説明

ユビキチンC末端ヒドロラーゼ−L1の新規な使用

本発明はユビキチンC−末端ヒドロラーゼ−L1(UCH−L1)を含む癌転移診断用組成物、癌転移診断のためのUCH−L1の使用、UCH−L1を使用する癌転移診断方法、UCH−L1の阻害剤を含む癌転移を抑制する組成物、UCH−L1を含む癌転移阻害剤のスクリーニング組成物、癌転移阻害剤のスクリーニングのためのUCH−L1の使用、UCH−L1を使用する癌転移阻害剤のスクリーニングの方法、に関する。UCH−L1は発現レベルに従い癌侵襲を含む細胞移動をモジュレートするキー分子である。従ってモノクローナルおよびポリクローナル抗体およびUCH−L1の基質は癌転移の診断のために用いることができる。また癌の転移はUCH−L1の発現またはその酵素の活性を阻害することにより抑制出来る。従って我々はUCH−L1の阻害剤をスクリーニングし、開発しそれを抗癌治療の助剤として用いることが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はユビキチンC−末端ヒドロラーゼ−L1(UCH-L1)を含む癌転移を診断するための組成物、癌転移を診断するためのUCH-L1の使用、UCH-L1を用いる癌転移診断方法;UCH-L1の阻害剤を含む癌転移を抑制するための組成物、癌転移を抑制するためのUCH-L1の阻害剤の使用、UCH-L1を用いる癌転移を抑制する方法;UCH-L1タンパク質を含む癌転移抑制剤をスクリーニングするための組成物、癌転移阻害剤をスクリーニングするためのUCH-L1タンパク質の使用、UCH-L1を用いる癌転移阻害剤をスクリーニングする方法;UCH-L1遺伝子を含む癌転移抑制剤をスクリーニングする組成物、癌転移抑制剤をスクリーニングするためのUCH-L1遺伝子の使用、UCH-L1を用いる癌転移阻害剤をスクリーニングする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ユビキチンC−末端ヒドロラーゼ−L1(UCH-L1)は、脱ユビキチン酵素(DUBs)およびニューロン特異的ユビキチンのリサイクリング酵素の1つである。
【0003】
UCH-L1はユビキチンと小さいアダクトまたは折りたたまれていないポリペプチドの間のペプチド結合をインビトロで加水分解すると報告された。しかしながら、UCH-L1酵素の基質特異性およびDUBsファミリーのイソ形の特異的特徴はあまりよく理解されていない(Christopher N. et al., "substrate specificity of deubiqutinating enzymes; ユビキチンC−末端ヒドロラーゼ−", Biochemistry, 37, 3358-3368,1998)。
【0004】
UCH-L1はニューロン分化の全ての段階においてニューロン組織において広く発現するユビキチンヒドロラーゼであり、ニューロンおよび分散ニューロエンドクリンシステムおよびその腫瘍の細胞において特異的に発現する。UCH-L1 は大脳の大部分、特に中脳のサブスタンシアニグラにおいて特に高度に発現する。DUBsはユビキチンC−末端ヒドロラーゼ−L1(UCHs)、ユビキチンプロセシングプロテアーゼ(UBPs)またはユビキチン特異的プロテアーゼ(USPs)のその配列同一性により分類される。高い配列同一性にかかわらずこれらの2つの酵素のインビトロ加水分解活性は顕著に異ならない。
【0005】
UCH酵素は約200個のアミノ酸のドメインを通常スパニングする4つの保存された配列モチーフを有し、UCH はUBPよりサイズが小さい。1つの保存モチーフは活性サイトに重要なシステイン、そしてまたオキシアニオンホール残基グルタミンを含む。他のものは活性サイトに存在するヒスチジンおよびアスパラギン酸をコードする。その残基はパパイン/カテプシンB等の他のシステインプロテアーゼに見出されるのに似た触媒メカニズムに似た触媒メカニズムで共に働く(Simon S. Wing, Deubiquitinating enzymes-the importance of driving in reverse along the ubiquitin-proteasome pathway, The International Journal of Biochemistry & Cell Biology, 35, 590-605,2003)において高度に発現するマーカーである。
【0006】
UCH-L1はAD および PD脳の酸化的損傷の主な標的であり、カルボニル形成、メチオニン酸化およびシステイン酸化により広汎に修飾されている(J. Biol. Chem.,2004, Mar 26, 279(13):13256-64). ユビキチンのカルボキシ−末端ヒドロラーゼ−L1(UCH)は突発性パーキンソンおよびアルツハイマー病に関連するビキチンC−末端ヒドロラーゼ−L1(UCH)の酸化的修飾および下方調節)。更に、UCH-L1色々な癌、例えば肺癌、直腸・結腸癌、膵臓癌、ミエローマ (Otsuki t, et al.,"Expression of protein gene product 9.5(PGP9.5)/uboqitin-C-terminal hydrolase 1 (UCH-L1)in human myeloma cells", Br J Heamatol., Nov; 127 (3):292-8, 2004; Guan Chen et al., "Proteomic analysis of lung adenocarcinoma: Identification of highly expressed set of proteins in tumor", Clinical Cancer Research,Vol.8, 2298-2305, 2002; Taiji Yamazaki et al., "PGP9. 5 as a Marker for invasive colorectal cancer", clonicalCancer Research, vol.8,192-195,2002;HIdehumi sasaki, et al., "Expression of the protein gene product 9.5, pGP9.5, is correlated with T-status in non-small cell lung cancer" Jpn J Clin Oncol., 31 (11), 532-535 2001)。
【0007】
UCH-L1の発現は肺癌増殖と特別に関係有り、小細胞肺癌(SCLC)および非小細胞肺癌(NSCLC9細胞系両方においてhASH1ステータスに関係なく豊富に存在する。(Kenji Hibi,et al., "PGP9.5 As a Candidate Tumor marker for Non-Small-Cell lung Cancer" American Journal of Pathology, Vol. 155, No. 3, pp.711-715,1999)。
UCH-L1はT1/T2 NSCLCと比べてT3/T4 NSCLCで優先的に発現する(Hidehumi Sasaki, et al., "expression of the protein gene product 9.5,PGP9.5 は非小細胞肺癌におけるT−ステータスと関係する。Jpn J Clin Oncol., 31(11) 532-535)。肺癌を有する患者において、循環するUCH-L1抗原及び/または抗体は血清中で検出される。(Frank
