説明

ラノステロール合成酵素

【課題】植物に由来するラノステロール合成酵素及びその利用法を提供すること。
【解決手段】下記の何れかのアミノ酸配列から成るタンパク質をコードする遺伝子。(1)特定のアミノ酸配列;(2)特定のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列から成り、ラノステロール合成酵素活性を有するアミノ酸配列;又は(3)特定のアミノ酸配列に対して70%以上の相同性を有するアミノ酸配列から成り、ラノステロール合成酵素活性を有するアミノ酸配列。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シロイヌナズナ又はミヤコグサ等に由来するラノステロール合成酵素及びその利用に関する。
【背景技術】
【0002】
ラノステロールは、動物、酵母などでは、メバロン酸経路によって作られた2-3-オキシドスクワレンを基質として、オキシドスクワレン環化酵素の一種であるラノステロール合成酵素の反応により生合成される。ラノステロールから一連の反応によって動物ではコレステロール、酵母ではエルゴステロールなどのステロールが生合成される。
【0003】
一方、植物では、トウダイグサ科の植物などで、ラノステロールが検出されているに過ぎない(非特許文献1)。植物は、コレステロールに加え、カンペステロール、シトステロールなどさまざまなステロールを含有しているが、これら植物に含まれるステロール類は、2-3-オキシドスクワレンから、シクロアルテノール合成酵素によって環化したシクロアルテノールから生合成されると報告されてきた(非特許文献2)。植物で最初に遺伝子クローニングされたシクロアルテノール合成酵素遺伝子は、シロイヌナズナのCAS1遺伝子である (非特許文献3)。CAS1遺伝子を試験管内で変異処理することにより、アミノ酸の一部が変異し、酵母発現系においてラノステロール合成酵素活性を示すようになったことが報告されている (非特許文献4)。しかしながら、植物ゲノムそのものに、ラノステロール合成酵素遺伝子が存在するかどうかについての知見は全くなかった。
【0004】
ラノステロールは、化粧品成分である「脂肪酸(10-30)(コレステリル/ラノステリル)」の主要成分である。これは、炭素数10〜30の脂肪酸とコレステロールとラノステロールとの混合物からなるエステルであり、皮膚保護作用とつやだし効果、さらには成型助剤としての働きがある。主にファンデーション、チークなどのメイク品で多用されている。これらの成分は、動物由来のものが多い。近年、狂牛病、鳥インフルエンザ等、ヒト感染性の病原が大きな社会問題となっている。すなわち、動物由来の物質材料を肌に付けたり経口摂取することなどに、リスクへの恐れと抵抗を感じる消費者が増えてきている。
【0005】
一方、植物由来の物質材料は、これらヒト感染性の病原からリスク回避することができることから、植物原料の潜在的需要が高まっている。上記の通り、植物においてラノステロールは、トウダイグサ科の植物などで見いだされているのみであり、また、ラノステロール合成に関わる酵素・遺伝子に関する知見が全くなかったため、植物において、遺伝子操作などによるラノステロール生産量を制御することは不可能であった。
【0006】
【非特許文献1】Giner J-L & Djerassi C (1995) Phytochemistry 39: 333-335
【非特許文献2】Buchanan BB, Gruissem W, Jones RL編 Biochemistry & Molecular Biology of Plants (2000) American Society of Plant Physiologist, Rockville, Marylandなど
【非特許文献3】Corey EJら (1993) Proc Acad Sci USA 90: 11628-11632)
【非特許文献4】Wu T-K & Griffin JH (2002) Biochemistry 41: 8238-8244, Segura MJR (2003) Nat Prod Rep 20: 304-317
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来、ラノステロールは、動物由来の物が多かった。ところが、上記の通り、動物由来の材料は、ヒト感染性の病原の潜在的な感染リスクがあり問題となっていた。本発明は、植物に由来するラノステロール合成酵素及びその利用法を提供することを解決すべき課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意努力した結果、植物におけるラノステロール合成酵素遺伝子を見いだし、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明によれば、下記の何れかのアミノ酸配列から成るタンパク質をコードする遺伝子が提供される。
(1)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列;
(2)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列から成り、ラノステロール合成酵素活性を有するアミノ酸配列;又は
(3)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の相同性を有するアミノ酸配列から成り、ラノステロール合成酵素活性を有するアミノ酸配列;
【0010】
さらに本発明によれば、下記の何れかの塩基配列から成る遺伝子が提供される。
(1)配列表の配列番号1に記載の塩基配列;
(2)配列表の配列番号1に記載の塩基配列において1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列から成り、ラノステロール合成酵素をコードする塩基配列;又は
(3)配列表の配列番号1に記載の塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列から成り、ラノステロール合成酵素をコードする塩基配列;
【0011】
好ましくは、本発明の遺伝子は、植物に由来する遺伝子である。
【0012】
さらに本発明によれば、下記の何れかのアミノ酸配列を有するラノステロール合成酵素が提供される。
(1)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列;
(2)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列から成り、ラノステロール合成酵素活性を有するアミノ酸配列;又は
(3)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の相同性を有するアミノ酸配列から成り、ラノステロール合成酵素活性を有するアミノ酸配列;
【0013】
さらに本発明によれば、上記した本発明の遺伝子を有する組み換えベクターが提供される。
さらに本発明によれば、上記した本発明の遺伝子又は組み換えベクターを有する形質転換体が提供される。
【0014】
さらに本発明によれば、上記した本発明のラノステロール合成酵素又は形質転換体又はその培養物を用いて、ラノステロールを合成する方法が提供される。
好ましくは、基質として2-3-オキシドスクワレンを使用する。
【0015】
さらに本発明によれば、下記の何れかのアミノ酸配列を有するタンパク質からなるラノステロール合成酵素剤が提供される。
(1)配列表の配列番号2、4、又は6の何れかに記載のアミノ酸配列;
(2)配列表の配列番号2、4、又は6の何れかに記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列から成り、ラノステロール合成酵素活性を有するアミノ酸配列;又は
(3)配列表の配列番号2、4、又は6の何れかに記載のアミノ酸配列に対して70%以上の相同性を有するアミノ酸配列から成り、ラノステロール合成酵素活性を有するアミノ酸配列;
【0016】
さらに本発明によれば、下記の何れかの塩基配列のコード領域によりコードされるタンパク質からなるラノステロール合成酵素剤が提供される。
(1)配列表の配列番号1、3、又は5の何れかに記載の塩基配列;
(2)配列表の配列番号1、3、又は5の何れかに記載の塩基配列において1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列から成り、ラノステロール合成酵素をコードする塩基配列;又は
(3)配列表の配列番号1、3、又は5の何れかに記載の塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列から成り、ラノステロール合成酵素をコードする塩基配列;
【0017】
さらに本発明によれば、上記した本発明のラノステロール合成酵素剤を用いて、ラノステロールを合成する方法が提供される。
好ましくは、基質として2-3-オキシドスクワレンを使用する。
【0018】
さらに本発明によれば、下記の何れかのアミノ酸配列を有するラノステロール合成酵素をコードする遺伝子を導入した形質転換植物が提供される。
(1)配列表の配列番号2、4、又は6の何れかに記載のアミノ酸配列;
(2)配列表の配列番号2、4、又は6の何れかに記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列から成り、ラノステロール合成酵素活性を有するアミノ酸配列;又は
(3)配列表の配列番号2、4、又は6の何れかに記載のアミノ酸配列に対して70%以上の相同性を有するアミノ酸配列から成り、ラノステロール合成酵素活性を有するアミノ酸配列;
【0019】
上記で用いるラノステロール合成酵素をコードする遺伝子は、好ましくは、下記の何れかの塩基配列を有する遺伝子である。
(1)配列表の配列番号1、3、又は5の何れかに記載の塩基配列;
(2)配列表の配列番号1、3、又は5の何れかに記載の塩基配列において1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列から成り、ラノステロール合成酵素をコードする塩基配列;又は
(3)配列表の配列番号1、3、又は5の何れかに記載の塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列から成り、ラノステロール合成酵素をコードする塩基配列;
【0020】
さらに本発明によれば、配列表の配列番号1、3、又は5の何れかに記載の塩基配列を有する遺伝子が欠損又は破壊されているか、あるいは当該遺伝子の発現が抑制されていることを特徴とする遺伝子改変植物が提供される。
【発明の効果】
【0021】
植物におけるラノステロール合成酵素が明らかとなり、該酵素を用いた酵素変換法、組換え生物を利用したバイオコンバージョン法、発酵法などにより、工業的に重要なラノステロールを製造することができる。
【0022】
植物におけるラノステロール合成酵素が明らかとなり、該酵素遺伝子を過剰発現させた植物体の利用により、ヒト感染性リスクのないラノステロールを含む物質原料を製造することができる。また、該酵素遺伝子をRNAi、T-DNA挿入などにより、ラノステロール含量を減らし、植物生理学的条件の変化した植物体を作出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(A)本発明の遺伝子
哺乳動物又は酵母においてラノステロールは、2-3-オキシドスクワレンからラノステロール合成酵素の反応により生合成される。本発明者らは今回、シロイヌナズナAt3g45130 cDNAのクローニングを試み、従来Accesion no NM_114382として登録されている塩基配列よりも、24塩基長い塩基配列を有する新規なcDNAをクローニングした。この遺伝子の塩基配列を配列表の配列番号1に示し、アミノ酸配列を配列表の配列番号2に示す。この遺伝子を有する酵母発現ベクターを用いてラノステロール合成能欠損酵母GIL77 (gal2 hem3-6 erg7 ura3-167)を形質転換した結果、形質転換酵母の培養抽出物中にラノステロールを検出することに成功した。上記結果から、本遺伝子は、ラノステロール合成酵素をコードすることが実証された。
【0024】
即ち、本発明の遺伝子は、下記の何れかのアミノ酸配列から成るタンパク質をコードする遺伝子である。
(1)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列;
(2)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列から成り、ラノステロール合成酵素活性を有するアミノ酸配列;又は
(3)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の相同性を有するアミノ酸配列から成り、ラノステロール合成酵素活性を有するアミノ酸配列;
【0025】
本発明の遺伝子の具体例としては、下記の何れかの塩基配列から成る遺伝子が挙げられる。
(1)配列表の配列番号1に記載の塩基配列;
(2)配列表の配列番号1に記載の塩基配列において1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列から成り、ラノステロール合成酵素をコードする塩基配列;又は
(3)配列表の配列番号1に記載の塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列から成り、ラノステロール合成酵素をコードする塩基配列;
【0026】
本発明において、「ラノステロール合成酵素」とは、2-3-オキシドスクワレンを基質として、これを環化してラノステロールを合成する反応を触媒する活性を有する酵素である。
【0027】
本発明の遺伝子は、例えば、シロイヌナズナなどの植物から単離することができる。
【0028】
本明細書で言う「1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列」における「1から数個」の範囲は特には限定されないが、例えば、1から20個、好ましくは1から10個、より好ましくは1から7個、さらに好ましくは1から5個、特に好ましくは1から3個程度を意味する。
【0029】
本明細書で言う「配列表の配列番号2(又は配列番号2、4、又は6)に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の相同性を有するアミノ酸配列」における相同性は、70%以上であれば特に限定されないが、さらに好ましくは80%以上、さらに好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%、特に好ましくは95%以上である。
【0030】
本明細書で言う「1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列」における「1から数個」の範囲は特には限定されないが、例えば、1から40個、好ましくは1から30個、より好ましくは1から20個、より好ましくは1から10個、さらに好ましくは1から5個、特に好ましくは1から3個程度を意味する。
【0031】
本明細書で言う「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする」とは、DNAをプローブとして使用し、コロニーハイブリダイゼーション法、プラークハイブリダイゼーション法、あるいはサザンブロットハイブリダイゼーション法等を用いることにより得られるDNAの塩基配列を意味し、例えば、コロニーあるいはプラーク由来のDNA又は該DNAの断片を固定化したフィルターを用いて、0.7〜1.0MのNaCl存在下、65℃でハイブリダイゼーションを行った後、0.1〜2×SSC溶液(1×SSC溶液は、150mM塩化ナトリウム、15mMクエン酸ナトリウム)を用い、65℃条件下でフィルターを洗浄することにより同定できるDNA等を挙げることができる。ハイブリダイゼーションは、Molecular Cloning: A laboratory Mannual, 2nd Ed., Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY.,1989(以下、モレキュラークローニング第2版と略す)又は、Current Protocols in Molecular Biology, Supplement 1〜38, John Wiley & Sons (1987-1997)(以下、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジーと略す)等に記載されている方法に準じて行うことができる。
【0032】
ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAとしては、プローブとして使用するDNAの塩基配列と一定以上の相同性を有するDNAが挙げられ、例えば70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは93%以上、特に好ましくは95%以上、最も好ましくは98%以上の相同性を有するDNAが挙げられる。
【0033】
本発明の遺伝子の取得方法は特に限定されない。本明細書中の配列表の配列番号1又は2に記載したアミノ酸配列及び塩基配列の情報に基づいて適当なブローブやプライマーを調製し、それらを用いてシロイヌナズナ由来のcDNAライブラリーをスクリーニングすることにより本発明の遺伝子を単離することができる。cDNAライブラリーは、本発明の遺伝子を発現しているシロイヌナズナの細胞から常法により作製することができる。
【0034】
PCR法により本発明の遺伝子を取得することもできる。シロイヌナズナ由来の染色体DNAライブラリー又はcDNAライブラリーを鋳型として使用し、配列番号1に記載した塩基配列を増幅できるように設計した1対のプライマーを用いてPCRを行う。PCRの反応条件は適宜設定することができ、例えば、94℃で15秒〜30秒(変性)、63℃で30秒〜1分間(アニーリング)、68℃で2〜3分間(伸長)からなる反応工程を1サイクルとして、例えば50サイクル行った後、72℃で10分間反応させる条件などを挙げることができる。次いで、増幅されたDNA断片を、大腸菌等の宿主で増幅可能な適切なベクター中にクローニングすることができる。
【0035】
上記したプローブ又はプライマーの調製、cDNAライブラリーの構築、cDNAライブラリーのスクリーニング、並びに目的遺伝子のクローニングなどの操作は当業者に既知であり、例えば、モレキュラークローニング第2版、又はカレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー等に記載の方法に準じて行うことができる。
【0036】
また、配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列から成り、ラノステロール合成酵素活性を有するタンパク質をコードする遺伝子;並びに配列表の配列番号1に記載の塩基配列において1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列から成り、ラノステロール合成酵素をコードする塩基配列を有する遺伝子(以下、これらの遺伝子を変異遺伝子と称する)については、配列番号1又は2に記載のアミノ酸配列および塩基配列の情報に基づいて、化学合成、遺伝子工学的手法又は突然変異誘発などの当業者に既知の任意の方法で作製することができる。
【0037】
