説明

リソグラフィ放射源、コレクタ、装置および方法

【課題】コレクタアセンブリの効率を改善し効果的な放射源を提供する。また、放射生成のために使用される励起パワーを減少させることができ、励起源の寿命を延ばすこと。さらに、EUV放射に対する集光の効率を改善すること。
【解決手段】リソグラフィにおける使用のためのレーザ生成プラズマ極端紫外線源における使用のためのコレクタアセンブリは、コレクタ本体内に集光ミラーおよび窓を有するコレクタ本体を有する。窓は、励起ビーム、一般的には、赤外線レーザビームを透過し、それによってビームはプラズマを励起するために窓を通り抜けることができる。また、窓はその表面上にEUVミラーを有しており、当該EUVミラーも励起ビームを透過するが、プラズマによって生成されたEUVを集光ミラーの集光箇所へと反射することができる。窓は、集光効率を改善し、集光箇所におけるイメージの非均一性を減少させる。放射源、リソグラフィ装置およびデバイス製造方法は、コレクタを使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、リソグラフィ装置に関し、より詳細には、極端紫外線(EUV)などの調整された放射を提供するための放射源およびコレクタアセンブリに関する。本発明は、リソグラフィ、特に高解像度リソグラフィによる、デバイス、集積回路、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンスパターンおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造における使用に適している。
【背景技術】
【0002】
[0002] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板上、通常、基板のターゲット部分上に付与する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に用いることができる。その場合、ICの個々の層上に形成される回路パターンを生成するために、マスクまたはレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを用いることができる。このパターンは、基板(例えば、シリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば、ダイの一部、または1つ以上のダイを含む)に転写することができる。通常、パターンの転写は、基板上に設けられた放射感応性材料(レジスト)層上への結像によって行われる。一般には、単一の基板が、連続的にパターニングされる隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。
【0003】
[0003] リソグラフィは、ICならびに他のデバイスおよび/または構造の製造における重要なステップの1つとして広く認識されている。しかしながら、リソグラフィを用いて作り出されるフィーチャの寸法が小さくなるにつれて、リソグラフィは、小型のICまたは他のデバイスおよび/または構造を製造することを可能にするためのさらなる重要な要素になってきている。
【0004】
[0004] パターンプリンティングの限界の理論的な推測は、式(1)で示される解像度についてのレイリー基準によって与えられ得る:
CD=Kλ/NAPS (1)
【0005】
[0005] 上の式で、λは、使用される放射の波長であり、NAPSは、パターンを印刷するために使用される投影システムの開口数である。kは、レイリー定数とも呼ばれているプロセス依存調整係数であり、CDは、印刷されたフィーチャのフィーチャサイズ(またはクリティカルディメンジョン)である。式(1)から、フィーチャの最小印刷可能サイズの縮小は、3つの方法:露光波長λを短くすることによって、開口数NAPSを大きくすることによって、あるいはkの値を小さくすることによって達成することができる、と言える。
【0006】
[0006] 露光波長を縮小するため、したがって、最小印刷可能サイズを縮小させるためには、極端紫外線(EUV)放射源を使用することが提案されている。EUV放射源は、2〜15nm、一般的には、約13nmの放射波長を出力するように構成されている。したがって、EUV放射源は、小さなフィーチャの印刷を達成するための重大なステップを構成し得る。そのような放射は、極限紫外線または軟X線と呼ばれ、可能な放射源としては、例えば、レーザ生成プラズマ源、放電プラズマ源、または電子蓄積リングからのシンクロトロン放射が挙げられる。
【0007】
[0007] 極端紫外線および超EUV放射などといった化学線は、例えば、放電生成プラズマ(DPP)放射ジェネレータを用いて生成される。プラズマは、例えば、放電を適切な材料(例えば、ガスまたは蒸気)に通すことによって生成される。結果として生じるプラズマは、一般的に、レーザを用いて圧縮することができ(すなわち、ピンチ効果を受ける)、その時点で電気エネルギーは極端紫外線(または超EUV放射)の形態を有する電磁放射に変換される。EUV放射を生成するための様々なデバイスが当該技術分野において知られている。
【0008】
[0008] 別のEUV放射ジェネレータは、レーザ生成プラズマ(LPP)源である。例えば、レーザビーム、一般的には赤外線レーザビームなどの励起放射ビームを適切な燃料材料(例えば、スズ、リチウムまたはキセノン)の粒子に誘導することによって、またはレーザを適切なガス(例えば、Sn蒸気、SnHまたはSn蒸気と小さい核電荷(例えばHからArまで)を有するあらゆるガスとの混合物)の流れに誘導することによって、プラズマをチャンバ内に生成することができる。結果として生じるプラズマは、極端紫外線(または超EUV放射)を放出する。
【0009】
[0009] 標的の流れは、一般的に、例えばNd:YAGまたはCOレーザからの高電力レーザビームパルスによって放射され、パルスは、EUV放射を放出する高温プラズマを生成するために標的の燃料材料を加熱する。レーザビームパルスの周波数は、特定用途向けであり、様々な要因に依存する。レーザビームパルスは、プラズマを生成するための十分な熱を提供するために標的のエリア(すなわち、プラズマ形成部位)内に十分な強度を必要とする。
【発明の概要】
【0010】
