説明

モニタリングシステム、モニタリング方法、およびプログラム

【課題】受講者の状態を適確に把握できる情報を出力すること。
【解決手段】モニタリングシステムは、ネットワークに接続されている端末装置のユーザをモニタリングする。モニタリングシステムは、異なる複数の警告情報に対応づけて、予め定められた複数の書き込み条件を格納している条件格納部と、端末装置に対するユーザによるデータの書き込み履歴を取得する履歴取得部と、条件格納部に格納されている書き込み条件に書き込み履歴が合致する場合に、書き込み履歴が合致する書き込み条件に対応づけられた警告情報を用いて警告する警告部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モニタリングシステム、モニタリング方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、受講者端末で入力された、講義内容に対する受講者の反応を示す反応情報を、講義内容の送信元の講師端末に表示する反応情報表示システムが記載されている。
【特許文献1】国際公開第2005/062218号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記技術では、受講者端末において、受講者がキーボード、マウスを用いて反応情報を入力する必要がある。このため、受講者が適確な反応情報を入力しない場合、講師は、受講者の理解度、集中度などの学習状態を適確に把握することができない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態においては、ネットワークに接続されている端末装置のユーザをモニタリングするモニタリングシステムであって、異なる複数の警告情報に対応づけて、予め定められた複数の書き込み条件を格納している条件格納部と、端末装置に対するユーザによるデータの書き込み履歴を取得する履歴取得部と、条件格納部に格納されている書き込み条件に書き込み履歴が合致する場合に、書き込み履歴が合致する書き込み条件に対応づけられた警告情報を用いて警告する警告部とを備える。
【0005】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0007】
図1は、実施形態に係る学習システム10の構成の一例を示す。モニタリングシステムの一例である学習システム10は、先生用端末装置100、生徒用端末装置110、および事業主用端末装置120を備える。これら複数の端末装置のそれぞれは、インターネットなどのネットワーク130に接続されており、ネットワーク130を介して他の端末装置とのデータ通信をすることができる。
【0008】
学習システム10には、複数の仮想クラス20が設けられている。学習システム10においては、先生が先生用端末装置100で仮想クラス20にログインし、生徒が生徒用端末装置110で仮想クラス20にログインすることで、先生および生徒による仮想クラス20の授業がネットワーク上でおこなわれる。
【0009】
事業主用端末装置120は、学習システム10を管理する学習システム管理装置として機能する。たとえば、事業主用端末装置120は、生徒および先生の、ユーザ情報、ログイン、およびログアウトを管理する。学習システム10は、事業主用端末装置120の代わりに学習システム10を管理するサーバなどの外部装置をさらに備えてもよい。
【0010】
先生用端末装置100は、生徒用端末装置110のユーザである生徒をモニタリングする機能を有する。具体的には、生徒用端末装置110は、ネットワークカメラ、マイク、および電子ペンを備えている。生徒用端末装置110は、ネットワークカメラで撮像した画像、マイクによって入力された音声、および電子ペンによって書き込まれた書き込み情報を、先生用端末装置100へリアルタイムに送信する。先生用端末装置100は、複数の生徒用端末装置110のそれぞれから送信された画像、音声、および書き込み情報を、表示および音声出力する。これにより先生用端末装置100のユーザである先生は、先生用端末装置100から出力された画像、音声、および書き込み情報から、各生徒の表情、状態、回答内容、質問内容などを確認することができる。
【0011】
先生用端末装置100は、生徒用端末装置110と同様に、ネットワークカメラ、マイク、および電子ペンを備えており、ネットワークカメラで撮像した画像、マイクによって入力された音声、および電子ペンによって書き込まれた書き込み情報を、事業主用端末装置120へリアルタイムに送信する。事業主用端末装置120は、複数の先生用端末装置100のそれぞれから送信された画像、音声、および書き込み情報を、表示および音声出力する。これにより、事業主用端末装置120のユーザである事業主は、事業主用端末装置120から出力された画像、音声、および書き込み情報から、各先生の指導状態などを確認することができる。
