説明

ランプユニット、ランプ取付装置、加熱装置、画像形成装置

【課題】複数本の棒状のヒータランプを備えたランプユニットを可及的に小さい連結部材で連結し、ランプユニット全体の小型化を実現する。
【解決手段】両端が減圧による手法で封止されたシュリンクシール部12a,12bを備えたヒータランプ10Aと同じく両端が減圧による手法で封止されたシュリンクシール部12c,12dを備えたヒータランプ10Bとを、互いに接触させた状態または極めて接近させた状態で配置する。この状態でヒータランプ10A,10Bの両端部を共通の連結部材111,112を用いて支持する。シュリンクシール部12a,12cと12b,12dのそれぞれ外接円は、ヒータランプ10A,10Bの外接円より小さくできる。このことから、シュリンクシール部12a,12cを連結する連結部材111とシュリンクシール部12b,12dを連結する連結部材112が小型にすることができ、ランプユニット100全体の小型化に寄与する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機やプリンタなどのトナー定着などに用いられるランプユニットおよびこのランプユニットを取り付けるランプユニット取付装置、このランプユニット取付装置が用いられた加熱装置、この加熱装置を用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のランプユニットは、各々両端にピンチシール部を有するバルブを備えた3本以上の棒状のヒータランプが互いに平行に伸びるように配置され、各ヒータランプの両端部において共通の連結部材によって連結され、複数のヒータランプは、隣り合うヒータランプの中心の各々を結んだ仮想直線の複数によって正多角形が構成され、かつ各々のヒータランプにおけるピンチシール部の扁平な面が互いに異なる仮想直線と平行となる状態に配置され、バルブにおけるピンチシール部以外の直管状部分が互いに接触する状態または隣り合うヒータランプにおける直管状部分の外周面の離間距離の大きさが1mm以下となるよう接近した状態にされている。(例えば、特許文献1)
【特許文献1】特開2005−216734公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記した特許文献1の技術は、ランプユニットの各両端ピンチシールによる封止を行っていることから、複数本のヒータランプをユニット化し、これらの両端部を連結部材によって連結させている。しかし、ピンチシール部の扁平な部分がヒータランプの直径と同等であることから、連結部材は複数本のピンチシール部を束ねるだけの外周の大きさが必要であり、ランプユニットの小型化には問題があった。
【0004】
この発明の目的は、複数本の棒状の管型白熱電球をコンパクトに支持することにより、システム全体の小型化を図ることを可能としたランプユニット、このランプユニットを取り付けるランプ取付装置、このランプ取付装置が取り付けられた加熱装置、この加熱装置を用いた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記した課題を解決するために、この発明のランプユニットは、両端が封止された放射透過性のバルブを備えた複数本の棒状のヒータランプを有し、これらヒータランプの両端部を共通の連結部材によって連結してなるランプユニットにおいて、前記バルブ両端の封止は、減圧による封止が行われたシュリンクシール部とし、前記連結部材は、前記シュリンクシール部を連結することで、前記複数本のランプを互いに平行に伸びるように配置したことを特徴する。
【0006】
また、両端が封止された放射透過性のバルブを備えた複数本の棒状のヒータランプを有し、これらヒータランプの両端部を共通の連結部材によって連結してなるランプユニットにおいて、前記バルブ両端の封止は、減圧による封止が行われたシュリンクシール部とし、前記連結部材は、前記シュリンクシール部を連結することで、複数本の前記ヒータランプを互いに平行に伸びるように配置するとともに、複数本の前記ヒータランプの外周面と接する外接円内に入る大きさとしたことを特徴する。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、封止部の強化を図りながら、複数を束ねたランプユニットを取り付けるための支持部の小形化が図れることから、ランプユニットを用いた場合におけるシステムのより小型化の実現が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0009】
