説明

モダフィニルの改変された放出の製薬学的組成物

モダフィニルを含んでなる製薬学的組成物。該製薬学的組成物は、モダフィニルの伝統的な製薬学的組成物のものと異なる放出プロファイルを有し得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2003年9月18日出願の米国仮出願第60/504,028号明細書の利益を主張する。
【0002】
本発明はアセトアミド誘導体のモダフィニルに関する。モダフィニル(C1515NOS)は2−(ベンズヒドリルスルフィニル)アセトアミドであり、また、2−[(ジフェニルメチル)スルフィニル]アセトアミドとしてもまた知られる。
【背景技術】
【0003】
1.モダフィニル
モダフィニルは、「過活動を伴う興奮および運動過剰の存在;ならびに常同(高用量でを除く)ならびにアポモルヒネおよびアンフェタミンの効果の増強の非存在を特徴とする神経心理薬理学的領域」を提示するとして記述された(特許文献1;下で「290特許」(引用することにより本明細書に組み込まれる))。モダフィニルの単回投与は、マウスで増大された自発運動活性、およびサルで増大された夜間活動をもたらす(非特許文献1)。モダフィニルの神経心理薬理学的プロファイルはアンフェタミンのものと区別された(非特許文献2)。モダフィニルは、ドーパミン作動系の参画を伴わずに中枢のシナプス後α−アドレナリン受容体を調節すると考えられている(非特許文献1)。モダフィニルは、特発性過眠症およびナルコレプシーの処置のためヒトで成功裏に試験された(非特許文献3)。
【0004】
モダフィニルは、ナルコレプシー、眠気、過度の眠気(例えば睡眠および覚醒の障害と関連する眠気)、ナルコレプシーを伴う過度の日中の眠気、パーキンソン病、尿失禁、多発性硬化症の倦怠感、ADHD、アルツハイマー病、睡眠時無呼吸、閉塞性睡眠時無呼吸、うつおよび虚血の処置で有効であることが示された。
【0005】
ナルコレプシーは、間欠的な睡眠発作、持続する過度の日中の眠気および睡眠開始時のREM期間のような異常なREM睡眠の発現、脱力発作、睡眠麻痺および入眠時幻覚若しくは双方を特徴とする慢性障害である(非特許文献4)。ナルコレプシーを伴う大部分の患者は混乱した夜間の睡眠もまた有する(非特許文献5)。病理学的傾眠は、ナルコレプシーによるにしろ他の原因によるにしろ、無力にし(disabling)かつ潜在的に危険である。ナルコレプシー以外の病理学的傾眠の原因は、慢性睡眠不足(非特許文献6;非特許文献7);睡眠時無呼吸(非特許文献8);および他の睡眠障害(非特許文献9)を包含する。ナルコレプシーによるにしろ他の原因によるにしろ、病理学的傾眠は、意図しない睡眠、低下した注意および行動の誤りの発症を生じる。結果、それは多様な輸送および産業の事故に結びつけられる(非特許文献10)。病理学的傾眠を低下若しくは排除する治療薬は、個々の患者にのみならず、しかしまた公衆衛生および安全にとっても重要な意義を有するとみられる。
【0006】
モダフィニルの他の用途が提示された。特許文献2は、ヒトで神経保護効果を提供するため、および具体的にはパーキンソン病の処置のためのモダフィニルの使用を開示する。左旋性の形態のモダフィニルすなわち(−)ベンズヒドリルスルフィニル−アセトアミドは、うつ、過眠症およびアルツハイマー病の処置に対する潜在的な利益を有しうる(特許文献3)。特許文献4は抗虚血薬としてのモダフィニルの使用を開示する。特許文献5は尿失禁を処置するためのモダフィニルの使用を開示する。
【0007】
特許文献6は、規定された粒子径を有する製薬学的組成物、および具体的には組成物中
の有効量のモダフィニル粒子の蓄積した合計の95%が約200ミクロン未満の直径を有する組成物を開示する。
【0008】
モダフィニルの粒子は、沈殿、造粒および微粉砕を介して、若しくは押出成型/球状化(spheronization)により成形し得る。
2.代替の投薬形態物:全般的に
送達の制御は伝統的な経口若しくは注入可能な製剤を使用し得ない場合に重要であり得る。制御放出の特徴は、限定されるものでないが:
a.水可溶性の薬物の遅延放出;
b.低溶解性の薬物の迅速放出;
c.特定部位への送達;
d.同一製剤での2種若しくはそれ以上活性成分の送達;および
e.溶解若しくは分解し得かつ容易に排泄され得る担体に基づく系
を挙げることができる。
【0009】
制御された薬物送達は、以下の利点:
a.過剰投与若しくは過小投与を排除する;
b.薬物濃度を所望の範囲に維持する;
c.繰り返しの多い投与に対する必要性を低下させる;
d.患者コンプライアンスを上昇させる;および
e.副作用の方向変更(redirection)若しくは予防において補助する
もまた提供し得る。
【0010】
時間の単位あたりの実質的に安定した放出速度で薬物が放出される、0次若しくは1次放出を提供する経口投薬形態物が既知である。これらの経口投薬形態物は、多くの薬物の製薬学的投薬形態物の投与に十分である。こうした投薬形態物は、ピークに達しかつその後該薬物が代謝若しくは別の方法で排泄される際に下落し始める、薬物の血中濃度の増大を提供する。
【0011】
しかしながら、ある環境では、薬物のより一定の血中濃度若しくは複数のピークが望ましい。こうした効果を提供し得るこうした投薬形態物は一般に「長時間放出(extended release)投薬形態物」と称される。本明細書で使用されるところの、長時間にわたり薬物の全般として一定の血中濃度を提供する長時間放出投薬形態物は「持続放出(sustained release)形態物」と称され、また、長時間にわたり薬物のはっきりと識別できる血中濃度ピークを提供する投薬形態物は「パルス放出形態物」と称される。これらの形態物の双方を全般的に下述する。
A.持続放出形態物
持続放出薬物製剤は、薬物の即時放出を提供することが可能であるが、それでもなお、該薬物の血中濃度がある期間にわたって比較的狭い範囲内に維持されるような薬物の放出を延長する。
【0012】
持続放出薬物製剤は、例えばヒドロゲル打錠技術により圧縮錠剤として便宜的に製造し得る。他の代替のなかで、持続放出特性を提供する被包化した薬物製剤を製造することが薬物業界において慣習的である。この状況で、持続放出カプセル投薬形態物は、1種若しくはそれ以上の結合剤と薬物を混合して均一な混合物を形成し、それをその後水若しくはエタノールのような溶媒で湿らせて押出成型可能な可塑性の塊を形成し、それから小直径、典型的にはマトリックスあたり1mmの薬物の筒状物を押出成型し、適切な長さに破壊し、そして標準的球状化装置を使用して回転楕円体に変形することにより処方しうる。該回転楕円体は、乾燥した後に、その後溶解を遅らせるためにフィルムコーティングしうる。該フィルムコーティングした回転楕円体をその後、所望の治療効果を得るのに必要とされる量で、デンプン若しくはゼラチンカプセルのような製薬学的に許容できるカプセルに入れうる。異なる速度で薬物を放出する回転楕円体を1カプセル中で組み合わせて所望の放出速度および血中濃度を得ることができる。特許文献7は、フィルムコーティングが場合によってはヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび/若しくは可塑剤を含むエチルセルロースから構成される、結晶セルロースと混合状態のプロパノールから構成されるフィルムコーティングした回転楕円体を充填した硬ゼラチンカプセルよりなる長時間放出製薬学的組成物を開示する。
B.パルス放出形態物
上述されたとおり、単位時間あたり実質的に安定した放出速度で薬物が放出される0次若しくは1次放出を提供する経口投薬形態物は、被験体の必要性に依存して、ある状態での薬物の投与に十分であり得る。
【0013】
しかしながら、いくつかの場合において、典型的には、各投与の間の予め決められた時間を伴い、または胃腸管に沿った特定の部位で、2回以上の経口投与の必要性を伴わずに薬物の2回若しくはそれ以上の投与を提供するために、パルス放出形態物を使用し得る。しかしながら、大きさ若しくは投薬形態物に使用される物質の潜在的な制限により、いくつかのみのこうした経口で応用可能なパルス放出系が存在する。
【0014】
「パルス放出形態物」(下でときに「パルス形態物」と称される)という用語は「調節送達系」という用語と同義であり、かつ、Peppas(非特許文献11)によれば、含有された薬物を処方された間隔で送達することが可能である、医薬品の送達系を指す。
【0015】
今日まで、医薬品のパルス形態物の好ましい応用領域は、虚血性心疾患、喘息、関節炎のような疾病、硝酸塩、抗生物質およびステロイド避妊薬、吸収域(absorption window)が存在する場合はHIV/AIDSおよび疼痛の状態に対する耐性を発生させることを回避することであった(非特許文献12)。これらの疾病若しくは疼痛の状態は、疾病のエピソードの発生若しくは疼痛の発作に対し、薬物の間欠的(パルス)放出で適合されている医薬品の形態物でそれらが最良に処置し得るような時間変動にさらされる。明らかに、こうした場合には、「調時」(time−controlled)パルス薬物送達系がより有利でありうる。「位置制御」(position−controlled)薬物送達系(例えば結腸の疾患の処置、若しくはペプチドおよびタンパク質に基づく製品の吸収部位としての結腸の使用)がより有効であることが判明しうる例もまた存在する。
【0016】
医薬品の典型的なパルス形態物は、含有されている薬物を1段階(1パルス系)、2段階(二峰性、二重パルス系)で送達する。加えて、しかしながら、おそらく数段階で薬物を送達し得るより複雑な系および混合系が記述されている。
【0017】
Junginger(非特許文献12)はパルス形態物の医薬品の例を示し、そしてとりわけコーティングした錠剤、ペレット若しくは微小球、浸透圧系、特別のカプセル剤、調時爆破系および特別の層状錠剤を引用している。
3.モダフィニルの投与
典型的には、モダフィニルは、モダフィニルによる処置に応答する状態を有する人に、100mgおよび/若しくは200mgの用量で1日1若しくは2回投与する。好ましくは、有効量のモダフィニルを有する単一用量を、覚醒に際して人に投与する。しかしながら、いくつかの場合には、モダフィニルの血中濃度をモダフィニルに応答する状態(1種若しくは複数)を処置し続けるのに十分な濃度まで増大させるために、第一の用量の約6ないし12時間後に、有効量のモダフィニルをこれもまた有する第二の用量を投与し得る。
