説明

リバースリンク初期パワー設定

【課題】無線通信システムでの資源の活用を向上させる。
【解決手段】パイロット情報を含む基準信号が、パイロットチャネル上で基地局から1つまたは複数のフィールド装置に伝送される。また、メッセージは、基準信号がパイロットチャネル上で伝送される有効放射パワーレベルを示すために、ページングチャネル上でフィールド装置にも送信される。フィールド装置での基準信号の受信パワーレベル及び基準信号の有効放射パワーレベルに基づき、フォワード経路損失が、基地局とフィールド装置間のフォワードリンクについてフィールド装置で推定される。リバースリンクでの経路損失が該推定されるフォワードリンク経路損失とほぼ同じであると仮定して、フィールド装置は、基地局が通常所望されるパワーレベルでメッセージを受信するように、リバースリンクで応答メッセージを伝送することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、リバースリンク初期パワー設定に関する。
【背景技術】
【0002】
多数のユーザが共有無線チャネル上で送信する為に特定のプロトコールが開発された。例えば、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11 規格は、Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance (CSMA/CA)として知られる方法に基づいて無線チャネルへのアクセスを一般的にサポートする。
【0003】
簡単に言うと、この方法は「話す前に聞く(listen before talk)」方式によるものと言える。送信装置は、共有無線チャネル上の交信をモニタリングすることにより、別の送信装置が現在同じチャネル上で送信しているか否かを判断する。若し、無線チャネルがその時使用されている場合、送信装置は引き続きそれが終わる迄チャネルをモニタリングする。無線チャネルが終了すると次に送信器は、この無線チャネル上で送信を行なう。
【0004】
理想的には、別の送信装置が同時に送信することはない。然し、2つ以上の送信装置が無線チャネル上で同時に送信する時には、その無線チャネル上で衝突が起きる。従って、何れのメッセージ送信も不明確となり、両者の送信装置はそれらのメッセージを再び該当の目標装置に向かって再送信せねばならない。
【0005】
このCSMA/CA方式によれば、衝突によるデータの再送信は、最小のタイムギャップの前には起こり得ない。最小のタイムギャップが経過した後、送信装置は、無線チャネルが送信可能であるか否かを判断する為に無線チャネルが再びモニタリングされる前の待ち時間であるランダムな「バックオフ間隔(backoff interval)」を選択する。チャネルがまだ塞がっている時には、その後のメッセージ送信の為に改めてより短い「バックオフ間隔」が選ばれる。このプロセスは、送信装置がデータを送信することが出来る迄反復される。
【0006】
共有無線チャネル上でデータを送信する為の別の規格は、多数のフィールドユニットが同時に送信することの出来るIS−95に基づいている。
【0007】
IS−95規格は、フィールドユニットからのメッセージがベースステーション(基地局)に於いて検出することの出来る出力レベルで送信される迄フィールドのRFパワーを漸増する方法を示唆する。この方法によれば、フィールドユニットは、リバースリンク上のワイヤレス資源の割り当ての為にベースステーションにアクセス要求メッセージを送信する。
【0008】
アクセスチャネル上でアクセス要求メッセージを送信した後、フィールドユニットは、ベースステーションからアクセス要求メッセージが正しく受信されたことを示す確認メッセージのためのページングチャネルをモニタリングする。確認メッセージが要求中のフィールドユニットに送信されぬ時には、フィールドユニットからのメッセージは適切な出力レベルで送信されなかったと推測される。即ち、フィールドユニットの出力レベルが極めて低いので、ベースステーションは、以前に送られたアクセス要求メッセージを検出しなかった。アクセス要求メッセージは、次により高い出力レベルでアクセスチャネルを介して再送信される。
【0009】
このプロセスは、ベースステーションがメッセージを正しく受信できる充分な出力レベルでフィールドユニットがメッセージを送信する迄その後反復される。IEEE802.11規格と同様に、衝突は、2つ以上のフィールドユニットが同時にメッセージを送信する時に共有無線チャネル上で起きることがある。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、一般的に、無線通信システムでの資源の活用を向上させるための装置及び方法に向けられている。例示的な実施態様では、基準信号は第1トランシーバから第2トランシーバまたは目標トランシーバのグループに伝送される。第1トランシーバは、第1トランシーバが基準信号を伝送する有効放射パワーレベルを示す情報を含む第1メッセージも伝送する。それから、第1トランシーバと第2トランシーバ間の経路損失を推定するために、第2トランシーバで基準信号の受信パワーレベルが測定される。より具体的に言えば、経路損失は、基準信号の受信パワーレベルを第1メッセージによって示される有効放射パワーレベル情報と比較することによって計算できる。
【0011】
要すれば(オプションで)、第2メッセージが、第1トランシーバから第2トランシーバに送信される。この第2メッセージは、リバースのそれ以後のメッセージが第1トランシーバで受信さるべき所望パワーレベルを示す情報を含むことがある。
【0012】
一定の用途では、第1トランシーバと第2トランシーバ間のフォワード経路損失は、第2トランシーバから第1トランシーバに戻るメッセージ伝送についてのリバース経路損失とほぼ同じである。結果的に、第2トランシーバは、前述されたように、第1トランシーバが、推定される経路損失を考慮に入れて、所望のパワーレベルでメッセージを受信するようにそのパワー出力レベルを調整できる。言うまでもなく、経路損失は、リバースリンク方向で、フォワードリンクの経路損失と異なることがあり、第2トランシーバがメッセージを伝送する推定パワー設定値は、それ以後のメッセージを伝送するための開始点となることがある。例えば、第2トランシーバのパワー出力レベルは、第1トランシーバがメッセージを検出するまで、それ以後のメッセージ伝送について増加することができる。
【0013】
本発明の特定の用途では、基準信号は、CDMA(符号分割多元接続)通信システムのパイロットチャネル上で伝送される。基準信号自体は、オプションで、第2トランシーバで監視されるパイロット記号などのマーカを含む。第1トランシーバによって伝送されるような第1メッセージは、ページングチャネル上で伝送されるが、第2トランシーバから第1トランシーバへの応答メッセージは、複数のトランシーバが第1トランシーバにメッセージを伝送するために競合するアクセスチャネル上で伝送できる。アクセスチャネルは、要すれば、トランシーバが第1トランシーバにメッセージを送信するタイムスロットに分割される。
【0014】
アクセスチャネル上で伝送できるあるメッセージタイプが、アクセス要求メッセージである。このようなメッセージは、第1トランシーバと第2トランシーバ間に正式の通信リンクが確立されなければならない旨の第1トランシーバに対する表示である。結果的に、正式の通信リンクは、より効率的でオンデマンドのデータ転送をサポートするために割り当てることができる。
【0015】
アクセス要求メッセージは、要すれば、それが時間整合情報を含むように符号化される。例えば、第1トランシーバはタイミングマーカを含むアクセス要求メッセージなどの応答メッセージを分析し、応答がタイムスロット内で適切に伝送されるかどうかを示すフィードバックを提供できる。他の種類の応答メッセージは、時間整合のための基準マーカも含むことができる。1つの用途では、基準マーカは1つまたは複数のパイロット記号などのパイロット情報を含む文字列である。
【0016】
応答メッセージのタイミングを監視することに加え、応答メッセージの受信パワーレベルは、トランシーバがメッセージを所望のパワーレベルで受信されるように伝送しているかどうかを判断するために監視される。これは、応答メッセージが受信されるパワーレベルを、応答メッセージが受信されるべき所望パワーレベルと比較することによって達成できる。この比較に基づき、要すれば、パワー調整メッセージが対応する目標トランシーバに伝送される。したがって、第2トランシーバから第1トランシーバへのそれ以後のメッセージ伝送は、同時に無線通信システムの運転状態に基づいて最適に調整できる。
【0017】
本発明の一定の態様は、同一チャネル混信を削減し、一般的には無線通信システムのスループット機能(処理機能)を高める。前述のように、フィールド装置の初期パワー出力レベルは、それが初期にメッセージを伝送するとき、あるいはそれ以後のメッセージを伝送するときに、他と最小限に干渉するように調整できる。アクセスチャネルなどの割り当てられたチャネルでのメッセージ伝送が最小限に抑えられるとき、さらに多くの無線資源を、無線通信システムでのより高速なデータ転送をサポートするために割り当てることができる。
