説明

リソース管理方法およびリソース管理制御装置

【課題】リソースが枯渇した状態になることを未然に防止して、緊急呼や優先呼のためのリソースを確保し、緊急呼、優先呼等の優先度の高い重要呼の疎通率を向上させる。
【解決手段】リソース管理制御装置5は、仮想パスにおける現在使用中のリソースと、上記仮想パスに対し上記リソース毎に当該リソースを使用する各呼の使用可能範囲を呼種に応じて予め設定した閾値とに基づいて、仮想パスにおいて新規に確立を要求された呼の呼種が、リソースに対し割当て可能であるか否かを判断するリソース割当判断部522と、リソースに対し割当て可能であると判断された場合、呼に対し仮想パスにおけるリソースを割当てる一方、割当て可能でないと判断した場合、呼に対し仮想パスにおけるリソースを割当てないよう制御するリソース管理制御部521とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、次世代ネットワーク(以下、NGN:Next Generation Network と称する)における緊急呼、優先呼等の優先度の高い呼のために、帯域やメディアストリーム数等の通信リソース(以下、リソースと略す)を確保するリソース管理方法およびリソース管理制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の緊急呼、優先呼等の優先度の高い呼のためにリソースを確保する技術として、例えば、回線交換網(PSTN)において、呼が大量に集中した場合にも緊急呼、優先呼等の優先度の高い呼疎通を可能にするために、各階梯の交換機が緊急呼や優先呼のような重要呼のために確保しておくセッション(回線)数を予め定めておき、重要呼であるときは、空いているセッションを無条件に捕捉できるようにし、一般呼のときは、空いているセッション数が重要呼のために確保しておくセッション数より多いことという条件のもとに捕捉を行うものがある。
【0003】
これにより、各階梯の交換機において、一般呼が輻輳した状態にあっても、一般呼により全てのセッション数が使われてしまうことがなく、重要呼の疎通が可能になる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、NGNのようにIP網をベースとした次世代ネットワークでは、利用帯域の異なる様々なサービスを提供しているため、セッションが確保できても、帯域や、帯域に限らずメディアストリーム数などのリソースが不足することにより呼が確立できなくなることが生じるため、重要呼の疎通率を上げるためには、リソースも確保しておくことが必要になるが、リソースの確保については言及されていないため、IP網をベースとした次世代ネットワークには適用できないものである。
【0005】
また、他のIP網をベースとして次世代ネットワークにおけるリソース(帯域、同時接続可能なメディア数など)を管理する技術としては、加入者を収容するセッション制御サーバ装置が、物理的なアクセスネットワークの構成を仮想パスとして抽象化し設計データとして保持するようにし、セッションの確立時に、要求されたリソースが確保できるか否かをこの仮想パス上で判断し、確保できた場合に限り呼の受付を許可するようにしたものがある。
【0006】
これにより、セッション(回線)を確立するときに、要求されたリソースも合わせて確保することができるようになる(例えば、特許文献2、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭58−141062号公報「重要呼接続制御方式」
【特許文献2】特開2006−229516号公報「品質保証サービスを実現する受付判定方法とトラヒック制御方法およびその通信システム」
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】堀米紀貴、宮坂昌宏、岸田好司著「NGNにおける帯域管理制御技術」NTT技術ジャーナル 2008.10、p.22−23
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述の背景技術では、セッションの確立を要求してきた呼が、緊急呼であるか優先呼であるか、あるいは一般呼であるかに関わらず、要求されたリソースが確保できるか否かを仮想パス上で判断し、確保できると判断した場合、セッション(回線)を確立しているため、一般呼等が大量に接続されて、リソースが枯渇した場合、緊急呼や優先呼のためのリソースが確保されておらず、呼損になる、という問題がある。
【0010】
そこで、本発明は、リソースが枯渇した状態になることを未然に防止して、緊急呼や優先呼のためのリソースを確保し、緊急呼、優先呼等の優先度の高い重要呼の疎通率を向上させることができるリソース管理方法およびリソース管理制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、第1の発明は、仮想パスに対し各リソースを使用する各呼の使用可能範囲を呼種に応じて予め設定した閾値と、上記仮想パスにおける現在使用中のリソースの使用量と、上記仮想パスにおいて新規に確立を要求された呼の呼種と要求リソースとに基づいて、上記呼に対し上記仮想パスにおける上記要求リソースの割当てが可能であるか否かを判断するステップと、上記呼に対し上記仮想パスにおける上記要求リソースの割当てが可能であると判断した場合、上記呼に対し上記仮想パスにおける上記リソースを割当てるステップと、上記呼に対し上記仮想パスにおける上記要求リソースの割当てが可能でないと判断した場合、上記呼に対し上記仮想パスにおける上記リソースを割当てないステップと、を有するリソース管理方法である。
【0012】
