説明

ライブロック用構造体及びライブロック生産設備、並びにライブロックの設置方法

【課題】ライブロックを人工的に生産するにあたり、取り扱いを容易にすること。
【解決手段】このライブロック用構造体1は、生物を定着させる生物定着層2と、生物定着層2の内部に設けられる中空容器3とを含む。ライブロック用構造体1は、海中に所定期間保持されて、生物定着層2にバクテリア類や石灰藻等が定着して、人工のライブロックが完成する。完成したライブロックは設置海域まで曳航される。そして、設置場所で栓6が取り外されて、中空容器3の内部に海水が流入する。これによって、中空容器3は浮力を失ってライブロックは沈降し、設置海域の海底に設置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人工的に生産されるライブロックに関する。
【背景技術】
【0002】
ライブロックとは、珊瑚礁の海から引き揚げられた自然の岩のことであり、窒素化合物等を分解するバクテリアが定着している。このため、海水魚の飼育等において、理想的な濾材として用いられている。特許文献1には、槽内に少なくとも1つのライブロックを設置し、ライブロック上に水生生物、草木及び藻類を繁殖させ、水生生物、草木及び藻類の浄化作用で水槽水の浄化を促進させる海水等利用水槽が開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2002−262706号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ライブロックは自然の岩であるため、自然保護の観点から採取が制限される傾向にある。このため、近年においては、人工的にライブロックを生産し、濾材として提供する試みが行われている。また、親珊瑚から分割した子珊瑚を、人工的に生産したライブロックに移植して親珊瑚に生育させ、これを所定の海域に設置して、海中環境を回復させる試みも提案されている。このような用途に用いられるライブロックは、寸法、質量が大きくなるので、取り扱いが困難になることが予想される。
【0005】
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ライブロックを人工的に生産するにあたり、取り扱いを容易にすることができるライブロック用構造体及びライブロック生産設備、並びにライブロックの設置方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るライブロック用構造体は、生物を定着させる生物定着層と、前記生物定着層の内部に設けられる浮力発生手段と、を含むことを特徴とする。
【0007】
このライブロック用構造体は、バクテリア類や藻類、あるいは珊瑚等の生物が定着したライブロックの生産に用いられるものである。そして、このライブロック用構造体は、生物を定着させる生物定着層の内部に浮力発生手段を設け、これを用いてライブロックを生産する。これによって、浮力発生手段の浮力を利用することができるので、ライブロックを設置する場所まで移動させる際の取り扱いが容易になる。
【0008】
次の本発明に係るライブロック用構造体は、前記本発明に係るライブロック用構造体において、生物定着層の内部には、複数の前記浮力発生手段が備えられることを特徴とする。
【0009】
このライブロック用構造体は、前記ライブロック用構造体の構成を備えるので、前記ライブロック用構造体と同様の作用、効果を奏する。さらにこのライブロック用構造体は、生物定着層の内部に、複数の浮力発生手段を備える。これによって、例えば、1個の浮力発生手段に不具合が発生して浮力が減少した場合でも、不具合の発生していない浮力発生手段によって浮力を得ることができる。
【0010】
次の本発明に係るライブロック用構造体は、前記本発明に係るライブロック用構造体において、前記浮力発生手段は前記生物定着層の外部と連通する連通通路を備える中空容器であり、前記中空容器と前記生物定着層とは結合されて一体化されることを特徴とする。
【0011】
このライブロック用構造体は、前記ライブロック用構造体の構成を備えるので、前記ライブロック用構造体と同様の作用、効果を奏する。さらにこのライブロック用構造体は、生物定着層の内部に浮力発生手段として中空容器を備える。この中空容器によって生物定着層2を補強できるという利点がある。
【0012】
次の本発明に係るライブロック用構造体は、前記本発明に係るライブロック用構造体において、前記浮力発生手段は、前記生物定着層と取り外し可能であることを特徴とする。
【0013】
このライブロック用構造体は、前記ライブロック用構造体の構成を備えるので、前記ライブロック用構造体と同様の作用、効果を奏する。さらにこのライブロック用構造体は、生物定着層に対して浮力発生手段を取り外し可能としてある。これによって、浮力発生手段を取り外した後の空間を、例えば漁礁等として利用することができる。
【0014】
次の本発明に係るライブロック用構造体は、前記本発明に係るライブロック用構造体において、前記生物定着層は、多孔質体であることを特徴とする。
【0015】
