説明

ユニット部材の先組み方法およびユニット部材の先組み装置

【課題】現場において少ない所要面積で高密度のユニット部材を生産性高く先組みすること。
【解決手段】小梁/デッキユニット10aをほぼ水平に保ち該小梁/デッキユニット10aを鉛直方向に移動可能な空間内で最初の小梁/デッキユニット10aを移動させ、該空間内の最上層に配置する第1配置工程と、次以降の小梁/デッキユニット10aの上面に先組みすべき各種部品を搭載して小梁/デッキユニット10aを最初の小梁/デッキユニット10aの下層に順次配置し、該最初の小梁/デッキユニット10aを含めた複数の小梁/デッキユニット10aを前記空間内の鉛直方向に層状に配置する第2配置工程と、層状に配置された複数の小梁/デッキユニット10aを足場として上層の小梁/デッキユニット10aの下面に前記各種部品を先組みする先組み工程と、前記先組み工程によって生産されたフロア先組みユニット10を上層から順次搬出する搬出工程と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、平面系ユニット部材に各種部品を先組みした先組みユニット部材を生産するユニット部材の先組み方法およびユニット部材の先組み装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、鉄骨造の事務所ビルなどの建設工事では、現場において躯体の工期短縮の目的で、様々なユニット化工法が採用されている。中でも、鉄骨小梁とデッキとのユニット化は、地組ヤードが確保できれば、多くの現場で採用される汎用的な工法となっている。また、この小梁/デッキユニットに耐火被覆、スプリンクラー配管、設備ダクト、保温材などの設備部材までを組み込み、高密度のフロアの先組みユニットとして、現場で実施されている場合もある。このユニット部材の高密度化は、揚重回数の大幅な削減、床下工事の省力化、高所作業車使用量の削減など、多くの効果を期待することができ、生産性向上の有効な一手段として、さらなる普及が望まれている。
【0003】
【特許文献1】特開平8−151687号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した小梁/デッキユニットや高密度化のフロアの先組みユニットは、完成されたユニット部材が平面的な広がりをもち、現場でこのユニット部材を立てた状態で生産することができず、揚重姿も平面で揚げざるを得ないことから、現場でユニット部材を完成させるには、そのための生産ヤード、ストックヤードなどの多くの余剰空間を必要とするという問題点があった。
【0005】
なお、少しでも生産ヤードやストックヤードなどの所要ヤードを減らすために、生産したユニット部材を段組する方法も行われているが、この場合、段組するための重機とこの重機の配置ヤードとが必要となる。
【0006】
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、現場において少ない所要面積で高密度のユニット部材を生産性高く先組みすることができるユニット部材の先組み方法およびユニット部材の先組み装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の請求項1にかかるユニット部材の先組み方法は、平面系ユニット部材に各種部品を先組みした先組みユニット部材を生産するユニット部材の先組み方法であって、前記平面系ユニット部材をほぼ水平に保ち該平面系ユニット部材を鉛直方向に移動可能な空間内で最初の前記平面系ユニット部材を移動させ、該空間内の最上層に配置する第1配置工程と、次以降の前記平面系ユニット部材の上面に前記各種部品を搭載して該平面系ユニット部材を前記最初の平面系ユニット部材の下層に順次配置し、該最初の平面系ユニットを含めた複数の平面系ユニット部材を前記空間内の鉛直方向に層状に配置する第2配置工程と、層状に配置された複数の平面系ユニット部材を足場として上層の平面系ユニット部材の下面に前記各種部品を先組みする先組み工程と、前記先組み工程によって生産された先組みユニットを上層から順次搬出する搬出工程と、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、この発明の請求項2にかかるユニット部材の先組み方法は、上記請求項1において、前記空間の最下部で前記平面系ユニット部材を組み立てる組立工程を含むことを特徴とする。
【0009】
また、この発明の請求項3にかかるユニット部材の先組み方法は、上記請求項1において、前記空間外であって該空間の最下部に隣接する領域に前記平面系ユニット部材を搬送する搬送台車を配置し、該搬送台車上で前記平面系ユニット部材を組み立てる組立工程と、前記組立工程によって組み立てられた平面系ユニット部材を前記搬送台車上に配置したまま前記空間の最下部に移動する移動工程と、を含むことを特徴とする。
【0010】
また、この発明の請求項4にかかるユニット部材の先組み方法は、上記請求項3において、前記第1配置工程および前記第2配置工程は、前記移動工程後、前記平面系ユニット部材を前記搬送台車上に配置したまま層状に配置することを特徴とする。
【0011】
また、この発明の請求項5にかかるユニット部材の先組み装置は、平面系ユニット部材に各種部品を先組みした先組みユニット部材を生産するユニット部材の先組み装置であって、前記平面系ユニット部材をほぼ水平に保ち該平面系ユニット部材を鉛直方向に移動可能な空間を形成する骨格部材と、前記骨格部材を形成する上部水平部材に取り付けられ、前記空間内で前記平面系ユニットを昇降させる昇降手段と、前記骨格部材を形成する鉛直部材に取り付けられ、前記空間に複数の前記平面系ユニット部材を層状に支持する荷重受けアームと、を備え、前記荷重受けアームに支持された前記平面系ユニットに対して前記各種部品を先組みすることを特徴とする。
【0012】
また、この発明の請求項6にかかるユニット部材の先組み装置は、上記請求項5において、前記空間の最上部に仮設開閉屋根を設け、完成した上層の前記先組みユニットから該仮設開閉屋根を介して搬出することを特徴とする。
【0013】
また、この発明の請求項7にかかるユニット部材の先組み装置は、上記請求項5又は6において、前記平面系ユニット部材の一方の対辺間隔に比して長い対辺間隔を有するとともに他方の対辺間隔に比して短い対辺間隔を有し、前記平面系ユニット部材の長い対辺方向と当該搬送台車の長い対辺方向とを直交状態にして前記平面系ユニット部材を搬送する搬送台車と、前記空間に隣接した領域であって前記平面系ユニット部材を組み立てる領域と前記空間の最下部との間に前記前記搬送台車を移動可能に導くガイドレールと、を備え、前記領域の前記搬送台車上で前記平面系ユニット部材を組み立て、前記搬送台車に乗せたまま前記平面系ユニット部材を移動させることを特徴とする。
【0014】
また、この発明の請求項8にかかるユニット部材の先組み装置は、上記請求項5〜7のいずれか一つにおいて、前記荷重受けアームは、前記鉛直部材の層状配置位置に取り付けられるブラケットと、ピンを介して前記ブラケットに取り付けられ、前記鉛直部材を挟む回動自在な一対のアームと、前記アームが水平位置になったときに該アームの先端の鉛直下方への回動を制限する荷重受けと、前記アームの後端に設けられ、前記アームが前記平面系ユニット部材を支持していない状態において、前記アームの先端が斜め上方に向いて停止した状態を維持するカウンターウェートとを備えたことを特徴とする。
【0015】
