説明

リアルタイムモニタシステムおよびリアルタイムモニタ方法

【課題】IP電話端末の通話内容を、リアルタイムにモニタする。
【解決手段】リアルタイムモニタシステム101は、制御装置1と、キャプチャ装置2を備える。キャプチャ装置2は、IP電話端末5のRTPパケットを取得して出力する。制御装置1は、キャプチャ装置2において取得するRTPパケットの条件を取得して前記キャップチャ装置2に入力するとともに、キャプチャ装置2からRTPデータを取得し、取得したRTPデータから音声ストリームデータを生成して、無線通信端末7や携帯電話機9に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IP電話端末のRTPパケットを取得して出力するキャプチャ装置を備え、IP電話端末の通話内容を、リアルタイムにモニタするリアルタイムモニタシステムおよびリアルタイムモニタ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、CRM(顧客関係管理:Customer Relationship Management)の一環として、事業者のコールセンターにおいて、顧客と事業者との間でなされた音声通話を事業者側において録音して管理する各種技術が知られている。(例えば、特許文献1、非特許文献参照。)。
【0003】
例えば特許文献1は、顧客からの電話応対部署であるコールセンターにおけるオペレータの通話内容をデータ化して録音すると共に検索するための、中央集中型通話録音システムを開示する。また非特許文献1は、イーサネット(登録商標)上のIPパケットからモニタ対象に設定されたRTP音声セッションをキャプチャする装置が開示されている。非特許文献1において、管理者は、管理者用PCにインストールされた専用アプリケーションにより、通話中のVoIP音声をリアルタイムにモニタすることができる。
【0004】
コールセンターにかかってくる電話には、顧客によるクレームの申し入れも含まれる。このクレーム対応の際の応対の適否により、さらにクレームを大きくしてしまう場合もある。また、コールセンターの業務において、事業者の製品の問題点を過剰に誇張して非難したり、あるいは接客態度やサービスの不手際を過剰に追及する有害顧客、いわゆるクレーマーからの苦情電話を、オペレータが電話応対する場合がある。
【0005】
このような場合に、特許文献1や非特許文献1に記載の技術を用いて、通話内容を録音し、今後のサービスに活用することは、効果的であると考える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−94260号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】VCU(VoIPキャプチャ装置)、[online]、株式会社ネイクス、[平成22年8月2日検索]、インターネット<http://www.neix.co.jp/product/vcu/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、後日通話内容を分析する際などに用いられるものである。顧客のクレームの申し入れにおいて、素早い対応が効果的であるところ、オペレータが適切に対応できないまま通話が終了してしまった場合、顧客の満足度が低下してしまうおそれがある。
【0009】
また、非特許文献1に記載の装置では、リアルタイムモニタできるものの、管理者用PCの設置された場所でのリアルタイムモニタという制限が生じる。従って、オペレータの様子をみながら素早い対応が求められる場合には、適切でない場合もある。
【0010】
そこで、オペレータを管理するスーパバイザが素早い対応をすることにより、よりサービスの向上が期待できるシステムが求められている。
【0011】
従って本発明の目的は、サービス向上を実現するためのリアルタイムモニタシステムおよびリアルタイムモニタ方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の第1の特徴は、IP電話端末のRTPパケットを取得して出力するキャプチャ装置を備え、IP電話端末の通話内容を、リアルタイムにモニタするリアルタイムモニタシステムに関する。本発明の第1の特徴に係るリアルタイムモニタシステムは、キャプチャ装置において取得するRTPパケットの条件を取得してキャップチャ装置に入力するとともに、キャプチャ装置からRTPデータを取得し、取得したRTPデータから音声ストリームデータを生成して、可搬性を備える情報端末に出力する。ここで、この条件は、例えば、制御装置の入力装置から入力される。
