リストバンド、リストバンド作成装置、リストバンド作成装置の制御方法、リストバンド作成装置の制御プログラム及びリストバンド案内システム
【課題】 患者を管理・識別する従来のリストバンドの用途に加えて、外来患者や入院患者関係者を、病院内の診療室や検査室等の受診設備へ的確に誘導したり、辿り着いた診療室や検査室等が正しい受診設備であるか否かを検証したりする用途に活用できるリストバンド、リストバンド作成装置、リストバンド作成装置の制御方法、リストバンド作成装置の制御プログラム及びリストバンド案内システムを提供する。
【解決手段】 リストバンド30aの受診設備表示部92には、第1検査情報92a、第2検査情報92b及び第3検査情報92cが表示され、それぞれの表示内容は、文字情報として、表示領域の上段に患者が受ける検査内容、表示領域の下段に当該検査が実施される検査室の名称を示している。また、それぞれの表示領域は、表示領域の下段に表示された検査室を特定する色で地色が色分けされた受診設備識別マークとなっている。
【解決手段】 リストバンド30aの受診設備表示部92には、第1検査情報92a、第2検査情報92b及び第3検査情報92cが表示され、それぞれの表示内容は、文字情報として、表示領域の上段に患者が受ける検査内容、表示領域の下段に当該検査が実施される検査室の名称を示している。また、それぞれの表示領域は、表示領域の下段に表示された検査室を特定する色で地色が色分けされた受診設備識別マークとなっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機関における診療、治療、看護における医療過誤、医療事故を防止するためのリストバンド、リストバンド作成装置、リストバンド作成装置の制御方法、リストバンド作成装置の制御プログラム及びリストバンド案内システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近時、患者の取り違えや輸血ミス等による医療事故または医療過誤事件が多発しており、これらの医療事故または医療過誤を防ぐため、医療管理システムの改革が検討されている。そのような管理システムの一つとして、リストバンドを患者に着けて管理する医療管理システムが採用されている。
例えば、特許文献1に記載されるリストバンドにおいては、リストバンドに患者の名前、血液型及びバーコード等の所定事項が印刷されている。医師や看護士等は、患者に着けられているリストバンドを確認することによって、患者や患者の血液型等を間違えることのないようにしてある。
【0003】
【特許文献1】特開2003−193308号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載されるリストバンドは、医師や看護士等が、患者を別の患者と取り違えたり、患者の血液型等を間違えたりしないように、患者を管理・識別する目的にのみ用いられ、その他の用途には用いられていない。
ところで、外来患者や入院患者等に対して、病院の総合窓口の担当者や看護士等により、これから診療や検査を受ける診療室や検査室等の設備が指定されることがある。特に、規模の大きい病院の場合、設備の数が多いため、目的とする設備への経路が分かりにくくスムーズに辿り着けないとか、間違った診療室や検査室等に辿り着いてしまうとかの課題がある。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、患者を管理・識別する従来のリストバンドの用途に加えて、外来患者や入院患者等を、病院内の診療室や検査室等の受診設備へ的確に誘導したり、あるいは辿り着いた診療室や検査室等が目的とする設備であるか否かを検証したりする用途に活用できるリストバンド、リストバンド作成装置、リストバンド作成装置の制御方法、リストバンド作成装置の制御プログラム及びリストバンド案内システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、リストバンドが有する患者あるいは、受診者(以下、受診者を含めて患者と称す)の個人医療情報に加えて、患者に対して指定された受診設備に関する情報をリストバンドに付加することにより、患者を管理・識別する従来の用途以外に、リストバンドを有効活用することが可能であり、上記課題を解決する。
【0007】
本発明の第1の態様にかかるリストバンドは、患者の少なくとも名前もしくは当人にユニークなコード、及び血液型を含む個人医療情報を表示するため文字又はコードを印刷した医療情報表示部と、病院等の医療施設の診療科、病棟、検査室等のそれぞれの設備に割り当てられ、その設備を識別可能に表示する表示用の媒体(以下、場所識別媒体と称す)に、または当該設備へ誘導する案内用の媒体(以下、誘導媒体と称す)に用いられている異なる色及び/又は模様との内、患者が受診もしくは入院する設備に割り当てられたものと実質的に同一の色及び/又は模様を印刷した受診設備表示部と、を備えることを特徴とする。
この態様のリストバンドを用いることにより、医師や看護士等は、リストバンドの医療情報表示部に表示された患者の名前、名前コード、及び血液型等の個人医療情報を元に、患者を別の患者と取り違えたり、患者の血液型等を間違えたりしないように患者を管理・識別することができる。
さらに、患者や付添い人等(以下、患者関係者と称す)は、受診設備表示部に表示されている色や模様と場所識別媒体に表示されている色や模様とが一致しているか否かを確認することにより、目的とする設備であるか否かを検証できる。例えば、診療室や検査室に、場所識別媒体として室名札が設置されている場合、患者関係者は、リストバンドの受診設備表示部に表示されている色や模様と、室名札に表示されている色や模様とが一致しているか否かを確認することにより、自分がこれから診療や検査を受ける設備であるか否かを検証できる。
また、患者関係者は、リストバンドの受診設備表示部に表示されている色や模様と一致する色や模様の誘導媒体に従って進むことにより、迷うことなく目的とする設備に辿り着くことができる。例えば、設備への誘導媒体として通路の床や壁に誘導テープが貼られている場合、患者関係者は、リストバンドの受診設備表示部に表示されている色や模様と一致する色や模様の誘導テープに従って進むだけで、的確に目的とする設備へと誘導される。
【0008】
本発明の他の態様にかかるリストバンドは、医療施設の診療科、病棟、検査室等の設備に関するデータが記憶されるICタグをさらに備えることを特徴とする。
この態様では、リストバンドに備えられたICタグに、医療施設の設備に関する情報をデータとして記憶させることができる。そして、ICタグに記憶された設備に関する情報となるデータを利用することにより、患者関係者が辿り着いた設備が目的とする設備であるか否かを検証したり、患者関係者を目的とする設備へ案内したりする処理が可能になる。
【0009】
本発明の第1の態様にかかるリストバンド作成装置は、患者の少なくとも名前もしくは当人にユニークなコード、及び血液型を含む個人医療情報を取得する医療情報取得部と、医療情報取得部によって取得された個人医療情報に基づいた個人医療情報表示データを生成する医療情報表示データ生成部と、病院等の医療施設の診療科、病棟、検査室等のそれぞれの設備に割り当てられ、場所識別媒体に、または誘導媒体に用いられている異なる色及び/又は模様を前記それぞれの設備と関連付けて記憶する設備対応情報記憶部と、患者に対して指定された診療科、病棟、検査室等の受診設備に関する受診設備情報を取得する受診設備情報取得部と、受診設備情報取得部によって取得された受診設備情報に基づいて、受診設備に関連付けられた色及び/又は模様と実質的に同一な識別マークを含む受診設備表示データを生成する受診設備表示データ生成部と、個人医療情報表示データ及び受診設備表示データに基づいた情報を印刷する印刷装置と、を備えることを特徴とする。
この態様のリストバンド作成装置を用いることにより、リストバンドに、患者の個人医療情報に加えて、受診設備に関連付けられた色や模様の識別マークが印刷されたリストバンドを作成することができる。
【0010】
本発明の他の態様にかかるリストバンド作成装置は、医療情報取得部が、カルテあるいは、受診受付表に付された1次元コード(バーコード)又は2次元コードを読取り可能なコード読取装置を備え、医療情報取得部によって取得される個人医療情報及び受診設備情報取得部によって取得される受診設備情報のうち、少なくとも一方の情報をコード読取装置によって読み取られたコード情報に基づいて取得することを特徴とする。
この態様では、カルテや受診受付表等に所定の患者識別コードや患者の受診設備となる診療室や検査室等のコードが表示されている場合、機械読取操作だけで、リストバンド作成のための個人医療情報や受診設備情報を入力可能となり、人為的な入力ミスの防止につながる。
【0011】
本発明の他の態様にかかるリストバンド作成装置は、医療情報取得部が、患者を特定する個人特定情報に基づいて、医療情報データベースにアクセスし、特定された患者の個人医療情報を取得することを特徴とする。
この態様では、リストバンド作成の際に入力される個人医療情報が、既に登録されている個人医療情報を最大限利用し、マニュアル入力を極力抑制することが可能となる。これにより、より正確に個人医療情報を入力することができ、リストバンド作成時の入力ミスによる医療事故を防止することが可能である。また、個人医療情報の入力処理が簡単になり、リストバンド作成が簡単になる。
【0012】
本発明の他の態様にかかるリストバンド作成装置は、リストバンドに備えられたICタグに受診設備に関するデータを記憶させるデータ書込部をさらに備えることを特徴とする。
この態様では、リストバンドに備えられたICタグに、患者の受診設備情報がデータ書込み部によって電子データの形式で記録されたリストバンドを作成することができる。
【0013】
本発明の第1の態様にかかるリストバンド作成装置の制御方法は、患者の個人医療情報を取得する医療情報取得工程と、医療情報取得工程によって取得された個人医療情報に基づいた個人医療情報表示データを生成する工程と、患者に対して指定された病院等の医療施設の診療科、病棟、検査室等の設備に関する受診設備情報を取得する受診設備情報取得工程と、受診設備情報取得工程によって取得された受診設備情報に基づいて、色及び/又は模様を用いて受診設備を特定可能にする識別マークを示すデータを含む受診設備表示データを生成する工程と、個人医療情報表示データ及び受診設備表示データに基づいた情報を印刷する工程と、を備えることを特徴とする。
【0014】
本発明の第1の態様にかかるリストバンド作成装置の制御プログラムは、上述の態様に記載のリストバンド作成装置の制御方法の各工程をコンピュータに実行させるプログラムからなることを特徴とする。
コンピュータは、CPU、論理回路、メモリ、及び各種制御プログラム等からなり、本プログラムを読み込むことにより、上記リストバンド作成装置の制御方法の各工程を実行する。
【0015】
本発明の第1の態様にかかるリストバンド案内システムは、上述の態様に記載の受診設備に関するデータが記憶されるICタグを備えるリストバンドと、受診設備へ誘導するための医療施設案内装置及び受診設備となる場所に設けられる場所識別装置のうち少なくとも1つと、を備え、医療施設案内装置は、ICタグとの通信によってICタグから取得した受診設備に関するデータに基づいて、受診設備へ誘導するための案内情報を報知し、場所識別装置は、ICタグとの通信によってICタグから取得した受診設備に関するデータに基づいて、受診設備と一致するか否かを判断するための判断情報を報知することを特徴とする。
この態様のリストバンド案内システムを用いることにより、患者関係者は、リストバンドを利用して、設置された医療施設案内装置に、目的とする設備への案内情報を報知させたり、設置された場所識別装置に、目的とする設備か否かの判断情報を報知させたりできる。例えば、医療施設の通路に設置された医療施設案内装置に、これから受診する設備への経路を案内情報として表示させたり、診療室の入口に設置された場所識別装置に、目的とする診療室であるか否かのチェックをさせて結果を表示させたりできる。
【0016】
本発明の他の態様にかかるリストバンド案内システムは、上述の態様に記載のリストバンド案内システムにおいて、リストバンドに医療施設案内装置と場所識別装置からの情報を表示する表示部を有することを特徴とする。
この態様のリストバンド案内システムを用いることにより、患者関係者は、設置された医療施設案内装置を利用して、リストバンドに備えられた表示部に、目的とする設備への案内情報を報知させることができる。また、設置された場所識別装置を利用して、リストバンドに備えられた表示部に、目的とする設備か否かの判断情報を報知させることができる。例えば、リストバンドに表示部としてディスプレイを備えることにより、医療施設の通路に設置された医療施設案内装置を利用して、このディスプレイに、これから受診する設備への経路を案内情報として表示させることができる。また、診療室の入口に設置された場所識別装置を利用して、目的とする診療室であるか否かのチェックをさせ、このディスプレイに結果を表示させたりできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(第1の実施形態)
(リストバンド作成装置)