[0010] リソグラフィのための放射源のプラズマ形成部位から放出されるEUV放射は、一般的には、EUV放射を集光箇所(collector location)(集光焦点とも呼ぶ)に誘導するように構成されたコレクタを用いて集光される。当該集光箇所から、EUV放射は、リソグラフィプロセスまたは装置における使用へと続く。EUV放射は、出口開口を通って放射源のチャンバを出る。従来のコレクタは、例えば、楕円状のミラー面を有しており、プラズマ形成部位は楕円体の1つの(第1)焦点に位置し、それによってEUV放射は実質的に法線入射角でミラーに当たって出口開口においてチャンバから出るビームへと形成され、集光箇所として機能する楕円体の別の(第2)焦点、いわゆる中間焦点へと合焦される。
【0011】
[0011] 一般的には、例えば、放射源がEUV放射のLPP源を含む場合、コレクタにはそこを通り抜ける開口が設けられてもよく、それによって、プラズマ形成部位でEUV放射を生成するために使用されるレーザビームは、放射源のチャンバに入ることが可能となり、それによって、レーザビームをプラズマ形成部位上に合焦させることができる。プラズマ形成部位からのEUV放出は、特に、燃料源が完全に励起されていない場合において、励起レーザが入射する燃料源の側面において最も高い。したがって、LPP燃料源を集光ミラーと同じ側面から励起させることが好ましく、それによって、プラズマによって生成される最も強度なEUV放射が集光される。この構成における1つの問題点は、レーザビームがプラズマ燃料供給上に合焦されることを可能とするために使用されるコレクタ内の開口が、集光ミラー内に存在する開口という結果にもなるということである。したがって、集光ミラー内のこの開口およびコレクタ開口に向かう(falling on)EUV放射は、集光されて集光箇所に向かって反射される代わりに、コレクタ開口を通ってチャンバから出る。
【0012】
[0012] これは、EUV放射の遠視野イメージにおける強い非均一性を示すことがあり、イメージの形状を円形というよりむしろ環状にする。一般には、EUVイメージにおける強い非均一性は望ましくない。なぜなら、その強い非均一性は、リソグラフィ装置の光学システムの次のステージを形成するイルミネータにおいて補償されなければならないからである。そのような補償は、例えば、追加のミラーが必要であり更なる反射損失へと繋がるため、イルミネータにおける光学損失という結果となり得る。
【0013】
[0013] さらに、開口に向かうEUV放射は、集光されて集光箇所へと反射されるよりむしろチャンバから失われるため、集光効率は減少される。
【0014】
[0014] 一般的には、フォトリソグラフィ光学システムで使用されるミラーの反射表面は、EUV放射に対するその反射率を高めるために反射コーティングによってコートされている。反射コーティング材料が、例えば、反射表面に衝突して反射コーティング材料を取り外し得るプラズマによって生成される高エネルギーイオンに反応して劣化しないことも望ましい。プラズマ放射ジェネレータとの使用に適したコーティングは、シリコン/モリブデン(Si/Mo)多層である。集光光学系上のSi/Moコーティングは、その理論的最大性能においても、一般的には、その上に衝突するEUV放射の約70%だけを反射する。さらに、そのような多層コーティングの反射効率は、放射の入射角に高く依存する。
【0015】
[0015] コレクタアセンブリ(collector assembly)の効率を改善し、かつリソグラフィにおける使用のための更なる効果的な放射源を提供するためにできる限りの放射が集光されて集光箇所へと誘導されることが望ましい。例えば、特定のフォトリソグラフィプロセスに対する放射の強度が高いほど、パターニングを提供するために露光され得る様々なフォトレジストを適切に露光するために必要とされる時間は少ない。露光時間の削減とは、更なる回路、デバイス等を製造することができ、スループット効率を高めて製造コストを低下させることを意味する。
【0016】
[0016] さらに、放射を生成するために使用される励起パワーを減少することができ、したがって、所要の入力エネルギーを保存して励起源の寿命を潜在的に延ばす。EUV放射に対する集光の効率を改善し、かつイルミネータのエタンデュ(etendue)(許容角)を増大させずにリソグラフィ装置のイルミネータのために集光された放射を増加させることも望ましい。
【0017】
[0017] さらに、燃料に衝突するレーザビームの励起イメージができる限り小さいようにレーザビームはプラズマ形成部位における燃料に合焦されることが望ましい。これは、できる限り高いパワー密度を達成するためである。しかしながら、励起イメージのサイズは、レーザビームの比較的大きい波長(例えば、COレーザに対して10.6μm)により、回折によって限定される。したがって、レーザビームの集束光学素子(focusing optics)に対して大きい開口数を使用することが望ましい。
【0018】
[0018] これらの理由のために、レーザビームは、一般的に、コレクタ内の大きい中央開口を介して小滴上に合焦される。しかしながら、コレクタ内、したがって集光ミラー内の開口のサイズを増大させることは、EUV放射が集光される立体角の縮小へと繋がり、これは、放射源イメージ均一性における損失および集光効率における損失へと繋がり得る。
【0019】
[0019] 特に、上記の問題に取り組むことが本発明の1つの目的である。本発明は、従来技術における他の問題にも取り組み得る。
【0020】
[0020] 本発明の一態様は、プラズマ形成部位において燃料から極端紫外線を生成するように構成された励起放射源を含む極端紫外線源のためのコレクタアセンブリを提供する。コレクタアセンブリは、第1表面および第2表面を有するコレクタ本体(collector body)であって、第2表面は第1表面に対向し、かつその上に集光ミラーが設けられており、集光ミラーは、プラズマ形成部位における集光ミラーの第1焦点からの極端紫外線を集光および反射し、かつ極端紫外線を集光箇所に誘導するように構成されている、コレクタ本体を含む。コレクタアセンブリは、励起放射を透過し、かつ第1面および対向の第2面を有する窓であって、第2面は第1焦点の方を向いている窓を含み、窓の第2面は、その上に窓ミラーを含み、プラズマ形成部位における集光ミラーの第1焦点からの極端紫外線を集光および反射し、かつ極端紫外線を集光箇所に誘導するように構成されており、窓ミラーは、極端紫外線を反射し、かつ励起放射を透過するように構成されている。
【0021】
[0021] 適切には、励起放射は赤外放射である。一般的には、励起放射源は、Nd:YAG(ネオジムをドープしたイットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザまたはCOレーザなどのレーザである。
【0022】