brichory, et al., 2Proteomics-based identifiction of protein Gene Product 9.5 as a Tumor Antigen That Induces A humoral imune Response in lung Cancer", CANCER RESEARCH, Vol. 61, p.7908-4912, 2001)。
【0008】
米国特許公開No.2005-79560(公開日:2005.04.14)はUCH-L1 のイソ形であり癌マーカーであるUCH-L3を用いて結腸癌を治療し、診断するための組成物および方法を開示する。この公開はUCH-L3が他の腫瘍形より3−5倍結腸腫瘍において高く発現する癌抗原であろという事実、UCH-L3の発現を調べ診断し分析する方法を詳述し、UCH-L3に対する抗体を提供し、UCH-L3を用いる癌免疫治療方法を記述する。
【0009】
上に述べたように、UCH-L1およびUCH-L1のイソ形は癌マーカーであると報告されている。しかしながら、UCH-L1は癌転移に必要な侵襲に関連することをここではじめて報告する。
【0010】
我々はUCH-L1が2Dゲル電気泳動およびプロテオミック分析を用いて癌転移または侵襲に特異的に関連、しUCH-L1は癌侵襲におけるキー標的分子であることを見出した。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、ユビキチンC−末端ヒドロラーゼ−L1(UCH-L1)、UCH-L1に対する抗体または基質、またはUCH-L1遺伝子に対するプライマーまたはプローブ、癌転移を診断するためのUCH-L1の使用、UCH-L1を用いて癌転移を診断する方法を提供することである。
【0012】
本発明の他の目的は、UCH-L1阻害剤を含む癌転移を抑制する組成物、癌転移を抑制するためのUCH-L1の阻害剤の使用、UCH-L1を用いる癌転移を抑制する方法を提供することである。
【0013】
本発明の他の目的は、UCH-L1タンパク質を含む癌転移阻害剤をスクリーニングするための組成物、癌転移阻害剤をスクリーニングするためのUCH-L1タンパク質の使用、UCH-L1を用いる癌転移阻害剤をスクリーニングする方法、UCH-L1遺伝子を含む癌転移阻害剤をスクリーニングする組成物、癌転移阻害剤をスクリーニングするための組成物、癌転移阻害剤をスクリーニングするためのUCH-L1の遺伝子の使用、およびUCH-L1を用いる癌転移阻害剤をスクリーニングする方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明はユビキチンC−末端ヒドロラーゼ−L1(UCH-L1)を含む癌転移を診断する組成物、癌転移を診断するためのUCH-L1の使用、UCH-L1を用いる癌転移を診断する方法を提供する。
【0015】
ユビキチンC−末端ヒドロラーゼ−L1、UCH-L1は配列番号1(NCBI寄託番号P09936)のアミノ酸配列を含み、配列番号2の配列を含む塩基配列によりコードされる。
【0016】
UCH-L1の発現レベルは転移性を有する癌細胞で特異的に増加し、UCH-L1の発現が増加するに従って細胞移動も増加する。
【0017】
従って、癌転移の診断は、癌細胞または組織におけるUCH-L1発現の定量的解析により行うことができる。
【0018】
本発明は癌転移を診断する方法を提供し、次の工程を含む:(a)哺乳動物の組織または細胞から発現するタンパク質試料を得、(b)得られた試料中のUCH-L1の存在を調べ、定量的分析を行う。
【0019】
本発明はアミノ酸配列No:1を有するUCH-L1タンパク質に対するモノクローナル抗体を含む癌転移診断用組成物をも提供する。
【0020】
また本発明は癌転移を診断する組成物を提供し、以下の工程を含む:(a)哺乳動物の組織または細胞から発現するタンパク質試料を得、得られた試料をUCH-L1のモノクローナル抗体と反応させ、それによって得られた試料中のUCH-L1の存在を調べ、定量的分析を行う。
【0021】
診断はUCH-L1に対するモノクローナル抗体を含む癌転移診断用組成物と、生体(癌細胞または組織のタンパク質血清、等)から得たサンプル試料間のELISA(Enzyme linked immunosorbent assay)を用い呈色反応を行うこと、および定量的分析によっておこなう。更に、癌転移は生体から得た癌組織または細胞についてのUCH-L1特異的な組織免疫染色を用いることによって診断するか、またはウエスタンブロットによる通常の群のそれと生体から得た癌組織または細胞におけるUCH-L1発現レベルを比較し分析するにより診断する。
【0022】
例えば、癌転移の診断は次の工程によりおこなう:(1)UCH-L1に対するモノクローナル抗体をゲル支持体に接着することにより免疫アフィニティカラムを作り;(2)工程1の免疫アフィニティカラムを用いてHPLCにより生体(癌細胞または組織のタンパク質抽出物、または血清等)から得た材料中のUCH-L1の量を測定し;(3)定量的分析データを比較し、解析する。
【0023】
UCH-L1に対するモノクローナル抗体は一般的なモノクローナル抗体製造方法により製造しても、商業的に得てもよい。
【0024】
一般的にUCH-L1に対するモノクローナル抗体はアルカリホスホターゼ(AP)、西洋わさびパーオキシダーゼ(HRP)等の酵素およびその基質とコンジュゲートした第2抗体を用いて呈色反応により定量的に分析できる。
【0025】
UCH-L1モノクローナル抗体ではなく、UCH-L1タンパク質を認識するポリクローナル抗体をも使用して良い。ポリクローナル抗体は通常の抗血清製造方法により製造しうる。
【0026】
本発明はUCH-L1のN末端領域に位置する11アミノ酸に対するポリクローナル抗体を含む癌転移を診断する組成物をも提供する。UCH-L1モノクローナル抗体ではなくUCH-L1タンパク質のN末端領域にある11のアミノ酸(配列番号7)を認識するポリクローナル抗体が用い得る。ポリクローナル抗体は文献で利用できる公開された方法により製造しうる。
【0027】
本発明は配列番号1のアミノ酸配列を有するUCH-L1に対する基質を含む癌転移を診断するための組成物を提供する。
【0028】
UCH-L1に対する基質はユビキチニル化物質であり得る。好ましくはUB−AMC(ユビキチニル化アミノ−4−メチルクマリン)を使用し得る。
【0029】
UCH-L1酵素はUCH-L1によるUB−AMCnの加水分解時における蛍光を検出することにより定量的に分析できる。
【0030】
診断は、生体(癌細胞または組織のタンパク質抽出物)から得た試料物質に癌転移を診断する組成物を添加することにより行いうる。
【0031】
また本発明は次の工程を含む癌転移を診断する方法を提供する:
(a)哺乳動物の組織または細胞から発現させたタンパク質試料を得;
(b)得られた試料をUCH-L1の基質と反応させ、蛍光を検出し、それによってUCH-L1の発現を調べ、定量的分析を行う。
【0032】
本発明は、配列番号2の塩基配列を有するUCH-L1遺伝子に対するPCRプライマーまたはプローブを含む癌転移を診断する組成物も提供する。
【0033】
癌転移はUCH-L1遺伝子に対するプライマーを用いてRT−PCRまたは定量的RT−PCRにより試験グループと正常グループの間のUCH-L1の発現レベルを比較することにより診断しうる。また癌転移はUCH-L1遺伝子に対するプローブを用いて、ノーザンブロット分析により試験グループと正常グループの間のUCH-L1の発現レベルを比較することにより診断しうる。
