において、ナノマテリアルと混合される。前記ポリマーは、非ラッピング(non−wrapping)方法において、ナノマテリアルと関連するものである。
【0023】
本明細書において使用されるように、「非ラッピング」は、ポリマーが関連するナノマテリアルの直径を包装することを意味するものではない。つまり、「非ラッピング方法」においてポリマーとナノマテリアルとが関連するというのは、ポリマーがナノマテリアルの直径に完全に包装されていないポリマーとナノマテリアルとの関連を包含するものである。
【0024】
一部の実施例において、前記非ラッピング方法は、さらに定義及び/又は制限される。例えば、本発明の好ましい実施形態において、ポリマーは、ナノマテリアルと関連しており(例えばπ−重なり相互作用を通じて)、前記ポリマー骨格は、前記ポリマー骨格の他の部位との関係で前記骨格の如何なる部位であってもナノマテリアルの直径の半分よりは伸長せずに、ナノマテリアルの長さに沿って実質的に伸長しているものである。
【0025】
本明細書において記載されるようにポリマーに導入される様々な骨格における固有の硬さは、変化し得るものであるが、そのような骨格は、関連するナノマテリアルをラッピングしないように(すなわち、完全にその直径を包装しないように)十分硬いのが好ましい。本明細書において記載されるようにポリマー骨格に結合された側鎖、伸長基、官能基は、ナノマテリアルの直径の全体又は一部に伸長するが、ポリマー骨格は、関連したナノマテリアルの直径の周囲をラッピングしないほど十分に硬いものである。
【0026】
本願明細書で使用される「ナノマテリアル」という用語は、これに限定されないが、多層カーボン(MWNTs)又は窒化ホウ素ナノチューブ、単層カーボン(SWNTs)、又は窒化ホウ素ナノチューブ、カーボン又は窒化ホウ素ナノ粒子、カーボン又は窒化ホウ素ナノ繊維、カーボン又は窒化ホウ素ナノロープ、カーボン又は窒化ホウ素ナノリボン、カーボン又は窒化ホウ素ナノ原線維、カーボン又は窒化ホウ素ナノニードル、カーボン又は窒化ホウ素ナノシート、カーボン又は窒化ホウ素ナノロッド、カーボン又は窒化ホウ素ナノホーン、カーボン又は窒化ホウ素ナノコーン、カーボン又は窒化ホウ素ナノスクロール、グラファイトナノプレートレット、ナノドット、他のフラーレン物質、又はそれらの組み合わせを含む。「ナノチューブ」という用語は、本明細書において幅広く使用され、他に制限しない限り、いかなるタイプのナノマテリアルも含むことが意図される。一般的に、「ナノチューブ」は、チューブ状らせん様構造であり、原子スケールの円周をゆうするものである。例えば、単層ナノチューブの直径は、典型的に推定0.4ナノメートル(nm)〜約100ナノメートル(nm)の範囲であり、最も典型的には推定0.7nm〜約5nmの範囲の直径を有する。
【0027】
本発明の実施例において使用されるMWNTsは、フランスのArkema Groupから市販されている。高圧一酸化炭素法(HiPco法)により生産されるSWNTsは、Carbon Nanotechnologies,Inc.(ヒューストン、テキサス州)より入手可能である。アーク放電、レーザー蒸発、又は本開示を考慮にいれた当業者に周知の他の方法により生産されたナノマテリアルが使用され得る。
【0028】
本明細書で使用される「SWNTs」という用語は、単層ナノチューブを意味するものであり、この用語は、本明細書において他に言及しない限り上記に引用された他のナノマテリアルが置換され得ることを意味する。
【0029】
本明細書で使用される「ポリ(アリーレンエチニレン)」の「アリーレン」は、例えば、フェニル、ジフェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、ピリジニル、ビス−ピリジニル、フェナントロリル、ピリミジニル、ビス−ピリミジニル、ピラジニル、ビス−ピラジニル、アザ−アントラセニル、又はそれらの異性体などを意味する。
【0030】
本明細書で使用される「モノマー部位」という用語は、PPEのモジュールモノマー単位の固定された置換基を伴った1つのアリーレンのことであり、。
【0031】
「R」記号表示は、(R1,2,3,又は4)の1つのR基のことであり、例えば、(R1,2,3,又は4)の1つのRは、R、R、R、又はRを指す。
【0032】
同様に、「X」記号表示は、(X1又は2)の1つのX置換基であり、例えば、(X1又は2)の1つのXは、X又はXを指し、「Y」記号表示は、(Y1又は2)の1つのY置換基であり、例えば、(Y1又は2)の1つのYは、Y又はYを指す。
【0033】
さらに、「Z」記号表示は、(Z1,2,3,又は4)の1つのZ基のことであり、例えば、(Z1,2,3,又は4)の1つのZは、Z、Z、Z、又はZである。

本発明の実施形態のポリ(フェニレンエチニレン)は、P、P、又はPの構造を含む。
【0034】
【化4】

【0035】
、P、及びPの構造対して、nは、約20〜約190である。P構造は、図2の基本骨格220であり、(選択的に)Z基はない。P構造は、Yで一置換されている第一のモノマー部位を有するP基本構造である。P構造は、Yで一置換されている第一のモノマー部位を有するP基本構造であり、第二のモノマー部位は、Xで一置換されている。X、X、Y、Y、及びYは、電子供与性又は電子求引性のどちらか一方であり、特に、ポリ(フェニレンエチニレン)がP構造を有する場合及びX及びXが電子供与性である場合、Y及びYは電子求引性であり、X及びXが電子求引性である場合、Y、Yは、電子供与性である。さらに、前記ポリ(フェニレンエチニレン)がP構造を有する場合及びX及びXが電子供与性である場合、Yは電子求引性であり;X及びXが電子求引性である場合、Yは電子供与性である。また、ポリ(フェニレンエチニレン)がP構造を持つ場合及びXが電子供与性である場合、Yは電子求引性であり、Xが電子求引性である場合、Yは、電子供与性である。
【0036】
本明細書で使用される「電子求引性」という用語は、共有結合している原子がもう一方の原子から共有電子対を引き寄せる傾向が強いということを意味する。本明細書で使用される「電子供与性」という用語は、共有結合している原子がもう一方の原子に共有電子対を「譲る」傾向が強いということを意味する。本明細書で説明されるポリ(アリーレンエチニレン)の各モノマー単位は、少なくとも2つのモノマー部位を含み、そこにおいて各モノマー部位が少なくとも1つの電子供与基又は少なくとも1つの電子求引基であるので、従ってポリマーの電子特性は、微調整される。
【0037】
構造及び図2の構造に関して、PPEポリマー基本骨格の実施例は、本明細書において開示されるように図示される。図5において記載されるように、図2で図示されたP構造及びポリマー基本骨格220はまた、他の機能化を与える修飾に適当である。ポリマー骨格220及びポリマー骨格Pは、第一の特徴化されたモノマー部位(図2中の222)及び第二の特徴化されたモノマー部位(図2中の224)から成る骨格を持ち、ポリマーのモノマー重合単位を形成し、ポリマー基本骨格Pに関して、そのようなモノマー単位の「n」という数は、約20〜約190までの範囲である。繰り返し単位の数は、例えば、H−NMRにより決定される。第一の特徴化された単体部位(図2中の222)及び第二の特徴化されたモノマー部位(図2中の224)は、単に明確化のために「第一の」及び「第二の」として言及されるが、本明細書において記載した図2及び他の図中で図示されるようにモノマーの部位は、ポリマー骨格上で反対でもよい。
【0038】
図2中の第一のモノマー部位222及びPの第一のモノマー部位は、それぞれ、Y−R−Z及びY−R−Z、Y−R及びY−Rで置換されたベンゼン環を含む。図2中の第二のモノマー部位224及びPの第二のモノマー部位は、それぞれ、Y−R−Z及びY−R−Z、Y−R及びY−Rで置換されたベンゼン環を含む。
【0039】
の第一のモノマー部位は、Y−Rで一置換されたベンゼン環を含む。Pの第二のモノマー部位は、Y−R及びY−Rで置換されたベンゼン環を含む。
【0040】
の第一のモノマー部位は、Y−Rで一置換されたベンゼン環を含む。Pの第二のモノマー部位は、Y−Rで一置換されたベンゼン環を含む。
【0041】
、Y、X、及びXに選ばれた置換基は、結合したベンゼン環の電子特性に影響がある。特に、Y、Y、X、及びXに選ばれた置換基は、ベンゼン環に対して電子求引性又は電子供与性である。電子求引基は、フェニル基に電子不足をもたらし、従ってそのようなモノマー部位は電子受容体である。電子供与基は、電子過剰なフェニル基を作り出し、従ってそのようなモノマー部位は、電子供与体となる。
【0042】
例えば、図3中の基本骨格320又は図5中の第一のモノマー部位は、カルボニル基が電子求引性なので、電子受容体である。基本骨格320の第二のモノマー部位は、エーテル基(−O−)が電子供与性なので電子供与体である。
【0043】
、Y、X、及びXは、同一又は異なる置換基であり、 CO、COO、CONHCONHCO、COOCO、CONHCNH、CON、COS、CS、CN、CNN、SO、SO、NO、PO(全て電子求引基);アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、例えば、10、20、30、40、又は50までの炭素数)、アリール基、アリル基、N、S、O、又はP(全て電子供与基)である。
【0044】
例えば、Y、Y、X、及びXは、それぞれ、COOである場合、X1又は21,2,3,又は41,2,3,又は4又はY1又は21,2,3,又は41,2,3,又は4置換基は、例えば、酸、エステル、無水物、カルバミン酸塩、又は炭酸塩であり;例えば、Y、Y、X、及びXは、それぞれ、CONHである場合、X1又は21,2,3,又は41,2,3,又は4又はY1又は21,2,3,又は41,2,3,又は4置換基は、例えば、アミド又はイミドであり;例えば、Y、Y、X、及びXは、それぞれ、CONである場合、X1又は21,2,3,又は41,2,3,又は4又はY1又は21,2,3,又は41,2,3,又は4置換基は、例えば、一又は二置換アミドであり;例えば、Y、Y、X、及びXは、それぞれ、COSである場合、X1又は21,2,3,又は41,2,3,又は4又はY1又は21,2,3,又は41,2,3,又は4置換基は、例えば、チオエステル、チオ酸無水物、チオカルバミン酸塩、又はチオ炭酸塩であり;例えば、Y、Y、X、及びXは、それぞれ、CSである場合、X1又は21,2,3,又は41,2,3,又は4又はY1又は21,2,3,又は41,2,3,又は4置換基は、例えば、チオアミド又はチオイミドであり;例えば、Y、Y、X、及びXは、それぞれ、Nである場合、X1又は21,2,3,又は41,2,3,又は4又はY1又は21,2,3,又は41,2,3,又は4置換基は、例えば、アミン、ジアゾ、イミン、ヒドラジン、ヒドラゾン、グアニジン、及び尿素であり;例えば、Y、Y、X、及びXは、それぞれ、NOである場合、X1又は21,2,3,又は41,2,3,又は4又はY1又は21,2,3,又は41,2,3,又は4置換基は、例えば、窒素酸化物であり;例えば、Y、Y、X、及びXは、それぞれ、Sである場合、X1又は21,2,3,又は41,2,3,又は4又はY1又は21,2,3,又は41,2,3,又は4置換基は、例えば、チオエーテル又はチオエステルであり;例えば、Y、Y、X、及びXは、それぞれ、Oである場合、X1又は21,2,3,又は41,2,3,又は4又はY1又は21,2,3,又は41,2,3,又は4置換基は、例えば、エーテル、エステル、カルバミン酸塩、又は炭酸塩であり;例えば、Y、Y、X、及びXは、それぞれ、CNである場合、X1又は21,2,3,又は41,2,3,又は4又はY1又は21,2,3,又は41,2,3,又は4置換基は、例えば、イミン又はヒドラゾンであり;例えば、Y、Y、X、及びXは、それぞれ、CNNである場合、X1又は21,2,3,又は41,2,3,又は4又はY1又は21,2,3,又は41,2,3,又は4置換基は、例えば、ヒドラゾン、イミド、又はカルボキシミドアミドである。R、R、R、及びRは、同一又は異なる置換基であり、広範囲の置換基の任意でよい。本明細書中で提供された実施形態において、R、R、R、及びRは、それぞれ、アルキル基、Z置換アルキル基、フェニル基、Z置換フェニル基、ベンジル基、Z置換ベンジル基、アリール基、Z置換アリール基、アリル基、Z置換アリル基、又は水素である。
【0045】
置換基Zは、例えば、本発明のモジュールポリマーがナノマテリアル合成物の製造用に使用された場合、ホストマトリックスと相互作用する。置換基Zはまた、モジュールポリマーによりナノマテリアルの分散/可溶化を増強するのに又は生物分子と共に使用される際の特異的相互作用又は認識に有用である。置換基Zは以下に定義される。
【0046】
置換基Z(すなわち、それらは同一又異なる)は、さらなる操作に適した任意の置換基、又は置換基の組み合わせ、すなわち「操作基」を含む。Z、Z、Z、及びZとしての使用に適当な置換基は、修飾される得る特性を持つ任意の置換基を含む。
【0047】
さらなる実施形態において、置換基Zは、アセタール、酸ハロゲン化物、アクリレート、アシルアジド、アルデヒド、無水物、環状アルカン、アレーン、アルケン、アルキン、ハロゲン化アルキル、アリール、アリールハロゲン、アミン、アミド、アミノ、アミノ酸、アルコール、アルコキシ、抗生物質、アジド、アジリジン、アゾ化合物、カリックスアレーン、炭水化物、炭酸塩、カルボン酸、カルボン酸塩、カルボジイミド、シクロデキストリン、クラウンエーテル、CN、クリプタンド、デンドリマー、デンドロン、ジアミン、ジアミノピリジン、ジアゾニウム化合物、DNA、エポキシ、エステル、エーテル、エポキシド、エチレングリコール、フラーレン、グリオキサル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、イミド、イミン、イミドエステル、ケトン、ニトリル、イソチオシアナート、イソシアナート、イソニトリル、ケトン、ラクトン、金属錯体の配位子、生体分子錯体の配位子、脂質、マレイミド、メタロセン、NHSエステル、ニトロアルカン、ニトロ化合物、ヌクレオチド、オレフィン、オリゴ糖、ペプチド、フェノール、フタロシアニン、ポルフィリン、ホスフィン、ホスホン酸塩、ポリアミン、ポリエトキシアルキル、ポリイミン(例えば、2,2’−ビピリジン、1,10−フェナントリン、テルピリジン、ピリダジン、ピリミジン、プリン、ピラジン、1,8−ナフチリジン、かご型シルセスキオキサン(POSS)、ピラゾレート、イミダゾレート、トリ−n−ブチルドデカヒドロヘキサアザケクレン、ヘキサピリジン、4,4’−ビピリジン)、ポリプロポキシアルキル、タンパク質、ピリジン、第四アンモニウム塩、第四ホスホニウム塩、キノン、RNA、シッフ塩基、セレン化合物、セパルクレート(sepulchrate)、シラン、スチレン1単位、硫化物、スルホン、スルフヒドリル基、塩化スルホニル、スルホン酸、スルホン酸エステル、スルホン酸塩、スルホキシド、硫黄、及びセレン化合物、チオール、又はチオエーテル、チオール酸、チオエステル、チミン、又はそれらの組み合わせである。
【0048】
本発明のいくつかの実施形態において、約25%〜100%のポリマーがZ基を持つ。さらなる実施形態において、10%〜約50%のZ基は、上記で説明されるようにさらに機能化され、さらなる末端官能基を得る。そのような機能化は、分散過程に影響する又は例えば合成物への接着を増強することに有益である。本明細書で考慮されるまた別の実施形態において、Y、Y、R及びR又はX、X、R及びR又はZ及びZに選ばれた置換基が操作基として働くので、Z及びZは、存在しない。Z及びZが存在しないポリマー基本骨格の1つの実施例は、それぞれ図3及び図7に記載される。Z基の存在は、例えばIR、H−NMR、又はC−NMRにより測定される。
【0049】
剥離した及び分散/可溶化したナノマテリアルのためのPPEモジュールポリマーは、X=X及びY=YであるP構造;又はX=X=COO、Y=Y=O、及びR〜Rがそれぞれアルキル基、Z置換アルキル基、フェニル基、Z置換フェニル基、ベンジル基、Z置換ベンジル基、アリール基、Z置換アリール基、アリル基、Z置換アリル基、又は水素であるP構造;又はX=XであるP構造;又はX=X=COO、Y=O、R〜Rがそれぞれアルキル基、Z置換アルキル基、フェニル基、Z置換フェニル基、ベンジル基、Z置換ベンジル基、アリール基、Z置換アリール基、アリル基、Z置換アリル基、又は水素であるP構造;又はX=COO、Y=O、R〜Rがそれぞれアルキル基、Z置換アルキル基、フェニル基、Z置換フェニル基、ベンジル基、Z置換ベンジル基、アリール基、Z置換アリール基、アリル基、Z置換アリル基、又は水素であるP構造;又はX=X=COOH、及びY=Y=OC1021であるP構造;又はX=X=COO−アルキル基、及びY=Y=OC1021であるP構造;又はXZ=XZ=COO−ポリエトキシアルキル基、及びY=Y=OC1021であるP構造;又はXZ=XZ=CONHCH(CH)CHOCH(CH)CHO−アルキル基、及びY=Y=OC1021であるP構造を含む。
【0050】
末端官能基Zを持つポリ(フェニレンエチニレン)ポリマーの合成方法であり、上記で説明したポリ(フェニレンエチニレン)ポリマーP、P、又はPと反応体Zとをカップリングし、Z置換アルキル、Z置換フェニル、Z置換ベンジル、Z置換アリール、又はZ置換アリルを形成する工程で、そこにおいてZは、それぞれOH、SH、COOH、COOR、CHO、NH、CO−アルコキシアルキル、CO−アルキルアミン、CO−アリールアミン、CO−アルキルヒドロキシ、CO−アリールヒドロキシ、CO−抗生物質、NH−抗生物質、CO−糖、糖−OH、CO−デンドリマー、CO−デンドロン、NH−デンドリマー、NH−デンドロン、CO−タンパク質、NH−タンパク質、CO−メラミン、CO−エポキシ、CO−ジアミン、CO−アルキル、CO−クラウンエーテル、CO−エチレングリコール、CO−ポリアミン、CO−DNA、CO−RNA、ポリエトキシアルキル、ポリプロポキシアルキル、アジリジン基、オレフィン、NHR、COR、CNR、CN、CONHR、脂質、金属錯体の配位子、生体物質錯体の配位子、エポキシ基、スチレン単位、アクリレート単位、又はそれらの組み合わせであり、そこにおいてCOORのRは、アルキル、アリール、アリル、フェニル、又はベンジルである工程を含む。
【0051】
本発明のさらなる実施形態は、以下の構造を有するポリ(フェニレンエチニレン)を含む組成物であり、
【化5】