また、この発明の請求項9にかかるユニット部材の先組み装置は、上記請求項5〜7のいずれか一つにおいて、前記荷重受けアームが、前記鉛直部材の層状配置位置に取り付けられるブラケットと、ピンを介して前記ブラケットに取り付けられ、前記鉛直部材を挟む回動自在な一対のアームと、前記アームが水平位置になったときに該アームの先端の鉛直下方への回動を制限する荷重受けと、を備え、前記平面系ユニット部材を支持していない状態において、前記一対のアームの先端を前記空間内に水平に配置したことを特徴とする。
【0016】
また、この発明の請求項10にかかるユニット部材の先組み装置は、上記請求項8又は9において、前記荷重受けアームが、所定方向の複数の各アームの先端に共通接続されるユニット支持ビームを備え、このユニット支持ビーム上に前記平面系ユニット部材の端部を支持させることを特徴とする。
【0017】
また、この発明の請求項11にかかるユニット部材の先組み装置は、上記請求項8又は9において、前記荷重受けアームが、前記一対のアーム間に架設されたユニット受部材を備え、このユニット受部材上に前記平面系ユニット部材の端部を支持させることを特徴とする。
【0018】
また、この発明の請求項12にかかるユニット部材の先組み装置は、上記請求項9において、前記荷重受けアームにおけるアームの先端が下がる方向への前記アームの回動速度を制御することにより、前記アームと前記荷重受けとの間を緩衝する衝撃低減装置を備えたことを特徴とする。
【0019】
また、この発明の請求項13にかかるユニット部材の先組み装置は、上記請求項12において、前記衝撃低減装置がガスダンパを備え、前記アームと前記鉛直部材との間に前記ガスダンパを介在させ、前記アームの先端が下がる方向に前記アームが回動した場合に、前記ガスダンパのガスを圧縮させることを特徴とする。
【0020】
また、この発明の請求項14にかかるユニット部材の先組み装置は、上記請求項13において、前記ガスダンパが、内部にガスが充填されたシリンダと、該シリンダ内に移動可能に嵌装されたピストンと、一端部が前記ピストンに連結されるとともに他端部が前記シリンダの外部に延出したロッドとを備え、前記ガスダンパの一端部を前記アームに連結する一方、他端部を前記鉛直部材に連結したことを特徴とする。
【0021】
また、この発明の請求項15にかかるユニット部材の先組み装置は、上記請求項12において、前記衝撃低減装置は、ガスダンパと、前記鉛直部材に対して上下動可能な可動部と、該可動部の下方への移動を規制する規制部とを備え、前記ガスダンパが、内部にガスが充填されたシリンダと、該シリンダ内に移動可能に嵌装されたピストンと、一端部が前記ピストンに連結されるとともに他端部が前記シリンダの外部に延出したロッドとを備え、前記ガスダンパの一端部を前記アームに連結する一方、他端部を前記可動部に連結し、前記アームが、該アームの先端が下がる方向に所定の角度以上回動した場合に、前記規制部によって前記可動部の下方への移動を規制するようにしたことを特徴する。
【発明の効果】
【0022】
この発明にかかるユニット部材の先組み方法およびユニット部材の先組み装置では、複数の平面系ユニット部材を鉛直方向に層状に配置して先組み作業を行うようにしているので、現場において少ない所要面積で高密度のユニット部材を生産性高く先組みすることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、この発明を実施するための最良の形態であるユニット部材の先組み方法およびユニット部材の先組み装置について説明する。
【0024】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1であるタワー式生産システムの概要構成を示す図である。図1において、このタワー式生産システム1は、平面系ユニット部材である小梁/デッキユニット10aあるいはこの小梁/デッキユニット10aに各種部品が先組みされたフロア先組みユニット10をほぼ水平に保ちつつ塔内で鉛直方向に移動可能な昇降空間E3を形成し、この昇降空間E3内で小梁/先組みユニット10aあるいはフロア先組みユニット10を多段で層状に支持するタワー式ストッカー2と、この昇降空間E3の最下部とタワー式ストッカー2に隣接し小梁/先組みユニット10aを組み立てる領域である平面生産エリアE1との間に設けられたガイドレール3と、ガイドレール3上を移動し、小梁/先組みユニットを搬送する搬送台車4とを有する。小梁/デッキユニット10aに先組みされる各種部品とは、耐火被覆材、スプリンクラー配管、ダクト、保温材などである。
【0025】
タワー式ストッカー2は、鉛直方向に平行して6本のメインコラム11が設けられ、各メインコラム11の最上部には、水平方向に設けられた矩形の吊りビーム13を有する。このメインコラム11および吊りビーム13は、昇降空間E3を形成する骨格部材である。吊りビーム13には、電動チェーンホイストや電動ウィンチなどによって実現され、小梁/デッキユニット10aを昇降空間E3内で昇降させる複数の昇降装置14が設けられる。
【0026】
また、タワー式ストッカー2を構成するメインコラム11には、小梁/デッキユニット10aあるいはフロア先組みユニット10を昇降空間E3内で層状に支持する可動式の荷重受けアーム12が複数設けられる。
【0027】
さらに、吊りビーム13の上部には、仮設開閉屋根15が設けられ、仮設開閉屋根15を開き、吊り治具5を用いて、完成したフロア先組みユニット10を順次搬出することができる。さらに、搬送台車4が移動する小梁/デッキユニット10aの搬入口の反対面には、昇降用の足場16が設けられる。足場16は外周養生としても機能するが、タワー式ストッカー2の周囲に外周養生を設けてもよい。なお、搬送台車14上で小梁/デッキユニット10aが組み立てられる領域である平面生産エリアE1は、フロア先組みユニット10が組み込まれる建屋内に設けるのが好ましい。これに対し、小梁/デッキユニット10aに各種部品が先組みされる作業領域は、タワー式ストッカー2による塔状の立体生産エリアE2である。
【0028】
ここで、上述した荷重受けアーム12の詳細について説明する。図2は、荷重受けアーム12の詳細構成を示す図である。図2に示すように、荷重受けアーム12は、メインコラム11において小梁/デッキユニット10aが層状に支持される高さに対応して配置される。各荷重受けアーム12は、搬送台車4の搬入方向に直交する面を形成するメインコラム11の各層に3個ずつ設けられる。荷重受けアーム12は、メインコラム11に固定するためのブラケット21と、このブラケット21に支持された回転ピン22と、回転ピン22を介して回動可能に支持される一対のアーム20と、アーム20の先端のあて止まりによってアーム20が水平面から下降するのを防止し、ブラケット21の反対側に設けられた荷重受け25と、アーム20の後端部分に設けられたカウンターウェート24とを有する。また、水平方向の各3つのアーム20の先端部分には、小梁/デッキユニット10aの小梁10bを支持するユニット支持ビーム23がアーム20に直交して設けられ、相互に連結されている。
【0029】
図3に示すように、各荷重受けアーム12は、カウンターウェート24によるアンバランス力によって回動し、アーム20が小梁/デッキユニット10aを支持していない状態において、アーム20の先端がメインコラム11に対して斜め上方を向いて停止した状態を維持し、このときに、小梁/デッキユニット10aが昇降する昇降空間E3が形成される。
【0030】