例えば、配列表の配列番号1に記載の塩基配列を有するDNAに対し、変異原となる薬剤と接触作用させる方法、紫外線を照射する方法、遺伝子工学的手法等を用いて行うことができる。遺伝子工学的手法の一つである部位特異的変異誘発法は特定の位置に特定の変異を導入できる手法であることから有用であり、モレキュラークローニング第2版、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー等に記載の方法に準じて行うことができる。
【0038】
(B)本発明のラノステロール合成酵素及びラノステロール合成酵素剤
本発明のラノステロール合成酵素は、下記の何れかのアミノ酸配列を有する。
(1)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列;
(2)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列から成り、ラノステロール合成酵素活性を有するアミノ酸配列;又は
(3)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の相同性を有するアミノ酸配列から成り、ラノステロール合成酵素活性を有するアミノ酸配列;
【0039】
また、本発明のラノステロール合成酵素剤は、下記の何れかのアミノ酸配列を有するタンパク質からなるものである。
(1)配列表の配列番号2、4、又は6の何れかに記載のアミノ酸配列;
(2)配列表の配列番号2、4、又は6の何れかに記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列から成り、ラノステロール合成酵素活性を有するアミノ酸配列;又は
(3)配列表の配列番号2、4、又は6の何れかに記載のアミノ酸配列に対して70%以上の相同性を有するアミノ酸配列から成り、ラノステロール合成酵素活性を有するアミノ酸配列;
【0040】
上記したタンパク質の具体例としては、下記の何れかの塩基配列のコード領域によりコードされるタンパク質を挙げることができる。
(1)配列表の配列番号1、3、又は5の何れかに記載の塩基配列;
(2)配列表の配列番号1、3、又は5の何れかに記載の塩基配列において1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列から成り、ラノステロール合成酵素をコードする塩基配列;又は
(3)配列表の配列番号1、3、又は5の何れかに記載の塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列から成り、ラノステロール合成酵素をコードする塩基配列;
【0041】
本発明のラノステロール合成酵素、ラノステロール合成酵素剤、あるいはそれを発現する微生物(形質転換体など)又はその培養物の存在下において基質(例えば、2-3-オキシドスクワレン)を反応させることにより、ラノステロールを合成することができる。上記したラノステロールの合成方法も本発明の範囲内に含まれる。
【0042】
本発明のラノステロール合成酵素の取得方法は特に制限されず、化学合成により合成したタンパク質でもよいし、遺伝子組み換え技術により作製した組み換えタンパク質でもよい。
組み換えタンパク質を作製する場合には、先ず、ラノステロール合成酵素をコードする遺伝子(DNA)を取得する。このDNAを適当な発現系に導入することにより、本発明のラノステロール合成酵素を産生することができる。発現系でのタンパク質の発現については本明細書中後記する。
【0043】
(C)組み換えベクター
本発明の遺伝子は適当なベクター中に挿入して使用することができる。本発明で用いるベクターの種類は特に限定されず、例えば、自立的に複製するベクター(例えばプラスミド等)でもよいし、あるいは、宿主細胞に導入された際に宿主細胞のゲノムに組み込まれ、組み込まれた染色体と共に複製されるものであってもよい。好ましくは、本発明で用いるベクターは発現ベクターである。発現ベクターにおいて本発明の遺伝子は、転写に必要な要素(例えば、プロモーター等)が機能的に連結されている。プロモータは宿主細胞において転写活性を示すDNA配列であり、宿主の種類に応じて適宜選択することができる。
【0044】
細菌細胞で作動可能なプロモータとしては、バチルス・ステアロテルモフィルス・マルトジェニック・アミラーゼ遺伝子(Bacillus stearothermophilus maltogenic amylase gene)、バチルス・リケニホルミスαアミラーゼ遺伝子(Bacillus licheniformis alpha-amylase gene)、バチルス・アミロリケファチエンス・BANアミラーゼ遺伝子(Bacillus amyloliquefaciens BAN amylase gene)、バチルス・サブチリス・アルカリプロテアーゼ遺伝子(Bacillus Subtilis alkaline protease gene)もしくはバチルス・プミルス・キシロシダーゼ遺伝子(Bacillus pumilus xylosldase gene)のプロモータ、またはファージ・ラムダのPR若しくはPLプロモータ、大腸菌の lac、trp若しくはtacプロモータなどが挙げられる。哺乳動物細胞で作動可能なプロモータの例としては、SV40プロモータ、MT−1(メタロチオネイン遺伝子)プロモータ、またはアデノウイルス2主後期プロモータなどがある。昆虫細胞で作動可能なプロモータの例としては、ポリヘドリンプロモータ、P10プロモータ、オートグラファ・カリホルニカ・ポリヘドロシス塩基性タンパクプロモータ、バキュウロウイルス即時型初期遺伝子1プロモータ、またはバキュウロウイルス39K遅延型初期遺伝子プロモータ等がある。酵母宿主細胞で作動可能なプロモータの例としては、酵母解糖系遺伝子由来のプロモータ、アルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子プロモータ、TPI1プロモータ、ADH2-4cプロモータなどが挙げられる。糸状菌細胞で作動可能なプロモータの例としては、ADH3プロモータまたはtpiAプロモータなどがある。
【0045】
本発明の組み換えベクターはさらに選択マーカーを含有してもよい。選択マーカーとしては、例えば、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)またはシゾサッカロマイセス・ポンベTPI遺伝子等のようなその補体が宿主細胞に欠けている遺伝子、または例えばアンピシリン、カナマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、ネオマイシン若しくはヒグロマイシンのような薬剤耐性遺伝子を挙げることができる。本発明の遺伝子、プロモータ、および所望によりターミネータおよび/または分泌シグナル配列をそれぞれ連結し、これらを適切なベクターに挿入する方法は当業者に周知である。
【0046】
(D)本発明の形質転換体及びそれを用いた組み換えタンパク質の製造
本発明の遺伝子又は組み換えベクターを適当な宿主に導入することによって形質転換体を作製することができる。
本発明の遺伝子または組み換えベクターを導入される宿主細胞は、本発明の遺伝子を発現できれば任意の細胞でよく、細菌、酵母、真菌および高等真核細胞等が挙げられる。
【0047】
細菌細胞の例としては、バチルスまたはストレプトマイセス等のグラム陽性菌又は大腸菌等のグラム陰性菌が挙げられる。これら細菌の形質転換は、プロトプラスト法、または公知の方法でコンピテント細胞を用いることにより行えばよい。
哺乳類細胞の例としては、HEK293細胞、HeLa細胞、COS細胞、BHK細胞、CHL細胞またはCHO細胞等が挙げられる。哺乳類細胞を形質転換し、該細胞に導入されたDNA配列を発現させる方法も公知であり、例えば、エレクトロポーレーション法、リン酸カルシウム法、リポフェクション法等を用いることができる。
【0048】
酵母細胞の例としては、サッカロマイセスまたはシゾサッカロマイセスに属する細胞が挙げられ、例えば、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevis1ae)またはサッカロマイセス・クルイベリ(Saccharomyces kluyveri)等が挙げられる。酵母宿主への組み換えベクターの導入方法としては、例えば、エレクトロポレーション法、スフェロブラスト法、酢酸リチウム法等を挙げることができる。
【0049】
他の真菌細胞の例は、糸状菌、例えばアスペルギルス、ニューロスポラ、フザリウム、またはトリコデルマに属する細胞である。宿主細胞として糸状菌を用いる場合、DNA構築物を宿主染色体に組み込んで組換え宿主細胞を得ることにより形質転換を行うことができる。DNA構築物の宿主染色体への組み込みは、公知の方法に従い、例えば相同組換えまたは異種組換えにより行うことができる。
【0050】
昆虫細胞を宿主として用いる場合には、組換え遺伝子導入ベクターおよびバキュロウイルスを昆虫細胞に共導入して昆虫細胞培養上清中に組換えウイルスを得た後、さらに組換えウイルスを昆虫細胞に感染させ、タンパク質を発現させることができる(例えば、Baculovirus Expression Vectors, A Laboratory Manua1;及びカレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー、Bio/Technology, 6, 47(1988)等に記載)。
【0051】
バキュロウイルスとしては、例えば、ヨトウガ科昆虫に感染するウイルスであるアウトグラファ・カリフォルニカ・ヌクレアー・ポリヘドロシス・ウイルス(Autographa californica nuclear polyhedrosis virus)等を用いることができる。
【0052】
昆虫細胞としては、Spodoptera frugiperdaの卵巣細胞であるSf9、Sf21〔バキュロウイルス・エクスプレッション・ベクターズ、ア・ラボラトリー・マニュアル、ダブリュー・エイチ・フリーマン・アンド・カンパニー(W. H. Freeman and Company)、ニューヨーク(New York)、(1992)〕、Trichoplusia niの卵巣細胞であるHiFive(インビトロジェン社製)等を用いることができる。
【0053】
組換えウイルスを調製するための、昆虫細胞への組換え遺伝子導入ベクターと上記バキュロウイルスの共導入方法としては、例えば、リン酸カルシウム法又はリポフェクション法等を挙げることができる。
【0054】
上記の形質転換体は、導入された遺伝子の発現を可能にする条件下で適切な栄養培地中で培養する。形質転換体の培養物から、本発明のタンパク質を単離精製するには、通常のタンパク質の単離、精製法を用いればよい。
【0055】
例えば、本発明のタンパク質が、細胞内に溶解状態で発現した場合には、培養終了後、細胞を遠心分離により回収し水系緩衝液に懸濁後、超音波破砕機等により細胞を破砕し、無細胞抽出液を得る。該無細胞抽出液を遠心分離することにより得られた上清から、通常のタンパク質の単離精製法、即ち、溶媒抽出法、硫安等による塩析法、脱塩法、有機溶媒による沈殿法、ジエチルアミノエチル(DEAE)セファロース等のレジンを用いた陰イオン交換クロマトグラフィー法、S-Sepharose FF(ファルマシア社製)等のレジンを用いた陽イオン交換クロマトグラフィー法、ブチルセファロース、フェニルセファロース等のレジンを用いた疎水性クロマトグラフィー法、分子篩を用いたゲルろ過法、アフィニティークロマトグラフィ一法、クロマトフォーカシング法、等電点電気泳動等の電気泳動法等の手法を単独あるいは組み合わせて用い、精製標品を得ることができる。
【0056】
(E)植物の形質転換体
本発明のラノステロール合成酵素をコードする遺伝子は、植物へ導入することによって、該ラノステロール合成酵素酵素遺伝子を過剰発現させることができる。該ラノステロール合成酵素酵素遺伝子を過剰発現させた植物体を利用することにより、ヒト感染性リスクのないラノステロールを含む物質原料を製造することができる。即ち、本発明のラノステロール合成酵素をコードする遺伝子を導入した遺伝子改変植物においては、本発明のラノステロール合成酵素を、当該遺伝子を導入していない植物と比較して多量に発現しているため、植物内においてラノステロール合成が促進され、より多量のラノステロールが蓄積されることが期待できる。このような、本発明の本発明のラノステロール合成酵素をコードする遺伝子を導入した遺伝子改変植物も本発明の範囲内のものである。
【0057】
ここで用いるラノステロール合成酵素をコードする遺伝子としては、下記の何れかのアミノ酸配列を有するラノステロール合成酵素をコードする遺伝子を挙げることができる。
(1)配列表の配列番号2、4、又は6の何れかに記載のアミノ酸配列;
(2)配列表の配列番号2、4、又は6の何れかに記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列から成り、ラノステロール合成酵素活性を有するアミノ酸配列;又は
(3)配列表の配列番号2、4、又は6の何れかに記載のアミノ酸配列に対して70%以上の相同性を有するアミノ酸配列から成り、ラノステロール合成酵素活性を有するアミノ酸配列;
【0058】
上記遺伝子の具体例としては、下記の何れかの塩基配列を有する遺伝子を挙げることができる。
(1)配列表の配列番号1、3、又は5の何れかに記載の塩基配列;
(2)配列表の配列番号1、3、又は5の何れかに記載の塩基配列において1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列から成り、ラノステロール合成酵素をコードする塩基配列;又は
(3)配列表の配列番号1、3、又は5の何れかに記載の塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列から成り、ラノステロール合成酵素をコードする塩基配列;
【0059】
上記した目的で、本発明のラノステロール合成酵素をコードする遺伝子(以下、本発明の遺伝子とも称する)を植物細胞に形質転換する場合には、その宿主は目的に応じて任意に選択できる。
【0060】
本発明において形質転換の対象となる植物は、植物体全体、植物器官(例えば葉、花弁、茎、根、種子等)、植物組織(例えば表皮、師部、柔組織、木部、維管束、柵状組織、海綿状組織等)又は植物培養細胞のいずれをでもよい。形質転換に用いられる植物の種類は特に限定されず、例えばイネ科、ナス科、アブラナ科、キク科、ゴマ科、モクセイ科、フトモモ科、バラ科、マメ科、ヤシ科又はアカネ科に属する植物が挙げられる。これらの科に属する植物の具体例を以下に記載するが、これらの植物に限定されるものではない。
【0061】
ナス科:タバコ、ジャガイモ、トマト、コショウなど
イネ科:トウモロコシ 、イネ、コムギなど
アオイ科:ワタ 、オクラなど
アブラナ科:キャベツ、ハツカダイコン、シロイヌナズナ、ナタネなど
ウリ科:メロン、キューリなど
セリ科:ニンジン、セロリー、アメリカボウフウなど
キク科:ヒマワリ 、キクなど
ゴマ科:ゴマ 、ヒマなど
モクセイ科:オリーブなど
フトモモ科:ユーカリ、グアバなど
バラ科:バラなど
ツバキ科:ツバキなど
マメ科:レンゲソウ、ダイズ、アルファルファ、ミヤコグサなど
ヤシ科:ココナツなど
アオギリ科:ココアなど
アカネ科:コーヒーの木など
【0062】
本明細書において、形質転換植物源としては、種子、芽生え、苗、カルス、培養細胞、植物体などが挙げられ、例えば、ナタネの場合には芽生えまたはプロトプラスト;ダイズの場合には芽生え、カルスまたは培養細胞;ヒマワリの場合には芽生え;パーム椰子の場合にはカルスまたは培養細胞;イネの場合には、芽生え、カルス、培養細胞またはプロトプラスト;トウモロコシには、芽生え、苗、カルス、培養細胞またはプロトプラスト;コムギの場合には、芽生え、カルスまたは培養細胞;キャベツの場合には、芽生え、カルス、培養細胞またはプロトプラスト;レタスの場合には、芽生え、カルス、培養細胞またはプロトプラスト等といったように、当業者が通常行うように、対象植物によって適宜好ましい部位を選択して行えばよい。
【0063】
本発明の遺伝子を植物体に形質転換するためのベクターの種類は特に限定されないが、本発明の遺伝子をコードするDNAを発現させるためのプロモーター/エンハンサー配列を含むことが好ましい。プロモーター/エンハンサー配列としては、植物細胞において本発明の遺伝子を発現しうるものであれば任意のものを使用することができ、例えばアグロバクテリウムまたはリゾビウムのような植物細胞内で発現する遺伝子を含む、植物、植物 ウイルス、細菌由来のプロモーターを用いることができる。プロモーターの具体例としては、Agrobacterium tumefaciensのT−DNA由来のプロモーター、Smasプロモーター、桂皮アルコールデヒドロゲナーゼプロモータ、Nosプロモーター、リブロース二リン酸カルボキシラーゼオキシゲナーゼ(Rubisco)プロモーター、GRP1−8プロモーター、カリフラワー・モザイク・ウイルス(CaMV)からの35Sプロモーター、植物由来のアクチンやヒストン等のプロモーター/エンハンサーおよび公知である種々の植物遺伝子からのその他の転写開始領域が包含される。また、AtMID1A遺伝子のプロモーター配列も用いることができる。
【0064】
本発明の遺伝子を効率よく発現させるために、遺伝子のコード領域のポリヌクレオチドコーディング領域の3′末端にポリ(A)+配列を包含させるのが好ましい。ポリ(A)+配列は、種々の植物 遺伝子またはT−DNA由来のものを用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、所望の遺伝子を高レベルにて発現させるのに有用な他の配列、例えば特定の遺伝子のイントロン配列、5′不翻訳領域の配列などを本願発明の組換え発現ベクターに含めることもできる。
【0065】
さらに組換え発現ベクターには、選択マーカー遺伝子として種々の抗生物質耐性遺伝子や他のマーカー遺伝子をコードする配列を含めることができる。マーカー遺伝子の例としては、抗スペクチノマイシン遺伝子、ストレプトマイシン耐性遺伝子(ストレプトマイシンホスホトランスフェラーゼ(SPT)遺伝子)、カナマイシンまたはジェネティシン耐性のネオマイシンホスホトランスフェラーゼ(NPTII)遺伝子、ハイグロマイシン耐性のハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ(HPT)遺伝子、アセト乳酸合成酵素(ALS)を阻害する除草剤に対する耐性遺伝子、グルタミン合成酵素を阻害する除草剤に対する耐性遺伝子(例えばbar 遺伝子)、β−グルクロニダーゼ遺伝子、ルシフェラーゼ遺伝子等を挙げることができる。
【0066】
また、高等植物の遺伝子発現に有用な代表的なベクターは当該技術分野においてよく知られており、Agrobacterium tumefaciensのTiプラスミド由来のベクターなどのベクターDNAの一部を植物細胞に導入した際に宿主植物のゲノムに組込みうるベクター、例えばTiプラスミド由来のpKYLX6、pKYLX7、pBI101、pBH2113、pBI121(Clontech Laboratories, Inc.)などを挙げることができる。
【0067】
