モータ駆動騒音低減装置およびモータ駆動騒音低減信号の作成方法
【課題】モータの各相巻線に方形波電流を流すと、電流に急激な変化に起因してトルクの変動が大きいので、モータの各相巻線に相切り替え時においても連続して変化する電流を流すが、各相同士が短絡して、本来電流を流さなくてはならないのに、電流が流れないという課題があった。
【解決手段】転流制御信号に基づいて前記電流増加用信号または電流減少用信号を選択出力する選択回路と、この選択回路で選択された電流増加用信号または電流減少用信号を前記スイッチング素子対の電源側スイッチング素子に供給する通電制御信号と合成する信号合成回路を備えたものである。
【解決手段】転流制御信号に基づいて前記電流増加用信号または電流減少用信号を選択出力する選択回路と、この選択回路で選択された電流増加用信号または電流減少用信号を前記スイッチング素子対の電源側スイッチング素子に供給する通電制御信号と合成する信号合成回路を備えたものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、スイッチング素子のON/OFF動作により、各相巻線に順次に電流を通電するモータに関するもので、特に各相巻線に対する通電切り替えに起因する駆動騒音の低減を図ったモータ駆動騒音低減装置およびモータ駆動騒音低減信号の作成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図22は3相ブラシレスモータ101の駆動回路の1例を示すもので、スイッチング素子としてのトランジスタQ1,Q2・Q3,Q4・Q5,Q6をそれぞれ電源と接地間に直列に接続し、トランジスタQ1,Q3,Q5の一端を電源供給端子に接続し、トランジスタQ2,Q4,Q6の一端を電流センス抵抗102を介して接地し、トランジスタQ1,Q2・Q3,Q4・Q5,Q6の各接続点P1,P2,P3に星型結線されたモータ101の各相巻線101U,101V,101Wの一端を接続している。
【0003】
図23は上記各トランジスタに供給印加する駆動信号発生回路を示すもので、104は不図示のパルス信号発生回路から出力された120゜通電制御信号LEU,LEV,LEW(以下、LEと称する)と180゜通電方向決定信号INU,INV,INW(以下、INと称する)を入力する入力端子、105はPWM波形信号を発生するPWM波形信号発生器、106は上記IN信号と上記PWM波形信号とを合成するPWM合成器、107は上記LE信号とPWM合成器106から出力されたIN信号を出力する出力端子であり、図24に示すLE信号およびPWM波形パターンのIN信号が出力される。この6種類の信号(通電制御信号LEU,LEV,LEWおよび通電方向決定信号INU,INV,INW)は、図31に示す意味を有する。
【0004】
図25は上記PWM波形パターンのIN信号をモータ駆動回路101の接地側トランジスタQ2、Q4、Q6(ローサイド)に印加するとともに、PWM波形パターンのLE信号を電源側トランジスタQ1、Q3、Q5(ハイサイド)に印加して、モータ101の各相巻線101U,101V,101Wに(a)〜(f)に示すように60゜ごとに順次電流を流して駆動する。なお、図24、図26において、com1からcom6は120゜通電時のタイミングで巻線101U,101V,101Wに流す電流の状態を表し、そのタイミングを図25に示す。この場合、各相巻線101U,101V,101Wには方形波電流が流れるため、急激なトルク変動が発生し、モータを振動させて騒音を発生することになる。この騒音は筐体の固有振動の整数倍で振動を起こし、可聴帯に発生する。
【0005】
このようにPWM駆動は、モータ101に印加する電圧をほぼ電源電圧と0Vの2通りで切り換え、そのデューティによりモータに流れる電流量を平均的にコントロールするもので、したがって、このPWM駆動の電流波形は方形電流波形となり、上記の騒音発生の原因となっている。
【0006】
そこで、図27に示すように、騒音低減波形信号発生器108からデューティ波形パターンの電流増加用信号および電流減少用信号を出力し、この電流増加用信号および電流減少用信号を、転流制御信号としてのCOMOUT信号に基づいてINC/DECセレクタ109で選択し、図28に示すPWM波形パターンのLE信号に信号合成器110で合成し、図29に示す信号をモータ駆動回路101のトランジスタQ1、Q3、Q5に印加し、各相巻線には図30に示すような電流を流すことにより、転流制御時における電流変化は連続的な変化となり、急激なトルク変化は生じない。このため、モータに振動として現れる騒音は低減される。
【0007】
ところが、図29に示すIN信号をトランジスタQ2、Q4、Qa6、LE信号をトランジスタQ1、Q3、Q5に単純に加えて、モータ巻線101U,101V,101Wに通電すると、同図に示すA〜Fの箇所はPWMのタイミングによって各相同士が短絡状態になることがある。
【0008】
図31は各相同土が短絡している状態を説明する図であり、ショートブレーキは図31のトランジスQ1,Q3,Q5が同時にON状態になるときである。タイミングはU相が電源側トランジスタQ1、Q3、Q5をONして、W相が電流をコントロールするため回生(トランジスタQ6がOFF,トランジスタQ5がON)しているとき、120゜通電タイミングより早くV相に電流を流すので、トランジスタQ3がONする。このとき電源側トランジスタQ1,Q3,Q5が同時にONをする。本来V相に電流を流さなくてはならないのに、接地側のトランジスタQ2、Q4、06がすべてOFFしているため、電流が流れない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のように従来のモータ駆動装置は、モータの各相巻線に方形波電流を流すため、電流の急激な変化に起因してトルクの変動が大きい。そこで、モータ101の各相巻線に相切り替え時においても連続して変化する電流を流すようにしたモータ駆動騒音低減装置は、電流の急激変化に起因した振動発生を低減することはできるが、各相同士が短絡して、本来電流を流さなくてはならないのに、電流を流すことができない。つまり駆動できないという課題があった。
【0010】
この発明は上記のような課題を解消するためになされたもので、振動発生を低減するとともに各相同土が短絡することのないモータ駆動騒音低減装置および大容量コンデンサ等を必要としないデジタル回路によって実行することのでき、コスト面、製品歩留まりにおいて優れたモータ駆動騒音低減信号の作成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明に係るモータ駆動騒音低減装置は、電源と接地間に2以上のスイッチング素子を直列に接続した複数のスイッチング素子回路と、その各スイッチング素子回路のスイッチング素子直列接続点に各相巻線の一端を接続したモータと、電流増加用信号と電流減少用信号を発生する騒音低減回路と、規定の電気角ごとに極性を変える転流制御信号に基づいて電流増加用信号または電流減少用信号を選択出力する選択回路と、この選択回路で選択された電流増加用信号または電流減少用信号をスイッチング素子対の電源側スイッチング素子に供給する通電制御信号と合成する信号合成回路と、電流制御値に基づいてPWM波形信号を出力するPWM波形信号発生器と、このPWM波形信号をスイッチング素子対の接地側スイッチング素子に供給する通電方向決定信号と合成するPWM合成器とを備えたものである。
【0012】
この発明に係るモータ駆動騒音低減装置における騒音低減回路は、電流制御値を格納している電流制御値出力回路と、電気角30゜の電流変化幅を格納しているバイアス時間カウンタと、電流制御値と電流変化幅から電流増幅率を求める演算回路と、電気角30゜毎に極性を反転させる転流制御信号とクロック信号および電流増幅率に基づいてデューティ管理値を発生する騒音低減デューティ増減タイミング信号発生器と、転流制御信号とクロック信号とデューティの増減信号および電流制御値に基づいて、電気角30゜の間で電流変化幅だけ連続的に電流を増加させる電流増加用信号と電気角30゜の間で電流変化幅だけ連続的に電流を減少させる電流減少用信号を発生する騒音低減波形信号発生器とを備えたものである。