このライブロック用構造体は、前記ライブロック用構造体の構成を備えるので、前記ライブロック用構造体と同様の作用、効果を奏する。さらにこのライブロック用構造体は、生物定着層を多孔質体で構成する。これによって、バクテリア類や石灰藻等が豊富なライブロックを、比較的短期間で生産することができる。
【0016】
次の本発明に係るライブロック用構造体は、前記本発明に係るライブロック用構造体において、前記ライブロック用構造体は、自己を識別できる個体識別手段を備えることを特徴とする。
【0017】
このライブロック用構造体は、前記ライブロック用構造体の構成を備えるので、前記ライブロック用構造体と同様の作用、効果を奏する。さらにこのライブロック用構造体は、個体識別手段を備えるので、バクテリア類、石灰藻や珊瑚等が定着することにより完成したライブロックを、人工の構造物として識別できる。
【0018】
次の本発明に係るライブロック用構造体は、多孔質体で構成されて、生物を定着させる生物定着層を備えることを特徴とする。
【0019】
従来、人工的にライブロックを生産する際には、生物の定着に比較的長期間を要していた。このライブロック用構造体は、生物定着層を多孔質体で構成する。これによって、バクテリア類や石灰藻等が豊富なライブロックを、比較的短期間で生産することができる。
【0020】
次の本発明に係るライブロック用構造体は、生物を定着させる生物定着層と、自己を識別できる個体識別手段と、を備えることを特徴とする。
【0021】
従来、人工的にライブロックを生産する際には、生物が定着した人工のライブロックと、天然の岩礁とを区別することが困難であった。このライブロック用構造体は、個体識別手段を備えるので、バクテリア類、石灰藻や珊瑚等が定着することにより完成したライブロックを、人工の構造物として識別できる。
【0022】
次の本発明に係るライブロック生産設備は、海上に浮いて、前記ライブロック用構造体を海中に保持する浮体構造物と、前記浮体構造物に前記ライブロック用構造体を取り付けるライブロック構造体取付手段と、を含むことを特徴とする。
【0023】
このライブロック生産設備は、浮体構造物を備え、生物を定着させる生物定着層の内部に浮力発生手段を設けたライブロック用構造体を、前記浮体構造物に取り付けてライブロックを生産する。これによって、ライブロック用構造体の浮力発生手段が発生する浮力を利用することができるので、浮体構造物に取り付ける作業や、生物の定着状態を確認するためにライブロック用構造体を引き上げる場合の負担が軽減できる。
【0024】
次の本発明に係るライブロック生産設備は、前記ライブロック生産設備において、太陽光を採光して、前記ライブロック用構造体に導く採光・照射を備えることを特徴とする。
【0025】
このライブロック生産設備は、前記ライブロック生産設備の構成を備えるので、前記ライブロック生産設備と同様の作用、効果を奏する。さらにこのライブロック生産設備は、採光・照射を備え、日中において、浮体構造物の影となる領域に位置するライブロック用構造体へ太陽光を照射する。これによって、ライブロック用構造体へ定着した、光合成が必要な生物(例えば珊瑚)に太陽光を供給することができる。その結果、ライブロックの生産性低下を抑制することができる。
【0026】
次の本発明に係るライブロック生産設備は、前記ライブロック生産設備において、前記浮体構造物は、海面に向かって張り出す揺れ抑制手段を備えることを特徴とする。
【0027】
このライブロック生産設備は、前記ライブロック生産設備の構成を備えるので、前記ライブロック生産設備と同様の作用、効果を奏する。さらにこのライブロック生産設備は、海面に向かって張り出す揺れ抑制手段を備える。これによって、浮体構造物に取り付けられるライブロック用構造体の動揺を低減できるので、ライブロックの生産性低下を抑制することができる。
【0028】
次の本発明に係るライブロック生産設備は、前記ライブロック生産設備において、海中を漂う浮遊物から前記ライブロック用構造体を保護する海中浮遊物防護手段を備えることを特徴とする。
【0029】
このライブロック生産設備は、前記ライブロック生産設備の構成を備えるので、前記ライブロック生産設備と同様の作用、効果を奏する。さらにこのライブロック生産設備は、海中浮遊物防護手段を備える。これによって、海中浮遊物から養生中のライブロック用構造体を保護することができるので、ライブロック用構造体の破損を抑制して、ライブロックの生産性低下を抑制することができる。
【0030】
次の本発明に係るライブロック生産設備は、前記ライブロック生産設備において、前記浮体構造物の近傍に海水の水流を発生させる水流発生手段を備えることを特徴とする。
【0031】
このライブロック生産設備は、前記ライブロック生産設備の構成を備えるので、前記ライブロック生産設備と同様の作用、効果を奏する。さらにこのライブロック生産設備は、浮体構造物の近傍に海水の水流を発生させる水流発生手段を備える。これによって、ライブロック用構造体が取り付けられる浮体構造物の周辺には常に新鮮な海水が存在するようになるので、ライブロックの生産性低下を抑制することができる。
【0032】
次の本発明に係るライブロック生産設備は、前記ライブロック生産設備において、海水が流通する通水路を前記浮体構造物の底部に備えることを特徴とする。