【0018】
伝統的な投与では、薬物の血中濃度が、毒性濃度を表しうる最大血中濃度と、それより下で該薬物がもはや有効でない最小値との間に留まることが望ましい。しかしながら血中濃度の維持は困難であり得る。例えば、伝統的な投薬形態物は異常な(erratic)血中濃度プロファイルを提供し得る。第一の用量の投与後に、血中濃度が増大し得かつ最大の所望のレベルを超え得、その後、第二若しくはその後の用量が投与される前に最小有効濃度より下の濃度に下落し得る。同一の周期が、モダフィニルのその後の投与で望ましくなく反復され得る。
【特許文献1】米国特許第4,177,290号明細書
【特許文献2】米国特許第5,180,745号明細書
【特許文献3】米国特許第4,927,855号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第547952号明細書(1993年6月23日公開)
【特許文献5】欧州特許出願公開第594507号明細書(1994年4月27日公開)
【特許文献6】米国特許再交付第RE37,516号明細書
【特許文献7】米国特許第4,138,475号明細書
【非特許文献1】Duteilら、Eur.J.Pharmacol.180:49(1990)
【非特許文献2】Saletuら、Int.J.Clin.Pharm.Res.9:183(1989)
【非特許文献3】Bastujiら、Prog.Neuro−Psych.Biol.Psych.12:695(1988)
【非特許文献4】Assoc.of Sleep Disorders Centers、Sleep 2:1(1979)
【非特許文献5】Montplaisir、Guilleminaultら編、Narcolepsy、Spectrum Pub.、ニューヨーク中、pp.43−56
【非特許文献6】Carskadonら、Sleep、5:S73(1982)
【非特許文献7】Carskadonら、Psychophysiology、18:107(1981)
【非特許文献8】Krygerら、Principles and Practice of Sleep Medicine、W.B.Saunders Co.、ペンシルバニア州フィラデルフィア(1989)
【非特許文献9】International Classification of Sleep Disorders:Diagnostic and Coding Manual、American Sleep Disorder Association、ミネソタ州ロチェスター(1990)
【非特許文献10】Mitlerら、Sleep 11:100(1988)
【非特許文献11】N.A.Peppas、R.Gurny;H.E.Junginger;N.A.Peppas(編)Pulsatile Drug Delivery,Current Applications and Future Trends、第1版の序文、ページ5−5、Wiss.Verlagsges.、シュトゥットガルト 1993
【非特許文献12】H.E.Junginger、R.Gurny;H.E.Junginger;N.A.Peppas(編)Pulsatile Drug Delivery,Current Applications and Future Trends、第1版中、Oral Applications of Pulsatile Drug Delivery、ページ113−134、Wiss.Verlagsges.、シュトゥットガルト 1993
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0019】
[発明の要約]
本発明の一態様において、薬物の血中濃度プロファイルが、長時間にわたり最小有効濃度より上かつ最大の所望の濃度より下に維持され得る。従って、一態様において、本発明は、約6から12時間までにわたり持続された効果を提供し得る、モダフィニルを含有する投薬形態物を提供する。
【0020】
本発明の別の態様において、限定されるものでないがプロビジル[Provigil](R)(モダフィニル)の放出機構と異なりかつ被験体の傾眠状態、ならびにADHDのようなモダフィニルにより処置可能である他の神経学的状態を変えるのに有効である組成物を提供する放出機構を有するモダフィニルの製薬学的組成物を含む組成物が記述される。
【0021】
一態様において、本発明は、投与される場合に、2個若しくはそれ以上のモダフィニルの有効量を放出し、モダフィニルの有効量の少なくとも1個の放出が該投薬形態物から薬物が実質的に放出されない時間間隔により先行されるような、単位投与剤形(unit dose form)の製薬学的組成物を包含する。
【0022】
別の態様において、本発明は、投与される場合に、モダフィニルの第一の有効量を放出し、次いで投薬形態物から薬物が実質的に放出されない時間間隔、およびその時間間隔後にモダフィニルの第二の有効量が製薬学的組成物から放出されるような、単位投与剤形の製薬学的組成物を包含する。
【0023】
別の態様において、本発明は、投与される場合に、モダフィニルの1有効量を即時に放出し得、かつまたよりゆっくりと放出されるモダフィニルの第二の量も提供し、該モダフィニルの第二の量の放出が所定の時間間隔にわたって起こり、その時間の間にモダフィニルの血中濃度が全般として一定濃度に、典型的にはモダフィニルに応答する疾患若しくは状態を処置するのに有効であるために必要な最小濃度若しくはそれより上に維持されるような、単位投与剤形の製薬学的組成物を包含する。
【0024】
なお別の態様において、本発明は、有効量のモダフィニルを本発明の長時間放出投薬形態物でヒトのような哺乳動物に投与することによる、哺乳動物の傾眠状態を変える方法を包含する。
【0025】
なお別の態様において、本発明は、有効量の本発明の組成物をヒトのような哺乳動物に投与することによる、哺乳動物の傾眠状態を変える方法を包含する。
[発明の詳細な記述]
本明細書に開示されるところの、ならびに本発明の組成物および方法で使用されるところのモダフィニル化合物はラセミ混合物を包含し得、また、場合によってはモダフィニルの代謝酸若しくはベンズヒドリルスルフィニル酢酸のような酸の形態、スルホンの形態、水酸化された形態、タンパク質、多糖、グルクロニド若しくはスルフェートに抱合されたモダフィニル化合物のような抱合体、または多形の形態(それはモダフィニルのフェニル基の等容(isosteric)置換を含有する化合物を包含しうる)、ならびにモダフィニルの多形種若しくはアナログ、鏡像異性体、または同族体の誘導体およびプロドラッグであり得る。好ましい態様において、モダフィニル化合物はプロビジル[Provigil](R)(モダフィニル)に含有されるところのモダフィニル化合物である。しかしながら、他の形態のモダフィニル、例えばプロビジル[Provigil](R)(モダフィニル)に生物学的に同等であるモダフィニルの安定化された多形もまた本発明での使用に適し得ることに注意すべきである。プロドラッグは、被験体の体内で活性薬物(モダフィニル)に転化される化合物として当該技術分野で既知である。
【0026】
本発明により、モダフィニルは下の節でより詳細に記述されるところのパルス放出投薬形態物および/若しくは持続放出投薬形態物のような改変放出投薬形態物で提供し得る。モダフィニルのパルス放出投薬形態物
一態様において、本発明のモダフィニルのパルス放出形態物は、本明細書で「モダフィニルの被覆された核」と称される、1種若しくはそれ以上のコーティングをその上に有するモダフィニルの活性核を包含し得る。モダフィニルの該被覆された核は、下述されるとおり、限定されるものでないがプロビジル[Provigil](R)(モダフィニル)を含むことができる、即時放出に適するある量のモダフィニルと組み合わせでもまた使用し得る。
【0027】
別の態様において、本発明は、モダフィニルの第二の量が発生前の遅延を有しかつモダフィニルの該第二の部分の放出が長時間にわたって延長され得るような、処方されたモダフィニルの少なくとも1個の第二の量と組み合わせの即時放出に適するある量のモダフィニルを包含し得る。こうした一態様は「モダフィニルの遅延長時間(delayed extended)放出」と本明細書で称される。パルス放出投薬形態物のそれぞれを下述する。
A.モダフィニルの被覆された核
一態様において、本発明の投薬形態物の活性核は、商業的に入手可能なノンパレイユ(non−pareil)糖の球体のような不活性粒子を包含し得る。該核中のモダフィニルの量は望ましい用量に依存することができる。一般に、核は、該核の総重量に基づき約5ないし90%、より典型的には5ないし60重量%の薬物を含有することができる。当業者は、所望の投薬形態物を達成するためのコーティング若しくは核への取り込みのためのモダフィニルの適切な量を選択することが可能であろう。典型的には、被覆された核は約5、10、25、50、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300若しくは約400mgのモダフィニルを包含し得る。
【0028】
水性若しくは製薬学的に許容できる溶媒媒体を、核粒子を製造するのに使用しうる。水溶解性の薬物を不活性粒子に結合するのに使用される不活性結合剤の型は決定的に重要でないが、しかし、水溶解性若しくはアルコール溶解性の結合剤を典型的に使用する。ポリビニルピロリドン(PVP)、カルボキシアルキルセルロース、ポリエチレンオキシド、デキストランのような多糖、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(古いモノグラフの命名法で「HPMC」;新しいモノグラフの名称は「ハイプロメロース」である)、ヒドロキシプロピルセルロースのような結合剤を、約0.5から5重量%までの濃度で水中にそれらを分散させることにより使用しうる。モダフィニルはこのコーティング製剤中に溶液の形態で存在しても、若しくは懸濁されていてもよい。薬物濃度は、コーティング製剤の粘度に依存して約10から30重量%まで変動しうる。
