説明

ライナー付着性が良好なキャップ用塗料組成物及び当該塗料組成物を塗装したキャップ

【課題】金属素材との密着性、加工性、耐食性、加工性、ライナー付着性及びキャップ開栓性に優れた塗膜を形成するライナー付着性が良好なキャップ用塗料を提供すること。
【解決手段】数平均分子量が900〜60,000のエポキシ樹脂(A)60〜95質量部と、フェノール樹脂(B)5〜40質量部との固形分合計100質量部に対して、メルトフローレート(JIS K 7210−76による、190℃で2.16kg荷重)が0.1〜100g/10分で、かつ酸価45〜100mgKOH/gの酸価エチレン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂(C)を、固形分で1〜100質量部含有することを特徴とするライナー付着性が良好なキャップ用塗料組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャップ用塗料組成物及び当該塗料組成物を塗装したキャップに関する。特に、本発明は、金属素材との密着性、加工性、耐食性、ライナー付着性及びキャップの開栓性に優れた塗膜を形成するライナー付着性が良好なキャップ用塗料組成物及び当該塗料組成物を塗装したキャップに関する。
【背景技術】
【0002】
キャップは、主にガラス瓶や金属缶用のキャップとして、市場にて清涼飲料水等に広く用いられている。このようなキャップの中でも図1に示すようなピルファープルーフキャップ(以下、「PPキャップ」と記載する場合がある)は、円盤状の天面部1と外周から垂下する円筒状の側胴部2とからなり、下端部には円環帯状のスカート部3が設けられている。
【0003】
このようなピルファープルーフキャップを製造するには、金属板にキャップ用塗料4を塗装して加熱乾燥して塗膜被覆金属板とした後、キャップ形状に成形加工し、さらに内容物の密閉性を高める為に、キャップ裏にポリエチレンシート(以下、「ライナー材5」と記載する場合がある)を圧着している。
【0004】
前記塗膜被覆金属板には、「絞り加工」や「しごき加工」に耐え得るための柔軟性や素材金属との密着性が要求されるが、さらに、PPキャップ天面部では「ライナー」との付着性が良好であること、そしてPPキャップの側面部ではキャップの開栓性が良好であることが求められる。
【0005】
従来、ライナーと金属製の王冠との接着方法に関する発明で、エポキシ系樹脂組成物をプライマーとして用いたポリオレフィンライナーと金属製の王冠との接着方法が開示されている(特許文献1)。しかし、特許文献1のエポキシ系樹脂組成物のプライマーを塗装して形成させた塗膜は、ライナー付着性が不十分であった。
【0006】
また、キャップに関する発明として、金属板に、ビスフェノール型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂の硬化剤、極性基含有ポリオレフィン樹脂粒子、及びフッ素樹脂又は反応性シリコーン化合物で変性した融点90℃以上のワックスを有機溶媒中に溶解又は分散させた塗料を塗布し、その後に塗膜を硬化させて形成させた塗装金属板を用いて、当該塗装面が内面となるようにキャップ状に成形加工させたものが開示されている(特許文献2)。しかし、特許文献2の塗料を塗装して形成させた塗膜は、キャップ開栓性が不十分であった。
【0007】
【特許文献1】特開昭55−45739号公報
【特許文献2】特開平8−230912号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、金属素材との密着性、加工性、耐食性、ライナー付着性及びキャップ開栓性に優れるキャップ用塗料組成物によって、これらの塗膜性能に優れたキャップを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意研究した結果、数平均分子量が900〜60,000のエポキシ樹脂(A)60〜95質量部と、フェノール樹脂(B)5〜40質量部との固形分合計100質量部に対して、メルトフローレート(JIS K 7210−76による、190℃で2.16kg荷重)が0.1〜100g/10分で、かつ酸価45〜100mgKOH/gのエチレン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂(C)(以下、「樹脂(C)」と省略して記載する場合がある)を1〜100質量部含有することを特徴とするライナー付着性が良好なキャップ用塗料組成物が、上記課題の解決に極めて有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【発明の効果】
【0010】
本発明のキャップ用塗料組成物によって、金属素材との密着性、加工性、耐食性、ライナー付着性及びキャップ開栓性に優れた塗膜を有するキャップを提供することができる。