図4に示すように、昇降装置14によって吊り上げられた小梁/デッキユニット10aを所定の層に配置する場合、この所定の層に対応する荷重受けアーム12を、水平にし、小梁10bをユニット支持ビーム23に支持させる。この荷重受けアーム12を水平位置にするには、電動あるいは油圧のシリンダの駆動、またはユニット支持ビーム23の先端に結ばれたワイヤロープ等のひも体を手動またはウィンチなどで引き下げることによって遠隔操作を実現できる。
【0031】
ここで、図5〜図11および図1を参照して、図1に示したタワー式生産システムを用いたフロア先組みユニット10の生産処理手順について説明する。まず、図5に示すように、平面生産エリアE1の搬送台車4上で小梁/デッキユニット10aを、図示しないミニクレーンや建屋内の簡易な天井クレーンなどを用いて生産する。
【0032】
その後、図6に示すように、フォークリフト30などによって、生産された小梁/デッキユニット10aを搬送台車4ごとタワー式ストッカー2の最下部まで移動させる。なお、搬送台車4は、自走式の台車であってもよい。
【0033】
さらに、図7に示すように、移動した小梁/デッキユニット10aの上面に、フォークリフト30やミニクレーンなどを用いて、耐火被覆材、スプリンクラー配管、ダクト、保温材などの先組みする各種部品31を積み込む。なお、最初の小梁/デッキユニット10a、すなわち最上層に配置される小梁/デッキユニット10aには各種部品は積み込まない。その後、搬送台車4の端部、たとえば4隅に、昇降装置14のフック14aを玉掛けする。
【0034】
その後、図8に示すように、昇降装置14を用いて、各種部品が積み込まれた小梁/デッキユニット10aを搬送台車4とともに配置すべき位置まで上昇させ、載せるべき荷重受けアーム12の上まで揚げ越す。
【0035】
その後、図9に示すように、地上から遠隔操作で、揚げ越した荷重受けアーム12の先端を下げ、さらに昇降装置14を遠隔操作して、小梁/デッキユニット10a全体を下降させる。小梁/デッキユニット10a全体の下降を続けると、小梁/デッキユニット10aがユニット支持ビーム23に小梁10bが載り、小梁/デッキユニット10aが荷重受けアーム12上に載置される。昇降装置14はさらに下降を続け、搬送台車4のみが下降して、最下部に到達する。
【0036】
ここで、搬送台車4の代わりに、専用の吊りビーム41(図12参照)を、ガイドレール3の軌道外側に2本設けておき、この吊りビーム41を用いて、小梁/デッキユニット10aを昇降動作させるようにしてもよい。この場合、この吊りビーム41によって小梁/デッキユニット10aを玉掛けし、地切りすることによって、搬送台車4を平面生産エリアE1に戻すことができるため、立体生産エリアE2における小梁/デッキユニット10aに対する先組み作業を早期に着手することができる。
【0037】
その後、図10及び図11に示すように、上述した図5〜図9に対応した一連の作業を繰り返し行うことによって、小梁/デッキユニット10a間の作業層を含んで小梁/デッキユニット10aが多層化され、小梁/デッキユニット10aを足場として先組みの作業が開始される(図4参照)。この先組みの作業は、上層の小梁/デッキユニット10aの下面に対して作業であり、耐火被覆材の貼り付け作業をかわきりに、墨だし、インサート取付け、スプリンクラー配管取付け、ダクト取付け、保温材取付けなどの組立作業が順次行われる。なお、これらの先組み作業は、各層で同時に実施することができる。
【0038】
その後、図1に示すように、先組み作業が終わったフロア先組みユニット10は、建て方作業が行われる。すなわち、最上層にある仮設開閉屋根15を開け、吊り治具5を用いてフロア先組みユニット10は、揚重され、搬出される。この揚重に際する玉掛け作業は、フロア先組みユニット10上で行い、玉掛け後、作業者は、退避する。また、このフロア先組みユニット10の揚重によって、荷重受けアーム12は、カウンターウェート24のアンバランス力によって、鉛直方向に回動して初期位置に復する。
【0039】
この実施の形態1では、タワー式ストッカー2によって小梁/デッキユニット10aを多層化した配置にしているので、小梁/デッキユニット10aのほぼ2枚分の面積という狭い敷地のみで複数の小梁/デッキユニット10aの先組み作業を容易に行うことができる。
【0040】
また、この実施の形態1では、小梁/デッキユニット10aの移動中あるいは完成されたフロア先組みユニット10の移動中に、順次層状に配置された小梁/デッキユニット10aから先組み作業を立体生産エリアE2内で行うことができるので、多数のフロア先組みユニットを短時間で生産することができる。
【0041】
(実施の形態2)
つぎに、この発明の実施の形態2について説明する。上述した実施の形態1では、平面生産エリアE1をタワー式ストッカー2の外部に設け、平面生産エリアE1で組み立てた小梁/デッキユニット10aを立体生産エリアE2内に搬送してフロア先組みユニット10を生産する分離方式であったが、この実施の形態2では、タワー式ストッカー2の最下部に平面生産エリアを設け、この平面生産エリアで組み立てた小梁/デッキユニット10aを直上の立体生産エリアE2にそのまま揚げてフロア先組みユニット10を生産する集中方式を採用している。
【0042】
図12は、この発明の実施の形態2であるタワー式生産システムの概要構成を示す図である。図12に示すように、このタワー式生産システム51は、タワー式ストッカー2の最下部に平面生産エリアE4を設けている。したがって、図1に示したタワー式生産システムの搬送台車4およびガイドレール3は削除した構成となっている。また、このタワー式生産システムでは、4つの昇降装置14の先端フックには、2つの吊りビーム41が予め設けられ、この吊りビーム41によって、平面生産エリアE4内で組み立てられた小梁/デッキユニット10aが昇降空間E3に移動される。その他の構成は、実施の形態1と同じである。
【0043】
この実施の形態2では、平面生産エリアE4内で、小梁/デッキユニット10aが組み立てられ、昇降装置14によって上昇され、立体生産エリアE2内に層状に配置される。この際、最上層の小梁/デッキユニット10a以外の小梁/デッキユニット10aには、各種部品が搭載されて搬送される。層状に配置されて小梁/デッキユニット10aは、この立体生産エリアE2内で各種部品の先組み作業が行われ、フロア先組みユニット10が完成する。この完成されたフロア先組みユニット10は、実施の形態1と同様に、吊り治具5によって上層から搬出され、建て方作業に移行する。なお、最下層の小梁/デッキユニット10aに対しては、平面生産エリアE4からそのまま先組み作業を行うことができる。
【0044】
この実施の形態2によっても、タワー式ストッカー2によって小梁/デッキユニット10aを多層化した配置にしているので、小梁/デッキユニット10aのほぼ1枚分の面積という狭い敷地のみで複数の小梁/デッキユニット10aの先組み作業を容易に行うことができる。
【0045】
また、この実施の形態2でも、小梁/デッキユニット10aを、搬送台車4を用いて移動する必要がなく、順次層状に配置された小梁/デッキユニット10aから先組み作業を立体生産エリアE2内で行うことができるので、簡易な構成で、多数のフロア先組みユニット10を一層短時間で生産することができる。
【0046】
(実施の形態3)
つぎに、本発明の実施の形態3であるタワー式生産システムについて説明する。上述した実施の形態1,2では、荷重受けアーム12が小梁/デッキユニット10aを支持していない状態において、荷重受けアーム12のアーム20の先端を斜め上方に向けて停止させた状態に維持し、アーム先端が昇降空間E3外に配置されるように構成した。これに対して本実施の形態では、荷重受けアームが小梁/デッキユニット10aを支持していない状態において、アームの先端を昇降空間E3内に水平に配置した構成としている。