【0034】
癌転移は、生体(癌細胞または組織から抽出したRNA)から得た材料を反応させ、(RT−PCR、定量的RT−PCRまたはノーザンブロッティングにより)試験グループと正常グループの間のUCH-L1の発現レベルを比較することにより診断しうる。
【0035】
本発明はまた、(a)哺乳動物の組織または細胞から発現したRNA試料を得;(b)UCH-L1用のプライマーまたはプローブと得られた試料を反応させ、それによって得られた試料中のUCH-L1の発現を調べ、定量的分析を行うことにより癌転移を診断する方法を提供する。
【0036】
本発明はUCH-L1の阻害剤を含む癌転移を抑制するための阻害剤、癌転移を抑制するUCH-L1阻害剤の使用、UCH-L1を用いる癌転移の抑制方法を提供する。
【0037】
本発明による癌転移の阻害は癌転移の軽減および予防を含む。
【0038】
本発明の組成物は、患者にUCH-L1発現阻害剤を投与することにより癌転移の阻害のために用いられる。何故ならUCH-L1は癌細胞中で高度に発現されるからである。
【0039】
本発明はまた、癌転移を抑制する方法を提供し、その方法はUCH-L1の阻害剤を癌患者に治療的有効量投与し、癌転移を抑制する。
【0040】
UCH-L1阻害剤はUCH-L1の発現を抑制するか、酵素活性を阻害する、特にshRNAi(ショートヘアピンRNAi)、当業界でUCH-L1阻害剤として知られるイサチンオキシム化合物(Chem. Biol., 10(9):837-846, 2003;またはUCH-L1タンパク質のモノクローナル抗体、またはUCH−L1のN末端領域における11のアミノ酸に対するポリクローナル酵素であり得る。
【0041】
図13はUCH-L1のshRNAiの製造に用いられるレンチウイルスの模式図である。
【0042】
本発明においてはUCH-L1のshRNAは好ましくは配列番号8、9および10のそれから選択された1またはそれ以上である。
【0043】
配列番号3−6の塩基配列は、レンチウイルスベクターが発現ベクターとして用いられる場合に製造される。
【0044】
配列番号3は、スクランブル配列を含むレンチウイルスコントロールshRNAiの塩基配列である。
【0045】
配列番号4はヒトおよびマウスのshRNAiにおける一般的な塩基配列を標的にするため製造したshRNAiであり、発現ベクターとしてレンチウイルスを用いるUCH-L1のノックダウンを誘導するために用いる。
【0046】
配列番号5および6は発現ベクターとしてレンチウイルスを用いることによってマウスでの塩基配列を標的にするために作られたshRNAiである。
【0047】
配列番号8はヒトおよびマウスにおいてUCH-L1発現を低下させるため、全てのさまざまなsiRNA(スモールインタフェアレンスRNA)で利用できる重要な標的配列である。
【0048】
配列番号9および10はマウスにおけるUCH-L1発現を減少させるため、全てのさまざまなsiRNA(スモールインタフェアレンスRNA)で利用できる重要な標的配列である。
【0049】
予備実験によって、UCH-L1の発現レベルはヒトをベースにした配列における配列番号8の領域を用いてsiRNAが効果的に減少すること、マウスをベースにした配列における配列番号8または10の領域を用いてsiRNAが効果的に減少する。ヒトおよびマウスの塩基配列はClustal W 多重配列アライメントプログラムにおいて95%のアミノ酸配列ホモロジーを示す。レンチウイルスを発現ベクターとして用いた場合、GFPまたはゼオシン耐性遺伝子との共発現は細胞がレンチウイルスによって感染するかどうかNature genetics, Vol.33, March 2003によって確認できる。
【0050】
本発明の一態様において、UCH-L1の発現を阻害するshRNAiはマウスのメラノーマ細胞中で発現しRNAインターフェアレンス(RNAi)を起こし、UCH-L1の発現を阻害する。該メラノーマ細胞でマウスの静脈にマイクロインジェクティングする時は肺への1次転移を減少させる。
【0051】
本発明の癌転移を抑制する組成物は、1以上の抗癌剤を含み得る。UCH-L1タンパク質の阻害剤または抗体反応、例えば
シクロホスアミド、アジリジン、アルキルアルコンスルホネート、ニトロソウレア、ダカルバジン、カルボプラチン、シスプラチン等のアルキル化剤、マイトマイシンC、アントラサイクリン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)等の抗生物質、メトトレキセート、5−フルオロウラシル、サイタラビン等の抗代謝剤、ビンカアルカロイドおよびホルモン等の植物由来薬剤等の当業者に周知の化学治療と共に用いうる。
【0052】
活性成分としてUCH-L1の阻害剤を含む本発明の組成物は、活性成分のほかに医薬的および生理学的に受容しうる添加剤を用いることのよって製造できる。そのような添加剤は賦形剤、崩壊剤、甘味料、結合剤、被覆剤、ブローイング剤、潤滑剤、グリダント、芳香剤、可溶化剤等である。
【0053】
活性成分としてUCH-L1の阻害剤を含む本発明の組成物は、適当に医薬組成物に製剤化すべき1以上の医薬的に許容し得る担体を活性成分の外に含んでもよい。
【0054】
液体製剤を製剤化するために、組成物は生体適合性を有し、滅菌されている、例えば食塩水、滅菌水、リンゲル溶液、緩衝化食塩水、アルブミン注射液、デキストローズ溶液、マルトデキストリン溶液、グリセロール、エタノール及びそれらの混合物、医薬的に許容し得る担体を含む。もし必要なら、抗酸化剤、緩衝剤、バクテリオスタチック剤等の他の一般的な添加剤を組成物に加えても良い。また希釈剤、分散剤、界面活性剤、バインダー、潤滑剤をさらに加えることによって、組成物を溶液、懸濁液、乳濁液等の注射可能な形、ピル、カプセル、顆粒、錠剤に製剤化しても良い。更に、本発明の組成物は従来の方法またはRemington pharmaceutical Science Mack publishing company Easton PA0を用いて、病気、成分に応じていかなる望ましい形に製剤化しても良い。
【0055】
本発明の組成物は、顆粒、粉末、被覆錠剤、錠剤、カプセル、坐剤、シロップ、ジュース、懸濁液、乳濁液、ドロップ、注射可能な液体製剤、活性成分の徐放製剤等のいずれの形に作っても良い。
【0056】
活性成分としてUCH-L1の阻害剤を含む本発明の組成物は静脈内、動脈内、腹膜内、筋肉内、胸部内、経皮的、鼻腔内、吸入、局所、直腸、経口、眼、経皮導入を含む様々な経路で従来の投与法に従って投与しうる。
【0057】
活性成分としてUCH-L1の阻害剤を含む本発明の組成物の用量は癌転移の抑制効果を誘導するのに必要な活性成分の量または医薬組成物の量である。
【0058】
従って、その用量は、病気の性質、患者の様態の重篤度、活性成分の含量、他の成分の性質および含量、製剤のタイプ、患者の年齢、体重、健康状態、性別、食糧、用量時間、投与ルート、組成物の分泌割合、処置時間、および他の共投与薬等の様々な要因により決定できる。大人ではUCH-L1の阻害剤は1日当たり1回以上投与され、用量はshRNAiの場合好ましくは0.01ng/kg−10mg/kg、化合物の場合0.1ng/kg−10mg/kg、UCH-L1モノクローナル抗体の場合、0.1ng/kg−10mg/kgである。
【0059】
本発明はUCH-L1遺伝子を含む癌転移阻害剤をスクリーニングする組成物、癌転移阻害剤をスクリーニングするためのUCH-L1の使用、UCH-L1を使用する癌転移阻害剤をスクリーニングする方法を提供する。