上記した発現ベクターは、外来性遺伝子を植物細胞に導入するための公知の方法、例えばパーティクルガン法、エレクトロポレーション法、ポリエチレングリコール(PEG)法、リン酸カルシウム法、DEAEデキストラン法、マイクロインジェクション、リポフェクション法およびアグロバクテリウム法などの微生物媒介トランスフェクション法を用いて所望の植物細胞に導入することができる。植物細胞においては、パーティクルガン法、エレクトロポレーション法、ポリエチレングリコール(PEG)法およびアグロバクテリウム法が好ましく、アグロバクテリウム法が特に好ましい(Bechtold N. & Pelletier G., Methods Mol. Biol. 82, pp.259-266, 1998)。本発明の遺伝子改変植物は上記した方法により作製することができる。
【0068】
(F)本発明のラノステロール合成酵素遺伝子が欠損している遺伝子改変植物
本発明では、RNAi、T-DNA挿入などの手段により、植物中の本発明のラノステロール合成酵素遺伝子を欠損又は破壊するか、あるいは当該遺伝子の発現を抑制することにより、該植物内のラノステロール含量を減らすことができる。これにより、植物生理学的条件の変化した植物体を作出することができる。
【0069】
RNAi(RNA interference)は、細胞に導入された2本鎖RNAが、同じ配列を持つ遺伝子の発現を抑制する現象を言う。RNAiにより本発明のラノステロール合成酵素遺伝子の発現を阻害する物質の具体例としては、下記に説明するようなsiRNA又はshRNA等が挙げられる。
【0070】
siRNA とはshort interfering RNAの略称であり、約21〜23塩基程度の長さの二本鎖RNAをいう。siRNAはRNAiを引き起こすことができる限り、どのような形態のものでもよく、例えば、化学合成もしくは生化学的合成、又は生物体内の合成で得られたsiRNA、あるいは約40塩基以上の二本鎖RNAが体内で分解されてできた10塩基対以上の短鎖二本鎖RNA等であればよい。siRNA の配列と、本発明のラノステロール合成酵素遺伝子のmRNAの部分配列とは100%一致することが好ましいが、必ずしも100%一致していなくてもよい。
【0071】
RNAiによりBMPR1Aの発現を阻害する物質としては、3'末端に突出部を有する短いヘアピン構造から成るshRNA(short hairpin RNA)を使用することもできる。shRNAとは、一本鎖RNAで部分的に回文状の塩基配列を含むことにより、分子内で二本鎖構造をとり、ヘアピンのような構造となる約20塩基対以上の分子のことである。また、shRNAとしては3'突出末端を有するのが好ましい。二本鎖部分の長さは特に限定されないが、好ましくは10ヌクレオチド以上であり、より好ましくは20ヌクレオチド以上である。ここで、3'突出末端は、好ましくはDNAであり、より好ましくは少なくとも2ヌクレオチド以上のDNAであり、さらに好ましくは2〜4ヌクレオチドのDNAである。
【0072】
一方、T-DNAとは、Agrobacterium属の土壌細菌のTiプラスミド上に存在するDNA領域であり、Agrobacterium属細菌が植物に感染した際、植物細胞に組み込まれるDNA領域を意味する。本発明で用いられるT-DNAは、野生型のAgrobacterium属のT-DNAでもよく、あるいは、本DNA領域に薬剤耐性遺伝子、各種生物由来の構造遺伝子、調節遺伝子などを挿入して人為的に改変したT-DNAでもよい。例えば、Tiプラスミド由来のpKYLX6、pKYLX7、pBI101、pBH2113、pBI121(Clontech Laboratories, Inc.)などのT-DNAを利用することができる。上記のようなT-プラスミドを保持するAgrobacterium属の土壌細菌を植物に感染させることにより、通常、T-DNAは植物細胞のゲノムにランダムに挿入される。この中から、本発明のラノステロール合成酵素遺伝子領域に挿入されたものをスクリーニングするには、TAIL-PCR法、プラスミドレスキュー法などを利用することができる。たとえば、シロイヌナズナにおいては、本発明のラノステロール合成酵素遺伝子領域にT-DNAが挿入された植物種子を、Arabidopsis Biological Resource Center (ABRC)
http://www.biosci.ohio-state.edu/~plantbio/Facilities/abrc/abrchome.htmなどから入手することができる。
以下の実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0073】
実施例1 シロイヌナズナAt3g45130 cDNA (pCAS2)のクローニング
GenBank Accesion no NM_114382において、Arabidopsis thaliana cycloartenol synthase, putative /2,3-epoxysqualene--cycloartenol cyclase, putative /(S)-2,3-epoxysqualene mutase, putative として定義されているAt3g45130の完全長cDNAをクローニングするために、シロイヌナズナ、エコタイプColumbiaを培養土で栽培し、鞘からRNeasy Plant Mini Kit(キアゲン)を用いてRNAを抽出し、RNA PCR Kit (AMV) Ver2.1(タカラバイオ)を用いてcDNAを得た。このcDNAを鋳型にして、CAS2-5'-4:GTCTATACTCACAAAGACAACATGAGTTTGC(配列番号7)およびCAS2-3'-2:ATGTGGAGGTTAAAGTTATCGGAAGGAGACGAAG(配列番号8)のプライマーを用いて、KOD plus(東洋紡)のキットを用いて、96℃2分間の後、94℃15秒間次いで63℃30秒間さらに68℃2分30秒間の保温を1サイクルとして50サイクルからなるPCR反応を行った。反応後EX-taq(タカラバイオ)を加え72℃で10分間保温した。反応物を電気泳動し、約2.3kbの増幅断片を切り出し精製し、pCR2.1ベクター(インビトロジェン)にプロトコールに従いクローニングした。得られたプラスミド(pCAS2とする)のインサート部分についてDNAシークエンスを行った。その結果、第10エキソンに相当する塩基配列が、GenBank Accesion no NM_114382に記載されている塩基配列よりも、24塩基長い配列(配列番号1および2)であることがわかった。延長された配列はGTAAACTTTATCTTATCATTACAG(配列番号9)であった。
【0074】
実施例2 シロイヌナズナAt3g45130 の遺伝子発現
実施例1に記載した方法により、シロイヌナズナ、エコタイプColumbiaの各組織からRNAを調製後cDNAを作成し、PCR反応を行い、反応物を電気泳動した。その結果、根、茎、鞘由来のサンプルで、約2.3kbの増幅断片が見られたことから、これらの組織で、At3g45130遺伝子が発現していることがわかった。
【0075】
実施例3 At3g45130 の酵母発現ベクターpYCAS2の構築
実施例1により調製したpCAS2を鋳型にして、配列番号18(M13-fwd)(GTTTTCCCAGTCACGAC)および配列番号19(M13-rev)(CAGGAAACAGCTATGAC)の両プライマーを用いて、KOD plus(東洋紡)のキットを用いて、96℃2分間の後、94℃15秒間次いで58℃30秒間さらに68℃2分30秒間の保温を1サイクルとして20サイクルからなるPCR反応を行い、At3g45130 cDNA挿入部位を増幅した。PCR反応混液をQIAquick PCR Purification Kit(キアゲン)で精製した後、制限酵素BamHI、XhoIで消化し、反応物を電気泳動し、約2.3kbの増幅断片を切り出し精製した。一方、酵母発現用ベクターpYES2(インビトロジェン)も制限酵素BamHI、XhoIで消化した。これらをDNA ligation Kit Ver2(タカラバイオ)を用いてライゲーションし、At3g45130の酵母発現ベクター(pYCAS2とする)を得た。
【0076】
実施例4 シロイヌナズナAt3g45130 酵母の培養
ラノステロール合成能欠損酵母GIL77 (gal2 hem3-6 erg7 ura3-167) (Kushiro et al. (1998) Eur J Biochem 256: 238-244. 東京大学大学院薬学研究系研究科天然物化学研究室において分譲可能な状態で保管されている。)を、実施例3で構築した酵母発現ベクターpYCAS2および、pYES2で形質転換した。pYCAS2を保持する酵母を、塩化ヘミン (13μg/ml)、エルゴステロール(20μg/ml)、Tween80(5mg/ml)を添加した25 mlのSC-U培地(4本、計100ml)で、30℃、2日間培養した。前培養液5mlを、塩化ヘミン (13μg/ml)、エルゴステロール(20μg/ml)、Tween80(5mg/ml)を添加した100mlの新しいSC-U培地(20本、計2L)に加え、28℃、2日間培養した。培養した酵母を、3500 rpm、5分間遠心することにより集菌し、ガラクトース(20mg/ml)、塩化ヘミン (13μg/ml)、エルゴステロール(20μg/ml)、Tween80(5mg/ml)を添加した100mlのSC-U-グルコース培地(20本、計2L)に懸濁し、28℃、1日間培養した。培養した酵母を、3500 rpm、5分間遠心することにより集菌し、0.1MのKPBに懸濁し洗浄した後、遠心処理により集菌した。これを、グルコース(20mg/ml)、塩化ヘミン (13μg/ml)を添加した100mlのKPB(20本、計2L)に再懸濁し、28℃、1日間培養した。培養した酵母を、3500 rpm、5分間遠心することにより集菌し、400mlの20% KOH/50%エタノール混液に懸濁した。これを120℃で1時間煮沸し、遠心分離により回収した上清に400mlのヘキサンを加え、混合した後、ヘキサン抽出物を回収した。この操作を二回繰り返した。ヘキサン抽出物を減圧下で濃縮した後、クロロホルムに溶解した。
pYES2を保持する酵母についても同様に、培養、抽出を行った。ただし培養はフラスコ1本で行った。
【0077】
実施例5 TLCによるラノステロールの検出
実施例4で調製した各酵母の培養抽出物のクロロホルム溶液を、ベンゼン:アセトン (19:1)の順相TLCで展開した後、リン酸モリブデン酸処理により染色させた。その結果、pYES2を保持する酵母抽出物では、標品のラノステロールと同じRf値のところにスポットが検出されなかったのに対し、pYCAS2を保持する酵母抽出物では、スポットが検出された(図1)。
【0078】
実施例6 GC−MSによるラノステロールの検出
実施例4で調製した各酵母培養物のヘキサン抽出物を、GC-MSに導入した。pYES2を保持する酵母抽出物では、標品のラノステロールと同じ保持時間にピークが検出されなかったのに対し、pYCAS2を保持する酵母抽出物では、ピークが検出された。このピークのMSスペクトルは標品のラノステロールと完全に一致した(EIMS 70eV, m/z (relative intensity): 426 (16.0), 411 (37.0), 393 (20.9), 259 (8.2), 241 (7.8), 215 (6.9), 109 (45.7), 95 (34.1), 81 (27.0), 69 (100))(図2)。以下GC-MSの測定条件を記す。ガスクロマトグラフ質量分析計 (島津製作所、GCMS-QP2010)を使用し、分離カラムは、キャピラリーカラム(レステック社、Rtx-5MS, 30m, 0.25 mm ID, 0.25 μm df)を用いた。電子イオン化エネルギーは70 eV、イオン源温度 は250℃、試料導入部温度は300℃、境界面温度 は300℃とした。カラム昇温プログラムは、250℃で2分間保持し、4分間で330℃まで上昇させて5分間保持とした。キャリアーガスはヘリウムを用いて1ml/minで流した。試料導入はスプリットレスで行った。
【0079】
実施例7 NMRによるラノステロールの同定
実施例4に記載したpYCAS2を保持する酵母のヘキサン抽出液を、シリカゲルクロマトグラフィーで分画した。シリカゲルカラムはWako gel C-200、2×19 cmで行い、ヘキサンを300 ml、ヘキサン:アセトン(40:1)を540 ml、ヘキサン:アセトン(20:1)を240 ml、ヘキサン:アセトン(10:1)を280 mlを順次流し、溶出液を20 mlずつ、1〜78番フラクションに分画した。31〜39番フラクションを集め溶媒除去し、HPLCを用いて再分画を行った。標品のラノステロールと同じ保持時間(72.8分)に溶出するピークを分取し、この分画の溶媒除去後、重クロロホルムに溶解し、日本電子社製(500MHz)NMRを用いて 1H-NMRスペクトルを測定した。この画分の1H-NMRスペクトルは標品のラノステロールと完全に一致した(CDCl3, 500 MHz: δ0.68 (3H, s), 0.81 (3H, s), 0.87 (3H, s), 0.91 (3H, d, J=6.2 Hz), 0.98 (3H, s), 1.00 (3H, s), 1.60 (3H, s), 1.68 (3H, s), 3.23 (1H, ddd, J=11.9, 4.8, 4.8 Hz), 5.10 (1H, tt, J=7.4, 1.6 Hz))(図3)。HPLCを用いた分取条件を以下に示す。HPLC (東ソー、8022)とカラム(東ソー、ODS 80 TM、4.6×150 mm)を用いた。溶媒流速は1.2 ml/minとし、UV 202 nmで検出した。溶媒プログラム、0.1〜26分90%CH3CN、26.1〜81分 80%CH3CN、81.1〜100分 90〜95%CH3CN、100.1〜115分 100%CH3CNで行った。
【0080】
実施例8 酵母相補実験
pYES2, pYCAS2をそれぞれ保持するラノステロール合成能欠損酵母GIL77 (gal2 hem3-6 erg7 ura3-167)が、エルゴステロール無添加の培地で生育するかどうか試験を行った。pYES2, pYCAS2をそれぞれ保持する酵母GIL77を、ガラクトース(20mg/ml)、塩化ヘミン (13μg/ml)、Tween80(5mg/ml)を添加したSC-U-グルコース寒天培地に塗布し、2日間、28℃で培養した。その結果、pYES2を保持する酵母は、生育しなかったのに対し、pYCAS2を保持する酵母は生育した。
【0081】
実施例9 At3g45130遺伝子破壊株の単離
SALK instituteが公開しているT-DNA挿入変異体プールリストの中からAt3g45130遺伝子内にT-DNAが挿入されたものがあるのを見い出した。SALK128191ラインを取り寄せ、ロゼット葉からDNA抽出バッファー(0.1M Tris-HCl pH8.0, 10mM EDTA-NaOH, 250mM NaCl, 0.5%SDS)で核酸を抽出しエタノール沈殿でゲノムDNAを得た。得られたゲノムを鋳型にしてPCRによりT-DNAの挿入を確認した。T-DNAの確認のためにT-DNAベクタープライマーLBa1: 5'-TGGTTCACGTAGTGGGCCATCG-3'(配列番号10)と遺伝子特異的プライマーcas2-5'-1: 5'-GGAATGGAGAGACTTCCACAAGTG-3'(配列番号11)を用い、EX-taq(タカラバイオ)を用いて、96℃5分間の後、94℃15秒間、65℃30秒間、72℃2分間の保温を1サイクルとして35サイクルからなるPCR反応を行った。さらにT-DNAがホモで挿入されているかどうかを調べるためにタグを挟む領域を増幅するcas2-5'-1: 5'-GGAATGGAGAGACTTCCACAAGTG-3'(配列番号12)、cas2-3'-1: 5'-CATCAACTAAATGCTCTTCAGGCATG-3'(配列番号13)プライマーを用い、T-DNAの確認と同様の方法でPCRを行い、増幅されなかったものをcas2-1 homo変異体とした。
【0082】
実施例10 ミヤコグサOSC7 cDNAのクローニング
ミヤコグサLotus japonicusアクセションGifu B129を培養土で栽培し、播種後4週間目の植物全体からStraight A's mRNA Isolation System (Novagen, Madison, WI, USA)を用いてRNAを抽出し、SuperScript II Reverse Transcriptase(Invitrogen, Carlsbad, CA, USA)を用いてcDNAを得た。このcDNAを鋳型にして、OSC7/FL1, AAACTCTCCAATAATTTTTTTATGAGGATG(配列番号14)およびOSC7/FU1, AGAAAGGAGAATGAAAAATAAAAATTAGAA(配列番号15)のプライマーを用いて、TaKaRa Ex Taq(タカラバイオ)を用いて、94℃1分間の後、94℃30秒間次いで50℃30秒間さらに72℃2分30秒間の保温を1サイクルとして25サイクルからなるPCR反応を行った。さらに72℃で1分間保温した。反応物を電気泳動し、約2.3kbの増幅断片を切り出しGENECLEAN II Kit(Bio 101, Qbiogene, CA, USA)を用いて精製し、pT7Blue T-Vector (Novagen, Madison, WI, USA)にプロトコールに従いクローニングした。得られたプラスミド(pOSC7とする)のインサート部分についてABI PRISM 3100 Genetic Analyzer (Applied Biosystems, Foster City, CA, USA)を用いてDNAシークエンスを行った。その結果、配列は、配列番号3および4であった。
【0083】
実施例11 ミヤコグサOSC7の遺伝子発現
実施例10に記載した方法により、ミヤコグサLotus japonicusアクセションGifu B-129の各組織からRNAを調製し、PCR反応を行い、反応物を電気泳動した。その結果、花、葉、茎、根由来のサンプルで、約2.3kbの増幅断片が見られたことから、これらの組織で、OSC7遺伝子が発現していることがわかった。
【0084】
実施例12 ミヤコグサOSC7の酵母発現ベクターの構築
実施例10により調製したpOSC7を鋳型にして、OSC7FU_Kpn, TAAAAATTAGAAGAGAggtaccATGTGGAAGCTAAGGATTTCAGAGAGC(配列番号16)およびOSC7FL_Xho, CTCCAATAATTTTTTctcgagGATGCTAGTTGCTTTTATTTTTTGACAC(配列番号17)の両プライマーを用いて、KOD −Plus-(東洋紡績)を用いて、94℃2分間の後、94℃15秒間次いで68℃2分30秒間の保温を1サイクルとして25サイクルからなるPCR反応を行い、OSC7 cDNA挿入部位を増幅した。PCR反応混液を電気泳動し、約2.3kbの増幅断片をWizard SV Gel and PCR Clean-up Systemで精製した。制限酵素KpnI、XhoIで消化し、反応物を電気泳動し、約2.3kbの増幅断片を切り出し精製した。一方、酵母発現用ベクターpYES2(インビトロジェン)も制限酵素KpnI、XhoIで消化した。これらをDNA ligation Kit Ver2(タカラバイオ)を用いてライゲーションし、OSC7の酵母発現ベクター(pYOSC7とする)を得た。pYOSC7のインサート部分についてABI PRISM 3100 Genetic Analyzerを用いてDNAシークエンスを行い、配列が、配列番号3および4であることを確認した。