図面を用いて本発明の第1の実施形態にかかるリストバンド作成装置を説明する。なお、本実施形態では、医療施設の一例として病院を用いて説明する。まず図1に、本発明にかかるリストバンド作成装置の一実施形態にかかる機能ブロック図を示す。リストバンド作成装置10は、キーボード又はタッチプレート等の入力装置11、1次元コードとしてのバーコード又は2次元コード等を読み取るスキャナ等とコード読取制御装置12とから構成されるコード読取装置、ディスプレイ等の表示装置13、医療情報データベース14、リストバンド作成制御装置20及びカラー印刷可能な印刷装置15を備えている。ここで、医療情報データベース14が、他の病院や薬局、検査センターなどとネットワークを介して接続されることにより、他の病院等から医療情報等を取得することが可能である。また、医療情報データベース14を構成としないで、入力装置11やコード読取装置により必要な情報の取得をすべて行うことも可能である。
【0018】
リストバンド作成制御装置20は、CPU、ROM、RAM及び制御プログラムからなり、所定の制御プログラムに従ってデータ処理可能であればよい。従って、PC等の汎用のコンピュータ及びOSに専用の処理制御ソフトウェアをインストールして、使用することも可能である。
リストバンド作成制御装置20の主な機能は、患者あるいは、受診者個人(以下、受診者を含めて患者と称す)についての名前やユニークなコードである名前コード等で構成される個人情報と、患者の血液型等で構成される医療情報と、患者に指定された診療科、病棟及び検査室等の受診設備に関する情報との入力を受け付け、これらの入力データに基づいて、リストバンド30に、個人情報及び医療情報(以下、個人医療情報と称す)と、色や模様によって受診設備を識別した受診設備情報とを、印刷装置15によって、所定の形式で印刷させるよう制御する。
【0019】
リストバンド作成制御装置20は、データ制御部21、管理情報設定部22、医療情報取得部23、受診設備情報取得部24、通信制御部25、設備対応情報記憶部としての管理情報記憶部26、及び印刷データ生成部27を備えている。
【0020】
データ制御部21は、リストバンド作成制御装置20の全体の動作を制御する。
管理情報設定部22は、リストバンド30に印刷する項目の設定及び受診設備と色・模様との対応設定等を行う。管理情報設定部22において設定された設定情報は、管理情報記憶部26に記憶される。記憶された設定情報は、印刷データ生成部27において印刷データを生成する際に参照される。これらの設定は、所定の権限者のみの権限とし、権限認証手段を設けることも可能である。
【0021】
医療情報取得部23は、入力装置11、コード読取装置等から入力された患者の情報や医療情報データベース14に記憶された患者の情報から、リストバンド30を作成するために必要な個人医療情報を取得する。受診設備情報取得部24は、入力装置11、コード読取装置等から入力された患者の受診設備に関する情報や医療情報取得部23において取得された個人医療情報から、リストバンド30を作成する対象となる患者の受診設備情報を取得する。
印刷データ生成部27は、医療情報取得部23において取得された個人医療情報及び受診設備情報取得部24において取得された受診設備情報に基づいて、リストバンド30に印刷する所定の印刷データを生成する。
通信制御部25は、医療情報データベース14とデータ通信を行う。
【0022】
(リストバンドの例示)
図2及び図3に、本発明にかかるリストバンドの2つの例を示す。なお、ここに示したリストバンドにおいては、受診設備を色を用いて特定しているが、模様を用いて受診設備を特定したり、色及び模様の両方を用いて受診設備を特定したりしても良い。また、リストバンドに表示される項目の種類・内容、配置、色及び模様等はこれらの例に限定されるものではなく、各病院の環境等の実情に応じて自由に設定することができる。
【0023】
(リストバンドの例示1)
図2に、本発明にかかるリストバンドの1つの例を示す。図2に示すリストバンド30aの例は、入院患者が検査前又は受診前(検査室又は診療室へ移動する前)に、看護士等から受け取るリストバンドの1つの例である。
【0024】
リストバンド30aに情報が表示される領域は、大きく分けて、患者の個人医療情報が表示される医療情報表示部91と、患者の受診設備情報が表示される受診設備表示部92とに分かれる。ここでは、医療情報表示部91を、リストバンド30aの幅が広い領域の部分に設けて、受診設備表示部92を、リストバンド30aの幅が狭い領域であるベルト部分に設けている。
【0025】
リストバンド30aの例では、医療情報表示部91に、文字・記号情報として氏名、生年月日等の属性情報41、ABO血液型42、Rh式血液型45及び患者識別番号43等が表示されている。ABO血液型は、血液型をカラー識別したカラー表示情報44としても表示され、Rh式血液型45等の表示もカラー表示するようにしてもよい。また、コード情報として、2次元コード47及びバーコード48の双方が表示されているが、いずれか一方を表示するようにしても、いずれも表示しないように構成してもよい。
【0026】
医師や看護師等は、患者が身に付けたリストバンド30aの医療情報表示部91の内容を確認することにより、患者を別の患者と取り違えたり、患者の血液型を別の血液型と間違えたりしないようにする効果がある。
【0027】
リストバンド30aの受診設備表示部92には、第1検査情報92a、第2検査情報92b及び第3検査情報92cが表示され、それぞれの表示内容は、文字情報として、表示領域の上段に患者が受ける検査内容、表示領域の下段に当該検査が実施される検査室の名称を示している。また、それぞれの表示領域は、表示領域の下段に表示された検査室を特定する色で地色が色分けされた受診設備識別マーク93a〜93cとなっている。なお、患者が受ける検査の順番を明確にするために、それぞれの表示領域に、検査の順番を示す数字や次の検査を示す矢印等の記号等を表示しても良い。
【0028】
患者は、リストバンド30aの受診設備表示部92に表示されている第1検査情報92a〜第3検査情報92cの表示内容を見ることにより、自分がこれから受ける検査の種類と、その検査を受けるためにどの検査室へ移動すればよいか確認することができる。また、第1検査情報92a〜第3検査情報92cの表示領域は、受診設備識別マーク93a〜93cとなっているため、例えば、受診設備識別マーク93a〜93cの色と、病院の通路に貼られている各検査室へ誘導する誘導テープの色や各検査室の入り口周辺に設置されている室名札の色とを一致させることにより、患者や付添い人等(以下、患者関係者と称す)は迷わないで容易に目的とする検査室へ移動することができる。
【0029】
このリストバンド30aは、手首または足首に取り付けて固定した状態で使用する。リストバンド30aの左端に設けられた2つの孔50に止め具55の突出ピン56を貫通させた状態でリストバンド30aを手首又は足首の周りに巻き、リストバンド30aの右端に設けられた複数円形状の丸い孔51中の2個を貫通させる。その後、止め具55を折り曲げて、結合部57aと57bとを結合することにより固定する。なお、受診設備表示部92の内容を患者関係者が確認できるようにするために、止め具55は透過可能な材質であることが好ましい。
【0030】
(リストバンドの例示2)
図3に、本発明にかかるリストバンドのもう1つの例を示す。図3に示すリストバンド30bの例は、初診の外来患者が診療前(診療室へ移動する前)に、病院の総合窓口担当者等から受け取るリストバンドの1つの例である。
【0031】
リストバンド30bに表示される領域は、図2に示したリストバンドの例と同様に、患者の個人医療情報が表示される医療情報表示部91と、患者の受診設備情報が表示される受診設備表示部92とに分かれている。
【0032】
リストバンド30bの医療情報表示部91には、文字・記号情報として氏名、生年月日等の属性情報41、患者識別番号43等が表示されている。また、コード情報として、2次元コード47及びバーコード48の双方が表示されている。
【0033】
リストバンド30bの受診設備表示部92には、患者の受診設備を示す診療情報92dが表示され、この表示内容は、文字情報として、表示領域の上段に患者が受診する診療科の名称、表示領域の下段に患者の受診設備となる診療室の名称を示している。また、この表示領域は、当該診療室を特定する色で地色が色分けされた受診設備識別マーク93dとなっている。
【0034】
リストバンド30bの受診設備表示部92の効果については、リストバンド30aの受診設備表示部92の効果と同様である。なお、リストバンド30bを病院において利用する例について、詳細を後述する。
【0035】
(リストバンドの作成手順)
以下に、リストバンドの作成手順の1つの例について説明する。
【0036】
図4に本発明の一実施形態にかかるリストバンド30の作成手順のフローチャートを示す。なお、図4に示すフローチャートの各ステップにおける動作は、リストバンド作成制御装置20に備えるCPUの制御により実行される。
【0037】
リストバンド30の作成処理が起動されると、まず、入力装置11から、リストバンド30を作成する対象となる患者が初診の患者であるか、あるいは再診の患者であるか等の患者種別の入力を受け付ける(S101)。
【0038】
次に、患者のデータが、カルテ60等のコード61や受診受付表としての受診カード(患者が受診カードを所持している場合)の磁気データ等に記録されている(コード等が有る患者)か否かを判定する(S102)。なお、コード等が有る患者か否かの判定は、入力された患者種別により行う。
【0039】
再診の患者や入院している患者のように、コード等が有る患者の場合(S102;Yes)、コード等から、リストバンド30を作成するのに必要な患者の個人医療情報を取得する(S103)。
ここで、コード61からの個人医療情報の取得は、コード読取装置によりコード61を読み取ることによって行われる。また、受診カードの磁気データ等から個人医療情報を取得する場合は、カード読取装置(図示せず)により、受診カードの磁気データ等を読み取ることによって行う。
【0040】
次に、コード等の読み取り結果にリストバンド作成の処理に必要な個人医療情報がすべて含まれているか否かを判定する(S104)。
コード等の読み取り結果にリストバンド作成の処理に必要な個人医療情報がすべて含まれている場合(S104;Yes)、個人医療情報から受診設備情報が取得可能か否かの判定処理(S107)へ進む。
コード等の読み取り結果では必要な個人医療情報が不足する場合(S104;No)、コード等の読み取り結果に含まれる患者識別番号(患者個人を特定する個人特定情報としての識別情報)に基づき、医療情報データベース14にアクセスし、個人医療情報を取得し(S105)、個人医療情報から受診設備情報が取得可能か否かの判定処理(S107)へ進む。ここで、必要な個人医療情報が不足する場合の例として、読み取ったバーコードに患者識別番号は含まれるが患者の氏名が含まれていない等がある。
【0041】
コード等が有る患者か否かの判定処理(S102)において、初診の患者等のように、個人医療情報を取得するコード等が無い場合には(S102;No)、入力装置11から、必要な個人医療情報をマニュアル入力により受け付ける(S106)。さらに、受診カード等を忘れた患者のために、患者識別番号をマニュアル入力することにより、医療情報データベース14から個人医療情報を取得するように構成することもできる。
【0042】
次に、個人医療情報から受診設備情報が取得可能か否かの判定処理を行う(S107)。
取得した個人医療情報の一部から、患者の受診設備情報が求められる場合(S107;Yes)、この個人医療情報の一部から患者の受診設備情報を取得する(S108)。
ここで、受診設備情報の取得は、例えば、図5(b)に示すような、診療科、担当医、診療室及び診療室の表示色を項目とした対応テーブルを設けておき、個人医療情報の一部である診療科及び担当医の情報を元に、この対応テーブルをサーチすることによって、患者の受診設備となる診療室の情報を求めることによって行う。これにより、受診設備情報をマニュアル入力する手間を軽減することができ、また、受診設備情報の入力ミス等によって患者に大きな負担を強いることになるトラブル等を、防止できる効果も期待できる。
なお、当該対応テーブルは、管理情報設定部22により、新規設定及び受診設備に対応する色や模様を変更する等の設定変更が可能であり、設定内容は管理情報記憶部26に保存される。管理情報設定部22により、受診設備に対応する色や模様の設定を自由に変更できることにより、病院の診療科の種類や数等の実情に合わせて色や模様を設定できる。
【0043】
個人医療情報から受診設備情報が取得可能か否かの判定処理(S107)において、取得した個人医療情報に患者の受診設備に関する情報が存在しない等のため、個人医療情報から、患者の受診設備情報が取得できない場合(S107;No)、入力装置11から、必要な受診設備情報をマニュアル入力により受け付ける(S109)。
【0044】
次に、取得した個人医療情報に基づいて、リストバンド30の医療情報表示部91に印刷される個人医療表示データを生成する(S110)。
【0045】
次に、取得した受診設備情報に基づいて、リストバンド30の受診設備表示部92に印刷される受診設備表示データを生成する(S111)。生成される受診設備表示データは、受診設備に関する文字情報等や受診設備を色や模様により特定する受診設備識別マークとなるデータを含んでいる。受診設備識別マークに表示する色は、管理情報記憶部26に保存された対応テーブルの受診設備に対応する色や模様に関する項目を参照する事によって行う。例えば、図5(a)は、図2におけるリストバンド30aを作成する際に参照した対応テーブルであり、図5(b)は、図3におけるリストバンド30bを作成する際に参照した対応テーブルである。
