説明

ラミネート装置

【課題】多段化に対応可能なラミネート装置を提供する。
【解決手段】ラミネート装置10は、ダイヤフラム3を備える上チャンバ1と、ヒータ盤4を備える下チャンバ2と、上チャンバ1と下チャンバ2との間に設けられ、被ラミネート体Mを搬送する搬送シート9と、搬送シート9を支持する支持部11と、支持部11を上昇又は下降させる昇降機構(支持プレート12、シャフト21、第1アーム22、ベアリング23、軸受25、及び第2アーム31)と、下チャンバ2の側面(第1側面S1)に設けられ、昇降機構を駆動する駆動部(シリンダ13)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュール等にラミネート加工を行うのに適したラミネート装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽電池モジュール等の薄板形状の被ラミネート体にラミネート加工を行うためのラミネート装置として、ダイヤフラムを備える上チャンバと、ヒータ盤を備える下チャンバと、を備えたラミネート装置が知られている(特許文献1を参照)。
【0003】
特許文献1のラミネート装置は、被ラミネート体の内部の充填剤を融解させ、被ラミネート体を挟圧することにより、被ラミネート体にラミネート加工を行うように構成される。例えば、特許文献1のラミネート装置では、被ラミネート体を載せた搬送シートは、ヒータ盤に接触しないように支持部によりその下面が支持された状態で、被ラミネート体をラミネート装置に搬入する。次いで、上チャンバを下降させることにより、ラミネート装置を密閉状態にする。次いで、ラミネート装置内を真空引きする。次いで、支持部を下降させることにより、被ラミネート体をヒータ盤に密着させる。次いで、上チャンバに大気を導入し、ダイヤフラムを下方に膨張させることにより、被ラミネート体がヒータ盤とダイヤフラムとにより挟圧され、ラミネート加工が行われる。
【0004】
一方、ラミネート加工を効率的に行うために、ラミネート装置を積み重ねる方法(以下、「ラミネート装置の多段化」という)が考えられる。ラミネート装置の多段化には、ラミネート装置をコンパクトにすることが要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−114549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のラミネート装置は、支持部を昇降させるために、支持部が結合される支持プレートと、支持プレートを昇降させるための昇降機構と、昇降機構を駆動するための駆動部と、を備える。駆動部は、下チャンバの下面に設けられ、ラミネート装置からはみ出している。従って、下チャンバの厚みが増加する。このため、特許文献1のラミネート装置の多段化を実現することができなかった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ラミネート装置をコンパクトにすることにより、多段化に対応可能なラミネート装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様によれば、ダイヤフラムを備える上チャンバと、ヒータ盤を備える下チャンバと、前記上チャンバと前記下チャンバとの間に設けられ、被ラミネート体を搬送する搬送シートと、前記搬送シートを支持する支持部と、前記支持部を上昇又は下降させる昇降機構と、前記下チャンバの側面に設けられ、前記昇降機構を駆動する駆動部と、を備える、ことを特徴とするラミネート装置が提供される。
【0009】
本発明において、前記駆動部の底面は、前記下チャンバの下面よりも高い位置に設けられ、且つ、前記駆動部の上面は、前記下チャンバの上面よりも低い位置に設けられても良い。
【0010】
本発明において、前記昇降機構は、前記支持部を上昇又は下降させる方向にそれぞれ移動させる1つ又は複数の第1アームと、前記1つ又は複数の第1アームの支点を回転させるシャフトと、を備え、前記駆動部は、前記シャフトを回転駆動しても良い。
【0011】
本発明において、前記昇降機構は、さらに、前記駆動部の駆動力を前記シャフトの回転力に変換する第2アームを備えても良い。