また、第2の発明は、第1の発明のリソース管理方法において、さらに、端末装置からセッション確立要求信号を受信して、受信した上記セッション確立要求信号に含まれる呼種情報に基づいて上記呼の呼種を識別するステップと、上記呼に対し上記仮想パスにおける上記要求リソースの割当てが可能でないと判断された場合、上記要求リソースの割当てができないため上記呼の受付を許可できない旨を上記端末装置に通知するステップと、を有するリソース管理方法である。ここで、呼種情報とは、例えば、発信元や発信先の電話番号、加入者の契約条件、SIP信号に含まれるメディア情報等のことをいう。
【0013】
また、第3の発明は、第1または第2の発明のリソース管理方法において、さらに、上記呼に対し上記仮想パスにおける上記要求リソースの割当てが可能であると判断し、上記呼に対し上記仮想パスにおける上記リソースを割当てた場合、上記仮想パスの上記閾値に対する上記リソースの新たな使用量の状態をオペレーションシステムへ通知するステップ、を有するリソース管理方法である。
【0014】
また、第4の発明は、仮想パスに対し各リソースを使用する各呼の使用可能範囲を呼種に応じて予め設定した閾値と、上記仮想パスにおける現在使用中のリソースの使用量と、上記仮想パスにおいて新規に確立を要求された呼の呼種と要求リソースとに基づいて、上記呼に対し上記仮想パスにおける上記要求リソースの割当てが可能であるか否かを判断するリソース割当判断部と、上記呼に対し上記仮想パスにおける上記要求リソースの割当てが可能であると判断した場合、上記呼に対し上記仮想パスにおける上記リソースを割当てる一方、上記呼に対し上記仮想パスにおける上記要求リソースの割当てが可能でないと判断した場合、上記呼に対し上記仮想パスにおける上記リソースを割当てないよう制御するリソース管理制御部と、を有するリソース管理制御装置である。
【0015】
また、第5の発明は、第4の発明のリソース管理制御装置において、さらに、端末装置からセッション確立要求信号を受信して、受信した上記セッション確立要求信号に含まれる呼種情報に基づいて上記呼の呼種を識別してリソース割当判断部に通知すると共に、上記リソース割当判断部により上記呼に対し上記仮想パスにおける上記要求リソースの割当てが可能でないと判断された場合、上記要求リソースの割当てができないため上記呼の受付を許可できない旨を上記端末装置に通知する呼セッション制御部、を有するリソース管理制御装置である。
【0016】
また、第6の発明は、第4または第5の発明のリソース管理制御装置において、前記リソース管理制御部は、さらに、上記呼に対し上記仮想パスにおける上記要求リソースの割当てが可能であると判断し、上記呼に対し上記仮想パスにおける上記リソースを割当てた場合、上記仮想パスの上記閾値に対する上記リソースの新たな使用量の状態をオペレーションシステムへ通知する、リソース管理制御装置である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、仮想パスに対し各リソースを使用する各呼の使用可能範囲を呼種に応じて予め設定した閾値と、仮想パスにおける現在使用中のリソースの使用量と、仮想パスにおいて新規に確立を要求された呼の呼種と要求リソースとに基づいて、確立を要求された呼に対し仮想パスにおける要求リソースの割当てが可能であるか否かを判断し、要求リソースの割当てが可能であると判断した場合のみ、呼に対し仮想パスにおけるリソースを割当てるようにしたので、各リソースが枯渇した状態になることを未然に防止して、緊急呼や優先呼のためのリソースを確保し、緊急呼、優先呼等の優先度の高い重要呼の疎通率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明のリソース管理方法が適用される通信システムの構成例を示す接続図である。
【図2】図1に示すアクセスネットワークの構成例を示す接続図である。
【図3】図1における通信システムの動作例を示すシーケンスチャートである。
【図4】呼セッション制御部(CSCF)およびリソース管理部(RACS)内の詳細な構成例を示すフローチャートである。
【図5】呼セッション制御部(CSCF)およびリソース管理部(RACS)の動作例を示すフローチャートである。
【図6】(a),(b)、それぞれ、リソース管理部(RACS)のリソース割当判断部による帯域割当て判断処理例を説明するための図、帯域のリソースについて設定した閾値の一例を示す図である。
【図7】(a),(b)、それぞれ、リソース管理部(RACS)のリソース割当判断部によるメディアストリーム数割当て判断処理を説明するための図、メディアストリーム数のリソースについて設定した閾値の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、仮想パスに対し呼種(例えば、緊急呼、優先呼、一般呼などによる呼の種別、あるいはG.711呼、G.722呼、データ呼、映像呼などによる呼の種別、あるいはこれらの呼の組合せによる呼の種別)に応じて、例えば、帯域、メディアストリーム数等のリソース毎に、各リソースを使用する各呼の使用可能範囲を示す閾値を事前に設定しておき、設定した閾値以上にリソースが消費された場合は、呼を確立する際に呼種を識別し、リソースの割当てが可能か否かを判断するようにし、緊急呼、優先呼等の優先度の高い呼のため、リソースを確保できるようにしたリソース管理方法およびリソース管理制御装置である。
【0020】
以下、本発明のリソース管理方法およびリソース管理制御装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0021】
まず、本発明のリソース管理方法が適用される通信システムについて説明する。
【0022】
<通信システムの構成>