【0052】
ここで、nは約20〜約190であり、X、X、Y、Y、及びYは、電子供与基又は電子求引基のいずれかであり、X及びXが電子供与性である場合、Yは電子求引性であり、X及びXが電子求引性である場合、Y、Yは、電子供与性である。この実施形態において、X、X、Y、及びYはそれぞれCOO、CONH、CONHCO、COOCO、CONHCNH、CON、COS、CS、アルキル、アリール、アリル、N、NO、S、O、SO、CN、CNN、SO、P、又はPOであり;R〜Rは、それぞれアルキル、フェニル、ベンジル、アリール、アリル、又は水素であり;Z〜Zは、それぞれアセタール、酸ハロゲン化物、アクリレート、アシルアジド、アルデヒド、無水物、環状アルカン、アレーン、アルケン、アルキン、ハロゲン化アルキル、アリール、アリールハロゲン、アミン、アミド、アミノ、アミノ酸、アルコール、アルコキシ、抗生物質、アジド、アジリジン、アゾ化合物、カリックスアレーン、炭水化物、炭酸塩、カルボン酸、カルボン酸塩、カルボジイミド、シクロデキストリン、クラウンエーテル、CN、クリプタンド、デンドリマー、デンドロン、ジアミン、ジアミノピリジン、ジアゾニウム化合物、DNA、エポキシ、エステル、エーテル、エポキシド、エチレングリコール、フラーレン、グリオキサル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、イミド、イミン、イミドエステル、ケトン、ニトリル、イソチオシアナート、イソシアナート、イソニトリル、ケトン、ラクトン、金属錯体の配位子、生体分子錯体の配位子、脂質、マレイミド、メタロセン、NHSエステル、ニトロアルカン、ニトロ化合物、ヌクレオチド、オレフィン、オリゴ糖、ペプチド、フェノール、フタロシアニン、ポルフィリン、ホスフィン、ホスホン酸塩、ポリアミン、ポリエトキシアルキル、ポリイミン(例えば、2,2’−ビピリジン、1,10−フェナントリン、テルピリジン、ピリダジン、ピリミジン、プリン、ピラジン、1,8−ナフチリジン、かご型シルセスキオキサン(POSS)、ピラゾレート、イミダゾレート、トリ−n−ブチルドデカヒドロヘキサアザケクレン、ヘキサピリジン、4,4’−ビピリジン)、ポリプロポキシアルキル、タンパク質、ピリジン、第四アンモニウム塩、第四ホスホニウム塩、キノン、RNA、シッフ塩基、セレン化合物、セパルクレート(sepulchrate)、シラン、スチレン1単位、硫化物、スルホン、スルフヒドリル基、塩化スルホニル、スルホン酸、スルホン酸エステル、スルホン酸塩、スルホキシド、硫黄、及びセレン化合物、チオール、又はチオエーテル、チオール酸、チオエステル、チミン、又はそれらの組み合わせである。
【0053】
ナノマテリアルの分散液/溶液:本発明の特定の実施形態に従って、モジュールポリマーを用いてナノマテリアルを剥離及び分散させる方法は、事前に超音波処理されていているか或いはされていない混合ナノマテリアル、本明細書で説明されるポリ(フェニレンエチニレン)モジュールポリマー、及び分散/可溶化溶媒を含み、剥離したナノマテリアルの分散を形成するものである。本明細書において用いられる「混合する」という用語は、ナノマテリアル及びモジュールポリマーが溶媒存在下において互いに接触するということである。「混合」は、単に激しい攪拌又は高せん断混合を含み、約10分〜約3時間の超音波処理を含む。
【0054】
分散/可溶化溶媒は、例えば、クロロホルム、クロロベンゼン、水、酢酸、アセトン、アセトニトニル、アニリン、ベンゼン、ベンゼンニトリル、ベンジルアルコール、ブロモベンゼン、ブロモホルム、1−ブタノール、2−ブタノール、二硫化炭素、四塩化炭素、シクロヘキサン、シクロヘキサノール、デカリン、ジブロモメタン、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールエーテル、ジエチルエーテル、ジグリム、ジメトキシメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、エタノール、エチルアミン、エチルベンゼン、エチレングリコールエーテル、エチレングリコール、酸化エチレン、ホルムアルデヒド、ギ酸、グリセロール、ヘプタン、ヘキサン、ヨウ化ベンゼン、メシチレン、メタノール、メトキシベンゼン、メチルアミン、臭化メチレン、塩化メチレン、メチルピリジン、モルホリン、ナフタレン、ニトロベンゼン、ニトロメタン、オクタン、ペンタン、ペンチルアルコール、フェノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ピリジン、ピロール、ピロリジン、キノリン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、テトラクロロエチレン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、テトラリン、テトラメチルエチレンジアミン、チオフェン、トルエン、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,1,1−トリクロエタン、1,1,2−トリクロエタン、トリクロロエチレン、トリエチルアミン、トリエチレングリコールジメチルエーテル、1,3,5−トリメチルベンゼン、m−キシレン、o−キシレン、p−キシレン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン、1,4−ジクロロベンゼン、1,2−ジクロロエタン、N−メチル−2−ピロリドン、メチルエチルケトン、ジオキサン、又はジメチルスルホキシドなどの有機性又は水性溶媒である。本発明の特定の実施形態において、前記分散/可溶化溶媒はハロゲン化有機溶媒であり、さらなる実施形態において、分散/可溶化溶媒はクロロベンゼンである。
【0055】
剥離したナノマテリアルの分散/溶液は、本明細書において記載されるナノマテリアルを含み、本明細書において記載されるモジュールポリマー及び本明細書において記載される分散/可溶化溶媒は、本発明の実施形態である。
【0056】
モジュールポリマー−剥離し分散/可溶化したナノマテリアル中におけるモジュールポリマーとナノマテリアルとの相互作用は、共有結合性ではなく非共有結合性である。従って、ナノマテリアルの基本的な電子構造及びその主要な特性は影響されない。
【0057】
剥離されたナノマテリアルは、0より大きく1より小さい重量比で分散/可溶化したモジュールポリマーを含み、以下の任意の重量比と同等であるか又はその範囲内の量であり、:0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.60、0.70、0.80、及び0.90;0.15以上0.50以下の重量比の量;0.20以上0.35以下の重量比の量、又は約0.33の重量比である。
【0058】
剥離/分散は、必要な酸性又は塩基性の条件下で行われても良い。例えば、実施例3において提供されるように、ポリマー7及び8によるMWNTの剥離化/分散化はpH8.0〜8.5で行われた。前記剥離/分散するpHは、例えばポリマーの置換基の特性に依存し、置換基が酸性の場合、分散は塩基性溶媒中におけるものであり、塩基性の場合、分散は中性又は酸性の溶媒中におけるものである