[0022] 赤外線励起源に対しては、窓は、群IV半導体、III−V半導体およびII−VI半導体からなる群、好ましくは、ガリウム砒素、セレン化亜鉛およびシリコンからなる群から選択される赤外放射を透過する材料からなることが適切である。
【0023】
[0023] 窓の第1面は、その上に第1反射防止コーティングを含んでもよく、第1面を通る経路において赤外線励起ビームの反射を減少するように構成されている。励起放射が赤外放射であった場合、例えば、第1反射防止コーティングはThF層を含んでもよく、またはThF層からなってもよい。第1反射防止コーティングは、適切には、ThF層と窓の第1面との間にZnSe層を含み得る。
【0024】
[0024] 窓の第2面は、第2反射防止コーティングを含んでもよく、窓の第2面を通る経路において励起放射の反射を減少するように構成されている。第2反射防止コーティングは、第2面と窓ミラーとの間に配置されてもよい。特に、励起放射が赤外放射であった場合、第2反射防止コーティングは、ThF層を含んでもよく、またはThF層からなってもよい。
【0025】
[0025] 窓ミラーは、ダイヤモンド状炭素とシリコンとの交互層を含んでもよい。
【0026】
[0026] コレクタ本体および窓の両方は、同じ材料から形成され得る。この場合、コレクタ本体および窓は、一体的な構成からなってもよく、すなわち、単一のモノリシックな実体(entity)として一緒に形成される。同様に、集光ミラーおよび窓ミラーは、一体的な構成からなってもよく、例えば、両方ともがミラー形成プロセスにおいて一緒に堆積される。
【0027】
[0027] あるいは、集光ミラーおよび窓ミラーは、コレクタ本体およびミラーが一体的であるか否かにかかわらず、異なる構成からなってもよい。
【0028】
[0028] コレクタ本体は、第1表面から第2表面へとコレクタ本体を通るコレクタ開口を有してもよく、窓は開口を実質的に覆うように配置されてもよい。窓は、コレクタ本体内の開口の中に配置されてもよく、第1側から第2側へと開口を通る。例えば、窓は、開口またはコレクタ本体内に接着されてもよく、さらに、窓は、例えば、一体的な構成からなってもよい。しかしながら、窓は、単にコレクタ本体内の開口を実質的に覆うように配置されてもよく、それによって開口に入射する実質的に全ての放射は窓にも入射する。コレクタの第1側面に第1面を有することによって、第1面および第1側面の両方が実質的に同じ方向(すなわち、励起放射源の方)に向いている一方、第2面および第2側面も実質的に同じ方向(すなわち、EUV放射源のプラズマ形成部位の方)に向いているということを意味する。したがって、例えば、窓は、その第1面がコレクタ本体の第1側面と同じ方向に向いて配置されてもよいが、ミラーは、コレクタ本体の第1側面または第2側面の方向に開口から移動される。例えば、ガス流が開口を通る抜けることができるように窓と開口との間にギャップがある。窓がコレクタ本体と一体的な構成からなった場合、開口が全くないこともある。
【0029】
[0029] 集光ミラーは、適切には、シリコンとモリブデンとの交互層を含み得る。
【0030】
[0030] 集光ミラーは、適切には、第1焦点および集光箇所を通り抜ける光軸に対して実質的に円対称性で構成された凹ミラーである。窓は、実質的に光軸の上、すなわち、光軸が窓を通り抜けるように適切に位置決めされる。第1焦点で窓ミラーによって定められる立体角は、一般的には、集光ミラーによって定められる立体角の50%より小さい、例えば、30%より小さいまたは15%より小さい。集光ミラーは、通常、楕円ミラーである。
【0031】
[0031] 窓は、励起放射を第1焦点におけるプラズマ形成部位に合焦させるように適合されたレンズとして構成されてもよい。
【0032】
[0032] 本発明の別の態様は、極端紫外線を生成するように構成された放射源であって、放射源は、チャンバと、チャンバ内のプラズマ形成部位に燃料を供給するように構成された燃料供給と、励起放射ビームが燃料に衝突した場合に極端紫外線を放出するプラズマが生成されるように励起放射ビームをプラズマ形成部位に合焦させるように構成された励起放射源と、励起放射源に向いている第1表面およびプラズマによって放出される極端紫外線を集光および反射するように位置決めされた第2表面を有する本発明のコレクタアセンブリとを含み、励起放射ビームは、窓を通ってプラズマ形成部位へと渡るように構成されている、放射源を提供する。
【0033】
[0033] 本発明の放射源における使用のための本発明のコレクタアセンブリの適切な特徴は、本明細書中で詳細に述べたとおりである。
【0034】
[0034] 励起放射源は、適切には、Nd:YAG(ネオジムをドープしたイットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザまたはCOレーザなどの赤外線レーザである。
【0035】
[0035] 放射源は、適切には、励起放射ビームが集光箇所へと放射源を直接通り抜けることを実質的に遮断するように位置決めされたビームストップを含む。
【0036】
[0036] 本発明の別の態様は、本発明の実施形態の放射源またはコレクタアセンブリを含むリソグラフィ装置を提供する。基板をパターン付けするためのリソグラフィ装置は、本明細書中で詳細に述べた本発明の態様による放射源と、放射源から第2焦点へと向かう極端紫外線をパターン付けするように構成されたパターニングデバイスを支持するように構成されたサポートと、パターン付けされた放射を基板上に投影するように構成された投影システムとを含んでもよい。
【0037】
[0037] 本発明の更なる態様は、パターン付けされたEUV放射ビームを基板上に投影することを含むデバイス製造方法を提供し、EUV放射は、本発明の放射源によって提供されるか、または本発明の実施形態のコレクタアセンブリによって集光される。方法は、適切には、本明細書中に上述した本発明の態様によるコレクタアセンブリにおける窓を介してプラズマ形成部位における燃料にレーザ励起ビームを誘導することによってプラズマ形成部位において極端紫外線を生成することと、コレクタアセンブリを用いて極端紫外線を集光し、かつ極端紫外線を第2焦点に向かって反射させることと、パターニングデバイスを用いて第2焦点に向かって反射した極端紫外線をパターン付けすることと、パターン付けされた極端紫外線を基板上に投影することとを含む。
【0038】
