説明

ユーザ端末の識別情報を隠蔽した通信接続方法及び通信システム

【目的】利用者のプライバシーやセキュリティの保護が可能で、かつ、利便性をも維持した、双方向リアルタイムコミュニケーションを実現する通信方法および通信システムを提供する。
【構成】通信コネクション識別子をコンテンツ識別子および第1端末識別子に対応づけてエントリ情報管理部に記憶する工程と、第2の端末よりアプリケーションサーバへと送信されたコンテンツ識別子および通信コネクション識別子とを用いて、エントリ情報管理部より通信コネクションを確立する第1端末識別子を特定する工程と、端末が有する端末識別子とネットワークに接続された各端末が有する位置情報とを対応づけて記憶する位置情報管理部を備えた通信制御サーバに対して、特定された第1端末識別子を送信し、位置情報管理部より第1端末識別子に対応する第1の端末の位置情報を取得し、第1および第2の端末間の通信コネクションを確立する工程とから構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネットを介して通信する機能を有した端末を含む通信システム及びそのシステムを用いた通信接続方法に関するものであり、特に、通信を確立する際に必要となるユーザ端末の識別情報を隠蔽し、ユーザ同士が匿名にて通信を行う通信接続方法および、そのシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットを利用した通信サービスとして、例えばVoIP(Voice over Internet Protocol)技術を応用した音声通信、また、テキストチャットのようなテキスト通信等を利用したリアルタイムコミュニケーションサービスが提供されている。
【0003】
このようなリアルタイムコミュニケーションサービスは、インターネットオークションの出品者と応札者間の連絡、各種コミュニティサイトでの情報交換、カスタマーサポートや各種サービス業者から利用者への連絡等の通信サービスに応用されている。
これらの通信サービスを実現する技術として、現在、IP網の端末間の通信で使用するセッションの設定、変更、解放を制御するプロトコルであるSIP(Session Initiation Protocol)が注目されている。
【0004】
SIPはユーザ端末の識別情報(以下、「接続用ID」という)に対応したIPアドレス情報、例えばセッションの設定に必要なIPアドレス情報や、発着端末間で使用するIPアドレス情報をアプリケーション層で送受信するものである。SIPの詳細については、IETFで標準化が行われており、標準勧告文書RFC 3261等により規定されている。
【0005】
なお、このようなSIPを用いた通信システムでの端末間の通信接続方法については、以下の文献に記載がされている。(例えば、非特許文献1−4参照)
【非特許文献1】J.Rosenberg編、"SIP:Session InitiationProtocol"、[online]、2002年6月、[2004年9月17日検索]インターネット<URL:http://www.ietf.org/rfc/rfc3261.txt?number=3261>
【非特許文献2】B.Campbell,Ed.編、"Session Initiation Protocol(SIP) Extension for Instant Messaging"、[online]、2002年12月、[2004年9月17日検索]インターネット<URL:http://www.ietf.org/rfc/rfc3428.txt?number=3428>
【非特許文献3】C.Jennings編、"Private Extensions tothe Session Initiation Protocol(SIP) for Asserted Identity within Trusted Networks"、[online]、2002年11月、[2004年9月17日検索]インターネット<URL:http://www.ietf.org/rfc/rfc3325.txt?number=3325>
【非特許文献4】J.Rosenberg編、"Best Current Practices for Third Party Call Control (3pcc) in the Session Initiation Protocol (SIP)"、[online]、2004年4月、[2004年9月17日検索]インターネット<URL:http://www.ietf.org/rfc/rfc3725.txt?number=3725>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これらのサービスを、SIPをはじめとするプロトコル郡にて実現する従来技術では、そのサービスを利用する少なくとも1ユーザが通信コネクションを確立する相手先の端末を認識しておく必要がある。そのため、通信コネクションを確立するユーザ間で接続用IDを互いに公開、また、普段使用する自分の接続用IDを相手に公開したくない場合は、その都度、新たな接続用IDを取得し、通常使用する接続用IDと異なる接続用IDを公開する必要があった。このような従来の通信サービスにおいては、以下のような問題がある。
【0007】
第一に、接続用IDを互いに公開した上で通信コネクションを確立する場合において、見知らぬ第三者に電話番号やメールアドレスなどのユーザ端末の識別情報を公開することとなるため、プライバシーやセキュリティ保護の低下につながるという問題が生じていた。
【0008】
また、第二に、普段使用する自分の接続用IDを相手に公開したくない場合、サービスを利用する度に新たな接続用IDを取得する必要があるため、普段使用する接続用IDと新たな接続用IDとを使い分ける必要がある、または、通常の通信端末では複数の接続用IDを同時に使用することができないため、利用者の利便性を低下させてしまうという問題が生じていた。
【0009】
