説明

モータロータ

【課題】高周速化に対応可能なモータロータを提供する。
【解決手段】本発明のモータロータ22は、モータ軸30と、モータ軸30を軸周りに囲む永久磁石31と、モータ軸30を軸周りに囲むとともに永久磁石32を軸方向両側から挟む一対のエンドリング32,32と、永久磁石31及び一対のエンドリング32に締り嵌めによって嵌合する中空円筒形のアウタースリーブ33とからなる。エンドリング33の縦弾性係数は永久磁石32の縦弾性係数よりも大きい。永久磁石32及び一対のエンドリング32に嵌合したアウタースリーブ33に作用する周方向応力が軸方向に均一化するように、アウタースリーブ33の厚さが軸方向の位置によって異なっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動機の高周速化に対応可能なモータロータに関し、特に電動過給機に搭載される電動機に好適なモータロータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の向上のために、内燃機関の排気ガスで駆動し吸気を圧縮して過給する過給機(「ターボチャージャ」とも称される。)が広く用いられている。また、過給機の回転軸と同軸上に電動機を組み込み、コンプレッサの回転駆動を加速補助することにより、加速応答性等を改善した過給機も用いられている。このような電動機による電動アシスト機能をもつ過給機を電動過給機という。
【0003】
この種の電動過給機の構成について簡単に説明すると、回転軸の両端にタービンインペラとコンプレッサインペラが連結されてなる過給機ロータが、ハウジング内に回転自在に支持されている。ハウジングには電動機が内蔵されている。回転軸の同軸上に電動機の回転子(モータロータ)が固定され、ハウジングの内部であって回転子の周囲に電動機の固定子(モータステータ)が配置されている。内燃機関からの排気ガスがタービンインペラに供給されると、タービンインペラが回転駆動され、タービンインペラに連結されたコンプレッサインペラが回転駆動されることにより、吸気を圧縮して内燃機関に供給する。またこのとき、電動機によってコンプレッサインペラの回転駆動が補助される。
【0004】
このような電動過給機のモータロータが、下記特許文献1に開示されている。図4は、特許文献1に開示された従来のモータロータを示す断面図である。このモータロータは、過給機のタービン軸50に挿着されたインナースリーブ51と、インナースリーブ51を軸周りに囲む永久磁石52と、永久磁石52を軸周りに囲む中空円筒形のアウタースリーブ53とからなる。アウタースリーブ53は、ロータの最高回転数において大きな遠心力が作用する状況でも、永久磁石52を十分に保持できるよう焼き嵌めによって嵌合している。
【0005】
電動過給機の製造工程においては、モータロータの組み立て後、回転バランス試験を実施して回転バランスを修正することが行なわれる。図4に示した従来のモータロータの場合、永久磁石52の端面の一部(図の符号Aで示す部分)を削ってバランス修正を行なっていた。しかし、永久磁石52を削ると、永久磁石の磁力が変化する。回転バランス修正量には個体差があるため、削られる量によって、永久磁石の磁力が製品ごとにまちまちになる。また、永久磁石52を削ることによって、クラックが入ったり、応力的に不均一になったりするために、強度が低下してしまう。
【0006】
このような問題に対処するため、図5に示すような従来の別のモータロータが提案されている。このモータロータは、タービン軸50に挿着されたインナースリーブ51と、インナースリーブ51を軸周りに囲む永久磁石52と、永久磁石52を軸方向両側から挟む1対のエンドリング54,54と、永久磁石52及び1対のエンドリング54,54を軸周りに囲む中空円筒形のアウタースリーブ53とからなる。アウタースリーブ53は、永久磁石52とエンドリング54,54に焼き嵌めによって嵌合している。
このような構造のモータロータでは、エンドリング54の一部(図の符号Bで示す部分)を削って回転バランス修正を行なう。この場合、永久磁石52を削らなくて済むので、磁力変化や強度低下が発生するという問題が生じない。
【0007】
【特許文献1】米国特許第6,085,527号明細書(図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図5において符号Lは、エンドリング54に作用する周方向応力の、軸方向における分布を示す曲線である。図5に示したモータロータにおいて、エンドリング54は、回転バランス修正の際に削られても十分な強度を維持できるような材料からなるため、エンドリング54の縦弾性係数は、永久磁石52の縦弾性係数よりも大きい。すなわち、永久磁石52は、エンドリング54よりも比較的柔らかく弾性変形しやすい。
