説明

リフローはんだ付け装置、リフローはんだ付け方法

【課題】基板搬送チェーンに生ずるびびりを早期に検出することが可能な、リフローはんだ付け装置及びリフローはんだ付け方法を提供する。
【解決手段】リフローはんだ付けの温度環境を調整する温度調節室11と、温度調節室11内にてリフローはんだ付けのプリント基板30を搬送する基板搬送チェーン12及び基板搬送チェーン12を駆動するスプロケット13及び駆動モータ14を有する搬送機構と、(A)基板搬送チェーン12の速度又は速度の変化、(B)基板搬送チェーン12の振動量又は振動量の変化、又は(C)基板搬送チェーン12のたるみの程度又はたるみの程度の変化、のいずれかを検出し、その結果を信号出力する検出部19他を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リフローはんだ付け装置及びリフローはんだ付け方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体装置及びチップ部品のプリント基板への実装は、リフローはんだ付け装置によって半導体装置などの部品とプリント基板の電極同士をはんだ付けすることによってなされている。
【0003】
以下、図面を参照しながら従来のリフローはんだ付け装置の一例について説明する。
【0004】
図12(a)は従来のリフローはんだ付け装置の全体構成を模式的に示した断面図である。
【0005】
図12(a)において、100はリフローはんだ付け装置であり、101は温度調節室、102は基板搬送チェーン、103はスプロケット、104は駆動モータである。また、温度調節室101は、図中向かって左側にプリント基板111の搬入口101a、右側に搬出口101bが設けられており、内部は予備加熱室105、本加熱室106、冷却室107に区分けされている。
【0006】
基板搬送チェーン102は駆動モータ104により駆動され、温度調節室101内を図中矢印方向に移動する。搬入口101aから投入されたプリント基板111は基板搬送チェーン102に載置され、予備加熱室105、本加熱室106、冷却室107を順次通過して、搬出口101bへと搬送される。搬送工程において、プリント基板111上のはんだは予備加熱室105で予熱された後、本加熱室106を通過する際に溶融し、冷却室107を通過する際に再び凝固する。これより、プリント基板111上に半導体装置が実装される。なお、温度調節室101内は高温に達するため、基板搬送チェーン102は溶解、破損を防ぐために一般的に金属製のものが使用されている。
【0007】
ところで、リフローはんだ付け装置100は長期にわたり使用することにより、基板搬送チェーン102やスプロケット103が磨耗することで発生した金属粉や、はんだ付けに用いるはんだペースト中に含まれるフラックス成分、さらには摩耗防止用のオイルの変質による異物が生ずる。これらの異物は、基板搬送チェーン102及びスプロケット103に付着、堆積することで、図12(b)に示すように基板搬送チェーン102とスプロケット103との噛み合い不良を引き起こす。噛み合い不良により、基板搬送チェーン102の移動は正常に行われなくなり、プリント基板111の搬送経路上にびびりと呼ばれる振動を引き起こす。このびびりは、プリント基板111に実装される半導体装置などの部品を立たせたり、位置ずれを起こさせたりし、実装歩留りの低下の原因となっている。
【0008】
また、図12(b)に示す例の他、付着する異物の粘性の増加等の原因により、基板搬送チェーン102に過剰なテンションが生じ、チェーン長が全体的に短くなり、たるみが適正な状態から変動することも、噛み合い不良の原因となり、びびりを招くこととなる。
【0009】
従来より上記のようなびびり解消の対策として、基板搬送チェーン102の洗浄、潤滑油の給油を行い、駆動を正常状態に戻すことが行われている。
【0010】
例えば、特許文献1に開示されたチェーン洗浄潤滑装置は、基板搬送チェーンを容器内に満たしたチェーン洗浄液の中を通過させて洗浄し、駆動中の基板搬送チェーンに潤滑オイルを給油する装置であり、リフローはんだ付け装置に搭載することで駆動を正常に保つものである。
【特許文献1】特開平11−222310号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、このような従来のびびり解消には、以下のような課題があった。
【0012】
すなわち、上記特許文献1においては、基板搬送チェーンの洗浄等を自動的に行うことは開示しているが、洗浄をどのような時期、タイミングで行うかについては言及していない。
【0013】
近年の実装分野における高密度・高集積化の流れの中、プリント基板に搭載される半導体装置及びチップ部品も極小化、軽量化してきており、従来は無視することができた微小なびびりによっても、チップ立ちや位置ずれなどが起こり易くなっている。
【0014】
したがって、定期的な点検時のみならず、早期にびびりの発生を検知し、速やかにプリント基板の搬送状態を正常に復帰させることが、実装歩留まりの低下の抑制に欠くことができないものとなっている。
【0015】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、基板搬送チェーンに生ずるびびりを早期に検出することが可能な、リフローはんだ付け装置及びリフローはんだ付け方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の目的を達成するために、第1の本発明は、リフローはんだ付けの温度環境を調整する温度調節室と、