そこで、本発明は、利用者のプライバシーやセキュリティの保護が可能で、かつ、利便性をも維持した、双方向のリアルタイムコミュニケーションを実現する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明に係る通信接続方法の代表的なものによれば、ネットワークに接続されるアプリケーションサーバと通信制御サーバとを備え、ネットワーク上で通信コネクションを確立する通信システムを用いた通信接続方法において、ネットワークに接続される各端末に付与される端末識別子と各端末の位置情報とを対応付けて通信制御サーバ内の位置情報管理部に記憶する工程と、ネットワークに接続される第1の端末が所望のコンテンツにアクセスし、コンテンツに付与されたコンテンツ識別子と、第1の端末に付与された第1端末識別子とをアプリケーションサーバへ送信する工程と、第1の端末より送信されたコンテンツ識別子および第1端末識別子に基づき通信コネクション識別子を生成するとともに、通信コネクション識別子と第1端末識別子とコンテンツ識別子とを対応づけてアプリケーションサーバ内のエントリ情報管理部に記憶する工程と、第1の端末との間に通信コネクションの確立を要求する第2の端末がネットワークを介してコンテンツにアクセスし、コンテンツ識別子と通信コネクション識別子と第2の端末に付与された第2端末識別子とをアプリケーションサーバに対して送信する工程と、第2の端末より送信されたコンテンツ識別子および通信コネクション識別子に対応する第1端末識別子をエントリ情報管理部より抽出し、抽出した第1端末識別子を通信制御サーバに送信する工程と、アプリケーションサーバより送信された第1端末識別子および第2端末識別子に基づき、位置情報管理部から第1の端末と第2の端末とに対応する位置情報を特定し、第1および第2の端末間の通信コネクションを確立する工程とから構成されるものである。
【0011】
また、本発明に係る通信コネクションを確立する通信システムの代表的なものによれば、ネットワーク上で通信コネクションを確立する通信システムであって、ネットワークには通信コネクションを確立する複数の端末が接続されており、端末とネットワークを介して接続されるアプリケーションサーバと、端末とネットワークを介して接続されるとともにアプリケーションサーバにも接続される通信制御サーバとを備える通信システムにおいて、アプリケーションサーバは、複数のコンテンツが蓄積されるコンテンツ蓄積部と、端末とアプリケーションサーバ間の情報送受信を実現する第1端末通信部と、端末からの要求に応じてコンテンツ蓄積部から該当するコンテンツを表示させるコンテンツ制御部と、コンテンツ制御部と通信制御サーバ間の情報送受信を実現する通信制御サーバ通信部と、通信コネクションの確立を要求する第1の端末が表示する所望のコンテンツに付与されたコンテンツ識別子と、第1の端末に付与された第1端末識別子と、コンテンツ識別子と第1端末識別子とを対応づける通信コネクション識別子とを保持するエントリ情報管理部とを備え、通信制御サーバは、アプリケーションサーバと通信制御サーバ間の情報送受信を実現する対アプリケーションサーバ通信部と、端末と通信制御サーバ間の情報送受信を実現する第2端末通信部と、端末毎に付与される端末識別子と端末が属する位置情報とを対応づけて管理する位置情報管理部とを備え、第1の端末との間に通信コネクションの確立を要求する第2の端末が、所望のコンテンツにアクセスするとともに、アプリケーションサーバに対し、コンテンツ識別子と、第2の端末に付与された第2端末識別子と、通信コネクション識別子とを送信し、エントリ情報管理部にて第2の端末から送信されたコンテンツ識別子および通信コネクション識別子とに対応する第1端末識別子を抽出した後、抽出された第1端末識別子に対応する第1の端末の位置情報および第2端末識別子に対応する第2の端末の位置情報を位置情報管理部より取得し、第1及び第2の端末間の通信コネクションを確立する通信システムから構成されるものである。
【0012】
ここで通信端末識別子とは、例えば、電話番号やメールアドレス、SIP−URL(SIP−UniformResource Locators)等の個々の端末を識別するためにユーザ端末毎に付与された識別情報、すなわち接続用IDを有し、コンテンツ識別子とは、コンテンツ毎に付与されて各コンテンツを識別するための識別情報(以下、「コンテンツID」という。)を有する。また、通信コネクション識別子は、あるコンテンツを介して確立される通信コネクションの要求毎に付与され、アプリケーションサーバおよび通信サーバ間で利用されるとともに、所定の接続用IDを有するユーザ端末に対して所定の通信サービスを提供するための識別情報(以下、「エントリID」という。)を有する。
【0013】
これらの構成により本発明によれば、通信コネクションの確立を要求する第1の端末の接続用IDと第1の端末が参照するコンテンツに付与されたコンテンツID、そして、第1の端末の接続用IDおよびコンテンツIDとに対応付けられたエントリIDを付与することにより、利用者が普段使用する自分の接続用IDを用いてコミュニケーション端末を受信可能な状態で待機させておくことが可能となる。結果として、ユーザ端末の識別情報を隠蔽し、ユーザ同士が匿名にて通信を行う、双方向のリアルタイムコミュニケーションを実現する通信接続方法およびシステム構成が提供される。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、互いに自分の接続用IDを相手に知られることなく双方向のリアルタイムコミュニケーションを実現することができるようになるため、利用者のプライバシーやセキュリティの保護を重視した通信サービスを提供することが可能となる。
【0015】
また、本発明においては、複数のコミュニティサイトでこのような待ち受けを行う場合、複数のコミュニティサイト毎にエントリIDが付与され、ユーザにとっては、普段使用している自分の接続用IDにて通信コネクションを確立することが可能となるため、複数の接続用IDを使い分ける必要がなくなり、より使い勝手のよいサービスを享受することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に本願発明を実施するための最良の形態を示す。
【実施例1】
【0017】
以下、本発明の第1の実施形態について、図1〜図4の図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、本発明の第1の実施形態における通信システムを示す概略構成図である。
【0019】