【0012】
図2は、生徒用端末装置110の構成の一例を示す。なお、先生用端末装置100は、以下で説明する生徒用端末装置110の構成と同様の構成を有する。生徒用端末装置110は、ネットワークカメラ200、マイク210、電子ペン222、および電子ペンユニット224を備える。ネットワークカメラ200は、生徒を撮像する。マイク210は、生徒が発した音声を入力する。電子ペン222は、生徒による書き込みを入力する。電子ペンユニット224は、赤外線および超音波により、電子ペン222による書き込みおよび消去を検出し、検出した書き込みおよび消去に対応する書き込み情報を生成する。生徒用端末装置110は、ネットワークカメラ200が撮像した画像、マイク210から入力された音声、および電子ペンユニット224が生成した書き込み情報をパケット化して、先生用端末装置100へ送信する。生徒用端末装置110は、スタイラスペン、ペンタブレット、キーボード、マウス、タッチパネルなど、他の入力デバイスによって生徒による書き込みおよび消去を入力してもよい。
【0013】
図2において、生徒用端末装置110が備える表示部112には、学習用の画面が表示されている。学習用の画面は、領域232、領域234、領域236、および領域238を含む。領域232には、先生用端末装置100から送信された講義中の問題文が表示される。領域234には、電子ペンユニット224が生成した書き込み情報が表示される。領域236には、先生用端末装置100で撮像された先生の画像、および他の生徒用端末装置110で撮像された他の生徒の画像が表示される。
【0014】
領域238には、意思表示ボタンが表示される。たとえば、図2に示す例では、領域238には、意思表示ボタン「○」、「△」、「×」、および「?」が表示されている。意思表示ボタンのそれぞれには、生徒の意思表示を示す意思表示情報が対応付けられている。たとえば、意思表示ボタン「○」には、意思表示情報として「わかりました」が対応付けられている。また、意思表示ボタン「△」には、意思表示情報として「自信ないです」が対応付けられている。また、意思表示ボタン「×」には、意思表示情報として「わかりません」が対応付けられている。また、意思表示ボタン「?」には、意思表示情報として「助けて」が対応付けられている。生徒用端末装置110は、生徒によって任意の意思表示ボタンが押下された場合、押下された意思表示ボタンに対応付けられている意思表示情報を、先生用端末装置100へ送信する。
【0015】
電子ペン222は、当該電子ペン222を一意に識別するための電子ペンIDを格納する記憶部を有してもよい。この場合、電子ペン222は、用紙226への書き込みが行われた場合に、記憶部に格納されている電子ペンIDを電子ペンユニット224へ送信してもよい。電子ペンユニット224は、電子ペン222による書き込み情報と電子ペン222の電子ペンIDとを対応付けて生徒用端末装置110へ出力してもよい。さらに、生徒用端末装置110は、電子ペン222による書き込み情報と電子ペン222の電子ペンIDとを対応付けて先生用端末装置100へ送信してもよい。
【0016】
先生用端末装置100は、書き込み情報に対応付けられている電子ペンIDを用いて、書き込み情報の表示を制御してもよい。たとえば、先生用端末装置100は、複数の電子ペン222によって書き込まれた複数の書き込み情報のうち、先生が選択した電子ペンIDに対応付けられている書き込み情報のみを画面上に表示または画面上から消去してもよい。また、先生用端末装置100は、複数の電子ペン222によって書き込まれた複数の書き込み情報のそれぞれを異なる色または異なる線種で表示してもよい。
【0017】
電子ペン222は、それぞれ色が異なる複数の芯を有し、複数の芯を切り替えることにより、複数の色により用紙226への書き込みができるものであってもよい。この場合、電子ペン222は、複数の芯のそれぞれを一意に識別するための芯IDを格納する記憶部を有してもよい。さらに、電子ペン222は、用紙226への書き込みが行われた場合に、記憶部に格納されている芯IDを電子ペンユニット224へ送信してもよい。電子ペンユニット224は、電子ペン222による書き込み情報と電子ペン222の芯IDとを対応付けて生徒用端末装置110へ出力してもよい。さらに、生徒用端末装置110は、電子ペン222による書き込み情報と電子ペン222の芯IDとを対応付けて先生用端末装置100へ送信してもよい。芯IDは、RGB形式など、当該芯IDから表示色を特定できるデータ形式であってもよい。