前記温度調節室内にてリフローはんだ付けの対象物を搬送する搬送チェーン及び前記搬送チェーンを駆動する駆動部を有する搬送機構と、
(A)前記搬送チェーンの速度又は前記速度の変化、(B)前記搬送チェーンの振動量又は前記振動量の変化、及び(C)前記搬送チェーンのたるみの程度又は前記たるみの程度の変化、のいずれか1つを検出し、その結果を信号出力する検出部とを備えた、リフローはんだ付け装置である。
【0017】
又、第2の本発明は、前記検出部は、前記搬送チェーンの速度、前記搬送チェーンの振動量、又は前記たるみの程度を検出する検出器と、
前記検出器の検出値に対応して、前記搬送チェーンの速度の前記変化、前記搬送チェーンの振動量の前記変化、又は前記たるみの程度の前記変化を検出する変化検出器とを備えた、第1の本発明のリフロー半田付け装置である。
【0018】
又、第3の本発明は、前記検出器は、前記搬送チェーンの速度を検出する速度検出器であって、
前記速度検出器は、前記リフローはんだ付け対象物を前記温度調節室への搬入口から前記温度調節室の搬出口に搬送する経路上の前記搬送チェーンの速度を検出する、第2の本発明のリフローはんだ付け装置である。
【0019】
又、第4の本発明は、前記搬送機構は、前記搬送チェーンをその搬送方向に導くガイドレールを有し、
前記速度検出器は、前記温度調節室への搬入口から前記ガイドレールの入口までの間、又は前記ガイドレールの出口から前記温度調節室への搬出口までの間における、前記搬送チェーンの速度を検出する、第3の本発明のリフロー半田付け装置である。
【0020】
又、第5の本発明は、前記駆動部は、前記搬送チェーンを駆動する、又は前記搬送チェーンに従動するスプロケットを有し、
前記速度検出器は、前記搬送チェーンと前記スプロケットとが噛み合う領域の前記搬送チェーンの速度を検出する、第3の本発明のリフローはんだ付け装置である。
【0021】
又、第6の本発明は、前記速度検出器は、前記搬送チェーンに接触し、前記搬送チェーンの移動によりON/OFFが切り替わるスイッチである、第3の本発明のリフローはんだ付け装置である。
【0022】
又、第7の本発明は、前記駆動部は、前記搬送チェーンを駆動する、又は前記搬送チェーンに従動するスプロケットを有し、
前記検出器は、前記スプロケットの歯の移動を検出することにより、前記搬送チェーンの速度を検出する速度検出器である、第2の本発明のリフローはんだ付け装置である。
【0023】
又、第8の本発明は、前記検出器は、前記搬送チェーンの振動量を検出する振動検出器であって、
前記振動検出器は、前記リフローはんだ付け対象物を前記温度調節室への搬入口から前記温度調節室の搬出口に搬送する経路上の前記搬送チェーンの振動を検出する、第2の本発明のリフローはんだ付け装置である。
【0024】
又、第9の本発明は、前記搬送機構は、前記搬送チェーンをその搬送方向に導くガイドレールを有し、
前記振動検出器は、前記温度調節室への搬入口から前記ガイドレールの入口までの間、又は前記ガイドレールの出口から前記温度調節室への搬出口までの間における、前記搬送チェーンの振動を検出する、第8の本発明のリフロー半田付け装置である。
【0025】
又、第10の本発明は、前記振動検出器は、前記搬送チェーンに接触してその振動が伝達される接触センサである、第8の本発明のリフローはんだ付け装置である。
【0026】
又、第11の本発明は、前記検出器は、前記搬送チェーンのたるみの程度を検出するたるみ検出器であって、
前記たるみ検出器は、前記温度調節室からの搬出口から前記温度調節室の搬入口に至る帰還経路における、前記搬送チェーンのたるみの程度を検出する、第2の本発明のリフローはんだ付け装置である。
【0027】
又、第12の本発明は、前記たるみ検出器は、前記帰還経路上にて前記搬送チェーンが形成する懸垂線の最も低い位置の高さを検出する、第8の本発明のリフローはんだ付け装置である。
【0028】
又、第13の本発明は、前記検出部の検出した結果を表示する表示部を更に備えた、第1の本発明のリフローはんだ付け装置である。
【0029】
又、第14の本発明は、前記検出部の検出結果が、予め決められた条件より外れた場合に、前記搬送チェーンに対し洗浄及び給油の少なくとも一方を行うメンテナンス機構を更に備えた、第1の本発明のリフローはんだ付け装置である。
【0030】
又、第15の本発明は、リフローはんだ付けの温度環境を調整する工程と、
調整された前記温度環境下で、リフローはんだ付けの対象物を、搬送チェーンを駆動することにより搬送する工程と、
前記搬送チェーンの駆動が行われている間に、(A)搬送チェーンの速度又は前記速度の変化、(B)前記搬送チェーンの振動量又は前記振動量の変化、又は(C)前記搬送チェーンのたるみの程度又は前記たるみの程度の変化、のいずれかを検出する工程と、
前記検出の結果を信号出力する工程とを備えた、リフローはんだ付け方法である。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、基板搬送チェーンに生ずるびびりを早期に検出することが可能な、リフローはんだ付け装置及びリフローはんだ付け方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0033】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかるリフローはんだ付け装置の全体構成を模式的に示した断面図である。