【0029】
一態様において、活性核は造粒若しくは押出成型および球状化により製造しうる。モダフィニル、PVPのような結合剤、高粘度HPMC(すなわち「ハイプロメロース」)のような任意の溶解速度制御ポリマー、および場合によっては他の製薬学的に許容できる賦形剤(下述される)を、Fielder(R)造粒装置のような高剪断力顆粒装置、若しくはGlatt GPCG造粒装置のような流動床造粒装置中で一緒に混和し得、そして造粒して、水若しくはアルコールのような造粒液体を添加/噴霧することにより凝集体を形成させ得、そして乾燥し得る。水分を含む塊を押出成型かつ球状化して、押出成型機を使用して球状粒子(ビーズ)を製造し得る。これらの態様において、薬物負荷量は、押出成型若しくは造粒された核の総重量に基づき約90重量%であり得る。
【0030】
薬物を含有する粒子上の膜コーティングの層の1つは可塑化された腸溶ポリマーを包含しうる一方、他方の層は水不溶性ポリマーおよび可塑化された水に分散可能な/腸溶ポリ
マーの混合物を包含することができ、ここで、該水不溶性ポリマーおよび水に分散可能なポリマーは、10:1ないし1:1および典型的には約4:1ないし1:1の重量比で存在することができ、また、コーティングの総重量は、該多微粒子投薬形態物の総重量に基づき約15ないし80重量%およびより典型的には約20ないし60重量%である。
【0031】
任意の中間の酸を含有する膜は、フマル酸、クエン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸およびマレイン酸のような有機酸;ならびにPVPのような結合剤を包含しうる。水若しくはアルコール溶解性のポリマーが通常使用されることに注意すべきである。この酸コーティングの量は被覆されるビーズの総重量に基づき約5ないし20%である。この膜中の酸が、内層の腸溶ポリマーの溶解を遅延させてそれにより遅延時間を増大させならびに被覆されたビーズからの活性成分の放出の速度を低下させる。ポリマー膜の外層の組成、ならびに内、中間および外膜層の個々の重量は、予測されたin vitro/in vivoの相関に基づきモダフィニルのパルス放出プロファイルを達成するようにさらに至適化し得る。従って、本発明のパルス放出投薬形態物は、予め決められた時間の後および/若しくは該投薬形態物を投与する人の消化管中の特定の点で、ある量のモダフィニル、好ましくは有効量のモダフィニルを放出するように至適化し得る。
【0032】
本発明で有用な腸溶ポリマーの代表的な例は、セルロースのエステルおよびその誘導体(セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート)、ポリビニルアセテートフタレート、pH感受性のメタクリル酸−メタメタクリレート(methamethacrylate)コポリマーならびにセラックを包含する。これらのポリマーは水分を含まない粉末としても水分散系としても使用しうる。使用しうるいくつかの商業的に入手可能な素材は、Rhom Pharmaにより製造される商標Eudragit(L100、S100、L30D)で販売されるメタクリル酸コポリマー、Eastman Chemical Co.からのCellacefate(セルロースアセテートフタレート)、FMC Corp.からのAquateric(セルロースアセテートフタレート水分散系)、および信越化学工業からのAquoat(ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート水分散系)である。
【0033】
本発明で有用な水不溶性ポリマーの代表的な例は、セルロース誘導体(例えばエチルセルロース)、ポリビニルアセテート(BASFからのKollicoat SR30D)、エチルアクリレートおよびメチルメタクリレートに基づく中性のコポリマー、Eudragit NE、RS若しくはRS30D、RL若しくはRL30Dのような四級アンモニウム基をもつアクリル酸およびメタクリル酸エステルのコポリマーなどを包含する。
【0034】
膜の形成において使用される腸溶および水不溶性双方のポリマーは通常可塑化される。膜を可塑化するのに使用しうる可塑剤の代表的な例は、トリアセチン、クエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル、アセチルトリ−n−ブチルシトレートジエチルフタレート、ヒマシ油、セバシン酸ジブチル、アセチル化モノグリセリドなど、若しくはそれらの混合物を包含する。可塑剤はポリマーに基づき約3ないし30重量%およびより典型的には約10ないし25重量%でありうる。可塑剤の型およびその含量は、ポリマー(1種若しくはそれ以上)および/またはコーティング系の性質(例えば、水性若しくは溶媒に基づく、溶液若しくは分散系に基づく、および総固形物)に依存する。
【0035】
一般に、薄いヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCすなわちハイプロメロース)(Opadry Clear(R))薄膜を塗布することによりパルス放出膜コーティングを塗布する前の粒子の表面を下塗りし、または異なる膜層を分離することが望ましい。HPMC(すなわちハイプロメロース)が典型的に使用される一方、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)のような他の下塗剤もまた使用し得る。
【0036】
該膜コーティングは、製薬業界で一般に使用されるコーティング技術のいずれを使用しても核に塗布し得るが、しかし流動床コーティングがとりわけ有用である。
【0037】
本発明はまた、以下の段階:
1)ノンパレイユ核(seed)(糖球体)のような不活性粒子を薬物およびポリマー性結合剤で被覆して、または、造粒若しくは/および押出成型/球状化により薬物を含有する粒子を製造して活性薬物粒子を形成すること;
2)前記活性薬物粒子を、可塑化した腸溶コーティング薬物粒子を形成する可塑化された腸溶コーティングで被覆すること;ならびに
3)前記可塑化した腸溶コーティング薬物粒子を、水不溶性ポリマーおよび腸溶ポリマーの混合物で被覆すること
を包含する、調時(timed)パルス放出投薬形態物の製造方法も提供する。
【0038】
本発明において、第二および第三の操作を相互に交換し得、そしてこの特徴は薬物粒子からの放出プロファイルの調節において追加された柔軟性を提供する。本発明の別の追加された柔軟性は、遅延時間(lag time)および薬物粒子からの放出プロファイルをさらに調節するための第二および第三の被覆操作の間の有機酸(フマル酸若しくはコハク酸のような)を含有する膜の任意の塗布である。本発明の多層コーティングした薬物を含有する粒子を組み込む投薬形態物は、多様な形態を取りうる。
【0039】
一態様において、該製剤は、経口投与数時間後の薬物の調時パルス放出を提供するため、若しくは特定の吸収部位を標的とするために単一の形態の微粒子を使用しうる。別の態様において、本発明の多層コーティングした薬物を含有する粒子を組み込む投薬形態物は、即時放出に適するある量のモダフィニルと混成投薬形態物に(例えばゼラチンカプセル中で)組み合わせてそれによりモダフィニルの即時放出部分および調時パルス放出部分の双方を有する混成投薬形態物を提供し得る。
【0040】
任意の即時放出部分およびコーティング核のモダフィニルは、約5、10、25、50、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300若しくは約400mgのモダフィニルをそれぞれ包含し得るため、本発明のコーティング核の投薬形態物は約10ないし800mgのモダフィニルを含有し得る。
B.モダフィニルの遅延長時間放出形態物
なお別の態様において、モダフィニルの少なくとも1個の二峰性の血液プロファイル(例えば図2に示されるプロファイル)を提供することが可能なモダフィニルの投薬形態物を提供し得る。とりわけ、本発明は、少なくとも一部分の即時放出に適するモダフィニル、および遅延長時間放出に適するモダフィニルの第二の量を含有する投薬形態物を包含し得る。
【0041】
こうした一態様において、および図1に示されるとおり、モダフィニルの第一の部分は図1で1時間の垂直の棒により示されるとおり即座に放出される。具体的には、投与後最初の1時間に、モダフィニルの一部分(例えば図1で示されるとおり100mg)が本発明の投薬形態物から放出され得る。また図1に示されるとおり、モダフィニルが実質的に1)放出されず、かつ/若しくは2)被験体の血流に進入することが可能でなく、かつ/若しくは3)図1の時間2および3で溶解棒の非存在により示されるとおり投与されたモダフィニルの第二の部分から生物学的に利用可能でない経過時間が存在する。しかしながら、約0ないし3時間後、より好ましくは約4時間後に、付加的なモダフィニルが本発明の投薬形態物から放出され得、そして該第二の部分の放出は最初の投与後約3ないし12時間若しくはより長い間持続し得る。
【0042】
モダフィニルの該第二の部分の放出は、図1に時間4ないし10の間の垂直の棒により示されるとおり長時間にわたって起こり、そして、典型的には、その間モダフィニルが放出されない遅延時間後に起こる。従って、ある量のモダフィニル、好ましくは有効量のモダフィニルの放出の開始前に遅延を表し得るこうした投薬形態物を、本明細書で「遅延長時間放出」投薬形態物若しくは組成物と称する。こうした投薬形態物は、単独で若しくは他の投薬形態物と組み合わせで投与し得る。
【0043】
本発明のこうした投薬形態物若しくは組成物の血中濃度に対する効果は図1および2を参照して記述し得る。モダフィニルに関して、モダフィニルの血中濃度が少なくとも約2μg/mlに増大することが典型的に望ましい。この血中濃度は、図1に示されかつ上述されたとおり、投与後の最初の1時間のモダフィニルの即時放出後に生物学的に利用可能になるモダフィニルの量に対応し得る。しかしながら、モダフィニルの約2ないし4時間後の血中濃度は減少し得、そして、いくつかの場合には図2に示されるとおり所望のレベルより下まで減少し得る。本発明は、モダフィニルの第二の部分が、典型的にはモダフィニルの即時放出部分が放出された後、およびいくつかの好ましい態様においてはモダフィニルの血中濃度が減少し始めた後に血流中に進入して、それにより望ましくはモダフィニルの第二の用量を投与する必要性を伴わずに血中濃度を約2μg/ml若しくはそれより上に増大かつ/若しくは維持し得るように設計される。
