ラビリンスストッパを備えた多層ガスケット
多層金属ガスケット(40)は、第1の機能層(28)および第2の機能層(30)を有する。各層(28,30)は、流体通路または燃焼室を封止するために開口部(34,38)を含む。各層(28,30)は、反対方向に曲げられ入れ子になった形状で互いに重なり合う折返されたリップまたはリム(50,52)を含み、ガスケットアセンブリ(40)の圧縮ストッパ機能としても機能するラビリンスを形成する。封止ビード(42,44)が各層(28,30)に形成され、好ましくは山と山とが向き合って互いに接触するように配置されて封止を完成させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本願は、2010年2月19日に提出された仮特許出願番号第61/306,093号の優先権を主張し、その全開示を引用によってここに援用し依拠する。
【0002】
発明の背景
発明の分野
本発明は多層ガスケットに関し、特に、2つの噛合う表面の間に設置されたときのガスケットの圧縮高さを限定するためのストッパを含むものに関する。
【背景技術】
【0003】
関連する技術
多層鋼(MLS)ガスケットとも称される多層金属ガスケットは、2つの噛合う部材によって共有される通路の周りに流体密封が形成されることが必要な静止封止用途に一般に使用される。たとえば、図1の20において概略的に示されるMLSガスケットは、シリンダヘッド22とエンジンブロック24との間にクランプされ、多数の燃焼室の周りと、2つの噛合う部材22,24によって共有されるオイル潤滑通路の周りとにおける燃焼封止を完成させ得る。しかし、多層金属ガスケットは、排気マニホルドをエンジンブロックに封止するためなどの他の用途や、他のエンジンおよび非エンジン用途にも使用することができる。先行技術の多層ガスケット20の拡大図を図2に示す。多くの場合、図1および図2に示されるようなシリンダヘッドガスケット20は、エンジンブロック24中の多数のシリンダと対応するように多数の穴状開口部を含む。隣接する開口部間の狭い領域をブリッジ部分26と称する。従来の多層ガスケット用途では、ブリッジ部分26は封止するのが難しい領域であり得る。隣接するシリンダにおける圧縮と膨張との間の恒常的な移行により、ガスケット20の狭い細片では包含するのが難しい大幅な周期的な圧力差が生じる。その結果、一部の燃焼ガスが特にブリッジ部分26においてガスケット20の多層を通って漏れるのが一般的であり、エンジン効率がいくらか損失することになる。
【0004】
多層ガスケットは、かなり低くかつ/またはきわめて可変の接触圧力下において有効に封止することができる最小厚みのガスケットを必要とする用途に特に有用である。本発明の譲受人に譲渡され、その全開示が引用によってここに援用される米国公開番号第2005/0189724号は、シリンダチャンバと一致するそれぞれの開口部が形成された第1および第2の機能層を含む多層金属ガスケットを開示している。当該機能層は、圧縮限定機能として機能して最終的なつまり十分に圧縮され組立てられた高さを定める介在ストッパ層とともに、開口部の周りに対向する封止ビードを含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
多くの先行技術の多層ガスケット設計における欠点の1つは、燃焼室のための開口部の周りで終端しているために積層されている機能層の露出した端縁において容易に生じ得る燃焼ガス漏れ経路、または噛合う表面間で共有されている他の流路に起因し得る。燃焼ガスは、圧縮ストッパ、封止ビードおよびガスケットの他の圧縮された層によって典型的に抑えられる。しかし、燃焼圧力が変動し振動が伝搬するにつれて、ガスケット層におけるわずかな分離によって、瞬時的であるが再発する高温燃焼ガスの漏れ経路が可能となり得、エンジン効率が低下することになる。さらに、多層ガスケットのコストが常に懸念されており、より低コストな設計が求められている。これらの理由および他のすべてにより、先行技術設計に固有の欠点を克服し、かつ最小のコスト増加または製造複雑度にて燃焼ガスのより良好な封止をもたらすことになる新しくかつ改良された多層ガスケットが当該分野において必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の概要
噛合う部材間をクランプして、当該噛合う部材によって共有されている通路の周りに流体密封を完成させるための種類の多層ガスケットアセンブリが提供される。ガスケットアセンブリは、概ね均一な厚みを有する概ね平坦な本体を含む第1の機能層を含む。第1の層は、2つの噛合う部材間に延在する共有されている通路の周りを封止するために第1の開口部をその中に有する。同様に、第2の機能層は、概ね均一な厚みを有する概ね平坦な本体を含む第2の機能層と、共有されている通路の周りを封止するために第2の開口部とを有する。第1および第2の層は、それぞれの第1の開口部および第2の開口部が横方向に延在する軸に沿って概ね位置合せされるように互いに重なり合う。アセンブリは、第1の開口部から離間された少なくとも1つの封止ビードを含む。第1の層は、第1の開口部に直接隣接し包囲する第1のリムを含む。第1のリムは、第1の層の平坦な本体から第1の末端縁まで横方向に延在する。第1のリムは、第1の開口部において横方向に測定される第1のリム高さを有する。第2の層は、第2の開口部に直接隣接し包囲する第2のリムを含む。第2のリムは、第2の層の平坦な本体から第2の末端縁まで横方向に延在し、第2の開口部において横方向に測定されるリム高さを有する。第1のリムは、入れ子になった関係で第2のリムを近接して包囲し、ラビリンスストッパを形成する。
【0007】
入れ子状の第1および第2のリムによって形成される本主題発明のラビリンスストッパは、特にガスケット層同士の間において、かつ振動および周期的な圧力変動によりガスケット層同士の間にわずかな分離が生じ得る状態でも流体の漏れに抵抗する、燃焼ガスのための蛇行経路を形成する。その結果、本発明のガスケットアセンブリは、ガスケットアセンブリの性能が向上する。さらに、ラビリンスストッパは、既知の構造技術を用いて製造するのが容易であり、好ましい実施例では、それぞれの第1および第2の機能層を製造するのに使用される基材から一体的に形成されることができる。これは、したがって、溶接するかもしくは他の方法で別個のストッパ層を固着することなく、またはより複雑な製造技術によって行うことができる。
【0008】
図面の簡単な説明
本発明のこれらおよび他の機能および利点は、以下の詳細な説明および添付の図面に関連して考慮されるとより容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】多層ガスケットがエンジンブロックとシリンダヘッドとの間に配置されている、部分的に分解された先行技術のエンジンアセンブリを示す図である。
【図2】先行技術に係る多層シリンダヘッドガスケットの拡大断片図である。
【図3】新規なラビリンスストッパ機能を含む主題発明に係るガスケットアセンブリの断片断面図である。
【図4A】本発明の一実施例にしたがって製造されたガスケットの第1および第2の機能層についての組立の経過を示し、第1および第2のリムの相対的な高さを強調する図である。
【図4B】本発明の一実施例にしたがって製造されたガスケットの第1および第2の機能層についての組立の経過を示し、第1および第2のリムの相対的な高さを強調する図である。
【図4C】本発明の一実施例にしたがって製造されたガスケットの第1および第2の機能層についての組立の経過を示し、第1および第2のリムの相対的な高さを強調する図である。
【図5】図4Cのような拡大斜視図である。
【図6】一対の並列の開口部を含み、第2の機能層がガスケットのブリッジ部分を通る部分断面図において示される、本発明に係るガスケットアセンブリの断片図である。