【0059】
溶媒中で剥離したナノマテリアルは、数週間の間も沈澱しない。ナノマテリアルが濾紙上で濾過される際、この分離は、むしろその大きなサイズの関数(故)であり、その分散又は溶解性の関数(故)ではない。十分な濾過によりほとんどの溶解した分子を分離できる。「分散」及び「機能化」は本明細書において同じ意味で使用される。
【0060】
分散又は可溶化は分散液のアリコートの写真分析を使用し決定される。分散/可溶化したポリマーのないナノマテリアルの写真が対照として分析される。例えば、ナノチューブ濃度既知で可変の一連のナノチューブ分散液/溶液及び分散/可溶化したポリマーのないナノチューブ分散液/溶液、各々のアリコート(1mL)が撮影される。ナノチューブは、分散され2つの異なるゾーンが観察される:暗いゾーン(ナノチューブの集合体)及び明るいゾーン(ナノチューブの非分散のためナノチューブの欠如)。このセットは、標準対照を与える。モジュールポリマー−剥離し分散/可溶化したナノチューブのアリコート(1mL)の溶液で分散/可溶化したポリマーナノチューブ濃度既知のものが撮影され対照と比較される。剥離分散した試料中でほぼ均一な分散が観察される。
【0061】
溶媒の除去により分散液から得られた固体ナノマテリアル:当業者に既知の多くの標準的手順の1つによる溶媒除去により上述のように固体の剥離したナノマテリアルは剥離したナノマテリアルの分散液/溶液から得られる。そのような標準的手順は、真空下でのエバポレーション又は加熱エバポレーションなどのエバポレーションによる乾燥、流延、沈澱、又は濾過などを含む。固体の剥離したナノマテリアルを沈澱させる溶媒は、ポリマー骨格の側鎖の極性と反対の極性を持つ。本発明の方法により得られた物質に関し、一般的に固体マテリアルは、カーボンナノチューブの均一ネットワークを伴い黒色である。固体物質は、粉砕され粉末状となる。
【0062】
除去された溶媒は、真空中回収により再利用され得、液体窒素でトラップする。そのような再利用される溶媒は、さらなる精製なしで使用される。
【0063】
固体ナノマテリアルは、ナノマテリアルの分散液/溶液に対し配送、取り扱い、貯蔵、長期収納などの利点を有する。
【0064】
再分散又は再可溶化ナノマテリアル:上述のようにして得られた固体の剥離したナノマテリアルは、固体の剥離したナノマテリアルと再分散又は再可溶化溶液と混合することにより再分散又は再可溶化される。再分散又は再可溶化に関し本明細書で使用される「混合する」という用語は、固体の剥離したナノマテリアル及び再分散又は再可溶化溶媒が互いに接触するということである。再可溶化に関する「混合」は、単に激しい攪拌又は高せん断混合を含み、約10分〜約3時間の超音波浴を含む。
【0065】
再分散又は再可溶化溶媒は、分散又は可溶化溶媒と同一の溶媒であるか又は異なる溶媒である。それぞれ、再分散溶媒は、有機性又は水性であり、例えば、クロロホルム、クロロベンゼン、水、酢酸、アセトン、アセトニトニル、アニリン、ベンゼン、ベンゼンニトリル、ベンジルアルコール、ブロモベンゼン、ブロモホルム、1−ブタノール、2−ブタノール、二硫化炭素、四塩化炭素、シクロヘキサン、シクロヘキサノール、デカリン、ジブロモメタン、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールエーテル、ジエチルエーテル、ジグリム、ジメトキシメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、エタノール、エチルアミン、エチルベンゼン、エチレングリコールエーテル、エチレングリコール、酸化エチレン、ホルムアルデヒド、ギ酸、グリセロール、ヘプタン、ヘキサン、ヨウ化ベンゼン、メシチレン、メタノール、メトキシベンゼン、メチルアミン、臭化メチレン、塩化メチレン、メチルピリジン、モルホリン、ナフタレン、ニトロベンゼン、ニトロメタン、オクタン、ペンタン、ペンチルアルコール、フェノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ピリジン、ピロール、ピロリジン、キノリン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、テトラクロロエチレン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、テトラリン、テトラメチルエチレンジアミン、チオフェン、トルエン、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,1,1−トリクロエタン、1,1,2−トリクロエタン、トリクロロエチレン、トリエチルアミン、トリエチレングリコールジメチルエーテル、1,3,5−トリメチルベンゼン、m−キシレン、o−キシレン、p−キシレン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン、1,4−ジクロロベンゼン、1,2−ジクロロエタン、N−メチル−2−ピロリドン、メチルエチルケトン、ジオキサン、又はジメチルスルホキシドであり、さらなる実施形態において、再分散溶媒はクロロベンゼンである。
【0066】
再分散した固体剥離ナノマテリアル分散液は、本明細書で記載されるように固体の剥離したナノマテリアルを含み、本明細書で記載されるように再分散溶媒は、本発明の実施形態である。
【0067】
図3を参照すると、ポリマー基本骨格の1つの実施例が、図2のポリマー基本骨格220の記載及び図示に対応し図示される。
【0068】
図3に図示されるポリマー基本骨格320の実施例は、第一の特徴化されたモノマー部位322及び第二の特徴化されたモノマー部位324から成る。図3において、「n」は、図2について上述され、約20〜約190である。
【0069】
第一の特徴化されたモノマー部位322において、Y及びY置換基は、図2について上述のグループから選択され、特に、Y及びYは、COO、CONH、及びCONの1つである(そこにおいて図3中のXは、O、N、又はHNである)。R及びR置換基もまた図2について上述のグループから選択され、特に、R及びRは、さらにナノマテリアルを分散させるように働くグループである。
【0070】
第一の特徴化されたモノマー部位322の置換基Y及びYは、電子求引基置であり、少なくとも部分的にカルボニル基(−CO−)の存在のためである。電子求引性の特徴は、第一の特徴化されたモノマー部位322のベンゼン環における電子不足部分326の生成に寄与する。この電子不足部分326の生成は(繰り返しが長すぎるので「この」とまとめました)、そのようなベンゼン環により形成された骨格部位が、ポリマー骨格320が接触する物質、本明細書で記載されるナノマテリアルなどに対して電子受容体として作用することを引き起こす。
【0071】
図3中に図示される例示的ポリマー基本骨格320において、Z及びZが存在しないのは、第二の特徴化されたモノマー部位324における置換基Z及びZ(COOH)が操作基を与えるからである。
【0072】
第二のモノマー部位324のZ及びZを参照すると、Z及びZは図2について上述したグループから選択され、特に、Z及びZは、COOHである。図5についてさらに記載されるが、操作基としてのCOOHの存在は、第二の特徴化されたモノマー部位324上で広範囲の操作及び/又は置換可能性を与える。骨格の他の置換基はそのままの状態にしておく一方で、そのような操作及び/又は置換は、Z及びZのCOOH基を単に操作するだけで成され得る。さらに、そのような操作及び/又は置換はポリマー基本骨格の重合後に成され得る。
【0073】
図3に図示される第二のモノマー部位324を参照すると、置換基X及びXは、図2について上述したグループから選択され、特に、X及びXはOである。置換基R及びRもまた、図2について上述したグループから選択され、特に、R及びRはCH−CHである。第一の特徴化された部位322において生成された電子不足部分326と対照的に、電子過剰部分328が第二の特徴化されたモノマー部位324上に生成される。この電子過剰部分328の生成が引き起こされるのは、少なくとも部分的に置換基X及びXがX及びXの付加するベンゼン環に対して電子供与性のためである。第二の特徴化されたモノマー部位324のベンゼン環における電子過剰部分328の生成は、そのようなベンゼン環により形成された骨格部位がポリマー基本骨格320の接触する物質、本明細書で記載されるナノマテリアルなどに対して電子供与体として作用することを引き起こす。
【0074】
ポリマー基本骨格320の骨格の電子供与体/電子受容体の特徴は、特にナノマテリアルの剥離の際有益である。例えば、ナノマテリアルがカーボンナノチューブの場合、カーボンナノチューブは、典型的にバンドル化又はロープ化され、そのバンドル又はロープは、少なくとも部分的に未処理でなければならず、すなわち、剥離され、ナノチューブの分散/可溶化及び機能化を可能にする。特に、ポリマー基本骨格320などのポリマー基本骨格は、カーボンナノチューブを剥離し、カーボンナノチューブが事前に超音波浴をすることなしに可溶化される有効性を伴う。任意の程度のナノチューブ剥離又は「非バンドル化」は本明細書で使用される「剥離」を意味する。剥離の程度は、物質を分散させる力、その系の粘度、又は電気伝導度により対照と比較して測定される。
【0075】
図4を参照すると、図3に図示されたポリマー基本骨格の合成が図示される。物質416を出発物質とするテレフタル酸は、図10に図示された第二の特徴化されたモノマー部位1004の合成に関して下記に記載された反応条件に応じ反応し、第一の特徴化された前駆モノマー422を形成する。物質418を出発物質とするジブロモジヒドロキシは、t−ブチルブロモプロピオン酸塩と反応し、中間体物質420を形成し、その中間体物質420は、当業者に既知の技術に従い、Sonogashira反応(Tetrahedron Lett.1975,4467)を用いてカップリングされ、脱保護され第二の特徴化された前駆モノマー部位424を形成する。
【0076】
第二の特徴化された前駆モノマー424及び第一の特徴化された前駆モノマー422は、その後既知の方法(Bunz,Chem.Rev.2000,100:1605−1644を参照)により重合され、図3に記載されるように第一の特徴化されたモノマー部位322及び第二の特徴化されたモノマー部位324から成るモジュールポリマー基本骨格をもたらす。
【0077】
図4に図示された合成において、キャッピング基426はカルボニル基(COOH)上に存在し、第一の特徴化された前駆モノマー422との反応中及び反応後に第二の特徴化された前駆モノマー424の置換基Z及びZの末端処理を行い、その後キャッピング基426は、H原子とキャッピング基とを置換するのに適した任意の種々の方法により除去され得る。1つのそのような方法は、図10に図示されるポリマー基本骨格1000の合成に関して記載される。キャッピング基426の除去は、図3に記載されるようなポリマー基本骨格をもたらす。第二の特徴化された前駆モノマー424の置換基Z及びZがCOOH以外で、例えばアミン(NH)、ヒドロキシル(OH)、又はチオール(SH)などの実施例において、キャッピング基は、Z及びZ上にないことが好ましい。
【0078】
図2に図示されるポリマー基本骨格220などの「n」個のポリマー基本骨格から成るポリマーが一旦調整されれば、このポリマーは、カーボンナノチューブなどのナノマテリアルと混合され、各X、Y、R、Zに選択された置換基に依存してナノマテリアルの剥離及び分散/可溶化/機能化を引き起こす。いくつかの実施例において、1つ若しくはそれ以上置換基Zは、操作基を含み、それにより操作基を持つモノマー部位上で広範囲のさらなる操作及び/又は置換を可能になる。上述のように、1つ若しくはそれ以上の操作基は、ポリマー基本骨格220の第一の特徴化された前駆モノマー222又は第二の特徴化された前駆モノマー224のどちらか一方において置換される。1つの例示的ポリマーに従って、図3に図示されるポリマー基本骨格320の例などのポリマー基本骨格が重合されるが、操作基を含むZ基を持つのは第二の特徴かされたモノマー部位である。ポリマー基本骨格320などの基本骨格からポリマーが重合されることと共に成される操作の実施例は、図5に関して記載される。
【0079】
第二のモノマー部位のZ及びZの可能な4つの操作が図5に図示される。Z及びZは、図5の実施例においてCOOHを含むが、本明細書の上記に挙げたもののようにZ及びZは修正され得る特性を持つ置換基であることが再び繰り返される。図5に図示された実施例において、Z及びZは操作され、ヒドロキシル基(OH)がカルボン酸基(COOH)から除去され、抗生物質500、糖502、デンドリマー又は樹枝上結晶504、又はタンパク質506などの置換基に置換される。別の実施例において、ヒドロキシル基(OH)は、カルボン酸基(COOH)から除去され、メラミン基を含む置換基に置換される。そのような実施例において、メラミン基の水素は、水素結合に有用であり、メラミン置換ポリマーがナノマテリアルと結合する「化学的に配列された」ネットワーク、例えばカーボンナノチューブを形成する。図5の第一のモノマー部位は、−COXRの電子求引性特性のために電子受容体である。ここにおいて、Xは、O、NH、N、S、NHCO、OCO、又はNHCNHを含み、例えば、Rは、上記で説明したR、R、R、Rの置換基を含む。
【0080】
ポリマー基本骨格320の重合後にされるZ及びZの操作の他の実施例は、これに限定されないが、エポキシ基、ジアミン、アルキル基、クラウンエーテル、エチレングリコール、ポリアミン、ポリマー単位、又はそれらの組み合わせで、上述の抗生物質、糖、デンドリマー、DNA、RNA,及びタンパク質などの1つ若しくはそれ以上の置換基とルヒドロキシル基との置換を含む。そのような組み合わせの1つの実施例は図6に図示される。
【0081】
図6において、エポキシ基600及びメラミン基602は、置換基として選択される。置換基は、末端が操作基であるポリマーの側鎖上で統計的に置換され、例えばZ及びZがCOOHである。ポリマー610は、メラミン基間の水素結合のためにその後化学的に配列され、一方エポキシ基600は、エポキシマトリックスへの接着の増強に有益である。クロロホルムなどの溶媒中でポリマー610とナノマテリアルを混合することなどにより、ポリマー610などと結合したナノマテリアルは、それゆえ配列し、エポキシマトリックスへの接着が増強される。
【0082】
図7を参照すると、図2のポリマー基本骨格220の記述及び図示の対応したポリマー基本骨格の別の実施例が図示される。図7に図示されるポリマー基本骨格700はまた、図5及び図6に関する任意の及び全ての修正に適している。
【0083】
図7に図示されるポリマー基本骨格700の実施例は、第一の特徴化されたモノマー部位702及び第二の特徴化されたモノマー部位704から成る。図7において、「n」は、図2について上述されるように、約20〜約190である。
【0084】