【0085】
実施例13 ミヤコグサOSC7酵母の培養
ラノステロール合成能欠損酵母GIL77 (gal2 hem3-6 erg7 ura3-167)を、実施例12で構築した酵母発現ベクターpYOSC7および、pYES2で形質転換した。pYOSC7を保持する酵母を、塩化ヘミン (13μg/ml)、エルゴステロール(20μg/ml)、Tween80(5mg/ml)を添加した400 mlのSC-U培地(12本、計4.8 L)で、28℃、2日間培養した。培養した酵母を、3000g、5分間遠心することにより集菌し、ガラクトース(20mg/ml)、塩化ヘミン (13μg/ml)、エルゴステロール(20μg/ml)、Tween80(5mg/ml)、ケトコナゾール(2μg/ml)を添加した400 mlのSC-U-グルコース培地(12本、計4.8 L)に懸濁し、28℃、2日間培養した。培養した酵母を、3000g、5分間遠心することにより集菌し、ケトコナゾール(2mg/ml)、グルコース(30mg/ml)を添加した0.1MのKPBに懸濁し、28℃、1日間培養した。遠心処理により集菌した。菌は、液体窒素で凍らせ、次に使用するまで-80℃に保管した。続いて20%KOH/50%エタノール混液に懸濁した。これを1時間煮沸し、160mlのヘキサンを加え、混合した後、ヘキサン抽出物を回収した。この操作を3回繰り返した。ヘキサン抽出物を減圧下で濃縮した後、クロロホルムに溶解した。
pYES2を保持する酵母についても同様に、培養、抽出を行った。
【0086】
実施例14 TLCによるラノステロールの検出
実施例13で調製した各酵母の培養抽出物のクロロホルム溶液を、トルエン:酢酸エチル (4:1)の順相TLCで展開した後、10%(重量比)硫酸噴霧・加熱処理により染色させた。その結果、pYES2を保持する酵母抽出物では、標品のラノステロールと同じRf値のところにスポットが検出されなかったのに対し、pYOSC7を保持する酵母抽出物では、スポットが検出された。
【0087】
実施例15 NMRによるラノステロールの同定
実施例13に記載したpYOSC7を保持する酵母のヘキサン抽出液を、シリカゲルクロマトグラフィーで分画した。シリカゲルカラムはWako gel C-200(和光純薬工業)、2.8×41 cmで行い、ヘキサン:酢酸エチル(4:1)を流し、溶出液を5 mlずつ分画した。52〜66番フラクションを集め溶媒除去し、TLCプレート20×20 cmシリカゲル60 F254(Merck, Darmstadt, Germany)に付した。トルエン:酢酸エチル (4:1)で展開した後、ラノステロールと同じRf値のシリカゲルをかき取りクロロホルムで溶出した。溶媒除去後HPLCを用いて再分画を行った。標品のラノステロールと同じ保持時間に溶出するピーク(32.4〜35.5分)を分取し、この分画の溶媒除去後、重クロロホルムに溶解し、日本電子社製(500MHz)NMRを用いて 1H-NMRスペクトルを測定した。この画分の1H-NMRスペクトルは標品のラノステロールと完全に一致した(CDCl3, 500 MHz:δ 0.69 (3H, s), 0.81 (3H, s), 0.87 (3H, s), 0.91 (3H, d, J=6.3 Hz), 0.98 (3H, s), 1.00 (3H, s), 1.60 (3H, s), 1.68 (3H, s), 3.24 (1H, dd, J=4.6, 12 Hz), 5.10 (1H, t, J=6.9 Hz))。HPLCを用いた分取条件を以下に示す。HPLCポンプ(日本分光、PU-2080)とカラム(東ソー、TSK-GEL ODS-80TM、4.6×150 mm)を用いた。溶媒は90%アセトニトリル、流速は1.5 ml/minとし、フォトダイオードアレイ検出器(日本分光、MD-2010)を用いてUV 205 nmで検出した。
【0088】
実施例16 相補試験
pYES2, pYOSC7をそれぞれ保持するラノステロール合成能欠損酵母GIL77 (gal2 hem3-6 erg7 ura3-167)が、エルゴステロール無添加の培地で生育するかどうか試験を行った。pYES2, pYOSC7をそれぞれ保持する酵母GIL77を、ガラクトース(20mg/ml)、塩化ヘミン (13μg/ml)、Tween80(5mg/ml)を添加したSC-U-グルコース寒天培地に塗布し、5日間、28℃で培養した。その結果、pYES2を保持する酵母は、生育しなかったのに対し、pYOSC7を保持する酵母で生育した。
【0089】
実施例17 オタネニンジンOSCPNZ1 cDNAの酵母発現ベクターpYPNZの構築
オタネニンジンPanax ginsengのOSCPNZ1 cDNA (Genebank アクセッション番号AB009031、配列番号5)を有するプラスミドDNA(東京大学大学院薬学研究系研究科天然物化学研究室において分譲可能な状態で保管されている)のアミノ酸翻訳領域全体を含む配列(配列番号6)をコードするDNAを、実施例3と同様に酵母発現ベクターpYES2(インビトロジェン)の制限酵素Kpn I/Xho I部位に組み込み、OSCPNZ1の酵母発現ベクター(pYPNZとする)を得た。
【0090】
実施例18 オタネニンジンOSCPNZ1 酵母の培養
実施例4に記載したラノステロール合成能欠損酵母GIL77を、実施例17で構築した酵母発現ベクターpYPNZで形質転換した。pYPNZを保持する酵母を、実施例4に記載したpYCAS2を保持する酵母と同様の方法で培養、集菌、回収し、クロロホルムに溶解した。
【0091】
実施例19 GC−MSによるラノステロールの検出
実施例18で調製した酵母培養物のヘキサン抽出物を、実施例6と同一条件でGC-MSに導入し分析した。pYPNZを保持する酵母抽出物では、標品のラノステロールと同じ保持時間(7.9 min)にピークが検出された。このピークのMSスペクトルは標品のラノステロールと完全に一致した。(EIMS 70eV, m/z (relative intensity): 426 (12.9), 411 (33.9), 393 (21.7), 259 (11.4), 241 (10.9), 215 (10.0), 109 (44.6), 95 (36.4), 81 (29.1), 69 (100))
【0092】
実施例20 酵母相補実験
pYES2, pYPNZをそれぞれ保持するラノステロール合成能欠損酵母GIL77 (gal2 hem3-6 erg7 ura3-167)が、エルゴステロール無添加の培地で生育するかどうか、実施例8と同様の方法で試験を行った。その結果、pYES2を保持する酵母は、生育しなかったのに対し、pYPNZを保持する酵母は生育した。
【0093】
実施例21 At3g45130のエントリーベクターへのクローニング
実施例1により調整したpCAS2を鋳型にして、配列番号18(M13-fwd)および配列番号19(M13-rev)の両プライマーを用いて、KOD plus(東洋紡)のキットを用いて、96℃2分間の後、、94℃15秒間次いで58℃30秒間さらに68℃2分30秒間の保温を1サイクルとして20サイクルからなるPCR反応を行い、At3g45130 cDNA挿入部位を増幅した。PCR反応混液をQIAquick PCR Purification Kit(キアゲン)で精製した後、制限酵素BamHI、XhoIで消化し、QIAquick PCR Purification Kit(キアゲン)で再び精製した。一方、GATEWAY対応エントリーベクターpENTRA1A(インビトロジェン)も制限酵素BamHI、XhoIで消化した。これらをDNA ligation kit Ver2(タカラバイオ)を用いてライゲーションし、At3g45130のエントリークローン(pENTR-LAS1とする)を得た。
【0094】
実施例22 At3g45130の植物発現ベクターの構築
実施例21により調整したpENTR-LAS1を制限酵素NheIで消化した。消化したpENTR-LAS1のAt3g45130 cDNA部位をLRクロナーゼ(インビトロジェン)を用いてデスティネーションベクター(pBCR79)に組み換えた。得られたAt3g45130植物発現ベクターをpPLAS1とした。
【0095】
実施例23 シロイヌナズナ形質転換
実施例22により作成したpPLAS1をAgrobacterium tumefaciens strain GV3101にエレクトロポレーション法で導入した。形質転換Agrobacterium tumefaciens strain GV3101はカナマイシン(50μg/ml)、リファンピシン(100μg/ml)、ゲンタマイシン(50μg/ml)を含むLBプレートで28℃2日間培養した。生じたコロニーをカナマイシン(50μg/ml)、リファンピシン(100μg/ml)、ゲンタマイシン(50μg/ml)を含むLB培地28℃1日間前培養した後1日間本培養を行った。培養液を5000rpm20分間の遠心で集菌し、菌を5%スクロースに懸濁した後silvet-L77を終濃度0.5%になるように加えた。一方、シロイヌナズナ、エコタイプColumbiaを鉢で育て、摘心して花芽を増やしておいた(これをT0世代植物という)。既に開花・受粉した花を取り除いた植物を作成した菌懸濁液に20秒間浸けた。この植物を培養室で育て種子(T1種子という)を得た。
【0096】
実施例24 At3g45130を過剰発現するシロイヌナズナの作成
実施例23でpPLAS1を用いて形質転換したシロイヌナズナから得られたT1種子をカナマイシン(50μg/ml)、クラフォラン(250μg/ml)、スクロース(3%)を含む1×MSプレートに滅菌播種した。カナマイシン耐性個体を選別し分析用にサンプリングした。
【0097】
実施例25 GC-MSによるシロイヌナズナからのラノステロールの検出
実施例24に記載したシロイヌナズナ植物を凍結乾燥し、100 mgを5 mlのクロロホルム:メタノール溶液(1:1)で3回抽出した。抽出液を溶媒除去し得られる残査をシリカゲルカートリッジカラムクロマトグラフ(ウォーターズ社製、Sep-Pak(登録商標) Vac 500 mg)にのせ、ヘキサン:酢酸エチル溶液(2:1)とクロロホルム:メタノール溶液(1:1)で順次溶出した。ヘキサン酢酸エチル画分は溶媒除去後、メタノール1 mlと20%水酸化カリウム水溶液1 mlを加えて80℃で1時間反応させ、けん化した。クロロホルムメタノール画分は溶媒除去し残査を得、抽出後の組織片と合わせ、メタノール 1 mlと4規定塩酸 1 mlを加えて、80℃ で1時間反応させ加水分解した。それぞれの反応混合物を2mlのヘキサンで3回抽出し、得られたヘキサン抽出物を合わせ溶媒除去した。得られた残査を、TLCプレート20 x 10 cmシリカゲル60 F254 (メルク社製) に付し、ヘキサン:酢酸エチル(5:1)で2回展開した後に、ラノステロールと同じRf値のシリカゲルをかき取り、ヘキサン:酢酸エチル(2:1)で溶出した。溶媒除去後HPLCを用いて再分画を行い、標品のラノステロールと同じ保持時間の溶出液を分取した。この分画を溶媒除去し、アセトンに再溶解したものをGC-MSに導入した。標品のラノステロールと同じ保持時間にピークが検出され、このピークのMSスペクトルは標品のラノステロールと完全に一致した(EIMS 70eV, m/z (relative integration): 426 (4.6), 411 (11.0), 408 (8.1), 393 (32.1), 259 (3.6), 241 (11.6), 215 (8.4), 109 (49.9), 95 (63.7), 81 (46.7), 69 (100))。以下GC-MSの条件を記す。マススペクトルメーター (日本電子製、JMS-AM SUN200)とガスクロマトグラフ(アジレントテクノロジー社製、6890A)を使用し、分離カラムは、キャピラリーカラム(J&W サイエンティフィック社製、HP-5、30m、0.32mm ID、0.25 μm df)を用いた。電子イオン化エネルギーは70eV、イオン源温度は 250℃、試料導入部温度250℃、境界面温度 280℃とした。カラム昇温プログラムは、80℃で1分間保持し、 20分間で280℃まで上昇させて15分間保持とした。キャリアーガスはヘリウムを用いて、1.2 ml/minで流した。試料導入はスプリットレスで行った。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】図1は、酵母GILL77培養抽出物のTLC分析の結果を示す。
【図2】図2は、酵母GILL77培養抽出物(メインピーク)のGC-MS分析の結果を示す。
【図3】図3は、酵母GILL77培養抽出物(メインピーク)の1H-NMRスペクトルメを示す。
【配列表フリーテキスト】
【0099】
SEQUENCE LISTING
<110> RIKEN
<120> lanosterol synthase
<130> A61440A
<160> 19
<170> PatentIn version 3.1
<210> 1
<211> 2279
<212> DNA
<213> Arabidopsis thariana
<220>
<221> CDS
<222> (1)..(2268)
<223>
<400> 1
atg tgg agg tta aag tta tcg gaa gga gac gaa gag agc gtg aat caa 48
Met Trp Arg Leu Lys Leu Ser Glu Gly Asp Glu Glu Ser Val Asn Gln
1 5 10 15
cat gtt gga aga cag ttt tgg gaa tat gat aac caa ttt gga acc tct 96
His Val Gly Arg Gln Phe Trp Glu Tyr Asp Asn Gln Phe Gly Thr Ser
20 25 30
gaa gag aga cat cac att aac cat ctt cgt agc aac ttt act ctc aat 144
Glu Glu Arg His His Ile Asn His Leu Arg Ser Asn Phe Thr Leu Asn
35 40 45
cgg ttt tct tct aag cat agt tct gat ctt ctc tac cgt ttt cag tgt 192
Arg Phe Ser Ser Lys His Ser Ser Asp Leu Leu Tyr Arg Phe Gln Cys
50 55 60
tgg aaa gag aaa gga aaa gga atg gag aga ctt cca caa gtg aaa gta 240
Trp Lys Glu Lys Gly Lys Gly Met Glu Arg Leu Pro Gln Val Lys Val
65 70 75 80
aaa gag ggg gaa gaa aga ttg ata aat gaa gaa gtg gtg aat gtt aca 288
Lys Glu Gly Glu Glu Arg Leu Ile Asn Glu Glu Val Val Asn Val Thr
85 90 95
tta aga aga agt ttg aga ttc tac tca ata ctt caa tca caa gat ggt 336
Leu Arg Arg Ser Leu Arg Phe Tyr Ser Ile Leu Gln Ser Gln Asp Gly
100 105 110
ttt tgg cct ggt gat tat ggt ggc cct ttg ttt ctc ttg cct gct ctg 384
Phe Trp Pro Gly Asp Tyr Gly Gly Pro Leu Phe Leu Leu Pro Ala Leu
115 120 125
gtg atc ggc tta tat gtg acg gaa gtt ttg gat gga act tta act gcg 432
Val Ile Gly Leu Tyr Val Thr Glu Val Leu Asp Gly Thr Leu Thr Ala
130 135 140
caa cat caa atc gag att cgt cgt tat ctc tat aac cat cag aac aag 480
Gln His Gln Ile Glu Ile Arg Arg Tyr Leu Tyr Asn His Gln Asn Lys
145 150 155 160
gat gga gga tgg gga cta cac gta gaa ggg aat agc acc atg ttt tgt 528
Asp Gly Gly Trp Gly Leu His Val Glu Gly Asn Ser Thr Met Phe Cys
165 170 175
aca gtg ctc tca tac gta gca ctg aga cta atg ggg gaa gaa tta gac 576
Thr Val Leu Ser Tyr Val Ala Leu Arg Leu Met Gly Glu Glu Leu Asp
180 185 190
ggt gga gat gga gcc atg gaa tca gct aga agt tgg att cac cac cac 624
Gly Gly Asp Gly Ala Met Glu Ser Ala Arg Ser Trp Ile His His His
195 200 205
ggt ggt gcc act ttt att ccc tcc tgg ggc aag ttc tgg ctc tcc gtt 672
Gly Gly Ala Thr Phe Ile Pro Ser Trp Gly Lys Phe Trp Leu Ser Val
210 215 220
ctt gga gct tat gag tgg agt ggg aac aat cct tta cct cca gag cta 720
Leu Gly Ala Tyr Glu Trp Ser Gly Asn Asn Pro Leu Pro Pro Glu Leu
225 230 235 240
tgg ctc ctt cca tat agt ctt cct ttt cat ccg ggc cga atg tgg tgc 768
Trp Leu Leu Pro Tyr Ser Leu Pro Phe His Pro Gly Arg Met Trp Cys
245 250 255
cat tgt agg atg gtt tat ctt cca atg tca tat cta tat gga aga aga 816
His Cys Arg Met Val Tyr Leu Pro Met Ser Tyr Leu Tyr Gly Arg Arg
260 265 270
ttt gtt tgt cgt act aat gga act att tta tcg ctt cga cga gag ctc 864
Phe Val Cys Arg Thr Asn Gly Thr Ile Leu Ser Leu Arg Arg Glu Leu
275 280 285
tac act att cct tat cac cat atc gat tgg gac acc gcc cgt aat caa 912
Tyr Thr Ile Pro Tyr His His Ile Asp Trp Asp Thr Ala Arg Asn Gln
290 295 300
tgt gcc aag gag gac ttg tac tat cca cat cca aag att caa gac gtc 960