[0038] 本発明の一態様によると、プラズマ形成部位における燃料から極端紫外線を生成するように構成された励起放射源を含む極端紫外線源のためのコレクタアセンブリが提供される。コレクタアセンブリは、第1表面および第2表面を有するコレクタ本体を含んでおり、第2表面は第1表面に対向し、かつその上に集光ミラーが設けられている。集光ミラーは、プラズマ形成部位における集光ミラーの第1焦点からの極端紫外線を集光および反射し、かつ極端紫外線を集光箇所に誘導するように構成されている。コレクタアセンブリは、励起放射を透過し、かつ第1面および対向の第2面を有する窓も含む。第2面は第1焦点の方を向いている。窓の第2面は、プラズマ形成部位における集光ミラーの第1焦点からの極端紫外線を集光および反射し、かつ極端紫外線を集光箇所に誘導するように構成された窓ミラーを含む。窓ミラーは、極端紫外線を反射し、かつ励起放射を透過するように構成されている。
【0039】
[0039] 本発明の一態様によると、極端紫外線を生成するように構成された放射源が提供される。放射源は、チャンバと、チャンバ内のプラズマ形成部位に燃料を供給するように構成された燃料供給と、励起放射ビームが燃料に衝突した場合に極端紫外線を放出するプラズマが生成されるように励起放射ビームをプラズマ形成部位に合焦させるように構成された励起放射源と、コレクタアセンブリとを含む。コレクタアセンブリは、第1表面および第2表面を有するコレクタ本体を含んでおり、第2表面は第1表面に対向し、かつその上に集光ミラーが設けられている。集光ミラーは、プラズマ形成部位における集光ミラーの第1焦点からの極端紫外線を集光および反射し、かつ極端紫外線を集光箇所に誘導するように構成されている。コレクタアセンブリは、励起放射を透過し、かつ第1面および対向の第2面を有する窓も含む。第2面は第1焦点の方を向いている。窓の第2面は、プラズマ形成部位における集光ミラーの第1焦点からの極端紫外線を集光および反射し、かつ極端紫外線を集光箇所に誘導するように構成された窓ミラーを含む。窓ミラーは、極端紫外線を反射し、かつ励起放射を透過するように構成されている。励起放射ビームは、窓を通ってプラズマ形成部位へと渡るように構成されている。
【0040】
[0040] 本発明の一態様によると、極端紫外線を生成するように構成された放射源を含むリソグラフィ装置が提供される。放射源は、チャンバと、チャンバ内のプラズマ形成部位に燃料を供給するように構成された燃料供給と、励起放射ビームが燃料に衝突した場合に極端紫外線を放出するプラズマが生成されるように励起放射ビームをプラズマ形成部位に合焦させるように構成された励起放射源と、コレクタアセンブリとを含む。コレクタアセンブリは、第1表面および第2表面を有するコレクタ本体を含んでおり、第2表面は第1表面に対向し、かつその上に集光ミラーが設けられている。集光ミラーは、プラズマ形成部位における集光ミラーの第1焦点からの極端紫外線を集光および反射し、かつ極端紫外線を集光箇所に誘導するように構成されている。コレクタアセンブリは、励起放射を透過し、かつ第1面および対向の第2面を有する窓も含んでおり、第2面は第1焦点の方を向いている。窓の第2面は、プラズマ形成部位における集光ミラーの第1焦点からの極端紫外線を集光および反射し、かつ極端紫外線を集光箇所に誘導するように構成された窓ミラーを含む。窓ミラーは、極端紫外線を反射し、かつ励起放射を透過するように構成されている。励起放射ビームは、窓を通ってプラズマ形成部位へと渡るように構成されている。リソグラフィ装置は、集光した極端紫外線をパターン付けするように構成されたパターニングデバイスを支持するように構成されたサポートと、パターン付けされた極端紫外線を基板上に投影するように構成された投影システムとを含む。
【0041】
[0041] 本発明の放射源およびコレクタアセンブリに対して本明細書中で詳細に述べた特徴は、本発明のリソグラフィ装置およびデバイス製造方法にも適用可能である。
【0042】
[0042] 本明細書中に使用され、かつ表面またはコーティングに適用される「EUV放射を反射する」という用語は、表面に垂直に入射する特定の波長を有するEUV放射強度の少なくとも30%、少なくとも40%または少なくとも50%が反射されることを意味する。
【0043】
[0043] 本明細書中に使用されるような表面、コーティングまたは窓に適用される「励起放射を透過する」という用語は、窓に垂直に入射する特定の波長を有する励起放射強度の少なくとも80%、少なくとも95%または少なくとも99%が透過されることを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
[0044] 本発明のいくつかの実施形態を、単なる例として、添付の概略図を参照して以下に説明する。これらの図面において同じ参照符号は対応する部分を示す。
【図1】[0045] 図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示す。
【図2】[0046] 図2は、図1のリソグラフィ装置の概略的ではあるがより詳細な図である。
【図3】[0047] 図3は、従来の放射源およびコレクタの概略的な断面図を示す。
【図4】[0048] 図4は、本発明の一実施形態による放射源およびコレクタアセンブリの概略的な断面図を示す。
【図5】[0049] 図5は、本発明の一実施形態による放射源およびコレクタアセンブリの概略的な断面図を示す。
【図6】[0050] 図6は、本発明の一実施形態による放射源およびコレクタアセンブリの概略的な断面図を示す。
【図7】[0051] 図7は、本発明の一実施形態による放射源およびコレクタアセンブリの概略的な断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0045】
[0052] 図1は、本発明の放射源およびコレクタアセンブリSOを用いて本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置2を概略的に示している。この装置2は、放射ビームB(例えば、EUV放射)を調整するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを支持するように構成され、かつ特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めるように構成された第1ポジショナPMに連結されているサポート構造(例えば、マスクテーブル)MTと、基板(例えば、レジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、かつ特定のパラメータに従って基板を正確に位置決めるように構成された第2ポジショナPWに連結されている基板テーブル(例えば、ウェーハテーブル)WTと、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付けられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ以上のダイを含む)上に投影するように構成されている投影システム(例えば、屈折投影レンズシステム)PLとを備える。