【0013】
この発明に係るモータ駆動騒音低減装置は、モータの各相巻線の端子電圧と該各相巻線同士を接続した中点電圧とを比較して該モータの回転位置を検出する位置検出手段と、その位置検出手段からの検出信号に基づいて通電中のモータ巻線の通電幅を広める信号を出力するセンサレス駆動演算手段とを備えたものである。
【0014】
この発明に係るモータ駆動騒音低減信号の作成方法は、モータの回転速度に応じて決定される電流変化幅を電流制御値で除算して電流増加率を求め、基準クロックのカウント数が電流増加率に達するごとにデューティ管理値に1を加算し、基準クロックのカウント数がデューティ管理値に達するまでの間は基準クロックのカウント数が電流増加率の最大値に達したかを判断し、最大値に達した場合には、カウント値および電流減少率を0として電流減少用信号を作成し、基準クロックのカウント数がデューティ管理値に(電流制御値の上限値−電流制御値)を加算した値に達するまでの間は基準クロックのカウント数が電流増加率の最大値に達したかを判断し、最大値に達した場合には、カウント値および電流増加率を0として電流増加用信号を作成し、電源と接地間に直列に接続されたスイッチング素子の電源側スイッチング素子に供給する通電制御信号に電流増加用信号と電流減少用信号を加算するものである。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、この発明によれば、係るモータ駆動騒音低減装置は、電源と接地間に直列に接続され、その直列接続点にモータの各相の巻線の一端を接続した複数のスイッチング素子対と、電流増加用信号と電流減少用信号を発生騒音低減回路と、規定の電気角ごとに極性を変える転流制御信号に基づいて電流増加用信号または電流減少用信号を選択出力する選択回路と、この選択回路で選択された電流増加用信号または電流減少用信号をスイッチング素子対の電源側スイッチング素子に供給する通電制御信号と合成する信号合成回路と、電流制御値に基づいてPWM波形信号を出力するPWM波形信号発生器と、このPWM波形信号をスイッチング素子対の接地側スイッチング素子に供給する通電方向決定信号と合成するPWM合成器とを備えるように構成したので、電流は相切り替え時においても連続的に変化するため、トルク変動が少なく、振動発生を低減することができるとともに、各相同土が短絡することもない等の効果がある。
【0016】
この発明によれば、騒音低減回路は、電流制御値を格納している電流制御値出力回路と、電気角30゜の電流変化幅を格納しているバイアス時間カウンタと、電流制御値と電流変化幅から電流増幅率を求める演算回路と、電気角30゜毎に極性を反転させる転流制御信号とクロック信号および電流増幅率に基づいてデューティ管理値を発生する騒音低減デューティ増減タイミング信号発生器と、転流制御信号とクロック信号とデューティの増減信号および電流制御値に基づいて、電気角30゜の間で電流変化幅だけ連続的に電流を増加させる電流増加用信号と電気角30゜の間で電流変化幅だけ連続的に電流を減少させる電流減少用信号を発生する騒音低減波形信号発生器とを備えるように構成したので、全てデジタル回路による簡単な構成によって、精度のよい電流増加用信号および電流減少用信号を得ることができるという効果がある。
【0017】
この発明によれば、モータの各相巻線の端子電圧と該各相巻線同士を接続した中点電圧とを比較して該モータの回転位置を検出する位置検出手段と、その位置検出手段からの検出信号に基づいて通電中のモータ巻線の通電幅を広める信号を出力するセンサレス駆動演算手段とを備えるように構成したので、ホールセンサレス・ブラシレスモータ1であっても、転流制御信号の立ち下がり近傍、つまりロータ位置検出近傍において大きな電流を流すことにより、モータを低速回転させることができるという効果がある。
【0018】
この発明によれば、モータの回転速度に応じて決定される電流変化幅を電流制御値で除算して電流増加率を求め、基準クロックのカウント数が電流増加率に達するごとにデューティ管理値に1を加算し、基準クロックのカウント数がデューティ管理値に達するまでの間は基準クロックのカウント数が電流増加率の最大値に達したかを判断し、最大値に達した場合には、カウント値および電流減少率を0として電流減少用信号を作成し、基準クロックのカウント数がデューティ管理値に(電流制御値の上限値−電流制御値)を加算した値に達するまでの間は基準クロックのカウント数が電流増加率の最大値に達したかを判断し、最大値に達した場合には、カウント値および電流増加率を0として電流増加用信号を作成し、電源と接地間に直列に接続されたスイッチング素子の電源側スイッチング素子に供給する通電制御信号に電流増加用信号と電流減少用信号を加算するように構成したので、モータのステータ数に依存することなく、モータの回転数、電流制御値に合わせて騒音低減波形信号を、四則演算器、比較器のみで構成されているデジタル回路によって、大容量コンデンサなどを必要としない安価な構成でモータ駆動騒音低減信号を得ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明の駆動騒音低減装置を備えたセンサレモータドライバのシステム全体の構成を示すブロック図である。
【図2】騒音低減回路およびその周辺の構成を示すブロック図である。
【図3】騒音低減制御波形合成前の波形図である。
【図4】騒音低減制御波形合成後の波形図である。
【図5】騒音低減波形信号発生器と周辺波形の関係図である。
【図6】騒音低減波形信号発生器の構成を示すブロック図である。
【図7】騒音低減波形を作成するためのアルゴニズムを説明するフローチャートである。
【図8】図7のアルゴニズムにより求めた値を元にデューティ管理値fの値を求めるアルゴニズムを説明するフローチャートである。
【図9】電流増加波形作成のアルゴニズムを説明するフローチャートである。
【図10】電流減少波形作成のアルゴニズムを説明するフローチャートである。
【図11】PWMデューティ50%のIN信号制御波形に対する電流波形とPWMデューティ50%から0%に変化させるLE信号制御波形に対する電流波形との関係図である。
【図12】PWMデューティ0%から50%に変化するLE信号制御波形に対する電流波形とPWMデューティ50%のIN信号制御波形に対する電流波形との関係図である。
【図13】PWMデューティ80%のIN信号制御波形に対する電流波形とPWMデューティ80%から0%に変化させるLE信号制御波形に対する電流波形との関係図である。
【図14】PWMデューティ0%から80%に変化するLE信号制御波形に対する電流波形とPWMデューティ80%のIN信号制御波形に対する電流波形との関係図である。
【図15】モータに供給する騒音低減制御信号の波形図である。
【図16】モータ巻線に流れる騒音低減電流波形の波形図である。
【図17】ホールセンサ付きモータの概要図である。
【図18】ホールセンサレスモータの概要図である。
【図19】低回転制御対策前の信号波形図である。
【図20】低回転制御対策後の信号波形図である。
【図21】低回転制御対策後の信号波形の一部の拡大図である。
【図22】3相ブラシレスモータの駆動回路図である。
【図23】3相ブラシレスモータの駆動信号発生回路のブロック図である。
【図24】3相ブラシレスモータに供給する120゜通電制御信号の波形図である。
【図25】3相ブラシレスモータの各相の巻線に電気角60゜ごとに通電が切り替わる状態を示す説明図である。
【図26】3相ブラシレスモータに流れる120゜通電電流の波形図である。
【図27】3相ブラシレスモータの駆動騒音低減信号発生回路のブロック図である。
【図28】従来の騒音低減信号をLE信号に合成する前のPWM波形パターン図である。
【図29】従来の駆動騒音低減回路からの騒音低減信号をLE信号に加えた波形図である。