【0047】
また、本実施の形態では、上述した実施の形態2と同様に、タワー式ストッカー2の最下部に平面生産エリアE4を設け、この平面生産エリアE4で組み立てた小梁/デッキユニット10aを直上の立体生産エリアE2にそのまま揚げてフロア先組みユニット10を生産する集中方式を採用している。なお、以下の説明において、上述した実施の形態1,2と同様の構成については同様の符号を用い、その説明を省略する。
【0048】
図13は、本実施の形態であるタワー式生産システム101に適用される荷重受けアーム120をメインコラム11に取り付けた状態を示す斜視図である。また、図14は図13を上から見た図、図15は図14のA矢視図であり、アームの回転を概略的に示したものである。この荷重受けアーム120は、ブラケット210、回転部材215、アーム200、カウンターウェート240及び荷重受け250とから構成される。
【0049】
ブラケット210は、矩形の板状を成す基部211に、ピン挿通孔214を有する一対のピン支持プレート212が突設されたものである。このブラケット210は、メインコラム11の昇降空間E3に面する面11aの反対側の面11bに、複数のボルト213によって固定してある。また、各ピン支持プレート212のピン挿通孔214には、回転ピン220が挿通してある。
【0050】
回転部材215は、上フランジ215a、下フランジ215b、ウェブ215cとから構成される一対の鉄骨材であり、ブラケット210の両側方にそれぞれ配置してある。この回転部材215のウェブ215cには、図15に示すように軸孔215dが設けてあり、この軸孔215dに、ピン支持プレート212のピン挿通孔214に挿通された回転ピン220の両端部分を挿通させてある。これにより、回転部材215は、回転ピン220の軸心回りに回動自在にブラケット210に取り付けられる。なお、上フランジ215a及び下フランジ215bとの間には補鋼材215eが設けてある。
【0051】
アーム200は、上フランジ200a、下フランジ200b、ウェブ200cとから構成される一対の鉄骨材であり、図15に示すように、下フランジ200bを回転部材215の上フランジ215aにボルト止めすることにより、回転部材215に取り付けてある。上記構成とすることにより、アーム200は、回転部材215を介して、回転ピン220の軸心回りに回動自在となっている。以下、アーム200において、回転部材215よりも昇降空間E3側に位置する部分を先端側、他方を後端側として説明する。図13及び図14に示すように、一対のアーム200の先端部分には、ユニット受部材201が架け渡してある。ユニット受け部材201は、小梁/デッキユニット10aの端部を載置させるための板状の鋼材であり、各アーム200の上フランジ200a上に架設され、固定してある。また、アーム200において、回転部材215の取付け位置近傍には補鋼材202が設けてある。
【0052】
このアーム200は、図15に示すように、小梁/デッキユニット10aを支持していない状態において(アーム200に外力が作用していない状態において)、水平に配置される。つまり、本実施の形態の荷重受けアーム120は、小梁/デッキユニット10aを支持していない状態において、図16−1に示すように、アーム200の先端側が昇降空間E3内に配置されるという点が、上述した実施の形態1,2と異なっている。
【0053】
カウンターウェート240は、鉄骨材から構成してあり、一対のアーム200の後端側の下フランジ200b間に架け渡され、ボルト等(図示せず)を介して下フランジ200bに固定してある。また、荷重受け250は、アーム200が水平位置になったときにアーム200先端が鉛直下方へ回動するのを制限するためのものであり、実施の形態1,2における荷重受け25と同様のものである。
【0054】
上記構成を有する荷重受けアーム120は、アーム先端側がアーム後端側よりも長く構成されているが、アーム後端側にカウンターウェート240を取付けることで、アーム200に働く力が釣り合う状態に近づけている。しかし実際には釣り合っていないため、自重によりアーム先端側が下がり、荷重受け250に当接することによって水平になるように構成されている。上述したようにアーム200は釣り合いに近い状態にあるから、後述するように、平面生産エリアE4から小梁/デッキユニット10aを揚重する際に、小梁/デッキユニット10aによってアーム200の先端側が容易に押し上げられるようになっている。
【0055】
次に、上述した荷重受けアーム120を適用したタワー式生産システム101における、フロア先組みユニット10の生産処理手順について説明する。図16−1〜図16−3は、タワー式ストッカー2の概略側面図である。このタワー式ストッカー2は、上述した荷重受けアーム120の構成と、小梁/デッキユニット10aの揚重手段以外は、上記実施の形態1,2と同様の構成を有している。なお、このタワー式ストッカー2は3層構造であり、図16−1〜図16−3は、上部の2層に既に小梁/デッキユニット10aが配置された状態を示している。また、図16−1〜図16−3では、仮設開閉屋根15、足場16、及び、小梁/デッキユニット10a上に積み込まれる先組み部品31を省略して示している。
【0056】
上述したように、実施の形態3であるタワー式生産システム101は、実施の形態2と同様に、タワー式ストッカー2の最下部に平面生産エリアE4を設けており、図1に示した搬送台車4およびガイドレール3を削除した構成となっている。図16−1に示すように、タワー式ストッカー2の最下部の平面生産エリアE4には、組立架台42が配置してあり、この組立架台42上で小梁/デッキユニット10aの組立作業が行われる。
【0057】
また、実施の形態1,2のタワー式生産システムでは、メインコラム11の最上部に吊ビーム13を設置し、この吊ビーム13に昇降手段14を取付け、この昇降手段14を用いて小梁/デッキユニット10aを揚重して各層に配置したが、本実施の形態のタワー式生産システム101では、これらの替わりに、外部に配置されたクレーンのフック(図示せず)に取り付けられた吊り治具43を用いて、小梁/デッキユニット10aの揚重作業を行うようにしている。
【0058】
まず、図16−1に示すように、平面生産エリアE4内の組立架台42上で、小梁/デッキユニット10aを組み立てた後、組立後の小梁/デッキユニット10a上に、先組みする各種部品(図7を参照)を積み込む。なお、実施の形態1,2と同様に、最上層に配置される小梁/デッキユニット10aには各種部品は積み込まない。次いで、組立架台42の端部、たとえば4隅に、吊治具43のワイヤー44先端のフック(図示せず)を玉掛けする。この後、クレーン(図示せず)を駆動させて吊り治具43を引き上げ、小梁/デッキユニット10aを載置した組立架台42を揚重する。
【0059】
小梁/デッキユニット10aが昇降空間E3を上昇する際、小梁/デッキユニット10aは、昇降空間E3内に配置されたアーム200の下フランジ200bに当接して、アーム200の先端側を押し上げることになる。小梁/デッキユニット10aによってアーム200は回転ピン220の軸心回りに回転させられ、アーム先端側は、昇降空間E3の外部に達するまで押し上げられる。図16−2に示すように、荷重受けアーム120を通過した小梁/デッキユニット10aを、配置されるべき位置(層)の上までいったん揚げ越した後、停止させる。一方、アーム200の先端側は、自重により下降し、荷重受け250に当接することにより水平位置(すなわち昇降空間E3内)に戻される。
