説明

ラベル作成装置

【課題】モータ数を低減して装置全体の小型化や軽量化を図ることができる、ラベル作成装置を提供する。
【解決手段】駆動モータ43の一方向への回転に伴う押圧ローラ52の駆動ローラ51に対する進退動作、及び、可動刃41のテープ搬送経路に対する進退動作を、互いに連携した所望の態様に調整し、可動刃41によるラベル用テープ109の切断完了後、所定期間の間は、押圧ローラ52が接触位置にあるように、押圧ローラ52と可動刃41とを連携して進退可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貼り付け対象に貼り付けて使用されるラベルを作成するための、ラベル作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ラベルを作成するラベル作成装置として、特許文献1に記載の技術が知られている。この従来技術のラベル作成装置(テープ印字装置)には、ラベル用テープ(テープ)がロール形状に巻回されたカートリッジ(テープカセット)が装着される。カートリッジ内の上記ロールから繰り出されたテープに対し、ラベル作成装置に備えられた印字手段(サーマルヘッド)によって所望の印字が行われ、印字済みラベル用テープが形成される。その後、当該印字済みタグラベル用テープが切断機構によって所望の長さに切断されることで、印字付きのラベルが生成される。生成されたラベルは、切断機構よりも搬送方向下流側に位置するテープ排出機構によって装置外へと排出される。
【0003】
このとき切断機構は、カッターモータの駆動力によってテープの搬送経路に対して進退可能な可動刃と、テープ搬送経路を挟んで可動刃と反対側に設置された固定刃とを備えている。また、テープ排出機構は、テープ排出モータの回転駆動力によって駆動される駆動ローラと、この駆動ローラとともにラベルを挟み込んで排出するための従動ローラ(押圧ローラ)とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−53093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術では、切断機構の可動刃を駆動するためのモータ(カッターモータ)と、テープ排出機構の駆動ローラを駆動するためのモータ(テープ排出モータ)と、が別々に2個設けられている。この結果、モータ数が増大するとともに、装置全体の大型化や重量増大を招いていた。
【0006】
本発明の目的は、モータ数を低減して装置全体の小型化や軽量化を図ることができる、ラベル作成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1の発明は、ラベル用テープを供給可能なカートリッジを着脱可能なカートリッジホルダと、前記カートリッジホルダに装着された前記カートリッジから前記ラベル用テープを引き出して搬送するための搬送手段と、前記搬送手段によるテープ搬送経路に対して進退し、前記搬送手段により搬送される前記ラベル用テープを所望の長さに切断可能な可動刃と、前記テープ搬送経路における前記可動刃より下流側に設けられ、前記ラベル用テープに接触して排出するための駆動ローラと、前記テープ搬送経路に位置する前記ラベル用テープに対し前記駆動ローラと反対側から接触し当該駆動ローラとともに前記ラベル用テープを挟み込み可能な接触位置、及び、前記テープ搬送経路に位置する前記ラベル用テープから所定距離だけ離間した離間位置、の間を進退可能に設けられた従動ローラと、一方向にのみ回転して、前記可動刃の前記テープ搬送経路に対する進退動作、及び、前記駆動ローラの回転駆動、のための駆動力を発生する、モータと、前記モータの回転駆動とともに前記駆動ローラが回転するように、前記モータの前記駆動力を前記駆動ローラに伝達する歯車機構と、前記モータの前記一方向への回転に伴う、前記従動ローラの前記駆動ローラに対する進退動作、及び、前記可動刃の前記テープ搬送経路に対する進退動作を、互いに連携した所望の態様に調整する、進退調整手段と、を有し、前記進退調整手段は、
前記可動刃によるラベル用テープの切断完了後、所定期間の間は、前記従動ローラが前記接触位置にあるように、前記従動ローラと前記可動刃とを連携して進退させることを特徴とする。
【0008】
本願第1発明においては、カートリッジホルダに装着されたカートリッジから搬送手段によってラベル用テープが引き出され、搬送経路を搬送される。適宜の切断位置まで搬送されたラベル用テープに対し、切断刃が前進することで所望の長さに切断され、ラベルが形成される。こうして作成されたラベルに対し、駆動ローラが接触して装置外への排出を行う。その排出の際には、従動ローラが駆動ローラとともにラベル用テープを挟み込み、これら駆動ローラと従動ローラとの協働によって、上記ラベルの排出が行われる。
【0009】
ここで、本願第1発明においては、上記駆動ローラの回転駆動と上記可動刃の進退動作とが、1つの共通のモータからの駆動力によって行われる。まず、駆動ローラは、歯車機構を介してモータが一方向に回転駆動するのに直結して回転し、モータが回転駆動するときには常に駆動ローラも回転する。このとき、上記従動ローラは、接触位置と離間位置との間を進退可能に設けられている。接触位置にあるときには、従動ローラは、前述のように駆動ローラとの間にラベル用テープを挟み込む。これにより、ラベル用テープに対し摩擦力を介して駆動ローラの回転駆動力が作用し、ラベル用テープが排出方向へと送られる。これに対し、従動ローラが離間位置にある場合には、従動ローラと駆動ローラとが(テープの厚み分より大きく)離れる。この結果、駆動ローラとラベル用テープとの間に摩擦力がほとんど作用しなくなり、上記のようにしてモータの回転駆動により駆動ローラが回転していたとしても、その回転駆動力がラベル用テープに伝達されず、ラベル用テープは排出されない。
【0010】
一方、可動刃がテープ搬送経路に対し進退動作することによるラベル用テープの切断も、上記のようなモータの駆動力を利用して行われる。また、テープ切断完了時には従動ローラと駆動ローラとでラベル用テープを挟み込み駆動力がラベル用テープに伝わるようにすることで、切断されたラベル用テープ、すなわちラベルを排出方向へ送り出すことができる。さらに、切断完了後、所定期間の間は従動ローラによる上記ラベル用テープの接触が維持されることにより、上記ラベルの排出動作が上記所定期間の間継続する。この結果、当該所定期間を十分に長くとることで、上記切断により生成されたラベルを確実に装置外へと排出することができる。
【0011】
以上のようにして、本願第1発明においては、1つの共通のモータの駆動力を利用して、可動刃によるラベル用テープの切断と、その後のラベルの排出を円滑にかつ確実に行うことができる。したがって、可動刃の駆動用のモータとラベルの排出用のモータとを別々に2個設ける場合に比べて、モータ数を減らすことができる。この結果、装置全体の小型化や軽量化を図ることができ、またコストダウンを図ることもできる。
【0012】
第2発明は、上記第1発明において、前記進退調整手段は、前記所定の期間として、前記可動刃によるラベル用テープの切断完了後ラベル後端が前記駆動ローラに達するまでの期間は、前記従動ローラが前記接触位置にあるように前記従動ローラと前記可動刃とを連携して進退させることを特徴とする。
【0013】
これにより、切断完了後、ラベル後端が駆動ローラに達するまでの期間は、駆動力がラベル用テープに伝わるようにして排出動作が継続される。この結果、切断により生成されたラベルを確実に装置外へと排出することができる。
【0014】
第3発明は、上記第1又は第2発明において、前記進退調整手段は、遅くとも、前記可動刃が前記ラベル用テープの切断を完了するまでには、前記従動ローラが前記離間位置から前進して前記接触位置に達しているように、前記従動ローラと前記可動刃とを連携して進退させることを特徴とする。
【0015】
切断が開始された後、可動刃が前進することでラベル用テープの切断が進んでいくが、遅くとも、上記の前進により可動刃がラベルの切断を完了するまでには、従動ローラはラベル用テープへ向かって前進し、ラベル用テープに接触する。これにより、少なくともテープ切断完了時において、従動ローラとラベル用テープとでラベル用テープを挟み込み駆動ローラの駆動力がラベル用テープに伝わり始める。この結果、切断されたラベル用テープ、すなわちラベルの排出方向への送り出しを確実に速やかに開始することができる。
【0016】
第4発明は、上記第1又は第2発明において、前記進退調整手段は、遅くとも、前記可動刃が前記テープ搬送経路に位置する前記ラベル用テープに接し切断を開始した時までは、前記従動ローラが前記離間位置にあるように、前記従動ローラと前記可動刃とを連携して進退させることを特徴とする。
【0017】
本願第4発明においては、モータが一方向へ回転し、可動刃がテープ搬送経路に位置するラベル用テープ側へ前進するとき、遅くとも、当該前進により可動刃がラベル用テープに接して切断を開始するまでは、従動ローラはラベル用テープから離間している。これにより、少なくとも切断開始時において、従動ローラとラベル用テープとでラベル用テープを挟み込むことはなく、上記モータの回転に対応し回転している駆動ローラの駆動力はラベル用テープには伝わらない。この結果、確実に切断を円滑に開始することができる。
【0018】
第5発明は、上記第1乃至第4発明のいずれかにおいて、前記進退調整手段は、前記モータの前記一方向への回転に伴い、対応する一方向へ回転する可動刃駆動ギヤと、前記可動刃駆動ギヤの回転中心以外の部分に設けられた第1ピンと、前記可動刃の基部に設けられ、前記第1ピンの往復動を許容しつつ当該第1ピンと係合する係合孔と、を備え、前記モータの前記一方向への回転を前記可動刃の前記進退動作に変換する、変換手段を有することを特徴とする。
【0019】
これにより、モータの回転駆動に基づく回転運動をピンと係合孔との係合構造を利用して進退方向への運動へ変換し、可動刃を進退動作させる具体的構造を、確実に実現することができる。
