説明

ラバースポンジシート材とその製造方法、及びこれを用いたウェットスーツ類

【課題】発泡ゴムシートと伸縮性生地とをラミネートすること無しに、伸縮性生地の上に形成されるゴム層の厚さが厚く耐摩耗性があり、伸縮性があって引き裂き強度が高く、保温性、水切れ性においても優れているラバースポンジシート材を提供する。
【解決手段】シート状をした第一の未加硫ゴム組成物の上に、伸縮性生地を載置し固定した後、この伸縮性生地の上に、第二の未加硫ゴム組成物を設けて積層シート体を成形する。その後、この積層シート体を加熱・加圧して、第一の未加硫ゴム組成物及び第二の未加硫ゴム組成物を共に発泡・加硫させることにより、発泡ゴム層1、伸縮性生地2、被覆ゴム層3が順に積層され、発泡ゴム層及び被覆ゴム層が、何れも伸縮性生地を介して互いに他方のゴム層と架橋接合しているラバースポンジシート材10とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保温性、水切れ(水弾き)性、伸縮性に優れたラバースポンジシート材に係り、詳しくは、水中や水上等で行うマリンスポーツ、及び水中や水底等で行う諸作業において着用される、ウェットスーツやドライスーツ若しくはセミドライスーツ、及びグローブ等を製造するのに用いられるラバースポンジシート材とその製造方法、及びこのラバースポンジシート材を用いたウェットスーツ類に関する。
【背景技術】
【0002】
ダイビングやサーフィンといった水中や水上等で行うマリンスポーツにおいて着用する運動用保護衣や、水中探索(調査)や水中土木、漁、人命救助といった水中や水底等で行う諸作業において着用する作業用保護衣として、たとえばウェットスーツやドライスーツ、及びグローブ等が知られている。
ウェットスーツは、スーツの内部に水等が入り、この水をスーツ内にできるだけ留め置くことで保温性を確保し、一方、ドライスーツは、手首や首周りなどから水が流入しない様にシール構造とし、内部を乾燥状態に保ち保温性を確保する。また、グローブは、傷や寒さから指先等を保護する。
【0003】
このような運動用又は作業用の保護衣、グローブ(以下、単に「ウェットスーツ類」という。)の作製に用いられる材料としては、たとえば、クロロプレンゴムを用いた発泡ゴムシート、もしくは発泡ゴムシートの一面又は両面に、ニット生地等の伸縮性のある生地をラミネートしたシート材(以下、「繊維貼りシート」という。)が一般的に使用されている。
【0004】
この発泡ゴムシートは、内部に小さな独立気泡を多く含むスポンジ体であり、保温性、水切れ(水弾き)性、伸縮性などにおいて優れた機能を発揮する。ところが、発泡ゴムシート単独では、たとえば、ウェットスーツ類の着脱の際において、発泡ゴムシート同士や身体などと密着して着脱に不自由をきたすと共に、引き裂きや摩擦による破け・剥がれには弱く、耐久性に劣るところがある。また、ミシン縫い等による縫製ができないという欠点がある。
【0005】
一方、繊維貼りシートでは、ニット生地等のラミネートによって強度が増して引き裂けや摩擦に対してより強くなり、また、身体に接する内側に繊維貼りをすることによって滑りがよく、着脱が容易なものとなる。さらに、ミシン縫い等の縫製ができ、ウェットスーツ等の製造や補修において利点がある。ところが、繊維貼りシートの場合、発泡ゴムシートと伸縮性生地とをラミネートしているために、繊維貼りシートが伸縮を繰り返しているうちに、発泡ゴムシート生地と伸縮性生地とが剥がれてしまうなどの耐久性に問題が生じることがある。
【0006】
また、繊維貼りシートにおいては、露呈する伸縮性生地が保水性を有する(水を含み易い)ことから水切れが悪く、表面の乾きが遅いという欠点がある。そのため、外側に露呈した伸縮性生地が水を含んだ状態で風に曝されると、伸縮性生地が乾く(水が蒸発する)ときの吸熱作用により温度が奪われ、保温性に劣ることとなってしまう。ゆえに、たとえば、サーフィン等のように上半身を海面より上に曝している時間が長い運動や作業、又は運動や作業後に海中から陸上、船上等に上がった場合には、保温性の点において発泡ゴムシート単独のものより劣ることとなる。
【0007】
そこで、図6に示すように、発泡ゴムシート101と伸縮性生地102とをラミネートすること無しに、発泡剤を含有する未加硫ゴム組成物の上に伸縮性生地を載置して発泡・加硫することで、発泡ゴムシート101の一面101a側内部にジャージ生地等の伸縮性生地102を埋設したシート材(以下、「繊維埋設シート」という。)110が、本特許出願人により提案されている(特許文献1を参照)。
この繊維埋設シート110は、発泡ゴムシート101の一面101a側に埋設した伸縮性生地102の上にゴム層111が形成されたものとなっており、伸縮性生地102が露呈しないので水分を含むことがない。また、伸縮性生地102が発泡ゴムシート101から剥がれる虞もなく、伸縮性があって引き裂き(破れ)強度が高く、保温性、水切れ(水弾き)性においても優れている。