【0060】
この後、吊り治具43を下降させ、小梁/デッキユニット10aの小梁10bの両端をアーム200に架設されたユニット受部材201上に載置する。この後、さらに吊り治具43を下降させ、組立架台42を平面生産エリアE4に着地させる。以上の手順を繰り返すことにより、図16−3に示すように、タワー式ストッカー2の各層の荷重受けアーム120に小梁/デッキユニット10aを支持させることができる。
【0061】
図16−3に示すように、タワー式ストッカー2の各層に小梁/デッキユニット10aを配置した後、各層の小梁/デッキユニット10aを足場として、先組みの作業を行う。この先組み作業と、先組作業後のフロア先組みユニット10の搬出作業については、実施の形態1で説明したとおりであるので、ここでは説明を省略する。
【0062】
なお、実施の形態3で適用した荷重受けアーム120を構成する部材のうち、ブラケット210、回転部材215及び回転ピン220は、他のストッカー等に転用することが可能である。
【0063】
以上説明したように、実施の形態3のタワー式生産システム101では、荷重受けアーム120が小梁/デッキユニット10aを支持していない状態において、荷重受けアーム120のアーム200を昇降空間E3内に水平に配置した構成とした。上記構成とすることにより、小梁/デッキユニット10aが昇降空間E3内を上昇する際に、昇降空間E3内に位置するアーム200の先端側を押し上げて、荷重受けアーム120の設置位置を通過する。この後、アーム200は自重で水平位置に戻り、再び昇降空間E3内に配置されることになる。従って、実施の形態1,2のように、荷重受けアームを水平位置にするために油圧シリンダを駆動させたり、作業員がワイヤーロープやウィンチ等でアームを引き下げる等の操作が不要であり、作業効率に優れる。
【0064】
また、実施の形態3のタワー式生産システム101では、荷重受けアーム120の一対のアーム200にユニット受部材201を架設し、アーム200に直接、小梁/デッキユニット10aの端部を支持させる構成としたので、実施の形態1,2で適用したユニット支持ビーム23をアーム200間に架け渡す作業を省略することが可能となり、作業効率をさらに向上させることができる。
【0065】
さらに、実施の形態3のタワー式生産システム101によれば、タワー式ストッカー2の最下部を平面生産エリアE4としたので、小梁/デッキユニット10aのほぼ1枚分の面積という狭い敷地のみで複数の小梁/デッキユニット10aの先組み作業を容易に行うことができる。
【0066】
また、実施の形態3のタワー式生産システム101においても、実施の形態1,2と同様に、タワー式ストッカー2に順次層状に配置された小梁/デッキユニット10aから先組み作業を立体生産エリアE2内で行うことができるので、多数のフロア先組みユニットを短時間で生産することができる。
【0067】
(実施の形態4)
つぎに、本発明の実施の形態4であるタワー式生産システム101について説明する。上述した実施の形態3では、荷重受けアーム120のアーム200の先端側が、小梁/デッキユニット10aによって押し上げられた後、自重により下降し、荷重受け250に当接することによって水平位置に戻される構成とした。アーム先端側が下がる方向にアーム200が回動すると、水平状態に近づくにつれてアーム200の加速度が大きくなり、荷重受け250に当接する際に衝撃が発生する。本実施の形態では、アーム200の回動速度を制御することによってアーム200と荷重受け250との間を緩衝する衝撃低減装置を、アーム200とメインコラム11との間に介在させることによって、衝撃を低減させるようにした。なお、本実施の形態であるタワー式生産システム101の構成は、この衝撃低減装置を設けた点以外は、上述した実施の形態3と同様である。従って、衝撃低減装置以外の構成については実施の形態3と同じ符号を用い、その説明を省略する。
【0068】
図17は、荷重受けアーム120のアーム200とメインコラム11との間に衝撃低減装置300を取付けた状態を概略的に示す図であり、左図は衝撃低減装置300の正面図、右図は側面図である。なお、図17では、アーム200の先端側が斜め上方を向いた状態、すなわち、アーム200の先端側が小梁/デッキユニット10aによって押し上げられた直後における衝撃低減装置300を示している。また、図18−1〜図18−3は、アーム先端側が下がる方向にアーム200が回動した場合の衝撃低減装置300の動作を説明するための図である。図17に示すように、衝撃低減装置300は、ガスダンパ(ガススプリング)310と、圧縮開始位置調整機構320とを備えて構成してある。
【0069】
ガスダンパ310は、内部に窒素等のガスが充填されたシリンダ311と、オリフィスを備えシリンダ311内に移動可能に嵌装されたピストン(図示せず)と、一端部がピストンに連結されるとともに他端部がシリンダ311の外部に延出したロッド312とを備え、シリンダ311の内部がピストンによって区画されて二つのガス室が形成されたものである。このガスダンパ310は公知のものを適宜適用すればよく、詳細な説明は省略するが、ピストンに対してシリンダ311が急激に動くのを妨げる機能を有するとともに、ロッド312がシリンダ311から最も突出した状態(最伸長時)が自然長の状態であり、自然長よりも短くなると元に戻そうとする力が働く機能を有したものである。
【0070】
図17に示すように、ガスダンパ310のシリンダ側の端部及びロッド側の端部には、それぞれ取付部313,314が設けてある。このシリンダ側取付部313及びロッド側取付部314には、それぞれ図示しないボルト挿通孔が形成してある。シリンダ側取付部313は、ボルト316を介して、アーム200の下フランジ200bに配設された取付部材315に取付けられ、取付部材315に対してボルト316の軸心回りに回転可能に連結されている。一方、ロッド側取付部314は、後述する圧縮開始位置調整機構320の可動部340に取付けられ、この可動部340に対してボルト343の軸心回りに回転可能に連結されている。
【0071】
圧縮開始位置調整機構320は、上述したガスダンパ310が圧縮を開始する位置を調整する機構である。アーム先端側が下がる方向にアーム200が回動し始めた直後は、重力によるモーメントが小さい。このため、アーム200の回動初期からガスダンパを作用させると、ガスダンパ310による力がアーム200の回動を妨げ、アーム200が回動しなくなるおそれがある。従って、この圧縮開始位置調整機構320を用いて、アーム200の回動初期はガスダンパ310を作用させないようにする一方、アーム200が所定の角度回動し、重力によるモーメントがある程度大きくなった時点でガスダンパ310を作用させるようにしている。図17に示すように、圧縮開始位置調整機構320は、基部330、可動部340及び規制部350とを備えて構成してある。
【0072】
基部330は、その長手方向に直交する断面の形状がL字型を成す鋼材からなるものであり、図17の側面図に示すように、メインコラム11に取付けられる第1板材332と、この第1板材332に直交する第2板材333とで構成してある。第1板材332は、メインコラム11の昇降空間E3に面する面11aの裏側に、適宜な手段により固定してある。第2板材333は、可動部340及び規制部350が取付けられる面である。この第2板材333には、図17の正面図に示すように、上下方向(長手方向)に沿って長孔331が形成されている。この長孔331は、ボルト343を摺動させるための貫通孔である。