【0034】
図1において、1はリフローはんだ付け装置であり、11は温度調節室、12は基板搬送チェーン、13はスプロケット、14は駆動モータである。また、温度調節室11は、図中向かって左側にプリント基板30の搬入口11a、右側に搬出口11bが設けられており、内部は予備加熱室15、本加熱室16、冷却室17に区分けされている。
【0035】
基板搬送チェーン12は駆動モータ14により駆動され、温度調節室11内を図中矢印方向に移動する。搬入口11aから投入されたプリント基板30は基板搬送チェーン12に載置され、予備加熱室15、本加熱室16、冷却室17を順次通過して、搬出口11bへと搬送される。搬送工程において、プリント基板30上のはんだは予備加熱室15で予熱された後、本加熱室16を通過する際に溶融し、冷却室17を通過する際に再び凝固する。これより、プリント基板30上に半導体装置が実装される。基板搬送チェーン12は溶解、破損を防ぐために一般的に金属製のものが使用されている。また、18は、プリント基板30搬送後、搬出口11bから搬入口11aへ帰還する基板搬送チェーン12が成す帰還経路上に設けられた、基板搬送チェーン洗浄潤滑装置である。
【0036】
以上の構成は、従来のリフローはんだ付け装置と同様であるが、本実施の形態は、さらに、基板搬送チェーン12の速度を検出する基板搬送チェーン速度検出器19、基板搬送チェーン12の検出速度に基づいて、基板搬送チェーン12の速度変化を検出し、その変化に応じて基板搬送チェーン洗浄潤滑装置18を動作させる洗浄制御部20、及び基板搬送チェーン速度検出器19の検出結果、洗浄制御部20の制御内容等を表示する表示装置21を備えたことを特徴とする。
【0037】
以下、本発明の実施の形態1にかかるリフローはんだ付けの特徴部分の構成及び動作を説明するとともに、これにより、本発明のリフローはんだ付け方法の一実施の形態について説明を行う。
【0038】
図2(a)に、上述の基板搬送チェーン速度検出器19を含む、リフローはんだ付け装置1の温度調節室11の搬入口11a周辺の構成を模式的に示す。図1と同一部には、同一符号を付した。又、22はガイドレールであって、図1に示す、プリント基板30の搬送路に対応する部分の基板搬送チェーン12をその内部に挿通させ、移動する基板搬送チェーン12の位置を規制する、基板搬送チェーン12の進行方向から見た断面がコの字状の部材である。また、基板搬送チェーン速度検出器19はリミットスイッチとして実現されている。
【0039】
基板搬送チェーン速度検出器19は、図2(a)に示すように、スプロケット13との噛み合わせが解除され、ガイドレール22内に侵入するまで露出している状態にある基板搬送チェーン12と接触するように配置されている。
【0040】
図2(b)に示すように、リミットスイッチである基板搬送チェーン速度検出器19の先端部19aは、基板搬送チェーン12のローラ12a間に配置されている。基板搬送チェーン速度検出器19の先端部19aとローラ12aが接触していない状態で基板搬送チェーン速度検出器19はOFFとなるものである。
【0041】
図2(c)に示すように、基板搬送チェーン12が駆動モータ14により駆動され、図中矢印の搬送方向に移動すると、基板搬送チェーン速度検出器19の先端部19aはローラ12aに接触し、本体部19bに対して傾斜することによりONとなり、洗浄制御部20へ信号を出力する。
【0042】
ローラ12aが通過し、先端部19aとの接触が解除されると、先端部19aの位置は図2(b)に示す状態に復帰し、再びOFFとなり、信号の出力を停止する。
【0043】
したがって、基板搬送チェーン12の移動につれて、基板搬送チェーン速度検出器19は先端部19aがローラ12aとの接触、解除を繰り返すことにより、ON、OFFを繰り返す。
【0044】
基板搬送チェーン12において、ローラ12aの間隔は一定であるため、基板搬送チェーン12が正常に駆動し、プリント基板30の搬送に適した一定速度で駆動しているときは、基板搬送チェーン速度検出器19が検出するON/OFFも一定周期で生じることとなる。
【0045】
一方、基板搬送チェーン12が正常に駆動しなくなった場合、その移動速度は変化し、基板搬送チェーン速度検出器19のON/OFFの周期が、上記一定周期から外れる変化として現れることになる。
【0046】
図3に、表示装置21に表示される検出結果の一例を示す。
【0047】
時間Xまでは、基板搬送チェーン速度検出器19のON/OFFの間隔が一定であり、基板搬送チェーン12が正常に駆動していることが示されるが、時間X以降でOFFの間隔が長くなっている。これは基板搬送チェーン12が正常に駆動していないことを示す。
【0048】
この場合、基板搬送チェーン12にびびりが発生している可能性があるとみなして、洗浄制御部20は、この検出結果を受け、基板搬送チェーン洗浄潤滑装置18を起動させ、基板搬送チェーン12の矯正作業(付着、堆積物の除去)を行う。
【0049】
図4に基板搬送チェーン洗浄潤滑装置18の構成を模式的に示す。
【0050】
