説明

モノアミン再取込阻害剤として有用な8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体

本発明は式I


(式中、RはHもしくはC1−5アルキルであり;YはO、SもしくはO(CHであり;mは1もしくは2であり;nは0もしくは1であり;Arはフェニレンもしくはピリジレンであり、前記フェニレンおよびピリジレンはOに対して、およびnが1であるときにはYと、nが0であるときにはArと1,3−連結し、前記フェニレンもしくはピリジレンは、ハロゲン、C1−5アルキル、C1−5アルコキシ、C3−6シクロアルキル、C2−5アルケニル、C2−5アルキニル、フェニル、CNおよびヒドロキシから独立に選択される1つもしくは2つの置換基で場合により置換され、前記C1−5アルキルおよびC1−5アルコキシは、1から3個のハロゲンで場合により置換され、前記ヒドロキシの酸素は、Arに場合により結合して5員環を形成し;Arはフェニルもしくは5から6員へテロアリールであり、前記フェニルもしくは5から6員へテロアリールは、ハロゲン、C1−5アルキル、C1−5アルコキシ、CN、CONR、CO、NHCORおよびヒドロキシから独立に選択される1から3の置換基で場合により置換され、前記C1−5アルキルおよびC1−5アルコキシは、1から3個のハロゲンで場合により置換され、前記ヒドロキシの酸素は、Arに場合により結合して5員環を形成し;RからRは、独立に、HもしくはC1−5アルキルであり、並びにRはC1−5アルキルである。)の8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体またはこれらの医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物に関する。本発明は、本発明による8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体を1以上の医薬的に許容される助剤と混合された状態で含む医薬組成物および本発明による8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体の治療における使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体、これらの化合物を含む医薬組成物および治療におけるこれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
モノアミン再取込阻害剤は、治療において、特に永続的で消耗性の副作用を伴う広くゆきわたった深刻な生命を脅かす障害であるうつ病の治療において、広範囲におよぶ用途が見出されている。イミプラミンおよびアミトリプチリンを含む古い三環式モノアミン再取込阻害剤は有効な抗うつ剤であるが、これらの化合物は有害な心血管性および抗コリン作動性の副作用をさらに有し、これは過剰投与における深刻な毒性および乏しい患者のコンプライアンスにつながり得る。より新しい薬物、例えば、選択的セロトニン再取込阻害剤(SSRI)は、昔の抗うつ剤を上回る改善ではあるものの、これら自体の特定の副作用パターンを有し、これには睡眠障害、胃腸管症状および性的な問題が含まれる。モノアミン再取込阻害剤は他の障害、例えば、疼痛、パニック障害、うつ病、不安、注意欠陥多動性障害(ADHD)もしくは強迫性障害の治療において有用であることも示されている。
【0003】
現在入手可能なモノアミン再取込阻害剤の欠点を鑑みて、安全で有効である新規化合物の探索が継続されている。特には、モノアミンの再取込をセロトニン、ノルアドレナリンおよびドーパミン輸送の1つ以上で阻害する薬物に近年改めて関心が寄せられている。
【0004】
WO 04/113334は8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体を開示しており、これはモノアミン神経伝達物質再取込阻害剤であり、このようなものとして、中枢神経系におけるモノアミン神経伝達物質再取込の阻害に反応する疾患もしくは障害の治療において有用であることが示されている。
【0005】
セロトニンおよびドーパミントランスポータに弱く結合することが示されている8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体のさらなる例がBioorg.and Med.Chem.Lett.,2002,12,2225−2228に開示されている。2−フェニルキナゾリン基が開示されるすべてのドーパミントランスポータリガンドの鍵となる特徴である。開示された8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体がセロトニンもしくはドーパミンのいずれかの再取込を阻害することは示されていない。
【0006】
GB 1164555は8−アルキル−3−アリールオキシ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタンを含むトロピン誘導体を開示し、これが有効で予期せざる薬理学的特性を有することが示されている。8−メチル−3−(2−フェニルフェノキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタンが特に開示される。
【発明の開示】
【0007】
第1態様において、本発明は式Iの8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体
【0008】
【化2】

(式中、
はHもしくはC1−5アルキルであり;
YはO、SもしくはO(CHであり;
mは1もしくは2であり;
nは0もしくは1であり;
Arはフェニレンもしくはピリジレンであり、前記フェニレンおよびピリジレンはOに対して、およびnが1であるときにはYと、nが0であるときにはArと1,3−連結し、前記フェニレンもしくはピリジレンは、ハロゲン、C1−5アルキル、C1−5アルコキシ、C3−6シクロアルキル、C2−5アルケニル、C2−5アルキニル、フェニル、CNおよびヒドロキシから独立に選択される1つもしくは2つの置換基で場合により置換され、前記C1−5アルキルおよびC1−5アルコキシは、1から3個のハロゲンで場合により置換され、前記ヒドロキシの酸素は、Arに場合により結合して5員環を形成し;
Arはフェニルもしくは5から6員へテロアリールであり、前記フェニルもしくは5から6員へテロアリールは、ハロゲン、C1−5アルキル、C1−5アルコキシ、CN、CONR、CO、NHCORおよびヒドロキシから独立に選択される1から3の置換基で場合により置換され、前記C1−5アルキルおよびC1−5アルコキシは、1から3個のハロゲンで場合により置換され、前記ヒドロキシの酸素は、Arに場合により結合して5員環を形成し;
からRは、独立に、HもしくはC1−5アルキルであり、並びに
はC1−5アルキルである。)
またはこれらの医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物を提供する。
【0009】
1−5アルキルという用語は、ここで用いられる場合、1から5個の炭素原子を有する分岐もしくは非分岐アルキル基を表す。このような基の例は、メチル、エチル、イソプロピル、三級ブチルおよびペンチルである。
【0010】
1−5アルコキシという用語は、ここで用いられる場合、1から5個の炭素原子を有する分岐もしくは非分岐アルコキシ基を表す。このような基の例は、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシおよび三級ブチルオキシである。
【0011】
3−6シクロアルキルという用語は、ここで用いられる場合、3から6個の炭素原子を有する分岐もしくは非分岐環状アルキル基を表す。このような基の例は、シクロプロピル、シクロペンチルおよび2−メチルシクロペンチルである。
【0012】
2−5アルケニルという用語は、ここで用いられる場合、2から5個の炭素原子および少なくとも1つの二重結合を有する分岐もしくは非分岐アルケニル基を表す。このような基の例は、エテニルおよびプロペニルである。
【0013】
2−5アルキニルという用語は、ここで用いられる場合、2から5個の炭素原子および少なくとも1つの三重結合を有する分岐もしくは非分岐アルキニル基を表す。このような基の例は、エチニルおよびプロピニルである。
【0014】
5から6員ヘテロアリール環という用語は、ここで用いられる場合、N、OおよびSから選択される1から2個のヘテロ原子を含む5から6員複素環式環を表す。このような基の例には、フラニル、ピロリル、チエニル、ピリジニル、オキサゾリル、イミダゾリル、チアゾリルおよびピリミジニルが含まれる。
【0015】
ハロゲンという用語は、ここで用いられる場合、F、Cl、BrもしくはI原子を表す。
【0016】
当業者は、Arが、Oに対して、およびnが1であるときにはYと、nが0であるときにはArと1,3−連結するピリジレンであるとき、「1,3−連結する」という用語が、Oに対して、およびnが1であるときにはYと、nが0であるときにはArとのピリジンの連結関係を指し、ピリジンのナンバリングに関するものではないことを理解する。したがって、当業者は、ピリジンのナンバリングに関しては、Arが、例えば、2,6−ピリジレンもしくは2,4−ピリジレンであって、1,3−ピリジレンではないことを理解する。
【0017】
本発明の一実施形態において、RはHである。
【0018】
さらなる実施形態において、Rはメチルである。
【0019】
さらなる実施形態において、nは0である。
【0020】
別の実施形態において、YはOであり、nは1である。
【0021】
別の実施形態において、Arはフェニレンもしくはピリジレンであり、これらは、場合により、ハロゲン、C1−5アルキル、C1−5アルコキシもしくはCNから独立に選択される1つもしくは2つの置換基で置換される。さらなる実施形態において、Arはフェニレンもしくはピリジレンであり、これらは、場合により、クロロ、フルオロ、メチル、メトキシもしくはCNから独立に選択される1つもしくは2つの置換基で置換される。
【0022】
本発明のさらなる実施形態は、式IIの8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体である。
【0023】
【化3】

(式中、Z’、Z’’およびZ’’’はCHもしくはNであり、ただし、Z’、Z’’およびZ’’’のうちの1つのみが同時にNであり得、RおよびArは前に定義される意味を有する。)本発明のさらなる実施形態は、Z’およびZ’’’がCHであり、Z’’がCHもしくはNであり、RおよびArが前に定義される意味を有する、式IIの8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体である。
【0024】
さらなる実施形態において、Arはフェニルもしくは5から6員ヘテロアリールであり、前記フェニルもしくは5から6員へテロアリールは、ハロゲン、C1−5アルキル、C1−5アルコキシおよびCNから独立に選択される1つもしくは2つの置換基で場合により置換され、前記C1−5アルキルは、1から3個のハロゲンで場合により置換される。さらなる実施形態において、Arはフェニルもしくはピリジルであり、前記フェニルもしくはピリジルは、クロロ、フルオロ、メチル、メトキシ、CNもしくはCFから独立に選択される1つから2つの置換基で場合により置換される。
【0025】
本発明のさらなる実施形態は、式IIIの8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体である。
【0026】
【化4】

(式中、RおよびArは前に定義される意味を有し、XはCHもしくはNであり、RはH、メトキシ、フルオロ、クロロ、CNもしくはCFである。)
【0027】
本発明のさらなる実施形態は、式IVの8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体である。
【0028】
【化5】

(式中、Rは前に定義される意味を有し、Z’、Z’’およびZ’’’はCHもしくはNであり、ただし、Z’、Z’’およびZ’’’のうちの1つのみが同時にNであり得、XはCHもしくはNであり、RはH、メトキシ、フルオロ、クロロ、CNもしくはCFである。)
【0029】
本発明のさらなる実施形態は、以下から選択される8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体
3−エキソ−(5−クロロビフェニル−3−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン;
エキソ 5−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)ビフェニル−3−カルボニトリル;
エキソ 3−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)−5−フェノキシベンゾニトリル;
3−エキソ−(4’−メトキシビフェニル−3−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン;
エキソ 3’−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)ビフェニル−4−カルボニトリル;
3−エキソ−(3−ピリジン−4−イルフェノキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン;
エキソ 2−{6−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)−4−クロロピリジン−2−イル}ベンゾニトリル;
エキソ 2−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)−6−(2−シアノフェニル)イソニコチノニトリル;
エキソ 3−[(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル)オキシ]−5−(3−クロロピリジン−2−イル)ベンゾニトリル;
エキソ 3−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)−5−シアノフェニル)ニコチノニトリル;
エキソ 3−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)−5−(3−フルオロピリジン−2−イル)ベンゾニトリル;
エキソ 3’−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)ビフェニル−2−カルボニトリル;
エキソ 2−[6−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)ピリジン−2−イル]ベンゾニトリル;
3’−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−エキソ−イルオキシ)−2’−フルオロビフェニル−4−カルボニトリルおよび
2−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−エキソ−イルオキシ)−6−フェニルイソニコチノニトリル
またはこれらの医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物である。
【0030】
式Iの8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体は有機化学の分野において周知の方法によって調製される。例えば、J.March,‘Advanced Organic Chemistry’4th Edition,John Wiley and Sonsを参照のこと。合成シーケンスの間、いずれの関心分子の感受性もしくは反応性基をも保護することが必要および/または望ましいものであり得る。これは、従来の保護基、例えば、T.W.Greene and P.G.M.Wutts‘Protective Groups in Organic Synthesis’3rd Edition,John Wiley and Sons,1999に記載されるものによって達成される。これらの保護基は、引き続く都合のよい段階で、当分野において周知の方法を用いて場合により除去する。
【0031】
【化6】