理由として、本キャップ用塗料組成物は、厚さ0.01〜10μmの皮膜(F1)と、皮膜(F1)上の厚さ0.1〜10μmの皮膜(F2)との複層皮膜を形成し、上記皮膜特性を得るに至ったものと考えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明のキャップ用塗料組成物は、数平均分子量が900〜60,000のエポキシ樹脂(A)60〜95質量部と、フェノール樹脂(B)5〜40質量部との固形分合計100質量部に対して、メルトフローレート(JIS K 7210−76による、190℃で2.16kg荷重)が0.1〜100g/10分で、かつ酸価45〜100mgKOH/gのエチレン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂(C)を1〜100質量部含有するキャップ用塗料組成物である。
【0012】
[エポキシ樹脂(A)]
エポキシ樹脂(A)は、数平均分子量が900〜60,000、好ましくは2,000〜20,000、さらに好ましくは3,000〜10,000であることが、目的とする金属素材との密着性、加工性、耐食性を満足させるために好ましい。
【0013】
なお本明細書において、数平均分子量は、JIS K 0124−83に記載の方法に準じて、分離カラムとして、「TSK GEL4000HXL」、「TSK G3000HXL」、「TSK G2500HXL」及び「TSK G2000HXL」(全て、東ソー株式会社製)の4本を用い、40℃及び流速1.0ml/分の条件下で、溶離液にGPC用テトラヒドロフランを用いて、RI屈折計で得られたクロマトグラムとポリスチレン換算の検量線とから求めた値である。
【0014】
エポキシ樹脂(A)としては、具体的には、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、これらのエポキシ樹脂中のエポキシ基又は水酸基を各種変性剤と反応させた変性エポキシ樹脂等を挙げることができる。
【0015】
上記ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、エピクロルヒドリンとビスフェノールとを、必要に応じてアルカリ触媒等の触媒の存在下で、高分子量まで縮合させて生成した樹脂、エピクロルヒドリンとビスフェノールとを、必要に応じてアルカリ触媒等の触媒の存在下で、縮合させて低分子量のエポキシ樹脂とし、この低分子量エポキシ樹脂とビスフェノールとを重付加反応させることにより得られる樹脂を挙げることができる。
【0016】
上記ビスフェノールとしては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン[ビスフェノールF]、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノールA]、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン[ビスフェノールB]、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン[水添ビスフェノールA]、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−tert−ブチル−フェニル)−2,2−プロパン、p−(4−ヒドロキシフェニル)フェノール、オキシビス(4−ヒドロキシフェニル)、スルホニルビス(4−ヒドロキシフェニル)、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン等を挙げることができる。上記ビスフェノール類は、単独又は2種以上の混合物として使用することができる。
【0017】
上記ビスフェノール型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、エピコート828EL、エピコート1001、エピコート1004、エピコート1007、エピコート1009、エピコート1010(以上、いずれもジャパンエポキシレジン社製、商品名)、AER6097、AER6099(以上、いずれも旭化成エポキシ社製、商品名)、エポミックR−309(三井化学社製、商品名)等を挙げることができる。
【0018】
上記ノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、分子内に多数のエポキシ基を有するフェノールグリオキザール型エポキシ樹脂等を挙げることができる。
【0019】
上記ノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂として、エピコート152、エピコート154(以上、いずれもジャパンエポキシレジン社製、商品名)、EPPN−201(日本化薬社製、商品名)、エポトートYDPN−638(東都化成社製、商品名)等が挙げられ、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂として、エピコート180S65、エピコート180H65(以上、いずれもジャパンエポキシレジン社製、商品名)、EOCN−102S、EOCN−103S、EOCN−104S(以上、いずれも日本化薬社製、商品名)、エポトートYDCN−701、エポトート−702、エポトート−703、エポトート−704(以上、いずれも東都化成社製、商品名)等が挙げられ、その他のノボラック型エポキシ樹脂として、エポトートZX−1071T、エポトートZX−1015、エポトートZX−1247、エポトートYDG−414S(以上、いずれも東都化成社製、商品名)等を挙げることができる。