【0046】
次に、生成された、個人医療表示データ及び受診設備表示データに基づいて、印刷データを生成し印刷装置15によりリストバンド30に印刷する(S112)。
なお、リストバンド30の素材として、フェルトや不織布等のように表面に凸凹を有するものを使用する場合には、印刷装置15として、インクジェット等のインク吐出型のプリンタを使用することが望ましい。また、院内感染防止等の観点から、リストバンド30に印刷後に、印刷装置15により抗菌剤を塗布するように構成することも可能である。
【0047】
(リストバンド利用の例示)
図6を用いて、病院において、リストバンドを利用する例について説明する。図6は、病院における各診療室等の配置を簡略化した図であり、外科室201a、内科室201b及び小児科室201cの3つの診療室ならびに総合受付200が配置されている。また、通路210には、患者関係者を各診療室へ誘導する誘導媒体として、外科室201aへの誘導テープ211a(黄色)、内科室201bへの誘導テープ211b(橙色)及び小児科室201cへの誘導テープ211c(赤色)が貼られている。さらに、各診療室を識別する場所識別媒体として、外科室201aには外科室名札221a(黄色)、内科室201bには内科室名札221b(橙色)及び小児科室201cには小児科室名札221c(赤色)が、各診療室の入口周辺に設置されている。
【0048】
ここでは、図6に示された病院において、初診の外来患者が内科の診療を受診する例について説明する。患者は、最初に総合受付200において初診の診療の受け付けを行い、総合受付の担当者から図3に例示されているリストバンド30bを受け取る。リストバンド30bの医療情報表示部91には患者の氏名や患者識別番号等が表示され、受診設備表示部92には受診設備となる診療科「内科」の文字及び診療室「内科室」の文字が、受診設備識別マークとなる橙色の地色の上に表示されている。
【0049】
リストバンド30bを受け取った患者は、リストバンド30bの橙色の受診設備識別マークと色が一致する橙色の誘導テープ211bに従って進むことにより、内科室201bへと誘導される。また、内科室201bに到着したら、内科室名札221bに表示されている色が、リストバンド30bの受診設備識別マークに表示されている橙色であるか否かを確認することにより、これから受診する診療室であるか否かを検証できる。
なお、上述した例では、誘導媒体として誘導テープ及び場所識別媒体として室名札を用いたが、例えば、誘導媒体として誘導マークを用いたり、場所識別媒体として色分けされたドアを用いたり等、受診設備へ誘導できる媒体や場所を識別できる媒体であれば何を用いても良い。
【0050】
なお、本発明の医療情報取得工程は、図4のフローチャートのS102〜S106に相当する。個人医療表示データを生成する工程は、図4のフローチャートのS110に相当する。受診設備情報取得工程は、図4のフローチャートのS107〜S109に相当する。受診設備表示データを生成する工程は、図4のフローチャートのS111に相当する。印刷する工程は、図4のフローチャートのS112に相当する。
【0051】
(第2の実施形態)
(リストバンド作成装置)
図面を用いて本発明の第2の実施形態にかかるリストバンド作成装置を説明する。図7に、第2の実施形態にかかるリストバンド作成装置の機能ブロック図を示す。第1の実施形態とは、ICタグ書込装置16及びリストバンド作成制御装置20にICデータ生成部28を備えている点が異なる。また、作成するリストバンド31は、非接触で通信が行えるICタグ310を備えている点が、第1の実施形態におけるリストバンド30と異なる。
【0052】
ICデータ生成部28は、医療情報取得部23において取得された個人医療情報及び受診設備情報取得部24において取得された受診設備情報に基づいて、リストバンド31に備えられたICタグ310に記憶させる所定のデータを生成する。ICタグ書込装置16は、ICタグ310に、ICデータ生成部28において生成されたデータを記憶させる。なお、ここでは、ICタグ書込装置16を単独の装置としたが、印刷装置15にICタグ書込装置16の機能を備えて、印刷装置15によりICタグ310にデータを記憶させることも可能である。
【0053】
(リストバンド案内システム)
次に、図面を用いて第2の実施形態にかかるリストバンドを用いたリストバンド案内システムを説明する。図8に、リストバンド31を用いたリストバンド案内システム300の機能ブロック図を示す。リストバンド案内システム300は、ICタグ310を備えたリストバンド31、案内装置320及び場所識別装置330で構成される。
【0054】
リストバンド31に備えられたICタグ310は、制御部311、送受信部312及び記憶部313を備えている。
ICタグ310の制御部311は、送受信部312及び記憶部313の制御を行い、送受信部312を介して送受信されるデータのエンコード・デコード等を行う。
ICタグ310の送受信部312は、記憶部313に記憶させるデータをICタグ書込装置16から受信したり、記憶部313に記憶されているデータの中から、受診設備情報に基づいたデータ(以下、受診設備データと称す)を案内装置320や場所識別装置330に送信する。また、送受信部312を介してICタグ310に電力が供給されるため、ICタグ310に電池等は必要としない。
ICタグ310の記憶部313には、ICタグ書込装置16から送受信部312を介して受信した個人医療情報に基づいたデータ及び受診設備データが記憶される。
【0055】
案内装置320は、診療室や検査室等の受診設備へ案内する装置であり、例えば、病院内の総合窓口の周辺や通路の分岐点の壁等に設置される。案内装置320は、制御部321、送受信部322、案内データ生成部323及び報知部324を備えている。
案内装置320の制御部321は、送受信部322、案内データ生成部323及び報知部324の制御を行い、送受信部322を介して送受信されるデータのエンコード・デコード等を行う。
案内装置320の送受信部322は、ICタグ310からデータを受信する。
案内装置320の案内データ生成部323は、ICタグ310から送受信部322を介して受信した受診設備データに基づいて、患者関係者に対して受診設備へ案内する案内データを生成する。
案内装置320の報知部324は、案内データ生成部323において生成された案内データに基づいて、ディスプレイに案内情報を表示する等の報知処理を行う。ここで、ディスプレイに表示される案内情報は、例えば、病院内の各診療室等の配置が示された案内図に、現地点から受診する診療室等への経路が、リストバンド31の受診設備識別マークと同色の線で明示されるような表示内容等があげられる。
【0056】
場所識別装置330は、患者関係者が到着した診療室や検査室等が、患者の目的とする診療室や検査室等であるか否かのチェックをする装置であり、例えば、診療室や検査室等の入口周辺に設置される。場所識別装置330は、制御部331、送受信部332、判断データ生成部333及び報知部334を備えている。
場所識別装置330の制御部331は、送受信部332、判断データ生成部333及び報知部334の制御を行い、送受信部332を介して送受信されるデータのエンコード・デコード等を行う。
場所識別装置330の送受信部332は、ICタグ310からデータを受信する。
場所識別装置330の判断データ生成部333は、ICタグ310から送受信部332を介して受信した受診設備データに基づいて、患者関係者に対して患者の目的とする診療室や検査室等であるか否かを示す判断データを生成する。
場所識別装置330の報知部334は、判断データ生成部333において生成された判断データに基づいて、例えばディスプレイ等に、患者の目的とする設備であるか否かの判断情報を表示する等の報知処理を行う。ここで、ディスプレイ等に表示される判断情報は、当該設備の正誤を知らせるメッセージ等でも良い。また、スピーカー等を用いて、音声により正誤を知らせても良い。
【0057】
(リストバンド案内システム利用の例示)
図9を用いて、病院において、第2の実施形態にかかるリストバンド案内システムを利用する例について説明する。図9は、病院における各診療室の配置を簡略化した図であり、図6とは、案内装置320が設置されている点と、各診療室に場所識別装置330a〜330cが設置されている点とが異なる。ここでは、案内装置320は、総合受付200の隣及び通路210の主要な分岐点となる壁の合計4箇所に設置されている。場所識別装置330a〜330cは、各診療室の入口周辺に設置されている。
【0058】
ここでは、図9に示された病院において、初診の外来患者が内科の診療を受診する例について説明する。患者は、最初に総合受付200において初診の診療の受け付けを行い、総合受付の担当者からリストバンド31を受け取る。リストバンド31は、図3に例示されているリストバンド30bにICタグ310を備えたリストバンドであり、患者の個人医療情報に基づいたデータ及び受診設備データが記憶されている。
【0059】
リストバンド31を受け取った患者は、受診設備となる内科室201bへの案内情報を表示させるために、総合受付の隣に設置されている案内装置320の送受信部322にリストバンド31を近づける。送受信部322は、リストバンド31のICタグ310に記憶されている受診設備データを受信する。そして、受診した受診設備データに基づいて、案内データ生成部323において受診設備へ案内する案内データを生成し、報知部324としてのディスプレイ等に表示する。
【0060】
患者は、ディスプレイ等に表示された案内情報を見て内科室201bへの経路を把握することができる。また、通路210の主要な分岐点には案内装置320が設置されており、患者は必要に応じて、他の地点でも案内情報を確認することができ、迷うことなく目的とする受診設備へ移動することができる。
【0061】
次に、患者が内科室201bに到着した場合、患者は自分が受診する診療室であるか否かを検証するために、診療室の入口周辺に設置されている場所識別装置330bにリストバンド31を近づける。場所識別装置330bの送受信部332は、リストバンド31のICタグ310に記憶されている受診設備データを受信し、判断データ生成部333において、受信した受診設備データが診療室の情報と一致するか否かを判定して判定結果となる判断データを生成し、報知部334としてのディスプレイ等に判断データに基づいて判断情報を表示する。
【0062】
患者は、ディスプレイ等に表示された判断情報を見て、自分がこれから受診する内科室201bであるか否かを把握することができるので、誤って別の診療室等へ入室してしまう等のトラブルを防止できる効果がある。
【0063】
(第3の実施形態)
(リストバンドの例示)
図面を用いて本発明の第3の実施形態にかかるリストバンドを説明する。図10に、第3の実施形態にかかるリストバンド501の例を示す。リストバンド501は、第2の実施形態におけるリストバンド31とは、患者を受診設備へ案内する案内情報や目的とする設備であるか否かの判断情報を表示する表示部である報知部513としてのディスプレイが備えられている点が異なる。なお、医療情報表示部91の表示内容も異なっている。
なお、第3の実施形態にかかるリストバンドの作成装置は、第2の実施形態にかかるリストバンドの作成装置と同様である。
【0064】
(リストバンド案内システム)
次に、図面を用いて第3の実施形態にかかるリストバンドを用いたリストバンド案内システムを説明する。図11に、リストバンド501を用いたリストバンド案内システム500の機能ブロック図を示す。リストバンド案内システム500は、ICタグ510及び報知部513を備えたリストバンド501、案内装置520及び場所識別装置530で構成される。なお、案内装置520及び場所識別装置530の設置場所は、第2の実施形態における案内装置320及び場所識別装置330と同様で良い。
【0065】
リストバンド501に備えたICタグ510は、制御部511、送受信部512及び記憶部514を備えている。
ICタグ510の制御部511は、送受信部512、記憶部514及び報知部513の制御を行い、送受信部512を介して送受信されるデータのエンコード・デコード等を行う。
ICタグ510の送受信部512は、記憶部514に記憶させるデータをICタグ書込装置16から受信したり、記憶部514に記憶されているデータの中から、受診設備データを案内装置520や場所識別装置530に送信する。また、案内装置520から患者関係者に対して受診設備へ案内する案内データを受信したり、場所識別装置530から患者関係者に対して患者の受診設備となる診療室や検査室等であるか否かを示す判断データを受信したりする。
ICタグ510の記憶部514には、ICタグ書込装置16から送受信部512を介して受信した個人医療情報に基づいたデータ及び受診設備データが記憶される。
【0066】
リストバンド501に備えた報知部513は、送受信部512を介して受信した案内データや判断データに基づいて、案内情報や判断情報を表示する。ここで、報知部513に表示される案内情報や判断情報は、第2の実施形態にかかる案内装置320や場所識別装置330と同様な表示内容でも良いが、報知部513の表示領域の制約により、簡略化した表示内容を表示することが好ましい。