図1において、本発明の第1の実施形態における通信システムは、例えば、インターネット等のグローバルネットワーク(以下、「グローバルIP網」という。)100と、グローバルIP網100に接続されたアプリケーションサーバ101および通信制御サーバ102、そして、グローバルIP網100にそれぞれ接続されたコミュニケーション端末110、120、130a、130bとから構成されている。また、本実施形態の通信システムにおいて、アプリケーションサーバ101と通信制御サーバ102とは、グローバルIP網100とは物理的に接続されていないネットワーク(以下、「クローズドIP網」という。)103により互いに接続されている。
【0020】
ここで、グローバルIP網100は、例えばオープンなインターネット網であり、オープンIP網とも呼ばれる。コミュニケーション端末110、120、130a、130bを使用するユーザは、各インターネット接続事業者のインターネット接続サービスに加入しており、これらのユーザが使用するコミュニケーション端末110、120、130a、130bでは、個々のコミュニケーション端末が備えるインターネットを介して通信する機能により互いに通信が可能となっている。また、これらのコミュニケーション端末110、120、130a、130bと、アプリケーションサーバ101および通信制御サーバ102間の通信においても、個々のコミュニケーション端末が持つインターネットを介して通信する機能により可能となっている。
【0021】
加えて、クローズドIP網103は、アプリケーションサーバ101と通信制御サーバ102間の通信を行うためのIP網であり、セキュリティ確保のため、グローバルIP網100とは物理的に接続されていないIP網が用いられている。なお、アプリケーションサーバ101と通信制御サーバ102との間の通信路にVPN(Virtual Private Network)装置を用いること等によりセキュリティ確保を行うことが可能な場合は、クローズドIP網103がグローバルIP網100と物理的に接続されている構成であっても、本発明のシステム構成として適用することが可能である。
【0022】
アプリケーションサーバ101は、例えば、クライアントにWebブラウザを用い、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)で通信するWebアプリケーションサーバであり、HTML(Hyper Text Markup Language)文書や画像などのコンテンツを蓄積しておき、コミュニケーション端末110、120、130a、130bといったクライアントで動作するWebブラウザ等のクライアントソフトウェアの要求に応じ要求元のコミュニケーション端末へグローバルIP網100を通じてコンテンツを送信したり、通信制御サーバ102に対して、指定のコミュニケーション端末との通信を行うよう指示する。
【0023】
通信制御サーバ102は、例えば、SIPを利用して各コミュニケーション端末110、120、130a、130bと通信する機能を有し、さらに、各コミュニケーション端末のユーザが使用する、電話番号やメールアドレス、SIP−URLといった接続用IDと、各コミュニケーション端末がグローバルIP網100において使用するIPアドレスとを対応付けて管理するとともに、クローズドIP網103を通じてアプリケーションサーバ101と通信する機能を有する。
【0024】
なお、アプリケーションサーバ101及び通信制御サーバ102は、単一障害点(シングル・ポイント・オブ・フェイラー)の回避や自身の負荷分散を行えるよう、異なるIPアドレスを持つ複数のハードウェア装置で構成し、コミュニケーション端末110、120、130a、130b、アプリケーションサーバ101、通信制御サーバ102からは、1つの論理的なIPアドレスで通信できるよう構成されていることが望ましい。
【0025】
また、図1において、コミュニケーション端末A、B、C1、C2として、例えばコミュニケーション端末A110はデスクトップパソコン等の汎用PCであり、コミュニケーション端末B120は携帯電話等の無線通信端末であり、コミュニケーション端末C1、C2は同一のユーザが使用するコミュニケーション端末であって、コミュニケーション端末C1130aはノートパソコン等の汎用PC、コミュニケーション端末C2130bはIP電話等のIPネットワークの技術を用いて音声を伝達するための装置である。いずれのコミュニケーション端末A、B、C1、C2も、アプリケーションサーバ101と通信可能なブラウザソフトウェアと、通信制御サーバ及びその他のコミュニケーション端末B、C1、C2と通信可能なコミュニケーションソフトウェアとを備えており、それぞれのソフトウェアが独立して動作するものである。さらに、各コミュニケーション端末A、B、C1、C2と通信制御サーバ102及び、各コミュニケーション端末A、B、C1、C2同士の通信は、例えば、先に記載したIETFにて規定されている技術により実現することができる。
【0026】
本発明の通信システムにおけるアプリケーションサーバ101と通信制御サーバ102間の通信には、一般的なHTTP等の通信手段を用いることが可能である。
【0027】
次に、図2により、本実施形態における通信制御サーバ102について詳細な説明を行う。
【0028】
図2において、通信制御サーバ102は、対アプリケーションサーバ通信部201と、サービス制御部202と、通信制御部203と、端末通信部(以下、「対コミュニケーション端末通信部」という。)204と、データベース205とを備えている。
【0029】
対アプリケーションサーバ通信部201は、HTTP等の通信手段により、サービス制御部202とアプリケーションサーバ101との間の情報受信を実現する。
【0030】
サービス制御部202は、通信制御部203を通じて各コミュニケーション端末A、B、C1、C2との通信を行う部分であり、アプリケーションサーバ101からの要求に応じて、通信制御サーバ102が提供する通信サービスの利用を許可されたユーザであるか否かを確認するユーザ認証部を備えてもよい。
【0031】
通信制御部203は、サービス制御部202とコミュニケーション端末A、B、C1、C2の間の情報送受信を制御する機能を具備している。具体的には、例えば、IETFにて標準化されている標準勧告文書RFC3261で規定されているトランザクションプロキシ機能により実現され、その場合、サービス制御部202とコミュニケーション端末A、B、C1、C2は同規定のユーザエージェント機能として動作する。