【0012】
本発明において、前記昇降機構は、さらに、前記第1アームの先端部に接続され、前記支持部を上昇又は下降させる際の摩擦力を軽減する摩擦軽減部材を備えても良い。
【0013】
本発明において、前記昇降機構は、前記支持部を上昇又は下降させる方向にそれぞれ移動させる複数の第1アームと、前記複数の第1アームのうち対応する第1アームの支点をそれぞれ回転させる複数のシャフトと、を備え、前記駆動部は、前記複数のシャフトを回転駆動しても良い。
【0014】
本発明において、前記駆動部は、さらに、前記複数のシャフトの間で回転力を伝達する回転力伝達部材を備えても良い。
【0015】
本発明において、前記駆動部は、前記複数のシャフトのそれぞれ毎に設けられ、各シャフトを回転駆動する複数の回転機構を備えても良い。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ラミネート装置がコンパクトになる。それにより、ラミネート装置が多段化に対応可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態に係るラミネート装置10の正面断面図。
【図2】図1の破線部Aを説明するための模式図。
【図3】図2の破線B−Bの断面図。
【図4】図1のシリンダ13の概略図。
【図5】本実施形態に係るラミネート加工の工程を示す概略図。
【図6】本実施形態に係るラミネート装置10の垂直方向(Y方向)の多段化を示す概略図。
【図7】本実施形態の変形例に係る昇降機構の拡大図。
【図8】本実施形態の変形例に係るラミネート装置10の側面図。
【図9】本実施形態の変形例に係るラミネート装置10の側面図。
【図10】従来のラミネート装置の正面断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
本実施形態に係るラミネート装置の構成について説明する。図1は、本実施形態に係るラミネート装置10の正面断面図である。図2は、図1の破線部Aを説明するための模式図である。図3は、図2の破線B−Bの断面図である。図4は、図1のシリンダ13の概略図である。
【0020】
図1のラミネート装置10は、太陽電池モジュール等にラミネート加工を行う装置である。例えば、太陽電池モジュールは、カバーガラス、充填剤、太陽電池セル、及び裏面材等の構成部材を備える。太陽電池モジュールの内部の充填剤を融解させ、太陽電池モジュールが挟圧されることにより、各構成部材が接着される。それにより、太陽電池モジュールにラミネート加工が行われる。
【0021】
図1のラミネート装置10は、上チャンバ1と、下チャンバ2と、を備える。
【0022】
図1に示すように、上チャンバ1には、ダイヤフラム3が設けられる。ダイヤフラム3は、上チャンバ1を水平方向(X方向)に横切っている。ダイヤフラム3は、被ラミネート体Mを押圧するように構成される。例えば、ダイヤフラム3は、シリコン又はブチルを含む化合物により形成される。
【0023】
図1に示すように、下チャンバ2には、複数の支柱5と、シャフト21と、が設けられる。各支柱5は垂直方向(Y方向)に伸びるように設けられる。シャフト21は水平方向(X方向)に延びるように設けられる。
【0024】
図1に示すように、各支柱5上には、ヒータ盤4が設けられる。それにより、ヒータ盤4は、下チャンバ2に固定される。例えば、ヒータ盤4は、アルミ製の金属板と、その金属板に覆われた熱源と、を備える。
【0025】
図1に示すように、シャフト21は、下チャンバ2の側面を貫通する。シャフト21の第1端部E1には、第2アーム31が設けられる。第2アーム31には、回転機構としてのシリンダ(駆動部)13が設けられる。下チャンバ2の第1側面S1及び第2側面S2には、シャフト21の軸受25が設けられる。シャフト21と下チャンバ2との間には、ラミネート装置10への空気の流入を防ぐためのOリング等のシール24が設けられる。シャフト21には、複数の第1アーム22が互いに所定間隔を隔てて設けられる。各第1アーム22は、支持部11を上昇又は下降させる方向に移動させるようになっている。各第1アーム22の先端部には、カムフォロア等のベアリング(摩擦軽減部材)23が設けられる。ベアリング23は、水平な支持プレート12の下面に接している。支持プレート12の重さは、約100[kg]である。ベアリング23は、支持部11を上昇又は下降させる際の摩擦力を軽減するようになっている。支持プレート12の上面には、複数の支持部11が互いに所定間隔を隔てて設けられる。各支持部11の上端は、搬送シート9の下面に接している。すなわち、搬送シート9は、各支持部11により支持されている。搬送シート9は、被ラミネート体Mをラミネート装置10に搬入又は搬出するために、被ラミネート体Mを水平方向(X方向)に搬送するように構成される。