【0067】
案内装置520は、制御部521、送受信部522及び案内データ生成部523を備えている。
案内装置520の制御部521は、送受信部522及び案内データ生成部523の制御を行い、送受信部522を介して送受信されるデータのエンコード・デコード等を行う。
案内装置520の案内データ生成部523は、ICタグ510から送受信部522を介して受信した受診設備データに基づいて、患者関係者に対して受診設備へ案内する案内データを生成する。
案内装置520の送受信部522は、ICタグ510からデータを受信する。また、案内データ生成部523において生成された案内データを、ICタグ510の送受信部512に送信する。
【0068】
場所識別装置530は、制御部531、送受信部532及び判断データ生成部533を備えている。
場所識別装置530の制御部531は、送受信部532及び判断データ生成部533の制御を行い、送受信部532を介して送受信されるデータのエンコード・デコード等を行う。
場所識別装置530の判断データ生成部533は、ICタグ510から送受信部532を介して受信した受診設備データに基づいて、患者関係者に対して患者が受診する診療室や検査室等であるか否かを示す判断データを生成する。
場所識別装置530の送受信部532は、ICタグ510からデータを受信する。また、判断データ生成部533において生成された判断データを、リストバンド501に備えたICタグ510の送受信部512に送信する。
【0069】
第3の実施形態にかかるリストバンド案内システムを利用する方法は、第2の実施形態におけるリストバンド案内システムと同様であるが、第2の実施形態において案内装置320及び場所識別装置330に表示していた案内情報及び判断情報を、第3の実施形態においては、リストバンド501に備えた報知部513としてのディスプレイに表示する点が異なる。
【0070】
リストバンド501に備えたディスプレイに表示することにより、患者関係者は案内情報や判断情報を自分の手もとで確認することができる。これにより、他の人に、どこの診療室や検査室へ行くのか等を知られることなく、自分だけで案内情報や判断情報を確認することができるのでプライバシー保護の面からの効果が期待できる。
ICタグ510には他人に知られたくない情報(特に個人医療情報)も入っているため、案内装置320もしくは場所識別装置330又は表示装置13にスイッチ等を設けておき、表示の際、内容を確認した後すぐに消すことができることが好ましい。
【0071】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、種々の変更や改良を加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
【0072】
(変形例1)前記実施形態において、病院内の診療室や検査室等の受診設備へ、患者関係者を的確に案内する用途に使用されるリストバンドの例を示した。しかし、病院における用途に限らず、本発明におけるリストバンドを他の場所において適用しても良い。例えば、工場内において、作業員が製品の種類を色や模様で特定したリストバンドを手首に取り付けて、その製品の製造工程となる作業場所(作業場所への経路が、製品の種類を特定する色や模様で明示されている)を把握する用途等に用いても良い。さらに役所などの公的機関で目的の手続きをするための部署を訪れようとした場合、受付で目的部署を案内する前述のリストバンドを受け取って取付け、迷わずに到着する用途に用いても良い。
【0073】
(変形例2)前記実施形態において、リストバンドの受診設備表示部92に、受診設備を特定する色で色分けした受診設備識別マークを表示する例を示した。しかし、これに限らず、受診設備表示部92に、色及び模様の組合せによって受診設備を特定する受診設備識別マークを表示して使用しても良い。例えば、第1の実施形態のリストバンド利用の例示において、リストバンド30bの受診設備識別マーク93d(橙色)に対して、図6に示されている、通路210に貼られた誘導テープ211b(橙色)の破線を示す模様を加えても良い。受診設備を色及び模様の組合せからなる受診設備識別マークで表示することにより、多くの診療室や検査室を有する規模の大きい病院であっても、色及び模様の組合せにより、受診設備となる多くの診療室や検査室を特定することができる。また、例えば、診療科を色で特定し、診療科に属する各診療室を模様で特定したり、病院の各階を色で特定し、各階の各部屋を模様で特定したりする等、病院において使い易いように受診設備を分類することが可能になる。
【0074】
(変形例3)前記第2及び第3の実施形態において、患者関係者に対して、診療室や検査室等の受診設備へ案内する案内情報及び目的の診療室や検査室等か否かを判定した判断情報を報知している。しかし、これに加えて、患者関係者に対して、患者が受診や検査を受ける診療室や検査室等において、患者が何番目に受診や検査を受ける患者であるかの情報やその時間、患者に対してのメッセージ等を報知しても良い。患者関係者に対して、自分が何番目に受診や検査を受ける患者であるかやその時間を報知することにより、患者は自分の診療や検査が始まるまでの待ち時間はどの程度かを把握できる。また、患者に対してメッセージ等を報知することにより、患者は自分に必要な、より詳細な情報を得ることができる。
【0075】
(変形例4)前記第2及び第3の実施形態において、場所識別装置を利用することにより、患者関係者に対して、目的の診療室や検査室等であるか否かを判定した判断情報を報知している。しかし、これに限らず、場所識別装置を、関係者以外が入室することのないようにするために、例えば、診療室や検査室等の診療や検査を受ける患者(リストバンドを所持している)のみドアが開くようにして、入室可・不可をチェックする等の入室管理を目的とした用途に使用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明にかかるリストバンド作成装置の一実施形態にかかる機能ブロック図。
【図2】本発明にかかるリストバンドの1つの例。
【図3】本発明にかかるリストバンドのもう1つの例。
【図4】本発明の一実施形態にかかるリストバンドの作成手順のフローチャート。
【図5】リストバンドを作成する際に参照した対応テーブルの例。
【図6】病院における各診療室等の配置を簡略化した図。
【図7】第2の実施形態にかかるリストバンド作成装置の機能ブロック図。
【図8】第2の実施形態にかかるリストバンドを用いたリストバンド案内システムの機能ブロック図。
【図9】第2の実施形態における病院における各診療室の配置を簡略化した図。
【図10】第3の実施形態にかかるリストバンドの例。
【図11】第3の実施形態にかかるリストバンドを用いたリストバンド案内システムの機能ブロック図。
【符号の説明】
【0077】
10…リストバンド作成装置、11…入力装置、12…コード読取制御装置、13…表示装置、14…医療情報データベース、15…印刷装置、16…ICタグ書込装置、20…リストバンド作成制御装置、21…データ制御部、22…管理情報設定部、23…医療情報取得部、24…受診設備情報取得部、25…通信制御部、26…管理情報記憶部、27…印刷データ生成部、28…ICデータ生成部、30…リストバンド、30a…リストバンド、30b…リストバンド、31…リストバンド、41…属性情報、42…ABO血液型、43…患者識別番号、44…カラー表示情報、45…Rh式血液型、47…2次元コード、48…1次元コードとしてのバーコード、60…カルテ等、61…コード、91…医療情報表示部、92…受診設備表示部、92a…第1検査情報、92b…第2検査情報、92c…第3検査情報、92d…診療情報、93a〜93d…受診設備識別マーク、200…総合受付、201a…外科室、201b…内科室、201c…小児科室、210…通路、211a〜211c…誘導媒体としての誘導テープ、221a…場所識別媒体としての外科室名札、221b…場所識別媒体としての内科室名札、221c…場所識別媒体としての小児科室名札、300…リストバンド案内システム、310…ICタグ、311…ICタグの制御部、312…ICタグの送受信部、313…ICタグの記憶部、320…案内装置、321…案内装置の制御部、322…案内装置の送受信部、323…案内装置の案内データ生成部、324…案内装置の報知部、330…場所識別装置、330a〜330c…場所識別装置、331…場所識別装置の制御部、332…場所識別装置の送受信部、333…場所識別装置の判断データ生成部、334…場所識別装置の報知部、500…リストバンド案内システム、501…リストバンド、510…ICタグ、511…ICタグの制御部、512…ICタグの送受信部、513…リストバンドの報知部、514…ICタグの記憶部、520…案内装置、521…案内装置の制御部、522…案内装置の送受信部、523…案内装置の案内データ生成部、530…場所識別装置、531…場所識別装置の制御部、532…場所識別装置の送受信部、533…場所識別装置の判断データ生成部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機関における診療、治療、看護における医療過誤、医療事故を防止するためのリストバンド、リストバンド作成装置、リストバンド作成装置の制御方法、リストバンド作成装置の制御プログラム及びリストバンド案内システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近時、患者の取り違えや輸血ミス等による医療事故または医療過誤事件が多発しており、これらの医療事故または医療過誤を防ぐため、医療管理システムの改革が検討されている。そのような管理システムの一つとして、リストバンドを患者に着けて管理する医療管理システムが採用されている。
例えば、特許文献1に記載されるリストバンドにおいては、リストバンドに患者の名前、血液型及びバーコード等の所定事項が印刷されている。医師や看護士等は、患者に着けられているリストバンドを確認することによって、患者や患者の血液型等を間違えることのないようにしてある。
【0003】
【特許文献1】特開2003−193308号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載されるリストバンドは、医師や看護士等が、患者を別の患者と取り違えたり、患者の血液型等を間違えたりしないように、患者を管理・識別する目的にのみ用いられ、その他の用途には用いられていない。
ところで、外来患者や入院患者等に対して、病院の総合窓口の担当者や看護士等により、これから診療や検査を受ける診療室や検査室等の設備が指定されることがある。特に、規模の大きい病院の場合、設備の数が多いため、目的とする設備への経路が分かりにくくスムーズに辿り着けないとか、間違った診療室や検査室等に辿り着いてしまうとかの課題がある。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、患者を管理・識別する従来のリストバンドの用途に加えて、外来患者や入院患者等を、病院内の診療室や検査室等の受診設備へ的確に誘導したり、あるいは辿り着いた診療室や検査室等が目的とする設備であるか否かを検証したりする用途に活用できるリストバンド、リストバンド作成装置、リストバンド作成装置の制御方法、リストバンド作成装置の制御プログラム及びリストバンド案内システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、リストバンドが有する患者あるいは、受診者(以下、受診者を含めて患者と称す)の個人医療情報に加えて、患者に対して指定された受診設備に関する情報をリストバンドに付加することにより、患者を管理・識別する従来の用途以外に、リストバンドを有効活用することが可能であり、上記課題を解決する。
【0007】
本発明の第1の態様にかかるリストバンドは、患者の少なくとも名前もしくは当人にユニークなコード、及び血液型を含む個人医療情報を表示するため文字又はコードを印刷した医療情報表示部と、病院等の医療施設の診療科、病棟、検査室等のそれぞれの設備に割り当てられ、その設備を識別可能に表示する表示用の媒体(以下、場所識別媒体と称す)に、または当該設備へ誘導する案内用の媒体(以下、誘導媒体と称す)に用いられている異なる色及び/又は模様との内、患者が受診もしくは入院する設備に割り当てられたものと実質的に同一の色及び/又は模様を印刷した受診設備表示部と、を備えることを特徴とする。
この態様のリストバンドを用いることにより、医師や看護士等は、リストバンドの医療情報表示部に表示された患者の名前、名前コード、及び血液型等の個人医療情報を元に、患者を別の患者と取り違えたり、患者の血液型等を間違えたりしないように患者を管理・識別することができる。
さらに、患者や付添い人等(以下、患者関係者と称す)は、受診設備表示部に表示されている色や模様と場所識別媒体に表示されている色や模様とが一致しているか否かを確認することにより、目的とする設備であるか否かを検証できる。例えば、診療室や検査室に、場所識別媒体として室名札が設置されている場合、患者関係者は、リストバンドの受診設備表示部に表示されている色や模様と、室名札に表示されている色や模様とが一致しているか否かを確認することにより、自分がこれから診療や検査を受ける設備であるか否かを検証できる。