【0046】
[0053] 照明システムとしては、放射を誘導し、整形し、または制御するために、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、またはその他のタイプの光コンポーネント、あるいはそれらのあらゆる組合せなどのさまざまなタイプの光コンポーネントを含むことができる。
【0047】
[0054] サポート構造は、パターニングデバイスの重量を支えるなどしてパターニングデバイスを支持する。サポート構造は、パターニングデバイスの向き、リソグラフィ装置2の設計、および、パターニングデバイスが真空環境内で保持されているか否かなどの他の条件に応じた態様で、パターニングデバイスを保持する。サポート構造は、機械式、真空式、静電式またはその他のクランプ技術を使って、パターニングデバイスを保持することができる。サポート構造は、例えば、必要に応じて固定または可動式にすることができるフレームまたはテーブルであってもよい。サポート構造は、パターニングデバイスを、例えば、投影システムに対して所望の位置に確実に置くことができる。本明細書において使用される「レチクル」または「マスク」という用語はすべて、より一般的な「パターニングデバイス」という用語と同義であると考えるとよい。
【0048】
[0055] 本明細書において使用される「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分内にパターンを作り出すように、放射ビームの断面にパターンを与えるために使用できるあらゆるデバイスを指していると、広く解釈されるべきである。なお、留意すべき点として、放射ビームに付与されたパターンは、例えば、そのパターンが位相シフトフィーチャまたはいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分内の所望のパターンに正確に一致しない場合もある。通常、放射ビームに付けたパターンは、集積回路などのターゲット部分内に作り出されるデバイス内の特定機能層に対応することになる。
【0049】
[0056] パターニングデバイスの例としては、マスクおよびプログラマブルミラーアレイが含まれる。マスクはリソグラフィでは周知であり、一般的にEUV放射またはbeyond EUV(超EUV)では、リソグラフィ装置は反射型である。プログラマブルミラーアレイの一例では、小型ミラーのマトリックス配列が用いられており、各小型ミラーは、入射する放射ビームを様々な方向に反射させるように、個別に傾斜させることができる。傾斜されたミラーは、ミラーマトリックスによって反射される放射ビームにパターンを付ける。
【0050】
[0057] 本明細書において使用される「投影システム」という用語は、あらゆる型の投影システムを包含していると広く解釈されるべきである。通常、EUV(またはbeyond EUV(超EUV))放射リソグラフィ装置では、光エレメントは反射型である。しかしながら、他の種類の光エレメントを使用してもよい。光エレメントは、真空中にあってもよい。本明細書において使用される「投影レンズ」という用語はすべて、より一般的な「投影システム」という用語と同義であると考えるとよい。
【0051】
[0058] 本明細書に示されているとおり、装置2は、反射型のもの(例えば、反射型マスクを採用しているもの)である。
【0052】
[0059] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)以上の基板テーブル(および/または2つ以上のマスクテーブル)を有する型のものであってもよい。そのような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルを並行して使うことができ、または予備工程を1つ以上のテーブル上で実行しつつ、別の1つ以上のテーブルを露光用に使うこともできる。
【0053】
[0060] 図1を参照すると、イルミネータILは、コレクタアセンブリを含む放射源SOによって放射放出点(プラズマ形成部位)から放射ビームを受ける。放射源とリソグラフィ装置は、別個の構成要素であってもよい。そのような場合には、放射源は、リソグラフィ装置の一部を形成しているとはみなされず、また放射ビームは、放射源SOからイルミネータILへ、例えば、適切な誘導ミラーおよび/またはビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムを使って送られる。その他の場合においては、放射源は、リソグラフィ装置の一体部分とすることもできる。放射源SOおよびイルミネータILは、必要ならばビームデリバリシステムとともに、放射システムと呼んでもよい。
【0054】
[0061] イルミネータILは、放射ビームの角強度分布を調節するアジャスタを含むことができる。一般に、イルミネータの瞳面内の強度分布の少なくとも外側および/または内側半径範囲(通常、それぞれσ-outerおよびσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。さらに、イルミネータILは、インテグレータおよびコンデンサといったさまざまな他のコンポーネントを含むことができる。イルミネータILを使って放射ビームBを調整すれば、放射ビームの断面に所望の均一性および強度分布をもたせることができる。
【0055】
[0062] 放射ビームBは、サポート構造(例えば、マスクテーブルMT)上に保持されているパターニングデバイス(例えば、マスクMA)上に入射して、パターニングデバイスによってパターン形成される。マスクMAによって反射された後、放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSは、基板Wのターゲット部分C上にビームの焦点をあわせる。第2ポジショナPWおよび位置センサIF2(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、または静電容量センサ)を使って、例えば、さまざまなターゲット部分Cを放射ビームBの経路内に位置決めるように、基板テーブルWTを正確に動かすことができる。同様に、第1ポジショナPMおよび別の位置センサIF1を使い、例えば、マスクライブラリからマスクを機械的に取り出した後またはスキャン中に、マスクMAを放射ビームBの経路に対して正確に位置決めることもできる。