【0020】
第6発明は、上記第5発明において、前記進退調整手段は、前記従動ローラを回転可能に支持し、所定の回転中心に対して回転可能な支持部材と、前記支持部材に設けられ、前記可動刃側に突出して当該可動刃の外縁部に接触可能な第2ピンと、を備え、前記モータの前記一方向への回転による前記可動刃の前記進退動作に連動して、前記支持部材を前記回転中心まわりに回転させる、連動手段を有することを特徴とする。
【0021】
これにより、可動刃の進退動作に対して支持部材を連動して回転中心まわりに回転させ、従動ローラを進退動作させる具体的構造を、確実に実現することができる。
【0022】
第7発明は、上記第1乃至第6発明のいずれかにおいて、前記従動ローラが前記接触位置にある状態においては、前記テープ搬送経路に位置する前記ラベル用テープに対する前記駆動ローラ及び前記従動ローラによる前記挟み込みを阻害せず、かつ、前記従動ローラが前記接触位置にない状態においては、前記テープ搬送経路に位置する前記ラベル用テープが前記駆動ローラに接触しないように当該ラベル用テープをガイドする、テープガイド部材を有することを特徴とする。
【0023】
本願第7発明においては、テープ搬送経路を搬送されてきたラベル用テープの先端が駆動ローラの位置に到達したときでも、テープガイド部のガイド機能により、(可動刃が切断動作を開始する前には回転停止状態にある)駆動ローラに対し接触することはない。この結果、駆動ローラへの接触によるひっかかりによって搬送障害やテープ詰まりが起こるのを、確実に防止することができる。
【0024】
第8発明は、上記第1乃至第7発明のいずれかにおいて、前記搬送手段により搬送される前記ラベル用テープの先端部が前記駆動ローラの近傍に到達する前後の時間範囲であって、前記進退する前記可動刃が前記ラベル用テープに接触し切断を開始しないような所定の時間範囲に、前記モータを前記一方向へ回転するように制御する、モータ制御手段を有することを特徴とする。
【0025】
本願第8発明においては、テープ搬送経路を搬送されてきたラベル用テープの先端が駆動ローラの位置に到達したとき、モータ制御手段の制御により駆動ローラが回転し、当該先端に接触しながら円滑に迎え入れることができる。この結果、停止状態の駆動ローラへ接触しひっかかって搬送障害やテープ詰まりが起こるのを、確実に防止することができる。このとき、モータ制御手段は、ラベル用テープの先端部が上記のように駆動ローラの近傍に到達するその前後の所定の時間範囲に限定して、上記駆動ローラの回転のためのモータの回転を行う。これにより、上記テープ先端部の迎え入れのためのモータの回転により、誤って可動刃がラベル用テープに接触し切断を開始するのを防止することができる。
【0026】
第9発明は、上記第1乃至第8発明のいずれかにおいて、前記可動刃により切断される切断位置に到達するより前に、前記搬送手段により搬送される前記ラベル用テープに対し所望の印字を行う印字手段を有し、前記可動刃は、前記印字手段による印字後の前記ラベル用テープを切断し、印字ラベルを作成することを特徴とする。
【0027】
これにより、ラベル用テープの所定の印字領域に所望の印字を形成した印字ラベルを作成することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、モータ数を低減して装置全体の小型化や軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明のラベル作成装置の一実施形態を備えたラベル生成システムを表すシステム構成図である。
【図2】ラベル作成装置の全体構造を表す斜視図である。
【図3】内部ユニットの構造を表す平面図である。
【図4】カートリッジの詳細構造を模式的に表す拡大平面図である。
【図5】内部ユニットの排出機構及び切断機構を、テープ搬送方向下流側から見た正面図である。
【図6】内部ユニットの排出機構及び切断機構を、テープ搬送方向下流側から見た斜視図である。
【図7】図5中A−A断面でみた水平断面図である。
【図8】内部ユニットの排出機構及び切断機構を、テープ搬送方向上流側から見た背面図である。
【図9】内部ユニットの排出機構及び切断機構を、テープ搬送方向上流側から見た斜視図である。
【図10】ラベル作成装置の制御系を表す機能ブロック図である。
【図11】作成されたラベルの外観の一例を表す上面図及び下面図である。
【図12】図11中(a)中のXIIA−XIIA′断面及びXIIB−XIIB′断面による横断面図を反時計方向に90°回転させた図である。
【図13】制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図14】ステップS55の詳細手順を表すフローチャートである。
【図15】可動刃の進退動作と押圧ローラの進退動作との連携を説明するための、各動作段階を表す透視説明図である。
【図16】可動刃の進退動作と押圧ローラの進退動作との連携を説明するための、各動作段階を表す透視説明図である。
【図17】可動刃の進退動作と押圧ローラの進退動作との連携を説明するための、各動作段階を表す透視説明図である。
【図18】可動刃の進退動作と押圧ローラの進退動作との連携を説明するための、各動作段階を表す透視説明図である。
【図19】可動刃の進退動作と押圧ローラの進退動作との連携を説明するための、各動作段階を表す透視説明図である。
【図20】可動刃の進退動作と押圧ローラの進退動作との連携を説明するための、各動作段階を表す透視説明図である。
【図21】可動刃の進退動作と押圧ローラの進退動作との連携を説明するための、各動作段階を表す透視説明図である。
【図22】可動刃の進退動作と押圧ローラの進退動作との連携を説明するための、各動作段階を表す透視説明図である。
【図23】可動刃の進退動作と押圧ローラの進退動作との連携を説明するための、各動作段階を表す透視説明図である。
【図24】可動刃の進退動作と押圧ローラの進退動作との連携を説明するための、各動作段階を表す透視説明図である。
【図25】可動刃の切断を行うタイミングに先んじて駆動ローラを駆動させる変形例における制御手順を表すフローチャートである。
【図26】ステップS85の詳細手順を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0031】
図1に示すラベル生成システムLSにおいて、本実施形態のラベル作成装置1は、この例では、有線あるいは無線による通信回線NWを介して、端末118a及び汎用コンピュータ118bに接続されている。なお、端末118a及び汎用コンピュータ118bを総称して以下適宜、単に「PC118」と称する。ラベル作成装置1は、この例では、上記PC118からの操作に基づき所望の印字つきラベルを作成するものである。
【0032】
図2に示すように、ラベル作成装置1は、装置本体2と、この装置本体2の上面に開閉可能に設けられた開閉蓋3とを有している。
【0033】
装置本体2は、手前側(図2中、左手前側)に位置し、装置本体2内で作成されたラベルLを外部に排出するラベル排出口11を備えた前壁10と、この前壁10のうちラベル排出口11の下方に設けられ下端が回動可能に支持された前蓋12とを備えている。
【0034】
前蓋12は押部13を備えており、この押部13を上方より押し込むことで前蓋12が前方に開放されるようになっている。また、前壁10の一端部には、ラベル作成装置1の電源のオン・オフを行う電源ボタン14が設けられている。この電源ボタン14の下方には、装置本体2内に配設された切断機構15(後述の図3参照)を使用者の手動操作で駆動するためのカッター駆動ボタン16が設けられ、このボタン16が押されることで印字済みラベル用テープ109(詳細は後述)をカットしてラベルLを装置本体から切り離すようになっている。
【0035】
開閉蓋3は、装置本体2の図2中右奥側の端部にて回動可能に軸支され、バネ等の付勢部材を介して常時開放方向に付勢されている。そして、装置本体2の上面に開閉蓋3に隣接するように配置された開閉ボタン4が押されることにより、開閉蓋3と装置本体2とのロックが解除され、上記付勢部材の作用により開放される。なお、開閉蓋3の中央側部には、透明カバーで覆われた透視窓5が設けられている。
【0036】
<内部ユニット>
次に、ラベル作成装置1の内部の内部ユニット20の構造を説明する。内部ユニット20は、図3に示すように、概略的には、カートリッジ7を収納するカートリッジホルダ6と、印字手段としての印字ヘッド23を備えた印字機構21と、切断手段としての切断機構15と、ハーフカッタ34を備えたハーフカットユニット35と、生成されたラベルLをラベル排出口11(図2参照)より排出するラベル排出機構22とを備えている。
【0037】
<カートリッジホルダ及び印字機構>
カートリッジホルダ6は、ラベル排出口11(図2参照)から排出される印字済みラベル用テープ109の幅方向の向きが、垂直方向となるようにカートリッジ7を収納する。
【0038】
次に、カートリッジ7の詳細構造を説明する。図4及び図3に示されるように、カートリッジ7は、筐体7Aと、この筐体7A内に配置され帯状の基材テープ101が巻回された第1ロール102と、上記基材テープ101と略同じ幅である透明なカバーフィルム103(ラベル用テープ)が巻回された第2ロール104と、インクリボン105(熱転写リボン、但し被印字テープが感熱テープの場合は不要)を繰り出すリボン供給側ロール111と、印字後のリボン105を巻取るリボン巻取りローラ106と、カートリッジ7のテープ排出部30の近傍に回転可能に支持されたテープ送りローラ27と、ガイドローラ112とを有する。
【0039】
テープ送りローラ27は、上記基材テープ101と上記カバーフィルム103とを押圧し接着させ上記印字済ラベル用テープ109としつつ、矢印Aで示す方向にテープ送りを行う(=圧着ローラとしても機能する)。
【0040】