【0020】
また、上記変性エポキシ樹脂としては、上記ビスフェノール型エポキシ樹脂又はノボラック型エポキシ樹脂に、例えば、乾性油脂肪酸を反応させたエポキシエステル樹脂、上記ビスフェノール型エポキシ樹脂又はノボラック型エポキシ樹脂に、例えば、アクリル酸又はメタクリル酸等を含有する重合性不飽和モノマー成分を反応させたエポキシアクリレート樹脂、上記ビスフェノール型エポキシ樹脂又はノボラック型エポキシ樹脂に、例えば、イソシアネート化合物を反応させたウレタン変性エポキシ樹脂、上記ビスフェノール型エポキシ樹脂とノボラック型エポキシ樹脂及び上記各種変性エポキシ樹脂から選ばれるエポキシ樹脂のエポキシ基にアミン化合物を反応させて、アミノ基又は4級アンモニウム塩を導入したアミン変性エポキシ樹脂等を挙げることができる。
【0021】
上記変性エポキシ樹脂の中でも、塗膜の密着性、耐食性の面からビスフェノール型エポキシ樹脂やクレゾールノボラック型エポキシ樹脂が好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂やビスフェノールF型エポキシ樹脂が特に好ましい。
【0022】
[フェノール樹脂(B)]
本発明のキャップ用塗料組成物に用いるフェノール樹脂(B)は、上記エポキシ樹脂(A)と架橋反応して硬化させるために配合されるものである。このようなフェノール樹脂(B)としては、例えばフェノール類とホルムアルデヒド類とを反応触媒の存在下で加熱し、縮合反応させてメチロール基を導入したレゾール型フェノール樹脂を挙げることができる。
【0023】
フェノール樹脂(B)の製造に用いられるフェノール類としては、o−クレゾール、p−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、p−エチルフェノール、2,3−キシレノール、2,5−キシレノール等の2官能性フェノール;フェノール、m−クレゾール、m−エチルフェノール、3,5−キシレノール、m−メトキシフェノール等の3官能性フェノール;ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン[ビスフェノールA]、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン[ビスフェノールF]等の4官能性フェノール等が挙げられ、これらを単独又は2種以上混合して使用することができる。
フェノール樹脂(B)の製造に用いられるホルムアルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド又はトリオキサン等が挙げられ、これらを単独又は2種以上混合して使用することができる。
【0024】
また、フェノール樹脂(B)として、メチロール基の一部をアルキルエーテル化したメチロール化フェノール樹脂も用いることができる。アルキルエーテル化に用いられるアルコールとしては、炭素原子数1〜8個、好ましくは1〜4個の1価のアルコールが適しており、例えばメタノール、エタノール、n−ブタノール、イソブタノール等を挙げることができる。フェノール樹脂(B)の市販品としては、ショーノールCKS−394(昭和高分子社製、p−クレゾール・ビスフェノールA型のフェノール樹脂)が挙げられる。
【0025】
これらのフェノール樹脂の中でも、特にメチロール基の一部をメタノールによってメチロール化したp−クレゾール型フェノール樹脂が、ライナー材との接着性、金属素材との密着性や加工性の点から好ましいことが見出された。
【0026】
エポキシ樹脂(A)とフェノール樹脂(B)との配合割合は、エポキシ樹脂(A)とフェノール樹脂(B)との合計100質量部に対して、エポキシ樹脂(A)が60〜95質量部、好ましくは70〜90質量部、フェノール樹脂(B)が5〜40質量部、好ましくは10〜30質量部であることが、塗膜の硬化性や金属素材との密着性の点から適している。
【0027】
[エチレン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂(C)]
本発明のキャップ用塗料組成物は、金属素材との密着性やライナーの付着性及びキャップ開栓性の向上を目的として、エポキシ樹脂(A)60〜95質量部とフェノール樹脂(B)5〜40質量部の固形分合計100質量部に対して、酸価45〜100mgKOH/gのエチレン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂(C)を1〜100質量部含有する。
【0028】
なお、樹脂(C)のメルトフローレート(JIS K 7210−76による、190℃で2.16kg荷重)は、0.1〜100g/10分、好ましくは1〜50g/10分、さらに好ましくは3〜10g/10分の範囲であることが、ライナーの付着性向上の為により好ましい。