また、患者関係者は、リストバンドの受診設備表示部に表示されている色や模様と一致する色や模様の誘導媒体に従って進むことにより、迷うことなく目的とする設備に辿り着くことができる。例えば、設備への誘導媒体として通路の床や壁に誘導テープが貼られている場合、患者関係者は、リストバンドの受診設備表示部に表示されている色や模様と一致する色や模様の誘導テープに従って進むだけで、的確に目的とする設備へと誘導される。
【0008】
本発明の他の態様にかかるリストバンドは、医療施設の診療科、病棟、検査室等の設備に関するデータが記憶されるICタグをさらに備えることを特徴とする。
この態様では、リストバンドに備えられたICタグに、医療施設の設備に関する情報をデータとして記憶させることができる。そして、ICタグに記憶された設備に関する情報となるデータを利用することにより、患者関係者が辿り着いた設備が目的とする設備であるか否かを検証したり、患者関係者を目的とする設備へ案内したりする処理が可能になる。
【0009】
本発明の第1の態様にかかるリストバンド作成装置は、患者の少なくとも名前もしくは当人にユニークなコード、及び血液型を含む個人医療情報を取得する医療情報取得部と、医療情報取得部によって取得された個人医療情報に基づいた個人医療情報表示データを生成する医療情報表示データ生成部と、病院等の医療施設の診療科、病棟、検査室等のそれぞれの設備に割り当てられ、場所識別媒体に、または誘導媒体に用いられている異なる色及び/又は模様を前記それぞれの設備と関連付けて記憶する設備対応情報記憶部と、患者に対して指定された診療科、病棟、検査室等の受診設備に関する受診設備情報を取得する受診設備情報取得部と、受診設備情報取得部によって取得された受診設備情報に基づいて、受診設備に関連付けられた色及び/又は模様と実質的に同一な識別マークを含む受診設備表示データを生成する受診設備表示データ生成部と、個人医療情報表示データ及び受診設備表示データに基づいた情報を印刷する印刷装置と、を備えることを特徴とする。
この態様のリストバンド作成装置を用いることにより、リストバンドに、患者の個人医療情報に加えて、受診設備に関連付けられた色や模様の識別マークが印刷されたリストバンドを作成することができる。
【0010】
本発明の他の態様にかかるリストバンド作成装置は、医療情報取得部が、カルテあるいは、受診受付表に付された1次元コード(バーコード)又は2次元コードを読取り可能なコード読取装置を備え、医療情報取得部によって取得される個人医療情報及び受診設備情報取得部によって取得される受診設備情報のうち、少なくとも一方の情報をコード読取装置によって読み取られたコード情報に基づいて取得することを特徴とする。
この態様では、カルテや受診受付表等に所定の患者識別コードや患者の受診設備となる診療室や検査室等のコードが表示されている場合、機械読取操作だけで、リストバンド作成のための個人医療情報や受診設備情報を入力可能となり、人為的な入力ミスの防止につながる。
【0011】
本発明の他の態様にかかるリストバンド作成装置は、医療情報取得部が、患者を特定する個人特定情報に基づいて、医療情報データベースにアクセスし、特定された患者の個人医療情報を取得することを特徴とする。
この態様では、リストバンド作成の際に入力される個人医療情報が、既に登録されている個人医療情報を最大限利用し、マニュアル入力を極力抑制することが可能となる。これにより、より正確に個人医療情報を入力することができ、リストバンド作成時の入力ミスによる医療事故を防止することが可能である。また、個人医療情報の入力処理が簡単になり、リストバンド作成が簡単になる。
【0012】
本発明の他の態様にかかるリストバンド作成装置は、リストバンドに備えられたICタグに受診設備に関するデータを記憶させるデータ書込部をさらに備えることを特徴とする。
この態様では、リストバンドに備えられたICタグに、患者の受診設備情報がデータ書込み部によって電子データの形式で記録されたリストバンドを作成することができる。
【0013】
本発明の第1の態様にかかるリストバンド作成装置の制御方法は、患者の個人医療情報を取得する医療情報取得工程と、医療情報取得工程によって取得された個人医療情報に基づいた個人医療情報表示データを生成する工程と、患者に対して指定された病院等の医療施設の診療科、病棟、検査室等の設備に関する受診設備情報を取得する受診設備情報取得工程と、受診設備情報取得工程によって取得された受診設備情報に基づいて、色及び/又は模様を用いて受診設備を特定可能にする識別マークを示すデータを含む受診設備表示データを生成する工程と、個人医療情報表示データ及び受診設備表示データに基づいた情報を印刷する工程と、を備えることを特徴とする。
【0014】
本発明の第1の態様にかかるリストバンド作成装置の制御プログラムは、上述の態様に記載のリストバンド作成装置の制御方法の各工程をコンピュータに実行させるプログラムからなることを特徴とする。
コンピュータは、CPU、論理回路、メモリ、及び各種制御プログラム等からなり、本プログラムを読み込むことにより、上記リストバンド作成装置の制御方法の各工程を実行する。
【0015】
本発明の第1の態様にかかるリストバンド案内システムは、上述の態様に記載の受診設備に関するデータが記憶されるICタグを備えるリストバンドと、受診設備へ誘導するための医療施設案内装置及び受診設備となる場所に設けられる場所識別装置のうち少なくとも1つと、を備え、医療施設案内装置は、ICタグとの通信によってICタグから取得した受診設備に関するデータに基づいて、受診設備へ誘導するための案内情報を報知し、場所識別装置は、ICタグとの通信によってICタグから取得した受診設備に関するデータに基づいて、受診設備と一致するか否かを判断するための判断情報を報知することを特徴とする。
この態様のリストバンド案内システムを用いることにより、患者関係者は、リストバンドを利用して、設置された医療施設案内装置に、目的とする設備への案内情報を報知させたり、設置された場所識別装置に、目的とする設備か否かの判断情報を報知させたりできる。例えば、医療施設の通路に設置された医療施設案内装置に、これから受診する設備への経路を案内情報として表示させたり、診療室の入口に設置された場所識別装置に、目的とする診療室であるか否かのチェックをさせて結果を表示させたりできる。
【0016】
本発明の他の態様にかかるリストバンド案内システムは、上述の態様に記載のリストバンド案内システムにおいて、リストバンドに医療施設案内装置と場所識別装置からの情報を表示する表示部を有することを特徴とする。
この態様のリストバンド案内システムを用いることにより、患者関係者は、設置された医療施設案内装置を利用して、リストバンドに備えられた表示部に、目的とする設備への案内情報を報知させることができる。また、設置された場所識別装置を利用して、リストバンドに備えられた表示部に、目的とする設備か否かの判断情報を報知させることができる。例えば、リストバンドに表示部としてディスプレイを備えることにより、医療施設の通路に設置された医療施設案内装置を利用して、このディスプレイに、これから受診する設備への経路を案内情報として表示させることができる。また、診療室の入口に設置された場所識別装置を利用して、目的とする診療室であるか否かのチェックをさせ、このディスプレイに結果を表示させたりできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(第1の実施形態)
(リストバンド作成装置)
図面を用いて本発明の第1の実施形態にかかるリストバンド作成装置を説明する。なお、本実施形態では、医療施設の一例として病院を用いて説明する。まず図1に、本発明にかかるリストバンド作成装置の一実施形態にかかる機能ブロック図を示す。リストバンド作成装置10は、キーボード又はタッチプレート等の入力装置11、1次元コードとしてのバーコード又は2次元コード等を読み取るスキャナ等とコード読取制御装置12とから構成されるコード読取装置、ディスプレイ等の表示装置13、医療情報データベース14、リストバンド作成制御装置20及びカラー印刷可能な印刷装置15を備えている。ここで、医療情報データベース14が、他の病院や薬局、検査センターなどとネットワークを介して接続されることにより、他の病院等から医療情報等を取得することが可能である。また、医療情報データベース14を構成としないで、入力装置11やコード読取装置により必要な情報の取得をすべて行うことも可能である。
【0018】
リストバンド作成制御装置20は、CPU、ROM、RAM及び制御プログラムからなり、所定の制御プログラムに従ってデータ処理可能であればよい。従って、PC等の汎用のコンピュータ及びOSに専用の処理制御ソフトウェアをインストールして、使用することも可能である。
リストバンド作成制御装置20の主な機能は、患者あるいは、受診者個人(以下、受診者を含めて患者と称す)についての名前やユニークなコードである名前コード等で構成される個人情報と、患者の血液型等で構成される医療情報と、患者に指定された診療科、病棟及び検査室等の受診設備に関する情報との入力を受け付け、これらの入力データに基づいて、リストバンド30に、個人情報及び医療情報(以下、個人医療情報と称す)と、色や模様によって受診設備を識別した受診設備情報とを、印刷装置15によって、所定の形式で印刷させるよう制御する。
【0019】
リストバンド作成制御装置20は、データ制御部21、管理情報設定部22、医療情報取得部23、受診設備情報取得部24、通信制御部25、設備対応情報記憶部としての管理情報記憶部26、及び印刷データ生成部27を備えている。
【0020】
データ制御部21は、リストバンド作成制御装置20の全体の動作を制御する。
管理情報設定部22は、リストバンド30に印刷する項目の設定及び受診設備と色・模様との対応設定等を行う。管理情報設定部22において設定された設定情報は、管理情報記憶部26に記憶される。記憶された設定情報は、印刷データ生成部27において印刷データを生成する際に参照される。これらの設定は、所定の権限者のみの権限とし、権限認証手段を設けることも可能である。
【0021】
医療情報取得部23は、入力装置11、コード読取装置等から入力された患者の情報や医療情報データベース14に記憶された患者の情報から、リストバンド30を作成するために必要な個人医療情報を取得する。受診設備情報取得部24は、入力装置11、コード読取装置等から入力された患者の受診設備に関する情報や医療情報取得部23において取得された個人医療情報から、リストバンド30を作成する対象となる患者の受診設備情報を取得する。
印刷データ生成部27は、医療情報取得部23において取得された個人医療情報及び受診設備情報取得部24において取得された受診設備情報に基づいて、リストバンド30に印刷する所定の印刷データを生成する。
通信制御部25は、医療情報データベース14とデータ通信を行う。
【0022】
(リストバンドの例示)
図2及び図3に、本発明にかかるリストバンドの2つの例を示す。なお、ここに示したリストバンドにおいては、受診設備を色を用いて特定しているが、模様を用いて受診設備を特定したり、色及び模様の両方を用いて受診設備を特定したりしても良い。また、リストバンドに表示される項目の種類・内容、配置、色及び模様等はこれらの例に限定されるものではなく、各病院の環境等の実情に応じて自由に設定することができる。
【0023】
(リストバンドの例示1)
図2に、本発明にかかるリストバンドの1つの例を示す。図2に示すリストバンド30aの例は、入院患者が検査前又は受診前(検査室又は診療室へ移動する前)に、看護士等から受け取るリストバンドの1つの例である。
【0024】
リストバンド30aに情報が表示される領域は、大きく分けて、患者の個人医療情報が表示される医療情報表示部91と、患者の受診設備情報が表示される受診設備表示部92とに分かれる。ここでは、医療情報表示部91を、リストバンド30aの幅が広い領域の部分に設けて、受診設備表示部92を、リストバンド30aの幅が狭い領域であるベルト部分に設けている。
【0025】
リストバンド30aの例では、医療情報表示部91に、文字・記号情報として氏名、生年月日等の属性情報41、ABO血液型42、Rh式血液型45及び患者識別番号43等が表示されている。ABO血液型は、血液型をカラー識別したカラー表示情報44としても表示され、Rh式血液型45等の表示もカラー表示するようにしてもよい。また、コード情報として、2次元コード47及びバーコード48の双方が表示されているが、いずれか一方を表示するようにしても、いずれも表示しないように構成してもよい。
【0026】
医師や看護師等は、患者が身に付けたリストバンド30aの医療情報表示部91の内容を確認することにより、患者を別の患者と取り違えたり、患者の血液型を別の血液型と間違えたりしないようにする効果がある。
【0027】
リストバンド30aの受診設備表示部92には、第1検査情報92a、第2検査情報92b及び第3検査情報92cが表示され、それぞれの表示内容は、文字情報として、表示領域の上段に患者が受ける検査内容、表示領域の下段に当該検査が実施される検査室の名称を示している。また、それぞれの表示領域は、表示領域の下段に表示された検査室を特定する色で地色が色分けされた受診設備識別マーク93a〜93cとなっている。なお、患者が受ける検査の順番を明確にするために、それぞれの表示領域に、検査の順番を示す数字や次の検査を示す矢印等の記号等を表示しても良い。
【0028】