第1ロール102は、リール部材102aの周りに、上記基材テープ101を巻回している。基材テープ101はこの例では4層構造となっており(図4中部分拡大図参照)、内側に巻かれる側(図4中右側)よりその反対側(図4中左側)へ向かって、適宜の粘着材からなる粘着層101a、PET(ポリエチレンテレフタラート)等から成る色付きのベースフィルム101b、適宜の粘着材からなる粘着層101c、剥離紙101dの順序で積層され構成されている。
【0041】
ベースフィルム101bの表側(図4中右側)には、後にカバーフィルム103を接着するための上記粘着層101aが形成され、またベースフィルム101bの裏側(図4中左側)には、上記粘着層101cによって上記剥離紙101dがベースフィルム101bに接着されている。
【0042】
剥離紙101dは、最終的にラベル状に完成したラベルLが所定の商品等に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着層101cにより当該商品等に接着可能となっている。
【0043】
第2ロール104は、リール部材104aの周りに上記カバーフィルム103を巻回している。第2ロール104より繰り出されるカバーフィルム103は、その裏面側(すなわち上記基材テープ101と接着される側)に配置された上記リボン供給側ロール111及び上記リボン巻取りローラ106で駆動されるリボン105が、上記印字ヘッド23に押圧されることで当該カバーフィルム103の裏面に当接させられる。
【0044】
リボン巻取りローラ106及びテープ送りローラ27は、それぞれカートリッジ7外に設けた例えばパルスモータである搬送用モータ(図示せず)の駆動力が図示しないギヤ機構を介しリボン巻取りローラ駆動軸107及びテープ送りローラ駆動軸108に伝達されることによって、連動して回転駆動される。なお、このテープ送りローラ駆動軸108が、搬送手段として機能する。
【0045】
一方、多数の発熱素子を備えた上記印字ヘッド23が、カートリッジホルダ6に立設されたヘッド取付部24に取り付けられて、テープ送りローラ27よりカバーフィルム103の搬送方向上流側に配置されている。
【0046】
また、カートリッジホルダ6のうちカートリッジ7の前方(図3中、下側)には、ローラホルダ25が支持軸29により回動可能に枢支され、切換機構により印字位置(図3参照)とリリース位置とに切換可能とされている。このローラホルダ25には、プラテンローラ26及びテープ圧接ローラ28が回転可能に配設されており、ローラホルダ25が上記印字位置に切り換えられたときに、それらプラテンローラ26及びテープ圧接ローラ28が上記印字ヘッド23及び上記テープ送りローラ27に対し圧接される。
【0047】
上記構成において、上記第1ロール102より繰り出された基材テープ101は、テープ送りローラ27へと供給される。一方、前述したように第2ロール104より繰り出されるカバーフィルム103の裏面に対し、インクリボン105が上記印字ヘッド23に押圧されて当接させられる。カートリッジ7が上記カートリッジホルダ6に装着されロールホルダ25が上記リリース位置から上記印字位置に移動されると、カバーフィルム103及びインクリボン105が印字ヘッド23とプラテンローラ26との間に狭持されるとともに、基材テープ101及びカバーフィルム103がテープ送りローラ27と圧着ローラ28との間に狭持される。そして、搬送用モータ119の駆動力によってリボン巻取りローラ106及びテープ送りローラ27が図4中の矢印B及び矢印Cで示す方向にそれぞれ同期して回転駆動される。このとき、前述のテープ送りローラ駆動軸108と上記圧着ローラ28及びプラテンローラ26はギヤ機構(図示せず)にて連結されており、テープ送りローラ駆動軸108の駆動に伴いテープ送りローラ27、圧着ローラ28、及びプラテンローラ26が回転し、第1ロール102から基材テープ101が繰り出され、上述のようにテープ送りローラ27へ供給される。一方、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出されるとともに、印刷駆動回路120(後述の図10参照)により印字ヘッド23の複数の発熱素子が通電される。この結果、カバーフィルム103の裏面に、ラベル印字R(後述の図11参照)が印刷される。そして、上記基材テープ101と上記印刷が終了したカバーフィルム103とが上記テープ送りローラ27及び圧着ローラ28により接着されて一体化されて印字済ラベル用テープ109として形成され、テープ排出部30よりカートリッジ7外へと搬出される。カバーフィルム103への印字が終了したインクリボン105は、リボン巻取りローラ駆動軸107の駆動によりリボン巻取りローラ106に巻取られる。
【0048】
なお、カートリッジ7の上記筐体7Aの上面には、例えば、カートリッジ7内に内蔵されている上記基材テープ101のテープ幅、テープの色等を表示するテープ特定表示部8(図3参照)が設けられている。
【0049】
一方、前述したように、内部ユニット20には、上記切断機構15と、上記ラベル排出機構22とが備えられている。上述のように貼り合わされて生成された印字済みラベル用テープ109に対し、上記カッター駆動ボタン16(図2参照)を操作することにより切断機構15によって印字済みラベル用テープ109が切断され(あるいは適宜のタイミングで自動的に切断されるようにしてもよい)、ラベルLが生成される。このラベルLは、その後さらにラベル排出機構22によって前壁10(図2参照)に形成された上記ラベル排出口11から排出される。
【0050】
<切断機構>
次に、切断機構15について、図5〜図9、及び、上記図3により説明する。なお、図5〜図9においては、図示の煩雑を避けるために、後述のハーフカットユニットを除いた状態で図示している。なお、当該図示のように、ハーフカットユニットを省略した構成としてもよい。
【0051】
前述したような貼り合わせの結果、印字済みラベル用テープ109は、層方向に沿って、カバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、及び、剥離紙101dが、この順序で積層されている。切断機構15は、これらの層をすべて切断することにより、上記印字を備えた印字ラベルLを作成する。すなわち、切断機構15は、固定刃40と、この固定刃40とともにカット動作を行う可動刃41と、この可動刃41に係合されるカッターハスバギヤ(可動刃駆動ギヤ)42と、このカッターハスバギヤ42に対して、複数のギヤからなるギヤ列43Aにより作動連結され、一方向に回転する駆動モータ43(モータ)と、を備えている。
【0052】
カッターハスバギヤ42には、突起状に形成されたボス(第1ピン)50が回転中心以外の部分に設けられており、このボス50が可動刃41の柄部46(基部)に形成された長孔(係合孔)49に挿入されて係合される(図8及び図9参照)。これらボス50及び長孔49が、上記駆動モータ43の一方向への回転を可動刃41の進退動作に変換する変換手段を構成している。これにより、駆動モータ43の回転駆動に基づく回転運動をボス50と長孔49との係合構造を利用して進退方向への運動へ変換し、可動刃41を印字済みラベル用テープ109のテープ搬送経路に対し進退動作させることができる。
【0053】
固定刃40は、カートリッジホルダ6の側部において起立状に設けられる側板44(図3参照)に固定孔を通してネジ等により固定されている。
【0054】
図8及び図9等に示されるように、可動刃41は略V字状をなしており、切断部分に設けられた刃部45と、刃部45の反対に位置する柄部46と、屈曲部47と、から構成される。固定刃には軸孔48が設けられている。可動刃41は、軸孔48に設けられた回転軸(図示せず)を介し屈曲部47を支点として回動できるように、上記側板44に支持されている。また、可動刃41の刃部45の反対側の柄部46に上記長孔49が形成されている。刃部45は例えば2段刃により形成されており、その刃面は刃部45の厚みを徐々に薄くする第1傾斜面と第2傾斜面の傾斜角度の異なる2つの傾斜面により構成されている。
【0055】
上記構成の切断機構15において、駆動モータ43によりカッターハスバギヤ42が回転した際に、可動刃41がボス50と長孔49により上記軸孔48の回転軸を支点として揺動し、印字済みラベル用テープ109の搬送経路へ向かって前進することで、印字済みラベル用テープ109がカットされる。
【0056】
すなわちまず、カッターハスバギヤ42のボス50が内側(図8、図9中、右側)に位置する場合においては可動刃41の刃部45は固定刃40から離れて位置する(初期状態)。そして、この初期状態において駆動モータ43が駆動し、カッターハスバギヤ42が図8中の時計回り(矢印70方向)に回転すると、ボス50が外側に移動するとともに、可動刃41は上記回転軸を中心に図8中の時計回り(矢印73方向)に回動し、固定刃40と協働して印字済みラベル用テープ109を切断する(詳細は後述の図15〜図24も参照)。
【0057】
<ラベル排出機構>
一方、上記ラベル排出機構22は、装置本体2の前壁10(図2参照)に設けられたラベル排出口11の近傍に配設され、切断機構15において切断された後の印字済みラベル用テープ109(言い換えればラベルL、以下同様)をラベル排出口11から強制的に排出する。すなわち、ラベル排出機構22は、可動刃41よりテープ搬送経路の下流側に設けられ、印字済みラベル用テープ109に接触して排出するための駆動ローラ51と、この駆動ローラ51に対して印字済みラベル用テープ109の搬送経路を挟んで対向する押圧ローラ(従動ローラ)52と、を有する。
【0058】
駆動ローラ51は、上記駆動モータ43の駆動力が上記ギヤ列43A(歯車機構)によってローラシャフト51aに伝達されることで、回転駆動される。
【0059】