【0032】
、n、Y、ArおよびArが前に定義される意味を有する(RがHではないことを除く。)式Iの化合物は、式Vの化合物から、適切な還元剤、例えばナトリウムシアノボロハイドライドもしくはナトリウムトリアセトキシボロハイドライドの存在下、適切な溶媒、例えばメタノール中での、適切なアルデヒドを用いる還元アミノ化によって調製される。この代わりに、例えば式Iの化合物は、塩基、例えば炭酸カリウムもしくは炭酸セシウムの存在下、適切な溶媒、例えばアセトニトリルもしくは酢酸エチル中での、式Vの化合物のアルキルハライドもしくはアルキルスルホネートでのアルキル化によって調製することができる(スキーム1)。
【0033】
一般式Vの化合物は、窒素が保護基PG、例えば酸不安定性t−ブチルオキシカルボニル(Boc)基によって一時的に保護される8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−α−オールもしくは8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−β−オールのヒドロキシル基をn、Y、ArおよびArが前に定義される意味を有する式VIの化合物で置換することによって、調製される。例えば、この置換反応は、有機化学の分野において既知のカップリング剤、例えばDEAD(ジエチルアゾジカルボキシレート)およびPPh(トリフェニルホスフィン)、ADDP(1,1−(アゾジカルボニル)ジピペリジン)およびPBu(トリブチルホスフィン)、もしくは(4,4−ジメチル−1,1−ジオキシド−1,2,5−チアジアゾリジン−2−イル)トリフェニルホスホニウムの助けを借りるMitsunobu反応を溶媒、例えばTHFもしくはDCM中で用いて達成し、式VIIのN−保護3 置換−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタンを得る。式VIIの化合物を適切な試薬で処理して保護基を除去することで、例えばトリフルオロ酢酸で処理してt−ブチルオキシカルボニル(Boc)基を除去することで、式Vの3−置換−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタンが得られる(スキーム2)。
【0034】
【化7】

【0035】
この代わりに、一般式VIIの化合物は、LGが適切な脱離基であり、PGが適切な保護基、例えば、酸不安定性t−ブチルオキシカルボニル(Boc)基である3−置換−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタンVIIIからの脱離基を式VIの化合物で、適切な塩基、例えば水素化ナトリウムを用い、溶媒、例えばDMF中にて置換することによって調製される。適切な脱離基は、例えばハライドもしくはアルキルもしくはアリールスルホネートである(スキーム3)。
【0036】
【化8】

【0037】
あるいは、当業者は、一般式VIIの化合物を、n、Y、ArおよびArが前に定義される意味を有し、Halがハロゲンである化合物、例えば、IXからの、窒素が保護基PGによって一時的に保護される8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−α−オールもしくは8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−β−オールのアルコキシドでの、ハロゲン、例えばフッ素の置換を含む求核芳香族置換反応によって調製できることを容易に理解する。アルコキシドを形成するのに適する塩基には、例えば、溶媒、例えばDMF中の水素化ナトリウムが含まれる(スキーム4)。
【0038】
【化9】

【0039】
n Y、ArおよびArが前に定義される意味を有する一般式VIの化合物は、商業的源から得られる、または当業者に既知の文献法もしくは文献法の修正によって調製される。例えば、nが0である場合、一般式XIの化合物は、適切なアリールもしくはヘテロアリールボロン酸Xの適切なアリールもしくはヘテロアリールハライドもしくはトリフレートでのSuzuki反応によって調製される。Qがハライドもしくはトリフレートである(a)スキーム5。さらに、当業者は、一般式XIの化合物が反対のカップリングパートナーを用いても調製されること、例えば、(b)スキーム5を容易に理解する。あるいは、一般式VIの化合物は、当業者に周知の様々な金属触媒炭素−炭素結合形成反応によっても調製することができる。例えば、Ei−ichi Negishi(Editor),Armin de Meijere(Associate Editor)Handbook of Organopalladium Chemistry for Organic Synthesis,John Wiley and Sons,2002を参照。
【0040】
【化10】

【0041】
nが1であり、YがOである一般式VIの化合物は、PGが適切な保護基、例えばメチルエーテルであるボロン酸XIIIから、Arが前に定義される意味を有する適切な求核性Ar−OHで、文献(Steven V.Ley,Andrew W.Thomas,Angewandte Chemie International Edition,2003,Volume 42,Issue 44,5400−5449)に以前記載された方法を用いて調製される。式XIVの化合物を適切な試薬で処理して保護基を除去することで、例えば、塩酸ピリジンもしくは三臭化ホウ素で処理してメチルエーテルを脱保護することで、YがOであり、nが1である式VIの化合物が得られる(スキーム6)。さらに、当業者は、一般式VIの化合物が反対のカップリングパートナーを用いても調製できることを、例えば、(b)スキーム6を容易に理解する。
【0042】
【化11】

【0043】
あるいは、nが1である一般式VIの化合物は、適切な求核試薬、例えばフェノールとおよび(Qがハライドもしくはトリフレートであり、保護基PGによって一時的に保護された)式XVIの適切なアリールもしくはヘテロアリールとのUllmannカップリングによって調製することができる。適切な触媒には、適切な極性非プロトン性溶媒、例えばDMF中の塩基、例えば炭酸セシウムを伴うCuBrが含まれる。(a)スキーム7。一般式VIの化合物は、適切な求核試薬の、例えばフェノールの、適切な求電子試薬、例えばQがハロゲン、好ましくはフルオロであり、保護基PGによって一時的に保護された式XVIによる求核芳香族置換反応によっても調製できることを当業者は容易に理解する。適切な塩基には、極性非プロトン性溶媒、例えばDMF中の水素化ナトリウムが含まれる。さらに、当業者は、一般式VIの化合物が反対のカップリングパートナーを用いても調製されることを、例えば、n、Y、Ar、Ar、PGおよびQが前に定義される意味を有する(b)スキーム7を容易に理解する。
【0044】
【化12】

【0045】
一般式X、XII、XIII、XV、XVIおよびXVIIの化合物は商業的源から得られ、または当業者に既知の文献法もしくは文献法の修正によって調製する。例えば、求電子芳香族置換、例えば臭素もしくはN−ブロモスクシンイミドでの臭素化により;例えば、溶媒、例えばDCM中のN−クロロスクシンイミドおよびトリフルオロ酢酸での塩素化により;亜硝酸ナトリウムおよび濃硫酸を用いる商業的に入手可能なアニリン前駆体のジアゾ化とこれに続く加水分解、または、例えばシアン化亜鉛(II)を適切な触媒、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)と共に適切な溶媒、例えばDMF中で用いるシアン化による。例えばLeo Paquette,Editor−in−Chief,Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons,1995を参照のこと。
【0046】
当業者は、上述の一般手順および/または反応シーケンスをいかなる適切な順序で用いても一般式Iの化合物を調製できることを容易に理解する。例えば、上に詳述された方法がMitsunobuカップリングの前のAr−Qおよび(HO)B−Ar基のカップリングを述べているとき、ある場合において、Ar−Qおよび(OH)B−ArをまたはAr−B(OH)およびAr−Q基を8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−α−オールとの置換反応の後にカップリングできることが理解される。
【0047】
本発明は、その範囲内に、本明細書に開示されている8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体のすべての立体異性形態も含む。特に、本発明は、3−置換がそれぞれエキソおよびエンド配置であるときに生じる、エキソおよびエンド立体異性体の両者を含む。式Iの化合物またはこれらの塩もしくは溶媒和物の個々の立体異性体の場合、本発明は、実質的にフリーである、即ち、他の立体異性体5%未満、好ましくは2%未満、特には1%未満を伴っている、前記立体異性体を含む。あらゆる割合での立体異性体の混合物も本発明の範囲内に含まれる。
【0048】
本発明は、その範囲内に、本明細書に開示される8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体のすべての同位体標識形態も含む。例えば、H、H、11C、13C、14C、131I、125I、123Iおよび18Fで同位体標識された化合物。これらの標識化合物は、診断ツール、ラジオトレーサーもしくはモニタリング剤(monitoring agent)として、様々な診断法において、およびインビボ受容体画像形成に有用である。
【0049】
本発明は、その範囲内に、遊離塩基としての形態および医薬的に許容される塩の形態にある本発明の8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体も含む。これらの塩は、前記遊離塩基を有機酸もしくは無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、リン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、マレイン酸、マロン酸、メタンスルホン酸、フマル酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸およびアスコルビン酸で処理することによっても得られる。医薬的に許容されようとされまいと、すべての塩が本発明の範囲内に含まれる。
【0050】
本発明の8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体は、水和形態を含めて、溶媒和形態および非溶媒和形態の両者で存在する。これらの形態の両者が本発明の範囲内に包含される。
【0051】
本発明の8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体は非晶質形体としても存在する。複数の結晶形態がまた可能である。これらすべての物理形態が本発明の範囲内に含まれる。
【0052】
本発明の8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体は、とりわけ、ヒトセロトニン、ノルアドレナリンおよびドーパミントランスポータが安定に形質移入された細胞においてセロトニン、ノルアドレナリンおよびドーパミンの1以上の再取込を阻害する能力によってインビトロで示されるような、神経伝達物質再取込阻害剤である。したがって、本発明の8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体は治療において有用である。このように、本発明の8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体は、1以上のモノアミンの再取込阻害が治療効果に寄与する疾患を治療もしくは予防するための医薬の製造において有用である。さらなる実施形態において、本発明の8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体は、モノアミン神経伝達物質再取込に応答する、中枢および末梢の両者の、神経系の疾患もしくは障害を治療もしくは予防するための医薬の製造に有用である。
【0053】
さらなる態様において、本発明の8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体は、うつ病、不安、疼痛、パニック障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)または強迫性障害の治療または予防に有用である。この治療において本発明の8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体並びにこれらの医薬的に許容される塩および溶媒和物が特に有用であるうつ状態は、気分エピソード、うつ障害、双極性障害および他の気分障害を含めて、Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders,Fourth Edition− Text Revised,American Psychiatric Association,Washington D.C.(2000)において気分障害と分類されるものである。
【0054】
本発明は、さらに、本発明の8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体またはこれらの医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物の有効量を投与することを含む、前記疾患もしくは障害のいずれかを患っているまた患いやすいヒトを含む哺乳動物の治療方法を含む。
【0055】
治療効果を達成するのに必要である、ここにおいて活性成分とも呼ばれる、本発明の8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体またはこれらの医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物の量は、もちろん、この特定の化合物、投与経路、レシピエントの年齢および状態並びに治療を受ける特定の障害もしくは疾患に従って変化する。
【0056】
上記障害のいずれにも適する1日用量は、毎日レシピエント(例えば、ヒト)の体重キログラム当たり0.001から50mgの範囲、好ましくは毎日体重キログラム当たり0.01から20mgの範囲である。所望の用量を、1日を通して適切な間隔で投与される複数の下位用量(sub−dose)として提供することができる。
【0057】
活性成分を単独で投与することが可能ではある一方、これを医薬配合物として提供することが好ましい。したがって、本発明は、本発明による8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体を1以上の医薬的に許容される賦形剤、例えば、Gennaro et.al.,Remmington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Edition,Lippincott,Williams and Wilkins,2000(特には、part 5:pharmaceutical manufacturingを参照)に記載されているものと混合された状態で含む医薬組成物も提供する。適切な賦形剤は、例えば、Handbook of Pharmaceutical Excipients,2nd Edition;Editors A.Wade and P.J.Weller,American Pharmaceutical Association,Washington,The Pharmaceutical Press,London,1994に記載されている。組成物には、経口、鼻、局所(頬、舌下および経皮を含む。)、非経口(皮下、静脈内および筋肉内を含む。)または直腸投与に適するものが含まれる。
【0058】
本発明による8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体および1以上の医薬的に許容し得る賦形剤の混合物を固体投薬単位、例えば錠剤に圧縮し、またはカプセルもしくは座剤に加工することができる。医薬的に適切な液体により、これらの化合物を溶液、懸濁液、エマルジョンの形態にある注射用調製品として、またはスプレー、例えば鼻もしくは頬スプレーとして適用することもできる。投薬単位、例えば錠剤の製造には、従来の添加物、例えば充填剤、着色剤、ポリマー結合剤等の使用が考慮される。一般に、あらゆる医薬的に許容される添加物を用いることができる。本発明の8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体は、インプラント、パッチ、ゲルまたは即時放出および/または徐放用のあらゆる他の調製品における使用にも適している。
【0059】
医薬組成物と共に調製および投与することができる適切な充填剤には、適切な量で用いられる、ラクトース、デンプン、セルロースおよびこれらの誘導体等またはこれらの混合物が含まれる。
【0060】
以下の実施例は本発明の化合物およびこれらの合成法をさらに説明する。以下の例は、当分野における通常の技術を有する者に本明細書での化合物、組成物および方法の製造および評価の方法の開示および説明を提供するために提示されるものであり、本発明を純粋に例示しようとするものであって、本発明者らが自分の発明とみなすものの範囲を限定しようとするものではない。他に指示されない限り、パーセントは組成物の成分および総重量を考慮した重量パーセントであり、温度は℃表示もしくは周囲温度でのものであり、圧力は大気圧もしくはほぼ大気圧である。市販の試薬はさらに精製することなく用いた。
【0061】
方法
一般的な化学的手順。すべての試薬は一般的な商業的源から購入したか、もしくは文献法に従い、商業的源を用いて合成した。質量スペクトルはShimadzu LC−8A(HPLC)PE Sciex API 150EX LCMSで記録した。解析用逆相LCMS分析は、LUNA C18カラム(5μ;30×4.6mm)で、勾配条件(90%水/0.1%ギ酸から90%アセトニトリル/0.1%ギ酸)の下、4mL/分の流速で行った。SCX(強カチオン交換)カートリッジはPhenomenexから購入した。
【0062】
略語
ジメチルホルムアミド(DMF)、ジクロロメタン(DCM)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン(THF)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、トリエチルアミン(TEA)、トリフルオロ酢酸(TFA)、tert−ブチルオキシカルボニル(Boc)、エチレングリコールジメチルエーテル(DME)、ジメチルアセトアミド(DMA)、調製用LCMSは質量分析検出を備える調製用高速液体クロマトグラフィーを指す。
【0063】
以下の項において、本発明の化合物の前駆体および一般的な中間体の合成例が記述される。
【0064】
(4,4−ジメチル−1,1−ジオキシド−1,2,5−チアジアゾリジン−2−イル)トリフェニルホスホニウム
【0065】
【化13】