【0013】
また、情報端末は、携帯電話機であって、条件は、携帯電話機からDTMF信号に基づいて入力され、制御装置は、音声ストリームデータを携帯電話機に出力しても良い。
【0014】
また、情報端末は、無線通信端末であって、条件は、無線通信端末から入力され、制御装置は、音声ストリームデータを無線通信端末に出力しても良い。
【0015】
本発明の第2の特徴は、IP電話端末のRTPパケットを取得して出力するキャプチャ装置を備えるリアルタイムモニタシステムにおいて、IP電話端末の通話内容を、リアルタイムにモニタするリアルタイムモニタ方法に関する。本発明の第2の特徴に係るリアルタイムモニタ方法は、制御装置が、キャプチャ装置において取得するRTPパケットの条件を取得してキャップチャ装置に入力するステップと、制御装置が、キャプチャ装置からRTPデータを取得し、取得したRTPデータから音声ストリームデータを生成して、可搬性を備える情報端末に出力するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、サービス向上を実現するためのリアルタイムモニタシステムおよびリアルタイムモニタ方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態に係るリアルタイムモニタシステムのシステム構成を説明する図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るリアルタイムモニタシステムにおいて、制御装置でモニタする場合の処理を説明する図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るリアルタイムモニタシステムにおいて、無線通信端末でモニタする場合の処理を説明する図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るリアルタイムモニタシステムにおいて、携帯電話機でモニタする場合の処理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。
【0019】
(実施の形態)
図1を参照して、本発明の実施の形態に係るリアルタイムモニタシステム101を説明する。リアルタイムモニタシステム101は、IP(Internet Protocol)電話端末5のRTP(Real-time Transport Protocol)パケットを取得して出力するキャプチャ装置2を備え、IP電話端末5の通話内容を、リアルタイムにモニタする。
【0020】
リアルタイムモニタシステム101は、制御装置1、キャプチャ装置2、SIP(Session Initiation Protocol)サーバ3、Hub4、IP電話端末5、無線通信基地局6、無線通信端末7、携帯基地局8および携帯電話機9を備える。制御装置1、キャプチャ装置2、SIPサーバ3、Hub4、IP電話端末5、無線通信基地局6、無線通信端末7、携帯基地局8および携帯電話機9は、各種通信ネットワーク10によって、相互に通信可能に接続されても良い。制御装置1、キャプチャ装置2、SIPサーバ3、Hub4、IP電話端末5、無線通信基地局6および無線通信端末7は、オペレーションシステム100に属する。オペレーションシステム100は、顧客の電話応対を担うコールセンター内に設置される。
【0021】
Hub4a、SIPサーバ3、IP電話端末5aおよび5bは、VoIPネットワーク10bにより接続されている。
【0022】
Hub4aは、IP網10aと、キャプチャ対象VoIPネットワーク10bとを中継するイーサネット用スイッチングハブである。Hub4aには、ミラーリングポートが設けられており、Hub4aのポートで送受信するデータと同じデータが、ミラーリングポートで送受信される。Hub4aのミラーリングポートは、キャプチャ装置2に接続されている。
【0023】
SIPサーバ3は、キャプチャ対象VoIPネットワーク10bにおいて、IP電話端末5aのセッションの開始、終了などを制御する。
【0024】
IP電話端末5aは、Hub4a、IP網10a、PBX(Private Branch eXchange)(図示せず)などを介して、PSTN(Public Switched Telephone Network)に接続され、顧客の電話端末と接続される。オペレータは、IP電話端末5aを使って、顧客の電話端末からコールセンターにかかってきた電話を受ける。
【0025】