【図7】主題のガスケットアセンブリのブリッジ部分の拡大断面図であり、ラビリンスストッパによって形成される蛇行ガス漏れ経路を例示する図である。
【図8】第1および第2の層の間に配置された中間シム層を含む本発明の代替的な実施例の断面図である。
【図9】ラビリンスストッパと第2の層の封止ビードとの間に配置された補助部材を含む本発明の別の代替的な実施例を示す断面図である。
【図10】第1の層上への任意の補助部材の代替的な配置を示す、図9のような図である。
【図11】第1および第2の層に任意のエラストマーコーティングが設けられ、封止ビードが互いから離れる方に面するように配置される、本発明のさらに代替的な実施例を示す断面図である。
【図12】波状の輪郭を有する第2の層の第2のリムを示す主題発明の代替的な実施例の図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
好ましい実施例の詳細な説明
図面を参照して、同じ数字は複数の図にわたって同じかまたは対応する部分を示す。本発明に係る多層ガスケットは、図3〜図10の40に概略的に示される。28に概略的に示される第1の機能層と、30に概略的に示される第2の機能層とを含む好ましい実施例を図3〜図7に示す。第1の層28は、概ね均一な厚みAを有する概ね平坦な本体32を含む(図4Aおよび図5参照)。シリンダヘッドとシリンダーブロックとの間の燃焼開口部の周りなど、封止されることになる2つの噛合う部材間の共有通路の周りを封止するために、第1の開口部34が第1の層28に形成される。第2の機能層30は第1の層28と構造が同様であり得、概ね平坦な第2の本体36および第2の開口部38も含む。互いに一体として組立てられると、第1の層28および第2の層30はガスケットアセンブリを形成する。アセンブリ40において、第1の層28および第2の層30は、それぞれの第1の開口部34および第2の開口部38が概ね位置合せされるように互いに重なり合う。開口部34,38が円形または楕円形構造のように軸を基準として規定することができる場合、2つの層28,30は横方向に延在する軸に沿って位置合せされていると言える。エンジンのシリンダヘッドを封止するのに使用されるガスケットアセンブリ40の例では、図6に示されるように、軸Dが燃焼室の穴軸線と一致することになる。
【0011】
ガスケットアセンブリ40は、開口部34,38を取り囲む封止ビード42,44を少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ含む。封止ビード42,44は、ガスケットアセンブリ40の中間または非機能層上に担持され得るが、より好ましくは第1の層28および第2の層30上に配置される。封止ビード42,44は、一体的に形成されてもよいし、別個に形成されて図示されているように取付けられてもよい。好ましくは、両方の封止ビード42,44が互いに対向し、ガスケットアセンブリ40の封止機能性を強化するように共同で作用する。特に、第1の層28は、第1の開口部34から離間された、一体的に形成された第1の封止ビード42を含み、第2の層30は、その第2の開口部38から離間された第2の封止ビード44を含む。たとえばシリンダヘッドガスケット用途では典型的であるようにそれぞれの開口部34,38が円形である状況では、封止ビード42,44も円形であることが好ましいが、もちろん他の形状が可能である。図4A〜図4Cのように断面図で見ると、本実施例の封止ビード42,44は半円形状を有するものとして示され、各々が山46,48をそれぞれ含む。第1の封止ビード42の山46は、平坦な本体32から横方向にオフセットされる。横方向へのオフセットは、軸Dの方向に測定される。同様に、第2の封止ビード44の山48は、第2の平坦な本体36から横方向にオフセットされる。好ましい実施例では、第1の封止ビード42は、第2の封止ビード44と反対の方向に第1の層28から横方向にオフセットされ、より特定的には、2つの封止ビード42,44は、図3、図4Cおよび図5に示されるように、層28,30の間の空間においてそれぞれの山46,48が互いに接触するように配置される。
【0012】
図3〜図5において、第1の層28は、第1の開口部34と直接隣接し包囲する第1のリム50を含んで示される。第1のリム50は、第1の開口部34に沿って横方向に測定される第1のリム高さに対応する距離Cだけ、平坦な本体32から横方向つまり軸Dの方向に延在する。第1のリム高さCは図4A〜図4Cに示される。第2の層30は、第2の開口部38と直接隣接し包囲する第2のリム52を含む。第2のリム52は、第2の開口部38に沿って横方向に測定される第2のリム高さに対応する距離Bだけ、第2の層の平坦な本体36から横方向に延在する。第2のリム高さBは図4Aおよび図5に例示される。
【0013】
図面に示されるように、図3、図4Cおよび図5に示されるように組立てられたガスケット40に組込まれたときに、第1のリム50が入れ子になった関係で第2のリム52を近接して包囲してラビリンスストッパを形成するように、第1のリム50の寸法は第2のリム52の寸法より大きい。より特定的には、リム50,52と第1の層の厚みAとの間の寸法的関係は、第1のリム高さCが第2のリム高さBおよび第1の層28の平坦な本体の厚みAと実質的に等しいというものである。この関係(C=A+B)は、図4Aおよび図5にかなり明確に示される。その結果、この形態で配置されたリム50,52の組合せがガスケットアセンブリ40のストッパを形成する。ストッパは、当業者には容易に明白となるように、シリンダヘッドガスケットを含むガスケット用途に一般に使用されるが、他の用途にも使用され、封止ビード42,44が過剰圧縮されず、ばね状のままであり、正常動作条件下で作用し合うように、クランプ負荷を吸収する。本発明では、ともに作用するリム50,52が、使用の際に変動する圧力および振動の下で層28,30が横方向にシフトしてもガスをより漏れにくくするラビリンス設計をもたらす。
【0014】
図6および図7におそらく最も良く示されるように、本発明のラビリンス機能は、多シリンダエンジンシリンダヘッドを封止する場合、または互いに近接して配置されているマニホルドにおいて多数のポートを封止する場合など、2つの並列の開口部がガスケットアセンブリ40に形成される用途において特に有利であり得る。これらの状況では、隣接する開口部間の圧力差がかなり重要であり、急速に変動し得るという事実に特に鑑みると、ブリッジ部分として一般に知られている、隣接する開口部間のガスケット材料の狭い領域は封止しにくい場合がある。図7は、本発明のラビリンス設計によって形成された蛇行経路を破線矢印によって示し、この特定の例では、ガスケットアセンブリ40中の層28,30の間を移動する際に燃焼ガスがこの経路を通って強制的に進められる。主題のガスケットアセンブリ40のストッパ部分のラビリンス設計は、燃焼ガス封止を向上させるのに、または他の封止された高圧もしくは低圧の流体およびガスに、特に効果的であることが明白であろう。ときには高温でもある高圧ガスがラビリンスを流れようとすると急激な圧力降下が生じることから、ラビリンス設計が効果的である。この性質の設計は、クランプ負荷が小さいほど、はるかに良好に機能すると予測することができる。さらに、主題のガスケットアセンブリ40の設計および構造は、たとえばレーザ溶接されたストッパガスケットよりも比較的低い費用で、かつ大部分の先行技術の設計よりも低い工具費で製造することができる点で大きな商業的利点をもたらす。
【0015】
これにより、入れ子になった重なり合うリム50,52によって確立される本発明のラビリンスストッパ設計は、燃焼ガスまたは他の流体が周りに漏れにくい経路をもたらす。図3〜図7に例示される設計は例示的な一実施例のみを示す。当業者は、代替的な設計可能性、たとえば図8〜図13に例示されるものを容易に理解するであろう。
【0016】