【0066】
(4,4−ジメチル−1,1−ジオキシド−1,2,5−チアジアゾリジン−2−イル)トリフェニルホスホニウムは、J.Org.Chem.,1994,59,2289−2291に記載される通りに調製した。
【0067】
3−エンド−ヒドロキシ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸 tert−ブチルエステル
【0068】
【化14】

【0069】
エンド−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−オール(3.6g、28.3mmol)をDCM(50ml)に溶解し、0℃に冷却した。トリエチルアミン(7.8ml、56.7mmol)を添加した後、ジ−tert−ブチルジカーボネート(7.4g、33.9mmol)を添加した。この反応混合物を周囲温度に暖め、12時間攪拌した。反応混合物を水で希釈した。有機層を分離し、飽和クエン酸(aq)、水および食塩水で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥させて真空中で濃縮し、3−エンド−ヒドロキシ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸 tert−ブチルエステルを白色固体として得た(6.45g、28.4mmol、100%)。M.S.(ESI)(m/z):228[M+H]
【0070】
3−エキソ−ヒドロキシ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸 tert−ブチルエステル
【0071】
【化15】

【0072】
ジエチルアゾジカルボキシレート(1.74mL、11mmol)を、滴下により、THF(25mL)中の3−エンド−ヒドロキシ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸 tert−ブチルエステル(2.09g、9.2mmol)、トリフェニルホスフィン(2.89g、11mmol)および4−ニトロ安息香酸(1.69g、10mmol)の溶液に添加した。この反応混合物を窒素雰囲気下で18時間、周囲温度で攪拌した。揮発性物質を減圧下で除去し、残基をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製した。DCMでの溶出で、エステルが淡黄色固体として得られた(2.6g、6.9mmol、75%)。4N 水酸化ナトリウム(aq)(3.6mL、14mmol)をTHF(25mL)中のこのエステルの溶液に添加し、反応混合物を周囲温度で3日間攪拌した。ジエチルエーテル(35mL)および水(10mL)をこの反応混合物に添加した。2N 水酸化ナトリウム(aq)溶液を有機層に添加し、これを除去してNaSOで乾燥させ、真空中で溶媒を蒸発させた。この粗製物質をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製した。5:95 メタノール:DCMまでの勾配のDCMでの溶出で、3−エキソ−ヒドロキシ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸 tert−ブチルエステル(1.4g、6.2mmol、89%)を得た。M.S.(ESI)(m/z):228[M+H]
【0073】
3−エキソ−メタンスルホニルオキシ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸 tert−ブチルエステル
【0074】
【化16】

【0075】
DCM(4mL)中の3−エキソ−ヒドロキシ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸 tert−ブチルエステル(230mg、1.0mmol)およびトリエチルアミン(0.148mL、1.1mmol)の溶液を窒素雰囲気下で攪拌し、0℃に冷却した。メタンスルホニルクロライド(0.082mL、1.1mmol)をこの反応混合物に滴下により添加し、これを周囲温度まで上昇させた。反応混合物をさらに18時間攪拌した。この反応混合物を真空中で蒸発させ、残基をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製した。2:98 アセトン:DCMまでの勾配のDCMでの溶出で、3−エキソ−メタンスルホニルオキシ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸 tert−ブチルエステル(298mg、0.98mmol、97%)を得た。
【0076】
3−エンド−メタンスルホニルオキシ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸 tert−ブチルエステル
【0077】
【化17】

【0078】
乾燥DCM(40mL)中の3−エンド−ヒドロキシ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸 tert−ブチルエステル(5.0g、22mmol)およびトリエチルアミン(3.3mL、24mmol)の溶液をアルゴン雰囲気下で攪拌し、0℃に冷却した。メタンスルホニルクロライド(1.85mL、24mmol)をこの反応混合物に滴下により添加し、これを周囲温度まで温めた。この反応混合物をさらに18時間攪拌し、水を添加することによって反応混合物を急冷させた。有機層を分離し、NaSOで乾燥させてシリカゲルに吸収させ、シリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製した。1:4 酢酸エチル:ヘプタンでの溶出で、3−エンド−メタンスルホニルオキシ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸 tert−ブチルエステル(4.0g、13mmol、60%)を得た。
【0079】
4−ブロモ−3−フェノキシフェノールおよび2,4−ジブロモ−5−フェノキシフェノール
【0080】
【化18】

【0081】
3−フェノキシフェノール(700mg、3.8mmol)を0℃でDCM(7mL)中で攪拌し、臭素(0.154mL、3.0mmol)を滴下により添加した。反応物を周囲温度で10分間攪拌した後、溶媒を真空中で除去して粗製油を得、これを調製用HPLCによって精製して、溶出の順に、4−ブロモ−3−フェノキシフェノール(126mg、0.5mmol、16%)M.S.(ESI)(m/z):263,265[M−H];および4,6−ジブロモ−3−フェノキシフェノール(201mg、0.6mmol、39%)M.S.(ESI)(m/z):341,343,345[M−H]を得た。
【0082】
以下を同様に調製した。
6−ブロモビフェニル−3−オール
4−ブロモビフェニル−3−オール
【0083】
4−クロロ−3−フェノキシフェノールおよび2−クロロ−5−フェノキシフェノール
【0084】
【化19】

【0085】
3−フェノキシフェノール(1.00g、5.4mmol)をMeCN(40mL)およびTFA(0.5mL)に溶解した。N−クロロスクシンイミド(717mg、5.4mmol)を添加し、この反応物を周囲温度で48時間攪拌した。溶媒を真空中で除去し、粗製生成物を油として得た(2.15g)。この粗製物質300mgをHPLCによって精製し、溶出の順に、4−クロロ−3−フェノキシフェノール(68mg、0.31mmol、41%)M.S.(ESI)(m/z):219,221[M−H];および6−クロロ−3−フェノキシフェノール(73mg、0.33mmol、44%)M.S.(ESI)(m/z):219,221[M−H]を得た。
【0086】
以下を同様に調製した。
6−クロロビフェニル−3−オール
4−クロロビフェニル−3−オール
【0087】
4−クロロ−3−(4−フルオロフェノキシ)フェノール
【0088】
【化20】

【0089】
2−ブロモ−1−クロロ−4−メトキシベンゼン(200mg、0.9mmol)、炭酸セシウム(588mg、1.8mmol)、4−フルオロフェノール(202mg、1.8mmol)、Cul(17mg、0.09mmol)およびN−メチルピロリジン(1mL)をマイクロ波容器中に密封し、200℃で1800秒間、マイクロ波で加熱した。この粗製反応混合物をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製した。30:70 酢酸エチル:ヘプタンまでの勾配の10:90 酢酸エチル:ヘプタンでの溶出で、1−クロロ−2−(4−フルオロフェノキシ)−4−メトキシベンゼン(112mg、0.44mmol、49%)を得た。上で調製された1−クロロ−2−(4−フルオロフェノキシ)−4−メトキシベンゼン(110mg、0.44mmol)をDCM(5.00mL)に溶解し、アルゴンの下、−78℃で攪拌した。その後、三臭化ホウ素(DCM中1.0M、2.20mL)を添加し、反応物を−78℃で1時間攪拌した。反応物を周囲温度まで一晩暖め、飽和NaCO(aq)で急冷させた後、水層および有機層を分離した。溶媒を真空中で除去し、粗製生成物をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製した。20:80 酢酸エチル:ヘプタンまでの勾配の2:98 酢酸エチル:ヘプタンでの溶出で、4−クロロ−3−(4−フルオロフェノキシ)フェノール(92mg、0.38mmol、87%)を得た。M.S.(ESI)(m/z):237,239[M−H]
【0090】
5−ブロモ−2−メチルフェノール
【0091】
【化21】