【0008】
しかしながら、この繊維埋設シート110では、発泡ゴムシート101の一面101a側に埋設した伸縮性生地102の上に形成されるゴム層111の厚さが薄いものである。ゆえに、繊維埋設シート110を繰り返し使用していると、ゴム層111が部分的に摩耗して、そこから毛細管現象のように水分が浸入し、伸縮性生地102が水分を含んだものとなって、保温性が低下するものとなってしまう虞がある。
【0009】
ここで、伸縮性生地の上に形成されるゴム層が摩耗してしまうことを防止するため、当該ゴム層の上に発泡ゴムシートをラミネートして厚みを有するものとすることが容易に考えられる。ところが上述の通り、ラミネートによる手段では、使用による伸縮を繰り返しているうちにラミネート部分から剥がれてしまうといった耐久性の問題が生じてしまう。
【0010】
そのため、本特許出願人は、伸縮性生地の上に形成されるゴム層の厚さを厚くすることを目的として、発泡剤含有未加硫ゴム組成物の発泡剤を増量し、発泡倍率を上げることを試みた。ところが、伸縮性生地の生地目を浸透するゴム組成物の発泡倍率に限界があり、伸縮性生地の上にゴム層を厚く形成することはできない。
【0011】
また、本特許出願人は、発泡ゴムシートの一面側内部に伸縮性生地を深く埋設することを目的として、発泡の際に加える圧力を調整することを試みた。ところが、圧力を大きくしても、発泡ゴムシート101となる発泡・加硫前の未加硫ゴムシートの総厚に均等に圧力がかかるため、伸縮性生地102の上に形成されるゴム層111のみを厚くすることはできない。一方圧力が小さいと、ゴム組成物の発泡が不十分であって、いわゆるガス抜け現象が起こり、正常なスポンジを形成しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】実用新案登録第3140930号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上記事情に鑑みて成されたものであり、発泡ゴムシートと伸縮性生地とをラミネートすること無しに、伸縮性生地の上に形成されるゴム層の厚さを厚くすることができ、伸縮性生地が無闇に露呈することがなく、伸縮性があって引き裂き(破れ)強度が高く、保温性、水切れ(水弾き)性においても優れているラバースポンジシート材とその製造方法、及びこのラバースポンジシート材を用いたウェットスーツ類を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の請求項1に係るラバースポンジシート材は、発泡ゴム層、伸縮性生地、被覆ゴム層が順に積層され、前記発泡ゴム層及び前記被覆ゴム層は、何れも前記伸縮性生地を介して互いに他方のゴム層と架橋接合していることを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項2に係るラバースポンジシート材は、請求項1に記載のラバースポンジシート材において、前記被覆ゴム層は、発泡ゴム素材よりなることを特徴とする。
【0016】
本発明の請求項3に係るラバースポンジシート材は、請求項1に記載のラバースポンジシート材において、前記被覆ゴム層は、非発泡ゴム素材よりなることを特徴とする。
【0017】
本発明の請求項4に係るラバースポンジシート材は、請求項1乃至3の何れか1項に記載のラバースポンジシート材において、前記被覆ゴム層は、少なくとも前記伸縮性生地の生地目の凹凸が浮き出ない程度の厚さを有していることを特徴とする。
【0018】
本発明の請求項5に係るラバースポンジシート材は、請求項1乃至4の何れか1項に記載のラバースポンジシート材において、前記発泡ゴム層及び前記被覆ゴム層は、互いに硬さが異なることを特徴とする。
【0019】
本発明の請求項6に係るラバースポンジシート材は、請求項1乃至5の何れか1項に記載のラバースポンジシート材において、前記発泡ゴム層及び前記被覆ゴム層は、互いに比重が異なることを特徴とする。
【0020】
本発明の請求項7に係るラバースポンジシート材は、請求項1乃至6の何れか1項に記載のラバースポンジシート材において、前記発泡ゴム層及び前記被覆ゴム層は、互いに色彩が異なることを特徴とする。
【0021】
本発明の請求項8に係るラバースポンジシート材は、請求項1乃至7の何れか1項に記載のラバースポンジシート材において、前記発泡ゴム層及び/又は前記被覆ゴム層は、遠赤外線発生、静電防止、マイナスイオン発生といった機能性効果付与材を少なくとも1以上含むことを特徴とする。
【0022】
本発明の請求項9に係るラバースポンジシート材の製造方法は、発泡剤を含有するシート状をした第一の未加硫ゴム組成物の上に、伸縮性生地を載置し固定した後、当該伸縮性生地の上に、発泡剤を含有するシート状をした第二の未加硫ゴム組成物を載置して積層シート体を成形し、その後、当該積層シート体を加熱・加圧して、前記第一の未加硫ゴム組成物及び前記第二の未加硫ゴム組成物を共に、発泡・加硫させることを特徴とする。