【0018】
先生用端末装置100は、書き込み情報に対応付けられている芯IDを用いて、書き込み情報の表示を制御してもよい。たとえば、先生用端末装置100は、電子ペン222によって書き込まれた複数の書き込み情報のうち、先生が選択した芯IDに対応付けられている書き込み情報のみを画面上に表示または画面上から消去してもよい。先生用端末装置100は、書き込み情報に対応付けられている芯IDを用いて、書き込み情報の表示色を制御してもよい。たとえば、先生用端末装置100は、電子ペン222によって書き込まれた複数の書き込み情報のそれぞれを、当該書き込み情報の芯IDに予め対応付けられている表示色で表示してもよい。芯IDが、当該芯IDから表示色を特定できるデータ形式を有する場合、先生用端末装置100は、電子ペン222によって書き込まれた複数の書き込み情報のそれぞれを、当該書き込み情報の芯IDから特定した表示色で表示してもよい。
【0019】
図3は、先生用端末装置100の表示部608が表示する画面の一例を示す。画面300は、先生用端末装置100の表示部608に表示された画面であって、領域302、領域304、領域306、領域320、および領域330を含む。
【0020】
領域302には、講義中の問題文が表示される。たとえば、先生用端末装置100は、先生用端末装置100内部または外部の問題文データベースから問題文を取得する。領域304には、先生によって電子ペン222で書き込まれた書き込み情報が表示される。領域306には、先生用端末装置100で撮像された先生の画像、および各生徒用端末装置110で撮像された各生徒の画像が表示される。領域306において、各画像の周囲には枠部が設けられており、当該枠部は、生徒ごとに異なる色で着色されている。先生用端末装置100は、領域302に表示されている問題文、領域304に表示されている書き込み情報、および領域306に表示されている画像を、各生徒用端末装置110へ公開することで、これらの情報を各生徒用端末装置110と共有する。なお、領域306には、各生徒の画像に対応付けて、各生徒用端末装置110から送信された各生徒の意思表示情報が表示されるが、これらの意思表示情報は、他の生徒には知られないように、各生徒用端末装置110には公開されない。
【0021】
領域320には、複数の共有切替ボタンが表示される。先生は、複数の共有ボタンにより、共有モードを「全員指導モード」、「個別指導モード」、「招待指導モード」のいずれかに切り替える。先生用端末装置100は、「全員指導モード」においては、全ての生徒用端末装置110と、書き込み情報、音声、および画像を共有する。また、「個別指導モード」においては、先生が指導の対象として選択した生徒の生徒用端末装置110と、書き込み情報、音声、および画像を共有する。また、「招待指導モード」においては、先生が指導の対象として選択した複数の生徒の生徒用端末装置110、書き込み情報、音声、および画像を共有する。なお、先生用端末装置100は、先生が選択した場合、「個別指導モード」および「招待指導モード」であっても、全ての生徒用端末装置110と音声を共有することができる。領域330には、アプリケーションを切り替えるためのアプリケーション切替ボタンが複数表示される。
【0022】
図4は、先生用端末装置100の表示部608が表示する画面の他の一例を示す。図4に示す画面300は、領域400を含む点で、図3に示した画面300と相違する。
【0023】
領域400には、各生徒用端末装置110で書き込まれた各生徒の書き込み情報が表示される。領域400において、各書き込み情報の周囲には枠部が設けられており、当該枠部は、領域306と同様に、生徒ごとに、領域306の枠部の色と同色で着色されている。先生用端末装置100は、領域400に表示されている複数の書き込み情報のそれぞれについて、当該書き込み情報を書き込んだ生徒の生徒用端末装置110にのみ公開し、その他の生徒には知られないように、その他の生徒の生徒用端末装置110には公開しない。
【0024】
図5は、先生用端末装置100の表示部608が表示する画面の他の一例を示す。図5に示す画面300は、領域500および領域510を含む点で、図3および図4に示した画面300と相違する。
【0025】
