説明

ユニバーサル締り嵌めクリート

椎骨インプラントは、2つの椎骨終板の間に嵌まるように寸法設定される管状本体(22)および一対の輪状のクリートアセンブリ(24、26)を備える。各クリートアセンブリは、外側端壁(40)、内側端壁(42)および中空穴(38)を画成する側壁(34、36)を備える。1つまたは複数のスパイク(44)が各外側端壁から延びる。各中空穴は、管状本体の端部上に嵌まり且つ管状本体の端部からその長さの少なくとも一部に沿って摺動可能に動くように寸法設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、1つまたは複数の椎体およびそれらに隣接する椎間板の置換のためのインプラントに関し、より詳細には、アセンブリを安定化するクリートを有する椎骨インプラントアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
外傷、罹患または先天的な影響により様々な脊髄損傷が起こり得る。それらの損傷および疾患は、最後には、1つまたは複数の椎体の破壊に至り、1つまたは複数の損傷を受けた椎体およびそれらに隣接する椎間板を切除する椎骨切除術をすることになる。椎骨切除術に続く脊柱の再建は、外科医に数々の難題をもたらし得る。
【0003】
1つの懸念すべき外科的な問題には、インプラントおよび任意の関連する移植片材料の前方変位(「キックアウト」)または後方移動(posterior retropulsion)を引き起こすことなく、インプラントが軸方向荷重、ねじり荷重およびせん断荷重に耐え得ることを確実にするように、脊椎インプラントを残りの頭側と尾側の脊椎体の間に確実に挿置するということがある。それらの失敗する方法を最小限にするように試みた既存の脊椎インプラントは、しばしば、装置の抜去、移植片またはインプラントの陥没、移植片の外れまたは高背型設計による隣接の脊椎および軟組織構造の侵食など他の望ましくない結果をもたらし得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、キックアウトおよび後方移動に耐え、隣接の骨、脈管または軟組織構造を傷つけずさらに外科的処置を大幅に長引かせるまたは複雑にしない、脊椎インプラントアセンブリが必要である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
次に、本発明の原理の理解を深める目的で、図に示される実施形態すなわち実施例について述べる。それらの説明には特殊用語を使用する。しかし、それによって発明の範囲が限定されるものではないと理解されよう。説明される実施形態における任意の変更および他の修正ならびに本明細書に記載の本発明の原理の任意の他の応用は、本発明に関係する当業者が一般に思いつくものとして企図される。
【0006】
まず図1を参照すると、参照番号10は、損傷椎骨12aが2つの無傷椎骨12b、12cの間に延びる脊柱を示す。椎骨12a、12bの間に椎間板14aが延び、椎骨12a、12cの間に椎間板14bが延びる。典型的な外科的切除術では、椎骨12aを椎間板14a、14bとともに取り除き、2つの無傷椎骨12a、12cの間に空隙を作り出す。この処置は、前方、前側方または当業者に既知である他のアプローチを用いて実施することができる。次いで、2つの無傷椎骨12a、12bの間の空隙を埋めるように、本発明の一実施形態による椎骨インプラントアセンブリをもたらす。説明される実施形態は単一の椎骨の除去を前提としているが、本発明の他の実施形態は、外科的処置で必要があれば椎骨を除去しないで椎間板空間に挿入されてよいと理解されよう。さらに別の実施形態において、本発明は、2つ以上の罹患したまたは損傷した椎骨およびそれらに隣接する椎間板を除去する椎骨切除術の後の脊柱の再建において使用されることができる。
【0007】
次に図2を参照すると、本発明の一実施形態による椎骨インプラントアセンブリは、全体的に参照番号20で示され、以下に説明するやり方で2つのクリートアセンブリ(cleat assembly)24、26の間に連結される管状本体22を含む。管状本体22は、骨形成材料(図示せず)をそれを通って受けるように構成される中空穴28を画成する。骨形成材料を十分に生かし椎骨または椎間板手術の後の治癒および骨の回復を促すように、管状本体22は、複数の開口30を備えることができる。開口30によって、骨および組織の内部成長ならびに血管新生が可能になる。本体22は、様々な高さでもたらされてよく、または、移植後に椎骨剥離によって形成される隙間に嵌まり隣接の無傷椎骨の弱い骨に損傷を与えるのを避けるように形が整えられてもよい。