このとき、上記ラベル排出口11の内側には、印字済みラベル用テープ109をラベル排出口11へ案内するための第1案内壁55,56及び第2案内壁63,64が設けられている(図3参照)。第1案内壁55,56及び第2案内壁63,64はそれぞれ一体に形成され、上記固定刃40と可動刃41とでカットされた印字済みラベル用テープ109の排出位置において、互いに所定の間隔を隔てられるように配置されている。
【0060】
なお、このとき、第1案内壁55には、突出したリブ形状のテープガイド部55A(テープガイド部材)が設けられている。このテープガイド部55Aは、押圧ローラ52がテープ搬送経路から離れた状態においてカートリッジ7から印字済みラベル用テープ109が排出されてきたとき、当該印字済みラベル用テープ109の先端と、(この時点ではまだ可動刃41が動いていないことから停止した状態にある)駆動ローラ51とが、接触しないようにガイドする機能を果たす。なお、テープガイド部55Aは、押圧ローラ52がテープ搬送経路の印字済みラベル用テープ109に接触している状態では、駆動ローラ51及び押圧ローラ52による印字済みラベル用テープ109の挟み込みを阻害しないよう、第1案内壁55のうち駆動ローラ51を挟む両側2カ所に分かれて設けられている。
【0061】
<ハーフカットユニット>
次に、ハーフカットユニットの詳細構成について説明する。前述したように、印字済みラベル用テープ109は、層方向に沿って、カバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、及び、剥離紙101dが、この順序で積層されている。ハーフカットユニットは、これらの層のうち、剥離紙101d以外の層(カバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、及び粘着層101c)を切断する。すなわち、図3に示されるように、ハーフカットユニットは、この例では固定刃40に合わせて配置される受け台38と、この受け台38と対向し可動刃41側に配置され、上記剥離紙101d以外の層の切断を行うハーフカッタ34と、固定刃40と受け台38との間に固定刃40と合わせて配置される第1ガイド部36と、この第1ガイド部36と対向し可動刃41と合わせて配置される第2ガイド部37とを備えている。
【0062】
以上の基本構成において、本実施形態の特徴は、駆動ローラ51の回転駆動と可動刃41の刃部45の進退動作とを、1つの共通の駆動モータ43からの駆動力によって行うことにある。すなわち、本実施形態では、駆動モータ43の一方向への回転に伴って、前述した可動刃41の刃部45のテープ搬送経路に対する進退動作と、押圧ローラ52の駆動ローラ51に対する進退動作とが、互いに連携した所望の態様に調整される。以下、その詳細について順を追って説明する。
【0063】
上記の連携に際しては、例えば回転運動を進退(並進往復)運動へ変換するいわゆるクランク・揺動梃機構を用いている。すなわち、駆動ローラ51に圧接される押圧ローラ52を一端に回転可能に支持する略逆三角形状の支持部材60が、その端部に設けた回転軸163を介して回転(揺動)可能となるように配置されている。
【0064】
支持部材60は、回転軸163に巻介されたバネ部材62によって、テープ搬送経路から後退する後方側、すなわち押圧ローラ52が駆動ローラ51から離間した状態となるように、付勢されている。また支持部材60の下端には、可動刃41側に突出して、当該可動刃41の略への字形に屈曲した柄部46の角側外縁部46Aに接触可能な、排出カムのボス(第2ピン)61が備えられている。このような構成により、駆動モータ43の上記一方向への回転による可動刃41の刃部45の進退動作に連動して、可動刃41の柄部46の上記外縁部46Aが排出カムのボス61に接触したり解離したりすることにより、支持部材60を回転軸163の回りに回転(揺動)させることができる。すなわち、支持部材60とボス61とは、各請求項記載の連動手段として機能している。
【0065】
上記の構成により、可動刃41の進退動作に対して支持部材60を連動して回転軸163の回りに揺動させ、駆動ローラ51に対する押圧ローラ52の進退動作を実現している。すなわち、押圧ローラ52は、テープ搬送経路に位置する印字済みラベル用テープ109に対し駆動ローラ51と反対側から接触し当該駆動ローラ51とともに印字済みラベル用テープ109を挟み込み可能な接触位置と、テープ搬送経路に位置する印字済みラベル用テープ109から所定距離だけ離間した離間位置(最も離れた位置からわずかに離れた位置までの全域)、の間を進退可能となっている(詳細な動作態様は後述の図15〜図24参照)。
【0066】
なお、以上において、上記カッターハスバギヤ42と、上記ボス50及び長孔49を備えた変換手段と、上記支持部材60及びボス61を備えた連動手段と、上記可動刃41の外縁部46Aとが、各請求項記載の進退調整手段として機能する。
【0067】
<制御系>
次に、ラベル作成装置1の制御系を図10を用いて説明する。図10において、このラベル作成装置1の制御基板(図示せず)上には、制御回路110が配置されている。
【0068】
制御回路110には、内部にタイマ111Aを備え各機器を制御するCPU111と、このCPU111にデータバス112を介して接続された入出力インターフェース113と、CGROM114と、ROM115,116と、RAM117とが設けられている。
【0069】
CGROM114は、例えば多数のキャラクタの各々に関するドットパターンデータがコードデータに対応させて格納されている。
【0070】
ROM(ドットパターンデータメモリ)115には、アルファベット文字や記号等のキャラクタを印字するための多数のキャラクタ各々に関して、印字用ドットパターンデータが、書体(ゴシック系書体、明朝体書体等)毎に分類され、各書体毎に印字文字サイズ分、コードデータに対応させて格納されている。また、階調表現を含むグラフィック画像を印字するためのグラフィックパターンデータも記憶されている。
【0071】
なお、以上のCGROM114やROM115に記憶された表示用及び印字用ドットパターンデータは、上記通信回線NWを介してPC118側から読み出すことが可能であり、当該データを受信したPC118側で表示や印字を行うようにしてもよい。
【0072】
ROM116には、上記PC118から入力された文字や数字等のキャラクタのコードデータに対応させて、印字バッファのデータを読み出して上記印字ヘッド23、搬送用モータ119を駆動する印字駆動制御プログラム、各印字ドットの形成エネルギ量に対応するパルス数を決定するパルス数決定プログラム、印字終了した場合に印字済みラベル用テープ109を切断位置まで搬送用モータ119を駆動して搬送し、上記駆動モータ43を駆動して印字済みラベル用テープ109を切断する切断駆動制御プログラム、切断された印字済みラベル用テープ109(=ラベルL)を、駆動モータ43を駆動してラベル排出口11から強制的に排出するテープ排出プログラム、その他ラベル作成装置1の制御上必要な各種のプログラムが格納されている。CPU111は、このようなROM116に記憶されている各種プログラムに基づいて各種の演算を行う。
【0073】
RAM117には、テキストメモリ117A、印字バッファ117B、パラメータ記憶エリア117E等が設けられている。テキストメモリ117Aには、PC118から入力された文書データが格納される。印字バッファ117Bには、複数の文字や記号等の印字用ドットパターンがドットパターンデータとして格納され、印字ヘッド23はこの印字バッファ117Bに記憶されているドットパターンデータに従ってドット印字を行う。パラメータ記憶エリア117Eには、各種演算データが記憶される。
【0074】
入出力インターフェース113には、PC118と、印字ヘッド23を駆動するための上記印刷駆動回路120と、搬送用モータ119を駆動するための搬送用モータ駆動回路121と、駆動モータ43を駆動するための駆動回路122と、ハーフカッタモータ129を駆動するためのハーフカッタモータ駆動回路128と、テープカットセンサ124とカットリリース検出センサ125とが各々接続されている。なお、前述のようにハーフカッタ34が設けられない場合には、ハーフカッタモータ129及びハーフカッタモータ駆動回路128は省略される。
【0075】
このような制御回路110を核とする制御系において、PC118を介して文字データ等が入力された場合、そのテキスト(文書データ)がテキストメモリ117Aに順次記憶されるとともに、印字ヘッド23が駆動回路120を介して駆動され、各発熱素子が1ライン分の印字ドットに対応して選択的に発熱駆動されて印字バッファ117Bに記憶されたドットパターンデータの印字を行い、これと同期して搬送用モータ119が駆動回路121を介してテープの搬送制御を行う。
【0076】
このとき、テープカットセンサ124及びカットリリース検出センサ125は、図5、図6、図8、図9等に示すように、カッターハスバギヤ42の円筒外壁のうち所定の周方向範囲にフランジ状に突出して設けたカッターハスバギヤ用カム42Aと、マイクロスイッチ126と、から構成されている。
【0077】
具体的には、通常の待機状態(ホームポジション)では、カッターハスバギヤ用カム42Aの作用によりマイクロスイッチ126が押されてオン状態となっている(後述の図15参照)。この状態から、前述の印字済みラベル用テープ109の切断時において、駆動モータ43によりカッターハスバギヤ42が一方向(図8の矢印70の方向)に回転し、可動刃41の刃部45が前進する。その後可動刃41の刃部45の前進により印字済みラベル用テープ109の切断が完了したタイミングで、当該周方向位置においてはカッターハスバギヤ用カム42Aが存在しなくなることでマイクロスイッチ126が押されなくなりオン状態からオフ状態に復帰する(後述の図20、及び、図14のステップS65参照)。この結果、可動刃41による印字済みラベル用テープ109の切断が完了したことが検出される。このことにより、テープカット検出センサ124が構成される。