図8の例では、ガスケットアセンブリ40はシム層54を含んで示される。もちろん、当該分野で既知の法則を使用して、多数のシムとさらに付加的な機能層(図示せず)とが含まれ得る。図9は、第2の封止ビード44と第2のリム52との間の第2の機能層30に取付けられた補助部材56を含む主題のガスケットアセンブリ40の別の変形例を例示する。補助部材56は、圧縮不可能であってストッパ機能に協力することもできるし、代替的に、圧縮可能であってガスケットアセンブリ40の封止能力をさらに強化するように機能することもできる。たとえば、補助部材56は、第1のリム50および第2のリム52によって形成され、動作の際に流体漏れをさらに妨げるラビリンス設計に対する安全装置として使用され得る。図10は、図9と同様のさらに代替的な設計を示すが、補助部材56は、第2の層30ではなく第1の層28に対応付けられている。
【0017】
図11は主題発明の代替的な実施例を例示し、先の実施例と同じかまたは対応する部分を例示するために、ダッシュ記号を付した参照符号を使用する。この例では、封止ビード42′,44′は、噛合う表面間で圧縮された時でもそれぞれの山46′,48′が互いに接触しないように、互いから外側に延在する。またこの例では、第1の層28′はガスケットアセンブリ40′の頂部側に配置されて示され、第2の層30′はガスケットアセンブリ40′の底面を形成する。またこの例では、先に言及した米国公開第2005/0189724号により十分に記載されているような既知の技術と一致するガスケットに適用され得る任意のエラストマーコーティング58が示されている。
【0018】
もちろん、図のすべてにわたって示される多様な代替的な形状をほぼ交換可能に使用して、発明の範囲内において広範なガスケット構造を形成することができる。なお、第1のリム高さCと第2のリム高さBとの関係を、式A+B=Cが必ずしも当てはまらないように変更することもできる。たとえば、両方のリム50,52が協力して作用する代わりに、第1のリム高さCまたは第2のリム高さBのいずれかを若干延ばして該当するリム50,52がストッパ機能として単独で機能することができる。たとえば、第2のリム高さBが縮められた場合、ガスケットアセンブリ40が使用の際に十分圧縮されたとき第1の機能層の平坦な本体32と接触しないことになる。この例では、図9および図10に示される補助部材56とおそらく組合わされて、第1のリム50がガスケットのストッパ機能として単独で機能する。代替的に、第1のリム高さCが若干縮められた場合は、圧縮されたときに第2のリム52が第1の平坦な本体32と接触し、場合によっては補助部材56と組合わされて単独でストッパ機能として機能するであろう。したがって、好ましい実施例ではリム50,52両方が協動してストッパを形成するが、本発明のいくつかの意図される実施例では、いずれかが単独で作用することができる。
【0019】
さらに、図12に示されるように、第2のリム52″を波状の輪郭60で形成することができ、その互い違いのピーク62が第2のリム高さを定める。この例では、先の実施例中の部分に対応する参照符号をダブルダッシュ記号で示す。波状の輪郭60は、図12および図13では概ね正弦波形状を有して示され、明確にするために極めて誇張されている。もちろん、波状の輪郭を第1のリム52″上に形成することによって同様の構造を確立してもよい。
【0020】
主題発明のラビリンス設計は、2つの機能層28,30を対向する方向に折返して図面に示されるようにそれぞれのリム50,52を形成することによって形成される。組立てられるとリム50,52は互いに噛合い、流体漏れに対して組合わされたストッパおよびラビリンスバリアとして機能する。圧縮されると、リム50,52の、または単独で作用する少なくとも1つのリムの厚みは、クランプ負荷を吸収するとともに、ラビリンスを通る燃焼ガスを含み得る流体に対する先端封止界面をもたらすことになる。その結果、この概念の特定の利点は、クランプされた部材、たとえばシリンダヘッドおよびブロックが動作の際に著しく持ち上がった場合でも封止をもたらすことができる点に関する。
【0021】
上記の発明は関連する法的基準にしたがって記載されており、したがって記載は本質的に限定的なものではなく、例示的なものである。開示された実施例の変形および修正は当業者にとって明白となり、発明の範囲内であり得る。たとえば、封止ビード42,44の一方または両方をラビリンスストッパ機能50,52とは異なる層に配置することができる。一例として、封止ビード42,44は、2つの中間層54の部分として形成され得る。他の多くの変形ももちろん可能であり、本発明の精神および範囲内である。
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本願は、2010年2月19日に提出された仮特許出願番号第61/306,093号の優先権を主張し、その全開示を引用によってここに援用し依拠する。
【0002】
発明の背景
発明の分野
本発明は多層ガスケットに関し、特に、2つの噛合う表面の間に設置されたときのガスケットの圧縮高さを限定するためのストッパを含むものに関する。
【背景技術】
【0003】
関連する技術
多層鋼(MLS)ガスケットとも称される多層金属ガスケットは、2つの噛合う部材によって共有される通路の周りに流体密封が形成されることが必要な静止封止用途に一般に使用される。たとえば、図1の20において概略的に示されるMLSガスケットは、シリンダヘッド22とエンジンブロック24との間にクランプされ、多数の燃焼室の周りと、2つの噛合う部材22,24によって共有されるオイル潤滑通路の周りとにおける燃焼封止を完成させ得る。しかし、多層金属ガスケットは、排気マニホルドをエンジンブロックに封止するためなどの他の用途や、他のエンジンおよび非エンジン用途にも使用することができる。先行技術の多層ガスケット20の拡大図を図2に示す。多くの場合、図1および図2に示されるようなシリンダヘッドガスケット20は、エンジンブロック24中の多数のシリンダと対応するように多数の穴状開口部を含む。隣接する開口部間の狭い領域をブリッジ部分26と称する。従来の多層ガスケット用途では、ブリッジ部分26は封止するのが難しい領域であり得る。隣接するシリンダにおける圧縮と膨張との間の恒常的な移行により、ガスケット20の狭い細片では包含するのが難しい大幅な周期的な圧力差が生じる。その結果、一部の燃焼ガスが特にブリッジ部分26においてガスケット20の多層を通って漏れるのが一般的であり、エンジン効率がいくらか損失することになる。
【0004】
多層ガスケットは、かなり低くかつ/またはきわめて可変の接触圧力下において有効に封止することができる最小厚みのガスケットを必要とする用途に特に有用である。本発明の譲受人に譲渡され、その全開示が引用によってここに援用される米国公開番号第2005/0189724号は、シリンダチャンバと一致するそれぞれの開口部が形成された第1および第2の機能層を含む多層金属ガスケットを開示している。当該機能層は、圧縮限定機能として機能して最終的なつまり十分に圧縮され組立てられた高さを定める介在ストッパ層とともに、開口部の周りに対向する封止ビードを含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
多くの先行技術の多層ガスケット設計における欠点の1つは、燃焼室のための開口部の周りで終端しているために積層されている機能層の露出した端縁において容易に生じ得る燃焼ガス漏れ経路、または噛合う表面間で共有されている他の流路に起因し得る。燃焼ガスは、圧縮ストッパ、封止ビードおよびガスケットの他の圧縮された層によって典型的に抑えられる。しかし、燃焼圧力が変動し振動が伝搬するにつれて、ガスケット層におけるわずかな分離によって、瞬時的であるが再発する高温燃焼ガスの漏れ経路が可能となり得、エンジン効率が低下することになる。さらに、多層ガスケットのコストが常に懸念されており、より低コストな設計が求められている。これらの理由および他のすべてにより、先行技術設計に固有の欠点を克服し、かつ最小のコスト増加または製造複雑度にて燃焼ガスのより良好な封止をもたらすことになる新しくかつ改良された多層ガスケットが当該分野において必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の概要