【0060】
本発明による組成物のUCH-L1遺伝子配列は配列番号2の部分または全体の塩基配列;および配列番号2の多形を含む他の塩基配列番号から選択された1以上であり得る。更に、癌転移阻害剤をスクリーニングする組成物はホームが原核および真核の発現ベクターシステムに含まれるUCH-L1遺伝子配列を含み得る。
【0061】
本発明はUCH-L1遺伝子を含む癌転移阻害剤をスクリーニングする組成物を用いて癌転移阻害剤をスクリーニングする方法も提供する。
【0062】
本発明による癌転移阻害剤をスクリーニングする方法は:
UCH-L1遺伝子を含む癌転移阻害剤をスクリーニングするための組成物を、試験物質と接触させ、次にその反応を調べ、試験物質が遺伝子の発現を抑制するか否か調べる。
【0063】
本発明によるスクリーニング方法で、UCH-L1遺伝子および本発明によるスクリーニング法における試験材料の間の反応を確認するために、DNA-DNA、DNA-RNA、DNA-タンパク質、またはDNA-化合物のケースの間の反応の形態で用いる従来の方法、例えば哺乳動物細胞と材料を反応させた後に、遺伝子と試験材料間のインビトロ結合についてのハイブリダイゼーション検出による遺伝子の発現速度を測定方法、レポーター遺伝子を細胞中に誘導するUCH-L1遺伝子に結合させた後、試験材料と反応させることによりレポータータンパク質の発現速度を測定する従来法を用いることが可能である。
【0064】
UCH-L1遺伝子に加えて、本発明の組成物は蒸留水または緩衝液を含み、核酸の構造を安定に保つことが出来る。
【0065】
本発明はUCH-L1タンパク質を含む癌転移組織顔剤をスクリーニングする組成物、および癌転位阻害剤をスクリーニングするためのUCH-L1タンパク質の使用、UCH-L1タンパク質を用いる癌阻害剤をスクリーニングする方法を提供する。
【0066】
本発明による組成物のUCH-L1タンパク質は配列番号1の部分または全体の塩基配列、配列番号2のポリモルフィズムを含む塩基配列から発現されたタンパク質のアミノ酸配列、および等しい生理学的活性を有するポリペプチド断片から選択される1以上である。
【0067】
本発明によるスクリーニングのための組成物は癌転移促進に影響を及ぼすので、mRNAへの転写、またはUCH-L1遺伝子配列のタンパク質への翻訳を阻害するか、遺伝子転移阻害剤としてのUCH-L1タンパク質の活性を阻害する物質をスクリーニングし選択することが可能である
【0068】
本発明は標的材料としてUCH-L1遺伝子を含む転移阻害剤をスクリーニングするための組成物を用いる癌転移阻害剤をスクリーニングする方法を提供する。
【0069】
本発明による癌転移阻害剤をスクリーニングする方法は以下の工程を含む:試験材料とUCH-L1タンパク質を含む癌転移阻害剤をスクリーニングする組成物と接触させ、その反応を調べ試験材料が組成物中に含まれるタンパク質の機能を高めるか、または抑制するか決定する。
【0070】
本発明によるスクリーニングする方法において、UCH-L1タンパク質および問題の材料を含む組成物間の反応を確認するために、DNA-DNA、DNA-RNA、DNA-タンパク質、またはDNA-化合物のケースで用いられる通常の方法、例えばUCH-L1遺伝子またはUCH-L1タンパク質を試験材料とを反応させた後、活性を測定する方法、酵母ツーハイブリッド、UCH-L1タンパク質と結合したファージディスプレイペプチドクローンのサーチ、天然の物質および化学ライブラリー等を用いるハイスループットスクリーニング(HTS)、ドラッグヒットHTS、細胞をベースにしたスクリーニングおよびDNAアレイを用いることが可能である。
【0071】
UCH-L1から発現したタンパク質に加え、本発明の組成物は緩衝液または反応溶液を含め、タンパク質の構造または生理学的活性を安定に保つことが出来る。
【0072】
更に、本発明組成物はUCH-L1タンパク質を発現する細胞、または翻訳速度等を調節することができるプロモーター下に発現するプラスミドを含む細胞を含むことが出来る。
【0073】
本発明によるスクリーニング方法において、試験材料は個々の核酸、タンパク質、いずれかの抽出物、天然の物質または化合物からのものであり、それらは癌転移阻害剤可能性を有するか、または、それらの間にランダムに選択すると推定される。
【0074】
本発明の図18で、UCH-L1を用いる阻害剤をスクリーニングする方法の具体的な例を記載する。5−10nMのUCH-L1酵素を、0−1,000nMのUB−AMC(基質)および反応緩衝液(50mM Tris−HCl(pH7.6),0.5mM EDTA、0.1mg/mLアルブミン、W/OまたはW/5mM DTT)。UCH-L1阻害剤の候補材料をそれに同時に加え、酵素活性、酵素反応速度、およびHTS分析等の生化学的特性の分析を行いUCH-L1阻害剤をスクリーニングする。
【0075】
本発明によるスクリーニング方法により得られた試験材料において、それは遺伝子の発現またはタンパク質の機能を高め、または阻害する、前のケースの材料は癌転移阻害剤候補物であり得る。後のケースの材料においては、遺伝子の発現またはタンパク質の機能を阻害する材料について阻害剤を開発することにより癌転移阻害剤候補材料を発見することが可能である。
【0076】
今後は癌転移阻害剤のそのような候補は、癌転移阻害剤の開発において、リーディング化合物として働き、それらの機能を阻害するためリーディング化合物はUCH-L1遺伝子またはUCH-L1タンパク質構造を修飾し、または最適化し、それによって新しい癌転移阻害剤を開発するであろう。
【0077】
この方法により得られた物質は、UCH-L1遺伝子またはUCH-L1タンパク質に部分的にまたは完全に影響するので、癌転移およびUCH-L1遺伝子発現の阻害、UCH-L1タンパク質機能の低下によりおこる他の病気を抑制する。
【0078】
遺伝子工学技術に関係する事項は、Sambrook,et al. Molecular Cloning, AS Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y. (2001)およびFrederick M. Ausubel etal. Current protocols in molecular biology, volume1,2,3, John Wiley & Sons, Inc. (1994)に記載されたテキストから、より明確である。
【0079】
本発明の利点と特徴、およびそれらを明らかにする方法は、詳細に記載されたから明確であろう。しかしながら、本発明はそれらに限定されるものではなく、様々に例示され実施されるであろう。次の実施例は当業者に本発明の開示を完全にし、本発明の範囲を示すことは自明である。そして本発明は特許請求の範囲のみにより定義されるであろう。
【発明の効果】
【0080】
UCH-L1はそれらの発現レベルに従って癌侵襲を含む細胞移動をモジュレートするキー分子である。従ってモノクローナル抗体およびポリクローナル抗体およびUCH-L1の基質を用いて癌転移の診断に用いることが出来る。
【0081】
また癌転移はUCH-L1の発現の阻害、または酵素の活性の阻害により抑制出来る。従ってUCH-L1の阻害剤をスクリーニングし開発し、抗癌治療のアジュバンド薬品として用いることが出来る。
発明の態様
【実施例】
【0082】
実施例1
癌転移、癌転移の抑制、UCH-L1を用いる癌転移の阻害剤のスクリーニング
1−1.