図1は、この発明のランプユニットの一実施形態の概略的な構成について説明するための斜視図、図2は、図1に示すランプユニットを長手方向から見たときの配置状態を示す側面図である。
【0010】
図1において、ランプユニット100は、外径が6〜15mm程度の2本の棒状のヒータランプ10A,10Bが平行に伸びるよう配置され、ヒータランプ10A,10Bの両端部に耐熱性絶縁材料で形成される共通の連結部材111,112によって連結されて保持されて構成する。
【0011】
ヒータランプ10A,10Bは、両端に減圧封止により封止するシュリンクシール部12a,12bを形成された全体が略直管状のバルブ13a,13bを有する。バルブ13a内には、フィラメント14aがバルブ13aの管軸方向に沿って伸びるように配設されるとともに、不活性ガスおよびハロゲンガスが所要の封入量で封入される。バルブ13b内には、フィラメント14b,14cがバルブ13bの管軸方向に沿って伸びるように直列接続した状態で配設されるとともに、所要の不活性ガスおよびハロゲンガスが封入量で封入される。
【0012】
フィラメント14aの両端部は、シュリンクシール部12a,12bのそれぞれに気密に封着されて埋設された、例えばモリブデン製の導電性箔16a,16bを介して、シュリンクシール部12a,12bの端面より突出して伸びる外部リード棒17a,17bに接続されている。また、直列接続されたフィラメント14b,14cの両端部は、シュリンクシール部12c,12dのそれぞれに気密に封着されて埋設された、例えばモリブデン製の導電性箔16c,16dを介して、シュリンクシール部12c,12dの端面より突出して伸びる外部リード棒17c,17dに接続されている。
【0013】
連結部材111は、シュリンクシール部12a,12cをそれぞれ挿入する径大の支持孔18a,18cと外部リード棒17a,17cがそれぞれ挿入される径小の支持孔19a,19cが形成される。連結部材112には、シュリンクシール部12b,12dをそれぞれ挿入する径大の支持孔18b,18dと外部リード棒17b,17dがそれぞれ挿入される径小の支持孔19b,19dが形成される。また、連結部材111,112には、支持部201,202を一体形成している。
【0014】
このように、連結部材111にヒータランプ10A,10Bのシュリンクシール部12a,12cが、連結部材112にヒータランプ10A,10Bのシュリンクシール部12b,12dがそれぞれ挿入固定されることによりランプユニット100を構成する。
【0015】
なお、外部リード棒17a〜17dには、図示しないリード線の一端がそれぞれ接続され、他端に電力が供給されることにより、ヒータランプ10A,10Bをそれぞれ点灯させる。
【0016】
ここで、減圧による封止が行われるシュリンクシール部12a〜12dの封止方法の一例について説明する。
【0017】
シュリンクシールによる封止は、封止される部分以外で一旦ヒータランプを封止し、封止部分を含むヒータランプ内部を減圧にした状態で、モリブデン箔を気密封止させるものである。この封止方法は、石英ガラスの肉厚がピンチシールによる封止方法のような偏りがないことから封止部強度が向上する。なお、複数のシュリンクシールによる封止が施された管型白熱電球の具体例としては、特開平9−320547号公報にその方法が記載されている。
【0018】
ところで、図2に示すように、ヒータランプ10A,10Bには製造上の理由から、それぞれのバルブ13a,13bの外周面より1〜5mm程度突出したガス排気導入管の残留部であるチップ21a,21bが形成されており、ランプユニット100を小型のものとして構成するに際しては、バルブ13a,13bの周方向におけるチップ21a,21bの配置位置を考慮する必要がある。
【0019】
チップ21a,21bの配置位置例について説明する。ヒータランプ10A,10Bにおけるチップ21a,21bは、チップサイズにもよるが、バルブ13a,13bの外接円Ca内に収まるように、相手側のバルブ13に接近するように配置されていることが好ましい。これにより、チップ21a,21bが隣り合うヒータランプに対して干渉することなしに、チップ21a,21bがバルブ13a,13bの外接円Caに対する突出量を可及的に小さくでき、ランプユニットの小型化を図ることが可能となる。このとき、封止部はシュリンクシールであることからチップ21a,21bの位置に左右されることはなく、周方向の位置変更の自由度の向上を図ることができる。