通常、マスクテーブルMTの移動は、第1ポジショナPMの一部を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)およびショートストロークモジュール(微動位置決め)を使って達成することができる。同様に、基板テーブルWTの移動も、第2ポジショナPWの一部を形成するロングストロークモジュールおよびショートストロークモジュールを使って達成することができる。ステッパの場合は(スキャナとは対照的に)、マスクテーブルMTは、ショートストロークアクチュエータのみに連結されてもよく、または固定されてもよい。マスクMAおよび基板Wは、マスクアライメントマークM1およびM2と、基板アライメントマークP1およびP2とを使って、位置合わせされてもよい。例示では基板アライメントマークが専用ターゲット部分を占めているが、基板アライメントマークをターゲット部分とターゲット部分との間の空間内に置くこともできる(これらは、スクライブラインアライメントマークとして公知である)。同様に、複数のダイがマスクMA上に設けられている場合、マスクアライメントマークは、ダイとダイの間に置かれてもよい。
【0056】
[0063] 例示の装置2は、以下に説明するモードのうち少なくとも1つのモードで使用できる。
【0057】
[0064] 1. ステップモードでは、マスクテーブルMTおよび基板テーブルWTを基本的に静止状態に保ちつつ、放射ビームに付けられたパターン全体を一度にターゲット部分C上に投影する(すなわち、単一静的露光)。その後、基板テーブルWTは、基板の平面において移動され、それによって別のターゲット部分Cを露光することができる。ステップモードにおいては、露光フィールドの最大サイズによって、単一静止露光時に結像されるターゲット部分Cのサイズが限定される。
【0058】
[0065] 2. スキャンモードでは、マスクテーブルMTおよび基板テーブルWTを同期的にスキャンする一方で、放射ビームに付けられたパターンをターゲット部分C上に投影する(すなわち、単一動的露光)。マスクテーブルMTに対する基板テーブルWTの速度および方向は、投影システムPSの(縮小)拡大率および像反転特性によって決めることができる。スキャンモードにおいては、露光フィールドの最大サイズによって、単一動的露光時のターゲット部分の幅(非スキャン方向)が限定される一方、スキャン動作の長さによって、ターゲット部分の高さ(スキャン方向)が決まる。
【0059】
[0066] 3. 別のモードでは、プログラマブルパターニングデバイスを保持した状態で、マスクテーブルMTを基本的に静止状態に保ち、また基板テーブルWTを動かす、またはスキャンする一方で、放射ビームに付けられているパターンをターゲット部分C上に投影する。このモードにおいては、通常、パルス放射源が採用されており、さらにプログラマブルパターニングデバイスは、基板テーブルWTの移動後ごとに、またはスキャン中の連続する放射パルスと放射パルスとの間に、必要に応じて更新される。この動作モードは、前述の型のプログラマブルミラーアレイといったプログラマブルパターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用することができる。
【0060】
[0067] 上述の使用モードの組合せおよび/またはバリエーション、あるいは完全に異なる使用モードもまた採用可能である。
【0061】
[0068] 図2は、依然として概略的ではあるが、図1のリソグラフィ装置2をより詳細に示している。リソグラフィ装置2は、本発明の一実施形態によるコレクタアセンブリ/放射源SO、イルミネータIL(照明システムと呼ぶこともある)および投影システムPSを含む。
【0062】
[0069] 放射ジェネレータからの放射(プラズマ形成部位からのEUV放射)は、イルミネータIL内の入口開口20における集光箇所18でコレクタアセンブリによって合焦される。放射ビーム21は、イルミネータIL内で第1リフレクタ22および第2リフレクタ24を介し、レチクルまたはマスクテーブルMT上に位置決めされたレチクルまたはマスクMAへと反射される。パターン付き放射ビーム26が形成され、これは、投影システムPS内で第1反射エレメント28および第2反射エレメント30を介し、基板テーブルWT上で保持されている基板Wへと結像される。
【0063】
[0070] 図2に示されたものよりも多くのまたは少ないエレメントが放射源SO、照明システムILおよび投影システムPS内に通常存在してもよいことが理解されたい。例えば、一部の実施形態では、リソグラフィ装置2は、1つ以上の透過型または反射型スペクトル純度フィルタも含んでもよい。さらに多くのまたは少ない反射エレメントがリソグラフィ装置内に存在してもよい。
【0064】
[0071] 図3は、従来技術のコレクタおよび放射源の概略的な断面図を示している。LPPジェネレータのプラズマ形成部位31は、第1焦点およびプラズマ形成部位31に向いた鏡面を有するコレクタ32の第1焦点に配置されている。コレクタ32は、凹状の楕円ミラーを形成する。赤外線レーザ(図示せず)からのレーザビーム33は、レンズ34へと誘導される。レンズ34は、開口35を介してコレクタの本体を通り抜けるビームを赤外線励起ビームとして第1焦点31におけるLPPプラズマ形成部位上に合焦させる。プラズマによって生成されるEUV放射は、コレクタ32によって集光され、かつコレクタ32によって形成される楕円ミラーの第2焦点における集光箇所18に向かって反射される。ビームストップ36は、赤外線レーザビームを遮断し、当該レーザビームが集光箇所18を通り抜けることを防ぐ。
【0065】
[0072] 第1焦点31におけるプラズマ形成部位から開口33へと向かうEUV放射は失われ、コレクタ32によって集光箇所18で集光されない。
【0066】
[0073] 合焦されたビームによって生成されるEUVはビーム33の放射源へと戻る方向において最も強度であるため、レーザビームはコレクタ32の中心を通ってプラズマ形成部位へと誘導されることが望ましい。しかしながら、コレクタ32内の開口35へと向かうEUV放射は集光されず失われ、EUV遠視野イメージにおける非均一性および低EUV集光効率へと繋がる。
【0067】
[0074] 図4を参照すると、本発明の一実施形態によるコレクタアセンブリを有する、本発明による放射源の一実施形態が示されている。
【0068】