【0044】
従って、本発明の一態様において、モダフィニルの第一の部分は、商業的に入手可能な形態のモダフィニル、および具体的にはプロビジル[Provigil](R)(モダフィニル)のプロファイルに実質的に対応する初期の薬物動態プロファイルを有し得る。従って、本発明は、即時放出プロファイルを有する約5、10、25、50、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300若しくは約400mgのモダフィニルを包含し得る。
【0045】
即時放出部分は、典型的には即時放出部分の約60ないし90重量%のモダフィニルを含有し得る。増量剤および他の賦形剤が最終重量パーセントを説明する。本発明の遅延長時間放出形態物での使用のためのとりわけ好ましい一態様において、該即時放出部分は、約79.9重量%のモダフィニル、9.9%の乳糖一水和物、5%のポリビニルピロリドン90、5%のAc−Di−Sol(R)(架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、および0.5%のステアリン酸マグネシウムを含有する。
【0046】
いくつかの態様において、即時放出モダフィニルは、米国再交付特許第RE 37,516号明細書(その内容はこれにより引用することにより組み込まれる)に記述されるモダフィニルであり得る。即時放出製剤は、さらに下述されるある量のモダフィニルの遅延長時間放出製剤と組み合わせ得、そしてその後、ゼラチンカプセル剤、好ましくは硬ゼラチンカプセル剤のような投薬形態物に組み合わせてそれにより混成投薬形態物を形成し得る。
【0047】
患者への投与に適する投薬形態物で使用されるためのモダフィニルの遅延長時間放出組成物を下述する。
B1.遅延長時間放出に適する製剤
遅延長時間放出を表し得るモダフィニルのある種の製剤を表1に記述する。
【0048】
表1に示されるとおり、モダフィニルは、マンニトールのような多価アルコール、Polyox(R)凝固剤のような凝固剤、ならびにステアリン酸のような滑沢剤と組み合わせて、遅延かつ長時間放出のモダフィニル組成物を提供し得る造粒を生じ得る。本発明のある態様において、本発明の投薬形態物の遅延長時間放出部分は、約5、10、25、50、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300若しくは約400mgのモダフィニルを包含し得る。下の表1に記述されるある特定の態様において、100mgのモダフィニルを使用して、それにより約150mgの合計の遅延長時間放出製剤重量に到着させ得る。
【0049】
【表1】

【0050】
上述された処方を使用して、遅延放出製剤のカプレット剤、錠剤若しくは他の投薬形態物を、限定されるものでないが被包化手順を挙げることができる標準的手順を使用して創製し得る。しかしながら、こうした投薬形態物は、それ以上を伴わず、典型的には「持続放出」血液プロファイルを表す、すなわち、該投薬形態物は、典型的には、図3および4に示されるとおり、摂取後に即座にモダフィニルを放出しかつ長時間にわたりモダフィニルを放出し続けることに注目すべきである。これらの組成物はまた1投薬形態物にも製剤し得、そして、摂取後3ないし12、典型的には4ないし12時間、より典型的には6〜12時間モダフィニルを放出する長時間放出プロファイルを表し得る。
【0051】
表1に記述される組成物から形成される投薬形態物は、場合によってはその後の加工のため錠剤を封止するよう下塗りし得る。適する封止剤は、限定されるものでないがHPMC(すなわちハイプロメロース)、HPC、PEGおよびそれらの組み合わせを挙げることができる。
【0052】
従って、それ以上を伴わず、上および表1に示される記述に従って製造される組成物から生成される投薬形態物は、典型的には「持続放出」プロファイルを表し、そして、限定されるものでないがさらに下述される「錠剤カプセル剤」、「造粒カプレット剤」および「層状錠剤」の持続放出投薬形態物を含む他の投薬形態物を、限定されるものではないが、含むモダフィニルの他の改変放出投薬形態物を製造するのにも使用し得る。しかしながら、本発明の目的上、遅延長時間放出を表すはずであるモダフィニルの組成物は上および表1に示される記述に従って製造すべきであることが好ましい。
【0053】
組成物の長時間の溶解が図3および4に示される、表1に示される記述に従って製造した組成物の溶解(該溶解は0.1N HCl中で試験した)を比較することにより示されるとおり、多価アルコールの重量パーセントが増大しかつ凝固剤の重量パーセントが増大する際に、モダフィニルの放出の最初の発生前の時間の遅延もまた増大する。図4にまた示されるとおり、モダフィニルの量が増大しかつ/若しくはセルロース誘導体(すなわちAvicel PH200)の量が増大する際に、モダフィニルの放出に対する影響は、
表1に示されかつ記述されるとおり、処方F1に関して最小であり得る。
【0054】
従って、モダフィニルの放出をさらに遅延させかついくつかの態様においてある時間、典型的には投与後0.5ないし4時間、モダフィニルの放出を予防するために、モダフィニルの投薬形態物、および好ましくは表1に示される組成を有する投薬形態物は、下により詳細に記述されるとおり、1種若しくはそれ以上のポリマー素材の1個若しくはそれ以上の帯で帯を形成させ(banded)得る。
B2.ポリマー素材の帯
モダフィニルの投薬形態物に帯が形成される、好ましくは円周状に帯が形成される本発明の態様において、ポリマー素材の帯はいずれかのポリマー素材、好ましくは比較的不溶性のポリマー素材、およびより好ましくは、分注時間に腐蝕若しくは分解しないものから作成し得る。典型的な不溶性ポリマー素材(polymerics)は、本明細書で上述された水不溶性ポリマー素材を包含する。
【0055】
こうした態様において、帯の数、帯の位置および帯の厚さがモダフィニルの放出速度を制御し得る。本発明において、複数の帯を使用する場合、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5若しくは3.0mmの間隙が帯間に存在する。各帯は0.5、1.0、1.5若しくは2.0mm幅であり得、かつ、約0.1ないし100μm、より典型的には0.1ないし50μm、およびいくつかのより好ましい態様においては0.1ないし20μmの厚さを有し得る。
【0056】
図5に示されるとおり、本発明の一態様において、上述された処方F1から成形されたカプレット剤はその上に2個の円周状のポリマーの帯を有する。各帯20および30は約1mmの幅を、また、それらの間に約2mmの間隙40を有する。
【0057】
帯のあるカプレット剤の溶解を上述されたと同一の様式(すなわち0.1N HCl中)で実施した。ポリマーの帯を伴わない処方F1のカプレット剤に関しての処方F1の帯のあるカプレット剤の溶解を図6に示す。図6に示されるとおり、帯のある製剤はモダフィニルの放出をさらに遅延させ、かつ、モダフィニルが放出され得かつ/若しくは血流中に進入し得かつ/若しくは生物学的に利用可能になり得る時間を延長する。いくつかの態様において、帯は、モダフィニルが放出されない遅延時間(「発生の遅延」若しくは「遅延放出」ともまた称される)が存在するようにモダフィニルの放出の開始を遅延させ得る。典型的には、モダフィニルの発生の遅延は、投与後0から4時間まで、より典型的には0ないし3時間、より典型的には0.5ないし4時間、およびいくつかの態様においては1ないし2時間であり得る。
【0058】
帯のある投薬形態物からのモダフィニルの発生をさらに遅延させるため、帯のある投薬形態物は、場合によっては適する腸溶コーティングで被覆し得る。適する腸溶コーティングは当業者に容易に入手可能であり、そして、限定されるものでないがEudragit
L30D−55およびPEG(上でモダフィニルのコーティング核に関して示された適するコーティング)、ならびに下の表2に示される1種若しくはそれ以上のポリマーを挙げることができる。腸溶コーティングはタルクのような他の賦形剤もまた包含しうる。該帯のある投薬形態物は約2ないし10μg/cm、典型的には約7μg/cmのレベルで被覆し得る。好ましい一態様において、腸溶コーティングは、該投薬形態物の投与後モダフィニルが放出されない時間が存在するようにモダフィニルの発生を遅延させる。典型的には、適する腸溶コーティングで被覆した後、被覆した帯のある投薬形態物(例えば腸溶コーティングした帯のあるカプレット剤)からのモダフィニルの発生の遅延は、0.5から4時間まで、より典型的には1ないし2時間であり得る。
【0059】
その後、本発明のいくつかの態様において、上述されたモダフィニルの即時放出用量、
および腸溶コーティングされた帯のあるカプレット剤を、慣習的手順を使用して単一の混成投薬形態物(例えば単一のゼラチンカプセル剤)に組み合わせ得る。即時放出部分および遅延長時間放出部分がそれぞれ約5、10、25、50、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300若しくは約400mgのモダフィニルを包含し得るため、本発明の遅延長時間放出混成投薬形態物は約10ないし800mgのモダフィニルを含有し得る。こうした投薬形態物は、図2に示されるプロファイルに類似のモダフィニルの血液プロファイルを生じ得る。
モダフィニルの持続放出投薬形態物
1つの型の持続放出製剤を組み込み得る上述された遅延長時間放出製剤に加え、モダフィニルの持続放出製剤の他の適する態様を下述する。下述される混成組成物のそれぞれは最低1種の即時放出製剤および持続放出製剤(下述される)を包含する。従って、本発明において、「持続放出」と称される投薬形態物の態様は、典型的にはモダフィニルの発生の遅延を表さず、また、こうした投薬形態物は、投与後該投薬形態物から薬物が生物学的に利用可能にされない有意の時間を表さない。
【0060】