癌転移に関連するタンパク質のスクリーニングと標的分子の同定
癌転移に関連するタンパク質を同定するために我々は侵襲ポテンシャル有するH157(扁平上皮細胞癌)、侵襲ポテンシャルを有さないH358(気管支肺胞癌)および正常な肺細胞ラインとしてW138(VA−13サブクローン2RA(線維芽細胞)のイントラまたはエクストラ細胞質画分で分化的に発現したタンパク質を分析した。H157,H358,およびW138細胞を10%(v/v)うし胎児血清(FBS),100単位/mLペニシリン、100μg/mLストレプトマイシン、3.75μg重炭酸ナトリウムおよび10mM HEPESを補ったRPMI−1640(2mMのL−グルタミンによるpH7.3)。
【0083】
1−1−1)
Martigel(登録商標)でコートしたトランスウエルを用いる侵襲アッセイ
細胞移動能力を調べるために、Martigel(登録商標)(Martigel, Becton Dickinson (BD) company, Cat no. 354234)(これはEHS(Englebreth-Holm-Swarm))から抽出した再建基部膜マトリックスである)コートしたトランスウエルを用いてインビトロで侵襲アッセイを行った。
【0084】
Martigel(登録商標)血清を含まない冷媒地で1mg/mL(最終濃度)まで4℃で希釈した。トランスウエル侵襲チャンバーの上のチャンバー上で希釈したMartigel(登録商標)(80μg/μL)で被覆し、次に37℃で1時間インキュベートした。トランスウエル侵襲チャンバーの下のチャンバーは10%FBSを補った600μLのRPMI−1640で平衡のためインキュベートした。1時間後、被覆されないMartigel(登録商標)血清を含まない培地でトランスウエルから除去した。
【0085】
H157,H358,およびW138細胞をトリプシンで収穫し、血清を含まない培地に懸濁し、同じ量の細胞(1.0x10細胞/ウエル、150μL)Martigel(登録商標)で被覆したトランスウエルの上のチャンバーにそれぞれ播種し、37℃で24時間インキュベートした。トランスウエルの上のチャンバー中でインキュベートし、残りの細胞を木綿のボールで除去した後、トランスウエルの下のチャンバーへ移動した細胞の数をホモサイトメーターを用いて計数する前に、細胞をクリスタルバイオレット(クリスタルバイオレット2.5g、メタノール125mL,d−H0 375mL)で5分間染色し、蒸留水で1分間3回洗浄した。データは3回の独立した実験から移動した平均細胞数±S.D.として示した。
【0086】
図2に示すように、H157が最も侵襲的能力を有し、W138が次で、H358細胞は肺癌細胞に属するが侵襲能力を有さない。
【0087】
1−1−2)
チモグラフィーを用いるMMP2およびMMP9の活性試験
細胞移動とさまざまな癌細胞ライン中のMMPsの発現の間の関係を調べるためMMPsの活性をチモグラフィーを用いて調べた。
【0088】
チモグラフィーはゼラチナーゼの活性を調べる方法である。タンパク質を、ゼラチンを含むSDS−PAGEで分離し、そのゲルを37℃で15−20時間インキュベートした。インキュベートしたゲル上の活性化されたMMP(ゲラチナーゼ)を有するバンドはクーマシーブルー染料に染まらなかった。なぜならゼラチンは活性化されたMMP(ゲラチナーゼ)により加水分解されたからである。これらのバンドは陰性バンドと呼ぶ。
【0089】
H138,H358,およびW157細胞ライン中のMMPの活性を調べるため、セルラインのタンパク質を抽出し、次にチモグラフィーを上の方法で行った。
【0090】
図3に示すように、WI−38はMMP2の活性を有し、H358はMMP9の活性を有する。しかしながらH157はMMP2およびMMP9の活性を有する。
【0091】
図2および3に示すように侵襲能力とMMPの活性の間に関係があることが示唆される。即ち、MMPとMMP9の活性を同時に有するH157細胞は大きい侵襲能力を有する。一方、H358細胞およびW138細胞は侵襲能力が低く、たった1つのMMP活性を有するのみである。MMP9の活性を有するH358細胞は侵襲的でなく、MMP2の活性を有するW138細胞は、H157細胞より侵襲性が弱い。
【0092】
転移はそれによって腫瘍がそれが生じた一次器官か身体の他の部位に広がる課程である。この課程において腫瘍細胞は規定膜と呼ばれるバリアを越えて侵襲することとが出来、MMPのようなゼラチナーゼはバリアを進入するよう活性化しなければならない。これらの課程と上の進入試験をベースにして、MMP2活性が癌細胞の移動と進入に必要で、MMP9はMMP2による癌細胞の移動と進入に付加的影響を有することが示唆された。癌における細胞移動と進入はMMP9のみによって制御されているのではない。
【0093】
1−1−3)
2Dゲル電気泳動およびMALDI−TOP質量分析
【0094】
様々なセルラインにおいて分化的に発現するタンパク質を同定するために、2Dゲル電気泳動を行った。
【0095】
2D―PAGEはAmersham Pharmacia Biotech(USA)から得たストリップゲルを用いて行った。タンパク質をそのpIに従ってストリップゲルに等電的にフォーカスし、次にそれらの分子量でSDS−PAGE上で分離した。
【0096】
H358およびH157細胞(1x10細胞;150−200μg)を、8.4M尿素、2.4Mチオ尿素、5%CHAPS, 50mm DTT,1.6%5−7両性電解質、0.4%の3〜10両性電解質、1mM PMSF,5μg/mLアプロチニン、10μg/mLペプスタチンA,10μg/mLロイペピチンおよび1mMEDTAを含む第1次元サンプル緩衝液(30μL)で室温で1時間溶解した。pIによる細胞溶解液を分離するためにリハイドレーション緩衝液(125μL;8M尿素、2%(w/v)CHAPS,0.5%IPG緩衝液、1%ブロモフェノールブルー)をストリップホルダーに加えた。溶解した細胞サンプルをそれに加え、次にストリップゲルをその上においた。水分の蒸発を阻止するために180μLの鉱油を加え、ストリップを20℃で12時間以上再水和し、次にエレクトロフォーカスした。次のフォーカッシングプロトコールを用いた:1)500V、1時間、2)1000V、1時間;および3)8000V、3時間。エレクトロホーカシングの後、ストリップを−70℃に素早く貯え、分離したタンパク質が拡散するのを妨げた。
【0097】
分子量によるタンパク質の分離(第2分離)のために、ストリップゲルを20分間平衡緩衝液(50mMトリス−HCl(pH8.8)、6M尿素。30%(v/v)グリセロール、および2%(w/v)SDS,1%ブロモフェノールブルー、100mMDTT)とともに振とうした。
【0098】