【0032】
対コミュニケーション端末通信部204は、一般的なUDP(User Datagram Protocol)やTCP(Transmission Control Protocol)等の通信手段を具備しており、通信制御部203と各コミュニケーション端末A、B、C1、C2のとの間の情報送受信を実現する。
【0033】
データベース205は各コミュニケーション端末A、B、C1、C2の位置情報を管理するものであり、グローバルIP網100で各コミュニケーション端末A、B、C1、C2が使用するIPアドレスを位置情報として、該当端末を使用するユーザの認証用IDおよび接続用IDとに対応付け保持する記憶手段を備えている。ここで、認証用IDとは、例えば、前述した標準勧告文書RFC3261で規定されている認証手順で使用されるような、通信制御サーバ102が提供する通信サービスの利用を許可されたユーザであるか否かを識別するための情報であり、接続用IDとは、認証用IDで識別されるユーザが使用する電話番号やsip−URL等、ユーザ間で相手ユーザを識別するための情報である。
【0034】
なお、本実施形態における通信制御サーバ102は、対アプリケーションサーバ通信部201とサービス制御部202とを含む機能ブロック200a、通信制御部203と対コミュニケーション端末通信部204とを含む機能ブロック200b、データベース205のそれぞれ異なるハードウェア装置として配置する構成とすることもできる。それぞれ異なるハードウェア装置として配置する構成にすれば、各サーバにかかる処理負荷を分散させるといった効果を奏することが可能となる。
【0035】
図3に本第1の実施形態におけるアプリケーションサーバ101を示す。以下、図3を用いてアプリケーションサーバ101の詳細を説明する。
【0036】
図3において、本実施形態のアプリケーションサーバ101は、対コミュニケーション端末通信部301と、コンテンツ制御部302と、対通信制御サーバ通信部303と、データベース304とを備えている。
【0037】
対コミュニケーション端末通信部301は、例えば、HTTP等の通信手段によりWebブラウザ機能を有するソフトウェアが動作する端末A、B、C1、C2とアプリケーションサーバ101との間の情報送受信を実現するものである。
【0038】
コンテンツ制御部302は、コミュニケーション端末A、B、C1、C2を介して送られてくるユーザからの要求に応じてデータベース304に保存管理されているコンテンツを対象ユーザに対して参照させるとともに、そのユーザが使用する接続用IDと参照するコンテンツに付与されたコンテンツIDとに対応づけられたエントリIDを生成し、接続用ID、コンテンツID、エントリIDとを含むエントリ情報をデータベース304へ記憶させる機能を有する。さらに、通信制御サーバ102がユーザ認証部を備える場合には、その通信サービスを利用しようとするユーザが、通信制御サーバ102が提供する通信サービスの利用を許可されたユーザであるか否かをユーザ認証部に対して認証するよう要求する機能をも有する。
【0039】
対通信制御サーバ通信部303は、コンテンツ制御部302と通信制御サーバ102との間の情報送受信を実現する。なお、コンテンツ制御部302と通信制御サーバ102間の通信には、一般的なHTTP等の通信手段の他、SIPを用いた通信手段も用いることが可能である。
【0040】
データベース304は、例えばHTML文書や画像等のコンテンツとそれらのコンテンツに付与されたコンテンツIDとを管理するコンテンツ情報、および、ユーザが使用する接続用IDとコンテンツID、そして、これらの接続用IDとコンテンツIDとに対応づけられたエントリIDとを管理するエントリ情報を有するものであり、コンテンツとコンテンツID、接続用IDとコンテンツIDとエントリIDとを保持する記憶手段を備えている。これらの接続用ID、コンテンツID、エントリIDは、各コミュニケーション端末A、B、C1、C2からコンテンツ制御部302へアプリケーションサーバ101を介して送信される要求信号によりデータベース304に記憶され保持される。
【0041】
ここで、本実施形態のエントリIDとは、アプリケーションサーバ101に送信された接続用IDとコンテンツIDとに基づきコンテンツ制御部302により生成される識別子であり、あるコンテンツを介して確立される通信コネクションの要求毎に付与され、アプリケーションサーバおよび通信サーバ間で利用されるとともに、所定の接続用IDを有するユーザ端末に対して所定の通信サービスを提供するための識別情報をいう。
【0042】
具体的には、所定の通信サービスを利用するユーザの第1のコミュニケーション端末に付与された接続用IDと第1のコミュニケーション端末が参照するコンテンツ、そのコンテンツを介して第1のコミュニケーション端末のユーザと通信コネクションの確立を要求する第2のコミュニケーション端末の接続用IDに対応づけられ、この所定の通信サービスを提供する通信制御サーバ102およびアプリケーションサーバ101間の連携を図るため、通信制御サーバ102とアプリケーションサーバ101とで利用される。
【0043】
また、本実施形態におけるアプリケーションサーバ101は、対コミュニケーション端末通信部301とコンテンツ制御部302とを含む機能ブロック300a、対通信制御サーバ通信部303とコンテンツ制御部302とを含む機能ブロック300b、データベース304のそれぞれ異なるハードウェア装置として配置する構成とし、各サーバにかかる処理負荷を分散させることも可能である。なお、機能ブロック300aに含まれるコンテンツ制御部は、HTML文書や画像等のコンテンツをコミュニケーション端末A、B、C1、C2へ参照させる機能を有し、機能ブロック300bに含まれるコンテンツ制御部は、エントリIDと接続用IDとコンテンツIDとを対応付けてデータベース304へ保存する機能を有していることが望ましい。加えて、機能ブロック300a、300b間の通信には、一般的なHTTP等の通信手段を用いることも可能であるが、SIPを用いた通信手段も用いることができる。
【0044】
以下、本実施形態に係る通信システムを用いた通信方法について、Web上に公開されたコミュニティサイトを利用するユーザA、ユーザBの間でテキストメッセージによる情報交換を行う場合を例として、図4を用いて説明する。