【0008】
一実施形態において、当業界で既知である外科用メッシュ管または「ケージ」が管状本体22となり得る。そうしたケージの1つの例が、Drewry他の米国特許第5897556号および米国特許第6149651号(「Drawry特許」という)において開示されている。それらの開示を参照により本明細書に合体する。Drawry特許に記載されているように、管状本体は、複数の三角形の孔を形成する角度を付けられ交差している細長い棒を備えることができる、また、Drawry特許に記載されるように、管状本体は、断面が非円形であり、むしろ隣接の無傷椎骨の輪郭にさらによく適合するように形作られ、したがって取り付けのとき管状本体が可能な限り邪魔にならなくなり得る。
【0009】
クリートアセンブリ24は、輪状の部材32を含むことができる。輪状部材32は、外側壁34、および摺動などによって管状本体22が通ることができる穴38を画成する内側壁36を有する。内側壁36は、管状部材22の摺動可能通過を助長するように滑らかであってよい。部材32は、外側壁34と内側壁36の間に延びる外側端壁40および内側端壁42をさらに含む。外側端壁40は複数のスパイク44を有する。スパイク44は、隣接の無傷椎骨の終板を刺通してクリートアセンブリ24の位置を原位置に維持するように構成される。
【0010】
クリートアセンブリ24内およびそのまわりの骨内部成長および血管新生を助長するように、外側壁34を通り内側壁36を通って穴38に連通する1つまたは複数の孔46が設けられることができる。取り付け後、それらの孔46には、治癒過程を促進させるように移植片材料が詰められることができる。さらに、取り付け後にクリートアセンブリ24を管状本体22に固定するように、部材32の側壁34、36を通って穴38に連通する1つまたは複数のねじ付き孔48が設けられることができる。各孔48は、取り付け機構50を受けるようになっている。取り付け機構50は、例えば、先が平たい小ねじであってよい。他の例には、事前取り付けピン、リベットおよび/またはステープルがある。
【0011】
取り付けを容易にするように、クリートアセンブリ24の内側端壁42は、複数のアライメント位置(alignment position)52を備えることができる。アライメント位置52は、取り付け工具(図示せず)上の対応する釘(peg)と対合してクリートアセンブリ24の軸方向回転配置を可能にするように構成されることができる。アライメント位置52は、内側端壁42に沿ってどこに配置されるかによって、内側端壁42内のくぼんだ領域として、または内側端壁42を通って延び孔46に連通する開口として構成されることができる。他の代替実施形態において、アライメント位置52は、取り付け工具(図示せず)上の対応するくぼんだ領域と対合するように内側端壁42から外に突き出てもよい。外側端壁40は、クリートアセンブリのスパイク44が隣接の無傷椎骨の終板に埋め込まれた後、動きを低減しクリートアセンブリ24との間の安定境面を助長するように溝53または他の構成を備えることができる。
【0012】
椎骨替実施形態において、クリートアセンブリ24の構造は、依然として隣接の無傷椎骨との確実で安定した係合をもたらしつつ、多種多様な患者の解剖学的構造および外科手術用途に対応するように修正されることができる。部材32は、頚部、胸部もしくは腰部の脊柱に対応するように、または特定の患者の解剖学的構造に最もよく適合するように、様々な直径で作製されることができる。さらに、内側側壁36は、所定の直径が例えば13〜25mmであり得る管状本体22が部材32を摺動可能に通ることができるように寸法設定されることができる。図2には輪状の部材32が全体的に円筒形であるとして示されているが、隣接の無傷椎骨と邪魔にならずに整列するように、外側側壁34および/または内側側壁36は、隣接の無傷椎骨の形にさらによく対応するように輪郭を合わせて作られることができ、結果的に低背型(low profile)の装置になる。
【0013】
次に図3aを参照すると、クリートアセンブリ24は、内側端壁42とほぼ平行に整列する外側端壁40を有することができる。あるいは、図3bに示されるように、クリートアセンブリ24は、様々な脊柱前弯症および脊柱後弯症の角度に対応するように互いに角度が付けられる端壁40、42を有することもできる。角度が付けられる端壁によって、特定の患者に必要とされるアライメントに最もよく適合する確実で安定した取り付けがもたらされ得る。例えば、クリートアセンブリ24は、4、8または15度である脊柱前弯症の角度を有することができる。
【0014】