【0033】
このライブロック生産設備は、前記ライブロック生産設備の構成を備えるので、前記ライブロック生産設備と同様の作用、効果を奏する。さらにこのライブロック生産設備は、海水が流通する通水路を、浮体構造物の底部に備える。これによって、ライブロック用構造体が取り付けられる浮体構造物の周辺には常に新鮮な海水が存在するようになるので、ライブロックの生産性低下を抑制することができる。
【0034】
次の本発明に係るライブロックの設置方法は、前記ライブロック用構造体を製造する手順と、前記ライブロック用構造体を海中に所定の期間保持する手順と、所定の期間海中に保持した後の前記ライブロック用構造体を、その設置場所に移動する手順と、前記設置場所で前記ライブロック用構造体が備える前記浮力発生手段の浮力を減少させる手順と、を含むことを特徴とする。
【0035】
このライブロックの設置方法は、生物を定着させる生物定着層の内部に浮力発生手段を設けたライブロック用構造体を用いて生産したライブロックを設置場所に設置する。これによって、浮力発生手段が発生する浮力が利用できるので、ライブロックを設置場所まで移動させる際の負荷を軽減できる。また、浮力発生手段の浮力を減少させることにより、ライブロックは設置場所まで沈降するので、所定の設置場所へ容易にライブロックを設置できる。
【発明の効果】
【0036】
この発明に係るライブロック用構造体及びライブロック生産設備、並びにライブロックの設置方法は、ライブロックを人工的に生産するにあたり、取り扱いを容易にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この発明を実施するための最良の形態(以下実施形態という)によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。本発明は、例えば、水質浄化用等に用いるライブロックや環境回復に用いられるライブロックの生産の他、ライブロックに珊瑚を移植して珊瑚を養殖するために用いることに対しても本発明は適用できる。
【0038】
(実施形態1)
この実施形態に係るライブロックは、次の点に特徴がある。すなわち、多孔質体で構成される生物定着層の内部に中空部を形成し、この中空部に浮力発生手段を備える。そして、養殖海域において所定期間養生させて、生物定着層の多孔質で構成される部分に生物を付着させる。その後、設置場所へ移動させて、設置時には、浮力発生手段の浮力を減少させる。
【0039】
図1は、実施形態1に係るライブロック用構造体の構成を示す断面図である。図2は、実施形態1に係るライブロック用構造体を用いて生産したライブロックを海底に設置した状態を示す説明図である。なお、図2において、ライブロックは断面図で示してある。この実施形態に係るライブロック用構造体1は、多孔質体で構成される生物定着層2と、その内部に設けられる浮力発生手段である中空容器3とを含んで構成される。
【0040】
ライブロック用構造体1を構成する生物定着層2は、窒素化合物等を分解するバクテリア類、石灰藻や珊瑚等が定着する部分である。この実施形態に係るライブロック用構造体1は、生物定着層2を発泡セメント等の多孔質体で構成する。これによって、生物定着層2の透水性が向上してバクテリア類や石灰藻等の定着を促進する。また、多孔質体により、表面積を大きくすることができるので、バクテリア類や石灰藻等の定着量が増加する。これによって、バクテリア類や石灰藻等が豊富なライブロックを、比較的短期間で生産することができる。生物定着層2の材料としては、上述した発泡セメントの他、微細気泡を有するコンクリートやモルタル、あるいは石灰質の硬化物を用いることができる。また、微細な孔を有する粒子を、石膏やホワイトセメント等で固めてもよい。
【0041】
なお、生物定着層2を多孔質体で構成しない場合を排除するものではない。かかる場合、バクテリア類や石灰藻等の定着までの期間は、生物定着層2を多孔質体で構成する場合よりも長くなるが、これを許容できれば、生物定着層2を多孔質体で構成しなくともよい。これによって、生物定着層2の製造が容易になるので、ライブロック用構造体1の製造コストを低減できるという利点がある。
【0042】
ライブロック用構造体1には、自己を識別できる個体識別手段として、IC(Integrated Circuit)タグ7が取り付けられる。ICタグ7は、防水ケース内に封入したり、防水シールをしたりして、防水対策が施されてから、ライブロック用構造体1に取り付けられる。ライブロック用構造体1を養殖海域で養生させ、図2に示すように、バクテリア類、石灰藻や珊瑚C等が定着すると、自然の岩礁と見分けがつかなくなるおそれがある。そこで、ICタグ7により、バクテリア類、石灰藻や珊瑚C等が定着することにより完成したライブロック1Lを、人工の構造物として識別する。また、ICタグ7にライブロック用構造体1の属性(定着させる珊瑚Cの種類や、養生開始時期、養生海域の情報等)を記憶させておくことができる。これによって、多数のライブロック用構造体1の管理が容易になる。
また、水槽撤去などで不要となったライブロックのリサイクルに活用できる。
【0043】