【0092】
蒸留水(75mL)中の濃硫酸(6mL)の溶液を5−ブロモ−2−メチルアニリン(1g、5.38mmol)に添加した。生じる懸濁液を90℃に加熱し、4.5時間攪拌した。この後、反応混合物を氷浴を用いて冷却し、水(5mL)中の亜硝酸ナトリウム(384mg、5.57mmol)の溶液を0℃で反応混合物に添加した。次に、この反応物を周囲温度に暖めた。次いで、反応混合物を、90℃に予熱されている水(75mL)中の濃硫酸(6mL)の溶液に添加した。この反応混合物を90℃で1時間攪拌し、静置することで一晩冷却した。反応混合物中に沈殿が観察された。この沈殿を濾過によって集め、水で洗浄して真空オーブン内で乾燥させ、5−ブロモ−2−メチルフェノールを褐色固体として得た(510mg、2.73mmol、51%)。M.S.(ESI)(m/z)185,187[M−H]
【0093】
以下を同様に調製した。
3−フルオロ−5−ヨードフェノール
【0094】
5−フルオロビフェニル−3−オール
【0095】
【化22】

【0096】
酢酸パラジウム(II)(2.4mg、0.01mmol)を水(5mL)中の3−フルオロ−5−ヨードフェノール(250mg、1.05mmol)、フェニルボロン酸(154mg、1.26mmol)および炭酸ナトリウム(3.34g、3.15mmol)の懸濁液に窒素の雰囲気下で添加した。この反応混合物を周囲温度で16時間攪拌した。その後、反応混合物をジカライト(dicalite)プラグを通して濾過し、黒色沈殿を除去した。ジカライトをMeOHで洗浄した。濾液を水(250mL)で希釈した後、2M HCl(aq)を用いてpH2に調整した。生成物をDCMに抽出し、NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。この粗製物質をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製した。10:90 酢酸エチル:ヘプタンでの溶出で、5−フルオロビフェニル−3−オール(186mg、0.988mmol、94%)M.S.(ESI)(m/z):187[M−H]を得た。
【0097】
以下を同様に調製した。
6−フルオロビフェニル−3−オール
5−ブロモビフェニル−3−オール
[1,1’;3’,1’’]ターフェニル−5’−オール
5−クロロビフェニル−3−オール
3−チオフェン−2−イルフェノール
【0098】
4−フェニルピリジン−2−オール
【0099】
【化23】

【0100】
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(164mg、0.14mmol)をDME(10mL)中のフェニルボロン酸(345mg、2.84mmol)および4−ブロモ−2−ヒドロキシピリジン(494mg、2.84mmol)の攪拌懸濁液に添加した。この反応混合物をアルゴン雰囲気下で90分間攪拌した。脱気2N炭酸カリウム溶液(aq)(10mL)を添加し、反応混合物を90℃で加熱しながら72時間攪拌した。溶媒を真空中で蒸発させ、残基を酢酸エチルおよび水に分配した。水層を酢酸エチル(×2)で洗浄した。有機物質を合わせてNaSOで乾燥させ、溶媒を真空中で蒸発させた。この残基をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製した。5:95 メタノール:DCMまでの勾配のDCMでの溶出で、4−フェニルピリジン−2−オール(311mg、1.82mmol、64%)M.S.(ESI)(m/z):172[M+H]を得た。
【0101】
以下を同様に調製した。
2−フェニルピリジン−4−オール
6−フェニルピリジン−2−オール
2’−クロロビフェニル−3−オール
3’−クロロビフェニル−3−オール
4’−クロロビフェニル−3−オール
4’−トリフルオロメチルビフェニル−3−オール
3’−トリフルオロメトキシビフェニル−3−オール
4’−トリフルオロメトキシビフェニル−3−オール
2’−メチルビフェニル−3−オール
3’−メチルビフェニル−3−オール
3’−ヒドロキシビフェニル−2−カルボニトリル
3’−ヒドロキシビフェニル−4−カルボニトリル
2’−フルオロビフェニル−3−オール
3’−フルオロビフェニル−3−オール
2’−トリフルオロメチルビフェニル−3−オール
3’−ヒドロキシビフェニル−3−カルボニトリル
3−ピリジン−3−イルフェノール
4−クロロビフェニル−3−オール
3’−メトキシビフェニル−3−オール
2’−フルオロビフェニル−3−オール
3’−トリフルオロメチルビフェニル−3−オール
4’−メトキシビフェニル−3−オール
2’−トリフルオロメチルビフェニル−3−オール
2’−メトキシビフェニル−3−オール
3’−メトキシビフェニル−3−オール
3’−ヒドロキシビフェニル−3−カルボニトリル
【0102】
5−ヒドロキシビフェニル−3−カルボニトリル
【0103】
【化24】

【0104】
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(116mg、0.1mmol)を、マイクロ波容器内でDMF(5mL)に溶解した5−ブロモビフェニル−3−オール(250mg、1mmol)およびシアン化亜鉛(117mg、1.0mmol)に添加した。この反応容器を密封した後、200℃で300秒間加熱した。反応物を水で急冷させ、生成物をDCMに抽出した。この溶液を濾過した後、真空中で濃縮した。次に、この粗製物質をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製した。10:90 酢酸エチル:ヘプタンでの溶出で、5−ヒドロキシビフェニル−3−カルボニトリル(74mg、0.379mmol、38%)を得た。M.S.(ESI)(m/z):194[M−H]
【0105】
以下を同様に調製した。
5−ヒドロキシビフェニル−2−カルボニトリル
【0106】
2−メチル−3−フェノキシフェノール
【0107】
【化25】

【0108】
1−ブロモ−3−フルオロ−2−メチルベンゼン(388mg、2.05mmol)および(4−メトキシフェニル)メタノール(0.511mL、4mmol)をマイクロ波容器内でDMF(5mL)に溶解した。鉱油中の60%分散液としての水素化ナトリウム(164mg、4.0mmol)を少しずつ、窒素流の下で、10分にわたって添加した。この後、反応容器を密封し、180℃で900秒間加熱した。この粗製反応混合物を1:1水:食塩水(6mL)およびDCM(10mL)に注いだ。この二相混合物を周囲温度で1時間攪拌した後、有機層および水層を分離した。合わせた有機物質をNaSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。この後、この粗製物質をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製した。5:95 酢酸エチル:ヘプタンでの溶出で、1−ブロモ−3−(4−メトキシベンジルオキシ)−2−メチルベンゼン(289mg、0.9mmol、46%)を得た。
【0109】
鉱油中の60%分散液としての水素化ナトリウム(56mg、1.4mmol)をフェノール(DMF中に0.35M、2mL)の溶液に少しずつ添加した。生じた溶液をマイクロ波容器内で1−ブロモ−3−(4−メトキシベンジルオキシ)−2−メチルベンゼン(215mg、0.7mmol)および炭酸セシウム(228mg、0.7mmol)の混合物に添加した。臭化銅(I)(10mg)を添加して容器を密封し、反応物を180℃で900秒加熱した。1N NaOH(aq)(2mL)およびDCM(5mL)を冷却した反応混合物に添加し、有機層を分離して真空中で濃縮した。次に、この粗製物質をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製した。5:95 酢酸エチル:ヘプタンでの溶出で、1−(4−メトキシベンジルオキシ)−2−メチル−3−フェノキシベンゼン(205mg、0.64mmol、91%)を得た。
【0110】
1−(4−メトキシベンジルオキシ)−2−メチル−3−フェノキシベンゼン(205mg、0.64mmol)をエタノール(5mL)に溶解し、パラジウム付着木炭10%wt(60mg)を添加した。この反応混合物を水素の雰囲気下(1atm)で72時間攪拌した。この粗製反応混合物をジカライトで濾過し、真空中で溶媒を除去した。この粗製生成物をDCM(4mL)および1N NaOH(aq)(4mL)に取り、水層を分離した後、5N HCl(aq)でpH1に酸性化した。水層をDCM(10mL)で抽出し、合わせた有機物質を真空中で濃縮した。この後、この粗製物質をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製した。5:95 酢酸エチル:ヘプタンでの溶出で、2−メチル−3−フェノキシフェノール(43mg、0.21mmol、34%)を得た。
【0111】
以下を同様に調製した。
2,3−ジメチル−5−フェノキシフェノール
3−フェノキシ−4−トリフルオロメチルフェノール
3−フェノキシ−5−トリフルオロメチルフェノール
4−メチル−3−フェノキシフェノール
2−フルオロ−3−メトキシ−5−フェノキシフェノール
【0112】
5−フェニルピリジン−3−オール
【0113】
【化26】

【0114】
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(242mg、0.21mmol)をDME(10mL)中のフェニルボロン酸(510mg、4.18mmol)および3−ブロモ−5−メトキシピリジン(786mg、4.18mmol)の攪拌溶液に添加した。この反応混合物をアルゴン雰囲気下で30分間攪拌した。脱気炭酸カリウム(aq)(10mL)を添加し、この反応混合物を90℃で加熱しながら18時間攪拌した。溶媒を真空中で蒸発させ、残基を酢酸エチルおよび水に分配した。水層を酢酸エチルで洗浄した。有機物質を合わせてNaSOで乾燥させ、真空中で溶媒を蒸発させた。この残基をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製した。15:85 酢酸エチル:イソヘキサンまでの勾配の10:90 酢酸エチル:イソヘキサンでの溶出で、黄色油を得た。この油をDCMに溶解し、窒素雰囲気下で−78℃に冷却した。三臭化ホウ素(DCM中に1.0M、9.15mL)を滴下により20分にわたって添加し、この反応混合物を周囲温度まで暖め、この温度で18時間攪拌した。生じる混合物を飽和炭酸水素ナトリウム(aq)を滴下により添加することでpH8に塩基性化した。有機物質を除去し、水性残基を酢酸エチル(×3)に抽出した。有機層を合わせてNaSOで乾燥させ、真空中で蒸発させて5−フェニルピリジン−3−オール(245mg、1.43mmol、47%)を得た。M.S.(ESI)(m/z):172[M+H]
【0115】
以下を同様に調製した。
2−フルオロビフェニル−3−オール
2’−フルオロ−3’−ヒドロキシビフェニル−4−カルボニトリル
【0116】
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシピリジン
【0117】
【化27】