噛合う部材間をクランプして、当該噛合う部材によって共有されている通路の周りに流体密封を完成させるための種類の多層ガスケットアセンブリが提供される。ガスケットアセンブリは、概ね均一な厚みを有する概ね平坦な本体を含む第1の機能層を含む。第1の層は、2つの噛合う部材間に延在する共有されている通路の周りを封止するために第1の開口部をその中に有する。同様に、第2の機能層は、概ね均一な厚みを有する概ね平坦な本体を含む第2の機能層と、共有されている通路の周りを封止するために第2の開口部とを有する。第1および第2の層は、それぞれの第1の開口部および第2の開口部が横方向に延在する軸に沿って概ね位置合せされるように互いに重なり合う。アセンブリは、第1の開口部から離間された少なくとも1つの封止ビードを含む。第1の層は、第1の開口部に直接隣接し包囲する第1のリムを含む。第1のリムは、第1の層の平坦な本体から第1の末端縁まで横方向に延在する。第1のリムは、第1の開口部において横方向に測定される第1のリム高さを有する。第2の層は、第2の開口部に直接隣接し包囲する第2のリムを含む。第2のリムは、第2の層の平坦な本体から第2の末端縁まで横方向に延在し、第2の開口部において横方向に測定されるリム高さを有する。第1のリムは、入れ子になった関係で第2のリムを近接して包囲し、ラビリンスストッパを形成する。
【0007】
入れ子状の第1および第2のリムによって形成される本主題発明のラビリンスストッパは、特にガスケット層同士の間において、かつ振動および周期的な圧力変動によりガスケット層同士の間にわずかな分離が生じ得る状態でも流体の漏れに抵抗する、燃焼ガスのための蛇行経路を形成する。その結果、本発明のガスケットアセンブリは、ガスケットアセンブリの性能が向上する。さらに、ラビリンスストッパは、既知の構造技術を用いて製造するのが容易であり、好ましい実施例では、それぞれの第1および第2の機能層を製造するのに使用される基材から一体的に形成されることができる。これは、したがって、溶接するかもしくは他の方法で別個のストッパ層を固着することなく、またはより複雑な製造技術によって行うことができる。
【0008】
図面の簡単な説明
本発明のこれらおよび他の機能および利点は、以下の詳細な説明および添付の図面に関連して考慮されるとより容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】多層ガスケットがエンジンブロックとシリンダヘッドとの間に配置されている、部分的に分解された先行技術のエンジンアセンブリを示す図である。
【図2】先行技術に係る多層シリンダヘッドガスケットの拡大断片図である。
【図3】新規なラビリンスストッパ機能を含む主題発明に係るガスケットアセンブリの断片断面図である。
【図4A】本発明の一実施例にしたがって製造されたガスケットの第1および第2の機能層についての組立の経過を示し、第1および第2のリムの相対的な高さを強調する図である。
【図4B】本発明の一実施例にしたがって製造されたガスケットの第1および第2の機能層についての組立の経過を示し、第1および第2のリムの相対的な高さを強調する図である。
【図4C】本発明の一実施例にしたがって製造されたガスケットの第1および第2の機能層についての組立の経過を示し、第1および第2のリムの相対的な高さを強調する図である。
【図5】図4Cのような拡大斜視図である。
【図6】一対の並列の開口部を含み、第2の機能層がガスケットのブリッジ部分を通る部分断面図において示される、本発明に係るガスケットアセンブリの断片図である。
【図7】主題のガスケットアセンブリのブリッジ部分の拡大断面図であり、ラビリンスストッパによって形成される蛇行ガス漏れ経路を例示する図である。
【図8】第1および第2の層の間に配置された中間シム層を含む本発明の代替的な実施例の断面図である。
【図9】ラビリンスストッパと第2の層の封止ビードとの間に配置された補助部材を含む本発明の別の代替的な実施例を示す断面図である。
【図10】第1の層上への任意の補助部材の代替的な配置を示す、図9のような図である。
【図11】第1および第2の層に任意のエラストマーコーティングが設けられ、封止ビードが互いから離れる方に面するように配置される、本発明のさらに代替的な実施例を示す断面図である。
【図12】波状の輪郭を有する第2の層の第2のリムを示す主題発明の代替的な実施例の図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
好ましい実施例の詳細な説明
図面を参照して、同じ数字は複数の図にわたって同じかまたは対応する部分を示す。本発明に係る多層ガスケットは、図3〜図10の40に概略的に示される。28に概略的に示される第1の機能層と、30に概略的に示される第2の機能層とを含む好ましい実施例を図3〜図7に示す。第1の層28は、概ね均一な厚みAを有する概ね平坦な本体32を含む(図4Aおよび図5参照)。シリンダヘッドとシリンダーブロックとの間の燃焼開口部の周りなど、封止されることになる2つの噛合う部材間の共有通路の周りを封止するために、第1の開口部34が第1の層28に形成される。第2の機能層30は第1の層28と構造が同様であり得、概ね平坦な第2の本体36および第2の開口部38も含む。互いに一体として組立てられると、第1の層28および第2の層30はガスケットアセンブリを形成する。アセンブリ40において、第1の層28および第2の層30は、それぞれの第1の開口部34および第2の開口部38が概ね位置合せされるように互いに重なり合う。開口部34,38が円形または楕円形構造のように軸を基準として規定することができる場合、2つの層28,30は横方向に延在する軸に沿って位置合せされていると言える。エンジンのシリンダヘッドを封止するのに使用されるガスケットアセンブリ40の例では、図6に示されるように、軸Dが燃焼室の穴軸線と一致することになる。
【0011】
ガスケットアセンブリ40は、開口部34,38を取り囲む封止ビード42,44を少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ含む。封止ビード42,44は、ガスケットアセンブリ40の中間または非機能層上に担持され得るが、より好ましくは第1の層28および第2の層30上に配置される。封止ビード42,44は、一体的に形成されてもよいし、別個に形成されて図示されているように取付けられてもよい。好ましくは、両方の封止ビード42,44が互いに対向し、ガスケットアセンブリ40の封止機能性を強化するように共同で作用する。特に、第1の層28は、第1の開口部34から離間された、一体的に形成された第1の封止ビード42を含み、第2の層30は、その第2の開口部38から離間された第2の封止ビード44を含む。たとえばシリンダヘッドガスケット用途では典型的であるようにそれぞれの開口部34,38が円形である状況では、封止ビード42,44も円形であることが好ましいが、もちろん他の形状が可能である。図4A〜図4Cのように断面図で見ると、本実施例の封止ビード42,44は半円形状を有するものとして示され、各々が山46,48をそれぞれ含む。第1の封止ビード42の山46は、平坦な本体32から横方向にオフセットされる。横方向へのオフセットは、軸Dの方向に測定される。同様に、第2の封止ビード44の山48は、第2の平坦な本体36から横方向にオフセットされる。好ましい実施例では、第1の封止ビード42は、第2の封止ビード44と反対の方向に第1の層28から横方向にオフセットされ、より特定的には、2つの封止ビード42,44は、図3、図4Cおよび図5に示されるように、層28,30の間の空間においてそれぞれの山46,48が互いに接触するように配置される。