【0023】
本発明の請求項10に係るラバースポンジシート材の製造方法は、発泡剤を含有するシート状をした第一の未加硫ゴム組成物の上に、伸縮性生地を載置し固定した後、当該伸縮性生地の上に、発泡剤を含有しないシート状をした第二の未加硫ゴム組成物を載置して積層シート体を成形し、その後、当該積層シート体を加熱・加圧して、前記第一の未加硫ゴム組成物を発泡させると共に、前記第一の未加硫ゴム組成物及び前記第二の未加硫ゴム組成物を共に加硫させることを特徴とする。
【0024】
本発明の請求項11に係るラバースポンジシート材の製造方法は、発泡剤を含有するシート状をした第一の未加硫ゴム組成物の上に、伸縮性生地を載置し固定した後、当該伸縮性生地の上に、液状をした発泡剤を含有する第二の未加硫ゴム組成物を塗布又は噴霧し乾燥させて積層シート体を成形し、その後、当該積層シート体を加熱・加圧して、前記第一の未加硫ゴム組成物及び前記第二の未加硫ゴム組成物を共に、発泡・加硫させることを特徴とする。
【0025】
本発明の請求項12に係るラバースポンジシート材の製造方法は、発泡剤を含有するシート状をした第一の未加硫ゴム組成物の上に、伸縮性生地を載置し固定した後、当該伸縮性生地の上に、液状をした発泡剤を含有しない第二の未加硫ゴム組成物を塗布又は噴霧し乾燥させて積層シート体を成形し、その後、当該積層シート体を加熱・加圧して、前記第一の未加硫ゴム組成物を発泡させると共に、前記第一の未加硫ゴム組成物及び前記第二の未加硫ゴム組成物を共に加硫させることを特徴とする。
【0026】
本発明の請求項13に係るウェットスーツ類は、少なくとも一部に、前記請求項1乃至8の何れか1項に記載のラバースポンジシート材を用いて作製したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係るラバースポンジシート材によれば、発泡ゴム層が、伸縮性生地の生地目を通って被覆ゴム層の内部に入り込むように架橋し、一方、被覆ゴム層が、伸縮性生地の生地目を通って発泡ゴム層の内部に入り込むように架橋している。ゆえに、互いのゴム層の内部に入り込んだ他方のゴム層部分がアンカー部材のように作用し、発泡ゴム層と被覆ゴム層との間に伸縮性生地を介在させて強固に結合したものとなっている。
【0028】
また、本発明に係るラバースポンジシート材の製造方法によれば、シート状をした第一の発泡剤含有未加硫ゴム組成物の上に、伸縮性生地を載置し固定した後、この伸縮性生地の上に、第二の発泡剤含有未加硫ゴム組成物による層を設けて積層シート体を成形し、その後、加熱・加圧して第一の発泡剤含有未加硫ゴム組成物と第二の発泡剤含有未加硫ゴム組成物とを共に、発泡・加硫させるものとしている。ゆえに、積層シート体を加熱することによって、第一の発泡剤含有未加硫ゴム組成物及び第二の発泡剤含有未加硫ゴム組成物が溶融して液状態となり、これらの液状発泡剤含有未加硫ゴム組成物は、互いに伸縮性生地の生地目に適度に浸入し、さらに反対側へ浸透するように互いに移動する。そして、このとき発泡剤が溶けて発泡が始まると同時に加硫され、伸縮性生地を境にして両側のゴム組成物同士が互いに強固に密着して一体となる。
【0029】
したがって、発泡ゴムシートと伸縮性生地とをラミネートすること無しに、伸縮性生地の上に形成されるゴム層の厚さを厚くすることができ、伸縮性生地が無闇に露呈することがなく、伸縮性があって引き裂き(破れ)強度が高く、保温性、水切れ(水弾き)性においても優れているラバースポンジシート材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係るラバースポンジシート材の構造を説明する断面図である。
【図2】本発明に係るラバースポンジシート材における発泡ゴム層と被覆ゴム層との接合状態を説明する断面模式図である。
【図3】本発明に係るラバースポンジシート材の製造方法を説明する工程図である。
【図4】本発明に係る他のラバースポンジシート材の構造を説明する断面図である。
【図5】本発明に係る他のラバースポンジシート材の製造方法を説明する模式図である。
【図6】従来のラバースポンジシート材の構造を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係るラバースポンジシート材について、図面に基づき説明する。
図1に示すように、本発明のラバースポンジシート材10は、発泡ゴム層1、伸縮性生地2、被覆ゴム層3が順に積層され、発泡ゴム層1及び被覆ゴム層3は、何れも伸縮性生地2を介して互いに他方のゴム層1,3と架橋接合している。ゆえに、発泡ゴム層1と被覆ゴム層3とで伸縮性生地2を挟み込んだ構造のラバースポンジシート材10は、その表面10a近くに伸縮性生地2を埋設した構造となっている。