【0029】
樹脂(C)としては、具体的には、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−マレイン酸共重合体、エチレン−フマル酸共重合体、エチレン−クロトン酸共重合体等のエチレン−エチレン性不飽和酸共重合体を挙げることができる。
【0030】
樹脂(C)を製造する際に、単量体としてメタクリル酸又はアクリル酸を用いることが好ましく、特に、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体を用いることが、キャップ開栓性やライナー付着性向上の為に好ましい。
【0031】
なお上記エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の市販品として、「ニュクレル」の商標名の下で市販される、例えば、ニュクレルAN4214C、ニュクレルN0903HC、ニュクレルN0908C、ニュクレルN410、ニュクレルN1035、ニュクレルN1050H、ニュクレルN1108C、ニュクレルN1110H、ニュクレルN1207C、ニュクレルN1214、ニュクレルN1525、ニュクレルN1560、ニュクレルN0200H、ニュクレルN2050H、ニュクレルN2060、AN4311、ニュクレルAN4213C、ニュクレルN035C等(以上、三井・デュポン・ポリケミカル社製)が挙げられる。
【0032】
樹脂(C)を塗料中に添加する場合には、樹脂(C)と溶剤を混合して分散液状態の「エチレン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂(C)分散液」として、塗料中に配合することが好ましい。
【0033】
なお、「エチレン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂(C)分散液」の製造方法としては、例えば、樹脂(C)を溶剤中で融点以上に加熱して溶融し、樹脂(C)を溶液状態とする。その後、冷却して樹脂(C)を析出させて、溶剤中に樹脂(C)が分散した状態の「エチレン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂(C)分散液」を生成させる方法が挙げられる。
【0034】
上記溶剤として、具体的には、トルエン、キシレン、スワゾール1000(商品名、丸善石油化学株式会社製)、高沸点石油系炭化水素等の炭化水素系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤;メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール系溶剤;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤等を挙げることができ、これらを単独又は2種以上を混合して使用することができる。
上記溶剤の中で、特に、この中でもスワゾール1000(商品名、丸善石油化学株式会社製)が、溶解性の点から好ましい。
【0035】
なお、2種以上の樹脂(C)を混合する手順については、特に限定されず、例えば、
(1)2種以上の固体状の樹脂(C)を一括して溶剤中に投入して溶解し、混合する手順、
(2)少なくとも1種の樹脂(C)を予め分散液状態にしておき、この中に固体状の別の樹脂(C)を投入して溶解し、混合する手順、そして
(3)2種以上の樹脂(C)を、それぞれ、予め分散液状態にしておき、それらの分散液を混合する手順等が挙げられる。
これらの中でも、工業生産性の面から、(3)の方法が好ましい。
【0036】
上記に挙げた樹脂(C)の混合様式については特に限定されず、公知の回転式の混合攪拌機やラインミキサー等を用いて、2種以上の樹脂(C)を混合することができる。当該混合の際には、2種以上の樹脂(C)分散液を、それぞれ、40〜110℃にしてから混合することが好ましい。
【0037】
なお、樹脂(C)の酸価は、45〜100mgKOH/g、好ましくは50〜95mgKOH/g、さらに好ましくは50〜80mgKOH/gの範囲にあることが、樹脂(C)の分散の容易化の観点から好ましい。樹脂(C)の融点は、50〜140℃、好ましくは80〜120℃、さらに好ましくは90〜110℃の範囲であることが、ライナー材との接着性向上の為により好ましい。
【0038】
本発明のキャップ用塗料組成物における、樹脂(C)の配合量としては、エポキシ樹脂(A)とフェノール樹脂(B)との合計100質量部に対して、樹脂(C)を1〜100質量部、好ましくは30〜90質量部、さらに好ましくは40〜60質量部を配合することが、ライナー付着性を向上させ、かつ塗料粘度を一定範囲内として塗装作業性を確保する面でも好ましい。
【0039】
[ワックス]
また、本発明のライナー付着性が良好なキャップ用塗料組成物には、塗膜の滑り性の向上を目的としてワックスを、適宜、含有させることもできる。