【0026】
図1に示すように、シリンダ13の底面は、下チャンバ2の下面よりも高い位置に設けられる。シリンダ13の上面は、下チャンバ2の上面よりも低い位置に設けられる。すなわち、シリンダ13の垂直方向(Y方向)の大きさは、下チャンバ2の第1側面S1の垂直方向(Y方向)の大きさより小さい。換言すると、シリンダ13は、下チャンバ2から垂直方向(Y方向)に突出していない。また、第2アーム31、軸受25、及びシャフト21も、下チャンバ2から垂直方向(Y方向)に突出していない。従って、シリンダ13、第2アーム31、軸受25、及びシャフト21は、ラミネート装置10の垂直方向(Y方向)の大きさに影響を与えない。
【0027】
図2及び図3に示すように、第1アーム22には、シャフト21及びベアリング23が設けられる。シャフト21は、第1アーム22の中心から所定距離だけ隔てた位置を水平方向(X方向)に貫通する。シャフト21は、第1アーム22の支点を回転させるようになっている。従って、シャフト21が回転すると、ベアリング23の位置が垂直方向(Y方向)に移動する。それにより、支持プレート12が垂直方向(Y方向)に移動する。すなわち、支持プレート12は、シャフト21の回転方向に応じて、昇降する。例えば、図3では、シャフト21が反時計回りに回転すると支持プレート12は上昇し、シャフト21が時計回りに回転すると支持プレート12が垂直方向(Y方向)に下降する。支持プレート12の上昇幅及び下降幅は、約3〜4[mm]である。
【0028】
図4のシリンダ13は、空圧式である。シリンダロッド32には、第2アーム31が設けられる。第2アーム31は、シリンダ13の駆動力をシャフト21の回転力に変換するようになっている。シリンダ13には、電磁弁14が設けられる。電磁弁14は、シリンダ13のシリンダロッド32を伸縮させるために送られる圧縮空気の通路を切り換えるように構成される。
【0029】
図4の電磁弁14によりシリンダロッド32がZ1方向に伸びると、第2アーム31がZ1方向に動く。それにより、シャフト21が反時計回りに回転する。その結果、支持プレート12が垂直方向(Y方向)に上昇する(図3を参照)。
【0030】
次いで、図4の電磁弁14によりシリンダロッド32がZ2方向に縮むと、第2アーム31がZ2方向に動く。それにより、シャフト21が時計回りに回転する。その結果、支持プレート12が垂直方向(Y方向)に下降する(図3を参照)。
【0031】
図4のシリンダロッド32の伸張方向には、シリンダロッド32の伸張量を制限するためのストッパ16が設けられる。ストッパ16の位置を調整することにより、シリンダロッド32の伸張量を制御することができる。すなわち、ストッパ16の位置を調整することにより、図1の支持プレート12の上昇量を制御することができる。
【0032】
なお、図1の支柱5、支持部11、第1アーム22、及びベアリング23の数は幾つでも良い。また、図1の軸受25は、シャフト21の剛性を維持するために、下チャンバ2の内壁に設けられても良い。
【0033】
本実施形態に係るラミネート加工について説明する。図5は、本実施形態に係るラミネート加工の工程を示す概略図である。図5において、被ラミネート体M1は、最初にラミネート加工が行われる太陽電池モジュールであり、被ラミネート体M2は、被ラミネート体M1の次にラミネート加工が行われる太陽電池モジュールである。
【0034】