キャプチャ装置2は、コールセンター内に設置されたIP電話端末5のRTPパケットのうち、所定の条件に適合するRTPパケットを制御装置1に送信する。キャプチャ装置2は、制御用イーサネット10cおよびHub4bを介して、制御装置1に接続される。
【0026】
制御装置1は、キャプチャ装置2において取得するRTPパケットの条件を取得してキャップチャ装置2に入力するとともに、キャプチャ装置2からRTPデータを取得し、取得したRTPデータから音声ストリームデータ16を生成して、出力する。制御装置1は、生成した音声ストリームデータ16を、制御装置1に備えたスピーカから出力しても良いし、可搬性を備える情報端末に出力しても良い。可搬性を備える情報端末とは、無線通信端末7や、携帯電話機9である。また、キャプチャ対象となるRTPパケットの条件は、制御装置1に備えたキーボードやマウスなどの入力装置から入力されても良いし、無線通信端末7や携帯電話機9などの可搬性を備える情報端末の入力装置から入力されても良い。
【0027】
ここで、キャプチャ装置2について詳述する。キャプチャ装置2は、管理制御手段21、パケット受信手段22、RTPパケットキャプチャ手段23、RTPデータ転送手段24およびNIC(Network Interface Card)25を備える。
【0028】
管理制御手段21は、キャプチャ装置2の処理を管理し、制御する。具体的には、NIC25で送受信する情報に従って、パケット受信手段22にパケットの受信の開始や終了を制御する指示信号を送信し、RTPパケットキャプチャ手段の条件を設定する。
【0029】
パケット受信手段22は、管理制御手段21から入力される開始信号および終了信号に従って、Hub4aのミラーリングポートから出力されたパケットを受信し、RTPパケットキャプチャ手段23に出力する。パケット受信手段22は、図1に示す例において、IP電話端末5aおよびIP電話端末5bの両方の通話内容に関するパケットを受信し、RTPパケットキャプチャ手段23に入力する。
【0030】
RTPパケットキャプチャ手段23は、管理制御手段21によって設定された条件に従って、パケット受信手段22から入力されたパケットのうち、モニタ対象となるIP電話端末5に関するRTPパケットを取得する。具体的には、管理制御手段21から、IP電話端末5aがモニタ対象である指示が入力されると、RTPパケットキャプチャ手段23は、パケット受信手段22から入力されたパケットのうち、IP電話端末5aの通話に関するRTPパケットを取得する。RTPパケットキャプチャ手段23は、取得したRTPパケットを、RTPデータ転送手段24に出力する。本発明の実施形態においてモニタ対象は音声データであるので、RTPパケットキャプチャ手段23は、音声データに関するRTPパケットを取得して、RTPデータ転送手段24に出力する。
【0031】
RTPデータ転送手段24は、RTPパケットキャプチャ手段23から入力されたRTPパケットを、制御装置1に転送する。RTPデータ転送手段24は、RTPパケットを、NIC25、Hub4を介して制御装置1に入力する。
【0032】
NIC25は、キャプチャ装置2を制御用イーサネット10cに接続するためのインタフェースであって、例えば、LAN(Local Area Network)カードやLANボードである。NIC25は、RTPデータ転送手段24から入力されたRTPデータを、制御用イーサネット10cおよびHub4bを介して制御装置1に入力する。またNIC25は、制御装置1から、パケット受信手段22に入力する指示信号やRTPパケットキャプチャ手段23に設定する条件データを受信し、管理制御手段21に入力する。
【0033】
次に、制御装置1について詳述する。制御装置1は、キャプチャ装置2、無線通信端末7および携帯電話機9に接続している。制御装置1は、Hub4および制御用イーサネット10cを介して、キャプチャ装置2と接続している。
【0034】
制御装置1は、Hub4bおよび制御用イーサネット10cを介して、無線通信基地局6に接続されている。無線通信基地局6は、制御イーサネット10cと無線通信端末7との間で、無線通信のリンクを提供するための基地局である。この無線通信は、例えばオフィスビルのワンフロアで通信可能であるなど限られた範囲での通信に利用され、例えば、WiFi(wireless fidelity)の規格に従う。無線通信端末7は、例えば、スマートフォンである。
【0035】
また制御装置1は、PSTN10dおよび携帯電話網10eを介して、携帯基地局8に接続される。PSTN10dは、固定電話回線の電話網であって、携帯電話網10eは、携帯電話回線の電話網である。携帯電話基地局8は、携帯電話網10eと携帯電話機9との間で、携帯電話通信のリンクを提供するための基地局である。