【0078】
また、さらにカッターハスバギヤ42が一方向(図8の矢印70の方向)に回転すると、ある周方向位置において再びカッターハスバギヤ用カム42Aが出現してマイクロスイッチ126が押されてマイクロスイッチ126がオフ状態からオン状態に切り替わる(後述の図24、及び、図14のステップS70参照)。この結果、可動刃41が上記ホームポジションに戻ったことが検出される。このことにより、カットリリース検出センサ125が構成される。
【0079】
<ラベルの構成>
上述のような構成のラベル作成装置1により印字済ラベル用テープ109の切断が完了し、形成されたラベルLは、図11(a)、図11(b)、図12(a)、及び図12(b)に示すように、前述したように図4に示した4層構造にカバーフィルム103が加わった5層構造となっている。すなわち、カバーフィルム103側(図12中上側)よりその反対側(図12中下側)へ向かって、カバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、剥離紙101dで5層が構成されている。そして、カバーフィルム103の裏面にラベル印字R(この例では「ABCD」の文字)が印刷されている。
【0080】
また、カバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101cには、既に述べたように上記ハーフカッタ34によってテープ幅方向に略沿ってハーフカット線HC(この例では前ハーフカット線HC1及び後ハーフカット線HC2の2本)が形成されている。カバーフィルム103のうち、これらハーフカット線HC1,HC2の間に挟まれた領域がラベル印字Rが印刷される印字領域Sとなり、印字領域Sよりハーフカット線HC1,HC2を挟んでテープ長手方向両側がそれぞれ前余白領域S1及び後余白領域S2となっている。
【0081】
なお、前述のようにしてハーフカットユニットが省略された場合には、図11(a)及び図11(b)にそれぞれ対応する図11(c)及び図11(d)のように、上記ハーフカット線HC1,HC2のない外観となる。
【0082】
<制御手順>
次に上記制御回路110によって実行される制御手順を、図13を用いて説明する。
【0083】
図13において、上記PC118より例えばラベル作成操作が行われるとこのフローが開始される。まずステップS1で、上記PC118からの操作信号を(通信回線NW及び入出力インターフェース113を介して)入力しこの操作信号に基づき、印字データの生成、前・後ハーフカット位置やフルカット位置の設定、等を行う準備処理を実行する。なお、このとき、上記印字データには、後述の印字長L1が含まれている。
【0084】
ステップS5では、入出力インターフェース113を介し搬送用モータ駆動回路121に制御信号を出力し、搬送用モータ121の駆動力によってテープ送りローラ27及びリボン巻取りローラ106を回転駆動させる。これらにより、第1ロール102から基材テープ101が繰り出されテープ送りローラ27へ供給されるとともに、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出される。そして、これら基材テープ101とカバーフィルム103とが上記テープ送りローラ27及びサブローラ109により接着されて一体化されて印字済ラベル用テープ109として形成され、カートリッジ7外方向からさらにラベル作成装置1外方向へと搬送される。
【0085】
その後、ステップS10において、上記ステップS5から開始されたテープ搬送による搬送量Dが、所定のDoになったかどうか、を判定する。このDoは、前述の印字データに基づいた、上記印字領域Sの搬送方向先端部が、印字ヘッド23に正対する位置まで来たかどうか(言い換えればカバーフィルム103が印字ヘッド23による印刷開始位置まで到達したかどうか)、を判定するためのものである。Doの値は、上記印字領域Sの設定とともに、上記ステップS1の準備処理において決定されている。D=Doとなってカバーフィルム103が印刷開始位置に到達するまでステップS10の判定が満たされずループ待機し、印刷開始位置となったら、ステップS10の判定が満たされて、ステップS15に移る。
【0086】
ステップS15では、入出力インターフェース113を介し印刷駆動回路120に制御信号を出力し、印字ヘッド23を通電して、カバーフィルム103のうち前述した印字領域Sに、ステップS1で生成した印字データに対応した文字、記号、バーコード等の印字長L1のラベル印字Rの印刷を開始する。
【0087】
その後、ステップS20において、印字済ラベル用テープ109が先のステップS1で設定した前ハーフカット位置まで搬送されたかどうか(言い換えればハーフカット機構35のハーフカッタ34がステップS1で設定した前ハーフカット線HC1に正対する位置まで印字済みラベル用テープ109が到達したかどうか)を判定する。このときの判定は、例えば、上記ステップS10のタイミング以降の、パルスモータである搬送用モータ119を駆動する搬送用モータ駆動回路121の出力するパルス数をカウントし、当該カウント数が所定の値に達したかどうか、により検出すれば足りる。前ハーフカット位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされてステップS25に移る。
【0088】
ステップS25では、入出力インターフェース113を介し搬送用モータ駆動回路121に制御信号を出力し、搬送用モータ119の駆動を停止して、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106の回転を停止する。これにより、カートリッジ7から繰り出された印字済ラベル用テープ109が排出方向に移動する過程で、ステップS1で設定した前ハーフカット線HC1にハーフカット機構35のハーフカッタ34が正対した状態で、第1ロール102からの基材テープ101の繰り出し、第2ロール104からのカバーフィルム103の繰り出し、及び印字済みラベル用テープ109の搬送が停止する。またこのとき、入出力インターフェース113を介し印刷駆動回路120にも制御信号を出力し、印字ヘッド23の通電を停止して、上記ラベル印字Rの印刷を停止(印刷中断)する。
【0089】
その後、ステップS30で、入出力インターフェース113を介しハーフカッタモータ駆動回路128に制御信号を出力してハーフカッタモータ129を駆動し、ハーフカッタ34を回動させて、印字済ラベル用テープ109のカバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、及び粘着層101cを切断して前ハーフカット線HC1を形成する前ハーフカット処理を行う。
【0090】
そして、ステップS35に移り、上記ステップS5と同様にしてテープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106を回転駆動させて印字済ラベル用テープ109の搬送を再開するとともに、ステップS15と同様にして印字ヘッド23に通電してラベル印字Rの印刷を再開する。なお、前述のようにハーフカッタ34を設けない場合は、上記ステップS20、ステップS25、ステップS30、ステップS35は省略される。
【0091】
ステップS250では、搬送量Dが印字長L1以上となったかどうか、すなわち上記印字領域Sの搬送方向後端部が、印字ヘッド23に正対する位置まで来たかどうか(言い換えればカバーフィルム103が印字ヘッド23による印刷終了位置まで到達したどうか)、を判定する。このときの判定も、上記同様、搬送用モータ119を駆動するパルス数のカウントにより行えばよい。D≧L1となりカバーフィルム103が印刷終了位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされてステップS260に移る。
【0092】
ステップS260では、上記ステップS25と同様にして、印字ヘッド23の通電を停止して、上記ラベル印字Rの印刷を停止する。これによって、カバーフィルム103の印字領域Sに対するラベル印字Rの印刷が完了する。
【0093】
その後、ステップS270に移り、前記印字領域Sの後端部から所定の位置に固定的に設定される(ステップS1で設定)、後ハーフカット位置までテープ搬送を行った後にハーフカットユニット35のハーフカッタ34によって後ハーフカット線HC2の形成を行う、後ハーフカット処理を行う。
【0094】
そして、ステップS45に移り、印字済みラベル用テープ109の切断線CL(ステップS1で設定)が切断機構15の可動刃41に正対する位置までラベル用テープ109が到達したかどうか(言い換えれば印字済ラベル用テープ109がフルカット位置まで搬送されたかどうか)を判定する。このときの判定も、上記同様、搬送用モータ119を駆動するパルス数のカウントにより行えばよい。フルカット位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされてステップS50に移る。
【0095】
ステップS50では、上記ステップS25と同様にして、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106の回転を停止して印字済ラベル用テープ109の搬送を停止する。これにより、ステップS1で設定した切断線CLに切断機構15の可動刃41が正対した状態で、第1ロール102からの基材テープ101の繰り出し、第2ロール104からのカバーフィルム103の繰り出し、及び印字済みラベル用テープ109の搬送が停止する。
【0096】