このため、図5に示すように、アウタースリーブ53が永久磁石52及びエンドリング54に嵌合した状態では、アウタースリーブ53におけるエンドリング54に当たる部分の周方向応力が、永久磁石52に当たる部分のそれよりも大きくなる。したがって、アウタースリーブ53において、永久磁石52との嵌め合いが、エンドリング54との嵌め合いよりも相対的に弱くなる。近年の電動機は、さらなる高周速化が求められており、これに対応すべくアウタースリーブ53と永久磁石52及びエンドリング54との嵌め合いもより強力に設定する必要がある。
永久磁石に対して所望の締め付け力が得られるように、アウタースリーブ53の嵌め合いの強さを設定することは可能であるが、高周速化に対応させるべく嵌め合いを強くし過ぎると、アウタースリーブ53の両端部が塑性変形する恐れがある。このため、従来のモータロータでは、さらなる高周速化への対応が困難であるという問題があった。
【0009】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、高周速化に対応可能なモータロータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するため、本発明にかかるモータロータは、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかるモータロータは、モータ軸と、該モータ軸を軸周りに囲む永久磁石と、前記モータ軸を軸周りに囲むとともに前記永久磁石を軸方向両側から挟む一対のエンドリングと、前記永久磁石及び前記一対のエンドリングに締り嵌めによって嵌合する中空円筒形のアウタースリーブとからなり、前記エンドリングの縦弾性係数が前記永久磁石の縦弾性係数よりも大きいモータロータにおいて、前記永久磁石及び前記一対のエンドリングに嵌合した前記アウタースリーブに作用する周方向応力が軸方向に均一化するように、前記アウタースリーブの厚さが軸方向の位置によって異なる、ことを特徴とする。
【0011】
このように、永久磁石及び一対のエンドリングに嵌合したアウタースリーブに作用する周方向応力が軸方向に均一化するように、アウタースリーブの厚さが軸方向の位置によって異なるので、アウタースリーブに作用する周方向応力が均一化する。すなわち、アウタースリーブにおいて、永久磁石に当たる部分とエンドリングに当たる部分とで、周方向応力差が緩和される。このため、永久磁石に対して所望の締め付け力が得られるようにアウタースリーブの嵌め合いの強さを設定しても、エンドリングと接するアウタースリーブの両端部が塑性変形するという問題は生じない。したがって、本発明によれば電動機の高周速化に対応できるという優れた効果が得られる。
【0012】
また、前記アウタースリーブは、前記エンドリングに当たる部分の外径が前記永久磁石に当たる軸方向中央部分の外径よりも小さい、ことを特徴とする。
また、前記アウタースリーブの外径は、前記永久磁石側から前記エンドリング側に向って連続的または段階的に縮径する、ことを特徴とする。
【0013】
このようにアウタースリーブの形状を設定することにより、アウタースリーブに作用する周方向応力を軸方向に均一化することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、電動機の高周速化に対応できるという優れた効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態にかかるモータロータを有する電動機を備えた電動過給機の全体構成図である。この図において、電動過給機10は、タービン軸12、コンプレッサインペラ14、電動機21、およびハウジングを備える。ハウジングは、この例では、ベアリングハウジング16、タービンハウジング18、及びコンプレッサハウジング20からなる。
【0017】
タービン軸12は、タービンインペラ11を一端(図で左端)に有する。この例において、タービンインペラ11はタービン軸12に一体的に形成されているが、本発明はこれに限定されず、タービンインペラ11を別に取り付ける構成であってもよい。
【0018】