図1は、本発明のリソース管理方法が適用される通信システムの構成例を示す接続図である。
【0023】
図1において、本通信システムは、コアネットワーク1と、アクセスネットワーク2と、光ネットワーク部(ONU:Optical Network Unit)3と、境界ゲートウエイ部(BGF:Border Gateway Function)4と、本発明のリソース管理方法を実行する本発明の特徴であるリソース管理制御装置5と、端末装置6と、オペレーションシステム7とを有して構成されている。
【0024】
ここで、リソース管理制御装置5は、例えば、呼セッション制御部(CSCF:Call Session Control Function)51と、リソース管理部(RACS:Resource and Admission Control Subsystem)52と、を有している。
【0025】
光ネットワーク部(ONU)3はアクセスネットワーク2に接続され、境界ゲートウエイ部(BGF)4はコアネットワーク1、アクセスネットワーク2およびリソース管理部(RACS)52に接続され、リソース管理部(RACS)52は呼セッション制御部(CSCF)51、境界ゲートウエイ部(BGF)4およびオペレーションシステム7に接続され、呼セッション制御部(CSCF)51は境界ゲートウエイ部(BGF)4およびリソース管理部(RACS)52に接続され、端末装置6は光ネットワーク部(ONU)3に接続され、オペレーションシステム7はリソース管理部(RACS)52に接続されている。
【0026】
コアネットワーク1は、例えば、大容量のルータにより構成される転送ネットワークである。
【0027】
アクセスネットワーク2は、例えば、光ファイバや光ファイバをユーザ宅内まで分配するための伝送装置により構成される転送ネットワークである。構成については、図2により後述する。
【0028】
光ネットワーク部(ONU)3は、アクセスネットワーク2の終端装置である。
【0029】
境界ゲートウエイ部(BGF)4は、端末装置6、呼セッション制御部(CSCF)51およびリソース管理部(RACS)52との間でパケットの送受信を行うエッジルータ装置で、後述する図2に示すように、アクセスネットワーク2に関わるノード(Node3)41を有している。
【0030】
呼セッション制御部(CSCF)51は、本発明の特徴機能を有しており、SIP(Session Initiation Protocol)信号の送受信を行い、呼種(例えば、緊急呼、優先呼、一般呼などによる呼の種別、あるいはG.711呼、G.722呼、データ呼、映像呼などによる呼の種別、あるいはこれらの呼の組合せによる呼の種別)の識別を含むセッション制御機能を有するものである。詳細については後述する。
【0031】
リソース管理部(RACS)52は、本発明の特徴機能を有しており、アクセスネットワーク2を仮想パスとして管理すると共に、オペレーションシステム7から送信される呼種に応じて割当て可能なリソースの閾値を蓄積し、アクセスネットワーク2のリソースの管理や、境界ゲートウエイ部(BGF)4を制御する機能を有するものである。詳細については後述する。
【0032】
端末装置6は、通信サービスを利用するユーザが操作する発側の端末装置である。
【0033】
オペレーションシステム7は、呼種に応じて割当て可能なリソースの閾値を設定し、リソース管理部(RACS)52に対し送信する機能を有する保守運用通信システムである。
【0034】
なお、図面の都合上、アクセスネットワーク2、光ネットワーク部(ONU)3に接続された端末装置6等は1台しか示していないが、2台以上存在していても勿論よい。また、図1では、端末装置6と呼セッション制御部(CSCF)51との間、および他端末装置または他CSCFと呼セッション制御部(CSCF)51との間における、SIP信号であるセッション確立要求信号(INVITE)と応答信号(200OK)の送受信は、論理的表現により示している。
【0035】
<アクセスネットワーク2の構成>
図2は、図1に示すアクセスネットワーク2の構成例を示す接続図である。
【0036】
図2では、アクセスネットワーク2は、例えば、接続端末であるノード(Node1)21およびノード(Node2)22を有しており、光ネットワーク部(ONU)3と、ノード(Node1)21間の物理リンクを仮想パス1として抽象化し管理することを示している。同様にノード(Node1)21とノード(Node2)22間の物理リンクを仮想パス2とし、またノード(Node2)22とノード(Node3)41間の物理リンクを仮想パス3として抽象化し管理されている。
【0037】
<図1に示す通信システム全体の動作>
次に、上記のように構成された図1に示す通信システム全体の動作について、シーケンスチャートを参照して説明する。
【0038】
図3は、図1に示す通信システム全体の動作の一例を示すシーケンスチャートである。
【0039】
本通信システムでは、発側である端末装置6からリソース管理制御装置5に対しセッション確立要求信号(INVITE)(1)が送信され(T300)、リソース管理制御装置5の呼セッション制御部(CSCF)51が端末装置6からのセッション確立要求信号(INVITE)を受信すると、呼セッション制御部(CSCF)51は、リソース管理部(RACS)52に対し、端末装置6から送信された呼の確立を要求するセッション確立要求信号(INVITE)に含まれる呼種や、要求するリソース、すなわち要求リソースについて通知する(T305)。ここで、要求リソースとは、呼の確立に必要な帯域やメディアストリーム数等のリソースの種別や使用量等をいう。
【0040】