「錠剤カプセル剤」と称される一態様において、本発明は、即時放出のため処方されている錠剤の形態のモダフィニルの第一の部分および持続放出のため処方されている錠剤の形態にある少なくとも1個の第二の部分を含有するカプセルを包含し得る。
【0061】
「造粒カプレット剤」と称される別の態様において、本発明は、即時放出のため処方されているモダフィニルの造粒の第一の部分および持続放出のため処方されている錠剤の形態にあり得る少なくとも1個の第二の部分を含有するカプセル剤若しくはカプレット剤を包含し得る。
【0062】
「層状錠剤」と称されるなお別の態様において、本発明は2個若しくはそれ以上の層を有する錠剤を包含し得る。こうした一態様において、錠剤は即時放出のため処方されているモダフィニルを含有し得る。本態様はまた、持続放出のため処方されているモダフィニルの1個の第二の層も包含し得る。
【0063】
上述された態様のそれぞれは下の節C1からC3により詳細に記述する。さらに、上述された態様のそれぞれは、第一の部分(即時放出部分)中に約5、10、25、50、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300若しくは400mgまたはそれ以上の総モダフィニル、および第二の部分中に5、10、25、50、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300若しくは400mgまたはそれ以上のモダフィニルの付加的な量を含有し得る。従って、本発明の混成持続放出投薬形態物は、約10から約800mgまでのモダフィニル若しくはそれ以上を包含し得る。
C1.錠剤カプセル剤
本発明の「錠剤カプセル剤」の態様において、錠剤カプセル剤は、摂取に際しての即時放出に適するある量のモダフィニル、および該錠剤カプセル剤の摂取後ある量のモダフィニルをかつ6〜12時間まで放出し続け得るモダフィニルの少なくとも1個の第二の部分を含有する。
【0064】
本発明の本態様において、少なくとも50〜95%のモダフィニルが即時放出製剤であり、錠剤の形態にあり、そしてプロビジル[Provigil](R)(モダフィニル)であり得る。好ましくは、該錠剤カプセル剤の少なくとも約80%が即時放出に適するモダフィニルの組成物を包含する。該錠剤カプセル剤の態様の重量の残部は、「パルス放出」製剤に関して表1に上で詳述されたモダフィニルの持続放出製剤を包含し得るとは言え、好ましくは、該錠剤カプセル剤は、節C4で下述されるモダフィニルの持続放出製剤の一部分を包含する。
【0065】
モダフィニルの即時放出製剤を含有する錠剤および持続放出製剤の錠剤は、慣習的様式で単一の投薬形態物、例えば1個のゼラチンカプセル中で組み合わせ得る。
C2.造粒カプレット剤
本発明の一態様は、モダフィニルの少なくとも50〜95%が即時放出製剤でありかつプロビジル[Provigil](R)(モダフィニル)の造粒(錠剤と区別される)であり得る造粒カプレット剤を包含する。好ましくは、該造粒カプセル剤の少なくとも約80%が、典型的に別個のカプレット剤に含有される顆粒状の形態の即時放出に適するモダフィニルの組成物を包含する。造粒カプレット剤の態様の重量の残部は「パルス放出」製剤に関して表1に上で詳述されたモダフィニルの持続放出製剤を包含し得るとは言え、好ましくは、該造粒カプレット剤は、節C4で下述されるモダフィニルの持続放出製剤の一部分を包含する。
【0066】
モダフィニルの即時放出製剤および持続放出製剤を含有するカプレット剤は、慣習的様式で単一の投薬形態物、例えば1個のゼラチンカプセル中で組み合わせ得る。
C3.層状錠剤
本発明の「層状錠剤」の態様において、層状錠剤は、摂取に際しての即時放出に適するある量のモダフィニル、および該錠剤カプセルの摂取後6〜12時間まである量のモダフィニルを即座に提供し得るモダフィニルの少なくとも1個の第二の部分を含有する。
【0067】
本発明の本態様において、モダフィニルの少なくとも50〜95%が即時放出製剤でありかつプロビジル[Provigil](R)(モダフィニル)であり得る。好ましくは、該層状錠剤の少なくとも約80%が即時放出に適するモダフィニルの組成物を包含する。該層状錠剤の態様の重量の残部は、「パルス放出」製剤に関して表1に上で詳述されたモダフィニルの持続放出製剤を包含し得るとは言え、好ましくは、該層状錠剤は、節C4で下述されるモダフィニルの持続放出製剤の一部分を包含する。
【0068】
該2製剤は、加工後に最終の打錠された投薬形態物が、モダフィニルの即時放出製剤を含有する少なくとも1個の第一の層および持続放出製剤を含有する第二の層の2個若しくはそれ以上の層を有するように慣習的様式で、例えば錠剤プレス中で組み合わせ得る。
C4.持続放出製剤
上に示されたとおり、持続放出組成物のそれぞれは、4ないし12時間、より典型的には6ないし12時間にわたってモダフィニルを放出するようにこうした様式で製剤されたある量のモダフィニルを包含する。持続放出に関して記述された製剤は、上述された遅延長時間放出製剤および具体的には表1に記述された製剤の代わりに用いられ得、かつ、逆もまた真であるとは言え、本明細書の本節で下述される製剤を本発明の持続放出投薬形態物の製造に使用することが好ましい。
【0069】
上に示されたとおり、本発明の持続放出製剤は、典型的には約5、10、25、50、75、100、125、150、175、200、225、250、300若しくは400mgからのある量のモダフィニルを包含し得る。典型的には、本発明の持続放出製剤は、限定されるものでないが下の表2に記述されるポリマーの1種若しくはそれ以上を含む少なくとも1種の適するポリマーをさらに包含し、ここで、重量パーセントもまた表2の最も右の欄に記述する。
【0070】
【表2】

【0071】
「*」を伴い示されるポリマーは湿式造粒を介して添加され得ることに注意すべきである。
【0072】
限定されるものでないが乳糖およびリン酸二カルシウムを挙げることができる増量剤、ならびに限定されるものでないがステアリン酸マグネシウムを挙げることができる滑沢剤。
【0073】
いくつかの態様において、モダフィニルは、持続放出組成物の少なくとも20%ないし30%、30%ないし60%、若しくは70重量%であり得る。組成物の重量の残部は上述された増量剤、滑沢剤およびポリマーであり得る。好ましい態様において、ポリマーは持続放出組成物の5%から20重量%まで、より好ましくは7ないし10%若しくは10ないし16.5%存在し得る。高度に好ましい一態様において、ポリマーはセルロース誘導体ポリマー、例えばMethocel K4Mでありかつ約10重量%で存在する。該持続放出製剤は直接圧縮若しくは湿式造粒を介して製造し得る。
【0074】
図7および8は多様な持続放出錠剤単独の溶解プロファイルを示す。持続放出錠剤は、
100mgのモダフィニルの総重量および250mgの総錠剤重量を有する持続放出製剤から製造した。図7は直接圧縮から製造した錠剤の溶解を示し、また、図8は湿式造粒から製造した錠剤の溶解を示す。双方の製剤は本明細書の教示に従って製造した。
【0075】
それぞれで使用した錠剤カプセル剤、造粒錠剤、層状錠剤および持続放出製剤の溶解プロファイルを図9に示す。該投薬形態物は即時放出部分および持続放出部分を組み込んだ。持続放出部分は、Methocel K4Mをポリマーとして持続放出部分の7ないし16.5重量%で含有する。図9に示されるとおり、錠剤カプセル剤の態様は示された時間でより迅速に溶解した一方、持続放出製剤単独は最もゆっくりと溶解した。
賦形剤および他成分
本明細書に開示される組成物および方法はある態様を鑑みて記述したとは言え、本明細書に記述されるモダフィニル投薬形態物は、例えば不活性希釈剤若しくは吸収可能な可食性担体とともに経口投与しうることが理解される。該組成物はまた、硬若しくは軟殻ゼラチンカプセルに入れても、錠剤に圧縮しても、食餌の食物と直接合わせてもよい。こうした組成物および製剤は少なくとも0.1%の活性化合物を含有すべきである。組成物および製剤のパーセントはもちろん変動してよく、そして便宜上単位の重量の約2と約60%との間でありうる。
【0076】
錠剤、丸剤、カプセル剤などはまた、以下、すなわちトラガカントガム、アラビアゴム、トウモロコシデンプン若しくはゼラチンのような結合剤;リン酸二カルシウムのような賦形剤;トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、アルギン酸などのような崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤のいずれを含有してもよく;また、ショ糖、乳糖若しくはサッカリンのような甘味料、または例えばペパーミント、ウィンターグリーン油、若しくはチェリー香料のような香味料を添加しうる。投薬形態物がカプセル剤である場合、それは上の型の物質に加えて液体担体もまた含有し得る。多様な他の物質が、コーティングとして、若しくは該投薬形態物の物理的形態を別の方法で改変するために存在しうる。例えば、錠剤、丸剤若しくはカプセル剤はセラック、糖若しくは双方でコーティングしうる。シロップ剤若しくはエリキシル剤は、甘味料として活性化合物のショ糖、ならびに保存剤としてのメチルおよびプロピルパラベン、色素ならびにチェリー若しくはオレンジ香料のような香味料を含有しうる。もちろん、いずれかの投薬形態物の製造において使用されるいかなる物質も、製薬学的に純粋でありかつ使用される量で実質的に非毒性であるべきである。加えて、有効成分は持続放出製剤(preparation)および製剤(formulation)に組み込みうる。
【0077】
いくつかの態様において、投薬形態物の全部若しくは一部が消費後に崩壊してそれにより活性成分の少なくとも一部分を放出するのを助けるための崩壊剤を製剤に添加する。いくつかの一般的な崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウム(croscarmellose sodium)のような数種の修飾セルロース誘導体、およびデンプングリコール酸ナトリウムのような他の修飾デンプン誘導体を包含する。他の崩壊剤、結合剤および滑沢剤が投薬形態物の溶解プロファイルにさらに影響を及ぼし得ることが当業者によりまた理解されるであろう。