【0032】
発泡ゴム層1及び被覆ゴム層3は何れも、天然ゴムあるいは合成ゴムを架橋させることにより得られるゴム弾性体であり、それぞれ独立した別個の未加硫ゴム組成物に基づいて形成されている。ゆえに、この発泡ゴム層1及び被覆ゴム層3は、ラバースポンジシート材10の使用目的に応じて、たとえば、何れも発泡ゴム素材よりなるものであっても良いし、発泡ゴム層1が発泡ゴム素材であって、被覆ゴム層3が非発泡ゴム素材(いわゆる、ソリッド)よりなるものであっても良い。これにより、使用目的に応じた適切な性質・機能を有するラバースポンジシート材10とすることができる。
【0033】
これらの発泡ゴム層1及び被覆ゴム層3を発泡ゴム素材とした場合、断熱・保温効果を備える。この発泡ゴム層は、たとえば、クロロプレンやクロロスルホン化ポリエチレンなどの合成ゴムエラストマーの発泡により多数の独立気泡を設けてスポンジ状に形成されており、特に、クロロプレンゴム弾性発泡体が実用上好適である。
【0034】
被覆ゴム層3は、少なくとも伸縮性生地2の生地目の凹凸が浮き出ない(生地目が見えない)程度の厚さを有しているものとすると望ましい。ここで、少なくとも伸縮性生地2の生地目の凹凸が浮き出ない程度の厚さとは、本発明に係るラバースポンジシート材10を用いて作製したウェットスーツ類を着用したときに外側に配される被覆ゴム層3が、ウェットスーツ類の繰り返し使用によって部分的に容易に摩耗せず、かつ、ミシン縫い等による針が伸縮性生地まで届くこととなる厚さをいう。
【0035】
したがって、伸縮性生地2の生地目の凹凸が浮き出ない厚さだからといって被覆ゴム層3の厚さを余りに厚くし過ぎると、ミシンによってラバースポンジシート材10を縫製してウェットスーツ類を作製することが困難となるので、被覆ゴム層3の厚さには注意を要する。
【0036】
また、このラバースポンジシート材10の厚さは、用途に応じて適度に選定されるが、ウェットスーツ等に用いる場合、全体として5〜25mm程度の厚さで製造するのが一般的である。ゆえに、所定の原材料を混練りした発泡剤含有未加硫ゴム組成物を、たとえば、押し出し機やカレンダーロール、プレス圧延機等を用いて所定のゴム厚に圧延する。
【0037】
この未加硫ゴム組成物は、たとえば、発泡剤を含有する場合、加熱・加圧することで縦横の長さで概ね2倍、面積で概ね4倍の大きさに膨張する。ゆえに、この点を考慮して厚さや縦横寸法を選定することを要する。また、このラバースポンジシート材10は、そのままの厚さで使う場合もあるが、たとえば、25mmなどの厚いものについては、適宜必要な厚さにスライスして使用する場合もある。
【0038】
伸縮性生地2は、伸縮性を有する薄布である。具体的には、たとえば、木綿や麻、獣毛、ポリエステル等の合成繊維などの各種材料を糸材としてウーリー加工し、スパンデックス混の糸を用いて織成した織物や編物、編織物からなる薄布とするものであり、特に、ジャージ薄布が伸縮性の点から最も好適である。この伸縮性生地2は、糸材として、ナイロンやポリエステル、ポリプロピレンなどの合成繊維を用いると、撥水性を具備させた薄布とすることができる。
【0039】
また、伸縮性生地2は、発泡剤含有未加硫ゴム組成物の膨張および加熱によっても、なおその伸縮性、耐久性を失わない性質の素材でなければならない。したがって、上述したナイロンやポリエステル等のジャージ生地に限定されず、このような性質や強度、伸縮性を持つ生地であれば他の合成繊維や天然繊維によるものであっても良い。また、伸縮性生地2とする糸の太さや、伸縮性生地2の厚みは、使用の目的によって適時選択可能である。
【0040】
ここで、発泡ゴム層1と被覆ゴム層3とが伸縮性生地2を介して互いに他方のゴム層1,3と架橋接合している状態とは、上述したように、発泡ゴム層が伸縮性生地の生地目を通って被覆ゴム層の内部に入り込むように架橋し、一方、被覆ゴム層が伸縮性生地の生地目を通って発泡ゴム層の内部に入り込むように架橋していることを意味し、たとえば、図2にて説明するように模式的に示すことができる。
図2において、ラバースポンジシート材10は、伸縮性生地2の生地目12を通って発泡ゴム層1の一部1aが被覆ゴム層3の内部に入り込むように架橋し、一方、伸縮性生地2の生地目12を通って被覆ゴム層3の一部3aが発泡ゴム層1の内部に入り込むように架橋しているものとして示されている。
【0041】
ゆえに、本発明に係るラバースポンジシート材10においては、互いのゴム層1,3の内部に入り込んだ他方のゴム層部分1a,3aがアンカー部材のように作用し、発泡ゴム層1と被覆ゴム層3との間に伸縮性生地2を介在させて強固に結合したものとなっている。
【0042】