【図30】3相ブラシレスモータに流れる電流波形図である。
【図31】3相ブラシレスモータに生じるブレーキ現象の説明図である。
【図32】LE信号,IN信号に対する各相のスイッチング素子の動作状態を示す関係図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1のモータ駆動騒音低減装置を示す全体の構成図であり、1はホールセンサを用いることなくロータ位置検出を行うホールセンサレスモータ(以下、モータと称する)、2はモータ1の中点配線に対して各相の電位が高いか低いかでロータ位置検出を行う位置検出コンパレータ、3は位置検出マスク回路、4はセンサレス駆動演算回路、5は騒音低減回路、6はセンサレス駆動演算回路4の出力と騒音低減回路5の出力を合成する信号合成回路、7は信号合成回路6の出力を入力とし、トランジスタQ1,Q2・Q3,Q4・Q5,Q6に駆動信号を出力する出力トランジスタ制御回路である。なお、上記位置検出マスク回路3およびセンサレス駆動演算回路4は、位置検出コンパレータ2から出力された位置検出信号を受けて、モータ1を駆動するための基本波形信号としての通電制御信号LEU,LEV,LEW(以下、LEと称する)と通電方向決定信号INU,INV,INW(以下、INと称する)発生させる。
【0021】
図2は上記騒音低減回路5と信号合成回路6の部分の詳細を示すもので、11は電流制御値MCを格納している電流制御値出力回路、12は電流制御値出力回路11から出力された電流制御値MCに基づいてメイン電流を決めるPWM波形信号を出力するPWM波形信号発生器、13は電気角30゜の時間を基本周期でカウントした値を格納しているバイアス時間カウンタ、14は電流制御値出力回路11から出力された電流制御値MCとバイアス時間カウンタ13の出力値、つまり電流変化幅aの割り算を演算する割り算器、15は割り算器14の出力である電流増幅率cと転流制御信号としてのCOMOUT信号およびクロック信号を入力し、騒音低減波形デューティの増減を行うタイミング信号を発生される騒音低減波形デューティ増減タイミング信号発生器(以下、タイミング信号発生器と称する)、16は電流制御値出力回路11の出力である電流制御値MCとタイミング信号とCOMOUT信号およびクロック信号を入力し、一定周期でパルス幅のかわる電流増加用信号INC(以下、INC信号と称する)と電流減少用信号DEC(以下、DEC信号と称する)を生成出力する騒音低減波形信号発生器である。この場合、電流減少用信号DECには電流制御量の情報を与える必要があるが、電流増加用信号INCは0%より増加させるため、電流制御量の情報を与える必要がない。
【0022】
17はCOMOUT信号に基づいてINC信号と、DEC信号を選択出力するセレクタ、18は前記センサレス駆動演算回路4で作成された図3に示す騒音低減制御波形合成前の波形信号を入力する入力端子、19はLE信号とセレクタ17で選択されてINC信号またはDEC信号を合成する信号合成回路,20はIN信号とPWM波形信号発生器12からのPWM波形を合成するPWM合成器、21は図4に示す騒音低減制御波形合成後の波形信号を出力する出力端子である。
【0023】
図5は騒音低減波形信号発生器16とその周辺の信号波形の関係図であり、22はCOMOUT信号、23はクロック信号、24は電気角30゜内に12個のデューティ管理値fとして出力されるタイミング信号、25は電流制御値、26はINC信号、27はDEC信号である。
【0024】
図6は騒音低減波形信号発生器16を示す構成図であり、28はカウント値Bを格納し、電気角30゜の間に等間隔に入力されるパルスを教えるカウンタ、29は0〜電流制御値の上限値rまでのカウントを操り返すカウンタであり、途中のカウント値、つまり電流制御値MCをAとして格納し、電流制御値の上限値rまでカウントするたびに“L”出力を行うカウンタであり、実際回路ではカウンタ28,29は1つのカウンタで実現する。30はカウント値を比較する比較器であり、カウンタ29のカウント値A=r−MC+Bでパルスを出力するパルス出力部31と、カウントA=カウント値Bでパルスを出力するパルス出力部32に別れる。33はパルス出力部31から出力されたパルスの立ち上がりエッジを受け、Qの論理を“L”〜“H”に変更させ、カウンタ29のリセット信号によりQの値を“H”〜“L”に戻すコンバータ、34も論理は異なるが動作の考え方は同じであるコンバータであり、このコンバータ33,34からDEC信号35とINC信号36が出力される。
【0025】
次に動作について説明する。図7はこの発明のモータ駆動騒音の低減波形作成方法を説明する基本動作を示すフローチャートであり、スタートすると、カウント値kを0とし(ステップST1)、クロック信号を受信するたびにkに1を加算し(ステップST2),電気角30゜ごとに極性を変えるCOMOUT信号波形にエッジがあったかを判断し(ステップST3)、NOであれば、上記のカウント動作を繰り返し、YESのときはカウント値kを電流変化幅値a(モータの回転数によって変化する値)とし(ステップST4)、カウント値e、デューティ管理値f、カウント値kを初期化(ステップST5)する。そして、カウンタ13から出力された電流変化幅値aと電流制御値出力回路11から出力された電流制御値MC(上限値rの中から予め定める)の割り算を割り算器14で行い、その割り算結果値、つまり電流増幅率値cをタイミング信号発生器15に出力する。たとえば、電流変化幅値a=1600パルス、電流制御値MCが80%=12fとすると、電流増幅率値c=133パルスとなる。
【0026】
タイミング信号発生器15は、図8に示すように、クロック信号を受信するたびにカウント値eに1を加算し(ステップST11)、カウント値eが上記電流増幅率値cになったかを判断し(ステップST12)、NOであれば、上記のカウント動作を繰り返し、YESのときはデューティ管理値fに1を加算し(ステップST13)、カウント値eを0に初期化する(ステップST14)。
【0027】
騒音低減波形信号発生器16は図9に示すように、クロック信号を受信するたびにカウント値sに1を加算し(ステップST21)、カウント値s=デューティ管理値fになったかを判断し(ステップST22)、YESならば、INC信号26を1としてステップST21に戻る(ステップST25)。一方、NOであれば、カウント値s≧電流制御値の上限値rであるかを判断し(ステップST23)、NOであれば、ステップST21に戻り、YESであれば、カウント値sおよびINC信号26を0に初期化する(ステップST24)。つまり、電流0から予め定められた電流制御値MCになるまでのアルゴニズムを実行する。
【0028】
また、騒音低減波形信号発生器16は図10に示すように、クロック信号を受信するたびにカウント値tに1を加算し(ステップST31)、カウント値t=デューティ管理値f+(電流制御値の上限値r−電流制御値MC)になったかを判断し(ステップST32)、YESならば、DEC信号27を0としてステップST31に戻る(ステップST35)。一方、NOであれば、カウント値t≧電流制御値の上限値rであるかを判断し(ステップST33)、NOであれば、ステップST31に戻り、YESであれば、カウント値sを0に初期化するとともにDEC信号27を1とし(ステップST34)、ステップST31に戻る。つまり、予め定められた電流制御値MCから電流0になるまでのアルゴニズムを実行する。
【0029】
図11、図12、図13、図14は上記のLE信号とIN信号のPWMの関係についての説明図であり、図11、図12はIN信号のPWM周期は、電気角30゜の間は一定であるが、図11はLE信号のPWMデューティを80%から0%に変化させて電流を連続的に80%から0%に減少させた場合、図12はLE信号のPWMデューティを0%から80%に変化させて電流を連続的に0%から80%に増加させた場合である。これにより、LE信号はPWM周期が電気角30゜の間で線形的に増減する。上記例のように、電流変化幅値a=1600パルス、電流制御値MCが80%=12fとし、電流増幅率値c=133パルスを得た場合、この電流増幅率値cのパルス数をカウントする度にデューティ管理値fに1を加算することにより、このデューティ管理値fまでのカウント数が変化し、図11(b)、図12(a)に示すように、LE信号制御波形はデューティ比が変化し、同図(a)’、(b)’に示すように連続的に変化する電流波形が得られる。