【0040】
上記ワックスとして、蜜蝋、ラノリンワックス、鯨蝋、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木蝋、ホホバ油、椿油、マカデミアナッツ油、シア油、オリーブ油、メドウフォーム油等の動植物系ワックス、モンタンワックス、オゾゲライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム等の鉱物、石油系ワックス等の天然ワックス;フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、酸化ポリプロピレンワックス等の合成炭化水素系ワックス、モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体等の変性ワックス、硬化ヒマシ油、硬化ヒマシ油誘導体等の水素化ワックス、テフロン(登録商標)ワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス等のフッ素系ワックス等の合成ワックスが挙げられる。
【0041】
上記ワックスとしては、天然ワックス、合成ワックスのどちらか一方を単独で用いること、又は両者を併用することができ、さらに、それぞれのワックスは、2種以上を混合して用いることもできる。
上記ワックスの中でも、融点が80℃以上のワックスを用いることが、ライナー付着性やキャップ開栓性のために好ましく、例えば、ポリエチレンワックス(融点120℃)、ポリテトラフルオロエチレンワックス(融点300℃)を用いることが好ましい。さらに滑り性が必要な場合には、上記融点が80℃以上のワックスとオリーブ油等の液状ワックスとを併用することもできる。
【0042】
上記ワックスの添加量としては、エポキシ樹脂(A)、フェノール樹脂(B)及びエチレン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂(C)の合計100質量部に対して、0.5〜10質量部、好ましくは1〜5質量部であることが、キャップ開栓性及び塗装安定性の面から好ましい。
【0043】
本発明のキャップ用塗料組成物には、必要に応じて、溶剤、着色顔料、体質顔料、防錆顔料、凝集防止剤、レベリング剤、消泡剤、紫外線吸収剤、硬化触媒等を配合することができる。
【0044】
上記硬化触媒としては、好適には、スルホン酸化合物を挙げることができ、具体的には、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジブチルベンゼンスルホン酸、ドデシルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸等の高級アルキルアリールスルホン酸類及びこれらの塩類(例えば、アミン化合物、アンモニア等)等が挙げられる。
【0045】
上記キャップ用塗料組成物を、金属板又は金属板を加工したキャップの外面及び/又は内面に塗装し、焼き付け、キャップ被覆用に適した塗膜を形成することができる。
上記キャップに用いる金属板としては、飲料缶、缶詰用缶等だけでなく、任意のキャップ等に用いることができる金属板を使用することができ、例えば、アルミニウム板、ティンフリースチール板、ブリキ板等を挙げることができる。
【0046】
上記キャップ用塗料組成物の塗装は、ロールコータ塗装、スプレー塗装等の塗装方法によって、塗装膜厚が、乾燥膜厚で1〜20μm、好ましくは2〜10μmとなるように行う。塗膜の焼付け乾燥は、通常、金属板であれば、約120〜300℃、好ましくは150〜200℃の温度において、約10秒〜30分間、好ましくは約15秒〜約15分間行う。
【0047】
上記焼付け乾燥のみによって、皮膜(F1)の層と、さらに皮膜(F1)の層上の皮膜(F2)の層を含む複層が形成し、特に、焼付け乾燥以外の工程や操作は不要である。皮膜(F1)は、塗装面全体にわたって連続層を形成し、そして皮膜(F2)は、皮膜(F1)の連続層の上に、塗装面全体にわたって連続層を形成する。
【0048】
皮膜(F1)には、エポキシ樹脂(A)及びフェノール樹脂(B)が含まれ、そして皮膜(F2)には、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂(C)が含まれる。これらの複層が形成される理由の一つとして、エポキシ樹脂(A)及びフェノール樹脂(B)の相溶性を高くする一方で、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂(C)と、エポキシ樹脂(A)及びフェノール樹脂(B)との相溶性を低くしたことが挙げられる。
【0049】
皮膜(F1)の厚さは、乾燥膜厚として、0.01〜10μm、好ましくは0.1〜6μm、さらに好ましくは0.5〜3μmであり、そして皮膜(F2)の厚さは、乾燥膜厚として、0.1〜10μm、好ましくは0.1〜6μm、さらに好ましくは0.5〜3μmである。
【0050】