Cys Ala Lys Glu Asp Leu Tyr Tyr Pro His Pro Lys Ile Gln Asp Val
305 310 315 320
ctt tgg agt tgt ctg aat aaa ttt gga gag cct ctt ctt gaa aga tgg 1008
Leu Trp Ser Cys Leu Asn Lys Phe Gly Glu Pro Leu Leu Glu Arg Trp
325 330 335
cca ttg aat aac ctc aga aac cat gct ctt cag aca gta atg caa cac 1056
Pro Leu Asn Asn Leu Arg Asn His Ala Leu Gln Thr Val Met Gln His
340 345 350
att cac tat gaa gac caa aac agc cac tat att tgt atc ggt cct gtc 1104
Ile His Tyr Glu Asp Gln Asn Ser His Tyr Ile Cys Ile Gly Pro Val
355 360 365
aac aaa gtc ttg aat atg ctt tgt tgt tgg gtc gag tcc tcg aat tcc 1152
Asn Lys Val Leu Asn Met Leu Cys Cys Trp Val Glu Ser Ser Asn Ser
370 375 380
gag gca ttt aaa tct cac ctc tcg cgg att aaa gac tat ttg tgg gtg 1200
Glu Ala Phe Lys Ser His Leu Ser Arg Ile Lys Asp Tyr Leu Trp Val
385 390 395 400
gct gag gat gga atg aaa atg cag gga tac aac gga tct cag ctg tgg 1248
Ala Glu Asp Gly Met Lys Met Gln Gly Tyr Asn Gly Ser Gln Leu Trp
405 410 415
gac gtg act tta gcg gtc caa gca atc ttg gcg acg aat ttg gtt gat 1296
Asp Val Thr Leu Ala Val Gln Ala Ile Leu Ala Thr Asn Leu Val Asp
420 425 430
gac tat ggt ttg atg ctt aag aaa gcc cat aac tac atc aag aac act 1344
Asp Tyr Gly Leu Met Leu Lys Lys Ala His Asn Tyr Ile Lys Asn Thr
435 440 445
caa ata agg aaa gac aca agt gga gat ccg ggg ttg tgg tac cga cac 1392
Gln Ile Arg Lys Asp Thr Ser Gly Asp Pro Gly Leu Trp Tyr Arg His
450 455 460
ccg tgc aag gga gga tgg ggt ttc tcc act gga gac aat cca tgg cct 1440
Pro Cys Lys Gly Gly Trp Gly Phe Ser Thr Gly Asp Asn Pro Trp Pro
465 470 475 480
gtc tct gat tgt act gct gaa gcc ttg aag gcg gcg ttg cta ttg tca 1488
Val Ser Asp Cys Thr Ala Glu Ala Leu Lys Ala Ala Leu Leu Leu Ser
485 490 495
caa atg ccg gtt aat tta gtt gga gaa ccc atg cct gaa gag cat tta 1536
Gln Met Pro Val Asn Leu Val Gly Glu Pro Met Pro Glu Glu His Leu
500 505 510
gtt gat gct gta aac ttt atc tta tca tta cag aac aag aat ggg gga 1584
Val Asp Ala Val Asn Phe Ile Leu Ser Leu Gln Asn Lys Asn Gly Gly
515 520 525
ttt gcg tca tat gag cta act aga tca tat ccc gag cta gag gtt atc 1632
Phe Ala Ser Tyr Glu Leu Thr Arg Ser Tyr Pro Glu Leu Glu Val Ile
530 535 540
aac cca tca gag act ttt ggg gat atc atc ata gat tat caa tac gta 1680
Asn Pro Ser Glu Thr Phe Gly Asp Ile Ile Ile Asp Tyr Gln Tyr Val
545 550 555 560
gaa tgc acg tca gct gcc atc caa ggt ctc gtg tta ttc aca acg tta 1728
Glu Cys Thr Ser Ala Ala Ile Gln Gly Leu Val Leu Phe Thr Thr Leu
565 570 575
aat tcg agc tac aag agg aag gag ata gta gga agc atc aac aaa gca 1776
Asn Ser Ser Tyr Lys Arg Lys Glu Ile Val Gly Ser Ile Asn Lys Ala
580 585 590
gtt gag ttt att gaa aaa aca caa ctt cct gat ggt tca tgg tat ggc 1824
Val Glu Phe Ile Glu Lys Thr Gln Leu Pro Asp Gly Ser Trp Tyr Gly
595 600 605
tcg tgg gga gtg tgt ttc acc tat gca aca tgg ttt ggt att aaa ggc 1872
Ser Trp Gly Val Cys Phe Thr Tyr Ala Thr Trp Phe Gly Ile Lys Gly
610 615 620
atg ttg gct tca ggc aaa aca tat gag agc agt ctt tgt att aga aaa 1920
Met Leu Ala Ser Gly Lys Thr Tyr Glu Ser Ser Leu Cys Ile Arg Lys
625 630 635 640
gct tgt ggt ttc ttg ctc tcc aaa caa ctt tgt tgt ggt gga tgg gga 1968
Ala Cys Gly Phe Leu Leu Ser Lys Gln Leu Cys Cys Gly Gly Trp Gly
645 650 655
gag agc tac ctt tct tgc caa aac aaa gta tac acc aat ctt cct ggg 2016
Glu Ser Tyr Leu Ser Cys Gln Asn Lys Val Tyr Thr Asn Leu Pro Gly
660 665 670
aat aaa tcg cat att gtg aac aca tca tgg gca ctc ttg gct ctc att 2064
Asn Lys Ser His Ile Val Asn Thr Ser Trp Ala Leu Leu Ala Leu Ile
675 680 685
gaa gcg gga caa gct agt aga gat ccg atg cca ttg cat cgc ggg gca 2112
Glu Ala Gly Gln Ala Ser Arg Asp Pro Met Pro Leu His Arg Gly Ala
690 695 700
aaa tcg ctg atc aac tcg cag atg gaa gat gga gat tac cca caa caa 2160
Lys Ser Leu Ile Asn Ser Gln Met Glu Asp Gly Asp Tyr Pro Gln Gln
705 710 715 720
gag ata cta gga gtc ttt aat cgg aat tgt atg atc agt tac tca gct 2208
Glu Ile Leu Gly Val Phe Asn Arg Asn Cys Met Ile Ser Tyr Ser Ala
725 730 735
tat aga aac ata ttc ccc att tgg gct ctt gga gaa tac cgc aaa ctc 2256
Tyr Arg Asn Ile Phe Pro Ile Trp Ala Leu Gly Glu Tyr Arg Lys Leu
740 745 750
atg ttg tct tta tgagtataga c 2279
Met Leu Ser Leu
755
<210> 2
<211> 756
<212> PRT
<213> Arabidopsis thariana
<400> 2
Met Trp Arg Leu Lys Leu Ser Glu Gly Asp Glu Glu Ser Val Asn Gln
1 5 10 15
His Val Gly Arg Gln Phe Trp Glu Tyr Asp Asn Gln Phe Gly Thr Ser
20 25 30
Glu Glu Arg His His Ile Asn His Leu Arg Ser Asn Phe Thr Leu Asn
35 40 45
Arg Phe Ser Ser Lys His Ser Ser Asp Leu Leu Tyr Arg Phe Gln Cys
50 55 60
Trp Lys Glu Lys Gly Lys Gly Met Glu Arg Leu Pro Gln Val Lys Val
65 70 75 80
Lys Glu Gly Glu Glu Arg Leu Ile Asn Glu Glu Val Val Asn Val Thr
85 90 95
Leu Arg Arg Ser Leu Arg Phe Tyr Ser Ile Leu Gln Ser Gln Asp Gly
100 105 110
Phe Trp Pro Gly Asp Tyr Gly Gly Pro Leu Phe Leu Leu Pro Ala Leu
115 120 125
Val Ile Gly Leu Tyr Val Thr Glu Val Leu Asp Gly Thr Leu Thr Ala
130 135 140
Gln His Gln Ile Glu Ile Arg Arg Tyr Leu Tyr Asn His Gln Asn Lys
145 150 155 160
Asp Gly Gly Trp Gly Leu His Val Glu Gly Asn Ser Thr Met Phe Cys
165 170 175
Thr Val Leu Ser Tyr Val Ala Leu Arg Leu Met Gly Glu Glu Leu Asp
180 185 190
Gly Gly Asp Gly Ala Met Glu Ser Ala Arg Ser Trp Ile His His His
195 200 205
Gly Gly Ala Thr Phe Ile Pro Ser Trp Gly Lys Phe Trp Leu Ser Val
210 215 220
Leu Gly Ala Tyr Glu Trp Ser Gly Asn Asn Pro Leu Pro Pro Glu Leu
225 230 235 240
Trp Leu Leu Pro Tyr Ser Leu Pro Phe His Pro Gly Arg Met Trp Cys
245 250 255
His Cys Arg Met Val Tyr Leu Pro Met Ser Tyr Leu Tyr Gly Arg Arg
260 265 270
Phe Val Cys Arg Thr Asn Gly Thr Ile Leu Ser Leu Arg Arg Glu Leu
275 280 285
Tyr Thr Ile Pro Tyr His His Ile Asp Trp Asp Thr Ala Arg Asn Gln
290 295 300
Cys Ala Lys Glu Asp Leu Tyr Tyr Pro His Pro Lys Ile Gln Asp Val
305 310 315 320
Leu Trp Ser Cys Leu Asn Lys Phe Gly Glu Pro Leu Leu Glu Arg Trp
325 330 335
Pro Leu Asn Asn Leu Arg Asn His Ala Leu Gln Thr Val Met Gln His
340 345 350
Ile His Tyr Glu Asp Gln Asn Ser His Tyr Ile Cys Ile Gly Pro Val
355 360 365
Asn Lys Val Leu Asn Met Leu Cys Cys Trp Val Glu Ser Ser Asn Ser
370 375 380
Glu Ala Phe Lys Ser His Leu Ser Arg Ile Lys Asp Tyr Leu Trp Val
385 390 395 400
Ala Glu Asp Gly Met Lys Met Gln Gly Tyr Asn Gly Ser Gln Leu Trp
405 410 415
Asp Val Thr Leu Ala Val Gln Ala Ile Leu Ala Thr Asn Leu Val Asp
420 425 430
Asp Tyr Gly Leu Met Leu Lys Lys Ala His Asn Tyr Ile Lys Asn Thr
435 440 445
Gln Ile Arg Lys Asp Thr Ser Gly Asp Pro Gly Leu Trp Tyr Arg His
450 455 460
Pro Cys Lys Gly Gly Trp Gly Phe Ser Thr Gly Asp Asn Pro Trp Pro
465 470 475 480
Val Ser Asp Cys Thr Ala Glu Ala Leu Lys Ala Ala Leu Leu Leu Ser
485 490 495
Gln Met Pro Val Asn Leu Val Gly Glu Pro Met Pro Glu Glu His Leu
500 505 510
Val Asp Ala Val Asn Phe Ile Leu Ser Leu Gln Asn Lys Asn Gly Gly
515 520 525
Phe Ala Ser Tyr Glu Leu Thr Arg Ser Tyr Pro Glu Leu Glu Val Ile
530 535 540
Asn Pro Ser Glu Thr Phe Gly Asp Ile Ile Ile Asp Tyr Gln Tyr Val
545 550 555 560
Glu Cys Thr Ser Ala Ala Ile Gln Gly Leu Val Leu Phe Thr Thr Leu
565 570 575
Asn Ser Ser Tyr Lys Arg Lys Glu Ile Val Gly Ser Ile Asn Lys Ala
580 585 590
Val Glu Phe Ile Glu Lys Thr Gln Leu Pro Asp Gly Ser Trp Tyr Gly
595 600 605
Ser Trp Gly Val Cys Phe Thr Tyr Ala Thr Trp Phe Gly Ile Lys Gly
610 615 620
Met Leu Ala Ser Gly Lys Thr Tyr Glu Ser Ser Leu Cys Ile Arg Lys
625 630 635 640
Ala Cys Gly Phe Leu Leu Ser Lys Gln Leu Cys Cys Gly Gly Trp Gly
645 650 655
Glu Ser Tyr Leu Ser Cys Gln Asn Lys Val Tyr Thr Asn Leu Pro Gly
660 665 670
Asn Lys Ser His Ile Val Asn Thr Ser Trp Ala Leu Leu Ala Leu Ile
675 680 685
Glu Ala Gly Gln Ala Ser Arg Asp Pro Met Pro Leu His Arg Gly Ala
690 695 700
Lys Ser Leu Ile Asn Ser Gln Met Glu Asp Gly Asp Tyr Pro Gln Gln
705 710 715 720
Glu Ile Leu Gly Val Phe Asn Arg Asn Cys Met Ile Ser Tyr Ser Ala
725 730 735
Tyr Arg Asn Ile Phe Pro Ile Trp Ala Leu Gly Glu Tyr Arg Lys Leu
740 745 750
Met Leu Ser Leu
755
<210> 3
<211> 2304
<212> DNA
<213> Lotus japonicus
<220>
<221> CDS
<222> (1)..(2301)
<223>
<400> 3
atg tgg aag cta agg att tca gag agc aaa gag gat gag ttg att aga 48
Met Trp Lys Leu Arg Ile Ser Glu Ser Lys Glu Asp Glu Leu Ile Arg
1 5 10 15
agt gtg aat aac cat gtt gga aga cag ttc tgg gag ttt gat cct gat 96
Ser Val Asn Asn His Val Gly Arg Gln Phe Trp Glu Phe Asp Pro Asp
20 25 30
ctt gga act gaa caa gaa cga gct caa gtg gaa caa gct cgc aaa gaa 144
Leu Gly Thr Glu Gln Glu Arg Ala Gln Val Glu Gln Ala Arg Lys Glu
35 40 45
ttt aac caa aac cgc ttc aaa act aag aat agt tct gat ctc tta atg 192
Phe Asn Gln Asn Arg Phe Lys Thr Lys Asn Ser Ser Asp Leu Leu Met
50 55 60
aga ctc cag ttt gag agg gaa aat gga gta aac atg aag gtt aag aat 240
Arg Leu Gln Phe Glu Arg Glu Asn Gly Val Asn Met Lys Val Lys Asn
65 70 75 80
gtg aac att caa aag gag gaa gat ata act gag gaa gtt gtg gaa gac 288