【0078】
さらに、イオン性、非イオン性、および/若しくは胆汁酸塩界面活性剤のような界面活性剤もまた本発明に包含し得る。陰イオン性界面活性剤は、限定されるものでないがアルキル硫酸ナトリウム(ラウリル硫酸ナトリウム[Sodium Lauryl Sulphate](R))ならびにドクサートナトリウム(docusate sodium)のようなスルホコハク酸を挙げることができる。非イオン性界面活性剤は、限定されるものでないが、Tween 20(R)、Tween 80(R)、Tween 40(R)、Span 20(R)のようなポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート)、Gelucire 44/14(R)、Gelucire 50/13(R)のようなポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、飽和ポリグリコール化(モノ、ジ若しくはトリを包含する)グリセリド、グリセリルモノカプリレート(Imwitor 308(R))、グリセリルモノカプロエート(Capmul MCM C−8(R))、グリセリルカプリレート/カプレート(Capmul MCM(R))、ポリオキシエチレングリセリルカプリレートおよびポリオキシエチレングリセリルカプロエート(Labrasol(R))のような中鎖モノグリセリド(6から10個までの炭素原子長)、グリセリルトリカプレートおよびグリセリルトリカレート(glyceryltricarilate)(Miglyol 612(R))のような中鎖脂肪酸エステル、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロックポリマー、Poloxamer 188(Pluronic F−68(R))、Poloxamer 237(Pluronic F−87(R))、Poloxamer 338(Pluronic F−108(R))、Poloxamer 407(Pluronic F−127(R))、Poloxamer 124(Pluronic L−44(R))のようなポリオキシエチレン−ポリオキシルプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシルステアレート(polyoxyl stearate)−ポリエトキシル化(40)ステアリン酸(Myrj 52(R))、エトキシル化ヒマシ油−ポリエトキシル化(60)硬化ヒマシ油(Cremophor EL(R))、エトキシル化ヒドロステアリン酸(hydrostearic acid)ポリエチレングリコール660ヒロドキシステアレート(Solutol(R)HS 15)、ポリオキシル20セトステアリル(cetostearyl)エーテル(Atlas G−3713(R))、ポリオキシル10オレイルエーテル(Brij96(R)、Brij97(R)、Oleth 10(R))、ポリエチレングリコールエーテル(Triton X−100(R)、Triton X−114(R)、Triton X−405(R)、Triton N−101(R))のようなポリオキシエチレンアルキルエーテル(12から18個までの炭素原子長)、ならびにリン脂質(ジミリストイルDL−α−ホファチジルコリン)のようなレシチンを挙げることができる。胆汁酸塩界面活性剤は、限定されるものでないがデオキシコール酸、デオキシコール酸ナトリウム、コール酸、タウロコール酸ナトリウムを挙げることができる。
【0079】
本発明の組成物および方法は、有効量の限定されるものでないが神経学的障害を処置するのに有用な製薬学的成分を含む他の製薬学的成分ともまた組み合わせ得る。適する製薬学的成分は抗うつ薬を包含する。有用な抗うつ薬は、限定されるものでないが三環性抗うつ薬(「TCA」)、選択的セロトニン再取込み阻害薬(「SSRI」)、セロトニンおよびノルアドレナリン再取込み阻害薬(「SNRI」)、ドーパミン再取込み阻害薬(「DRI」)、ノルアドレナリン再取込み阻害薬(「NRU」)、ドーパミン、セロトニンおよびノルアドレナリン再取込み阻害薬(「DSNRI」)モノアミンオキシダーゼタイプAの可逆的阻害薬(RIMA)を包含するモノアミンオキシダーゼ阻害薬(「MAOI」)を挙げることができる。
【0080】
ある態様において、適する抗うつ薬は、限定されるものでないが、以下の抗うつ薬、すなわち塩酸アダタンセリン;アジナゾラム;メシル酸アジナゾラム;アラプロクラート;塩酸アレタミン;塩酸アメダリン;塩酸アミトリプチリン;アモキサピン;マレイン酸アプタザピン;フマル酸アザロキサン;アゼピンドール;塩酸アジプラミン;塩酸ビペナルノール;塩酸ブプロピオン;ブタセチン;塩酸ブトリプチリン;カロキサゾン;カルタゾラート;シクラジンドール;塩酸シドキセピン;メシル酸シロバミン;シタリプラム;塩酸クロダゾン;塩酸クロミプラミン;フマル酸コチニン;シクリンドール;塩酸シペナミン;塩酸シプロリドール;シプロキシミド;トシル酸ダレダリン;塩酸ダポキセチン;マレイン酸ダザドロール;塩酸ダゼピニル;塩酸デシプラミン;デキサミゾール;デキシマフェン;塩酸ジベンゼピン;塩酸ジオキサドロール;塩酸ドチエピン;塩酸ドキセピン;塩酸ズロキセチン;マレイン酸エクラナミン;エンシプラート;塩酸エトペリドン;塩酸ファントリドン;塩酸フェーメトゾール;フェンメトラミド;フマル酸フェゾラミン;塩
酸フルオトラセン;フルオキセチン;塩酸フルオキセチン;塩酸フルパロキサン;ガンフェキシン;硫酸グアノキシフェン;塩酸イマフェン;塩酸イミロキサン;塩酸イミプラミン;塩酸インデロキサジン;塩酸イントリプチリン;イプリンドール;イソカルボキサジド;フマル酸ケチプラミン;塩酸ロフェプラミン;ロルタラミン;マプロチリン;塩酸マプロチリン;塩酸メリトラセン;塩酸ミラセミド;塩酸ミナプリン;ミルタザピン;モクロベミド;硫酸モダリン;塩酸ナパクタジン;塩酸ナパメゾール;塩酸ネファゾドン;ニソキセチン;塩酸ニトラフダム;マレイン酸ノミフェンシン;塩酸ノルトリプチリン;リン酸オクトリプチリン;塩酸オピプラモール;塩酸オキサプロチリン;オキシペルチン;パロキセチン;硫酸フェネルジン;塩酸ピランダミン;ピゾチリン;塩酸プリデフィン;塩酸プロリンタン;塩酸プロトリプチリン;マレイン酸キパジン;ロリシプリン;塩酸セプロキセチン;塩酸セルトラリン;塩酸シブトラミン;スルピリド;スリトゾール;塩酸タメトラリン;フマル酸タンプラミン;塩酸タンダミン;塩酸チアゼシン;トザリノン;塩酸トモキセチン;塩酸トラゾドン;塩酸トレベンゾミン;トリミプラミン;マレイン酸トリミプラミン;塩酸ベンラファキシン;塩酸ビロキサジン;塩酸ジメルジン;ゾメタピンの1種若しくはそれ以上を挙げることができる。
【0081】
ある態様において、抗うつ薬は、シタリプラム、フルオキセチン、塩酸フルオキセチン、パロキセチン、塩酸パロキセチンおよび/若しくは塩酸クロミプラミンを包含し、シタリプラム、パロキセチン、フルオキセチンおよび塩酸フルオキセチンが好ましく、シタリプラムが最も好ましい。
【0082】
抑うつ障害の処置で有用である他の薬物、例えばチアガビンもまた本発明と組み合わせで使用し得る。
製剤および投与
モダフィニルの適切な投薬量は、約10mgと約1000mgとの間のモダフィニル、より典型的には約15mgと800mgとの間のモダフィニルである。とりわけ有用な投薬量は、限定されるものでないが100および200mgのモダフィニルを含むことができる。好ましくは、モダフィニルは、粒子の95%が約200ミクロン未満若しくはそれに等しい、規定された粒子径を有する。
【0083】
本明細書に記述される製薬学的組成物は、最も好ましくは錠剤、カプセル剤、散剤、丸剤、液剤/懸濁剤若しくは乳剤のようなベヒクルの形態で経口投与される。投与ベヒクルは製薬学的に許容できる担体を含みうる。担体は、ベヒクル若しくはその内容物の溶解性、吸収、香味、色若しくは質感を補助する剤を含みうる。
【0084】
本発明のベヒクルは、ベヒクルの製造の許容誤差およびモダフィニルの期待される貯蔵寿命のような因子により+若しくは−10〜15%のモダフィニル粒子を包含し得る。例えば、50mgを含有すると表示されるベヒクルは、1か月ないし2年の貯蔵後にその中のモダフィニルの活性の量が減少しているという予測を伴い、例えば55若しくは58mgのモダフィニルを用いて最初に製造し得る。薬物の予測される分解に対し補償するためのこうした調節を伴い製造されるベヒクルは本発明の範囲内にある。
【0085】
本発明の投薬形態物、モダフィニルの総量は約15mgないし約600mgであり得、また、他の態様において、投薬形態物中のモダフィニルの総量は少なくとも約50mgないし約600mgであり得る。好ましい態様において、投薬形態物は100mg若しくは200mgのモダフィニルを含有する。
【0086】
一態様において、製剤は、調時パルス放出薬物送達系を形成するための即時放出ビーズを伴う若しくは伴わない、明らかに異なる遅延時間および放出速度をもつ1種若しくはそれ以上の改変放出ビーズの組み合わせのような、異なる放出の特徴をもつ2種若しくはそ
れ以上の薬物粒子を含有し得る。あるいは、持続放出投薬形態物をパルス放出投薬形態物と組み合わせ得る。
【0087】
2種若しくはそれ以上の薬物の多層コーティングした微粒子もまた、相乗効果および高められた患者コンプライアンスを得るために組み合わせ得る。
処置方法
本明細書に提示される特定の例は規定された粒子径のモダフィニルに向けられるとは言え、モダフィニルの他の用途(例えばパーキンソン病、尿失禁、アルツハイマー病、ADHDなどの処置のため)が当該技術分野で提示されており、そしてそれらの利用性は本明細書に開示されるとおり本発明とともに適切である。
【0088】
従って、本発明はまた、ヒトのような哺乳動物に本発明の組成物で有効量のモダフィニルを投与することによる、哺乳動物の傾眠状態を変える方法も包含する。
【0089】
さらに、本発明は、本発明の組成物で有効量のモダフィニルを投与することによる、覚醒を高める方法若しくは睡眠リズムの規則性の増大方法を包含する。
【0090】