図4において、18aは溶剤噴霧ノズル、18bは洗浄ブラシ、18cは潤滑油噴霧ノズルである。以下、動作を説明する。
【0051】
図中矢印に示す帰還方向に沿って移動し基板搬送チェーン洗浄潤滑装置18内に進入した基板搬送チェーン12は、溶剤噴霧ノズル18aからの溶剤噴霧後、洗浄ブラシ18b間を通過し、ブラシ洗浄により、表面に付着したり、ローラ12a間に詰まっていたフラックス、金属粉等の異物の除去がなされる。最後に、潤滑油噴霧ノズル18cから潤滑油を供給される。
【0052】
なお、溶剤の種類としては特に限定されるものではなく、基板搬送チェーン12に付着したフラックスが除去できるIPA、アセトン、酢酸ブチルなどの有機溶剤であればよいが、フラックス洗浄専用液を用いることが好ましい。
【0053】
又、洗浄ブラシ18bの材質としては特に限定されるものでなく、金属であれば、ステンレス、アルミ、真鍮、スチールなどをあげることができる。また、摩耗等に強く、必要な強度が確保できれば、他の材料であってもよい。
【0054】
以上のように、本実施の形態のリフローはんだ付け装置によれば、基板搬送チェーン12の移動速度を常時検出することにより、基板搬送チェーン12のびびりの発生を、当該移動速度の変動として早期に検出することが可能となる。したがって、この検出結果を利用して、基板搬送チェーン12を自動的に洗浄して速やかにメンテナンスを行うことができ、プリント基板の実装不良を最小限に抑え、実装歩留りを向上させることも可能となる。
【0055】
このような本実施の形態は、プリント基板30へのリフローはんだ付け工程の実施中に、リアルタイムで基板搬送チェーン12のびびりを検出し、実装不良を最小限に抑えることができる他、実際のリフローはんだ付け工程の事前にダミー基板を投入しびびりの有無を確認する用途に用いることも可能である。この場合、正規のプリント基板30の実装不良を未然に回避することができる。
【0056】
なお、上記の実施の形態において、温度調節室11は本発明の温度調節室に相当し、基板搬送チェーン12は本発明の搬送チェーンに相当し、スプロケット13及び駆動モータ14を含む基板搬送チェーンの駆動機構は、本発明の搬送機構に相当する。
【0057】
又、基板搬送チェーン速度検出器19は本発明の速度検出器に相当し、洗浄制御部20は本発明の変化検出器に相当し、これらは本発明の検出部に相当する。
【0058】
又、表示装置21は本発明の表示部に相当し、基板搬送チェーン洗浄潤滑装置18は本発明のメンテナンス機構に相当する。
【0059】
しかし、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
【0060】
例えば、基板搬送チェーン速度検出器19は、図2(a)に示すように、スプロケット13との咬み合いが外れた箇所から、ガイドレール22の入口までの箇所に設け、この部分における基板搬送チェーン12の速度を検出するものとして説明を行ったが、基板搬送チェーン12のローラ12aと先端部19aとが接触、解除可能な箇所であれば、基板搬送チェーン12が成す搬送路の任意の箇所を速度検出の対象とできる。
【0061】
しかしながら、基板搬送チェーン12が成す搬送路のうち、温度調節室11の搬出口11bから搬入口11aまでの帰還経路は、プリント基板30を搬送する他の経路に比べてチェーンのテンションが低く、図に示すように、大きなたるみをもった状態であるのが普通である。したがって、精度の高い速度検出を行う場合は、一定以上のテンションが保たれている、駆動モータ14を起点とし、特に、搬入口11aの近傍から搬出口11b近傍までの位置にある基板搬送チェーン12を対象とすることが望ましい。従って、図1に示すように、ガイドレール22の出口から、搬出口11bまでの間に露出している基板搬送チェーン12の速度を検出できるような位置に設けるようにしてもよい。
【0062】
さらに、図2(a)の矢印Bにて示すように、基板搬送チェーン12とスプロケット13とが噛み合う領域に基板搬送チェーン速度検出器19を設け、噛み合い状態にある基板搬送チェーンの速度を検出するようにしてもよい。この場合、スプロケット13上に基板搬送チェーン12が圧接された状態にあるため、先端部19aとローラ12aとの接触が安定し、より精度の高い速度検出が可能となる。図2(a)に示すスプロケット13のみならず、駆動モータ14他、基板搬送チェーン12が噛み合う、又は接触して駆動又は従動する他のスプロケットや転輪が設けられた箇所を対象としても、同様の効果が得られる。
【0063】
さらに、ガイドレール22の一部を開口して、ガイドレール22内を移動する基板搬送チェーン12の速度を直接検出するようにしてもよい。びびりが最も直接的に影響を与える部分の速度を検出することとなり、さらにびびりの早期発見が可能となる。
【0064】
又、上記の説明においては、本発明の速度検出器として、基板搬送チェーン12と物理的に接触する、リミットスイッチとしての基板搬送チェーン速度検出器19を用いたが、速度検出器は、基板搬送チェーン12の速度を検出できれば、他の方法による構成であってもよい。
【0065】