その後、ステップS55でモータ駆動回路122に制御信号を出力して駆動モータ43を駆動し、切断機構15の可動刃41を回動させて、印字済ラベル用テープ109のカバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、及び剥離紙101dをすべて切断(分断)して切断線CLを形成するとともに切断後のラベルLを排出する、カット・排出処理を行う(詳細は図14参照)。このカット・排出処理では、切断機構15による分断によって印字済みラベル用テープ109から切り離され、且つ駆動ローラ51と押圧ローラ52とによってラベル用テープ109を挟み込んで排出させることで、所定の印字が行われたラベル状のラベルLが生成される。その後、このフローを終了する。
【0097】
上記ステップS55のカット・排出処理の詳細手順を、図14を用いて説明する。なお、前述したように、このフローが始まる時点において、可動刃41がホームポジションに戻っており、カットリリース検出センサ125のマイクロスイッチ126はカッターハスバギヤ用カム42Aで押され、既にオン状態となっている。
【0098】
まず、ステップS60で、駆動回路122に制御信号を出力し、駆動モータ43を上記一方向に駆動開始する。これにより、カッターハスバギヤ42が対応する方向に回転し、可動刃41による印字済みラベル用テープ109の切断と、これに連携した駆動ローラ51及び押圧ローラ52によるラベルLの排出とが開始される(連携の詳細な態様は後述)。
【0099】
その後、ステップS65に移り、上記カッターハスバギヤ42の回転により、前述したカッターハスバギヤ用カム42Aが存在しなくなってマイクロスイッチ126がオン状態からオフ状態に切り替わったかどうかを判定する。オン状態からオフ状態に切り替わったら判定が満たされ、前述したように、可動刃41による印字済みラベル用テープ109の切断が完了したとみなされて、ステップS70に移る。
【0100】
ステップS70では、さらにカッターハスバギヤ42が回転し、前述したカッターハスバギヤ用カム42Aの出現によりマイクロスイッチ126がオフ状態からオン状態に切り替わったかどうかを判定する。オフ状態からオン状態に切り替わったら、判定が満たされ、可動刃41がホームポジションまで戻ったとみなされて、ステップS75に移る。
【0101】
ステップS75では、駆動回路122に制御信号を出力し、駆動モータ43の駆動を停止する。これにより、カッターハスバギヤ42の回転が停止し、可動刃41はホームポジションにおいて次回動作に向けての待機状態となる。
【0102】
<可動刃進退と押圧ローラ進退との連携動作>
次に、前述した可動刃41の刃部45のテープ搬送経路に対する進退動作と押圧ローラ52の駆動ローラ51に対する進退動作との連携の詳細について、説明する。
【0103】
本実施形態では、最大の特徴として、少なくとも、可動刃41が印字済みラベル用テープ109の切断を完了した後の所定期間の間は、押圧ローラ52がラベル用テープ109に接触しているように、上記可動刃41の進退動作と押圧ローラ52の進退動作とが連携されている。特にこの例では、上記所定期間として、ラベルLの後端部が駆動ローラ51に達するまでは、押圧ローラ52がラベル用テープ109に接触しているように、構成されている。
【0104】
そして、上記の際、遅くとも、可動刃41が印字済みラベル用テープ109の切断を完了するまでには、押圧ローラ52が前述の離間した位置からテープ搬送経路に前進し印字済みラベル用テープ109に接触しているように、構成されている。さらに、遅くとも、可動刃41がテープ搬送経路に位置する印字済みラベル用テープ109に接して切断を開始するときまでは、押圧ローラ52がテープ搬送経路から後方側に後退した位置にあるように、構成されている。
【0105】
以下、図15乃至図24に基づき、上記の連携態様を順を追って説明する。
【0106】
まず最初に、前述したように、切断機構15の可動刃41の刃部45は、搬送経路に位置する印字済みラベル用テープ109から離間したホームポジションでの待機状態にある(図15参照)。この例では、この状態で、カッターハスバギヤ42の中心からみてボス50が水平方向の同じ高さ位置にある。なお、先に説明したように、この時点で、カットリリース検出センサ125のマイクロスイッチ126は既にON状態となっている。
【0107】
その後、駆動モータ43が回転を開始する。この回転駆動力は前述したようにギヤ列43Aを介してカッターハスバギヤ42に伝達され、このカッターハスバギヤ42の回転により、可動刃41の刃部45が印字済みラベル用テープ109に向かって前進を開始する。また上記回転駆動力は、上記ギヤ列43A(歯車機構)によってローラシャフト51aに伝達され、これによって駆動ローラ51も回転開始する。但し、この時点では可動刃41の柄部46の外縁部46Aが支持部材60のボス61から離れた状態である。この結果、支持部材60がバネ部材62に付勢されることによって、押圧ローラ52は、テープ搬送経路から後方側に後退し駆動ローラ51から離間した初期状態を維持している。したがって、テープ搬送経路に位置する印字済みラベル用テープ109の一方側に位置する駆動ローラ51は印字済みラベル用テープの直近で回転しているものの、他方側に位置する押圧ローラ52が印字済みラベル用テープ109から離れているので、印字済みラベル用テープ109と駆動ローラ51との間に摩擦力がほとんど作用せず、駆動ローラ51の回転は印字済みラベル用テープ109には伝達されない(もし駆動ローラ51が接触しても滑る)。したがって、印字済みラベル用テープ109はラベル排出口11の方向へと搬送されることはない。
【0108】
その後、駆動モータ43の回転によりさらにカッターハスバギヤ42が回転し、上記ホームポジションの位置から85°回転したときに、可動刃41の刃部45が印字済みラベル用テープ109の切断を開始する(図16参照)。この状態でも可動刃41の外縁部46Aは支持部材60のボス61から離れている。
【0109】
その後、駆動モータ43の回転によりさらにカッターハスバギヤ42が回転し、可動刃41の刃部45は印字済みラベル用テープ109を幅方向(図中の上下方向)に切り進んでいく。そしてカッターハスバギヤ42が上記ホームポジションの位置から102°回転したとき、可動刃41の外縁部46Aが支持部材60のボス61に接触する(図17参照)。
【0110】
上記の外縁部46Aとボス61との接触により、これ以降は、可動刃41の刃部45のテープ搬送経路への前進とともに、支持部材60が回転軸163を中心に図示時計回りに回転を開始する。これによって、押圧ローラ52は、テープ搬送経路へ向かって前進を開始し、駆動ローラ51に向かって近づいていく。そして、さらに駆動モータ43の回転によりカッターハスバギヤ42が回転し、上記ホームポジションの位置から132°回転したとき、上記のように前進した押圧ローラ52は印字済みラベル用テープ109に接触する。これにより、押圧ローラ52と駆動ローラ51とで印字済みラベル用テープ109とを挟み込んで押圧した状態となり、駆動ローラ51の回転は印字済みラベル用テープ109に伝達開始される。なお、この時点で、可動刃41の刃部45は印字済みラベル用テープ109の幅方向寸法のうち例えば1/2程度の長さまで切り進んだ状態であり、残りの1/2程度はまだ未切断のまま残っている。すなわち印字済みラベル用テープ109は可動刃41の刃部45により幅方向の途中まで食い込まれた形で把持されているので、上記のように駆動ローラ51の回転が伝達されても駆動ローラ51との間で滑ることで、ラベル排出口11の方向へと搬送されることはない(図18参照)。
【0111】
その後、駆動モータ43の回転によりさらにカッターハスバギヤ42が回転して可動刃41の刃部45が切り進み、カッターハスバギヤ42が上記ホームポジションの位置から170°回転したとき、可動刃41の刃部45による印字済みラベル用テープ109の全幅方向寸法の切断(フルカット)が完了する(図19参照)。これにより、これ以降は、駆動モータ43の駆動力による駆動ローラ51の回転の伝達によって印字済みラベル用テープ109がラベル排出口11へ向かって搬送開始される。なお、このとき、固定刃40と可動刃41の刃部45とは互いの食い込みのないオーバーラップ量0の状態である。
【0112】
その後、駆動モータ43の回転によりさらにカッターハスバギヤ42が回転し、上記ホームポジションの位置から183°回転すると、マイクロスイッチ126をこれまで押してきたカッターハスバギヤ42のカッターハスバギヤ用カム42Aが消失する(あるいは高さが低くなる。図20参照)。これにより、マイクロスイッチ126はOFF状態となって、上記制御回路によって印字済みラベル用テープ109の切断完了が検知される(図14のステップS65参照)。
【0113】
その後、駆動モータ43の回転によりさらにカッターハスバギヤ42が回転し、上記ホームポジションの位置から205°回転すると、固定刃40と可動刃41の刃部45とが互いに食い込んで所定量オーバーラップした状態となる(図21参照)。
【0114】
その後、駆動モータ43の回転によりさらにカッターハスバギヤ42が回転すると、可動刃41の柄部46の長孔49の形状及び方向の作用により、ある時点以降は、上記回転軸を中心に可動刃41は刃部45がテープ搬送経路から離れる方向(図中の反時計回り)に回転し始める。これにより、刃部45が印字済みラベル用テープ109から離間し始める。また、これとともに、可動刃41の上記外縁部46Aにボス61を接触させつつ一体となって揺動していた支持部材60も上記回転軸163を中心としてそれまでと逆方向に(図中の反時計回りに)回転し始める。そして、カッターハスバギヤ42が上記ホームポジションの位置から268°回転したとき、上記支持部材60の逆方向への回転により、支持部材60に支持された押圧ローラ52が、印字済みラベル用テープ109のテープ搬送経路から後方側(図示左側)へ離れる(図22参照)。すなわち、図19において駆動モータ43の駆動力による駆動ローラ51の回転が伝達されて印字済みラベル用テープ109が搬送開始されてから、この図22の状態となるまでの間、印字済みラベル用テープ109の切断により生成されたラベルLの後端が少なくとも駆動ローラ51の位置までに達するように、搬送速度や各部の形状・寸法・材質等が設定されており、これによってラベルLが確実にラベル排出口11から排出されるよう図られている。