[0075] コレクタ本体40は、赤外線源(図示せず)の方を向いた第1表面41およびプラズマ形成部位31に向かって凹状である集光ミラー42を保持する第2表面47を有する。窓43は、コレクタ本体40の中心にある開口に位置しており、第1面44は赤外線源に向き、かつ第2面45は窓ミラー46を保持してプラズマ形成部位31の方を向いている。赤外線レーザ(図示せず)からのレーザビーム33はレンズ34上へと誘導される。レンズ34は、ビームを赤外線励起ビームとして第1焦点31におけるLPPプラズマ形成部位上へと合焦させる。ビーム33は、第1側面44から第2側面45へと窓43を通り抜け、そして窓ミラー46を通り抜ける。燃料供給FSは、レーザビーム33が燃料に当たった場合にEUV放射をプラズマ形成部位31で生成できるように燃料小滴をプラズマ形成部位31に供給するように構成されている。プラズマ形成部位31によって生成されるEUV放射は、集光ミラー42によって集光され、かつ楕円集光ミラー42の第2焦点における集光箇所18に向かって反射される。ビームストップ36は、赤外線レーザビームを遮断し、当該レーザビームが集光箇所18を通り抜けることを防ぐ。窓ミラー45に向かうEUV放射も集光されて集光箇所18へと誘導される。
【0069】
[0076] 窓ミラー46は、多層スタックを適切に含む。多層スタックは、極端紫外線を実質的に反射し、かつ赤外線励起放射などの励起放射を実質的に透過するように構成されている。例えば、透過された励起放射は、約1μmより大きい、特に約10μmより大きい、例えば約10.6μmの波長を有する放射であってもよい。多層スタックは赤外線励起放射を透過する一方、高EUV反射率を提供するように構成されている。多層スタックに適した材料としては、ZrN、ZrC、ダイヤモンド、ダイヤモンド状炭素、炭素、シリコンおよび/またはMoCが挙げられるが、これらに限定されない。特に適切なスタックは、ダイヤモンド状炭素およびシリコンの交互層を有する。
【0070】
[0077] 適切には、窓ミラーは、励起入射の強度の50%より多く、詳細には80%より多く、より詳細には98%より多くを透過するように構成される。特に、これは、法線入射で窓を通り抜ける、例えばCOレーザからの約10.6μmの波長を有する励起放射に適用される。ここでは、99%より多く、または更に99.5%より多くが透過され得る。
【0071】
[0078] 本明細書中に詳細に述べたように、第1面44および/または第2面45には、励起放射に対する反射防止コーティングが設けられてもよい。例えば、適切な窓43は、窓43の第1面上に990nmのZnSe層上の1770nmのThF層からなる反射防止コーティングを有し、窓43は5mmの厚さのGaAsからなる。窓の第2面45には770nmのThF層があってもよく、その上には、40対の2.9nmの厚さのダイヤモンド状炭素と4.0nmの厚さのシリコンとの交互層の窓ミラー46スタックが堆積される。そのようなスタックのEUV反射率は、炭素密度によって約50%〜60%である。上記の層を含むそのような窓の(10.6μm放射に対する)赤外線透過率は、光軸から測定された0°から25°までの入射角に対しては、99.7%より大きい。集光ミラー42は、交互のモリブデンおよびシリコンの層の従来のスタックであってもよく、これはEUV放射に対するより高い反射率を有し得るが赤外線を透過させない。ダイヤモンド/Si多層ミラー46のEUV反射率は、57.5%(密度3.5g/cm)の高さにまで上昇してもよいが、ダイヤモンド状炭素(DLC)が使用された場合においては、一般的に、およそ51%になる(密度2.7g/cm)。比較のために、Mo/Si多層ミラーは70%までの反射率を有することができる。コレクタ本体40は、金属またはセラミックなどといったあらゆる適切な材料からなってもよい。
【0072】
[0079] あらゆる適切な方法が、本明細書中に記載された窓ミラー45の実施形態を構成するために使用されてもよい。例えば、イオンビームスパッタ堆積を用いて2.7g/cmまでの密度を有するダイヤモンド状炭素層が形成され得ることが明らかにされている。
【0073】
[0080] 集光ミラー42は励起放射を透過する必要性はなく、EUVに対するできる限り高い反射率を与えるために交互のモリブデン/シリコン層の従来のEUVミラーが使用される。
【0074】
[0081] 図5を参照すると、本発明の一実施形態によるコレクタアセンブリを有する、本発明による放射源の一実施形態が示されている。この実施形態は、図4の実施形態が赤外線を透過しない材料のコレクタ本体40を有し、かつコレクタ本体40内の開口に配置された窓43を含む一方、図5の実施形態はガリウム砒素などといったような赤外線を透過する材料から形成されたコレクタ40の本体を有することを除いては、図4の実施形態と類似する。図4の実施形態に対して詳細に説明されたように、窓43はDLC/シリコン層のミラースタック46を有しており、さらに、図4の実施形態に対してと同じの反射防止コーティングも有し、これはコレクタ本体40の中央領域にわたって延在する。窓ミラー46は、コレクタ本体の第2表面47上に堆積し、これは本実施形態における窓の第2面45を形成する。第2表面47の残りの部分は、交互のモリブデン/シリコン層の従来のEUVミラーを保持する。
【0075】
[0082] 図5の実施形態は、2つの構成要素が一体的な構成からなるという、コレクタ本体40および窓43に対するより単純な構成の利点を有し得る。
【0076】
[0083] 図6を参照すると、本発明の一実施形態によるコレクタアセンブリを有する、本発明による放射源の一実施形態が示されている。この実施形態は、図5の実施形態が窓ミラー46および集光ミラー42に対して異なる構成を有する一方、図6の実施形態では窓ミラー46は、本実施形態中では窓本体43でもあるので43と表示されたコレクタ本体の第2表面全体にわたって延在することを除いては、図5の実施形態と同様である。言い換えると、窓43は、コレクタ本体全体にわたって延在する。
【0077】
[0084] 図4および5の実施形態と比較して、図6の実施形態は、窓/集光ミラー46の構成のためにより低い集光効率を有するが、プラズマ形成部位31上への励起ビーム34の合焦のために使用されるより大きい開口数を可能とし、また、単一の一体的なミラー構成46だけが一体的な窓/コレクタ本体43の第2面45に適用されればよいので、コレクタ本体は単純な構成からなる。本実施形態の潜在的な利点は、より少ない赤外線がコレクタによって反射されて集光点で集光されることである。これは、集光点で集光される放射のスペクトル純度を改善する。
【0078】