ここで、図5に、そのような速度検出器の他の構成例を示す。図5において、光学センサー23は、発光部23aと、発光部23aと所定間隔を以て設けられた受光部23bとを有し、発光部23aと受光部23bとの成す間隙を、スプロケット13の歯が通過する構成を有している。発光部23aからの発せられた光は間隙を通じて受光部23bにて受信され、信号出力を生成するが、スプロケット13の歯によって光路が遮蔽されることで、信号出力にON、OFFが生じ、スイッチとして作用することになる。本構成の場合、スプロケット13の回転速度を検出することにより、基板搬送チェーン12の速度を検出することになる。
【0066】
(実施の形態2)
本実施の形態2は、実施の形態1のリフローはんだ付け装置が、基板搬送チェーン12の速度を検出し、その変化に基づき、基板搬送チェーン12にびびりが生じているか否かを判断するのに対し、基板搬送チェーン12に生ずる振動を検出し、その変化に基づき、びびりが生じているか否かを判断することを特徴とする。
【0067】
図6は、本発明の実施の形態2にかかるリフローはんだ付け装置の全体構成を模式的に示した断面図である。図6において、図1と同一又は相当部には、同一符号を付し、詳細な説明は省略する。又、24は、基板搬送チェーン12の振動を検出する基板搬送チェーン振動検出器であり、洗浄制御部20は、検出された基板搬送チェーン12の振動に基づいて、その変化を検出し、その変化に応じて基板搬送チェーン洗浄潤滑装置18を動作させる。又、表示装置21は、基板搬送チェーン振動検出器24の検出結果、洗浄制御部20の制御内容等を表示する。
【0068】
以下、本発明の実施の形態2にかかるリフローはんだ付けの特徴部分の構成及び動作を説明するとともに、これにより、本発明のリフローはんだ付け方法の一実施の形態について説明を行う。
【0069】
次に、図7(a)に、上述の基板搬送チェーン振動検出器24を含む、リフローはんだ付け装置1の温度調節室11の搬入口11a周辺の構成を模式的に示す。図1と同一部には、同一符号を付した。
【0070】
基板搬送チェーン振動検出器24は、重量センサとして実現され、図7(a)に示すように、スプロケット13との噛み合わせが解除され、ガイドレール22内に侵入するまで露出している状態にある基板搬送チェーン12を載置するように配置されている。
【0071】
図7(b)に示すように、重量センサである基板搬送チェーン振動検出器24は、基板搬送チェーン12が直接載置される載置部24a、載置部24aに載置された基板搬送チェーン12の位置ずれを防ぐためのガイド部24b、及び載置部24aを移動可能に収納する本体部24cとから構成される。本体部24cは、基板搬送チェーン12を載置している載置部24aに加えられる重量を常時検知して、信号出力として洗浄制御部20へ出力する。
【0072】
したがって、基板搬送チェーン12の移動につれて、基板搬送チェーン振動検出器24は載置部24aに加えられる重量に応じた信号が出力されることにより、常に基板搬送チェーン12の移動方向に直交する、縦方向の揺れを検出していることになり、基板搬送チェーン12が正常に駆動しなくなった場合、その縦方向の揺れは変化し、信号の顕著な変化として現れることになる。
【0073】
図8に、表示装置21に表示される検出結果の一例を示す。
【0074】
時間Yまでは、基板搬送チェーン振動検出器24はより大きな振動量を検出しておらず、基板搬送チェーンが正常に駆動しているが、時間Y以降で大きな振動量を検出されている。これは基板搬送チェーン12が正常に駆動していないことを示す。
【0075】
この場合、基板搬送チェーン12にびびりが発生している可能性があるとみなして、洗浄制御部19は、この検出結果を受け、基板搬送チェーン洗浄潤滑装置18を起動させ、実施の形態1と同様にして、基板搬送チェーン12の矯正作業(付着、堆積物の除去)を行う。
【0076】
以上のように、本実施の形態のリフローはんだ付け装置によれば、基板搬送チェーン12の振動を常時検出することにより、基板搬送チェーン12のびびりの発生を、当該移動振動量の大きさの変動として早期に検出することが可能となる。したがって、この検出結果を利用して、基板搬送チェーン12を自動的に洗浄して速やかにメンテナンスを行うことができ、プリント基板の実装不良を最小限に抑え、実装歩留りを向上させることも可能となる。
【0077】
なお、上記の実施の形態において、基板搬送チェーン振動検出器24は本発明の接触センサに相当する。
【0078】
しかし、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
【0079】
例えば、実施の形態1と同様、基板搬送チェーン振動検出器24は、基板搬送チェーン12を載置部24aのみで載置することが可能な箇所であれば、基板搬送チェーン12が成す搬送路の任意の箇所を速度検出の対象とできる。
【0080】
しかしながら、微小な縦振動の変化を検出するには、基板搬送チェーン12が一定のテンションで張られた状態にある部分を対象とすることが望ましい。そこで、実施の形態1と同様、駆動モータ14を起点とし、特に、搬入口11aの近傍から搬出口11b近傍までの位置にある基板搬送チェーン12の振動を検出対象とすることが望ましい。又、図6に示すように、ガイドレール22の出口から、搬出口11bまでの間に露出している基板搬送チェーン12の速度を検出できるような位置に設けるようにしてもよい。
【0081】
さらに、ガイドレール22の一部を開口して、ガイドレール22内を移動する基板搬送チェーン12の振動を直接検出するようにしてもよい。
【0082】