【0012】
図3〜図5において、第1の層28は、第1の開口部34と直接隣接し包囲する第1のリム50を含んで示される。第1のリム50は、第1の開口部34に沿って横方向に測定される第1のリム高さに対応する距離Cだけ、平坦な本体32から横方向つまり軸Dの方向に延在する。第1のリム高さCは図4A〜図4Cに示される。第2の層30は、第2の開口部38と直接隣接し包囲する第2のリム52を含む。第2のリム52は、第2の開口部38に沿って横方向に測定される第2のリム高さに対応する距離Bだけ、第2の層の平坦な本体36から横方向に延在する。第2のリム高さBは図4Aおよび図5に例示される。
【0013】
図面に示されるように、図3、図4Cおよび図5に示されるように組立てられたガスケット40に組込まれたときに、第1のリム50が入れ子になった関係で第2のリム52を近接して包囲してラビリンスストッパを形成するように、第1のリム50の寸法は第2のリム52の寸法より大きい。より特定的には、リム50,52と第1の層の厚みAとの間の寸法的関係は、第1のリム高さCが第2のリム高さBおよび第1の層28の平坦な本体の厚みAと実質的に等しいというものである。この関係(C=A+B)は、図4Aおよび図5にかなり明確に示される。その結果、この形態で配置されたリム50,52の組合せがガスケットアセンブリ40のストッパを形成する。ストッパは、当業者には容易に明白となるように、シリンダヘッドガスケットを含むガスケット用途に一般に使用されるが、他の用途にも使用され、封止ビード42,44が過剰圧縮されず、ばね状のままであり、正常動作条件下で作用し合うように、クランプ負荷を吸収する。本発明では、ともに作用するリム50,52が、使用の際に変動する圧力および振動の下で層28,30が横方向にシフトしてもガスをより漏れにくくするラビリンス設計をもたらす。
【0014】
図6および図7におそらく最も良く示されるように、本発明のラビリンス機能は、多シリンダエンジンシリンダヘッドを封止する場合、または互いに近接して配置されているマニホルドにおいて多数のポートを封止する場合など、2つの並列の開口部がガスケットアセンブリ40に形成される用途において特に有利であり得る。これらの状況では、隣接する開口部間の圧力差がかなり重要であり、急速に変動し得るという事実に特に鑑みると、ブリッジ部分として一般に知られている、隣接する開口部間のガスケット材料の狭い領域は封止しにくい場合がある。図7は、本発明のラビリンス設計によって形成された蛇行経路を破線矢印によって示し、この特定の例では、ガスケットアセンブリ40中の層28,30の間を移動する際に燃焼ガスがこの経路を通って強制的に進められる。主題のガスケットアセンブリ40のストッパ部分のラビリンス設計は、燃焼ガス封止を向上させるのに、または他の封止された高圧もしくは低圧の流体およびガスに、特に効果的であることが明白であろう。ときには高温でもある高圧ガスがラビリンスを流れようとすると急激な圧力降下が生じることから、ラビリンス設計が効果的である。この性質の設計は、クランプ負荷が小さいほど、はるかに良好に機能すると予測することができる。さらに、主題のガスケットアセンブリ40の設計および構造は、たとえばレーザ溶接されたストッパガスケットよりも比較的低い費用で、かつ大部分の先行技術の設計よりも低い工具費で製造することができる点で大きな商業的利点をもたらす。
【0015】
これにより、入れ子になった重なり合うリム50,52によって確立される本発明のラビリンスストッパ設計は、燃焼ガスまたは他の流体が周りに漏れにくい経路をもたらす。図3〜図7に例示される設計は例示的な一実施例のみを示す。当業者は、代替的な設計可能性、たとえば図8〜図13に例示されるものを容易に理解するであろう。
【0016】
図8の例では、ガスケットアセンブリ40はシム層54を含んで示される。もちろん、当該分野で既知の法則を使用して、多数のシムとさらに付加的な機能層(図示せず)とが含まれ得る。図9は、第2の封止ビード44と第2のリム52との間の第2の機能層30に取付けられた補助部材56を含む主題のガスケットアセンブリ40の別の変形例を例示する。補助部材56は、圧縮不可能であってストッパ機能に協力することもできるし、代替的に、圧縮可能であってガスケットアセンブリ40の封止能力をさらに強化するように機能することもできる。たとえば、補助部材56は、第1のリム50および第2のリム52によって形成され、動作の際に流体漏れをさらに妨げるラビリンス設計に対する安全装置として使用され得る。図10は、図9と同様のさらに代替的な設計を示すが、補助部材56は、第2の層30ではなく第1の層28に対応付けられている。
【0017】
図11は主題発明の代替的な実施例を例示し、先の実施例と同じかまたは対応する部分を例示するために、ダッシュ記号を付した参照符号を使用する。この例では、封止ビード42′,44′は、噛合う表面間で圧縮された時でもそれぞれの山46′,48′が互いに接触しないように、互いから外側に延在する。またこの例では、第1の層28′はガスケットアセンブリ40′の頂部側に配置されて示され、第2の層30′はガスケットアセンブリ40′の底面を形成する。またこの例では、先に言及した米国公開第2005/0189724号により十分に記載されているような既知の技術と一致するガスケットに適用され得る任意のエラストマーコーティング58が示されている。
【0018】
もちろん、図のすべてにわたって示される多様な代替的な形状をほぼ交換可能に使用して、発明の範囲内において広範なガスケット構造を形成することができる。なお、第1のリム高さCと第2のリム高さBとの関係を、式A+B=Cが必ずしも当てはまらないように変更することもできる。たとえば、両方のリム50,52が協力して作用する代わりに、第1のリム高さCまたは第2のリム高さBのいずれかを若干延ばして該当するリム50,52がストッパ機能として単独で機能することができる。たとえば、第2のリム高さBが縮められた場合、ガスケットアセンブリ40が使用の際に十分圧縮されたとき第1の機能層の平坦な本体32と接触しないことになる。この例では、図9および図10に示される補助部材56とおそらく組合わされて、第1のリム50がガスケットのストッパ機能として単独で機能する。代替的に、第1のリム高さCが若干縮められた場合は、圧縮されたときに第2のリム52が第1の平坦な本体32と接触し、場合によっては補助部材56と組合わされて単独でストッパ機能として機能するであろう。したがって、好ましい実施例ではリム50,52両方が協動してストッパを形成するが、本発明のいくつかの意図される実施例では、いずれかが単独で作用することができる。
【0019】
さらに、図12に示されるように、第2のリム52″を波状の輪郭60で形成することができ、その互い違いのピーク62が第2のリム高さを定める。この例では、先の実施例中の部分に対応する参照符号をダブルダッシュ記号で示す。波状の輪郭60は、図12および図13では概ね正弦波形状を有して示され、明確にするために極めて誇張されている。もちろん、波状の輪郭を第1のリム52″上に形成することによって同様の構造を確立してもよい。
【0020】
主題発明のラビリンス設計は、2つの機能層28,30を対向する方向に折返して図面に示されるようにそれぞれのリム50,52を形成することによって形成される。組立てられるとリム50,52は互いに噛合い、流体漏れに対して組合わされたストッパおよびラビリンスバリアとして機能する。圧縮されると、リム50,52の、または単独で作用する少なくとも1つのリムの厚みは、クランプ負荷を吸収するとともに、ラビリンスを通る燃焼ガスを含み得る流体に対する先端封止界面をもたらすことになる。その結果、この概念の特定の利点は、クランプされた部材、たとえばシリンダヘッドおよびブロックが動作の際に著しく持ち上がった場合でも封止をもたらすことができる点に関する。
【0021】