第一の特徴化されたモノマー部位702において、置換基Y及びYは、図2について上述の置換基から選択され、特に、Y及びYはOである。置換基R及びRは、図2について上述の置換基から選択され、特に、R及びRは、アルキル、アリール、アリルなどで、ナノマテリアルを可溶化する。
【0085】
ポリマー基本骨格700はまた、Y、Y及びX、Xが電子求引基又は電子供与基の一方である場合、そのような置換基は、第一の特徴化されたモノマー部位702又は第二の特徴化されたモノマー部位704の一方上で置換され得ることを図面で示す。ポリマー基本骨格700において、電子過剰部分708は、第一の特徴化されたモノマー部位702上に存在する。電子過剰部分708の存在は、少なくとも部分的に置換基Y及びYが結合するベンゼン環に対して電子供与性のために引き起こされる。第一の特徴化されたモノマー部位702のそのようなベンゼン環における電子過剰部分708の存在は、そのようなベンゼン環により形成された骨格部位が、ポリマー基本骨格700が接触する物質、本明細書で記載されるナノマテリアルなどに対して電子供与体として作用することを引き起こす。
【0086】
図7に図示される例示的ポリマー基本骨格700において、Z及びZが存在しないのは、第二の特徴化されたモノマー部位704の置換基X、X、R、及びRに選択された置換基は操作基を与えるからである。
【0087】
第二の特徴化されたモノマー部位704の置換基X及びXは、図2について上述の置換基から選択され、特に、X及びXはCOOである。R及びRはまた、図2について上述の置換基から選択され、特に、R及びRは、Hである。X、X、R、及びRが図2について上述の操作基を与えるので、特にX、X、R、及びRはCOOHを与え、Z及びZは不必要である。X、X、R、及びRにより与えられる操作基、例えば例示的ポリマー基本骨格700中のCOOHなどの存在は、第二の特徴化されたモノマー部位704上で広範囲の操作及び/又は置換可能性を与える。骨格の他の置換基はそのままの状態にしておく一方で、そのような操作及び/又は置換は、操作基を単に操作するだけで成され得る。さらに、そのような操作及び/又は置換はポリマー基本骨格の重合後に成され得る。
【0088】
第二の特徴化されたモノマー部位704の置換基X及びXは、電子求引基置であり、少なくとも部分的にカルボニル基(−CO−)の存在のためである。電子求引性の特徴は、第二の特徴化されたモノマー部位704のベンゼン環における電子不足部分706の生成に寄与する。第二の特徴化されたモノマー部位704のそのようなベンゼン環における電子不足部分706の生成は、そのようなベンゼン環により形成された骨格部位が、ポリマー骨格700が接触する物質、本明細書で記載されるナノマテリアルなどに対して電子受容体として作用することを引き起こす。
【0089】
ポリマー基本骨格700の骨格の電子供与体/電子受容体の特徴は、特にナノマテリアルの剥離の際有益である。例えば、ナノマテリアルがカーボンナノチューブの場合、カーボンナノチューブは、典型的にバンドル化又はロープ化され、そのバンドル又はロープは、少なくとも部分的に未処理でなければならず、すなわち、剥離され、ナノチューブの分散/可溶化及び機能化を可能にする。特に、ポリマー基本骨格700などのポリマー基本骨格は、カーボンナノチューブを剥離し、カーボンナノチューブが事前に超音波浴をすることなしに可溶化される有効性を伴う。
【0090】
図8を参照すると、図7に図示されたようなポリマー基本骨格の合成が図示される。図8で説明される合成において、モノマー部位804が重合中にモノマー部位702とカップリングされることは注目される。カップリング反応は既知であり、例えば、Shultz,et al.,(J.Org.Chem.1998:63,4034−4038,1998)、Moroni,et al.,(Macromolecules 1997,30,1964−1972)Zhou and Swager(J.Am.Chem.Soc.1995,117,12593−12602)、及びBunz,(Chem.Rev.2000,100:1605−1644)が挙げられる。各文献は、全文参照することにより本明細書に組み込まれる。重合触媒は、酸化数0と+2との間でたやすく行き来するパラジウム類を含み、例えばトリフェニルホスフィンの存在下における塩化パラジウム、テトラキスリン酸パラジウム、及び酢酸パラジウムがある。
【0091】
上述のように、図7に図示されたポリマー基本骨格700は、図5及び図6について記載する任意の及び全ての修飾に適している。例示的ポリマー基本骨格700の特定の修飾は、図9に図示され、そこにおいてX、X、R、及びRにより与えられたCOOH基のヒドロキシル基は、ジアミン基と置換され、Rはアルキル、アリール、及びアリルなどの置換基である。本明細書で図示される他の修飾と共に、図9に図示された修飾は、ポリマー基本骨格700の重合後、及びナノマテリアルとの結合前又は後のどちらかに行われ得る。
【0092】
図10を参照すると、図7に記載されたようなまた別の例示的ポリマー基本骨格が図示される。特に、図10中のポリマー基本骨格1000は、図7に記載されるポリマー基本骨格700であり、R及びRが図10においてC1021と特定される。
【0093】
生産物工程:本発明の方法によるポリマー、剥離したナノマテリアル、そのような剥離したナノマテリアルの分散液/溶液、剥離したナノマテリアルの固体、及び剥離したナノマテリアルの再分散した分散液は、本発明の実施形態である。例えば、本明細書に記載される方法によるポリ(アリーレンエチニレン)ポリマー、本明細書に記載される分散液/溶液、本明細書に記載される方法でそれらから生産される固体物質は、本発明の実施形態である。
【0094】
剥離した/分散したナノマテリアルの合成物:本明細書において与えられるホストマトリックス内で分散した剥離したナノマテリアルの合成物は、本発明の実施形態である。ホストマトリックスは、2004年5月21日提出の米国特許出願第10/850,721号明細書において記載されているホストポリマーマトリックス又はホストナノポリマーマトリックスであり、これはその全体がこの参照により本明細書に組み込まれる。
【0095】
本明細書において使用される「ホストポリマーマトリックス」という用語は、ポリマーマトリックスであり、その中において剥離したナノマテリアルが分散する。ホストポリマーマトリックスは、有機ポリマーマトリックス又は無機ポリマーマトリックス、又はそれらの組み合わせである。
【0096】
ホストポリマーマトリックスの実施例は、ナイロン、ポリエチレン、エポキシ樹脂、ポリイソプレン、sbsゴム、ポリジクロペンタジエン、ポリテトラフルオロエツレン、ポリ(硫化フェニレン)、ポリ(酸化フェニレン)、シリコン、ポリケトン、アラミド、セルロース、ポリイミド、レーヨン、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(フッ化ビニリデン)、炭素繊維、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリイソブチレン、ポリクロロプレン、ポリブタジエン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリプロピレン、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(酢酸ビニル)、ポリスチレン、ポリエステル、ポリビニルピロリドン、ポリシアノアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリ(アリーレンエチニレン)、ポリ(フェニレンエチニレン)、ポリチオフェン、熱可塑性プラスチック、熱可塑性ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレートなど)、熱硬化性樹脂(例えば、熱硬化性ポリエステル樹脂又はエポキシ樹脂)、ポリアニリン、ポリピロール、又は例えばPARMAX(登録商標)などのポリフェニレン、共役高分子(例えば導電性高分子)、又はそれらの組み合わせを含む。
【0097】
無機ホストポリマーの実施例は、シリコン、ポリシラン、ポリカルボシラン、ポリジャーメイン、ポリスタンナン、ポリホスファゼン、又はそれらの組み合わせを含む。
【0098】
ホストポリマーマトリックスのさらなる実施例は、エチレンビニルアルコールなどの熱可塑性プラスティック、ポリテトラフルオロエチレン、フルオロエチレンプロピレン、ペルフルオロアルコキシアルカン、クロロトリフルオロエチレン、又はエチレンテトラフルオロエチレンなどのフルオロプラスティック、ポリアクリレート、ポリブタジエン、ポリブチレン、ポリエチレン、ポリ塩化エチレン、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリアミド−イミド、ポリエーテルスルホン、ポリアリールエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリケトン、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリ酸化フェニレン、ポリ硫化フェニレン、ポリフタルアミド、ポリスルホン、又はポリウレタンを含む。ある実施形態において、ホストポリマーは、アリル樹脂、メラミンホルムアルデヒド、フェノール−ホルムアルデヒドプラスティック、ポリエステル、ポリイミド、エポキシ、ポリウレタン、又はそれらの組み合わせなどの熱硬化性ポリマーを含む。
【0099】
1つの実施形態において、2つのホストポリマーを使用することは、溶媒キャストエポキシナノ複合材料用に設計され、剥離したナノマテリアル、エポキシ樹脂及び硬化剤、ポリカーボネートは、溶媒中で溶解され、ナノ複合材料フィルムは溶液流延法又はスピンコーティングにより形成される。
【0100】
ホストナノポリマーマトリックス:本明細書において使用される「ホストナノポリマー」という用語は、ナノポリマーマトリックスであり、その中においてナノマテリアルが分散される。ホストナノポリマーマトリックスの実施例は、セラミックマトリックス(炭化ケイ素、炭化ホウ素、又は窒化ホウ素など)又は金属マトリックス(アルミニウム、チタン、鉄、銅など)、又はそれらの組み合わせを含む。剥離したナノマテリアルは混、例えば、溶媒中でポリカルボシランと混合され、その後溶媒は除去され固体(フィルム、繊維、又はパウダー)を形成する。その結果生じたナノ複合材料は、真空下又は不活性ガス(アルゴンなど)の一方の下900−1600℃で加熱することによりさらにSWNTs/SiCナノ複合材料に変換される。
【0101】
本発明のさらなる実施形態は、上述のナノ複合材料であり、このナノ複合材料の剥離したナノマテリアルが第一の充填物であり、このナノ複合材料はさらに第二の充填物を含み、多機能性ナノ複合材料を形成する。この実施形態において、第二の充填物は、連続繊維、不連続繊維、ナノ粒子、微粒子、マクロ粒子、又はそれらの組み合わせを含む。別の実施形態において、ナノ複合材料の剥離したナノマテリアルは、第二の充填物であり、連続繊維、不連続繊維、ナノ粒子、微粒子、マクロ粒子、又はそれらの組み合わせは、第一の充填物である。
【0102】
多機能ナノ複合材料:ナノ複合材料は、それ自体ホストマトリックスとして使用され、第二の充填物が多機能ナノ複合材料を形成する。第二の充填物の実施例は、以下のものを含む:
連続繊維(例えば、炭素繊維、カーボンナノチューブ繊維、カーボンブラック(種々のグレード)カーボンロッド、カーボンナノチューブ合成物繊維、KEVLA(登録商標)繊維、ZYRON(登録商標)繊維、SPECTRA(登録商標)繊維、ナイロン繊維、VECTRAN(登録商標)繊維、Dyneema Fiber、ガラス繊維、又はそれらの組み合わせなど)、不連続繊維(例えば、炭素繊維、カーボンナノチューブ繊維、カーボンナノチューブ合成物繊維、KEVLAR(登録商標)繊維、ZYRON(登録商標)繊維、SPECTRA(登録商標)繊維、ナイロン繊維、又はそれらの組み合わせなど)、ナノ粒子(金属パーティクル、ポリマーパーティクル、セラミックパーティクル、ナノ粘土、ダイヤモンドパーティクル又はそれらの組み合わせなど)、微粒子(金属パーティクル、ポリマーパーティクル、セラミックパーティクル、ナノ粘土、ダイヤモンドパーティクル又はそれらの組み合わせなど)。さらなる実施形態において、連続繊維、不連続繊維、ナノ粒子、微粒子マクロ粒子、又はそれらの組み合わせは、第一の充填物であり、剥離したナノマテリアルは、第二の充填物である。
【0103】
数多くの既存物質は、マトリックス内に炭素繊維をなどの連続繊維を使用する。これらの繊維は、カーボンナノチューブよりも格段に大きい。剥離したナノマテリアルを連続繊維のマトリックスに加えることにより多機能ナノ複合材料物質がされた特性、例えば向上された耐衝撃性、向上された耐熱性、減少された微小割れ、減少された熱膨張係数、又は横断又は板厚方向の向上された熱伝導度などを有するようになる。多機能ナノ複合材料の構造の結果的利点は、向上された耐久性、向上された寸法安定性、極低温燃料タンク又は圧力管の漏出排除、向上された板厚方向又は面内熱伝導性、静電気又は電磁波シールド(EMI)、向上されたフライホイールエネルギー貯蓄、又は調整可能な振動数信号(Stealth)を例えば含む。向上された熱伝導度はまた、赤外線信号(IR)を減少させる。さらに剥離したナノマテリアルを加えることにより向上した特性を示す既存の物質は、例えば、電気又は熱伝導度用金属粒子、ナノ粘土、ナノ複合材料、又はダイヤモンド粒子ナノ複合材料を含む。
【0104】
製造項目:本明細書において説明されるモジュールポリマー、分散液、固体、又は再分散された固体を含む製造項目は、本発明の実施形態である。そのような製造項目は、例えば、エポキシ及び工学プラスティック合成物、フィルター、アクチュエーター、接着合成物、エラストマー合成物、熱管理のための物質(インターフェイスマテリアル、宇宙船ラジエーター、航空電子工学包接物、プリント基板熱飛行機、コーティングなどの伝熱用途のための物質など)、航空機、船舶インフラ及び自動化構造、宇宙船及びセンサーのための向上された寸法安定性、弾道用途航空、海運、陸上用運搬具保護のためのパネルなどの弾道用途のための物質、防弾チョッキ、保護ベスト、及びヘルメット、パラシュートでの使用のための引き裂き及び摩耗抵抗性物質、例えば、再使用可能なロケットの極低温燃料タンク及び未使用圧量管、燃料パイプ、電子、光電子、又はマイクロマシン部品又はサブシステムのこん包、ラピッドプロトタイピング物質、燃料電池、医薬物質、合成繊維、又は向上されたエネルギー貯蓄のためのフライホイールを例えば含む。
【0105】
以下の実施例は、さらに本発明のさまざまな観点を説明するために存在し、本発明の範囲を限定するのではない。
【実施例1】
【0106】
供与体/受容体PPE基本骨格の合成
図10のポリマー基本骨格1000の合成は、以下の段落に記載する。ポリマー基本骨格1000は、「n」モノマー単位を有するポリマーの実施例であり、各モノマー単位は1つの受容体部位及び1つの供与体部位を有するものである。
【0107】
【化6】