図5(A)に示すように、被ラミネート体M1がラミネート装置10に搬入されるときは、図4の電磁弁14によりシリンダロッド32がZ1方向に伸び、シャフト21が反時計回りに所定角度だけ回転する。それにより、図3の指示プレート12が垂直方向(Y方向)に上昇し、搬送シート9も垂直方向(Y方向)に上昇する。その結果、搬送シート9とヒータ盤4との間の距離がDになる。例えば、Dは約3〜4[mm]である。すなわち、被ラミネート体M1はヒータ盤4には接していない。
【0035】
次いで、図5(B)に示すように、搬送シート9とヒータ盤4との間の距離がDに保たれたまま、搬送シート9により被ラミネート体M1がラミネート装置10に搬入され、搬送シート9が停止し、図1の上チャンバ1が垂直方向(Y方向)に下降する。それにより、ラミネート装置10が密封される。次いで、ラミネート装置10内を真空引きする。このとき、ラミネート装置10外の搬送シート9上には、被ラミネート体M2が待機している。
【0036】
次いで、図5(C)に示すように、図4の電磁弁14によりシリンダロッド32がZ2方向に縮み、シャフト21が時計回りに所定角度だけ回転する。それにより、図3の支持プレート12が垂直方向(Y方向)に下降し、搬送シート9も垂直方向(Y方向)に下降する。その結果、搬送シート9はヒータ盤4に接触する(すなわち、搬送シート9とヒータ盤4との距離が0になる)。次いで、図1の上チャンバ1に大気を導入し、ダイヤフラム3を下方に膨張させることにより、被ラミネート体M1がヒータ盤4とダイヤフラム3とにより挟圧され、被ラミネート体M1の内部の充填剤が融解し、被ラミネート体M1にラミネート加工が行われる。
【0037】
次いで、図5(D)に示すように、上チャンバ1を開き、図4の電磁弁14によりシリンダロッド32がZ1方向に伸び、シャフト21が反時計回りに所定角度だけ回転する。それにより、図3の指示プレート12が垂直方向(Y方向)に上昇し、搬送シート9も垂直方向(Y方向)に上昇する。その結果、搬送シート9とヒータ盤4との間の距離がDになる。このとき、被ラミネート体M1及びM2はヒータ盤4には接していない。次いで、搬送シート9とヒータ盤4との間の距離がDに保たれたまま、搬送シート9により、ラミネート加工が行われた被ラミネート体M1がラミネート装置10から搬出され、被ラミネート体M2がラミネート装置10に搬入される。
【0038】
以後、搬送シート9に載置された全ての被ラミネート体Mに対するラミネート加工が完了するまで、図5(B)〜(D)の工程が繰り返される。
【0039】
なお、搬送シート9が垂直方向(Y方向)に昇降したときの搬送シート9とヒータ盤4との距離は、シャフト21の回転角度に基づいて定められる。すなわち、シャフト21の回転角度を調整することにより、距離を制御することができる。例えば、シリンダ13のシリンダロッド32の伸びが大きくなると、距離が大きくなる。
【0040】
(比較例)
本実施形態に係るラミネート装置10と従来のラミネート装置との比較例について説明する。図10は、従来のラミネート装置の正面断面図である。
【0041】
図10に示すように、従来のラミネート装置では、シリンダ13は、下チャンバ2よりも垂直方向(Y方向)に突出するように、下チャンバ2の下面Uに設けられる。すなわち、従来のラミネート装置では、シリンダ13が垂直方向(Y方向)の突起物になる。
【0042】
一方、本実施形態に係るラミネート装置10は、ダイヤフラム3を備える上チャンバ1と、ヒータ盤4を備える下チャンバ2と、上チャンバ1と下チャンバ2との間に設けられ、被ラミネート体Mを搬送する搬送シート9と、搬送シート9を支持する支持部11と、支持部11を上昇又は下降させる昇降機構(支持プレート12、シャフト21、第1アーム22、ベアリング23、軸受25、及び第2アーム31)と、下チャンバ2の側面(第1側面S1)に設けられ、昇降機構を駆動する駆動部(シリンダ13)と、を備える。それにより、シリンダ13は、垂直方向(Y方向)の突起物にはならない。すなわち、ラミネート装置10は、図10のラミネート装置に比べて、垂直方向(Y方向)の大きさが小さい。その結果、図6に示すように、ラミネート装置10は、垂直方向(Y方向)の多段化に対応可能になる。
【0043】