皮膜(F1)の連続層と、皮膜(F2)の連続層とを含む複層が形成されたことは、皮膜断面を、電子顕微鏡写真で観察して確認することができる(図4参照)。なお、図5は、皮膜(F1)が連続層を形成していない従来塗料の皮膜断面の電子顕微鏡写真である。
【0051】
内容物の密着性は、上記複層皮膜を有する金属板をキャップ形状に成型加工し、さらに当該金属板上にポリエチレン製のライナーを圧着させて高められている。なお、本皮膜構造を有するキャップは、ライナー付着性(下記参照)が、5N/cm以上、好ましくは10N/cm以上、さらに好ましくは15N/cm以上と、従来にない高い付着性を有し、かつ金属素材との密着性、加工性、耐食性、キャップ開栓性に優れる。
【実施例】
【0052】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにのみに限定されるものではない。なお、「部」及び「%」は、特にことわらない限り、「質量部」及び「質量%」を意味する。
【0053】
[エチレン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂(C)の製造]
[製造例1]樹脂(C)No.1分散液の製造(実施例用)
フラスコに、ニュクレルN0903HC(三井・デュポン・ポリケミカル社製、酸価59mgKOH/g、融点99℃、メルトフローレート3g/10分、エチレン−メタクリル酸共重合体)100部と、混合溶剤A1900部とを加え、130℃にて1時間加熱混合して溶解し、さらに冷却して、固形分5%のエチレン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂(C)No.1分散液を得た。
混合溶剤A:スワゾール1000(丸善石油化学株式会社製)/シクロヘキサノン=50/50
【0054】
[製造例2]樹脂(C)No.2分散液の製造例(実施例用)
ニュクレルN0903HCの代わりに、ニュクレルN0908C(三井・デュポン・ポリケミカル社製、酸価59mgKOH/g、融点99℃、メルトフローレート8g/10分、エチレン−メタクリル酸共重合体)100部を用いた以外は、製造例1と同様にして、固形分5%のエチレン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂(C)No.2分散液を得た。
【0055】
[製造例3]樹脂(C)No.3分散液の製造(実施例用)
ニュクレルN0903HCの代わりに、ニュクレルN1207C(三井・デュポン・ポリケミカル社製、酸価78mgKOH/g、融点96℃、メルトフローレート7g/10分、エチレン−メタクリル酸共重合体)100部を用いた以外は、製造例1と同様にして、固形分5%のエチレン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂(C)No.3分散液を得た。
【0056】
[製造例4]エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂No.4分散液の製造(比較例用)
ニュクレルN0903HCの代わりに、ウルトラセン626(東ソー社製、酢酸ビニル含有率15%、融点90℃、メルトフローレート3g/10分、エチレン−酢酸ビニル共重合体)100部を用いた以外は、製造例1と同様にして、固形分5%のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂No.4分散液を得た。
【0057】
[製造例5]樹脂(C)No.5分散液の製造(比較例用)
ニュクレルN0903HCの代わりに、ニュクレルN0200H(三井・デュポン・ポリケミカル社製、酸価13mgKOH/g、融点88℃、メルトフローレート130g/10分、エチレン−メタクリル酸共重合体)100部を用いた以外は、製造例1と同様にして、固形分5質量%のエチレン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂(C)No.5分散液を得た。
【0058】
[製造例6]樹脂(C)No.6分散液の製造(比較例用)
ニュクレルN0903HCの代わりに、ニュクレルN2050H(三井・デュポン・ポリケミカル社製、酸価130mgKOH/g、融点84℃、メルトフローレート500g/10分、エチレン−メタクリル酸共重合体)100部を用いた以外は、製造例1と同様にして、固形分5質量%のエチレン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂(C)No.6分散液を得た。
【0059】
[製造例7]樹脂(C)No.7分散液の製造(比較例用)
ニュクレルN0903HCの代わりに、ニュクレルN2060(三井・デュポン・ポリケミカル社製、酸価130mgKOH/g、融点84℃、メルトフローレート60g/10分、エチレン−メタクリル酸共重合体)100部を用いた以外は、製造例1と同様にして、固形分5質量%のエチレン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂(C)No.7分散液を得た。
【0060】
[製造例8]フェノール樹脂(B)の製造