【0020】
図3は、連結部材112を取り付けた状態で図2と同じ方向からみた状態を示す側面図を、図4は、連結部材112にシュリンクシール部12b,12dが取り付けられた状態の図4a−a’断面図である。
【0021】
連結部材112は、シュリンクシール部12b,12dの外接円Cbがバルブ13a,13bの外接円Caに比べで小さくできることから、外接円Ca内は入る大きさのものにすることができる。
【0022】
図5、図6は、ヒータランプ10A,10Bに連結部材111,112が取り付けられて構成されるランプユニット100の、図5は正面図を、図6は図5の側面図を示すものである。
【0023】
図5、図6からも分かるように、連結部材111,112はヒータランプ10A,10B2本を並べた長さよりも小さい長さと1本よりも低い高さのものを使用することができ、連結部材111,112を小型に、延いてはランプユニット100全体を小型化にすることができる。
【0024】
ヒータランプ10A,10Bは、互いに発熱パターン(発熱領域)が異なるものとされている。例えば、ヒータランプ10Aは図7(a)に示すように、フィラメント14aがバルブ13aの中央部分に、ヒータランプ10Bは図7(b)に示すように、フィラメント14b,14cがバルブ13bの両端側部分に発熱領域を有するように構成したものである。ヒータランプ10Aは、例えばA4サイズの記録材用の定着用ヒータランプとし、ヒータランプ10A,10Bが合成される図7(c)は、例えばA3サイズの記録材用の定着用ヒータランプとして機能するものである。
【0025】
この実施形態では、ヒータランプ10A,10Bを互いに接触させた状態または極めて接近させた状態で配置することができる。ヒータランプ10A,10Bを連結せさる部材は、ヒータランプ10A,10Bの外接円よりも小さくでき、ランプユニット100の小型化に寄与する。また、ヒータランプ10A,10Bの封止をシュリンクシールとしたことで、接触させた状態または極めて接近させた状態のヒータランプ10A,10Bの周方向のチップの位置の自由度も向上する。
【0026】
図8〜図10は、この発明に係る3本の棒状のヒータランプを備えたランプユニットの他の実施形態について説明するための、図8は概略的な構成の斜視図、図9は図2に相当する側面図、図10は図3に相当する側面図である。なお、図1と同一の構成部分には同一の符号を付して説明する。
【0027】
図8において、3本目のヒータランプ10Cは、両端に減圧封止により封止するシュリンクシール部12e,12fが形成された全体が略直管状のバルブ13cを有する。バルブ13c内には、ヒータランプ10A,10Bのフィラメント14a,14b,14cのそれぞれの長さをほぼ足した長さのフィラメント14dがバルブ13cの管軸方向に沿って伸びるように配設されるとともに、所要の不活性ガスおよびハロゲンガスが封入量で封入される。バルブ13cの外周面には、1〜5mm程度突出したガス排気導入管の残留部であるチップ21cが形成されている。
【0028】
フィラメント14dの両端部は、シュリンクシール部12e,12fのそれぞれに気密に封着されて埋設された、例えばモリブデン製の導電性箔16e,16fを介して、シュリンクシール部12e,12fの端面より突出して伸びる外部リード棒17e,17fに接続されている。
【0029】
連結部材113には、シュリンクシール部12a,12c,12eをそれぞれ挿入する径大の支持孔18a,18c,18eと外部リード棒17a,17c,17eがそれぞれ挿入される径小の支持孔19a,19c,19eが形成される。連結部材114には、シュリンクシール部12b,12d,12fをそれぞれ挿入する径大の支持孔18b,18d,18fと外部リード棒17b,17d,17fがそれぞれ挿入される径小の支持孔19b,19d,19fが形成される。また、連結部材113,114には、支持部201,202を一体形成している。
【0030】
このように、3本のヒータランプ10A〜10Cのシュリンクシール部12a〜12fを、連結部材113,114にそれぞれ挿入固定することによりランプユニット100を構成する。
【0031】
図9に示すように、ヒータランプ10A〜10Cにはガス排気導入管の残留部であるチップ21a〜21cがそれぞれ形成されており、ランプユニット100を小型のものとして構成する場合、バルブ13a〜13cの周方向におけるチップ21a〜21cの配置位置を考慮する必要がある。
【0032】