Val Asn Ile Gln Lys Glu Glu Asp Ile Thr Glu Glu Val Val Glu Asp
85 90 95
aca ctg aaa aga gcc ttg aga tgt tac tca acc ctg cag gct cag gat 336
Thr Leu Lys Arg Ala Leu Arg Cys Tyr Ser Thr Leu Gln Ala Gln Asp
100 105 110
ggt ttc tgg cct ggt gac tat gct ggc gct atg ttt atg ctc ccc gga 384
Gly Phe Trp Pro Gly Asp Tyr Ala Gly Ala Met Phe Met Leu Pro Gly
115 120 125
ttg gtg att gga tta tcg gtg act ggg gcc ctc aat gca gcc ttg tca 432
Leu Val Ile Gly Leu Ser Val Thr Gly Ala Leu Asn Ala Ala Leu Ser
130 135 140
cct gag cat caa agc gag atg aag cgg tat gtg tta aac cac caa aat 480
Pro Glu His Gln Ser Glu Met Lys Arg Tyr Val Leu Asn His Gln Asn
145 150 155 160
gaa gat ggc ggg tgg gga ttg cac ata gaa ggc ccc acc aca atg ttt 528
Glu Asp Gly Gly Trp Gly Leu His Ile Glu Gly Pro Thr Thr Met Phe
165 170 175
ggg acg gtc ctc aac tat gtt gcc atg aga tta ctt gga gaa gac att 576
Gly Thr Val Leu Asn Tyr Val Ala Met Arg Leu Leu Gly Glu Asp Ile
180 185 190
gac ggt gga gat ggc gcc atg aag aaa gca agg aag tgg att ctt gac 624
Asp Gly Gly Asp Gly Ala Met Lys Lys Ala Arg Lys Trp Ile Leu Asp
195 200 205
cgt gga ggc gca act tct att ccc tca tgg ggc aaa ttc tgg ctt tca 672
Arg Gly Gly Ala Thr Ser Ile Pro Ser Trp Gly Lys Phe Trp Leu Ser
210 215 220
gtg ctt ggc gta tat gaa tgg cga ggg atc aac cca atg cct cca gag 720
Val Leu Gly Val Tyr Glu Trp Arg Gly Ile Asn Pro Met Pro Pro Glu
225 230 235 240
ctt tgg ctg ctc cca tac tct ctt cct tcg cat cca gga agg atg tgg 768
Leu Trp Leu Leu Pro Tyr Ser Leu Pro Ser His Pro Gly Arg Met Trp
245 250 255
tgt cac aca cgg ctt gta tat ctt tcg atg tca tat tta tat ggt aga 816
Cys His Thr Arg Leu Val Tyr Leu Ser Met Ser Tyr Leu Tyr Gly Arg
260 265 270
cga ttt gtg ggt cct ttc aat gca ctt gtg tta tcc cta aga aag gag 864
Arg Phe Val Gly Pro Phe Asn Ala Leu Val Leu Ser Leu Arg Lys Glu
275 280 285
ctc tat act ctt ccc tat cat ctc ctc gat tgg aat gag gct aga aat 912
Leu Tyr Thr Leu Pro Tyr His Leu Leu Asp Trp Asn Glu Ala Arg Asn
290 295 300
cta tgt gcc aag gaa gat ttg agt cat cca cgc cca gga atc caa aac 960
Leu Cys Ala Lys Glu Asp Leu Ser His Pro Arg Pro Gly Ile Gln Asn
305 310 315 320
att tta tgg ggt ttg ctt cac cat gtt ggg gaa cct ctt ctc aca cac 1008
Ile Leu Trp Gly Leu Leu His His Val Gly Glu Pro Leu Leu Thr His
325 330 335
aag ctc ttc tcc agg cta agg cag aaa gcg ctc cat cat gta atg gaa 1056
Lys Leu Phe Ser Arg Leu Arg Gln Lys Ala Leu His His Val Met Glu
340 345 350
cat ata cac aac gag gat gaa gca tca aac tac att tgc att ggc ccc 1104
His Ile His Asn Glu Asp Glu Ala Ser Asn Tyr Ile Cys Ile Gly Pro
355 360 365
gtt aat aag gta tta aac atg ata tgt tgc tgg ttg gag gac ccc aat 1152
Val Asn Lys Val Leu Asn Met Ile Cys Cys Trp Leu Glu Asp Pro Asn
370 375 380
tcc cag gca ttt aag tat cac att tca aga atc aaa gac tat ctc tgg 1200
Ser Gln Ala Phe Lys Tyr His Ile Ser Arg Ile Lys Asp Tyr Leu Trp
385 390 395 400
gtg gct gag gat gga atg aaa atg cag gga tat ggc ggt tct caa ctt 1248
Val Ala Glu Asp Gly Met Lys Met Gln Gly Tyr Gly Gly Ser Gln Leu
405 410 415
tgg gat gtt gct ttt tct gtt caa gct atc ttg gct acc aac ctt gat 1296
Trp Asp Val Ala Phe Ser Val Gln Ala Ile Leu Ala Thr Asn Leu Asp
420 425 430
gat gag tat ggt tca atg ctt aaa aga gca aat gag ttc att aaa tgc 1344
Asp Glu Tyr Gly Ser Met Leu Lys Arg Ala Asn Glu Phe Ile Lys Cys
435 440 445
tca cag att aca aca aac agc tct agt aac cct agt gcc tgg tat cgc 1392
Ser Gln Ile Thr Thr Asn Ser Ser Ser Asn Pro Ser Ala Trp Tyr Arg
450 455 460
cac att tcg aaa ggt agt tgg ggt ttc tca act cca gac aat ggt tgg 1440
His Ile Ser Lys Gly Ser Trp Gly Phe Ser Thr Pro Asp Asn Gly Trp
465 470 475 480
cct gta tca gat tgc act gca gaa ggc ttg aag gca gcc att ttg cta 1488
Pro Val Ser Asp Cys Thr Ala Glu Gly Leu Lys Ala Ala Ile Leu Leu
485 490 495
tca aac ttt cca tct gaa act gtt ggg aaa gct atg gaa aca gaa aaa 1536
Ser Asn Phe Pro Ser Glu Thr Val Gly Lys Ala Met Glu Thr Glu Lys
500 505 510
tta tat gat gct gtt agt tgg gtt tta tct atg cag aat gaa aac ggt 1584
Leu Tyr Asp Ala Val Ser Trp Val Leu Ser Met Gln Asn Glu Asn Gly
515 520 525
gga ttt gca tcc tat gag ctc aca aga tct tat gca tgg cta gag aaa 1632
Gly Phe Ala Ser Tyr Glu Leu Thr Arg Ser Tyr Ala Trp Leu Glu Lys
530 535 540
ata aac cca gtt gaa aca ttt aga gat atc atg att gat tat cag tat 1680
Ile Asn Pro Val Glu Thr Phe Arg Asp Ile Met Ile Asp Tyr Gln Tyr
545 550 555 560
gta gaa tgc aca tca gca gca att caa ggt ctt gcc tta ttc aca caa 1728
Val Glu Cys Thr Ser Ala Ala Ile Gln Gly Leu Ala Leu Phe Thr Gln
565 570 575
cga tat cca gag tac agg aga agg gaa ata gac tct tgt atc gct aag 1776
Arg Tyr Pro Glu Tyr Arg Arg Arg Glu Ile Asp Ser Cys Ile Ala Lys
580 585 590
gcg gca cgc tat atc gaa agc aca caa tta gct gat ggc tca tgg tat 1824
Ala Ala Arg Tyr Ile Glu Ser Thr Gln Leu Ala Asp Gly Ser Trp Tyr
595 600 605
gga tca tgg gga atc tgt tat aca tat gca aca tgg ttt gga ata aag 1872
Gly Ser Trp Gly Ile Cys Tyr Thr Tyr Ala Thr Trp Phe Gly Ile Lys
610 615 620
ggg ctc ata gct gca agt aag agc tac caa gaa agc aaa agc att aga 1920
Gly Leu Ile Ala Ala Ser Lys Ser Tyr Gln Glu Ser Lys Ser Ile Arg
625 630 635 640
aga gca tgt gaa ttt ttg ctt tcc aaa cag cta ctt tca ggt ggc tgg 1968
Arg Ala Cys Glu Phe Leu Leu Ser Lys Gln Leu Leu Ser Gly Gly Trp
645 650 655
gga gag agt tat ctt tca tgc gag ctc aag gta tat aca aat cta gaa 2016
Gly Glu Ser Tyr Leu Ser Cys Glu Leu Lys Val Tyr Thr Asn Leu Glu
660 665 670
gga aat aag tct cat cta gtg aac aca gct tgg gct atg cta gcg ctt 2064
Gly Asn Lys Ser His Leu Val Asn Thr Ala Trp Ala Met Leu Ala Leu
675 680 685
att gaa gga ggc cag gca gaa aga gac cca acc cca ttg cat cgt gcg 2112
Ile Glu Gly Gly Gln Ala Glu Arg Asp Pro Thr Pro Leu His Arg Ala
690 695 700
gcc aag gtg ttg atc aat tca caa atg gaa aat ggg gag ttt ccc caa 2160
Ala Lys Val Leu Ile Asn Ser Gln Met Glu Asn Gly Glu Phe Pro Gln
705 710 715 720
cag gaa atc atg gga gtt tat aac cag act ggt gtt gtc aac tac tct 2208
Gln Glu Ile Met Gly Val Tyr Asn Gln Thr Gly Val Val Asn Tyr Ser
725 730 735
gca tac aga aac att ttc cca ata tgg gcc ctt gga gaa tac cga aat 2256
Ala Tyr Arg Asn Ile Phe Pro Ile Trp Ala Leu Gly Glu Tyr Arg Asn
740 745 750
cgt gta ttg ctt tgt cca gga aaa gtg tca aaa aat aaa agc aac tag 2304
Arg Val Leu Leu Cys Pro Gly Lys Val Ser Lys Asn Lys Ser Asn
755 760 765
<210> 4
<211> 767
<212> PRT
<213> Lotus japonicus
<400> 4
Met Trp Lys Leu Arg Ile Ser Glu Ser Lys Glu Asp Glu Leu Ile Arg
1 5 10 15
Ser Val Asn Asn His Val Gly Arg Gln Phe Trp Glu Phe Asp Pro Asp
20 25 30
Leu Gly Thr Glu Gln Glu Arg Ala Gln Val Glu Gln Ala Arg Lys Glu
35 40 45
Phe Asn Gln Asn Arg Phe Lys Thr Lys Asn Ser Ser Asp Leu Leu Met
50 55 60
Arg Leu Gln Phe Glu Arg Glu Asn Gly Val Asn Met Lys Val Lys Asn
65 70 75 80
Val Asn Ile Gln Lys Glu Glu Asp Ile Thr Glu Glu Val Val Glu Asp
85 90 95
Thr Leu Lys Arg Ala Leu Arg Cys Tyr Ser Thr Leu Gln Ala Gln Asp
100 105 110
Gly Phe Trp Pro Gly Asp Tyr Ala Gly Ala Met Phe Met Leu Pro Gly
115 120 125
Leu Val Ile Gly Leu Ser Val Thr Gly Ala Leu Asn Ala Ala Leu Ser
130 135 140
Pro Glu His Gln Ser Glu Met Lys Arg Tyr Val Leu Asn His Gln Asn
145 150 155 160
Glu Asp Gly Gly Trp Gly Leu His Ile Glu Gly Pro Thr Thr Met Phe
165 170 175
Gly Thr Val Leu Asn Tyr Val Ala Met Arg Leu Leu Gly Glu Asp Ile
180 185 190
Asp Gly Gly Asp Gly Ala Met Lys Lys Ala Arg Lys Trp Ile Leu Asp
195 200 205
Arg Gly Gly Ala Thr Ser Ile Pro Ser Trp Gly Lys Phe Trp Leu Ser
210 215 220
Val Leu Gly Val Tyr Glu Trp Arg Gly Ile Asn Pro Met Pro Pro Glu
225 230 235 240
Leu Trp Leu Leu Pro Tyr Ser Leu Pro Ser His Pro Gly Arg Met Trp
245 250 255
Cys His Thr Arg Leu Val Tyr Leu Ser Met Ser Tyr Leu Tyr Gly Arg
260 265 270
Arg Phe Val Gly Pro Phe Asn Ala Leu Val Leu Ser Leu Arg Lys Glu
275 280 285
Leu Tyr Thr Leu Pro Tyr His Leu Leu Asp Trp Asn Glu Ala Arg Asn
290 295 300
Leu Cys Ala Lys Glu Asp Leu Ser His Pro Arg Pro Gly Ile Gln Asn
305 310 315 320
Ile Leu Trp Gly Leu Leu His His Val Gly Glu Pro Leu Leu Thr His
325 330 335
Lys Leu Phe Ser Arg Leu Arg Gln Lys Ala Leu His His Val Met Glu
340 345 350
His Ile His Asn Glu Asp Glu Ala Ser Asn Tyr Ile Cys Ile Gly Pro
355 360 365
Val Asn Lys Val Leu Asn Met Ile Cys Cys Trp Leu Glu Asp Pro Asn
370 375 380
Ser Gln Ala Phe Lys Tyr His Ile Ser Arg Ile Lys Asp Tyr Leu Trp
385 390 395 400
Val Ala Glu Asp Gly Met Lys Met Gln Gly Tyr Gly Gly Ser Gln Leu
405 410 415
Trp Asp Val Ala Phe Ser Val Gln Ala Ile Leu Ala Thr Asn Leu Asp
420 425 430
Asp Glu Tyr Gly Ser Met Leu Lys Arg Ala Asn Glu Phe Ile Lys Cys
435 440 445
Ser Gln Ile Thr Thr Asn Ser Ser Ser Asn Pro Ser Ala Trp Tyr Arg
450 455 460
His Ile Ser Lys Gly Ser Trp Gly Phe Ser Thr Pro Asp Asn Gly Trp
465 470 475 480
Pro Val Ser Asp Cys Thr Ala Glu Gly Leu Lys Ala Ala Ile Leu Leu
485 490 495