すると、リソース管理部(RACS)52は、呼セッション制御部(CSCF)51から通知された端末装置6からのセッション確立要求信号(INVITE)(1)に基づいて、呼種や要求リソースと、事前にオペレーションシステム7から送信され蓄積している仮想パスに対し各リソースを使用する各呼の使用可能範囲を呼種に応じて予め設定した閾値、すなわち呼種に応じて割当てられたリソースの閾値と、リソースの現在の使用量とを比較し、端末装置6から新規確立を要求された呼に対し要求リソースの割当てが可能か否かを判断する(T310)。
【0041】
ここで、リソース管理部(RACS)52は、確立を要求された呼に対し要求リソースの割当てが可能であると判断した場合、要求リソースの割当ての受付を許可し(T315)、境界ゲートウエイ部(BGF)4に対し、要求リソースの予約にともなうポート制御を行うよう通知する。そして、リソース管理部(RACS)52は、境界ゲートウエイ部(BGF)4からポート制御完了信号を受信すると、要求リソースの予約設定を行い(T320)、本予約にともなう要求リソースの予約設定の結果を、呼セッション制御部(CSCF)51に対し通知する(T325)。
【0042】
すると、呼セッション制御部(CSCF)51は、他端末装置あるいは他CSCFに対し、端末装置6からのセッション確立要求信号(INVITE)(2)を送信する(T330)。そして、呼セッション制御部(CSCF)51は、そのセッション確立要求信号(INVITE)(2)を受信した他端末装置あるいは他CSCFから応答信号(200OK)(1)を受信すると(T335)、リソース管理部(RACS)52に対し、セッションの確立が確定されたリソース、すなわち確定リソースの種類や使用量等を通知する(T340)。
【0043】
リソース管理部(RACS)52は、呼セッション制御部(CSCF)51から確定リソースを受信すると、確定リソースを蓄積し(T345)、境界ゲートウエイ部(BGF)4に対し、確定リソースの確保にともなうポート制御を行うよう通知し、境界ゲートウエイ部(BGF)4からポート制御完了信号を受信すると(T350)、リソース確保にともなうポート制御の結果である確保設定の結果を、セッション制御部(CSCF)51に対し通知する(T355)。
【0044】
呼セッション制御部(CSCF)51は、リソース管理部(RACS)52から確保設定の結果を受信すると、端末装置6に対し応答信号(200OK)(2)を送信する(T360)。
【0045】
以上のように、図1に示す本実施の形態の通信システムでは、リソース毎に各リソースを使用する各呼の使用可能範囲を呼種に応じて予め設定した閾値以上に各リソースが消費されている場合、一般呼等の優先度(重要度)の低い呼種についてはリソースの割当てを行わないようにすることにより、一般呼が大量に接続され、リソースが枯渇する状態を未然に防止して、緊急呼、優先呼等の優先度の高い呼のためリソースを確保することができる。
【0046】
<リソース管理制御装置5の詳細な構成および動作>
次に、本発明のリソース管理制御装置5の特徴部分である呼セッション制御部(CSCF)51およびリソース管理部(RACS)52の詳細な構成および動作について説明する。なお、本実施の形態では、リソースとして、帯域およびメディアストリーム数の2つを例に説明する。ただし、このリソースの例は、あくまで一例であり、リソースは、この2つに限られるものではない。
【0047】
図4は、図1に示す通信システムにおける呼セッション制御部(CSCF)51およびリソース管理部(RACS)52の構成例を示すブロック図である。なお、図4は、本発明に関係する部分のみを概念的に示している。
【0048】
<呼セッション制御部(CSCF)51の構成>
図4において、呼セッション制御部(CSCF)51は、SIP(Session Initiation Protocol)信号制御部511と、セッション管理制御部512と、呼種識別部513とを有している。
【0049】
SIP信号制御部511は、SIP信号であるセッション確立要求信号(INVITE)(1)や応答信号(200OK)(1)等を受信して、これらの信号をセッション管理制御部512に伝え、セッション管理制御部512から送られるこれら信号の処理結果にもとづきセッション確立要求信号(INVITE)(2)や応答信号(200OK)(2)等を送信する機能を有する。
【0050】
セッション管理制御部512は、SIP信号制御部511からセッション確立要求信号(INVITE)(1)が送られると、呼種識別部513に対しそのセッション確立要求信号(INVITE)(1)に基づいて呼種を識別するよう指示し、リソース管理部(RACS)52のリソース管理制御部521に対し呼の呼種および要求リソースを通知し、リソース管理制御部521から要求リソースの割当て処理の結果が通知されると、その要求リソースの割当て処理の結果をSIP信号制御部511に伝える機能を有する。
【0051】
また、セッション管理制御部512は、SIP信号制御部511から応答信号(200OK)(1)が送られると、リソース管理制御部521に対し確定リソースを通知し、リソース管理制御部521から確定リソースの処理の結果が通知されると、その確定リソースの処理の結果をSIP信号制御部511に伝える機能を有する。
【0052】
呼種識別部513は、セッション確立要求信号(INVITE)(1)に含まれる発信元や発信先の電話番号、加入者の契約条件、SIP信号に含まれるメディア情報等の呼種情報から呼種を識別する機能を有する。
【0053】
<リソース管理部(RACS)52の構成>
また、図4において、リソース管理部(RACS)52は、リソース管理制御部521と、リソース割当判断部522と、仮想パス帯域データ蓄積部523と、仮想パスメディアストリーム数データ蓄積部524と、BGF制御部525とを有している。
【0054】