【0036】
制御装置1は、NIC11、キャプチャ対象選択手段12、ユーザインタフェース13、RTPデータ受信手段14、音声ストリーム生成手段15、音声ストリームデータ16、Web画面提供手段17、音声自動応答手段18および回線ボード19を備える。
【0037】
NIC11は、制御装置1を制御用イーサネット10cに接続するためのインタフェースであって、例えば、LAN(Local Area Network)カードやLANボードである。NIC11は、キャプチャ対象選択手段12から入力されたキャプチャ対象の条件やIP電話端末5aの識別子などを、制御用イーサネット10cおよびHub4bを介してキャプチャ装置2に入力するとともに、キャプチャ装置2から入力されたRTPデータを、制御用イーサネット10cおよびHub4bを介してRTPデータ受信手段14に入力する。またNIC25は、Web画面提供手段17が提供する画面のデータを、制御用イーサネット10c、Hub4および無線通信基地局6を介して無線通信端末7に入力するとともに、その画面に入力されたデータを、Web画面提供手段17に入力する。
【0038】
キャプチャ対象選択手段12は、キャプチャ装置2において取得するRTPパケットの条件や、IP電話端末5の識別子をNIC11に入力する。入力されたRTPパケットの条件は、キャプチャ装置2に入力される。
【0039】
ユーザインタフェース13は、スピーカ、ディスプレイ、キーボードなどである。ユーザが、ユーザインタフェース13のキーボードを介して、キャプチャ対象の条件を入力すると、ユーザインタフェース13は、キャプチャ対象選択手段12にその条件を入力する。また、ユーザが所定の通話をモニタする指示を入力すると、ユーザインタフェース13のスピーカは、その通話の音声を出力する。
【0040】
RTPデータ受信手段14は、キャプチャ装置2から入力されたRTPデータを受信する。このRTPデータは、キャプチャ対象選択手段12によって選択されたキャプチャ対象の音声通話に関するRTPデータである。RTPデータ受信手段14は、受信したRTPデータを音声ストリーム生成手段15に入力する。
【0041】
音声ストリーム生成手段15は、RTPデータ受信手段14から入力されたRTPデータから音声ストリームデータ16を生成する。RTPデータ受信手段14から逐次入力されるRTPデータが、バッファメモリなどの一時記憶装置に一時的に記憶され蓄積されることにより、音声ストリームデータ16が逐次生成される。また、生成された音声ストリームデータ16は、ユーザインタフェース13、Web画面提供手段17、音声自動応答手段18によって、逐次処理される。具体的には、音声ストリームデータ16は、ユーザインタフェース13のスピーカで再生される。また、音声ストリームデータ16は、自動応答手段18で再生され、その再生された音声は、および携帯電話網10を介して携帯電話機9に送信される。また、音声ストリームデータ16は、Web画面提供手段17を介して無線通信端末7に送信され、無線通信端末7で再生される。
【0042】
音声ストリーム生成手段16の処理は、IP電話端末5をモニタする間、逐次実行され、ユーザインタフェース13、Web画面提供手段17、音声自動応答手段18などによって逐次処理される。音声ストリームデータ16を作成する時間に基づくタイムラグがあるものの、IP電話端末5の通話内容を、ユーザインタフェース13、無線通信端末7および携帯電話機9にほぼリアルタイムに提供することができる。
【0043】
Web画面提供手段17は、例えば無線通信端末7を用いてユーザがモニタする際、ブラウザの画面情報を無線通信端末7に送信し表示するとともに、無線通信端末7で画面に入力された情報を取得する。Web画面提供手段17は、無線通信端末7にキャプチャ対象選択画面を表示するともに、そこで選択されたキャプチャ対象を、キャプチャ対象選択手段12に入力する。さらにWeb画面提供手段17は、そのキャプチャ対象の通話に関する音声データを、無線通信端末7に送信する。
【0044】
音声自動応答手段18は、いわゆるIVR(Interactive Voice Response)である。音声自動応答手段18は、回線着信を受けて自動応答し、DTMF(Dual-Tone Multi-Frequency)信号の受信により必要な設定動作を制御し、モニタ音声信号を回線へ送り出す。音声自動応答手段18は、例えば携帯電話機9を用いてユーザがモニタする際、携帯電話機9からの着信を検知すると、キャプチャ対象を選択させる音声ガイドデータを携帯電話機9に送信する。また音声自動応答手段18は、携帯電話機9で入力されたDTMF信号を取得する。ここで、予めDTMF信号と、キャプチャ対象のIP電話端末5の識別子を対応づけたテーブルが用意されており、音声自動応答手段18は、そのテーブルに従って、DTMF信号からキャプチャ対象のIP電話端末5を特定する。