【0018】
言うまでもなく、フィールド装置の初期パワー出力レベルは非常に低いので、メッセージ伝送は基地局などの目標デバイスで検出されない。このケースでは、パワー出力レベルは、メッセージが目標トランシーバで検出されるまで、それ以後のメッセージ伝送のために相応して高めることができる。パワーレベルを増分して高めるこのプロセスは、特に、トランシーバのパワー出力が、考えられる最低のパワーレベルで伝送を開始する場合、時間のかかるプロセスとなる。したがって、基地局などの目標受信機にメッセージを無事に伝送するには、かなりの量の時間を要することがある。
【0019】
本発明の原理は、無線通信システムの他のチャネルと最小限に干渉しながら、メッセージを基地局に伝送するのに要する有効時間を同時に削減するために使用できる。これは、少なくとも部分的には、フィールド装置と基地局間の経路損失を近似し、メッセージが基地局で所望のパワーレベルで受信されるようにメッセージをフィールド装置から伝送することにより達成される。フィールド装置の初期パワー設定値は、目標受信機へのデータ伝送のための検出可能なパワーレベルにほぼ設定されるため、それは、一般的には、メッセージが最終的に検出されるように、パワーを増分して高めることで、目標受信機に初期メッセージを伝送する時間が短くて済む。
【0020】
発明の前記の及び他の目的、特徴及び優位点は、類似する参照文字がさまざまな図全体で同じ部分を参照する添付図面で描かれた発明の好ましい実施態様の以下の説明から明らかである。図面は必ずしも一定の比率に拡大されておらず、代わりに発明の原理を示すことに重点が置かれている。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の或る原理により示されるワイヤレス通信システムのブロックダイアグラムである。
【図2】本発明の或る原理によりメッセージが送信される多数のチャネルを示すタイミング図である。
【図3】本発明の或る原理によりタイムスロット化されたチャネルの中でデータフィールドの使用を示すタイミング図である。
【図4】本発明の或る原理によるメッセージの詳細を示す図である。
【図5】本発明の或る原理による目標受信器に於けるメッセージの処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の或る原理による目標受信器へのメッセージの送信を示すフローチャートである。
【図7】本発明の或る原理によりメッセージが送信される多数のチャネルを示すタイミング図である。
【図8】本発明の或る原理によるモニタリングされる基準信号を示す図である。
【図9】本発明の或る原理による送信装置の初期パワー出力レベルの設定を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[好ましい実施形態の詳細な説明]
本発明の好ましい実施形態が、次に記載される。
図1は、本発明の或る構成による多数の割り当てられた通信チャネル上のデータ情報の送信をサポートするワイヤレス通信システムを示すブロックダイアグラムである。多くのワイヤレス通信システムに於ける様にユーザは、ワイヤレス帯域幅割り当てをめぐって競合する。従って、ワイヤレス通信10は、データスループットおよび一定の用途ではデータスループットの高速バーストのために最適化されることが望ましい。
【0023】
本発明の或る構成は、ワイヤレスチャネル上で送信するフィールドユニットのパワー出力が、同じ汎用ワイヤレス空間を用いる他のフィールドユニットへの妨害が最小になる様に制御出来るという認識に基づいている。特に新たに送信するフィールドユニットのパワー出力レベルは、最初極めて低く設定される為にベースステーションは、フィールドユニットにより送信されるメッセージを検出出来ぬことがある。フィールドユニットのこの最初の低いパワー設定は、同一チャネル内の妨害を減少させる。何故ならば送信装置は高いパワーレベルで送信していないからである。ベースステーションとのその後の通信の試みの間、フィールドユニットのパワー出力は、次にメッセージがベースステーションに於いて確認される迄漸増される。
【0024】
或る用途では、一つ又は多数のフィールドユニットは第1の割り当てられたチャネル上でメッセージを無作為的に送信する。2つのフィールドユニットがメッセージをこの第1の割り当てられたチャネル上で同時に送信する時には、ベースステーションに於いてメッセージの衝突が起こり得る。ベースステーションは、メッセージがフィールドユニットにより送信され、メッセージの衝突の起きたことを検出することが可能である。然し、ベースステーションは、メッセージの内容を解読し、何れのフィールドユニットからメッセージが送信されたことを判定することが出来ない場合もある。従って或る状況では、ベースステーションは特定のフィールドユニットに向けられている、以前のメッセージ送信について衝突が起きたことを示すメッセージを送信することは出来ない。
【0025】
本発明の一つの構成は、衝突が検出されたことを示す一般的なフィードバック情報をフィールドユニットに提供することを含む。従って、以前に検出されなかったメッセージは、フィールドユニットにより再送信されることが出来る。衝突が検出されず、又フィールドユニットにより確認が受け取られぬ時には、フィールドユニットはその後のメッセージ送信のためにパワー出力設定を順次漸増することが可能であり、メッセージがベースステーションにより確実に確認されるまで続けられる。
【0026】
好ましい実施形態の下記の記述によれば、通信システム10は、共有チャネル資源を利用するCDMA無線チャネルの様なワイヤレス通信リンクとして記載される。然し、ここで記載される技法は、共有アクセスをサポートする他の用途に於いて適用することが出来ることに留意されたい。例えば、本発明の原理は、電話接続、コンピュータネットワーク接続、ケーブル接続、又はデータチャネルの様な資源の割り当てが要求に応じて認可される様な他の物理的メディアに適用されることが出来る。
【0027】
図示される様に、通信システム10は、多くのパーソナルコンピュータ(PC)装置12−1、12−2、・・・12−h、・・・、12−m、対応するフィールドユニット、又はターミナル14−1、14−2、・・・、14−h、・・・、14−mおよび関連する指向性アンテナ装置16−1、16−2、・・・、16−h、・・・、16−mを包含する。中央に位置する装置は、ベースステーションアンテナ18、および高速処理資源を含む対応するベースステーション20を含む。
【0028】
ベースステーション20および関連のインフラストラクチャは、ネットワークゲートウェイ22、インターネットの様なネットワーク24およびネットワークファイルサーバ30との間の交信接続を提供する。通信システム10は、(好ましくはデマンドアクセス、フォワードリンク40およびリバースリンク50を介して実施された双方向ワイヤレス接続を含むロジカル接続に基づくネットワークサーバ30との間にPC装置12がデータをやり取りすることの出来る様なマルチポイントワイヤレス通信システムへのポイントである。)即ち、図示されるようにマルチポイント多元アクセスワイヤレス通信システム10に於いて、特定のベースステーション20は、通常多数の異なるフィールドユニット14との携帯電話通信ネットワークに似た方法での通信をサポートする。従ってシステム10は、デジタル情報が多数の移動する携帯電話ユーザとインターネットの様なハードワイヤードネットワーク24との間で必要に応じて中継されるCDMAワイヤレス通信システムのためのフレームワークを提供する。
【0029】
PC装置12は、通常ラップトップコンピュータ、手持ち式装置、インターネット機能を持つ携帯電話、携帯情報端末(PDA)型のコンピュータ、デジタルプロセッサ、又は他のエンドユーザ装置であるが、ほぼあらゆるタイプの処理装置はPC装置12の代わりに用いることが出来る。一つ、又は複数のPC装置12は、夫々該当の加入者装置14にイーサーネット型接続の様な適切なハードワイヤード接続を介しケーブル13を用いて接続される。
【0030】
各フィールドユニット14は、付随のPC装置12がネットワークファイルサーバ30にアクセスすることを可能にする。リバースリンク50方向、即ちPC12からサーバ30に向かって送信されるデータトラフィックに関して、PC装置12は情報を、例えばインターネットプロトコル(IP)レベルネットワークパケットに基づいてフィールドユニット14に送信する。フィールドユニット14は、次にデータパケットを通信システム10のワイヤレスリンクを介して送信することが出来る様にワイヤードフレーミング、即ちイーサーネットフレーミングを適切なワイヤレス接続フレーミングを用いてカプセル化する。選択されたワイヤレスプロトコルに基づき、適切にフォーマットされたワイヤレスデータパケットは、次にフィールドユニットアンテナ16を通りベースステーションアンテナ18までのリバースリンク50を備える無線チャネルの一つを介して移動する。中央のベースステーション位置に於いては、ベースステーション20は次に無線リンクフレーム(framed)データパケットを抽出し、パケットをIPフォーマットに再フォーマットする。パケットは、次にゲートウエー22および任意の数、又はタイプのネットワーク24を通りネットワークファイルサーバ30の様な最終の目的場所に接続される。