【0108】
スキーム1において、モノマー部位4は、図10に示された第一に特徴化されたモノマー部位1002を含む。1、2、及び3の調整は以下に記載する。
【0109】
【化7】

【0110】
4−ジデシルオキシベンゼン(1):還流冷却装置及びメカニカルスターラーを装着した1Lの三口フラスコを、アルゴン雰囲気下、1,4−ヒドロキノン(44.044g、0.4mol)及び炭酸カリウムKCO(164.84g、1.2mol)、及びアセトニトリル(ACSグレード、500mL)で充填した。1−ブロモデカン(208.7mL、1.0mol)を加え、その後この反応混合物を加熱して48時間アルゴン下で還流した。前記の熱い溶液を、水(1.5L)で飽和したマグネティック攪拌棒を備えた三角フラスコに注ぎ、生成物を沈澱させた。その後、このベージュ色の沈澱物を、フリット円盤を備えたブフナー漏斗を用いて濾過することにより回収し、水(1.0L)で洗浄し、乾燥し、その後熱いヘキサン(ACSグレード、250mL)中に溶解した。得られた熱いヘキサン溶液を、エタノール(技術グレード、1.5L)で飽和した三角フラスコにゆっくりと注ぎ、激しく攪拌して生成物を沈澱させた。前記混合物を少なくとも2時間攪拌し、その後白色沈澱を、フリット円盤を備えたブフナー漏斗で濾過して回収し、冷却エタノール(技術グレード、0.5L)で洗浄し、真空下12時間乾燥することにより、綿状白色固体151.5g(収率97%)が得られた。HNMR(CDCl)6.83(s,4H)、3.92(t,J=6.6Hz,4H)、1.73(m,4H)、1.45(m,4H)、1.30(m,22H)、0.91(t,J=6.7Hz,6H)。
【0111】
【化8】

【0112】
1,4−ジデシルオキシ−2,5−ジヨウ化ベンゼン(2):還流冷却装置及びマグネティック攪拌棒を装着した1Lの二口フラスコに、ヨウ素酸カリウム、KIO(15.20g、0.066mol)、ヨウ素(36.90g、0.132mol)、酢酸(700mL)、水(50mL)、及び硫酸(15mL)を充填した。前記溶液に1,4−ジデシルオキシベンゼン(1)(51.53g、0.132mol)を加え、その後この反応混合物を加熱して8時間還流した。この紫色の溶液を、一定した攪拌下、室温まで冷却し、チオ硫酸ナトリウムの飽和水溶液(100mL)を茶色のヨウ素色が消えるまで加えた。フリット円盤を備えたブフナー漏斗を用いた濾過により、ベージュ−褐色の沈澱物を回収し、水(700mL)、エタノール(500mL)で洗浄し、乾燥した。その後、この固体を熱いヘキサン(300mL)に溶解した。得られた熱いヘキサン溶液を、エタノール(1.5L)で充填した三角フラスコにゆっくりと注ぎ、激しく攪拌して白色沈澱物を得た。この沈殿物は、フリット円盤を備えたブフナー漏斗で濾過することにより回収し、エタノール(1.0L)で洗浄し、真空下一晩中乾燥し、純白色固体78.10g(収率92%)が得られた。HNMR(CDCl)7.21(s,Ph,4H)、3.94(t,J=6.4Hz,OCH,4H)、1.82(m,CH,4H)、1.47(m,CH,4H)、1.29(m,CH,22H)、0.90(t,J=6.72Hz,CH,6H)。13CNMR(CDCl)d152.8,122.7,86.2,70.3,31.9,29.5,29.3,29.2,29.1,26.0,22.6,14.1。
【0113】
【化9】

【0114】
1,4−ジデシルオキシ−2,5−ビス(トリメチルシリルエチニル)ベンゼン(3):脱気した1.5Lのジイソプロピルアミンに、1,4−ジデシルオキシ−2,5−ジヨウ化ベンゼン(2)中間体(100.0g、0.1557mol)、CuI(1.48g、0.00778mol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(5.46g、0.00778mol)を加えた。反応混合物を10分間攪拌し、トリメチルシリルアセチレン(48.4mL、0.342mol)を室温で15〜30分間かけてゆっくりと加えた。前記添加の間及び前記添加の後、ジイソプロピルアンモニウム塩が形成され、溶液は暗褐色になった。前記添加が終了した後、反応混合物を還流で8時間攪拌した。冷却後、前記混合物をヘキサン(500mL)と共に蒸留し、4cmのシリカゲルプラグを通して濾過した。前記溶媒を除去し、生成物がクロロホルム/EtOH(1:5、1.5L)から沈殿した。前記固体を濾過し、水(250mL)で洗浄し、エタノール(250mL)で洗浄し、乾燥して81.8gの目的生成物が白色固体として得られた。収率(91%)。HNMR(CDCl)6.85(s,Ph,2H)、3.93(t,J=6.4Hz,OCH,4H)、1.78(m,CH,4H)、1.27(m,CH,22H)、0.88(t,J=6.42Hz,CH,6H)0.26(s,18H)。13CNMR(CDCl)d154.0,117.2,113.9,101.0,100.0,69.4,3,31.9,29.6,29.5,29.4,29.3,26.0,22.6,14.1,0.17。
【0115】
【化10】

【0116】
1,4−ジエチニル−2,5−ジデシルオキシベンゼン(4):速い速度で攪拌された1,4−ジデシルオキシ−2,5−ビス(トリメチルシリルエチニル)ベンゼン(80.0g、137.21mmol)のTHF(500mL)溶液に、200mLのメタノール及び120mLの20%KOHを室温で加えた。前記反応混合物を一晩中攪拌した。その後、前記THFを減圧下で除去し、残渣をエタノール(400mL)で希釈した。淡黄色の固体を濾過し、エタノール(250mL)で洗浄し、乾燥し、淡黄色の目的生成物60.05gが得られた。収率(99.7%)。HNMR(CDCl)6.96(s,Ph,2H)、3.98(t,J=6.58Hz,OCH,4H)、3.34(s,CCH,2H),1.82(m,CH,4H)、1.52(m,CH,4H)、1.31(m,CH,22H)、0.88(t,J=6.71Hz,CH,6H)。13CNMR(CDCl)d153.9,117.7,113.2,82.4,79.7,69.6,31.9,29.5,29.3,29.1,25.9,22.6,14.1。
【0117】
図10に図示される第二の特徴化されたモノマー部位1004は以下に記載する。
【0118】
【化11】

【0119】
このスキーム2における(5)及び(6)の調整は以下に記載する。
【0120】
【化12】

【0121】
ジブロモ塩化二塩基酸(5):室温、アルゴン流下において、塩化オキサリル(108.6mL、1.244mol)を、ジクロロメタン中のジフロモ酸(168.0g、0.518mol)の懸濁液にゆっくりと加えた。乾燥DMFを数滴添加し、反応混合物を10分間攪拌した後、加熱して12時間還流した。ジクロロメタンの半分を加圧下で除去し、ヘキサン(500mL)を加えた。濾過して淡黄色沈澱を回収し、ヘキサン(250mL)で洗浄し、真空下で一晩中乾燥して185.00g(収率98.8%)が得られた。
【0122】
【化13】

【0123】
ジエステルモノマー(6):THF(25mL)中の二塩基酸塩化物(10.0g、272.72mmol)の溶液を、ジクロロメタン(100mL)中の三級ブタノール溶液(10.60mL、110.9mmol)及びピリジン(110.9mmol)溶液に、アルゴン下、5℃で45分間かけて加えた。その後、前記反応混合物を室温まで温め、アルゴン下で一晩中攪拌した。前記反応混合物を、ロータリーエバポレーターを使用して濃縮し、残渣をHO/MeOH(1:1;100mL)の混合物で希釈した。白色沈澱を濾過し、1.8N KOH溶液(100mL)で洗浄し、冷却した水−メタノール混合物(100mL)で洗浄した後、真空下で一晩中乾燥し、9.2g(収率76%)の目的物が得られた。
【0124】
モノマー部位の例示的重合は以下に記載する。
【0125】
【化14】

【0126】
【化15】

【0127】
供与体/受容体PPEベース(7):、還流冷却装置及びマグネティック攪拌棒を装着したオーブン乾燥した100mLの二口フラスコに、トルエン/ジイソプロピルアミン(3:2、35mL)で充填し、室温で3時間、一定したアルゴン攪拌により脱気した。(4)(0.86g、1.964mmol;1.1当量.)、(6)(0.78g、1.785mnol)、(PhP)Pd(1mol%)、及びCuI(2.5mol%)をアルゴン雰囲気下で加えた。前記反応混合物を室温で30分間攪拌した後、1.5時間70℃に温めた。ポリマーの分子量は、重合反応の時間の長さ及び温度により部分的に制御されるものである。ジイソプロピルアンモニウム塩は、反応の開始直後に形成され、反応混合物は強い蛍光性を示した。温めた反応混合物を、その後、激しく攪拌したメタノール(250mL)で飽和した三角フラスコにゆっくりと加えた。前記混合物は、室温で2時間攪拌し、フリット円盤を備えたブフナー漏斗を用いた濾過によりオレンジ色沈澱を回収した。その後、前記オレンジ色固体を、メタノール−水酸化アンモニウム溶液(1:1;100mL)で洗浄し、その後さらにメタノール(100mL)で洗浄した。室温において24時間真空下で乾燥した後、PPE(7)がオレンジ色の固体(1.25g)として得られた。このPPEの繰り返し単位は、HNMR(末端基の全体量を使用する)により推定し、約60単位であった。多分散性は、ポリスチレン基準を使用したGCPにより測定した場合、約1.4であった。このPPEは、カーボンナノチューブ(CNTs)の分散に使用した。CNTsの増加した剥離が観察され、この増加した剥離は前記ポリマー骨格の電子供与体/受容体の特性のためである。
【0128】
【化16】