生物定着層2の内部は、中空部2Rが形成されている。そして、中空部2Rには、浮力発生手段である中空容器3が取り付けられている。中空容器3は、生物定着層2と結合されて一体化されている。ここでいう「一体化」とは、生物定着層2を破壊することなしに生物定着層2と中空容器3とを分離できないことをいう。
【0044】
中空容器3は、連通孔4、5に栓6を取り付けることで密閉構造となり、水中で浮力を発生する。中空容器3は、例えば、鉄やFRP(Fiber Reinforced Plastic:繊維強化型プラスチック)で構成される。この実施形態において、中空容器3は、ライブロック用構造体1の底部Bに相当する部分に連通孔5が設けられており、後述するライブロック1Lの設置時において、海水が中空容器3の内部3Rに流入しやすくしてある。このライブロック用構造体1は、生物定着層2の内部に中空容器3を備えるため、この中空容器3によって生物定着層2を補強できるという利点がある。
【0045】
ライブロック用構造体1を設置場所に設置する前は、連通孔4、5に栓6を取り付けて中空容器3を密封構造とし、水中において浮力を発生させる。この場合、浮力調整のため、所定量の水を中空容器3内に注入しておいてもよい。ライブロック用構造体1がライブロック1L(図2)として完成した後、設置場所に設置する場合には、中空容器3に浮力を発生させたまま設置場所まで曳航する。そして、設置時に栓6を取り外すことで、連通孔4、5から海水Wが中空容器3内に流入して、中空容器3が海水Wで満たされる。これによって、中空容器3の浮力が失われ、中空容器3を内部に備えるライブロック1Lは、設置場所の海底Lへ沈降して設置される。
【0046】
このライブロック用構造体1は、内部に浮力発生手段である中空容器3を備え、養殖海域への曳航中や養生中、あるいは設置場所までの曳航中には、中空容器3に浮力を発生させる。これによって、海水によってライブロック用構造体1や、これにバクテリアや珊瑚C等が定着したライブロック1Lの重量の一部を海水が負担する。その結果、ライブロック用構造体1やこれにバクテリア等が定着したライブロック1Lを曳航するときの負荷を低減できる。また、養殖海域でライブロック用構造体1を養生させる場合、ライブロック用構造体1を支持するための力も低減できるので、ライブロックを養生させる施設において、ライブロック用構造体1の支持構造を簡略化したり、当該施設の耐久性低下を抑制したりすることができる。この実施形態に係る構成は、ライブロック用構造体1やライブロック1Lの寸法や質量が大きくなるほど好ましい。
【0047】
(変形例1)
図3は、実施形態1の第1変形例に係るライブロック用構造体を示す断面図である。図4は、図3に示すライブロック用構造体を、その底部側から見た状態を示す平面図である。図5は、実施形態1の第1変形例に係るライブロック用構造体を用いて生産したライブロックを海底に設置するときの状態を示す説明図である。この変形例に係るライブロック用構造体1aは、上記ライブロック用構造体1と略同様であるが、生物定着層2aの内部には、中空容器3の代わりに取り外し可能な浮力体8が取り付けられる点が異なる。他の構成は、上記実施形態1と同様である。
【0048】
生物定着層2aの内部は、中空部2Raが形成されている。そして、中空部2aRには、浮力発生手段である浮力体8が取り付けられている。浮力体8は、例えば、発泡スチロールや発泡ウレタン、あるいは空孔を有するガラスや樹脂のビーズ等を用いることができる。生物定着層2aには、連通孔4aが設けられており、ライブロック1Laの設置時においては、生物定着層2aの中空部2aR内の空気が連通孔4aから抜けることによって、中空部2aRに海水が流入しやすくしてある。
【0049】
ライブロック用構造体1aがライブロック1La(図5)として完成した後、設置場所に設置する場合には、浮力体8を取り付けたまま設置場所まで曳航する。そして、設置時に浮力体8をライブロック1Laの生物定着層2aから取り外すことで、連通孔4aから海水Wが生物定着層2aの中空部2Raに流入する。これによって、ライブロック1Laの浮力が失われ、ライブロック1Laは、設置場所の海底Lへ沈降して設置される。なお、浮力体8は、設置時における取り外しを考慮して分割構造としてもよい。
【0050】
図6は、実施形態1の第1変形例に係るライブロック用構造体を用いて生産したライブロックの他の使用態様を示す説明図である。このライブロック1Laは、上記ライブロック1Laにおいて、例えば、海老や蟹等の甲殻類や小型の魚類が通過できる程度の大きさの連通孔4aを設ける。これによって、ライブロック1Laの内部に海老や蟹等の甲殻類や小型の魚類等を導き、漁礁としても利用する。
【0051】
この変形例に係るライブロック用構造体1a(図3参照)では、設置時に浮力体8を取り外すので、設置後においてはライブロック1Laの内部も多孔質体が海水と直接接することになる。その結果、設置後ある程度の期間が経過すれば、ライブロック1Laの内部にも石灰藻等が定着し、甲殻類や小型の魚類等が集まりやすくなり、漁礁としての機能を発揮しやすくなる。
【0052】
(第2変形例)