又、上記の説明においては、本発明の振動検出器として、基板搬送チェーン12を載置してその重量の変化を検出する基板搬送チェーン振動検出器24を用いたが、振動検出器は、基板搬送チェーン12の縦方向の動きを検出できれば、他の方法による構成であってもよい。例えば、図5に示すような光学センサを用いることにより、基板搬送チェーン12の動きを光量変化として検出するようにしてもよい。
【0083】
(実施の形態3)
本実施の形態3は、実施の形態1、2が、汚れ等に起因する基板搬送チェーン12の速度、振動の変化を検出し、これに基づきびびりの発生の可能性を検出したのに対し、基板搬送チェーン12のたるみの変化を検出し、その変化に基づき、びびりが生じているか否かを判断することを特徴とする。
【0084】
図9は、本発明の実施の形態3にかかるリフローはんだ付け装置の全体構成を模式的に示した断面図である。図9において、図1と同一又は相当部には、同一符号を付し、詳細な説明は省略する。又、25は、基板搬送チェーン12のたるみの変化を検出する基板搬送チェーンたるみ検出器であり、洗浄制御部20は、検出された基板搬送チェーン12のたるみに応じて基板搬送チェーン洗浄潤滑装置18を動作させる。又、表示装置21は、基板搬送チェーンたるみ検出器25の検出結果、洗浄制御部20の制御内容等を表示する。
【0085】
実施の形態1にて説明したように、基板搬送チェーン12が成す搬送路のうち、温度調節室11の搬出口11bから搬入口11aまでの帰還経路は、プリント基板30を搬送する他の経路に比べてチェーンのテンションが低く、図9に示すように、たるみをもった状態にある。
【0086】
一方、基板搬送チェーン12に、びびりの原因となる汚損が発生すると、チェーンの全体長は縮み、テンションが生じる。これによって、図9の破線部に示すように、基板搬送チェーン12は、たるみが減少し、上方に向かって張るようになる。
【0087】
本実施の形態は、この基板搬送チェーン12の移動を検出することにより、びびりの発生の可能性を検出する。以下、本発明の実施の形態3にかかるリフローはんだ付けの特徴部分の構成及び動作を説明するとともに、これにより、本発明のリフローはんだ付け方法の一実施の形態について説明を行う。
【0088】
図10(a)(b)は、上述の基板搬送チェーンたるみ検出器25を含む、リフローはんだ付け装置1の、帰還経路周辺の構成を模式的に示す図である。基板搬送チェーンたるみ検出器25は、実施の形態2と同様の構成を有する重量センサとして実現されるが、図7(a)に示す例とは異なり、載置部を下向きにして設けられる。このとき載置部は、基板搬送チェーン12との接触の有無を検出する接触部25aとして機能する。
【0089】
また、基板搬送チェーンたるみ検出器25の配置位置は、たるみ状態にある基板搬送チェーンが懸垂線を形成しているとき、その最下点に対応する位置に設けるようにする。この最下点が、基板搬送チェーン12のたるみの変化による移動が顕著に現れるためである。
【0090】
図10(a)に示すように、基板搬送チェーン12が正常なたるみ状態にあるときは、基板搬送チェーンたるみ検出器25は、ガイド部のみ基板搬送チェーン12と接触し、接触部25aとは接触しないため、信号出力は発生しない。
【0091】
一方、図10(b)に示すように、基板搬送チェーン12に汚損等が生じて、テンションが発生してくると、基板搬送チェーン12は上方へ持ち上がり、基板搬送チェーンたるみ検出器25は、接触部25aが基板搬送チェーン12と接触し、信号出力を、洗浄制御部20へ出力する。
【0092】
洗浄制御部20は、信号出力の入力を受けると、基板搬送チェーン12にびびりが発生している可能性があるとみなして、この検出結果を受け、基板搬送チェーン洗浄潤滑装置18を起動させ、基板搬送チェーン12の矯正作業(付着、堆積物の除去)を行う。以後の動作は、実施の形態1、2と同様に行われる。
【0093】
以上のように、本実施の形態のリフローはんだ付け装置によれば、基板搬送チェーン12のたるみの変化を検出することにより、基板搬送チェーン12のびびりの発生を早期に検出することが可能となる。したがって、この検出結果を利用して、基板搬送チェーン12を自動的に洗浄して速やかにメンテナンスを行うことができ、プリント基板の実装不良を最小限に抑え、実装歩留りを向上させることも可能となる。
【0094】
なお、上記の実施の形態において、基板搬送チェーンたるみ検出器25は本発明のたるみ検出器に相当する。
【0095】
しかし、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
【0096】
基板搬送チェーンたるみ検出器25は、図9に示すように、基板搬送チェーン12のたるみが最も大きく現れている箇所の変化を検出するのが望ましいが、たるみの変化を検出することが可能な箇所であれば、基板搬送チェーン12が成す搬送路の任意の箇所を速度検出の対象とできる。
【0097】
例えば、図11に示すように、スプロケット13との噛み合わせが解除され、ガイドレール22内に侵入するまで露出している状態にある基板搬送チェーン12と接触するような位置に設けるようにしてもよい。
【0098】
この場合の動作は以下のようになる。すなわち、基板搬送チェーン12が正常動作しているときは、スプロケット13からのかみ合わせが解除された状態でも、一定のたるみをもってガイドレール22側へ移動するため、基板搬送チェーン12は、基板搬送チェーンたるみ検出器25の接触部25a上を摺動する。