上記の発明は関連する法的基準にしたがって記載されており、したがって記載は本質的に限定的なものではなく、例示的なものである。開示された実施例の変形および修正は当業者にとって明白となり、発明の範囲内であり得る。たとえば、封止ビード42,44の一方または両方をラビリンスストッパ機能50,52とは異なる層に配置することができる。一例として、封止ビード42,44は、2つの中間層54の部分として形成され得る。他の多くの変形ももちろん可能であり、本発明の精神および範囲内である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
噛合う部材間をクランプして、当該噛合う部材によって共有されている通路の周りに流体密封を完成させるための種類の多層ガスケットアセンブリ(40)であって、前記ガスケットアセンブリ(40)は、
概ね均一な厚み(A)を有する概ね平坦な本体(32)を含む第1の機能層(28)を備え、前記第1の層(28)は、2つの噛合う部材間に延在する共有されている通路の周りを封止するために第1の開口部(34)をその中に有し、さらに、
概ね均一な厚みを有する概ね平坦な本体(36)を含む第2の機能層(30)を備え、前記第2の層(30)は、共有されている通路の周りを封止するために第2の開口部(38)をその中に有し、
前記第1の層(28)および第2の層(30)は、前記それぞれの第1の開口部(34)および第2の開口部(38)が横方向に延在する軸(D)に沿って概ね位置合せされるように互いに重なり合い、さらに、
前記それぞれの開口部(34,38)から離間された少なくとも1つの封止ビード(42,44)を備え、
前記第1の層(28)は、前記第1の開口部(34)に直接隣接し包囲する第1のリム(50)を含み、前記第1のリム(50)は、前記第1の層(28)の前記平坦な本体(32)から第1の末端縁まで横方向に延在し、前記第1のリム(50)は、前記第1の開口部(34)において横方向に測定される第1のリム高さ(C)を有し、
前記第2の層(30)は、前記第2の開口部(38)に直接隣接し包囲する第2のリム(52)を含み、前記第2のリム(52)は、前記第2の層(30)の前記平坦な本体(36)から第2の末端縁まで横方向に延在し、前記第2のリム(52)は、前記第2の開口部(38)において横方向に測定される第2のリム高さ(B)を有し、
前記第1のリム(50)は、入れ子になった重なり合う関係で前記第2のリム(52)を近接して包囲し、ラビリンスストッパを形成する、ガスケットアセンブリ(40)。
【請求項2】
前記第1のリム高さ(C)は前記第2のリム高さ(B)より大きい、請求項1に記載のガスケットアセンブリ(40)。
【請求項3】
前記第1のリム高さ(C)は、前記第2のリム高さ(B)および前記第1の層(28)の前記平坦な本体の厚み(A)と実質的に等しい、請求項2に記載のガスケットアセンブリ(40)。
【請求項4】
前記第2のリム(52)の前記第2の末端縁は波状の輪郭(60)を有する、請求項1に記載のガスケットアセンブリ(40)。
【請求項5】
前記第1および第2の開口部(34,38)は各々、前記それぞれの第1の層(28)および第2の層(30)内に完全に含まれる、請求項1に記載のガスケットアセンブリ(40)。
【請求項6】
前記第1の層(28)は、前記第1の開口部(34)から離間された一体的に形成された第1の封止ビード(42)を含み、第2の層(30)は、前記第2の開口部(38)から離間された一体的に形成された第2の封止ビード(44)を含む、請求項5に記載のガスケットアセンブリ(40)。
【請求項7】
前記第1の封止ビード(42)は、前記第1の層(28)の前記平坦な本体(32)から横方向にオフセットされた山(46)を含み、前記第2の封止ビード(44)は、前記第2の層(30)の前記平坦な本体(36)から横方向にオフセットされた山(48)を含む、請求項6に記載のガスケットアセンブリ(40)。
【請求項8】
前記第1の封止ビード(42)は、前記第2の層(30)に対する前記第2の封止ビード(44)の横方向へのオフセットとは反対方向に前記第1の層(28)から横方向にオフセットされる、請求項7に記載のガスケットアセンブリ(40)。
【請求項9】
前記それぞれの第1の封止ビード(42)および第2の封止ビード(44)の前記山(46,48)は、互いに直接触れ合い接触する、請求項8に記載のガスケットアセンブリ(40)。
【請求項10】
前記第1の層(28)および第2の層(30)の少なくとも一方は鋼材料から製造される、請求項1に記載のガスケットアセンブリ(40)。
【請求項11】
前記第1の層(28)および第2の層(30)は金属材料から製造される、請求項1に記載のガスケットアセンブリ(40)。
【請求項12】
前記第1の層(28)および第2の層(30)の少なくとも一方は、その片側を覆うエラストマーコーティング(58)を含む、請求項1に記載のガスケットアセンブリ(40)。
【請求項13】
少なくとも1つの中間層(54)が前記第1の層(28)と第2の層(30)との間に配置される、請求項1に記載のガスケットアセンブリ(40)。
【請求項14】
エンジンのエンジンブロック(24)とシリンダヘッド(22)との間をクランプして燃焼室の周りに流体密封を完成させるための種類の多層シリンダヘッドガスケットアセンブリ(40)であって、前記ガスケットアセンブリ(40)は、
概ね均一な厚み(A)を有する概ね平坦な本体(32)を含む第1の機能層(28)を備え、前記第1の層(28)は金属材料から製造され、前記第1の層(28)は、燃焼室の周りを封止するために完全にその中に含まれる第1の開口部(34)を有し、さらに、
概ね均一な厚みを有する概ね平坦な本体(34)を含む第2の機能層(30)を備え、前記第2の層(30)は金属材料から製造され、前記第2の層(30)は、燃焼室の周りを封止するために完全にその中に含まれる第2の開口部(38)を有し、
第1の層(28)および第2の層(30)は、前記それぞれの第1の開口部(34)および第2の開口部(38)が概ね位置合せされるように、並列に配置され互いに重なり合い、
前記第1の層(28)は、前記第1の開口部(34)から離間された第1の封止ビード(42)を含み、前記第1の封止ビード(42)は、前記第1の層(28)の前記平坦な本体(32)から横方向にオフセットされた山(46)を含み、
前記第2の層(30)は、前記第2の開口部(38)から離間された第2の封止ビード(44)を含み、前記第2の封止ビード(44)は、前記第2の層(30)の前記平坦な本体(36)から横方向にオフセットされた山(48)を含み、
前記第1の封止ビード(42)は、前記第2の層(30)に対する前記第2の封止ビード(44)の横方向へのオフセットとは反対方向に前記第1の層(28)から横方向にオフセットされ、前記それぞれの第1の封止ビード(42)および第2の封止ビード(44)の前記山(46,48)は、互いに直接触れ合い接触し、
前記第1の層(28)は、前記第1の開口部(34)に直接隣接し包囲する第1のリム(50)を含み、前記第1のリム(50)は、前記第1の層(28)の前記平坦な本体(32)から第1の末端縁まで横方向に延在し、前記第1のリム(50)は、前記第1の開口部(34)において軸方向に測定される第1のリム高さ(C)を有し、
前記第2の層(30)は、前記第2の開口部(38)に直接隣接し包囲する第2のリム(52)を含み、前記第2のリム(52)は、前記第2の層(30)の前記平坦な本体(36)から第2の末端縁まで横方向に延在し、前記第2のリム(52)は、前記第2の開口部(38)において軸方向に測定される第2のリム高さ(B)を有し、
前記第1のリム(50)は、重なり合い入れ子になった関係で前記第2のリム(52)を近接して包囲し、ラビリンスストッパを形成する、ガスケットアセンブリ(40)。
【請求項15】
前記第1の層(28)および第2の層(30)の少なくとも一方は、その片側を覆うエラストマーコーティング(58)を含む、請求項14に記載のガスケットアセンブリ(40)。