【0031】
或る用途では、PC装置12により生成された情報はTCP/IPプロトコルに基づくものである。従って、PC装置12は、インターネットで利用可能なウェブページの様なデジタル情報へのアクセスを持つ。他のタイプのデジタル情報は、本発明の原理に基づいて通信システム10のチャネルを介して送信されることに留意されたい。
【0032】
データ情報は、又フォワードリンク40上をネットワークファイルサーバ30から複数のPC12に向かって送信されることが出来る。この場合、ファイルサーバ30に起源をもつIP(インターネットプロトコル)パケットの様なネットワークデータは、ネットワーク24上をゲートウエー22を介して移動して、最終的にベースステーション20に到達する。リバースリンクデータ送信について上述されたように、適切なワイヤレスプロトコルフレーミングが、次にワイヤレスフォワードリンク40上でパケットの通信の為にIPパケットの様な生データに加えられる。新たにフレーム化されたパケットは、次にRF信号を介してベースステーションアンテナ18およびフィールドユニットアンテナ16を通り意図された目標フィールドユニット14に向かって移動する。適切な目標フィールドユニット14は、ワイヤレスパケットプロトコル層を解読し、パケット、又はデータパケットをIP層処理の様な追加処理を行う意図されたPC装置12に送る。
【0033】
従って、特定のPC装置12およびファイルサーバ30は、IPレベルでの論理接続の終点として見ることが出来る。ベースステーションプロセッサ20と対応するフィールドユニット14との間に接続が形成されると、PC装置12のユーザは、次にファイルサーバ30との間でデータを必要時にのみやり取りすることが出来る。
【0034】
リバースリンク50は、各種のタイプの論理および/又は物理的ワイヤレスチャネル、例えばアクセスチャネル51、複数のトラフィックチャネル52−1、・・・、52−mおよびメンテナンスチャネル53をオプションで含む。リバースリンクアクセスチャネル51は、通常、ベースステーション20によるトラフィックチャネルの割り当てを要求する為に加入者装置14により使用される。例えば、トラフィックチャネル52は、必要に応じてユーザに割り当てることが出来る。リバースリンク50に於ける割り当てられたトラフィックチャネル52は、次にペイロードデータをフィールドユニット14からベースステーション20に搬送する。
【0035】
とりわけ、ベースステーション20とフィールドユニット14との間の特定のリンクは、特定の瞬間に於いて一つ以上のトラフィックチャネル52をそれ自体に割り当てることが出来る。これにより情報の伝達は高速で可能となる。
【0036】
メンテナンスチャネル53は、リバースリンク50およびフォワードリンク40上でデジタル情報の送信を更にサポートする為に同期化およびパワー制御メッセージの様なメンテナンス情報を伝達する為に用いられる。
【0037】
フォワードリンク40は、フィールドユニット14にそれ自体に一つ又は多数のフォワードリンクトラフィックチャネル42がフォワードリンクデータ送信の為に割り当てられたというような一般情報を通知する為にベースステーション20により使用されるページングチャネル41を含む。フォワードリンク40上のトラフィックチャネル41−1、・・・、42−nは、ペイロード情報をベースステーション20から対応する目標加入者装置14に搬送する為に用いられる。
【0038】
メンテナンスチャネル43は、フォワードリンク40上でベースステーションプロセッサ20からフィールドユニット14に同期化およびパワー制御情報を送信する為に用いられる。更に、ページングチャネル41は、フィールドユニット14にリバースリンク50の方向に於いて割り当てられたトラフィックチャネル52を通知する為に用いることが出来る。
【0039】
フォワードリンク40のトラフィックチャネル42は、時分割多重方式(Time Division Multiplexing Scheme)に基づいて多数の加入者装置14の間で共有される。特に、フォワードリンクトラフィックチャネル42は、ベースステーション20から多数の加入者装置14へのデータパケットの送信の為に所定数の周期的に反復するタイムスロットにオプションで分割される。特定の加入者装置14は、随時使用の為に割り当てられる多数のタイムスロットを持ち、或いは持つことが出来ないものと理解される可きである。或る用途では、全てのタイムスロット化されたフォワード、又はリバースリンクトラフィックチャネルを、連続ベースで特定のフィールドユニット14により使用される為に割り当てることが出来る。
【0040】
図2は、本発明の或る原理によってメッセージがベースステーション20とフィールドユニット14との間で送信される多数のチャネルを示すタイミング図である。図示される様にフィールドユニット14は、メッセージをベースステーション20にアクセスチャネル51の様な専用のチャネルを経て送信することが出来る。アクセスチャネル51は、フィールドユニット14からベースステーション20へのアクセス要求メッセージの送信をサポートする。アクセス要求メッセージは、高速双方向通信リンクのためのフィールドユニット14による要求を示すことが出来る。
【0041】
アクセスチャネル51を介したメッセージ送信は、アクセス要求タイプメッセージに限定される必要はない。例えば、アクセスチャネル51は他のタイプのメッセージをサポートする為に構成され得る。
【0042】
図2に示される様に図示されたタイミング図に於いて、アクセスチャネル51は、周期的に反復するタイムスロット210にオプションで分割され、そのタイムスロット210においてメッセージがフィールドユニット14からベースステーション20に送信される。特に、継続時間が26.6mSであるエポックは、図示されるようにタイムスロット♯0およびタイムスロット♯1を含む様に分割される。この用途では、一つのフィールドユニット、又は多数のフィールドユニット14は無作為的にメッセージをベースステーション20にエポックの何れかのタイムスロットに於いて送ることが出来る。フィールドユニット20がその中でメッセージを送信することの出来る多数のタイムスロット210を提供することは、2つの無作為的に送信するフィールドユニット14がメッセージを同じタイムスロット210の中で送信する可能性を減少させる。用途如何によっては、フィールドユニット14は、メッセージが特定のタイムスロット210の中で送信されることが出来る様にパイロットチャネル44を用いてベースステーション20に同期化されることが出来る。
【0043】
衝突が起きる、即ち2つのフィールドユニット14がメッセージを同じタイムスロット210の中で送信する時には、このようなメッセージのためにアクセスチャネル51をモニタリングする装置は、送信されたいづれのメッセージの内容を正しく解読することが出来ないことがある。この状況の表示は、フィールドユニット14に送信される。
【0044】
フィードバックチャネル45は、ベースステーション20がフィードバックメッセージ230をフィールドユニット14に送ることの出来る様に設けられている。図示されるように、フィードバックチャネル45の少なくとも一部は、前のエポックに於いてアクセスチャネル51上でメッセージの衝突が起き、詳細にはメッセージの衝突が特定のタイムスロット210で生じたか否かには関係なく集団的なフィールドユニット14に一般メッセージを送信する為に確保されている。
【0045】
フィードバックメッセージ230は、オプションでコード化された情報、又は単一ビットのシーケンスであり、タイムスロット210においてベースステーション20に送信されたメッセージが衝突を起こしたか否かを示す。図示される様に、多数のフィードバックメッセージ230は、エポック、又は半エポックの様な特定の継続時間内に生成されることが出来る。例えば、フィードバックメッセージ230の様なフィードバック情報は、エポックN+1の継続時間A内に送信されることにより、ベースステーション20のエポックNのタイムスロット♯0に於けるメッセージ210の受信に対して衝突が起きたことを示すことが出来る。詳細には、継続時間Aの3つのフィードバックメッセージ230の各々に於いて送信された論理1は、衝突が検出されたことを示すのに対し、論理0設定は、衝突の起きなかったことを示すことが出来る。
【0046】