再び図2を参照すると、クリートアセンブリ26は、1つまたは複数のスパイク54および対応する押しねじ58を有する1つまたは複数のねじ付き孔56を含むことができる。スパイク54、孔56および押しねじ58は、クリートアセンブリ24について上記で述べたスパイク44、孔48および押しねじ50と同一であってよい。クリートアセンブリ26の他の特徴はクリートアセンブリ24と同様であり、したがって詳細には説明しない。しかし、クリートアセンブリ24は、クリートアセンブリ26と必ずしも同じでなくてよいことに留意されたい。例えば、クリートアセンブリ24が、図3aに示されるようなほぼ平行な端壁を備え、一方クリートアセンブリ26が、図3bに示される互いに角度が付けられている端壁を備えるクリートアセンブリ24と同一であってよい。
【0015】
管状本体22およびクリートアセンブリ24、26は、生体適合性材料から形成されてよく、またはそれを含んでもよい。材料の強さは、外部から加えられる圧縮荷重、軸方向荷重、ねじり荷重および曲げ荷重に耐えるのに十分であるだけでなく、隣接の無傷椎骨に対する支持をもたらすのに十分な強さであってよい。装置は、全体的にチタンからなる。しかし、外科用グレードのステンレス鋼、ニュージャージー州アレンデイルのインプレックス コーポレーション社(Implex Corporation)によって提供されるHEDROCEL(登録商標)などの多孔質タンタル材料、または英国のビクトレックス ピーエルシー社(Victrex PLC)によって提供されるポリエーテルエーテルケトン(PEEK(登録商標))などの放射線透過性の高分子材料など、他の生体適合性材料が使用されることもできる。椎骨インプラントアセンブリ20の構成要素22、24、26は、すべて同じ材料から形成されてよく、あるいは別々の適合性材料から作製されてもよい。
【0016】
次に図4を参照すると、図2の構成要素は、椎骨剥離(vertebral ablation)によって脊柱内に作られた空隙への椎骨インプラントアセンブリ20の移植を可能にするように事前に組み立てられることができる。例えば、(図1に関して述べたように)無傷椎骨の間の隙間に嵌めるように管状本体22を選択しかつ/または形を整えた後、クリートアセンブリ24を、管状本体22の端部上に、スパイク44が本体の端部の方に延びる状態で配置することができる。クリートアセンブリ26は、管状本体22の他方の端部上に、スパイク54が本体の他方の端部の方にスパイク44とは反対方向に延びる状態で配置することができる。隣接する終板の弱い骨に損傷を与えない取り付けを可能にするように、スパイクが管状本体の両端の先に突き出さないようにクリートアセンブリを管状本体22に沿って摺動可能に位置決めすることができる。
【0017】
次いで、管状本体22に、自家移植片、同種移植片、異種移植片、脱塩骨、バイオセラミックスおよび高分子などの合成および天然の骨移植片代替物、および骨誘導因子を含む適当な骨形成材料(図示せず)を詰めることができる。管状本体22内の開口30を通って移植片を挿入することによって、骨形成移植片材料は椎骨インプラントアセンブリ20の取り付け前またはその間のいつでも詰められることができ、取り付け後でさえも詰められることができると理解されよう。
【0018】
次に、図5を参照すると、スパイク44が無傷椎骨12bの方に延びスパイク54が無傷椎骨12cの方に延びる状態で、図4の構造を(図1における)椎骨12aの外科的切除術によって作り出された空隙に外科的に挿入することができる。スパイクが終板に埋め込まれるまでクリートアセンブリ24、26を管状本体22に沿って無傷椎骨の終板の方に進めることができる。
【0019】
外科的手法および外科的曝露量によって、クリートアセンブリの椎骨終板への埋め込みは、当技術分野で既知の1つまたは複数の装置を使用して実行することができる。一実施例において、クリートアセンブリは、様々なクリートアセンブリ直径に対応することができるフォーク状または可変C字形ヘッドを有するインパクタを使用して取り付けることができる。インパクタヘッド上の釘は、クリートアセンブリを軸の方向に回転的に位置決めし、インパクタを打ちつけスパイクを隣接の椎骨終板に埋め込むのにマレットを使用する間クリートアセンブリを把持するように、クリートアセンブリ24の外側端壁40内のアライメント位置52と対合することができる。この工程をクリートアセンブリ26に対して繰り返すことができる。
【0020】