【0030】
そして本アルゴニズムでもINC信号26とDEC信号27によって流れるモータ電流値は、線形的な変化をする。本アルゴリズムは線形的な動作を示しているが非線形な動作についても同様のアルゴリズムにて実現可能である。図13、図14はLE信号のPWMデューティを80%から0%、0%から80%に変化させた場合で、上記図11、図12と同様である。
【0031】
INC/DECセレクタ17は入力されたCOMOUT信号が“H”のときはDEC信号27、“L”のときはINC信号26を選択する。INC/DECセレクタ17で選択されたDEC信号27とINC信号26は信号合成回路19で入力端子18に入力されたLE信号と合成され出力端子21から前記図4に示すLE信号として出力される。
【0032】
一方、PWM波形信号発生器12は電流制御値出力回路11から出力された電流制御値MCに基づいてPWM波形信号を発生し、このPWM波形信号はPWM合成器20で入力端子18に入力されたIN信号と合成され出力端子21から図4に示すIN信号として出力される。
【0033】
そして、上記図4に示す騒音低減制御波形合成後のLE信号およびIN信号を出力トランジスタ制御回路7に入力し、この出力トランジスタ制御回路7から出力された図15に示す120゜通電制御信号のIN信号およびLE信号によってトランジスタQ1,Q2・Q3,Q4・Q5,Q6を順次に導通させてモータ1を駆動させる。この場合、モータ巻線1U,1V,1Wには、図16に示すような電流が流れるため、電流の急激な変化がなく、トルク変動も低減される。
【0034】
以上のように、この実施の形態1によれば、モータのステータ数に依存することなく、モータの回転数、電流制御値に合わせて騒音低減波形信号をモータの各相巻線に流すことにより、電流は相切り替え時においても連続的に変化するため、トルク変動が少なく、振動発生を低減することができるとともに、各相同土が短絡することのない。また、上記騒音低減波形信号を、大容量コンデンサなどを必要としない、四則演算器、比較器のみで構成されているデジタル回路によって作成することができ、コスト面、製品歩留まりにおいて優れたものである。
【0035】
実施の形態2.
図1はモータとしてホールセンサレス・ブラシレスモータ1を例示しているが、このモータを回転させる原理を説明する。ホールセンサレスでの位置検出の特徴を、ホールセンサ付きモータと比較して図17、図18で説明する。図17はホールセンサ付のモータであり、ロータの位置はホールセンサ37により検出する。これに対して、図18はホールセンサレスのモータであり、このモータおけるロータの位置検出は中点配線に対して各相の電位が高いか、低いかによって検出する。この検出は図1に示す位置検出コンパレータ2で行っている。
【0036】
この位置検出コンパレータ2により、ロータの位置検出をする場合、必ず各相の内2つの相を電源に対して天絡、地絡していなければならない。なぜなら中点電位がコンパレータの判定できる電位以外の電位になるからである。中点電位と各相電位を位置検出コンパレータ2で比較することで電気角60゜ごとの位置が検出できる。
【0037】
そして、この実施の形態2における問題点は、位置情報を得るために位置情報の読み取り対象以外となっている2つの相が、電源に対してある一定時間天絡と地絡を行わなければならないと言う点にある。モータを低速回転で回転させるためには該モータに大電流を流してはいけない。しかし位置情報を検出するためにモータに電圧をバイアスしなければならない。
【0038】
従来の制御波形として高速回転時の波形を図15のE、従来方式の延長で低速回転させた場合のLE信号およびIN信号の波形を図19に示す。従来方式で低速回転させた場合は図19に示すようにIN信号のパルス幅が狭くなっている。パルス幅がある限界点より小さくなると、バイアス時間が短くなるので、位置を検出するための上記の条件1を満たさなくなる。
【0039】
実施の形態2はこれを解決したもので、モータの各相巻線の端子電圧と該各相巻線同士を接続した中点電圧とを比較して該モータの回転位置を検出する位置検出コンパレータ(位置検出手段)2からの検出信号に基づいて、センサレス駆動演算回路4から通電中のモータ巻線の通電幅を広める信号を出力する。このときのLE信号およびIN信号の波形を図20に、その部分的拡大図を図21に示す。図から明らかなように、一ヶ所だけ通電幅が大きくなっているところがある。Bの部分よりAの部分のパルス幅が大きくなっている所が特徴である。この制御波形でモータを駆動させることで、モータを低速回転駆動させても位置検出を行うことが可能になる。説明を補足すると、位置を検出する近傍部分だけモータに電圧をバイアスする時間を確保する。
【0040】
以上のように、実施の形態2によれば、ホールセンサレス・ブラシレスモータ1であっても、ロータ位置検出近傍において大きな電流を流すことにより、モータを低速回転させることができる。
【符号の説明】
【0041】
1 ホールセンサレスモータ、2 位置検出コンパレータ、3 位置検出マスク回路、4 センサレス駆動演算回路、5 騒音低減回路、6 信号合成回路、7 出力トランジスタ制御回路、11 電流制御値出力回路、12 PWM波形信号発生器、13 バイアス時間カウンタ、14 割り算器、15 騒音低減波形デューティ増減タイミング信号発生器、16 騒音低減波形信号発生器、17 INC/DECセレクタ、18 入力端子、19 信号合成回路、20 PWM合成器、21 出力端子、22 COMOUT信号、23 クロック信号、24 タイミング信号、25 電流制御値、26 INC信号、27 DEC信号、28 カウンタ、29 カウンタ、30 比較器、31 パルス出力部、32 パルス出力部、33 コンバータ、34 コンバータ、35 DEC信号、36 INC信号、Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6 トランジスタ。
【技術分野】
【0001】
この発明は、スイッチング素子のON/OFF動作により、各相巻線に順次に電流を通電するモータに関するもので、特に各相巻線に対する通電切り替えに起因する駆動騒音の低減を図ったモータ駆動騒音低減装置およびモータ駆動騒音低減信号の作成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図22は3相ブラシレスモータ101の駆動回路の1例を示すもので、スイッチング素子としてのトランジスタQ1,Q2・Q3,Q4・Q5,Q6をそれぞれ電源と接地間に直列に接続し、トランジスタQ1,Q3,Q5の一端を電源供給端子に接続し、トランジスタQ2,Q4,Q6の一端を電流センス抵抗102を介して接地し、トランジスタQ1,Q2・Q3,Q4・Q5,Q6の各接続点P1,P2,P3に星型結線されたモータ101の各相巻線101U,101V,101Wの一端を接続している。
【0003】
図23は上記各トランジスタに供給印加する駆動信号発生回路を示すもので、104は不図示のパルス信号発生回路から出力された120゜通電制御信号LEU,LEV,LEW(以下、LEと称する)と180゜通電方向決定信号INU,INV,INW(以下、INと称する)を入力する入力端子、105はPWM波形信号を発生するPWM波形信号発生器、106は上記IN信号と上記PWM波形信号とを合成するPWM合成器、107は上記LE信号とPWM合成器106から出力されたIN信号を出力する出力端子であり、図24に示すLE信号およびPWM波形パターンのIN信号が出力される。この6種類の信号(通電制御信号LEU,LEV,LEWおよび通電方向決定信号INU,INV,INW)は、図31に示す意味を有する。