リソース管理制御部521は、呼セッション制御部(CSCF)51のセッション管理制御部512から確立を要求されている呼の呼種および要求リソースが通知されると、リソース割当判断部522に伝える一方、リソース割当判断部522から当該呼に対し要求リソースの割当てが可能で、かつ、受付を許可することが通知されると、BGF制御部525に対し要求リソースの予約の設定を行うよう指示し、BGF制御部525からの予約設定の結果をセッション管理制御部512に対し送信する機能を有する。
【0055】
また、リソース管理制御部521は、セッション管理制御部512から確定リソースが通知されると、リソース割当判断部522に伝える一方、リソース割当判断部522から確定リソースを蓄積したことが通知されると、BGF制御部525に対し確定リソースの確保の設定を行うよう指示し、BGF制御部525からのリソース確保の結果をセッション管理制御部512に対し送信する機能を有する。なお、リソース割当判断部522は、確定リソースを蓄積することにより、リソースの使用量(消費量)を管理できることになる。
【0056】
リソース割当判断部522は、リソース管理制御部521から伝えられた確立しようとしている呼の呼種および要求リソースと、オペレーションシステム7から事前に送信され蓄積あるいは設定していた仮想パスに対し各リソースを使用する各呼の使用可能範囲を呼種に応じて予め設定した閾値、すなわち呼種に応じて割当て可能なリソースの閾値と、仮想パス帯域データ蓄積部523および仮想パスメディアストリーム数データ蓄積部524に蓄積された各リソース(帯域およびメディアストリーム数)の使用量(消費量)とを比較することにより、要求リソースの割当てが可能か否か、受付を許可できるか否かを判断する機能を有する。リソースの割当て判断処理の詳細については後述する。
【0057】
また、リソース割当判断部522は、確定リソースを、仮想パス帯域データ蓄積部523および仮想パスメディアストリーム数データ蓄積部524に蓄積する機能を有する。
【0058】
さらに、リソース割当判断部522は、オペレーションシステム7に、事前に設定した呼種に応じて割当て可能なリソースの閾値に対し、現在使用中のリソースは閾値を上回っている、あるいは下回っている、2つの閾値の間にある等の、閾値に対するリソースの新たな使用量の状態をオペレーションシステム7へ通知する機能を有する。これにより、オペレーションシステム7では、現在のリソースの負荷状態等を把握することができ、通信システムの最適な運用を行うことできる。
【0059】
仮想パス帯域データ蓄積部523は、仮想パス単位に、帯域の容量および現在使用中の帯域を管理し、蓄積する機能を有する。
【0060】
仮想パスメディアストリーム数データ蓄積部524は、仮想パス単位に、メディアストリーム数の容量および現在使用中の数を管理し、蓄積する機能を有する。
【0061】
BGF制御部525は、リソース管理制御部521から境界ゲートウエイ部(BGF)4に要求リソースの予約の設定を行うよう指示されると、境界ゲートウエイ部(BGF)4に予約リソースの予約にともなうポート制御を行うよう通知し、境界ゲートウエイ部(BGF)4からの予約にともなうポート制御の結果をリソース管理制御部521に伝える機能を有する。
【0062】
また、BGF制御部525は、リソース管理制御部521から境界ゲートウエイ部(BGF)4に対し確定リソースの確保の設定を行うよう指示されると、境界ゲートウエイ部(BGF)4に対し確定リソースの確保にともなうポート制御を行うよう通知し、境界ゲートウエイ部(BGF)4からの確定リソースの確保にともなうポート制御の結果をリソース管理制御部521に伝える機能を有する。
【0063】
<リソース管理制御装置5の詳細動作>
次に、図4に示す呼セッション制御部(CSCF)51およびリソース管理部(RACS)52の詳細な動作について、フローチャートを参照して説明する。
【0064】
図5は、呼セッション制御部(CSCF)51およびリソース管理部(RACS)52における詳細な動作例を示すフローチャートである。
【0065】
まず、端末装置6からSIP信号であるセッション確立要求信号(INVITE)(1)が送信されると、呼セッション制御部(CSCF)51のSIP信号制御部511がSIP信号を受信し(ステップ500)、受信したSIP信号がセッション確立要求信号(INVITE)であると識別すると(ステップ505“INVITE”)、受信したセッション確立要求信号(INVITE)(1)をセッション管理制御部512に送る。
【0066】
セッション管理制御部512では、セッション管理制御部512からセッション確立要求信号(INVITE)を受けると、呼種識別部513に対しそのセッション確立要求信号(INVITE)に基づいて、確立しようとしている呼の呼種の識別を指示する。ここで、呼種識別部513は、セッション確立要求信号(INVITE)(1)に含まれる発信元や発信先の電話番号、加入者の契約条件、SIP信号に含まれるメディア情報等の呼種情報に基づいて呼種を識別する。
【0067】
呼種識別部513が呼の呼種を識別し(ステップ510)、識別した呼の呼種をセッション管理制御部512に送ると、セッション管理制御部512は、呼の呼種および要求リソースをリソース管理部(RACS)52のリソース管理制御部521に対し通知する(ステップ515)。
【0068】
リソース管理部(RACS)52のリソース管理制御部521は、セッション管理制御部512から呼の呼種および要求リソースの通知を受けとると、リソース割当判断部522に対しセッション管理制御部512から呼の呼種および要求リソースの通知があったことを伝える。
【0069】