【0045】
さらに、音声自動応答手段18は、特定したキャプチャ対象のIP電話端末5の識別子を、キャプチャ対象選択手段12に入力し、音声ストリーム生成手段15から入力されたそのキャプチャ対象の通話に関する音声データを再生し、リアルタイムに携帯電話機9に送信する。
【0046】
回線ボード19は、制御装置1をPSTNに接続するための回線ボードである。回線ボード19は、携帯電話機9の着信を受け通話を維持するとともに、音声自動応答手段18による音声ガイドや音声ストリームデータ16を携帯電話機9に入力するとともに、携帯電話機9から入力されたDTMF信号を音声自動応答手段18に入力する。
【0047】
次に、図2ないし図4を参照して、制御装置1およびキャプチャ装置2において、IP電話端末5の通話をモニタする処理を説明する。
【0048】
図2を参照して、ユーザが、制御装置1でモニタする場合について説明する。ユーザが、制御装置1のユーザインタフェース13を介してキャプチャ対象を入力すると、ステップS101においてキャプチャ対象選択手段12は、キャプチャ対象のIP電話端末5の識別子を取得する。ここでユーザは、キャプチャ対象のIP電話端末5の識別子を入力しても良いし、IP電話端末5のオペレータの名前など、IP電話端末5を特定する条件を入力しても良い。ステップS102において、制御装置1のキャプチャ対象選択手段12は、ステップS101で取得したキャプチャ対象を、キャプチャ装置2に入力する。
【0049】
ステップS102で送信されたキャプチャ対象の通話をキャプチャするために、ステップS103においてキャプチャ装置2の管理制御手段21は、パケット受信手段22にモニタを開始する制御信号を入力し、RTPパケットキャプチャ手段23に条件を設定する。ステップS104においてキャプチャ装置2のパケット受信手段22は、Hub4aからパケットを受信するとともに、RTPパケットキャプチャ手段23は、設定された条件に従って、キャプチャ対象のRTPパケットをキャプチャする。ステップS105においてキャプチャ装置1のRTPデータ転送手段24は、キャプチャしたRTPパケットのデータを、制御装置1に送信する。
【0050】
制御装置1のRTPデータ受信手段14が、キャプチャ装置2からRTPパケットのデータを受信すると、ステップS106において、制御装置1の音声ストリーム生成手段15は、受信したRTPパケットのデータから、音声ストリームデータ16を生成する。
【0051】
ステップS107において制御装置1のユーザインタフェース13は、ステップS106で生成された音声ストリームデータ16をスピーカで再生する。これにより、ユーザは、所定のIP電話端末5aの通話内容を、制御装置1のユーザインタフェース13を介してモニタすることができる。
【0052】
図3を参照して、ユーザが、携帯電話機9でモニタする場合について説明する。ユーザが、携帯電話機9を操作して制御装置1に電話をかけると、ステップS201において携帯電話機9は、制御装置1を呼び出す。制御装置1の回線ボード19が呼び出しに応答すると、ステップS202において音声自動応答手段18が自動応答する。このとき音声自動応答手段18は、モニタ対象となるIP電話端末5の識別子の入力を促す音声メッセージを、携帯電話機9に送信する。携帯電話機9は、プッシュボタンを操作し、モニタ対象のIP電話端末5の識別子を、制御装置1に入力する。
【0053】
ステップS204においてキャプチャ対象選択手段12は、キャプチャ対象のIP電話端末5の識別子を取得する。ステップS205において、制御装置1のキャプチャ対象選択手段12は、ステップS204で取得したキャプチャ対象を、キャプチャ装置2に入力する。
【0054】
ステップS205で送信されたキャプチャ対象の通話をキャプチャするために、ステップS206においてキャプチャ装置2の管理制御装置21は、パケット受信手段22にモニタを開始する制御信号を入力し、RTPパケットキャプチャ手段23に条件を設定する。ステップS207においてキャプチャ装置2のパケット受信手段22は、Hub4aからパケットを受信するとともに、RTPパケットキャプチャ手段23は、設定された条件に従って、キャプチャ対象のRTPパケットをキャプチャする。ステップS208においてキャプチャ装置1のRTPデータ転送手段24は、キャプチャしたRTPパケットのデータを、制御装置1に送信する。