【0004】
図25は上記PWM波形パターンのIN信号をモータ駆動回路101の接地側トランジスタQ2、Q4、Q6(ローサイド)に印加するとともに、PWM波形パターンのLE信号を電源側トランジスタQ1、Q3、Q5(ハイサイド)に印加して、モータ101の各相巻線101U,101V,101Wに(a)〜(f)に示すように60゜ごとに順次電流を流して駆動する。なお、図24、図26において、com1からcom6は120゜通電時のタイミングで巻線101U,101V,101Wに流す電流の状態を表し、そのタイミングを図25に示す。この場合、各相巻線101U,101V,101Wには方形波電流が流れるため、急激なトルク変動が発生し、モータを振動させて騒音を発生することになる。この騒音は筐体の固有振動の整数倍で振動を起こし、可聴帯に発生する。
【0005】
このようにPWM駆動は、モータ101に印加する電圧をほぼ電源電圧と0Vの2通りで切り換え、そのデューティによりモータに流れる電流量を平均的にコントロールするもので、したがって、このPWM駆動の電流波形は方形電流波形となり、上記の騒音発生の原因となっている。
【0006】
そこで、図27に示すように、騒音低減波形信号発生器108からデューティ波形パターンの電流増加用信号および電流減少用信号を出力し、この電流増加用信号および電流減少用信号を、転流制御信号としてのCOMOUT信号に基づいてINC/DECセレクタ109で選択し、図28に示すPWM波形パターンのLE信号に信号合成器110で合成し、図29に示す信号をモータ駆動回路101のトランジスタQ1、Q3、Q5に印加し、各相巻線には図30に示すような電流を流すことにより、転流制御時における電流変化は連続的な変化となり、急激なトルク変化は生じない。このため、モータに振動として現れる騒音は低減される。
【0007】
ところが、図29に示すIN信号をトランジスタQ2、Q4、Qa6、LE信号をトランジスタQ1、Q3、Q5に単純に加えて、モータ巻線101U,101V,101Wに通電すると、同図に示すA〜Fの箇所はPWMのタイミングによって各相同士が短絡状態になることがある。
【0008】
図31は各相同土が短絡している状態を説明する図であり、ショートブレーキは図31のトランジスQ1,Q3,Q5が同時にON状態になるときである。タイミングはU相が電源側トランジスタQ1、Q3、Q5をONして、W相が電流をコントロールするため回生(トランジスタQ6がOFF,トランジスタQ5がON)しているとき、120゜通電タイミングより早くV相に電流を流すので、トランジスタQ3がONする。このとき電源側トランジスタQ1,Q3,Q5が同時にONをする。本来V相に電流を流さなくてはならないのに、接地側のトランジスタQ2、Q4、06がすべてOFFしているため、電流が流れない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のように従来のモータ駆動装置は、モータの各相巻線に方形波電流を流すため、電流の急激な変化に起因してトルクの変動が大きい。そこで、モータ101の各相巻線に相切り替え時においても連続して変化する電流を流すようにしたモータ駆動騒音低減装置は、電流の急激変化に起因した振動発生を低減することはできるが、各相同士が短絡して、本来電流を流さなくてはならないのに、電流を流すことができない。つまり駆動できないという課題があった。
【0010】
この発明は上記のような課題を解消するためになされたもので、振動発生を低減するとともに各相同土が短絡することのないモータ駆動騒音低減装置および大容量コンデンサ等を必要としないデジタル回路によって実行することのでき、コスト面、製品歩留まりにおいて優れたモータ駆動騒音低減信号の作成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明に係るモータ駆動騒音低減装置は、電源と接地間に2以上のスイッチング素子を直列に接続した複数のスイッチング素子回路と、その各スイッチング素子回路のスイッチング素子直列接続点に各相巻線の一端を接続したモータと、電流増加用信号と電流減少用信号を発生する騒音低減回路と、規定の電気角ごとに極性を変える転流制御信号に基づいて電流増加用信号または電流減少用信号を選択出力する選択回路と、この選択回路で選択された電流増加用信号または電流減少用信号をスイッチング素子対の電源側スイッチング素子に供給する通電制御信号と合成する信号合成回路と、電流制御値に基づいてPWM波形信号を出力するPWM波形信号発生器と、このPWM波形信号をスイッチング素子対の接地側スイッチング素子に供給する通電方向決定信号と合成するPWM合成器とを備えたものである。
【0012】
この発明に係るモータ駆動騒音低減装置における騒音低減回路は、電流制御値を格納している電流制御値出力回路と、電気角30゜の電流変化幅を格納しているバイアス時間カウンタと、電流制御値と電流変化幅から電流増幅率を求める演算回路と、電気角30゜毎に極性を反転させる転流制御信号とクロック信号および電流増幅率に基づいてデューティ管理値を発生する騒音低減デューティ増減タイミング信号発生器と、転流制御信号とクロック信号とデューティの増減信号および電流制御値に基づいて、電気角30゜の間で電流変化幅だけ連続的に電流を増加させる電流増加用信号と電気角30゜の間で電流変化幅だけ連続的に電流を減少させる電流減少用信号を発生する騒音低減波形信号発生器とを備えたものである。
【0013】
この発明に係るモータ駆動騒音低減装置は、モータの各相巻線の端子電圧と該各相巻線同士を接続した中点電圧とを比較して該モータの回転位置を検出する位置検出手段と、その位置検出手段からの検出信号に基づいて通電中のモータ巻線の通電幅を広める信号を出力するセンサレス駆動演算手段とを備えたものである。
【0014】
この発明に係るモータ駆動騒音低減信号の作成方法は、モータの回転速度に応じて決定される電流変化幅を電流制御値で除算して電流増加率を求め、基準クロックのカウント数が電流増加率に達するごとにデューティ管理値に1を加算し、基準クロックのカウント数がデューティ管理値に達するまでの間は基準クロックのカウント数が電流増加率の最大値に達したかを判断し、最大値に達した場合には、カウント値および電流減少率を0として電流減少用信号を作成し、基準クロックのカウント数がデューティ管理値に(電流制御値の上限値−電流制御値)を加算した値に達するまでの間は基準クロックのカウント数が電流増加率の最大値に達したかを判断し、最大値に達した場合には、カウント値および電流増加率を0として電流増加用信号を作成し、電源と接地間に直列に接続されたスイッチング素子の電源側スイッチング素子に供給する通電制御信号に電流増加用信号と電流減少用信号を加算するものである。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、この発明によれば、係るモータ駆動騒音低減装置は、電源と接地間に直列に接続され、その直列接続点にモータの各相の巻線の一端を接続した複数のスイッチング素子対と、電流増加用信号と電流減少用信号を発生騒音低減回路と、規定の電気角ごとに極性を変える転流制御信号に基づいて電流増加用信号または電流減少用信号を選択出力する選択回路と、この選択回路で選択された電流増加用信号または電流減少用信号をスイッチング素子対の電源側スイッチング素子に供給する通電制御信号と合成する信号合成回路と、電流制御値に基づいてPWM波形信号を出力するPWM波形信号発生器と、このPWM波形信号をスイッチング素子対の接地側スイッチング素子に供給する通電方向決定信号と合成するPWM合成器とを備えるように構成したので、電流は相切り替え時においても連続的に変化するため、トルク変動が少なく、振動発生を低減することができるとともに、各相同土が短絡することもない等の効果がある。
【0016】