【0118】
水(0.6mL)に溶解した亜硝酸ナトリウム(64mg、0.93mmol)を、5%硫酸(aq)(5mL)中の2−アミノ−4,6−ジクロロピリジン(Recl.Trav.Chim.Pays−Bas,1950,69,673に記載される方法に従って調製。)(126mg、0.77mmol)の攪拌溶液に、0℃で5分にわたって、滴下により添加した。この混合物を0℃で1時間攪拌した後、水(20mL)で希釈し、DCM(3×20mL)で抽出した。合わせた抽出物を食塩水(20mL)で洗浄してMgSOで乾燥させ、真空中で濃縮して2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシピリジン(116mg、0.71mmol、92%)M.S.(ESI)(m/z)164,166[M+H]を得た。
【0119】
本発明を以下の実施例によってされに説明する。
【実施例】
【0120】
手順I
(実施例I.1)
3−エキソ−(3−フェノキシフェノキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0121】
【化28】

【0122】
ジエチルアゾジカルボキシレート(1.89mL、12mmol)をTHF(60mL)中の3−エンド−ヒドロキシ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸 tert−ブチルエステル(2.27g、10mmol)、トリフェニルホスフィン(3.15g、12mmol)および3−フェノキシフェノール(1.93mL、12mmol)の溶液に滴下により添加した。この反応混合物を窒素雰囲気で72時間、周囲温度で攪拌した。揮発性物質を減圧下で除去した。生じる物質をDCM(50mL)に溶解し、TFA(5mL)を添加した。この反応混合物を周囲温度で12時間攪拌した。揮発性物質を減圧下で除去し、この粗製生成物をメタノール(40mL)に溶解し、この溶液をSCXカートリッジ(20g)に乗せた。このカートリッジをメタノール(40mL)で溶出し、トリフェニルホスフィンオキシドを除去した。メタノール中のアンモニア(2M、40mL)での溶出とこれに続く真空中での蒸発で、粗製3−(3−フェノキシフェノキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタンを油として得た。次に、この粗製物質をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製した。90:10:0.5 DCM:MeOH:アンモニアまでの勾配の98:2 DCM:MeOHでの溶出で、生成物を油として得た。この生成物をメタノール(5mL)に溶解し、溶液が酸性になるまでメタノール中の塩酸で処理した。この溶液を真空中で濃縮し、ジエチルエーテルを添加して生成物を沈殿させた。沈殿を濾過によって集めてメタノール/ジエチルエーテルから再結晶化し、3−エキソ−(3−フェノキシフェノキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタンを塩酸塩として得た(1.08g、3.26mmol、33%)。M.S.(ESI)(m/z):296[M+H]
【0123】
以下を同様に調製した
【0124】
(実施例I.2)
3−エキソ−(4−クロロ−3−(4−フルオロフェノキシ)フェノキシ)−8−
アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0125】
【化29】

MS(ESI)(m/z):348,350[M+H]
【0126】
(実施例I.3)
3−エキソ−(5−クロロビフェニル−3−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0127】
【化30】

MS(ESI)(m/z):314,316[M+H]
【0128】
(実施例I.4)
3−エキソ−(5−ブロモビフェニル−3−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0129】
【化31】

M.S.(ESI)(m/z):358,360[M+H]
【0130】
(実施例I.5)
エキソ 5−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)ビフェニル−3−カルボニトリル
【0131】
【化32】

MS(ESI)(m/z):305[M+H]
【0132】
(実施例I.6)
3−エキソ−([1,1’;3’,1’’]ターフェニル−5’−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0133】
【化33】

M.S.(ESI)(m/z):356[M+H]
【0134】
(実施例I.7)
3−エキソ−(5−フルオロビフェニル−3−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0135】
【化34】

M.S.(ESI)(m/z):298[M+H]
【0136】
(実施例I.8)
3−エキソ−(6−フルオロビフェニル−3−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0137】
【化35】

M.S.(ESI)(m/z):298[M+H]
【0138】
(実施例I.9)
3−エキソ−(ビフェニル−3−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0139】
【化36】

M.S.(ESI)(m/z):280[M+H]
【0140】
(実施例I.10)
3−エキソ−(6−クロロビフェニル−3−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0141】
【化37】

M.S.(ESI)(m/z):314,316[M+H]
【0142】
(実施例I.11)
3−エキソ−(4−クロロ−3−フェノキシフェノキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0143】
【化38】

M.S.(ESI)(m/z):330,332[M+H]
【0144】
(実施例I.12)
3−エキソ−(2−クロロ−5−フェノキシフェノキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0145】
【化39】

M.S.(ESI)(m/z):330,332[M+H]
【0146】
(実施例I.13)
3−エキソ−(4−ブロモビフェニル−3−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0147】
【化40】

M.S.(ESI)(m/z):358,360[M+H]
【0148】
(実施例I.14)
3−エキソ−(6−ブロモビフェニル−3−イルオキシ)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン
【0149】
【化41】

M.S.(ESI)(m/z):358,360[M+H]
【0150】
(実施例I.15)
3−エキソ−(4−ブロモ−3−フェノキシフェノキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0151】
【化42】

M.S.(ESI)(m/z):374,376[M+H]
【0152】
(実施例I.16)
エキソ 5−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)ビフェニル−2−カルボニトリル
【0153】
【化43】

M.S.(ESI)(m/z):305[M+H]
【0154】
(実施例I.17)
3−エキソ−(ジベンゾフラン−2−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0155】
【化44】

M.S.(ESI)(m/z):294[M+H]
【0156】
(実施例I.18)
3−エキソ−(3−フェネチルオキシフェノキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0157】
【化45】

M.S.(ESI)(m/z):324[M+H]
【0158】
(実施例I.19)
3−エキソ−(3−チオフェン−2−イルフェノキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0159】
【化46】

M.S.(ESI)(m/z):286[M+H]
【0160】
手順II
(実施例II.1)
3−エキソ−(4−フルオロ−3−フェノキシフェノキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0161】
【化47】

【0162】
ジエチルアゾジカルボキシレート(1.65mL、10.5mmol)をTHF(95mL)中の3−エンド−ヒドロキシ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸 tert−ブチルエステル(2.16g、9.5mmol)、トリフェニルホスフィン(2.75g、10.5mmol)および4−フルオロ−3−ブロモフェノール(2.0g、10.5mmol)の溶液に滴下により添加した。この反応混合物を窒素雰囲気下で72時間、周囲温度で攪拌した。揮発性物質を減圧下で除去した後、残基を5:1 ヘプタン:ジエチルエーテルと共に摩砕し、次いで濾過して沈殿したトリフェニルホスフィンオキシドを除去した。濾液を真空中で濃縮した。この粗製物質をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製した。15:85 酢酸エチル:ヘプタンで溶出し、次いで1N NaOH(aq)(50mL)で洗浄した後、真空中で濃縮することで、3−エキソ−(3−ブロモ−4−フルオロフェノキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸 tert−ブチルエステル(2.18g、5.5mmol、57%)を得た。
【0163】
3−エキソ−(3−ブロモ−4−フルオロフェノキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸 tert−ブチルエステル(150mg、0.37mmol)、炭酸セシウム(244mg、0.75mmol)、フェノール(70.5mg、0.75mmol)およびヨウ化銅(I)(7mg、0.04mmol)をマイクロ波容器内でN−メチルピロリジン(1mL)と合わせた。この反応物を200℃で1800秒間加熱した。この後、TFA(1mL)を添加し、この反応物を周囲温度で16時間攪拌した。DCM(2mL)、次いで1N NaOH(aq)をpH10まで添加した。水層および有機層を分離し、合わせた有機物質を真空中で濃縮した。この粗製生成物を調製用LCMSによって精製し、3−エキソ−(4−フルオロ−3−フェノキシフェノキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタンをトリフルオロ酢酸塩(20.6mg、0.05mmol、13%)M.S.(ESI)(m/z):314[M+H]として得た。
【0164】
以下を同様に調製した。
【0165】
(実施例II.2)
3−エキソ−(3−(3−クロロフェノキシ)−4−フルオロフェノキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0166】
【化48】

M.S.(ESI)(m/z):348,350[M+H]
【0167】
(実施例II.3)
3−エキソ−(3−(3,4−ジクロロフェノキシ)−4−フルオロフェノキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0168】
【化49】

M.S.(ESI)(m/z):382,384[M+H]
【0169】
(実施例II.4)
3−エキソ−(3−(4−クロロフェノキシ)−4−フルオロフェノキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0170】
【化50】

M.S.(ESI)(m/z):348,350[M+H]
【0171】
(実施例II.5)
3−エキソ−(4−フルオロ−3−(3−メトキシフェノキシ)フェノキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0172】
【化51】

M.S.(ESI)(m/z):344[M+H]
【0173】
(実施例II.6)
エキソ 3−[5−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)−2−フルオロフェノキシ]ベンゾニトリル
【0174】
【化52】

M.S.(ESI)(m/z):339[M+H]
【0175】
(実施例II.7)
エキソ 3−[3−(ピリジン−3−イルオキシ)フェノキシ]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0176】
【化53】

M.S.(ESI)(m/z):297[M+H]
【0177】
手順III
(実施例III.1)
3−エキソ−(6−フェニルピリジン−2−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0178】
【化54】

【0179】
DMF(2.5mL)中の6−フェニルピリジン−2−オール(75mg、0.44mmol)の溶液をマイクロ波容器内でDMF(0.5ml)中の水素化ナトリウム(21mg、0.53mmol)の攪拌懸濁液に滴下により添加した。生じた懸濁液を窒素雰囲気下で30分間攪拌した。3−エンド−メタンスルホニルオキシ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸 tert−ブチルエステル(147mg、0.48mmol)をこの反応混合物に添加した。反応容器を密封した後、80℃で600秒間、次いで100℃で1200秒間加熱した。溶媒を真空中で除去し、残基を酢酸エチルおよび水に分配した。水層を酢酸エチルで洗浄し、有機物質を合わせてNaSOで乾燥させ、溶媒を真空中で蒸発させた。この残基をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製した。1:99 メタノール:DCMまでの勾配のDCMでの溶出で、黄色ゴムを得た。この粗製物質をMeOHに溶解し、この溶液をSCXカートリッジ(500mg)に乗せた。カートリッジをメタノール(15mL)で溶出して未反応出発物質を除去した後、メタノール中のアンモニア(2M、7.5mL)で溶出し、これを真空中で蒸発させた。生じる物質をDCM(1.5mL)に溶解し、TFA(0.5mL)を添加した。この反応混合物を周囲温度で1時間攪拌した。揮発性物質を真空中で除去し、この粗製物質をメタノール(3mL)に溶解し、この溶液をSCXカートリッジ(500mg)に乗せた。このカートリッジをメタノール(15mL)で溶出し、不純物を除去した。メタノール中のアンモニア(2M、7.5mL)での溶出とこれに続く真空中での蒸発で、3−エキソ−(6−フェニルピリジン−2−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン(17.1mg、0.25mmol、58%)を得た。M.S.(ESI)(m/z):281[M+H]
【0180】
以下を同様に調製した。
【0181】
(実施例III.2)
3−エキソ−(2−フェニルピリジン−4−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0182】
【化55】

M.S.(ESI)(m/z):281[M+H]
【0183】
(実施例III.3)
3−エキソ−(4−フェニルピリジン−2−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0184】
【化56】

M.S.(ESI)(m/z):281[M+H]
【0185】
(実施例III.4)
3−エキソ−(3−ピリジン−3−イルフェノキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0186】
【化57】