コンプレッサインペラ14は、タービン軸12の他端(図で右端)に軸端ナット15により一体で回転するように連結されている。
【0019】
ベアリングハウジング16は、タービン軸12のラジアル荷重を受けるジャーナル軸受17と、スラスト荷重を受けるスラスト軸受29を内蔵し、ジャーナル軸受17及びスラスト軸受29によりタービン軸12が回転自在に支持されている。さらに、ベアリングハウジング16は、ジャーナル軸受17及びスラスト軸受29を潤滑するための図示しない潤滑油流路を有している。
【0020】
タービンハウジング18は、タービンインペラ11を回転可能に囲み、かつベアリングハウジング16に連結されている。このタービンハウジング18は、内部に外部から排ガスが導入されるスクロール室18aと、スクロール室18aからタービンインペラ11まで排ガスを案内する環状に形成された流路18bを有する。
さらに、流路18bには、複数のノズル翼19が周方向に一定の間隔で配置されている。このノズル翼19は、可変ノズル翼であり、その間に形成される流路面積を変化できることが好ましいが、本発明はこれに限定されず固定ノズル翼であってもよい。また、流路18bにノズル翼19の無い形態であってもよい。
【0021】
コンプレッサハウジング20は、コンプレッサインペラ14を回転可能に囲み、かつベアリングハウジング16に連結されている。このコンプレッサハウジング20は、内部に圧縮空気が導入されるスクロール室20aと、コンプレッサインペラ14からスクロール室20aまで圧縮空気を案内する環状に形成されたディフューザ20bを有する。
【0022】
電動過給機は、モータロータ22およびモータステータ24を有する。モータロータ22は、電動機の回転子であり、モータステータ24は、電動機の固定子である。モータロータ22とモータステータ24によりブラシレスの交流電動機が構成される。
この交流電動機は、タービン軸12の高速回転(例えば少なくとも10〜20万rpm)に対応でき、かつ加速時の回転駆動と減速時の回生運転ができることが好ましい。またこの交流電動機の駆動電圧は、車両に搭載されたバッテリの直流電圧と同一あるいはそれより高いことが好ましい。
【0023】
上述のように構成された電動過給機では、エンジンからスクロール室18aにより排気ガスが導入されると、排気ガスによりタービンインペラ11が回転駆動される。すると、タービンインペラ11にタービン軸12を介して連結されたコンプレッサインペラ14が回転駆動され、コンプレッサインペラ14により吸気が圧縮されてエンジンに供給される。またこのとき、電動機21によってコンプレッサインペラ14の回転駆動が補助される。
【0024】
電動過給機10は、流路形成スリーブ26とシールプレート28を備える。流路形成スリーブ26は、モータステータ24の外周面及びベアリングハウジング16の内周面と密着し、ベアリングハウジング16との間に液密の水冷ジャケット26bを構成する。この水冷ジャケット26bには、図示しない冷却水供給口と冷却水排出口から冷却水が供給され排出される。ベアリングハウジング16と流路形成スリーブ26との間には、水冷ジャケット26bの内外を液密にシールするシール部材25a,25b(例えばOリング)が介装されている。
【0025】
シールプレート28は、ベアリングハウジング16とコンプレッサハウジング20の間に流路形成スリーブ26のフランジ部26aと共に軸方向に共締めされる。このシールプレート28は、コンプレッサハウジング20とモータステータ24との間を仕切り、かつ流路形成スリーブ26のコンプレッサ側に密着している。
【0026】
図2は、図1に示したモータロータ22の拡大図である。図2に示すように、本実施形態にかかるモータロータ22は、モータ軸30と、モータ軸30を軸周りに囲む永久磁石31と、モータ軸30を軸周りに囲むとともに永久磁石31を軸方向両側から挟む一対のエンドリング32,32と、永久磁石31及び一対のエンドリング32,32を軸周りに囲む中空円筒形のアウタースリーブ33と、からなる。
本実施形態では、モータ軸30は、タービン軸12に挿着された中空円筒形のインナースリーブであり、このモータ軸30の外周に中空円筒形の永久磁石31とエンドリング32が弱い締り嵌めで嵌合している。モータ軸30は、その軸方向両側から他の部材に挟まれてタービン軸12と一体になって回転する。
なお、モータ軸30は、タービン軸12に同軸状に連結された別の回転軸であってもよく、この場合、中空円筒形でなくてもよい。
【0027】