この発明によれば、騒音低減回路は、電流制御値を格納している電流制御値出力回路と、電気角30゜の電流変化幅を格納しているバイアス時間カウンタと、電流制御値と電流変化幅から電流増幅率を求める演算回路と、電気角30゜毎に極性を反転させる転流制御信号とクロック信号および電流増幅率に基づいてデューティ管理値を発生する騒音低減デューティ増減タイミング信号発生器と、転流制御信号とクロック信号とデューティの増減信号および電流制御値に基づいて、電気角30゜の間で電流変化幅だけ連続的に電流を増加させる電流増加用信号と電気角30゜の間で電流変化幅だけ連続的に電流を減少させる電流減少用信号を発生する騒音低減波形信号発生器とを備えるように構成したので、全てデジタル回路による簡単な構成によって、精度のよい電流増加用信号および電流減少用信号を得ることができるという効果がある。
【0017】
この発明によれば、モータの各相巻線の端子電圧と該各相巻線同士を接続した中点電圧とを比較して該モータの回転位置を検出する位置検出手段と、その位置検出手段からの検出信号に基づいて通電中のモータ巻線の通電幅を広める信号を出力するセンサレス駆動演算手段とを備えるように構成したので、ホールセンサレス・ブラシレスモータ1であっても、転流制御信号の立ち下がり近傍、つまりロータ位置検出近傍において大きな電流を流すことにより、モータを低速回転させることができるという効果がある。
【0018】
この発明によれば、モータの回転速度に応じて決定される電流変化幅を電流制御値で除算して電流増加率を求め、基準クロックのカウント数が電流増加率に達するごとにデューティ管理値に1を加算し、基準クロックのカウント数がデューティ管理値に達するまでの間は基準クロックのカウント数が電流増加率の最大値に達したかを判断し、最大値に達した場合には、カウント値および電流減少率を0として電流減少用信号を作成し、基準クロックのカウント数がデューティ管理値に(電流制御値の上限値−電流制御値)を加算した値に達するまでの間は基準クロックのカウント数が電流増加率の最大値に達したかを判断し、最大値に達した場合には、カウント値および電流増加率を0として電流増加用信号を作成し、電源と接地間に直列に接続されたスイッチング素子の電源側スイッチング素子に供給する通電制御信号に電流増加用信号と電流減少用信号を加算するように構成したので、モータのステータ数に依存することなく、モータの回転数、電流制御値に合わせて騒音低減波形信号を、四則演算器、比較器のみで構成されているデジタル回路によって、大容量コンデンサなどを必要としない安価な構成でモータ駆動騒音低減信号を得ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明の駆動騒音低減装置を備えたセンサレモータドライバのシステム全体の構成を示すブロック図である。
【図2】騒音低減回路およびその周辺の構成を示すブロック図である。
【図3】騒音低減制御波形合成前の波形図である。
【図4】騒音低減制御波形合成後の波形図である。
【図5】騒音低減波形信号発生器と周辺波形の関係図である。
【図6】騒音低減波形信号発生器の構成を示すブロック図である。
【図7】騒音低減波形を作成するためのアルゴニズムを説明するフローチャートである。
【図8】図7のアルゴニズムにより求めた値を元にデューティ管理値fの値を求めるアルゴニズムを説明するフローチャートである。
【図9】電流増加波形作成のアルゴニズムを説明するフローチャートである。
【図10】電流減少波形作成のアルゴニズムを説明するフローチャートである。
【図11】PWMデューティ50%のIN信号制御波形に対する電流波形とPWMデューティ50%から0%に変化させるLE信号制御波形に対する電流波形との関係図である。
【図12】PWMデューティ0%から50%に変化するLE信号制御波形に対する電流波形とPWMデューティ50%のIN信号制御波形に対する電流波形との関係図である。
【図13】PWMデューティ80%のIN信号制御波形に対する電流波形とPWMデューティ80%から0%に変化させるLE信号制御波形に対する電流波形との関係図である。
【図14】PWMデューティ0%から80%に変化するLE信号制御波形に対する電流波形とPWMデューティ80%のIN信号制御波形に対する電流波形との関係図である。
【図15】モータに供給する騒音低減制御信号の波形図である。
【図16】モータ巻線に流れる騒音低減電流波形の波形図である。
【図17】ホールセンサ付きモータの概要図である。
【図18】ホールセンサレスモータの概要図である。
【図19】低回転制御対策前の信号波形図である。
【図20】低回転制御対策後の信号波形図である。
【図21】低回転制御対策後の信号波形の一部の拡大図である。
【図22】3相ブラシレスモータの駆動回路図である。
【図23】3相ブラシレスモータの駆動信号発生回路のブロック図である。
【図24】3相ブラシレスモータに供給する120゜通電制御信号の波形図である。
【図25】3相ブラシレスモータの各相の巻線に電気角60゜ごとに通電が切り替わる状態を示す説明図である。
【図26】3相ブラシレスモータに流れる120゜通電電流の波形図である。
【図27】3相ブラシレスモータの駆動騒音低減信号発生回路のブロック図である。
【図28】従来の騒音低減信号をLE信号に合成する前のPWM波形パターン図である。
【図29】従来の駆動騒音低減回路からの騒音低減信号をLE信号に加えた波形図である。
【図30】3相ブラシレスモータに流れる電流波形図である。
【図31】3相ブラシレスモータに生じるブレーキ現象の説明図である。
【図32】LE信号,IN信号に対する各相のスイッチング素子の動作状態を示す関係図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1のモータ駆動騒音低減装置を示す全体の構成図であり、1はホールセンサを用いることなくロータ位置検出を行うホールセンサレスモータ(以下、モータと称する)、2はモータ1の中点配線に対して各相の電位が高いか低いかでロータ位置検出を行う位置検出コンパレータ、3は位置検出マスク回路、4はセンサレス駆動演算回路、5は騒音低減回路、6はセンサレス駆動演算回路4の出力と騒音低減回路5の出力を合成する信号合成回路、7は信号合成回路6の出力を入力とし、トランジスタQ1,Q2・Q3,Q4・Q5,Q6に駆動信号を出力する出力トランジスタ制御回路である。なお、上記位置検出マスク回路3およびセンサレス駆動演算回路4は、位置検出コンパレータ2から出力された位置検出信号を受けて、モータ1を駆動するための基本波形信号としての通電制御信号LEU,LEV,LEW(以下、LEと称する)と通電方向決定信号INU,INV,INW(以下、INと称する)発生させる。
【0021】
図2は上記騒音低減回路5と信号合成回路6の部分の詳細を示すもので、11は電流制御値MCを格納している電流制御値出力回路、12は電流制御値出力回路11から出力された電流制御値MCに基づいてメイン電流を決めるPWM波形信号を出力するPWM波形信号発生器、13は電気角30゜の時間を基本周期でカウントした値を格納しているバイアス時間カウンタ、14は電流制御値出力回路11から出力された電流制御値MCとバイアス時間カウンタ13の出力値、つまり電流変化幅aの割り算を演算する割り算器、15は割り算器14の出力である電流増幅率cと転流制御信号としてのCOMOUT信号およびクロック信号を入力し、騒音低減波形デューティの増減を行うタイミング信号を発生される騒音低減波形デューティ増減タイミング信号発生器(以下、タイミング信号発生器と称する)、16は電流制御値出力回路11の出力である電流制御値MCとタイミング信号とCOMOUT信号およびクロック信号を入力し、一定周期でパルス幅のかわる電流増加用信号INC(以下、INC信号と称する)と電流減少用信号DEC(以下、DEC信号と称する)を生成出力する騒音低減波形信号発生器である。この場合、電流減少用信号DECには電流制御量の情報を与える必要があるが、電流増加用信号INCは0%より増加させるため、電流制御量の情報を与える必要がない。