【0099】
一方、基板搬送チェーン12に汚損等が生じて、テンションが発生してくると、基板搬送チェーン12は上方へ持ち上がり、接触部25aとの接触が解除される。
【0100】
このように、接触部25aと基板搬送チェーン12との接触の有無によって信号出力を発生させることで、たるみの変化を検出することが可能となる。
【0101】
又、上記の説明においては、本発明のたるみ検出器として、基板搬送チェーン12との接触の有無で信号出力をON/OFFする基板搬送チェーンたるみ検出器25を用いたが、本発明のたるみ検出器は、基板搬送チェーン12のたるみの変化を検出できれば、レーザを用いた光学センサのように他の方法を用いた構成であってもよい。
【0102】
特に図11に示す構成例の場合は、基板搬送チェーンたるみ検出器25として、実施の形態2の基板搬送チェーン振動検出器24と兼用することができ、この場合、同一のセンサを、振動の変化の検出、及びたるみの変化の検出の双方に用いて、びびり発生の可能性をより精密に検出できる効果がある。
【0103】
又、上記の各実施の形態においては、基板搬送チェーン速度検出器19、基板搬送チェーン振動検出器24、及び基板搬送チェーンたるみ検出器25のそれぞれの検出結果は、洗浄制御部20によって、正常状態との比較に用いられ、洗浄制御部20からの制御によって、基板搬送チェーン洗浄潤滑装置18を自動的に動作させるものとして説明を行ったが、洗浄制御部20は省略し、各検出器の検出結果を直接表示装置21に表示させるようにしてもよい。この場合、図3及び図8に示される時間X、時間Yは、装置の利用者の目視によって判断され、基板搬送チェーン洗浄潤滑装置18の起動は、当該利用者の手作業により行われることとなる。
【0104】
さらに、表示装置21を省略して、各検出器の検出結果は、リフローはんだ付け装置の外部へ出力するようにしてもよい。この場合、リフローはんだ付け装置をネットワーク接続等して管理している場合、基板搬送チェーンのびびりを遠隔検知できる効果を有する。
【0105】
又、基板搬送チェーン洗浄潤滑装置18は、溶剤噴霧ノズル18a、洗浄ブラシ18bのみを備えて洗浄のみ行うものとしてもよいし、潤滑油噴霧ノズル18cのみを備え、給油のみ行う構成としても良い。
【0106】
更に、基板搬送チェーン洗浄潤滑装置18を省いた構成としてもよい。この場合、各検出器の検出結果に基づき、びびり発生の可能性を知ると、装置の利用者は、運転を停止して、手動で基板搬送チェーン12の洗浄等、メンテナンスを行うことが可能となる。
【0107】
又、リフローはんだ付けの対象物としてプリント基板30を一例としたが、リフローはんだ付けが可能なものであれば、対象物の構成、用途によらず、本発明は使用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0108】
本発明にかかるリフローはんだ付け装置及びリフローはんだ付け方法は、基板搬送チェーンに生ずるびびりを早期に検出することが可能な効果を有し、リフローはんだ付け装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】本発明の実施の形態1におけるリフローはんだ付け装置の全体構成を示す断面概略図である。
【図2】(a)本発明の実施の形態1におけるリフローはんだ付け装置1の温度調節室11の搬入口11a周辺の構成を模式的に示す図である。(b)基板搬送チェーン速度検出器19の構成及び動作を説明するための図である。(c)基板搬送チェーン速度検出器19の構成及び動作を説明するための図である。
【図3】本発明の実施の形態1における表示装置21に表示される検出結果の一例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1における基板搬送チェーン洗浄潤滑装置18の構成を模式的に示す図である。
【図5】基板搬送チェーン速度検出器の他の例を示す斜視概略図である。
【図6】本発明の実施の形態2におけるリフローはんだ付け装置の全体構成を示す断面概略図である。
【図7】(a)本発明の実施の形態2におけるリフローはんだ付け装置1の温度調節室11の搬入口11a周辺の構成を模式的に示す図である。(b)基板搬送チェーン振動検出器24の構成及び動作を説明するための図である。
【図8】本発明の実施の形態2における表示装置21に表示される検出結果の一例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態3におけるリフローはんだ付け装置の全体構成を示す断面概略図である。
【図10】(a)基板搬送チェーンたるみ検出器25の動作を説明するための図である。(b)基板搬送チェーンたるみ検出器25の構成及び動作を説明するための図である。
【図11】基板搬送チェーンたるみ検出器の他の例を示す斜視概略図である。
【図12】(a)従来の技術におけるリフローはんだ付け装置の全体構成を示す断面概略図である。(b)基板搬送チェーン102とスプロケット103との噛み合い不良を説明するための図である。
【符号の説明】
【0110】
1 リフローはんだ付け装置
12 基板搬送チェーン
13 スプロケット
14 駆動モータ
15 予備加熱室
16 本加熱室
17 冷却室