本発明はまた、ある量のモダフィニルを1個若しくはそれ以上の経口単位用量(該単位用量は本発明の組成物中に有効量のモダフィニルを含有する)として投与することによる、限定されるものでないが、ナルコレプシー、眠気、過度の眠気(例えば睡眠および覚醒の障害と関連する眠気)、ナルコレプシーを伴う過度の日中の眠気、パーキンソン病、尿失禁、多発性硬化症の倦怠感、ADHD、アルツハイマー病、睡眠時無呼吸、閉塞性睡眠時無呼吸、うつおよび虚血を含むモダフィニルに応答する疾患若しくは状態を伴うと診断された哺乳動物の処置方法もその範囲内に包含する。
溶解試験
本明細書で言及されるとおり、溶解試験を、1分あたり20回の浸積でVankel USPタイプIII装置を使用して各製剤からの錠剤で実施し、そして沈める(sink)条件を維持した。サンプルを0.5時間間隔で採取し、そしてUV spectrophotometrixを使用して分析を実施した。図7および8は、長時間にわたる各製剤から放出されたモダフィニルの累積パーセントを示す。
【実施例1】
【0091】
表1に示される各処方の100gのバッチを、低剪断力エタノール造粒法を使用して手動で製造した。造粒を、16メッシュの手動篩(hand screen)を通して湿式微粉砕し、その後周囲温度で一夜トレイ乾燥した。乾燥した造粒を16メッシュの手動篩を通して乾式微粉砕し、その後ステアリン酸と手動で乾式混和した。100mgのモダフィニルと同等の150mgの最終混和物を、Globe Pharma手動錠剤プレスで、1000lbの圧縮力を使用して4×12mmのカプセル形状の錠剤に人的に圧縮した。全部の錠剤を、錠剤を封止しかつその後の帯形成のための適する表面を提供するために下塗りした。錠剤はVector LDCS 20/30被覆装置を使用してHPMC/PEG 8000(50:50重量)で下塗りした。
【実施例2】
【0092】
帯を、実施例1の核錠剤の表面に円周状に塗布した。2mm離れて間隔を開けた2個の1mm幅の帯を、可塑剤として8重量%のトリアセチンを含有するEudragit(R)NE30Dの溶液を使用して、単一ステーションの錠剤帯形成装置で塗布した。帯形成溶液は、帯の視覚検査を見込むため少量のFD&C赤色40号もまた含有した。該帯を各核マトリックス錠剤の表面に塗布し、そして周囲温度で一夜乾燥させた。
【0093】
乾燥した後、帯のある錠剤を、表面を封止しかつ帯の粘着性を低下させるために仕上塗
りした。錠剤はHPMC/PEG 8000(50:50重量)で仕上塗りした。
【実施例3】
【0094】
帯のある錠剤を、放出の開始の適切な遅延(およそ2時間)を提供するために腸溶ポリマーでコーティングした。帯のある錠剤はVector LDCS 20/30被覆装置を使用して、Eudragit(R)L30−55/PEG 8000/タルク(84:8:8重量)で被覆した。
【実施例4】
【0095】
モダフィニルの即時放出部分のための製剤は、名称プロビジル[Provigil](R)(モダフィニル)でCephalon,Inc.から得ることができる。帯のある錠剤とともにの使用のため、即時放出部分を、Hobart遊星形ミキサーを使用して低剪断力水性造粒により製造した。造粒を、50℃の強制空気オーヴン中で2%未満の水分含量までトレイ乾燥した。乾燥した造粒は、Erweka振動ミルを使用して40メッシュの篩を通して微粉砕し、その後Patterson−KellyのV−ブレンダーを使用してステアリン酸マグネシウムと乾式混和した。
【実施例5】
【0096】
実施例4の即時放出製剤のある量を、即時放出部分が投薬形態物から放出されかつ生物学的に利用可能にされ、その後に実質的に付加的なモダフィニルが放出されずかつ生物学的に利用可能にされない時間が続く、モダフィニルの二峰性放出プロファイルを表す混成投薬形態物を提供するように、実施例3の腸溶コーティングした帯のある錠剤とサイズ1のゼラチンカプセル中で組み合わせた。約2時間後に、追加のモダフィニルが放出されかつ生物学的に利用可能にされた。
【実施例6】
【0097】
直接圧縮により製造される持続放出製剤について、モダフィニル、ポリマーおよび増量剤を三次元混合機に10ないし20分間添加した。滑沢剤を添加しそして追加の5分間混合した。該混合物をその後、Manesty Betaプレスで、9.5mmでの丸め工具(round tooling)を用いて圧縮して、総錠剤重量の100mgがモダフィニルであった、250mgの総重量を有する錠剤を成形した。
【実施例7】
【0098】
湿式造粒により製造される持続放出製剤について、モダフィニル、ポリマーおよび増量剤をErweka混合機に5ないし20分間添加した。造粒流体をその後混合機に添加し、そして追加の5分間混合した。該混合物をその後、水分レベルが1.5%未満若しくはそれに等しくなるまで40℃のBlue M電気オーヴン中で乾燥した。乾燥した混合物をその後、16メッシュの篩を取付けたErweka混合機を通過させた。乾燥した混合物およびステアリン酸マグネシウムを三次元混合機中で組み合わせ、そして5分間混合した。混合物をその後、Manesty Betaプレスで、9.5mmの丸め工具を用いて圧縮して、総錠剤重量の100mgがモダフィニルであった、250mgの総重量を有する錠剤を成形した。
定義
本明細書で使用されるところの「粒子」は、アセトアミド化合物の凝集した物理的単位、すなわちアセトアミドの片若しくは粒を指す。
【0099】
本明細書で使用されるところの「約」は、「約20mg」が18ないし22mgを示すような、示された値の+若しくは−10パーセントを意味している。
【0100】
本明細書で使用されるところの「より本質的になる」は、他の有効成分を除外するがし
かし賦形剤および分解若しくはそれ以外を説明する付加的な量の有効成分を包含することを指す。
【0101】
本明細書で使用されるところの「有効量」は、傾眠すなわち嗜眠の状態を処置するのに有効であるモダフィニルの量、すなわち嗜眠状態の症状を低下若しくは排除することが可能であるモダフィニルの量である。本発明の製薬学的組成物の有効量は、覚醒を増大させるか、若しくは睡眠リズムの規則性を増大させかつ本明細書に記述される他の障害を処置するのに有用である。
【0102】
本明細書で使用されるところの「製薬学的組成物」は、哺乳動物への投与に適切である様式で製造された、モダフィニルを含んでなる、哺乳動物の処置での使用のための医薬品を意味している。本発明の製薬学的組成物は、非毒性の製薬学的に許容できる担体もまた包含しうるが、しかし必ずではない。製薬学的組成物は、投薬形態物の製造における使用のための原薬の活性のモダフィニルもまた包含し得る。
【0103】
「制御された薬物送達」は原薬物質の予め設計された放出を指す。
【0104】
「1次放出」は、速度定数および濃度に依存して変化する薬物放出を指す。すなわち、所定の時間に放出される薬物の量は、どのくらい多くの薬物が投薬形態物中にあるかに依存する。
【0105】
「0次放出」は、投薬形態物中の薬物の量が枯渇されるまで一定速度で進行する薬物放出を指す。すなわち、どのくらい多くの薬物が存在するかに関係なく、同一量の薬物が所定の量の時間で消失することができる。
【0106】
本発明は特定の態様に関して開示された一方、本発明の他の態様および変形が、本発明の真の技術思想および範囲から離れることなく、当業者により考案されうることが明らかである。付属として付けられる請求の範囲は全部のこうした態様および同等の変形を包含すると解釈されることを意図している。さらに、本明細書で引用される全部の参考文献の内容はこれにより引用することにより組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明の遅延長時間放出投薬形態物の一態様のモダフィニル放出プロファイルを示す。
【図2】本発明の遅延長時間放出投薬形態物の一態様の予測されるモダフィニル血漿濃度プロファイルを示す。
【図3】モダフィニルの6種の具体的に説明する製剤の溶解プロファイルを示す。
【図4】モダフィニルの3種の具体的に説明する製剤の溶解プロファイルを示す。
【図5】本発明により製造した帯のある錠剤を示す。
【図6】表1からのモダフィニルの製剤の帯のある錠剤と比較した、表1からのモダフィニルの具体的に説明する製剤の溶解プロファイルを示す。
【図7】酸媒体中のモダフィニルの具体的に説明する持続放出製剤の溶解プロファイルを示す。
【図8】酸媒体中のモダフィニルの具体的に説明する持続放出製剤の溶解プロファイルを示す。
【図9】「錠剤カプセル剤」、「造粒カプレット剤」、および「層状錠剤」、ならびに単一層の持続放出錠剤の溶解プロファイルを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者への投与に際して2つ若しくはそれより多くの量のモダフィニル化合物を放出する、単位投与剤形(unit dose form)の製薬学的組成物。
【請求項2】
患者への投与に際して、単位投薬形態物(unit dosage form)が第一の有効量のモダフィニル化合物を放出し、次いで実質的にモダフィニル化合物が該投薬形態物から放出されない時間間隔、およびその時間間隔後に第二の量のモダフィニル化合物が該投薬形態物から放出される、請求項1に記載の製薬学的組成物。
【請求項3】
a)有効量のモダフィニル化合物を含んでなる核粒子;
b)腸溶ポリマーを含んでなる第一の膜;
c)水不溶性ポリマーおよび腸溶ポリマーが約10:1ないし1:1の重量比で第二の膜中に存在する該水不溶性ポリマーおよび腸溶ポリマーを含んでなる第二の膜;
を含んでなり;
かつ、核粒子が、いずれかの順序で第一および第二の膜で被覆されて活性薬物の粒子を形成し、そして、第一および第二の膜の総重量が活性薬物の粒子の総重量の約15ないし80重量パーセントである、
請求項1に記載の製薬学的組成物。
【請求項4】
有機酸を含む中間膜をさらに含んでなり、かつ該中間膜が核粒子を被覆しかつ第一の膜と第二の膜との間にある、請求項3に記載の製薬学的組成物。
【請求項5】
核粒子が、モダフィニル化合物およびポリマー性結合剤で被覆されたノンパレイユ(non−pareil)糖核である、請求項3に記載の製薬学的組成物。
【請求項6】
核粒子が、沈殿、造粒および微粉砕、若しくは押出成型/球状化により製造される、請求項3に記載の製薬学的組成物。
【請求項7】