【0022】
17はCOMOUT信号に基づいてINC信号と、DEC信号を選択出力するセレクタ、18は前記センサレス駆動演算回路4で作成された図3に示す騒音低減制御波形合成前の波形信号を入力する入力端子、19はLE信号とセレクタ17で選択されてINC信号またはDEC信号を合成する信号合成回路,20はIN信号とPWM波形信号発生器12からのPWM波形を合成するPWM合成器、21は図4に示す騒音低減制御波形合成後の波形信号を出力する出力端子である。
【0023】
図5は騒音低減波形信号発生器16とその周辺の信号波形の関係図であり、22はCOMOUT信号、23はクロック信号、24は電気角30゜内に12個のデューティ管理値fとして出力されるタイミング信号、25は電流制御値、26はINC信号、27はDEC信号である。
【0024】
図6は騒音低減波形信号発生器16を示す構成図であり、28はカウント値Bを格納し、電気角30゜の間に等間隔に入力されるパルスを教えるカウンタ、29は0〜電流制御値の上限値rまでのカウントを操り返すカウンタであり、途中のカウント値、つまり電流制御値MCをAとして格納し、電流制御値の上限値rまでカウントするたびに“L”出力を行うカウンタであり、実際回路ではカウンタ28,29は1つのカウンタで実現する。30はカウント値を比較する比較器であり、カウンタ29のカウント値A=r−MC+Bでパルスを出力するパルス出力部31と、カウントA=カウント値Bでパルスを出力するパルス出力部32に別れる。33はパルス出力部31から出力されたパルスの立ち上がりエッジを受け、Qの論理を“L”〜“H”に変更させ、カウンタ29のリセット信号によりQの値を“H”〜“L”に戻すコンバータ、34も論理は異なるが動作の考え方は同じであるコンバータであり、このコンバータ33,34からDEC信号35とINC信号36が出力される。
【0025】
次に動作について説明する。図7はこの発明のモータ駆動騒音の低減波形作成方法を説明する基本動作を示すフローチャートであり、スタートすると、カウント値kを0とし(ステップST1)、クロック信号を受信するたびにkに1を加算し(ステップST2),電気角30゜ごとに極性を変えるCOMOUT信号波形にエッジがあったかを判断し(ステップST3)、NOであれば、上記のカウント動作を繰り返し、YESのときはカウント値kを電流変化幅値a(モータの回転数によって変化する値)とし(ステップST4)、カウント値e、デューティ管理値f、カウント値kを初期化(ステップST5)する。そして、カウンタ13から出力された電流変化幅値aと電流制御値出力回路11から出力された電流制御値MC(上限値rの中から予め定める)の割り算を割り算器14で行い、その割り算結果値、つまり電流増幅率値cをタイミング信号発生器15に出力する。たとえば、電流変化幅値a=1600パルス、電流制御値MCが80%=12fとすると、電流増幅率値c=133パルスとなる。
【0026】
タイミング信号発生器15は、図8に示すように、クロック信号を受信するたびにカウント値eに1を加算し(ステップST11)、カウント値eが上記電流増幅率値cになったかを判断し(ステップST12)、NOであれば、上記のカウント動作を繰り返し、YESのときはデューティ管理値fに1を加算し(ステップST13)、カウント値eを0に初期化する(ステップST14)。
【0027】
騒音低減波形信号発生器16は図9に示すように、クロック信号を受信するたびにカウント値sに1を加算し(ステップST21)、カウント値s=デューティ管理値fになったかを判断し(ステップST22)、YESならば、INC信号26を1としてステップST21に戻る(ステップST25)。一方、NOであれば、カウント値s≧電流制御値の上限値rであるかを判断し(ステップST23)、NOであれば、ステップST21に戻り、YESであれば、カウント値sおよびINC信号26を0に初期化する(ステップST24)。つまり、電流0から予め定められた電流制御値MCになるまでのアルゴニズムを実行する。
【0028】
また、騒音低減波形信号発生器16は図10に示すように、クロック信号を受信するたびにカウント値tに1を加算し(ステップST31)、カウント値t=デューティ管理値f+(電流制御値の上限値r−電流制御値MC)になったかを判断し(ステップST32)、YESならば、DEC信号27を0としてステップST31に戻る(ステップST35)。一方、NOであれば、カウント値t≧電流制御値の上限値rであるかを判断し(ステップST33)、NOであれば、ステップST31に戻り、YESであれば、カウント値sを0に初期化するとともにDEC信号27を1とし(ステップST34)、ステップST31に戻る。つまり、予め定められた電流制御値MCから電流0になるまでのアルゴニズムを実行する。
【0029】
図11、図12、図13、図14は上記のLE信号とIN信号のPWMの関係についての説明図であり、図11、図12はIN信号のPWM周期は、電気角30゜の間は一定であるが、図11はLE信号のPWMデューティを80%から0%に変化させて電流を連続的に80%から0%に減少させた場合、図12はLE信号のPWMデューティを0%から80%に変化させて電流を連続的に0%から80%に増加させた場合である。これにより、LE信号はPWM周期が電気角30゜の間で線形的に増減する。上記例のように、電流変化幅値a=1600パルス、電流制御値MCが80%=12fとし、電流増幅率値c=133パルスを得た場合、この電流増幅率値cのパルス数をカウントする度にデューティ管理値fに1を加算することにより、このデューティ管理値fまでのカウント数が変化し、図11(b)、図12(a)に示すように、LE信号制御波形はデューティ比が変化し、同図(a)’、(b)’に示すように連続的に変化する電流波形が得られる。
【0030】
そして本アルゴニズムでもINC信号26とDEC信号27によって流れるモータ電流値は、線形的な変化をする。本アルゴリズムは線形的な動作を示しているが非線形な動作についても同様のアルゴリズムにて実現可能である。図13、図14はLE信号のPWMデューティを80%から0%、0%から80%に変化させた場合で、上記図11、図12と同様である。
【0031】
INC/DECセレクタ17は入力されたCOMOUT信号が“H”のときはDEC信号27、“L”のときはINC信号26を選択する。INC/DECセレクタ17で選択されたDEC信号27とINC信号26は信号合成回路19で入力端子18に入力されたLE信号と合成され出力端子21から前記図4に示すLE信号として出力される。
【0032】
一方、PWM波形信号発生器12は電流制御値出力回路11から出力された電流制御値MCに基づいてPWM波形信号を発生し、このPWM波形信号はPWM合成器20で入力端子18に入力されたIN信号と合成され出力端子21から図4に示すIN信号として出力される。
【0033】
そして、上記図4に示す騒音低減制御波形合成後のLE信号およびIN信号を出力トランジスタ制御回路7に入力し、この出力トランジスタ制御回路7から出力された図15に示す120゜通電制御信号のIN信号およびLE信号によってトランジスタQ1,Q2・Q3,Q4・Q5,Q6を順次に導通させてモータ1を駆動させる。この場合、モータ巻線1U,1V,1Wには、図16に示すような電流が流れるため、電流の急激な変化がなく、トルク変動も低減される。
【0034】
以上のように、この実施の形態1によれば、モータのステータ数に依存することなく、モータの回転数、電流制御値に合わせて騒音低減波形信号をモータの各相巻線に流すことにより、電流は相切り替え時においても連続的に変化するため、トルク変動が少なく、振動発生を低減することができるとともに、各相同土が短絡することのない。また、上記騒音低減波形信号を、大容量コンデンサなどを必要としない、四則演算器、比較器のみで構成されているデジタル回路によって作成することができ、コスト面、製品歩留まりにおいて優れたものである。
【0035】
実施の形態2.