M.S.(ESI)(m/z):281[M+H]
【0187】
(実施例III.5)
3−エンド−(3−フェノキシフェノキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0188】
【化58】

M.S.(ESI)(m/z):296[M+H]
【0189】
標題の化合物は3−エキソ−メタンスルホニルオキシ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸 tert−ブチルエステルから調製した。
【0190】
(実施例III.6)
エキソ 1−{3’−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)ビフェニル−4−イル}エタノン
【0191】
【化59】

M.S.(ESI)(m/z):322[M+H]
【0192】
手順IV
(実施例IV.1)
3−エキソ−(4’−トリフルオロメチルビフェニル−3−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0193】
【化60】

【0194】
(4,4−ジメチル−1,1−ジオキシド−1,2,5−チアジアゾリジン−2−イル)トリフェニルホスホニウム(172mg、0.420mmol)をTHF(2mL)中の3−エンド−ヒドロキシ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸 tert−ブチルエステル(95mg、0.42mmol)および4’−トリフルオロメチルビフェニル−3−オール(50mg、0.21mmol)の溶液に添加した。この反応混合物を周囲温度で18時間攪拌した。揮発性物質を減圧下で除去した。生じた物質をDCM(1mL)に溶解し、TFA(1mL)を添加した。この反応混合物を周囲温度で4時間攪拌した。揮発性物質を減圧下で除去し、この粗製生成物をメタノール(2mL)に溶解し、この溶液をSCXカートリッジ(5g)に乗せた。このカートリッジをメタノール(3×10mL)で溶出し、トリフェニルホスフィンオキシドを除去した。メタノール中のアンモニア(2M、10mL)での溶出とこれに続く真空中での蒸発で、粗製3−(4’−トリフルオロメチルビフェニル−3−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタンを油として得た。次に、この粗製物質を調製用LCMSによって精製し、3−エキソ−(4’−トリフルオロメチルビフェニル−3−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタンをトリフルオロ酢酸塩(36.9mg、0.080mmol、38%)M.S.(ESI)(m/z):348[M+H]として得た。
【0195】
以下を同様に調製した。
【0196】
(実施例IV.2)
3−エキソ−(4−クロロビフェニル−3−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0197】
【化61】

M.S.(ESI)(m/z):314,316[M+H]
【0198】
(実施例IV.3)
3−エキソ−(2’−クロロビフェニル−3−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0199】
【化62】

M.S.(ESI)(m/z):314,316[M+H]
【0200】
(実施例IV.4)
3−エキソ−(3’−クロロビフェニル−3−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0201】
【化63】

M.S.(ESI)(m/z):314,316[M+H]
【0202】
(実施例IV.5)
3−エキソ−(4’−クロロビフェニル−3−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0203】
【化64】

M.S.(ESI)(m/z):314,316[M+H]
【0204】
(実施例IV.6)
3−エキソ−(2’−フルオロビフェニル−3−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0205】
【化65】

M.S.(ESI)(m/z):298[M+H]
【0206】
(実施例IV.7)
3−エキソ−(4’−フルオロビフェニル−3−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0207】
【化66】

M.S.(ESI)(m/z):298[M+H]
【0208】
(実施例IV.8)
3−エキソ−(2’−トリフルオロメチルビフェニル−3−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0209】
【化67】

M.S.(ESI)(m/z):348[M+H]
【0210】
(実施例IV.9)
3−エキソ−(2−フルオロ−3−メトキシ−5−フェノキシフェノキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0211】
【化68】

M.S.(ESI)(m/z):344[M+H]
【0212】
(実施例IV.10)
3−エキソ−(3’−トリフルオロメトキシビフェニル−3−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0213】
【化69】

M.S.(ESI)(m/z):364[M+H]
【0214】
(実施例IV.11)
3−エキソ−(2’−メチルビフェニル−3−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0215】
【化70】

M.S.(ESI)(m/z):294[M+H]
【0216】
(実施例IV.12)
3−エキソ−(3’−メチルビフェニル−3−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0217】
【化71】

M.S.(ESI)(m/z):294[M+H]
【0218】
(実施例IV.13)
3−エキソ−(3−フェノキシ−4−トリフルオロメチルフェノキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0219】
【化72】

M.S.(ESI)(m/z):364[M+H]
【0220】
(実施例IV.14)
エキソ 3’−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)ビフェニル−2−カルボニトリル
【0221】
【化73】

M.S.(ESI)(m/z):305[M+H]
【0222】
(実施例IV.15)
エキソ 3’−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)ビフェニル−3−カルボニトリル
【0223】
【化74】

M.S.(ESI)(m/z):305[M+H]
【0224】
(実施例IV.16)
エキソ 3’−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)ビフェニル−4−カルボニトリル
【0225】
【化75】

M.S.(ESI)(m/z):305[M+H]
【0226】
(実施例IV.17)
3−エキソ−(3−フェノキシ−5−トリフルオロメチルフェノキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0227】
【化76】

M.S.(ESI)(m/z):364[M+H]
【0228】
(実施例IV.18)
3−エキソ−(4−メチル−3−フェノキシフェノキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0229】
【化77】

M.S.(ESI)(m/z):310[M+H]
【0230】
(実施例IV.19)
3−エキソ−(3−クロロ−5−フェノキシフェノキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0231】
【化78】

M.S.(ESI)(m/z):330,332[M+H]
【0232】
(実施例IV.20)
エキソ 3−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)−5−フェノキシベンゾニトリル
【0233】
【化79】

M.S.(ESI)(m/z):321[M+H]
【0234】
(実施例IV.21)
3−エキソ−(3’−フルオロビフェニル−3−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0235】
【化80】

M.S.(ESI)(m/z):298[M+H]
【0236】
(実施例IV.22)
3−エキソ−(3’−トリフルオロメチルビフェニル−3−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0237】
【化81】

M.S.(ESI)(m/z):348[M+H]
【0238】
(実施例IV.23)
3−エキソ−(4’−トリフルオロメトキシビフェニル−3−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0239】
【化82】

M.S.(ESI)(m/z):364[M+H]
【0240】
(実施例IV.24)
3−エキソ−(2’−メトキシビフェニル−3−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0241】
【化83】

M.S.(ESI)(m/z):310[M+H]
【0242】
(実施例IV.25)
3−エキソ−(3’−メトキシビフェニル−3−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0243】
【化84】

M.S.(ESI)(m/z):310[M+H]
【0244】
(実施例IV.26)
3−エキソ−(4’−メトキシビフェニル−3−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0245】
【化85】

M.S.(ESI)(m/z):310[M+H]
【0246】
(実施例IV.27)
3−エキソ−(5−フェニルピリジン−3−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0247】
【化86】

M.S.(ESI)(m/z):281[M+H]
【0248】
(実施例IV.28)
3−エキソ−(2−フルオロビフェニル−3−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0249】
【化87】

M.S.(ESI)(m/z):298[M+H]
【0250】
(実施例IV.29)
3−エキソ−(4−メチルビフェニル−3−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0251】
【化88】

M.S.(ESI)(m/z):294[M+H]
【0252】
(実施例IV.30)
エキソ 3’−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)−2’−フルオロビフェニル−4−カルボニトリル
【0253】
【化89】

M.S.(ESI)(m/z):323[M+H]
【0254】
(実施例IV.31)
エキソ 3−{2’−トリフルオロメトキシビフェニル−3−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0255】
【化90】

M.S.(ESI)(m/z):364[M+H]
【0256】
(実施例IV.32)
エキソ 3’−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)−ビフェニル−3−カルボニトリル
【0257】
【化91】

M.S.(ESI)(m/z):305[M+H]
【0258】
手順V
(実施例V.1)
エキソ 3’−(8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)ビフェニル−4−カルボニトリル
【0259】
【化92】

【0260】
3’−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−エキソ−イルオキシ)ビフェニル−4−カルボニトリル(10mg、0.029mmol)をメタノール(0.5mL)に溶解し、水(11.5μL)中の37%ホルムアルデヒドの溶液を添加した。ナトリウムトリアセトキシボロハイドライド(12.5mg)を添加し、この反応物を周囲温度で2時間攪拌した。この後、DCM(3mL)および1N NaOH(aq)(3mL)を反応物に添加して有機層および水層を分離し、有機層を真空中で濃縮した。この粗製生成物を調製用LCMSによって精製し、3’−(8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−エキソ−イルオキシ)ビフェニル−4−カルボニトリルをトリフルオロ酢酸塩(6.4mg、0.015mmol、52%)M.S.(ESI)(m/z):319[M+H]として得た。
【0261】
以下を同様に調製した。
【0262】
(実施例V.2)
3−エキソ−(3−クロロ−5−フェノキシフェノキシ)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0263】
【化93】

M.S.(ESI)(m/z):344,346[M+H]
【0264】
手順VI
(実施例VI.1)
3−エキソ−(6−メチルビフェニル−3−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0265】
【化94】

【0266】
DME(3mL)中の炭酸カリウム(659mg、4.27mmol)、フェニルボロン酸(388mg、3.18mmol)、2−ブロモ−4−フルオロトルエン(0.20mL、1.59mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(92mg、5mol%)をマイクロ波容器内に密封し、80℃で1200秒間、次いで120℃で1200秒間加熱した。酢酸エチル(5mL)を添加し、この反応物を濾過して真空中で濃縮した。この後、この粗製物質をシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。10:90 酢酸エチル:ヘプタンでの溶出で、3−フルオロ−6−メチルビフェニル(253mg、1.36mmol、86%)を得た。
【0267】
DMF(1.5mL)中の3−エキソ−ヒドロキシ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸 tert−ブチルエステル(122mg、0.563mmol)の溶液をDMF(0.5mL)中の鉱油中60%水素化ナトリウム(22mg、0.536mmol)の攪拌懸濁液に窒素雰囲気下で添加した。この反応物を周囲温度で1時間攪拌した。この後、DMF(0.5mL)中の3−フルオロ−6−メチルビフェニル(50mg、0.268mmol)の溶液を添加し、反応物をマイクロ波において180℃で1200秒間加熱した。この反応混合物を真空中で濃縮してDCM(1mL)およびTFA(1mL)を添加し、この反応物を2時間攪拌した。この粗製反応混合物をSCXカートリッジに乗せた。カートリッジをメタノール(3×10mL)で溶出し、不純物を除去した。メタノール中のアンモニア(2M、10mL)での除去とこれに続く真空中での蒸発で、粗製3−エキソ−(6−メチルビフェニル−3−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタンを得た。この後、この粗製物質を調製用LCMSによって精製し、3−エキソ−(6−メチルビフェニル−3−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタンをトリフルオロ酢酸塩として得た(13mg、0.032mmol、12%)。M.S.(ESI)(m/z):294[M+H]
【0268】
以下を同様に調製した。
【0269】
(実施例VI.2)
3−エキソ−(4−メチルビフェニル−3−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0270】
【化95】

M.S.(ESI)(m/z):294[M+H]
【0271】
(実施例VI.3)
3−エキソ−(6−トリフルオロメチルビフェニル−3−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0272】
【化96】