2D−PAGE(上記方法)により同定すべき3つのセルライン(H157,H358,W138)中の分化的に発現したタンパク質(スポット)を図4に示す。
【0099】
MALDI−TOF質量分析を用いる分析のために、タンパク質を2D−PAGE上で分離し、次にクーマシー染料で染色した。同定後、ゲル上のタンパク質(スポット)を削り、エッペンドルフチューブ中に貯えた。削り取ったゲルは30%メタノール(1mL)中でホモジナイズし、次に37℃で5分間インキュベートした。これらのゲルは25mMの重炭酸アンモニウム(NHHCO)100μL/50%アセトニトリル溶液に10分間3度脱色し、100%アセトニトリルで脱水し、Speed Vac真空遠心を用いて完全に乾燥した。25mM NHHCOを含むトリプシン(10μL、10ng/ml)溶液を乾燥したゲルに加え、室温で5−10分間反応させ、引き続き4℃で30分間乾燥した。次に25mMNHHCO20μLをそれに加えた。トリプシンおよび25mM NHHCO(20μL)で処理したこれらのゲルを37℃で12−16時間更にインキュベートした。ここに60%アセトニトリルの30μL/0.1%TFA(1:1 v/v)溶液を加えた。これらのゲルを37℃で10分間インキュベートした。上澄み3回集め、次に20μLの100%アセトニトリルで処理し、最後にSpeed Vac真空遠心で乾燥し、―70℃で貯蔵した。
【0100】
濃縮し、乾燥した試料を10μLの60%アセトニトリル/0.1%TFA(1:1 v/v)溶液に溶解し、2分間ソニケートした。つぎにこれらをマトリックス溶液(アセトニトリル中のαシアノ−4−ヒドロし乾燥した試料を10μLの60%アセトニトリル/0.1%TFAキシシンナミックアシッド)/0.1%TFA(1:1 v/v)、と混合し(1:1 v/v)と1:1の割合で混合し、パレート上に置き、室温で乾燥した。質量分析を窒素レーザー(337nm)を備えたHPG2025A MALDI−TOF MS(Hewlett-Packard, Palo Alto, USA)で行った。イオン源からのアクセレレイト電圧は28kVであり、スペクトルは外部基質P(MH=1348.6Da)およびインスリン(MH=5778.6Da)を用いて定量化した。データを集めインターネットタンパク質リソース(UCSF)「MS−Fit」(http://prospector.ucsf.edu/)プログラムを用いて同定し,スペクトルを分析した。Image Master2Dゲル分析ソフトウエア(Amersham pharmacia Biotech, USA)を定量のために用いた。
【0101】
様々なセルライン中で上の方法を用いて分化的に発現したタンパク質は表1および図5に示す。
【0102】
UCH-L1は、H358肺癌セルラインと比較してH157セルラインで最も分化的に発現したタンパク質の1つである。UCH-L1はプロテオミック分析を用いてH157細胞のintraおよびextra細胞タンパク質で検出した。
【表1】

【表2】

【0103】
上の結果はUCH-L1が癌転移に密接に関係するタンパク質であり得る可能性を示唆した
【0104】
1−2.
癌転移を制御する標的分子としてのUCH-L1の同定
1−2−1)
フラグタグで排他的に発現したWI38セルラインの侵襲試験
UCH-L1が癌細胞侵襲を制御する標的分子であるか否かを調べるために、我々はフラグタグとともに排他的に発現する正常な肺細胞セルラインW138の侵襲能力を調べた(UCH-L1の完全長cDNAの配列番号2を含むpFlag-CMV-2-UCH-L1, pFlag-CMV-2発現ベクター(sigma セイントルイス、USA))で、用量依存的(1,2,4,6μg)に、Martigel(登録商標)で被覆したトランスウエルを用いて排他的に発現させた。
【0105】
優れた細胞移動能力を有するH157細胞をこの侵襲アッセイにおいて、正の対照として用いた。図6に示すようにpFlag-CMV-2-UCH-L1によるトランスフェクションは細胞移動能力を増加させた。特に、フラグタグUCH-L1過剰発現するW138細胞は用量依存的に細胞移動を顕著に増加した。
【0106】
1−2−2)
フラグタッグで排他的に発現したHeLa細胞の侵襲試験
UCH-L1はHela中で発現しないが侵襲性である。Hela細胞は用量依存的に(0.5,1,2,および4μg)pFlag-CMV-2-UCH-L1で一時的にトランスフェクトした後に、Hela細胞移動能力が増加するか否か研究した。
【0107】
図7に示すように、UCH-L1を過発現するHela細胞の移動は対照細胞のそれに比べて用量依存的に増加した。
【0108】
この結果はUCH-L1が細胞移動を特異的に制御し、癌細胞侵襲性に役割を示すことを示唆する。
【0109】
1−2−3)
UCH-L1のインターアクティングタンパク質の同定
A.
免疫沈澱を用いたUCH-L1インターアクティングタンパク質の同定
上の結果はUCH-L1は細胞移動を制御するキー物質であることを示唆する。UCH-L1細胞性相互作用タンパク質を同定するために免疫沈澱を行った。
HEK細胞をpFlag-CMV-2-UCH-L1で一時的にトランスフェクトした後にUCH-L1の細胞性相互作用タンパク質を同定するために免疫沈澱をおこなった
【0110】
HEK293細胞をpFlag-CMV-2-UCH-L1で一時的にトランスフェクトした後にUCH-L1の相互作用タンパク質を免疫沈澱を用いることによりスクリーニングした。この結果は図8に示す。HEK293細胞においてそれらのpI値に従い異なった運動性を有する5スポット(1−5sポット)の検出により細胞中にUCH-L1の様々なイソ形があることが知られた。
【0111】
酸化的ストレスによる様々なUCH-L1イソ形の相互作用タンパク質プロフィルを調べるために、H293細胞をHで処理した。Hで処理した細胞溶解物を免疫沈澱し、対照細胞と比較して2D−PAGE(図8B)およびMALDI−TOF MSにより分析した。
【0112】
表2は免疫沈澱およびMALDI−TOF MSを用いてUCH-L1とともに相互作用タンパク質として同定したタンパク質を示す。
【0113】
表2に示すように、ベータアクチン、HSP70,ERK等を細胞中のUCH-L1相互作用タンパク質として同定した。UCH-L1は細胞形態に関連するタンパク質としてしられるベータアクチンおよびERK等のタンパク質との相互作用を通じて細胞移動の制御に関与するかも知れないことが示唆された。
【表3】

【0114】
表2に示した相互作用タンパク質を確認するためにベータアクチン、HSP70,ERKをそれらの抗体デウエスタンブロッティングを再び用いて相互作用タンパク質として同定した(図9)。
【0115】
B.