[0085] 図7を参照すると、本発明の一実施形態によるコレクタアセンブリを有する、本発明による放射源の一実施形態が示されている。この実施形態は、窓43を通って赤外線励起ビーム33をプラズマ形成部位31上に合焦させるために図4の実施形態でレンズ34が使用されるところにおいて、図7のこの実施形態では、窓43の第1面44は、励起ビーム33をプラズマ形成部位31上に合焦させるように適合されたレンズを形成するように形作られることを除いては、図4の実施形態と同様である。したがって、この実施形態では別個のレンズ34の必要性を除去できる。
【0079】
[0086] 本明細書において、集積回路の製造におけるリソグラフィ装置の使用について具体的な言及がなされているが、本明細書記載のリソグラフィ装置が、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンスパターンおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造といった他の用途を有し得ることが理解されるべきである。
【0080】
[0087] 光リソグラフィの関連での本発明の実施形態の使用について上述のとおり具体的な言及がなされたが、当然のことながら、本発明は、他の用途、例えば、インプリントリソグラフィに使われてもよく、さらに状況が許すのであれば、光リソグラフィに限定されることはない。
【0081】
[0088] 本発明の特定の実施形態を上記で記載したが、本発明は記載されたものとは別の方法で実施されてもよいことが理解されたい。例えば、図7の実施形態では、窓はガリウム砒素ではなくセレン化亜鉛からなってもよい。例えば、いずれの実施形態においても、励起ビームは、集光ミラーの第1および第2焦点によって画定された光軸と必ずしも平行に誘導される必要はなく、軸外であってもよい。
【0082】
[0089] 上記の説明は、制限ではなく例示を意図したものである。したがって、当業者には明らかなように、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく本記載の発明に変更を加えてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ形成部位において燃料から極端紫外線を生成するように構成された励起放射源を含む極端紫外線源のためのコレクタアセンブリであって、前記コレクタアセンブリは、
第1表面および第2表面を有するコレクタ本体であって、前記第2表面は前記第1表面に対向し、かつその上に集光ミラーが設けられており、前記集光ミラーは、前記プラズマ形成部位における前記集光ミラーの第1焦点からの前記極端紫外線を集光および反射し、かつ前記極端紫外線を集光箇所に誘導するように構成されている、コレクタ本体と、
前記励起放射を透過し、かつ第1面および対向の第2面を有する窓であって、前記第2面は前記第1焦点の方を向いている、窓とを含み、
前記窓の前記第2面は、前記プラズマ形成部位における前記集光ミラーの前記第1焦点からの前記極端紫外線を集光および反射し、かつ前記極端紫外線を前記集光箇所に誘導するように構成されており、前記窓ミラーは、前記極端紫外線を反射し、かつ前記励起放射を透過するように構成されている、
コレクタアセンブリ。
【請求項2】
前記励起放射は赤外放射である、
請求項1に記載のコレクタアセンブリ。
【請求項3】
前記窓は、ガリウム砒素、セレン化亜鉛、硫化亜鉛、ゲルマニウムおよびシリコンからなる群から選択された材料からなる、
請求項2に記載のコレクタアセンブリ。
【請求項4】
前記窓の前記第1面は、その上に第1反射防止コーティングを含み、前記第1面を通る前記励起放射の経路において前記励起放射の反射を減少するように構成されている、
請求項1〜3のいずれかに記載のコレクタアセンブリ。
【請求項5】
前記窓の前記第2面は、第2反射防止コーティングを含み、前記第2面を通る経路において前記励起放射の反射を減少するように構成されている、
請求項1〜4のいずれかに記載のコレクタアセンブリ。
【請求項6】
前記第2反射防止コーティングは、前記第2面と前記窓ミラーとの間に配置されている、
請求項5に記載のコレクタアセンブリ。
【請求項7】
前記窓ミラーは、ダイヤモンド状炭素とシリコンとの交互層を含んでいる、
請求項1〜6のいずれかに記載のコレクタアセンブリ。
【請求項8】
前記コレクタ本体および窓の両方は、同じ材料から形成されている、
請求項1〜7のいずれかに記載のコレクタアセンブリ。
【請求項9】
前記集光ミラーおよび前記窓ミラーは、一体的な構成からなる、
請求項1〜8のいずれかに記載のコレクタアセンブリ。
【請求項10】
前記集光ミラーおよび前記窓ミラーは、異なる構成からなる、
請求項1〜8のいずれかに記載のコレクタアセンブリ。
【請求項11】
前記窓は、前記励起放射を前記プラズマ形成部位上に合焦させるように適合されたレンズとして構成されている、
請求項1〜10のいずれかに記載のコレクタアセンブリ。
【請求項12】
極端紫外線を生成するように構成された放射源であって、前記放射源は、
チャンバと、
前記チャンバ内のプラズマ形成部位に燃料を供給するように構成された燃料供給と、
励起放射ビームが前記燃料に衝突した場合に極端紫外線を放出するプラズマが生成されるように前記励起放射ビームを前記プラズマ形成部位に合焦させるように構成された励起放射源と、
前記励起放射源に向いている前記第1表面および前記プラズマによって放出される極端紫外線を集光および反射するように位置決めされた前記第2表面を有する、請求項1〜11のいずれかに記載のコレクタと、
を含み、
前記励起放射ビームは、前記窓を通って前記プラズマ形成部位へと渡るように構成されている、
放射源。
【請求項13】
前記励起放射源は赤外線レーザである、
請求項12に記載の放射源。
【請求項14】
前記励起放射ビームが前記集光箇所へと直接通り抜けることを実質的に遮断するように位置決めされたビームストップをさらに含む、
請求項12または13に記載の放射源。
【請求項15】
請求項12〜14のいずれかに記載の放射源または請求項1〜11のいずれかに記載のコレクタアセンブリを含む、
リソグラフィ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−258447(P2010−258447A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−93599(P2010−93599)
【出願日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(504151804)エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. (1,856)
【Fターム(参考)】