【0045】
コミュニケーション端末Aを利用するユーザAは、コミュニケーション端末AのWebブラウザ機能で参照したコミュニティサイトで、不特定のユーザとテキストメッセージによる情報交換を待ち受けたい場合、コミュニケーション端末AのWebブラウザ機能を用いてアプリケーションサーバ101に対して、参照しているコンテンツを識別するコンテンツIDと自分の接続用IDを送信する。このとき、接続用IDはWebブラウザ機能によりユーザAが入力した値であり、コンテンツIDは例えばHTML形式にてWebブラウザが読み取れるよう記述しておけば、Webブラウザ機能で送信する情報内に自動的に設定されるようになるため、接続用IDと共にアプリケーションサーバ101へ送信することが可能となる(S401)。
【0046】
通信制御サーバ102にユーザ認証部がある場合では、アプリケーションサーバ101から、接続用IDとコンテンツIDとを送信したコミュニケーション端末Aを操作するユーザAが、その接続用IDを所有するユーザであるか否かの認証をするため、通信制御サーバ102のユーザ認証部に対して認証要求の信号を送信する。このときの認証方法については、様々な方法が適用可能であるが、例えばWebブラウザソフトウェアに実装されている、IETFの標準勧告文書RFC2617(J.Franks編、“HTTP Authentication: Basic and Digest Access Authentication Status of this Memo” 1999年6月)にて規定されているDigest認証を利用すれば、アプリケーション101を経由して通信制御サーバ102とコミュニケーション端末AのWebブラウザ機能との間で認証を行うことが可能となる。その結果、通信サービスを利用するための通信制御サーバでの認証、コミュニティサイトにおけるメンバ確認を行うアプリケーションサーバでの認証を一括して行うことが可能となる(S402、S403、S404)。
【0047】
ユーザ認証が成功した場合、アプリケーションサーバ101はエントリIDを生成し、以後の工程に備えてコンテンツIDと接続用IDとエントリIDとを対応付けてデータベース305へ記憶保持する。データベース305へ各識別子を保存した後、S401の操作結果を表示するコンテンツ(以下、「結果表示コンテンツ」という。)をコミュニケーション端末Aに対して送信する(S405)。
【0048】
なお、このS401からS405までの一連の動作により、接続用IDとその認証IDを記憶し、認証機能を持つ通信制御サーバ102とコミュニケーション端末Aを使用するユーザAの間の認証を、アプリケーションサーバ101を経由して実現でき、認証が成功した場合はコンテンツIDと接続用IDを対応づけてアプリケーションサーバ101で記憶しておくことで、さらに後述する動作を実現することも可能となる。
【0049】
次に、コミュニケーション端末Bを利用するユーザBがコミュニティサイトで待ち受けしている不特定のユーザとテキストメッセージによる情報交換を要求する場合における通信方法を説明する。
【0050】
まず、不特定のユーザとテキストメッセージによる情報交換を行いたいユーザBは使用するコミュニケーション端末BのWebブラウザ機能を用いてコミュニティサイトを参照する。このとき、ユーザBは、参照しているコンテンツを識別するコンテンツID、自分の接続用ID、待ち受けをしているユーザ(ユーザA)をアプリケーションが識別するためのエントリIDとをアプリケーションサーバ101へ送信する。ここで、ユーザBがアプリケーションサーバ101へ送信する接続用IDは、ユーザAの場合と同様、Webブラウザ機能によりユーザBが入力した値であり、コンテンツIDは例えばHTML形式にてWebブラウザが読み取れるよう記述しておけば、Webブラウザ機能で送信する情報内に自動的に設定することが可能であるため、接続用IDと共にアプリケーションサーバ101へ送信することが可能となる。(S406)
【0051】
この後、S407からS409において、前述したS402からS404と同様の手順によりユーザBの認証を行い、S406の操作結果を表示する、結果表示コンテンツをコミュニケーション端末Bに対して送信する(S410)。
【0052】
特に、S408bでは、アプリケーションサーバ101はデータベース304に記憶されているエントリ情報から、コミュニケーション端末Bが送信したコンテンツIDとエントリIDに対応する接続用ID(ここでは、コミュニケーション端末Aの接続用ID)を取得し、通信制御サーバ102に対してコミュニケーション端末Aの接続用IDにテキストメッセージを送信するよう指示する。このときコミュニケーション端末Aに対して送信されるテキストメッセージは、アプリケーションサーバ101が提供するサービスの内容、例えばオークションやカスタマサポート等のWebコンテンツに応じて、その都度、アプリケーションサーバ101により生成される(S411)。
【0053】
本実施形態の通信方法では、コミュニケーション端末Aに対して送信するテキストメッセージとして、例えば、ユーザAがS401の操作により待ち受けているコミュニティサイトでコミュニケーションを開始したいユーザが居ることを示すメッセージ、今からコミュニケーションを開始するか否かを選択するためのコンテンツに付与されたWeb−URLをアプリケーションサーバ101で生成する(S412)。なお、このときアプリケーションサーバ101にて生成されるWeb−URLの値にはエントリIDと時刻等のランダムなIDがパラメータとして含まれており、アプリケーションサーバ101は該当するURLに対するアクセスを検出した場合、前述した例ような、今からコミュニケーションを開始するか否かを選択するためのコンテンツ画面を応答することが可能となる。また、このWeb−URL値は、時刻等のランダムなIDを含む値で規定される値であるため、コンテンツ数がいくつ増えても対応することが可能となる。
【0054】