M.S.(ESI)(m/z):348[M+H]
【0273】
(実施例VI.4)
エキソ 3−(3−フルオロ−5−ピリジン−4−イルフェノキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0274】
【化97】

M.S.(ESI)(m/z):299[M+H]
【0275】
(実施例VI.5)
エキソ 3−(3−クロロ−5−ピリジン−4−イルフェノキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0276】
【化98】

M.S.(ESI)(m/z):315,317[M+H]
【0277】
(実施例VI.6)
エキソ 3−[4−クロロ−3−(ピリジン−3−イルオキシ)フェノキシ]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0278】
【化99】

M.S.(ESI)(m/z):315,317[M+H]
【0279】
(実施例VI.7)
エキソ 3−(4−メチル−3−ピリジン−4−イルフェノキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0280】
【化100】

M.S.(ESI)(m/z):295[M+H]
【0281】
(実施例VI.8)
エキソ 5−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)−ビフェニル−3,4’−ジカルボニトリル
【0282】
【化101】

M.S.(ESI)(m/z):330[M+H]
【0283】
(実施例VI.9)
エキソ 3’−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)−5’−クロロビフェニル−4−カルボニトリル
【0284】
【化102】

M.S.(ESI)(m/z):339,341[M+H]
【0285】
手順VII
(実施例VII.1)
3−エキソ−(4−クロロ−6−フェニルピリジン−2−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0286】
【化103】

【0287】
THF(20mL)中の2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシピリジン(696mg、4.2mmol)、3−エキソ−ヒドロキシ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸 tert−ブチルエステル(965mg、4.2mmol)および(4,4−ジメチル−1,1−ジオキシド−1,2,5−チアジアゾリジン−2−イル)トリフェニルホスホニウム(4.31g、10.5mmol)を16時間攪拌した。酢酸エチル(50mL)および水(20mL)を添加し、有機層および水層を分離した。有機層をNaSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。この後、この粗製物質をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製した。10:90 酢酸エチル:ヘプタンでの溶出で、3−エキソ−(4,6−ジクロロピリジン−2−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸 tert−ブチルエステル(1.29g、3.6mmol、82%)を得た。M.S.(ESI)m/z:373,375[M+H]
【0288】
DME(2.5mL)中の3−エキソ−(4,6−ジクロロピリジン−2−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸 tert−ブチルエステル(200mg、0.54mmol)、フェニルボロン酸(78mg、0.64mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(31mg、5mol%)および炭酸カリウム(201mg、1.45mmol)をマイクロ波において100℃で900秒間加熱した。酢酸エチル(20mL)および水(10mL)を添加して水層および有機層を分離し、NaSOで乾燥させて真空中で濃縮した。この後、この粗製物質をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製した。5:95 酢酸エチル:ヘプタンでの溶出で、3−エキソ−(4−クロロ−6−フェニルピリジン−2−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸 tert−ブチルエステル(68mg、0.16mmol、30%)を得た。M.S.(ESI)m/z:415、417[M+H]
【0289】
3−エキソ−(4−クロロ−6−フェニルピリジン−2−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸 tert−ブチルエステル(30mg、0.072mmol)をDCM(2mL)およびTFA(2mL)に溶解して30分間攪拌した後、溶媒を真空中で除去した。次に、この粗製物質を調製用LCMSによって精製し、3−エキソ−(4−クロロ−6−フェニルピリジン−2−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタンをトリフルオロ酢酸塩として得た(13mg、0.030mmol、42%)。M.S.(ESI)m/z:315,317[M+H]
【0290】
以下を同様に調製した。
【0291】
(実施例VII.2)
3−エキソ−(4,6−ジフェニルピリジン−2−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0292】
【化104】

M.S.(ESI)m/z:357[M+H]
【0293】
(実施例VII.3)
エキソ 4−[6−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)−4−クロロピリジン−2−イル]ベンゾニトリル
【0294】
【化105】

M.S.(ESI)m/z:340,342[M+H]
【0295】
(実施例VII.4)
エキソ 4−[2−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)−6−クロロピリジン−4−イル]ベンゾニトリル
【0296】
【化106】

M.S.(ESI)m/z:340,342[M+H]
【0297】
(実施例VII.5)
3−エキソ−(3−ピリジン−4−イルフェノキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0298】
【化107】

M.S.(ESI)m/z:281[M+H]
【0299】
(実施例VII.6)
エキソ 4−[6−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)ピリジン−2−イル]ベンゾニトリル
【0300】
【化108】

M.S.(ESI)m/z:306[M+H]
【0301】
(実施例VII.7)
エキソ 2−{4−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)−6−クロロ−ピリジン−2−イル}ベンゾニトリル
【0302】
【化109】

M.S.(ESI)m/z:340,342[M+H]
【0303】
(実施例VII.8)
エキソ 2−{6−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)−4−クロロピリジン−2−イル}ベンゾニトリル
【0304】
【化110】

M.S.(ESI)m/z:340,342[M+H]
【0305】
(実施例VII.9)
エキソ 2−{6−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)−4−クロロピリジン−2−イル}ベンゾアミド
【0306】
【化111】

M.S.(ESI)m/z:358,360[M+H]
【0307】
(実施例VII.10)
エキソ 2−[2−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)−6−クロロピリジン−4−イル]ベンゾニトリル
【0308】
【化112】

M.S.(ESI)m/z:340,342[M+H]
【0309】
(実施例VII.11)
エキソ 2−[6−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)ピリジン−2−イル]ベンゾニトリル
【0310】
【化113】

M.S.(ESI)m/z:306[M+H]
【0311】
(実施例VII.12)
エキソ 4−[2−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)ピリジン−4−イル]ベンゾニトリル
【0312】
【化114】

M.S.(ESI)m/z:306[M+H]
【0313】
(実施例VII.13)
エキソ 4−[4−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)ピリジン−2−イル]ベンゾニトリル
【0314】
【化115】

M.S.(ESI)m/z:306[M+H]
【0315】
(実施例VII.14)
エキソ 3−(4,5−ジフルオロビフェニル−3−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0316】
【化116】

M.S.(ESI)m/z:316[M+H]
【0317】
(実施例VII.15)
エキソ 3−(5−トリフルオロメチルビフェニル−3−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0318】
【化117】

M.S.(ESI)m/z:348[M+H]
【0319】
手順VIII
(実施例VIII.1)
2−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−エキソ−イルオキシ)−6−フェニルイソニコチノニトリル
【0320】
【化118】

【0321】
DMF(0.5mL)中の、上の通りに調製した3−エキソ−(4−クロロ−6−ピリジン−2−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸 tert−ブチルエステル(30mg、0.072mmol)、シアン化亜鉛(II)(5mg、0.043mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(4.2mg、5mol%)をマイクロ波容器内に密封し、180℃で900秒間加熱した。この粗製反応混合物をジカライトの短いパッドを通して濾過した。次に、この粗製物質を調製用LCMSによって精製して3−エキソ−(4−シアノ−6−フェニルピリジン−2−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸 tert−ブチルエステル(20mg)を得、これをDCM(1mL)およびTFA(1mL)で直接処理して30分間攪拌した後、真空中で溶媒を除去した。この粗製物質を調製用LCMSによって精製し、2−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−エキソ−イルオキシ)−6−フェニルイソニコチノニトリルをトリフルオロ酢酸塩として得た(4.2mg、0.010mmol、14%)。M.S.(ESI)m/z:306[M+H]
【0322】
以下を同様に調製した。
【0323】
(実施例VIII.2)
エキソ 2−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)−6−(4−シアノフェニル)イソニコチノニトリル
【0324】
【化119】

M.S.(ESI)m/z:331[M+H]
【0325】
(実施例VIII.3)
エキソ 2−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)−6−(2−シアノフェニル)イソニコチノニトリル
【0326】
【化120】

M.S.(ESI)m/z:331[M+H]
【0327】
(実施例VIII.4)
エキソ 2−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)−6−(2−トリフルオロメチルフェニル)イソニコチノニトリル
【0328】
【化121】

M.S.(ESI)m/z:374[M+H]
【0329】
(実施例VIII.5)
エキソ 2−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)−6−(2−メトキシフェニル)イソニコチノニトリル
【0330】
【化122】

M.S.(ESI)m/z:336[M+H]
【0331】
(実施例VIII.6)
エキソ 2−{6−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)−4−クロロピリジン−2−イル}安息香酸
【0332】
【化123】

M.S.(ESI)m/z:350[M+H]
【0333】
(実施例VIII.7)
エキソ 2−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)−6−(3−フルオロフェニル)イソニコチノニトリル
【0334】
【化124】

M.S.(ESI)m/z:324[M+H]
【0335】
手順IX
(実施例IX.1)
エキソ 3−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)−5−(3−フルオロピリジン−2−イル)ベンゾニトリル
【0336】
【化125】

【0337】
3−ブロモ−5−フルオロベンゾニトリル(8.62g、43mmol)をDMF(20mL)に溶解した。水素化ナトリウム(2.46g、62mmol)をこの攪拌溶液に窒素の雰囲気下で少しずつ添加した。次に、エキソ tert−ブチル 3−ヒドロキシ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(7.0g、31mmol)を添加した後、反応物を周囲温度で30分間攪拌した。反応物を水で急冷させた後、溶液をDCMで抽出した。有機層を合わせてMgSOで乾燥させた。有機層を濃縮することで褐色ゴムが残り、これをDCM(50mL)に溶解して水(3×40mL)で洗浄した。有機層を合わせてMgSOで乾燥させた。有機層を真空中で濃縮することで褐色ゴムが残った。次に、この粗製物質をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製した。10:90 酢酸エチル:ヘプタンでの溶出で、エキソ tert−ブチル 3−(3−ブロモ−5−シアノフェノキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(7.23g、17.8mmol、58%)を淡黄色固体として得た。
【0338】
THF(20.6ml)中のエキソ tert−ブチル 3−(3−ブロモ−5−シアノフェノキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(2.1g、5.2mmol)をトリイソプロピルボレート(3.3ml、2.7g、14mmol)、次いでヘキサン中の1.6M n−ブチルリチウム(4.0mL、6.4mmol)で、5分にわたって−78℃で、窒素の雰囲気下で処理した。この反応物を−78℃で2時間攪拌した後、60分にわたって周囲温度まで暖めた。この反応混合物を2N HCl(20mL)に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出した。合わせた有機抽出物を真空中で濃縮して粗製生成物を得た。この粗製生成物をシリカゲルの短いプラグで25:75 酢酸エチル:ヘプタンを用いて精製して不純物を除去し、次いでメタノールを用いてエキソ 3−[8−(tert−ブトキシカルボニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ]−5−シアノフェニルボロン酸(1.72g、4.6mmol、90%)を得た。
【0339】
エキソ 3−[8−(tert−ブトキシカルボニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ]−5−シアノフェニルボロン酸(80mg、0.21mmol)、2−クロロ−3−フルオロピリジン(22mg、17μL、0.2mmol)、PCy(7.2mg、0.03mmol)、Pd(dba)(6.5mg、7.1μmol)およびKPO(78mg、0.37mmol)を5mLマイクロ波容器に入れ、次いでジオキサン(2mL)および水(0.5mL)を添加した。次に、この容器を密封した。この反応物を100℃で600秒間加熱した。EtOAc(10mL)および水(5mL)を添加することによって反応物を急冷させ、水層および有機層を分離した。有機層を水(2×5mL)で洗浄した後、MgSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。次いで、この粗製物質をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製した。1:3 酢酸エチル:ヘプタンでの溶出で、エキソ tert−ブチル 3−[3−シアノ−5−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェノキシ]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−カルボキシレート(84mg、0.20mmol、92%)を得た。
【0340】
エキソ tert−ブチル 3−[3−シアノ−5−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェノキシ]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−カルボキシレート(84mg、0.20mmol)をDCM(2mL)に溶解した。TFA(1mL)を添加し、この反応物を機械式振盪機上に1時間置いた。この後、真空中で溶媒を除去した。この粗製反応混合物をSCXカートリッジに乗せた。カートリッジをメタノール(3×10mL)で溶出して不純物を除去した。メタノール中のアンモニア(2M、10mL)での溶出とこれに続く真空中での蒸発で、エキソ 3−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)−5−(3−フルオロピリジン−2−イル)ベンゾニトリル(37mg、0.12mmol、58%)を得た。M.S.(ESI)m/z:324[M+H]
【0341】
以下を同様に調製した。
【0342】
(実施例IX.2)
エキソ 3−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3イルオキシ)−5−(3−クロロピリジン−2−イル)ベンゾニトリル
【0343】
【化126】