図7は、実施形態1の第2変形例に係るライブロック用構造体の構成を示す断面図である。図8は、図7に示すライブロック用構造体を、その底部側から見た状態を示す平面図である。図9は、実施形態1の第2変形例に係るライブロック用構造体の他の構成を示す断面図である。この変形例に係るライブロック用構造体1bは、上記実施形態1と略同様であるが、生物定着層の中空部を複数有する点が異なる。他の構成は、上記実施形態1と同様である。
【0053】
生物定着層2bの内部は、複数の中空部2Rb(この例では2個)が形成されている。そして、それぞれの中空部2Rbには、浮力発生手段である中空容器3bが取り付けられている。すなわち、このライブロック用構造体1bは、2個の中空容器3bを備える。これによって、図7、図8に示すように、生物定着層2b内には、2個の中空容器3bの間に隔壁2b_rが形成される。この隔壁2b_rが生物定着層2bを補強するリブとしての機能を果たすため、生物定着層2bの強度が向上する。
【0054】
ここで、浮力発生手段として、中空容器の代わりに発泡スチロール等の浮力体(図3参照)を用いる場合、設置後には浮力体が取り除かれるため、強度面では中空容器を用いるものよりも不利となる。浮力発生手段に浮力体を用いる場合にも、この変形例に係る構成は適用できるが、その場合には、複数の浮力体間に形成される生物定着層2bの隔壁によって生物定着層2bの強度が向上するので、強度面の不利を改善できる。
【0055】
この変形例に係るライブロック用構造体1bでは、複数の中空容器3b(浮力発生手段)を備えるので、例えば、1個の中空容器3bに穴が開いて浮力発生手段としての機能を喪失した場合でも、浮力を喪失していない方の中空容器3bによって浮力を発生させることができる。これによって、信頼性の向上を図ることができる。
【0056】
なお、浮力発生手段である中空容器3bの個数は2個に限られるものではなく、また、その配置は、ライブロック用構造体1bの底部Bの面と平行な方向に並べる配置(図7参照)に限られるものではない。例えば、図9に示すライブロック用構造体1cのように、3個の中空容器(浮力発生手段)3c1〜3c3を、ライブロック用構造体1cの底部Bの面と直交する方向に並べてもよい。
【0057】
また、図9に示すライブロック用構造体1cのように、それぞれの中空容器3c1〜3c3の体積を異ならせてもよい。例えば、このライブロック用構造体1cでは、底部Bから離れるにしたがって中空容器の体積を大きくしている。これによって、底部Bの質量が大きくなるので、ライブロックの設置時には、底部Bが設置場所の海底と対向した状態を保って沈降する。これによって、底部Bが海底へ着底しやすくなるので、石灰藻や珊瑚等が定着した生物定着層2cが海底へ着底するおそれを低減できる。
【0058】
以上、この実施形態及びその変形例に係るライブロック用構造体は、生物を定着させる生物定着層の内部に浮力発生手段を設け、これを用いてライブロックを生産する。これによって、浮力発生手段の浮力を利用することができるので、ライブロックを設置する場所まで移動させる際の取り扱いが容易になる。また、ライブロックを設置する際には、浮力発生手段の浮力を減少させればよいので、ライブロックの設置作業が容易になる。なお、この実施形態及びその変形例の構成を備えるものは、この実施形態及びその変形例と同様の作用、効果を奏する。また、この実施形態及びその変形例の構成は、以下の実施形態においても適用できる。
【0059】
(実施形態2)
実施形態2では、実施形態及びその変形例に係るライブロック用構造体を用いてライブロックを生産するためのライブロック生産設備及びライブロックの生産方法を説明する。
【0060】
図10は、実施形態2に係る、ライブロック生産設備を示す平面図である。図11、図12は、実施形態2に係る、ライブロック生産設備を示す側面図である。このライブロック生産設備100は、実施形態1で説明したライブロック用構造体1(図1等参照)が取り付けられた浮体構造物20を、ライブロックの養生に適した海域(養生海域)Sに浮かべる。これにより、ライブロック用構造体1の生物定着層2に、バクテリアや石灰藻や珊瑚等を定着させる。
【0061】
この実施形態に係るライブロック生産設備100は、複数の浮力体を組み合わせて浮体構造物20が構成されるが、浮体構造物20を構成する方式や浮体構造物20の形状は、図10に開示したものに限定されるものではない。浮体構造物20を構成する浮力体は、例えば、複数の金属板を溶接等で接合した、中空構造物を用いることができる。浮体構造物20は、アンカーにより所定の海域に係留してもよいし、陸地に係留してもよい。
【0062】
ライブロック用構造体1は、ライブロック取付手段によって浮体構造物20に取り付けられて、所定の海域に浸漬される。説明の便宜上、この実施形態に係るライブロック生産設備100は、2種類のライブロック取付手段を備えるが、実際上は2種類のライブロック取付手段のうちいずれか一方を用いることになる。
【0063】
ライブロック取付手段としては、例えば、図11に示すような係留索24を用いて、浮体構造物20にライブロック用構造体1を繋留することができる。係留索24は、例えば、ロープや耐食性の高いワイヤ等を用いる。また、ライブロック取付手段として、例えば図1に示すようなライブロック支持具21を用いてもよい。ライブロック支持具21は、板状のライブロック取付部23と、ライブロック取付部23と浮体構造物20とを連結する軸22とで構成される。次に、実施形態2に係る、ライブロック生産設備100の変形例を説明する。
