説明

モーションセンサ

【課題】複数のモーションの誤検出を抑制し、かつ、使用状態やオフセットに起因する誤差を低減したモーションセンサを提供すること。
【解決手段】加速度を検出して加速度信号を出力する加速度センサ1と、加速度信号に基づいてモーション判定を行う演算処理部2と、演算処理部2の判定結果に応じて、被制御機器5の制御信号を出力する制御信号出力部3とを備える。演算処理部2は、加速度信号に基づいて静止判定を行う静止判定部21と、静止判定部21が静止していないと判定した場合に、加速度信号から基準オフセットを除去して、運動加速度信号を出力する基準オフセット除去部23と、基準オフセット除去部23が出力する運動加速度信号の正ピーク及び負ピークを検出するピーク検出部24と、正ピーク及び負ピークの検出結果からピーク対を検出するピーク対検出部25と、ピーク対に基づいてモーションの判定を行うモーション判定部27とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モーションセンサに関し、より詳細には、加速度センサを備え、複数のモーションを検出可能なモーションセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、加速度センサや地磁気センサ、角速度センサなどのセンサを携帯機器に組み込むことが盛んに行われている。加速度センサを携帯機器に組み込むことで実現が期待される機能としては、重力加速度による信号から携帯機器が保持されている姿勢を判別する機能、ユーザの動作により発生する運動加速度を用いたユーザーインターフェースとしての機能、過度の加速度信号の発生を検知することによる事故検出機能、歩行の振動による加速度から歩数を計測する歩数計機能等の様々なものが考えられる。特に、ユーザーインターフェースとしての機能は、小型化・多機能化が進む携帯機器等において、キー操作による入力に続く利便性・応用性の高い機能として期待されている。
【0003】
特許文献1には、加速度信号の差分ベクトルを元にしたパターンマッチングを行うことによりユーザの動作パターンを検出するという技術が開示されている。特許文献2には、加速度センサを用いた携帯電話において、ボタンによる操作を行う事なく端末画面のバックライトを点灯させたり、キー操作入力部のLEDを点灯させたりする技術が開示されている。特許文献3には、加速度センサを搭載した携帯機器において、ユーザが携帯機器を使用しているときの振動等による誤差を抑える技術が開示されている。非特許文献1には、3軸加速度センサの成分ごとの加速度信号を用いて別々にタッピング(指先等で軽く叩く動作)を検出する技術が開示されている。より詳細には、ある軸に関して加速度の値が閾値を超え、所定の時間内に再び閾値以下となるような加速度信号を得た場合にタッピングを検出したとして出力を行うというものである。
【0004】
【特許文献1】特開平7−28591号公報
【特許文献2】特開2003−163742号公報
【特許文献3】特開2005−286809号公報
【非特許文献1】STMicroelectronics N.V., “AN2529 LIS302DL 3-axis digital MEMS accelerometer translates finger taps into actions,” 2008
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、非特許文献1に記載されているような従来の技術では、複数のモーションを検出可能なモーションセンサにおいてそれら複数のモーションの誤検出が生じるという問題があった。たとえば非特許文献1に記載の技術では、図1に示すような手首を中心に携帯機器200を振る動きをトリガとしたい場合、モーションセンサ100が備える加速度センサの出力が円周方向および半径方向のどちらも検出の基準値を満たしてしまい(図2参照)、モーションを正しく検出できない。
【0006】
また、特許文献1に記載の技術では、パターンマッチングを行うためのテーブル等を検出したいモーションの数だけ予め用意する必要があり、パターンマッチング自体も比較的複雑な演算を要するが、小型化や省電力化が重要である携帯機器等でモーションセンシングを行う場合はより簡易な構成でモーションを検出できるほうが望ましい。加えて、携帯電話等のユーザ層は広く低年齢者から高齢者までにわたるため、複雑な動作を複数使い分けることは必ずしもすべてのユーザにとって容易ではなく、より単純な動作の組み合わせにより動作を区別できることが望ましい。
【0007】
また、誤検出の問題の他に、モーションセンサの使用時の体勢に依存する加速度センサに対する重力加速度の方向と、ユーザのモーションによる運動加速度の方向との関係によりモーションの検出感度が異なるという問題がある。さらに、加速度センサは一般に温度変化によりセンサオフセットが変動することが知られており、このセンサオフセット変動も、重力加速度の問題と同様にユーザによるモーションの検出感度へ影響を与える。モーションセンサが正常に動作するためには、これらに起因する誤差を低減することが必要である。