なお、図2においては、発泡ゴム層1と被覆ゴム層3とが伸縮性生地2の生地目12を規則正しく通って互いの内部に入り込んだものとして示されているが、実際は不規則に絡み合うように入り組んで接合されているものと思われる。
【0043】
次に、本発明に係るラバースポンジシート材の製造方法について説明する。
本発明においてラバースポンジシート材10は、通常行われている発泡合成ゴムシートの製造方法の場合と同様に、原材料を混練り、分出し(練りゴムをシート状に加工)した未加硫ゴム組成物を一度の加熱・加圧工程もしくは複数回の加熱・加圧工程により製造することが出来る。ここでは、発泡ゴム層1及び被覆ゴム層3が何れも発泡ゴム素材よりなるものであって、1次プレス及び2次プレスを経て製造する二段階の加熱・加圧工程で行う場合を例に説明する。
【0044】
まず、原材料を混練りし、図3(A)に示すように、所定の厚さに圧延した発泡剤を含有するシート状をした第一の未加硫ゴム組成物1Aを作製する。
この第一の未加硫ゴム組成物1Aに使用されるゴム材料は特に限定されず、たとえば、ウェットスーツ用のラバースポンジシート材を製造する場合に広く用いられているクロロプレンなど、種々のゴム材料を使用することができる。ここで、第一の未加硫ゴム組成物1Aとする原材料の配合割合の一例を挙げると、以下の[表1]に示すとおりである。
【0045】
【表1】

【0046】
次いで、図3(B)に示すように、第一の未加硫ゴム組成物1Aの上にテンションを掛けずに伸縮性生地2を載置し固定する。この伸縮性生地2の第一の未加硫ゴム組成物1Aへの固定手段は特に限定されず、たとえば、ピン等の固定具を用いて、伸縮性生地2の周囲を第一の未加硫ゴム組成物1Aに固定するものであっても良い。なお、この伸縮性生地2の固定を行わなかったり、その固定が不十分であると、後の加硫・発泡工程において、伸縮性生地2がシワになったり、金型からはみ出してしまう虞があり、発泡ゴム層が変形したものとなってしまうので注意を要する。
【0047】
引き続き、図3(C)に示すように、この伸縮性生地2の上に、第一の未加硫ゴム組成物1Aと同一の原材料の配合割合で同様に作製した、第一の未加硫ゴム組成物1Aと比べて薄厚であるシート状の第二の未加硫ゴム組成物3Aを載置する。この第二の未加硫ゴム組成物3Aは、上述したとおり、少なくとも伸縮性生地2の生地目の凹凸が浮き出ない(生地目が見えない)程度の厚さを有しているものとする。
【0048】
そして、図3(D)に示すように、伸縮性生地2の上に第二の未加硫ゴム組成物3Aの層を設けて積層シート体11を成形(作製)する。
その後、この積層シート体11を金型に充填し、加熱・加圧して第一の未加硫ゴム組成物1A及び第二の未加硫ゴム組成物3Aを同時に発泡させると共に加硫させる。ゆえに、第一の未加硫ゴム組成物1Aと伸縮性生地と第二の未加硫ゴム組成物3Aとを単純に積層しただけの状態では、発泡剤による発泡は始まっていない。
なお、この時の仕込み重量は、金型サイズ、原材料の配合比率により決まる。
【0049】
この積層シート体11は加硫工程にて加熱されると、常温では固体である第一の未加硫ゴム組成物1A及び第二の未加硫ゴム組成物3Aが溶融して液状態となり、これらの液状発泡剤含有未加硫ゴム組成物1A,3Aが、プレス圧も加わることで互いに伸縮性生地2の生地目12に適度に浸入する。そして、伸縮性生地2の生地目12に浸入した液状未加硫ゴム組成物1A,3Aは、さらに反対側へ浸透するように互いに移動する。このとき、発泡剤も溶けて発泡が始まると同時に加硫され、第一の未加硫ゴム組成物1Aと伸縮性生地2と第二の未加硫ゴム組成物3Aは互いに結合して一体となる。
【0050】
この積層シート体11の加熱・加圧工程は、たとえば、次のように行うことができる。
まず、1次プレスでは、金型に挿入(充填)された積層シート体11を、140℃を最適温度として130〜150℃の温度で加熱すると共に、150Kgf/cmを最適圧力として140〜160Kgf/cmの圧力の条件で、13〜18分間を目安としてプレスする。
【0051】
次いで、2次プレスでは、1次プレス後の積層シート体を2次プレスの金型に挿入(充填)し、167℃を最適温度として160〜180℃の温度で加熱すると共に、55Kgf/cmを最適圧力として50〜60Kgf/cmの条件下で、13〜15分間を目安として再度プレスする。
【0052】
以上のようにして製造されたラバースポンジシート材10は、予めシート状に作製された未加硫ゴム組成物1A,3A同士を架橋接合するものであるので、図1に示すように、被覆ゴム層3側の表面10aにおいて平坦な水切れの良いものであって、伸縮性生地2が無闇に露呈することがない、その生地目12が見えない程度の厚さを有するものとすることができる。
【0053】