チップ21a〜21cの配置例について説明する。ヒータランプ10A〜10Cにおけるチップ21a〜21cは、チップサイズにもよるが、バルブ13a〜13cの外接円Ca内に収まるように、バルブ13a〜13cをそれぞれ接近させて配置することが好ましい。これにより、チップ21a〜21cが隣り合うヒータランプに対して干渉することなく、チップ21a〜21cがバルブ13a〜13cの外接円Caに対し突出しないか、したとしてもその突出量を可及的に小さくでき、ランプユニットの小型化を図ることが可能となる。このとき、封止部はシュリンクシールであることから、チップ21a〜21cの位置に左右されることを極力無くすことができ、周方向の位置変更の自由度の向上を図ることができる。
【0033】
ヒータランプ10A〜10Cのシュリンクシール部12b,12d,12fが一方の連結部材114に取り付けられた状態を図10に示している。
【0034】
図10に示すように、連結部材112の高さxは、バルブ13a〜13cの外接円Caの直径yよりも低く、連結部材112の幅zは、バルブ13a〜13cの外接円Caの直径yよりも狭くすることができる。
【0035】
このように、シュリンクシール部12b,12d,12fの外接円Cbがバルブ13a〜13cの外接円Caに比べで小さくできることから、連結部材112は外接円Ca内に入る大きさを実現することが可能となる。なお、他方の連結部材113とシュリンクシール部12a,12c,12eの取り付けも同様である。
【0036】
ところで、ヒータランプ10A〜10Cは、互いに発熱パターンが異なっている。例えば、ヒータランプ10Aはフィラメント14aがバルブ13aの中央部分に、ヒータランプ10Bはフィラメント14b,14cがバルブ13bの両端側部分に発熱領域を有するように構成したものである。ヒータランプ10Aは、例えばA4サイズの記録材用の定着用ヒータランプとし、ヒータランプ10A,10Bは、例えばA3サイズの記録材用の定着用ヒータランプとして機能するものである。また、ヒータランプ10Cは発熱量が少ない余熱(待機)用途である。
【0037】
図11は、図10のb−b’断面方向から見た側断面図であり、この図11からも連結部材112(111)の高さxが連結されたバルブ13b,13c外接円Caの直径に相当するyの内側にあることがわかる。
【0038】
この実施形態では、封止部による制約を極力抑えることが可能なことから、ヒータランプ10A〜10Cを互いに接触させた状態または極めて接近させた状態で配置することができる。ヒータランプ10A〜10Cを連結せさる連結部材113,114は、ヒータランプ10A〜10Cの外接円Caよりも小さくでき、ランプユニット100の小型化に寄与する。また、ヒータランプ10A〜10Cの封止をシュリンクシールとしたことで、接触させた状態または極めて接近させた状態のヒータランプ10A〜10Cの周方向のチップ位置の自由度がも向上し、連結部材113,114の取り付ける作業性も向上させることができる。
【0039】
ここで、ランプユニットを構成するヒータランプの本数は特に限定されるものではなく、目的に応じて適宜に設定することができる。以下に、4本以上のヒータランプを備えたランプユニットについて説明する。
【0040】
図12は、この発明に係る4本の棒状のヒータランプを備えたランプユニットについて説明するための、図10に相当する側面図である。
【0041】
このランプユニットは、4本の棒状のヒータランプ10A〜10Dが互いに平行に伸びるように配置され、ヒータランプ10A〜10Dの両端部において耐熱性絶縁材料で形成される共通の連結部材115(図では一方のみを示す)によって連結されて保持されて構成されている。
【0042】
そして、接触させた状態または極めて接近させた状態のヒータランプ10A〜10Dにおけるチップ21a〜21dは、それぞれヒータランプ10A〜10Dで囲まれるように配置される。
【0043】
この場合、チップ21a〜21dがヒータランプ10A〜10Dで囲まれる格好となることから、4本のヒータランプを用いながらランプユニット100全体の小形化を図ることができる。さらに、連結部材もヒータランプ10A〜10Dの外接円Ca内に入る大きさを実現することができる。
【0044】
図13は、4本の棒状のヒータランプを備えたこの発明のランプユニットの変形例を示す側面図である。
【0045】