【0008】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、加速度センサを備え、複数のモーションを検出可能なモーションセンサにおいて、(1)複数のモーションの誤検出を抑制し、かつ(2)モーションセンサの使用時の体勢、及びモーションセンサが備える加速度センサのオフセットに起因する誤差を低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、複数のモーションを検出可能なモーションセンサにおいて、加速度を検出して加速度信号を出力する加速度センサと、前記加速度信号に基づいてモーションの判定を行う演算処理部と、前記演算処理部による前記判定の結果に応じて、被制御機器を制御するための制御信号を出力する制御信号出力部とを備え、前記演算処理部は、前記加速度信号に基づいて静止判定を行う静止判定部と、前記静止判定部が静止していないと判定した場合に、前記加速度信号から基準オフセットを除去して、運動加速度信号を出力する基準オフセット除去部と、基準オフセット除去部が出力する前記運動加速度信号の正ピーク及び負ピークを検出するピーク検出部と、前記正ピーク及び前記負ピークの検出結果から、前記正ピーク及び前記負ピークの対であるピーク対を検出するピーク対検出部と、前記ピーク対に基づいてモーションの判定を行うモーション判定部とを備えることを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記演算処理部が、前記静止判定部が静止していると判定した場合に、前記基準オフセットを更新する基準オフセット更新部をさらに備えることを特徴とする。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2において、前記静止判定部における前記静止判定に用いる第1の加速度閾値と、前記ピーク検出部における前記正ピーク及び前記負ピークの検出にそれぞれ用いる第2および第3の加速度閾値とを記憶した記憶部をさらに備えることを特徴とする。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、前記静止判定部における前記静止判定に用いる第1の期間と、ピーク対検出部における前記ピーク対の検出に用いる第2及び第3の期間とを記憶した記憶部をさらに備え、前記ピーク対をなす前記正ピーク及び前記負ピークは、ともに前記第2の期間内に含まれ、前記ピーク対が検出された後の前記第3の期間内は、新たなピーク対の検出を行わないことを特徴とする。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、前記演算処理部が、前記ピーク対を検出した回数であるピーク対数をカウントするピーク対数カウントアップ部をさらに備えることを特徴とする。
【0014】
また、請求項6に記載の発明は、請求項5において、前記ピーク対数カウントアップ部における前記ピーク対数のカウントに用いる第4の期間を記憶した記憶部をさらに備え、前記ピーク対数のカウントアップが開始されてから前記第4の期間が経過した場合に前記ピーク対数をリセットすることを特徴とする。
【0015】
また、請求項7に記載の発明は、請求項5において、前記ピーク対数カウントアップ部における前記ピーク対数のカウントに用いる第4の期間を記憶した記憶部をさらに備え、前記ピーク対数のカウントアップが停止してから前記第4の期間が経過した場合に前記ピーク対数をリセットすることを特徴とする。
【0016】
また、請求項8に記載の発明は、請求項5乃至7のいずれかにおいて、前記モーション判定部が、前記ピーク対数を用いてモーションの判定を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ピーク対に基づいてモーションの判定を行うため、従来生じていた複数のモーションの誤検出を複雑なパターンマッチングを用いることなく抑制することができ、またピーク対の検出前に基準オフセットを除去することによりモーションセンサの使用状態やオフセットに起因する誤差を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0019】
図3は、本発明に係るモーションセンサの構成を示す図である。モーションセンサ300は、加速度を検出して加速度信号を出力する加速度センサ1と、加速度信号に基づいてモーションの判定を行う演算処理部2と、演算処理部2による判定結果に応じて、被制御機器5を制御するための制御信号を出力する制御信号出力部3とを備える。演算処理部2は、加速度信号に基づいて静止判定を行う静止判定部21と、静止判定部21が静止していないと判定した場合に、加速度信号から基準オフセットを除去して、運動加速度信号を出力する基準オフセット除去部23と、基準オフセット除去部23が出力する運動加速度信号の正ピーク及び負ピークを検出するピーク検出部24と、正ピーク及び負ピークの検出結果から、正ピーク及び負ピークの対であるピーク対を検出するピーク対検出部25と、ピーク対に基づいてモーションの判定を行うモーション判定部27とを備える。ここで「基準オフセット」とは、モーションセンサ300の静止状態における加速度センサ1の出力信号のことをいう。