図1はモータとしてホールセンサレス・ブラシレスモータ1を例示しているが、このモータを回転させる原理を説明する。ホールセンサレスでの位置検出の特徴を、ホールセンサ付きモータと比較して図17、図18で説明する。図17はホールセンサ付のモータであり、ロータの位置はホールセンサ37により検出する。これに対して、図18はホールセンサレスのモータであり、このモータおけるロータの位置検出は中点配線に対して各相の電位が高いか、低いかによって検出する。この検出は図1に示す位置検出コンパレータ2で行っている。
【0036】
この位置検出コンパレータ2により、ロータの位置検出をする場合、必ず各相の内2つの相を電源に対して天絡、地絡していなければならない。なぜなら中点電位がコンパレータの判定できる電位以外の電位になるからである。中点電位と各相電位を位置検出コンパレータ2で比較することで電気角60゜ごとの位置が検出できる。
【0037】
そして、この実施の形態2における問題点は、位置情報を得るために位置情報の読み取り対象以外となっている2つの相が、電源に対してある一定時間天絡と地絡を行わなければならないと言う点にある。モータを低速回転で回転させるためには該モータに大電流を流してはいけない。しかし位置情報を検出するためにモータに電圧をバイアスしなければならない。
【0038】
従来の制御波形として高速回転時の波形を図15のE、従来方式の延長で低速回転させた場合のLE信号およびIN信号の波形を図19に示す。従来方式で低速回転させた場合は図19に示すようにIN信号のパルス幅が狭くなっている。パルス幅がある限界点より小さくなると、バイアス時間が短くなるので、位置を検出するための上記の条件1を満たさなくなる。
【0039】
実施の形態2はこれを解決したもので、モータの各相巻線の端子電圧と該各相巻線同士を接続した中点電圧とを比較して該モータの回転位置を検出する位置検出コンパレータ(位置検出手段)2からの検出信号に基づいて、センサレス駆動演算回路4から通電中のモータ巻線の通電幅を広める信号を出力する。このときのLE信号およびIN信号の波形を図20に、その部分的拡大図を図21に示す。図から明らかなように、一ヶ所だけ通電幅が大きくなっているところがある。Bの部分よりAの部分のパルス幅が大きくなっている所が特徴である。この制御波形でモータを駆動させることで、モータを低速回転駆動させても位置検出を行うことが可能になる。説明を補足すると、位置を検出する近傍部分だけモータに電圧をバイアスする時間を確保する。
【0040】
以上のように、実施の形態2によれば、ホールセンサレス・ブラシレスモータ1であっても、ロータ位置検出近傍において大きな電流を流すことにより、モータを低速回転させることができる。
【符号の説明】
【0041】
1 ホールセンサレスモータ、2 位置検出コンパレータ、3 位置検出マスク回路、4 センサレス駆動演算回路、5 騒音低減回路、6 信号合成回路、7 出力トランジスタ制御回路、11 電流制御値出力回路、12 PWM波形信号発生器、13 バイアス時間カウンタ、14 割り算器、15 騒音低減波形デューティ増減タイミング信号発生器、16 騒音低減波形信号発生器、17 INC/DECセレクタ、18 入力端子、19 信号合成回路、20 PWM合成器、21 出力端子、22 COMOUT信号、23 クロック信号、24 タイミング信号、25 電流制御値、26 INC信号、27 DEC信号、28 カウンタ、29 カウンタ、30 比較器、31 パルス出力部、32 パルス出力部、33 コンバータ、34 コンバータ、35 DEC信号、36 INC信号、Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6 トランジスタ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源と接地間に2以上のスイッチング素子を直列に接続した複数のスイッチング素子回路と、その各スイッチング素子回路のスイッチング素子直列接続点に各相巻線の一端を接続したモータと、電流増加用信号と電流減少用信号を発生する騒音低減回路と、規定の電気角ごとに極性を変える転流制御信号に基づいて前記電流増加用信号または電流減少用信号を選択出力する選択回路と、この選択回路で選択された電流増加用信号または電流減少用信号を前記スイッチング素子対の電源側スイッチング素子に供給する通電制御信号と合成する信号合成回路と、電流制御値に基づいてPWM波形信号を出力するPWM波形信号発生器と、このPWM波形信号を前記スイッチング素子対の接地側スイッチング素子に供給する通電方向決定信号と合成するPWM合成器とを備えたモータ駆動騒音低減装置。
【請求項1】
電源と接地間に2以上のスイッチング素子を直列に接続した複数のスイッチング素子回路と、その各スイッチング素子回路のスイッチング素子直列接続点に各相巻線の一端を接続したモータと、電流増加用信号と電流減少用信号を発生する騒音低減回路と、規定の電気角ごとに極性を変える転流制御信号に基づいて前記電流増加用信号または電流減少用信号を選択出力する選択回路と、この選択回路で選択された電流増加用信号または電流減少用信号を前記スイッチング素子対の電源側スイッチング素子に供給する通電制御信号と合成する信号合成回路と、電流制御値に基づいてPWM波形信号を出力するPWM波形信号発生器と、このPWM波形信号を前記スイッチング素子対の接地側スイッチング素子に供給する通電方向決定信号と合成するPWM合成器とを備えたモータ駆動騒音低減装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
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【図10】
【図11】
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【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【公開番号】特開2011−160658(P2011−160658A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−116785(P2011−116785)
【出願日】平成23年5月25日(2011.5.25)
【分割の表示】特願2001−228110(P2001−228110)の分割
【原出願日】平成13年7月27日(2001.7.27)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【出願人】(391024515)株式会社ルネサスデザイン (11)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月25日(2011.5.25)
【分割の表示】特願2001−228110(P2001−228110)の分割
【原出願日】平成13年7月27日(2001.7.27)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【出願人】(391024515)株式会社ルネサスデザイン (11)
【Fターム(参考)】
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