患者は、リストバンド30aの受診設備表示部92に表示されている第1検査情報92a〜第3検査情報92cの表示内容を見ることにより、自分がこれから受ける検査の種類と、その検査を受けるためにどの検査室へ移動すればよいか確認することができる。また、第1検査情報92a〜第3検査情報92cの表示領域は、受診設備識別マーク93a〜93cとなっているため、例えば、受診設備識別マーク93a〜93cの色と、病院の通路に貼られている各検査室へ誘導する誘導テープの色や各検査室の入り口周辺に設置されている室名札の色とを一致させることにより、患者や付添い人等(以下、患者関係者と称す)は迷わないで容易に目的とする検査室へ移動することができる。
【0029】
このリストバンド30aは、手首または足首に取り付けて固定した状態で使用する。リストバンド30aの左端に設けられた2つの孔50に止め具55の突出ピン56を貫通させた状態でリストバンド30aを手首又は足首の周りに巻き、リストバンド30aの右端に設けられた複数円形状の丸い孔51中の2個を貫通させる。その後、止め具55を折り曲げて、結合部57aと57bとを結合することにより固定する。なお、受診設備表示部92の内容を患者関係者が確認できるようにするために、止め具55は透過可能な材質であることが好ましい。
【0030】
(リストバンドの例示2)
図3に、本発明にかかるリストバンドのもう1つの例を示す。図3に示すリストバンド30bの例は、初診の外来患者が診療前(診療室へ移動する前)に、病院の総合窓口担当者等から受け取るリストバンドの1つの例である。
【0031】
リストバンド30bに表示される領域は、図2に示したリストバンドの例と同様に、患者の個人医療情報が表示される医療情報表示部91と、患者の受診設備情報が表示される受診設備表示部92とに分かれている。
【0032】
リストバンド30bの医療情報表示部91には、文字・記号情報として氏名、生年月日等の属性情報41、患者識別番号43等が表示されている。また、コード情報として、2次元コード47及びバーコード48の双方が表示されている。
【0033】
リストバンド30bの受診設備表示部92には、患者の受診設備を示す診療情報92dが表示され、この表示内容は、文字情報として、表示領域の上段に患者が受診する診療科の名称、表示領域の下段に患者の受診設備となる診療室の名称を示している。また、この表示領域は、当該診療室を特定する色で地色が色分けされた受診設備識別マーク93dとなっている。
【0034】
リストバンド30bの受診設備表示部92の効果については、リストバンド30aの受診設備表示部92の効果と同様である。なお、リストバンド30bを病院において利用する例について、詳細を後述する。
【0035】
(リストバンドの作成手順)
以下に、リストバンドの作成手順の1つの例について説明する。
【0036】
図4に本発明の一実施形態にかかるリストバンド30の作成手順のフローチャートを示す。なお、図4に示すフローチャートの各ステップにおける動作は、リストバンド作成制御装置20に備えるCPUの制御により実行される。
【0037】
リストバンド30の作成処理が起動されると、まず、入力装置11から、リストバンド30を作成する対象となる患者が初診の患者であるか、あるいは再診の患者であるか等の患者種別の入力を受け付ける(S101)。
【0038】
次に、患者のデータが、カルテ60等のコード61や受診受付表としての受診カード(患者が受診カードを所持している場合)の磁気データ等に記録されている(コード等が有る患者)か否かを判定する(S102)。なお、コード等が有る患者か否かの判定は、入力された患者種別により行う。
【0039】
再診の患者や入院している患者のように、コード等が有る患者の場合(S102;Yes)、コード等から、リストバンド30を作成するのに必要な患者の個人医療情報を取得する(S103)。
ここで、コード61からの個人医療情報の取得は、コード読取装置によりコード61を読み取ることによって行われる。また、受診カードの磁気データ等から個人医療情報を取得する場合は、カード読取装置(図示せず)により、受診カードの磁気データ等を読み取ることによって行う。
【0040】
次に、コード等の読み取り結果にリストバンド作成の処理に必要な個人医療情報がすべて含まれているか否かを判定する(S104)。
コード等の読み取り結果にリストバンド作成の処理に必要な個人医療情報がすべて含まれている場合(S104;Yes)、個人医療情報から受診設備情報が取得可能か否かの判定処理(S107)へ進む。
コード等の読み取り結果では必要な個人医療情報が不足する場合(S104;No)、コード等の読み取り結果に含まれる患者識別番号(患者個人を特定する個人特定情報としての識別情報)に基づき、医療情報データベース14にアクセスし、個人医療情報を取得し(S105)、個人医療情報から受診設備情報が取得可能か否かの判定処理(S107)へ進む。ここで、必要な個人医療情報が不足する場合の例として、読み取ったバーコードに患者識別番号は含まれるが患者の氏名が含まれていない等がある。
【0041】
コード等が有る患者か否かの判定処理(S102)において、初診の患者等のように、個人医療情報を取得するコード等が無い場合には(S102;No)、入力装置11から、必要な個人医療情報をマニュアル入力により受け付ける(S106)。さらに、受診カード等を忘れた患者のために、患者識別番号をマニュアル入力することにより、医療情報データベース14から個人医療情報を取得するように構成することもできる。
【0042】
次に、個人医療情報から受診設備情報が取得可能か否かの判定処理を行う(S107)。
取得した個人医療情報の一部から、患者の受診設備情報が求められる場合(S107;Yes)、この個人医療情報の一部から患者の受診設備情報を取得する(S108)。
ここで、受診設備情報の取得は、例えば、図5(b)に示すような、診療科、担当医、診療室及び診療室の表示色を項目とした対応テーブルを設けておき、個人医療情報の一部である診療科及び担当医の情報を元に、この対応テーブルをサーチすることによって、患者の受診設備となる診療室の情報を求めることによって行う。これにより、受診設備情報をマニュアル入力する手間を軽減することができ、また、受診設備情報の入力ミス等によって患者に大きな負担を強いることになるトラブル等を、防止できる効果も期待できる。
なお、当該対応テーブルは、管理情報設定部22により、新規設定及び受診設備に対応する色や模様を変更する等の設定変更が可能であり、設定内容は管理情報記憶部26に保存される。管理情報設定部22により、受診設備に対応する色や模様の設定を自由に変更できることにより、病院の診療科の種類や数等の実情に合わせて色や模様を設定できる。
【0043】
個人医療情報から受診設備情報が取得可能か否かの判定処理(S107)において、取得した個人医療情報に患者の受診設備に関する情報が存在しない等のため、個人医療情報から、患者の受診設備情報が取得できない場合(S107;No)、入力装置11から、必要な受診設備情報をマニュアル入力により受け付ける(S109)。
【0044】
次に、取得した個人医療情報に基づいて、リストバンド30の医療情報表示部91に印刷される個人医療表示データを生成する(S110)。
【0045】
次に、取得した受診設備情報に基づいて、リストバンド30の受診設備表示部92に印刷される受診設備表示データを生成する(S111)。生成される受診設備表示データは、受診設備に関する文字情報等や受診設備を色や模様により特定する受診設備識別マークとなるデータを含んでいる。受診設備識別マークに表示する色は、管理情報記憶部26に保存された対応テーブルの受診設備に対応する色や模様に関する項目を参照する事によって行う。例えば、図5(a)は、図2におけるリストバンド30aを作成する際に参照した対応テーブルであり、図5(b)は、図3におけるリストバンド30bを作成する際に参照した対応テーブルである。
【0046】
次に、生成された、個人医療表示データ及び受診設備表示データに基づいて、印刷データを生成し印刷装置15によりリストバンド30に印刷する(S112)。
なお、リストバンド30の素材として、フェルトや不織布等のように表面に凸凹を有するものを使用する場合には、印刷装置15として、インクジェット等のインク吐出型のプリンタを使用することが望ましい。また、院内感染防止等の観点から、リストバンド30に印刷後に、印刷装置15により抗菌剤を塗布するように構成することも可能である。
【0047】
(リストバンド利用の例示)
図6を用いて、病院において、リストバンドを利用する例について説明する。図6は、病院における各診療室等の配置を簡略化した図であり、外科室201a、内科室201b及び小児科室201cの3つの診療室ならびに総合受付200が配置されている。また、通路210には、患者関係者を各診療室へ誘導する誘導媒体として、外科室201aへの誘導テープ211a(黄色)、内科室201bへの誘導テープ211b(橙色)及び小児科室201cへの誘導テープ211c(赤色)が貼られている。さらに、各診療室を識別する場所識別媒体として、外科室201aには外科室名札221a(黄色)、内科室201bには内科室名札221b(橙色)及び小児科室201cには小児科室名札221c(赤色)が、各診療室の入口周辺に設置されている。
【0048】
ここでは、図6に示された病院において、初診の外来患者が内科の診療を受診する例について説明する。患者は、最初に総合受付200において初診の診療の受け付けを行い、総合受付の担当者から図3に例示されているリストバンド30bを受け取る。リストバンド30bの医療情報表示部91には患者の氏名や患者識別番号等が表示され、受診設備表示部92には受診設備となる診療科「内科」の文字及び診療室「内科室」の文字が、受診設備識別マークとなる橙色の地色の上に表示されている。
【0049】
リストバンド30bを受け取った患者は、リストバンド30bの橙色の受診設備識別マークと色が一致する橙色の誘導テープ211bに従って進むことにより、内科室201bへと誘導される。また、内科室201bに到着したら、内科室名札221bに表示されている色が、リストバンド30bの受診設備識別マークに表示されている橙色であるか否かを確認することにより、これから受診する診療室であるか否かを検証できる。
なお、上述した例では、誘導媒体として誘導テープ及び場所識別媒体として室名札を用いたが、例えば、誘導媒体として誘導マークを用いたり、場所識別媒体として色分けされたドアを用いたり等、受診設備へ誘導できる媒体や場所を識別できる媒体であれば何を用いても良い。
【0050】
なお、本発明の医療情報取得工程は、図4のフローチャートのS102〜S106に相当する。個人医療表示データを生成する工程は、図4のフローチャートのS110に相当する。受診設備情報取得工程は、図4のフローチャートのS107〜S109に相当する。受診設備表示データを生成する工程は、図4のフローチャートのS111に相当する。印刷する工程は、図4のフローチャートのS112に相当する。
【0051】
(第2の実施形態)
(リストバンド作成装置)
図面を用いて本発明の第2の実施形態にかかるリストバンド作成装置を説明する。図7に、第2の実施形態にかかるリストバンド作成装置の機能ブロック図を示す。第1の実施形態とは、ICタグ書込装置16及びリストバンド作成制御装置20にICデータ生成部28を備えている点が異なる。また、作成するリストバンド31は、非接触で通信が行えるICタグ310を備えている点が、第1の実施形態におけるリストバンド30と異なる。
【0052】
ICデータ生成部28は、医療情報取得部23において取得された個人医療情報及び受診設備情報取得部24において取得された受診設備情報に基づいて、リストバンド31に備えられたICタグ310に記憶させる所定のデータを生成する。ICタグ書込装置16は、ICタグ310に、ICデータ生成部28において生成されたデータを記憶させる。なお、ここでは、ICタグ書込装置16を単独の装置としたが、印刷装置15にICタグ書込装置16の機能を備えて、印刷装置15によりICタグ310にデータを記憶させることも可能である。
【0053】
(リストバンド案内システム)
次に、図面を用いて第2の実施形態にかかるリストバンドを用いたリストバンド案内システムを説明する。図8に、リストバンド31を用いたリストバンド案内システム300の機能ブロック図を示す。リストバンド案内システム300は、ICタグ310を備えたリストバンド31、案内装置320及び場所識別装置330で構成される。
【0054】
リストバンド31に備えられたICタグ310は、制御部311、送受信部312及び記憶部313を備えている。
ICタグ310の制御部311は、送受信部312及び記憶部313の制御を行い、送受信部312を介して送受信されるデータのエンコード・デコード等を行う。
ICタグ310の送受信部312は、記憶部313に記憶させるデータをICタグ書込装置16から受信したり、記憶部313に記憶されているデータの中から、受診設備情報に基づいたデータ(以下、受診設備データと称す)を案内装置320や場所識別装置330に送信する。また、送受信部312を介してICタグ310に電力が供給されるため、ICタグ310に電池等は必要としない。
ICタグ310の記憶部313には、ICタグ書込装置16から送受信部312を介して受信した個人医療情報に基づいたデータ及び受診設備データが記憶される。
【0055】