この例は、チップ21a〜21dの大きさが大きく、ヒータランプ10A〜10Dを接触あるいは極めて接近させることができない場合に対応したものである。この場合は、チップを隣のヒータランプ側に順次接触あるいは接近させるようにしたものである。この例でもチップがヒータランプ10A〜10Dの外側に位置するものの、ランプユニットの小型化や連結部材115も小型化することができる。
【0046】
図14は、5本の棒状のヒータランプを備えたこの発明のランプユニットについて説明するための側面図である。
【0047】
このランプユニットは、5本の棒状のヒータランプ10A〜10Eが互いに平行に伸びるように配置され、ヒータランプ10A〜10Eの両端部において耐熱性絶縁材料で形成される共通の連結部材116(図では一方のみを示す)によって連結されて保持されて構成されている。
【0048】
そして、接触させた状態または極めて接近させた状態のヒータランプ10A〜10Eにおけるチップ21a〜21eは、それぞれヒータランプ10A〜10Eで囲まれるように配置される。
【0049】
この場合、チップ21a〜21eがヒータランプ10A〜10Eで囲まれる格好となることから、5本のヒータランプを用いながらランプユニット100全体の小形化を図ることができる。さらに、連結部材もヒータランプ10A〜10Eの外接円Ca内に入る大きさを実現することができる。
【0050】
図15は、6本の棒状のヒータランプを備えたこの発明のランプユニットについて説明するための側面図である。
【0051】
6本の棒状のヒータランプ10A〜10Fが互いに平行に伸びるように配置され、ヒータランプ10A〜10Fの両端部において耐熱性絶縁材料で形成される共通の連結部材117(図では一方のみを示す)によって連結されて保持されて構成されている。
【0052】
この場合も、これまでと同様に、6本のヒータランプ10A〜10Fにおけるシュリンクシール部21a〜21fが互いに干渉することになしにヒータランプ10A〜10Fを合理的に配置することができる。これに加え、6本のヒータランプを連結させる連結部材117もヒータランプ10A〜10Fの外接円Ca内に入る大きさにできることからランプユニット全体の小型化を図ることができる。
【0053】
ところで、上記した各実施形態において、それぞれチップがヒータランプで囲まれる場合、チップの形成位置をバルブの長手方向の同じ位置でなければ、互いに邪魔をすることがなくヒータランプで囲まれるスペースに余裕が生まれてくる。このため、ヒータランプを接触させた状態または極めて接近させた状態をより確実に設定しやすくなる。
【0054】
図16〜図20は、この発明のランプ取付装置の一実施形態について説明するための、図16は図6の状態のランプユニット100が取り付けられる側面図、図17は図16の正面図、図18は図17の要部の拡大図、図19は要部の斜視図、図20は図16の左側から見た側面図である。
【0055】
図16〜図18において、ランプユニット100は、連結部材111,112に一体形成された支持部201,202を、それぞれ弾性を有する例えばステンレス製のクランパー161,162を用い、シャーシ163に形成される被取付部164,165に取り付ける。
【0056】
図19に示すように、クランパー161,162は、支持部201,202に係合される係止部191と被取付部164,165に取り付けられる取付部192,193から構成される。
【0057】
クランパー161,162の係止部191に支持部201,202を係合させた状態で、取付部192,193をF1,F2方向に付勢させると、係止部191はF3,F4方向に付勢される。図20に示すように、このF3,F4方向の付勢力が係止部191が支持部201,202を確実に支持する。
【0058】
また、クランパー161,162は、図18に示すように、取付部192,193が矢印方向に付勢される力を利用したことで被取付部164,165に確実に支持することができる。
【0059】
この実施形態によれば、複数のヒータランプの外接円内の大きさの連結部材で連結し、この連結部材をクランパーで被取付部に支持し、ランプユニットの取り付けを行っている。このため、小型化が可能な連結部材とこれを簡単な構造のクランパーで支持可能なことからシステム全体の小型化が可能となる。
【0060】
上記したこの発明のランプユニットの各実施形態での連結部材は、複数のヒータランプの外接円内に入る大きさの連結部材で連結することで説明したが、ヒータランプの大きさやチップの大きさ等により外接円よりチップや連結部材が大きくなることも考えられる。この場合でも封止部をシュリンクシールとした複数のヒータランプとの組み合わせにより連結部材を小型にすることができる。