【0055】
制御装置1のRTPデータ受信手段14が、キャプチャ装置2からRTPパケットのデータを受信すると、ステップS209において、制御装置1の音声ストリーム生成手段15は、受信したRTPパケットのデータから、音声ストリームデータ16を生成する。
【0056】
ステップS210において制御装置1の音声自動応答手段18は、ステップS209で生成された音声ストリームデータ16を携帯電話機9に出力する。ここで携帯電話機9には、音声ストリームデータ16が再生された音声が出力されても良い。音声自動応答手段18は、リアルタイムに携帯電話機9に出力し、ユーザにモニタさせる。これにより、ユーザは、所定のIP電話端末5aの通話内容を、携帯電話機9を使ってモニタすることができる。
【0057】
図4を参照して、ユーザが、無線通信端末7でモニタする場合について説明する。
ユーザが無線通信端末7を操作すると、無線通信端末7は、ステップS301およびステップS302において無線通信基地局6を介して制御装置1にアクセスする。
【0058】
制御装置1のWeb画面提供手段17は、ステップS303およびステップS304において、無線通信基地局6を介してキャプチャ対象を設定する画面を、無線通信端末7に送信する。無線通信端末7に設定画面が表示されると、ユーザは無線通信端末7の入力ボタンを操作して、キャプチャ対象となるIP電話端末5の識別子を入力する。キャプチャ対象が入力されると、ステップS305およびステップS306において無線通信端末7は、無線通信基地局6を介して制御装置1にキャプチャ対象のIP電話端末5の識別子を制御装置1に入力する。
【0059】
ステップS307においてキャプチャ対象選択手段12は、キャプチャ対象のIP電話端末5の識別子を取得する。ステップS308において、制御装置1のキャプチャ対象選択手段12は、ステップS307で取得したキャプチャ対象を、キャプチャ装置2に入力する。
【0060】
ステップS308で送信されたキャプチャ対象の通話をキャプチャするために、ステップS309においてキャプチャ装置2の管理制御装置21は、パケット受信手段22にモニタを開始する制御信号を入力し、RTPパケットキャプチャ手段23に条件を設定する。ステップS310においてキャプチャ装置2のパケット受信手段22は、Hub4aからパケットを受信するとともに、RTPパケットキャプチャ手段23は、設定された条件に従って、キャプチャ対象のRTPパケットをキャプチャする。ステップS311おいてキャプチャ装置1のRTPデータ転送手段24は、キャプチャしたRTPパケットのデータを、制御装置1に送信する。
【0061】
制御装置1のRTPデータ受信手段14が、キャプチャ装置2からRTPパケットのデータを受信すると、ステップS312において、制御装置1の音声ストリーム生成手段15は、受信したRTPパケットのデータから、音声ストリームデータ16を生成する。
【0062】
ステップS313およびステップS314において、Web画面提供手段17は、無線通信基地局6を介して無線通信端末7に、ステップS312で生成された音声ストリームデータ16を出力する。例えば、音声ストリームデータ16を無線通信端末7に送信し、無線通信端末7で再生することにより、ユーザは、所定のIP電話端末5aの通話内容を、無線通信端末7を使ってモニタすることができる。
【0063】
このように、本発明の実施の形態に係るリアルタイムモニタシステム101によれば、コールセンター内の通話内容を、WiFi端末などの無線通信端末7などでモニタすることができる。例えば、オペレータを統括するスーパバイザが、各オペレータの応答を確認する際、無線通信端末7を使って、リアルタイムにモニタすることができる。また、ミラーリングポートに接続されたキャプチャ装置2で取得されたRTPパケットに基づく音声ストリームデータ16を視聴することにより、キャプチャ対象VoIPネットワーク10bに負担を与えることなく、モニタすることができる。これにより、オペレータの通話相手である顧客に気付かれることなく、スーパバイザはモニタすることができる。このようにスーパバイザはリアルタイムで通話をモニタすることができるので、オペレータが上手く対応できず、スーパバイザが代わって対応する場合でも、スムーズに通話内容を引き継ぐことができる。
【0064】