【0020】
ピーク対を検出した回数であるピーク対数をカウントするピーク対数カウントアップ部26をさらに備え、ピーク対数を用いてモーション判定部27によりモーションの判定を行うこともできる。また、演算処理部2は、静止判定部21が静止していると判定した場合に、基準オフセットを更新する基準オフセット更新部22をさらに備えてもよい。演算処理部2および制御信号出力部3は、デジタル回路で実装してもアナログ回路で実装してもよい。被制御機器5としては、携帯電話等の携帯機器が挙げられる。
【0021】
ここで、図4のフローチャートを参照して、本発明に係るモーションセンサの動作を説明する。図5は、例として、図1に示される動作を2度続けて行った場合に得られる信号のうち、特にz軸成分を示している。
【0022】
まず、加速度センサ1により加速度信号Aを検出する(ステップS11、図5-Az)。一般的に加速度信号Aには、検出信号として取り出したいユーザの動作に伴う運動加速度信号αの他に、温度変化や加速度センサ1の携帯機器への実装時の応力変化等に伴うセンサオフセットと、重力加速度信号が含まれている。
【0023】
続いて、静止判定部21において加速度信号Aに基づいて静止判定を行う(ステップS21)。静止判定の具体的な方法としては、静止判定を行う直近の期間T1(「第1の期間」に対応)の間に得られた加速度信号Aの絶対値の最大値|A|maxと最小値|A|minとの差が静止判定のための加速度閾値TH1(「第1の加速度閾値」に対応)以下となった場合に静止であると判定する方法が簡便である。
【0024】
ステップS21において静止していると判定された場合は、基準オフセット更新部22において基準オフセットBOの更新を行う(ステップS22、図5-BOz)。基準オフセットBOとしては、静止と判定された時の加速度信号Aの値をそのまま用いても良いし、静止判定の期間T1に含まれる複数の加速度信号Aの平均値を用いても良い。このように静止と判定された際の加速度信号Aを基準オフセットBOとして設定することで、後述のステップS23の処理により、煩雑な操作や演算を必要とすることなくセンサオフセットや重力加速度信号を取り除くことが可能となる。
【0025】
ステップS21において静止していないと判定された場合には、まず基準オフセット除去部23において基準オフセットBOの除去を行い、ユーザの動作による運動加速度信号αを得る(ステップS23、図5-αz)。基準オフセットBOを除去する最も簡易な方法としては、加速度信号Aから単純に基準オフセットBOを減算する方法が考えられる。また、加速度信号Aに含まれるノイズを減少させるためには、加速度信号Aの平均値または加速度信号Aにローパスフィルタ又はバンドパスフィルタをかけた信号から基準オフセットBOを減算して運動加速度信号αを得るという方法も有効である。
【0026】
続いてピーク検出部24において、ステップS23で得られた運動加速度信号αに対し、正ピーク及び負ピークの検出を行う(ステップS24、図5-PPz、NPz)。正ピークの検出方法としては、ステップS23で得られた運動加速度信号αが加速度閾値TH2(「第2の加速度閾値」に対応)を超えた際に正ピークが検出されたとして一定の期間T2(「第2の期間」に対応)の間、正ピーク信号PPをONとする方法が考えられる。また、負ピークの検出も同様にして、ステップS23で得られた運動加速度信号αが加速度閾値TH3(「第3の加速度閾値」に対応)を下回った際に負ピークが検出されたとして一定の期間T2の間、負ピーク信号NPをONとすることで実現できる。これらのピークの検出は、運動加速度信号αの成分ごとに判定することで、被制御機器が振られた方向により別々に判定を行うことが可能である。また、ピークの検出において判定に用いる加速度閾値TH2及びTH3も運動加速度信号αと同様にx,y,zの3成分からなるものとみなして成分ごとに異なる値を持たせ、被制御機器が振られる方向により検出感度を変えることも可能である。
【0027】
続いてピーク対検出部25において、ステップS24で得られた正ピーク及び負ピークの検出結果から、正ピークと負ピークの対をもってピーク対CLの検出を行う(ステップS25、図5-CLz)。ただし、ピーク対CLの検出において正ピークと負ピークの検出される時間的な順序は問わず、何れかのピーク信号がONである期間内に逆符号のピークが検出された場合にピーク対CLが検出されたと判定する。この際、ピーク対CLが検出された直後に、チャタリング等により再び意図しないピーク対CLが検出されてしまうのを防止するために、一度ピーク対CLが検出された後一定の期間T3(「第3の期間」に対応)の間は、ピーク対CLが検出された軸において次のピーク対CLを検出しないとする。