次に、S413のステップで、前述のS402からS404と同様の手順でユーザAの認証を行い、アプリケーションサーバ101は通信制御サーバ102へ、S411でユーザBから入力された接続用IDに対してテキストメッセージを送信するよう指示する。このときのテキストメッセージの内容はアプリケーションサーバ101が提供するサービスの内容に応じて、その都度、アプリケーションサーバ101が生成する(S414)。本実施形態における通信方法では、例えば、ユーザBがS411の操作により要求したコミュニケーションの開始を相手ユーザが許可した旨、以降、相手ユーザとテキストメッセージによるコミュニケーションを直接開始できる情報(例えば、IPアドレスやポート番号)を含むメッセージを生成する。
【0055】
最後に、S411のステップにてコミュニケーション端末Aの応答から通信制御サーバ102が取得した、今回の通信コネクションで使用するユーザAのIPアドレスとポート番号をS414のステップにてコミュニケーション端末Bに伝えることにより、以後、コミュニケーション端末Aとコミュニケーション端末Bとの間で、通信制御サーバを介することなく、直接コミュニケーション通信を実現する。
【0056】
なお、このS411、S415の通信においては、例えば、標準勧告文書RFC3428で規定された技術を用いることが可能である。その際、通信制御サーバ102から各ユーザへ送信される通信開始要求の信号に設定されるパラメータ(例えば、発信者ID)に通信制御サーバ102が管理する第三者の接続用IDを設定、または、RFC3325(C.Jennings編、“Private Extensions to the Session Initiation Protocol (SIP) for Asserted Identity within Trusted Networks”、2002年11月)を用いて発信者IDを匿名IDに変更することにより、実際に使用されるユーザの接続用IDを隠匿することができる。
【0057】
しかしながら、ユーザ間の通信信号を通信制御サーバを経由させることで、ユーザ同士での通信を確立する通信方法を採用すると、通常のRFC3428やRFC3325では、通信制御サーバ102からユーザBへ送信される通信開始要求の信号としてToヘッダフィールドにユーザAの接続用IDが設定されてしまう。そのため、その後、同RFCで用いられるFromヘッダフィールドの値としてユーザAの接続用IDが利用されてしまう恐れがあり、結果として、ユーザBは自分が使用するコミュニケーション端末Bで受信する通信信号を監視することにより、相手の接続用IDを知ることができてしまう。このような場合においては、ユーザ間の通信において、上記Fromヘッダフィールドの値を通信制御サーバ102に設けた識別子隠匿部の通信制御機能で変更することにより、実際に使用されるユーザの接続用IDを隠匿する。
【0058】
また、ユーザ間の通信信号を、通信制御サーバ102を経由させずにユーザ同士での通信を確立する通信方法を採用する場合では、通信制御サーバ102が各ユーザへ送信する通信開始要求信号に設定するToヘッダフィールドの値に、通信制御サーバ11が管理する第三者のIDを設定するか、RFC3325で推奨される匿名IDを設定することにより、実際に使用されるユーザの接続用IDを隠匿する。
【0059】
以上説明した本実施形態に係る通信システム及び通信方法のように、アプリケーションサーバ101にエントリIDを設定する通信システム及び通信方法によれば、インターネット網を介した音声やテキストチャットといったリアルタイムコミュニケーションを用いて実現される各種サービス(インターネットオークションにおける出品者と応札者との連絡/各種コミュニティサイトにおけるユーザ間の情報交換/カスタマーサポートおよび各種サービス業者からの利用者へのコールバック等)にて、普段使用する自分の接続用IDを相手に公開したくない時においても、利用者が普段使用する自分の接続用IDで使用するコミュニケーション端末を受信可能な状態として待機させておく事ができるため、結果として、利用者同士が、お互いの接続用IDを相手に知らせることなく双方向のリアルタイムコミュニケーションを実現することが可能となる。
【0060】
また、複数のコミュニティサイトにおいて、SIPを用いた通信手段を備えるコミュニケーション端末を介して、このような待ち合わせを行う場合においても、複数のコミュニティサイト毎にアプリケーションサーバ101にエントリIDを設定する本実施形態によれば、通信制御サーバ102からのメッセージにより、通信コネクションを確立する前に、どのコミュニティサイトに関連する通信コネクションであるかを知る事ができ、かつ、現在の状況に応じて対応するか否かを選択することも可能となる。
【0061】
さらに、ユーザにとっては、使用する接続用IDは普段使用する接続用IDの1つのみであり、複数の接続用IDを使い分けなくてはならず、サービスの使い勝手が悪くなるといった問題についても回避することが可能となる。
【0062】
加えて、本実施形態における通信システム及び通信方法において、通信制御サーバ102にユーザ認証部を備えておけば、アプリケーションサーバ101と通信制御サーバ102の連動により、アプリケーションサーバ101にアクセスするユーザの認証処理および認証IDの管理を通信制御サーバ102で一元的に実施することが可能となるため、コンテンツを利用する場合と通信サービスを利用する場合のIDおよびパスワードを同じものとすることができる。その結果、ユーザにとっては、管理するIDおよびパスワードは1つのみでよく、複数のIDおよびパスワードを管理しなければならず利便性が低下するといった問題も回避することが可能となる。
【実施例2】
【0063】
次に、本発明の第2の実施形態における半導体装置について説明する。図5は、本発明の第2の実施形態における通信システムのアプリケーションサーバ101の詳細を示す図であり、図6は、本発明の第2の実施形態における通信システムを用いた通信方法を説明する図である。なお、先述の第1の実施形態と同様の構成物には同一符号を付しその詳細な説明は省略する。
【0064】
本第2の実施形態における通信システムは、図1で示した第1の実施の形態における通信システム構成と同様のシステム構成を有しており、本第2の実施形態のアプリケーションサーバ101では、データベース501に保存されたエントリ情報に、更に、ユーザが望む通信手段が含まれている点で先述した第1の実施形態の通信システムと異なっている。
【0065】
以下、図6において、第2の実施形態における通信システムを用いた通信方法について、コミュニティサイトを利用するユーザAとユーザCとの間で音声通信を行う場合を例として説明する。