【0129】
COOH−基盤PPE基本骨格(8):還流下、水酸化カリウム(1.0g)を、トルエン−エタノール(1:1;3mL)混合物に溶解した。PPE(7)(1.0g)を加え、この反応混合物を還流下で3時間攪拌した。その後、水(10mL)を加え、前記反応物をさらに24時間還流した。前記反応混合物を室温まで冷却し、濾過した。3NのHClをゆっくり加えることにより、前記ろ液を酸性にした。オレンジ色の沈殿物を濾過して回収し、水(100mL)で洗浄し、乾燥して0.75gのCOOH−PPE(8)が得られた。この生成物は、塩化物溶媒に不溶だが、ジエチルエーテル、THF、DMF、アセトン、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、メタノール、エタノールなどの他の溶媒には可溶である。PPE(8)はまた、塩基性水溶性溶液(pH8又はそれ以上)に可溶である。
【0130】
PPE(8)は、水及び他の溶媒にCNTsを分散するのに有用であり、異なる官能基(COOH、NH、NHR、OH、SHなど)で終結する様々な側鎖を有する新しいPPEの設計にも有用である。
【0131】
修飾された受容モノマー部位を有するPPEの合成:モジュールPPEはまた、スキーム3の重合反応における反応体6の誘導体化を変化させることにより合成される。例えば、以下のスキーム4において、反応体M2はスキーム3の反応体4と同一である。反応体M1は、以下に示すように電子受容体ジエステルモノマー部位又はジアミドモノマー部位を表す。
【0132】
【化17】

【0133】
3回の別々の重合化は、上記のように反応体M1及び反応体M2と共に実施した。M1のR基は、上記のように各重合で異なっていた。還流冷却装置及びマグネティック攪拌棒を装着したオーブン乾燥した2000mLの二口フラスコに、トルエン/ジイソプロピルアミン(4:1、1100mL)を充填し、室温で3時間の一定のアルゴン攪拌により脱気した。M1(30mmol)、M2(30mmol)、(PhP)Pd(1mol%)、CuI(2.5mol%)をアルゴン雰囲気下で加えた。前記反応混合物を、30分間室温で攪拌した後、1.5時間70℃に温めた。反応開始直後、ジイソプロピルアンモニウム塩が形成され、この反応混合物は強い蛍光性を示した。温めた反応混合物を、その後激しく攪拌されたメタノール(1000mL)で充填した三角フラスコにゆっくりと加えた。前記混合物を室温で2時間攪拌し、フリット円盤を備えたブフナー漏斗を用いた濾過により、オレンジ色の沈殿が回収された。オレンジ色の固体は、その後メタノール−水酸化アンモニウム(1:1;500mL)で洗浄し、その後メタノール(500mL)で洗浄した。真空下、室温で24時間乾燥した後、ポリマーが高い収率(75%〜90%)でオレンジ色の個体として得られた。このPPEの繰り返し単位の数は、HNMR(末端基の全体量を使用する)により推定し、約60単位であった。多分散性は、ポリスチレン基準を使用してGCPにより測定した場合、約1.4であった。
【0134】
ジエチニル受容モノマー部位及びハロゲンの供与モノマー部位を有するPPEの合成:モジュールPPEはまた、スキーム3の重合反応におけるジエチニル反応体及びハロゲン反応体の誘導体化を変化させることにより合成される。例えば、以下のスキームにおいて、ジエチニル反応体は電子求引基を有し、従って受容モノマー部位を提供し、ハロ反応体は電子供与基を有し、したがって得られるPPEの供与モノマー部位を提供する。
【0135】
【化18】

【0136】
合成:還流冷却装置及びマグネティック攪拌棒を装着したオーブン乾燥した100mLの二口フラスコに、トルエン/ジイソプロピルアミン(4:1、30mL)、水(2.5mL)、及び炭酸カリウム(10mmol)を充填し、室温で3時間一定のアルゴン攪拌により脱気した。供与モノマー部位(1.964mmol)、受容モノマー(1.85mmol)、(PhP)Pd(1mol%)、CuI(2.5mol%)をアルゴン雰囲気下で加えた。前記反応混合物を30分間室温で攪拌した後、2時間50℃に温めた。反応開始直後、ジイソプロピルアンモニウム塩が形成し、反応混合物は強い蛍光性を示した。その後更に6時間、反応混合物の温度を70℃に上げた。その後、前記加温溶液を、激しく攪拌したメタノール(250mL)で充填した三角フラスコに、ゆっくりと加えた。前記混合物を室温で2時間攪拌し、フリット円盤を備えたブフナー漏斗を用いた濾過により、オレンジ色の沈殿を回収した。前記オレンジ色の固体は、その後メタノール−水酸化アンモニウム(1:1、100mL)で洗浄し、その後メタノール(100mL)で洗浄した。真空下、室温で24時間乾燥した後、ポリマーがオレンジ色の個体(1.25g)として得られた。このPPEの繰り返し単位の数は、HNMR(末端基の全体量を使用する)により推定し、約60〜80単位であった。多分散性は、ポリスチレン基準を使用してGCPにより測定した場合、約1.4〜1.6であった。
【実施例2】
【0137】
供与体/受容モノマー部位1:1以外の比を有するPPE基本骨格
モジュールPPEは、ポリマーのモノマー単位あたり、1つの供与モノマー部位及び1つの受容モノマー部位を有するものとして限定されるものではない。例えば、以下のスキーム5は、3:1の供与体/受容体モノマー部位の比を有するPPEの合成である。第三のモノマー部位M3は、前記ポリマーにおいて、1つのハロゲン置換された反応体と交互になっているジエチニルフェニル反応体の化学量論量を保存するために、過剰な供与体フェニル反応体を提供するためのものである。
【0138】
【化19】

【0139】
供与体/受容モノマー部位の比が3:1であるPPEの合成:還流冷却装置及びマグネティック攪拌棒を装着したオーブン乾燥した2000mLの二口フラスコに、トルエン/ジイソプロピルアミン(4:1;1100mL)、水(2.5mL)、及び炭酸カリウム(10mmol)を充填し、室温で3時間一定のアルゴン攪拌により脱気した。M1(15mmol;0.5当量)、M2(30mmol)、M3(15mmol;0.5当量)(PhP)Pd(1mol%)、CuI(2.5mol%)をアルゴン雰囲気下で加えた。反応混合物は30分間室温で攪拌し、その後1.5時間70℃に温めた。反応開始直後、ジイソプロピルアンモニウム塩が形成し、反応混合物は強い蛍光性を示した。温めた反応混合物は、その後、激しく攪拌したメタノール(1000mL)で充填した三角フラスコにゆっくりと加えた。前記混合物は室温で2時間攪拌し、フリット円盤を備えたブフナー漏斗を用いた濾過により、オレンジ色の沈殿を回収した。その後、前記オレンジ色の固体は、メタノール−水酸化アンモニウム(1:1;500mL)で洗浄した後、メタノール(500mL)で洗浄した。24時間真空下室温で乾燥した後、3:1の供与体/受容モノマー部位の比を有するポリマーが、オレンジ色の個体(37.5g)として得られた。このPPEの繰り返し単位の数は、HNMR(末端基の全体量を使用する)により推定し、約60単位であった。多分散性は、ポリスチレン基準を使用してGCPにより測定した場合、約1.4であった。
【0140】
一般的に、下記のスキーム6は、1:1、3:1、及び7:1の供与/受容モノマー部位の比を有するPPEの合成に必要な反応体比を示すものである。当業者であれば、例えば1:3又は1:7などの逆転した比として、さらに異なるモノマー部位比を有するPPEを調整するために、同様の手法を使用することが可能である。
【0141】
【化20】

【0142】
スキーム6において、Y及びYは電子求引性基であり、従ってフェニル部位が電子不足のため、モノマー部位M1は電子受容体である。X、X、X、及びXは電子供与基であり、従ってフェニル部位が電子豊富であるため、モノマー部位M2及びM3は電子供与体である。
【実施例3】
【0143】
モジュールポリ(フェニレンエチニレン)を使用した剥離したナノマテリアルの分散
モジュールポリ(フェニレンエチニレン)ポリマー7及び8は実施例1に従って調整した。前記ポリマーはそれぞれ、表1に示した量で、多層カーボンナノチューブ(MWNTs)及び分散/可溶化溶媒と混合した。前記混合物を25℃で約30分間超音波処理し、剥離したナノチューブの分散液を生成した。超音波処理後、前記各混合物から安定した溶液を形成した。本実施例で用いたMWNTsは、Arkema Group、Franceから市販されている(グレード4062)。
【0144】
【表1】

【0145】
剥離したナノチューブ分散液は、均一で少なくとも2週間室温で安定である。分散したマテリアルは黒色であり、物質を損なうことなく、10〜20ミクロンの多孔性を有するスチールフィルターを通して濾過することが可能である。PPE8を用いた分散物は、塩基性条件下であるpH>約8で起こり、分散物質は、乾燥し、パウダー形態になる。このパウダーは、その後、例えばメタノール、エタノール、又はエチレングリコールなどの溶媒において分散/可溶である。さらに、塩基性pHで水に分散したマテリアルは、少量の酸の添加による中和により分散液又は溶液から沈澱する。濾過し、その後乾燥することによって粉末が得られ、例えば、DMSO、DMF、NMP、アセトン、又はMEKなどの溶媒に分散/可溶である。
【0146】
比較する目的のために、Ait−Haddou,H.らによる2004年8月18日出願の同時系属米国特許出願第10/920,877号明細書の実施例2において記載されているように、モノマーあたり2つの供与体単位を有するポリ(フェニレンエチニレン)が、30分〜3時間事前超音波処理したナノマテリアルと混合した。前記明細書は、その全体がこの参照により本明細書に組み込まれる。混合物は、約30分25℃、クロロベンゼン中で超音波処理され、上記参照の特許出願に引用されるように2mg/mL、3mg/mL、及び10〜15mgの剥離したナノチューブ溶液を生成した。
【0147】
本実施例のナノマテリアルは、モジュールPPEと混合する前に事前超音波浴されなかった。従って、本発明のモジュールPPEは、上述の参照特許出願の工程と比較しナノマテリアルを剥離し分散する利点を与える。
【0148】
本明細書において記載される例示的ポリマー基本骨格は、これに限定されないがカーボンナノチューブを含むナノマテリアルの分散/可溶化及び機能化の方法を与える。分散/可溶化の1つの実施例において、本明細書において記載される例示的ポリマー基本骨格は、超音波浴処理不要でカーボンナノチューブを剥離し分散させる。カーボンナノチューブなどのナノマテリアルの剥離に関するポリマー基本骨格の1つの実施例において、基本骨格は、ポリマー骨格上に電子過剰及び電子不足部分を生成するものである。
【0149】
上記の種々の実施例は、カーボンナノチューブ及びより特異的な多層カーボンナノチューブの分散/可溶化に関し記載する一方で、本発明の実施形態はカーボンナノチューブ用途にのみ特化するわけではない。ナノチューブは、種々のマテリアル、例えば、カーボン窒化ホウ素、及びそれらの組み合わせから形成されるものである。ナノチューブは、単層ナノチューブ又は多層ナノチューブである。このように、実施例が本明細書においてカーボンナノチューブの分散/可溶化することに関し上記に記載される一方で、いくつかの本発明の実施例は、多層カーボンナノチューブ(MWNTs)、窒化ホウ素ナノチューブ、及びそれらの組み合わせを限定することなく含む種々の他のタイプのナノチューブの分散/可溶化に利用される。従って、本明細書において使用されるように、「ナノチューブ」という用語はカーボンナノチューブのみに限定されるものではない。
【0150】
本発明及びその利点は詳細に記載されているが、種々の変更、置換、及び代替が可能であることは理解されるべきである。さらに、本出願の範囲は、明細書に記載される工程、機械、製造、物質、手段、方法、及び処理の構成方法に関する特定の実施形態に限定されるものではないではない。当業者であれば、本発明の開示を直ちに評価し、現存する又は後に改良され、本明細書に記載される実施形態に呼応し実質的に同一の機能をなす又は実質的に同一の結果をもたらす工程、機械、製造、物質、手段、方法、及び処理の構成方法は本発明に従い利用されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0151】
本発明をより完全に理解するために、添付図とあわせて以下の記述が合わせて参照される。しかしながら、理解しやすいが、各図は図面及び記述のみの目的で提供されるものであり、本発明の限定を定義するものとして意図されるものではない。
【図1】図1は、ポリ(フェニレンエチニレン)(PPE)ポリマーの構造の図である。
【図2】図2は、本発明のPPEポリマー基本骨格の構造の図である。
【図3】図3は、本発明のPPEポリマー基本骨格の別の構造の図である。
【図4】図4は、図3で図示されたポリマー基本骨格の合成スキームの図である。
【図5】図5は、図3のポリマー基本骨格320のポリマー基本骨格からポリマー重合化によって遂行される操作例を提供する図である。
【図6】図6は、モノマー単位あたり3つのモノマー部位を持つポリマーの基本骨格を提供する図であって、Z基の操作は、例えばエポキシ基600及びメラニン基602との置換など、COOHのヒドロキシ基の置換を含む図である。
【図7】図7は、図2において図示されたポリマー基本骨格700の例を提供する図であって、基本骨格220のZ基はX、Yから選択される置換基及び基本骨格700のR基のために存在しない図である。
【図8A】図8A、図8B、及び図8Cは、本発明のポリマー基本骨格の合成スキームを提供するものである。図8Aは、基本骨格700におけるモノマー部位704の前駆体の合成スキームを提供する図である。図8Bは、基本骨格700におけるモノマー部位702の前駆体の合成スキームを提供する図である。図8Cは、本発明のPPEを形成するモノマー部位702及び704の重合を提供する図である。
【図8B】図8A、図8B、及び図8Cは、本発明のポリマー基本骨格の合成スキームを提供するものである。図8Aは、基本骨格700におけるモノマー部位704の前駆体の合成スキームを提供する図である。図8Bは、基本骨格700におけるモノマー部位702の前駆体の合成スキームを提供する図である。図8Cは、本発明のPPEを形成するモノマー部位702及び704の重合を提供する図である。
【図8C】図8A、図8B、及び図8Cは、本発明のポリマー基本骨格の合成スキームを提供するものである。図8Aは、基本骨格700におけるモノマー部位704の前駆体の合成スキームを提供する図である。図8Bは、基本骨格700におけるモノマー部位702の前駆体の合成スキームを提供する図である。図8Cは、本発明のPPEを形成するモノマー部位702及び704の重合を提供する図である。
【図9】図9は、COOHに基づくPPEをNHに基づくPPEに変換する例を提供する図である。
【図10】図10は、ポリマー基本骨格700においてR及びRがC1021であるポリマー基本骨格1000を提供する図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナノマテリアルを剥離及び分散する方法であって、
ナノマテリアルと、
「n」モノマー単位のポリマー骨格を有するポリ(アリーレンエチニレン)であって、各モノマー単位は少なくとも2つのモノマー部位を含み、各モノマーは少なくとも1つの電子供与体置換基又は少なくとも1つの電子求引性置換基を有しており、「n」は約5〜約190であるポリ(アリーレンエチニレン)と、
剥離したナノマテリアルの分散物を形成するための分散溶媒と
を混合する工程を有する
ナノマテリアルを剥離及び分散する方法。
【請求項2】
請求項1の方法において、前記ポリ(アリーレンエチニレン)は、ポリ(フェニレンエチニレン)である。
【請求項3】
請求項1の方法において、前記ポリ(フェニレンエチニレン)は、構造P、P、Pc、、又はこれらの組み合わせを有し、
【化1】