アウタースリーブ33及びエンドリング32は、非磁性体材料からなる。アウタースリーブ33は、モータロータ22の最高回転数において大きな遠心力が作用する状況でも、永久磁石31及びエンドリング32が空転しないよう、永久磁石31及びエンドリング32に対して十分な圧縮荷重を付与できる程度の強い締り嵌め(例えば焼き嵌め)により永久磁石31及びエンドリング32に嵌合している。アウタースリーブ33を焼き嵌めする前においては、永久磁石31の外径とエンドリング32の外径は同一である。
【0028】
図2において、エンドリング32の縦弾性係数は、永久磁石31の縦弾性係数よりも大きい。したがって、永久磁石31は、エンドリング32よりも比較的柔らかく弾性変形しやすい。図5に示した従来のモータロータでは、アウタースリーブ53の厚さ及び外径が軸方向の全長に渡って一定であったため、エンドリング54に当たる部分の周方向応力が、永久磁石52に当たる部分のそれよりも大きくなっていた。
【0029】
これに対し、本発明にかかるモータロータ22では、図2に示すように、永久磁石31及び一対のエンドリング32に嵌合したアウタースリーブ33に作用する周方向応力が軸方向に均一化するように、アウタースリーブ33の厚さが軸方向の位置によって異なっている。具体的には、アウタースリーブ33は、エンドリング32に当たる部分の外径D1が永久磁石31に当たる軸方向中央部分の外径D2よりも小さい。すなわち、このアウタースリーブ33は、大径部33aとこの大径部33aの両側に位置する小径部33bとからなる。
【0030】
図5に示した従来のモータロータにおけるアウタースリーブ53において、エンドリング54に当たる部分の周方向応力が永久磁石52に当たる部分の周方向応力と比較してどの程度大きくなるかは、永久磁石52及びエンドリング54の材質によって異なるが、ここでは例えば2〜3割程度であると想定する。本実施形態のモータロータ22における永久磁石31及びエンドリング32が、図5の永久磁石52及びエンドリング54と同じ材質であるとした場合、アウタースリーブ33におけるエンドリング32に当たる部分の厚さが、永久磁石31に当たる部分の厚さよりも2〜3割程度薄くなるように大径部33a及び小径部33bの外径を設定することにより、それぞれの部分における周方向応力差が緩和される。この結果、アウタースリーブ33に作用する周方向応力を軸方向に均一化することができる。
【0031】
ここでいう「均一化」とは、必ずしもアウタースリーブ33の周方向応力が軸方向に完全に均一になることのみを意味するものではなく、アウタースリーブ33において、永久磁石31に当たる部分とエンドリング32に当たる部分とで、周方向応力差が緩和されることをも含む。また、「緩和される」とは、図5に示した、軸方向の全長に渡って厚さ及び外径が一定のアウタースリーブ53の場合と比較して上記の周方向応力差が緩和され均一な方向に近づくという意味である。
【0032】
図5に示したモータロータのアウタースリーブ53では、エンドリング54の永久磁石52側の端面よりも永久磁石52側に若干寄った位置から周方向応力が大きくなっていたので、本実施形態におけるアウタースリーブ33の大径部33aから小径部33bへの移行位置(言い換えれば、大径部33aと小径部33bの境界部)は、エンドリング32の永久磁石31側の端面よりも永久磁石31側に若干寄った位置となっている。このように、大径部33aから小径部33bへの移行位置を適切な位置とすることで、周方向応力の均一性を高めることができる。
【0033】
上述した本実施形態によれば、永久磁石31及び一対のエンドリング32に嵌合したアウタースリーブ33に作用する周方向応力が軸方向に均一化するように、アウタースリーブ33の厚さが軸方向の位置によって異なるので、アウタースリーブ33に作用する周方向応力が均一化する。すなわち、アウタースリーブ33において、永久磁石31に当たる部分とエンドリング32に当たる部分とで、周方向応力差が緩和される。このため、永久磁石31に対して所望の締め付け力が得られるようにアウタースリーブ33の嵌め合いの強さを設定しても、エンドリング32と接するアウタースリーブ33の両端部が塑性変形するという問題は生じない。したがって、本発明によれば電動機の高周速化に対応できるという優れた効果が得られる。
【0034】
図3は、本発明の別の実施形態にかかるモータロータ22の構成を示す断面図である。図3において、図2と同一部分には同一符号を付している。