継続時間Aにわたり図示される様に間隔を隔てた多数のフィードバックメッセージ230を送信することは、或る程度の冗長をもたらす。例えば、継続時間Aの様な特定の継続時間内に送信された多数のメッセージ230は、フィールドユニット14に衝突が起きたか否かを正しく知らせる機会を増やす為に冗長的に送信されたメッセージの一部となることが可能である。望ましくは、例えば継続時間A内であるメッセージ230のメッセージ送信がたとえ失敗しても少なくとも多数のフィードバックメッセージ230の一つは、フィールドユニット14に於いて認知される。
【0047】
上述されたのと同様な方法で、エポックN+1の継続時間B内に送信されたフィードバックチャネル45のフィードバックメッセージ230は、ベースステーション20によりモニタリングされているエポックNのタイムスロット♯1に於いてメッセージの衝突が検出されるか否かを示すことが出来る。
【0048】
リバースリンク方向において、アクセスチャネル51上でベースステーション20へフィールドユニット14により送信されるメッセージは、メッセージを送信するフィールドユニット14の認識番号の様な独自の情報を含む。フォワードリンクの方向に於いて、ページングチャネル41は、ベースステーション20からフィールドユニット14へのメッセージ送信をサポートし、この場合のメッセージ送信は、通常特定のフィールドユニット14に向けられている。従って、ベースステーション20は、ページングチャネル41を経てフィールドユニット14に応答メッセージを送信することにより、メッセージをアクセスチャネル51上で送信したフィールドユニット14に応答することが出来る。ページングチャネル41上を送られる他のリンク情報は、フィールドユニット14に送られて、ベースステーション20とフィールドユニット14との間で正式な双方向リンクを確立する。
【0049】
ページングチャネル41上を送信されるメッセージの一つのタイプは、ACK(確認)メッセージ240である。ACKメッセージ240は、ベースステーション20により送られて、アクセスチャネル51のタイムスロット210に於いて受信されたメッセージが正しく受信されたことを示す。フィードバックチャネル45上のフィードバックメッセージ230と同様に、フィールドユニット14に送信されるACKメッセージも又フィードバックメッセージである。然し、ACKメッセージ240は、フィールドユニット14により送信された前のアクセス要求メッセージが正しく受信されたことを示す。また、ACKメッセージ240は、正式の通信リンクがアクセスを要求しているフィールドユニット14と共に確立されることを示す。例えば、トラフィックチャネルは、データペイロードを送信し、又受信する為にフィールドユニット14に割り当てられることが出来る。
【0050】
フィールドユニット14は、特定のタイムスロット210に於いて送信されるメッセージがベースステーション20に於いて検出することが出来ぬ程に低いパワー出力レベルでオプションで送信することに留意されたい。この場合には、フィールドユニット14は、ベースステーション20から受け取ったフィードバック情報に基づいて、その後のメッセージ送信のためにそのパワー出力レベルを調節することが出来る。詳細には、フィールドユニット14は、フィードバックチャネル45、又はページングチャネル41上で受け取られたそれぞれのフィードバックメッセージ230、又はACKメッセージ240に応じてそのパワー出力レベルを調節することが出来る。従って、フィールドユニット14のパワー出力レベルは、そのフィールドユニットによる共通の無線周波上で情報を送信する他のフィールドユニット14への妨害を最少限にする様に最適化される。
【0051】
他のメッセージタイプはサポートされることが、アクセスチャネル51のタイムスロット210に於いて送信されるメッセージは、通常アクセス要求メッセージであり、フィールドユニット14がリバースリンクトラフィックチャネル52、又はフォワードリンクトラフィックチャネル42上でデータペイロード情報を受信、又は送信することを望んでいることを示す。
【0052】
フィールドユニット14のパワー出力の調整の為の一つの構成は、フィールドユニット14からベースステーション20への以前のメッセージ送信に対して衝突が検出されたか否かを判断することである。例えば、特定のフィールドユニット14から以前に送信されたメッセージの衝突が検出されぬ時には、フィールドユニット14からのその後のメッセージ送信の為にパワー出力レベルが高められて、ベースステーション20がメッセージの送信を検出し易くなる。詳細には、以前のメッセージ送信に対して衝突が検出されなかった時には、フィールドユニット14のパワー出力レベルは、その後のメッセージ送信のために+0.5dBの様な所定量を増加する。
【0053】
フィールドユニット14により送信されるメッセージが、同じタイムスロット210の中で多数のフィールドユニット14が送信する為に衝突が生じる場合には、フィールドユニット14のパワー出力レベルを、その後のメッセージ送信には変更されぬか、又は低下させられる。何故ならばフィールドユニット14によるメッセージ送信は、一つのフィールドユニット14のみが特定のタイムスロット210の中でメッセージを送信したとしても、ベースステーション20に於いて検出されていたか否かは判らぬからである。従って、本発明の一つの構成は、同じ無線チャネルを使用する他のフィールドユニットを出来る限り妨害しないようにフィールドユニット14のパワー出力レベルを調節すること包含する。
【0054】
メッセージを送信するこの方法は、ユーザが、最初にフィールドユニット14に出力を与え、ベースステーション20と通信せねばならぬ時に特に有利である。例えば、或る状況下において、メッセージ送信が無線チャネル上の他のデータ送信を過度のノイズの為に損傷させる程に高いパワー出力レベルでメッセージを送信することは望ましくない。
【0055】
上記と同様の方法で、フィールドユニット14のパワー出力レベルは、ベースステーション20がアクセスチャネル51上でメッセージの受信を確認するか否かにより調節することが可能である。従って、フィールドユニット14が応答ACKメッセージ240を検出せぬ場合には、フィールドユニット14のパワー出力レベルをその後のメッセージ送信のために高めることが出来る。
【0056】
このようなレベルでさえACKメッセージが受信されぬ時には、フィールドユニット14が送信を中断するであろう60dBmの様な最大のパワー調節レベルを選ぶことが出来る。
【0057】
本発明のさらなる用途は、衝突が検出されたか否かを示すフィードバックメッセージ230と、アクセスメッセージがベースステーション20により確認されたことを示すACKメッセージ240の両方によって、フィールドユニット14のパワー出力レベルが調節されることを含むことができる。特にフィールドユニット14は、フィールドユニット14からの以前に送信されたメッセージに対し衝突が検出されず、またACKメッセージが受信されない時には、その後のメッセージ送信に対してそのパワー出力レベルを調節することができる。上記以外では、フィールドユニット14は以前のパワー出力レベルにおいて再送信することができる。
【0058】
パワー出力レベルを調節するには、何れの方法が用いられるかには関係なくベースステーション20がフィールドユニット14からのメッセージの受信を確認することのできるパワーレベル設定は、フィールドユニット14がベースステーション20に他の情報を送信しなければならないパワーレベル設定を求めるために用いることができる。例えば、フィールドユニット14からのメッセージは、最初のメッセージ送信中、特別の変調レートを用いて送信されることができる。フィールドユニット14からのその後の送信のパワー出力レベルは、各種の変調レートでのメッセージの送信を可能にするために調節することができる。例えば、フィールドユニットは、各種の変調レートを用いて割り当てられたトラフィックチャネル上で如何なるパワーレベルで送信すべきかを求めることができる。パワーレベル出力調節の履歴がパワー調節を追跡し、またベースステーション20のようなモニタリング装置がメッセージの送信を如何なるパワーレベルで検出するかを判定するためにオプションで保持される。
【0059】
上記のように本発明の一つの構成は、ベースステーション20において検出することを可能にするためのフィールドユニット14からのメッセージの再送信を包含する。再送信は、メッセージを送信しようとするそれ以後の試みの際に、衝突の可能性が低くなるようにオプションで無作為のバックオフタイムに基づいて行われる。
【0060】
2つ以上のフィールドユニット14がアクセスチャネル51を介してメッセージを送信し、またベースステーション20において衝突が検出される状況について考える。上記のようにフィードバックメッセージがフィールドユニット14に送信されることにより衝突の生じたことを示す。両者のフィールドユニット14は、次に該当のメッセージをベースステーション20に再送信しなければならない。
【0061】