還流管、温度計、撹拌機を装着した四つ口フラスコに、p−クレゾール100部、37%ホルムアルデヒド水溶液178部及び苛性ソーダ1部を加え、60℃で3時間反応させた後、減圧下、50℃で1時間脱水した。次いでn−ブタノール100部とリン酸3部とを加え、110〜120℃で2時間反応させた。
【0061】
反応終了後、得られた溶液を濾過して生成したリン酸ナトリウムを濾別し、固形分50%のレゾール型フェノール樹脂No.1溶液を得た。
得られたレゾール型フェノール樹脂No.1溶液は、数平均分子量780であり、ベンゼン核1核当りの平均メチロール基数が0.1個であり、そしてベンゼン核1核当りの平均ブトキシメチル基数が0.7個であった。
【0062】
[実施例1]
エピコート1007(ジャパンエポキシレジン社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量1,700、数平均分子量2,900)450部をシクロヘキサノン550部に溶解して固形分45%のエポキシ樹脂溶液を得た。次いで、当該エポキシ樹脂溶液188.9部(固形分85部)に、ショーノールCKS−394(昭和高分子社製、p−クレゾール/ビスフェノールA型のフェノール樹脂、固形分70質量%)21.4部(固形分15部)及び製造例1で得た樹脂(C)No.1分散液を1000部(固形分50部)混合し、混合溶剤Aを加えて固形分12%のキャップ用塗料No.1を得た。
【0063】
[実施例2〜12]
表1に示す配合とする以外は、実施例1と同様にして、固形分12質量%のキャップ用塗料No.2〜No.12を得た。
【0064】
【表1】

【0065】
エピコート1009:ジャパンエポキシレジン社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量2,850、数平均分子量3,800
WAX S−394N−1:Shamrock社製、高融点ポリエチレン型のワックス、融点113℃、平均粒径5μm
【0066】
[比較例1〜8]
表2に示す配合とする以外は、実施例1と同様にして、固形分12%の各キャップ用塗料No.13〜No.20を得た。
【0067】
【表2】

[試験塗装板の作成]
実施例及び比較例で得た塗料を、厚さ0.24mmの#3105アルミニウム板に、乾燥膜厚が4μmとなるように塗装し、風速3m/秒の熱風で素材到達最高温度(PMT)が180℃となる条件で10分間焼き付け、各試験塗板を得た。得られた各試験塗板を、下記の試験方法に基づいて試験した。試験結果を表3及び表4に示す。
【0068】
【表3】

【0069】
【表4】

【0070】
塗膜外観:試験塗板の塗膜外観を、肉眼で観察した。評価基準は下記の通りである。
○:ハジキ、凹み、曇り等の塗面異常が認められない、
△:ハジキ、凹み又は曇りの塗面異常のいずれかが認められる、
×:ハジキ、凹み又は曇りのうち少なくとも1つの塗面異常が著しい。
【0071】
密着性:JIS K−5400 8.5.2(1990)碁盤目テープ法に準ずる。試験板の塗膜表面に、直行する縦横各11本の並行な直線を1.5mm間隔で、素地に到達するようにカッターナイフで傷を入れ、1.5mm×1.5mmのマス目を100個作成した。その表面にセロテープ(登録商標)を密着させ、テープを急激に剥離した後のマス目の剥がれ程度を観察し、下記基準で評価した。
◎:塗膜の剥離が全く認められない、
○:マス目が、100個中100個残存するが、一部、フチが欠けた個所が観察される、
△:マス目の残存個数が、100個中90〜99個である、そして
×:マス目の残存個数が、100個中90個未満である。
【0072】
加工性:エリクセン社製の深絞り試験器において、33mm口径のポンチを用い、ブランク径を60mmとし、試験塗板から、塗膜が外面側となるようにカップを作成した。上記カップを100℃の沸騰水中で1時間浸漬させた後、外面側の加工部について密着性試験を行った。評価基準は下記の通りである。
◎:塗膜の剥離が認められず、塗膜表面にすり傷も認められない、
〇:塗膜の剥離が認められないが、塗膜表面にすり傷が認められる、
△:塗膜の剥離が僅かに認められる、そして
×:著しい塗膜の剥離が認められる。
【0073】
動摩擦係数:キャップ開栓性の代用特性として評価する。一般的に、動摩擦係数が小さいほど、キャップ開栓性が良好となる。イーガン スリップ テスター モデル No.225−3(スウイング アルバート インスツルメント カンパニー製)[Egan Slip Tester Model No.225−3 (Thwing Albert Instrument Co.製)]を用いて、引っ張り速度10cm/分の条件において、塗装板の動摩擦係数を測定した。評価基準は下記の通りである。
◎:動摩擦係数が、0.08未満である、
○:動摩擦係数が、0.08以上、かつ0.1未満である、
△:動摩擦係数が、0.1以上、かつ0.15未満である、そして
×:動摩擦係数が、0.15以上である。
【0074】