【0115】
その後、駆動モータ43の回転によりさらにカッターハスバギヤ42が回転して可動刃41の刃部45がさらに後退してテープ搬送経路から離れ、カッターハスバギヤ42が上記ホームポジションの位置から284°回転したとき、支持部材60は、前述したホームポジションに対応した初期状態に戻る。これにより、これ以降は、可動刃41の外縁部46Aと支持部材60のボス61との接触が解消し、外縁部46Aがボス61より離れる。
【0116】
その後、駆動モータ43の回転によりさらにカッターハスバギヤ42が回転し、上記ホームポジションの位置から354°回転すると、カッターハスバギヤ42のカッターハスバギヤ用カム42Aが出現し(あるいは高さが高くなり)、マイクロスイッチ126を押してON状態とする。これにより、上記制御回路によって可動刃41が上記ホームポジションに戻ったことが検知される(図14のステップS70参照)。
【0117】
以上説明したように、本実施形態においては、駆動ローラ51の回転駆動と可動刃41の進退動作とが、1つの共通の駆動モータ43からの駆動力によって行われる。駆動ローラ51は、駆動モータ43が一方向に回転駆動するのに直結して回転し、駆動モータ43が回転駆動するときには常に駆動ローラ51も回転する。押圧ローラ52は、印字済みラベル用テープ109の搬送経路に向かって進退可能に設けられている。前進して搬送経路の印字済みラベル用テープ109に接触したときには、押圧ローラ52は、駆動ローラ51との間に印字済みラベル用テープ109を挟み込む。これにより、ラベル用テープ109に対し摩擦力を介して駆動ローラ51の回転駆動力が作用し、ラベル用テープ109が排出方向へと送られる。これに対し、押圧ローラ52が印字済みラベル用テープ109から離れた位置にある場合には、上記のようにして駆動モータ43の回転駆動により駆動ローラ51が回転していたとしても、その回転駆動力がラベル用テープ109に伝達されず、ラベル用テープ109は排出されない。
【0118】
一方、可動刃41がテープ搬送経路に対し進退動作することによる印字済みラベル用テープ109の切断も、上記のような駆動モータ43の駆動力を利用して行われる。但し、印字済みラベル用テープ109が移動しながらの切断は困難なので、切断時には印字済みラベル用テープ109は移動せず完全に停止している必要がある。これに対応して、駆動モータ43の回転中には常に回転する駆動ローラ51に対し、押圧ローラ52及び可動刃41の上記進退動作を前述したように互いに連携する。
【0119】
すなわち、切断時には、なるべく押圧ローラ52と駆動ローラ51とで印字済みラベル用テープ109を挟み込まないようにし駆動力がなるべく印字済みラベル用テープ109には伝わらないにする(図16の状態〜図18の直前の状態まで)。これにより、円滑に切断を行うことができる。また、テープ切断完了時には押圧ローラ52と駆動ローラ51とで印字済みラベル用テープ109を挟み込み、駆動力が印字済みラベル用テープ109に伝わるようにする(図19の状態〜図22の直前の状態まで)。これにより、切断された印字済みラベル用テープ109、すなわちラベルLを排出方向へ送り出すことができる。さらに、切断完了後、所定期間の間(図22の直前の状態までは押圧ローラ52による印字済みラベル用テープ109の接触が維持されることにより、上記ラベルLの排出動作が所定期間の間継続する。この結果、当該所定期間を十分に長くとることで、上記切断により生成されたラベルLを確実に装置外へと排出することができる。
【0120】
以上のようにして、本実施形態においては、1つの共通の駆動モータ43の駆動力を利用して、可動刃41による印字済みラベル用テープ109の切断と、その後のラベルLの排出を円滑にかつ確実に行うことができる。したがって、可動刃41の駆動用のモータとラベルLの排出用のモータとを別々に2個設ける場合に比べて、モータ数を減らすことができる。この結果、装置全体の小型化や軽量化を図ることができ、またコストダウンを図ることもできる。
【0121】
また、所定の期間として、可動刃41による印字済みラベル用テープ109の切断完了後ラベルL後端が駆動ローラ51に達するまでの期間は、押圧ローラ52が接触位置にあるように押圧ローラ52と可動刃41とを連携して進退させている。これにより、切断により生成されたラベルLを確実に装置外へと排出することができる。
【0122】
さらに、遅くとも、可動刃41が印字済みラベル用テープ109の切断を完了するまでには、押圧ローラ52が離間位置から前進して印字済みラベル用テープ109に接触するように、押圧ローラ52と可動刃41とを連携して進退させている(この例では、印字済みラベル用テープ109の切断が完了する図19の状態より前の図18の状態で押圧ローラ52が印字済みラベル用テープ109に接触している)。これにより、少なくともテープ切断完了時において、押圧ローラ52と駆動ローラ51とで印字済みラベル用テープ109を挟み込み駆動ローラ51の駆動力を印字済みラベル用テープ109に伝え、切断された印字済みラベル用テープ109、すなわちラベルLの排出方向への送り出しを確実に速やかに開始することができる。
【0123】
また、遅くとも、可動刃41がテープ搬送経路に位置する印字済みラベル用テープ109に接し切断を開始する時までは、押圧ローラ52が印字済みラベル用テープ109の搬送経路から離間しているように、押圧ローラ52と可動刃41とを連携して進退させている(この例では、切断を開始する図16の状態より前の図15の状態で、押圧ローラ52は既に印字済みラベル用テープ109の搬送経路から離間している)。これにより、モータが一方向へ回転し、可動刃41がテープ搬送経路に位置する印字済みラベル用テープ109側へ前進するとき、押圧ローラ52は印字済みラベル用テープ109から離間している。これにより、少なくとも切断開始時において、押圧ローラ52と駆動ローラ51とで印字済みラベル用テープ109を挟み込むことはなく、上記モータの回転に対応し回転している駆動ローラ51の駆動力は印字済みラベル用テープ109には伝わらない。この結果、確実に切断を円滑に開始することができる。
【0124】
また、本実施形態では特に、テープガイド部55Aを設けている。このテープガイド部55Aのガイド機能により、前述したように、テープ搬送経路を搬送されてきた印字済みラベル用テープ109の先端が駆動ローラ51の位置に到達したときでも、(可動刃41が切断動作を開始する前には回転停止状態にある)駆動ローラ51に対し接触することはない。したがって、駆動ローラ51への接触によるひっかかりによって搬送障害やテープ詰まりが起こるのを、確実に防止することができる。
【0125】
なお、本発明は、上記実施形態に限られず、技術的思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0126】
(1)ラベル用テープの導入時にローラを駆動する場合
すなわち、上記実施形態においては、テープ搬送経路を搬送されてきた印字済みラベル用テープ109の先端が駆動ローラ51の位置に到達したとき、駆動ローラ51への接触により搬送障害やテープ詰まりが起こらないように、ガイド部55Aを設けた。本変形例では、このガイド部55Aを設ける代わりに、印字済みラベル用テープ109の先端が駆動ローラ51の位置に到達する近傍の所定のタイミングにおいて、(可動刃41の切断を行うタイミングに先んじて)駆動ローラ51を駆動させる場合である。
【0127】
具体的には、本変形例では、搬送される印字済みラベル用テープ109の先端部が駆動ローラ51の近傍に到達する前後の時間範囲であって、進退する可動刃41が印字済みラベル用テープ109に接触し切断を開始しないような所定の時間範囲、例えば上記カッターハスバギヤ42の上記ホームポジションの位置からの若干の回転角度範囲において、駆動モータ43を一方向へ回転するように制御する。本変形例の上記制御回路110によって実行される制御手順を、図25及び図26を用いて説明する。
【0128】
図25において、本変形例のフローでは、図13のフローのステップS270とステップS45との間に、新たにステップS80とステップS85とを設けた点が異なる。
【0129】
すなわち、上記同様のステップS270で後ハーフカット処理が終了すると、新たに設けたステップS80に移る。ステップS80では、搬送量Dが距離L2以上となったかどうか、を判定する。この距離L2は、切断機構15の可動刃41から駆動ローラ51までの印字済みラベル用テープ109の搬送経路に沿った距離であり、予めラベル作成装置1に固有な値として適宜の箇所(ROM116等)に記憶されている。
【0130】
これにより、印字済みラベル用テープ109の搬送方向先端部が、駆動ローラ51の位置まで来たかどうか、が判定されることとなる。このときの判定も、前述と同様、例えば搬送用モータ119を駆動するパルス数のカウントにより行えばよい。D≧L2となるまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、D≧L2となったら判定が満たされて、ステップS85に移る。
【0131】
ステップS85では、モータ駆動回路122に制御信号を出力して駆動モータ43を駆動し、駆動ローラ51を所定期間(後述)回転させて、印字済ラベル用テープ109の先端部を円滑に搬送経路に沿って導入する、テープ導入処理を行う(詳細は図26参照)。その後のステップS45以降は、図13と同様であり、説明を省略する。
【0132】
ステップS85の詳細手順を、図26に示す。前述と同様、このフローが始まる時点において、可動刃41はホームポジションに戻っている。図26において、まずステップS120で、駆動回路122に制御信号を出力し、駆動モータ43を上記一方向に駆動開始する。これにより、駆動ローラ51の回転が開始される。