ここで、
nは約20〜約190であり、
、X、Y、Y、及びYは、電子供与基又は電子求引基のいずれかであり、
前記ポリ(フェニレンエチニレン)がP構造を有し、更にX及びXが電子供与性である場合、Y及びYは電子求引性であり、X及びXが電子求引性である場合、Y及びYは電子供与性であり、
前記ポリ(フェニレンエチニレン)がP構造を有し、更にX及びXが電子供与性である場合、Yは電子求引性であり、X及びXが電子求引性である場合、Yは電子供与性であり、
前記ポリ(フェニレンエチニレン)がP構造を有し、更にXが電子供与性である場合、Yは電子求引性であり、Xが電子求引性である場合、Yは電子供与性であり、
、X、Y、及びYは、個別に、CO、COO、CONH、CONHCO、COOCO、CONHCNH、CON、COS、CS、アルキル、アリール、アリル、N、NO、S、O、SO、CN、CNN、SO、P、又はPOであり、
〜Rは、個別に、アルキル、Z置換アルキル、フェニル、Z置換フェニル、ベンジル、Z置換ベンジル、アリール、Z置換アリール、アリル、Z置換アリル、又は水素であり、
Zは、個別に、アセタール、酸ハロゲン化物、アクリレート単位、アシルアジド、アルデヒド、無水物、環状アルカン、アレーン、アルケン、アルキン、ハロゲン化アルキル、アリール、ハロゲン化アリール、アミン、アミド、アミノ、アミノ酸、アルコール、アルコキシ、抗生物質、アジド、アジリジン、アゾ化合物、カリックスアレーン、炭水化物、炭酸塩、カルボン酸、カルボン酸塩、カルボジイミド、シクロデキストリン、クラウンエーテル、CN、クリプタンド、デンドリマー、デンドロン、ジアミン、ジアミノピリジン、ジアゾニウム化合物、DNA、エポキシ、エステル、エーテル、エポキシド、エチレングリコール、フラーレン、グリオキサル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、イミド、イミン、イミドエステル、ケトン、ニトリル、イソチオシアナート、イソシアナート、イソニトリル、ケトン、ラクトン、金属錯体の配位子、生体分子錯体の配位子、脂質、マレイミド、メラミン、メタロセン、NHSエステル、ニトロアルカン、ニトロ化合物、ヌクレオチド、オレフィン、オリゴ糖、ペプチド、フェノール、フタロシアニン、ポルフィリン、ホスフィン、ホスホン酸塩、ポリアミン、ポリエトキシアルキル、ポリイミン(2,2’−ビピリジン、1,10−フェナントリン、テルピリジン、ピリダジン、ピリミジン、プリン、ピラジン、1,8−ナフチリジン、かご型シルセスキオキサン(POSS)、ピラゾレート、イミダゾレート、トリ−n−ブチルドデカヒドロヘキサアザケクレン、ヘキサピリジン、4,4’−ビピリジン)、ポリプロポキシアルキル、タンパク質、ピリジン、第四アンモニウム塩、第四ホスホニウム塩、キノン、RNA、シッフ塩基、セレン化合物、セパルクレート(Sepulchrate)、シラン、スチレン1単位、硫化物、スルホン、スルフヒドリル基、塩化スルホニル、スルホン酸、スルホン酸エステル、スルホン酸塩、スルホキシド、硫黄及びセレン化合物、チオール、チオエーテル、チオール酸、チオエステル、チミン、又はそれらの組み合わせである。
【請求項4】
請求項1の方法において、
前記モノマー単位は、2より大きいモノマー部位を含み、
各モノマー部位は、少なくとも1つの電子供与基又は少なくとも1つの電子求引基を有しており、
少なくとも1つのモノマー部位は少なくとも1つの電子供与基を有し、少なくとも1つのモノマー部位は少なくとも1つの電子求引基を有しており、
前記ポリ(アリーレンエチニレン)は、受容体モノマー部位に対する供与体モノマー部位の比が1:1以外となっているものである。
【請求項5】
請求項3の方法において、前記ポリ(フェニレンエチニレン)は、P構造を有し、X=X、及びY=Yである。
【請求項6】
請求項3の方法において、前記ポリ(フェニレンエチニレン)は、P構造を有し、X=X=COO、Y=Y=Oであり、更にR〜Rは、個別に、アルキル、Z置換アルキル、フェニル、Z置換フェニル、ベンジル、Z置換ベンジル、アリール、Z置換アリール、アリル、Z置換アリル、又は水素である。
【請求項7】
請求項3の方法において、前記ポリ(フェニレンエチニレン)は、P構造を有し、更にX=Xである。
【請求項8】
請求項3の方法において、前記ポリ(フェニレンエチニレン)は、P構造を有し、X=X=COO、及びY=Oであり、R〜Rは個別に、アルキル、Z置換アルキル、フェニル、Z置換フェニル、ベンジル、Z置換ベンジル、アリール、Z置換アリール、アリル、Z置換アリル、又は水素である。
【請求項9】
請求項3の方法において、前記ポリ(フェニレンエチニレン)は、P構造を有し、X=COO、及びY=Oであり、R〜Rは個別に、アルキル、Z置換アルキル、フェニル、Z置換フェニル、ベンジル、Z置換ベンジル、アリール、Z置換アリール、アリル、Z置換アリル、又は水素である。
【請求項10】
請求項3の方法において、前記ポリ(フェニレンエチニレン)は、P構造を有し、X=X=COOH、及びY=Y=OC1021である。
【請求項11】
請求項3の方法において、前記ポリ(フェニレンエチニレン)は、P構造を有し、X=X=COOC(CH、及びY=Y=OC1021である。
【請求項12】
請求項3の方法において、前記ポリ(フェニレンエチニレン)は、P構造を有し、X=X=COO−アルキル、及びY=Y=OC1021である。
【請求項13】
請求項3の方法において、前記ポリ(フェニレンエチニレン)は、P構造を有し、XZ=XZ=COO−ポリエトキシアルキル、及びY=Y=OC1021である。
【請求項14】
請求項3の方法において、前記ポリ(フェニレンエチニレン)は、P構造を有し、XZ=XZ=CONHCH(CH)CHOCH(CH)CHOアルキル、及びY=Y=OC1021である。
【請求項15】
請求項4の方法において、前記ポリ(アリーレンエチニレン)の各モノマー単位は、3:1又は1:3の供与体/受容体モノマー部位のモル比を有するものである。
【請求項16】
請求項4の方法において、前記ポリ(アリーレンエチニレン)の各モノマー単位は、7:1又は1:7の供与体/受容体モノマー部位のモル比を有するものである。
【請求項17】
請求項1の方法において、前記ナノマテリアルは、多層カーボンナノチューブ、単層カーボンナノチューブ、カーボンナノ粒子、カーボンファイバー、カーボンロープ、カーボンリボン、カーボン原線維、又はカーボンニードルを含むものである。
【請求項18】
請求項1の方法において、前記ナノマテリアルは、多層窒化ホウ素ナノチューブ、単層窒化ホウ素ナノチューブ、窒化ホウ素ナノ粒子、窒化ホウ素繊維、窒化ホウ素ロープ、窒化ホウ素リボン、窒化ホウ素原線維、又は窒化ホウ素ニードルを含むものである。
【請求項19】
請求項1の方法において、前記分散溶媒は、クロロホルム、クロロベンゼン、水、酢酸、アセトン、アセトニトニル、アニリン、ベンゼン、ベンゾニトリル、ベンジルアルコール、ブロモベンゼン、ブロモホルム、1−ブタノール、2−ブタノール、二硫化炭素、四塩化炭素、シクロヘキサン、シクロヘキサノール、デカリン、ジブロモメタン、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールエーテル、ジエチルエーテル、ジグリム、ジメトキシメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、エタノール、エチルアミン、エチルベンゼン、エチレングリコールエーテル、エチレングリコール、エチレンオキシド、ホルムアルデヒド、ギ酸、グリセロール、ヘプタン、ヘキサン、ヨウ化ベンゼン、メシチレン、メタノール、メトキシベンゼン、メチルアミン、臭化メチレン、塩化メチレン、メチルピリジン、モルホリン、ナフタレン、ニトロベンゼン、ニトロメタン、オクタン、ペンタン、ペンチルアルコール、フェノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ピリジン、ピロール、ピロリジン、キノリン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、テトラクロロエチレン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、テトラリン、テトラメチルエチレンジアミン、チオフェン、トルエン、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,1,1−トリクロエタン、1,1,2−トリクロエタン、トリクロロエチレン、トリエチルアミン、トリエチレングリコールジメチルエーテル、1,3,5−トリメチルベンゼン、m−キシレン、o−キシレン、p−キシレン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン、1,4−ジクロロベンゼン、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン、ジオキサン、又はジメチルスルホキシドを含むものである。
【請求項20】
固体ナノマテリアルを獲得する方法であって、
請求項19の溶媒を除去して固体物質を形成する前記除去する工程
を有する方法。
【請求項21】
再分散されたナノマテリアルを生成する方法であって、
請求項20の前記固体マテリアルを再分散溶媒と混合して再分散された物質を生成する前記混合する工程
を有する方法。
【請求項22】
請求項21の方法において、前記再分散溶媒は、クロロホルム、クロロベンゼン、水、酢酸、アセトン、アセトニトニル、アニリン、ベンゼン、ベンゾニトリル、ベンジルアルコール、ブロモベンゼン、ブロモホルム、1−ブタノール、2−ブタノール、二硫化炭素、四塩化炭素、シクロヘキサン、シクロヘキサノール、デカリン、ジブロモメタン、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールエーテル、ジエチルエーテル、ジグリム、ジメトキシメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、エタノール、エチルアミン、エチルベンゼン、エチレングリコールエーテル、エチレングリコール、エチレンオキシド、ホルムアルデヒド、ギ酸、グリセロール、ヘプタン、ヘキサン、ヨウ化ベンゼン、メシチレン、メタノール、メトキシベンゼン、メチルアミン、臭化メチレン、塩化メチレン、メチルピリジン、モルホリン、ナフタレン、ニトロベンゼン、ニトロメタン、オクタン、ペンタン、ペンチルアルコール、フェノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ピリジン、ピロール、ピロリジン、キノリン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、テトラクロロエチレン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、テトラリン、テトラメチルエチレンジアミン、チオフェン、トルエン、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,1,1−トリクロエタン、1,1,2−トリクロエタン、トリクロロエチレン、トリエチルアミン、トリエチレングリコールジメチルエーテル、1,3,5−トリメチルベンゼン、m−キシレン、o−キシレン、p−キシレン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン、1,4−ジクロロベンゼン、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン、ジオキサン、又はジメチルスルホキシドを含むものである。
【請求項23】
請求項1の方法により生成された剥離したナノマテリアルの分散物。
【請求項24】
請求項21の方法により生成された剥離したナノマテリアルの分散物。
【請求項25】
請求項20の方法により生成された固体ナノマテリアル。
【請求項26】
請求項23のナノマテリアル有する製造物。
【請求項27】
請求項24のナノマテリアルを有する製造物。
【請求項28】
請求項25のナノマテリアルを有する製造物。
【請求項29】
請求項1の方法において、前記ナノマテリアルは事前に超音波処理されていないものである。
【請求項30】
末端官能基Zを有するポリ(フェニレンエチニレン)ポリマーを合成する方法であって、
ポリ(フェニレンエチニレン)ポリマーP、P、又はPであって
【化2】