【0073】
可動部340は、断面形状がL字型を成す鋼材からなるものであり、上下動可能に基部330に取付けられる取付部341と、規制部350に当接する当接部342とから構成される。取付部341は、ボルト343を挿通させるための挿通孔(図示せず)を有する板状部材である。図17に示すように、ガスダンパ310のロッド側取付部314のボルト挿通孔、可動部340の取付部341のボルト挿通孔、及び、基部330の長孔331には、ボルト343が挿通されており、ガスダンパのロッド側取付部314及び可動部340が、ボルト343を介して基部330に取付けられている。ボルト343は、図17に示す位置から長孔331の延在方向に沿って摺動可能となっている。上記構成とすることで、ガスダンパ310のロッド側取付部314と可動部340の取付部341は、基部330に対して上下動可能となっている。また、上述したように、ガスダンパ310のロッド側取付部314は、可動部340の取付部341に対してボルト343の軸心回りに回転可能となっている。当接部342は、可動部340が下方に移動した場合に、後述する規制部350の突起部353に当接する板状部材である。
【0074】
規制部350は、断面形状がL字型を成す鋼材からなるものであり、取付部351と、これに直交する板材352上に形成された突起部353とから構成される。取付部351は、ボルト354によって、基部330の第2板材333における下部位置に固定してある。突起部353は、板材352上に適宜な手段によって固定してある。上記構成を有する規制部350は、可動部340が長孔331に沿って下方に移動した場合に、当接部342を突起部353に当接させることによって、可動部340がそれ以上下方へ移動するのを規制する。
【0075】
なお、可動部340と規制部350との間の距離は、アーム200の長さ、重量等に応じて適宜調節する。
【0076】
次に、図18−1〜図18−3を用いて、上記構成を有する衝撃低減装置300の動作について説明する。小梁/デッキユニット10aが昇降空間E3を上昇する際、小梁/デッキユニット10aは、昇降空間E3内に配置されたアーム200の下フランジ200bに当接して、アーム200の先端側を押し上げる。このとき、アーム200は回転ピン220の軸心回りに回転させられ、アーム200の先端側は、昇降空間E3の外部に達するまで押し上げられ、図18−1に示す状態で一旦静止する。図18−1に示す状態では、ガスダンパ310のロッド312は、シリンダ311内のガス圧力によって、シリンダ311から最も突出した自由長の状態となっている。また、圧縮開始位置調整機構320の可動部340は、長孔331の上端に位置している。
【0077】
小梁/デッキユニット10aが荷重受けアーム120の設置位置を通過すると、アーム200は、図18−1に示す静止状態からアーム先端が下がる方向に回動を開始し、重力により加速を始める。この時点ではアーム200の加速度は小さい。アーム200が回動すると、ガスダンパ310も下方に移動することになる。ガスダンパ310の下方への移動に伴い、圧縮開始位置調整機構320の可動部340は、図18−1に示す位置から長孔331に沿って下方に摺動する。このため、ガスダンパ310は自然長を維持したまま下方に移動することとなる。
【0078】
アーム200がさらに回動し、図18−2に示すように、圧縮開始位置調整機構320の可動部340が規制部350の突起部353に当接すると、可動部340は下方への移動が規制される。可動部340の下方への移動が規制され、さらにアーム200が回動すると、ガスダンパ310の圧縮が開始される。ところで、この図18−2に示す状態では、回動初期に比べて重力によるモーメントが大きくなり、アーム200の加速度も大きくなっている。この加速度はアーム200が水平状態に近づくほど増大する。そこで、ガスダンパ310が圧縮を開始すると、アーム200に対して、アーム200の回動を妨げる方向(すなわちアーム200を上方に付勢する方向)に一定の力が加わることで、アーム200の加速が抑制され、アーム200の回動速度が低減されることになる。その結果、図18−3に示すようにアーム200が水平位置に達した際、荷重受け250に当接する衝撃を低減させることができる。図18−3に示すようにアームが水平位置に達すると、ロッド312のほぼ全体がシリンダ311内に収まった状態となり、ガスダンパ310の全長は最小となる。
【0079】
また、ガスダンパ310が圧縮されている状態では、常にほぼ一定の力がアーム200に作用している。この力はアーム200を押し上げる方向に作用する。従って、小梁/デッキユニット10aが水平状態にあるアーム200を押し上げる際に、アーム200に加える力は、ガスダンパ310がアーム200を押し上げる力の分だけ少なくて済む。従って、小梁/デッキユニット10aが受ける反力が少なくなるため、小梁/デッキユニット10aを安定した状態で上昇させることが可能となる。
【0080】
小梁/デッキユニット10aの揚重作業、先組み作業、先組作業後のフロア先組みユニット10の搬出作業等については、上記実施の形態1〜3で説明したとおりであるので、ここでは説明を省略する。
【0081】
なお、本実施の形態では、衝撃低減装置300をガスダンパ310と圧縮開始位置調整機構320とで構成したが、衝撃低減装置300をガスダンパ310のみで構成することもできる。この場合、ガスダンパ310の一端をアーム200に連結するとともに、他端をメインコラム11に直接連結する。
【0082】
また、本実施の形態では、ガスダンパ310のシリンダ側取付部313をアーム200に取付け、ロッド側取付部314を可動部340に取付けたが、シリンダ側取付部313を可動部340に取付け、ロッド側取付部314をアーム200に取付けてもよい。
【0083】
以上説明したように、実施の形態4であるタワー式生産システム101によれば、荷重受けアーム120におけるアーム200の先端側が下がる方向へのアーム200の回動速度を制御することにより、アーム200と荷重受け250との間を緩衝する衝撃低減装置300を備えたことで、アーム200が水平状態に復帰して荷重受け250に当接する際の衝撃を大幅に低減させることができる。アーム200が荷重受け250に当接する際の衝撃は、ショックアブソーバ等で吸収することも可能であるが、この場合、ショックアブソーバと接触する直前のアーム200の回動速度が大きくなるため、作業中に危険が伴う。本実施の形態のタワー式生産システム101によれば、作業者の安全性を確保しつつ、小梁/デッキユニット10aの揚重作業を効率よく行うことができる。
【0084】
また、実施の形態4であるタワー式生産システム101では、衝撃低減装置300を、ガスダンパ310と圧縮開始位置調整機構320とで構成し、ガスダンパ310のシリンダ側取付部313をアーム200に連結する一方、ロッド側取付部314を圧縮開始位置調整機構320の可動部340に連結し、アーム200が所定の角度以上回動した場合に、圧縮開始位置調整機構320の規制部350によって可動部340の下方への移動を規制するようにした。上記構成とすることで、重力によるモーメントが小さい回動初期にはガスダンパ310が作用しないため、ガスダンパ310の力によってアーム200の回動が妨げられるといった事態を防止することができる。一方、アーム200が所定の角度回動して、重力によるモーメントがある程度大きくなった時点でガスダンパ310が作用することで、アーム200の回動速度を低減させることができ、荷重受け250に当接する際の衝撃を低減させることができる。