【0064】
図13〜図18は、実施形態2に係る、ライブロック生産設備の変形例を示す説明図である。図13に示すライブロック生産設備100aは、採光・照射である採光・照射装置30により、日中において、浮体構造物20の影となる領域Dに位置するライブロック用構造体1へ太陽40の光(以下太陽光)41を照射する。ここで、日中において、浮体構造物20の影となる領域Dは、太陽光41が浮体構造物20によって遮断される領域であり、浮体構造物20に対して太陽40と反対側における領域のうち、図13中の一点鎖線と浮体構造物20とで囲まれる領域である。
【0065】
採光・照射装置30は、採光部31と、太陽光照射部32とを含む。採光部31は、太陽40に追従して動いて、日中は常に太陽40と対向して太陽光41を採光できるようになっている。採光部31で採光された太陽光41は、太陽光照射部32から浮体構造物20の影になる部分へ太陽光41を照射する。太陽光照射部32は、例えば、光ファイバを用いて構成される。このような構成により、日中において、浮体構造物20の影となる領域Dに位置するライブロック用構造体1へ太陽光41を照射することができるので、ライブロック用構造体1へ定着した、光合成が必要な生物(例えば珊瑚)に太陽光41を供給することができる。その結果、ライブロックの生産性低下を抑制することができる。
【0066】
図14に示すライブロック生産設備100bは、浮体構造物20から海面Sに向かって、揺れ抑制手段であるフィン25を張り出させる。これによって、ライブロック生産設備100bの近くを航行する船舶の引き波等による浮体構造物20の動揺を抑制できる。その結果、浮体構造物20に取り付けられるライブロック用構造体1の動揺を低減できるので、ライブロックの生産性低下を抑制することができる。
【0067】
図15に示すライブロック生産設備100cは、浮体構造物20に取り付けられるライブロック用構造体1の周辺に、海中浮遊物防護手段26を備える。海中を漂う浮遊物(海中浮遊物)45が養生中のライブロック用構造体1に衝突すると、ライブロック用構造体1に定着した生物が脱落したり、ライブロック用構造体1が破損したりする。このため、このライブロック生産設備100cは、ライブロック用構造体1の周辺に、海中浮遊物防護手段26を設け、海中浮遊物45から養生中のライブロック用構造体1を保護する。
【0068】
このライブロック生産設備100cにおいて、海中浮遊物防護手段26としては、例えば、ネットを用いる。海中浮遊物防護手段26は、ライブロック用構造体1からある程度離して配置することが好ましいため、浮体構造物20から海中浮遊物防護手段26の支持手段を突出させ、これに海中浮遊物防護手段26を取り付ける。
【0069】
このライブロック生産設備100cでは、上述したライブロック生産設備100b(図14参照)が備える揺れ抑制手段であるフィン25に海中浮遊物防護手段26を取り付ける。これによって、浮体構造物20の揺れ抑制と海中浮遊物防護手段26の支持とを兼ねているが、海中浮遊物防護手段26の支持はこの方式に限定されるものではない。
【0070】
このライブロック生産設備100cは、浮体構造物20に取り付けられるライブロック用構造体1の周辺に、海中浮遊物防護手段26を備える。これによって、海中浮遊物45から養生中のライブロック用構造体1を保護することができるので、ライブロック用構造体1に定着した生物の脱落や、ライブロック用構造体1の破損を抑制して、ライブロックの生産性低下を抑制することができる。
【0071】
図16に示すライブロック生産設備100dは、浮体構造物20に水流発生手段28を備える。ライブロック生産設備100cが備える浮体構造物20の周辺、特に複数の浮体構造物20で囲まれた内側は、海水が滞りやすく、ライブロックの生産性に影響を与えるおそれがある。このライブロック生産設備100cでは、浮体構造物20に海水の水流を発生させる水流発生手段28を備えることにより、浮体構造物20の周辺における海水の交換が促進されて、ライブロック用構造体1が取り付けられる浮体構造物20の周辺には常に新鮮な海水が存在するようになる。これによって、ライブロックの生産性低下を抑制することができる。
【0072】
図17、図18に示すライブロック生産設備100eは、浮体構造物20に通水路27を備える。上述したように、ライブロック生産設備100eが備える浮体構造物20の周辺、特に複数の浮体構造物20で囲まれた内側は、海水が滞りやすく、ライブロックの生産性に影響を与えるおそれがある。このライブロック生産設備100eは、浮体構造物20の底部(すなわち重力の作用方向側)に通水路27を備えることにより、図18の矢印方向への海水の動きが生じ、浮体構造物20で囲まれた内側の領域と外側の領域とで海水の交換が促進される。これによって、ライブロック用構造体1が取り付けられる浮体構造物20の周辺には常に新鮮な海水が存在するようになるので、ライブロックの生産性低下を抑制することができる。
【0073】