【0028】
続いてステップS25で得られたピーク対CLの検出結果から、ピーク対数カウントアップ部26においてピーク対数CNのカウントアップを行う(ステップS26、図5-CNz)。ステップS26では、ピーク対CLが検出される毎にピーク対数CNをカウントアップし最後にカウントアップが行われた時点より、一定の期間T4(「第4の期間」に対応)が経過しても次のピーク対CLの検出が行われなければピーク対数CNのリセットを行う。ピーク対数のカウントアップが停止してから一定の期間T4が経過した場合にピーク対数をリセットしてもよい。
【0029】
モーション判定部27では、ユーザにより入力されたモーションを判定する(ステップS27)。ステップS27のモーションの判定は、ピーク対数CNの状態がユーザの動作として検出したいモーションと合致しているかにより行うことができる。例えば、Z軸方向に2度振る動作を検出したい場合、記憶部4に所望のモーションの設定値SCNとしてSCN=(SCNx,SCNy,SCNz)=(0,0,2)と設定しておき、ステップS26で得られたピーク対数CNがCN=SCNとなった場合にモーション有りと判定をする。なお、ピーク対数カウントアップ部26を設けない場合は、ピーク対を検出した場合にモーション有りと判定すればよい。
【0030】
制御信号出力部3では、演算処理部2より得られた演算処理結果に基づき信号を出力する(ステップS31)。信号の出力方法としては、ステップS27においてモーション有りと判定された場合のみインタラプト信号を出力する方法や、モーションの有無に係らず信号を出力するステップへ到達する毎にその結果を出力するようにする方法が考えられる。また、複数の種類のモーションを検出する場合には、モーション毎に異なる信号を出力するといった方法であっても良い。
【0031】
なお、静止判定部21における静止判定に用いる第1の加速度閾値、ピーク検出部24における正ピーク及び負ピークの検出にそれぞれ用いる第2および第3の加速度閾値、静止判定部21における静止判定に用いる第1の期間、ピーク対検出部25におけるピーク対の検出に用いる第2及び第3の期間、ピーク対数カウントアップ部26におけるピーク対数のカウントに用いる第4の期間は、記憶部4に記憶することができる。
【0032】
記憶部4に記憶されている各種設定値を変更することで、ユーザによる様々な動作を検出することが可能である。本発明に係るモーションセンサのその他の実施形態における各種設定値の代表的な設定例のリストを図7に示す。例えば静止判定部21における静止判定の方法として上述の説明では加速度信号Aの絶対値を用いたが、加速度信号Aの絶対値ではなく成分ごとに最大値最小値を用いて判定し、全ての軸が加速度閾値TH1以下の時に静止とする様にしても良い。この時、静止判定の判定期間T1を長くしたり加速度閾値TH1を小さく設定するとより厳しい条件の静止判定となり、逆に判定期間T1を短くしたり加速度閾値TH1を大きく設定すると緩い条件の静止判定とすることが可能である。また、例えば図6に示されるようなタッピングの動作は、図1に示されるような端末を振る動作と比較して、運動加速度信号αの振幅がより大きくなり正ピーク及び負ピークがより短い時間間隔で検出されると考えられるので、ピーク検出部24において正・負ピークの有効期間T2をより短い値とし、加速度閾値TH2及びTH3の絶対値をより大きな値とすることでタッピングの動作も検出が可能となる。
【0033】
また、ピーク対検出部25におけるピーク対CLの誤検出防止は、上述したように成分ごとに独立に行っても良いし、ある成分についてのピーク対CLが検出されたことをトリガに、全ての成分に共通でピーク対CLの誤検出防止期間T3を設けるよう設定しても構わない。また、その際にピーク対非検出期間T3をピーク対CLが検出された軸に対しては長めに、その他の軸ではピーク対CLが検出された軸よりも短めとなるような設定も誤検出防止には有効である。
【0034】
ピーク対数カウントアップ部26におけるピーク対数のカウントアップ方法としては、被制御機器5の状態(例えば、折りたたみ式携帯電話がオープン状態であるかクローズ状態であるか)と連動させてカウントアップ期間を規定するという方法も可能である。
【0035】
また、モーション判定部27におけるモーションの判定方法としては、上述した方法のほかにピーク対数CNの各成分(CNx,CNy,CNz)の和を判定の基準として用いる方法や、所望のモーションの設定値SCNをSCN=(*,2,*)のように設定し、Y軸方向以外のモーションが含まれているか否かに係らずY軸方向に2度振る動作が含まれていればモーション有りと判定するといった方法であっても良い。
【0036】
以上の説明では加速度検出部を3軸の加速度センサとしたが、1軸や2軸の3軸以外の加速度センサを用いても本発明を実施できることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】従来のモーションセンサを設けた携帯機器を説明するための図である。