Ser Asn Phe Pro Ser Glu Thr Val Gly Lys Ala Met Glu Thr Glu Lys
500 505 510
Leu Tyr Asp Ala Val Ser Trp Val Leu Ser Met Gln Asn Glu Asn Gly
515 520 525
Gly Phe Ala Ser Tyr Glu Leu Thr Arg Ser Tyr Ala Trp Leu Glu Lys
530 535 540
Ile Asn Pro Val Glu Thr Phe Arg Asp Ile Met Ile Asp Tyr Gln Tyr
545 550 555 560
Val Glu Cys Thr Ser Ala Ala Ile Gln Gly Leu Ala Leu Phe Thr Gln
565 570 575
Arg Tyr Pro Glu Tyr Arg Arg Arg Glu Ile Asp Ser Cys Ile Ala Lys
580 585 590
Ala Ala Arg Tyr Ile Glu Ser Thr Gln Leu Ala Asp Gly Ser Trp Tyr
595 600 605
Gly Ser Trp Gly Ile Cys Tyr Thr Tyr Ala Thr Trp Phe Gly Ile Lys
610 615 620
Gly Leu Ile Ala Ala Ser Lys Ser Tyr Gln Glu Ser Lys Ser Ile Arg
625 630 635 640
Arg Ala Cys Glu Phe Leu Leu Ser Lys Gln Leu Leu Ser Gly Gly Trp
645 650 655
Gly Glu Ser Tyr Leu Ser Cys Glu Leu Lys Val Tyr Thr Asn Leu Glu
660 665 670
Gly Asn Lys Ser His Leu Val Asn Thr Ala Trp Ala Met Leu Ala Leu
675 680 685
Ile Glu Gly Gly Gln Ala Glu Arg Asp Pro Thr Pro Leu His Arg Ala
690 695 700
Ala Lys Val Leu Ile Asn Ser Gln Met Glu Asn Gly Glu Phe Pro Gln
705 710 715 720
Gln Glu Ile Met Gly Val Tyr Asn Gln Thr Gly Val Val Asn Tyr Ser
725 730 735
Ala Tyr Arg Asn Ile Phe Pro Ile Trp Ala Leu Gly Glu Tyr Arg Asn
740 745 750
Arg Val Leu Leu Cys Pro Gly Lys Val Ser Lys Asn Lys Ser Asn
755 760 765
<210> 5
<211> 2684
<212> DNA
<213> Panax ginseng
<220>
<221> CDS
<222> (131)..(2473)
<223>
<400> 5
attagctagc tgaagaagaa ttacacatac caagacattc taccagtgct tgtgcttcaa 60
cctcagcttt ccattcatat atataattaa ttaaggttga tcaaaggtag gtaggtagaa 120
gaggggtagc atg tgg aag ctt ata tta tct caa ggg gat cca ggg ttg 169
Met Trp Lys Leu Ile Leu Ser Gln Gly Asp Pro Gly Leu
1 5 10
aaa agt gtg aat aat cat att ggc aga cag ttt tgg gag ttt gat cca 217
Lys Ser Val Asn Asn His Ile Gly Arg Gln Phe Trp Glu Phe Asp Pro
15 20 25
aat ctt ggt aca ccc gaa gaa cga gct cac att gac aaa ctt cgc caa 265
Asn Leu Gly Thr Pro Glu Glu Arg Ala His Ile Asp Lys Leu Arg Gln
30 35 40 45
cag ttt cat aac aat cga ttt cga gtt aaa cat agt tct gat ctt cta 313
Gln Phe His Asn Asn Arg Phe Arg Val Lys His Ser Ser Asp Leu Leu
50 55 60
atg aga tat caa ttt gaa aga gag aaa tcc agg aag tta ggt gat gat 361
Met Arg Tyr Gln Phe Glu Arg Glu Lys Ser Arg Lys Leu Gly Asp Asp
65 70 75
gat gag gtg aaa tca gga agt gaa gga gaa ata act act agt agt agt 409
Asp Glu Val Lys Ser Gly Ser Glu Gly Glu Ile Thr Thr Ser Ser Ser
80 85 90
ggt gtg gaa gga gtg aaa atg gca ctt aga agg gcc ttg aaa ttc tac 457
Gly Val Glu Gly Val Lys Met Ala Leu Arg Arg Ala Leu Lys Phe Tyr
95 100 105
tca act att cag gct gat gat ggc cac tgg ccc ggt gac tat ggt ggc 505
Ser Thr Ile Gln Ala Asp Asp Gly His Trp Pro Gly Asp Tyr Gly Gly
110 115 120 125
cca ttg ttt ctt ctt cct ggc ttg gtt att ggg ttg tat gtc atg gga 553
Pro Leu Phe Leu Leu Pro Gly Leu Val Ile Gly Leu Tyr Val Met Gly
130 135 140
gtg atg gat aca att ttg gcc aag gaa cat caa agg gag atg tgt cgt 601
Val Met Asp Thr Ile Leu Ala Lys Glu His Gln Arg Glu Met Cys Arg
145 150 155
tat ata tac aac cac cag aat gtg gac gga ggg tgg gga ttg cat ata 649
Tyr Ile Tyr Asn His Gln Asn Val Asp Gly Gly Trp Gly Leu His Ile
160 165 170
gaa ggg tgc agt act atg ctg tgt act gct ctc aat tac atc aca ctc 697
Glu Gly Cys Ser Thr Met Leu Cys Thr Ala Leu Asn Tyr Ile Thr Leu
175 180 185
aga tta ttg ata cga gga gat gag gag gag gaa att aga gat gaa gct 745
Arg Leu Leu Ile Arg Gly Asp Glu Glu Glu Glu Ile Arg Asp Glu Ala
190 195 200 205
gct aat gga ggc agc ctg gag aaa gct aga aga tgg att att gat cat 793
Ala Asn Gly Gly Ser Leu Glu Lys Ala Arg Arg Trp Ile Ile Asp His
210 215 220
ggc gga gct acc tac att ccc tcc tgg gga aaa ttc tgg ctc tcg ata 841
Gly Gly Ala Thr Tyr Ile Pro Ser Trp Gly Lys Phe Trp Leu Ser Ile
225 230 235
ctg gga gta tat gag tgg agc ggc aac aac cct cta cca cca gag atg 889
Leu Gly Val Tyr Glu Trp Ser Gly Asn Asn Pro Leu Pro Pro Glu Met
240 245 250
tgg ctt ctt cct tat ttt ctt cca ctt cac cca gga cgt atg tgg aac 937
Trp Leu Leu Pro Tyr Phe Leu Pro Leu His Pro Gly Arg Met Trp Asn
255 260 265
cat tgt cgg atg gtg tac ctg ccc atg tca tac cta tac ggg agg agg 985
His Cys Arg Met Val Tyr Leu Pro Met Ser Tyr Leu Tyr Gly Arg Arg
270 275 280 285
ttt gtg gga cca atc aat tcc act gtt cta tca cta aga aga gag ctc 1033
Phe Val Gly Pro Ile Asn Ser Thr Val Leu Ser Leu Arg Arg Glu Leu
290 295 300
tat aca cac ccc tat cat caa att aac tgg gat ttg gct aga aat caa 1081
Tyr Thr His Pro Tyr His Gln Ile Asn Trp Asp Leu Ala Arg Asn Gln
305 310 315
tgt gct cag gaa gat ctg tac tat cca cat cca tta ata caa gac atg 1129
Cys Ala Gln Glu Asp Leu Tyr Tyr Pro His Pro Leu Ile Gln Asp Met
320 325 330
ctg tgg agt tgt ttg cat aaa ggt gta gaa cga cta atc atg caa tgg 1177
Leu Trp Ser Cys Leu His Lys Gly Val Glu Arg Leu Ile Met Gln Trp
335 340 345
ccc ctg tct aag ata agg cag agg gct cta act act gca atg caa cat 1225
Pro Leu Ser Lys Ile Arg Gln Arg Ala Leu Thr Thr Ala Met Gln His
350 355 360 365
atc cat tac gag gat gaa aac acc agc tat ata tgc ctt gga ccc gtt 1273
Ile His Tyr Glu Asp Glu Asn Thr Ser Tyr Ile Cys Leu Gly Pro Val
370 375 380
aat aag gta cta aac atg gtc tgt tgt tgg gtg gag gac cca aat tca 1321
Asn Lys Val Leu Asn Met Val Cys Cys Trp Val Glu Asp Pro Asn Ser
385 390 395
atg gca aat ata ttg cac ctc tcc agg ata aaa gat tat ctg tgg gtg 1369
Met Ala Asn Ile Leu His Leu Ser Arg Ile Lys Asp Tyr Leu Trp Val
400 405 410
gct gaa gat ggc atg aaa atg aag gga tat aac gga tca cag ctg tgg 1417
Ala Glu Asp Gly Met Lys Met Lys Gly Tyr Asn Gly Ser Gln Leu Trp
415 420 425
gat gtt ggt ttt gct gtt caa gca ata ctc tca act ggc ctg gtt gat 1465
Asp Val Gly Phe Ala Val Gln Ala Ile Leu Ser Thr Gly Leu Val Asp
430 435 440 445
gaa tac ggc tca atg ctt aaa aaa gcg cat gat ttc att aaa atc tca 1513
Glu Tyr Gly Ser Met Leu Lys Lys Ala His Asp Phe Ile Lys Ile Ser
450 455 460
cag gtt aga gag gat agt ccg gga aat ctc agt tca tgg aat cgt cac 1561
Gln Val Arg Glu Asp Ser Pro Gly Asn Leu Ser Ser Trp Asn Arg His
465 470 475
att tcc aag ggc gga tgg ccc ttc tct aca cca gat aat ggt tgg cct 1609
Ile Ser Lys Gly Gly Trp Pro Phe Ser Thr Pro Asp Asn Gly Trp Pro
480 485 490
gta tca gat tgc act gca gaa ggt ttg aag gct gca ctc ttg cta tca 1657
Val Ser Asp Cys Thr Ala Glu Gly Leu Lys Ala Ala Leu Leu Leu Ser
495 500 505
aat atg cct ttt gac att gtt gga gaa gca ata tca cca gtt cac tta 1705
Asn Met Pro Phe Asp Ile Val Gly Glu Ala Ile Ser Pro Val His Leu
510 515 520 525
tat gat gct gtt aac tgg att cta tcc cta cag aat tgc acc gga ggt 1753
Tyr Asp Ala Val Asn Trp Ile Leu Ser Leu Gln Asn Cys Thr Gly Gly
530 535 540
ttt gca tca tat gag ctc aca aga tct tat gcc tgg tta gag cta ctc 1801
Phe Ala Ser Tyr Glu Leu Thr Arg Ser Tyr Ala Trp Leu Glu Leu Leu
545 550 555
aat cca gct gaa act ttt gga gat atc gtt ata gat tat cag tat gta 1849
Asn Pro Ala Glu Thr Phe Gly Asp Ile Val Ile Asp Tyr Gln Tyr Val
560 565 570
gaa tgc act tca gca gcg att caa ggc ctt aaa tct ttc atg aga tta 1897
Glu Cys Thr Ser Ala Ala Ile Gln Gly Leu Lys Ser Phe Met Arg Leu
575 580 585
tat cca gga tat agg agg aag gaa att gaa gca tgt att gca aaa gca 1945
Tyr Pro Gly Tyr Arg Arg Lys Glu Ile Glu Ala Cys Ile Ala Lys Ala
590 595 600 605
act aac ttt att gag agc ata caa ctg cct gat ggc tca tgg tat ggc 1993
Thr Asn Phe Ile Glu Ser Ile Gln Leu Pro Asp Gly Ser Trp Tyr Gly
610 615 620
tct tgg gga atc tgc tac acc tat ggg aca tgg ttt gga att aag ggg 2041
Ser Trp Gly Ile Cys Tyr Thr Tyr Gly Thr Trp Phe Gly Ile Lys Gly
625 630 635
ttg gtg gct gct ggg agg act aac cga aat tgc tat agc atc aga aga 2089
Leu Val Ala Ala Gly Arg Thr Asn Arg Asn Cys Tyr Ser Ile Arg Arg
640 645 650
gct tgt gat ttc tta tta tcc aaa caa ctt ggt tct ggt gga tgg gga 2137
Ala Cys Asp Phe Leu Leu Ser Lys Gln Leu Gly Ser Gly Gly Trp Gly
655 660 665
gag agc tat ctt tca tgc caa aat aag gta tat acg agt att gaa gga 2185
Glu Ser Tyr Leu Ser Cys Gln Asn Lys Val Tyr Thr Ser Ile Glu Gly
670 675 680 685
aac att tcg cat gta gca aat act gga tgg gct atg cta gcc cta ata 2233
Asn Ile Ser His Val Ala Asn Thr Gly Trp Ala Met Leu Ala Leu Ile
690 695 700
gaa gct ggg cag gct cag aga gat ccc tcc cca ctc cat cgt gct gca 2281
Glu Ala Gly Gln Ala Gln Arg Asp Pro Ser Pro Leu His Arg Ala Ala
705 710 715
aag gtg ttg atg aat tcc caa atg aaa aat ggc gtc ttt cca caa cag 2329
Lys Val Leu Met Asn Ser Gln Met Lys Asn Gly Val Phe Pro Gln Gln
720 725 730
gaa att gta gga gtg ttc aac aag aac tgc atg ata agt tat tct gcc 2377
Glu Ile Val Gly Val Phe Asn Lys Asn Cys Met Ile Ser Tyr Ser Ala
735 740 745
tac aga aac ata ttt cct att tgg gct ctt gga gaa tat ctc aat cgc 2425
Tyr Arg Asn Ile Phe Pro Ile Trp Ala Leu Gly Glu Tyr Leu Asn Arg
750 755 760 765
gta tta caa cct tcc cgg aac atc ttg aaa acc tta aat gta gta taa 2473
Val Leu Gln Pro Ser Arg Asn Ile Leu Lys Thr Leu Asn Val Val
770 775 780