図2の実施形態では、アウタースリーブ33に小径部33bを形成して、エンドリング32に当たる部分の外径が永久磁石31に当たる軸方向中央部分の外径よりも小さくなる構成としたが、このような構成に代えて、アウタースリーブ33の外径が、永久磁石31側からエンドリング32側に向って連続的または段階的に縮径するように構成してもよい。このように連続的に縮径する構成として、図3の実施形態では、アウタースリーブ33の軸方向両側に向って外径が縮径するテーパ部33cを有するものとした。
図5に示したように、周方向応力はステップ状に変化する訳ではないので、本実施形態のようなテーパ部33cを形成することで、図2の小径部33bを形成した場合よりも高い均一化効果が得られる。
【0035】
上述したように、図5に示したモータロータのアウタースリーブ53では、エンドリング54の永久磁石52側の端面よりも永久磁石52側に若干寄った位置から応力が大きくなっていたので、本実施形態におけるアウタースリーブ33の縮径が開始する位置(言い換えれば、大径部33aとテーパ部33cの境界部)は、エンドリング32の永久磁石31側の端面よりも永久磁石31側に若干寄った位置となっている。このように、縮径開始位置を適切な位置とすることで、周方向応力の均一性を高めることができる。
【0036】
なお、図3の実施形態では、アウタースリーブ33の外径が連続的に縮径するものとして、テーパ部33cのように直線的に縮径する例を示したが、図5に示した周方向応力の変化により対応させるために、連続的に縮径する他の例として曲線的に縮径するものであってもよい。また、アウタースリーブの縮径は、連続的な縮径に限らず、段階的に縮径するものであってもよい。
【0037】
上記において、本発明の実施形態について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に限定されない。上述した実施形態では、本発明を電動過給機の電動機のモータロータに適用した例を説明したが、これに限られず、他の機器に用いられる電動機のモータロータにも同様に適用することができる。
本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施形態にかかるモータロータを有する電動機を備えた電動過給機の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態にかかるモータロータの構成を示す図である。
【図3】本発明の別の実施形態にかかるモータロータの構成を示す図である。
【図4】従来のモータロータの構成を示す図である。
【図5】従来の別のモータロータの構成を示す図である。
【符号の説明】
【0039】
10 電動過給機
21 電動機
22 モータロータ
30 モータ軸(インナースリーブ)
31 永久磁石
32 エンドリング
33 アウタースリーブ
33a 大径部
33b 小径部
33c テーパ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ軸と、該モータ軸を軸周りに囲む永久磁石と、前記モータ軸を軸周りに囲むとともに前記永久磁石を軸方向両側から挟む一対のエンドリングと、前記永久磁石及び前記一対のエンドリングに締り嵌めによって嵌合する中空円筒形のアウタースリーブとからなり、前記エンドリングの縦弾性係数が前記永久磁石の縦弾性係数よりも大きいモータロータにおいて、
前記永久磁石及び前記一対のエンドリングに嵌合した前記アウタースリーブに作用する周方向応力が軸方向に均一化するように、前記アウタースリーブの厚さが軸方向の位置によって異なる、ことを特徴とするモータロータ。
【請求項2】
前記アウタースリーブは、前記エンドリングに当たる部分の外径が前記永久磁石に当たる軸方向中央部分の外径よりも小さい、ことを特徴とする請求項1に記載のモータロータ。
【請求項3】
前記アウタースリーブの外径は、前記永久磁石側から前記エンドリング側に向って連続的または段階的に縮径する、ことを特徴とする請求項2に記載のモータロータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−336738(P2007−336738A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−167365(P2006−167365)
【出願日】平成18年6月16日(2006.6.16)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】