【図2】図1の携帯機器を振る動作を行ったときに、振りの円周方向および半径方向にかかる加速度を示した波形図である。
【図3】本発明に係るモーションセンサの構成を示す図である。
【図4】本発明に係るモーションセンサの動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明に係るモーションセンサを設けた携帯機器に対して図1に示される動作を2度続けて行った場合に得られるz軸成分の信号を説明するための図である。
【図6】ユーザが端末をタップする動作を示した模式図である。
【図7】本発明に係るモーションセンサの各種設定値の代表的な設定例を示す表である。
【符号の説明】
【0038】
1 加速度センサ
2 演算処理部
3 制御信号出力部
4 記憶部
5 被制御機器
21 静止判定部
22 基準オフセット更新部
23 基準オフセット除去部
24 ピーク検出部
25 ピーク対検出部
26 ピーク対数カウントアップ部
27 モーション判定部
100 モーションセンサ
200 携帯機器(「被制御機器」に対応)
300 モーションセンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のモーションを検出可能なモーションセンサにおいて、
加速度を検出して加速度信号を出力する加速度センサと、
前記加速度信号に基づいてモーションの判定を行う演算処理部と、
前記演算処理部による前記判定の結果に応じて、被制御機器を制御するための制御信号を出力する制御信号出力部と
を備え、前記演算処理部は、
前記加速度信号に基づいて静止判定を行う静止判定部と、
前記静止判定部が静止していないと判定した場合に、前記加速度信号から基準オフセットを除去して、運動加速度信号を出力する基準オフセット除去部と、
基準オフセット除去部が出力する前記運動加速度信号の正ピーク及び負ピークを検出するピーク検出部と、
前記正ピーク及び前記負ピークの検出結果から、前記正ピーク及び前記負ピークの対であるピーク対を検出するピーク対検出部と、
前記ピーク対に基づいてモーションの判定を行うモーション判定部と
を備えることを特徴とするモーションセンサ。
【請求項2】
前記演算処理部は、前記静止判定部が静止していると判定した場合に、前記基準オフセットを更新する基準オフセット更新部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のモーションセンサ。
【請求項3】
前記静止判定部における前記静止判定に用いる第1の加速度閾値と、
前記ピーク検出部における前記正ピーク及び前記負ピークの検出にそれぞれ用いる第2および第3の加速度閾値と
を記憶した記憶部をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載のモーションセンサ。
【請求項4】
前記静止判定部における前記静止判定に用いる第1の期間と、
ピーク対検出部における前記ピーク対の検出に用いる第2及び第3の期間と
を記憶した記憶部をさらに備え、
前記ピーク対をなす前記正ピーク及び前記負ピークは、ともに前記第2の期間内に含まれ、
前記ピーク対が検出された後の前記第3の期間内は、新たなピーク対の検出を行わないことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のモーションセンサ。
【請求項5】
前記演算処理部は、前記ピーク対を検出した回数であるピーク対数をカウントするピーク対数カウントアップ部をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のモーションセンサ。
【請求項6】
前記ピーク対数カウントアップ部における前記ピーク対数のカウントに用いる第4の期間を記憶した記憶部をさらに備え、
前記ピーク対数のカウントアップが開始されてから前記第4の期間が経過した場合に前記ピーク対数をリセットすることを特徴とする請求項5に記載のモーションセンサ。
【請求項7】
前記ピーク対数カウントアップ部における前記ピーク対数のカウントに用いる第4の期間を記憶した記憶部をさらに備え、
前記ピーク対数のカウントアップが停止してから前記第4の期間が経過した場合に前記ピーク対数をリセットすることを特徴とする請求項5に記載のモーションセンサ。
【請求項8】
前記モーション判定部は、前記ピーク対数を用いてモーションの判定を行うことを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載のモーションセンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−9498(P2010−9498A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−171014(P2008−171014)
【出願日】平成20年6月30日(2008.6.30)
【出願人】(303046277)旭化成エレクトロニクス株式会社 (840)
【Fターム(参考)】