なお、上記ラバースポンジシート材の製造方法においては、発泡ゴム層1及び被覆ゴム層3が何れも発泡ゴム素材よりなる場合について説明したが、本発明に係るラバースポンジシート材としては、被覆ゴム層3が非発泡ゴム素材よりなる場合も含むものである。したがって、被覆ゴム層13が非発泡ゴム素材よりなるラバースポンジシート材を製造する場合は、上述した原材料の配合において発泡剤を含まない以外は同様にして第二の未加硫ゴム組成物を作製し、さらに、積層シート体を成形(作製)する。そして、この積層シート体を加熱・加圧して、第一の未加硫ゴム組成物を発泡させると共に、第一の未加硫ゴム組成物及び第二の未加硫ゴム組成物を共に加硫させることにより、被覆ゴム層3が非発泡ゴム素材よりなるラバースポンジシート材を製造することができる。
【0054】
また、本発明においては、伸縮性生地2の上に形成されるゴム層の厚さを容易に調整し、図4に示すように、伸縮性生地2の生地目12による凹凸が模様として表面に現れたラバースポンジシート材20とすることもできる。
図4においてラバースポンジシート材20は、発泡ゴム層1、伸縮性生地2、被覆ゴム層13が順に積層され、伸縮性生地2の生地目12による凹凸が現れた表面20a近くに伸縮性生地2を埋設した構造となっている。もちろん、この発泡ゴム層1と被覆ゴム層13は、何れも伸縮性生地2を介して互いに他方のゴム層1,13と架橋接合している。
【0055】
このようなラバースポンジシート材20は、たとえば、次のようにして製造することが出来る。ここでは、発泡ゴム層1及び被覆ゴム層13が何れも発泡ゴム素材よりなるものである場合を例に説明する。
まず、所定の厚さに圧延した発泡剤を含有するシート状をした第一の未加硫ゴム組成物1Aを作製し、この第一の未加硫ゴム組成物1Aの上に、テンションを掛けずに伸縮性生地2を載置し固定する(図3(B)参照)。この工程までは、上述したラバースポンジシート材10の製造工程と同様である。
【0056】
次いで、図5(A)に示すように、この伸縮性生地2の上に、液状をした発泡剤を含有する第二の未加硫ゴム組成物13Aを、伸縮性生地2の生地目12による凹凸が完全に隠れない程度に塗布又は噴霧する。このように第二の未加硫ゴム組成物13Aを塗布又は噴霧することで、伸縮性生地2の上に形成される被覆ゴム層13の厚さを容易に調整することができる。
そして、図5(B)に示すように、伸縮性生地2の上に設けた第二の未加硫ゴム組成物13Aの層を乾燥させることにより、積層シート体21を成形(作製)する。
【0057】
その後、再び上述したラバースポンジシート材10の製造工程と同様に、積層シート体21を金型に充填し、加熱・加圧して第一の未加硫ゴム組成物1A及び第二の未加硫ゴム組成物13Aを同時に発泡させると共に加硫させる。
【0058】
以上のように製造されたラバースポンジシート材20は、発泡ゴム層1と伸縮性生地2と被覆ゴム層13が順に積層され、被覆ゴム層13側の表面20aにおいて伸縮性生地2の生地目12による凹凸を模様として現すことができると共に、発泡ゴム層1及び被覆ゴム層13が、何れも伸縮性生地2を介して互いに他方のゴム層1,13と架橋接合して、接着層等の他の層が介在することなく強固に密着して一体となっている。
【0059】
また、被覆ゴム層13が非発泡ゴム素材となる場合は、液状をした発泡剤を含まない第二の未加硫ゴム組成物を伸縮性生地の上に塗布又は噴霧して第二の未加硫ゴム組成物の層を設け、上述と同様にして乾燥させることにより、積層シート体を成形(作製)する。そして、この積層シート体を加熱・加圧して、第一の未加硫ゴム組成物を発泡させると共に、第一の未加硫ゴム組成物及び第二の未加硫ゴム組成物を共に加硫させることにより、被覆ゴム層13が非発泡ゴム素材であって、伸縮性生地2の生地目12による凹凸を模様として現すことができるラバースポンジシート材を製造することができる。
【0060】
なお、本発明において予め伸縮性生地2を、弾性のあるロールと型を彫った金属製の加熱ロールの間に挟み込んで模様を浮き出せるエンボス加工を施しておけば、様々な浮きだし模様を有するものとすることができる。この模様は、水の抵抗を受ける虞がない程度の凹凸であって、水切れを妨げるものでもない。
【0061】
したがって、本発明において被覆ゴム層の厚さは、ラバースポンジシート材の表面において伸縮性生地2の生地目12における凹凸が模様として見える程度から、生地目12の凹凸が完全に隠れる(発泡ゴム層の表面が平滑となる)まで、目的に応じて適宜選択することが出来る。
【0062】
以上のようにして製造されたラバースポンジシート材10,20を少なくとも一部に用いて、ウェットスーツ類を作製する。ここで、ウェットスーツ類とは、たとえばウェットスーツやドライスーツ、及びグローブなど、ダイビングやサーフィンといった水中や水上等で行うマリンスポーツにおいて着用する運動用保護衣や、水中探索(調査)や水中土木、漁、人命救助といった水中や水底等で行う諸作業において着用する作業用保護衣をいう。
【0063】