すると、リソース割当判断部522は、仮想パス帯域データ蓄積部523にアクセスし、帯域の割当てが可能か否かを判断すると共に(ステップ520)、続いて仮想パスメディアストリーム数データ蓄積部524にアクセスして、メディアストリーム数の割当てが可能か否かを判断する(ステップ525)。なお、リソース割当判断部522による、ステップ520の帯域割当て判断処理、およびステップ525のメディアストリーム数の割当て判断処理について、後述の図6および図7を参照して具体的に説明する。また、本実施の形態では、リソースとして、帯域とメディアストリーム数について判断しているが、これはあくまで一例であり、これ以外のリソースについて判断しても、さらには帯域またはメディアストリーム数のいずれか一方だけについて判断するようにしても勿論良い。
【0070】
そして、リソース割当判断部522は、帯域とメディアストリーム数の両リソースの判断結果に基づいて、呼の確立(受付)を許可できるか否かを判断し(ステップ530)、判断した結果をリソース管理制御部521に伝える。
【0071】
リソース管理制御部521は、リソース割当判断部522によって呼の確立(受付)が許可されたと判断された場合(ステップ530“YES”)、BGF制御部525に対し要求リソースの予約設定を行うよう指示すると共に(ステップ535)、呼セッション制御部(CSCF)51のセッション管理制御部512に対し要求リソースの予約設定を通知する(ステップ540)。
【0072】
セッション管理制御部512は、リソース管理制御部521から要求リソースの予約設定の通知を受けると、SIP信号制御部511に伝え、SIP信号制御部511は、セッション確立要求信号(INVITE)(2)を他端末装置あるいは他CSCFに対し送信する(ステップ545)。
【0073】
これに対し、ステップ530の判断において呼の確立(受付)が許可されなかった場合(ステップ530“NO”)、リソース管理制御部521は、呼セッション制御部(CSCF)51のセッション管理制御部512に対し、要求リソースの割当てができないため当該呼の受付を許可できない旨のエラーを通知し(ステップ550)、セッション管理制御部512は、そのエラー通知を受けると、SIP信号制御部511に伝え、SIP信号制御部511が、要求リソースの割当てができないため当該呼の受付を許可できない旨のエラーを端末装置6に対し通知する(ステップ555)。このエラー通知により、発側の端末装置6では、リソース不足により、要求リソースの割当てができないため、呼の受付が拒否されたことを認識することができる。
【0074】
一方、呼セッション制御部(CSCF)51のSIP信号制御部511が、セッション確立要求信号(INVITE)(2)を受信した他端末装置あるいは他CSCFからSIP信号を受信し(ステップ500)、受信したSIP信号が応答信号(200OK)(1)であると識別すると(ステップ505“200OK”)、応答信号(200OK)(1)をセッション管理制御部512に伝える。すると、セッション管理制御部512は、確定リソースをリソース管理部(RACS)52のリソース管理制御部521に対し通知する(ステップ560)。
【0075】
リソース管理制御部521は、セッション管理制御部512から確定リソースの通知を受けとると、リソース割当判断部522に伝える。すると、リソース割当判断部522は、仮想パス帯域データ蓄積部523にアクセスし、セッション確立が確定した帯域を蓄積し(ステップ565)、続いて仮想パスメディアストリーム数データ蓄積部524にアクセスして、セッション確立が確定したメディアストリーム数を蓄積し(ステップ570)、セッション確立が確定した帯域とメディアストリーム数を蓄積したことをリソース管理制御部521に伝える。
【0076】
すると、リソース管理制御部521は、BGF制御部525に対し確定リソースの確保設定を通知するように指示し(ステップ575)、BGF制御部525から確定リソースの確保設定通知の完了を通知されると、呼セッション制御部(CSCF)51のセッション管理制御部512に対し、確定リソースの確保設定の結果を通知する(ステップ580)。
【0077】
セッション管理制御部512は、リソース管理制御部521から確定リソースの確保設定の通知を受けると、SIP信号制御部511に伝え、SIP信号制御部511が応答信号(200OK)(2)を発側の端末装置6に対し送信する(ステップ585)。
【0078】
<帯域割当て判断処理>
次に、リソース割当判断部522による、図5に示すステップ520の帯域割当て判断処理の一例について、具体的に説明する。
【0079】
図6(a),(b)は、それぞれ、リソース割当判断部522による帯域割当て判断処理例を説明するための図、帯域のリソースについて設定した閾値の一例を示す図である。ここでは、アクセスネットワーク2の仮想パス3の帯域に、例えば、3つの閾値1〜3が設定されているものとしている。
【0080】
図6に示すように、リソース割当判断部522は、仮想パス帯域データ蓄積部523にアクセスし、仮想パス3における現在使用中の帯域が各閾値1〜3に対しどの位置にあるか、すなわち各閾値1〜3を上回っているか、あるいは下回っているか、さらには各閾値1〜3のどの間にあるか等の各閾値1〜3に対する状態を判断する。
【0081】
つまり、リソース割当判断部522は、仮想パス3における現在使用中の帯域が、まず、最小、すなわち3番目の閾値3を下回っているか否かを判断する。そして、閾値3を下回る場合には、仮想パス3における帯域に余裕があるので、図6(b)に示すように、G.711の呼(緊急呼、優先呼、一般呼)だけでなく、それ以外の確立しようとする全ての呼に対し制限をつけることなく、帯域を割当てるようにする。
【0082】