【0066】
コミュニケーション端末Aを利用するユーザAは、コミュニケーション端末AのWebブラウザ機能で参照したコミュニティサイトで、不特定のユーザと音声による情報交換を待ち受けたい場合、第1の実施形態で説明したS401からS405までのステップを行う(S501)。
【0067】
このとき、アプリケーションサーバ101は、ユーザAが操作するコミュニケーション端末Aから入力された入力情報により、ユーザAが望む通信手段がテキストメッセージか音声通信かを区別し、コンテンツIDとユーザAの接続用IDとエントリIDに対応づけてユーザが望む通信手段をデータベース501に記憶保持させる。ユーザAから入力される入力情報には、ユーザAが希望する通信手段に関する情報が含まれており、このデータベース501に保持された通信手段により、ユーザ間の通信コネクションをいずれの通信手段(テキストメッセージ/音声通信)にて確立したいのかを判断する。
【0068】
次いで、コミュニケーション端末C1とコミュニケーション端末C2を利用するユーザCは、コミュニケーション端末C1のWebブラウザ機能を用いて、第1の実施けち対にて説明したS406からS410までのステップを行う(S502)。
【0069】
この後、S511のステップにて、第1の実施形態にて説明したS411と同様の手順でユーザの認証を行い、アプリケーションサーバ101は通信制御サーバ102へ、ユーザAの接続用IDとS511でユーザCから入力された接続用IDとを通信可能に接続するよう指示をする。このときの通信方法は、例えば、標準勧告文書RFC3725にて規定された技術を用いて実現することが可能である。
【0070】
また、通信コネクションを確立するにあたり、第1の実施形態における通信方法と同様に、本実施形態においても、ユーザA、ユーザCがお互いに自分の接続用IDを相手に知られること無く通信を可能とするため、通信制御サーバ102から各ユーザへ送信される通信開始要求信号に設定されるパラメータである発信者IDに通信制御サーバ102が管理する第三者の接続用IDを設定し、または、RFC3325の匿名IDを用いて発信者IDを隠匿することが可能となる。
【0071】
以上説明した第2の実施形態に係る通信システム及びそれを用いた通信方法によれば、第1の実施形態における通信システムおよび通信方法における効果に加え、テキストによる通信又は音声による通信等、ユーザが希望する通信形態での通信コネクションの確立を実現させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】第1の実施形態における通信システムを示す概略構成図である。
【図2】第1の実施形態における通信制御サーバの詳細を説明する図である。
【図3】第1の実施形態におけるアプリケーションサーバの詳細を説明する図である。
【図4】第1の実施形態に係る通信システムを用いた通信方法を説明する図である。
【図5】第2の実施形態におけるアプリケーションサーバの詳細を説明する図である。
【図6】第2の実施形態に係る通信システムを用いた通信方法を説明する図である。
【符号の説明】
【0073】
100 グローバルIP網(インターネット)
101 アプリケーションサーバ
102 通信制御サーバ
103 クローズドIP網
110 コミュニケーション端末A
120 コミュニケーション端末B
130a コミュニケーション端末C1
130b コミュニケーション端末C2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続されるアプリケーションサーバと通信制御サーバとを備え、前記ネットワーク上で通信コネクションを確立する通信システムを用いた通信接続方法において、
前記ネットワークに接続される各端末に付与される端末識別子と前記各端末の位置情報とを対応付けて前記通信制御サーバ内の位置情報管理部に記憶する工程と、
前記ネットワークに接続される第1の端末が所望のコンテンツにアクセスし、前記コンテンツに付与されたコンテンツ識別子と、前記第1の端末に付与された第1端末識別子とを前記アプリケーションサーバへ送信する工程と、
前記第1の端末より送信されたコンテンツ識別子および前記第1端末識別子に基づき通信コネクション識別子を生成するとともに、前記通信コネクション識別子と前記第1端末識別子と前記コンテンツ識別子とを対応づけて前記アプリケーションサーバ内のエントリ情報管理部に記憶する工程と、
前記第1の端末との間に前記通信コネクションの確立を要求する第2の端末が前記ネットワークを介して前記コンテンツにアクセスし、前記コンテンツ識別子と前記通信コネクション識別子と前記第2の端末に付与された第2端末識別子とを前記アプリケーションサーバに対して送信する工程と、
前記第2の端末より送信された前記コンテンツ識別子および前記通信コネクション識別子に対応する前記第1端末識別子を前記エントリ情報管理部より抽出し、抽出した前記第1端末識別子を前記通信制御サーバに送信する工程と、
前記アプリケーションサーバより送信された前記第1端末識別子および前記第2端末識別子に基づき、前記位置情報管理部から前記第1の端末と前記第2の端末とに対応する位置情報を特定し、前記第1および第2の端末間の通信コネクションを確立する工程とを含むことを特徴とする通信接続方法。
【請求項2】
請求項1に記載の通信接続方法において、
前記アプリケーションサーバはWebアプリケーションサーバであり、前記Webアプリケーションサーバは前記端末にて動作するWebブラウザからの要求に応じて、前記通信制御サーバに対し前記第1および第2の端末間の通信コネクションを確立するよう指示することを特徴とする通信接続方法。
【請求項3】
請求項1に記載の通信接続方法において、
前記通信制御サーバは、さらに、前記通信制御サーバが提供する通信サービスを利用許可されたユーザが所有する端末の端末識別子を記憶しており、前記通信制御サーバが提供する通信サービスを利用可能なユーザであるか否かを識別するユーザ認証部を備えており、
前記アプリケーションサーバは、前記コンテンツ識別子と前記端末識別子とを前記アプリケーションサーバに対して送信した前記端末を操作するユーザが、前記通信サービスの利用を許可されたユーザであるか否かを確認する認証要求を前記通信制御サーバに対して送信する工程を有し、