また、本実施形態では、 駆動部(シリンダ13)の底面は、下チャンバ2の下面よりも高い位置に設けられ、且つ、駆動部(シリンダ13)の上面は、下チャンバ2の上面よりも低い位置に設けられる。駆動部(シリンダ13)の底面が下チャンバ2の下面よりも高いので、ラミネート装置10が垂直方向(Y方向)の多段化に対応可能になる。また、駆動部(シリンダ13)の上面が下チャンバ2の上面より低いので、駆動部(シリンダ13)がユーザの作業(例えば、メンテナンス)の邪魔にならない。
【0044】
また、本実施形態では、昇降機構は、支持部11を上昇又は下降させる方向に移動させる1つ又は複数の第1アーム22と、1つ又は複数の第1アーム22始点を回転させるシャフト21と、を備え、駆動部(シリンダ13)は、シャフト21を回転駆動しても良い。それにより、支持プレート12のたわみを防ぐことができる。また、支持プレート12の加重が複数の第1アーム22に分散するので、各第1アーム22をコンパクトにすることができ、且つ、そのような第1アーム22を駆動する駆動部(シリンダ13)もコンパクトにすることができる。
【0045】
また、本実施形態では、昇降機構は、さらに、駆動部(シリンダ13)の駆動力をシャフト21の回転力に変換する第2アーム31を備えても良い。それにより、簡易な構造を用いて、昇降機構を実現することができる。
【0046】
また、本実施形態では、昇降機構は、さらに、第1アーム22の先端部に接続され、支持部11を上昇又は下降させる際の摩擦力を軽減する摩擦軽減部材(ベアリング23)を備えても良い。それにより、支持部11及び第1アーム22の磨耗を防ぐことができる。
【0047】
また、本実施形態では、昇降機構は、支持部11を上昇又は下降させる方向にそれぞれ移動させる複数の第1アーム22と、複数の第1アーム22のうち対応する第1アーム22の支点をそれぞれ回転させる複数のシャフト21と、を備え、駆動部(シリンダ13)は、複数のシャフト21を回転駆動しても良い。それにより、支持部11をスムーズに上昇又は下降させることができる。また、シリンダ13や摩擦軽減部材(ベアリング23)等の様々な部品をコンパクトにすることができる。
【0048】
また、本実施形態では、駆動部(シリンダ13)は、複数のシャフト21のそれぞれ毎に設けられ、各シャフト21を回転駆動する複数の回転機構を備えても良い。それにより、各駆動部(シリンダ13)をコンパクトにすることができ、且つ、支持部11をスムーズに上昇又は下降させることができる。
【0049】
本実施形態では、昇降機構が、支持プレート12と、シャフト21と、第1アーム22と、ベアリング23と、軸受25と、第2アーム31と、により実現される例について説明したが、本発明の範囲はこれに限られるものではない。
【0050】
図7に示すように、昇降機構は、支持プレート12と、シャフト21と、カム26と、により実現されても良い。シャフト21は、カム26の中心から所定距離だけ隔てた位置を水平方向に貫通する。すなわち、シャフト21の中心とカム26の中心とは所定距離だけずれている。従って、シャフト21が回転すると、カム26がシャフト21を軸に回転する。それにより、支持プレート12が垂直方向(Y方向)に移動する。すなわち、支持プレート12は、シャフト21の回転方向に応じて、昇降する。例えば、図7では、シャフト21が反時計回りに回転すると支持プレート12は上昇し、シャフト21が時計回りに回転すると支持プレート12が垂直方向(Y方向)に下降する。
【0051】
また、本実施形態では、1組の昇降機構及びシリンダ13が設けられる例について説明したが、本発明の範囲はこれに限られるものではない。
【0052】
図8に示すように、ラミネート装置10は、複数組の昇降機構(支持プレート12、シャフト21、第1アーム22、ベアリング23、軸受25、及び第2アーム31)並びにシリンダ13と、を備えても良い。それにより、各駆動部(シリンダ13)をコンパクトにすることができ、且つ、支持部11をスムーズに上昇又は下降させることができる。
【0053】