これに対し、仮想パス3における現在使用中の帯域が閾値3を上回る場合には、リソース割当判断部522は、続いて2番目に大きい閾値2を下回っているか否かを判断する。そして、現在使用中の帯域が閾値2を下回る場合には、図6(b)に示すように、現在の使用帯域は閾値2以下閾値3以上の場合であるので、G.711の呼(緊急呼、優先呼、一般呼)に対してのみ帯域を割当てるようにし、それ以外の映像呼やG.722呼等に対し捕捉不可として帯域を割当てないようにする。なお、図6(a)に示すように、仮想パス3における使用中の帯域が閾値2と閾値3との間にあり、新規に確立しようとする呼が使用する帯域が図6(a)に示す通りである場合、G.711の呼(緊急呼、優先呼、一般呼)に対してのみ帯域が割当てられる。
【0083】
次に、仮想パス3における現在使用中の帯域が閾値2を上回る場合、リソース割当判断部522は、続いて最大の閾値1を下回っているか否かを判断する。そして、現在使用中の帯域が閾値1を下回る場合には、図6(b)に示すように、現在の使用帯域は閾値1以下閾値2以上の場合であるので、確立しようとする呼がG.711の緊急呼、優先呼である場合のみ、帯域を割当てるようにする。
【0084】
そして、仮想パス3における現在使用中の帯域が閾値1を上回る場合、リソース割当判断部522は、図6(b)に示すように、呼種がG.711の緊急呼である場合のみ、帯域を割当てるようにする。
【0085】
なお、アクセスネットワーク2の仮想パス3の帯域に対する閾値1〜閾値3の設定は、データの容量に対する割合で指定しても、絶対値で指定しても可能であるとする。また、閾値1〜閾値3のように、閾値を3段階に設けることは、あくまで一例であり、2段階でも、4段階以上設けるようにしても勿論よい。
【0086】
<メディアストリーム数割当て判断処理>
次に、リソース割当判断部522による、図5に示すステップ525のメディアストリーム数の割当て判断処理について、具体的に説明する。
【0087】
次に、リソースとしてメディアストリーム数の割当て判断処理について説明する。
【0088】
図7(a),(b)は、それぞれ、リソース割当判断部522によるメディアストリーム数割当て判断処理を説明するための図、メディアストリーム数のリソースについて設定した閾値の一例を示す図である。ここでは、アクセスネットワーク2の仮想パス3のメディアストリーム数に、例えば、2つの閾値1,2が設定されているものとして説明する。
【0089】
つまり、リソース割当判断部522は、仮想パスメディアストリーム数データ蓄積部524にアクセスし、仮想パス3における現在使用中のメディアストリーム数が、小さいほうの閾値2を下回っているか否かを判断する。そして、現在使用中のメディアストリーム数が閾値2を下回る場合は、図7(b)に示すように仮想パス3における現在使用中のメディアストリーム数が閾値2以下の場合であるので、確立しようとする全ての呼に対し制限をつけることなくメディアストリーム数を割当てるようにする。
【0090】
次に、仮想パス3における現在使用中のメディアストリーム数が閾値2を上回っている場合、リソース割当判断部522は、続いて大きい方の閾値1を下回っているか否かを判断し、現在使用中のメディアストリーム数が閾値1を下回る場合には、図7(b)に示すように仮想パス3における現在使用中のメディアストリーム数が閾値1以下閾値2以上の場合であるので、確立しようとする呼がG.711の呼(緊急呼、優先呼、一般呼)に対してのみ割当て、それ以外の映像呼やG.722呼等に対し捕捉不可として帯域を割当てないようにする。なお、図7(a)に示すように、仮想パス3における使用中のメディアストリーム数が閾値1と閾値2との間にあり、新規に確立しようとする呼が使用するメディアストリーム数が図7(a)に示す通りである場合、G.711の呼(緊急呼、優先呼、一般呼)に対してのみメディアストリーム数が割当てられる。
【0091】
次に、仮想パス3における現在使用中のメディアストリーム数が閾値1を上回る場合、図7(b)に示すように閾値1以上の場合であるので、リソース割当判断部522は、続いて確立しようとする呼がG.711の緊急呼である場合のみ割当てるようにする。
【0092】
なお、アクセスネットワーク2の仮想パス3のメディアストリーム数に対する閾値1、閾値2の設定は、容量に対する割合で指定しても、絶対値で指定しても可能であるとする。また、閾値1、閾値2のように、閾値を2段階に設けることは、あくまで一例であり、3段階以上設けるようにしても勿論よい。
【0093】
従って、本実施の形態のリソース管理方法およびリソース管理制御装置によれば、仮想パスに対し各リソースを使用する各呼の使用可能範囲を呼種に応じて予め設定した閾値と、仮想パスにおける現在使用中のリソースの使用量と、仮想パスにおいて新規に確立を要求された呼の呼種と要求リソースとに基づいて、呼に対し仮想パスにおけるリソースが割当て可能であるか否かを判断し、呼に対し仮想パスにおけるリソースが割当て可能であると判断した場合のみ、呼に対し仮想パスにおけるリソースを割当てるようにしたので、呼種(例えば、緊急呼、優先呼、一般呼などによる呼の種別、あるいはG.711呼、G.722呼、データ呼、映像呼などによる呼の種別、あるいはこれらの呼の組合せによる呼の種別)等に応じて、例えば、帯域、メディアストリーム数等の各リソースの閾値を事前に設定することにより、例えば、一般呼が大量に接続され、リソースが枯渇するような状態を未然に防止して、リソース毎にリソース不足による緊急呼、優先呼等の優先度の高い呼を確立できないケースを減少させることができ、緊急呼、優先呼等の優先度の高い重要呼の疎通率を向上させることができる。
【0094】