前記通信コネクション識別子を生成する工程は、前記ユーザ認証が成功した後に行われることを特徴とする通信接続方法。
【請求項4】
請求項1に記載の通信接続方法において、
前記通信制御サーバは、さらに、前記通信コネクションを確立する際に通信開始要求の信号として用いられる前記第1端末識別子を前記第2の端末に対して、または、前記第2端末識別子を前記第1の端末に対して隠匿する識別子隠匿部を備えており、
前記識別子隠匿部にて隠匿された通信開始要求信号を前記第2の端末に対して送信することにより、前記第1および第2の端末間の通信コネクションを確立する工程とを含むことを特徴とする通信接続方法。
【請求項5】
請求項1に記載の通信接続方法において、
前記通信制御サーバは、さらに、前記通信制御サーバは、さらに、前記第1および第2の端末間で通信コネクションを確立する際、通信開始要求の信号として用いられる端末識別子を前記通信制御サーバが管理する第三者の端末識別子に変更する識別子変更部を備えており、
前記識別子変更部にて変更された通信開始要求信号を前記第2の端末に対して送信することにより、前記第1および第2の端末間の通信コネクションを確立する工程とを含むことを特徴とする通信接続方法。
【請求項6】
請求項1に記載の通信接続方法において、
前記アプリケーションサーバにおいて、前記コンテンツ識別子と前記端末識別子と前記通信コネクション識別子とユーザが望む通信手段とを対応づけて記憶する通信手段選択部を備えており、
前記通信手段選択部にて選択される通信手段を用いて前記第1および第2の端末間の通信コネクションを確立する工程とを含むことを特徴とする通信接続方法。
【請求項7】
ネットワーク上で通信コネクションを確立する通信システムであって、前記ネットワークには前記通信コネクションを確立する複数の端末が接続されており、前記端末と前記ネットワークを介して接続されるアプリケーションサーバと、前記端末と前記ネットワークを介して接続されるとともに前記アプリケーションサーバにも接続される通信制御サーバとを備える通信システムにおいて、
前記アプリケーションサーバは、
複数のコンテンツが蓄積されるコンテンツ蓄積部と、
前記端末と前記アプリケーションサーバ間の情報送受信を実現する第1端末通信部と、
前記端末からの要求に応じて前記コンテンツ蓄積部から該当するコンテンツを表示させるコンテンツ制御部と、
前記コンテンツ制御部と前記通信制御サーバ間の情報送受信を実現する通信制御サーバ通信部と、
前記通信コネクションの確立を要求する第1の端末が表示する所望のコンテンツに付与されたコンテンツ識別子と、前記第1の端末に付与された第1端末識別子と、前記コンテンツ識別子と前記第1端末識別子とを対応づける通信コネクション識別子とを保持するエントリ情報管理部とを備え、
前記通信制御サーバは、
前記アプリケーションサーバと前記通信制御サーバ間の情報送受信を実現する対アプリケーションサーバ通信部と、
前記端末と前記通信制御サーバ間の情報送受信を実現する第2端末通信部と、
前記端末毎に付与される端末識別子と前記端末が属する位置情報とを対応づけて管理する位置情報管理部とを備え、
前記第1の端末との間に前記通信コネクションの確立を要求する第2の端末が、前記所望のコンテンツにアクセスするとともに、前記アプリケーションサーバに対し、前記コンテンツ識別子と、前記第2の端末に付与された第2端末識別子と、前記通信コネクション識別子とを送信し、前記エントリ情報管理部にて前記第2の端末から送信されたコンテンツ識別子および通信コネクション識別子とに対応する前記第1端末識別子を抽出した後、抽出された前記第1端末識別子に対応する前記第1の端末の位置情報および前記第2端末識別子に対応する前記第2の端末の位置情報を前記位置情報管理部より取得し、前記第1及び第2の端末間の通信コネクションを確立する通信システム。
【請求項8】
請求項7記載の通信システムにおいて、
前記アプリケーションサーバはWebアプリケーションサーバであり、前記Webアプリケーションサーバは前記端末にて動作するWebブラウザからの要求に応じて、前記端末に対し前記コンテンツ蓄積部から該当するコンテンツを参照させ、かつ、前記通信制御サーバに対し前記第1および第2の端末間の通信コネクションを確立するよう指示することを特徴とする通信システム。
【請求項9】
請求項7記載の通信システムにおいて、
前記通信制御サーバは、さらに、前記通信コネクションを確立する端末が、前記通信制御サーバが提供する通信サービスを利用可能なユーザであるか否かを識別するユーザ認証部を備えており、
前記アプリケーションサーバは、前記ユーザ認証部に対して前記アプリケーションサーバに前記端末識別子と前記コンテンツ識別子とを送信した端末の認証を要求するユーザ認証要求部を更に備えていることを特徴とする通信システム。
【請求項10】
請求項7記載の通信システムにおいて、
前記通信制御サーバは、さらに、前記通信コネクションを確立する際に通信開始要求の信号として用いられる前記第1端末識別子を前記第2の端末に対して、または、前記第2端末識別子を前記第1の端末に対して隠匿する識別子隠匿部を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項11】
請求項7記載の通信システムにおいて、
前記通信制御サーバは、さらに、前記第1および第2の端末間で通信コネクションを確立する際、通信開始要求の信号として用いられる端末識別子を前記通信制御サーバが管理する第三者の端末識別子に変更する識別子変更部を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項12】
請求項7記載の通信システムは、さらに、
前記アプリケーションサーバにおいて、前記コンテンツ識別子と前記端末識別子と前記通信コネクション識別子とユーザが望む通信手段とを対応づけて記憶する通信手段選択部を備えることを特徴とする通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−108768(P2006−108768A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−288734(P2004−288734)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】