再度衝突の生じることを防止するためにフィールドユニット14は、衝突が生じた以前のメッセージ送信に対応するバックオフタイムを無作為に選び、別のタイムスロット210において送信する。例えば、フィールドユニットAおよびフィールドユニットBがエポックNのタイムスロット♯0においてメッセージを送信する時には、フィールドユニットAは3エポックのようなバックオフタイムを選び、エポックN+3のタイムスロット♯1においてメッセージをベースステーション20に再送信するのに対し、フィールドユニットBは、エポックN+2のタイムスロット♯0において無作為のバックオフタイムに基づいて、メッセージを再送信する。従ってフィールドユニットAおよびBは、メッセージの再送信に際して再度衝突する可能性が低下する。
【0062】
図3は、フィールドユニット14にフィードバックメッセージを送信するための本発明の別の実施形態を示すタイミング図である。アクセスチャネル51は、フィールドユニット14がタイムスロット345においてアクセス調査または他のメッセージを送信することができるように分割される。図示されたようにフィードバックチャネル355は、各エポックにおいて反復する64タイムスロットTS♯0、TS♯1、TS♯2、・・・TS♯63を含むように分割されている。
【0063】
フィードバックチャネル355の各タイムスロット315は、好ましくは情報の16ビットをサポートするデータフィールドを含む。図示された特定の用途では、情報の10ビットは一般メッセージのために確保され、1ビットが衝突検出ビット325として確保され、5ビットはCRC(巡回冗長性チェック)データ328のための確保されている。
【0064】
一般メッセージ320は、オプションで特にフィールドユニット14に向けられるメッセージである。例えば、多数のフィールドユニット14の各々は、ベースステーション20からフィールドユニット14へのフィードバック情報を受信するための特別のタイムスロット315の使用を割り当てられることができる。割り当てられる時、該当のフィールドユニット14はベースステーション20からのメッセージを受信するために適切なタイムスロット315をモニタリングする。タイムスロット315における特定のメッセージの一つのタイプは、フィールドユニット14へのフィードバック情報であり、そのタイミングまたはパワーはフィールドユニット14から送信されるメッセージがベースステーション20において正しく受信されるように如何に調節されるべきかを示している。
【0065】
タイムスロット315は、オプションで割り当てられない場合もあり、またメッセージ自体はフィールドユニット14にメッセージが向けられるアドレスを含むことができる。従って改変された実施形態では、フィードバックメッセージはフィールドユニット14に非同期で送信することができる。
【0066】
タイムスロット315における衝突検出ビット325は、モニタリングされているタイムスロット345の中で衝突が生じたか否かを示す単一ビットである。特にエポックMのタイムスロットTS♯0、TS♯1、・・・、TS♯31の衝突検出ビット325は、エポックM−1のアクセス調査スロット♯0において衝突が起きたことを示すために用いることができる。従って多数のタイムスロット上の個々の衝突検出ビット328の文字列(ストリング)は、衝突が検出されたことを示す同じロジック状態に設定することができる。
【0067】
同様にエポックMのTS♯32、TS♯33、・・・、TS♯63は、エポックM−1のアクセス調査スロット♯1上で衝突が起きたか否かを示すために適切に設定することができる。従ってモニタリングフィールドユニット14は、単一ビット、マルチビットのシーケンス、または間隔を隔てたビットのシーケンスに基づいて、ベースステーション20で衝突が起きたか否かを求めることができる。
【0068】
CRCデータ328は、フィードバックメッセージの中に設けられる。CRCデータ328は、フィールドユニット14においてメッセージ360がフィールドユニット14において正しく受信されることを確保し、特に特別の衝突検出ビット325が正しく受信されたことを確保するためにフィールドユニット14においてオプションで解読される。メッセージおよびデータが正しくフィールドユニット14において受信されることを確保し、確認するために他の方法も使用することができる。例えば、メッセージは、FEC(フォワードエラー訂正)コードに基づいて送信することができる。
【0069】
図4は、本発明の原理によってフィールドユニットからターゲット受信器にアクセスチャネルを介してメッセージを送信するためのフォーマットを示す図である。
【0070】
ある用途では、メッセージ410はフィールドユニット14によりアクセスチャネル51を介して送信され、2部構成を含む。図示されたようにメッセージ410の第1部分つまり序文(プリアンブル)415は、通信リンクに対しフィールドユニット14による要請を示すコード化されたメッセージである。各フィールドユニット14は、共通のコードを持つ序文415を内容とするメッセージ410を送信することができる。従って2つのフィールドユニット14が同じ序文メッセージ415を含むメッセージを送信する時には、ベースステーション20は、少なくとも序文メッセージ415が少なくとも一つのフィールドユニット14により送信されたことを知ることができる。即ち、一つのフィールドユニットにより送信された序文メッセージ415は、多数のメッセージ410が同じタイムスロットにおいて送信される時には、別のフィールドユニット14により送信された序文メッセージ415とオーバーラップすることがある。
【0071】
メッセージ410は、オプションでベースステーション20に送信されたデータペイロードを含む。ある用途においては、データペイロード420はメッセージ410を送信するフィールドユニット14の連続番号を含む。通常、CRCデータのような冗長性チェック情報のフォームがメッセージ410に含められることにより、ベースステーション20は、メッセージ410が正しく受信されたことを確かめることができる。
【0072】
メッセージ410が誤りなく受信される時には、ベースステーション20はフィールドユニット14と共にリンクを形成するために応答し、“衝突なし”メッセージをフィードバックチャネル45上でフィールドユニット14に送信する。あるいは、上記の代わりにメッセージ410がエラーなしの序文415を含むが、誤って受信されたデータペイロード情報420を含む時には、ベースステーション20は2つ以上の送信器が同時にメッセージを送信したと推論することができる。衝突検出メッセージは、次にフィードバックチャネル45上を送信されて衝突が起きたことを示す。従ってメッセージ410をモニタリングするベースステーション20のようなターゲット受信器は、多数の送信フィールドユニット14に対しメッセージ衝突が起きたか否かの価値あるフィードバックを提供することができる。
【0073】
本発明の別の構成は、パイロットブロック53およびバーカー(BARKER)コードブロック54を用いた序文415のコード化を含んでいる。このコード化またはシンボルのシーケンスの使用に基づいてフィールドユニット14は、メッセージ410をベースステーション20に送信することができる。
【0074】
序文メッセージ415は、4つのパイロットブロック53および4つのバーカー(Barker)コードブロック54を含むことができる。バーカーコードブロック54は、ベースステーション20をサポートして、メッセージ410の序文415が開始する点を特定する。言い換えれば序文415の中の情報は、ベースステーション20において非同期でメッセージを受信するためのタイミング目的に使用することができる。従ってフィールドユニット14は、タイムスロット210においてメッセージ410を送信する必要はない、何故ならばベースステーション20は、非同期メッセージを受信するように修正されることができるからである。
【0075】
しかし、メッセージ410がタイムスロット210において送信されるバーカーコードブロック54を含む用途においては、たとえ衝突が起きても受信されたメッセージ410を特定することができる。何故ならばタイムスロットにおいて多数のフィールドユニット14により同時に送信されたメッセージ410の序文415はオーバーラップし、従ってベースステーション20において検出できるからである。
【0076】
各パイロットブロック53は、多数の反復パイロットシンボルを含む。好ましくは、パイロットブロックはメッセージ410を解読するためにターゲット受信器により使用される48のシンボルを含む。
【0077】
メッセージ410の第2部分は、ベースステーション20に送られるデータペイロードを含むことができる。好ましくは、パイロットシンボルはターゲット受信器においてデータの整合した復調を容易にするためにメッセージ410のデータペイロード420部分に挿入される。パイロットシンボルは、通常一連の正のデータビットを含み、それ自体本質的にタイミング情報を含んでいない。
【0078】