ここで、
nは約20〜約190であり、
、X、Y、Y、及びYは、電子供与基又は電子求引基のいずれかであり、
前記ポリ(フェニレンエチニレン)がP構造を有する場合、及びX及びXが電子供与性である場合、Y及びYは電子求引性であり、X及びXが電子求引性である場合、Y、Yは電子供与性であり、
前記ポリ(フェニレンエチニレン)がP構造を有する場合、及びX及びXが電子供与性である場合、Yは電子求引性であり、X及びXが電子求引性である場合、Yは、電子供与性であり、
前記ポリ(フェニレンエチニレン)がP構造を有する場合、及びXが電子供与性である場合、Yは電子求引性であり、Xが電子求引性である場合、Yは電子供与性であり、
、X、Y、及びYは、個別に、COO、CONH、CONHCO、COOCO、CONHCNH、CON、COS、CS、アルキル、アリール、アリル、N、NO、S、O、SO、CN、CNN、SO、P、又はPOであり、
〜Rは、個別に、アルキル、フェニル、ベンジル、アリール、アリル、又は水素である
前記ポリ(フェニレンエチニレン)ポリマーP、P、又はP
反応体Zと結合させて、Z置換アルキル、Z置換フェニル、Z置換ベンジル、Z置換アリール、Z置換アリルを形成させるものである、結合させる工程であって、
Zは、個別に、アセタール、酸ハロゲン化物、アクリレート単位、アシルアジド、アルデヒド、無水物、環状アルカン、アレーン、アルケン、アルキン、ハロゲン化アルキル、アリール、ハロゲン化アリール、アミン、アミド、アミノ、アミノ酸、アルコール、アルコキシ、抗生物質、アジド、アジリジン、アゾ化合物、カリックスアレーン、炭水化物、炭酸塩、カルボン酸、カルボン酸塩、カルボジイミド、シクロデキストリン、クラウンエーテル、CN、クリプタンド、デンドリマー、デンドロン、ジアミン、ジアミノピリジン、ジアゾニウム化合物、DNA、エポキシ、エステル、エーテル、エポキシド、エチレングリコール、フラーレン、グリオキサル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、イミド、イミン、イミドエステル、ケトン、ニトリル、イソチオシアナート、イソシアナート、イソニトリル、ケトン、ラクトン、金属錯体の配位子、生体分子錯体の配位子、脂質、マレイミド、メラミン、メタロセン、NHSエステル、ニトロアルカン、ニトロ化合物、ヌクレオチド、オレフィン、オリゴ糖、ペプチド、フェノール、フタロシアニン、ポルフィリン、ホスフィン、ホスホン酸塩、ポリアミン、ポリエトキシアルキル、ポリイミン(2,2’−ビピリジン、1,10−フェナントリン、テルピリジン、ピリダジン、ピリミジン、プリン、ピラジン、1,8−ナフチリジン、かご型シルセスキオキサン(POSS)、ピラゾレート、イミダゾレート、トリ−n−ブチルドデカヒドロヘキサアザケクレン、ヘキサピリジン、4,4’−ビピリジン)、ポリプロポキシアルキル、タンパク質、ピリジン、第四アンモニウム塩、第四ホスホニウム塩、キノン、RNA、シッフ塩基、セレン化合物、セパクレート(sepulchlate)、シラン、スチレン1単位、硫化物、スルホン、スルフヒドリル基、塩化スルホニル、スルホン酸、スルホン酸エステル、スルホン酸塩、スルホキシド、硫黄、及びセレン化合物、チオール、又はチオエーテル、チオール酸、チオエステル、チミン、又はそれらの組み合わせである、前記結合させる工程
を有する方法。
【請求項31】
請求項30の方法において、前記ポリ(フェニレンエチニレン)ポリマーは、前記結合反応の前にナノマテリアルと混合されるものである。
【請求項32】
ポリ(フェニレンエチニレン)を含む組成物であって、以下の構造を有し、
【化3】

ここで、
nは約20〜約190であり、
、X、Y、Y、及びYは、電子供与基又は電子求引基のいずれかであり;
及びXが電子供与性である場合、Y及びYは電子求引性であり、X及びXが電子求引性である場合、Y及びYは電子供与性であり、
、X、Y、及びYは、個別に、COO、CONH、CONHCO、COOCO、CONHCNH、CON、COS、CS、アルキル、アリール、アリル、N、NO、S、O、SO、CN、CNN、SO、P、又はPOであり、
〜Rは、個別に、アルキル、フェニル、ベンジル、アリール、アリル、又は水素であり、
〜Zは、個別に、アセタール、酸ハロゲン化物、アクリレート単位、アシルアジド、アルデヒド、無水物、環状アルカン、アレーン、アルケン、アルキン、ハロゲン化アルキル、アリール、ハロゲン化アリール、アミン、アミド、アミノ、アミノ酸、アルコール、アルコキシ、抗生物質、アジド、アジリジン、アゾ化合物、カリックスアレーン、炭水化物、炭酸塩、カルボン酸、カルボン酸塩、カルボジイミド、シクロデキストリン、クラウンエーテル、CN、クリプタンド、デンドリマー、デンドロン、ジアミン、ジアミノピリジン、ジアゾニウム化合物、DNA、エポキシ、エステル、エーテル、エポキシド、エチレングリコール、フラーレン、グリオキサル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、イミド、イミン、イミドエステル、ケトン、ニトリル、イソチオシアナート、イソシアナート、イソニトリル、ケトン、ラクトン、金属錯体の配位子、生体分子錯体の配位子、脂質、マレイミド、メタロセン、NHSエステル、ニトロアルカン、ニトロ化合物、ヌクレオチド、オレフィン、オリゴ糖、ペプチド、フェノール、フタロシアニン、ポルフィリン、ホスフィン、ホスホン酸塩、ポリアミン、ポリエトキシアルキル、ポリイミン(2,2’−ビピリジン、1,10−フェナントリン、テルピリジン、ピリダジン、ピリミジン、プリン、ピラジン、1,8−ナフチリジン、かご型シルセスキオキサン(POSS)、ピラゾレート、イミダゾレート、トリ−n−ブチルドデカヒドロヘキサアザケクレン、ヘキサピリジン、4,4’−ビピリジン)、ポリプロポキシアルキル、タンパク質、ピリジン、第四アンモニウム塩、第四ホスホニウム塩、キノン、RNA、シッフ塩基、セレン化合物、セパクレート(sepulchlate)、シラン、スチレン1単位、硫化物、スルホン、スルフヒドリル基、塩化スルホニル、スルホン酸、スルホン酸エステル、スルホン酸塩、スルホキシド、硫黄、及びセレン化合物、チオール、又はチオエーテル、チオール酸、チオエステル、チミン、又はそれらの組み合わせである
組成物。
【請求項33】
「n」モノマー単位のポリマー骨格を有するポリ(アリーレンエチニレン)を含む組成物であって、
各モノマー単位は、少なくとも2つのモノマー部位を含み、
各モノマー部位は、少なくとも1つの電子供与基、又は少なくとも1つの電子求引基を有し、
少なくとも1つの電子供与基及び電子求引基は、アルキル基、フェニル基、ベンジル基、アリール基、アリル基、又はH基に結合されており、
各アルキル基、フェニル基、ベンジル基、アリール基、又はアリル基は、さらにZ基に結合されており、
前記Zは、個別に、アセタール、酸ハロゲン化物、アクリレート、アシルアジド、アルデヒド、無水物、環状アルカン、アレーン、アルケン、アルキン、ハロゲン化アルキル、アリール、アリールハロゲン、アミン、アミド、アミノ、アミノ酸、アルコール、アルコキシ、抗生物質、アジド、アジリジン、アゾ化合物、カリックスアレーン、炭水化物、炭酸塩、カルボン酸、カルボン酸塩、カルボジイミド、シクロデキストリン、クラウンエーテル、CN、クリプタンド、デンドリマー、デンドロン、ジアミン、ジアミノピリジン、ジアゾニウム化合物、DNA、エポキシ、エステル、エーテル、エポキシド、エチレングリコール、フラーレン、グリオキサル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、イミド、イミン、イミドエステル、ケトン、ニトリル、イソチオシアナート、イソシアナート、イソニトリル、ケトン、ラクトン、金属錯体の配位子、生体分子錯体の配位子、脂質、マレイミド、メタロセン、NHSエステル、ニトロアルカン、ニトロ化合物、ヌクレオチド、オレフィン、オリゴ糖、ペプチド、フェノール、フタロシアニン、ポルフィリン、ホスフィン、ホスホン酸塩、ポリアミン、ポリエトキシアルキル、ポリイミン(2,2’−ビピリジン、1,10−フェナントリン、テルピリジン、ピリダジン、ピリミジン、プリン、ピラジン、1,8−ナフチリジン、かご型シルセスキオキサン(POSS)、ピラゾレート、イミダゾレート、トリ−n−ブチルドデカヒドロヘキサアザケクレン、ヘキサピリジン、4,4’−ビピリジン)、ポリプロポキシアルキル、タンパク質、ピリジン、第四アンモニウム塩、第四ホスホニウム塩、キノン、RNA、シッフ塩基、セレン化合物、セパルクレート(sepulchrate)、シラン、スチレン1単位、硫化物、スルホン、スルフヒドリル基、塩化スルホニル、スルホン酸、スルホン酸エステル、スルホン酸塩、スルホキシド、硫黄、及びセレン化合物、チオール、又はチオエーテル、チオール酸、チオエステル、チミン、又はそれらの組み合わせである
組成物。
【請求項34】
請求項30の方法により生成されたポリ(フェニレンエチニレン)ポリマー。
【請求項35】
ナノ複合材料であって、
ホストマトリックスと、
前記ホストマトリックス内で分散された請求項23の剥離されたナノマテリアルと
を有するナノ複合材料。
【請求項36】
請求項35のナノ複合材料において、前記ポリ(アリーレンエチニレン)は、ポリ(フェニレンエチニレン)ポリマーである。
【請求項37】
請求項35のナノ複合材料において、前記ホストマトリックスは、hnbrゴム、ポリエチレン、ポリジシクロペンタジエン、シリコン、ポリスチレン、ポリカーボネート、エポキシ、又はポリウレタンを含むものである。
【請求項38】
請求項35のナノ複合材料において、前記ホストマトリックスは、ポリエステル、ポリアミド、又はポリイミドを含むものである。
【請求項39】
多機能ナノ複合材料であって、
請求項35のナノ複合材料と、
連続繊維、不連続繊維、ナノ粒子、ナノ粘土、微粒子、マクロ粒子、又はそれらの組み合わせを有する充填剤と
を有する多機能ナノ複合材料。
【請求項40】
請求項39の多機能ナノ複合材料において、前記剥離したナノマテリアルは、第1充填剤である。
【請求項41】
ナノ複合材料であって、
ホストマトリックスと、
前記ホストマトリックス内で分散した請求項21の再分散されたナノマテリアルと
を有するナノ複合材料。
【請求項42】
ナノ複合材料であって、
ホストマトリックスと、
前記ホストマトリックス内で分散した請求項20の固体の剥離されたナノマテリアルと
を有するナノ複合材料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2007−533797(P2007−533797A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−508537(P2007−508537)
【出願日】平成17年4月13日(2005.4.13)
【国際出願番号】PCT/US2005/012717
【国際公開番号】WO2005/100466
【国際公開日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(504464210)ザイベックス コーポレーション (4)
【Fターム(参考)】