領域500には、先生が指導の対象として選択した生徒の書き込み情報、および当該書き込み情報に対して先生が書き込んだ書き込み情報が拡大表示される。領域510には、先生が選択した生徒以外の生徒の書き込み情報が縮小表示される。領域500および領域510において、各書き込み情報の周囲には枠部が設けられている。ここで、画面300においては、生徒の画像と書き込み情報との対応付けを先生が容易に認識できるように、生徒ごとに、領域306に表示されている画像の枠部と、領域500および領域510に表示されている書き込み情報の枠部とが、同色で着色して表示されている。先生用端末装置100は、領域500に表示されている書き込み情報を、先生が指導の対象として選択した生徒の生徒用端末装置110のみに公開し、その他の生徒には知られないように、その他の生徒の生徒用端末装置110には公開しない。
【0026】
なお、先生用端末装置100は、生徒の画像と書き込み情報との対応付けを先生に容易に認識させるための処理として、上記した同色で着色する処理に代えて、または上記した同色で着色する処理と組み合わせて、以下の処理(1)〜(3)をおこなってもよい。(1)生徒ごとに、画像と書き込み情報とを並べてまたは重ねて表示する。(2)生徒に対する警告情報を出力する場合、警告された生徒の、画像および書き込み情報の一方または双方を点滅させる。(3)任意の生徒の画像または書き込み情報がマウスオーバー操作によって選択された場合、選択された生徒の、画像および書き込み情報の一方または双方を点滅させる。
【0027】
図6は、先生用端末装置100の機能構成の一例を示す。先生用端末装置100は、受信部630、履歴格納部622、画像格納部624、音声格納部626を備える。また、先生用端末装置100は、履歴取得部602、画像取得部618、音声取得部620、条件格納部600、条件比較部604、および警告部606を備える。
【0028】
受信部630は、生徒による書き込み情報を受信する。また、受信部630は、生徒の画像を受信する。また、受信部630は、生徒の音声を受信する。
【0029】
履歴格納部622は、受信部630が受信した、生徒による書き込み情報の履歴(書き込み履歴)を格納する。たとえば、書き込み履歴は、書き込み内容を特定するための、書き込みまたは消去の区別、書き込みまたは消去した領域、場所、日時、ユーザID、端末装置IDなどの情報を含む。履歴格納部622は、書き込み履歴を、書き込みまたは消去の1ストロークごとに格納してもよい。画像格納部624は、受信部630が受信した、生徒の画像を格納する。音声格納部626は、受信部630が受信した、生徒の音声を格納する。
【0030】
履歴取得部602は、生徒による書き込み履歴を取得する。たとえば、履歴取得部602は、履歴格納部622から、書き込み履歴を取得する。履歴取得部602は、生徒用端末装置110から、書き込み履歴を取得してもよい。
【0031】
画像取得部618は、生徒の画像を取得する。たとえば、画像取得部618は、画像格納部624から、生徒の画像を取得する。画像取得部618は、生徒用端末装置110から、生徒の画像を取得してもよい。
【0032】
音声取得部620は、生徒の音声を取得する。たとえば、音声取得部620は、音声格納部626から、生徒の音声を取得する。音声取得部620は、生徒用端末装置110から、生徒の音声を取得してもよい。
【0033】
条件格納部600は、異なる複数の警告情報に対応づけて、予め定められた複数の書き込み条件を格納している。また、条件格納部600は、異なる複数の警告情報に対応づけて、予め定められた複数の画像条件を格納している。さらに、条件格納部600は、異なる複数の警告情報に対応づけて、予め定められた複数の音声条件を格納している。
【0034】
条件比較部604は、履歴取得部602が取得した書き込み履歴を、条件格納部600に格納されている書き込み条件と比較する。また、条件比較部604は、画像取得部618が取得した画像を、条件格納部600に格納されている画像条件と比較する。さらに、また、条件比較部604は、音声取得部620が取得した音声を、条件格納部600に格納されている音声条件と比較する。
【0035】
警告部606は、条件格納部600に格納されている書き込み条件に、履歴取得部602が取得した書き込み履歴が合致する場合に、書き込み履歴が合致する書き込み条件に対応づけられている警告情報を用いて警告する。具体的には、警告部606は、上記書き込み条件に対応づけられている警告情報を、表示部608に表示する。警告部606は、上記書き込み条件に対応づけられている警告情報を、スピーカなどの音声出力部610から音声出力してもよい。
【0036】
たとえば、警告部606は、履歴取得部602が取得した書き込み履歴が、以下のいずれかの書き込み条件に合致した場合、合致した書き込み条件に対応付けられている警告情報を警告してもよい。「書き込み速度が基準値よりも低下した」、「書き込みしていない時間が基準時間以上継続している」、「同じ場所または同じ領域で所定回数以上書き込みをした」、「同じ場所または同じ領域で所定回数以上消去をした」。