【0061】
さらに、連結部材をシャーシに取り付けるためにクランパーを用いたが、シャーシにクランパーの機能を持たせても構わない。この場合、部品点数が減ることに加え、その分の省スペース化が図れ、多少なりこともさらなる小型化に寄与することが考えられる。
【0062】
図21〜図24は、この発明のランプ取付装置の他の実施形態について説明するための、図21は要部を拡大して示した正面図、図22は図21の側面図、図23は図18に相当する要部拡大図、図24は図23を左側からみた要部の拡大図である。なお、各図いずれも一方の連結部材側の取り付けを示すとともに、上記実施形態と同一の構成部分には同一の符号を付して説明する。
【0063】
この実施形態は、図21、図22に示すように、連結部材111に一体形成された支持部201の外周にはクランパーの係合部となるV溝211が形成されている。V溝211は、支持部201を形成するときに合わせて一体的に形成する。
【0064】
そこで、クランパー161の係止部191を支持部201に形成されたV溝211に係合した状態で、図19で示したように取付部192,193をF1,F2方向に付勢させる。これによりクランパー161は、係止部191をF3,F4方向に付勢させV溝211を圧接させながら確実に支持できる。クランパー161は、図23に示すように付勢された取付部192,193が矢印方向に戻る力を利用して被取付部164,165に確実に支持することができる。
【0065】
この実施形態の場合、上記した実施形態の効果に加え、クランパー161の係止部191が支持部201のV溝211に係合されることから、ヒータランプの長手方向のずれを防止することができる。
【0066】
なお、V溝211は両方の支持部に必ずしも設ける必要はなく、少なくとも何れか一方に形成されたV溝に対し、クランパーを係合させればよい。この場合、V溝が形成されない支持部側は、支持部の所望の位置に例えばクランパーを取り付ければよい。両方にV溝181,182を形成した場合と同様に、簡単な作業工程により確実に位置づけされた取り付けが可能となる。また、V溝である必要はなくU字状の溝であっとも突出したものであっても構わない。要はヒータランプの長手方向のずれの防止や位置合わせができるものがあれば構わない。
【0067】
この発明のランプ取付装置は、上記した実施形態に限定されるものではない。予めクランパー161,162に、図16で示される矢印Fl,Frの方向に予め付勢を与えて連結部材111,112を直接押すような構成にすることでもV溝と同じように、ヒータランプの長手方向のずれなどの防止が可能である。
【0068】
図25は、ランプユニット100が取り付けられた例えば図16〜図20で説明のランプ取付装置を用いて複写機等のトナーを定着させる、この発明の加熱装置の一実施形態について説明するための概略的な構成図である。
【0069】
300は加熱装置であり、上下には長尺の加熱ローラ301,302が対向配置されている。これら加熱ローラ301,302はアルミニウムや鉄製の管状体それぞれの表面に、シリコンゴムやテフロン(登録商標)などの被覆材303,304で被覆されている。
【0070】
また、加熱ローラ301,302のうちのほぼ中心軸上には、ランプユニット100が図示しない支持部を介して配設されており、図示しない電源部に接続して通電されると、ランプユニット100のフィラメントがそれぞれ発熱して加熱ローラ301,302がヒートアップ(昇温)する。
【0071】
図示しない転写ドラムなどからトナーTが所定分布状態に転写された複写紙Pを矢印方向に回転するヒートアップされた加熱ローラ301,302間に送り込ませることで、複写紙Pおよび前の工程で塗布されたトナーT1が上下から加熱され、加熱されたトナーT2が溶融後複写紙P上に定着し、所定の文字や図柄などとして描かれる。
【0072】
なお、加熱ローラ301,302は、いずれも加熱ローラである必要はなく、一方は加圧ローラであってもよい。
【0073】
次に、図26を参照して、この発明の加熱装置を搭載した複写機を例にした場合、この発明の画像形成装置について説明する。図中、加熱装置300の部分は、上記した説明と同じであり、同一部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0074】
図26において、401は複写機400の筐体、402は筐体401の上面に設けられたガラス等の透明部材からなる原稿載置台で、矢印Y方向に往復動作させて原稿P1を走査する。
