説明

リニア駆動LED発光装置を備えたカメラ付き携帯電話

【課題】 本発明はカメラ付き携帯電話に関し、特にLED発光装置の照射角を適切に制御することができ、被写体との離間距離に合わせた照明ができるリニア駆動LED発光装置を備えたカメラ付き携帯電話に関する。
【解決手段】 発光部の筐体に被写体側固定レンズ、可動レンズ及びLED素子を設け、リニアモーター機構による可動レンズの移動に伴って、被写体側固定レンズの前方に投射される光束の投射角が調整されるように構成したことを特徴とし、且つ、オートフォーカス撮像部の出力信号に基づき制御部を介して発光部のリニアモーターの駆動を制御するように構成したことを特徴とするリニア駆動LED発光装置を備えたカメラ付き携帯電話を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカメラ付き携帯電話に関し、特にLED発光装置の照射角を適切に制御することができ、被写体との離間距離に合わせた照明ができるリニア駆動LED発光装置を備えたカメラ付き携帯電話に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機等の小型の電子機器にカメラを搭載した機器が普及しており、例えば下記の先行技術文献等が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特開2008−122465
【特許文献2】 特開2008−224915
【特許文献3】 特開2007−108427
【0004】
前記せる特開2008−122465号公報及び特開2008−224915号公報はいずれも携帯電話に搭載する撮像装置のレンズ駆動装置に関するものであり、レンズの駆動装置において、ズーム機能及びフォーカス機能を有するものである。
【0005】
また、ズームレンズホルダ駆動手段とフォーカスレンズホルダ駆動手段とを備え、それぞれの駆動軸の基端にピエゾ素子の振動子が固定され、ピエゾ素子にパルス電流を通電して生じる振動子の振動で駆動軸を軸線方向に振動させることにより、レンズホルダーを光軸方向に移動するものであった。
【0006】
しかしながら、撮像装置を適切に機能させるには撮像系のフォーカス機能と共に、必要とされるフラッシュ機能が被写体に対して適切に照射される必要があった。
【0007】
このフラッシュ光を被写体に対して適切に照射するための装置が、前記せる引用文献3の特開2007−108427に開示されている。
【0008】
これは光源からの光が液晶レンズを経て被写体に照射されるものであり、液晶レンズに電圧を印加して液晶レンズの倍率を変化させて、照射角の調整を行うものであった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前記せる引用文献1,2の公報はいずれも撮像装置に限定したレンズの駆動源をピエゾ振動子に依存するものであり、前記せる引用文献3では、液晶レンズに電圧を印加して液晶レンズの倍率を変化させて、照射角の調整を行うものであったが、撮像には被写体に対する適切な照明が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は前記せる課題を解決するために鋭意研究の結果発明されたものであり、発光部の筐体に被写体側固定レンズ、可動レンズ及びLED素子を設け、リニアモーター機構による可動レンズの移動に伴って、被写体側固定レンズの前方に投射される光束の投射角が調整されるように構成したことを特徴とし、且つ、オートフォーカス撮像部の出力信号に基づき制御部を介して発光部のリニアモーターの駆動を制御するように構成したことを特徴とするリニア駆動LED発光装置を備えたカメラ付き携帯電話を提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明のリニア駆動LED発光装置を備えたカメラ付き携帯電話によれば、被写体側固定レンズの前方に投射される光束の投射角を、オートフォーカス撮像部の信号に対応して調整できるので、被写体に対する好適なフラッシュ効果を付与することができ、撮影画像も鮮明になる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係るリニア駆動LED発光装置を備えたカメラ付き携帯電話の背面図である。
【図2】本発明に係るリニア駆動LED発光装置を備えたカメラ付き携帯電話の正面図である。
【図3】本発明に係るリニア駆動LED発光装置を備えたカメラ付き携帯電話の側面図である。
【図4】リニア駆動LED発光装置の断面図である。
【図5】本発明に係るリニア駆動LED発光装置を備えたカメラ付き携帯電話の要部の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0013】
以下、本発明のリニア駆動LED発光装置を備えたカメラ付き携帯電話を図面に示す実施例に基づいて説明する。図面において、図1は本発明に係るリニア駆動LED発光装置を備えたカメラ付き携帯電話の背面図である。図2は本発明に係るリニア駆動LED発光装置を備えたカメラ付き携帯電話の正面図である。図3は本発明に係るリニア駆動LED発光装置を備えたカメラ付き携帯電話の側面図である。図4はリニア駆動LED発光装置の断面図である。図5は本発明に係るリニア駆動LED発光装置を備えたカメラ付き携帯電話の要部の構成図である。
【0014】
撮影に際し、スタンバイ操作部4の操作を行い、オートフォーカス撮像部21が準備され、発光部3の準備が完了し、リニアモーター機構30によって被写体との離間距離に対応する位置に可動レンズ33が移動する。次いでシャッター操作部41の操作をする。
【0015】
発光部3の筐体31には被写体側固定レンズ32、可動レンズ33及びLED素子37を設けられており、上記せるように、リニアモーター機構30によって可動レンズ33を移動させることができる。
【0016】
可動レンズ33はレンズホルダー36に保持されており、該レンズホルダー36には駆動コイル35が一体的に設けられており、この駆動コイル35に対応する筐体31の内側にマグネット34が固定されている。
【0017】
リニアモーター機構30では、駆動コイル35に電流を供給することにより、光軸に沿って被写体側固定レンズ32の方向に可動レンズ33が移動する。
【0015】
LED素子37からの光束は可動レンズ33を経て被写体側固定レンズ32の前方へ投射される。
【0018】
この状態で、光束は図3乃至図4に示すように、広角投射角Wになり、近い被写体を撮影する場合にフラッシュ効果がある。
【0019】
可動レンズ33がLED素子37の近くへ移動すれば、光束は図3乃至図4に示すように、集光投射角Zになり、比較的遠景の撮影に適するようになる。
【0020】
オートフォーカス撮像部の出力信号に基づき制御部22を介して発光部3のリニアモーターの駆動を制御するように構成されているので、被写体の離間距離に対応したフラッシュ照明が可能になっている。
【符号の説明】
【0021】
1.携帯電話
2.カメラ
21.オートフォーカス撮像部
22.制御部
3.発光部
30.リニアモーター機構
31.筐体
32.被写体側固定レンズ
33.可動レンズ
34.マグネット
35.駆動コイル
36.レンズホルダー
37.LED素子
4.スタンバイ操作部
41.シャッター操作部
W.広角投射角
Z.集光投射角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光部の筐体に被写体側固定レンズ、可動レンズ及びLED素子を設け、リニアモーター機構による可動レンズの移動に伴って、被写体側固定レンズの前方に投射される光束の投射角が調整されるように構成したことを特徴とするリニア駆動LED発光装置を備えたカメラ付き携帯電話。
【請求項2】
オートフォーカス撮像部の出力信号に基づき制御部を介して発光部のリニアモーターの駆動を制御するように構成したことを特徴とする請求項1記載のリニア駆動LED発光装置を備えたカメラ付き携帯電話。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−133836(P2011−133836A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−299561(P2009−299561)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(591038152)進展産業株式会社 (17)
【Fターム(参考)】