【0037】
警告部606は、条件格納部600に格納されている画像条件に画像取得部618が取得した生徒の画像が合致する場合に、合致した画像条件に対応づけられた警告情報を用いて警告してもよい。たとえば、警告部606は、画像取得部618が取得した画像が、以下のいずれかの画像条件に合致した場合、合致した画像条件に対応付けられている警告情報を警告してもよい。「顔の向きが所定時間以上継続して正面以外を向いている」、「目線が所定時間以上継続してカメラ以外を向いている」、「顔又は体が所定量以上動作した」、「目の位置が所定量以上動作した」、「口が所定時間以上動作していない」、「所定の動作(頬杖、頭をかく、顔をいじるなど)をおこなった」、「集中力が低下した」、「画像から人物を認識できない」。
【0038】
警告部606は、顔の向きを目の面積に基づいて判断してもよい。たとえば、条件式(目の面積>第1基準値)を満たす場合には、顔の向きを「正面」と判断し、条件式(第1基準値>目の面積>第2基準値)を満たす場合には、顔の向きを「横」と判断し、条件式(第2基準値>目の面積)を満たす場合には、顔の向きを「下」と判断してもよい。警告部606は、頭と鼻との相対的な位置関係に基づいて判断してもよい。警告部606は、上記所定の動作を、手と顔の相対的な位置関係から判断してもよい。警告部606は、まばたきまたはあくびを所定回数以上おこなわれたことをもって、「集中力が低下した」と判断してもよい。
【0039】
警告部606は、条件格納部600に格納されている音声条件に音声取得部620が取得した生徒の音声が合致する場合に、合致した音声条件に対応づけられた警告情報を用いて警告してもよい。たとえば、警告部606は、音声取得部620が取得した音声が、以下のいずれかの音声条件に合致した場合、合致した音声条件に対応付けられている警告情報を警告してもよい。「無発音状態が所定時間以上継続した」、「所定の発音(ため息、うなりなど)が所定回数以上おこなわれた」、「所定の発音が所定時間以上継続しておこなわれた」。
【0040】
条件格納部600は、複数の生徒のそれぞれに対応して異なる書き込み条件を格納してもよい。たとえば、条件格納部600は、複数の生徒のそれぞれに対応して書き込み情報の書き込み速度が異なる書き込み条件を格納してもよい。また、条件格納部600は、複数の生徒のそれぞれに対応して書き込み情報の書き込みが停止している時間が異なる書き込み条件を格納してもよい。また、条件格納部600は、複数の生徒のそれぞれに対応して異なる画像条件を格納してもよい。さらに、条件格納部600は、複数の生徒のそれぞれに対応して異なる音声条件を格納してもよい。
【0041】
先生用端末装置100は、基準速度算出部612、現在速度算出部614、および差分算出部616をさらに備える。基準速度算出部612は、履歴取得部602が取得した書き込み履歴に基づいて、生徒による書き込みの基準速度を算出する。たとえば、基準速度算出部612は、書き込み履歴から単位時間あたりの書き込み量を算出し、算出した単位時間あたりの書き込み量に基づいて、基準速度を算出する。基準速度算出部612は、生徒による書き込みの平均速度を基準速度として算出してもよい。また、基準速度算出部612は、生徒による書き込み速度のうち最も頻度が高い書き込み速度を基準速度として算出してもよい。
【0042】
現在速度算出部614は、履歴取得部602が新たに取得した書き込み履歴に基づいて、生徒による現在の書き込み速度を算出する。差分算出部616は、基準速度算出部612が算出した基準速度と現在速度算出部614が算出した現在の書き込み速度との差分を算出する。警告部606は、書き込み速度が低下したことを通知する警告情報に対応づけて予め定められている書き込み条件に、差分算出部616が算出した差分が合致する場合に、書き込み速度が低下したことを通知する警告情報を用いて警告してもよい。
【0043】
警告部606は、警告情報に対応づけて予め定められている書き込み条件に、履歴取得部602が取得した書き込み履歴が合致し、かつ警告情報に対応づけて予め定められている画像条件に画像取得部618が取得した生徒の画像が合致する場合に、合致した書き込み条件および合致した画像条件に対応づけられた警告情報を用いて警告してもよい。
【0044】
警告部606は、警告情報に対応づけて予め定められている書き込み条件に、履歴取得部602が取得した書き込み履歴が合致し、かつ警告情報に対応づけて予め定められている音声条件に音声取得部620が取得した生徒の音声が合致する場合に、合致した書き込み条件および合致した音声条件に対応づけられた警告情報を用いて警告してもよい。
【0045】