クリートアセンブリの取り付けに使用することができる他の装置には、2つのクリートアセンブリの間に挿置され、それらを互いに引き離して隣接の椎骨終板内に押しやることができる伸延器がある。例えば伸延器またはインパクタを使用してクリートアセンブリのスパイクを埋め込んだ後、伸延器を、頭側と尾側無傷椎骨の間に望ましい空間を作り出し、矢状面バランスの外科的修復を可能にすることにも使用することができる。クリートアセンブリを取り付けるさらに他の装置には、圧迫器があり、比較的静止した構造に固定するとき、スパイクを隣接の椎骨終板に入れるのに使用することができる。これらの装置または当業界で既知の他の装置は、クリートアセンブリを取り付け隣接の椎骨間に所望の空間を作り出すように単独でまたは一緒に使用することができる。
【0021】
クリートアセンブリ24、26を取り付け、適切に間隔を置いた後、(本実施例では押しねじである)取り付け機構50をクリートアセンブリ24の孔48に挿入し、少なくとも一部が内側側壁36を通って出てくるまで回転させることができる。いくつかの実施形態において、押しねじ50は事前に取り付けてよい。押しねじ50は、さらに、管状本体22のメッシュを貫通して管状本体22をクリートアセンブリ24に取り付けるようにすることができる。あるいは、押しねじは、管状本体22の表面に圧力を掛けて本体22をクリートアセンブリ24に取り付けることもできる。クリートアセンブリ26は、アセンブリ24について述べた同じやり方で管状本体22に取り付けることができる。椎体置換アセンブリ20を取り付けた後、治癒および骨成長を促すように、追加の骨形成材料を孔42を通ってクリートアセンブリ24に詰めてよい。同様に、アセンブリ26にも骨形成材料を詰めることができる。
【0022】
他の前方安定化技法と比較すると、本脊椎インプラントアセンブリ20の取り付けは、比較的簡単であり、他の機器の移植またはほぞ穴(mortise)の準備を必要とする外科的処置に比べて処置の時間が短縮され得る。さらに、椎骨インプラントアセンブリ20は、スクリュー・プレートシステム、スクリュー・ロッドシステムおよび椎弓根スクリューシステムなど他の移植される安定化装置を補完しそれに妨害を与えないように取り付けられることができる。取り付け後、インプラント20は、超低背型をとり、それによって脈管構造の侵食の危険が低減される。
【0023】
上記で述べたように取り付けられる椎体置換アセンブリ20は、ねじり荷重、軸方向荷重およびせん断荷重に耐え、それによって前方変位または後方移動の危険が低減され、したがって患者の神経障害の発現および追加手術の必要が最小限に抑えられる。さらに、この取り付けは、従来のほぞ穴を開ける技術でよく起きる、隣接の椎骨終板の比較的弱い骨内に入る管状本体または生物学的支柱の陥没(「わん状変形」)に耐えることができる。陥没しにくいことは、スパイクが埋め込まれること、および広い表面積の端壁が隣接の無傷椎骨終板端のより広い領域上に荷重を分散させることによるものである。クリートアセンブリが、管状本体の中空穴内に位置決めされるのではなく本体の外側から固定されるので、開示の構造は、骨形成を促進させるように管状本体内に位置する骨形成材料と隣接の椎骨終板との間の接触を増大させることができるというさらなる利点をもたらす。
【0024】
代替取り付け方法は、例えば椎骨インプラントアセンブリ20の構成要素があらかじめ組み立てられなくてよく、いくつかの応用例について有利である。さらに、管状本体22をクリートアセンブリ24、26の間に通す前にクリートアセンブリ24、26のスパイク44、54をそれぞれ無傷椎骨12b、12c(図1)に入れてよい。次いで、管状本体22に骨形成材料を詰め、クリートアセンブリ24、26の間の空間に摺動可能に位置決めしてもよい。次いで、押しねじ50、58を上記で述べたように取り付けることができる。
【0025】
次に図6を参照すると、他の代替実施形態において、管状本体22は、椎骨インプラントアセンブリ62を形成するのに生物学的支柱移植片60に取って代えられることができる。支柱は、同種移植片または自家移植片材料であってよく、移植片は、腓骨、上腕骨または当業界で既知の任意の他の適当なソースから取得してよい。この実施形態において、終板24、26を、隣接の無傷椎骨の終板の間に嵌まるように寸法設定される生物学的支柱移植片60上に配置する。次いで、椎骨インプラントアセンブリ62を椎骨インプラントアセンブリ20について述べた方法と同様のやり方で取り付けることができる。しかし、この実施形態において、押しねじ50、58は生物学的支柱移植片56にねじ込まれ得るタイプのものであってよい。例えば、先のとがったねじが適している。
【0026】