このラバースポンジシート材10,20は、そのまま、もしくは適宜所望の厚さとなるように平面方向にスライスして用いることで、伸縮性があって引き裂き(破れ)強度が高く、保温性、水切れ(水弾き)性において優れ、かつ、伸縮性生地が無闇に露呈することがない耐久性のあるウェットスーツ類を作製することができる。
【0064】
また、本発明に係るラバースポンジシート材10,20は、発泡ゴム層1及び被覆ゴム層3(13)が何れも独立した別個の未加硫ゴム組成物に基づいて形成されるものであるので、たとえば、以下のように発泡ゴム層1と被覆ゴム層3(13)が、互いに異なる性質・機能を有するものとすることができる。
【0065】
すなわち、本発明に係るラバースポンジシート材においては、発泡ゴム層及び被覆ゴム層が、互いに硬さが異なるものとしても良い。硬さが異なるものとするには、何れか一方の未加硫ゴム組成物に対して加える軟化剤の量を増減することで、軟らかさを調整することができる。
このように発泡ゴム層の硬さを異なるものとすることで、一面側と他面側とで硬さの異なるラバースポンジシート材とし、用途に応じて好ましい硬さを選択することができる。
【0066】
また、本発明に係るラバースポンジシート材においては、発泡ゴム層及び被覆ゴム層が、互いに比重が異なるものとしても良い。比重が異なるものとするには、何れか一方の未加硫ゴム組成物に対して加える発泡剤の量を増減することで、発泡の程度を調整し(発泡ゴム層に含まれる独立気泡の量を調整し)、比重を変更することができる。
このように発泡ゴム層の比重を異なるものとすることで、一面側と他面側とで厚みや重さが異なるラバースポンジシート材とし、保温性や全体的な厚みを考慮しつつ軽量なラバースポンジシート材とすることができる。
【0067】
また、本発明に係るラバースポンジシート材においては、発泡ゴム層及び被覆ゴム層が、互いに色彩が異なるものとしても良い。色彩が異なるものとするには、互いの未加硫ゴム組成物に対して加える着色剤を異なるものとすることで、色彩を選択することができる。
このようにゴム層の色彩を異なるものとすることで、一面側と他面側とで色彩の異なるラバースポンジシート材とし、用途に応じて露呈させる表面の色彩を選択することができる。しかも、人目に触れる何れか一方のゴム層だけの色彩を変えれば良いので、他方のゴム層は共通の色彩を呈するものとすることができ、在庫量を抑えることができる。
【0068】
さらに、本発明に係るラバースポンジシート材においては、発泡ゴム層及び/又は被覆ゴム層が、遠赤外線発生、静電防止、マイナスイオン発生といった機能性効果付与材を少なくとも1以上含むものとしても良い。この機能性効果付与材は、ラバースポンジシート材そのものには備わっていない種々の特殊な効果を発現する各素材をいう。
【0069】
遠赤外線発生効果を発現する素材としては、たとえば、Al23(アルミナ)またはZrO3(酸化ジルコニウム)を主成分とするセラミックの粉末等を挙げることができる。このように発泡ゴム層及び/又は被覆ゴム層が、遠赤外線発生素材を含むものとすることで、遠赤外線の効果による保温性の高いラバースポンジシート材とすることができる。このような保温効果は、内側(ウェットスーツ類を着用したときに肌に接する側)に配される発泡ゴム層に付与すると望ましい。
【0070】
静電防止効果を発現する素材としては、たとえば、カーボンブラック、亜鉛や錫等の電導性金属粉末といった帯電防止剤等を挙げることができる。このように発泡ゴム層及び/又は被覆ゴム層が、静電防止素材を含むものとすることで、ゴム層に帯電する静電気を効率良く放電する効果を有するラバースポンジシート材とすることができる。このような静電防止効果は、着用したときに肌と擦れる内側、及び作業等において外部要素と擦れる外側の双方に配される発泡ゴム層に付与すると良い。
【0071】
マイナスイオン発生効果を発現する素材としては、たとえば、ゲルマニウムやトルマリン、酸化チタン(TiO)のような鉱物の粉末等を挙げることができる。このように発泡ゴム層及び/又は被覆ゴム層が、マイナスイオン発生素材を含むものとすることで、マイナスイオンによる生体電流のバランス調整効果によって、肌などの美容や、健康増進が図られるラバースポンジシート材とすることができる。このようなマイナスイオン発生効果は、着用したときに内側に配される発泡ゴム層に付与すると良い。
【0072】
なお、本発明において機能性効果付与材は上述したものに限定することなく、ラバースポンジシート材には備わっていない所望の効果を発現する各素材とすることができる。もちろん、複数の素材を用いることで複数の効果を発揮し得るようにしたり、複数の効果を発揮し得る一つの素材を用いたりしても良い。
これにより、発泡ゴム層及び/又は被覆ゴム層に適宜所望の効果を具備させることで、幅広くウェットスーツ類を作製するのに利用可能なラバースポンジシート材とすることができる。
【符号の説明】
【0073】