M.S.(ESI)m/z:340,342[M+H]
【0344】
(実施例IX.3)
エキソ 6−(3−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)−5−シアノフェニル)ニコチノニトリル
【0345】
【化127】

M.S.(ESI)m/z:331[M+H]
【0346】
(実施例IX.4)
エキソ 3−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)−5−(3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ベンゾニトリル
【0347】
【化128】

M.S.(ESI)m/z:374[M+H]
【0348】
(実施例IX.5)
エキソ 3−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イル)ベンゾニトリル
【0349】
【化129】

M.S.(ESI)m/z:306[M+H]
【0350】
(実施例IX.6)
エキソ 3−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)−5−(3,5−ジクロロピリジン−2−イル)ベンゾニトリル
【0351】
【化130】

M.S.(ESI)m/z:374,376,378[M+H]
【0352】
(実施例IX.7)
エキソ 3−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)−5−(3−メトキシピリジン−2−イル)ベンゾニトリル
【0353】
【化131】

M.S.(ESI)m/z:336[M+H]
【0354】
(実施例IX.8)
エキソ N−(2−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)−5−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)アセトアミド
【0355】
【化132】

M.S.(ESI)m/z:363[M+H]
【0356】
(実施例IX.9)
エキソ 3−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)−5−シアノフェニル)ニコチノニトリル
【0357】
【化133】

M.S.(ESI)m/z:331[M+H]
【0358】
(実施例IX.10)
エキソ 3−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)−5−(ピリミジン−2−イル)ベンゾニトリル
【0359】
【化134】

M.S.(ESI)m/z:307[M+H]
【0360】
(実施例IX.11)
エキソ 3−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)−5−(ピリミジン−5−イル)ベンゾニトリル
【0361】
【化135】

M.S.(ESI)m/z:307[M+H]
【0362】
(実施例IX.12)
エキソ 3−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)−5−(イソキノリン−1−イル)ベンゾニトリル
【0363】
【化136】

M.S.(ESI)m/z:356[M+H]
【0364】
手順X
(実施例X.1)
3−エキソ−(5−クロロ−6−フェノキシピリジン−2−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0365】
【化137】

【0366】
一般手順Iに従って調製したエキソ tert−ブチル 3−(5,6−ジクロロピリジン−2−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(150mg、0.4mmol)をDMA(0.5mL)に溶解し、DMA(0.5mL)中のフェノール(56mg、0.6mmol)および水素化ナトリウム(鉱油中60%、15mg、0.6mmol)の溶液に添加した。この反応物を、マイクロ波照射を用いて180℃に900秒間加熱した。水素化ナトリウム(鉱油中60%、10mg、0.4mmol)を添加し、マイクロ波照射を用いて反応物を180℃までさらに900秒間加熱した。1M NaOH水溶液(5mL)を添加することによって反応物を急冷させ、DCM(10mL)に抽出した。有機層をNaSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。次いで、この粗製物質をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製した。20:80 酢酸エチル:ヘプタンでの溶出で、エキソ tert−ブチル 3−(5−クロロ−6−フェノキシピリジン−2−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(77mg、0.18mmol、45%)を得た。
【0367】
エキソ tert−ブチル 3−(5−クロロ−6−フェノキシピリジン−2−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(77mg、0.18mmol)をDCM(2mL)およびTFA(1mL)に溶解し、周囲温度で1時間攪拌した。溶媒を真空中で除去し、この粗製物質を調製用LCMSによって精製して、3−エキソ−(5−クロロ−6−フェノキシピリジン−2−イルオキシ)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン(7.1mg、0.02mmol、9%)を得た。M.S.(ESI)m/z:331,333[M+H]
【0368】
以下を同様に調製した。
【0369】
(実施例X.2)
3−エキソ−(6−フェノキシピリジン−2−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
【0370】
【化138】

M.S.(ESI)m/z:297[M+H]
【0371】
手順XI
モノアミン取込のアッセイ
ドーパミンおよびセロトニン取込の阻害のインビトロ試験を、ヒトドーパミントランスポータ(hDAT)もしくはヒトセロトニントランスポータ(hSERT)を発現するチャイニーズハムスター卵巣細胞において行った。ノルアドレナリン取込の阻害のインビトロ試験は、ヒトノルアドレナリントランスポータ(hNET)を発現するマディンダービーイヌ腎臓細胞(Madin Darby Canine Kidney Cells)(MDCK)において行った。
【0372】
簡潔に述べると、適切なヒトトランスポータを安定に過剰発現する細胞株を増殖させ、標準細胞培養技術に従って平板培養した。平板培養の後、1もしくは2日間、細胞を付着したままにした。試験および参照化合物の6点連続希釈(通常、1E−5Mから1E−10M)を調製して洗浄した細胞に添加し、ドーパミンもしくはセロトニントランスポータ過剰発現細胞については周囲温度で、ノルアドレナリン過剰発現細胞については37℃で、5分間温置した。次に、適切な神経伝達物質([H]−神経伝達物質および非標識神経伝達物質の混合物)最終濃度20nMを添加し、ドーパミンもしくはセロトニントランスポータ過剰発現細胞については周囲温度で3もしくは5分間、またはノルアドレナリン過剰発現細胞については37℃で10分間、細胞を温置した。アッセイの終了後、Microscint−20を細胞に直接添加し、細胞によって取り込まれた放射能の量をシンチレーションカウンティングによって見積もった。
【0373】
モノアミン取込の阻害を示すpEC50値を、標準カーブフィッティング技術を用いて算出した。
【0374】
表1は本発明の代表的な化合物の効力を示す。
【0375】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体
【化1】

(式中、
はHもしくはC1−5アルキルであり;
YはO、SもしくはO(CHであり;
mは1もしくは2であり;
nは0もしくは1であり;
Arはフェニレンもしくはピリジレンであり、前記フェニレンおよびピリジレンはOに対して、およびnが1であるときにはYと、nが0であるときにはArと1,3−連結し、前記フェニレンもしくはピリジレンは、ハロゲン、C1−5アルキル、C1−5アルコキシ、C3−6シクロアルキル、C2−5アルケニル、C2−5アルキニル、フェニル、CNおよびヒドロキシから独立に選択される1つもしくは2つの置換基で場合により置換され、前記C1−5アルキルおよびC1−5アルコキシは、1から3個のハロゲンで場合により置換され、前記ヒドロキシの酸素は、Arに場合により結合して5員環を形成し;
Arはフェニルもしくは5から6員へテロアリールであり、前記フェニルもしくは5から6員へテロアリールは、ハロゲン、C1−5アルキル、C1−5アルコキシ、CN、CONR、CO、NHCORおよびヒドロキシから独立に選択される1から3の置換基で場合により置換され、前記C1−5アルキルおよびC1−5アルコキシは、1から3個のハロゲンで場合により置換され、前記ヒドロキシの酸素は、Arに場合により結合して5員環を形成し;
からRは、独立に、HもしくはC1−5アルキルであり、並びに
はC1−5アルキルである。)
またはこれらの医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項2】
がHもしくはメチルである、請求項1に記載の8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体。
【請求項3】
nが0である請求項1から2のいずれか一項に記載の8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体。
【請求項4】
Yが0であり、およびnが1である、請求項1から2のいずれか一項に記載の8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体。
【請求項5】
Arが、クロロ、フルオロ、メチル、メトキシもしくはCNから選択される1から2の置換基で場合により置換される、フェニルもしくはピリジルである、請求項1から4のいずれか一項に記載の8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体。
【請求項6】
Arが、クロロ、フルオロ、メチル、メトキシ、CNもしくはCFから選択される1から2の置換基で場合により置換される、フェニルもしくはピリジルである、請求項1から5のいずれか一項に記載の8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体。
【請求項7】
以下から選択される8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体
3−エキソ−(5−クロロビフェニル−3−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン;
エキソ 5−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)ビフェニル−3−カルボニトリル;
エキソ 3−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)−5−フェノキシベンゾニトリル;
3−エキソ−(4’−メトキシビフェニル−3−イルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン;
エキソ 3’−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)ビフェニル−4−カルボニトリル;
3−エキソ−(3−ピリジン−4−イルフェノキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン;
エキソ 2−{6−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)−4−クロロピリジン−2−イル}ベンゾニトリル;
エキソ 2−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)−6−(2−シアノフェニル)イソニコチノニトリル;
エキソ 3−[(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル)オキシ]−5−(3−クロロピリジン−2−イル)ベンゾニトリル;
エキソ 3−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)−5−シアノフェニル)ニコチノニトリル;
エキソ 3−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)−5−(3−フルオロピリジン−2−イル)ベンゾニトリル;
エキソ 3’−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)ビフェニル−2−カルボニトリル;
エキソ 2−[6−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルオキシ)ピリジン−2−イル]ベンゾニトリル;
3’−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−エキソ−イルオキシ)−2’−フルオロビフェニル−4−カルボニトリルおよび
2−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−エキソ−イルオキシ)−6−フェニルイソニコチノニトリル
またはこれらの医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項8】
治療において用いるための請求項1から7のいずれか一項に記載の8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体。
【請求項9】
請求項1から7のいずれか一項に記載の8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体を1以上の医薬的に許容される助剤と混合された状態で含む医薬組成物。
【請求項10】
神経系におけるモノアミン神経伝達物質再取込に応答性である疾患もしくは障害を治療もしくは予防するための医薬の製造への、請求項1から7のいずれか一項に記載の8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体の使用。
【請求項11】
医薬がうつ病もしくは疼痛の治療もしくは予防のためのものである、請求項10に記載の使用。

【公表番号】特表2009−517442(P2009−517442A)
【公表日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−542750(P2008−542750)
【出願日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【国際出願番号】PCT/EP2006/069047
【国際公開番号】WO2007/063071
【国際公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【出願人】(398057282)ナームローゼ・フエンノートチヤツプ・オルガノン (93)
【Fターム(参考)】