ライナー付着性:図2に示す装置において、2cm×2cmの塗装板6に、2cm×2cmのポリエチレン製のライナー材5を載せ、110℃に加温したヒーター7上で30秒間加熱した。加熱の際、ライナー材5の上に、荷重として60g重/cmの外力8をかけた。
次に、ライナー材5を圧着させた試験板を、20℃の恒温室にて冷却させた後、当該試験板を、オートグラフに図3に示すように取り付け、200mm/分で引っ張った際の「引っ張り強度」を測定した(以下、「Tピール試験」と称する)。評価基準は下記の通りである。
◎:引っ張り強度が、15N/cm以上である、
○:引っ張り強度が、5N/cm以上、かつ15N/cm未満である、
△:引っ張り強度が、2.5N/cm以上、かつ5N/cm未満である、そして
×:引っ張り強度が、2.5N/cm未満である。
【0075】
皮膜断面観察:試験板を切断し、皮膜断面の状態及び膜厚(μm)を、走査型電子顕微鏡(倍率3,500倍)で観察した。なお、膜厚は、走査型電子顕微鏡写真から算出した平均膜厚である。評価基準は下記の通りである。
○:皮膜(F1)の連続層と、皮膜(F1)上の皮膜(F2)の連続層とを含む複層が形成されたことが、はっきり観察できた、そして
×:皮膜(F1)の連続層と、皮膜(F1)の連続層上の皮膜(F2)の連続層とを含む複層が形成されたことは、観察できなかった。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本願請求項に記載のキャップ用塗料組成物は、金属製素材との密着性、加工性、耐食性、キャップ開栓性及びライナー付着性等の塗膜性能に優れたキャップを得ることができるので、産業上有用である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】ピルファープルーフキャップのモデル図である。
【図2】ライナー材の圧着試験のモデル図である。
【図3】Tピール試験のモデル図である。
【図4】皮膜(F1)の連続層と、皮膜(F1)の連続層上の皮膜(F2)の連続層とを含む複層が形成されたことがはっきり観察できる、本発明塗料を用いた皮膜の電子顕微鏡写真(5,000倍)である。
【図5】皮膜(F1)と、皮膜(F2)とを含む複層において、皮膜(F1)が連続層を形成していない、従来塗料を用いた複層の電子顕微鏡写真(5,000倍)である。
【符号の説明】
【0078】
1 天面部
2 側胴部
3 スカート部
4 キャップ用塗料による塗膜
5 ライナー材
6 塗装板
7 ヒーター
8 外力を加える
9 測定サンプル固定用治具
10 ライナー
11 塗装板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
数平均分子量が900〜60,000のエポキシ樹脂(A)60〜95質量部と、フェノール樹脂(B)5〜40質量部との固形分合計100質量部に対して、メルトフローレート(JIS K 7210−76による、190℃で2.16kg荷重)が0.1〜100g/10分で、かつ酸価45〜100mgKOH/gのエチレン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂(C)を、固形分で1〜100質量部含有することを特徴とするライナー付着性が良好なキャップ用塗料組成物。
【請求項2】
エチレン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂(C)の不飽和カルボン酸成分が、メタクリル酸及び/又はアクリル酸である、請求項1に記載のキャップ用塗料組成物。
【請求項3】
融点80℃以上のワックスをさらに含む、請求項1又は2に記載のキャップ用塗料組成物。
【請求項4】
塗布し、焼付け乾燥させた後に、塗膜全体にわたって皮膜(F1)の連続層と、皮膜(F1)上の皮膜(F2)の連続層とを含む複層であって、皮膜(F1)が、エポキシ樹脂(A)及びフェノール樹脂(B)を含み、そして皮膜(F2)が、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂(C)を含む複層を形成する、請求項1〜3のいずれか記載のキャップ用塗料組成物。
【請求項5】
皮膜(F1)の連続層の厚さが、乾燥膜厚として0.01〜10μmであり、皮膜(F2)の連続層の厚さが、乾燥膜厚として0.01〜10μmである、請求項1〜4のいずれか記載のキャップ用塗料組成物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか記載のキャップ用塗料組成物を塗装したキャップ。
【請求項7】
ピルファープルーフキャップである、請求項6に記載のキャップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−156595(P2008−156595A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−161203(P2007−161203)
【出願日】平成19年6月19日(2007.6.19)
【出願人】(000001409)関西ペイント株式会社 (815)
【Fターム(参考)】