【0075】
筐体401内の上方向には光照射用のランプと反射鏡とからなる照明装置402が設けられており、この照明装置402により照射された原稿P1からの反射光源が短焦点小径結像素子アレイ403によって感光ドラム404上スリット露光される。なお、この感光ドラム404は矢印方向に回転する。
【0076】
また、405は帯電器で、例えば酸化亜鉛感光層あるいは有機半導体感光層が被覆された感光ドラム404上に一様に帯電を行う。この帯電器405により帯電された感光ドラム404には、結像素子アレイ403によって画像露光が行われた静電画像が形成される。この静電画像は、現像器406による加熱で軟化溶融する樹脂等からなるトナーを用いて顕像化される。
【0077】
カセット407内に収納されている複写用紙Pは、給送ローラ408と感光ドラム404上の画像と同期するタイミングをとって上下方向で圧接して回転される対の搬送ローラ409によって、感光ドラム404上に送り込まれる。そして、転写放電器410によって感光ドラム404上に形成されているトナー像は複写用紙P上に転写される。
【0078】
その後、感光ドラム404上から離れた用紙Pは、搬送ガイド411によって加熱装置300に導かれて加熱定着処理された後に、トレイ412内に排出される。なお、トナー像が転写された後、感光ドラム404上の残留トナーはクリーナ413を用いて除去される。
【0079】
加熱装置300は複写用紙Pの移動方向と直交する方向に、この複写機400が複写できる最大判用紙の幅(長さ)に合わせた有効長、すなわち最大判用紙の幅(長さ)より長いランプユニット100が内部にそれぞれ配置された加熱ローラ301,302を対向配置させている。そして、加熱ローラ301,302間との間を送られる用紙P上の未定着トナー像T1は、ランプユニット100の熱を受け溶融して複写用紙P面上に文字、英数字、記号、図面等の複写像を現出させる。
【0080】
この実施形態では、減圧により封止されたシュリンクシール部を有する複数本のランプヒータを小型の連結部材で連結できる構造の加熱装置を用いたことから、小型化の複写機の実現に寄与することができる。
【0081】
ところで、ランプユニットの用途としては、複写機等の画像形成装置の定着用に用いたが、これに限らず、家庭用の電気製品、業務用や実験用の精密機器や化学反応用の機器等に装着して加熱や保温の熱源としても使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】この発明のランプユニットの一実施形態の概略的な構成について説明するための斜視図。
【図2】図1を長手方向から見たときの配置状態を示す側面図。
【図3】図2に連結部材を取り付けた状態の側面図。
【図4】一方の連結部材にシュリンクシール部が取り付けられた状態の図4a−a’断面図。
【図5】図1が組み立てれらた状態の正面図。
【図6】図5の側面図。
【図7】ヒータランプの発熱パターンについて説明するための説明図。
【図8】この発明に係る3本の棒状のヒータランプを備えたランプユニットの第2の実施形態の概略的な構成について説明するための斜視図。
【図9】図8を長手方向から見たときの配置状態を示す側面図。
【図10】図8に連結部材を取り付けた状態の側面図。
【図11】図10のb−b’断面方向から見た側断面図。
【図12】この発明に係る4本の棒状のヒータランプを備えた図10に相当する側面図。
【図13】4本の棒状のヒータランプを備えた図12の変形例について説明するための側面図。
【図14】5本の棒状のヒータランプを備えたこの発明のランプユニットについて説明するための側面図。
【図15】6本の棒状のヒータランプを備えたこの発明のランプユニットについて説明するための側面図。
【図16】この発明のランプ取付装置の一実施形態について説明するための側面図。
【図17】図16の正面図。
【図18】図17の要部の拡大図。
【図19】図16の要部の斜視図。
【図20】図16の右側から見た側面図。
【図21】この発明のランプ取付装置の他の実施形態について説明するための要部を拡大して示した正面図。
【図22】図21の側面図。
【図23】図21に連結部材が取付けられた状態の図18に相当する図21の要部拡大図。
【図24】図23を左側からみた要部の拡大図。
【図25】この発明のトナー定着装置の一実施形態について説明するための概略的な構成図。
【図26】この発明の画像形成装置に関する一実施形態について説明するための説明図。