本発明の少しの例示的実施形態しか上記に詳細に説明されていないが、本発明の新規技術および利点から著しく逸脱することなく、例示的実施形態において多くの修正が可能であると当業者には容易に理解されよう。したがって、すべてのそうした修正形態は、特許請求の範囲に定義されるような本発明の範囲内に含まれるものとする。特許請求の範囲において、ミーンズ・プラス・ファンクション表現は、列挙した機能を実施するような本明細書に記載の構造および構造的均等物だけでなく均等の構造にも適用されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】脊柱内における損傷を受けた椎体の斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態による椎骨インプラントアセンブリの分解斜視図である。
【図3a】本発明の第1の実施形態によるクリートアセンブリの斜視図である。
【図3b】本発明の第2の実施形態によるクリートアセンブリの斜視図である。
【図4】係合されていない位置にある椎骨インプラントアセンブリの斜視図である。
【図5】無傷脊椎の間に配置されている椎骨インプラントアセンブリの斜視図である。
【図6】無傷脊椎の間に配置され生物学的支柱を備える椎骨インプラントアセンブリの斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの椎骨終板の間に位置決めされる椎骨インプラントであって、
前記2つの椎骨終板の間に嵌まるように寸法設定される管状本体と、
それぞれが外側端壁、内側端壁および中空穴を画成する側壁を備える一対の輪状クリートアセンブリと
を備え、
1つまたは複数のスパイクが、各外側端壁から延び、
各中空穴が、前記管状本体の端部上に嵌まり且つ前記管状本体の前記端部からその長さの少なくとも一部に沿って摺動可能に動くように寸法設定される、
椎骨インプラント。
【請求項2】
前記管状本体が、前記2つの椎骨終板の間における位置決めの前に前記クリートアセンブリのそれぞれの前記中空穴に摺動可能に通され、各外側端壁上の前記スパイクが、互いに離れる方向に向けられ、前記管状本体の両端から先に延びることなく前記管状本体の前記両端の方に延びる、請求項1に記載の椎骨インプラント。
【請求項3】
前記管状本体を前記クリートアセンブリに取り付ける取り付けアセンブリをさらに備え、
該取り付けアセンブリは、前記クリートアセンブリのそれぞれの前記側壁を通って延びる1つまたは複数の孔と、前記1つまたは複数の孔の1つを通って前記管状本体と接触するように延びることができる取り付け部材とを備える、請求項1に記載の椎骨インプラント。
【請求項4】
前記1つまたは複数の孔がねじ切りされ、前記取り付け部材が押しねじである、請求項3に記載の椎骨インプラント。
【請求項5】
1つまたは複数の開口部が、前記クリートアセンブリのそれぞれの前記側壁を通って延び、前記中空穴への移植片材料の注入を可能にするように寸法設定される、請求項1に記載の椎骨インプラント。
【請求項6】
前記クリートアセンブリのそれぞれの前記内側端壁が、前記クリートアセンブリの整列および位置決めのための1つまたは複数のアライメント位置を備える、請求項1に記載の椎骨インプラント。
【請求項7】
前記クリートアセンブリの少なくとも1つについて、前記外側端壁が、前記内側端壁に対して角度がつけられている、請求項1に記載の椎骨インプラント。
【請求項8】
前記クリートアセンブリの前記端壁に溝が付けられている、請求項1に記載の椎骨インプラント。
【請求項9】
各クリートアセンブリの前記中空穴が滑らかである、請求項1に記載の椎骨インプラント。
【請求項10】
前記中空穴の直径が13mm乃至25mmである、請求項1に記載の椎骨インプラント。
【請求項11】
前記外側端壁と前記内側端壁の間の角度が4度乃至15度である、請求項7に記載の椎骨インプラント。
【請求項12】
2つの椎骨終板の間に位置決めされる椎骨インプラントであって、
前記2つの椎骨終板の間に嵌まるように寸法設定される生物学的支柱と、
それぞれが外側端壁、内側端壁、および中空穴を画成する側壁を備える一対の輪状クリートアセンブリと、
を備え、
1つまたは複数のスパイクが、各外側端壁から延び、
各中空穴が、前記生物学的支柱の端部上に嵌まり且つ前記生物学的支柱の前記端部からその長さの少なくとも一部に沿って摺動可能に動くように寸法設定される、
椎骨インプラント。
【請求項13】
各側壁を通る少なくとも1つのねじ付き孔、および各孔を通って延びることができ且つ前記生物学的支柱を前記クリートアセンブリに固定する押しねじをさらに含む、請求項12に記載の椎骨インプラント。
【請求項14】