【0085】
また、ガスダンパ310が圧縮されている状態では、アーム200を上方に付勢する力が常にアーム200に作用するため、小梁/デッキユニット10aが水平状態にあるアーム200を押し上げる際に、小梁/デッキユニット10aが受ける反力を少なくすることができるため、小梁/デッキユニット10aを安定した状態で上昇させることが可能となる。
【0086】
なお、上述した実施の形態1,2では、複数の荷重受けアーム12のアーム20間にユニット支持ビーム23を架設した構成としたが、実施の形態3と同様に、このユニット支持ビーム23を省略し、アーム20に直接小梁/デッキユニット10aを支持させることも可能である。また、上述した実施の形態3において、複数の荷重受けアーム120のアーム200間にユニット支持ビーム23を架設し、このユニット支持ビーム23上に小梁/デッキユニット10aを支持させることも可能である。
【0087】
また、上述した実施の形態1,2では、昇降空間E3における小梁/デッキユニット10aの揚重作業を、吊ビーム13に取り付けた昇降装置14を用いて行ったが、実施の形態3のように吊り治具43を用いて、クレーンによって揚重作業を行ってもよい。また、実施の形態3において、タワー式ストッカー2に吊ビーム13と昇降装置14を取付け、この昇降装置14によって小梁/デッキユニット10aの揚重作業を行うようにしてもよい。
【0088】
なお、上述した実施の形態1〜4では特に言及しなかったが、タワー式ストッカー2でストックされる層数は、現場規模に応じて増減すればよい。この層数の増減にかかわらず、少ない敷地面積で、小梁/デッキユニットの組立作業から先組み作業までを短時間で行うことができる。
【0089】
また、上述した実施の形態1〜4では、メインコラム11を設けていたが、このメインコラム11に替えて、小型タワークレーンなどのマストを利用してもよい。さらに、建家躯体(本設躯体)を、メインコラム11として利用してもよい。また、建物内にボイド等がある場合、このボイド等を昇降空間として利用し、ボイド等を形成する本設の柱を、メインコラム11等としてタワー式ストッカー2の一部として用いるようにしてもよい。
【0090】
さらに、上述した実施の形態1〜4では、タワー式ストッカー2が固定された状態で説明したが、これに限らず、現場規模が大きく広い場合、フロア先組みユニット10の搬出時に用いる複数のクレーンの作業領域に対応させてタワー式ストッカー2を移動できるようにしてもよい。このタワー式ストッカー2の移動は、たとえば予め移動方向にレール等を敷いておいて、このレール上にタワー式ストッカー2を組み立て、タワー式ストッカー2全体が移動できるようにすればよい。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】この発明の実施の形態1であるタワー式生産システムの概要構成を示す図である。
【図2】荷重受けアームの詳細構成を示す図である。
【図3】荷重受けアームと昇降空間との関係を示す図である。
【図4】荷重受けアームと層状配置される小梁/デッキユニットと先組み作業との関係を示す図である。
【図5】タワー式ストッカーを用いたフロア先組みユニットの生産手順を示す図である(その1)。
【図6】タワー式ストッカーを用いたフロア先組みユニットの生産手順を示す図である(その2)。
【図7】タワー式ストッカーを用いたフロア先組みユニットの生産手順を示す図である(その3)。
【図8】タワー式ストッカーを用いたフロア先組みユニットの生産手順を示す図である(その4)。
【図9】タワー式ストッカーを用いたフロア先組みユニットの生産手順を示す図である(その5)。
【図10】タワー式ストッカーを用いたフロア先組みユニットの生産手順を示す図である(その6)。
【図11】タワー式ストッカーを用いたフロア先組みユニットの生産手順を示す図である(その7)。
【図12】実施の形態2であるタワー式生産システムの概要構成を示す図である。
【図13】実施の形態3であるタワー式生産システムに適用する荷重受けアームの斜視図である。
【図14】図13の上面図である。
【図15】図14のA矢視図である。
【図16−1】実施の形態3のタワー式生産システムにおける小梁/デッキユニットの揚重作業の手順を示す図である。
【図16−2】実施の形態3のタワー式生産システムにおける小梁/デッキユニットの揚重作業の手順を示す図である。
【図16−3】実施の形態3のタワー式生産システムにおける小梁/デッキユニットの揚重作業の手順を示す図である。
【図17】実施の形態4のタワー式生産システムに適用する荷重受けアームとメインコラムに衝撃低減装置を取付けた状態を概略的に示す正面図及び側面図である。
【図18−1】図17に示した衝撃低減装置の動作を説明するための図である。
【図18−2】図17に示した衝撃低減装置の動作を説明するための図である。
【図18−3】図17に示した衝撃低減装置の動作を説明するための図である。
【符号の説明】
【0092】
1,51,101 タワー式生産システム
2 タワー式ストッカー
3 ガイドレール
4 搬送台車
5 吊り治具
10 フロア先組みユニット
10a 小梁/デッキユニット
10b 小梁
11 メインコラム
12,120 荷重受けアーム
13,41 吊りビーム
14 昇降装置
15 仮設開閉屋根
16 足場
20,200 アーム
21,210 ブラケット
22,220 回転ピン
23 ユニット支持ビーム
24,240 カウンターウェート
25,250 荷重受け
41 吊ビーム
42 組立架台
43 吊り治具
44 ワイヤー
200a (アームの)上フランジ
200b (アームの)下フランジ
200c (アームの)ウェブ
201 ユニット受部材
202 補鋼材
211 基部
212 ピン支持プレート
213 ボルト
214 ピン挿通孔
215 回転部材
215a (回転部材の)上フランジ
215b (回転部材の)下フランジ
215c (回転部材の)ウェブ
215d 軸孔
215e 補鋼材
300 衝撃低減装置
310 ガスダンパ
311 シリンダ
312 ロッド
313 シリンダ側取付部
314 ロッド側取付部
315 取付部材
316 ボルト
320 圧縮開始位置調整機構
330 基部
331 長孔
332 第1板材
333 第2板材
340 可動部
341 取付部
342 当接部
343 ボルト
350 規制部
351 取付部
352 板材
353 突起部
354 ボルト
E1,E4 平面生産エリア
E2 立体生産エリア
E3 昇降空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面系ユニット部材に各種部品を先組みした先組みユニット部材を生産するユニット部材の先組み方法であって、
前記平面系ユニット部材をほぼ水平に保ち該平面系ユニット部材を鉛直方向に移動可能な空間内で最初の前記平面系ユニット部材を移動させ、該空間内の最上層に配置する第1配置工程と、
次以降の前記平面系ユニット部材の上面に前記各種部品を搭載して該平面系ユニット部材を前記最初の平面系ユニット部材の下層に順次配置し、該最初の平面系ユニットを含めた複数の平面系ユニット部材を前記空間内の鉛直方向に層状に配置する第2配置工程と、
層状に配置された複数の平面系ユニット部材を足場として上層の平面系ユニット部材の下面に前記各種部品を先組みする先組み工程と、