【請求項16】
少なくとも1つの中間層(54)が前記第1の層(28)と第2の層(30)との間に配置される、請求項14に記載のガスケットアセンブリ(40)。
【請求項17】
2つの噛合う部材間をクランプして少なくとも2つの並列の流路の周りに流体密封を完成させるための種類の多層シリンダヘッドガスケットアセンブリ(40)であって、前記ガスケットアセンブリ(40)は、
概ね均一な厚み(A)を有する概ね平坦な本体(32)を含む第1の機能層(28)を備え、前記第1の層(28)は、2つの並列の通路の周りを封止するために完全にその中に含まれる少なくとも2つの並列の第1の開口部(34)を有し、前記第1の層(28)の第1のブリッジ部分が前記第1の開口部(34)の間の領域において延在し、さらに、
概ね均一な厚みを有する概ね平坦な本体(36)を含む第2の機能層(30)を備え、前記第2の層(30)は金属材料から製造され、前記第2の層(30)は、2つの並列の通路の周りを封止するために完全にその中に含まれる少なくとも2つの並列の第2の開口部(38)を有し、前記第2の層(30)の第2のブリッジ部分が前記第2の開口部(38)の間の領域において延在し、
前記第1の層(28)および前記第2の層(30)は、前記それぞれの第1の開口部(34)および第2の開口部(38)がそれぞれ横方向に延在する軸(D)に沿って概ね位置合せされるように互いに重なり合い、
前記第1の層(28)は、前記第1の開口部(34)の各々から離間され包囲する第1の封止ビード(42)を含み、前記第1の封止ビード(42)の各々は、前記第1の層(28)の前記平坦な本体(32)から横方向にオフセットされた山(46)を含み、
前記第2の層(30)は、前記第2の開口部(38)の各々から離間され包囲する第2の封止ビード(44)を含み、前記第2の封止ビード(44)の各々は、前記第2の層(30)の前記平坦な本体(36)から横方向にオフセットされた山(48)を含み、
前記第1の封止ビード(42)は各々、前記第2の層(30)に対する前記第2の封止ビード(44)の横方向へのオフセットとは反対方向に前記第1の層(28)から横方向にオフセットされ、
前記第1の層(28)は、前記第1の開口部(34)の各々に直接隣接する第1のリム(50)を含み、前記第1のリム(50)は、前記第1の層(28)の前記平坦な本体(32)からそれぞれの第1の末端縁まで横方向に延在し、前記第1のリム(50)は各々、前記第1の開口部(34)において軸方向に測定される第1のリム高さ(C)を有し、
前記第2の層(30)は、前記第2の開口部(38)の各々に直接隣接する第2のリム(52)を含み、前記第2のリム(52)は、前記第2の層(30)の前記平坦な本体(36)からそれぞれの第2の末端縁まで横方向に延在し、前記第2のリム(50)は各々、前記第2の開口部(38)において軸方向に測定される第2のリム高さ(B)を有し、
前記第1のリム(50)は、入れ子になった重なり合う関係で前記第2のリム(52)のそれぞれ1つを近接して包囲し、各燃焼室開口部(34,38)の周りに、かつ前記第1および第2のブリッジ部分の領域においてそれぞれのラビリンスストッパを形成する、ガスケットアセンブリ(40)。
【請求項18】
前記第1の層(28)および第2の層(30)の少なくとも一方は、その片側を覆うエラストマーコーティング(58)を含む、請求項17に記載のガスケットアセンブリ(40)。
【請求項19】
少なくとも1つの中間層(54)が前記第1の層(28)と第2の層(30)との間に配置される、請求項17に記載のガスケットアセンブリ(40)。
【請求項1】
噛合う部材間をクランプして、当該噛合う部材によって共有されている通路の周りに流体密封を完成させるための種類の多層ガスケットアセンブリ(40)であって、前記ガスケットアセンブリ(40)は、
概ね均一な厚み(A)を有する概ね平坦な本体(32)を含む第1の機能層(28)を備え、前記第1の層(28)は、2つの噛合う部材間に延在する共有されている通路の周りを封止するために第1の開口部(34)をその中に有し、さらに、
概ね均一な厚みを有する概ね平坦な本体(36)を含む第2の機能層(30)を備え、前記第2の層(30)は、共有されている通路の周りを封止するために第2の開口部(38)をその中に有し、
前記第1の層(28)および第2の層(30)は、前記それぞれの第1の開口部(34)および第2の開口部(38)が横方向に延在する軸(D)に沿って概ね位置合せされるように互いに重なり合い、さらに、
前記それぞれの開口部(34,38)から離間された少なくとも1つの封止ビード(42,44)を備え、
前記第1の層(28)は、前記第1の開口部(34)に直接隣接し包囲する第1のリム(50)を含み、前記第1のリム(50)は、前記第1の層(28)の前記平坦な本体(32)から第1の末端縁まで横方向に延在し、前記第1のリム(50)は、前記第1の開口部(34)において横方向に測定される第1のリム高さ(C)を有し、
前記第2の層(30)は、前記第2の開口部(38)に直接隣接し包囲する第2のリム(52)を含み、前記第2のリム(52)は、前記第2の層(30)の前記平坦な本体(36)から第2の末端縁まで横方向に延在し、前記第2のリム(52)は、前記第2の開口部(38)において横方向に測定される第2のリム高さ(B)を有し、
前記第1のリム(50)は、入れ子になった重なり合う関係で前記第2のリム(52)を近接して包囲し、ラビリンスストッパを形成する、ガスケットアセンブリ(40)。
【請求項2】
前記第1のリム高さ(C)は前記第2のリム高さ(B)より大きい、請求項1に記載のガスケットアセンブリ(40)。
【請求項3】
前記第1のリム高さ(C)は、前記第2のリム高さ(B)および前記第1の層(28)の前記平坦な本体の厚み(A)と実質的に等しい、請求項2に記載のガスケットアセンブリ(40)。
【請求項4】
前記第2のリム(52)の前記第2の末端縁は波状の輪郭(60)を有する、請求項1に記載のガスケットアセンブリ(40)。
【請求項5】
前記第1および第2の開口部(34,38)は各々、前記それぞれの第1の層(28)および第2の層(30)内に完全に含まれる、請求項1に記載のガスケットアセンブリ(40)。
【請求項6】
前記第1の層(28)は、前記第1の開口部(34)から離間された一体的に形成された第1の封止ビード(42)を含み、第2の層(30)は、前記第2の開口部(38)から離間された一体的に形成された第2の封止ビード(44)を含む、請求項5に記載のガスケットアセンブリ(40)。
【請求項7】
前記第1の封止ビード(42)は、前記第1の層(28)の前記平坦な本体(32)から横方向にオフセットされた山(46)を含み、前記第2の封止ビード(44)は、前記第2の層(30)の前記平坦な本体(36)から横方向にオフセットされた山(48)を含む、請求項6に記載のガスケットアセンブリ(40)。
【請求項8】
前記第1の封止ビード(42)は、前記第2の層(30)に対する前記第2の封止ビード(44)の横方向へのオフセットとは反対方向に前記第1の層(28)から横方向にオフセットされる、請求項7に記載のガスケットアセンブリ(40)。
【請求項9】
前記それぞれの第1の封止ビード(42)および第2の封止ビード(44)の前記山(46,48)は、互いに直接触れ合い接触する、請求項8に記載のガスケットアセンブリ(40)。
【請求項10】
前記第1の層(28)および第2の層(30)の少なくとも一方は鋼材料から製造される、請求項1に記載のガスケットアセンブリ(40)。
【請求項11】
前記第1の層(28)および第2の層(30)は金属材料から製造される、請求項1に記載のガスケットアセンブリ(40)。
【請求項12】
前記第1の層(28)および第2の層(30)の少なくとも一方は、その片側を覆うエラストマーコーティング(58)を含む、請求項1に記載のガスケットアセンブリ(40)。
【請求項13】