図示されたバーカーコードブロック54は、ビット情報の予め定められたパターンを含む。BPSK(バイナリ位相偏移変調)は、正のバーカーシーケンス450、+B、例えば3つの正のビットに続く3つの負のビット、1つの正のビット、1対の負のビット、1つの正のビット、および次に1つの負のビットを作り出すのに用いることができる。バーカーコードシーケンスは、上記の代わりに負のバーカーシーケンス、−Bのように負であることが可能であり、さらにモニタリング装置においてメッセージ処理を容易にする。
【0079】
図5は、本発明の原理によるメッセージに対するチャネルをモニタリングするためのプロセスを示すフローチャートである。
【0080】
ステップ500は、フローチャートのスタートを示す。ステップ510においては、アクセスチャネル51はフィールドユニット14により送信されるアクセス要請メッセージ送信のようなメッセージ送信に対してモニタリングされる。次にステップ520においてメッセージがバーカーコードまたはメッセージ410が適切に受信された序文415を含むか否かが判定される。ステップ520においてバーカーコードまたは序文415が検出されない時には、プロセスフローはステップ510において再び始まる。あるいはバーカーコードがステップ520において検出された時には、メッセージ410はさらに分析されてタイムスロットにおいて衝突の起きていないか判断される。即ち受信されたメッセージ410のデータの少なくとも一部が破損しているか否かを判定される。
【0081】
メッセージの衝突が起きていないかを判断するための一つの方法は、メッセージ410におけるデータが正しく受信されたことを確かめることである。これは、冗長性チェック情報により受信されたメッセージ410を分析することにより実行することができる。メッセージ410中のデータがベースステーション20により正しく受信されていない時には、フィードバックメッセージはフィードバックチャネル45を介してベースステーション20により送信され、衝突が以前のアクセス要請メッセージに対してステップ540において検出されたことを示す。ステップ540に続いて、プロセスフローはステップ510において再開する。
【0082】
ステップ530において特定のメッセージに対して衝突が検出されない時には、メッセージ410は分析されて多数のフィールドユニット14の何れがメッセージを送ったかを判定される。ステップ550においては、ACKメッセージ240がページングチャネル41を介して要請するフィールドユニット14に送られる。またメッセージはフィードバックチャネル45を介して送られて、アクセスチャネル51の以前の該当のタイムスロット210に対してメッセージの衝突が起きなかったことを示す。最後にステップ560においてアクセス要請フィールドユニットによりさらに正式なリンクが確立される。
【0083】
図6は、本発明の原理によりメッセージをターゲット受信器に送信するためのフィールドユニットにおけるプロセスフローを示すフローチャートである。ステップ600は、フローチャートのスタートを示している。
【0084】
ステップ620においては、フィールドユニット14のステータスがユーザによる入力に対してモニタリングされ、フィールドユニット14は、ベースステーション20のようなターゲット受信器と通信リンクを形成することを望むことを示す。ステップ620において入力は、フィールドユニット14が通信リンクを形成することを望むことを示すか否かが判定される。望まない場合には、プロセスフローは再びステップ610で開始される。望む場合には、フィールドユニット14はアクセスチャネル51上でステップ630においてアクセス要請メッセージを送信する。その後フィードバックチャネル45は、衝突検出メッセージのようなフィードバック情報に対してステップ640においてフィールドユニット14によりモニタリングされる。
【0085】
ステップ650においてフィールドユニット14により以前の送信に対して衝突が検出される時には、プロセスフローはパワー出力レベルがフィールドユニット14に対して調節されず、またメッセージ410はその後ステップ630において再送信されるステップ660で続行する。
【0086】
衝突が衝突フィードバックメッセージにより示されるようにステップ650において検出されない時には、ステップ670においてACKメッセージ240がページングチャネル41を介してフィールドユニット14において受信されるか否かが判定される。受信された場合には、ステップ690においてフィールドユニット14とベースステーション20との間にリンクが確立される。受信されない場合には、フィールドユニット14のパワー出力レベルがステップ680において高められ、フィールドユニット14からベースステーション20にメッセージを再送信するためにプロセスフローはステップ630で続行する。
【0087】
図7は、本発明の原理によりメッセージがトランシーバーの間で送信される多数のチャネルを示すタイミング図である。
【0088】
上記のように本発明の一つの構成は、メッセージ送信の間に他のユーザとの干渉を最小に抑えるためにフィールドユニット14を最初のパワーレベルに設定することを含んでいる。アクセスメッセージがベースステーション20において検出されるか否かによってパワーは急上昇するから、フィールドユニットの初期パワーレベルは、ベースステーション20が希望のパワーレベルにおいてメッセージを受け取るパワーレベルに妥当に近いことが望ましい。従ってフィールドユニット14は、ベースステーション20にメッセージを送信し、短い時間でより正式な通信リンクを形成することができる。何故ならばフィードユニット14のパワーレベル出力では、メッセージがベースステーション20において受信されるように最小の調節にとどまるからである。
【0089】
フィールドユニット14のパワー出力レベルを最初に設定するための一つの方法は、ベースステーション20からパイロットチャネル44上で基準信号710を送信することを含む。好ましくは、基準信号710は適切なパワーレベルで送信されるためにワイヤレス空間内のパイロットチャネル44をモニタリングする多数のフィールドユニット14が基準信号710を特定し、それが受信されるパワーレベルを測定することができる。ある用途では、基準信号はパイロットシンボルがPN(擬似雑音)コードにより規定されるパイロットシンボルのシーケンスのようなパイロット情報を含む。フィールドユニット14における一つまたは多数のパイロット相関フィルタは、パイロットシンボルを検出するために用いられる。
【0090】
パイロットチャネル44をモニタリングする各フィールドユニット14は、受信された基準信号710のパワーレベルを測定するためのパワー検出回路を含む。例えば、パワー検出器は、受信された基準信号710の最も強力なパイロット経路を測定するのに用いられる。この測定値は、ベースステーション20とフィールドユニット14との間のフォワード経路損失を推定するのに用いられる。
【0091】
基準信号710の受信された全信号パワーレベルは、IおよびQチャネルの自乗の和に基づいて算定することができる。パワー測定値は、フェーディング条件下での受信パワーレベルの推定度を向上させるためにオプションでフィルタを通される。
【0092】
図7に示されるようにメッセージは、ベースステーション20からフィールドユニット14にページングチャネル41上で送信される。このような一つのメッセージは、基準信号710がベースステーション20から送信されるパワーレベルを示す情報を含むメッセージAである。この値は、ベースステーションアンテナのゲインを考慮に入れたdBm単位で表される。従ってメッセージAは、ベースステーション20が基準信号710を送信する時の有効放射パワーレベル情報を含むことができる。本発明の原理に従えば、アンテナゲイン情報、オフセット情報、訂正情報および一般情報のような追加メッセージがフィールドユニット14に送信されることができる。
【0093】
フィールドユニット14は、メッセージAを解読して基準信号710が送信される時のパワーレベルが求められる。ベースステーション20とフィールドユニット14との間のフォワード経路損失は、次にフィールドユニット14での基準信号710の受信されたパワーレベルとメッセージAにより示される有効放射パワーレベルとを比較することにより求められる。
【0094】
計算されたフォワード経路損失は、フィールドユニット14とベースステーション20との間のリバース経路損失を推定するために用いられる。例えば、リバース経路損失は、フォワード経路損失とはわずかに相違しているもののほぼ同じであると推定される。この推定される経路損失は、メッセージがフィールドユニット14からベースステーション20に送信できる初期設定点を求めるために使用される。
【0095】
ベースステーション20が基準信号710を55dBmの有効放射パワーレベルで送信する場合を考える。上記のようにこの情報は、フィールドユニット14に通常ページングチャネル41上でブロードキャストされるメッセージAを介して送信される。基準信号710の受信されたパワーレベルが22dBmであればフォワード経路損失は55−22dBmとして計算され、またはフォワード経路損失は33dBmとなる。この経路損失に基づいてフィールドユニット14は、ベースステーション20へのメッセージを送信するためのその後の試みに対して妥当なパワー出力レベルを推定することができる。