18 基板搬送チェーン洗浄潤滑装置
19 基板搬送チェーン速度検出器
20 洗浄制御部
21 表示装置
22 ガイドレール
23 光学センサ
24 基板搬送チェーン振動検出器
25 基板搬送チェーンたるみ検出器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リフローはんだ付けの温度環境を調整する温度調節室と、
前記温度調節室内にてリフローはんだ付けの対象物を搬送する搬送チェーン及び前記搬送チェーンを駆動する駆動部を有する搬送機構と、
(A)前記搬送チェーンの速度又は前記速度の変化、(B)前記搬送チェーンの振動量又は前記振動量の変化、及び(C)前記搬送チェーンのたるみの程度又は前記たるみの程度の変化、のいずれか1つを検出し、その結果を信号出力する検出部とを備えた、リフローはんだ付け装置。
【請求項2】
前記検出部は、前記搬送チェーンの速度、前記搬送チェーンの振動量、又は前記たるみの程度を検出する検出器と、
前記検出器の検出値に対応して、前記搬送チェーンの速度の前記変化、前記搬送チェーンの振動量の前記変化、又は前記たるみの程度の前記変化を検出する変化検出器とを備えた、請求項1に記載のリフロー半田付け装置。
【請求項3】
前記検出器は、前記搬送チェーンの速度を検出する速度検出器であって、
前記速度検出器は、前記リフローはんだ付け対象物を前記温度調節室への搬入口から前記温度調節室の搬出口に搬送する経路上の前記搬送チェーンの速度を検出する、請求項2に記載のリフローはんだ付け装置。
【請求項4】
前記搬送機構は、前記搬送チェーンをその搬送方向に導くガイドレールを有し、
前記速度検出器は、前記温度調節室への搬入口から前記ガイドレールの入口までの間、又は前記ガイドレールの出口から前記温度調節室への搬出口までの間における、前記搬送チェーンの速度を検出する、請求項3に記載のリフロー半田付け装置。
【請求項5】
前記駆動部は、前記搬送チェーンを駆動する、又は前記搬送チェーンに従動するスプロケットを有し、
前記速度検出器は、前記搬送チェーンと前記スプロケットとが噛み合う領域の前記搬送チェーンの速度を検出する、請求項3に記載のリフローはんだ付け装置。
【請求項6】
前記速度検出器は、前記搬送チェーンに接触し、前記搬送チェーンの移動によりON/OFFが切り替わるスイッチである、請求項3に記載のリフローはんだ付け装置。
【請求項7】
前記駆動部は、前記搬送チェーンを駆動する、又は前記搬送チェーンに従動するスプロケットを有し、
前記検出器は、前記スプロケットの歯の移動を検出することにより、前記搬送チェーンの速度を検出する速度検出器である、請求項2に記載のリフローはんだ付け装置。
【請求項8】
前記検出器は、前記搬送チェーンの振動量を検出する振動検出器であって、
前記振動検出器は、前記リフローはんだ付け対象物を前記温度調節室への搬入口から前記温度調節室の搬出口に搬送する経路上の前記搬送チェーンの振動を検出する、請求項2に記載のリフローはんだ付け装置。
【請求項9】
前記搬送機構は、前記搬送チェーンをその搬送方向に導くガイドレールを有し、
前記振動検出器は、前記温度調節室への搬入口から前記ガイドレールの入口までの間、又は前記ガイドレールの出口から前記温度調節室への搬出口までの間における、前記搬送チェーンの振動を検出する、請求項8に記載のリフロー半田付け装置。
【請求項10】
前記振動検出器は、前記搬送チェーンに接触してその振動が伝達される接触センサである、請求項8に記載のリフローはんだ付け装置。
【請求項11】
前記検出器は、前記搬送チェーンのたるみの程度を検出するたるみ検出器であって、
前記たるみ検出器は、前記温度調節室からの搬出口から前記温度調節室の搬入口に至る帰還経路における、前記搬送チェーンのたるみの程度を検出する、請求項2に記載のリフローはんだ付け装置。
【請求項12】
前記たるみ検出器は、前記帰還経路上にて前記搬送チェーンが形成する懸垂線の最も低い位置の高さを検出する、請求項11に記載のリフローはんだ付け装置。
【請求項13】
前記検出部の検出した結果を表示する表示部を更に備えた、請求項1に記載のリフローはんだ付け装置。
【請求項14】
前記検出部の検出結果が、予め決められた条件より外れた場合に、前記搬送チェーンに対し洗浄及び給油の少なくとも一方を行うメンテナンス機構を更に備えた、請求項1に記載のリフローはんだ付け装置。
【請求項15】
リフローはんだ付けの温度環境を調整する工程と、
調整された前記温度環境下で、リフローはんだ付けの対象物を、搬送チェーンを駆動することにより搬送する工程と、
前記搬送チェーンの駆動が行われている間に、(A)搬送チェーンの速度又は前記速度の変化、(B)前記搬送チェーンの振動量又は前記振動量の変化、又は(C)前記搬送チェーンのたるみの程度又は前記たるみの程度の変化、のいずれかを検出する工程と、
前記検出の結果を信号出力する工程とを備えた、リフローはんだ付け方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−166450(P2008−166450A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−353486(P2006−353486)
【出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】