案内装置320は、診療室や検査室等の受診設備へ案内する装置であり、例えば、病院内の総合窓口の周辺や通路の分岐点の壁等に設置される。案内装置320は、制御部321、送受信部322、案内データ生成部323及び報知部324を備えている。
案内装置320の制御部321は、送受信部322、案内データ生成部323及び報知部324の制御を行い、送受信部322を介して送受信されるデータのエンコード・デコード等を行う。
案内装置320の送受信部322は、ICタグ310からデータを受信する。
案内装置320の案内データ生成部323は、ICタグ310から送受信部322を介して受信した受診設備データに基づいて、患者関係者に対して受診設備へ案内する案内データを生成する。
案内装置320の報知部324は、案内データ生成部323において生成された案内データに基づいて、ディスプレイに案内情報を表示する等の報知処理を行う。ここで、ディスプレイに表示される案内情報は、例えば、病院内の各診療室等の配置が示された案内図に、現地点から受診する診療室等への経路が、リストバンド31の受診設備識別マークと同色の線で明示されるような表示内容等があげられる。
【0056】
場所識別装置330は、患者関係者が到着した診療室や検査室等が、患者の目的とする診療室や検査室等であるか否かのチェックをする装置であり、例えば、診療室や検査室等の入口周辺に設置される。場所識別装置330は、制御部331、送受信部332、判断データ生成部333及び報知部334を備えている。
場所識別装置330の制御部331は、送受信部332、判断データ生成部333及び報知部334の制御を行い、送受信部332を介して送受信されるデータのエンコード・デコード等を行う。
場所識別装置330の送受信部332は、ICタグ310からデータを受信する。
場所識別装置330の判断データ生成部333は、ICタグ310から送受信部332を介して受信した受診設備データに基づいて、患者関係者に対して患者の目的とする診療室や検査室等であるか否かを示す判断データを生成する。
場所識別装置330の報知部334は、判断データ生成部333において生成された判断データに基づいて、例えばディスプレイ等に、患者の目的とする設備であるか否かの判断情報を表示する等の報知処理を行う。ここで、ディスプレイ等に表示される判断情報は、当該設備の正誤を知らせるメッセージ等でも良い。また、スピーカー等を用いて、音声により正誤を知らせても良い。
【0057】
(リストバンド案内システム利用の例示)
図9を用いて、病院において、第2の実施形態にかかるリストバンド案内システムを利用する例について説明する。図9は、病院における各診療室の配置を簡略化した図であり、図6とは、案内装置320が設置されている点と、各診療室に場所識別装置330a〜330cが設置されている点とが異なる。ここでは、案内装置320は、総合受付200の隣及び通路210の主要な分岐点となる壁の合計4箇所に設置されている。場所識別装置330a〜330cは、各診療室の入口周辺に設置されている。
【0058】
ここでは、図9に示された病院において、初診の外来患者が内科の診療を受診する例について説明する。患者は、最初に総合受付200において初診の診療の受け付けを行い、総合受付の担当者からリストバンド31を受け取る。リストバンド31は、図3に例示されているリストバンド30bにICタグ310を備えたリストバンドであり、患者の個人医療情報に基づいたデータ及び受診設備データが記憶されている。
【0059】
リストバンド31を受け取った患者は、受診設備となる内科室201bへの案内情報を表示させるために、総合受付の隣に設置されている案内装置320の送受信部322にリストバンド31を近づける。送受信部322は、リストバンド31のICタグ310に記憶されている受診設備データを受信する。そして、受診した受診設備データに基づいて、案内データ生成部323において受診設備へ案内する案内データを生成し、報知部324としてのディスプレイ等に表示する。
【0060】
患者は、ディスプレイ等に表示された案内情報を見て内科室201bへの経路を把握することができる。また、通路210の主要な分岐点には案内装置320が設置されており、患者は必要に応じて、他の地点でも案内情報を確認することができ、迷うことなく目的とする受診設備へ移動することができる。
【0061】
次に、患者が内科室201bに到着した場合、患者は自分が受診する診療室であるか否かを検証するために、診療室の入口周辺に設置されている場所識別装置330bにリストバンド31を近づける。場所識別装置330bの送受信部332は、リストバンド31のICタグ310に記憶されている受診設備データを受信し、判断データ生成部333において、受信した受診設備データが診療室の情報と一致するか否かを判定して判定結果となる判断データを生成し、報知部334としてのディスプレイ等に判断データに基づいて判断情報を表示する。
【0062】
患者は、ディスプレイ等に表示された判断情報を見て、自分がこれから受診する内科室201bであるか否かを把握することができるので、誤って別の診療室等へ入室してしまう等のトラブルを防止できる効果がある。
【0063】
(第3の実施形態)
(リストバンドの例示)
図面を用いて本発明の第3の実施形態にかかるリストバンドを説明する。図10に、第3の実施形態にかかるリストバンド501の例を示す。リストバンド501は、第2の実施形態におけるリストバンド31とは、患者を受診設備へ案内する案内情報や目的とする設備であるか否かの判断情報を表示する表示部である報知部513としてのディスプレイが備えられている点が異なる。なお、医療情報表示部91の表示内容も異なっている。
なお、第3の実施形態にかかるリストバンドの作成装置は、第2の実施形態にかかるリストバンドの作成装置と同様である。
【0064】
(リストバンド案内システム)
次に、図面を用いて第3の実施形態にかかるリストバンドを用いたリストバンド案内システムを説明する。図11に、リストバンド501を用いたリストバンド案内システム500の機能ブロック図を示す。リストバンド案内システム500は、ICタグ510及び報知部513を備えたリストバンド501、案内装置520及び場所識別装置530で構成される。なお、案内装置520及び場所識別装置530の設置場所は、第2の実施形態における案内装置320及び場所識別装置330と同様で良い。
【0065】
リストバンド501に備えたICタグ510は、制御部511、送受信部512及び記憶部514を備えている。
ICタグ510の制御部511は、送受信部512、記憶部514及び報知部513の制御を行い、送受信部512を介して送受信されるデータのエンコード・デコード等を行う。
ICタグ510の送受信部512は、記憶部514に記憶させるデータをICタグ書込装置16から受信したり、記憶部514に記憶されているデータの中から、受診設備データを案内装置520や場所識別装置530に送信する。また、案内装置520から患者関係者に対して受診設備へ案内する案内データを受信したり、場所識別装置530から患者関係者に対して患者の受診設備となる診療室や検査室等であるか否かを示す判断データを受信したりする。
ICタグ510の記憶部514には、ICタグ書込装置16から送受信部512を介して受信した個人医療情報に基づいたデータ及び受診設備データが記憶される。
【0066】
リストバンド501に備えた報知部513は、送受信部512を介して受信した案内データや判断データに基づいて、案内情報や判断情報を表示する。ここで、報知部513に表示される案内情報や判断情報は、第2の実施形態にかかる案内装置320や場所識別装置330と同様な表示内容でも良いが、報知部513の表示領域の制約により、簡略化した表示内容を表示することが好ましい。
【0067】
案内装置520は、制御部521、送受信部522及び案内データ生成部523を備えている。
案内装置520の制御部521は、送受信部522及び案内データ生成部523の制御を行い、送受信部522を介して送受信されるデータのエンコード・デコード等を行う。
案内装置520の案内データ生成部523は、ICタグ510から送受信部522を介して受信した受診設備データに基づいて、患者関係者に対して受診設備へ案内する案内データを生成する。
案内装置520の送受信部522は、ICタグ510からデータを受信する。また、案内データ生成部523において生成された案内データを、ICタグ510の送受信部512に送信する。
【0068】
場所識別装置530は、制御部531、送受信部532及び判断データ生成部533を備えている。
場所識別装置530の制御部531は、送受信部532及び判断データ生成部533の制御を行い、送受信部532を介して送受信されるデータのエンコード・デコード等を行う。
場所識別装置530の判断データ生成部533は、ICタグ510から送受信部532を介して受信した受診設備データに基づいて、患者関係者に対して患者が受診する診療室や検査室等であるか否かを示す判断データを生成する。
場所識別装置530の送受信部532は、ICタグ510からデータを受信する。また、判断データ生成部533において生成された判断データを、リストバンド501に備えたICタグ510の送受信部512に送信する。
【0069】
第3の実施形態にかかるリストバンド案内システムを利用する方法は、第2の実施形態におけるリストバンド案内システムと同様であるが、第2の実施形態において案内装置320及び場所識別装置330に表示していた案内情報及び判断情報を、第3の実施形態においては、リストバンド501に備えた報知部513としてのディスプレイに表示する点が異なる。
【0070】
リストバンド501に備えたディスプレイに表示することにより、患者関係者は案内情報や判断情報を自分の手もとで確認することができる。これにより、他の人に、どこの診療室や検査室へ行くのか等を知られることなく、自分だけで案内情報や判断情報を確認することができるのでプライバシー保護の面からの効果が期待できる。
ICタグ510には他人に知られたくない情報(特に個人医療情報)も入っているため、案内装置320もしくは場所識別装置330又は表示装置13にスイッチ等を設けておき、表示の際、内容を確認した後すぐに消すことができることが好ましい。
【0071】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、種々の変更や改良を加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
【0072】
(変形例1)前記実施形態において、病院内の診療室や検査室等の受診設備へ、患者関係者を的確に案内する用途に使用されるリストバンドの例を示した。しかし、病院における用途に限らず、本発明におけるリストバンドを他の場所において適用しても良い。例えば、工場内において、作業員が製品の種類を色や模様で特定したリストバンドを手首に取り付けて、その製品の製造工程となる作業場所(作業場所への経路が、製品の種類を特定する色や模様で明示されている)を把握する用途等に用いても良い。さらに役所などの公的機関で目的の手続きをするための部署を訪れようとした場合、受付で目的部署を案内する前述のリストバンドを受け取って取付け、迷わずに到着する用途に用いても良い。
【0073】
(変形例2)前記実施形態において、リストバンドの受診設備表示部92に、受診設備を特定する色で色分けした受診設備識別マークを表示する例を示した。しかし、これに限らず、受診設備表示部92に、色及び模様の組合せによって受診設備を特定する受診設備識別マークを表示して使用しても良い。例えば、第1の実施形態のリストバンド利用の例示において、リストバンド30bの受診設備識別マーク93d(橙色)に対して、図6に示されている、通路210に貼られた誘導テープ211b(橙色)の破線を示す模様を加えても良い。受診設備を色及び模様の組合せからなる受診設備識別マークで表示することにより、多くの診療室や検査室を有する規模の大きい病院であっても、色及び模様の組合せにより、受診設備となる多くの診療室や検査室を特定することができる。また、例えば、診療科を色で特定し、診療科に属する各診療室を模様で特定したり、病院の各階を色で特定し、各階の各部屋を模様で特定したりする等、病院において使い易いように受診設備を分類することが可能になる。
【0074】
(変形例3)前記第2及び第3の実施形態において、患者関係者に対して、診療室や検査室等の受診設備へ案内する案内情報及び目的の診療室や検査室等か否かを判定した判断情報を報知している。しかし、これに加えて、患者関係者に対して、患者が受診や検査を受ける診療室や検査室等において、患者が何番目に受診や検査を受ける患者であるかの情報やその時間、患者に対してのメッセージ等を報知しても良い。患者関係者に対して、自分が何番目に受診や検査を受ける患者であるかやその時間を報知することにより、患者は自分の診療や検査が始まるまでの待ち時間はどの程度かを把握できる。また、患者に対してメッセージ等を報知することにより、患者は自分に必要な、より詳細な情報を得ることができる。
【0075】
(変形例4)前記第2及び第3の実施形態において、場所識別装置を利用することにより、患者関係者に対して、目的の診療室や検査室等であるか否かを判定した判断情報を報知している。しかし、これに限らず、場所識別装置を、関係者以外が入室することのないようにするために、例えば、診療室や検査室等の診療や検査を受ける患者(リストバンドを所持している)のみドアが開くようにして、入室可・不可をチェックする等の入室管理を目的とした用途に使用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明にかかるリストバンド作成装置の一実施形態にかかる機能ブロック図。