ここで、上述したライブロック生産設備100a〜100eの構成は、それぞれ単独で、あるいは、2以上を組み合わせて使用することができる。次に、実施形態1に係るライブロック用構造体及び実施形態2に係る、ライブロック生産設備を用いてライブロックを生産し、設置場所に設置するまでの手順を説明する。
【0074】
図19は、ライブロックの生産及び設置手順を示すフローチャートである。ライブロックを生産するにあたり、まず、実施形態1及びその変形例で説明したライブロック用構造体1(図1参照)あるいはライブロック用構造体1a(図3参照)を製造する(ステップS101)。これは、図1に示すライブロック用構造体1では、中空容器3に、例えば発泡セメントを塗布して固化させる。また、図3に示すライブロック用構造体1aでは、浮力体8を取り付けるスペースを空けて生物定着層2aを作り、これに浮力体8を取り付ける。
【0075】
ライブロック用構造体1等を製造したら、実施形態2で説明したライブロック生産設備100等へライブロック用構造体1等を設置し(ステップS102)、所定の期間養生させる(ステップS103)。これによって、ライブロック用構造体1等に、バクテリアや石灰藻等の生物を定着させる。所定期間が経過すると、ライブロック用構造体1等に十分な生物が定着して、ライブロック1L(図2参照)が完成する(ステップS104)。
【0076】
完成したライブロック1Lは、これを設置する場所へ曳航される(ステップS105)。ライブロック1Lが設置する場所へ移動したら、ライブロック1Lが備える浮力発生手段の浮力を減少させて、ライブロック1Lを設置場所まで沈降させる。浮力発生手段の浮力を減少させるためには、例えば、中空容器3(図1参照)の内部に海水を流入させたり、浮力体8(図3参照)を取り除いたりする。これによって、ライブロック1Lが所定の設置場所へ設置される(ステップS106)。
【0077】
以上、この実施形態及びその変形例では、生物を定着させる生物定着層の内部に浮力発生手段を設けたライブロック用構造体を、浮体構造物に取り付けてライブロックを生産する。これによって、ライブロック用構造体の浮力発生手段が発生する浮力を利用することができるので、浮体構造物に取り付ける作業や、生物の定着状態を確認するためにライブロック用構造体を引き上げる場合の負担が軽減できる。また、ライブロック用構造体の浮力発生手段が浮力を発生するため、浮体構造物が負担する荷重も低減できる。その結果、より多くのライブロックを養生させることが可能となる。
【0078】
さらに、浮体構造物を用いることにより、海水温度が異常に上昇した場合には、浮体構造物ごと養生中のライブロック用構造体を適正な水温の海域に移動させることができる。また、台風等による暴風時には、浮体構造物ごと養生中のライブロック用構造体を港内に移動できるので、養生中のライブロック用構造体の破損等を最小限に抑えることができる。そして、ライブロック用構造体の浮力発生手段が浮力を発生するため、浮体構造物ごとライブロック用構造体を移動させるときの負荷を低減できる。なお、この実施形態及びその変形例の構成を備えるものは、この実施形態及びその変形例と同様の作用、効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0079】
以上のように、本発明に係るライブロック用構造体及びライブロック生産設備、並びにライブロックの設置方法は、ライブロックを人工的に生産することに有用であり、特に、寸法、質量の大きなライブロックを生産することに適している。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】実施形態1に係るライブロック用構造体の構成を示す断面図である。
【図2】実施形態1に係るライブロック用構造体を用いて生産したライブロックを海底に設置した状態を示す説明図である。
【図3】実施形態1の第1変形例に係るライブロック用構造体を示す断面図である。
【図4】図3に示すライブロック用構造体を、その底部側から見た状態を示す平面図である。
【図5】実施形態1の第1変形例に係るライブロック用構造体を用いて生産したライブロックを海底に設置するときの状態を示す説明図である。
【図6】実施形態1の第1変形例に係るライブロック用構造体を用いて生産したライブロックの他の使用態様を示す説明図である。
【図7】実施形態1の第2変形例に係るライブロック用構造体の構成を示す断面図である。
【図8】図7に示すライブロック用構造体を、その底部側から見た状態を示す平面図である。
【図9】実施形態1の第2変形例に係るライブロック用構造体の他の構成を示す断面図である。
【図10】実施形態2に係る、ライブロック生産設備を示す平面図である。
【図11】実施形態2に係る、ライブロック生産設備を示す側面図である。
【図12】実施形態2に係る、ライブロック生産設備を示す側面図である。
【図13】実施形態2に係る、ライブロック生産設備の変形例を示す説明図である。
【図14−1】実施形態2に係る、ライブロック生産設備の変形例を示す説明図である。
【図14−2】実施形態2に係る、ライブロック生産設備の変形例を示す説明図である。
【図15】実施形態2に係る、ライブロック生産設備の変形例を示す説明図である。