【0133】
その後、ステップS125に移り、上記ステップS120の後、予め定めた所定の時間to(例えばto=100msec)が経過したかどうかを判定する。toが経過したら判定が満たされ、ステップS130に移る。
【0134】
ステップS130では、駆動回路122に制御信号を出力し、駆動モータ43の駆動を停止する。これにより、駆動ローラ51の回転が停止する。以上により、印字済みラベル用テープ109の搬送方向先端部が、駆動ローラ51の位置まで来たときに、時間toの間だけ駆動ローラ51が回転することとなる。なお、これらステップS120、ステップS125、及びステップS130が、各請求項記載のモータ制御手段として機能する。
【0135】
なお、この時間toの駆動モータ43の駆動により、上述したようにカッターハスバギヤ42はホームポジションから所定の角度範囲だけ回転しており、これに伴って可動刃41の刃部45はホームポジションから、若干印字済みラベル用テープ109の搬送経路側に移動したことになる。したがって、この後の図25のステップS55のカット・排出処理では、この若干移動した状態から処理が開始されることとなる。
【0136】
本変形例によれば、テープ搬送経路を搬送されてきた印字済みラベル用テープ109の先端が駆動ローラ51の位置に到達したとき、駆動モータ43の制御により駆動ローラ51が回転し、当該先端に接触しながら円滑に迎え入れることができる。この結果、停止状態の駆動ローラ51へ接触しひっかかって搬送障害やテープ詰まりが起こるのを、確実に防止することができる。このとき、上記制御は、印字済みラベル用テープ109の先端部が上記のように駆動ローラ51の近傍に到達するその前後の所定の時間範囲T0に限定して、上記駆動ローラ51の回転のための駆動モータ43の回転を行う。これにより、上記テープ先端部の迎え入れのためのモータの回転により、誤って可動刃41が印字済みラベル用テープ109に接触し切断を開始するのを防止することができる。
【0137】
(2)その他
なお、以上においては、基材テープ101とは別のカバーフィルム103に印字を行ってこれらを貼り合わせる方式であったが、これに限られず、基材テープに備えられた被印字テープ層に対し印字を行う方式(貼りあわせを行わないタイプ)に本発明を適用してもよい。この場合、基材テープがラベル用テープを構成する。
【0138】
また、以上では、ラベル作成装置1を通信回線NWを介してPC118に接続するようにしたが、これに限られない。すなわち上記PC118等の機能をすべてラベル作成装置1側に備える(いわゆるスタンドアローン方式のラベル作成装置)ようにしてもよい。
【0139】
また、図10等に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0140】
また、上記図13、図14、図25、図26等のフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0141】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0142】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0143】
6 カートリッジホルダ
23 印字ヘッド(印字手段)
41 可動刃
42 カッターハスバギヤ(可動刃駆動ギヤ、進退調整手段)
43 駆動モータ(モータ)
43A ギヤ列(歯車機構)
46A 外縁部(進退調整手段)
49 長孔(係合孔、変換手段、進退調整手段)
50 ボス(第1ピン、変換手段、進退調整手段)
51 駆動ローラ
52 押圧ローラ(従動ローラ)
55A テープガイド部(テープガイド部材)
60 支持部材(連動手段、進退調整手段)
61 ボス(第2ピン、連動手段、進退調整手段)
103 カバーフィルム(ラベル用テープ)
108 テープ送りローラ駆動軸(搬送手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラベル用テープを供給可能なカートリッジを着脱可能なカートリッジホルダと、
前記カートリッジホルダに装着された前記カートリッジから前記ラベル用テープを引き出して搬送するための搬送手段と、
前記搬送手段によるテープ搬送経路に対して進退し、前記搬送手段により搬送される前記ラベル用テープを所望の長さに切断可能な可動刃と、
前記テープ搬送経路における前記可動刃より下流側に設けられ、前記ラベル用テープに接触して排出するための駆動ローラと、
前記テープ搬送経路に位置する前記ラベル用テープに対し前記駆動ローラと反対側から接触し当該駆動ローラとともに前記ラベル用テープを挟み込み可能な接触位置、及び、前記テープ搬送経路に位置する前記ラベル用テープから所定距離だけ離間した離間位置、の間を進退可能に設けられた従動ローラと、
一方向にのみ回転して、前記可動刃の前記テープ搬送経路に対する進退動作、及び、前記駆動ローラの回転駆動、のための駆動力を発生する、モータと、
前記モータの回転駆動とともに前記駆動ローラが回転するように、前記モータの前記駆動力を前記駆動ローラに伝達する歯車機構と、
前記モータの前記一方向への回転に伴う、前記従動ローラの前記駆動ローラに対する進退動作、及び、前記可動刃の前記テープ搬送経路に対する進退動作を、互いに連携した所望の態様に調整する、進退調整手段と、
を有し、
前記進退調整手段は、
前記可動刃によるラベル用テープの切断完了後、所定期間の間は、前記従動ローラが前記接触位置にある
ように、前記従動ローラと前記可動刃とを連携して進退させる
ことを特徴とするラベル作成装置。
【請求項2】
請求項1記載のラベル作成装置において、
前記進退調整手段は、
前記所定の期間として、前記可動刃によるラベル用テープの切断完了後ラベル後端が前記駆動ローラに達するまでの期間は、前記従動ローラが前記接触位置にあるように前記従動ローラと前記可動刃とを連携して進退させる
ことを特徴とするラベル作成装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のラベル作成装置において、
前記進退調整手段は、
遅くとも、前記可動刃が前記ラベル用テープの切断を完了するまでには、前記従動ローラが前記離間位置から前進して前記接触位置に達しているように、前記従動ローラと前記可動刃とを連携して進退させる
ことを特徴とするラベル作成装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項2記載のラベル作成装置において、
前記進退調整手段は、
遅くとも、前記可動刃が前記テープ搬送経路に位置する前記ラベル用テープに接し切断を開始した時までは、前記従動ローラが前記離間位置にあるように、前記従動ローラと前記可動刃とを連携して進退させる
ことを特徴とするラベル作成装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載のラベル作成装置において、
前記進退調整手段は、
前記モータの前記一方向への回転に伴い、対応する一方向へ回転する可動刃駆動ギヤと、
前記可動刃駆動ギヤの回転中心以外の部分に設けられた第1ピンと、
前記可動刃の基部に設けられ、前記第1ピンの往復動を許容しつつ当該第1ピンと係合する係合孔と、
を備え、前記モータの前記一方向への回転を前記可動刃の前記進退動作に変換する、変換手段を有する
ことを特徴とするラベル作成装置。
【請求項6】
請求項5記載のラベル作成装置において、
前記進退調整手段は、
前記従動ローラを回転可能に支持し、所定の回転中心に対して回転可能な支持部材と、
前記支持部材に設けられ、前記可動刃側に突出して当該可動刃の外縁部に接触可能な第2ピンと、
を備え、前記モータの前記一方向への回転による前記可動刃の前記進退動作に連動して、前記支持部材を前記回転中心まわりに回転させる、連動手段を有する
ことを特徴とするラベル作成装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載のラベル作成装置において、
前記従動ローラが前記接触位置にある状態においては、前記テープ搬送経路に位置する前記ラベル用テープに対する前記駆動ローラ及び前記従動ローラによる前記挟み込みを阻害せず、かつ、前記従動ローラが前記接触位置にない状態においては、前記テープ搬送経路に位置する前記ラベル用テープが前記駆動ローラに接触しないように当該ラベル用テープをガイドする、テープガイド部材を有することを特徴とするラベル作成装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載のラベル作成装置において、
前記搬送手段により搬送される前記ラベル用テープの先端部が前記駆動ローラの近傍に到達する前後の時間範囲であって、前記進退する前記可動刃が前記ラベル用テープに接触し切断を開始しないような所定の時間範囲に、前記モータを前記一方向へ回転するように制御する、モータ制御手段を有する
ことを特徴とするラベル作成装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載のラベル作成装置において、
前記可動刃により切断される切断位置に到達するより前に、前記搬送手段により搬送される前記ラベル用テープに対し所望の印字を行う印字手段を有し、
前記可動刃は、
前記印字手段による印字後の前記ラベル用テープを切断し、印字ラベルを作成する
ことを特徴とするラベル作成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2012−139778(P2012−139778A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−294089(P2010−294089)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】