前記先組み工程によって生産された先組みユニットを上層から順次搬出する搬出工程と、
を含むことを特徴とするユニット部材の先組み方法。
【請求項2】
前記空間の最下部で前記平面系ユニット部材を組み立てる組立工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のユニット部材の先組み方法。
【請求項3】
前記空間外であって該空間の最下部に隣接する領域に前記平面系ユニット部材を搬送する搬送台車を配置し、該搬送台車上で前記平面系ユニット部材を組み立てる組立工程と、
前記組立工程によって組み立てられた平面系ユニット部材を前記搬送台車上に配置したまま前記空間の最下部に移動する移動工程と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のユニット部材の先組み方法。
【請求項4】
前記第1配置工程および前記第2配置工程は、前記移動工程後、前記平面系ユニット部材を前記搬送台車上に配置したまま層状に配置することを特徴とする請求項3に記載のユニット部材の先組み方法。
【請求項5】
平面系ユニット部材に各種部品を先組みした先組みユニット部材を生産するユニット部材の先組み装置であって、
前記平面系ユニット部材をほぼ水平に保ち該平面系ユニット部材を鉛直方向に移動可能な空間を形成する骨格部材と、
前記骨格部材を形成する上部水平部材に取り付けられ、前記空間内で前記平面系ユニットを昇降させる昇降手段と、
前記骨格部材を形成する鉛直部材に取り付けられ、前記空間に複数の前記平面系ユニット部材を層状に支持する荷重受けアームと、
を備え、前記荷重受けアームに支持された前記平面系ユニットに対して前記各種部品を先組みすることを特徴とするユニット部材の先組み装置。
【請求項6】
前記空間の最上部に仮設開閉屋根を設け、完成した上層の前記先組みユニットから該仮設開閉屋根を介して搬出することを特徴とする請求項5に記載のユニット部材の先組み装置。
【請求項7】
前記平面系ユニット部材の一方の対辺間隔に比して長い対辺間隔を有するとともに他方の対辺間隔に比して短い対辺間隔を有し、前記平面系ユニット部材の長い対辺方向と当該搬送台車の長い対辺方向とを直交状態にして前記平面系ユニット部材を搬送する搬送台車と、
前記空間に隣接した領域であって前記平面系ユニット部材を組み立てる領域と前記空間の最下部との間に前記前記搬送台車を移動可能に導くガイドレールと、
を備え、前記領域の前記搬送台車上で前記平面系ユニット部材を組み立て、前記搬送台車に乗せたまま前記平面系ユニット部材を移動させることを特徴とする請求項5または6に記載のユニット部材の先組み装置。
【請求項8】
前記荷重受けアームは、
前記鉛直部材の層状配置位置に取り付けられるブラケットと、
ピンを介して前記ブラケットに取り付けられ、前記鉛直部材を挟む回動自在な一対のアームと、
前記アームが水平位置になったときに、該アームの先端の鉛直下方への回動を制限する荷重受けと、
前記アームの後端に設けられ、前記アームが前記平面系ユニット部材を支持していない状態において、前記アームの先端が斜め上方に向いて停止した状態を維持するカウンターウェートと、
を備えたことを特徴とする請求項5〜7のいずれか一つに記載のユニット部材の先組み装置。
【請求項9】
前記荷重受けアームは、
前記鉛直部材の層状配置位置に取り付けられるブラケットと、
ピンを介して前記ブラケットに取り付けられ、前記鉛直部材を挟む回動自在な一対のアームと、
前記アームが水平位置になったときに、該アームの先端の鉛直下方への回動を制限する荷重受けと、
を備え、
前記平面系ユニット部材を支持していない状態において、前記一対のアームの先端を前記空間内に水平に配置したことを特徴とする請求項5〜7のいずれか一つに記載のユニット部材の先組み装置。
【請求項10】
前記荷重受けアームは、
所定方向の複数の各アームの先端に共通接続されるユニット支持ビームを備え、このユニット支持ビーム上に前記平面系ユニット部材の端部を支持させることを特徴とする請求項8又は9に記載のユニット部材の先組み装置。
【請求項11】
前記荷重受けアームは、
前記一対のアーム間に架設されたユニット受部材を備え、このユニット受部材上に前記平面系ユニット部材の端部を支持させることを特徴とする請求項8又は9に記載のユニット部材の先組み装置。
【請求項12】
前記荷重受けアームにおけるアームの先端が下がる方向への前記アームの回動速度を制御することにより、前記アームと前記荷重受けとの間を緩衝する衝撃低減装置を備えたことを特徴とする請求項9に記載のユニット部材の先組み装置。
【請求項13】
前記衝撃低減装置はガスダンパを備え、
前記アームと前記鉛直部材との間に前記ガスダンパを介在させ、
前記アームの先端が下がる方向に前記アームが回動した場合に、前記ガスダンパのガスを圧縮させることを特徴とする請求項12に記載のユニット部材の先組み装置。
【請求項14】
前記ガスダンパは、内部にガスが充填されたシリンダと、該シリンダ内に移動可能に嵌装されたピストンと、一端部が前記ピストンに連結されるとともに他端部が前記シリンダの外部に延出したロッドとを備え、
前記ガスダンパの一端部を前記アームに連結する一方、他端部を前記鉛直部材に連結したことを特徴とする請求項13に記載のユニット部材の先組み装置。
【請求項15】
前記衝撃低減装置は、ガスダンパと、前記鉛直部材に対して上下動可能な可動部と、該可動部の下方への移動を規制する規制部とを備え、
前記ガスダンパは、内部にガスが充填されたシリンダと、該シリンダ内に移動可能に嵌装されたピストンと、一端部が前記ピストンに連結されるとともに他端部が前記シリンダの外部に延出したロッドとを備え、
前記ガスダンパの一端部を前記アームに連結する一方、他端部を前記可動部に連結し、
前記アームが、該アームの先端が下がる方向に所定の角度以上回動した場合に、前記規制部によって前記可動部の下方への移動を規制するようにしたことを特徴する請求項12に記載のユニット部材の先組み装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16−1】
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【図16−2】
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【図16−3】
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【図17】
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【図18−1】
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【図18−2】
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【図18−3】
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【公開番号】特開2009−91874(P2009−91874A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−271283(P2007−271283)
【出願日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(000002299)清水建設株式会社 (2,433)
【Fターム(参考)】