【符号の説明】
【0083】
100 ランプユニット
10A〜10F ヒータランプ
111,112 連結部材
12a〜12f シュリンクシール部
13a〜13c バルブ
14a〜14d フィラメント
16a〜16f 導電性箔
17a〜17f 外部リード棒
18a〜18f,19a〜19f 支持孔
201,202 支持部
21a〜21f チップ
161,162 クランパー
163 シャーシ
164,165 被取付部
191 係止部
192,193 取付部
211 V溝
300 加熱装置
301,302 加熱ローラ
303,304 被覆材
400 複写機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端が封止された放射透過性のバルブを備えた複数本の棒状のヒータランプを有し、これらヒータランプの両端部を共通の連結部材によって連結してなるランプユニットにおいて、
前記バルブ両端の封止は、減圧による封止が行われたシュリンクシール部とし、
前記連結部材は、前記シュリンクシール部を連結することで、前記複数本のランプを互いに平行に伸びるように配置したことを特徴するランプユニット。
【請求項2】
両端が封止された放射透過性のバルブを備えた複数本の棒状のヒータランプを有し、これらヒータランプの両端部を共通の連結部材によって連結してなるランプユニットにおいて、
前記バルブ両端の封止は、減圧による封止が行われたシュリンクシール部とし、
前記連結部材は、前記シュリンクシール部を連結することで、複数本の前記ヒータランプを互いに平行に伸びるように配置するとともに、複数本の前記ヒータランプの外周面と接する外接円内に入る大きさとしたことを特徴するランプユニット。
【請求項3】
前記ヒータランプのバルブ外面のガス排気導入管の残留部であるチップは、前記ヒータランプが少なくとも3本の複数の場合は、相手のヒータランプに近接するように配置したことを特徴とする請求項1または2記載のランプユニット。
【請求項4】
前記ヒータランプのバルブ外面のガス排気導入管の残留部であるチップは、前記ヒータランプが4本以上の場合は、他のヒータランプに囲まれる位置に配置したことを特徴とする請求項1または2記載のランプユニット。
【請求項5】
前記チップは、前記ヒータランプの長手方向の異なる位置に形成することで相手のヒータランプとの接触を避けたことを特徴とする請求項3または4記載のランプユニット。
【請求項6】
放射透過性のバルブ内に挿入したフィラメントの両端に一端がそれぞれ接続した一対の導電性箔の他端に、電力供給用の導入線がそれぞれ接続され、前記バルブ両端の前記導電性箔上部で、それぞれ封止を行うヒータランプにおいて、
前記バルブ両端の封止は、減圧による封止が行われたシュリンクシール部とし、
複数本の前記ヒータランプの前記シュリンクシール部を、共通の連結部材で連結することでランプユニットとし、
前記連結部材をクランパーを用いて被取付部に取り付けたことを特徴とするランプ取付装置。
【請求項7】
前記クランパーは、前記連結部材に一体形成された支持部に取り付けたことを特徴とする請求項6記載のランプ取付装置。
【請求項8】
前記連結部材に一体形成される支持部には、クランパーを係合させる係合部を形成したことを特徴とする請求項7記載のランプ取付装置。
【請求項9】
上下に配置され少なくとも一方は加熱される第1および第2のローラと、
前記第1または第2のローラ内に配置された請求項6〜8いずれかに記載のランプ取付装置と、
予めトナーが転写された複写紙が前記第1および第2のローラとの間を移動させて前記トナーを定着させる手段とを具備したことを特徴とする加熱装置。
【請求項10】
媒体に形成された静電潜像にトナーを付着させてこのトナーを用紙に転写して所定の画像を形成する形成手段と、
画像が形成された用紙を前記第1および第2のローラを通して加熱圧接しながら通過させることによって、トナーを定着するようにした請求項9記載の加熱装置とを具備したことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2008−4293(P2008−4293A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−170244(P2006−170244)
【出願日】平成18年6月20日(2006.6.20)
【出願人】(000111672)ハリソン東芝ライティング株式会社 (995)
【Fターム(参考)】