1 発泡ゴム層、1A 第一の未加硫ゴム組成物、1a 発泡ゴム層の一部、2 伸縮性生地、3,13 被覆ゴム層、3A,13A 第二の未加硫ゴム組成物、3a 被覆ゴム層の一部、10,20 ラバースポンジシート材、10a,20a 表面、11,21 積層シート体、12 生地目。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡ゴム層、伸縮性生地、被覆ゴム層が順に積層され、
前記発泡ゴム層及び前記被覆ゴム層は、何れも前記伸縮性生地を介して互いに他方のゴム層と架橋接合していることを特徴とするラバースポンジシート材。
【請求項2】
前記被覆ゴム層は、発泡ゴム素材よりなることを特徴とする請求項1に記載されたラバースポンジシート材。
【請求項3】
前記被覆ゴム層は、非発泡ゴム素材よりなることを特徴とする請求項1に記載されたラバースポンジシート材。
【請求項4】
前記被覆ゴム層は、少なくとも前記伸縮性生地の生地目の凹凸が浮き出ない程度の厚さを有していることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載されたラバースポンジシート材。
【請求項5】
前記発泡ゴム層及び前記被覆ゴム層は、互いに硬さが異なることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載されたラバースポンジシート材。
【請求項6】
前記発泡ゴム層及び前記被覆ゴム層は、互いに比重が異なることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載されたラバースポンジシート材。
【請求項7】
前記発泡ゴム層及び前記被覆ゴム層は、互いに色彩が異なることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載されたラバースポンジシート材。
【請求項8】
前記発泡ゴム層及び/又は前記被覆ゴム層は、遠赤外線発生、静電防止、マイナスイオン発生といった機能性効果付与材を少なくとも1以上含むことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載されたラバースポンジシート材。
【請求項9】
発泡剤を含有するシート状をした第一の未加硫ゴム組成物の上に、伸縮性生地を載置し固定した後、当該伸縮性生地の上に、発泡剤を含有するシート状をした第二の未加硫ゴム組成物を載置して積層シート体を成形し、その後、当該積層シート体を加熱・加圧して、前記第一の未加硫ゴム組成物及び前記第二の未加硫ゴム組成物を共に、発泡・加硫させることを特徴とするラバースポンジシート材の製造方法。
【請求項10】
発泡剤を含有するシート状をした第一の未加硫ゴム組成物の上に、伸縮性生地を載置し固定した後、当該伸縮性生地の上に、発泡剤を含有しないシート状をした第二の未加硫ゴム組成物を載置して積層シート体を成形し、その後、当該積層シート体を加熱・加圧して、前記第一の未加硫ゴム組成物を発泡させると共に、前記第一の未加硫ゴム組成物及び前記第二の未加硫ゴム組成物を共に加硫させることを特徴とするラバースポンジシート材の製造方法。
【請求項11】
発泡剤を含有するシート状をした第一の未加硫ゴム組成物の上に、伸縮性生地を載置し固定した後、当該伸縮性生地の上に、液状をした発泡剤を含有する第二の未加硫ゴム組成物を塗布又は噴霧し乾燥させて積層シート体を成形し、その後、当該積層シート体を加熱・加圧して、前記第一の未加硫ゴム組成物及び前記第二の未加硫ゴム組成物を共に、発泡・加硫させることを特徴とするラバースポンジシート材の製造方法。
【請求項12】
発泡剤を含有するシート状をした第一の未加硫ゴム組成物の上に、伸縮性生地を載置し固定した後、当該伸縮性生地の上に、液状をした発泡剤を含有しない第二の未加硫ゴム組成物を塗布又は噴霧し乾燥させて積層シート体を成形し、その後、当該積層シート体を加熱・加圧して、前記第一の未加硫ゴム組成物を発泡させると共に、前記第一の未加硫ゴム組成物及び前記第二の未加硫ゴム組成物を共に加硫させることを特徴とするラバースポンジシート材の製造方法。
【請求項13】
少なくとも一部に、前記請求項1乃至8の何れか1項に記載のラバースポンジシート材を用いて作製したことを特徴とするウェットスーツ類。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−16827(P2012−16827A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−153705(P2010−153705)
【出願日】平成22年7月6日(2010.7.6)
【出願人】(508025356)シンギー株式会社 (1)
【出願人】(596172439)ナショナル護謨株式会社 (1)
【Fターム(参考)】