【図16】実施形態2に係る、ライブロック生産設備の変形例を示す説明図である。
【図17】実施形態2に係る、ライブロック生産設備の変形例を示す説明図である。
【図18】実施形態2に係る、ライブロック生産設備の変形例を示す説明図である。
【図19】ライブロックの生産及び設置手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0081】
1、1a、1b、1c ライブロック用構造体
1L、1La ライブロック
2b_r 隔壁
2、2a、2b 生物定着層
2R、2Ra、2Rb 中空部
3、3b、3c1 3c2 中空容器
4、4a 連通孔
5 連通孔
7 ICタグ
8 浮力体
20 浮体構造物
21 ライブロック支持具
24 係留索
25 フィン
26 海中浮遊物防護手段
27 通水路
28 水流発生手段
30 採光・照射装置
100、100a、100b、100c、100d、100e ライブロック生産設備

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物を定着させる生物定着層と、
前記生物定着層の内部に設けられる浮力発生手段と、
を含むことを特徴とするライブロック用構造体。
【請求項2】
生物定着層の内部には、複数の前記浮力発生手段が備えられることを特徴とする請求項1に記載のライブロック用構造体。
【請求項3】
前記浮力発生手段は前記生物定着層の外部と連通する連通通路を備える中空容器であり、前記中空容器と前記生物定着層とは結合されて一体化されることを特徴とする請求項1又は2に記載のライブロック用構造体。
【請求項4】
前記浮力発生手段は、前記生物定着層と取り外し可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載のライブロック用構造体。
【請求項5】
前記生物定着層は、多孔質体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のライブロック用構造体。
【請求項6】
前記ライブロック用構造体は、自己を識別できる個体識別手段を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のライブロック用構造体。
【請求項7】
多孔質体で構成されて、生物を定着させる生物定着層を備えることを特徴とするライブロック用構造体。
【請求項8】
生物を定着させる生物定着層と、
自己を識別できる個体識別手段と、
を備えることを特徴とするライブロック用構造体。
【請求項9】
海上に浮いて、請求項1〜8のいずれか1項に記載のライブロック用構造体を海中に保持する浮体構造物と、
前記浮体構造物に前記ライブロック用構造体を取り付けるライブロック構造体取付手段と、
を含むことを特徴とするライブロック生産設備。
【請求項10】
太陽光を採光して、前記ライブロック用構造体に導く採光・照射を備えることを特徴とする請求項9に記載のライブロック生産設備。
【請求項11】
前記浮体構造物は、
海面に向かって張り出す揺れ抑制手段を備えることを特徴とする請求項9又は10に記載のライブロック生産設備。
【請求項12】
海中を漂う浮遊物から前記ライブロック用構造体を保護する海中浮遊物防護手段を備えることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載のライブロック生産設備。
【請求項13】
前記浮体構造物の近傍に海水の水流を発生させる水流発生手段を備えることを特徴とする請求項9〜12のいずれか1項に記載のライブロック生産設備。
【請求項14】
海水が流通する通水路を前記浮体構造物の底部に備えることを特徴とする請求項9〜13のいずれか1項に記載のライブロック生産設備。
【請求項15】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のライブロック用構造体を製造する手順と、
前記ライブロック用構造体を海中に所定の期間保持する手順と、
所定の期間海中に保持した後の前記ライブロック用構造体を、その設置場所に移動する手順と、
前記設置場所で前記ライブロック用構造体が備える前記浮力発生手段の浮力を減少させる手順と、
を含むことを特徴とするライブロックの設置方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14−1】
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【図14−2】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2007−113291(P2007−113291A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−306391(P2005−306391)
【出願日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(506122246)三菱重工橋梁エンジニアリング株式会社 (111)
【出願人】(504089758)株式会社シーピーファーム (10)
【Fターム(参考)】