腸溶ポリマーが、セルロースのエステル、ポリビニルアセテートフタレート、pH感受性のメタクリル酸−メチルメタクリレートコポリマーおよびセラックよりなる群からそれぞれ独立に選択される、請求項3に記載の製薬学的組成物。
【請求項8】
水不溶性ポリマーが、エチルセルロース;ポリビニルアセテート;エチルアクリレートおよびメチルメタクリレートに基づく中性のコポリマー;ならびに四級アンモニウム基を有するアクリル酸およびメタクリル酸エステルのコポリマーよりなる群から選択される、請求項3に記載の製薬学的組成物。
【請求項9】
膜の少なくとも1種が可塑剤をさらに含んでなる、請求項3に記載の製薬学的組成物。
【請求項10】
可塑剤が、トリアセチン、クエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリn−ブチル、フタル酸ジエチル、ヒマシ油、セバシン酸ジブチル、アセチル化モノグリセリドおよびそれらの混合物よりなる群から選択される、請求項9に記載の製薬学的組成物。
【請求項11】
第二の膜が、患者への経口投与後3ないし6時間の間のモダフィニル化合物の実質的な放出を予防するのに十分な厚さを有する、請求項3に記載の製薬学的組成物。
【請求項12】
有機酸が、フマル酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸およびマレイン酸よりなる群から選択される、請求項4に記載の製薬学的組成物。
【請求項13】
製薬学的組成物がカプセル剤である、請求項3に記載の製薬学的組成物。
【請求項14】
カプセル剤が硬ゼラチンカプセル剤である、請求項13に記載の製薬学的組成物。
【請求項15】
カプセル剤が、該組成物が患者への経口投与に際してモダフィニル化合物の調時パルス放出を提供するような単一の形態の活性薬物の粒子を含んでなる、請求項13に記載の製薬学的組成物。
【請求項16】
モダフィニル化合物が、患者への経口投与3ないし6時間後に放出される、請求項15に記載の製薬学的組成物。
【請求項17】
カプセル剤が、異なる放出時間をもつ2種若しくはそれ以上の活性薬物の粒子を含んでなる、請求項13に記載の製薬学的組成物。
【請求項18】
カプセル剤が、2種若しくはそれ以上の薬物の多層コーティング粒子を含んでなる、請求項13に記載の製薬学的組成物。
【請求項19】
a)モダフィニル化合物およびポリマー性結合剤を含んでなる核粒子を製造すること;b)段階a)で形成された核粒子を可塑化した腸溶ポリマー膜で被覆すること;ならびにc)段階b)で形成された可塑化した腸溶コーティングした核粒子を、水不溶性ポリマーおよび腸溶ポリマーの混合物を含んでなり、ここで、該水不溶性ポリマーおよび腸溶ポリマーは約10:1から1:1までの重量比で存在する膜で被覆すること
を含んでなり;
膜の総重量が被覆された粒子の総重量に基づき15ないし80重量パーセントである、
薬物送達系の作成方法。
【請求項20】
a)モダフィニル化合物を含有する薄膜形成組成物を含んでなる核粒子を製造すること;
b)段階a)で形成された核粒子を、可塑化した腸溶ポリマー膜で被覆すること;
c)段階b)で形成された可塑化した腸溶コーティング核粒子を、有機酸を含有する中間膜で被覆すること;ならびに
d)段階c)で形成された有機酸コーティングした粒子を、水不溶性ポリマーおよび腸溶ポリマーの混合物を含んでなり、ここで、該水不溶性ポリマーおよび腸溶ポリマーは約10:1から1:1までの重量比で存在する膜で被覆すること
を含んでなり;
膜の総重量が被覆された粒子の総重量の約15ないし80重量パーセントである、
薬物送達系の作成方法。
【請求項21】
製薬学的組成物が、モダフィニル化合物の即時放出製剤およびモダフィニル化合物の遅延長時間放出製剤を含んでなる、請求項1に記載の製薬学的組成物。
【請求項22】
即時放出製剤中のモダフィニル化合物の量が該即時放出製剤の60ないし90重量パーセントである、請求項21に記載の製薬学的組成物。
【請求項23】
即時放出製剤が、約79.9重量%のラセミ体のモダフィニル、約9.9%の乳糖一水和物、約5%のポリビニルピロリドン90、約5%の架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、および約0.5%のステアリン酸マグネシウムを含んでなる、請求項22に記載の製薬学的組成物。
【請求項24】
遅延長時間放出製剤が重合体により(polymerically)帯形成されかつ腸溶コーティングされた投薬形態物である、請求項21に記載の製薬学的組成物。
【請求項25】
遅延長時間放出製剤が少なくとも2個の円周状の帯を伴い重合体により帯形成される、請求項21に記載の製薬学的組成物。
【請求項26】
即時放出製剤中のモダフィニル化合物の量が該即時放出製剤の60ないし90重量%であり、かつ、遅延長時間放出製剤が重合体により帯形成されかつ腸溶コーティングされた投薬形態物である、請求項21に記載の製薬学的組成物。
【請求項27】
該組成物を投与した患者の血液プロファイルが、図2に示されるプロファイルに実質的に対応する、請求項1に記載の製薬学的組成物。
【請求項28】
即時放出モダフィニル化合物の1製剤および2種の異なる遅延持続放出製剤を含んでなる、請求項1に記載の製薬学的組成物。
【請求項29】
患者への投与に際して、単位投与剤形がモダフィニル化合物の2個若しくはそれ以上の有効量を放出し、該モダフィニル化合物の第一の有効量は即時放出製剤でありかつ該モダフィニル化合物の第二の有効量が持続放出製剤である、単位投与剤形の製薬学的組成物。
【請求項30】
持続放出製剤が、被験体への投与後4ないし12時間にわたって有効量のモダフィニル化合物を放出する、請求項29に記載の製薬学的組成物。
【請求項31】
持続放出製剤が、少なくとも1種の適するポリマーをさらに含んでなる、請求項29に記載の製薬学的組成物。
【請求項32】
適するポリマーが、持続放出製剤の総重量の7ないし16.5重量パーセントのハイプロメロースである、請求項31に記載の製薬学的組成物。
【請求項33】
即時放出製剤が顆粒剤若しくは錠剤である、請求項29に記載の製薬学的組成物。
【請求項34】
単位投薬形態物がカプセル剤である、請求項29に記載の製薬学的組成物。
【請求項35】
患者への投与後3ないし12時間にわたって放出されるモダフィニル化合物を含んでなる、単位投与剤形の製薬学的組成物。
【請求項36】
モダフィニル化合物が4ないし12時間にわたって放出される、請求項35に記載の組成物。
【請求項37】
モダフィニル化合物が6ないし12時間にわたって放出される、請求項35に記載の組成物。
【請求項38】
モダフィニル化合物のパルス放出投薬形態物を患者に投与することによる、モダフィニル処置に応答する状態を有する患者の処置方法。
【請求項39】
モダフィニル化合物の遅延長時間放出投薬形態物を患者に投与することによる、モダフィニル処置に応答する状態を有する患者の処置方法。
【請求項40】
状態が、ナルコレプシー、眠気、過度の眠気、ナルコレプシーを伴う過度の日中の眠気、パーキンソン病、尿失禁、多発性硬化症の倦怠感、ADHD、アルツハイマー病、睡眠
時無呼吸、閉塞性睡眠時無呼吸、うつ若しくは虚血である、請求項38若しくは39に記載の方法。
【請求項41】
モダフィニルに応答する状態がADHDである、請求項38若しくは39に記載の方法。
【請求項42】
モダフィニルの持続放出投薬形態物を患者に投与することによる、モダフィニル処置に応答する状態を有する患者の処置方法。
【請求項43】
モダフィニル化合物が投与後3から12時間まで放出される、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
状態が、ナルコレプシー、眠気、過度の眠気、ナルコレプシーを伴う過度の日中の眠気、パーキンソン病、尿失禁、多発性硬化症の倦怠感、ADHD、アルツハイマー病、睡眠時無呼吸、閉塞性睡眠時無呼吸、うつ若しくは虚血である、請求項42に記載の方法。
【請求項45】
有効量の抗うつ薬をさらに含んでなる、請求項1に記載の製薬学的組成物。
【請求項46】
有効量のモダフィニル化合物の持続放出製剤を含んでなる単位投与剤形の製薬学的組成物。
【請求項47】
有効量のモダフィニル化合物の遅延長時間放出製剤を含んでなる単位投与剤形の製薬学的組成物。
【請求項48】
モダフィニル化合物がラセミ体のモダフィニルである、請求項1、3、15、21、29、35、46若しくは47に記載の製薬学的組成物。
【請求項49】
モダフィニル化合物が左旋性の形態のモダフィニルである、請求項1、3、15、21、29、35、46若しくは47に記載の製薬学的組成物。
【請求項50】
投薬形態物内に含有されるモダフィニル化合物の総量が10ないし800mgのラセミ体のモダフィニルを含んでなる、請求項1、3若しくは21に記載の製薬学的組成物。
【請求項51】
モダフィニル化合物がラセミ体のモダフィニルである、請求項19若しくは20に記載の方法。
【請求項52】
モダフィニル化合物が左旋性の形態のモダフィニルである、請求項19若しくは20に記載の方法。
【請求項53】
モダフィニル化合物がラセミ体のモダフィニルである、請求項40に記載の方法。
【請求項54】
モダフィニル化合物が左旋性の形態のモダフィニルである、請求項40に記載の方法。
【請求項55】
モダフィニル化合物がラセミ体のモダフィニルである、請求項44に記載の方法。
【請求項56】
モダフィニル化合物が左旋性の形態のモダフィニルである、請求項44に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−518696(P2007−518696A)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−527123(P2006−527123)
【出願日】平成16年9月20日(2004.9.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/030815
【国際公開番号】WO2005/027890
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(505158024)セフアロン・インコーポレーテツド (21)
【Fターム(参考)】