警告部606は、警告情報に対応づけて予め定められている書き込み条件に、履歴取得部602が取得した書き込み履歴が合致し、警告情報に対応づけて予め定められている画像条件に画像取得部618が取得した生徒の画像が合致し、かつ警告情報に対応づけて予め定められている音声条件に音声取得部620が取得した生徒の音声が合致する場合に、合致した書き込み条件、合致した画像条件、および合致した音声条件に対応づけられた警告情報を用いて警告してもよい。
【0046】
なお、一の仮想クラス20には複数の先生がログインしてもよい。この場合、学習システム10は、警告情報を発する先生用端末装置100を動的に切り替えてもよい。たとえば、一方の先生用端末装置100が、既に警告情報を発している場合または個別指導中の場合、学習システム10は、他方の先生用端末装置100に警告情報を発せさせてもよい。
【0047】
図7は、条件格納部600に格納されている条件の一例を示す。図7に示す例では、条件格納部600には、ユーザIDごとに、警告部606が警告に用いる警告情報を決定するための、複数の書き込み条件、複数の画像条件、および複数の音声条件が対応付けて格納されている。たとえば、ユーザID「0001」の生徒用端末装置110から取得した、書き込み履歴が書き込み条件「停止時間:30秒以上」に合致し、生徒の画像が画像条件「正面以外を向いている」に合致し、生徒の音声が音声条件「無音」に合致する場合、警告部606は、条件格納部600に格納されている複数の警告情報のうち、上記した複数の条件に対応付けられている警告情報「居眠りしています」を取得する。そして、警告部606は、取得した警告情報「居眠りしています」を用いて、表示、音声出力などの方法により警告する。
【0048】
図8は、先生用端末装置100による処理のフローの一例を示す。図8では、一の生徒用端末装置110に対する処理のフローの一例を示す。先生用端末装置100は、複数の生徒用端末装置110に対する複数の以下の処理を、並行または連続しておこなってもよい。
【0049】
まず、履歴取得部602が、生徒による書き込み履歴を取得する(S802)。つぎに、画像取得部618が、生徒の画像を取得する(S804)。つぎに、音声取得部620が、生徒の音声を取得する(S806)。
【0050】
つぎに、基準速度算出部612が、S802で取得した書き込み履歴に基づいて、生徒による書き込みの基準速度を算出する(S808)。つぎに、現在速度算出部614が、S802で新たに取得した書き込み履歴に基づいて、生徒による現在の書き込み速度を算出する(S810)。つぎに、差分算出部616が、S808で算出した基準速度とS810で算出した現在の書き込み速度との差分を算出する(S812)。
【0051】
つぎに、条件比較部604が、S812で算出した差分を、条件格納部600に格納されている書き込み条件と比較し、S804で取得した生徒の画像を、条件格納部600に格納されている画像条件と比較し、S806で取得した生徒の音声を、条件格納部600に格納されている音声条件と比較する(S814)。
【0052】
そして、S814の比較の結果、書き込み条件に書き込み履歴が合致し、画像条件に生徒の画像が合致し、かつ音声条件に生徒の音声が合致する場合(S816:Yes)、警告部606が、合致した書き込み条件、合致した画像条件、および合致した音声条件に対応づけられた警告情報を用いて警告する(S818)。そして、先生用端末装置100は、処理をS802へ戻し、S802以降の処理を繰り返しおこなう。
【0053】
一方、S814の比較の結果、書き込み条件に書き込み履歴が合致しない場合、画像条件に生徒の画像が合致しない場合、または音声条件に生徒の音声が合致しない場合(S816:No)、先生用端末装置100は、処理をS802へ戻し、S802以降の処理を繰り返しおこなう。
【0054】
図9は、警告部606による警告の一例を示す。図9に示す画面300においては、警告部606による警告として、生徒の集中力が無いことを示す警告情報が表示されている。また、領域306において、警告対象の生徒の画像の周囲の枠部が点滅している。また、領域510において、警告対象の生徒の書き込み情報の周囲の枠部が点滅している。
【0055】
このように、本実施形態の学習システム10によれば、生徒に理解度、集中度などの情報を入力させることなく、生徒用端末装置110から送信された生徒の書き込み履歴に応じた警告情報を用いて、先生用端末装置100から自動的に警告を発することができる。このため、先生に対して、生徒の学習状態を適確に把握させることができる。また、生徒の画像および音声にさらに応じた警告情報を用いているので、先生に対して、生徒の学習状態をより適確に把握させることができる。