また、本発明の実施の形態に係るリアルタイムモニタシステム101によれば、コールセンター内の通話内容を、携帯電話機9などでモニタすることができる。例えば、会社のオペレーションセンターの責任者や、オペレータ請負会社に業務を依頼している業者が、オペレータションセンターの円滑な運用を確認する場合がある。このような場合、本発明の実施の形態に係るリアルタイムモニタシステム101によれば、各人が有する携帯電話機9を用いて、オペレータの通話内容をモニタするこができる。従って、オペレーションセンターが遠隔地にある場合でも、携帯電話機9が通話可能なエリアであれば、どこででも通話内容をモニタすることができる。これにより、責任者や依頼業者の監視負担を軽減することができる。また、ミラーリングポートに接続されたキャプチャ装置2で取得されたRTPパケットに基づく音声ストリームデータ16を視聴することにより、キャプチャ対象VoIPネットワーク10bに負担を与えることなく、モニタすることができる。これにより、オペレータの通話相手である顧客に気付かれることなく、責任者や依頼業者はモニタすることができる。
【0065】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなる。
【0066】
例えば、本発明の実施の形態に記載したリアルタイムモニタシステムは、図1に示すようにキャプチャ装置2と制御装置1がそれぞれ別のハードウェア上に構成されても良いし、同一のハードウェア上に構成されても良い。
【0067】
本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0068】
1 制御装置
2 キャプチャ装置
3 SIPサーバ
4 Hub
5 IP電話端末
6 無線通信基地局
7 無線通信端末
8 形態基地局8
9 携帯電話機
10 通信ネットワーク
11、25 NIC
12 キャプチャ対象選択手段
13 ユーザインタフェース
14 RTPデータ受信手段
15 音声ストリーム生成手段
16 音声ストリームデータ
17 画面提供手段
18 音声自動応答手段
19 回線ボード
21 管理制御手段
22 パケット受信手段
23 RTPパケットキャプチャ手段
24 RTPデータ転送手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
IP電話端末のRTPパケットを取得して出力するキャプチャ装置を備え、前記IP電話端末の通話内容を、リアルタイムにモニタするリアルタイムモニタシステムであって、
前記キャプチャ装置において取得するRTPパケットの条件を取得して前記キャップチャ装置に入力するとともに、前記キャプチャ装置からRTPデータを取得し、取得したRTPデータから音声ストリームデータを生成して、可搬性を備える情報端末に出力する制御装置
を備えることを特徴とするリアルタイムモニタシステム。
【請求項2】
前記条件は、前記制御装置の入力装置から入力される
ことを特徴とする請求項1に記載のリアルタイムモニタシステム。
【請求項3】
前記情報端末は、携帯電話機であって、
前記条件は、前記携帯電話機からDTMF信号に基づいて入力され、
前記制御装置は、前記音声ストリームデータを前記携帯電話機に出力する
ことを特徴とする請求項1に記載のリアルタイムモニタシステム。
【請求項4】
前記情報端末は、無線通信端末であって、
前記条件は、前記無線通信端末から入力され、
前記制御装置は、前記音声ストリームデータを前記無線通信端末に出力する
ことを特徴とする請求項1に記載のリアルタイムモニタシステム。
【請求項5】
IP電話端末のRTPパケットを取得して出力するキャプチャ装置を備えるリアルタイムモニタシステムにおいて、前記IP電話端末の通話内容を、リアルタイムにモニタするリアルタイムモニタ方法であって、
制御装置が、前記キャプチャ装置において取得するRTPパケットの条件を取得して前記キャップチャ装置に入力するステップと、
前記制御装置が、前記キャプチャ装置からRTPデータを取得し、取得したRTPデータから音声ストリームデータを生成して、可搬性を備える情報端末に出力するステップと、
を備えることを特徴とするリアルタイムモニタ方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−39462(P2012−39462A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−178804(P2010−178804)
【出願日】平成22年8月9日(2010.8.9)
【出願人】(593222595)株式会社ネイクス (18)
【Fターム(参考)】