少なくとも1つの中間層(54)が前記第1の層(28)と第2の層(30)との間に配置される、請求項1に記載のガスケットアセンブリ(40)。
【請求項14】
エンジンのエンジンブロック(24)とシリンダヘッド(22)との間をクランプして燃焼室の周りに流体密封を完成させるための種類の多層シリンダヘッドガスケットアセンブリ(40)であって、前記ガスケットアセンブリ(40)は、
概ね均一な厚み(A)を有する概ね平坦な本体(32)を含む第1の機能層(28)を備え、前記第1の層(28)は金属材料から製造され、前記第1の層(28)は、燃焼室の周りを封止するために完全にその中に含まれる第1の開口部(34)を有し、さらに、
概ね均一な厚みを有する概ね平坦な本体(34)を含む第2の機能層(30)を備え、前記第2の層(30)は金属材料から製造され、前記第2の層(30)は、燃焼室の周りを封止するために完全にその中に含まれる第2の開口部(38)を有し、
第1の層(28)および第2の層(30)は、前記それぞれの第1の開口部(34)および第2の開口部(38)が概ね位置合せされるように、並列に配置され互いに重なり合い、
前記第1の層(28)は、前記第1の開口部(34)から離間された第1の封止ビード(42)を含み、前記第1の封止ビード(42)は、前記第1の層(28)の前記平坦な本体(32)から横方向にオフセットされた山(46)を含み、
前記第2の層(30)は、前記第2の開口部(38)から離間された第2の封止ビード(44)を含み、前記第2の封止ビード(44)は、前記第2の層(30)の前記平坦な本体(36)から横方向にオフセットされた山(48)を含み、
前記第1の封止ビード(42)は、前記第2の層(30)に対する前記第2の封止ビード(44)の横方向へのオフセットとは反対方向に前記第1の層(28)から横方向にオフセットされ、前記それぞれの第1の封止ビード(42)および第2の封止ビード(44)の前記山(46,48)は、互いに直接触れ合い接触し、
前記第1の層(28)は、前記第1の開口部(34)に直接隣接し包囲する第1のリム(50)を含み、前記第1のリム(50)は、前記第1の層(28)の前記平坦な本体(32)から第1の末端縁まで横方向に延在し、前記第1のリム(50)は、前記第1の開口部(34)において軸方向に測定される第1のリム高さ(C)を有し、
前記第2の層(30)は、前記第2の開口部(38)に直接隣接し包囲する第2のリム(52)を含み、前記第2のリム(52)は、前記第2の層(30)の前記平坦な本体(36)から第2の末端縁まで横方向に延在し、前記第2のリム(52)は、前記第2の開口部(38)において軸方向に測定される第2のリム高さ(B)を有し、
前記第1のリム(50)は、重なり合い入れ子になった関係で前記第2のリム(52)を近接して包囲し、ラビリンスストッパを形成する、ガスケットアセンブリ(40)。
【請求項15】
前記第1の層(28)および第2の層(30)の少なくとも一方は、その片側を覆うエラストマーコーティング(58)を含む、請求項14に記載のガスケットアセンブリ(40)。
【請求項16】
少なくとも1つの中間層(54)が前記第1の層(28)と第2の層(30)との間に配置される、請求項14に記載のガスケットアセンブリ(40)。
【請求項17】
2つの噛合う部材間をクランプして少なくとも2つの並列の流路の周りに流体密封を完成させるための種類の多層シリンダヘッドガスケットアセンブリ(40)であって、前記ガスケットアセンブリ(40)は、
概ね均一な厚み(A)を有する概ね平坦な本体(32)を含む第1の機能層(28)を備え、前記第1の層(28)は、2つの並列の通路の周りを封止するために完全にその中に含まれる少なくとも2つの並列の第1の開口部(34)を有し、前記第1の層(28)の第1のブリッジ部分が前記第1の開口部(34)の間の領域において延在し、さらに、
概ね均一な厚みを有する概ね平坦な本体(36)を含む第2の機能層(30)を備え、前記第2の層(30)は金属材料から製造され、前記第2の層(30)は、2つの並列の通路の周りを封止するために完全にその中に含まれる少なくとも2つの並列の第2の開口部(38)を有し、前記第2の層(30)の第2のブリッジ部分が前記第2の開口部(38)の間の領域において延在し、
前記第1の層(28)および前記第2の層(30)は、前記それぞれの第1の開口部(34)および第2の開口部(38)がそれぞれ横方向に延在する軸(D)に沿って概ね位置合せされるように互いに重なり合い、
前記第1の層(28)は、前記第1の開口部(34)の各々から離間され包囲する第1の封止ビード(42)を含み、前記第1の封止ビード(42)の各々は、前記第1の層(28)の前記平坦な本体(32)から横方向にオフセットされた山(46)を含み、
前記第2の層(30)は、前記第2の開口部(38)の各々から離間され包囲する第2の封止ビード(44)を含み、前記第2の封止ビード(44)の各々は、前記第2の層(30)の前記平坦な本体(36)から横方向にオフセットされた山(48)を含み、
前記第1の封止ビード(42)は各々、前記第2の層(30)に対する前記第2の封止ビード(44)の横方向へのオフセットとは反対方向に前記第1の層(28)から横方向にオフセットされ、
前記第1の層(28)は、前記第1の開口部(34)の各々に直接隣接する第1のリム(50)を含み、前記第1のリム(50)は、前記第1の層(28)の前記平坦な本体(32)からそれぞれの第1の末端縁まで横方向に延在し、前記第1のリム(50)は各々、前記第1の開口部(34)において軸方向に測定される第1のリム高さ(C)を有し、
前記第2の層(30)は、前記第2の開口部(38)の各々に直接隣接する第2のリム(52)を含み、前記第2のリム(52)は、前記第2の層(30)の前記平坦な本体(36)からそれぞれの第2の末端縁まで横方向に延在し、前記第2のリム(50)は各々、前記第2の開口部(38)において軸方向に測定される第2のリム高さ(B)を有し、
前記第1のリム(50)は、入れ子になった重なり合う関係で前記第2のリム(52)のそれぞれ1つを近接して包囲し、各燃焼室開口部(34,38)の周りに、かつ前記第1および第2のブリッジ部分の領域においてそれぞれのラビリンスストッパを形成する、ガスケットアセンブリ(40)。
【請求項18】
前記第1の層(28)および第2の層(30)の少なくとも一方は、その片側を覆うエラストマーコーティング(58)を含む、請求項17に記載のガスケットアセンブリ(40)。
【請求項19】
少なくとも1つの中間層(54)が前記第1の層(28)と第2の層(30)との間に配置される、請求項17に記載のガスケットアセンブリ(40)。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2013−520603(P2013−520603A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−554045(P2012−554045)
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【国際出願番号】PCT/US2011/025351
【国際公開番号】WO2011/103373
【国際公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(599058372)フェデラル−モーグル コーポレイション (234)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【国際出願番号】PCT/US2011/025351
【国際公開番号】WO2011/103373
【国際公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(599058372)フェデラル−モーグル コーポレイション (234)
【Fターム(参考)】
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