UCH-L1および細胞中のβアクチンの相互作用
細胞の形態学的変化は細胞の運動と深く関係している。ベータアクチンは細胞形態に関与している。少しのUCH-L1と共にH358細胞をpFlag-CMV-2-UCH-L1で一時的にトランスフェクトしUCH-L1を過発現させた場合、その形態は著しく変化し、この形態学的変化は細胞の移動能と密接に関連する。UCH-L1と細胞移動能の間の関係を確認するため、UCH-L1とベータアクチンの亜細胞分布を少しのUCH-L1有するH358細胞中で調べた。
【0116】
H358細胞をpFlag-CMV-2-UCH-L1で一時的にトランスフェクトし、次にアクチン染色のためファロイジンフルオレセインイソチオシアネートと、次にアンチフラッグ抗体と、そして次にUCH-L1染色のためテキサスレッドを結合した2次抗体とインキュベートした。
【0117】
図10に示すように共焦顕微鏡を用いてUCH-L1がベータアクチンと相互作用することは証明された。具体的にはUCH-L1は全細胞質ではなく主に細胞膜でベータアクチンと共局在する。その結果はUCH-L1は細胞移動能に影響する細胞形態のモジュレーションに関与することを示唆した。
【0118】
上の結果を基礎にしてUCH-L1が癌転移に必要な細胞移動に関連する標的タンパク質であることが証明された。
【0119】
実施例2
UCH-L1特異的なRNAiを発現するB16F10マウスメラノーマ安定細胞中の細胞移動の減少
我々は動物モデルを用いて実験的転移によりUCH-L1が癌転移に関連するキーとなる標的タンパク質であるか否か解明することを試みた。正常なB16F10マウスメラノーマ細胞は非常に侵襲的であり、転移課程における最初の標的器官は肺である。レンチウイルスをベースにしたシステムを用いて我々はUCH-L1をノックダウンしたB16F10安定細胞を調製した。
【0120】
B16F10安定細胞を調製した後、我々は肺に対する転移が、B16F10安定細胞が尻尾静脈に静脈内注射をされた場合減少するかどうか調べた。
【0121】
図11は動物モデルを用いて実験的転移についての模式図を示す。
【0122】
2−1
UCH-L1特異的なRNAiを発現するB16F10マウスメラノーマの調製
B16F10マウスのメラノーマ細胞ラインにおけるUCH-L1の発現レベルを、UCH-L1を過発現するH157肺癌セルラインのそれと、抗UCH-L1抗体で、ウエスタンブロッティングを用いることによって分析した。この結果は図12に示す。UCH-L1はB16F10セルライン中でも発現されることが決定された
【0123】
B16F10細胞(2.5x10細胞、70−80%コンフルエンシー)を細胞培養皿に播種した。24時間後、これらの細胞を無関係なRNAiまたはUCH−L1特異的なRNAiを発現するレンチウイルス(VCA,Vectorcorea、IMC, Seoul)1mLを感染させた。配列特異的shRNAi(配列番号3,8,9,10)を発現するレンチウイルス500μL(ウイルス力価 1x10IFU/mL)をB16F10細胞の2.5x10の感染に用いた。
【0124】
ポリブレン(4−8mg/mL)をそれに加え、次に細胞培養皿を上下にゆっくり振とうした。6時間、37℃、5%CO2下のインキュベーション後、ウイルススープを10%FBSをおぎなったRPMI-1640に変えた。B16F10細胞を2度最初の感染の後24時間レンチウイルスで2度感染した。しかしながら、第2の感染のインキュベーションは12時間であり、6時間では無かった。第2の感染後B16F10細胞をトリプシンで収穫し、細胞をRPMI-1640で希釈することにより(1/16希釈)他の皿でサブカルチャーした。
【0125】
24時間後、細胞を5μg/mLのZeocinを有する細胞培養培地で保持した。約14日の間、細胞培養培地を3日毎に同量のZeocinを含む新鮮な培地で変えた。Zeocinによる選択の開始後、14日目にZeocinに対する耐性を有する細胞のみが生き残り、これらの細胞はコロニーがZeocinに対する耐性を有する細胞により形成された。コロニーになった細胞を選択し、新鮮な培地で再サブカルチャーした。この方法により我々はUCH-L1発現の減少した安定なセルラインを作ることが出来た。
【0126】
図14に示すようにUCH-L1特異的なRNAiを発現する安定なセルラインにおけるUCH-L1発現レベルはウェスタンブロッティング分析により確認された。
【0127】
UCH-L1の発現はUCH-L1特異的なRNAi(haについては配列番号8およびmbについては配列番号10)をB16F10安定な細胞(haおよびmb)において、正常なB16F10細胞および無関係なRNAi(対照、配列番号3)のそれと比べて減少した。しかしながら、UCH-L1発現はUCH-L1特異的なRNAi(maについて配列番号9)を発現するB16F10において減少しなかった。レンチウイルス感染およびRNAi発現は共発現GFPの検出のための共焦顕微鏡により確認された。
【0128】
図15はUCH-L1特異的なRNAiを発現する安定な細胞におけるレンチウイルスにより発現されたGFPがFACSフローサイトメトリーを用いることにより確認されたことを示す。GFPの発現レベルを用いて、特異な配列RNAi(ha、ma、およびmb)を発現する安定な細胞は同量のレンチウイルスで感染した、故に、2つの安定なセルライン(haおよびmb)は動物の実験的転移のため選択された。この動物の実験転移は無関係なRNAi(対照)を発現する安定なセルラインを用いたそれと比べて、haおよびmb安定セルラインで行われた。
【0129】
2−2
UCH-L1特異的なRNAiを発現するB16F10安定細胞を用いる癌転移の動物実験
上述のように、UCH-L1発現ノックダウンB16F10の安定な細胞をゼオシンで選択した後、これらの細胞(1x10)BALB/Cヌードマウスの尾の静脈に単一注入した。注入の14日後、肺に対する転移を調べた、(対照セットのために、BALB/Cマウスを無関係なRNAiを発現する同量のB16F10安定細胞を注入した(対照レンチウイルスベクター))。
【0130】
図16は注入後14目の肺のイメージである。
【0131】
図16に示すようにUCH-L1発現ノックダウン細胞を注入したBALB/Cヌードマウス(bおよびC)から削り取った肺のコロニーの数は対照BALB/Cマウス(a)から削り取った肺上のそれと比較して劇的に減少した。
【0132】
図17は解剖顕微鏡を用いて図16に示した同じ肺表面の黒い球形のコロニー定量的結果を示す。これらの結果は肺に対する転移が、転移能力を有する対照B16F10細胞と比べてレンチウイルス感染によるUCH-L1特異的なRNAiを発現するB16F10安定細胞で劇的に減少することを示唆する(haにたいして92%減少、mbの場合62%減少)。
【0133】
これらの発現はUCH-L1は癌転移に必要な細胞移動のキーとなる制御剤であることを示唆し、UCH-L1の抑制は癌侵襲および転移を阻害する可能な方法であることを示唆する。
【0134】
実施例3
UCH-L1を用いる癌転移に対する阻害剤のスクリーニング
UCH-L1の発現またはヒドロラーゼ阻害するための化学薬品(癌転移の阻害剤)をスクリーニングするために、ハイスループットスクリーニング(HTS)を用いることが出来る(図18および19)。
【0135】
図18に示すように、ユビキチン−AMC(Ub−AMC,ユビキチンの7−アミノ−4−メチルクマリンC末端誘導体)はUCH-L1の人工的フルオロジェニック基質として用いることができる。UCH-L1の阻害剤としての「ヒット」はUCH-LによるUb−AMCからのフリーのAMC(蛍光強度比)の放出速度をモニターリングすることにより検出出来る。
【0136】
詳細には、UCH−L1(5〜10nM)およびUb−AMC(0〜1000nM)の混合物を阻害剤として様々な候補化学品(様々な濃度)と、UCHアッセイ緩衝液(50mMトリス−HCl(pH7.6)、0.5mM EDTA,0.1mg/mLアルブミン、5mMジチオスレイトールとともにまたはなしに反応させた時、比蛍光強度をモニターして、UCH-L1ヒドロラーゼ活性およびUCH-L1酵素反応をHTS(Fig19)を用いて確認する(図19)。
【0137】