図9に示すように、ラミネート装置10は、複数組の昇降機構(図示せず)及びシリンダ13と、昇降機構及びシリンダ13の各組を互いに結合し、複数のシャフト21の間で回転力を伝達するリンク33(回転力伝達部材)と、を備えても良い。この場合には、複数の昇降機構のうちの1本のシャフトが回転すると、リンク33によりその回転が他の昇降機構のシャフトに伝わる。すなわち、各組の昇降機構が連動する。従って、各組の昇降機構のシャフトの回転量は、互いに等しい。その結果、各組の昇降機構の第1アームは、それぞれ、同時に回転する。それにより、駆動部(シリンダ13)の数が昇降機構の数より少なくても、支持プレート12は、傾くことなく、スムーズに垂直方向(Y方向)に昇降する。なお、駆動部(シリンダ13)の数は、幾つでも良い。
【0054】
本実施形態では、駆動部が空圧式のシリンダ13である例について説明したが、本発明の範囲はこれに限られるものではない。シリンダ13は、油圧式であっても良い。また、駆動部は、回転アクチュエータ又は電気モータであっても良い。
【0055】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化される。また、上述した実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明が形成可能である。例えば、上述した実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 上チャンバ
2 下チャンバ
3 ダイヤフラム
4 ヒータ盤
5 支柱
9 搬送シート
10 ラミネート装置
11 支持部
12 支持プレート
13 シリンダ
14 電磁弁
16 ストッパ
21 シャフト
22 第1アーム
23 ベアリング
24 シール
25 軸受
26 カム
31 第2アーム
32 シリンダロッド
33 リンク
M 被ラミネート体
S1 第1側面
S2 第2側面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイヤフラムを備える上チャンバと、
ヒータ盤を備える下チャンバと、
前記上チャンバと前記下チャンバとの間に設けられ、被ラミネート体を搬送する搬送シートと、
前記搬送シートを支持する支持部と、
前記支持部を上昇又は下降させる昇降機構と、
前記下チャンバの側面に設けられ、前記昇降機構を駆動する駆動部と、を備える、
ことを特徴とするラミネート装置。
【請求項2】
前記駆動部の底面は、前記下チャンバの下面よりも高い位置に設けられ、且つ、前記駆動部の上面は、前記下チャンバの上面よりも低い位置に設けられる請求項1記載のラミネート装置。
【請求項3】
前記昇降機構は、前記支持部を上昇又は下降させる方向にそれぞれ移動させる1つ又は複数の第1アームと、前記1つ又は複数の第1アームの支点を回転させるシャフトと、を備え、
前記駆動部は、前記シャフトを回転駆動する、
請求項1又は2記載のラミネート装置。
【請求項4】
前記昇降機構は、さらに、前記駆動部の駆動力を前記シャフトの回転力に変換する第2アームを備える、
請求項3記載のラミネート装置。
【請求項5】
前記昇降機構は、さらに、前記第1アームの先端部に接続され、前記支持部を上昇又は下降させる際の摩擦力を軽減する摩擦軽減部材を備える、
請求項3又は4記載のラミネート装置。
【請求項6】
前記昇降機構は、前記支持部を上昇又は下降させる方向にそれぞれ移動させる複数の第1アームと、前記複数の第1アームのうち対応する第1アームの支点をそれぞれ回転させる複数のシャフトと、を備え、
前記駆動部は、前記複数のシャフトを回転駆動する、
請求項1記載のラミネート装置。
【請求項7】
前記駆動部は、さらに、前記複数のシャフトの間で回転力を伝達する回転力伝達部材を備える請求項6記載のラミネート装置。
【請求項8】
前記駆動部は、前記複数のシャフトのそれぞれ毎に設けられ、各シャフトを回転駆動する複数の回転機構を備える請求項6記載のラミネート装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−230412(P2011−230412A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−104038(P2010−104038)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(595013427)株式会社エヌ・ピー・シー (54)
【Fターム(参考)】