attaatatct atgccagtgc cattgccatt gccattgcca ttgcctccag ttataaaacg 2533
aaataaatgc atacattctt tatgataata tgagtagggt atgctgctat gtaaataggg 2593
tcatggaaga tttccaatat acatatgtaa ttgtatcatg ttgcactcat gaaaattgaa 2653
gacttattca atcagatcat tgcttgacat c 2684
<210> 6
<211> 780
<212> PRT
<213> Panax ginseng
<400> 6
Met Trp Lys Leu Ile Leu Ser Gln Gly Asp Pro Gly Leu Lys Ser Val
1 5 10 15
Asn Asn His Ile Gly Arg Gln Phe Trp Glu Phe Asp Pro Asn Leu Gly
20 25 30
Thr Pro Glu Glu Arg Ala His Ile Asp Lys Leu Arg Gln Gln Phe His
35 40 45
Asn Asn Arg Phe Arg Val Lys His Ser Ser Asp Leu Leu Met Arg Tyr
50 55 60
Gln Phe Glu Arg Glu Lys Ser Arg Lys Leu Gly Asp Asp Asp Glu Val
65 70 75 80
Lys Ser Gly Ser Glu Gly Glu Ile Thr Thr Ser Ser Ser Gly Val Glu
85 90 95
Gly Val Lys Met Ala Leu Arg Arg Ala Leu Lys Phe Tyr Ser Thr Ile
100 105 110
Gln Ala Asp Asp Gly His Trp Pro Gly Asp Tyr Gly Gly Pro Leu Phe
115 120 125
Leu Leu Pro Gly Leu Val Ile Gly Leu Tyr Val Met Gly Val Met Asp
130 135 140
Thr Ile Leu Ala Lys Glu His Gln Arg Glu Met Cys Arg Tyr Ile Tyr
145 150 155 160
Asn His Gln Asn Val Asp Gly Gly Trp Gly Leu His Ile Glu Gly Cys
165 170 175
Ser Thr Met Leu Cys Thr Ala Leu Asn Tyr Ile Thr Leu Arg Leu Leu
180 185 190
Ile Arg Gly Asp Glu Glu Glu Glu Ile Arg Asp Glu Ala Ala Asn Gly
195 200 205
Gly Ser Leu Glu Lys Ala Arg Arg Trp Ile Ile Asp His Gly Gly Ala
210 215 220
Thr Tyr Ile Pro Ser Trp Gly Lys Phe Trp Leu Ser Ile Leu Gly Val
225 230 235 240
Tyr Glu Trp Ser Gly Asn Asn Pro Leu Pro Pro Glu Met Trp Leu Leu
245 250 255
Pro Tyr Phe Leu Pro Leu His Pro Gly Arg Met Trp Asn His Cys Arg
260 265 270
Met Val Tyr Leu Pro Met Ser Tyr Leu Tyr Gly Arg Arg Phe Val Gly
275 280 285
Pro Ile Asn Ser Thr Val Leu Ser Leu Arg Arg Glu Leu Tyr Thr His
290 295 300
Pro Tyr His Gln Ile Asn Trp Asp Leu Ala Arg Asn Gln Cys Ala Gln
305 310 315 320
Glu Asp Leu Tyr Tyr Pro His Pro Leu Ile Gln Asp Met Leu Trp Ser
325 330 335
Cys Leu His Lys Gly Val Glu Arg Leu Ile Met Gln Trp Pro Leu Ser
340 345 350
Lys Ile Arg Gln Arg Ala Leu Thr Thr Ala Met Gln His Ile His Tyr
355 360 365
Glu Asp Glu Asn Thr Ser Tyr Ile Cys Leu Gly Pro Val Asn Lys Val
370 375 380
Leu Asn Met Val Cys Cys Trp Val Glu Asp Pro Asn Ser Met Ala Asn
385 390 395 400
Ile Leu His Leu Ser Arg Ile Lys Asp Tyr Leu Trp Val Ala Glu Asp
405 410 415
Gly Met Lys Met Lys Gly Tyr Asn Gly Ser Gln Leu Trp Asp Val Gly
420 425 430
Phe Ala Val Gln Ala Ile Leu Ser Thr Gly Leu Val Asp Glu Tyr Gly
435 440 445
Ser Met Leu Lys Lys Ala His Asp Phe Ile Lys Ile Ser Gln Val Arg
450 455 460
Glu Asp Ser Pro Gly Asn Leu Ser Ser Trp Asn Arg His Ile Ser Lys
465 470 475 480
Gly Gly Trp Pro Phe Ser Thr Pro Asp Asn Gly Trp Pro Val Ser Asp
485 490 495
Cys Thr Ala Glu Gly Leu Lys Ala Ala Leu Leu Leu Ser Asn Met Pro
500 505 510
Phe Asp Ile Val Gly Glu Ala Ile Ser Pro Val His Leu Tyr Asp Ala
515 520 525
Val Asn Trp Ile Leu Ser Leu Gln Asn Cys Thr Gly Gly Phe Ala Ser
530 535 540
Tyr Glu Leu Thr Arg Ser Tyr Ala Trp Leu Glu Leu Leu Asn Pro Ala
545 550 555 560
Glu Thr Phe Gly Asp Ile Val Ile Asp Tyr Gln Tyr Val Glu Cys Thr
565 570 575
Ser Ala Ala Ile Gln Gly Leu Lys Ser Phe Met Arg Leu Tyr Pro Gly
580 585 590
Tyr Arg Arg Lys Glu Ile Glu Ala Cys Ile Ala Lys Ala Thr Asn Phe
595 600 605
Ile Glu Ser Ile Gln Leu Pro Asp Gly Ser Trp Tyr Gly Ser Trp Gly
610 615 620
Ile Cys Tyr Thr Tyr Gly Thr Trp Phe Gly Ile Lys Gly Leu Val Ala
625 630 635 640
Ala Gly Arg Thr Asn Arg Asn Cys Tyr Ser Ile Arg Arg Ala Cys Asp
645 650 655
Phe Leu Leu Ser Lys Gln Leu Gly Ser Gly Gly Trp Gly Glu Ser Tyr
660 665 670
Leu Ser Cys Gln Asn Lys Val Tyr Thr Ser Ile Glu Gly Asn Ile Ser
675 680 685
His Val Ala Asn Thr Gly Trp Ala Met Leu Ala Leu Ile Glu Ala Gly
690 695 700
Gln Ala Gln Arg Asp Pro Ser Pro Leu His Arg Ala Ala Lys Val Leu
705 710 715 720
Met Asn Ser Gln Met Lys Asn Gly Val Phe Pro Gln Gln Glu Ile Val
725 730 735
Gly Val Phe Asn Lys Asn Cys Met Ile Ser Tyr Ser Ala Tyr Arg Asn
740 745 750
Ile Phe Pro Ile Trp Ala Leu Gly Glu Tyr Leu Asn Arg Val Leu Gln
755 760 765
Pro Ser Arg Asn Ile Leu Lys Thr Leu Asn Val Val
770 775 780
<210> 7
<211> 31
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic DNA
<400> 7
gtctatactc acaaagacaa catgagtttg c 31
<210> 8
<211> 34
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic DNA
<400> 8
atgtggaggt taaagttatc ggaaggagac gaag 34
<210> 9
<211> 24
<212> DNA
<213> Arabidopsis thaliana
<400> 9
gtaaacttta tcttatcatt acag 24
<210> 10
<211> 22
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic DNA
<400> 10
tggttcacgt agtgggccat cg 22
<210> 11
<211> 24
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic DNA
<400> 11
ggaatggaga gacttccaca agtg 24
<210> 12
<211> 24
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic DNA
<400> 12
ggaatggaga gacttccaca agtg 24
<210> 13
<211> 26
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic DNA
<400> 13
catcaactaa atgctcttca ggcatg 26
<210> 14
<211> 30
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic DNA
<400> 14
aaactctcca ataatttttt tatgaggatg 30
<210> 15
<211> 30
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic DNA
<400> 15
agaaaggaga atgaaaaata aaaattagaa 30
<210> 16
<211> 49
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic DNA
<400> 16
taaaaattag aagagaggta ccatgtggaa gctaaggatt tcagagagc 49
<210> 17
<211> 49
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic DNA
<400> 17
ctccaataat tttttctcga ggatgctagt tgcttttatt ttttgacac 49
<210> 18
<211> 17
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic DNA
<400> 18
gttttcccag tcacgac 17
<210> 19
<211> 17
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic DNA
<400> 19
caggaaacag ctatgac 17

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の何れかのアミノ酸配列から成るタンパク質をコードする遺伝子。
(1)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列;
(2)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列から成り、ラノステロール合成酵素活性を有するアミノ酸配列;又は
(3)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の相同性を有するアミノ酸配列から成り、ラノステロール合成酵素活性を有するアミノ酸配列;
【請求項2】
下記の何れかの塩基配列から成る、請求項1に記載の遺伝子。
(1)配列表の配列番号1に記載の塩基配列;
(2)配列表の配列番号1に記載の塩基配列において1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列から成り、ラノステロール合成酵素をコードする塩基配列;又は
(3)配列表の配列番号1に記載の塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列から成り、ラノステロール合成酵素をコードする塩基配列;
【請求項3】
植物に由来する遺伝子である、請求項1又は2に記載の遺伝子。
【請求項4】
下記の何れかのアミノ酸配列を有するラノステロール合成酵素。
(1)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列;
(2)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列から成り、ラノステロール合成酵素活性を有するアミノ酸配列;又は
(3)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の相同性を有するアミノ酸配列から成り、ラノステロール合成酵素活性を有するアミノ酸配列;
【請求項5】
請求項1から3の何れかに記載の遺伝子を有する組み換えベクター。
【請求項6】
請求項1から3の何れかに記載の遺伝子又は請求項5に記載の組み換えベクターを有する形質転換体。
【請求項7】
請求項4に記載のラノステロール合成酵素又は請求項6に記載の形質転換体又はその培養物を用いて、ラノステロールを合成する方法。
【請求項8】
基質として2-3-オキシドスクワレンを使用する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
下記の何れかのアミノ酸配列を有するタンパク質からなるラノステロール合成酵素剤。
(1)配列表の配列番号2、4、又は6の何れかに記載のアミノ酸配列;
(2)配列表の配列番号2、4、又は6の何れかに記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列から成り、ラノステロール合成酵素活性を有するアミノ酸配列;又は
(3)配列表の配列番号2、4、又は6の何れかに記載のアミノ酸配列に対して70%以上の相同性を有するアミノ酸配列から成り、ラノステロール合成酵素活性を有するアミノ酸配列;
【請求項10】
下記の何れかの塩基配列のコード領域によりコードされるタンパク質からなるラノステロール合成酵素剤。
(1)配列表の配列番号1、3、又は5の何れかに記載の塩基配列;
(2)配列表の配列番号1、3、又は5の何れかに記載の塩基配列において1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列から成り、ラノステロール合成酵素をコードする塩基配列;又は
(3)配列表の配列番号1、3、又は5の何れかに記載の塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列から成り、ラノステロール合成酵素をコードする塩基配列;
【請求項11】
請求項9又は10に記載のラノステロール合成酵素剤を用いて、ラノステロールを合成する方法。
【請求項12】
基質として2-3-オキシドスクワレンを使用する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
下記の何れかのアミノ酸配列を有するラノステロール合成酵素をコードする遺伝子を導入した形質転換植物。
(1)配列表の配列番号2、4、又は6の何れかに記載のアミノ酸配列;
(2)配列表の配列番号2、4、又は6の何れかに記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列から成り、ラノステロール合成酵素活性を有するアミノ酸配列;又は
(3)配列表の配列番号2、4、又は6の何れかに記載のアミノ酸配列に対して70%以上の相同性を有するアミノ酸配列から成り、ラノステロール合成酵素活性を有するアミノ酸配列;
【請求項14】
ラノステロール合成酵素をコードする遺伝子が、下記の何れかの塩基配列を有する遺伝子である、請求項13に記載の形質転換植物。
(1)配列表の配列番号1、3、又は5の何れかに記載の塩基配列;
(2)配列表の配列番号1、3、又は5の何れかに記載の塩基配列において1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列から成り、ラノステロール合成酵素をコードする塩基配列;又は
(3)配列表の配列番号1、3、又は5の何れかに記載の塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列から成り、ラノステロール合成酵素をコードする塩基配列;
【請求項15】
配列表の配列番号1、3、又は5の何れかに記載の塩基配列を有する遺伝子が欠損又は破壊されているか、あるいは当該遺伝子の発現が抑制されていることを特徴とする遺伝子改変植物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−44040(P2007−44040A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−192301(P2006−192301)
【出願日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成16年度新エネルギー・産業技術総合開発機構植物利用エネルギー使用合理化工業原料生産技術開発/植物の物質生産プロセス制御基盤技術開発委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受けるもの)
【出願人】(503359821)独立行政法人理化学研究所 (1,056)
【出願人】(899000057)学校法人日本大学 (650)
【出願人】(504137912)国立大学法人 東京大学 (1,942)
【Fターム(参考)】