上に述べたように、HTSを用いて得たUCH−L1の阻害剤は癌転移の抑制用および予防用組成物として用いることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0138】
【図1】異なった侵襲能力を有する2つの細胞ラインにおける侵襲に関連する標的タンパク質を同定する全体のプロセスの模式図である。
【0139】
【図2】Martigel(登録商標)で被覆したトランスウエルを用いた異なる侵襲能力を有するW138,H358およびH157細胞の侵襲アッセイからの結果を示す。
【0140】
【図3】異なる侵襲能力を有するW138,H358およびH157細胞ゼラチナーゼ活性アッセイからの結果を示す。
【0141】
【図4】2dゲル電気泳動を用いる異なる侵襲能力を有する,H358およびH157癌細胞ラインのイントラおよびエクストラ細胞タンパク質のプロテオミック分析を示す。
【0142】
【図5】W138,H358およびH157細胞ラインの発現レベル比を示す。
【0143】
【図6】pFlag-CMV-2-UCH-L1で一時的にトランスフェクトした、W138正常肺セルラインの侵襲あっせいからの結果を示す。
【0144】
【図7】pFlag-CMV-2-UCH-L1で一時的にトランスフェクトしたUCH-L1が発現しないHela頚部癌細胞ラインの侵襲アッセイからの結果を示す。
【0145】
【図8】免疫沈澱を用いてUCH-L1に対する結合タンパク質を同定するpFlag-CMV-2-UCH-L1で一時的にトランスフェクトした293細胞ラインのプロテオミック分析を示す。
【0146】
【図9】図8表3に示すUCH-L1結合タンパク質を同定するためのコウベータ、抗HSP70,抗ERKとのウエスタンブロッティング分析を示す。
【0147】
【図10】共晶顕微鏡を用いたH358癌セルラインの細胞膜におけるフラッグタグUCH-L1およびベータアクチンの免疫蛍光分析を示す。
【0148】
【図11】肺転移アッセイ(動物実験)の模式図を示す。
【0149】
【図12】ウエスタンブロッティング分析を用いたB16F10マウスメァノーマ細胞ラインおよびH157ヒト肺癌細胞ラインにおけるUCH-L1のタンパク質発現レベルを示す。
【0150】
【図13】UCH−L1のshRNAiを作るためのレンチウイルスをベースにしたシステムの模式図である。
【0151】
【図14】UCH-L1特異的なRNAいを発現するH157安定な細胞において減少したUCH-L1発現を確認するための抗UCH-L1抗体を用いるウエスタンブロッティング分析を示す。
【0152】
【図15】FACSフローサイトメトリーを用いたUCH−l1特異的なRNAiを発現するH157安定な細胞においてGFP発現レベルをFACS分析からの結果を示す。
【0153】
【図16】無関係なRNAiまたはUCH−L1特異的RNAiを発現するB16F10安定細胞を注入したBALB/Cから摘出した、黒い球形コロニーを有するまたは有しない肺の像であり、ゼオシン抗体で選択する(注入後14日目)。
【0154】
【図17】解剖顕微鏡を用いて計数した図16に示す同じ肺表面の黒い球状のコロニーの数を示す。
【0155】
【図18】UCH−L1酵素活性の阻害剤についてのハイスループットスクリーニング(HTS)の模式的ダイアグラムを示す。
【0156】
【図19】UCH−L1酵素活性の阻害剤についてのハイスループットスクリーニング(HTS)の模式的ダイアグラムを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
UCH−L1の阻害剤を含む癌転移を抑制するための組成物。
【請求項2】
UCH−L1の阻害剤がUCH−L1のshRNAiである請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
UCH−L1のshRNAiが配列番号8,9および10のオリゴヌクレオチドから選択される1以上のオリゴヌクレオチドである請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
UCH−L1の阻害剤がUCH−L1のモノクローナル抗体である請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
UCH−L1の阻害剤がUCH−L1のN−末端領域に位置する11個のアミノ酸に対するポリモノクローナル抗体である請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
配列番号1のアミノ酸配列を有するUCH−L1を含む癌転移阻害剤をスクリーニングするための組成物。
【請求項7】
配列番号2の塩基配列を有するUCH−L1を含む癌転移阻害剤をスクリーニングするための組成物。
【請求項8】
癌転移を抑制するためのUCH−L1の阻害剤の使用。
【請求項9】
UCH−L1の阻害剤がUCH−L1のshRNAiである請求項8に記載の使用。
【請求項10】
UCH−L1のshRNAi配列番号が8,9および10のオリゴヌクレオチドから選択される1以上のオリゴヌクレオチドである請求項9に記載の使用。
【請求項11】
UCH−L1の阻害剤がUCH−L1のモノクローナル抗体である請求項8に記載の使用。
【請求項12】
UCH−L1の阻害剤がUCH−L1のN−末端領域に位置する11個のアミノ酸に対するポリクローナル抗体である請求項8に記載の使用。
【請求項13】
癌転移阻害剤をスクリーニング配列番号1のアミノ酸配列を有するUCH−L1タンパク質の使用。
【請求項14】
癌転移阻害剤をスクリーニングするための配列番号2の塩基配列を有するUCH−L1遺伝子の使用。
【請求項15】
治療的に有効量のUCH−L1阻害剤および医薬的に許容し得る担体を患者に投与することを含む癌転移を抑制する方法。
【請求項16】
UCH−L1の阻害剤がUCH−L1のshRNAiである請求項15に記載の方法。
【請求項17】
UCH−L1のshRNAiが配列番号8,9および10のオリゴヌクレオチドから選択される1以上のオリゴヌクレオチドである請求項16に記載の方法。
【請求項18】
UCH−L1の阻害剤がUCH−L1に対するモノクローナル抗体である請求項15に記載の方法。
【請求項19】
UCH−L1の阻害剤がUCH−L1のN−末端領域に位置する11個のアミノ酸に対するポリクローナル抗体である請求項15に記載の使用。
【請求項20】
試験試料を標的物質として配列番号1のアミノ酸配列を有するUCH−L1タンパク質を含む癌転移阻害剤スクリーニングするための組成物に対して接触することからなる癌転移阻害剤のスクリーニング方法。
【請求項21】
試験試料を標的物質として配列番号2の塩基配列を有するUCH−L1遺伝子を含む癌転移阻害剤スクリーニングするための組成物に対して接触することからなる癌転移阻害剤のスクリーニング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図15D】
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【図15E】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公表番号】特表2009−517381(P2009−517381A)
【公表日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−542245(P2008−542245)
【出願日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際出願番号】PCT/KR2006/004989
【国際公開番号】WO2007/061256
【国際公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(505469540)エファ・ユニバーシティ・インダストリー・コラボレイション・ファウンデイション (3)
【氏名又は名称原語表記】EWHA UNIVERSITY INDUSTRY COLLABORATION FOUNDATION
【出願人】(508153523)エスケイ・コーポレイション (1)
【氏名又は名称原語表記】SK CORPORATION
【Fターム(参考)】