また、本実施の形態のリソース管理方法およびリソース管理制御装置では、発側の端末装置6からセッション確立要求信号を受信して、受信したセッション確立要求信号に含まれる呼種情報に基づいて呼の呼種を識別すると共に、その呼に対し仮想パスにおける要求リソースの割当てが可能でないと判断された場合、要求リソースの割当てができないため当該呼の受付を許可できない旨を発側の端末装置に通知するようにしたので、発側の端末装置6では、リソース不足による呼の受付の拒否を認識することができる。
【0095】
また、本実施の形態のリソース管理方法およびリソース管理制御装置では、仮想パスに呼が割当て可能であると判断し、呼に対し仮想パスにおけるリソースを割当てた場合、閾値に対するリソースの新たな使用量の状態をオペレーションシステム7へ通知するようにしたので、オペレーションシステム7では、現在のリソースの負荷状態等を把握することができ、通信システムの最適な運用を行うことが可能となる。
【0096】
なお、本実施の形態では、リソースとして帯域とメディアストリーム数とを一例に説明したが、本発明では、リソースが帯域とメディアストリーム数に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0097】
1 コアネットワーク
2 アクセスネットワーク
3 光ネットワーク部(ONU:Optical Network Unit)
4 境界ゲートウエイ部(BGF:Border Gateway Function)
51 呼セッション制御部(CSCF:Call Session Control Function)
52 リソース管理部(RACS:Resource and Admission Control Subsystem)
521 リソース管理制御部
522 リソース割当判断部
6 端末装置
7 オペレーションシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想パスに対し各リソースを使用する各呼の使用可能範囲を呼種に応じて予め設定した閾値と、上記仮想パスにおける現在使用中のリソースの使用量と、上記仮想パスにおいて新規に確立を要求された呼の呼種と要求リソースとに基づいて、上記呼に対し上記仮想パスにおける上記要求リソースの割当てが可能であるか否かを判断するステップと、
上記呼に対し上記仮想パスにおける上記要求リソースの割当てが可能であると判断した場合、上記呼に対し上記仮想パスにおける上記リソースを割当てるステップと、
上記呼に対し上記仮想パスにおける上記要求リソースの割当てが可能でないと判断した場合、上記呼に対し上記仮想パスにおける上記リソースを割当てないステップと、
を有するリソース管理方法。
【請求項2】
請求項1記載のリソース管理方法において、さらに、
端末装置からセッション確立要求信号を受信して、受信した上記セッション確立要求信号に含まれる呼種情報に基づいて上記呼の呼種を識別するステップと、
上記呼に対し上記仮想パスにおける上記要求リソースの割当てが可能でないと判断された場合、上記要求リソースの割当てができないため上記呼の受付を許可できない旨を上記端末装置に通知するステップと、
を有するリソース管理方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載のリソース管理方法において、さらに、
上記呼に対し上記仮想パスにおける上記要求リソースの割当てが可能であると判断し、上記呼に対し上記仮想パスにおける上記リソースを割当てた場合、上記仮想パスの上記閾値に対する上記リソースの新たな使用量の状態をオペレーションシステムへ通知するステップ、を有するリソース管理方法。
【請求項4】
仮想パスに対し各リソースを使用する各呼の使用可能範囲を呼種に応じて予め設定した閾値と、上記仮想パスにおける現在使用中のリソースの使用量と、上記仮想パスにおいて新規に確立を要求された呼の呼種と要求リソースとに基づいて、上記呼に対し上記仮想パスにおける上記要求リソースの割当てが可能であるか否かを判断するリソース割当判断部と、
上記呼に対し上記仮想パスにおける上記要求リソースの割当てが可能であると判断した場合、上記呼に対し上記仮想パスにおける上記リソースを割当てる一方、上記呼に対し上記仮想パスにおける上記要求リソースの割当てが可能でないと判断した場合、上記呼に対し上記仮想パスにおける上記リソースを割当てないよう制御するリソース管理制御部と、
を有するリソース管理制御装置。
【請求項5】
請求項4記載のリソース管理制御装置において、さらに、
端末装置からセッション確立要求信号を受信して、受信した上記セッション確立要求信号に含まれる呼種情報に基づいて上記呼の呼種を識別してリソース割当判断部に通知すると共に、上記リソース割当判断部により上記呼に対し上記仮想パスにおける上記要求リソースの割当てが可能でないと判断された場合、上記要求リソースの割当てができないため上記呼の受付を許可できない旨を上記端末装置に通知する呼セッション制御部、を有するリソース管理制御装置。
【請求項6】
請求項4または請求項5記載のリソース管理制御装置において、
前記リソース管理制御部は、さらに、
上記呼に対し上記仮想パスにおける上記要求リソースの割当てが可能であると判断し、上記呼に対し上記仮想パスにおける上記リソースを割当てた場合、上記仮想パスの上記閾値に対する上記リソースの新たな使用量の状態をオペレーションシステムへ通知する、リソース管理制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−4732(P2012−4732A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−136318(P2010−136318)
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】