伸延力によって前記クリートアセンブリが引き離されて所望の椎骨アライメントが達成された後、前記押しねじが各孔を通って延ばされる、請求項12に記載の椎骨インプラント。
【請求項15】
所望の椎骨アライメントを作り出すように2つの椎骨終板の間の可変空間内に位置決めする椎骨インプラントシステムであって、
第1の反対端部および第2の反対端部を有し、前記椎骨終板間の空間の少なくとも一部にわたるように寸法設定される管状本体と、
第1のクリートアセンブリであって、該第1のクリートアセンブリを前記椎骨終板の一方に取り付けるための第1のスパイク付きの端壁、および前記第1の反対端部を第1のクリートアセンブリに摺動可能に通すための第1の中空穴を画成する第1の側壁を備える、第1のクリートアセンブリと、
第2のクリートアセンブリであって、該第2のクリートアセンブリを前記椎骨終板の他方に取り付けるための第2のスパイク付きの端壁、および前記第2の反対端部を第2のクリートアセンブリに摺動可能に通すための第2の中空穴を画成する第2の側壁を備える、第2のクリートアセンブリと
を備える、椎骨インプラントシステム。
【請求項16】
前記第1のクリートアセンブリおよび第2のクリートアセンブリが前記椎骨終板に取り付けられた後に前記第1のクリートアセンブリおよび第2のクリートアセンブリを前記管状本体に固定する取り付けシステムをさらに備える、請求項15に記載の椎骨インプラントシステム。
【請求項17】
前記取り付けシステムが、前記第1の側壁および第2の側壁のそれぞれにある少なくとも1つのねじ付き孔、および前記ねじ付き孔のそれぞれを通って延びることができる押しねじを備える、請求項16に記載の椎骨インプラントシステム。
【請求項18】
伸延力によって椎骨終板間の空間が変えられて所望の椎骨アライメントが作り出された後、前記押しねじが前記ねじ付き孔のそれぞれを通って延ばされる、請求項17に記載の椎骨インプラントシステム。
【請求項19】
前記第1のスパイク付き端壁が前記第1の反対端部の方に向けられ且つ前記第2のスパイク付き端壁が前記第2の反対端部の方に向けられる状態で、前記第1のクリートアセンブリが前記第1の反対端部上を摺動可能に動かされ、前記第2のクリートアセンブリが前記第2の反対端部上を摺動可能に動かされ、
前記スパイク付き端壁が前記第1の反対端部および第2の反対端部を越えて延びない、請求項15に記載の椎骨インプラントシステム。
【請求項20】
1つまたは複数の開口部が、前記第1の中空穴への移植片材料の注入を可能にするように寸法設定され、前記第1の側壁を通って延びる、請求項15に記載の椎骨インプラントシステム。
【請求項21】
一対のクリートアセンブリおよび管状本体を備える椎骨インプラントを2つの椎骨終板の間に挿入する方法であって、
前記クリートアセンブリを前記管状本体上に摺動させるステップと、
前記椎骨インプラントを前記椎骨終板の間に挿入するステップと、
伸延装置を前記クリートアセンブリの間に挿置するステップと、
前記伸延装置で伸延力をかけ、それによって前記クリートアセンブリの少なくとも1つが前記椎骨終板の少なくとも1つに係合されるステップと
を含む、方法。
【請求項22】
前記伸延力に応答して、前記2つの椎骨終板の間の空間が広げられるステップと、
前記広げられた空間を維持するように取り付け機構によって各クリートアセンブリを前記管状本体に取り付けるステップと
をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記取り付け機構が押しねじである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記椎骨インプラントの挿入の間、前記クリートアセンブリが前記管状本体の両端を越えて延びない、請求項21に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3a】
image rotate

【図3b】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2007−517628(P2007−517628A)
【公表日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−549586(P2006−549586)
【出願日】平成17年1月12日(2005.1.12)
【国際出願番号】PCT/US2005/001067
【国際公開番号】WO2005/070348
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(506298792)ウォーソー・オーソペディック・インコーポレーテッド (366)
【Fターム(参考)】