【0096】
追加メッセージは、ベースステーション20からフィールドユニット14にページングチャネル41上で送信されることができる。例えば、メッセージBは、フィールドユニットに通常ページングチャネル41を介して送信される。メッセージBは、好ましくはコード化された情報を含み、ベースステーション20がその後のメッセージをフィールドユニット14から受け取る希望のパワーレベルを示す。この情報は、特定のフィールドユニット14に向けて送信された特定のメッセージであることができる。従ってフィールドユニット14は、何れのレベルでメッセージが送られることにより、メッセージが希望のパワーレベルで受信されるかを推定する情報を使用することができる。メッセージBが12dBmの希望のパワーレベルを示し、フォワード経路損失が上記のように約33dBmを示す場合には、フィールドユニット14はメッセージを33+12dBmつまり45dBmでベースステーション20に送ることを試みる。
【0097】
とりわけ、リバース経路損失は推定された33dbmよりもはるかに高い可能性がある。このような状況では、ベースステーションは必ずしもフィールドユニット14により送信されたメッセージを検出するとは限らない。しかし、上述のように45dBmのパワー出力設定点は、アクセス要請メッセージ750のようなメッセージがアクセスチャネル51を介して送信される開始点であると考えられる。ベースステーション20において衝突が検出されずACKメッセージ240がページングチャネル41を介して受信されない時には、フィールドユニット14のパワー出力は、その後のメッセージを送信することの試みに対して1dBmから46dBm高めることができる。フィールドユニット14のパワー出力レベルを調節するためのこの手順は、ベースステーション20においてメッセージが検出されるまで反復することができる。
【0098】
ベースステーション20に送信されたメッセージは、メッセージがフィールドユニット14から受信される時のパワーレベルを検出するためにモニタリングされることができる。これを果すには、メッセージCのようなメッセージがパイロットシンボルまたはパイロットシンボルのシーケンスのようなパイロット情報を含むことができる。図8に示されるように、パイロット相関フィルタは、最強のダイバーシティ経路およびサイドパスを特定するために用いられる。一つまたは多数の経路は、次にメッセージがアクセスチャネル51上のベースステーション20において受信される時のパワーレベルを求めるために使用される。メッセージCが正しく受信されることを確保するためにメッセージは、CRCチェックビットのようなエラー検出情報を用いてエラーがないか分析される。本発明のこれらのおよびその他の構成は、本明細書で既に考察された。
【0099】
メッセージCがベースステーション20において受信された後、パワー調節メッセージがベースステーション20において作られることにより、ベースステーションへのその後のメッセージが希望のパワーレベルで受信されるためにフィールドユニット14が如何に調節されるべきかが示される。例えば、メッセージが23dBmで受信されたことをベースステーション20が知った場合、ベースステーション20はメッセージをページングチャネル41上で送信することにより、フィールドユニットからのメッセージが12dBmのような低いパワーレベルにおいて受信されるようにその後のメッセージ送信に対してそのパワー出力レベルをフィールドユニットが引き下げるべきことを示す。
【0100】
図8は、本発明の原理によるパイロットシンボルのための受信されたダイバーシティ文字列を示すグラフである。基準信号710、メッセージA、メッセージB、またはメッセージCのような受信されたメッセージは、受信されたメッセージのパワーレベルを求めるために受信器においてモニタリングされる一つまたは多数のパイロットシンボルのようなマーカを含むことができる。
【0101】
ベースステーション20およびフィールドユニット14の両者は、送信されたメッセージにおける一つまたは多数のパイロットシンボルのようなマーカを特定するためのパイロット相関フィルタを含む。このマーカは、メッセージの時間整合および受信パワーレベルの両者を分析することを容易にする。ちなみにダイバーシティ文字列は、マルチパスフェーディングの結果としてのメッセージにおけるマーカの受領を図示している。即ち送信器からの信号は、信号が送信器と受信器との間の各種の経路を介してターゲットに到達する際の時間が変化するために、種々な時点においてターゲットで受信される。
【0102】
好ましくは、受信された最強のダイバーシティ経路は、受信されたメッセージのタイミングを分析するためにベースステーション20およびフィールドユニット14において時間整合文字列として指定される。同様に好ましくは、メッセージが受信される時のパワーレベルを計算するために最強の単一経路が選ばれる。しかし、追加の経路は、メッセージの受信パワーレベルを求めるためにオプションで用いられる。
【0103】
メッセージの時間整合および受信パワーレベルは、言及されたように、相関フィルタを用いて分析される特別の文字列における最強のパイロットの相関プロファイルを用いて求められる。相関フィルタの出力は、通常遅延当り4つのサンプルの場合、64の遅延を意味する256個のサンプルで構成される。256個のサンプルの出力ウインドウは、受信器の全相関タイムスパンを表す。この値は、用途によって変化することがある。好ましくは、時間整合点はサンプル番号80であるが、これはプレカーソルに対して20の遅延を、またポストカーソルチャネル情報に対して44の遅延を可能にする。
【0104】
一般に時間整合エラーの計算は、質量中心またはピークが指定されたサンプル文字列の何処にあるかを求めることに基いている。例えば、タイムスロットにおける各フィールドユニット14は、マーカを、即ちタイムスロットの中の予め定められた位置に在るピーク信号を含む。チャネルに対する最強のパイロット経路および主経路の何れかの例の2つのサンプル、即ち1および1/4チップは、タイムスロットの中のマーカの質量中心、またはピークを求めるために統計的に分析される。図6のサンプルの質量中心Lの位置は、次の式により計算される:
【0105】
【数1】

【0106】
但し、t=サンプル時間およびQ(t)は指定された時点のサンプルの大きさである。
【0107】
例えば、Lは図6に示された結果に基づいて計算される:
【0108】
【数2】

【0109】
この場合にも時間整合エラーは、タイムスロットの中での時間整合に対する基準点として選ばれる80の希望の時間設定点と、計算された質量中心のタイミングを比較することにより求められる。上の例における質量中心は78.317と推定されるから、タイミングは80の設定点に比較して早い。上記のフィールドユニット14からのメッセージがベースステーション20で適切な時点に受け取られるように、そのタイミングが如何に微調整されるべきかを示す適切なメッセージがフィールドユニット14に送られることができる。
【0110】
同様の方法で図8のダイバーシティ文字列は、メッセージが受信された時のパワーレベルを求めるために分析されることができる。従ってメッセージが希望のパワーレベルで受信されるためにそのパワー出力レベルは、如何に調節されるかを示す適切なメッセージがフィールドユニット14に送信されることができる。
【0111】
上述のようにこの技法は、ベースステーションでの基準信号710の受信パワーレベルを検出するために用いることができる。
【0112】
図9は、本発明の原理による推定された経路損失に基づいてフィールドユニットのパワーレベル出力を設定するための方法を示すフローチャートである。
【0113】
ステップ900は、フローチャートのスタートを示す。ステップ910に続いてフィールドユニット14は、基準信号710に対するパイロットチャネル44をモニタリングする。上述のようにフィールドユニットは、基準信号710がパワー検出回路およびパイロット相関フィルタを用いて受信される時のパワーレベルを求める。
【0114】
ステップ920においてページングチャネル41は、ベースステーション20からの送信されたメッセージに対してフィールドユニット14によりモニタリングされる。上述のようにメッセージAは、ページングチャネル41上で受信され基準信号710がベースステーション20から送信されている時の有効放射パワーレベルを求めるために解読される。
【0115】
フィールドユニット14において受信された基準信号710の検出されたパワーレベルおよび基準信号710がベースステーション20から送信される時の対応する有効放射パワーレベルに基づいて、経路損失がステップ930においてベースステーションとフィールドユニット14との間で推定される。好ましくは、経路損失は基準信号710がベースステーション20から送信される時のパワーレベルと基準信号710がフィールドユニット14において受信される時のパワーレベルとの間の差異を算定することにより推定される。