【図2】本発明にかかるリストバンドの1つの例。
【図3】本発明にかかるリストバンドのもう1つの例。
【図4】本発明の一実施形態にかかるリストバンドの作成手順のフローチャート。
【図5】リストバンドを作成する際に参照した対応テーブルの例。
【図6】病院における各診療室等の配置を簡略化した図。
【図7】第2の実施形態にかかるリストバンド作成装置の機能ブロック図。
【図8】第2の実施形態にかかるリストバンドを用いたリストバンド案内システムの機能ブロック図。
【図9】第2の実施形態における病院における各診療室の配置を簡略化した図。
【図10】第3の実施形態にかかるリストバンドの例。
【図11】第3の実施形態にかかるリストバンドを用いたリストバンド案内システムの機能ブロック図。
【符号の説明】
【0077】
10…リストバンド作成装置、11…入力装置、12…コード読取制御装置、13…表示装置、14…医療情報データベース、15…印刷装置、16…ICタグ書込装置、20…リストバンド作成制御装置、21…データ制御部、22…管理情報設定部、23…医療情報取得部、24…受診設備情報取得部、25…通信制御部、26…管理情報記憶部、27…印刷データ生成部、28…ICデータ生成部、30…リストバンド、30a…リストバンド、30b…リストバンド、31…リストバンド、41…属性情報、42…ABO血液型、43…患者識別番号、44…カラー表示情報、45…Rh式血液型、47…2次元コード、48…1次元コードとしてのバーコード、60…カルテ等、61…コード、91…医療情報表示部、92…受診設備表示部、92a…第1検査情報、92b…第2検査情報、92c…第3検査情報、92d…診療情報、93a〜93d…受診設備識別マーク、200…総合受付、201a…外科室、201b…内科室、201c…小児科室、210…通路、211a〜211c…誘導媒体としての誘導テープ、221a…場所識別媒体としての外科室名札、221b…場所識別媒体としての内科室名札、221c…場所識別媒体としての小児科室名札、300…リストバンド案内システム、310…ICタグ、311…ICタグの制御部、312…ICタグの送受信部、313…ICタグの記憶部、320…案内装置、321…案内装置の制御部、322…案内装置の送受信部、323…案内装置の案内データ生成部、324…案内装置の報知部、330…場所識別装置、330a〜330c…場所識別装置、331…場所識別装置の制御部、332…場所識別装置の送受信部、333…場所識別装置の判断データ生成部、334…場所識別装置の報知部、500…リストバンド案内システム、501…リストバンド、510…ICタグ、511…ICタグの制御部、512…ICタグの送受信部、513…リストバンドの報知部、514…ICタグの記憶部、520…案内装置、521…案内装置の制御部、522…案内装置の送受信部、523…案内装置の案内データ生成部、530…場所識別装置、531…場所識別装置の制御部、532…場所識別装置の送受信部、533…場所識別装置の判断データ生成部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者あるいは、受診者の少なくとも名前もしくは当人にユニークなコード、及び血液型を含む個人医療情報を表示するため文字又はコードを印刷した医療情報表示部と、
病院等の医療施設の診療科、病棟、検査室等のそれぞれの設備に割り当てられ、その設備を識別可能に表示する表示用の媒体に、または当該設備へ誘導する案内用の媒体に用いられている異なる色及び/又は模様との内、患者あるいは、受診者が受診もしくは入院する設備に割り当てられたものと実質的に同一の色及び/又は模様を印刷した受診設備表示部と、を備えることを特徴とするリストバンド。
【請求項2】
前記医療施設の診療科、病棟、検査室等の設備に関するデータが記憶されるICタグをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のリストバンド。
【請求項3】
患者あるいは、受診者の少なくとも名前もしくは当人にユニークなコード、及び血液型を含む個人医療情報を取得する医療情報取得部と、
前記医療情報取得部によって取得された前記個人医療情報に基づいた個人医療情報表示データを生成する医療情報表示データ生成部と、
病院等の医療施設の診療科、病棟、検査室等のそれぞれの設備に割り当てられ、その設備を識別可能に表示する表示用の媒体に、または当該設備へ誘導する案内用の媒体に用いられている異なる色及び/又は模様を前記それぞれの設備と関連付けて記憶する設備対応情報記憶部と、
前記患者あるいは、受診者に対して指定された診療科、病棟、検査室等の受診設備に関する受診設備情報を取得する受診設備情報取得部と、
前記受診設備情報取得部によって取得された前記受診設備情報に基づいて、前記受診設備に関連付けられた色及び/又は模様と実質的に同一な識別マークを含む受診設備表示データを生成する受診設備表示データ生成部と、
前記個人医療情報表示データ及び前記受診設備表示データに基づいた情報を印刷する印刷装置と、を備えることを特徴とするリストバンド作成装置。
【請求項4】
前記医療情報取得部は、カルテあるいは、受診受付表に付された1次元コード又は2次元コードを読取り可能なコード読取装置を備え、
前記医療情報取得部によって取得される前記個人医療情報及び前記受診設備情報取得部によって取得される前記受診設備情報のうち、少なくとも一方の情報を前記コード読取装置によって読み取られたコード情報に基づいて取得することを特徴とする請求項3に記載のリストバンド作成装置。
【請求項5】
前記医療情報取得部は、患者あるいは、受診者を特定する個人特定情報に基づいて、医療情報データベースにアクセスし、特定された患者あるいは、受診者の前記個人医療情報を取得することを特徴とする請求項3又は4に記載のリストバンド作成装置。
【請求項6】
前記リストバンドに備えられた前記ICタグに前記受診設備に関するデータを記憶させるデータ書込部をさらに備えることを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載のリストバンド作成装置。
【請求項7】
患者あるいは、受診者の個人医療情報を取得する医療情報取得工程と、
前記医療情報取得工程によって取得された前記個人医療情報に基づいた個人医療情報表示データを生成する工程と、
前記患者あるいは、受診者に対して指定された病院等の医療施設の診療科、病棟、検査室等の設備に関する受診設備情報を取得する受診設備情報取得工程と、
前記受診設備情報取得工程によって取得された前記受診設備情報に基づいて、色及び/又は模様を用いて前記受診設備を特定可能にする識別マークを示すデータを含む受診設備表示データを生成する工程と、
前記個人医療情報表示データ及び前記受診設備表示データに基づいた情報を印刷する工程と、を備えることを特徴とするリストバンド作成装置の制御方法。
【請求項8】
請求項7に記載の制御方法の各工程をコンピュータに実行させるリストバンド作成装置の制御プログラム。
【請求項9】
請求項2に記載の受診設備に関するデータが記憶されるICタグを備えるリストバンドと、
前記受診設備へ誘導するための医療施設案内装置及び前記受診設備となる場所に設けられる場所識別装置のうち少なくとも1つと、を備え、
前記医療施設案内装置は、前記ICタグとの通信によって前記ICタグから取得した前記受診設備に関するデータに基づいて、前記受診設備へ誘導するための案内情報を報知し、
前記場所識別装置は、前記ICタグとの通信によって前記ICタグから取得した前記受診設備に関するデータに基づいて、前記受診設備と一致するか否かを判断するための判断情報を報知することを特徴とするリストバンド案内システム。
【請求項10】
請求項9に記載のリストバンド案内システムにおいて、
前記リストバンドは、前記医療施設案内装置と前記場所識別装置とからの情報を表示する表示部を有することを特徴とするリストバンド案内システム。
【請求項1】
患者あるいは、受診者の少なくとも名前もしくは当人にユニークなコード、及び血液型を含む個人医療情報を表示するため文字又はコードを印刷した医療情報表示部と、
病院等の医療施設の診療科、病棟、検査室等のそれぞれの設備に割り当てられ、その設備を識別可能に表示する表示用の媒体に、または当該設備へ誘導する案内用の媒体に用いられている異なる色及び/又は模様との内、患者あるいは、受診者が受診もしくは入院する設備に割り当てられたものと実質的に同一の色及び/又は模様を印刷した受診設備表示部と、を備えることを特徴とするリストバンド。
【請求項2】
前記医療施設の診療科、病棟、検査室等の設備に関するデータが記憶されるICタグをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のリストバンド。
【請求項3】
患者あるいは、受診者の少なくとも名前もしくは当人にユニークなコード、及び血液型を含む個人医療情報を取得する医療情報取得部と、
前記医療情報取得部によって取得された前記個人医療情報に基づいた個人医療情報表示データを生成する医療情報表示データ生成部と、
病院等の医療施設の診療科、病棟、検査室等のそれぞれの設備に割り当てられ、その設備を識別可能に表示する表示用の媒体に、または当該設備へ誘導する案内用の媒体に用いられている異なる色及び/又は模様を前記それぞれの設備と関連付けて記憶する設備対応情報記憶部と、
前記患者あるいは、受診者に対して指定された診療科、病棟、検査室等の受診設備に関する受診設備情報を取得する受診設備情報取得部と、
前記受診設備情報取得部によって取得された前記受診設備情報に基づいて、前記受診設備に関連付けられた色及び/又は模様と実質的に同一な識別マークを含む受診設備表示データを生成する受診設備表示データ生成部と、
前記個人医療情報表示データ及び前記受診設備表示データに基づいた情報を印刷する印刷装置と、を備えることを特徴とするリストバンド作成装置。
【請求項4】
前記医療情報取得部は、カルテあるいは、受診受付表に付された1次元コード又は2次元コードを読取り可能なコード読取装置を備え、
前記医療情報取得部によって取得される前記個人医療情報及び前記受診設備情報取得部によって取得される前記受診設備情報のうち、少なくとも一方の情報を前記コード読取装置によって読み取られたコード情報に基づいて取得することを特徴とする請求項3に記載のリストバンド作成装置。
【請求項5】
前記医療情報取得部は、患者あるいは、受診者を特定する個人特定情報に基づいて、医療情報データベースにアクセスし、特定された患者あるいは、受診者の前記個人医療情報を取得することを特徴とする請求項3又は4に記載のリストバンド作成装置。
【請求項6】
前記リストバンドに備えられた前記ICタグに前記受診設備に関するデータを記憶させるデータ書込部をさらに備えることを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載のリストバンド作成装置。
【請求項7】
患者あるいは、受診者の個人医療情報を取得する医療情報取得工程と、
前記医療情報取得工程によって取得された前記個人医療情報に基づいた個人医療情報表示データを生成する工程と、
前記患者あるいは、受診者に対して指定された病院等の医療施設の診療科、病棟、検査室等の設備に関する受診設備情報を取得する受診設備情報取得工程と、
前記受診設備情報取得工程によって取得された前記受診設備情報に基づいて、色及び/又は模様を用いて前記受診設備を特定可能にする識別マークを示すデータを含む受診設備表示データを生成する工程と、
前記個人医療情報表示データ及び前記受診設備表示データに基づいた情報を印刷する工程と、を備えることを特徴とするリストバンド作成装置の制御方法。
【請求項8】
請求項7に記載の制御方法の各工程をコンピュータに実行させるリストバンド作成装置の制御プログラム。
【請求項9】
請求項2に記載の受診設備に関するデータが記憶されるICタグを備えるリストバンドと、
前記受診設備へ誘導するための医療施設案内装置及び前記受診設備となる場所に設けられる場所識別装置のうち少なくとも1つと、を備え、
前記医療施設案内装置は、前記ICタグとの通信によって前記ICタグから取得した前記受診設備に関するデータに基づいて、前記受診設備へ誘導するための案内情報を報知し、
前記場所識別装置は、前記ICタグとの通信によって前記ICタグから取得した前記受診設備に関するデータに基づいて、前記受診設備と一致するか否かを判断するための判断情報を報知することを特徴とするリストバンド案内システム。
【請求項10】
請求項9に記載のリストバンド案内システムにおいて、
前記リストバンドは、前記医療施設案内装置と前記場所識別装置とからの情報を表示する表示部を有することを特徴とするリストバンド案内システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−56406(P2007−56406A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−243735(P2005−243735)
【出願日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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