【0056】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】実施形態に係る学習システム10の構成の一例を示す。
【図2】生徒用端末装置110の構成の一例を示す。
【図3】先生用端末装置100の表示部112が表示する画面の一例を示す。
【図4】先生用端末装置100の表示部112が表示する画面の他の一例を示す。
【図5】先生用端末装置100の表示部112が表示する画面の他の一例を示す。
【図6】先生用端末装置100の機能構成の一例を示す。
【図7】条件格納部600に格納されている条件の一例を示す。
【図8】先生用端末装置100による処理のフローの一例を示す。
【図9】警告部606による警告の一例を示す。
【符号の説明】
【0058】
10 学習システム、20 仮想クラス、100 先生用端末装置、110 生徒用端末装置、112 表示部、120 事業主用端末装置、130 ネットワーク、200 ネットワークカメラ、210 マイク、222 電子ペン、224 電子ペンユニット、226 用紙、232 領域、234 領域、236 領域、238 領域、300 画面、302 領域、304 領域、306 領域、320 領域、330 領域、400 領域、500 領域、510 領域、600 条件格納部、602 履歴取得部、604 条件比較部、606 警告部、608 表示部、610 音声出力部、612 基準速度算出部、614 現在速度算出部、616 差分算出部、618 画像取得部、620 音声取得部、622 履歴格納部、624 画像格納部、626 音声格納部、630 受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続されている端末装置のユーザをモニタリングするモニタリングシステムであって、
異なる複数の警告情報に対応づけて、予め定められた複数の書き込み条件を格納している条件格納部と、
前記端末装置に対する前記ユーザによるデータの書き込み履歴を取得する履歴取得部と、
前記条件格納部に格納されている前記書き込み条件に前記書き込み履歴が合致する場合に、前記書き込み履歴が合致する前記書き込み条件に対応づけられた前記警告情報を用いて警告する警告部と
を備えるモニタリングシステム。
【請求項2】
前記条件格納部は、複数の前記ユーザのそれぞれに対応して異なる前記書き込み条件を格納している
請求項1に記載のモニタリングシステム。
【請求項3】
前記端末装置に接続された撮像装置によって撮像された前記ユーザの画像を取得する画像取得部をさらに備え、
前記警告部は、前記警告情報に対応づけて予め定められている画像条件に前記ユーザの前記画像が合致する場合に、前記画像条件に対応づけられた前記警告情報を用いて警告する
請求項1または2に記載のモニタリングシステム。
【請求項4】
前記端末装置に接続された集音装置によって取得された前記ユーザの音声を取得する音声取得部をさらに備え、
前記警告部は、前記警告情報に対応づけて予め定められている音声条件に前記ユーザの前記音声が合致する場合に、前記音声条件に対応づけられた前記警告情報を用いて警告する
請求項1から3のいずれかに記載のモニタリングシステム。
【請求項5】
ネットワークに接続されている端末装置のユーザをモニタリングするモニタリング方法であって、
前記端末装置に対する前記ユーザによるデータの書き込み履歴を取得する履歴取得段階と、
警告情報に対応づけて条件格納部に格納されている書き込み条件に前記書き込み履歴が合致する場合に、前記書き込み履歴が合致する前記書き込み条件に対応づけられた前記警告情報を用いて警告する警告段階と
を備えるモニタリング方法。
【請求項6】
ネットワークに接続されている端末装置のユーザをモニタリングするモニタリングシステム用のプログラムであって、コンピュータを、
前記端末装置に対する前記ユーザによるデータの書き込み履歴を取得する履歴取得部、
警告情報に対応づけて条件格納部に格納されている書き込み条件に前記書き込み履歴が合致する場合に、前記書き込み履歴が合致する前記書き込み条件に対応づけられた前記警告情報を用いて警告する警告部
として機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−204926(P2010−204926A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−49380(P2009−49380)
【出願日】平成21年3月3日(2009.3.3)
【出願人】(501275178)ソフトバンクBB株式会社 (112)
【Fターム(参考)】