【0116】
メッセージBは、その後ステップ940においてフィールドユニット14において受信される。このメッセージは、好ましくはメッセージがベースステーション20において受信されるべき時の希望のパワーレベルを示す情報を含む。
【0117】
メッセージがベースステーション20において受信されるべき時の希望のパワーレベルおよびステップ930での推定の経路損失に基づいて、フィールドユニット14は、メッセージがステップ950においてベースステーション20で希望のパワーレベルで受信されるためにフィールドユニット14に対してパワー出力設定を求める。特にフィールドユニット14からベースステーション20への実際の経路損失は、基準信号710の測定値に基づくベースステーション20とフィールドユニット14との間の計算された経路損失とほぼ同じである。従ってフィールドユニット14の適切なパワー出力レベルは、フィールドユニット14に対するパワー出力設定を求めるために希望のパワーレベル設定に推定された経路損失を加えることにより求めることができる。従ってフィールドユニット14のこのパワー出力設定は、ベースステーション20への初期メッセージを送信することの試みに対する妥当な開始点でなければならない。
【0118】
またステップ950においてフィールドユニット14は、アクセスチャネル51を介してアクセス要請メッセージのようなメッセージをベースステーション20に送信する。受信されるとベースステーション20は、メッセージCの受信パワーレベルをベースステーション20において測定する。この受信パワーレベルは、次に希望のパワーレベルと比較されることにより、フィードバックがフィールドユニット14に与えられ、その後のメッセージが希望のパワーレベルにおいて受信されるためにそのパワー出力レベルを如何に調節すべきかを示す。
【0119】
ステップ960に続き、フィールドユニット14は、ベースステーション20がメッセージCを適切に受信したことを示すACKメッセージに対してページングチャネル41をモニタリングする。ACKがステップ970で受信されない時には、フィールドユニット14のパワー出力レベルはステップ975で高められ、メッセージはその後ステップ960で再送信される。パワーを高めるこのループは、ベースステーション20がメッセージの受信を確認するまで通常反復する。
【0120】
ACKがステップ970において受信される時には、ステップ980においてプロセスフローは続行し、追加メッセージはベースステーション20から受信され、ステップ950において送信されたメッセージは希望のパワーレベルで受信されたか否かを示す。上述のようにその後のメッセージがベースステーション20において希望のパワーレベルで受信されるようにそのパワー出力レベルを如何に調節するかを示す情報がフィールドユニット14に送信されることができる。従ってフィールドユニット14のパワー出力レベルは、その後のメッセージ送信のために調節される。
【0121】
本発明は、その好ましい実施形態を参照することにより特別に図示され記載されたが、この分野の当業者によって形式および細部の各種の変更が付随の請求項により限定された発明の範囲を逸脱することなく、その中で行うことができることが理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加入者装置でアクセス手順を実施するための方法であって、
第1の信号を基地局に送信するステップであって、前記第1の信号は前記基地局に関連付けられたネットワークへのアクセスを要求することに関連し、第1のパワーレベルで送信される、ステップと、
前記第1の信号に応答して前記基地局から第1のメッセージを受信するステップであって、前記第1のメッセージはアクセス要求メッセージを前記基地局にアップリンク共有チャネルを介して送信するためのタイミング及びパワー調節情報と、前記加入者装置に関連付けられた識別情報とを含む、ステップと、
前記タイミング及びパワー調節情報に従って、前記アクセス要求メッセージを前記基地局に前記アップリンク共有チャネルを介して送信するステップであって、前記アクセス要求メッセージは通信リンクの要求と前記加入者装置に関連付けられた前記識別情報とを含む、ステップと、
前記アクセス要求メッセージに応答して前記基地局から第2のメッセージを受信するステップと、
前記加入者装置によって送信された前記アクセス要求メッセージが前記基地局によって正しく受信されたかを前記第2のメッセージの処理を受けて判断するステップと、
前記アクセス要求メッセージが前記基地局により正しく受信されなかった場合に、第2の信号を前記基地局に第2のパワーレベルで送信するステップであって、前記第2の信号は前記基地局に関連付けられた前記ネットワークへのアクセスを要求することに関連する、ステップと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第2のメッセージの処理が前記アクセス要求メッセージは前記基地局によって正しく受信されなかったことを示す場合に、前記信号を再送信するステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2のメッセージの処理が前記アクセス要求メッセージは前記基地局によって正しく受信されたことを示す場合に、通信リンクが確立されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記確立された通信リンクは双方向トラフィック通信リンクであることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のメッセージは前記加入者装置に関連付けられた前記識別情報を提供し、前記アクセス要求メッセージに含まれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
アクセス手順を実施するための加入者装置であって、
第1の信号を基地局に送信するように構成された送信手段であって、前記第1の信号は前記基地局に関連付けられたネットワークへのアクセスを要求することに関連し、第1のパワーレベルで送信される、送信手段と、
前記第1の信号に応答して前記基地局から第1のメッセージを受信するように構成された受信手段であって、前記第1のメッセージはアクセス要求メッセージを前記基地局にアップリンク共有チャネルを介して送信するためのタイミング及びパワー調節情報と、前記加入者装置に関連付けられた識別情報とを含む、受信手段と、
前記タイミング及びパワー調節情報に従って、前記アクセス要求メッセージを前記基地局に前記アップリンク共有チャネルを介して送信するようにさらに構成された前記送信手段であって、前記アクセス要求メッセージは通信リンクの要求と前記加入者装置に関連付けられた前記識別情報とを含む、前記送信手段と、
前記アクセス要求メッセージに応答して前記基地局から第2のメッセージを受信するようにさらに構成された前記受信手段と、
前記加入者装置によって送信された前記アクセス要求メッセージが前記基地局によって正しく受信されたかを前記第2のメッセージの処理を受けて判断するように構成された回路と、
前記アクセス要求メッセージが前記基地局により正しく受信されなかった場合に、第2の信号を前記基地局に第2のパワーレベルで送信するようにさらに構成された前記送信手段であって、前記第2の信号は前記基地局に関連付けられた前記ネットワークへのアクセスを要求することに関連する、前記送信手段と
を備えることを特徴とする加入者装置。
【請求項7】
前記送信手段は、前記第2のメッセージの処理が前記アクセス要求メッセージは前記基地局によって正しく受信されなかったことを示す場合に、前記信号を再送信するようにさらに構成されていることを特徴とする請求項6に記載の加入者装置。
【請求項8】
前記第2のメッセージの処理が前記アクセス要求メッセージは前記基地局によって正しく受信されたことを示す場合に、通信リンクが確立されることを特徴とする請求項6に記載の加入者装置。
【請求項9】
前記確立された通信リンクは双方向トラフィック通信リンクであることを特徴とする請求項8に記載の加入者装置。
【請求項10】
前記第1のメッセージは前記加入者装置に関連付けられた前記識別情報を提供し、前記アクセス要求メッセージに含まれることを特徴とする請求項6に記載の加入者装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−182842(P2012−182842A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−132249(P2012−132249)
【出願日】平成24年6月11日(2012.6.11)
【分割の表示】特願2001−562857(P2001−562857)の分割
【原出願日】平成13年2月23日(2001.2.23)
【出願人】(504407103)アイピーアール ライセンシング インコーポレイテッド (51)
【Fターム(参考)】